(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040698
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】発光モジュール
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240318BHJP
【FI】
F21S2/00 441
F21S2/00 435
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145213
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 裕樹
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244BA08
3K244CA02
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA25
3K244EA02
3K244EA12
3K244ED24
3K244ED25
(57)【要約】
【課題】輝度むらを低減できる発光モジュールを提供すること。
【解決手段】発光モジュールは、第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面と、前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通孔と、凸部とを有する導光部材であって、前記貫通孔は、前記第1面側に開口する第1部分と、前記第2面側に開口し横方向における幅が前記第1部分よりも広い第2部分と、を有し、前記凸部は前記第2面に配置されて前記第2部分に連続する表面を有する、前記導光部材と、前記貫通孔内に配置された光源と、前記貫通孔内に配置され、前記第1部分を画定する第1側面及び前記第2部分を画定する第2側面と接する第1透光性部材と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面と、前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通孔と、凸部とを有する導光部材であって、前記貫通孔は、前記第1面側に開口する第1部分と、前記第2面側に開口し横方向における幅が前記第1部分よりも広い第2部分と、を有し、前記凸部は前記第2面に配置されて前記第2部分に連続する表面を有する、前記導光部材と、
前記貫通孔内に配置された光源と、
前記貫通孔内に配置され、前記第1部分を画定する第1側面及び前記第2部分を画定する第2側面と接する第1透光性部材と、
を備える、発光モジュール。
【請求項2】
前記光源の上側及び前記第1部分の上側に配置された光調整部材と、
を備える、請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項3】
前記光調整部材と前記第1透光性部材の間に位置する第2透光性部材を備え、
前記第2透光性部材が前記凸部と接する、請求項2に記載の発光モジュール。
【請求項4】
前記光調整部材が前記凸部と接する、請求項2に記載の発光モジュール。
【請求項5】
断面視において、前記第2側面の少なくとも一部は、前記第2面に対して傾斜している、請求項1~4のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項6】
前記光源は、発光素子を有し、
上下方向において、前記第2部分は前記発光素子の上面が位置する高さよりも上側に位置する、請求項1~4のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項7】
前記光源は、前記発光素子の上面に位置する第1被覆部材を有し、
前記上下方向において、前記第2部分の一部は前記第1被覆部材の上面が位置する高さよりも下側に位置する、請求項6に記載の発光モジュール。
【請求項8】
平面視において、複数の前記第2部分が、前記光源を囲むように配置されている、請求項1~4のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項9】
平面視において、隣り合う前記第2部分間の距離は、前記第2部分の外縁の長さよりも小さい、請求項8に記載の発光モジュール。
【請求項10】
平面視において、前記第2部分の外縁の少なくとも一部が曲線である、請求項1~4のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード等の発光素子と、導光部材とを組み合わせた発光モジュールは、例えば液晶ディスプレイのバックライト等の面状光源に広く利用されている。例えば、特許文献1には、反射シート及び複数の発光ダイオードが設けられたLED基板と、LED基板と対向する拡散板とを備えたバックライト装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、輝度むらを低減できる発光モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、発光モジュールは、第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面と、前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通孔と、凸部とを有する導光部材であって、前記貫通孔は、前記第1面側に開口する第1部分と、前記第2面側に開口し横方向における幅が前記第1部分よりも広い第2部分と、を有し、前記凸部は前記第2面に配置されて前記第2部分に連続する表面を有する、前記導光部材と、前記貫通孔内に配置された光源と、前記貫通孔内に配置され、前記第1部分を画定する第1側面及び前記第2部分を画定する第2側面と接する第1透光性部材と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、輝度むらを低減できる発光モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態の発光モジュールの模式平面図である。
【
図2】
図1のII-II線における模式断面図である。
【
図3】実施形態の発光モジュールの第1変形例を説明するための模式断面図である。
【
図4】実施形態の発光モジュールの第2変形例を説明するための模式平面図である。
【
図5】実施形態の発光モジュールの第3変形例を説明するための模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態の発光モジュールについて説明する。実施形態に記載されている構成部の寸法、材料、形状、相対的配置などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係などは、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については、同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。
【0009】
以下の説明において、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を分かり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「上(又は下)」と表現する位置関係は、例えば、2つの部材があると仮定した場合に、2つの部材が接している場合と、2つの部材が接しておらず一方の部材が他方の部材の上方(又は下方)に位置している場合を含む。また、特定的な記載がない限り、部材が被覆対象を覆うとは、部材が被覆対象に接して被覆対象を直接覆う場合と、部材が被覆対象に非接触で被覆対象を間接的に覆う場合を含む。
【0010】
以下に示す図でX軸、Y軸、及びZ軸により方向を示す場合がある。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。発光モジュールの発光面はXY平面に平行であり、Z軸はXY平面に直交する。また、Z軸の矢印方向を上方とし、Z軸の矢印方向と反対側の方向を下方とする。また、XY平面においてX方向から0°以上360°より小さい角度で傾く方向を横方向とする。例えば、本明細書において、X軸に沿う方向を第1方向X、Y軸に沿う方向を第2方向Y、Z軸に沿う方向を第3方向Zとする。本明細書において、第3方向Zは、上下方向Zとも言う。また、本明細書において、特に他の言及がない限り、各部材の厚さとは、第3方向(上下方向)Zにおける各部材の上面から各部材の下面までの距離が最大になるときの値とする。
【0011】
実施形態の発光モジュール100及び面状光源300について、
図1及び
図2を参照して説明する。面状光源300は、発光モジュール100を備える。発光モジュール100は、
図2に示すように、少なくとも、導光部材50と、光源10と、第1透光性部材21とを備える。以下、発光モジュール100及び面状光源300を構成する各要素について詳説する。
【0012】
[導光部材]
導光部材50は、光源10が発する光に対する透光性を有する。光源10の発光ピーク波長に対する導光部材50の透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
【0013】
導光部材50の材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、導光部材50の材料として、ガラス等を用いてもよい。導光部材50は、蛍光体及び/又は光散乱粒子を含んでいてもよい。
【0014】
図2に示すように、導光部材50は、第1面51と、上下方向Zにおいて第1面51の反対側に位置する第2面52とを有する。また、導光部材50は、第1面51から第2面52まで貫通する貫通孔53を有する。貫通孔53内に、光源10及び第1透光性部材21が配置される。
【0015】
貫通孔53は、第1部分53aと第2部分53bとを有する。第1部分53aは、導光部材50の第1面51側に開口している。上下方向Zにおいて、第1部分53aの上側に第2部分53bが位置している。第2部分53bは、導光部材50の第2面52側に開口している。第2部分53bの横方向における幅は、第1部分53aの横方向における幅よりも広い。第2部分53bは、平面視において、第1部分53aに重なる部分と、第1部分53aの外縁よりも外側に位置する部分とを有する。
【0016】
導光部材50は、第1部分53aを画定する第1側面50aと、第2部分53bを画定する第2側面50bとを有する。第1側面50aは第2面52に対して垂直または傾斜し、第2側面50bは第2面52に対して垂直または傾斜している。第1側面50aと第2側面50bとの間に段差を有する。
【0017】
図2に示す例では、導光部材50は、第1側面50a及び第2側面50bに連続し、第2部分53bを画定する面50cを有する。面50cは、第1側面50aに対して垂直または傾斜し、第2側面50bに対して垂直または傾斜している。
【0018】
導光部材50は、第2面52に配置された凸部55を有する。凸部55は、導光部材50における第2部分53bを画定する第2側面50bに連続する表面を有する。
【0019】
図1に示すように、平面視において、導光部材50は、光源10の周囲を連続して囲む。
図1において、貫通孔53の第1部分53aを画定する導光部材50の第1側面50aを例えば円形状の破線で表す。
図1において、凸部55を例えば二重円の実線で表す。
図1において、第2部分53bの外縁は、凸部55を表す実線の内縁に一致する。平面視において、凸部55及び第2部分53bの外縁は、第1部分53aの外縁を連続して囲んでいる。
【0020】
平面視において、凸部55、第2部分53bの外縁、及び第1部分53aの外縁は、楕円、又は、三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形状であってもよい。
【0021】
導光部材50の第1面51と第2面52との間の厚さは、例えば、150μm以上800μm以下が好ましい。導光部材50は、上下方向Zにおいて単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。導光部材50が積層体で構成される場合、各層の間に透光性の接着剤を配置してもよい。尚、各層の間に接着剤を配置しなくてもよい。積層体の各層は、異なる種類の主材を用いてもよく、同じ種類の主材を用いてもよい。
【0022】
実施形態の発光モジュール100では、
図1に示すように、導光部材50は、第1方向X及び第2方向Yに延びる区画溝54によって、複数の発光領域50Aに区画されている。1つの発光領域50Aは、ローカルディミングの駆動単位とすることができる。
図1には、発光モジュール100の発光面において、例えば4つの発光領域50Aが配置された部分を示す。なお、発光モジュール100は、複数の発光領域50Aに限らず、1つの発光領域50Aを備えた構成であってもよい。また、導光部材50の区画溝54を有することにより、発光状態の発光領域50Aと、非発光状態の発光領域50Aとのコントラストを向上させやすくなる。例えば、導光部材50内を横方向に伝搬する光源10からの光の一部は、区画溝54を画定する導光部材50の表面によって反射又は屈折する。このため、導光部材50内を横方向に伝搬する光源10からの光が、隣に位置する発光領域の導光部材50に入射することを低減しやすくなる。これにより、発光状態の発光領域50Aと、非発光状態の発光領域50Aとのコントラストを向上させやすくなる。
【0023】
区画溝54は、導光部材50の第1面51から第2面52まで貫通することが好ましい。これにより、導光部材50を複数に分離することができるので、例えば導光部材50と、導光部材50を支持する後述の支持部材200との熱膨張係数の違いから生じる支持部材200の反りを低減することができる。支持部材200の反りの低減により、後述する導電部材67に亀裂が生じることを低減できる。また、区画溝54は、導光部材50の第2面52側のみにおいて開口する凹部であってもよく、導光部材50の第1面51側のみにおいて開口する凹部であってもよい。区画溝54が凹部の場合には、区画溝54は導光部材50により画定される底面を備えている。
【0024】
区画溝54内に、光源10が発する光に対する反射性を有する部材が配置されていてもよい。これにより、発光状態の発光領域50Aと、非発光状態の発光領域50Aとのコントラストを向上させることができる。尚、区画溝54内に、光源10が発する光に対する反射性を有する部材が配置されなくてもよい。
【0025】
[光源]
図1に示すように、実施形態の発光モジュール100は、複数の光源10を備える。また、発光モジュール100は、1つの光源10を備えてもよい。
図2に示すように、光源10は、発光素子11を含む。発光素子11は、半導体構造体を含む。半導体構造体は、例えば、サファイア又は窒化ガリウム等の基板と、基板上に配置されるn型半導体層と、p型半導体層と、n型半導体層とp型半導体層に挟まれた発光層とを含む。また、発光素子11は、n型半導体層と電気的に接続されたn側電極と、p型半導体層と電気的に接続されたp側電極とを含む。n側電極及びp側電極は、発光素子11の下面の一部を構成する。さらに、光源10は、正負の一対の電極12を含む。正負の一対の電極12は、光源10の下面の一部を構成する。一対の電極12のうちの一方はp側電極と電気的に接続され、他方はn側電極と電気的に接続されている。尚、光源10は電極12を含んでいなくてもよい。光源10が電極12を含んでいない場合には、発光素子11のn側電極とp側電極が、光源10の下面の一部を構成する。また、光源10はサファイア又は窒化ガリウム等の基板を備えていなくてもよい。これにより、上下方向Zにおいて光源10を小型化しやすくなる。
【0026】
発光層の構造としては、ダブルヘテロ構造、単一量子井戸構造(SQW)のように単一の活性層を持つ構造でもよいし、多重量子井戸構造(MQW)のようにひとまとまりの活性層群を持つ構造でもよい。発光層は、可視光又は紫外光を発光可能である。発光層は、可視光として、青色から赤色までを発光可能である。このような発光層を含む半導体構造体としては、例えばInxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含むことができる。半導体構造体は、上述した発光が可能な発光層を少なくとも1つ含むことができる。例えば、半導体構造体は、n型半導体層とp型半導体層との間に1つ以上の発光層を含む構造であってもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造であってもよい。半導体構造体が複数の発光層を含む場合、発光ピーク波長が異なる発光層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ発光層を含んでいてもよい。なお、発光ピーク波長が同じとは、例えば、数nm程度のばらつきがあってもよい。このような発光層の組み合わせとしては適宜選択することができ、例えば半導体構造体が2つの発光層を含む場合、青色光と青色光、緑色光と緑色光、赤色光と赤色光、紫外光と紫外光、青色光と緑色光、青色光と赤色光、又は緑色光と赤色光などの組み合わせで発光層を選択することができる。また、発光層は、発光ピーク波長が異なる複数の活性層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ複数の活性層を含んでいてもよい。
【0027】
1つの光源10は、1つの発光素子11を含んでいる。1つの光源10は、複数の発光素子11を含んでいてもよい。1つの光源10が含む複数の発光素子11の発光ピーク波長は、同じでも異なっていてもよい。例えば、1つの光源10が2つの発光素子11を含む場合、青色光と緑色光、青色光と赤色光、紫外光と青光、紫外光と緑色光、紫外光と赤色光、又は緑色光と赤色光などの組み合わせで発光素子の発光ピーク波長を選択することができる。例えば、1つの光源10が3つの発光素子11を含む場合、青色光と緑色光と赤色光、紫外光と緑色光と赤色光、紫外光と青色光と緑色光、紫外光と青色光と赤色光、紫外光と緑色光と赤色光などの組み合わせで発光素子の発光ピーク波長を選択することができる。
【0028】
図2に示す例では、光源10は、さらに第3透光性部材14を含むことができる。第3透光性部材14は、発光素子11の上面及び側面を覆っている。第3透光性部材14によって発光素子11を保護することができる。第3透光性部材14は、発光素子11の上面の少なくとも一部を露出させるように配置されていてもよい。これにより、上下方向Zにおいて光源10を小型化しやすくなる。
【0029】
第3透光性部材14は、発光素子11が発する光に対する透光性を有する。例えば、第3透光性部材14は、透光性樹脂を含み、蛍光体を更に含んでいてもよい。透光性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂又はエポキシ樹脂等を用いることができる。また、蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(PO4)6Cl2:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr4Al14O25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)3Si6N11:Ce)、BSESN系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)2Si5N8:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl3N4:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2(Si1-xAlx)F6-x:Mn ここで、xは、0<x<1を満たす。)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する量子ドット(例えば、(Cs,FA,MA)(Pb,Sn)(F,Cl,Br,I)3 ここで、FAとMAは、それぞれホルムアミジニウムとメチルアンモニウムを表す。)、II-VI族量子ドット(例えば、CdSe)、III-V族量子ドット(例えば、InP)、又はカルコパイライト構造を有する量子ドット(例えば、(Ag,Cu)(In,Ga)(S,Se)2)等を用いることができる。第3透光性部材14に添加する蛍光体としては、1種類の蛍光体を用いてもよく、複数種類の蛍光体を用いてもよい。
【0030】
また、上述した蛍光体を含有する波長変換シートを、発光モジュール100上に配置してもよい。波長変換シートは、光源10からの青色光の一部を吸収して、黄色光、緑色光及び/又は赤色光を発し、面状光源300としては白色光を出射することができる。例えば、青色の発光が可能な光源10と、黄色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を組み合わせて白色光を得ることができる。また他には、青色の発光が可能な光源10と、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する波長変換シートとを組み合わせてもよい。また、青色の発光が可能な光源10と、複数の波長変換シートとを組み合わせてもよい。複数の波長変換シートとしては、例えば、赤色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を選択することができる。また、青色の発光が可能な発光素子11と赤色の発光が可能な蛍光体を含有する第3透光性部材14とを有する光源10と、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を組み合わせてもよい。
【0031】
波長変換シートに用いられる黄色の発光が可能な蛍光体としては、例えば、上述したイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体を用いるのが好ましい。また、波長変換シートに用いられる緑色の発光が可能な蛍光体としては、発光ピーク波長の半値幅の狭い、例えば、上述したペロブスカイト構造を有する量子ドット、III-V族量子ドット、又は、カルコパイライト構造を有する量子ドットを用いるのが好ましい。また、波長変換シートに用いられる赤色の発光が可能な蛍光体としては、緑色の発光が可能な蛍光体と同様に発光ピーク波長の半値幅の狭い、例えば、上述したKSF系蛍光体、KSAF系蛍光体、III-V族量子ドット、又は、カルコパイライト構造を有する量子ドットを用いるのが好ましい。
【0032】
光源10は、さらに第2被覆部材15を含むことができる。第2被覆部材15は、発光素子11の下面に配置される。第2被覆部材15は、光源10の電極12の下面が第2被覆部材15から露出するように配置される。第2被覆部材15は、発光素子11の側面を覆う第3透光性部材14の下面にも配置される。
【0033】
第2被覆部材15は、発光素子11が発する光に対する反射性を有する。第2被覆部材15には、例えば、窒素及び/又は酸素等の気体を含む樹脂部材、又は、光散乱粒子を含む樹脂部材等を用いることができる。第2被覆部材15の樹脂部材の材料としては、導光部材50に用いる樹脂と同様の材料を用いることができる。第2被覆部材15の光散乱粒子としては、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子を用いることができる。第2被覆部材15は、気体と光散乱粒子の両方を含んでいてもよい。
【0034】
光源10は、さらに、発光素子11の上面に位置する第1被覆部材13を含むことができる。第1被覆部材13は、光源10の上面の少なくとも一部を構成する。平面視において第1被覆部材13と発光素子11とが重なり、その重なる部分において第1被覆部材13が発光素子11の上側に位置する。第1被覆部材13は、第3透光性部材14の上側に配置され、第3透光性部材14の上面から出射する光の量及び/又は出射方向を調整する。第1被覆部材13は、発光素子11が発する光に対する反射性及び透光性を有する。第3透光性部材14の上面から出射した光の一部は第1被覆部材13により反射し、他の一部は第1被覆部材13を透過する。発光素子11のピーク波長に対する第1被覆部材13の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。光源10が第1被覆部材13を含むことにより、光源10の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。これにより、発光モジュール100の輝度むらが低減される。
【0035】
第1被覆部材13は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。第1被覆部材13の樹脂部材としては、導光部材50に用いる樹脂と同様の材料を用いることができる。第1被覆部材13の光散乱粒子としては、第2被覆部材15の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。また、第1被覆部材13は、例えば、アルミニウム若しくは銀などの金属部材、又は誘電体多層膜であってもよい。
【0036】
光源10は、
図2に示す形態に限らない。以下に、光源10の他の形態について説明する。
【0037】
光源10は、第1被覆部材13を含まなくてもよい。これにより、光源10が発光素子11の上側に配置される第1被覆部材13を含む場合よりも、上下方向Zにおいて光源10を小型化しやすくなる。
【0038】
光源10は、第2被覆部材15を含まなくてもよい。例えば、発光素子11の下面、一対の電極12の下面、及び、第3透光性部材14の下面によって光源10の下面が構成されていてもよい。
【0039】
光源10は、発光素子11の単体のみであってもよい。
【0040】
光源10は、第2被覆部材15及び第3透光性部材14を含まず、発光素子11の上面に第1被覆部材13が配置された形態であってもよい。
【0041】
光源10は、第3透光性部材14を含まず、発光素子11の上面に第1被覆部材13が配置され、発光素子11の下面に第2被覆部材15が配置された形態であってもよい。
【0042】
平面視における光源10の形状は特に限定されない。平面視における光源10の形状は、例えば、円形、三角形、四角形、六角形又は八角形等の形状とすることができる。平面視における光源10の形状が四角形の場合には、光源10の互いに平行な一対の外縁が第1方向Xと平行でもよく、第1方向Xに対して傾斜していてもよい。本実施形態では、
図1に示すように、光源10の互いに平行な一対の外縁が第1方向Xに対して45°傾斜している。
【0043】
[第1透光性部材]
第1透光性部材21は、光源10が発する光に対する透光性を有する。光源10の発光ピーク波長に対する第1透光性部材21の透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
【0044】
第1透光性部材21は、光源10の側面と接している。これにより、光源10からの光が第1透光性部材21に入射しやすくなる。第1透光性部材21に入射した光源10からの光は、第1透光性部材21内を伝搬する。
【0045】
平面視において、第1透光性部材21は光源10の周囲を連続して囲む。これにより、光源10の周囲の360°の方向において、光源10からの光が第1透光性部材21に入射しやすくなる。
【0046】
第1透光性部材21は、光源10の上面の少なくとも一部を露出させるように配置されていることが好ましい。これにより、第1透光性部材21が光源10の上面の全てを覆う場合よりも、上下方向Zにおいて発光モジュール100を小型化しやすくなる。第1透光性部材21は、光源10の上面の全てを露出させるように配置されていてもよい。
【0047】
第1透光性部材21は、光源10の上面の全てを覆っていてもよい。第1透光性部材21が光源10の上面の全てを覆うことによって、光源10の直上領域における輝度の調整が容易になる。例えば、第1透光性部材21における光源10の上面を覆う部分の厚さを変更することにより、光源10の直上領域における輝度を調整できる。光源10の直上領域における輝度の調整が容易になることで、発光モジュール100の輝度むらを低減させやすくなる。
【0048】
第1透光性部材21は、上下方向Zにおいて、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。また、第1透光性部材21は蛍光体及び/又は光散乱粒子を含んでいてもよい。第1透光性部材21が積層体である場合には、各層が蛍光体及び/又は光散乱粒子を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。例えば、第1透光性部材21が、蛍光体を含む層と、蛍光体を含まない層とで構成されていてもよい。第1透光性部材21の材料として、例えば、導光部材50に用いる樹脂と同様の材料を用いることができる。
【0049】
第1透光性部材21は、光源10の側面と、導光部材50との間に位置する。導光部材50によって、光源10からの光を横方向においてさらに広い領域に伝搬しやすくできる。
【0050】
第1透光性部材21は、導光部材50における貫通孔53を画定する面に接している。これにより、光源10からの光が、第1透光性部材21内を伝搬して、導光部材50に入射しやすくなる。
図2に示す例では、第1透光性部材21は、第1側面50a、第2側面50b、及び面50cに接している。
【0051】
第1透光性部材21と導光部材50との界面においては、屈折又は反射により、上方に光が向かいやすい。そのため、発光モジュール100の発光面において、第1透光性部材21と導光部材50との界面の上端の近傍は明るくなりやすい場合がある。
【0052】
本実施形態によれば、第1透光性部材21と導光部材50との界面の少なくとも一部は、第1側面50aと第2側面50bにより構成される。屈折又は反射により上方に光が向かいやすい第1側面50aと第2側面50bとが、平面視において重なっていない。これにより、発光モジュール100の発光面において、第1透光性部材21と導光部材50との界面が明るくなりすぎることを低減でき、発光面における輝度むらを低減しやすくなる。
【0053】
また、平面視において、第2面52と、貫通孔53の第2部分53bの外縁との境界に位置する凸部55の大きさ及び/又は位置によって、発光モジュール100の発光面における輝度を調整できる。これにより、発光モジュール100の発光面における輝度むらを低減しやすくなる。
【0054】
上下方向Zにおいて、貫通孔53の第2部分53bは、発光素子11の上面11aが位置する高さよりも上側に位置することが好ましい。これにより、発光素子11の上面11aから出射する光によって、第2面52と第2部分53bの外縁との境界が明るくなりすぎることを低減でき、発光モジュール100の発光面における輝度むらを低減しやすくなる。
【0055】
また、上下方向Zにおいて、貫通孔53の第2部分53bの一部は、光源10の第1被覆部材13の上面13aが位置する高さよりも下側に位置することが好ましい。これにより、第1被覆部材13の側面から横方向に出射する光によって、第2面52と第2部分53bの外縁との境界が明るくなりすぎることを低減でき、発光モジュール100の発光面における輝度むらを低減しやすくなる。
【0056】
図3に示すように、断面視において、導光部材50の第2側面50bの少なくとも一部は、第2面52に対して傾斜していてもよい。第2側面50bは、例えば、下方向に凹む曲面を含む。凸部55の表面から第2側面50bを介して第1側面50aまで連続している。
【0057】
第2側面50bが第2面52に対して傾斜していることで、第2側面50bが第2面52に対して垂直の場合に比べて、発光面における輝度むらを低減しやすくなる。例えば、第2側面50bが第2面52に対して傾斜していることで、第2側面50bが第2面52に対して垂直の場合に比べて、平面視における第2側面50bの面積を大きくすることができる。平面視における面積が大きい第2側面50bから光源10の光が取り出されることによって、第2側面50bの上方が明るくなりすぎることを低減できる。これにより、発光モジュール100の発光面における輝度むらを低減しやすくなる。
【0058】
第1側面50aは、第2面52に対して垂直でも、傾斜していてもよい。また、第1側面50aは、導光部材50側に凹んだ凹部を含んでいてもよい。また、第1側面50aに、光源10側に向かって凸部が配置されてもよい。
【0059】
図4に示すように、平面視において第1部分53aよりも外側に位置する複数の第2部分53bが、光源10を囲むように配置されてもよい。これにより、平面視において光源10の周囲に、第2部分53bに配置される第1透光性部材21と、導光部材50とが混在し、第1透光性部材21と導光部材50との境界を目立ちにくくし、発光面における輝度むらを低減しやすくなる。
【0060】
図4において、第1部分53aの外縁を例えば円形状の破線で表す。
図4において、凸部55を実線で表す。
図4において、第2部分53bの外縁は、凸部55を表す実線の内縁に一致する。平面視において、凸部55及び第2部分53bの外縁は、第1部分53aの外縁に一致する部分を含む。
【0061】
例えば、平面視において光源10を囲む仮想的な閉曲線に沿った方向おいて、隣り合う第2部分53b間の距離Dは、第2部分53bの外縁の長さLよりも短いことが好ましい。上記距離Dが上記長さLよりも短いことで、貫通孔53において第2部分53bが配置される部分の割合を増やしやすくなる。これにより、第1透光性部材21と導光部材50との境界を目立ちにくくし、発光モジュール100の発光面における輝度むらを低減しやすくなる。本明細書において、第2部分53bの外縁の長さLとは、平面視において第1部分53aと第2部分53bとが接する部分における一方の端部と他方の端部とを結ぶ線分の長さである。
【0062】
第2部分53bの外縁の長さLは、例えば、導光部材50の厚さの0.2倍以上2倍以下である。第2部分53bの外縁の長さLは、例えば、100μm以上1000μm以下である。
【0063】
平面視において、第2部分53bの外縁に角があると第2部分53bの外縁が延びる方向が急激に変化する。すなわち、導光部材50の第2側面50bと第1透光性部材21との界面の向き(法線ベクトルの向き)が急激に変化する。導光部材50と第1透光性部材21との界面の向きの急激な変化により、局部的に明るくなる等の輝度むらが発生しやすい。そのため、
図1及び
図4に示すように、平面視において、第2部分53bの外縁の少なくとも一部が曲線であることが好ましい。
【0064】
[光調整部材]
図2に示すように、実施形態の発光モジュール100は、さらに光調整部材30を備えることができる。光調整部材30は、光源10が発する光に対する反射性及び透光性を有する。光源10から出射した光の一部は光調整部材30により反射し、他の一部は光調整部材30を透過する。光源10のピーク波長に対する光調整部材30の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。光調整部材30の上面は、導光部材50の第2面52とともに、発光モジュール100の発光面を構成する。
【0065】
光調整部材30は、例えば、樹脂部材(以下、光調整樹脂部材という)と、光調整樹脂部材に含まれる反射体(以下、光調整反射体という)によって構成することができる。光調整樹脂部材の材料としては、導光部材50に用いる樹脂と同様の材料を用いることができる。光調整反射体の材料としては、第2被覆部材15の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。光調整反射体として窒素及び/又は酸素等の気体を用いてもよい。光調整部材30は、光散乱粒子と気体の両方を含んでいてもよい。光調整部材30は、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。
【0066】
光調整部材30は、光源10の上側に配置される。平面視において、光調整部材30と光源10とが重なる。光調整部材30が光源10の上側に位置することにより、光源10の直上領域が明るくなりすぎることを低減でき、発光モジュール100の発光面における輝度むらを低減しやすくできる。
【0067】
また、光調整部材30は、貫通孔53の第1部分53aの上側に配置される。すなわち、光調整部材30は、第1部分53aに配置された第1透光性部材21の上側に配置される。平面視において、光調整部材30の少なくとも一部が、第1部分53a及び第1透光性部材21と重なる。光調整部材30が第1透光性部材21の上側に位置することにより、第1透光性部材21の直上領域(光源10の周辺領域)が明るくなりすぎることを低減でき、発光モジュール100の発光面における輝度むらを低減しやすくできる。
【0068】
また、光調整部材30は、平面視において、第1側面50aをまたぐように、貫通孔53の第1部分53aの上側の位置から、第2部分53bの上側の位置まで延びることが好ましい。すなわち、光調整部材30が、第1側面50aの上方を覆う。これにより、導光部材50と第1透光性部材21との境界である第1側面50aの上方が明るくなりすぎることを低減でき、発光モジュール100の発光面における輝度むらを低減しやすくできる。
【0069】
[第2透光性部材]
実施形態の発光モジュール100は、さらに第2透光性部材22を備えることができる。第2透光性部材22は、光源10が発する光に対する透光性を有する。光源10の発光ピーク波長に対する第2透光性部材22の透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
【0070】
第2透光性部材22は、断面視において、光源10と光調整部材30との間、及び第1透光性部材21と光調整部材30との間に配置される。第2透光性部材22は、光源10と光調整部材30とを接着し、第1透光性部材21と光調整部材30とを接着する。第2透光性部材22の上下方向Zにおける厚さの最大値は、第1透光性部材21の上下方向Zにおける厚さの最大値よりも小さい。
【0071】
第1透光性部材21は、例えば、流動性を有する樹脂を貫通孔53内に供給した後、熱硬化させて形成される。第1透光性部材21を形成するとき、樹脂の収縮によって第1透光性部材21の上面が凹面になる場合がある。この場合に、第2透光性部材22によって、光調整部材30の配置面(第2透光性部材22の上面)を平坦にしやすくできる。例えば、光調整部材30がシート状である場合には、第2透光性部材22の上面が平坦であることにより、光調整部材30を第2透光性部材22の上面に配置しやすくなる。
【0072】
第2透光性部材22の材料としては、例えば、第1透光性部材21の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。この場合、第1透光性部材21と第2透光性部材22との屈折率差を小さくできる。これにより、第1透光性部材21と第2透光性部材22との界面における光の反射を低減でき、上方への光取り出し量を向上させやすくなる。第2透光性部材22は、蛍光体及び/又は光散乱粒子を含んでいてもよい。
【0073】
流動性を有する第2透光性部材22を第1透光性部材21上及び光源10上に供給した後、第2透光性部材22上に、例えばシート状の光調整部材30を配置する。第2透光性部材22上に光調整部材30を配置した後、第2透光性部材22を例えば熱硬化させる。流動性を有する第2透光性部材22を第1透光性部材21上に供給するとき、第2透光性部材22が凸部55と接し、凸部55によって第2透光性部材22が第2面52に流出しにくくなる。これにより、第2面52における輝度調整が容易になる。
【0074】
光調整部材30は、シート状に限らず、流動性を有する状態で第2透光性部材22上に供給して、熱硬化させてもよい。このとき、流動性を有する光調整部材30が凸部55と接し、凸部55によって光調整部材30が第2面52に流出しにくくなる。これにより、第2面52における輝度調整が容易になる。また、光調整部材30の位置精度を向上でき、発光モジュール100の発光面における輝度調整が容易になる。また、光調整部材30の形状及び/又は厚さのばらつきを低減でき、光調整部材30が配置された領域における輝度調整が容易になる。
【0075】
また、貫通孔53の第2部分53bを画定する導光部材50の第2側面50bによって、第2透光性部材22及び光調整部材30が第2面52に流出しにくくすることもできる。
【0076】
図5に示すように、貫通孔53から離れた位置の第2面52に凸部56を配置してもよい。凸部56の表面と、貫通孔53の第2部分53bを画定する第2側面50bとの間に、第2面52が連続している。この凸部56によって、第2透光性部材22及び光調整部材30が、平面視において凸部56よりも外側に位置する第2面52に流出しにくくなる。
【0077】
実施形態の面状光源300は、発光モジュール100を支持する支持部材200をさらに備える。導光部材50は、第1面51を支持部材200の上面に対向させて、支持部材200上に配置される。貫通孔53内において、光源10及び第1透光性部材21は、支持部材200上に位置する。
【0078】
支持部材200は、配線基板60を有する。配線基板60は、絶縁基材61と、絶縁基材61の少なくとも一方の面に配置された少なくとも1層の配線層62とを有する。絶縁基材61は、リジッド基板であってもよく、フレキシブル基板であってもよい。面状光源300の薄型化のため、絶縁基材61はフレキシブル基板であることが好ましい。絶縁基材61は、上下方向Zにおいて単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。例えば、絶縁基材61は、単層のフレキシブル基板で構成されていてもよく、複数のリジッド基板の積層体で構成されていてもよい。絶縁基材61の材料として、例えば、ポリイミドなどの樹脂を用いることができる。配線層62は、金属膜であり、例えば銅膜である。
【0079】
支持部材200は、配線基板60上に配置された第1接着層63と、第1接着層63上に配置された反射部材64と、反射部材64上に配置された第2接着層65と、をさらに有する。
【0080】
第1接着層63は、配線基板60と反射部材64との間に配置され、配線基板60と反射部材64を接着している。第1接着層63は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。第1接着層63の樹脂部材として、例えば、導光部材50に用いる樹脂と同様の材料を用いることができる。第1接着層63の光散乱粒子として、例えば、第2被覆部材15の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。第1接着層63として、シート状の光学用透明粘着剤を用いてもよい。
【0081】
第1接着層63の樹脂部材の屈折率は、反射部材64の樹脂部材の屈折率よりも低いことが好ましい。本明細書において、屈折率とは光源10の発光ピーク波長における屈折率とする。第1接着層63の樹脂部材の屈折率を、反射部材64の樹脂部材の屈折率よりも低くすることで、反射部材64から第1接着層63に進む光の一部が、反射部材64と第1接着層63との界面において全反射しやすくなる。これにより、発光モジュール100の下方へ抜ける光を低減できるので、発光モジュール100の光取り出し効率が向上しやすくなる。
【0082】
反射部材64は、導光部材50の下方、光源10の下方、第1透光性部材21の下方、及び区画溝54の下方に配置されている。反射部材64は、光源10が発する光に対する反射性を有する。反射部材64は、樹脂部材と、樹脂部材中に含まれる反射体によって構成することができる。反射部材64の樹脂部材として、例えば、導光部材50に用いる樹脂と同様の材料を用いることができる。反射部材64の反射体の材料としては、第2被覆部材15の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。反射部材64の反射体として窒素及び/又は酸素等の気体を用いてもよい。また、反射部材64は、反射体として光散乱粒子と気体の両方を含んでいてもよい。
【0083】
反射部材64の反射体の屈折率は、反射部材64の樹脂部材の屈折率よりも低いことが好ましい。反射部材64の反射体の屈折率を、反射部材64の樹脂部材の屈折率よりも低くすることで、反射部材64に入射した光源10からの光の一部が、反射部材64の樹脂部材と反射部材64の反射体との界面において全反射しやすくなる。これにより、反射部材64から下方へ光が抜ける低減できるので、発光モジュール100の光取り出し効率が向上しやすくなる。
【0084】
反射部材64の反射体の屈折率が反射部材64の樹脂部材の屈折率よりも低い場合には、反射部材64の樹脂部材の屈折率は導光部材50の屈折率よりも高いことが好ましい。これにより、反射部材64の樹脂部材と反射部材64の反射体の屈折率差を大きくしやすくなり、反射部材64に入射した光源10からの光の一部が、反射部材64の樹脂部材と反射部材64の反射体との界面において全反射しやすくなる。
【0085】
第2接着層65は、反射部材64と導光部材50の第2面52との間に配置され、反射部材64と導光部材50を接着している。光源10は、導光部材50の貫通孔53内において第2接着層65上に配置される。第2接着層65は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。第2接着層65の樹脂部材として、例えば、導光部材50に用いる樹脂と同様の材料を用いることができる。第2接着層65の光散乱粒子として、例えば、第2被覆部材15の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。第2接着層65として、シート状の光学用透明粘着剤を用いてもよい。
【0086】
第2接着層65の樹脂部材の屈折率は、導光部材50の屈折率よりも低いことが好ましい。第2接着層65の樹脂部材の屈折率を、導光部材50の屈折率よりも低くすることで、導光部材50から第2接着層65に進む光の一部が、導光部材50と第2接着層65との界面において全反射しやすくなる。これにより、発光モジュール100の下方へ抜ける光を低減できるので、発光モジュール100の光取り出し効率が向上しやすくなる。
【0087】
第2接着層65の樹脂部材の屈折率は、第1透光性部材21の屈折率よりも低いことが好ましい。第2接着層65の樹脂部材の屈折率を、第1透光性部材21の屈折率よりも低くすることで、第1透光性部材21から第2接着層65に進む光の一部が、第1透光性部材21と第2接着層65との界面において全反射しやすくなる。これにより、発光モジュール100の下方へ抜ける光を低減できるので、発光モジュール100の光取り出し効率が向上しやすくなる。
【0088】
支持部材200は、導電部材67をさらに有する。導電部材67は、例えば、樹脂と、樹脂中に含まれる金属粒子とを含む。導電部材67の樹脂として、例えば、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂を用いることができる。導電部材67の金属粒子として、例えば、銅又は銀の粒子を用いることができる。
【0089】
導電部材67は、接続部67aと配線部67bとを有する。接続部67aは、第2接着層65、反射部材64、第1接着層63、及び絶縁基材61を、上下方向Zにおいて貫通している。配線部67bは、配線基板60における配線層62が配置された面に配置され、接続部67aと接続している。接続部67aと配線部67bは、同じ材料で一体に形成することができる。配線部67bの一部は、配線層62と接続している。
【0090】
光源10の正負の一対の電極12に対応して、一対の導電部材67が横方向において互いに離れて配置されている。一対の導電部材67のうち、一方の導電部材67の接続部67aは、光源10の下方において正側の電極12と接続され、他方の導電部材67の接続部67aは、光源10の下方において負側の電極12と接続されている。光源10の電極12は、導電部材67を介して、配線層62と電気的に接続されている。
【0091】
支持部材200は、絶縁層66をさらに有する。絶縁層66は、配線基板60の下面に配置され、配線層62を覆っている。絶縁層66の材料として、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂又はアクリル樹脂を用いることができる。
【0092】
本発明の実施形態は、以下の発光モジュールを含む。
【0093】
[項1]
第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面と、前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通孔と、凸部とを有する導光部材であって、前記貫通孔は、前記第1面側に開口する第1部分と、前記第2面側に開口し横方向における幅が前記第1部分よりも広い第2部分と、を有し、前記凸部は前記第2面に配置されて前記第2部分に連続する表面を有する、前記導光部材と、
前記貫通孔内に配置された光源と、
前記貫通孔内に配置され、前記第1部分を画定する第1側面及び前記第2部分を画定する第2側面と接する第1透光性部材と、
を備える、発光モジュール。
[項2]
前記光源の上側及び前記第1部分の上側に配置された光調整部材と、
を備える、上記項1に記載の発光モジュール。
[項3]
前記光調整部材と前記第1透光性部材の間に位置する第2透光性部材を備え、
前記第2透光性部材が前記凸部と接する、上記項2に記載の発光モジュール。
[項4]
前記光調整部材が前記凸部と接する、上記項1または2に記載の発光モジュール。
[項5]
断面視において、前記第2側面の少なくとも一部は、前記第2面に対して傾斜している、上記項1~4のいずれか1つに記載の発光モジュール。
[項6]
前記光源は、発光素子を有し、
上下方向において、前記第2部分は前記発光素子の上面が位置する高さよりも上側に位置する、上記項1~5のいずれか1つに記載の発光モジュール。
[項7]
前記光源は、前記発光素子の上面に位置する第1被覆部材を有し、
前記上下方向において、前記第2部分の一部は前記第1被覆部材の上面が位置する高さよりも下側に位置する、上記項6に記載の発光モジュール。
[項8]
平面視において、複数の前記第2部分が、前記光源を囲むように配置されている、上記項1~7のいずれか1つに記載の発光モジュール。
[項9]
平面視において、隣り合う前記第2部分間の距離は、前記第2部分の外縁の長さよりも小さい、上記項8に記載の発光モジュール。
[項10]
平面視において、前記第2部分の外縁の少なくとも一部が曲線である、上記項1~9のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【0094】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。本発明の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0095】
10…光源、11…発光素子、13…第1被覆部材、14…第3透光性部材、15…第2被覆部材、21…第1透光性部材、22…第2透光性部材、30…光調整部材、50…導光部材、50A…発光領域、50a…第1側面、50b…第2側面、51…第1面、52…第2面、53…貫通孔、53a…第1部分、53b…第2部分、54…区画溝、55…凸部、56…凸部、60…配線基板、61…絶縁基材、62…配線層、63…第1接着層、64…反射部材、65…第2接着層、66…絶縁層、67…導電部材、100…発光モジュール、200…支持部材、300…面状光源