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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040369
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】経口固体製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/20 20060101AFI20240315BHJP
   A61K 31/50 20060101ALI20240315BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240315BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20240315BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240315BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20240315BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240315BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240315BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240315BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20240315BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20240315BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20240315BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
A61K9/20
A61K31/50
A61K45/00
A61K47/02
A61K47/10
A61K47/12
A61K47/36
A61K47/38
A61P25/00
A61P25/02
A61P25/04
A61P25/20
A61P25/22
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024019392
(22)【出願日】2024-02-13
(62)【分割の表示】P 2022552821の分割
【原出願日】2021-03-03
(31)【優先権主張番号】P 2020037177
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】波々伯部 美幸
(72)【発明者】
【氏名】末原 徹也
(72)【発明者】
【氏名】原田 和樹
(57)【要約】
【課題】ピリダジノン誘導体であるDAAO阻害剤の、より保存安定性のある経口固体製剤を提供すること。
【解決手段】本明細書では、D-アミノ酸オキシダーゼ(DAAO)阻害剤、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)、および添加剤を含む経口固体製剤であって、DAAO阻害剤がピラダジノン誘導体である経口固体剤形、これを生成するための方法、ならびにDAAO阻害剤を使用して予防可能なまたは処置可能な疾患の予防または処置でこれを使用する方法が開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれる2020年3月4日に出願された日本国特許出願第2020-037177号に対する優先権の利益を主張する。
【0002】
本開示は、D-アミノ酸オキシダーゼ(DAAO)阻害剤、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)、および添加剤を含む経口固体製剤であって、DAAO阻害剤がピラダジノン誘導体である経口固体剤形、その生成方法、およびその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
国際公開第2013/027000号、国際公開第2015/132608号、国際公開第2013/073577号、国際公開第2014/096757号、および国際公開第2019/076329号は、ピリダジノン誘導体であるDAAO阻害剤を開示する。DAAO阻害剤は、シナプス間隙からD-セリン(D-SER)を除去する酵素であるDAAOの活性を低減する効果を有する。DAAO阻害剤は、統合失調症、統合失調症様障害、統合失調感情障害、認知障害、疼痛、運動失調障害、および同様のものの予防および/または処置に有効であり得る。
【0004】
本開示の発明者らは、ピリダジノン誘導体であるDAAO阻害剤を含む経口固体製剤に関して、様々な研究を実行してきた。本発明者らは、これらの経口固体製剤が不安定であり、高湿度で保存した後に溶解遅延を示すことを見出した。この保存不安定性は、消化管での経口固体製剤の溶解を低減し、体内に吸収される活性成分の量を低減し、薬物の有効性を低減する。したがって本開示の目的は、ピリダジノン誘導体であるDAAO阻害剤の、より保存安定性のある経口固体製剤を提供することである。
【0005】
上記安定性の問題を解決する精力的な研究の結果、本開示の発明者らは、低置換ヒドロキシプロピルセルロースを使用することによって、優れた保存安定性を有する経口固体製剤を提供することが可能であることを決定した。これらの経口固体製剤は、統合失調症、運動失調障害、および同様のものなど、DAAO阻害剤により処置可能なまたは予防可能な疾患の処置に有用であり得る。
【0006】
本開示の一部の実施形態は、活性成分としてピリダジノン誘導体であるDAAO阻害剤を含む経口固体製剤であって、望ましい保存安定特性を保有する経口固体剤形を提供する。例えば、本開示の経口固体製剤は、高湿度で、例えば90%RHで、例えば2週間にわたり保存した後であっても、優れた活性成分溶解特性を示すことができる。さらに、高い含量(例えば、50重量%またはそれよりも多い)のDAAO阻害剤を含む本開示の経口固体製剤は、保存後に優れた溶解特性を示してもよい。高いDAAO阻害剤含量は、患者のコンプライアンスを潜在的に改善する、経口固体製剤の小型化を可能にし得る。
本開示で使用されるピリダジノン誘導体であるDAAO阻害剤の非限定的な例には、国際公開第2013/027000号、国際公開第2015/132608号、国際公開第2013/073577号、国際公開第2014/096757号、国際公開第2019/076329号、および同様のものに記載される化合物が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2013/027000号
【特許文献2】国際公開第2015/132608号
【特許文献3】国際公開第2013/073577号
【特許文献4】国際公開第2014/096757号
【特許文献5】国際公開第2019/076329号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書には、D-アミノ酸オキシダーゼ(DAAO)阻害剤、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)、および添加剤を含む経口固体製剤であって、DAAO阻害剤がピリダジノン誘導体である経口固体製剤が開示される。
【0009】
一部の実施形態では、経口固体製剤は錠剤である。一部の実施形態では、経口固体製剤は糖衣錠である。一部の実施形態では、経口固体製剤はフィルムコーティング錠である。
【0010】
一部の実施形態では、製剤単位当たりの経口固体製剤の全重量は、100mg~2000mgの範囲にある。
【0011】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり10mg~1000mgのDAAO阻害剤を含む。一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり50mg~600mgのDAAO阻害剤を含む。一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり10mgのDAAO阻害剤を含む。一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり25mgのDAAO阻害剤を含む。一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり50mgのDAAO阻害剤を含む。一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり100mgのDAAO阻害剤を含む。一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり125mgのDAAO阻害剤を含む。一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり250mgのDAAO阻害剤を含む。
【0012】
一部の実施形態では、DAAO阻害剤は、本明細書に開示される式(I)の化合物、およびその薬学的に許容される塩から選択される。
【0013】
一部の実施形態では、DAAO阻害剤は、4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン(「化合物(A)」)およびその薬学的に許容される塩から選択される。一部の実施形態では、DAAO阻害剤は化合物(A)である。一部の実施形態では、化合物(A)は溶媒和物の形態をとる。一部の実施形態では、化合物(A)は非溶媒和物の形態をとる。一部の実施形態では、化合物(A)は、化合物(A)の結晶質形態の形態をとる。一部の実施形態では、化合物(A)は、化合物(A)の非晶質形態の形態をとる。
【0014】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり、化合物(A)およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1種の化合物を、10mg~1000mg含む。一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり、化合物(A)およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1種の化合物を50mg~600mg含む。一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり、化合物(A)およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1種の化合物を10mg含む。一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり、化合物(A)およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1種の化合物を25mg含む。一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり、化合物(A)およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1種の化合物を50mg含む。一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり、化合物(A)およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1種の化合物を100mg含む。一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり、化合物(A)およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1種の化合物を125mg含む。一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり、化合物(A)およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1種の化合物を250mg含む。
【0015】
一部の実施形態では、DAAO阻害剤は、本明細書に開示される式(I)-aの化合物およびその薬学的に許容される塩から選択される。
【0016】
一部の実施形態では、固体経口製剤は、1つのタイプのL-HPCを含む。一部の実施形態では、固体経口製剤は、2つまたはそれよりも多くのタイプのL-HPCを含む。
【0017】
一部の実施形態では、L-HPCは、乾燥重量で5.0%~16.0%のヒドロキシプロポキシ基を含む。
【0018】
一部の実施形態では、L-HPCは、L-HPC LH-11、L-HPC LH-21、LH-31、L-HPC LH-22、L-HPC LH-32、および前述のいずれかの組合せから選択される。一部の実施形態では、L-HPCはL-HPC LH-21である。
【0019】
一部の実施形態では、経口固体製剤中のL-HPCの含量は、1重量%~20重量%である。
【0020】
一部の実施形態では、添加剤は、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、滑剤、着色剤、pH調節剤、界面活性剤、安定化剤、酸味料、甘味料、着香料、コーティング剤、コーティング添加剤、および前述のいずれかの組合せから選択される。一部の実施形態では、添加剤は、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、および前述のいずれかの組合せから選択される。
【0021】
一部の実施形態では、添加剤は充填剤を含む。一部の実施形態では、充填剤はD-マンニトールである。一部の実施形態では、充填剤が結晶セルロースである。一部の実施形態では、充填剤の含量は、10重量%~65重量%である。一部の実施形態では、充填剤の含量は、10重量%~85重量%である。一部の実施形態では、充填剤の含量は25重量%~65重量%である。一部の実施形態では、充填剤の含量は25重量%~85重量%である。
【0022】
一部の実施形態では、添加剤は結合剤を含む。一部の実施形態では、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースである。一部の実施形態では、結合剤の含量が0.5重量%~20重量%である。
【0023】
一部の実施形態では、添加剤がコーティング剤を含む。一部の実施形態では、コーティング剤は、水溶性フィルムコーティング剤から選択される。一部の実施形態では、添加剤はさらに、コーティング添加剤を含む。一部の実施形態では、コーティング添加剤は、遮光剤、着色剤、可塑剤、有機酸、および前述のいずれかの組合せから選択される。
【0024】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、
30重量%~60重量%の化合物(A);
3重量%~15重量%のL-HPC;
15重量%~65重量%の充填剤;
1重量%~10重量%の結合剤;および
0.2重量%~3重量%の滑沢剤
を含む。
【0025】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、
3重量%~60重量%の化合物(A);
3重量%~15重量%のL-HPC;
25重量%~85重量%の充填剤;
1重量%~10重量%の結合剤;および
0.2重量%~3重量%の滑沢剤
を含む。
【0026】
一部の実施形態では、充填剤は、マンニトールおよび結晶セルロースである。
【0027】
一部の実施形態では、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースである。
【0028】
一部の実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0029】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、フィルムコーティングをさらに含む。
【0030】
一部の実施形態では、フィルムコーティングは、コーティング剤およびコーティング添加剤を含む。一部の実施形態では、フィルムコーティングは、コーティング剤および遮光剤を含む。一部の実施形態では、フィルムコーティングは、コーティング剤、遮光剤、および着色剤を含む。
【0031】
一部の実施形態では、コーティング剤は、セルロース系ポリマーから選択される。一部の実施形態では、コーティング剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびこれらの組合せである。一部の実施形態では、コーティング剤は、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースである。一部の実施形態では、コーティング剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0032】
一部の実施形態では、フィルムコーティングは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、二酸化チタン、およびヒドロキシプロピルセルロースを含む。
【0033】
一部の実施形態では、パドル法(75rpm、0.5%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む、900mLの0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)を使用)を使用して本開示の経口固体製剤の溶解試験を行った場合DAAO阻害剤の70%またはそれよりも多くが30分以内に溶解する。
【0034】
一部の実施形態では、40℃/90%相対湿度で2週間にわたり保存した後、パドル法(50rpm、0.1%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む、900mLの0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)を使用)を使用して本開示の経口固体製剤の溶解試験を行った場合、DAAO阻害剤の70%またはそれよりも多くが30分以内に溶解する。一部の実施形態では、経口固体製剤は、ガラス瓶に入っており、溶解試験を行う前に、キャップなしで2週間、40℃/90%相対湿度で保存される。
【0035】
一部の実施形態では、40℃/90%相対湿度で2週間にわたり保存した後、パドル法(50rpm、900mLの0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)を使用)を使用して本開示の経口固体製剤の溶解試験を行った場合、DAAO阻害剤の70%またはそれよりも多くが30分以内に溶解する。一部の実施形態では、経口固体製剤はガラス瓶に入っており、溶解試験を行う前に、キャップなしで2週間、40℃/90%相対湿度で保存される。
【0036】
一部の実施形態では、40℃/90%相対湿度で2週間にわたり保存した後、パドル法(50rpm、0.2%の臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)を含む、900mLの0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)を使用)を使用して本開示の経口固体製剤の溶解試験を行った場合、DAAO阻害剤の70%またはそれよりも多くが30分以内に溶解する。一部の実施形態では、経口固体製剤は、ガラス瓶に入っており、溶解試験を行う前に、キャップなしで2週間、40℃/90%相対湿度で保存される。
【0037】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、本明細書に記載される、例えば本開示の実施例に記述される、特定の製剤である。一部の実施形態では、経口固体製剤は、表2に記載される組成を有する。一部の実施形態では、経口固体製剤は、表3に記載される組成を有する。一部の実施形態では、経口固体製剤は、表4に記載される組成を有する。一部の実施形態では、経口固体製剤は、表5に記載される組成を有する。一部の実施形態では、経口固体製剤は、表6に記載される組成を有する。一部の実施形態では、経口固体製剤は、表7に記載される組成を有する。一部の実施形態では、経口固体製剤は、表8に記載される組成を有する。一部の実施形態では、経口固体製剤は、表9に記載される組成を有する。一部の実施形態では、経口固体製剤は、表10に記載される組成を有する。一部の実施形態では、経口固体製剤は、表11に記載される組成を有する。一部の実施形態では、経口固体製剤は、表12に記載される組成を有する。一部の実施形態では、経口固体製剤は、表13に記載される組成を有する。
【0038】
一部の実施形態では、本開示の経口固体製剤は、1つまたはそれよりも多くのその他のタイプの薬物と組み合わせて使用することができる。
【0039】
本明細書には、本明細書に記載される経口固体製剤を調製する方法も開示される。
【0040】
一部の実施形態では、方法は、
DAAO阻害剤および添加剤を混合して、混合物を得ること;
混合物を造粒して、少なくとも1種の顆粒を得ること;
少なくとも1種の顆粒とL-HPCとを混合して、少なくとも1種の混合顆粒を得ること;および
少なくとも1種の混合顆粒を圧縮すること
を含む。
【0041】
本明細書には、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤により予防可能なまたは処置可能な疾患を処置する、予防するまたは処置することを必要とする哺乳動物においてD-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤により予防可能なまたは処置可能な疾患を処置する、予防するまたは処置する方法であって、本明細書に記載される経口固体製剤を哺乳動物に投与することを含む方法も開示される。
【0042】
一部の実施形態では、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤により予防可能なまたは処置可能な疾患は、統合失調症およびその他の精神障害、認知症およびその他の認知障害、不安障害、気分障害、睡眠障害、一般に幼児期、小児期、または思春期で最初に診断される障害、疼痛、神経変性障害、および運動失調障害から選択される。
【0043】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、別の活性医薬成分(即ち、併用薬)と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、経口固体製剤および併用薬は、同時に投与される。一部の実施形態では、経口固体製剤および併用薬は、異なる時間に投与される。一部の実施形態では、経口固体製剤および併用薬は、同じ製剤として投与される。一部の実施形態では、経口固体製剤および併用薬は、異なる製剤として投与される。
【発明を実施するための形態】
【0044】
例示的実施形態1:
限定するものではないが、本開示の一部の実施形態は下記を含む:
1. D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)、および添加剤を含む経口固体製剤であって、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤がピリダジノン誘導体である、経口固体製剤。
2. 添加剤が、充填剤、結合剤、崩壊剤、および滑沢剤から選択される、実施形態1による経口固体製剤。
3. 経口固体製剤が錠剤である、実施形態1または2による経口固体製剤。
4. ピリダジノン誘導体が、4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オンである、実施形態1から3のいずれか1つによる経口固体製剤。
5. 経口固体製剤が、製剤単位当たり10mg~1000mgのD-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤を含む、実施形態1から4のいずれか1つによる経口固体製剤。
6. L-HPCが、乾燥重量で5.0%~16.0%のヒドロキシプロポキシ基を含む、実施形態1による経口固体製剤。
7. パドル法(75rpm、0.05%の臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)を含む0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)、900mLを使用)を使用して溶解試験を行った場合、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤の70%またはそれよりも多くが30分以内に溶解する、実施形態1から6のいずれか1つによる経口固体製剤。
8. 40℃/90%相対湿度で2週間保存した後、パドル法(50rpm、0.1%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む、900mLの0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)を使用)を使用して溶解試験を行った場合、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤の70%またはそれよりも多くが30分以内に溶解する、実施形態1から6のいずれか1つによる経口固体製剤。
9. 実施形態1による経口固体製剤を生成するための方法であって、
a)D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤および添加剤を混合するためのステップ;
b) ステップa)で得られた混合物を造粒するためのステップ;
c) ステップb)で得られた顆粒およびL-HPCを混合するためのステップ;ならびに
d) ステップc)で得られた、混合顆粒を圧縮するためのステップ
を含む、方法。
10. ステップa)が、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤、L-HPC、および添加剤を混合するためのステップである、実施形態9による方法。
11. 高剪断造粒法がステップb)で使用される、実施形態9または10による方法。
12. 経口固体製剤が、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤により予防可能なまたは処置可能な疾患を予防するまたは処置するのに使用される、実施形態1による経口固体製剤。
13. D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤により予防可能なまたは処置可能な疾患を予防するまたは処置するための方法であって、実施形態1による経口固体製剤を哺乳動物に投与することを含む、方法。
例示的実施形態2:
【0045】
限定するものではないが、本開示の一部の実施形態は、下記を含む:
1. DAAO阻害剤、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)、および添加剤を含む経口固体製剤であって、DAAO阻害剤がピリダジノン誘導体である、経口固体製剤。
2. 経口固体製剤が錠剤である、実施形態1による経口固体製剤。
3. 経口固体製剤がフィルムコーティング錠である、実施形態1または2による経口固体製剤。
4. 添加剤が、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、および前述のいずれかの組合せから選択される、実施形態1から3のいずれか1つによる経口固体製剤。
5. 充填剤が、マンニトール、結晶セルロース、デンプン、および前述のいずれかの組合せから選択される、実施形態4による経口固体製剤。
6. 充填剤が、マンニトールおよび結晶セルロースである、実施形態4または5による経口固体製剤。
7. 充填剤の含量が10重量%~65重量%である、実施形態4から6のいずれか1つによる経口固体製剤。
8. 充填剤の含量が10重量%~85重量%である、実施形態4から6のいずれか1つによる経口固体製剤。
9. 充填剤の含量が25重量%~85重量%である、実施形態4から6のいずれか1つによる経口固体製剤。
10. 結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロースである、実施形態4から9のいずれか1つによる経口固体製剤。
11. 結合剤の含量が、0.5重量%~20重量%である、実施形態4から10のいずれか1つによる経口固体製剤。
12. 滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、実施形態4から11のいずれか1つによる経口固体製剤。
13. 滑沢剤の含量が、0.1重量%~5重量%である、実施形態4から12のいずれか1つによる経口固体製剤。
14. DAAO阻害剤が、式(I):
【化1】
[式中:
は、水素、フッ素、またはトリフルオロメチルであり;
は、-XYR基から選択され;
XおよびYは独立して、結合、酸素、-C(O)、-S(O)基、-C(O)NR基、-S(O)NR基、-NR基、
【化2】
および-CR-基から選択され、ここで:
XおよびYは共に結合ではなく;そして
XもYも結合ではない場合、XおよびYのうちの少なくとも1つは-CR-基から選択され;
nは、0、1、または2であり;
各Rは独立して、水素、C~Cアルキル基、およびC~Cハロアルキル基から選択され;
各Rは独立して、水素、C~Cアルキル基、C~Cハロアルキル基、および=CH-から選択され;
は、3~10員の飽和または不飽和炭素環式または複素環式環系から選択され、この環系は、ハロゲン基、ヒドロキシル、シアノ、オキソ、C~Cアルキル基、C~Cアルケニル基、C~Cハロアルキル基、C~Cヒドロキシアルキル基、C~Cアルコキシ基、C~Cハロアルコキシ基、C~Cアルキルチオ基、C~Cアルキルスルフィニル基、C~Cアルキルスルホニル基、C~Cアルキルカルボニル基、C~Cアルキルカルボニルオキシ基、C~Cアルコキシカルボニル基、アミノ、-CON(R基、C~Cアルキルアミノ基、ジ-(C~Cアルキル)アミノ基、C~Cシクロアルキル基、C~Cシクロアルキルオキシ基、C~Cシクロアルキルメチル基、-[O]p-(CH)q-O-R基、ならびにC~Cアルキル基およびC~Cアルコキシ基から選択される少なくとも1個の置換基により必要に応じて置換された4~6員の飽和または不飽和複素環式環から選択される少なくとも1個の置換基により必要に応じて置換され;
各Rは独立して、水素およびC~Cアルキル基から選択され;
pは、0または1であり;
qは、1、2、3、または4であり;そして
は、C~Cアルキル基から選択される]
の化合物、およびその薬学的に許容される塩から選択される、実施形態1から13のいずれか1つによる経口固体製剤。
15. DAAO阻害剤が、
4-ヒドロキシ-6-(2-フェニルエチル)ピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
6-[(4-クロロベンジル)スルファニル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(3-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(2-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(3,4-ジフルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-シクロヘキシルエチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-シクロプロピルエチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-シクロペンチルエチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-[2-(4-メトキシシクロヘキシル)エチル]ピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(2,4-ジフルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-{2-[3-(ジフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-ベンジル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(3-クロロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(1-フェニルシクロプロピル)ピリダジン-3(2H)-オン;4-[2-(5-ヒドロキシ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-3-イル)エチル]ベンゾニトリル;
6-[2-(3-フルオロ-4-メチルフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)オン;
6-[2-(4-クロロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(2-クロロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
6-(4-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(4-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[1-(4-フルオロフェニル)シクロプロピル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[1-(4-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
6-((シクロプロピルメチル)(メチル)アミノ)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)オン;
6-((シクロヘキシルメチル)(メチル)アミノ)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(3-クロロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(4-クロロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(シクロヘキシルメチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(4-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-クロロ-6-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-クロロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(3-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(4-メチルベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(3-メチルベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(3-(トリフルオロメチル)ベンジル)ピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-[2-(オキサン-4-イル)エチル]ピリダジン-3(2H)-オン;
6-{[(4-フルオロフェニル)メチル](メチル)アミノ}-4-ヒドロキシ-ピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(2,6-ジフルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシ-ピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシ-ピリダジン-3(2H)-オン;
6-{[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(1-フェニルエチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(シクロプロピルメチル)-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
4-ヒドロキシ-6-{1-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
6-{2-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
6-{2-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
6-{2-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
6-{2-[2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-ピリダジン-3-オン;
6-{2-[3,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
4-ヒドロキシ-6-(3-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)ピリダジン-3(2H)-オン;
3,4-ビス(ベンジルオキシ)-6-((3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)ピリダジン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[2-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
6-{2-[3,5-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;および
6-{2-[3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン、ならびに前述のいずれかの薬学的に許容される塩から選択される、実施形態1から14のいずれか1つによる経口固体製剤。
16. DAAO阻害剤が、
6-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
6-(4-クロロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン、および4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン、ならびに
前述のいずれかの薬学的に許容される塩
から選択される、実施形態1から15のいずれか1つによる経口固体製剤。
17. DAAO阻害剤が、4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オンおよびその薬学的に許容される塩から選択される、実施形態1から16のいずれか1つによる経口固体製剤。
18. DAAO阻害剤が、4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オンである、実施形態1から17のいずれか1つによる経口固体製剤。
19. DAAO阻害剤が、式(I)-a:
【化3】
[式中、
1aは、水素、フッ素、またはトリフルオロメチルであり;
2aは、C~Cアルキル基、C~Cシクロアルキル基、およびテトラヒドロピラニルから選択され、そのそれぞれは、少なくとも1個の置換基で必要に応じて置換されていてもよく、またはR2aは、-NR3a4a基から選択され;
3aおよびR4aは独立して、水素およびC~Cアルキル基から選択され、またはR3aおよびR4aは、結合された窒素原子と一緒に4~8員の飽和または不飽和複素環式環を形成し、および各アルキル基または複素環式環は、少なくとも1個の置換基により必要に応じて置換されていてもよく;ならびに
2a、R3a、およびR4aに関する必要に応じた置換基は独立して、ハロゲン基、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシル、C~Cアルキル基、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、C~Cアルコキシ基、ジフルオロメトキシ、およびトリフルオロメトキシから選択され、但し化合物は、
2,3-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-6-モルホリノピリダジン-3-オンでも、
6-アミノ-4-ヒドロキシ-ピリダジノンでも
ないことを前提とする]
の化合物、およびその薬学的に許容される塩から選択される、実施形態1から13のいずれか1つによる経口固体製剤。
20. DAAO阻害剤が、
6-エチル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(3-メチルブチル)ピリダジン-3(2H)-オン;
6-シクロプロピル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(2-メチルプロピル)ピリダジン-3(2H)-オン;
6-シクロペンチル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)オン;
6-シクロヘキシル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-イソプロピルピリダジン-3(2H)-オン;
6-(アゼチジン-1-イル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(ジメチルアミノ)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(メチル(プロピル)アミノ)ピリダジン-3(2H)-オン;
6-(エチル(メチル)アミノ)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(ピペリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン;
6-tert-ブチル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;および
4-ヒドロキシ-6-イソプロピルピリダジン-3(2H)-オン、ならびに
前述のいずれかの薬学的に許容される塩
から選択される、実施形態1から13または19のいずれか1つによる経口固体製剤。
21. 経口固体製剤が、製剤単位当たり10mg~1000mgのDAAO阻害剤を含む、実施形態1から20のいずれか1つによる経口固体製剤。
22. 経口固体製剤が、製剤単位当たり100mg~500mgのDAAO阻害剤を含む、実施形態1から21のいずれか1つによる経口固体製剤。
23. 経口固体製剤が、製剤単位当たり10mgのDAAO阻害剤を含む、実施形態1から21のいずれか1つによる経口固体製剤。
24. 経口固体製剤が、製剤単位当たり25mgのDAAO阻害剤を含む、実施形態1から21のいずれか1つによる経口固体製剤。
25. 経口固体製剤が、製剤単位当たり50mgのDAAO阻害剤を含む、実施形態1から21のいずれか1つによる経口固体製剤。
26. 経口固体製剤が、製剤単位当たり100mgのDAAO阻害剤を含む、実施形態1から21のいずれか1つによる経口固体製剤。
27. DAAO阻害剤の含量が1重量%~65重量%である、実施形態1から26のいずれか1つによる経口固体製剤。
28. DAAO阻害剤が、化合物(A)およびその薬学的に許容される塩から選択される、実施形態27による固体経口製剤。
29. 化合物(A)の含量が、3重量%~60重量%である、実施形態28による固体経口製剤。
30. 経口固体製剤が、化合物(A)およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1種の化合物を50mg含む、実施形態27から29のいずれか1つによる固体経口製剤。
31. DAAO阻害剤の含量が、30重量%~65重量%である、実施形態1から26のいずれか1つによる経口固体製剤。
32. DAAO阻害剤の含量が、30重量%~60重量%である、実施形態1から26のいずれか1つによる経口固体製剤。
33. DAAO阻害剤の含量が、20重量%~65重量%である、実施形態1から26のいずれか1つによる経口固体製剤。
34. DAAO阻害剤の含量が、20重量%~重量60重量%である、実施形態1から26のいずれか1つによる経口固体製剤。
35. L-HPCの1つのタイプが使用される、実施形態1から34のいずれか1つによる経口固体製剤。
36. L-HPCの2つまたはそれよりも多くのタイプが使用される、実施形態1から34のいずれか1つによる経口固体製剤。
37. L-HPCが、乾燥重量で5.0%~16.0%のヒドロキシプロポキシ基を含む、実施形態1から36のいずれか1つによる経口固体製剤。
38. L-HPCの含量が、1重量%~20重量%である、実施形態1から37のいずれか1つによる経口固体製剤。
39. L-HPCの含量が、3重量%~15重量%である、実施形態1から38のいずれか1つによる経口固体製剤。
40. 30重量%~60重量%の4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
3重量%~15重量%のL-HPC;
15重量%~65重量%の充填剤;
1重量%~10重量%の結合剤;および
0.2重量%~3重量%の滑沢剤
を含む経口固体製剤。
41. 20重量%~60重量%の4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
3重量%~15重量%のL-HPC;
15重量%~85重量%の充填剤;
1重量%~10重量%の結合剤;および
0.2重量%~3重量%の滑沢剤
を含む経口固体製剤。
42. 20重量%~60重量%の4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
3重量%~15重量%のL-HPC;
25重量%~85重量%の充填剤;
1重量%~10重量%の結合剤;および
0.2重量%~3重量%の滑沢剤
を含む経口固体製剤。
43. 充填剤が、マンニトール、結晶セルロース、デンプン、および前述のいずれかの組合せから選択される、実施形態40から42のいずれか1つによる経口固体製剤。
44. 充填剤が、マンニトールおよび結晶セルロースである、実施形態40から43のいずれか1つによる経口固体製剤。
45. 結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロースである、実施形態40から44のいずれか1つによる経口固体製剤。
46. 滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、実施形態40から45のいずれか1つによる経口固体製剤。
47. L-HPCが、L-HPC LH-21である、実施形態40から46のいずれか1つによる経口固体製剤。
48. 30重量%~60重量%の4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
3重量%~15重量%のL-HPC;
10重量%~50重量%のマンニトール;
5重量%~15重量%の結晶セルロース;
1重量%~10重量%のヒドロキシプロピルセルロース;および
0.2重量%~3重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む経口固体製剤。
49. 20重量%~60重量%の4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
3重量%~15重量%のL-HPC;
10重量%75重量%のマンニトール;
5重量%~15重量%の結晶セルロース;
1重量%~10重量%のヒドロキシプロピルセルロース;および
0.2重量%~3重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む経口固体製剤。
50. 20重量%~60重量%の4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
3重量%~15重量%のL-HPC;
15重量%~75重量%のマンニトール;
5重量%~15重量%の結晶セルロース;
1重量%~10重量%のヒドロキシプロピルセルロース;および
0.2重量%~3重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む経口固体製剤。
51. フィルムコーティングをさらに含む、実施形態1から50のいずれか1つによる経口固体製剤。
52. フィルムコーティングが、コーティング剤およびコーティング添加剤を含む、実施形態51による経口固体製剤。
53. コーティング添加剤が、遮光剤、着色剤、可塑剤、有機酸、および前述のいずれかの組合せから選択される、実施形態52による経口固体製剤。
54. フィルムコーティングが、コーティング剤および遮光剤を含む、実施形態51による経口固体製剤。
55. フィルムコーティングが、コーティング剤、遮光剤、および着色剤を含む、実施形態51による経口固体製剤。
56. フィルムコーティングが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、二酸化チタン、およびヒドロキシプロピルセルロースを含む、実施形態51による経口固体製剤。
57. D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤の70%またはそれよりも多くが、第1のパドル法を使用して第1の溶解試験を行った場合、30分以内に溶解する、実施形態1から56のいずれか1つによる経口固体製剤。
58. 第1のパドル法が、0.05%の臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)を含む900mLの0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)を使用して、75rpmでパドリングすることを含む、実施形態57による経口固体製剤。
59. 第2のパドル法を使用して第2の溶解試験を行った場合、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤の70%またはそれよりも多くが30分以内に溶解し、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤は、第2の溶解試験を行う前に40℃/90%相対湿度で2週間保存された、実施形態1から58のいずれか1つによる経口固体製剤。
60. 第2のパドル法は、0.1%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む900mLの0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)を使用して、50rpmでパドリングすることを含む、実施形態59による経口固体製剤。
61. 経口固体製剤は、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤により予防可能なまたは処置可能な疾患を予防するまたは処置するのに使用される、実施形態1から60のいずれか1つによる経口固体製剤。
62. D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤により予防可能なまたは処置可能な疾患が、統合失調症およびその他の精神障害、認知症およびその他の認知障害、不安障害、気分障害、睡眠障害、一般に幼児期、小児期、または思春期で最初に診断される障害、疼痛、神経変性障害、および運動失調障害から選択される、実施形態61による経口固体製剤。
63. 実施形態1から62のいずれか1つによる経口固体製剤を生成するための方法であって、
D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤および添加剤を混合して、混合物を得ること;
混合物を造粒して、少なくとも1種の顆粒を得ること;
少なくとも1種の顆粒およびL-HPCを混合して、少なくとも1種の混合顆粒を得ること;ならびに
少なくとも1種の混合顆粒を圧縮すること
を含む、方法。
64. D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤および添加剤を混合することが、L-HPCをD-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤および添加剤と混合することをさらに含む、実施形態63による方法。
65. 混合物を造粒することが、高剪断造粒を含む、実施形態63または64による方法。
66. D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤により予防可能なまたは処置可能な疾患を予防するまたは処置するための方法であって、実施形態1から60のいずれか1つによる経口固体製剤を、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤により予防可能なまたは処置可能な疾患を予防するまたは処置することを必要とする哺乳動物に投与することを含む、方法。
67. D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤により予防可能なまたは処置可能な疾患が、統合失調症およびその他の精神障害、認知症およびその他の認知障害、不安障害、気分障害、睡眠障害、一般に幼児期、小児期、または思春期で最初に診断される障害、疼痛、神経変性障害、および運動失調障害から選択される、実施形態66による方法。
定義:
【0046】
本明細書で使用される場合、「1つの(a)」または「1つの(an)」という実体は、その実体の1つまたはそれよりも多くを指し、例えば「化合物(a compound)」は、別段の記述がない限り、1つもしくはそれよりも多くの化合物または少なくとも1つの化合物を指す。したがって「1つの(a)」(または「1つの(an)」)、「1つまたはそれよりも多く」、および「少なくとも1つ」という用語は、本明細書では交換可能に使用される。
【0047】
本明細書で使用される場合、「活性医薬成分」(「API」)、「活性成分」、または「治療剤」という用語は、生物学的に活性の化合物を指す。
【0048】
本明細書で使用される場合、「添加剤」または「調製添加剤」は、医薬組成物を調製するのに有用な担体または賦形剤を指す。例えば添加剤は、一般に安全であり、哺乳動物の医薬品使用に許容されると一般にみなされる、担体および賦形剤を含む。非限定的な例として、添加剤は、凝集体において活性成分のビヒクルまたは媒体として働くことができる、固体、半固体、または液体材料であってもよい。添加剤の一部の例は、Remington's Pharmaceutical Sciencesおよびthe Handbook of Pharmaceutical Excipientsに見出され、希釈剤、ビヒクル、担体、軟膏ベース、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、滑剤、甘味剤、着香剤、ゲルベース、持続放出母材、安定化剤、保存剤、溶媒、懸濁剤、緩衝剤、乳化剤、色素、推進剤、コーティング剤、およびその他のものを含む。
【0049】
本明細書で使用される場合、対象(例えば、哺乳動物)へのAPIの「投与」は、APIを対象に導入または送達する任意の経路(例えば、経口送達)を指す。投与は、自己投与および他者による投与を含む。
【0050】
本明細書で使用される場合、「状態」、「障害」、または「疾患」は、任意の不健康なまたは異常な状態に関する。
【0051】
本明細書で使用される場合、「コア錠剤」または「素錠」は、充填剤、結合剤、崩壊剤、または滑沢剤などの添加剤をAPI(例えば、DAAO阻害剤)に添加し;混合し;および圧縮することによって得られた錠剤を指す。
【0052】
本明細書で使用される場合、「有効量」または「有効用量」は、単回または複数回用量投与時に、ある状態に罹っている対象を処置する分子の量を指す。有効量は、公知の技法の使用を通して診断専門医により、および類似の環境下で得られた結果を観察することにより、決定することができる。有効量の決定では、対象の種;そのサイズ、年齢、および全身の健康;関与する特定の状態、障害、または疾患;状態、障害、または疾患の関与の程度または重症度、個々の対象の応答;投与される特定化合物;投与形態;投与される製剤のバイオアベイラビリティ特性;選択される用量レジメン;併用薬剤の使用;およびその他の関連ある状況を含むがこれらに限定されないいくつかの因子が診断専門医により考慮される。
【0053】
本明細書で使用される場合、「mgの[X]」([X]はAPIである)に関して表される量は、[X]の遊離塩基に対して計算された、[X]のミリグラムを単位とした総量を指す。[X]が薬学的に許容される塩である場合、内部の遊離塩基の重量に対して等量の化合物(I)の1種またはそれよりも多くの薬学的に許容される塩が、存在していてもよい。
【0054】
本明細書で使用される場合、「増加する」という用語は、5%正に変化すること、10%正に変化すること、25%正に変化すること、30%正に変化すること、50%正に変化すること、75%正に変化すること、または100%正に変化することを含むがこれらに限定されない、少なくとも5%正に変化することを指す。
【0055】
本明細書で使用される場合、「哺乳動物」は、飼い馴らされた動物(例えば、イヌ、ネコ、およびウマ)およびヒトを指す。一部の実施形態では、哺乳動物はヒトである。
【0056】
本明細書で使用される場合、「調節する」という用語は、正にまたは負に変化することを指す。非限定的な例の調節は、1%の変化、2%の変化、5%の変化、10%の変化、25%の変化、50%の変化、75%の変化、または100%の変化を含む。
【0057】
本明細書で使用される場合、「患者」および「対象」という用語は、交換可能に使用され、例えばヒトなどの哺乳動物を指す。
【0058】
本明細書で使用される場合、「低減する」という用語は、5%負に変化すること、10%負に変化すること、25%負に変化すること、30%負に変化すること、50%負に変化すること、75%負に変化すること、または100%負に変化することを含むがこれらに限定されない、少なくとも5%負に変化することを指す。
【0059】
本明細書で使用される場合、「処置する」、「処置すること」、または「処置」という用語は、障害または状態に関連して使用されるとき、任意の効果、例えば、障害または状態の改善をもたらす減少、低減、調節、改善、または排除を含む。障害または状態の任意の症状の重症度の改善または減少は、当技術分野で公知の標準的な方法および技法に従い容易に評価することができる。
経口固体製剤
【0060】
本開示の一部の実施形態は、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)、および添加剤を含む経口固体製剤であって、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤がピリダジノン誘導体である経口固体製剤に関する。
【0061】
ピリダジノン誘導体であるDAAO阻害剤は、公知の方法、例えば国際公開第2013/027000号、国際公開第2013/073577号、国際公開第2014/096757号、国際公開第2019/076329号に記述される方法または該当する方法を使用して生成することができる。
【0062】
本開示の経口固体製剤の剤形には、限定するものではないが顆粒、錠剤(例えば、コア錠剤、フィルムコーティング錠)、および同様のものが含まれる。
【0063】
一部の実施形態では、DAAO阻害剤は、式(I):
【化4】
[式中:
は、水素、フッ素、またはトリフルオロメチルであり;
は、-XYR基から選択され;
XおよびYは、独立して、結合、酸素、-C(O)、-S(O)基、-C(O)NR基、-S(O)NR基、-NR基、
【化5】
および-CR-基から選択され、ここで:
XおよびYは、共に結合ではなく;そして
XもYも結合ではない場合、XおよびYのうちの少なくとも1つは-CR-基から選択され;
nは、0、1、または2であり;
各Rは、独立して、水素、C~Cアルキル基、およびC~Cハロアルキル基から選択され;
各Rは、独立して、水素、C~Cアルキル基、C~Cハロアルキル基、および=CH-から選択され;
は、3~10員の飽和または不飽和炭素環式または複素環式環系から選択され、この環系は、ハロゲン基、ヒドロキシル、シアノ、オキソ、C~Cアルキル基、C~Cアルケニル基、C~Cハロアルキル基、C~Cヒドロキシアルキル基、C~Cアルコキシ基、C~Cハロアルコキシ基、C~Cアルキルチオ基、C~Cアルキルスルフィニル基、C~Cアルキルスルホニル基、C~Cアルキルカルボニル基、C~Cアルキルカルボニルオキシ基、C~Cアルコキシカルボニル基、アミノ、-CON(R基、C~Cアルキルアミノ基、ジ-(C~Cアルキル)アミノ基、C~Cシクロアルキル基、C~Cシクロアルキルオキシ基、C~Cシクロアルキルメチル基、-[O]p-(CH)q-O-R基、ならびにC~Cアルキル基およびC~Cアルコキシ基から選択される少なくとも1個の置換基により必要に応じて置換された4~6員の飽和または不飽和複素環式環から選択される少なくとも1個の置換基により必要に応じて置換され;
各Rは独立して、水素およびC~Cアルキル基から選択され;
pは0または1であり;
qは1、2、3、または4であり;そして
は、C~Cアルキル基から選択される]
の化合物、およびその薬学的に許容される塩から選択される。
【0064】
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、
4-ヒドロキシ-6-(2-フェニルエチル)ピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
6-[(4-クロロベンジル)スルファニル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(3-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)オン;
6-[2-(2-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(3,4-ジフルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-シクロヘキシルエチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-シクロプロピルエチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-シクロペンチルエチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-[2-(4-メトキシシクロヘキシル)エチル]ピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(2,4-ジフルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-{2-[3-(ジフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-ベンジル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(3-クロロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(1-フェニルシクロプロピル)ピリダジン-3(2H)-オン;4-[2-(5-ヒドロキシ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-3-イル)エチル]ベンゾニトリル;
6-[2-(3-フルオロ-4-メチルフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)オン;
6-[2-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(4-クロロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(2-クロロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
6-(4-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(4-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[1-(4-フルオロフェニル)シクロプロピル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[1-(4-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
6-((シクロプロピルメチル)(メチル)アミノ)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-((シクロヘキシルメチル)(メチル)アミノ)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(3-クロロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(4-クロロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(シクロヘキシルメチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)オン;
6-(4-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-クロロ-6-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-クロロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(3-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(4-メチルベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(3-メチルベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)オン;
4-ヒドロキシ-6-(3-(トリフルオロメチル)ベンジル)ピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-[2-(オキサン-4-イル)エチル]ピリダジン-3(2H)-オン;
6-{[(4-フルオロフェニル)メチル](メチル)アミノ}-4-ヒドロキシ-ピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(2,6-ジフルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシ-ピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシ-ピリダジン-3(2H)-オン;
6-{[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(1-フェニルエチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(シクロプロピルメチル)-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
4-ヒドロキシ-6-{1-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
6-{2-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
6-{2-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
6-{2-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
6-{2-[2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-ピリダジン-3-オン;
6-{2-[3,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
4-ヒドロキシ-6-(3-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)ピリダジン-3(2H)-オン;
3,4-ビス(ベンジルオキシ)-6-((3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)ピリダジン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[2-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
6-{2-[3,5-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;および
6-{2-[3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
から選択される。
【0065】
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、
6-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン(本明細書では、「化合物(A)」と省略されることがある);
6-(4-クロロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;および
6-(2-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン
から選択される。
【0066】
一部の実施形態では、DAAO阻害剤は、
4-ヒドロキシ-6-(2-フェニルエチル)ピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
6-[(4-クロロベンジル)スルファニル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(3-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(2-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(3,4-ジフルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-シクロヘキシルエチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-シクロプロピルエチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-シクロペンチルエチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-[2-(4-メトキシシクロヘキシル)エチル]ピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(2,4-ジフルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-{2-[3-(ジフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-ベンジル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(3-クロロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(1-フェニルシクロプロピル)ピリダジン-3(2H)-オン;4-[2-(5-ヒドロキシ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-3-イル)エチル]ベンゾニトリル;
6-[2-(3-フルオロ-4-メチルフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(4-クロロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(2-クロロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
6-(4-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(4-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[1-(4-フルオロフェニル)シクロプロピル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-[1-(4-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
6-((シクロプロピルメチル)(メチル)アミノ)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-((シクロヘキシルメチル)(メチル)アミノ)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(3-クロロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(4-クロロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(シクロヘキシルメチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(4-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-クロロ-6-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-クロロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(3-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(2-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)オン;
6-(4-メチルベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(3-メチルベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(3-(トリフルオロメチル)ベンジル)ピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-[2-(オキサン-4-イル)エチル]ピリダジン-3(2H)-オン;
6-{[(4-フルオロフェニル)メチル](メチル)アミノ}-4-ヒドロキシ-ピリダジン-3(2H)-オン;
6-[2-(2,6-ジフルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシ-ピリダジン-3(2H)オン;
6-[2-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシ-ピリダジン-3(2H)-オン;
6-{[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(1-フェニルエチル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(シクロプロピルメチル)-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
4-ヒドロキシ-6-{1-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
6-{2-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
6-{2-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
6-{2-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
6-{2-[2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-ピリダジン-3-オン;
6-{2-[3,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
4-ヒドロキシ-6-(3-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)ピリダジン-3(2H)-オン;
3,4-ビス(ベンジルオキシ)-6-((3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)ピリダジン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[2-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;
6-{2-[3,5-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン;および
6-{2-[3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン、ならびに前述のいずれかの薬学的に許容される塩から選択される。
【0067】
一部の実施形態では、DAAO阻害剤は、
6-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン;
6-(4-クロロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;および
6-(2-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン、ならびに前述のいずれかの薬学的に許容される塩から選択される。
【0068】
一部の実施形態では、DAAO阻害剤は、4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オンおよびその薬学的に許容される塩から選択される。一部の実施形態では、DAAO阻害剤は、4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オンである。
【0069】
本開示の一部の実施形態では、DAAO阻害剤は、式(I)-a:
【化6】
[式中:
1aは、水素、フッ素、またはトリフルオロメチルであり;
2aは、C~Cアルキル基、C~Cシクロアルキル基、およびテトラヒドロピラニルから選択され、そのそれぞれは、少なくとも1個の置換基で必要に応じて置換されていてもよく、またはR2aは、-NR3a4a基から選択され;
3aおよびR4aは、独立して、水素およびC~Cアルキル基から選択され、またはR3aおよびR4aは、結合された窒素原子と一緒に4~8員の飽和または不飽和複素環式環を形成し、各アルキル基または複素環式環は、少なくとも1個の置換基により必要に応じて置換されていてもよく;ならびに
2a、R3a、およびR4aに関する必要に応じた置換基は、独立して、ハロゲン基、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシル、C~Cアルキル基、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、C~Cアルコキシ基、ジフルオロメトキシ、およびトリフルオロメトキシから選択され、但し化合物は、
2,3-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-6-モルホリノピリダジン-3-オンでも、
6-アミノ-4-ヒドロキシ-ピリダジノンでも
ないことを前提とする]
の化合物、およびその薬学的に許容される塩から選択される。
【0070】
一部の実施形態では、式(I)-aの化合物は、
6-エチル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(3-メチルブチル)ピリダジン-3(2H)-オン;
6-シクロプロピル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(2-メチルプロピル)ピリダジン-3(2H)-オン;
6-シクロペンチル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-シクロヘキシル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-イソプロピルピリダジン-3(2H)-オン;
6-(アゼチジン-1-イル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(ジメチルアミノ)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(メチル(プロピル)アミノ)ピリダジン-3(2H)-オン;
6-(エチル(メチル)アミノ)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(ピペリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン;
6-tert-ブチル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;および
4-ヒドロキシ-6-イソプロピルピリダジン-3(2H)-オン
から選択される。
【0071】
一部の実施形態では、DAAO阻害剤は、
6-エチル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(3-メチルブチル)ピリダジン-3(2H)-オン;
6-シクロプロピル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(2-メチルプロピル)ピリダジン-3(2H)-オン;
6-シクロペンチル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-シクロヘキシル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-イソプロピルピリダジン-3(2H)-オン;
6-(アゼチジン-1-イル)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
6-(ジメチルアミノ)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(メチル(プロピル)アミノ)ピリダジン-3(2H)-オン;
6-(エチル(メチル)アミノ)-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;
4-ヒドロキシ-6-(ピペリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン;
6-tert-ブチル-4-ヒドロキシピリダジン-3(2H)-オン;および
4-ヒドロキシ-6-イソプロピルピリダジン-3(2H)-オン、ならびに
前述のいずれかの薬学的に許容される塩から選択される。
【0072】
DAAO阻害剤(例えば、化合物(A))の塩には、限定するものではないが薬学的に許容される塩、例えば無機酸との塩、有機酸との塩、および塩基性または酸性アミノ酸との塩などが含まれる。
【0073】
DAAO阻害剤(例えば、式(I)または式(I)-aの化合物)の薬学的に許容される塩には、限定するものではないが、無機酸または有機酸を使用して形成することができる酸付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシレート)、サッカリン(例えば、モノサッカリン)、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ピルビン酸塩、コハク酸塩、バレリン酸塩、プロパン酸塩、ブタン酸塩、マロン酸塩、シュウ酸塩、1-ヒドロキシ-2-ナフテート(キシナホエート)、メタンスルホン酸塩、またはp-トルエンスルホン酸塩などが含まれる。
【0074】
無機酸との塩の非限定的な例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、および同様のものとの塩が含まれる。
【0075】
有機酸との塩の非限定的な例には、安息香酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、および同様のものとの塩が含まれる。
【0076】
塩基性アミノ酸との塩の非限定的な例には、アルギニン、リシン、オルニチン、および同様のものとの塩が含まれ、酸性アミノ酸との塩の非限定的な例には、アスパラギン酸、グルタミン酸、および同様のものとの塩が含まれる。
【0077】
一部の実施形態では、化合物(A)は、溶媒和物(例えば、水和物)または非溶媒和物(例えば、非水和物)の形をとってもよい。
【0078】
一部の実施形態では、化合物(A)は、非晶質形態であっても結晶質形態の形態をとってもよく、例えば国際公開第2013/027000号に記載される結晶質形態の形態をとってもよい。
【0079】
一部の実施形態では、化合物(A)は、同位体(例えば、H、14C、35S、125I)で標識されてもよい。例えば、一部の実施形態では、HをH(D)に変換することによって得られた化合物(A)の重水素含有類似体は、化合物(A)が列挙された場合はどこでも使用されてもよい。
【0080】
本開示の経口固体製剤の非限定的な例には、錠剤(糖衣錠およびフィルムコーティング錠を含む)、丸薬、顆粒、カプセル、および同様のものが含まれる。一部の実施形態では、経口固体製剤は錠剤である。
【0081】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位(投薬単位)当たり(例えば、1錠あたり)10mg~1000mgのDAAO阻害剤(例えば、化合物(A))、例えば製剤単位当たり50mg~600mgのDAAO阻害剤、または製剤単位当たり100mg~500mgのDAAO阻害剤を含む。
【0082】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位(投薬単位)当たり(例えば、1錠あたり)50、100、125、200、250、300、400、500、または600mgのDAAO阻害剤(例えば、化合物(A))を含む。一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり125mgのDAAO阻害剤(例えば、化合物(A))を含む。一部の実施形態では、経口固体製剤は、製剤単位当たり250mgのDAAO阻害剤(例えば、化合物(A))を含む。
【0083】
一部の実施形態では、経口固体製剤中のDAAO阻害剤(例えば、化合物(A))の含量は、1重量%~65重量%、例えば20重量%~65重量%、30重量%~65重量%、20重量%~60重量%、または30重量%~60重量%である。
【0084】
本開示の経口固体製剤で使用される低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)は、医薬品添加物として使用される限り、特に限定されない。1つのタイプのL-HPCが単独で使用されてもよく、または2つもしくはそれよりも多くのタイプのL-HPCが、組み合わせて使用されてもよい。
【0085】
本明細書で使用される場合、低度の置換は、乾燥後に、L-HPCが乾燥重量で5.0%~16.0%のヒドロキシプロポキシ基を含むことを意味する。一部の実施形態では、L-HPCは、乾燥重量で8%~14%、例えば11%のヒドロキシプロポキシ基を含む。
【0086】
L-HPCの非限定的な例には、L-HPC LH-11、LH-21、LH-31、LH-22、LH-32(信越化学工業(株))、および同様のものが含まれる。一部の実施形態では、L-HPCは、L-HPC LH-21(信越化学工業(株))である。
【0087】
一部の実施形態では、経口固体製剤中のL-HPCの含量は、1重量%~20重量%、例えば3重量%~15重量%である。
【0088】
一部の実施形態では、経口固体製剤中のL-HPCの含量は、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、または15重量%である。
【0089】
一部の実施形態では、添加剤は、薬学的に許容される担体から選択される。製剤材料として一般に使用される様々な有機また無機担体物質は、薬学的に許容される担体として使用されてもよく、これらの物質は、例えば充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、滑剤、着色剤、pH調節剤、界面活性剤、安定化剤、酸味料、甘味料、フレーバー、コーティング剤、およびコーティング添加剤として適切な量で組み合わされてもよい。
【0090】
一部の実施形態では、添加剤は、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、および前述のいずれかの組合せから選択される。
【0091】
充填剤の非限定的な例には、マンニトール(例えば、D-マンニトール{例えば、PEARLITOL 50C(製品名);Roquette Co.});結晶セルロース(例えば、CEOLUS PH-101(製品名);旭化成(株));デンプン、例えばコーンスターチ、ジャガイモデンプン、小麦デンプン、米デンプン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、および多孔質デンプン;無水リン酸カルシウム;沈殿炭酸カルシウム;ケイ酸カルシウム;無水ラクトース;ならびにラクトース水和物が含まれる。一部の実施形態では、充填剤は、D-マンニトールである。一部の実施形態では、充填剤は、結晶セルロースである。
【0092】
一部の実施形態では、充填剤の含量は、10重量%~85重量%、例えば10重量%~70重量%、10重量%~66重量%、10重量%~65重量%、25重量%~85重量%、25重量%~70重量%、25重量%~66重量%、25重量%~65重量%、20重量%~85重量%、20重量%~70重量%、20重量%~66重量%、または20重量%~65重量%である。
【0093】
結合剤は、乾式または湿式造粒中または直接圧縮中に粒子間に結合特性を与える添加剤、例えば、結晶セルロース[例えば、結晶セルロース{例えば、CEOLUS KG-802(グレード:KG-802)(製品名);CEOLUS PH-302(グレード:PH-302)(製品名);旭化成(株)}、結晶セルロース(顆粒)、結晶セルロース(微粒子)]、ヒドロキシプロピルセルロース[例えば、グレード:L、SL、SSL(製品名);日本曹達(株)]、ヒドロキシプロピルメチルセルロース[例えば、Hypromellose 2910、TC-5(グレード:E、M、R)(製品名);信越化学工業(株)]、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、およびコポビドンなどであってもよい。一部の実施形態では、結合剤がヒドロキシプロピルセルロースである。
【0094】
一部の実施形態では、結合剤の含量は、0.5重量%~20重量%、例えば1重量%~10重量%である。
【0095】
崩壊剤の非限定的な例には、コーンスターチ、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルデンプンナトリウム、クロスカルメロースナトリウム(例えば、Ac-Di-Sol(製品名))、クロスポビドン、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)、ヒドロキシプロピルデンプン、および部分アルファー化デンプンが含まれる。
【0096】
一部の実施形態では、崩壊剤の含量は、1重量%~20重量%、例えば2重量%~15重量%である。
【0097】
滑沢剤の非限定的な例には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、スクロース脂肪酸エステル、およびフマル酸ステアリルナトリウムが含まれる。一部の実施形態では、滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである。
【0098】
一部の実施形態では、滑沢剤の含量が0.1重量%~5重量%、例えば0.2重量%~3重量%である。
【0099】
滑剤の非限定的な例には、タルク、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、およびアルミノメタケイ酸マグネシウムが含まれる。
【0100】
着色剤の非限定的な例には、食品色素、例えばフードイエロー5、フードレッド2、およびフードブルー2、食用レーキ色素、三二酸化鉄、および黄色三二酸化鉄が含まれる。
【0101】
コーティング剤の非限定的な例には、糖コーティング剤、水溶性フィルムコーティング剤、腸溶性フィルムコーティング剤、および持続放出フィルムコーティング剤が含まれる。
【0102】
水溶性フィルムコーティング剤の非限定的な例には、セルロース系ポリマー、例えばヒドロキシプロピルセルロース[例えば、グレード:L、SL、SSL(製品名);日本曹達(株)]、ヒドロキシプロピルメチルセルロース[例えば、Hypromellose
2910、TC-5(グレード:E、M、R)(製品名);信越化学工業(株)]、ヒドロキシエチルセルロース、およびメチルヒドロキシエチルセルロース;合成ポリマー、例えばポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE[EUDRAGIT E(製品名)]、およびポリビニルピロリドン;ならびに多糖、例えばプルランが含まれる。水溶性フィルムコーティング剤は、経口固体製剤の溶解プロファイルに影響を及ぼさない水系フィルムコーティングの形成を可能にする。
【0103】
コーティング添加剤には、限定するものではないが酸化チタンなどの遮光剤;タルクなどの滑剤;三二酸化鉄および黄色三二酸化鉄などの着色剤;ポリエチレングリコール(例えば、Macrogol 6000)、クエン酸トリエチル、ヒマシ油、およびポリソルベートなどの可塑剤;ならびにクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、およびアスコルビン酸などの有機酸が含まれる。
【0104】
コーティング剤の非限定的な例には、OPADRY YELLOW(Colorcon
Japan)、OPADRY RED(Colorcon Japan)、ヒプロメロースTC-5R(信越化学工業(株))、二酸化チタン、三二酸化鉄、および黄色三二酸化鉄が含まれる。
【0105】
上記添加剤の1種またはそれよりも多くは、様々な比で、本開示の経口固体製剤中に使用されてもよい。
【0106】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、
30重量%~60重量%の化合物(A);
3重量%~15重量%のL-HPC;
15重量%~65重量%の充填剤;
1重量%~10重量%の結合剤;および
0.2重量%~3重量%の滑沢剤
を含む。
【0107】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、
3重量%~60重量%の化合物(A);
3重量%~15重量%のL-HPC;
15重量%~85重量%の充填剤;
1重量%~10重量%の結合剤;および
0.2重量%~3重量%の滑沢剤
を含む。
【0108】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、
20重量%~60重量%の化合物(A);
3重量%~15重量%のL-HPC;
25重量%~85重量%の充填剤;
1重量%~10重量%の結合剤;および
0.2重量%~3重量%の滑沢剤
を含む。
【0109】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、
20重量%~60重量%の化合物(A);
3重量%~15重量%のL-HPC;
25重量%~66重量%の充填剤;
1重量%~10重量%の結合剤;および
0.2重量%~3重量%の滑沢剤
を含む。
【0110】
一部の実施形態では、充填剤は、マンニトールおよび結晶セルロースである。
【0111】
一部の実施形態では、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースである。
【0112】
一部の実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0113】
一部の実施形態では、経口固体製剤はさらに、フィルムコーティングを含む。一部の実施形態では、フィルムコーティングは、コーティング剤およびコーティング添加剤を含む。一部の実施形態では、フィルムコーティングは、コーティング剤および遮光剤を含む。一部の実施形態では、フィルムコーティングは、コーティング剤、遮光剤、および着色剤を含む。一部の実施形態では、コーティング剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0114】
一部の実施形態では、フィルムコーティングは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、二酸化チタン、およびヒドロキシプロピルセルロースを含む。
【0115】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、
30重量%~60重量%の化合物(A);
3重量%~15重量%のL-HPC;
10重量%~50重量%のマンニトール;
5重量%~15重量%の結晶セルロース;
1重量%~10重量%のヒドロキシプロピルセルロース;および
0.2重量%~3重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む。
【0116】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、
3重量%~60重量%の化合物(A);
3重量%~15重量%のL-HPC;
10重量%~75重量%のマンニトール;
5重量%~15重量%の結晶セルロース;
1重量%~10重量%のヒドロキシプロピルセルロース;および
0.2重量%~3重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む。
【0117】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、
20重量%~60重量%の化合物(A);
3重量%~15重量%のL-HPC;
15重量%~75重量%のマンニトール;
5重量%~15重量%の結晶セルロース;
1重量%~10重量%のヒドロキシプロピルセルロース;および
0.2重量%~3重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む。
【0118】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、
20重量%~60重量%の化合物(A);
3重量%~15重量%のL-HPC;
15重量%~60重量%のマンニトール;
5重量%~15重量%の結晶セルロース;
1重量%~10重量%のヒドロキシプロピルセルロース;および
0.2重量%~3重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む。
【0119】
一部の実施形態では、経口固体製剤はさらに、フィルムコーティングを含む。一部の実施形態では、フィルムコーティングは、コーティング剤およびコーティング添加剤を含む。一部の実施形態では、フィルムコーティングは、コーティング剤および遮光剤を含む。一部の実施形態では、フィルムコーティングは、コーティング剤、遮光剤、および着色剤を含む。一部の実施形態では、コーティング剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
経口固体製剤の溶解
【0120】
一部の実施形態では、パドル法(75rpm、0.05%の臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)を含む、900mLの0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)を使用する)を使用して、本開示の経口固体製剤に関する溶解試験を行った場合、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤の70%またはそれよりも多く、例えば75%またはそれよりも多くが、30分以内に溶解する。
【0121】
一部の実施形態では、パドル法(75rpm、0.5%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む、900mLの0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)を使用する)を使用して、本開示の経口固体製剤に関する溶解試験を行った場合、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤の70%またはそれよりも多く、例えば75%またはそれよりも多くが、30分以内に溶解する。
【0122】
一部の実施形態では、40℃/90%の相対湿度で2週間保存した後、パドル法(50rpm、0.1%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む、900mLの0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)を使用する)を使用して、本開示の経口固体製剤に関する溶解試験を行った場合、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤の70%またはそれよりも多く、例えば75%またはそれよりも多くが、30分以内に溶解する。一部の実施形態では、経口固体製剤は、ガラス瓶に入れられ、溶解試験を行う前に、キャップなしで2週間、40℃/90%の相対湿度で保存される。
【0123】
一部の実施形態では、40℃/90%の相対湿度で2週間保存した後、パドル法(50rpm、900mLの0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)を使用する)を使用して、本開示の経口固体製剤に関する溶解試験を行った場合、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤の70%またはそれよりも多く、例えば75%またはそれよりも多くが、30分以内に溶解する。一部の実施形態では、経口固体製剤はガラス瓶に入れられ、溶解試験を行う前に、キャップなしで2週間、40℃/90%の相対湿度で保存される。
【0124】
本明細書では、パドル法は、本明細書で特に述べる条件を除き、第17版日本薬局方一般試験法の溶解試験法(パドル法、装置2)に従い測定する。
経口固体製剤を作製する方法
【0125】
本開示の経口固体製剤は、医薬品調製の分野で一般的な方法を使用して生成することができる。
【0126】
例えば、本開示の経口固体製剤は、造粒、混合、圧縮(例えば、圧縮成型)、およびコーティングなどの操作を組み合わせることによって生成されてもよい。
【0127】
一部の実施形態では、造粒は、例えば高剪断造粒機、流動床造粒機、または乾燥造粒機などの造粒機を使用して行われる。
【0128】
一部の実施形態では、混合は、例えばV型混合機またはタンブラー混合機などの混合機を使用して行われる。
【0129】
一部の実施形態では、圧縮(圧縮成型)は、例えば、シングル錠剤プレス、ロータリー錠剤プレス、または同様のものを使用して、一般に0.3~35kNの圧縮力で錠剤を加圧することによって行われる。
【0130】
一部の実施形態では、コーティングは、例えば上述のコーティング剤およびコーティング添加剤と一緒にフィルム塗布機を使用して、行われる。
【0131】
一部の実施形態では、本開示の経口固体製剤は錠剤であり、錠剤は、服用性、製剤の硬さ、および同様のものを改善するために、フィルムコーティングされる。
【0132】
フィルムコーティングに使用されるコーティング剤およびコーティング添加剤の非限定的な例には、上述の材料に類似したものが含まれる。
【0133】
一部の実施形態では、本開示の錠剤がフィルムコーティングされる場合、フィルムコーティング層は、錠剤100重量部に対して1~10重量部の比で、例えば2~6重量部の比で形成される。
【0134】
一部の実施形態では、本開示の経口固体製剤がフィルムコーティングされた錠剤である場合、フィルムコーティング前の素錠中のDAAO阻害剤(例えば、化合物(A))、L-HPC、および添加剤の含量は、上述の範囲内にある。
【0135】
例えば、本開示の経口固体製剤は、下記の生成ステップに従い生成することができる。一部の実施形態では、以下の生成ステップにおける各原材料は、最終的に得られる経口固体製剤中の含量が上述の量で存在するように、使用される。
【0136】
一部の実施形態では、本開示の経口固体製剤を生成するための方法は、
DAAO阻害剤および添加剤を混合して、混合物を得ること;
混合物を造粒して、少なくとも1種の顆粒を得ること;
少なくとも1種の顆粒およびL-HPCを混合して、少なくとも1種の混合顆粒を得ること;ならびに
少なくとも1種の混合顆粒を圧縮すること
を含む。
【0137】
一部の実施形態では、DAAO阻害剤(例えば、化合物(A))および添加剤が混合される。一部の実施形態では、添加剤は、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、および前述のいずれかの組合せから選択される。一部の実施形態では、混合は、例えばV型混合機またはタンブラー混合機などの混合機を使用して行われる。一部の実施形態では、混合は、高剪断造粒機、流動床造粒機、または乾燥造粒機などの造粒機を使用して行われる。
【0138】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、溶解特性が改善されるように、造粒部分および非造粒部分の両方にL-HPCを含む。即ち、一部の実施形態では、方法は、DAAO阻害剤、L-HPC、および添加剤を混合することを含む。一部の実施形態では、L-HPCが経口固体製剤の造粒部分および非造粒部分の両方に含有される場合、L-HPCの総量の10重量%~75重量%、例えば40重量%~60重量%が造粒部分に含有される。
【0139】
一部の実施形態では、混合物は、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)を使用して造粒され、望み通りにミリングされる。一部の実施形態では、造粒は、例えば高剪断造粒法(高剪断造粒法)、流動床造粒法(流動床造粒法)、乾式造粒法(乾式造粒法)、または同様のものを使用して、行うことができる。一部の実施形態では、流動床造粒法を使用する場合、混合物は、結合剤が溶媒または分散媒体(例えば、水)中に溶解しまたは分散されている液体を噴霧しながら造粒され、乾燥され、必要に応じてミリングされて、顆粒を得る。一部の実施形態では、高剪断造粒法を使用する場合、結合剤を含む混合物を撹拌しながら水などの液体が添加され、造粒、乾燥、および必要に応じてミリングが行われて、顆粒を得る。一部の実施形態では、高剪断造粒法は、DAAO阻害剤の含量を増加させるのに用いられる。
【0140】
一部の実施形態では、少なくとも1種の顆粒がL-HPC、および必要に応じて添加剤(例えば、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム))と混合されて、少なくとも1種の混合顆粒を得る。本明細書で使用される場合、「混合顆粒」は、顆粒およびL-HPCを含有する混合物を指す。一部の実施形態では、混合は、例えばV型混合機またはタンブラー混合機などの混合機を使用して行われる。
【0141】
一部の実施形態では、圧縮(圧縮成型)は、例えば、シングル打錠プレス、ロータリー錠剤プレス、または同様のものを使用して、少なくとも1種の混合顆粒を3~35kNの圧縮力で圧縮することにより行われる。さらに本開示の経口固体製剤は、望む場合には乾燥によって生成することができる。
【0142】
一部の実施形態では、フィルムコーティング錠は、フィルムコーティング溶液または懸濁液を、上述の方法によって得られたコア錠剤(即ち、素錠)に噴霧することによって得られる。
【0143】
一部の実施形態では、フィルムコーティング錠は、例えば、フィルムコーティング剤(例えば、ヒプロメロース2910などのフィルムコーティング剤、マクロゴール6000などの可塑剤、ならびに酸化チタン、三二酸化鉄、および黄色三二酸化鉄などの色素の混合物)の水溶液または懸濁液を、上述の方法を使用して得られたコア錠剤に噴霧し、コア錠剤を覆うために、フィルム塗布機または同様のものを使用して生成することができる。
【0144】
一部の実施形態では、本開示の経口固体製剤は、75重量%~100重量%、例えば80重量%~98重量%、例えば85重量%~95重量%の少なくとも1種の顆粒を含む錠剤である。
【0145】
本明細書で使用される場合、顆粒は、湿式造粒法、乾式造粒法、熱造粒法、または同様のものを使用して、粉末、凝集塊、溶液、または溶融液体などの原材料の造粒によって得られたものと実質的に同じ形状およびサイズを有する粒子を指す。
【0146】
一部の実施形態では、製剤単位(投薬単位)当たり(例えば、1錠あたり)の本開示の経口固体製剤の重量は、50~2000mg、例えば100~1000mgである。
治療方法
【0147】
本開示の経口固体製剤は、医薬として、特に酵素D-アミノ酸オキシダーゼ(DAAO)を阻害するための医薬として有益であり得る。本開示の経口固体製剤は、低い毒性を示すことがあり、副作用をほとんど示さないことがあるので、哺乳動物(例えば、ヒト、ウシ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコ、サル、マウス、およびラット、ならびに例えば、ヒト)においてDAAO阻害剤により予防可能なまたは処置可能な疾患を予防するまたは処置する医薬として使用することができる。
【0148】
DAAO阻害剤により予防可能なまたは処置可能な疾患には、限定するものではないが統合失調症およびその他の精神障害(例えば、精神障害および精神病)、認知症およびその他の認知障害、不安障害(例えば、全般性不安障害)、気分障害(例えば、うつ病、大うつ病性障害、双極性障害IおよびII型、双極性躁病、および双極性うつ病を含む双極性障害)、睡眠障害、一般に幼児期、小児期、または思春期で最初に診断される障害(例えば、注意欠陥障害、自閉スペクトラム障害、および破壊的行動障害)、疼痛(例えば、神経障害性疼痛)、神経変性障害(例えば、パーキンソン病、またはアルツハイマー病)、運動失調障害(特に、フリードライヒ運動失調症または脊髄小脳失調症)、ならびに同様のものが含まれる。
【0149】
DAAO阻害剤により予防可能なまたは処置可能な疾患の非限定的な例には、統合失調症、統合失調性障害、または統合失調感情障害の陽性症状(例えば、声または幻覚)、認知障害(例えば、認知症および学習障害)、および疼痛(例えば、神経障害性疼痛)が含まれる。
【0150】
本開示は、統合失調症、統合失調性障害、統合失調感情障害、およびその他の精神障害(例えば、精神障害および精神病)、認知症および認知障害、不安障害(例えば、全般性不安障害)、気分障害(例えば、うつ病、大うつ病性障害、双極性障害IおよびII型、双極性躁病、および双極性うつ病を含む双極性障害)、睡眠障害、一般に幼児期、小児期、または思春期で最初に診断される障害(例えば、注意欠陥障害、自閉スペクトラム障害、および破壊的行動障害)、疼痛(例えば、神経障害性疼痛)、神経変性障害(例えば、パーキンソン病、またはアルツハイマー病)、運動失調障害(特に、フリードライヒ運動失調症または脊髄小脳失調症)に関連した少なくとも1つの症状または状態を処置するための方法であって、治療有効量のDAAO阻害剤を含む本開示の経口固体製剤を、少なくとも1つの症状または状態を処置することを必要とする哺乳動物に投与することを含む方法も提供する。
【0151】
一部の実施形態では、少なくとも1つの症状または状態は、不安、動揺、敵意、パニック、摂食障害、情動性症状、気分症状、精神障害、および神経変性障害に一般に関連した陽性および陰性の精神的症状から選択される。
【0152】
一部の実施形態では、本開示の経口固体製剤は、哺乳動物に経口投与される。一部の実施形態では、本開示の経口固体製剤は、哺乳動物に安全に経口投与することができる。
【0153】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、活性医薬成分としてDAAO阻害剤(例えば、化合物(A))の有効量を含む。例えば、一部の実施形態では、一成人(体重60kg)に関する有効量は、投与当たりのDAAO阻害剤(例えば、化合物(A))が1mg~1000mg、例えば25mg~600mg、例えば50mg~550mg、例えば100mg~500mgである。
【0154】
一部の実施形態では、経口固体製剤は、高用量のDAAO阻害剤(例えば、化合物(A))を哺乳動物に投与するのに適している。一部の実施形態では、本開示の固体製剤は、哺乳動物に1日1回投与される。
【0155】
本開示の経口固体製剤のサイズは、経口固体製剤の形状(例えば、丸い形状、カプレット形状、楕円形状、または同様のもの)に応じて様々であってもよい。一部の実施形態では、サイズは、患者投与に適している。
【0156】
本開示の経口固体製剤の非限定的な例には、
1錠あたり化合物(A)を10mg~1000mg含む錠剤;および
1錠あたり化合物(A)を10、25、50、100、125、200、250、300、400、500、または600mg含む錠剤
が含まれる。
組合せ
【0157】
本開示の経口固体製剤は、1つまたはそれよりも多くのその他のタイプの薬物と組み合わせて使用することができ、これを以後「併用薬」と呼んでもよい。
【0158】
併用薬は、疾患または状態を処置するのに使用されるその他の薬物および/またはD-セリン(D-SER)を含む。一部の実施形態では、併用薬は、下記から選択されてもよい。
(i) 抗うつ剤、例えば、アミトリプチリン、アモキサピン、ブプロピオン、シタロプラム、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、デュロキセチン、エルザソナン、エスシタロプラム、フルボキサミン、フルオキセチン、ゲピロン、イミプラミン、イプサピロン、マプロチリン、ノルトリプチリン、ネファゾドン、パロキセチン、フェネルジン、プロトリプチリン、レボキセチン、ロバイゾタン、セルトラリン、シブトラミン、チオニソキセチン、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリミプラミン、ベンラファキシン、これらの均等物、薬学的に活性な異性体(単数または複数)および/または代謝物(単数または複数)、および同様のものなど;
(ii) 非定型抗精神病薬、例えばケチアピンおよびその薬学的に活性な異性体(単数または複数)および/または代謝物(単数または複数)など;
(iii) 抗精神病薬、例えばアミスルプリド、アリピプラゾール、アセナピン、ベンズイソキシジル、ビフェプルノクス、カルバマゼピン、クロザピン、クロルプロマジン、デベンザピン、ジバルプロエクス、デュロキセチン、エスゾピクロン、ハロペリドール、イロペリドン、ラモトリギン、ロキサピン、メソリダジン、オランザピン、パリペリドン、ペルラピン、ペルフェナジン、フェノチアジン、フェニルブチルピペリジン、ピモジド、プロクロルペラジン、リスペリドン、セルチンドール、スルピリド、スプロクロン、スリクロン、チオリダジン、トリフルオペラジン、トリメトジン、バルプロエート、バルプロ酸、ゾピクロン、ゾテピン、ジプラシドン、これらの均等物、薬学的に活性な異性体(単数または複数)および/または代謝物(単数または複数)、および同様のものなど;
(iv) 抗不安薬、例えばアルネスピロン、アザピロン、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、これらの均等物、薬学的に活性な異性体(単数または複数)および/または代謝物(単数または複数)、および同様のものなど。抗不安薬の例には、アジナゾラム、アルプラゾラム、バレゼパム、ベンタゼパム、ブロマゼパム、ブロチゾラム、ブスピロン、クロナゼパム、クロラゼペート、クロルジアゼポキシド、シプラゼパム、ジアゼパム、ジフェンヒドラミン、エスタゾラム、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フォサゼパム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、メプロバメート、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、プラゼパム、クアゼパム、レクラゼパム、トラカゾレート、トレピパム、テマゼパム、トリアゾラム、ウルダゼパム、ゾラゼパム、これらの均等物、薬学的に活性な異性体(単数または複数)および/または代謝物(単数または複数)などが含まれ;
(v) 抗痙攣薬、例えばカルバマゼピン、バルプロエート、ラモトリギン、およびガバペンチン、これらの均等物、薬学的に活性な異性体(単数または複数)および/または代謝物(単数または複数)、および同様のものなど;
(vi) アルツハイマー治療剤、例えばドネペジル、メマンチン、タクリン、これらの均等物、薬学的に活性な異性体(単数または複数)および/または代謝物(単数または複数)、および同様のものなど;
(vii) パーキンソン治療剤、例えばデプレニル、L-ドーパ、レキップ、およびミラペックス、B型モノアミンオキシダーゼ(MAO-B)阻害剤、例えばセレギリンおよびラサギリンなど、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤、例えばタスマールなど、A-2阻害剤、ドーパミン再取込み阻害剤、NMDAアンタゴニスト、ニコチンアゴニスト、ドーパミンアゴニスト、神経型一酸化窒素シンターゼの阻害剤、これらの均等物、薬学的に活性な異性体(単数または複数)および/または代謝物(単数または複数)、および同様のものなど;
(viii) 片頭痛を処置するための薬物、例えば、アルモトリプタン、アマンタジン、ブロモクリプチン、ブタルビタール、カベルゴリン、ジクロラルフェナゾン、エレトリプタン、フロバトリプタン、リスリド、ナラトリプタン、ペルゴリド、プラミペキソール、リザトリプタン、ロピニロール、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ゾミトリプタン、これらの均等物、薬学的に活性な異性体(単数または複数)および/または代謝物(単数または複数)、および同様のものなど;
(ix) 脳梗塞治療剤、例えばアブシキシマブ、アクチバーゼ、NXY-059、シチコリン、クロベネチン、デスモテプラーゼ、レピノタン、トラキソプロジル、これらの均等物、薬学的に活性な異性体(単数または複数)および/または代謝物(単数または複数)、および同様のものなど;
(x) 尿失禁治療剤、例えばダラフェナシン、フラボキサート、オキシブチニン、プロピベリン、ロバルゾタン、ソリフェナシン、トルテロジン、これらの均等物、薬学的に活性な異性体(単数または複数)および/または代謝物(単数または複数)、および同様のものなど;
(xi) 神経障害性疼痛治療剤、例えばガバペンチン、リドダーム、プレガバリン、これらの均等物、薬学的に活性な異性体(単数または複数)および/または代謝物(単数または複数)、および同様のものなど;
(xii) 侵害受容性疼痛治療剤、例えばセレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ジクロフェナク、ロキソプロフェン、ナプロキセン、パラセタモール、これらの均等物、薬学的に活性な異性体(単数または複数)および/または代謝物(単数または複数)、および同様のものなど;
(xiii) 不眠症治療剤、例えばアロバルビタール、アロニミド、アモバルビタール、ベンゾクタミン、ブタバルビタール、カプリド、クロラール、クロペリドン、クロレテート、デキスクラモール、エトクロルビノール、エトミダート、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、メクロカロン、メラトニン、メホバルビタール、メタカロン、ミダフルール、ニソバメート、ペントバルビタール、フェノバルビタール、プロポフォール、ロレタミド、トリクロホス、セコバルビタール、ザレプロン、ゾルピデム、これらの均等物、薬学的に活性な異性体(単数または複数)および/または代謝物(単数または複数)、および同様のものなど;
(xiv) 気分安定剤、例えばカルバマゼピン、ジバルプロエクス、ガバペンチン、ラモトリギン、リチウム、オランザピン、ケチアピン、バルプロエート、バルプロ酸、ベラパミル、これらの均等物、薬学的に活性な異性体(単数または複数)および/または代謝物(単数または複数)、および同様のものなど;
(xv) 5HT1Bリガンド、例えば国際公開第99/05134号、国際公開第02/08212号に開示された化合物、および同様のものなど;
(xvi) mGluR2アゴニスト;
(xvii) アルファ7ニコチンアゴニスト、例えば国際公開第96/006098号、国際公開第97/030998号、国際公開第99/003859号、国際公開第00/042044号、国際公開第01/029034号、国際公開第01/60821号、国際公開第01/36417号、国際公開第02/096912号、国際公開第03/087102号、国際公開第03/087103号、国際公開第03/087104号、国際公開第2004/016617号、国際公開第2004/016616号、および国際公開第2004/019947号に開示された化合物など;
(xviii) ケモカイン受容体CCR1阻害剤;ならびに
(xix) デルタオピオイドアゴニスト、例えば国際公開第97/23466号および国際公開第02/094794号に開示された化合物、および同様のものなど。
【0159】
一部の実施形態では、本開示の経口固体製剤は、運動失調障害を予防するまたは処置するのに使用されるその他の薬物と組み合わせて使用することができる。運動失調障害を予防するまたは処置する薬物の非限定的な例には、D-セリン、D-セリンエチルエステル、D-シクロセリン、アマンタジンまたはアマンタジン塩酸塩(「シンメトレル」)、ブスピロン(「ブスパール」)、アセタゾラミド(「ダイアモックス」)、トピラマート(「トパマックス」)、ジバルプロエクスナトリウム(「デパコート」)、L-ドパ(「シネメット」)、プロプラノロール(「インデラル」)、プリミドン(「マイソリン」)、クロナゼパム(「クロノピン」)、レベチラセタム(「ケプラ」)、カルバマゼピン(「テグレトール」)、ガバペンチン(「ニューロンチン」)、バクロフェン(「リオレサール」)、オンダンセトロン(「ゾフラン」)、チザニジン(「ザナフレックス」)、およびプラミペキソール(「ミラペックス」)が含まれる。
【0160】
本開示の経口固体製剤が、併用薬と組み合わせて使用される場合、経口固体製剤および併用薬は、同時にまたは異なる時間で、同じ製剤としてまたは異なる製剤として投与されてもよい。
【0161】
一部の実施形態では、本開示の経口固体製剤および併用薬は、個別の製剤として、または経口固体製剤および併用薬を含む単一製剤として、哺乳動物に投与されてもよい。
【0162】
併用薬の投薬量は、併用薬の臨床使用用量に基づき選択されてもよい。さらに、本開示の経口固体製剤と併用薬との配合比は、投与標的(即ち、哺乳動物)、投与経路、疾患、症状、組合せ、および同様のものに基づき選択することができる。例えば、哺乳動物がヒトである場合、0.01~100重量部の併用薬を、1重量部の経口固体製剤に対して使用してもよい。
【0163】
一部の実施形態では、(1)DAAO阻害剤または併用薬の作用を高める効果(即ち、相乗効果);(2)DAAO阻害剤もしくは併用薬の投薬量を低減する効果(即ち、各薬物のみの投与と比較したときに投薬量を低減する効果);および/または(3)DAAO阻害剤もしくは併用薬の二次作用を低減する効果など、高められた臨床効果は、併用治療薬(即ち、本明細書に開示される経口固体製剤および併用薬)を投与したときに得られてもよい。
【実施例0164】
本開示の一部の実施形態を、実施例、比較例、および試験例を通して以下にさらに記載する。実施例は、例示を意図するものであり、本開示の範囲をいかようにも限定することを意図しない。したがって本開示は、本明細書の実施例、比較例、および試験例を通して記載される特定の実施形態に限定されない。
【0165】
第17版日本薬局方、日本薬局法の範囲外の医薬品規格、または医薬品添付文書2003の規格に準拠する生成物を、以下の実施例、比較例、および試験例で製剤添加物として使用した。
(比較例1)
【0166】
ヒドロキシプロピルセルロース(13.5g、グレードL、日本曹達(株)製)を精製水(211.5g)に溶解して、結合剤溶液を調製した。化合物(A)(150g)、D-マンニトール(214.5g、PEARLITOL 50C、Roquette Co.製)、および結晶セルロース(45g、CEOLUS PH-101、旭化成(株)製)を、流動床造粒機(LAB-1、Powrex Co.製)で、結合剤溶液を噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒粉末を得た。次いで造粒粉末をミリングし、得られたミリング済み粉末282.0gを計量し、デンプングリコール酸ナトリウム(15.0g、タイプA、Primojel(登録商標)、DFE Pharma製)およびステアリン酸マグネシウム(DFE Pharma製)(3.0g、太平化学産業(株)製)を添加し、混合して、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、ロータリー錠剤プレス(VELA5、菊水製作所(株)製)を使用して錠剤に作製して、1錠あたり300mgの重量および9mmの直径を有する素錠を得た。得られた素錠の全てをDoria塗布機(DRC-200、Powrex Co.製)に投入し、ヒプロメロース、マクロゴール6000、二酸化チタン、三二酸化鉄、および黄色三二酸化鉄の水性分散体を噴霧して、1錠あたり12.2mgのフィルムコーティングを生成し、製剤1(フィルムコーティング錠)を得た。製剤1の1錠あたりの組成を表1に示す。
【表1】
(実施例1)
【0167】
ヒドロキシプロピルセルロース(13.5g、グレードL、日本曹達(株)製)を精製水(211.5g)に溶解して、結合剤溶液を調製した。化合物(A)(150g)、D-マンニトール(192g、PEARLITOL 50C、Roquette Co.製)、および結晶セルロース(45g、CEOLUS PH-101、旭化成(株)製)を、流動床造粒機(LAB-1、Powrex Co.製)で、結合剤溶液を噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒粉末を得た。次いで造粒粉末をミリングし、得られたミリング済み粉末213.6gを計量し、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(24.0g、グレードLH-21、信越化学工業(株)製)(11%のヒドロキシプロポキシ基(乾燥重量)を含有する)およびステアリン酸マグネシウム(2.40g、太平化学産業(株)製)を添加し、混合して、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、ロータリー錠剤プレス(VELA5、菊水製作所(株)製)を使用して錠剤に作製して、1錠あたり300mgの重量および9mmの直径を有する素錠を得た。得られた素錠の全てをDoria塗布機(DRC-200、Powrex Co.製)に挿入し、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、三二酸化鉄、および黄色三二酸化鉄の水性分散体を噴霧して、1錠あたり12.2mgのフィルムコーティングを有するようにして、製剤2(フィルムコーティング錠)を得た。製剤2の1錠あたりの組成を表2に示す。
【表2】
(実施例2)
【0168】
1錠あたりの化合物(A)100mgを含有する製剤3(フィルムコーティング錠)は、実施例1に記載したものと同様の生成方法により生成することができる。製剤3の1錠あたりの組成を表3に示す。
【表3】
(実施例3)
【0169】
化合物(A)(1g)、D-マンニトール(0.52g、PEARLITOL 50C、Roquette Co.製)、結晶セルロース(0.2g、CEOLUS PH-101、旭化成(株)製)、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(0.1g、グレードLH-21、信越化学工業(株)製)、およびヒドロキシプロピルセルロース(0.06g、グレードL、日本曹達(株)製)を計量し、乳鉢に入れた。成分を、精製水を添加した後に造粒し、得られた湿潤粉末を真空乾燥機(DP-33、ヤマト科学(株)製)内で乾燥して、造粒粉末を得た。次いで造粒粉末をミリングし、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(0.1g、グレードLH-21、信越化学工業(株)製)およびステアリン酸マグネシウム(0.02g、太平化学産業(株)製)を、得られたミリング粉末に添加し混合して、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、テーブルトップ錠剤プレス(HANDTAB-100、市橋精機製)を使用して、約7kNの圧縮力で錠剤に作製して、1錠あたり200mgの重量および9mmの直径を有する製剤4(素錠)を得た。製剤4の1錠あたりの組成を表4に示す。
【表4】
(実施例4)
【0170】
化合物(A)(165.0g)、D-マンニトール(85.80g、PEARLITOL 50C、Roquette Co.製)、結晶セルロース(33g、CEOLUS PH-101、旭化成(株)製)、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(16.5g、グレードLH-21、信越化学工業(株)製)、およびヒドロキシプロピルセルロース(9.9g、グレードL、日本曹達(株)製)を計量し、高剪断造粒機(FM-VG-01、Powrex Co.)に入れ、精製水を添加することにより造粒した。得られた湿潤粉末を湿式ミリングし、流動床乾燥機(LAB-1、Powrex Co.)で乾燥して、造粒粉末を得た。次いで造粒粉末をミリングし、得られたミリング済み粉末270.7gを計量し、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(14.4g、グレードLH-21、信越化学工業(株)製)およびステアリン酸マグネシウム(2.88g、太平化学産業(株)製)を添加し混合して、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、ロータリー錠剤プレス(VELA5、菊水製作所(株)製)を使用して、15~17kNの圧縮力で錠剤に作製し、1錠あたり600mgの重量、14mmの長さ、および8mmの幅を有する素錠を得た。得られた素錠の全てを、Doria塗布機(DRC-200、Powrex Co.製)に投入し、ヒプロメロース(TC-5R、信越化学工業(株)製)、二酸化チタン(A-HR、FREUND製)、三二酸化鉄、および黄色三二酸化鉄(共にVENATOR PIGMENTS製)の水性分散体を、1錠あたり20.4mgのフィルムコーティングを有するように噴霧して、製剤5(フィルムコーティング錠)を得た。製剤5の1錠あたりの組成を表5に示す。
【0171】
その他の用量に関して(1錠あたり25mgまたは100mgの化合物(A)を含む)、D-マンニトールを除いて同じ比の添加剤を有する状態で、同じ生成方法を使用することにより製造することも可能である。
【表5】
(実施例5)
【0172】
1錠あたり500mgの化合物(A)を含有する製剤6(フィルムコーティング錠)を、実施例4と同様の生成方法を使用して生成することができる。製剤6の1錠あたりの組成を表6に示す。
【表6】
(実施例6)
【0173】
化合物(A)(165g)、D-マンニトール(85.8g、PEARLITOL 50C、Roquette Co.製)、結晶セルロース(33g、CEOLUS PH-101、旭化成(株)製)、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(16.5g、グレードLH-21、信越化学工業(株)製)、およびヒドロキシプロピルセルロース(9.9g、グレードL、日本曹達(株)製)を計量し、高剪断造粒機(FM-VG-01、Powrex Co.)に入れ、次いで精製水を添加することにより造粒した。得られた湿潤粉末を湿式ミリングし、流動床乾燥機(LAB-1、Powrex Co.)で乾燥して、造粒粉末を得た。次いで造粒粉末をミリングし、得られたミリング済み粉末263.2gを計量し、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(14g、グレードLH-21、信越化学工業(株)製)およびステアリン酸マグネシウム(2.8g、太平化学産業(株)製)を添加し混合して、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、ロータリー錠剤プレス(VELA5、菊水製作所(株)製)を使用して、25kNの圧縮力で錠剤に作製し、1錠あたり1000mgの重量、17.5mmの長さ、および9.5mmの幅を有する素錠を得た。得られた素錠の全てを、パン塗布機(HICOATER HC-LABO-20、FREUND Corporation製)に投入し、ヒプロメロース(TC-5R、信越化学工業(株)製)、二酸化チタン(A-HR、FREUND製)、三二酸化鉄、および黄色三二酸化鉄(共にVENATOR PIGMENTS製)の水性分散体を噴霧して、1錠あたり33.9mgのフィルムコーティングを生成し、製剤7(フィルムコーティング錠)を得た。製剤7の1錠あたりの組成を表7に示す。
【表7】
(実施例7)
【0174】
化合物(A)(195g)、D-マンニトール(53.98g、PEARLITOL 50C、Roquette Co.製)、結晶セルロース(32.76g、CEOLUS
PH-101、旭化成(株)製)、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(16.38g、グレードLH-21、信越化学工業(株)製)、およびヒドロキシプロピルセルロース(9.828g、グレードL、日本曹達(株)製)を計量し、高剪断造粒機(FM-VG-01、Powrex Co.)に入れ、精製水を添加することにより造粒した。得られた湿潤粉末を湿式ミリングし、流動床乾燥機(LAB-1、Powrex Co.)で乾燥して、造粒粉末を得た。次いで造粒粉末をミリングし、得られたミリング済み粉末268.5gを計量し、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(14.28g、グレードLH-21、信越化学工業(株)製)およびステアリン酸マグネシウム(2.856g、太平化学産業(株)製)を添加し混合して、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、ロータリー錠剤プレス(VELA5、菊水製作所(株)製)を使用して、20kNの圧縮力で錠剤に作製し、1錠あたり840mgの重量、16mmの長さ、および9mmの幅を有する素錠を得た。得られた素錠の全てを、パン塗布機(HICOATER HC-LABO-20、FREUND Corporation製)に投入し、ヒプロメロース(TC-5R、信越化学工業(株)製)、二酸化チタン(A-HR、FREUND製)、三二酸化鉄、および黄色三二酸化鉄(共にVENATOR PIGMENTS製)の水性分散体を噴霧して、1錠あたり28.6mgのフィルムコーティングを創出し、製剤8(フィルムコーティング錠)を得た。製剤8の1錠あたりの組成を表8に示す。
【表8】
(実施例8)
【0175】
ヒドロキシプロピルセルロース(810g、グレードL、日本曹達(株)製)を精製水(12690g)に溶解して、結合剤溶液を調製した。化合物(A)(900g)、D-マンニトール(19620g、PEARLITOL 50C、Roquette Co.製)、および結晶セルロース(2700g、CEOLUS PH-101、旭化成(株)製)を、結合剤溶液を噴霧しながら流動床造粒機(FD-WGS-30、Powrex Co.製)で造粒し、次いで乾燥して造粒粉末を得た。造粒粉末は、2バッチで製造した。次いで造粒粉末をミリングした。得られたミリング済み粉末44060gを計量し、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(4950g、グレードLH-21、信越化学工業(株)製)(11%のヒドロキシプロポキシ基(乾燥重量)を含有する)およびステアリン酸マグネシウム(495g、太平化学産業(株)製)を添加し混合して、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、ロータリー錠剤プレス(AQUARIUS 08242L2JI、菊水製作所(株)製)を使用して錠剤に作製し、1錠あたり300mgの重量および9mmの直径を有する素錠を得た。得られた素錠40500gを、Doria塗布機(DRC-900S、Powrex Co.製)に挿入し、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、三二酸化鉄、および黄色三二酸化鉄の水性分散体を噴霧して、1錠あたり12.2mgのフィルムコーティングを創出し、製剤9(フィルムコーティング錠)を得た。製剤9の1錠あたりの組成を表9に示す。
【表9】
(実施例9)
【0176】
ヒドロキシプロピルセルロース(810g、グレードL、日本曹達(株)製)を精製水(12690g)に溶解して、結合剤溶液を調製した。化合物(A)(2250g)、D-マンニトール(18270g、PEARLITOL 50C、Roquette Co.製)、および結晶セルロース(2700g、CEOLUS PH-101、旭化成(株)製)を、結合剤溶液を噴霧しながら流動床造粒機(FD-WGS-30、Powrex
Co.製)で造粒し、次いで乾燥して造粒粉末を得た。造粒粉末は、2バッチで製造した。次いで造粒粉末をミリングした。得られたミリング済み粉末44060gを計量し、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(4950g、グレードLH-21、信越化学工業(株)製)(11%のヒドロキシプロポキシ基(乾燥重量)を含有する)、およびステアリン酸マグネシウム(495g、太平化学産業(株)製)を添加し混合して、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、ロータリー錠剤プレス(AQUARIUS 08242L2JI、菊水製作所(株)製)を使用して錠剤に作製し、1錠あたり300mgの重量および9mmの直径を有する素錠を得た。得られた素錠40500gを、Doria塗布機(DRC-900S、Powrex Co.製)に挿入し、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、三二酸化鉄、および黄色三二酸化鉄の水性分散体を噴霧して、1錠あたり12.2mgのフィルムコーティングを創出し、製剤10(フィルムコーティング錠)を得た。製剤10の1錠あたりの組成を表10に示す。
【表10】
(実施例10)
【0177】
製剤11~13を、上述のものと同様の生成方法を使用して調製することができる。製剤11~13の組成(1錠あたりのベースで)を、それぞれ表11~13に示す。
【表11】
【表12】
【表13】
(試験例1)
比較例1および実施例1で得られた製剤の溶解の比較
【0178】
比較例1および実施例1で得られた製剤の溶解特性を、溶解試験デバイス(富山産業(株)製)を使用して比較した。溶解特性を、非老化製剤、ならびにキャップなしのガラス瓶に入れて2週間、40℃の温度および90%の相対湿度で保存した製剤に関して比較した。日本薬局方に記載される溶解試験法(パドル法)に従い、試験を、試験溶液として0.1%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含有する0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)900mLを使用して、1分当たり50回転で行った。試験溶液は、試験開始後5分、10分、15分、20分、30分、45分、および60分で収集し、化合物(A)の溶解速度を、高性能液体クロマトグラフ(Waters Corporation製)を使用して測定した。結果を表14に示す。表中の値は、6個のフィルムコーティング錠の溶解速度の平均値を示す。
【表14】
【0179】
比較例1および実施例1で得られた製剤に関するイニシャルの溶解速度は類似しており、比較例1の製剤では30分で95%および60分で96%であり、実施例1の製剤では30分で96%および60分で97%であった。しかしながら、比較例1の製剤の保存後に溶解の遅延が確認され、生成物の溶解速度は、40℃の温度および90%の相対湿度で2週間保存した場合、比較例1の製剤に関して30分で69%および60分で84%であり、実施例1の製剤に関して30分で92%および60分で96%であった。さらに、L-HPCを含有する本開示の製剤では、化合物(A)の92%が30分以内に溶解することが観察され、製剤は、改善された溶解安定性を保存後に示した。
(試験例2)
実施例4で得られた製剤の溶解の測定
【0180】
実施例4で得られた製剤5の溶解特性を、非老化試料、ならびにキャップなしのガラス瓶に入れて2週間、40℃の温度および90%の相対湿度で保存した試料に関して、溶解試験デバイス((富山産業(株)製)を使用して測定した。日本薬局方に記載される溶解試験法(パドル法)に従い、試験を、試験溶液として0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)900mLを使用して、1分当たり50回転で行った。試験溶液は、試験開始後5分、10分、15分、30分、45分、および60分で収集し、化合物(A)の溶解速度を、高性能液体クロマトグラフ(Waters Corporation製)を使用して測定した。結果を表15に示す。表中の値は、3個のフィルムコーティング錠の溶解速度の平均値を示す。
【表15】
【0181】
このように、化合物(A)の78%は、L-HPCを含有する実施例4から得られた製剤に関して30分以内に溶解し、保存後の優れた溶解安定性を示している。
(試験例3)
実施例6および実施例7で得られた製剤の溶解の比較
【0182】
実施例6および実施例7で得られた製剤の溶解特性を、非老化試料、ならびにキャップなしのガラス瓶に入れて2週間、40℃の温度および90%の相対湿度で保存した試料に関して、溶解試験デバイスVK7010(Agilent製)を使用して測定した。日本薬局方に記載される溶解試験法(パドル法)に従い、試験を、試験溶液として0.2%の臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)を含有する0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)900mLを使用して、1分当たり50回転で行った。化合物(A)の溶解速度を、試験の開始後5分、10分、15分、30分、45分、および60分で測定した。表16中の値は、3個のフィルムコーティング錠の溶解速度の平均値を示す。
【表16】
【0183】
このように、製剤7中の化合物(A)の83%は30分以内に溶解し、製剤8中の化合物(A)の76%は30分以内に溶解し、両方の製剤は保存後に優れた溶解安定性を有することを示している。
【0184】
1つの群の少なくとも1つのメンバーの間に「または」または「および/または」を含む請求項または記載は、文脈から対照的な内容またはその他の内容が明らかに示されない限り、その群のメンバーの1つ、1つより多く、または全てが所与の生成物またはプロセスにおいて存在し、用いられ、またはその他の手法で関連する場合に満足されるとみなされる。本開示は、その群の厳密に1つのメンバーが、所与の生成物またはプロセス中に存在し、用いられ、またはその他の手法で関連する実施形態を含む。本開示は、その群のメンバーの1つよりも多くまたは全てが所与の生成物またはプロセス中に存在し、用いられ、またはその他の手法で関連する実施形態を含む。
【0185】
さらに本開示は、列挙される請求項の少なくとも1つからの少なくとも1つの制限、要素、項目、および記述的用語が別の請求項に導入される、全ての変形例、組合せ、および並べ換えを包含する。例えば、別の請求項に従属する任意の請求項は、同じ基本請求項に従属する任意のその他の請求項に見出される少なくとも1つの制限を含むように修正することができる。要素が、例えばマーカッシュ群フォーマットなどにおいてリストとして提示される場合、要素の各下位群も開示され、任意の要素(複数可)をその群から除去することができる。一般に、本開示または本開示の態様が、特定の要素および/または特徴を含むといわれる場合、本開示の実施形態または本開示の態様は、そのような要素および/または特徴からなるまたはそれらから本質的になることを理解すべきである。単純化する目的で、それらの実施形態は、本明細書においてこれらの言葉で特に述べられていない。範囲が与えられた場合(例えば、[X]~[Y]など)、端点(例えば、「[X]~[Y]」という文言の[X]および[Y]など)は、別段の指定がない限り含まれる。さらに、別段の指定がなく、または文脈および当業者の理解から明らかではない限り、範囲として表される値は、文脈による別段の明示がない限り、本開示の種々の実施形態において任意の特定の値またはその範囲の下限の単位の10分の1までの記述される範囲内の下位範囲と仮定することができる。
【0186】
当業者なら、通常の実験のみを使用して、本明細書に記載される本開示の特定の実施形態の多くの均等物を理解しまたは確認できるであろう。そのような均等物は、下記の特許請求の範囲により包含されるものとする。
一実施形態において、例えば、以下の項目が提供される。
(項目1)
D-アミノ酸オキシダーゼ(DAAO)阻害剤、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)、および添加剤を含む経口固体製剤であって、前記DAAO阻害剤がピリダジノン誘導体である、経口固体製剤。
(項目2)
前記経口固体製剤が錠剤である、項目1に記載の経口固体製剤。
(項目3)
前記添加剤が、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、および前述のいずれかの組合せから選択される、項目1または2に記載の経口固体製剤。
(項目4)
前記DAAO阻害剤が、式(I):
【化7】
[式中、
は、水素、フッ素、またはトリフルオロメチルであり、
は、-XYR 基から選択され、
XおよびYは、独立して、結合、酸素、-C(O)、-S(O) 基、-C(O)NR 基、-S(O) NR 基、-NR 基、
【化8】
および-CR -基から選択され、ここで、
XおよびYは、共に結合ではなく、そして
XもYも結合ではない場合、XおよびYのうちの少なくとも1つは-CR -基から選択され、
nは、0、1、または2であり、
各R は、独立して、水素、C ~C アルキル基、およびC ~C ハロアルキル基から選択され、
各R は、独立して、水素、C ~C アルキル基、C ~C ハロアルキル基、および=CH-から選択され、
は、3~10員の飽和または不飽和炭素環式または複素環式環系から選択され、前記環系は、ハロゲン基、ヒドロキシル、シアノ、オキソ、C ~C アルキル基、C ~C アルケニル基、C ~C ハロアルキル基、C ~C ヒドロキシアルキル基、C ~C アルコキシ基、C ~C ハロアルコキシ基、C ~C アルキルチオ基、C ~C アルキルスルフィニル基、C ~C アルキルスルホニル基、C ~C アルキルカルボニル基、C ~C アルキルカルボニルオキシ基、C ~C アルコキシカルボニル基、アミノ、-CON(R 基、C ~C アルキルアミノ基、ジ-(C ~C アルキル)アミノ基、C ~C シクロアルキル基、C ~C シクロアルキルオキシ基、C ~C シクロアルキルメチル基、-[O]p-(CH )q-O-R 基、ならびにC ~C アルキル基およびC ~C アルコキシ基から選択される少なくとも1個の置換基により必要に応じて置換された4~6員の飽和または不飽和複素環式環から選択される少なくとも1個の置換基により必要に応じて置換され、
各R は、独立して、水素およびC ~C アルキル基から選択され、
pは、0または1であり、
qは、1、2、3、または4であり、そして
は、C ~C アルキル基から選択される]
の化合物、およびその薬学的に許容される塩から選択される、項目1から3のいずれか一項に記載の経口固体製剤。
(項目5)
前記DAAO阻害剤が、4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オンおよびその薬学的に許容される塩から選択される、項目1から4のいずれか一項に記載の経口固体製剤。
(項目6)
前記DAAO阻害剤が、式(I)-a:
【化9】
[式中、
1a は、水素、フッ素、またはトリフルオロメチルであり、
2a は、C ~C アルキル基、C ~C シクロアルキル基、およびテトラヒドロピラニルから選択され、そのそれぞれは、少なくとも1個の置換基で必要に応じて置換されていてもよく、またはR 2a は、-NR 3a 4a 基から選択され、
3a およびR 4a は、独立して、水素およびC ~C アルキル基から選択され、またはR 3a およびR 4a は、結合された窒素原子と一緒に4~8員の飽和または不飽和複素環式環を形成し、各アルキル基または複素環式環は、少なくとも1個の置換基により必要に応じて置換されていてもよく、そして
2a 、R 3a 、およびR 4a に関する必要に応じた置換基は、独立して、ハロゲン基、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシル、C ~C アルキル基、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、C ~C アルコキシ基、ジフルオロメトキシ、およびトリフルオロメトキシから選択され、但し前記化合物は、
2,3-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-6-モルホリノピリダジン-3-オンでも、
6-アミノ-4-ヒドロキシ-ピリダジノンでも
ないことを前提とする]
の化合物、およびその薬学的に許容される塩から選択される、項目1から3のいずれか一項に記載の経口固体製剤。
(項目7)
前記経口固体製剤が、製剤単位当たり10mg~1000mgの前記DAAO阻害剤を含む、項目1から6のいずれか一項に記載の経口固体製剤。
(項目8)
L-HPCの1つのタイプが使用される、項目1から7のいずれか一項に記載の経口固体製剤。
(項目9)
L-HPCの2つまたはそれよりも多くのタイプが使用される、項目1から7のいずれか一項に記載の経口固体製剤。
(項目10)
前記L-HPCの含量が、1重量%~20重量%である、項目1から9のいずれか一項に記載の経口固体製剤。
(項目11)
3重量%~60重量%の4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン、
3重量%~15重量%のL-HPC、
15重量%~85重量%の充填剤、
1重量%~10重量%の結合剤、および
0.2重量%~3重量%の滑沢剤
を含む経口固体製剤。
(項目12)
前記充填剤が、マンニトール、結晶セルロース、デンプン、および前述のいずれかの組合せから選択される、項目3から11のいずれか一項に記載の経口固体製剤。
(項目13)
前記充填剤が、マンニトールおよび結晶セルロースである、項目3から12のいずれか一項に記載の経口固体製剤。
(項目14)
前記結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロースである、項目3から12のいずれか一項に記載の経口固体製剤。
(項目15)
前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、項目3から14のいずれか一項に記載の経口固体製剤。
(項目16)
前記L-HPCが、乾燥重量で5.0%~16.0%のヒドロキシプロポキシ基を含む、項目1から15のいずれか一項に記載の経口固体製剤。
(項目17)
前記L-HPCが、L-HPC LH-21である、項目1から16のいずれか一項に記載の経口固体製剤。
(項目18)
3重量%~60重量%の4-ヒドロキシ-6-{2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピリダジン-3(2H)-オン、
3重量%~15重量%のL-HPC、
10重量%~75重量%のマンニトール、
5重量%~15重量%の結晶セルロース、
1重量%~10重量%のヒドロキシプロピルセルロース、および
0.2重量%~3重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む経口固体製剤。
(項目19)
フィルムコーティングをさらに含む、項目1から18のいずれか一項に記載の経口固体製剤。
(項目20)
前記フィルムコーティングが、コーティング剤およびコーティング添加剤を含む、項目19に記載の経口固体製剤。
(項目21)
前記フィルムコーティングが、コーティング剤および遮光剤を含む、項目19に記載の経口固体製剤。
(項目22)
前記フィルムコーティングが、コーティング剤、遮光剤、および着色剤を含む、項目19に記載の経口固体製剤。
(項目23)
前記フィルムコーティングが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、二酸化チタン、およびヒドロキシプロピルセルロースを含む、項目19に記載の経口固体製剤。
(項目24)
第1のパドル法を使用して第1の溶解試験を行った場合、前記DAAO阻害剤の70%またはそれよりも多くが、30分以内に溶解する、項目1から23のいずれか一項に記載の経口固体製剤。
(項目25)
前記第1のパドル法が、0.05%の臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)を含む900mLの0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)を使用して、75rpmでパドリングすることを含む、項目24に記載の経口固体製剤。
(項目26)
第2のパドル法を使用して第2の溶解試験を行った場合、前記DAAO阻害剤の70%またはそれよりも多くが30分以内に溶解し、前記DAAO阻害剤は、前記第2の溶解試験を行う前に40℃/90%相対湿度で2週間保存された、項目1から25のいずれか一項に記載の経口固体製剤。
(項目27)
前記第2のパドル法が、0.1%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含有する900mLの0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)を使用して、50rpmでパドリングすることを含む、項目26に記載の経口固体製剤。
(項目28)
D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤および添加剤を混合して、混合物を得ること、
前記混合物を造粒して、少なくとも1種の顆粒を得ること、
前記少なくとも1種の顆粒およびL-HPCを混合して、少なくとも1種の混合顆粒を得ること、ならびに
少なくとも1種の混合顆粒を圧縮すること
を含む、項目1から27のいずれか一項に記載の経口固体製剤を生成するための方法。
(項目29)
前記D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤および前記添加剤を混合することが、L-HPCとD-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤および添加剤とを混合することをさらに含む、項目28に記載の方法。
(項目30)
D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤により予防可能なまたは処置可能な疾患を予防するまたは処置するための方法であって、項目1から27のいずれか一項に記載の経口固体製剤を、D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤により予防可能なまたは処置可能な疾患を予防するまたは処置することを必要とする哺乳動物に投与することを含む、方法。
(項目31)
D-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤により予防可能なまたは処置可能な疾患が、統合失調症およびその他の精神障害、認知症およびその他の認知障害、不安障害、気分障害、睡眠障害、一般に幼児期、小児期、または思春期で最初に診断される障害、疼痛、神経変性障害、および運動失調障害から選択される、項目30に記載の方法。
【外国語明細書】