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特開2024-41080メモリ故障データの保存方法、これを行う装置、およびコンピュータプログラム
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  • 特開-メモリ故障データの保存方法、これを行う装置、およびコンピュータプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041080
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】メモリ故障データの保存方法、これを行う装置、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G11C 29/56 20060101AFI20240318BHJP
   G06F 11/22 20060101ALI20240318BHJP
   G06F 11/20 20060101ALI20240318BHJP
   G01R 31/28 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
G11C29/56 155
G06F11/22 607Z
G06F11/20 617
G01R31/28 B
G01R31/28 M
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023180907
(22)【出願日】2023-10-20
(31)【優先権主張番号】10-2022-0114996
(32)【優先日】2022-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】514274672
【氏名又は名称】延世大学校 産学協力団
【氏名又は名称原語表記】UIF (University Industry Foundation), Yonsei University
【住所又は居所原語表記】50,YONSEI-RO, SEODAEMUN-GU, SEOUL 03722, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カン スンホ
(72)【発明者】
【氏名】イ ハヨン
【テーマコード(参考)】
2G132
5B034
5B048
5L206
【Fターム(参考)】
2G132AA08
2G132AB02
2G132AD06
2G132AE19
2G132AL09
5B034BB17
5B034CC02
5B048AA19
5B048CC11
5L206DD24
5L206DD25
5L206EE02
(57)【要約】
【課題】本発明は、メモリ故障データを保存する方法、これを行う装置、およびコンピュータプログラムを開示する。
【解決手段】本発明の方法は、故障が発生した複数の故障セルから検出されたメモリ故障データの行ラインまたは列ラインのうち選択された第1ラインの住所を基準として、メモリ故障データの一部を故障バッファに選択的に保存する段階、残りの第2ラインの住所を基準として、第2ラインの住所と故障の個数とを欠陥フィルタに保存する段階、および故障バッファと欠陥フィルタに保存された情報を利用して、メモリ故障データの一部を前記メモリの欠陥保存所に保存する段階を含む。本発明によると、メモリ故障データの保存のための構造および装置のハードウェアのオーバーヘッドを減らし、メモリ故障データを読み取ることにかかる時間を短縮することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ故障データの保存装置で行われるメモリ故障データを保存する方法において、前記メモリ故障データの保存装置は、プロセッサおよび前記プロセッサによって行われ、テストしようとするテストメモリに対する故障テストを通じて得られたメモリ故障データを保存する方法を実行するための命令語を保存するメモリを含み、前記プロセッサによって行われるメモリ故障データの保存方法は、
プロセッサが、テストメモリで故障が発生した複数の故障セルから検出されたメモリ故障データの行ラインまたは列ラインのうち選択された第1ラインの住所を基準として、前記メモリ故障データの一部を前記メモリの故障バッファに選択的に保存する段階と、
前記メモリ故障データの行ラインまたは列ラインのうち他の1つである第2ラインの住所を基準として、第2ラインの住所と故障の個数とを前記メモリの欠陥フィルタに保存する段階と、
前記欠陥フィルタに保存された第2ラインの住所と故障の個数とを考慮して、前記選択的に保存されたメモリ故障データの一部を前記メモリの欠陥保存所に保存する段階と
を含む、メモリ故障データを保存する方法。
【請求項2】
前記検出されたメモリ故障データは、前記テストメモリに対する故障テストが進行されるうちに順次検出されたものであり、前記第1ラインは行ラインで、第2ラインは列ラインであることを特徴とする、請求項1に記載のメモリ故障データを保存する方法。
【請求項3】
前記故障バッファの行ラインは、前記メモリ故障データの行ラインに対応され、前記故障バッファの行ラインには、前記行ラインで故障が発生したセルラインの住所と、前記行ラインで発生した故障の個数を示すカウンタを含むことを特徴とする、請求項2に記載のメモリ故障データを保存する方法。
【請求項4】
前記故障バッファに選択的に保存されるメモリ故障データは、故障が発生した故障セルの位置に対応される行ラインの住所と列ラインの住所とを含み、
前記故障バッファの列ラインの個数は、前記故障バッファの列ラインの予備資源の個数に依存し、前記列ラインの予備資源の個数は、前記メモリ故障データの列ラインの個数よりも少なく、
前記プロセッサは、前記行ラインの住所を基準として、前記検出されたメモリ故障データの一部を前記故障バッファに選択的に保存することを特徴とする、請求項2に記載のメモリ故障データを保存する方法。
【請求項5】
前記検出されたメモリ故障データの一部を前記故障バッファに選択的に保存することは、
前記プロセッサが、前記カウンタに保存された情報と、
前記故障バッファの列ラインの個数に応じて予め決定された第1基準値を考慮して、前記故障が発生したセルのうち選択された一部のセルに対して検出されたメモリ故障データを保存することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記プロセッサが前記検出されたメモリ故障データの一部を故障バッファに選択的に保存することは、
前記プロセッサが、それぞれの行ラインで発生した故障に対する列ラインの住所を前記故障バッファに順次保存し、
前記プロセッサが、前記テストメモリの第N行ラインで発生した故障の個数が列方向の予備資源の個数よりも多い場合、前記第N行ラインを故障修理の対象と決定し、前記N行ラインに対してはこれ以上列ラインの住所を保存しないことを含むことを特徴とする、請求項2に記載のメモリ故障データを保存する方法。
【請求項7】
前記第1ラインは行ラインで、第2ラインは列ラインであり、
前記第2ラインの住所と故障の個数とを前記メモリの欠陥フィルタに保存することは、
前記プロセッサが、前記故障バッファに保存されているメモリ故障データに含まれている列ラインの住所と、前記列ラインに該当する故障の個数とを前記メモリの欠陥フィルタに保存することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1ラインは行ラインで、第2ラインは列ラインであり、
前記メモリ故障データの列ラインの住所を基準として、前記列ラインの住所と故障の個数とを前記メモリの欠陥フィルタに保存する段階は、
前記故障バッファに順次保存された故障セルのそれぞれに対する列ラインの住所を欠陥バッファに保存しながら、前記保存された列ラインの住所と関連付けられた故障の個数をアップデートすることを含むことを特徴とする、請求項1に記載のメモリ故障データを保存する方法。
【請求項9】
前記プロセッサが前記故障バッファに保存されたメモリ故障データの一部を前記欠陥保存所に保存することは、
前記列ラインの住所と関連付けられてアップデートされた故障の個数と予め決定された第2基準値とを考慮して、前記列ラインに対応される故障セルのうち選択された一部の故障セルに対するメモリ故障データを前記欠陥保存所に保存することを特徴とする、請求項8に記載のメモリ故障データを保存する方法。
【請求項10】
前記プロセッサが故障バッファに保存されたメモリ故障データの一部を前記欠陥保存所に保存することは、
前記故障バッファに保存された故障セルに対する行ラインの住所情報と列ラインの住所情報とを前記欠陥保存所に保存し、
欠陥バッファに保存されたアップデートされた故障の個数が予め決定された第2基準値を超過する場合、前記第M列ラインを故障修理の対象と決定し、前記M列ラインに対してはこれ以上故障セルに対するメモリ故障データを前記欠陥保存所に保存しないことを特徴とする、請求項2に記載のメモリ故障データを保存する方法。
【請求項11】
前記プロセッサが前記検出されたメモリ故障データの一部を故障バッファに選択的に保存することは、
前記プロセッサは、故障セルに対する行ラインの住所情報と列ラインの住所情報とを含むメモリ故障データを、前記行ラインに対応される前記故障バッファの行ラインに行ライン別に順次保存し、第N行ラインで発生した故障の個数が列方向の予備資源の個数よりも多い場合、
前記プロセッサは、前記N行ラインと関連付けられた故障セルに対する列ラインの住所情報を付加的な行ラインに臨時保存し、前記プロセッサは、欠陥バッファに保存された前記列ラインに対する故障の個数を考慮して、前記付加的な行ラインに臨時保存された故障セルに対するメモリ故障データを選択的に前記欠陥保存所に保存することを特徴とする、請求項2に記載のメモリ故障データを保存する方法。
【請求項12】
請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載のメモリ故障データの保存方法をコンピュータで実行させるためにコンピュータ読み取り可能な保存媒体に保存されたコンピュータプログラム。
【請求項13】
メモリ故障データの保存装置であって、
プロセッサおよび前記プロセッサによって行われ、テストしようとするテストメモリに対する故障テストを通じて得られたメモリ故障データを保存する方法を実行するための命令語を保存するメモリを含み、前記プロセッサによって行われるメモリ故障データの保存方法は、
前記プロセッサが、テストメモリで故障が発生した複数の故障セルから検出されたメモリ故障データの行ラインまたは列ラインのうち選択された第1ラインの住所を基準として、前記メモリ故障データの一部を前記メモリの故障バッファに選択的に保存する段階と、
前記メモリ故障データの行ラインまたは列ラインのうち他の1つである第2ラインの住所を基準として、第2ラインの住所と故障の個数とを前記メモリの欠陥フィルタに保存する段階と、
前記欠陥フィルタに保存された第2ラインの住所と故障の個数とを考慮して、前記選択的に保存されたメモリ故障データの一部を前記メモリの欠陥保存所に保存する段階とを含む、メモリ故障データの保存装置。
【請求項14】
前記検出されたメモリ故障データは、前記テストメモリに対する故障テストが進行されるうちに順次検出されたものであり、前記第1ラインは行ラインで、第2ラインは列ラインであり、
前記故障バッファの行ラインは、前記メモリ故障データの行ラインに対応され、前記故障バッファの行ラインには、前記行ラインで故障が発生したセルラインの住所と、前記行ラインで発生した故障の個数を示すカウンタを含むことを特徴とする、請求項13に記載のメモリ故障データの保存装置。
【請求項15】
前記故障バッファに選択的に保存されるメモリ故障データは、故障が発生した故障セルの位置に対応される行ラインの住所と列ラインの住所とを含み、
前記故障バッファの列ラインの個数は、前記故障バッファの列ラインの予備資源の個数に依存し、前記列ラインの予備資源の個数は、前記メモリ故障データの列ラインの個数よりも少なく、
前記プロセッサは、前記行ラインの住所を基準として、前記検出されたメモリ故障データの一部を前記故障バッファに選択的に保存することを特徴とする、請求項14に記載のメモリ故障データの保存装置。
【請求項16】
前記プロセッサが前記検出されたメモリ故障データの一部を前記故障バッファに選択的に保存することは、
前記プロセッサが、前記カウンタに保存された情報と前記故障バッファの列ラインの個数に応じて予め決定された第1基準値とを考慮して、前記故障が発生したセルのうち選択された一部のセルに対して検出されたメモリ故障データを保存することであり、
前記プロセッサが前記第2ラインの住所と故障の個数とを前記メモリの欠陥フィルタに保存することは、前記故障バッファに保存されているメモリ故障データに含まれている列ラインの住所と、前記列ラインに該当する故障の個数とを前記メモリの欠陥フィルタに保存することを特徴とする、請求項15に記載のメモリ故障データの保存装置。
【請求項17】
前記プロセッサが前記故障バッファに保存されたメモリ故障データの一部を前記欠陥保存所に保存することは、
前記列ラインの住所と関連付けられてアップデートされた故障の個数と予め決定された第2基準値とを考慮して、前記列ラインに対応される故障セルのうち選択された一部のセルに対するメモリ故障データを前記欠陥保存所に保存することを特徴とする、請求項15に記載のメモリ故障データの保存装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリ故障データの保存方法、これを行う装置、およびコンピュータプログラムに関し、さらに詳しくは、メモリテストによるメモリ故障データを保存する方法、装置およびコンピュータプログラムに関する。
【0002】
本発明は、「超高速メモリシステム(CK 8GHz DQ 16Gbps)装備構造」に関する研究課題の結果であって、本研究課題を主管する機関は、韓国産業技術評価管理院であり、研究事業の名称は、「産業技術革新事業」である。課題固有番号は1415181114で、課題番号は20019363である。
【背景技術】
【0003】
図1は、従来のフォールトビットマップ基盤のメモリ故障データの保存方式の一例を説明するための図である。
【0004】
図1を参照すると、メモリ収率のためにメモリテストおよび修理が導入された以後、フォールトビットマップ(fault bitmap)がメモリ故障データの保存構造として採択され、メモリの故障データを保存するために広く用いられている。これは、メモリテストを進行してみると、1つのメモリテストパターン内では同一のメモリ故障が検出されないが、全メモリテストパターンを順次にメモリに印加するうちに、同一のメモリ故障が繰り返して感知されるためである。
【0005】
フォールトビットマップが用いられない場合、同一のメモリ故障をメモリ故障データの保存構造に保存することを防止し、別の故障に対して使用可能な空間を維持するために、新しく感知された故障を以前に感知された全ての故障と比較しなければならない。
【0006】
その一方、フォールトビットマップの場合、比較することなく、該当位置に1を書き込むのみで済むため、今はフォールトビットマップの使用が普遍化している。
【0007】
しかしながら、フォールトビットマップからメモリ故障データを分類するためには、フォールトビットマップで全てのデータを読み取らなければならないが、フォールトビットマップのサイズがメモリの容量と同一であることから、メモリの容量が幾何級数的に増加した現時点では、フォールトビットマップのデータを全部読み取ることにかかる時間が大きく増加することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、メモリ故障データの保存のための構造および装置のハードウェアのオーバーヘッドを減らし、メモリ故障データを読み取ることにかかる時間を短縮する、メモリ故障データの保存方法、これを行う装置、およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【0009】
本発明の明示されない他の目的は、下記の詳細な説明およびその効果から容易に推論できる範囲内で追加的に考慮することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記技術的な課題を達成するための本発明の一実施形態によるメモリ故障データの保存方法は、前記メモリ故障データの保存装置は、プロセッサおよび前記プロセッサによって行われ、
プロセッサが、テストメモリで故障が発生した複数の故障セルから検出されたメモリ故障データの行ラインまたは列ラインのうち選択された第1ラインの住所を基準として、前記メモリ故障データの一部を前記メモリの故障バッファに選択的に保存する段階と、
前記メモリ故障データの行ラインまたは列ラインのうち他の1つである第2ラインの住所を基準として、第2ラインの住所と故障の個数とを前記メモリの欠陥フィルタに保存する段階と、
前記欠陥フィルタに保存された第2ラインの住所と故障の個数とを考慮して、前記選択的に保存されたメモリ故障データの一部を前記メモリの欠陥保存所に保存する段階を含む。
【0011】
ここにおいて、検出されたメモリ故障データは、前記テストメモリに対する故障テストが進行されるうちに順次検出されたものであり、前記第1ラインは行ラインで、第2ラインは列ラインである。前記故障バッファの行ラインは、前記メモリ故障データの行ラインに対応され、前記故障バッファの列ラインは、行ライン別に発生した故障の個数を示すカウンタを含み、前記故障バッファの列ラインの個数は、前記故障バッファの列ラインの予備資源の個数に依存し、前記列ラインの予備資源の個数は、前記メモリ故障データの列ラインの個数よりも少なくてもよい。
【0012】
前記故障バッファに選択的に保存されるメモリ故障データは、故障が発生した故障セルの位置に対応される行ラインの住所と列ラインの住所とを含む。プロセッサは、前記行ラインの住所を基準として、前記検出されたメモリ故障データの一部を前記故障バッファに選択的に保存する。
【0013】
本発明のプロセッサが検出されたメモリ故障データの一部を前記故障バッファに選択的に保存することは、前記カウンタに保存された情報と前記故障バッファの列ラインの個数に応じて予め決定された第1基準値を考慮して、前記故障が発生したセルのうち選択された一部のセルに対して検出されたメモリ故障データを保存することを含む。
【0014】
本発明のプロセッサが前記検出されたメモリ故障データの一部を故障バッファに選択的に保存することは、前記プロセッサは、それぞれの行ラインで発生した故障に対する列ラインの住所情報を前記故障バッファに順次保存し、第N行ラインで発生した故障の個数が列方向の予備資源の個数よりも多い場合、前記第N行ラインを故障修理の対象と決定して、前記N行ラインに対してはこれ以上列ラインの住所情報を保存しないことを含んでもよい。
【0015】
本発明において、第2ラインの住所と故障の個数とを前記メモリの欠陥フィルタに保存することは、前記プロセッサが、前記列ラインの住所を基準として、前記列ラインの住所と前記列ラインに該当する故障の個数とを前記メモリの欠陥フィルタに保存することを含んでもよい。
【0016】
本発明において、列ラインの住所と故障の個数とを前記メモリの欠陥フィルタに保存する段階は、故障バッファに行ライン別に順次保存された故障セルのそれぞれに対する列ラインの住所を前記欠陥バッファに保存しながら、前記保存された列ラインの住所と関連付けられた故障の個数をアップデートすることを含んでもよい。
【0017】
本発明において、プロセッサは、列ラインの住所と関連付けられてアップデートされた故障の個数と予め決定された第2基準値を考慮して、前記列ラインに対応される故障セルのうち選択された一部のセルに対するメモリ故障データを前記欠陥保存所に保存してもよい。また、プロセッサは、前記故障バッファに保存された故障セルに対する行ラインの住所情報と列ラインの住所情報とを前記欠陥保存所に保存し、欠陥バッファに保存されたアップデートされた故障の個数が予め決定された第2基準値を超過する場合、前記第M列ラインを故障修理の対象と決定して、前記M列ラインに対してはこれ以上故障セルに対するメモリ故障データを前記欠陥保存所に保存しなくてもよい。
【0018】
本発明において、プロセッサは、故障セルに対する行ラインの住所情報と列ラインの住所情報とを含むメモリ故障データを、前記行ラインに対応される前記故障バッファの行ラインに行ライン別に順次保存し、第N行ラインで発生した故障の個数が列方向の予備資源の個数よりも多い場合、前記プロセッサは、前記N行ラインと関連付けられた故障セルに対する列ラインの住所情報は付加的な行ラインに臨時保存してもよい。この場合、プロセッサは、前記欠陥バッファに保存された前記列ラインに対する故障の個数を考慮して、前記付加的な行ラインに臨時保存された故障セルに対するメモリ故障データを選択的に前記欠陥保存所に保存してもよい。
【0019】
前述した本発明の他の目的を達成するために、本発明のメモリ故障データの保存装置は、プロセッサおよび前記プロセッサによって行われ、テストしようとするテストメモリに対する故障テストを通じて得られたメモリ故障データを保存する方法を実行するための命令語を保存するメモリを含み、
プロセッサによって行われるメモリ故障データの保存方法は、
プロセッサが、テストメモリで故障が発生した複数の故障セルから検出されたメモリ故障データの行ラインまたは列ラインのうち選択された第1ラインの住所を基準として、前記メモリ故障データの一部を前記メモリの故障バッファに選択的に保存する段階と、前記メモリ故障データの行ラインまたは列ラインのうち他の1つである第2ラインの住所を基準として、第2ラインの住所と故障の個数とを前記メモリの欠陥フィルタに保存する段階と、前記欠陥フィルタに保存された第2ラインの住所と故障の個数とを考慮して、前記選択的に保存されたメモリ故障データの一部を前記メモリの欠陥保存所に保存する段階を含んでもよい。
【0020】
前記した技術的な課題を達成するための本発明の好ましい実施形態によるメモリ故障データの保存方法は、メモリに対する第1メモリ故障データを獲得する段階と、前記メモリの行方向を基準として、前記第1メモリ故障データから保存が必要な故障データのみを獲得して第2メモリ故障データを獲得する段階と、前記メモリの列方向を基準として、前記第2メモリ故障データから保存が必要な故障データのみを獲得して第3メモリ故障データを獲得する段階と、前記第3メモリ故障データを前記メモリの修理のために必要な最終メモリ故障データとして保存する段階と、を含む。
【0021】
ここにおいて、前記第1メモリ故障データ獲得段階は、前記メモリのテストが進行されるうちに検出される第1故障データを含む前記第1メモリ故障データを獲得することで実現することができる。
【0022】
ここにおいて、前記第2メモリ故障データ獲得段階は、前記メモリの行の個数と同一の個数の行、および列方向の予備資源の個数を基盤として設定された個数の列を有する欠陥バッファ(fault buffer)を用いて、前記第1メモリ故障データから前記第2メモリ故障データを獲得することで実現することができる。
【0023】
ここにおいて、前記第2メモリ故障データ獲得段階は、前記第1メモリ故障データによる、第1行の住所と第1列の住所からなる前記第1故障データが前記欠陥バッファに入力されると、前記第1故障データの第1行の住所に対応される前記欠陥バッファの行の空の列に前記第1故障データの第1列の住所を保存し、前記欠陥バッファの行に対応されるカウント列の値を1増加させ、前記欠陥バッファの行に対応されるカウント列の値が前記列方向の予備資源の個数よりも大きいと、前記欠陥バッファの行に対応される行の住所を行方向修理必要行として設定し、前記第1故障データの第1行の住所に対応される前記欠陥バッファの行に空の列がなければ、前記欠陥バッファの行に対応される行の住所が前記行方向修理必要行であるので、前記第1故障データを前記欠陥バッファに保存しないことで実現することができる。
【0024】
ここにおいて、前記第2メモリ故障データ獲得段階は、前記第1故障データが前記欠陥バッファに保存される場合、前記第1故障データを第2故障データとして含む前記第2メモリ故障データを獲得することで実現することができる。
【0025】
ここにおいて、前記第3メモリ故障データ獲得段階は、前記メモリの列の個数と同一の個数の行、および列の住所とカウント値が保存される2つの列を有する欠陥フィルタ(fault filter)を用いて、前記第2メモリ故障データから前記第3メモリ故障データを獲得することで実現することができる。
【0026】
ここにおいて、前記第3メモリ故障データ獲得段階は、前記第2メモリ故障データによる、第2行の住所と第2列の住所とからなる前記第2故障データが前記欠陥フィルタに入力されると、前記第2故障データの第2列の住所が前記欠陥フィルタの列の住所列に既に保存されており、保存されている列の住所列に対応されるカウント列の値が行方向の予備資源の個数以下であると、保存されている列の住所列に対応されるカウント列の値を1増加させ、保存されている列の住所列に対応されるカウント列の値が前記行方向の予備資源の個数よりも大きいと、前記第2故障データの第2列の住所に対応される列の住所を列方向修理必要行として設定し、前記第2故障データの第2列の住所に対応される列の住所が前記列方向修理必要行であるので、前記第2故障データを前記欠陥フィルタに保存せず、前記第2故障データの第2列の住所が前記欠陥フィルタの列の住所列に保存されていないと、列の住所列の空の行に前記第2故障データの第2列の住所を保存し、列の住所列に対応されるカウント列の値を1増加させることで実現することができる。
【0027】
ここにおいて、前記第3メモリ故障データ獲得段階は、前記第2故障データが前記欠陥フィルタに保存される場合、前記第2故障データを第3故障データとして含む前記第3メモリ故障データを獲得することで実現することができる。
【0028】
ここにおいて、前記最終メモリ故障データ保存段階は、前記第3メモリ故障データによる、第3行の住所と第3列の住所とからなる前記第3故障データを最終故障データとして欠陥ストレージ(fault storage)に保存し、前記メモリの修理のために必要な前記最終メモリ故障データを保存することで実現することができる。
【0029】
前記した技術的な課題を達成するための本発明の好ましい実施形態によるコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な保存媒体に保存され、前記のメモリ故障データの保存方法のいずれか1つをコンピュータで実行させる。
【0030】
前記した技術的な課題を達成するための本発明の好ましい実施形態によるメモリ故障データの保存装置は、メモリ故障データを保存するための1つ以上のプログラムを保存するメモリ;および前記メモリに保存された前記1つ以上のプログラムに沿ってメモリ故障データを保存するための動作を行う1つ以上のプロセッサ;を含み、前記プロセッサは、メモリに対する第1メモリ故障データを獲得し、前記メモリの行方向を基準として、前記第1メモリ故障データから保存が必要な故障データのみを獲得して第2メモリ故障データを獲得し、前記メモリの列方向を基準として、前記第2メモリ故障データから保存が必要な故障データのみを獲得して第3メモリ故障データを獲得し、前記第3メモリ故障データを前記メモリの修理のために必要な最終メモリ故障データとして保存する。
【0031】
ここにおいて、前記プロセッサは、前記メモリのテストが進行されるうちに検出される第1故障データを含む前記第1メモリ故障データを獲得することができる。
【0032】
ここにおいて、前記プロセッサは、前記メモリの行の個数と同一の個数の行、および列方向の予備資源の個数を基盤として設定された個数の列を有する欠陥バッファ(fault buffer)を用いて、前記第1メモリ故障データから前記第2メモリ故障データを獲得することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明の好ましい実施形態によるメモリ故障データの保存方法、これを行う装置、およびコンピュータプログラムによると、メモリ故障データの保存のための構造および装置のハードウェアのオーバーヘッドを減らし、メモリ故障データを読み取ることにかかる時間を短縮させることによって、全体メモリテストおよび修理コストを大きく減少させることができる。
本発明の効果は、前記した効果に制限されず、記述されていない他の効果は以下の記載から通常の技術者に明確に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】従来のフォールトビットマップ基盤のメモリ故障データの保存方式の一例を説明するための図である。
図2】本発明の好ましい実施形態によるメモリ故障データの保存装置を説明するためのブロック図である。
図3】本発明の好ましい実施形態によるメモリ故障データの保存方法を説明するためのフローチャートである。
図4】本発明の好ましい実施形態によるメモリ故障データの保存方式の一例を説明するための図である。
図5】本発明の好ましい実施形態による不必要な故障の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付された図面を参照して、本発明の実施形態を詳しく説明する。本発明の利点および特徴、またそれらを達成する方法は、添付された図面とともに詳しく後述する実施形態を参照すると明確になるだろう。しかしながら、本発明は、以下で示す実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現されることができ、但し、本実施形態は、本発明の掲示を完全なものにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に説明するために提供されるものであって、本発明は、請求項の範疇によって定義される。明細書中にかけて同一の参照符号は同一の構成要素を示す。
【0036】
別の定義がない限り、本明細書で用いられる全ての用語(技術および科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に共通的に理解できる意味で用いられる。また、一般的に用いられる辞典に定義されている用語は、明らかに特別に定義されていない限り、理想的かつ過度に解釈されない。
【0037】
本明細書で、「第1」、「第2」などの用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するためのもので、これらの用語によって権利範囲が限定されてはいけない。例えば、第1構成要素は第2構成要素で命名することができ、同様に第2構成要素も第1構成要素で命名することができる。
【0038】
本明細書で、各段階において識別符号(例えば、a、b、cなど)は、説明の便宜のために用いられるものであって、識別符号は、各段階の順序を説明するものではなく、各段階は文脈上明らかに特定順序を記載しない以上、明記された順序と違うように行われることができる。すなわち、各段階は、明記された順序と同一に行われることもでき、実質的に同時に行われることもでき、逆の順序で行われることもできる。
【0039】
本明細書で、「有する」、「有してもよい」、「含む」または「含んでもよい」などの表現は、該当特徴(例えば、数値、機能、動作、または部品などの構成要素)の存在を示し、追加的な特徴の存在を排除しない。
【0040】
以下、添付された図面を参照して、本発明によるメモリ故障データの保存方法、これを行う装置、およびコンピュータプログラムの好ましい実施形態について詳しく説明する。
【0041】
先ず、図2を参照して、本発明の好ましい実施形態によるメモリ故障データの保存装置について説明する。
【0042】
図2は、本発明の好ましい実施形態によるメモリ故障データの保存装置を説明するためのブロック図である。図2を参照すると、本発明の好ましい実施形態によるメモリ故障データの保存装置100は、メモリ故障データの保存のための構造および装置のハードウェアのオーバーヘッドを減らし、メモリ故障データを読み取ることにかかる時間を短縮させることができる。これにより、本発明は、全体メモリテストおよび修理コストを大きく減少させることができる。
【0043】
図2に示すメモリ故障データの保存装置100は、プロセッサ110、メモリ120、テストロジック発生器130、入出力インターフェース140、通信インターフェース150を含む。図2において、テストメモリ(Memory under test)は、故障テストの対象である。
【0044】
本発明によるメモリ故障データの保存装置100は、例えば、メモリに対する故障を診断するための自動化テスト装備(automated test equipment、ATE)である。テストロジック発生器130は、テストメモリを診断するためのテストロジック、または予め設計されたアルゴリズムパターンを生成する。テストロジック発生器は、例えば、アルゴリズムパターン生成器(algorithmic pattern generator、APG)がある。テストロジック発生器130は、テストロジック(test logic)と関連付けられた信号を発生させ、入出力インターフェース140または通信インターフェース150を介して外部のテストメモリにテストロジックを送信する。テストロジック発生器130は、ハードウェアまたはソフトウェア形態でテストロジック発生器130として具現され得る。テストロジック信号を発生させるためのソースコードは、メモリ120に保存されてもよく、プロセッサ110がテストロジック信号を発生させるための動作を実行するように具現されてもよい。
【0045】
既存のメモリ故障データの保存装置は、メモリ故障データをフォールトビットマップ(fault bitmap)の形態で保存および管理していたが、本実施形態のメモリ故障データの保存装置は、メモリのテスト結果として得られるメモリ故障データから不必要な故障データは除外して必要な故障データを選別して保存する。
【0046】
プロセッサ110は、メモリ故障データの保存装置100が動作するように制御することができる。例えば、プロセッサ110は、メモリ120またはコンピュータ読み取り可能な保存媒体に保存された1つ以上のプログラムを実行することができる。1つ以上のプログラムは、1つ以上のコンピュータ実行可能命令語を含んでもよく、コンピュータ実行可能命令語は、プロセッサ110によって実行される場合、メモリ故障データの保存装置100がメモリ故障データを保存するための動作を行うように構成されてもよい。
【0047】
入出力インターフェース140は、プロセッサ110、テストロジック発生器130とデータバスを介して連結され、外部装置とのデータの転送を可能にする。入出力インターフェース140は、テストロジックを含むテストパターン信号をテストの対象になる外部のメモリ(テストメモリ)に提供する。テストパターン信号は、通信インターフェース150を介してテストメモリに送信することも可能である。
【0048】
テストメモリに故障セルが含まれている場合、テストパターン信号に対するテストメモリの応答には、故障セルから検出された故障情報(メモリ故障データ)が含まれる。メモリ故障データは、故障セルの位置情報(行ラインの住所情報、列ラインの住所情報)を含む。
【0049】
メモリ120(コンピュータ読み取り可能な保存媒体も含む)は、メモリ故障データを保存するためのコンピュータ実行可能命令語ないしプログラムコード、プログラムデータおよび/または他の適した形態の情報を保存するように構成される。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはこれらの適切な組み合わせであってもよい。また、メモリは、1つ以上の磁気ディスク保存デバイス、光学ディスク保存デバイス、フラッシュメモリデバイス、その他にメモリ故障データの保存装置100によってアクセスされて希望の情報を保存することができる別の形態の保存媒体、またはこれらの適した組み合わせであってもよい。
【0050】
好ましくは、本実施形態で、メモリ120は、故障バッファ(fault buffer、122)、欠陥フィルタ(fault filter、124)および欠陥保存所(fault storage、126)を含んでもよい。前記故障バッファ、欠陥フィルタ、欠陥保存所は、データが保存されるメモリの領域を意味する。故障バッファ、欠陥フィルタ、欠陥保存所は、別途のメモリの形態で具現されてもよいが、1つのメモリ内で互いに異なる保存領域がそれぞれに割り当てられた状態で具現されてもよい。
【0051】
プロセッサ110は、故障バッファ122にテストメモリから検出されたメモリ故障データの一部を選択的に保存する。プロセッサ110は、テストメモリで故障が発生した複数の故障セルから検出されたメモリ故障データの行ラインまたは列ラインのうち選択された第1ラインの住所を基準として、前記メモリ故障データの一部を前記メモリの故障バッファに選択的に保存する。ここにおいて、第1ラインは行ラインで、第2ラインは列ラインを第2ラインであってもよく、その逆に設定されてもよい。
【0052】
図4を参考すると、「Fault Detection Order」は、故障セルに対する故障情報が順次検出される順序を意味する。メモリ故障データは、このような故障情報の集合の概念である。本実施形態のプロセッサ110は、獲得されたメモリ故障データを全部欠陥保存所に保存せず、選別的に保存する。
【0053】
先ず、プロセッサ110は、メモリ故障データの一部を故障バッファ122に選別的に保存する。図4を参考すると、行ラインを第1ライン、列ラインを第2ラインとすると、故障バッファ122の行ラインは、故障メモリデータの行ラインと対応されるように具現することが好ましい。故障バッファの列ラインの個数(サイズ)列ラインの予備資源(例えば、図5のspare column)の個数に依存する。故障バッファの列ラインの個数は、テストメモリでデータが存在する領域の列ラインの個数よりも少なく、列ラインの予備資源の個数よりも多いことが好ましい。故障バッファの列ラインは、故障が発生した故障セルの列ラインの住所を保存するための列ラインの住所領域と、カウンタを含んでもよい。カウンタは、該当行ラインで故障が発生した列ラインの個数であって、列ラインの住所情報が保存されることによってカウンタ値は増加することになる。
【0054】
例えば、第2列で4個の故障セルが存在する時、プロセッサ110は、故障セルの列ラインの住所情報を故障バッファに順次保存する。カウンタの値は、保存された列ラインの住所情報の個数を意味する。本実施形態において、プロセッサ110は、前記カウンタに保存された情報と前記故障バッファの列ラインの個数に応じて予め決定された第1基準値とを比較する。プロセッサ110は、前記比較結果によって、該当行ラインを修理対象の行ラインとするか否かを判断する。修理対象の行ラインとして決定された行ラインと関連して、プロセッサは、故障セルが追加的に存在しても、追加的な故障セルに対する列ラインの住所情報を故障バッファに保存しない。ここにおいて、第1基準値は、故障バッファに記録する故障セルの最大個数であり、図4の場合、第1基準値は3になる。カウンタの値が3である場合、#5(2,7)情報は、故障バッファに記録されない。また、プロセッサ110は、前記比較結果によって、該当行ラインを修理対象の行ラインとして決定する。
【0055】
本実施形態のプロセッサ110は、それぞれの行ラインで発生した故障に対する列ラインの住所情報を前記故障バッファに順次保存するが、特定条件を満たしている行ラインに対しては、一部のメモリ故障データを選別的に保存する。例えば、第N行ラインで発生した故障の個数が列方向の予備資源の個数よりも多い場合、前記第N行ラインを故障修理の対象と決定し、前記第N行ラインに対してはこれ以上列ラインの住所情報を保存しない動作を行うことができる。
【0056】
前記欠陥バッファに保存された前記列ラインに対する故障の個数を考慮して、前記付加的な行ラインに臨時保存された故障セルに対するメモリ故障データを選択的に前記欠陥保存所に保存することを特徴とする、メモリ故障データを保存する方法。
【0057】
次に、プロセッサ110は、欠陥フィルタ124に、メモリ故障データの行ラインまたは列ラインのうち他の1つである第2ラインの住所を基準として、第2ラインの住所と故障の個数とを保存する。
【0058】
第1ラインを行ライン、第2ラインを列ラインとする時、プロセッサ110は、列ラインの住所を基準として、列ラインの住所情報と、該当列ラインで発生した故障の個数とを欠陥フィルタ124に保存する。プロセッサは、故障バッファに選択的に保存されているメモリ故障情報から列ライン別に故障の個数をカウントする。例えば、図4を参考すると、プロセッサは、最初に獲得した#5(2,7)の情報は、故障バッファに保存しないので、#5(2,7)の第7列に対する故障セルの存在は、欠陥フィルタでカウントされない。
【0059】
欠陥フィルタは、列ラインの住所情報が保存される領域と、カウンタを含む。カウンタは、列ラインを基準として、故障セルの個数に対する情報を保存する。
【0060】
図4を参考すると、欠陥フィルタの最初の行である「5,3」で「5」は、最初の故障セルである#1(1,5)の列ライン情報を意味する。「3」は、「第5番目の列ラインで故障が発生した故障セルの個数」を意味する。だが、図4を参考すると、「第5番目の列ラインの場合、故障セルの個数は4と示されている。本実施形態において、後述する予め決定された第2基準値は、欠陥フィルタ124カウンタ値の最大値である。図4を参考すると、第2基準値は「3」になり、カウンタ値は、認識される故障セルの個数によって増加するが、3を超過することはない。プロセッサ110は、カウンタ値が第2基準値に該当する場合、これ以上該当列ラインで発生した故障セルの個数をカウントせず、該当セルラインを修理対象の列ラインとして決定する。
【0061】
さらに説明すると、本実施形態のプロセッサ110は、故障バッファに保存された故障セルに対する行ラインの住所情報と列ラインの住所情報とを前記欠陥保存所に保存するが、前記欠陥バッファに保存されたアップデートされた故障の個数が予め決定された第2基準値を超過する場合、前記第M列ラインを故障修理の対象と決定する。前記M列ラインに対してはこれ以上故障セルに対するメモリ故障データを前記欠陥保存所に保存しない。
【0062】
次に、プロセッサ110は、欠陥フィルタ124に保存された第2ラインの住所と故障の個数とを考慮して、前記選択的に保存されたメモリ故障データの一部を前記メモリの欠陥保存所126に保存する。プロセッサ110は、欠陥フィルタ124に保存された情報を参考して、固定バッファ122に保存されたメモリ故障データのうちの一部を選択して欠陥保存所126に保存する。欠陥フィルタ124には、列ラインの住所と、列ラインの住所で発生した故障の個数情報とが保存される。プロセッサ110は、欠陥フィルタのカウンタ値が第2基準値に該当する場合、該当列ラインで発生した故障セルに対するメモリ故障情報(図4を参考すると、#10(7,5)に該当する)は削除し、削除されていない故障バッファに保存されたメモリ故障データを最終的に欠陥保存所126に保存する。
【0063】
本発明の他の一実施形態によると、プロセッサ110は、第N行ラインで発生した故障の個数が列方向の予備資源の個数よりも多い場合、追加的な故障セルに対しては故障情報を削除せず、付加的な行ラインに臨時保存することができる。
【0064】
付加的な行ラインは、例えば、故障バッファとは別途の付加的な故障バッファ(図示せず)または故障バッファの下方の領域に位置することができるが、これに限定されるものではない。付加的な行ラインには、現在プロセシング中の行ラインが既に修理対象と分類されたことによって、これ以上保存する必要がない故障セルに対する情報が保存される。プロセッサは、これ以上保存する必要がない、または削除対象となる故障セル情報(行ラインの住所と列ラインの住所)を付加的な故障バッファに臨時保存する。この場合、プロセッサは、故障バッファに保存された情報だけでなく、欠陥フィルタに臨時保存された情報もさらに考慮して、欠陥フィルタに情報を生成して入力する。
【0065】
プロセッサは、付加的な行ラインに臨時保存された故障セルの列ラインの住所に対しては、追加的な故障セルもさらに考慮して、該当列ラインの住所で発生された故障セルの個数をカウントする。例えば、故障セルの個数が第2基準値未満である場合であると、付加的な行ラインに臨時保存された追加的な故障セルの故障情報は削除する。逆に、故障セルの個数が第2基準値と同一かまたはこれを超過する場合であると、追加的な故障セルの故障情報を削除しない。これによって、故障バッファ122の段階で削除処理されるので、修理対象の列ラインから抜けるエラーを減らすことができる。
【0066】
これから、図3を参照して、本発明の好ましい実施形態によるメモリ故障データの保存方法について説明する。
【0067】
図3は、本発明の好ましい実施形態によるメモリ故障データの保存方法を説明するためのフローチャートである。図3に示した各段階は、メモリ故障データの保存装置100で時系列的に行われる下記の段階を含む。前述した図2に関する説明と重複する事項は省略する。
【0068】
図3を参照すると、メモリ故障データの保存装置100のプロセッサ110は、テストメモリから故障が発生した故障セルの位置を特定するためのメモリ故障データを獲得する(S110)。メモリ故障データは、テストパターンをテストメモリに印加して得られる応答であって、テストメモリのセル位置情報および各セルに保存された情報を含んでもよい。テストメモリで故障が発生したか否かを判断する方法には特に制限はなく、プロセッサ110は、公知の様々な方法を利用して故障が発生した故障セルに対する情報(メモリ故障データ)を図4の左上段に示したように容易に獲得することができる。
【0069】
次に、プロセッサ110は、メモリ故障データの行ラインを基準として、獲得されたメモリ故障データの一部を故障バッファに選択的に保存する(S120)。故障バッファの行ラインは、テストメモリの行ラインに対応されており、列ラインには該当行ラインに存在する故障セルの列ライン情報が順次保存される。列ラインには、列ライン情報が保存される領域と、カウントを含む。
【0070】
次に、プロセッサ110は、メモリ故障データの列ラインを基準として、故障の個数と列ラインの住所とを欠陥フィルタ124に保存する(S130)。図4を参考すると、欠陥フィルタの列ラインには、列ラインの住所情報と、カウンタ値が保存される。プロセッサは、欠陥フィルタに、故障バッファに保存された故障セルの情報を順次記録する。カウンタ値は第2基準値を超過しないが、例えば、図4のように、第2基準値を3とすると、プロセッサは、カウンタ値が3であるセルを修理対象のセルラインとして決定することができる。プロセッサは、修理対象のセルラインとして決定されたセルの場合、これ以上故障セルに対する情報を最終的なメモリ故障データとして保存しない。
【0071】
次に、プロセッサ110は、欠陥フィルタに保存された情報を利用して、故障バッファに保存されたメモリ故障データの一部を最終的なメモリ故障データとして、欠陥ストレージ126に保存する。
【0072】
本発明の他の一実施形態によると、メモリ故障データの保存装置100のプロセッサ110は、メモリに対する第1メモリ故障データを獲得することができる。すなわち、プロセッサ110は、メモリのテストが進行されるうちに検出される第1故障データを含む第1メモリ故障データを獲得することができる。
【0073】
次に、プロセッサ110は、メモリの行方向を基準として、第1メモリ故障データから保存が必要な故障データのみを獲得して、第2メモリ故障データを獲得することができる。この際、プロセッサ110は、欠陥バッファ(fault buffer)を用いて、第1メモリ故障データから第2メモリ故障データを獲得することができる。ここにおいて、欠陥バッファは、メモリの行の個数と同一の個数の行、および列方向の予備資源の個数を基盤として設定された個数の列(列の住所が保存される列の住所列とカウント値が保存されるカウント列)を有してもよい。すなわち、プロセッサ110は、第1メモリ故障データによる、第1行の住所と第1列の住所とからなる第1故障データが欠陥バッファに入力されると、第1故障データの第1行の住所に対応される欠陥バッファの行の空の列に第1故障データの第1列の住所を保存し、欠陥バッファの行に対応されるカウント列の値を1増加させ、欠陥バッファの行に対応されるカウント列の値が列方向の予備資源の個数よりも大きいと、欠陥バッファの行に対応される行の住所を行方向修理必要行として設定することができる。その一方、第1故障データの第1行の住所に対応される欠陥バッファの行に空の列がないと、プロセッサ110は、欠陥バッファの行に対応される行の住所が行方向修理必要行なので、第1故障データを欠陥バッファに保存しなくてもよい。
【0074】
また、プロセッサ110は、第1故障データが欠陥バッファに保存される場合、第1故障データを第2故障データとして含む第2メモリ故障データを獲得することができる。
【0075】
次に、プロセッサ110は、メモリの列方向を基準として、第2メモリ故障データから保存が必要な故障データのみを獲得して、第3メモリ故障データを獲得することができる。この際、プロセッサ110は、欠陥フィルタ(fault filter)を用いて、第2メモリ故障データから第3メモリ故障データを獲得することができる。ここにおいて、欠陥フィルタは、前記メモリの列の個数と同一の個数の行、および列の住所とカウント値が保存される2個の列(列の住所列とカウント列)を有してもよい。
【0076】
すなわち、プロセッサ110は、第2メモリ故障データによる、第2行の住所と第2列の住所とからなる第2故障データが欠陥フィルタに入力されると、第2故障データの第2列の住所が欠陥フィルタの列の住所列に既に保存されており、保存されている列の住所列に対応されるカウント列の値が行方向の予備資源の個数以下であると、保存されている列の住所列に対応されるカウント列の値を1増加させることができる。一方、プロセッサ110は、保存されている列の住所列に対応されるカウント列の値が行方向の予備資源の個数よりも大きいと、第2故障データの第2列の住所に対応される列の住所を列方向修理必要行として設定して、第2故障データの第2列の住所に対応される列の住所が列方向修理必要行なので、第2故障データを欠陥フィルタに保存しなくてもよい。その一方、第2故障データの第2列の住所が欠陥フィルタの列の住所列に保存されていないと、プロセッサ110は、列の住所列の空の行に第2故障データの第2列の住所を保存し、列の住所列に対応されるカウント列の値を1増加させることができる。
【0077】
また、プロセッサ110は、第2故障データが欠陥フィルタに保存される場合、第2故障データを第3故障データとして含む第3メモリ故障データを獲得することができる。
その後、プロセッサ110は、第3メモリ故障データをメモリの修理のために必要な最終メモリ故障データとして保存することができる。
【0078】
すなわち、プロセッサ110は、第3メモリ故障データによる、第3行の住所と第3列の住所とからなる第3故障データを最終故障データとして欠陥ストレージ(fault storage)に保存して、メモリの修理のために必要な最終メモリ故障データを保存することができる。
【0079】
また、図4および図5を参照して、本発明の好ましい実施形態によるメモリ故障データの保存方法の一例について説明する。
【0080】
図4は、本発明の好ましい実施形態によるメモリ故障データの保存方式の一例を説明するための図である。
【0081】
図4を参照すると、メモリテストが進行されるうちに検出される故障は、順に欠陥バッファに送られ、決まった行の住所位置に、検出された故障の列の住所が保存されてもよい。
【0082】
この際、メモリ行の住所「2」のように、一行に発生した故障の個数が列方向の予備資源の個数よりも多く、既に行方向修理が確定された行は、これ以上故障データを追加的に保存しなくてもよい。
これによって、既存と違って、読み取るべき故障データを減らすことができる。
【0083】
また、故障が検出されないテストサイクルには、欠陥バッファの故障データが欠陥フィルタに転送され、欠陥フィルタでメモリ列の住所を基盤として列方向の故障をチェックすることによって、既に列方向修理が確定された列を確認し、不必要な列方向の故障を除去することができる。
【0084】
最終的に、欠陥フィルタで確認した故障を除外した残りの故障は、欠陥ストレージに保存され、テストが終わった後、メモリ故障データは欠陥ストレージのみでメモリ修理のために読み取ることができる。
【0085】
図5は、本発明の好ましい実施形態による不必要な故障の一例を示す図である。
【0086】
「row must repair」の場合、1つのメモリ行に発生した故障の個数が列方向の予備資源の個数よりも多いことを意味する。図5に示した「row must repair」の場合、該当メモリ行に発生した故障の個数は「4」であるが、列方向の予備資源の個数は「2」であるため、該当行の故障は列方向の予備資源を全部用いても修理できない。
【0087】
これによって、該当行は、必ず行方向の予備資源で修理されなければならないため、「row must repair」で指定されてもよい。
【0088】
また、該当「row must repair」で赤色で表された故障データは、修理のための故障分析の際に存在しなくても、既に該当メモリ行に故障を3個有しているので、「row must repair」に該当すると判断することができる。
【0089】
これによって、本発明では、「row must repair」に示された3個の故障が既に欠陥バッファに保存されていると、追加的に赤色で表された不必要な故障は、欠陥バッファに追加的に保存しなくてもよい。
【0090】
これと類似して、「column must repair」の場合、欠陥フィルタで考慮して、欠陥フィルタで「column must repair」内に赤色で表された不必要な故障のような場合、該当故障データを保存しなくてもよい。
【0091】
本実施形態による動作は、様々なコンピュータ手段を通じて行われ得るプログラム命令形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な保存媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な保存媒体は、実行のためにプロセッサに命令語を提供することに参加した任意の媒体を示す。コンピュータ読み取り可能な保存媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造またはこれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、磁気媒体、光記録媒体、メモリなどがあり得る。コンピュータプログラムは、ネットワークで連結されたコンピュータシステム上に分散され、分散方式でコンピュータが読み取ることのできるコードが保存されて実行されてもよい。本実施形態を具現するための機能的な(Functional)プログラム、コード、およびコードセグメントは、本実施形態の属する技術分野におけるプログラマー等によって容易に推論され得るだろう。
【0092】
本実施形態は、本実施形態の技術思想を説明するためのものであり、これらの実施形態によって本実施形態の技術思想の範囲が限定されるものではない。本実施形態の保護範囲は、以下の請求の範囲によって解釈されるべきであり、これらと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本実施形態の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0093】
100 ・・・メモリ故障データの保存装置
110 ・・・プロセッサ
120 ・・・メモリ
122 ・・・故障バッファ
124 ・・・欠陥フィルタ
126 ・・・欠陥保存所
130 ・・・テストロジック発生器
140 ・・・入出力インターフェース
150 ・・・通信インターフェース
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】