(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040864
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】放射線画像撮影システム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240318BHJP
A61B 6/08 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
A61B6/00 320M
A61B6/00 330Z
A61B6/08 307
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145494
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北野 浩一
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093CA15
4C093EB12
4C093EB13
4C093EB17
4C093EE19
4C093EE30
4C093FA19
4C093FA44
4C093FA54
4C093FA55
4C093FA60
4C093FF15
4C093FF35
(57)【要約】
【課題】放射線画像の撮影に際して行われる作業を支援することができる放射線画像撮影システムを提供する。
【解決手段】放射線画像撮影システムは、放射線を出射する線源部を有する放射線発生装置と、放射線の出射方向に向けて画像を投影するプロジェクタと、少なくとも1つのプロセッサと、を有する。プロセッサは、線源部から画像が投影される投影面までの距離を示す距離情報を取得し、放射線画像の被写体について過去に撮影された放射線画像である被写体画像を取得し、被写体について撮影される、線源部から出射される放射線に基づく放射線画像に描出される被写体の描出範囲を、距離情報に基づいて導出し、描出範囲に基づいて、被写体画像をトリミングし、トリミングされた被写体画像をプロジェクタに投影させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を出射する線源部を有する放射線発生装置と、
前記放射線の出射方向に向けて画像を投影するプロジェクタと、
少なくとも1つのプロセッサと、
を有し、
前記プロセッサは、
前記線源部から前記画像が投影される投影面までの距離を示す距離情報を取得し、
放射線画像の被写体について過去に撮影された放射線画像である被写体画像を取得し、
前記被写体について撮影される、前記線源部から出射される放射線に基づく放射線画像に描出される前記被写体の描出範囲を、前記距離情報に基づいて導出し、
前記描出範囲に基づいて、前記被写体画像をトリミングし、
トリミングされた前記被写体画像を前記プロジェクタに投影させる
放射線画像撮影システム。
【請求項2】
前記線源部から前記投影面までの距離を測定する測定部を更に有する
請求項1に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記被写体について放射線画像を撮影する際の、前記被写体の撮影姿勢を示す姿勢情報を取得し、
前記姿勢情報に基づいて、前記被写体画像を選択する
請求項1に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記被写体の体格を示す体格情報を含む被写体情報を取得し、
前記体格情報に基づいて前記被写体画像の投影サイズを設定する
請求項1に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記投影面までの距離として確定した距離を示す確定距離情報を取得し、
前記被写体について撮影される放射線画像に描出されるべき前記被写体の範囲を指定する範囲指定情報を取得し、
前記確定距離情報及び前記範囲指定情報に基づいて放射線の出射条件を導出する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項6】
前記出射条件は、前記線源部から出射される放射線の出射回数を含む
請求項5に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記確定距離情報及び前記範囲指定情報に基づいて、前記線源部から出射される放射線の出射毎の出射タイミングを制御する
請求項6に記載の放射線画像撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術は、放射線画像撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
放射線発生装置と放射線検出装置とを含むシステムに関する技術として、以下のものが知られている。例えば特許文献1には、放射線を被写体に連続的に照射する放射線源と、被写体を透過した放射線を検出して放射線画像を出力する放射線検出器とを備える放射線透視撮影装置に用いられる処理装置が記載されている。処理装置のプロセッサは、体厚測定センサが測定した被写体の体厚を取得し、体厚に応じて、放射線画像に対する階調変換処理に用いる階調変換関数を設定し、放射線検出器が出力した放射線画像を取得し、設定した階調変換関数にて階調変換処理を開始する。
【0003】
特許文献2には、放射線を発する放射線管を含む放射線発生部を有し、車輪を有する台車部により移動可能である移動式放射線発生装置に用いられ、放射線撮影に先立って、放射線の強度を推定する放射線強度推定装置が記載されている。放射線強度推定装置のプロセッサは、放射線撮影の撮影対象、および撮影対象の周囲を写した光学画像を、カメラから取得する光学画像取得処理と、放射線管から物体までの距離を示す距離情報を、距離センサから取得する距離情報取得処理と、光学画像内の物体の種類を特定する特定処理と、距離情報および物体の種類の特定結果を含む参照情報に基づいて、光学画像に写された環境における放射線の強度を推定する推定処理と、を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-191389号公報
【特許文献2】特開2021-137414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
放射線画像の撮影手法として長尺撮影が知られている。長尺撮影は、標準サイズの放射線検出装置ではカバーしきれない範囲を撮影するための手法である。長尺撮影では、例えば、放射線検出装置を長尺方向に移動させつつ出射方向を変化させながら放射線を複数回に亘って出射することによって複数の放射線画像が撮影される。
【0006】
長尺撮影においては、被写体の所望の範囲が一連の放射線画像に含まれるように、被写体である患者をポジショニングした状態で線源の位置決めが行われる。例えば、線源と被写体との距離が近すぎると長尺撮影によっても所望の範囲を撮影できない場合がある。長尺撮影における線源の位置決めは、一般撮影と比較して多くの時間を要する。患者の疾病又はけがの状態によっては、患者が撮影手技に応じた特定の姿勢(例えば立位)を長時間維持することが困難な場合がある。
【0007】
開示の技術は、上記の点に鑑みてなされたものであり、放射線画像の撮影に際して行われる作業を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の技術実施形態に係る放射線画像撮影システムは、放射線を出射する線源部を有する放射線発生装置と、放射線の出射方向に向けて画像を投影するプロジェクタと、少なくとも1つのプロセッサと、を有する。プロセッサは、線源部から画像が投影される投影面までの距離を示す距離情報を取得し、放射線画像の被写体について過去に撮影された放射線画像である被写体画像を取得し、被写体について撮影される、線源部から出射される放射線に基づく放射線画像に描出される被写体の描出範囲を、距離情報に基づいて導出し、描出範囲に基づいて、被写体画像をトリミングし、トリミングされた被写体画像をプロジェクタに投影させる。
【0009】
放射線画像撮影システムは、線源部から投影面までの距離を測定する測定部を更に有していてもよい。プロセッサは、被写体について放射線画像を撮影する際の、被写体の撮影姿勢を示す姿勢情報を取得し、姿勢情報に基づいて、被写体画像を選択してもよい。プロセッサは、被写体の体格を示す体格情報を含む被写体情報を取得し、体格情報に基づいて被写体画像の投影サイズを設定してもよい。
【0010】
プロセッサは、投影面までの距離として確定した距離を示す確定距離情報を取得し、被写体について撮影される放射線画像に描出されるべき被写体の範囲を指定する範囲指定情報を取得し、確定距離情報及び範囲指定情報に基づいて放射線の出射条件を導出してもよい。出射条件は、線源部から出射される放射線の出射回数を含んでいてもよい。プロセッサは、確定距離情報及び範囲指定情報に基づいて、線源部から出射される放射線の出射毎の出射タイミングを制御してもよい。
【発明の効果】
【0011】
開示の技術によれば、放射線画像の撮影に際して行われる作業を支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】開示の技術の実施形態に係る放射線画像撮影システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】開示の技術の実施形態に係る長尺撮影時における放射線発生装置及び放射線検出装置の動作の一例を示す図である。
【
図3】開示の技術の実施形態に係る放射線発生装置の制御系のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】開示の技術の実施形態に係る放射線発生装置の機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】開示の技術の実施形態に係る線源部から投影面までの距離と、放射線画像に描出される被写体の描出範囲との関係を示す図である。
【
図6】開示の技術の実施形態に係る投影面に投影された被写体画像の一例を示す図である。
【
図7】開示の技術の実施形態に係る撮影支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】開示の技術の実施形態に係る放射線発生装置の機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図9】開示の技術の実施形態に係る撮影支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、開示の技術の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与し、重複する説明は省略する。
【0014】
[第1の実施形態]
図1は、開示の技術の実施形態に係る放射線画像撮影システム100の構成の一例を示す図である。放射線画像撮影システム100は、放射線発生装置10、放射線検出装置20、コンソール30及び衝立40を含んで構成されている。
【0015】
放射線発生装置10は、放射線画像を撮影するための放射線を出射する。放射線は、例えばエックス線である。放射線発生装置10は、いわゆる天井走行型の形態を有し、天井に取り付けられたガイドレール11、ガイドレール11上を走行する走行部12、走行部12に接続された伸縮可能な支柱部13、支柱部13の先端に取り付けられた線源部14を備えている。放射線発生装置10の詳細な構成については後述する。
【0016】
放射線検出装置20は、放射線発生装置10から出射される放射線を検出して放射線画像を生成する。放射線検出装置20は、放射線に応じた電荷を蓄積する複数の画素が二次元マトリックス状に配列されたFPD(Flat Panel Detector)と称される検出パネル21を有する。放射線検出装置20は、放射線の照射開始を検出すると画素に電荷を蓄積させる蓄積動作を開始し、放射線の照射終了を検出すると、画素に蓄積された電荷を電気信号として読み出す読み出し動作を開始する。放射線検出装置20は、画素から読み出した電荷に基づいて放射線画像を生成する。放射線検出装置20は、検出パネル21を昇降可能に支持する支柱部22を有する。
【0017】
コンソール30は、例えばデスクトップ型のコンピュータである。コンソール30は、ノート型又はタブレット型のコンピュータであってもよい。コンソール30は、各種画面を表示するディスプレイ31、キーボードおよびマウス等の入力デバイス32、ハードディスク等の記憶媒体(図示せず)を有する。コンソール30は、放射線発生装置10及び放射線検出装置20の各々と通信可能に接続されている。これらの装置間の通信の形態は有線であってもよいし、無線であってもよい。
【0018】
コンソール30のディスプレイ31には、複数種の撮影メニューが選択可能な形態で表示される。ユーザは、コンソール30の入力デバイス32を操作して、複数種の撮影メニューのうち、撮影オーダーで指定された撮影手技と一致する1つの撮影メニューを選択する。選択された撮影メニューを示す撮影メニュー情報は、放射線発生装置10に送信される。撮影メニュー情報には、被写体50の撮影部位、撮影姿勢及び撮影方向を示す情報が含まれる。撮影部位は、例えば、胸部、頭部、頸部、腹部、腰部、肩、肘、手、膝及び足首等である。撮影姿勢は、例えば、立位、臥位、座位等である。撮影方向は、例えば、正面、背面及び側面等である。コンソール30の記憶媒体(図示せず)には、被写体情報が格納されている。被写体情報には、被写体50の体格を示す体格情報が含まれる。体格情報には、被写体50の身長、胸囲、腹囲及びその他の部位の寸法の少なくとも1つが含まれる。被写体情報は、例えば、RIS(Radiology Information Systems)等の外部システムから取得されてもよいし、ユーザによるマニュアル入力によって取得されてもよい。また、コンソール30の記憶媒体には、被写体50について過去に撮影された放射線画像が格納されている。
【0019】
衝立40は、放射線画像の撮影時に、被写体50の安全を確保するために、放射線検出装置20と被写体50との間に配置される板状部材である。衝立40は、放射線発生装置10から出射される放射線に対して透過性を有する材料(例えばプラスチック)によって構成される。衝立40の被写体50側の面は、後述する被写体画像が投影される投影面41を構成する。
【0020】
放射線画像撮影システム100においては、放射線発生装置10と放射線検出装置20とが連携することで、長尺撮影を行うことが可能である。長尺撮影では、放射線検出装置20を長尺方向(支柱部22の沿った方向)に移動させつつ、放射線発生装置10から、出射方向を変化させながら放射線を複数回に亘って出射することによって複数の放射線画像が撮影される。
【0021】
図2は、長尺撮影時における放射線発生装置10及び放射線検出装置20の動作の一例を示す図である。長尺撮影時において、検出パネル21は、支柱部22に沿って、例えば鉛直方向上方から下方に向けて移動する。放射線発生装置10の線源部14は、
図2において破線矢印で示す放射線の出射方向が検出パネル21に向くように、検出パネル21の移動に連動して回転する。線源部14が回転している間、所定のタイミングで複数回に亘り放射線が出射され、複数の放射線画像が生成される。複数の放射線画像は合成され、1枚の長尺画像が作成される。長尺撮影によって得られた複数の放射線画像において、被写体の所望の範囲が網羅されるように、検出パネル21の移動範囲、線源部14の回転角度範囲、放射線の出射回数及び放射線の出射タイミングが設定される。
【0022】
図3は、放射線発生装置10の制御系のハードウェア構成の一例を示す図である。放射線発生装置10は、線源部14、プロジェクタ61、測定部62、駆動機構15、通信インターフェース16、プロセッサ17、RAM(Random Access Memory)18及び不揮発性メモリ19を有する。
【0023】
線源部14は、放射線管および照射野限定器を有する(いずれも図示せず)。放射線管には、フィラメント、ターゲット、グリッド電極等(いずれも図示せず)が設けられている。陰極であるフィラメントと陽極であるターゲットの間には電圧が印加される。フィラメントとターゲットの間に印加される電圧は管電圧と称される。フィラメントは、印加された管電圧に応じた熱電子をターゲットに向けて放出する。ターゲットは、フィラメントからの熱電子の衝突によって放射線を出射する。グリッド電極は、フィラメントとターゲットの間に配置されている。グリッド電極は、印加電圧に応じて、フィラメントからターゲットに向かう熱電子の流量を変更する。このフィラメントからターゲットに向かう熱電子の流量は管電流と称される。
【0024】
照射野限定器はコリメータとも称され、放射線管から出射された放射線の照射野を限定する。照射野限定器は、例えば、放射線を遮蔽する鉛等の4枚の遮蔽板が四角形の各辺上に配置され、放射線を透過させる四角形の出射開口が中央部に形成された構成である。照射野限定器は、各遮蔽板の位置を変更することで出射開口の大きさを変化させ、これにより放射線の照射野を変更する。
【0025】
プロジェクタ61は、放射線画像の撮影に先立って、衝立40の投影面41に被写体画像を投影する画像投影デバイスである。被写体画像とは、放射線画像の撮影対象である被写体50について過去に長尺撮影手法を用いて撮影された放射線画像である。プロジェクタ61は、線源部14の放射線出射側に設けられる。すなわち、プロジェクタ61の画像投影方向は、放射線の出射方向と同じである。
【0026】
測定部62は、放射線画像の撮影に先立って、線源部14から衝立40の表面、すなわち投影面41までの距離を測定する。線源部14から投影面41までの距離は、走行部12がガイドレール11に沿って移動することで変化する。測定部62は、例えばTOF(Time of Flight)方式又はLiDAR(light detection and ranging)方式を利用して物体表面までの距離を測定する測距デバイスによって構成されていてもよい。測定部62は測定した距離を示す距離情報を生成する。測定部62は、線源部14の放射線出射側に設けられている。
【0027】
駆動機構15は、走行部12の走行動作、支柱部13の伸縮動作及び線源部14の回転動作を行うためのモータ等の電動装置を含んで構成されている。通信インターフェース16は、コンソール30との間で通信を行うためのインターフェースである。放射線発生装置10は、通信インターフェース16を介してコンソール30から体格情報を含む被写体情報、撮影メニュー情報及び被写体画像を取得する。
【0028】
不揮発性メモリ19は、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。不揮発性メモリ19には撮影支援プログラム200が格納されている。RAM18は、プロセッサ17が処理を実行するためのワークメモリである。プロセッサ17は、不揮発性メモリ19に格納されている撮影支援プログラム200をRAM18へロードし、撮影支援プログラム200にしたがって処理を実行する。
【0029】
図4は、プロセッサ17が撮影支援プログラム200にしたがって撮影支援処理(
図7参照)を行う場合における放射線発生装置10の機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。プロセッサ17は、撮影支援プログラム200を実行することにより、情報取得部71、位置制御部72、被写体画像取得部73、被写体画像選択部74、被写体画像処理部75及び被写体画像投影部76として機能する。
【0030】
情報取得部71は、コンソール30から送信される撮影メニュー情報及び被写体情報を取得する。上記したように、撮影メニュー情報には、被写体50の撮影部位、撮影姿勢及び撮影方向を示す情報が含まれる。被写体情報には被写体50の体格を示す体格情報が含まれる。
【0031】
位置制御部72は、情報取得部71によって取得された撮影メニュー情報に含まれる撮影部位、撮影姿勢及び撮影方向を示す情報に基づいて、線源部14の暫定的な位置決めを行う。すなわち、位置制御部72は、放射線発生装置10の走行部12及び支柱部13を制御して、撮影部位、撮影姿勢及び撮影方向に応じて定まる位置に線源部14を移動させる。これにより、線源部14の、水平方向の位置及び高さ方向の位置が暫定的に定まる。線源部14の暫定的な位置決めは、例えば、撮影部位、撮影姿勢及び撮影方向と、線源部14の位置との関係を予め定めたテーブルを用いて行ってもよい。なお、線源部14の暫定的な位置決めは、手動で行うことも可能である。
【0032】
情報取得部71は、暫定的に位置決めされた線源部14から衝立40の投影面41までの距離を測定部62に測定させる。測定部62は、線源部14から投影面41までの距離を示す距離情報を生成する。情報取得部71は、測定部62によって生成される距離情報を取得する。
【0033】
被写体画像取得部73は、コンソール30から送信される被写体画像を取得する。被写体画像は、放射線画像の撮影対象である被写体50について過去に長尺撮影手法を用いて撮影された放射線画像である。なお、コンソール30は、医療情報サーバ(図示せず)から被写体画像をダウンロードしてもよい。ダウンロードされた被写体画像は、コンソール30の記憶媒体(図示せず)に格納される。
【0034】
被写体画像選択部74は、情報取得部71によって取得された撮影メニュー情報に含まれる撮影部位、撮影姿勢及び撮影方向を示す情報に基づいて、被写体画像取得部73によって取得された被写体画像のうち、投影面41に投影すべき画像を選択する。例えば、撮影メニュー情報によって示される撮影部位、撮影姿勢、撮影方向が、それぞれ「胸部」、「立位」、「正面」である場合、被写体画像選択部74は、被写体画像取得部73によって取得された被写体画像のうち、撮影部位、撮影姿勢、撮影方向が、それぞれ「胸部」、「立位」、「正面」である画像を選択する。なお、被写体画像の各々に撮影部位、撮影姿勢、撮影方向を示すメタ情報を付与しておいてもよい。この場合、被写体画像選択部74は、メタ情報を参照して当該被写体画像における撮影部位、撮影姿勢、撮影方向を特定してもよい。
【0035】
被写体画像処理部75は、線源部14から出射される放射線に基づく放射線画像に描出される被写体50の描出範囲を、情報取得部71によって取得された距離情報に基づいて導出する。
図5は、線源部14から投影面41までの距離と、線源部14から出射される放射線に基づく放射線画像に描出される被写体50の描出範囲との関係を示す図である。
図5に示すように、被写体50について放射線画像を撮影する場合、衝立40が、検出パネル21の前方に設置され、被写体50は衝立40の前方にポジショニングされる。線源部14から投影面41までの距離が短くなる程、被写体50を透過する放射線の照射範囲は狭くなる。その結果、放射線画像に描出される被写体50の描出範囲は狭くなる。線源部14から被写体50までの距離及び線源部14から検出パネル21までの距離は、距離情報によって示される線源部14から投影面41までの距離から推定することが可能である。従って、距離情報に基づいて被写体50の描出範囲を導出することは可能である。
【0036】
被写体画像処理部75は、距離情報に加え、放射線の照射野のサイズ(照射野限定器の開度)、線源部14の高さ位置、被写体50の体格情報に基づいて、放射線画像に描出される被写体50の描出範囲を導出する。描出範囲をどのように規定するかについては、特に限定されないが、例えば、長尺撮影における長尺方向に沿った被写体50の各部位に所定間隔で付与される連続番号によって描出範囲を規定してもよい。連続番号は、例えば被写体50の頭頂部を「0」として長尺方向に沿って1cm間隔で1ずつ増加するように付与されてもよい。連続番号は、いわば定規の目盛りのようなものである。
図5には、線源部14から投影面41までの距離が相対的に短い場合について、描出範囲として「72-125」が導出され、線源部14から投影面41までの距離が相対的に長い場合について、描出範囲として「15-153」が導出されている例が示されている。
【0037】
被写体画像処理部75は、導出された描出範囲に基づいて、被写体画像取得部73によって取得された被写体画像をトリミングする。上記したように、線源部14から投影面41までの距離が短くなる程、放射線画像に描出される被写体50の描出範囲は狭くなる。被写体画像には、距離情報に基づいて導出される描出範囲よりも広い範囲に亘り被写体50が描出されている場合が想定される。被写体画像処理部75は、距離情報に基づいて導出された描出範囲に対応する範囲を被写体画像から切り出す処理をトリミングとして行う。例えば、被写体画像の、長尺方向に沿った各部位には、距離情報に基づいて導出される描出範囲を特定するための連続番号に対応する番号を付与しておき、距離情報に基づいて導出された描出範囲を示す連続番号の範囲に一致する範囲を被写体画像から切り出してもよい。なお、被写体画像処理部75は、元画像に含まれる部分画像を元画像から切り出す処理に代えて、元画像において部分画像を縁取りする処理をトリミングとして行ってもよい。
【0038】
被写体画像処理部75は、情報取得部71によって取得された体格情報及び距離情報に基づいて、被写体画像の投影サイズを設定する。すなわち、被写体画像処理部75は、プロジェクタ61が、距離情報によって示される距離だけ投影面41から離隔した位置から投影面41に被写体画像を投影した場合に、投影面41に投影される被写体画像が実寸大となるように、被写体画像の投影サイズを設定する。被写体画像処理部75は、投影面41に投影される被写体画像のサイズが、体格情報によって示される被写体50の身長、胸囲、腹囲又はその他の部位の寸法に整合するように、被写体画像のサイズを拡大又は縮小する。なお、プロジェクタ61がズーム機能を有している場合、プロジェクタ61のズーム機能によって被写体画像の投影サイズを設定してもよい。
【0039】
被写体画像投影部76は、被写体画像処理部75によってトリミングされた被写体画像を、設定された投影サイズでプロジェクタ61に投影させる処理を行う。これにより、トリミングされた被写体画像は実寸大で投影面41に投影される。
図6は、投影面41に投影された被写体画像300の一例を示す図である。
【0040】
図7は、プロセッサ17が、撮影支援プログラム200を実行することによって実施される撮影支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。撮影支援プログラム200は、例えば、ユーザがコンソール30から処理の開始を指示した場合に実行される。典型的には、撮影支援処理は、被写体50のポジショニングを行う前、すなわち、被写体50を衝立40の前方に配置する前に行われる。
【0041】
ステップS1において情報取得部71は、コンソール30から送信される撮影メニュー情報及び被写体情報を取得する。撮影メニュー情報には、被写体50の撮影部位、撮影姿勢及び撮影方向を示す情報並びに被写体50の体格情報が含まれる。被写体情報には、被写体50の体格を示す体格情報が含まれる。
【0042】
ステップS2において位置制御部72は、ステップS1において取得された撮影メニュー情報に基づいて線源部14の暫定的な位置決めを行う。すなわち、位置制御部72は、放射線発生装置10の走行部12及び支柱部13を制御して、撮影部位、撮影姿勢及び撮影方向に応じて定まる位置に線源部14を移動させる。これにより、線源部14の高さ方向の位置及び水平方向の位置が暫定的に定まる。
【0043】
ステップS3において情報取得部71は、線源部14から衝立40までの距離を測定部62に測定させることにより、線源部14から投影面41までの距離を示す距離情報を取得する。
【0044】
ステップS4において被写体画像取得部73は、コンソール30から送信される被写体画像を取得する。被写体画像は、放射線画像の撮影対象である被写体50について過去に長尺撮影手法を用いて撮影された放射線画像である。
【0045】
ステップS5において被写体画像選択部74は、ステップS1において取得された撮影メニュー情報に含まれる撮影部位、撮影姿勢及び撮影方向を示す情報に基づいて、ステップS4において取得された被写体画像のうち、投影面41に投影すべき画像を選択する。
【0046】
ステップS6において被写体画像処理部75は、線源部14から出射される放射線に基づく放射線画像に描出される被写体50の描出範囲を、ステップS3において取得された距離情報に基づいて導出する。
【0047】
ステップS7において被写体画像処理部75は、ステップS6において導出された描出範囲に基づいて、ステップS4において取得された被写体画像をトリミングする。例えば、被写体画像処理部75は、ステップS6において導出された描出範囲に対応する範囲を、ステップS4において取得された被写体画像から切り出す処理をトリミングとして行う。
【0048】
ステップS8において被写体画像処理部75は、ステップS1において取得された被写体情報に含まれる体格情報及びステップS3において取得された距離情報に基づいて、ステップS7においてトリミングされた被写体画像の投影サイズを設定する。すなわち、被写体画像処理部75は、プロジェクタ61が、距離情報によって示される距離だけ投影面41から離隔した位置から被写体画像を投影面41に投影した場合に、投影面41に投影される被写体画像が実寸大となるように、被写体画像の投影サイズを設定する。
【0049】
ステップS9において被写体画像投影部76は、ステップS7においてトリミングされた被写体画像を、ステップS8において設定された投影サイズでプロジェクタ61に投影させる処理を行う。これにより、トリミングされた被写体画像は実寸大で投影面41に投影される。
【0050】
以上のように、開示の技術の実施形態に係る放射線画像撮影システム100は、放射線を出射する線源部14を有する放射線発生装置10と、放射線の出射方向に向けて画像を投影するプロジェクタ61と、プロセッサ17と、を有する。プロセッサ17は、線源部14から投影面41までの距離を示す距離情報及び被写体50について過去に撮影された放射線画像である被写体画像を取得する。プロセッサ17は、被写体50について撮影される、線源部14から出射される放射線に基づく放射線画像に描出される被写体50の描出範囲を、距離情報に基づいて導出する。プロセッサ17は、描出範囲に基づいて、被写体画像をトリミングし、トリミングされた被写体画像をプロジェクタ61に投影させる。
【0051】
長尺撮影においては、所望の範囲が一連の放射線画像に含まれるように、被写体である患者をポジショニングした状態で線源の位置決めが行われる。例えば、線源と被写体との距離が近すぎると長尺撮影によっても所望の範囲を撮影できない場合がある。長尺撮影における線源の位置決めは、一般撮影と比較して多くの時間を要する。患者の疾病又はけがの状態によっては、患者が撮影手技に応じた特定の姿勢(例えば立位)を長時間維持することが困難な場合がある。
【0052】
開示の技術の実施形態に係る放射線画像撮影システム100によれば、放射線画像の撮影に際して行われる作業を支援することが可能となる。具体的には、被写体50のポジショニングを行う前に、放射線画像に描出される被写体50の描出範囲を把握することが可能となる。したがって、被写体50のポジショニングを行う前に、線源部14の位置の適否を判断し、必要に応じて線源部14の位置の修正を行うといった対応をとることが可能である。放射線画像の撮影に際して行われる作業の一部を、被写体50のポジショニング前に完了させておくことで、被写体50の負担を軽減することができる。
【0053】
なお、本実施形態においては、
図7に示す全ての処理を、放射線発生装置10のプロセッサ17が行う場合を例示したが、これらの処理のうちの少なくとも一部をコンソール30のプロセッサ(図示せず)が行ってもよい。例えば、
図7に示す処理のうち、被写体画像を選択する処理(ステップS5)、被写体の描出範囲を導出する処理(ステップS6)、被写体画像をトリミングする処理(ステップS7)及び被写体画像の投影サイズを設定する処理(ステップS8)のうちの少なくとも1つを、コンソール30のプロセッサが実行してもよい。
【0054】
[第2の実施形態]
図8は、開示の技術の第2の実施形態に係る放射線発生装置10のプロセッサ17が撮影支援プログラム200にしたがって撮影支援処理(
図9参照)を行う場合における放射線発生装置10の機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。プロセッサ17は、出射条件導出部77及び出射制御部78として更に機能する点が、上記した第1の実施形態と異なる。
【0055】
第2の実施形態に係る情報取得部71は、線源部14から投影面41までの距離として確定した距離を示す確定距離情報を取得する。確定距離情報は、放射線画像を撮影する際の線源部14の位置として確定した位置に線源部14が配置された場合の線源部14から投影面41までの距離を示す情報である。確定距離情報は、線源部14を確定位置に位置決めした状態で、測定部62に測距を行わせることで取得することが可能である。
【0056】
また、第2の実施形態に係る情報取得部71は、被写体50について撮影される放射線画像に描出されるべき被写体50の範囲を指定する範囲指定情報を取得する。放射線画像に描出されるべき被写体50の範囲をどのように規定するかについては、特に限定されないが、例えば、長尺撮影における長尺方向に沿った被写体50の各部位に所定間隔で付与される連続番号によって放射線画像に描出されるべき被写体50の範囲を規定してもよい。
【0057】
出射条件導出部77は、確定距離情報及び範囲指定情報に基づいて放射線の出射条件を導出する。すなわち、出射条件導出部77は、確定距離情報によって示される距離だけ投影面41から離隔した位置から放射線を出射する場合に、範囲指定情報によって示される被写体50の範囲が、長尺撮影によって得られる一連の放射線画像に含まれるように、放射線の出射回数及び線源部14の回転角度範囲を導出する。線源部14から投影面41までの距離が短くなる程、また、放射線画像に描出されるべき被写体50の範囲が広くなる程、放射線の出射回数は多くなり、線源部14の回転角度範囲は広くなる。出射条件導出部77は、更に、確定距離情報に基づいて管電流及び管電圧を導出してもよい。
【0058】
出射制御部78は、放射線の出射開始の指示を受けると、出射条件導出部77によって導出された回数で出射される放射線の、各回の出射タイミングを制御する。出射制御部78は、出射条件導出部77によって導出された回転角度範囲で線源部14を回転させるとともに、線源部14が所定の回転角度位置に位置したタイミングで線源部14から放射線を出射させる制御を行う。
【0059】
図9は、第2の実施形態に係るプロセッサ17が、撮影支援プログラム200を実行することによって実施される撮影支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図9に示すフローチャートにおいて、ステップS1からステップS9までの処理は上記した第1の実施形態と同じであるので、これらの処理についての説明は省略する。
【0060】
ステップS10において情報取得部71は、線源部14から投影面41までの距離として確定した距離を示す確定距離情報を取得する。
【0061】
ステップS11において情報取得部71は、被写体50について撮影される放射線画像に描出されるべき被写体50の範囲を指定する範囲指定情報を取得する。
【0062】
ステップS12において出射条件導出部77は、ステップS10において取得された確定距離情報及びステップS11において取得された範囲指定情報に基づいて放射線の出射条件を導出する。すなわち、出射条件導出部77は、確定距離情報によって示される距離だけ投影面41から離隔した位置から放射線を出射する場合に、範囲指定情報によって示される被写体50の範囲が、長尺撮影によって得られる一連の放射線画像に含まれるように、放射線の出射回数及び線源部14の回転角度範囲を導出する。
【0063】
ステップS13において出射制御部78は、放射線の出射開始の指示の有無を判定する。なお、放射線の出射開始の指示は、例えば、ユーザがコンソール30を操作することによって行うことが可能である。
【0064】
ステップS14において出射制御部78は、出射条件導出部77によって導出された回数で出射される放射線の、各回の出射タイミングを制御する。出射制御部78は、ステップS12において導出された回転角度範囲で線源部14を回転させるとともに、線源部14が所定の回転角度位置に位置したタイミングで線源部14から放射線を出射させる制御を行う。
【0065】
開示の技術の第2の実施形態に係る放射線発生装置10によれば、線源部14の位置に応じた適切な撮影条件で長尺撮影を行うことが可能となる。すなわち、放射線画像の撮影に際して行われる作業を支援する効果を促進させることが可能となる。
【0066】
上記の実施形態において、例えば、情報取得部71、位置制御部72、被写体画像取得部73、被写体画像選択部74、被写体画像処理部75、被写体画像投影部76、出射条件導出部77及び出射制御部78といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU及びGPUに加えて、FPGA等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0067】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0068】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System on Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0069】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【0070】
また、上記実施形態では、編集プログラム111及び圧力導出プログラム112が不揮発性メモリ103に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。これらのプログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、これらのプログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。つまり、本実施形態で説明したプログラム(すなわち、プログラム製品)は、記録媒体で提供するほか、外部のコンピュータから配信する形態であっても良い。
【0071】
以上の第1及び第2の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
放射線を出射する線源部を有する放射線発生装置と、
前記放射線の出射方向に向けて画像を投影するプロジェクタと、
少なくとも1つのプロセッサと、
を有し、
前記プロセッサは、
前記線源部から前記画像が投影される投影面までの距離を示す距離情報を取得し、
放射線画像の被写体について過去に撮影された放射線画像である被写体画像を取得し、
前記被写体について撮影される、前記線源部から出射される放射線に基づく放射線画像に描出される前記被写体の描出範囲を、前記距離情報に基づいて導出し、
前記描出範囲に基づいて、前記被写体画像をトリミングし、
トリミングされた前記被写体画像を前記プロジェクタに投影させる
放射線画像撮影システム。
【0072】
(付記2)
前記線源部から前記投影面までの距離を測定する測定部を更に有する
付記1に記載の放射線画像撮影システム。
【0073】
(付記3)
前記プロセッサは、
前記被写体について放射線画像を撮影する際の、前記被写体の撮影姿勢を示す姿勢情報を取得し、
前記姿勢情報に基づいて、前記被写体画像を選択する
付記1又は付記2に記載の放射線発生装置。
【0074】
(付記4)
前記プロセッサは、
前記被写体の体格を示す体格情報を含む被写体情報を取得し、
前記体格情報に基づいて前記被写体画像の投影サイズを設定する
付記1から付記3のいずれか1つに記載の放射線発生装置。
【0075】
(付記5)
前記プロセッサは、
前記投影面までの距離として確定した距離を示す確定距離情報を取得し、
前記被写体について撮影される放射線画像に描出されるべき前記被写体の範囲を指定する範囲指定情報を取得し、
前記確定距離情報及び前記範囲指定情報に基づいて放射線の出射条件を導出する
付記1から付記4のいずれか1つに記載の放射線発生装置。
【0076】
(付記6)
前記出射条件は、前記線源部から出射される放射線の出射回数を含む
付記5に記載の放射線発生装置。
【0077】
(付記7)
前記プロセッサは、
前記確定距離情報及び前記範囲指定情報に基づいて、前記線源部から出射される放射線の出射毎の出射タイミングを制御する
付記6に記載の放射線発生装置。
【符号の説明】
【0078】
10 放射線発生装置
11 ガイドレール
12 走行部
13 支柱部
14 線源部
15 駆動機構
16 通信インターフェース
17 プロセッサ
18 RAM
19 不揮発性メモリ
20 放射線検出装置
21 検出パネル
22 支柱部
30 コンソール
31 ディスプレイ
32 入力デバイス
40 衝立
41 投影面
50 被写体
61 プロジェクタ
62 測定部
71 情報取得部
72 位置制御部
73 被写体画像取得部
74 被写体画像選択部
75 被写体画像処理部
76 被写体画像投影部
77 出射条件導出部
78 出射制御部
100 放射線画像撮影システム
200 撮影支援プログラム
300 被写体画像