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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041296
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】液体を吐出する装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/17 20060101AFI20240319BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240319BHJP
   B41J 2/165 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
B41J2/17 203
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B41J2/165 211
B41J2/165
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146018
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】藤田 厚
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA27
2C056EB29
2C056EB32
2C056EB38
2C056EC36
2C056EC46
2C056JA01
2C056JA13
2C056JC06
2C056JC13
2C056JC25
2C056KB23
(57)【要約】
【課題】装置の機構の複雑化を招くことなく、かつ吐出不良の発生を防止しながら回収した液体の再利用を行うことができる液体を吐出する装置を提供する。
【解決手段】黒色の液体が吐出される液体吐出ヘッド11と、液体カートリッジ20と、廃液2を貯留する固定廃液タンク8と、内部に蒸発防止部材33を備え、廃液2を収容する廃液収容カートリッジ32と、ヘッドタンク11bに供給されない廃液2を収容する交換廃液タンク31と、制御部50と、を備え、制御部50は、メンテナンスにより固定廃液タンク8に貯留される廃液量及びメンテナンス実施からの経過時間の情報を記憶し、固定廃液タンク8に貯留された廃液2の量が所定量を超え、かつメンテナンス実施からの経過時間が所定時間内であるとき、固定廃液タンク8内の廃液2を、廃液収容カートリッジ32へ送るように制御する液体を吐出する装置である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも黒色の液体が吐出される液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドに液体を供給する液体カートリッジと、
前記液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス部と、
前記メンテナンス部から排出された廃液を貯留する固定廃液タンクと、
前記固定廃液タンクに貯留された前記廃液を、黒色の液体を吐出する前記液体吐出ヘッドのヘッドタンクに供給する経路上に配設され、内部に蒸発防止部材を備え、前記廃液を収容する廃液収容カートリッジと、
前記ヘッドタンクに供給されない前記廃液を収容する交換廃液タンクと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、メンテナンスにより前記固定廃液タンクに貯留される廃液量及びメンテナンス実施からの経過時間の情報を記憶し、前記固定廃液タンクに貯留された前記廃液の量が所定量を超え、かつメンテナンス実施からの経過時間が所定時間内であるとき、前記固定廃液タンク内の前記廃液を、前記廃液収容カートリッジへ送るように制御することを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項2】
前記固定廃液タンクが接続する先を、前記廃液収容カートリッジと前記交換廃液タンクとの間で切り替えるバルブと、
前記固定廃液タンクと、前記廃液収容カートリッジまたは前記交換廃液タンクとの間で前記廃液を移動させるポンプと、を備え、
前記制御部は、前記ポンプの駆動時間を、前記固定廃液タンク内の前記廃液の量に応じて決定することを特徴とする請求項1に記載の液体を吐出する装置。
【請求項3】
前記固定廃液タンク内の前記廃液を送液するために必要な前記ポンプの駆動時間をT1、
前記固定廃液タンク内の前記廃液を前記廃液収容カートリッジへ送液するための前記ポンプの駆動時間をT2、
前記固定廃液タンク内の前記廃液を前記交換廃液タンクへ送液するための前記ポンプの駆動時間をT3としたとき、
T3>T1>T2の関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の液体を吐出する装置。
【請求項4】
前記固定廃液タンクと前記廃液収容カートリッジとの間の流路を構成するチューブ内に、空気および/または所定時間を経過した前記廃液が存在する場合、
前記空気および/または所定時間を経過した前記廃液を前記交換廃液タンクへ送ることを特徴とする請求項1または2に記載の液体を吐出する装置。
【請求項5】
前記制御部は、メンテナンス実施からの経過時間を基準として前記廃液を再利用に供するか否かの判断を行い、
判断基準となる前記経過時間が、前記固定廃液タンク内の前記廃液と、前記固定廃液タンクと前記廃液収容カートリッジとの間の流路を構成するチューブ内の前記廃液とで異なることを特徴とする請求項1または2に記載の液体を吐出する装置。
【請求項6】
前記廃液収容カートリッジは、前記廃液の収容時と収容量の情報を記憶するIDチップを備え、
前記IDチップから読み出した前記廃液の収容時の情報に基づき、前記廃液を再利用に供するか否かの判断を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の液体を吐出する装置。
【請求項7】
前記廃液収容カートリッジは、前記廃液の収容時と収容量の情報を記憶するIDチップを備え、
前記IDチップに記憶された前記廃液の収容時から所定時間が経過している場合、前記廃液収容カートリッジ内の前記廃液を前記固定廃液タンクに戻し、前記固定廃液タンク内の前記廃液を前記交換廃液タンクへ送液することを特徴とする請求項1または2に記載の液体を吐出する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を吐出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を吐出する装置の一例としてのインクジェット記録装置では、液体吐出ヘッドのノズル内やノズル面に残された液体としてのインクを、空吐出や吸引を行うことにより廃液タンクに回収することが行われている。
【0003】
従来、廃液タンクへ排出されたインクはそのまま廃棄処理されていた。廃棄は環境負荷につながるという問題があった。また、ユーザーは廃液を回収するタンクを買い替える必要があり、コスト負担になるという問題があった。
このような問題に対し、回収した廃インクを再利用する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1には、回収手段によって回収したインクを再利用インクとして再利用インク用記録ヘッドへ供給する手段を備えたインクジェット記録装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
廃インクを再利用する装置において、経時で粘度が増加した廃インクが液体吐出ヘッドに供給されると、インク詰まりによる吐出不良や装置の故障を招くおそれがある。
これに対し、廃インクの粘度調整を行うための手段を設けると、装置の大型化や機構の複雑化につながり、コスト低減が困難となるおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、装置の機構の複雑化を招くことなく、かつ吐出不良の発生を防止しながら回収した液体の再利用を行うことができる液体を吐出する装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の液体を吐出する装置は、少なくとも黒色の液体が吐出される液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する液体カートリッジと、前記液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス部と、前記メンテナンス部から排出された廃液を貯留する固定廃液タンクと、前記固定廃液タンクに貯留された前記廃液を、黒色の液体を吐出する前記液体吐出ヘッドのヘッドタンクに供給する経路上に配設され、内部に蒸発防止部材を備え、前記廃液を収容する廃液収容カートリッジと、前記ヘッドタンクに供給されない前記廃液を収容する交換廃液タンクと、制御部と、を備え、前記制御部は、メンテナンスにより前記固定廃液タンクに貯留される廃液量及びメンテナンス実施からの経過時間の情報を記憶し、前記固定廃液タンクに貯留された前記廃液の量が所定量を超え、かつメンテナンス実施からの経過時間が所定時間内であるとき、前記固定廃液タンク内の前記廃液を、前記廃液収容カートリッジへ送るように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、装置の機構の複雑化を招くことなく、かつ吐出不良の発生を防止しながら回収した液体の再利用を行うことができる液体を吐出する装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の液体を吐出する装置の要部概略構成を示す説明図である。
図2】本実施形態の液体を吐出する装置の要部説明図である。
図3】パラメータテーブルの一例である。
図4】本実施形態の液体を吐出する装置の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係る液体を吐出する装置が備える制御機構の一例を示すブロック図である。
図6】制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る液体を吐出する装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0011】
図1は、本発明に係る液体を吐出する装置の一実施形態の要部概略構成を示す説明図である。
本実施形態の液体を吐出する装置は、液体吐出ヘッド11と、液体吐出ヘッド11に液体を供給する液体カートリッジ20と、液体吐出ヘッド11のメンテナンスを行うメンテナンス部と、メンテナンス部から排出された廃液を貯留する固定廃液タンク8と、固定廃液タンク8に貯留された廃液2を液体吐出ヘッド11に供給する経路上に配設され、内部に蒸発防止部材30aを備え、廃液を収容する廃液収容カートリッジ30と、ヘッドタンク11bに供給されない廃液を収容する交換廃液タンク31と、制御部50と、を備えている。
【0012】
図1に示す液体を吐出する装置は、例えばインクジェット記録装置であり、液体吐出ヘッドは複数のヘッドタンク11bを備え、ノズル面11aからそれぞれブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクが吐出される。
【0013】
液体カートリッジは、対応する色のインクを液体吐出ヘッド11に供給する。図1では、黒色の液体カートリッジ20のみを示している。なお、液体カートリッジ20は着脱可能である。
【0014】
本実施形態の液体を吐出する装置は、少なくとも黒色(ブラック(Bk))の液体が吐出される液体吐出ヘッド11、ヘッドタンク11b及び黒色(ブラック(Bk))の液体を供給する液体カートリッジ20を備えていればよく、その他の色のヘッドタンク11b及び液体カートリッジの有無や種類は、適宜選択することができる。
ヘッドタンク11bには、液体カートリッジ20内の液体、または廃液がポンプP1を介して送液される。
廃液は、バルブV1により流路が切換えられることにより黒色(ブラック(Bk))の液体が吐出される液体吐出ヘッドのヘッドタンク11bに供給される。
【0015】
メンテナンス部10(図5参照)は、ワイパー12や吸引キャップ14、保湿キャップ16等を備え、液体吐出ヘッド11の正常な吐出を維持する動作を行う。図1では吸引キャップ14のみを図示している。
吸引キャップ14は、液体吐出ヘッド11の維持動作を行う際に、ノズル面11aから液体を吸引するための吸引機構を備えたキャップ部材である。
【0016】
吸引キャップ14による吸引動作時には、少なくともいずれかの液体吐出ヘッド11のノズル面11aに当接してノズル孔を覆う。ヘッドタンク11及びノズル面11aを複数備える態様において、吸引キャップ14は、順次すべてのノズル面11aと当接する。また、複数のノズル面11aに対応する複数の吸引キャップ14を備える態様であってもよい。
【0017】
吸引キャップ14のノズル面11aと反対側には、チューブ5を介して吸引ポンプP2が接続されている。
吸引キャップ14をノズル面11aに装着した状態で、吸引ポンプP2を駆動する。これにより、吸引ポンプP2はノズル内及びノズル面11aに残留したインクを吸引し、吸引されたインク(廃液)は、連結されたチューブ5を通って固定廃液タンク8に到達し、固定廃液タンク8に貯留される。
【0018】
なお、吸引されたインク(廃液)は、ノズル面11a等に付着したゴミ等の異物が含まれているため、固定廃液タンク8の上流側に、メンテナンス部から排出された廃液をろ過するフィルタ部材Fを備えることが好ましい。
【0019】
固定廃液タンク8は、貯留された廃液を撹拌する撹拌手段81を備えている。
黒色の他に複数の色のインクが吐出される液体吐出ヘッド11を備える態様において、メンテナンス部から排出される廃液は、黒色の液体とその他の色の液体とが混在することとなる。固定廃液タンク8の内部に撹拌手段81を設けることにより、各色の液体が撹拌されて全体として黒色に近い色となる。また撹拌手段81により撹拌を行うことにより、貯留されている液体の増粘の発生を遅延し、液体の鮮度維持を図ることができる。
【0020】
撹拌手段81としては、例えば、撹拌スクリューとすることができる。撹拌スクリューとしては、例えば、固定廃液タンク8の長手方向に沿った回転軸に、捩れ羽根等の羽根状部材が所定間隔で取付けられたものが挙げられる。羽根状部材が回転することにより、廃液が撹拌される。
撹拌手段81の駆動機構は、例えば、回転軸に接続されるモータ及び変速機等で構成される。
【0021】
撹拌手段81の駆動機構は、例えば、回転軸に接続されるモータ及び変速機等で構成される。撹拌手段81の駆動機構は、例えば、近接する吸引ポンプP2の駆動機構と共有することができる。これにより装置の省スペース化及びコストダウンを図ることができる。
【0022】
また、固定廃液タンク8の内部は、廃液2が排出される排出口に向かって低くなる勾配を有する傾斜部82を備えている。傾斜部82は、長手方向及び短手方向にそれぞれ形成されていることが好ましい。
【0023】
固定廃液タンク8は、内部に傾斜部82を備えることにより、廃液2を確実に排出口へ送り出すことができる。また、排出口よりも上方に空気が集められることにより、排出される廃液2に空気が混入するのを防止することができる。
【0024】
また、固定廃液タンク8には、貯留された廃液量を検知する検知手段83が設けられている。検知手段83としては、廃液量の他、廃液の特性等を検知対象とすることもできる。廃液2の特性としては、例えば、粘度、濃度、pH等が挙げられ、必要に応じて適宜選択することができる。
【0025】
また、本実施形態の液体を吐出する装置は、固定廃液タンク8が接続する先を、廃液収容カートリッジ30と交換廃液タンク31との間で切り替えるバルブV2と、固定廃液タンク8と、廃液収容カートリッジ30または交換廃液タンク31との間で廃液を移動させるポンプP3と、を備えている。
【0026】
図2は、図1の要部と廃液2の移動の例を示した図である。
図1及び図2では、固定廃液タンク8からバルブV2までの流路を構成するチューブ3、バルブV2から廃液収容カートリッジ30までの流路を構成するチューブ6、バルブV2から交換廃液タンク31までの流路を構成するチューブ5、廃液収容カートリッジ30から液体吐出ヘッドへの流路を構成するチューブ7を模式的に示している。
ポンプP3は、これらのチューブ(チューブ3、チューブ5、チューブ6)内の廃液を正逆方向に移送可能である。
【0027】
本実施形態の液体を吐出する装置は、制御部50を備えている。制御部50は、メンテナンスにより固定廃液タンク8に貯留される廃液量及びメンテナンス実施からの経過時間の情報を記憶し、固定廃液タンク8に貯留された廃液2の量が所定量を超え、かつメンテナンス実施からの経過時間が所定時間内であるとき、固定廃液タンク8内の廃液2を、廃液収容カートリッジ30へ送るように制御する。
【0028】
本実施形態において、廃液の増粘による劣化を、メンテナンス実施からの経過時間を基準として判断する。すなわち、メンテナンスにより発生し固定廃液タンク8内に貯留された廃液2を、再利用に供するか廃棄するかを経過時間に基づき判断する。
メンテナンス実施からの経過時間が所定時間を超えている廃液は、再利用に適さないものとして廃棄が選択され、当該廃液は交換廃液タンク31へ送られた後、交換廃液タンク31に収容して処分される。
【0029】
一方、再利用に供する廃液は廃液収容カートリッジ30に送られる。容量一杯に廃液を収容した廃液収容カートリッジ30は、取り外して保管しておくことができる。保管された廃液収容カートリッジ30は、例えば、黒色(ブラック(Bk))の液体吐出ヘッド11に液体を供給するカートリッジのリサイクル品として利用することができる。
【0030】
図1及び図2に示す本実施形態の液体を吐出する装置の基本的な動作としては、まず、メンテナンスにより液体吐出ヘッド11から排出された廃液(廃インク)を、固定廃液タンク8へ送る。固定廃液タンク8に貯留された廃液の量と、メンテナンス実施からの経過時間の情報が制御部50に記録される。記録された経過時間に基づき、廃液の品質(粘度)が再利用可能な範囲にあると判断されたとき、バルブV2を切換え、ポンプP3により固定廃液タンク8内の廃液2を廃液収容カートリッジ30に送液する。
【0031】
廃液の再利用の可否の判断基準となる廃液の量と経過時間は、例えば、図3に示すパラメータテーブルが参照される。
【0032】
図3にパラメータテーブルの一例を示す。
本実施形態の液体を吐出する装置では、複数の種類のメンテナンス(メンテナンスA~C)が実施される。それぞれのメンテナンス毎に発生する廃液量が異なるため、発生する廃液量の大小をスコア(カウント)で表し、これを制御部50が記憶する。
例えば、メンテナンスAでは、発生する廃液量スコア(カウント)は、各色ヘッドタンクあたり2となっている。例えば、メンテナンス対象のヘッドタンクが4色であれば廃液量スコアは8となる。
同様に、メンテナンスBの廃液量スコア(カウント)は4、メンテナンスCの廃液量スコアは10である。
【0033】
また、廃液の品質(粘度)の再利用可否を判断する基準となるメンテナンス後の経過時間も、それぞれのメンテナンス毎に異なっている。
例えば、メンテナンスAでは、実施後の経過時間として2日を基準とし、2日を超えた廃液は再利用に適さないと判断される。同様に、メンテナンスBにおける経過時間の基準は4日、メンテナンスCにおける経過時間の基準は10日である。
【0034】
実施されたメンテナンスの種類に応じて、記憶された廃液量スコアに基づき固定廃液タンク8内に貯留された廃液量を算出し、算出された廃液量が予め設定された所定量を超えたか否かが判断される。廃液の量が所定量を超え、かつメンテナンス実施からの経過時間が所定時間内であるとき、制御部50によりバルブV2及びポンプP3が制御され、固定廃液タンク8内の廃液2が、廃液収容カートリッジ30へ送られる。
【0035】
制御部50は、メンテナンスの種類に応じて記憶され、算出された廃液量に基づき、固定廃液タンク8内の廃液2を送液するために必要なポンプP3の駆動時間T1を算出する。
そして、固定廃液タンク8内の廃液2を廃液収容カートリッジ30へ送液するとき、ポンプP3の駆動時間T2を、算出された駆動時間T1未満とする。
駆動時間T2をT1より長くすると、廃液収容カートリッジ30内に空気が送りこまれるおそれがある。廃液収容カートリッジ30内の空気が液体吐出ヘッドに送られると、吐出不良や故障の原因となるため、駆動時間T2はT1より短くすることが好ましい。
【0036】
一方、固定廃液タンク8内の廃液2を交換廃液タンク31へ送液するとき、ポンプP3の駆動時間T3を、算出された駆動時間T1以上とする。
駆動時間T3がT1より短いと、再利用に適さないとして廃棄される対象の廃液が固定廃液タンク8内に残留するおそれがある。新たに貯留される廃液に残留した低品質の廃液が混ざってしまうのを防止するため、駆動時間T3はT1より長くすることが好ましい。
【0037】
すなわち、固定廃液タンク8内の廃液2を送液するために必要なポンプP3の駆動時間をT1、固定廃液タンク8内の廃液2を廃液収容カートリッジ30へ送液するためのポンプP3の駆動時間をT2、固定廃液タンク8内の廃液2を交換廃液タンク31へ送液するためのポンプP3の駆動時間をT3としたとき、T3>T1>T2の関係を満たすことが好ましい。
駆動時間T1は計算値である。また「駆動時間」は、送液時間に相当する。
【0038】
制御部50は、メンテナンス実施からの経過時間を基準として廃液を再利用に供するか否かの判断を行うが、このとき、判断基準となる経過時間は、固定廃液タンク8内の廃液2と、固定廃液タンク8と廃液収容カートリッジ30との間の流路を構成する送液チューブ(チューブ3及びチューブ6)内の廃液とで異なっている。
固定廃液タンク8の内部と、チューブの内部とでは、収容されている廃液の蒸発率が異なるため、例えば、図3に示すパラメータテーブルのように個別のテーブルを備えていることが好ましい。
【0039】
図3に示す例では、固定廃液タンク8内の廃液2について、基準となる時間はメンテナンメンテナンスの種類によって異なるが、送液チューブ内の廃液は、送液停止後(ポンプP3の停止後)から一定の経過時間が設定されている。
このような判断基準とすることにより、廃液の再利用の有効性を向上させることができる。
【0040】
例えば、ポンプP3の停止時間が30日を超えた場合は、送液チューブ内の廃液は再利用に供さず、廃棄することが好ましい。
この場合、30日経過後にポンプP3を逆方向に動作させ、チューブ6内の廃液を図2中矢印R1の方向及びR2の方向へ送り、固定廃液タンク8に戻す。次いで、廃液が固定廃液タンク8から交換廃液タンク31へ送られるようにバルブV2を切り換え、ポンプP3を順方向に動作させ、固定廃液タンク8内の廃液2を図2中矢印R3の方向へ送る。
【0041】
このとき、固定廃液タンク8内の廃液2の全量を交換廃液タンク31へ送液することが好ましい。固定廃液タンク8内の廃液2をすべて交換廃液タンク31へ送液するために、ポンプP3の駆動時間は、チューブ6内の廃液を固定廃液タンク8に戻すために逆方向に動作させた駆動時間よりも長くすることが好ましい。
【0042】
また、チューブ6内に空気が存在する場合も、廃液収容カートリッジ30内に空気が送り込まれるのを防止するために、チューブ6内に廃液が充填されるまで、空気を排出するために同様の動作を行うことが好ましい。
【0043】
すなわち、固定廃液タンク8と廃液収容カートリッジ30との間の流路を構成するチューブ6内に、空気および/または所定時間を経過した廃液が存在する場合は、空気および/または所定時間を経過した廃液を交換廃液タンク31へ送る動作を行う。
【0044】
なお、長期にわたって装置が不使用であった場合は、図3のパラメータテーブルの基準にかかわらず、メンテナンスにより発生した廃液の一部をメンテナンス後の経過時間にかかわらず廃棄することが好ましい。メンテナンス初期に生じる廃液は、長期放置により増粘した廃液が含まれているため、例えば、当該初期の廃液は交換廃液タンク31へ送り、その後バルブV2を切換えて、メンテナンス中盤以降に生じる廃液を廃液収容カートリッジ30へ送ることが好ましい。
【0045】
廃液収容カートリッジ30は、廃液の収容時と収容量の情報を記憶するIDチップ34を備えている。
制御部50は、IDチップ34から読み出した廃液の収容時の情報に基づき、廃液を再利用に供するか否かの判断を行うことができる。
【0046】
廃液収容カートリッジ30に送液された後、所定時間を超える時間が経過した場合は再利用に適さない品質となっているおそれがある。そこで、IDチップ34から読み出した廃液の収容時の情報から経過時間を算出し、経過時間が所定の時間を超えている場合には、装置の表示部等に再利用不可のアラームを発することが好ましい。これにより、経時で増粘した廃液が液体吐出ヘッドに供給され、インク詰まりによる吐出不良や装置の故障が発生するのを防止することができる。
【0047】
また、IDチップ34に記憶された廃液の収容時から所定時間が経過している場合は、廃液収容カートリッジ30内の廃液を、図2中矢印R1の方向及び矢印R2の方向へ送り、固定廃液タンク8に戻し、固定廃液タンク8内の廃液2を矢印R3の方向へ送り、交換廃液タンクへ送液する。
【0048】
以上の構成により、本実施形態の液体を吐出する装置によれば、装置の大型化やコストアップを招くことなく、回収した液体の再利用を行うことができる。また、装置の機構の複雑化を招くことなく、かつ吐出不良の発生を防止しながら回収した液体の再利用を行うことができる。
【0049】
本発明に係る液体を吐出する装置としてのインクジェット記録装置の例について、図4を参照して説明する。
図4はシリアル型のヘッドユニット(液体吐出装置)を備えたものである。図4に示すように、インクジェット記録装置100は、主ガイド部材61および従ガイド部材により、キャリッジ63を主走査方向D1に移動可能に保持している。主ガイド部材61および従ガイド部材は左右の側板に横架されている。
【0050】
タイミングベルト68が、駆動プーリ66と従動プーリ67との間に架け渡しされている。主走査モータ65の駆動力により、駆動プーリ66が回転すると、タイミングベルト68が周回走行し、従動プーリ67が従動回転する。このタイミングベルト68の周回走行により、キャリッジ63が主走査方向D1(キャリッジ移動方向)に往復移動する。
【0051】
このキャリッジ63には、複数の液体吐出ヘッド11を備えたヘッドユニット9が搭載されている。液体吐出ヘッド11は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する。また、液体吐出ヘッド11は、複数のノズルからなるノズル列11nを主走査方向D1と直交する副走査方向D2に複数有する。各ノズルは下方(図5の紙面垂直方向のおもて面から裏面側へ向かう方向)に向けて開口しており、この方向が滴吐出方向である。
【0052】
また、インクジェット記録装置100は搬送手段である搬送ベルト69を備えている。搬送ベルト69は、用紙Pを静電吸着し、液体吐出ヘッド11に対向する位置で用紙Pを副走査方向D2へ搬送する。この搬送ベルト69は、無端状ベルトであり、搬送ローラ78とテンションローラ79との間に掛け渡されている。
【0053】
副走査モータ70の駆動力により、タイミングベルト71およびタイミングプーリ72を介して、搬送ローラ78が副走査方向D2に周回走行する。この搬送ベルト69は、周回移動しながら帯電ローラによって帯電(電荷付与)される。搬送ローラ78の周回走行により、搬送ローラ78上の用紙Pを副走査方向D2へ搬送することができる。
【0054】
さらに、インクジェット記録装置100は、キャリッジ63の主走査方向D1の一方側で搬送ベルト69の側方に、メンテナンス部10を備える。メンテナンス部10は、ワイパー12や吸引キャップ14、保湿キャップ16等を備える。
【0055】
また、インクジェット記録装置100は、エンコーダスケール73およびエンコーダセンサ74を有する。エンコーダスケール73は、キャリッジ63の主走査方向D1に沿って両側板間に張装されており、主走査方向D1に沿って所定のパターンを有する。エンコーダセンサ74は透過型フォトセンサを有し、エンコーダスケール73のこの所定のパターンを読み取ることができる。これらのエンコーダスケール73とエンコーダセンサ74によって、キャリッジ63の移動を検知するリニアエンコーダ(主走査エンコーダ)を構成している。
【0056】
また搬送ローラ78の軸には、所定のパターンを形成したコードホイール75と、エンコーダセンサ76とが設けられている。エンコーダセンサ76は透過型フォトセンサを有し、コードホイール75に形成したパターンを検出できる。これらのコードホイール75とエンコーダセンサ76によって、搬送ベルト69の移動量および移動位置を検出するロータリエンコーダ(副走査エンコーダ)を構成している。
【0057】
このように構成したインクジェット記録装置100において、給紙トレイから用紙Pが搬送されてくると、帯電された搬送ベルト69がその表面に用紙Pを吸着する。そして、搬送ベルト69の周回走行によって用紙Pが副走査方向D2に搬送される。これに連動して、キャリッジ63を主走査方向D1に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド11を駆動することにより、停止している用紙Pにインク滴を吐出して1行分を記録する。そして、用紙Pを所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙Pの後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙Pを排紙トレイに排紙する。
【0058】
また、液体吐出ヘッド11のクリーニングを行う場合は、印字(記録)待機中にキャリッジ63をメンテナンス部10に移動し、メンテナンス部10によりメンテナンス動作を実施する。また、液体吐出ヘッド11は移動せず、メンテナンス部10が移動してメンテナンス動作を実施するようにしてもよい。
【0059】
図5は、本実施形態の液体を吐出する装置のシステムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、制御部50によって、メンテナンス部10、バルブ(V1、V2)を駆動するバルブ駆動部42、ポンプ(P1、P2、P3)を駆動するポンプ駆動部43、記憶部44等が制御される。また、制御部50は、検知手段83からの信号が送信されるように構成されている。
【0060】
図6は、制御部50のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
制御部50は、図6に示すように、CPU(Central Processing Unit)51と、ROM(Read Only Memory)53と、RAM(Random Access Memory)52と、HDD(Hard Disk Drive)54と、I/F55と、を備えている。
【0061】
CPU51は、ROM53に記憶されたプログラムを実行することにより、順次・分岐・反復処理等を実行する演算装置であり、液体を吐出する装置の動作を統括的に制御する。ROM53は、CPU51で実行されるプログラム等が記憶された不揮発性記憶装置である。RAM52は、CPU51の動作のワークエリア(作業領域)として機能するメモリである。
【0062】
HDD(Hard Disk Drive)54は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体である。バスライン56は、CPU51等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。I/F55には、操作部90と専用デバイス91が接続されている。I/F55は、バスライン56と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。操作部90は、ユーザーが動作モード等の設定を入力するためのインターフェースである。専用デバイス91は、液体を吐出する装置において専用の動作をする機能を実現するための各種ハードウェアである。
【0063】
上記で説明した実施形態の各機能のうち、制御部50で実行される部分は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0064】
「液体を吐出する装置」には、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、ヘッドモジュール、ヘッドユニットなどを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0065】
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0066】
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0067】
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
記録媒体としては、用紙P(普通紙)の他、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、プラスチックフィルム、プリプレグ、銅箔等が含まれる。
【0068】
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0069】
本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。また、液体は、液体吐出ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0070】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 少なくとも黒色の液体が吐出される液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドに液体を供給する液体カートリッジと、
前記液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス部と、
前記メンテナンス部から排出された廃液を貯留する固定廃液タンクと、
前記固定廃液タンクに貯留された前記廃液を、黒色の液体を吐出する前記液体吐出ヘッドのヘッドタンクに供給する経路上に配設され、内部に蒸発防止部材を備え、前記廃液を収容する廃液収容カートリッジと、
前記ヘッドタンクに供給されない前記廃液を収容する交換廃液タンクと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、メンテナンスにより前記固定廃液タンクに貯留される廃液量及びメンテナンス実施からの経過時間の情報を記憶し、前記固定廃液タンクに貯留された前記廃液の量が所定量を超え、かつメンテナンス実施からの経過時間が所定時間内であるとき、前記固定廃液タンク内の前記廃液を、前記廃液収容カートリッジへ送るように制御することを特徴とする液体を吐出する装置である。
<2> 前記固定廃液タンクが接続する先を、前記廃液収容カートリッジと前記交換廃液タンクとの間で切り替えるバルブと、
前記固定廃液タンクと、前記廃液収容カートリッジまたは前記交換廃液タンクとの間で前記廃液を移動させるポンプと、を備え、
前記制御部は、前記ポンプの駆動時間を、前記固定廃液タンク内の前記廃液の量に応じて決定することを特徴とする前記<1>に記載の液体を吐出する装置である。
<3> 前記固定廃液タンク内の前記廃液を送液するために必要な前記ポンプの駆動時間をT1、
前記固定廃液タンク内の前記廃液を前記廃液収容カートリッジへ送液するための前記ポンプの駆動時間をT2、
前記固定廃液タンク内の前記廃液を前記交換廃液タンクへ送液するための前記ポンプの駆動時間をT3としたとき、
T3>T1>T2の関係を満たすことを特徴とする前記<1>または<2>に記載の液体を吐出する装置である。
<4> 前記固定廃液タンクと前記廃液収容カートリッジとの間の流路を構成するチューブ内に、空気および/または所定時間を経過した前記廃液が存在する場合、
前記空気および/または所定時間を経過した前記廃液を前記交換廃液タンクへ送ることを特徴とする前記<1>から<3>のいずれかに記載の液体を吐出する装置である。
<5> 前記制御部は、メンテナンス実施からの経過時間を基準として前記廃液を再利用に供するか否かの判断を行い、
判断基準となる前記経過時間が、前記固定廃液タンク内の前記廃液と、前記固定廃液タンクと前記廃液収容カートリッジとの間の流路を構成するチューブ内の前記廃液とで異なることを特徴とする前記<1>から<4>のいずれかに記載の液体を吐出する装置である。
<6> 前記廃液収容カートリッジは、前記廃液の収容時と収容量の情報を記憶するIDチップを備え、
前記IDチップから読み出した前記廃液の収容時の情報に基づき、前記廃液を再利用に供するか否かの判断を行うことを特徴とする前記<1>から<5>のいずれかに記載の液体を吐出する装置である。
<7> 前記廃液収容カートリッジは、前記廃液の収容時と収容量の情報を記憶するIDチップを備え、
前記IDチップに記憶された前記廃液の収容時から所定時間が経過している場合、前記廃液収容カートリッジ内の前記廃液を前記固定廃液タンクに戻し、前記固定廃液タンク内の前記廃液を前記交換廃液タンクへ送液することを特徴とする前記<1>から<6>のいずれかに記載の液体を吐出する装置である。
【符号の説明】
【0071】
8 固定廃液タンク
10 メンテナンス部
11 液体吐出ヘッド
11a ノズル面
11b ヘッドタンク
14 吸引キャップ
20 液体カートリッジ
30 廃液収容カートリッジ
30a 蒸発防止部材
31 交換廃液タンク
34 IDチップ
81 撹拌手段
82 傾斜部
83 検知手段
100 液体を吐出する装置
P1、P2、P3 ポンプ
V1、V2 バルブ
F フィルタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】特開2006-305902号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6