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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041987
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】ガラス繊維強化TPU
(51)【国際特許分類】
   C08L 75/04 20060101AFI20240319BHJP
   C08G 18/65 20060101ALI20240319BHJP
   C08G 18/48 20060101ALI20240319BHJP
   C08G 18/32 20060101ALI20240319BHJP
   C08G 18/76 20060101ALI20240319BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20240319BHJP
   C08K 7/02 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
C08L75/04
C08G18/65
C08G18/48
C08G18/32 003
C08G18/76
C08K3/013
C08K7/02
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024006725
(22)【出願日】2024-01-19
(62)【分割の表示】P 2021500790の分割
【原出願日】2019-07-11
(31)【優先権主張番号】18183144.7
(32)【優先日】2018-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヘンツェ,オリファー シュテッフェン
(72)【発明者】
【氏名】ランゲ,テンヤ
(72)【発明者】
【氏名】ニッツ,ビルテ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高い剛性を有する強化熱可塑性ポリウレタンを提供する。
【解決手段】本発明は、ポリイソシアネート組成物(IZ)とポリオール組成物(PZ)との反応により得られる又は得ることができる熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)、及びフィラー(F1)を含む組成物を提供する。前記ポリオール組成物(PZ)が少なくとも1種のポリオール(P1)、鎖延長剤(KV1)及び鎖延長剤(KV2)を含む。また、当該組成物の製造方法、さらに、本発明は、本発明による組成物を成形体の製造に使用する方法、及びまた本発明による組成物を含む成形体を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリイソシアネート組成物(IZ)とポリオール組成物(PZ)との反応により得られる又は得ることができる熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)であって、前記ポリオール組成物(PZ)が少なくとも1種のポリオール(P1)、鎖延長剤(KV1)及び鎖延長剤(KV2)を含み、鎖延長剤が、20:1~3:1の範囲のKV1:KV2のモル混合比で使用される、熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)、及び
(b)フィラー(F1)
を含む、組成物。
【請求項2】
前記鎖延長剤(KV1)及び/又は前記鎖延長剤(KV2)が、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヒドロキノンビス-2-ヒドロキシエチルエーテル及びビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記鎖延長剤(KV1)が1,4-ブタンジオールである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリオール(P1)がポリエーテルポリオールである、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリイソシアネート組成物(IZ)が、フェニレン1,2-、1,3-及び/又は1,4-ジイソシアネート、トリフェニルメタン4,4’,4’’-トリイソシアネート、ナフチレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、トリレン2,4-及び/又は2,6-ジイソシアネート(TDI)、ビフェニル2,4’-、4,4’-及び/又は2,2-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,2’-、2,4’-及び/又は4,4’-ジイソシアネート(MDI)、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート、キシリレン1,2-、1,3-及び/又は1,4-ジイソシアネート及びm-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)からなる群から選択されるポリイソシアネート(PI)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記フィラー(F1)が繊維状のものである、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記フィラー(F1)が、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム繊維、液晶ポリマーから構成される繊維、金属繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、有機の繊維状フィラー及び無機の繊維状フィラーからなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記フィラー(F1)が、いずれの場合もASTM D578-98に従って決定された、3mm~4mmの範囲の長さ及び1μm~20μmの範囲の直径を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記フィラー(F1)が、前記組成物の全体に基づいて40質量%~60質量%の範囲の量で含まれる、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記熱可塑性ポリウレタンが、DIN ISO 7619-1に従って決定された、40D~90D、好ましくは70D~90Dの範囲のショア硬度を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
組成物の製造方法であって、
(i)以下の成分
(a)ポリイソシアネート組成物(IZ)とポリオール組成物(PZ)との反応により得られる又は得ることができる熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)であって、前記ポリオール組成物(PZ)が少なくとも1種のポリオール(P1)、鎖延長剤(KV1)及び鎖延長剤(KV2)を含み、鎖延長剤が、20:1~3:1の範囲のKV1:KV2のモル混合比で使用される、熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)、及び
(b)フィラー(F1)
を混合する工程を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法により得られる又は得ることができる、組成物。
【請求項13】
請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物、又は請求項11に記載の方法により得られる又は得ることができる組成物を、成形体の製造に使用する方法。
【請求項14】
請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物、又は請求項11に記載の方法により得られる又は得ることができる組成物を含む、成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイソシアネート組成物(IZ)とポリオール組成物(PZ)との反応により得られる又は得ることができる熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)、及びフィラー(F1)を含む組成物に関し、ここで、ポリオール組成物(PZ)が少なくとも1種のポリオール(P1)、鎖延長剤(KV1)及び鎖延長剤(KV2)を含む。本発明はまた、当該組成物の製造方法にも関する。さらに、本発明は、本発明による組成物を成形体の製造に使用する方法、及びまた本発明による組成物を含む成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス繊維強化熱可塑性ポリウレタンは、それ自体が知られている。それは、優れた機械的特性と非常に低い熱膨張係数を組み合わせた高性能材料である。この材料は、高い応力に耐えることができ、様々な用途に使用されている。
【0003】
良好なガラス繊維強化熱可塑性ポリウレタンは、例えばMDIベースの熱可塑性ポリウレタンから作ることができる。MDIベースの硬質相により、非常に良好な機械的特性が得られる。
【0004】
特に低温で非常に高い衝撃靭性を有するポリエーテルをベースとするガラス繊維強化TPUにも興味深い。これらの材料は、スキーブーツ及びスキーなどのスポーツ用品のさまざまな機能的構成要素に使用される。
【0005】
しかしながら、一部の利用には、10000MPaを超えるE弾性率を有する非常に硬い材料が必要である。しかしながら、まずは非常に硬いTPU出発材料が必要であり、次に非常に高度なガラス繊維の充填を達成する必要があるため、好適な材料を製造することは非常に困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、高い剛性を有する強化熱可塑性ポリウレタンを提供することである。さらに、この熱可塑性ポリウレタンは、良好な機械的特性及び良好な低温特性を備え、容易に処理できるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この目的は、
(a)ポリイソシアネート組成物(IZ)とポリオール組成物(PZ)との反応により得られる又は得ることができる熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)であって、ポリオール組成物(PZ)が少なくとも1種のポリオール(P1)、鎖延長剤(KV1)及び鎖延長剤(KV2)を含む、熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)、及び
(b)フィラー(F1)
を含む組成物によって達成される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
驚いたことには、使用される熱可塑性ポリウレタンとフィラーとの本発明の組み合わせにより、改善された特性プロファイルを有する組成物を得ることが見出された。したがって、非常に硬いTPUの溶融範囲は、最初に、本発明による特定のポリオール組成物を使用することによって最適化することができる。非常に硬いTPUの合成における第2の鎖延長剤の添加により、10000MPaを超えるE弾性率を有するガラス繊維強化TPUを製造することができる出発物質が得られることが見出された。
【0009】
本発明による組成物は、少なくとも1種のフィラー(F1)及び熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)を含む。本発明の文脈において、熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)は、ポリイソシアネート組成物(IZ)とポリオール組成物(PZ)との反応により得られる又は得ることができ、ここで、ポリオール組成物(PZ)が少なくとも1種のポリオール(P1)、鎖延長剤(KV1)及び鎖延長剤(KV2)を含む。
【0010】
熱可塑性ポリウレタンは、それ自体が知られている。それは、任意に少なくとも1種の触媒及び/又は通常の助剤及び/又は添加剤の存在下で、イソシアネートとイソシアネート反応性化合物と鎖延長剤との反応により製造される。イソシアネート、イソシアネート反応性化合物及び鎖延長剤は、個別に又は合わせて形成成分(formative components)とも呼ばれる。
【0011】
本発明によれば、熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)は、ポリイソシアネート組成物(IZ)とポリオール組成物(PZ)との反応により得ることができる。ポリオール組成物(PZ)は、少なくとも1種のポリオール(P1)、鎖延長剤(KV1)及び鎖延長剤(KV2)を含む。本発明の目的のため、ポリオール組成物は、さらなるポリオールも含むことができる。
【0012】
鎖延長剤(KV1)及び(KV2)として、一般に知られている、50g/mol~499g/molの分子量、好ましくは平均分子量を有する脂肪族、芳香脂肪族、芳香族及び/又は脂環式の化合物、好ましくは二官能性化合物を使用することが可能である。好ましくは、例えばアルキレンラジカルに2~10個の炭素原子を有するアルカンジオール、好ましくは1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、及び/又は3~8個の炭素原子を有するジアルキレン、トリアルキレン、テトラアルキレン、ペンタアルキレン、ヘキサアルキレン、ヘプタアルキレン、オクタアルキレン、ノナアルキレン及び/又はデカアルキレングリコール、より好ましくは非分岐のアルカンジオール、特に1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールである。
【0013】
したがって、さらなる実施態様において、本発明は上記の組成物も提供し、ここで、鎖延長剤(KV1)及び/又は鎖延長剤(KV2)が、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヒドロキノンビス-2-ヒドロキシエチルエーテル及びビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートからなる群から選択される。
【0014】
本発明の文脈において、より好ましくは、鎖延長剤(KV1)は、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールからなる群から選択される。したがって、さらなる実施態様において、本発明は上記の組成物も提供し、ここで、鎖延長剤(KV1)が1,4-ブタンジオールである。
【0015】
本発明の文脈において、好ましくは、1,3-プロパンジオール又は1,6-ヘキサンジオールを鎖延長剤(KV2)として使用し、さらに好ましくは1,3-プロパンジオールを鎖延長剤(KV2)として使用する。したがって、さらなる実施態様において、本発明は上記の熱可塑性ポリウレタンを提供し、ここで、鎖延長剤(KV2)が1,3-プロパンジオールである。
【0016】
本発明によれば、再生可能な原料から少なくとも部分的に得られた、多価アルコール、例えばプロパンジオール、及び/又はさらなるジオールの使用も可能である。この場合、多価アルコールは、部分的に又は全体的に再生可能な原料から得られていることが可能である。本発明によれば、使用される多価アルコールの少なくとも1つは、少なくとも部分的に再生可能な原料から得ることができる。
【0017】
バイオ-1,3-プロパンジオールとして知られているものは、例えば、トウモロコシ及び/又は砂糖から得ることができる。バイオディーゼルの製造からのグリセロール廃棄物の変換はさらに可能である。本発明のさらに好ましい実施態様において、多価アルコールは、少なくとも部分的に再生可能な原料から得られた1,3-プロパンジオールである。
【0018】
したがって、さらなる実施態様において、本発明は上記の組成物を提供し、ここで、熱可塑性ポリウレタンが、少なくとも30%の程度、再生可能な原材料をベースとする。決定の好適な方法は、例えばC14法である。
【0019】
使用される鎖延長剤(KV1)及び(KV2)の混合比は、広い範囲内で変化することができる。好ましくは、鎖延長剤(KV1)及び(KV2)を75:25~99:1の範囲の比で使用する。
【0020】
本発明によれば、さらなる鎖延長剤をポリオール組成物に使用することもできる。
【0021】
本発明によれば、ポリオール組成物(PZ)は、イソシアネート反応性化合物として少なくともポリオール(P1)を含む。本発明の目的のため、原則として、それ自体が好適であるすべてのポリオール、例えばポリエステルオール、ポリエーテルオール及び/又はポリカーボネートジオールを使用することが可能である。例えば、使用されるポリオールは、500g/mol~8000g/molの範囲の分子量(Mn)を有することができ、好ましくは、1.8~2.3、好ましくは1.9~2.2、特に2のイソシアネートに関する平均官能価を有する。特に明記しない限り、数平均分子量はDIN 55672-1に従って決定される。
【0022】
使用されるポリオール(P1)は、好ましくは600~2000ダルトンの範囲の分子量、より好ましくは750~1500ダルトンの範囲の分子量、特に約1000ダルトンの分子量を有する。
【0023】
ポリエステルオールとして、二酸及びジオールをベースとするポリエステルを使用することが可能である。ジオールとして、好ましくは、2~10個の炭素原子を有するジオール、例えばエタンジオール、ブタンジオール又はヘキサンジオール、特に1,4-ブタンジオール、又はそれらの混合物を使用する。二酸として、すべての既知の二酸、例えば4~12個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の二酸又はそれらの混合物を使用することが可能である。
【0024】
さらに、ポリエーテルポリオール、例えば一般に知られている出発物質及び通常のアルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドをベースとするポリエーテルポリオール、より好ましくは1,2-プロピレンオキシド及びエチレンオキシドをベースとするポリエーテルオール、特にポリオキシテトラメチレングリコールは、本発明の目的のために使用することができる。ポリエーテルポリオールの利点は、とりわけ、比較的高い加水分解安定性である。
【0025】
不飽和度の低いポリエーテルオールも適している。本発明の目的のため、不飽和度の低いポリオールは、特に、0.02meq/g未満、好ましくは0.01meq/g未満の不飽和化合物の含有量を有するポリエーテルアルコールである。このようなポリエーテルアルコールは通常、高活性触媒の存在下で、アルキレンオキシド、特にエチレンオキシド、プロピレンオキシド及びそれらの混合物を上記のジオール又はトリオールに添加することにより製造される。
【0026】
このような高活性触媒は、好ましくは、水酸化セシウム、及びDMC触媒とも呼ばれる多金属シアン化物触媒である。頻繁にそして好ましく使用される1つのDMC触媒は、亜鉛ヘキサシアノコバルテートである。DMC触媒は、反応後にポリエーテルアルコール中に残すことができるが、通常、例えば沈降又は濾過によって除去される。
【0027】
さらに、ポリテトラヒドロフラン、例えば400~1800g/molの範囲の平均分子量Mnを有するポリテトラヒドロフラン、好ましくは600~1500g/molの範囲の平均分子量Mnを有するポリテトラヒドロフラン、より好ましくは750~1250g/molの範囲、例えば900~1100g/molの範囲の平均分子量Mnを有するポリテトラヒドロフランは、本発明の目的のために使用することができる。
【0028】
特に900~1100g/molの範囲の平均分子量を有するポリオールを使用する場合、特に有利な特性プロファイルを有する組成物が得られることが見出された。したがって、本発明による組成物は、第一に低い融点を有し、第二に良好な低温特性を有する。
【0029】
しかしながら、本発明の文脈において、ポリオール組成物は、ポリオール(P1)及び鎖延長剤(KV1)及び(KV2)だけでなく、さらなるイソシアネート反応性化合物も含むことができる。例えば、ポリオール組成物は、800~1200g/molの範囲の平均分子量Mnを有するさらなるポリオールを含むことができる。
【0030】
好適なポリカーボネートジオールは、例えばアルカンジオールをベースとするポリカーボネートジオールである。好適なポリカーボネートジオールは、厳密に二官能性のOH官能性ポリカーボネートジオール、好ましくは厳密に二官能性のOH官能性脂肪族ポリカーボネートジオールである。好適なポリカーボネートジオールは、例えば1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール又は1,6-ヘキサンジオール、特に1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチルペンタン-(1,5)-ジオール又はそれらの混合物、特に好ましくは1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール又はそれらの混合物をベースとするものである。本発明の文脈において、好ましくは、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールをベースとするポリカーボネートジオール、1,5-ペンタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールをベースとするポリカーボネートジオール、1,6-ヘキサンジオールをベースとするポリカーボネートジオール、及びこれらのポリカーボネートジオールの2種以上の混合物を使用する。好適なポリカーボネートジオールは、例えば800~1200g/molの範囲の平均分子量Mnを有する。
【0031】
ポリカーボネートジオールを使用する場合、良好な耐加水分解性及び良好な耐老化性を必要とする用途に適した組成物が得られることが見出された。したがって、本発明の組成物は、良好な低温特性だけでなく、ポリカーボネートジオールをポリオールとして使用する場合に高い耐加水分解性及び良好な耐老化性も有する。
【0032】
本発明の文脈において、好ましくは、ポリエーテルオールをポリオール(P1)として使用する。
【0033】
したがって、さらなる実施態様において、本発明は上記の組成物も提供し、ここで、ポリオール(P1)がポリエーテルオールである。
【0034】
本発明の文脈において、イソシアネート組成物(IZ)を熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)の製造に使用する。イソシアネート組成物は、少なくとも1種のポリイソシアネート、好ましくは少なくとも1種のジイソシアネートを含む。
【0035】
本発明の目的のため、原則として、通常使用されている有機イソシアネートが好適である。有機イソシアネーとして、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族及び/又は芳香族イソシアネート、より好ましくはトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン及び/又はオクタメチレンジイソシアネート、2-メチルペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、2-エチルブチレン1,4-ジイソシアネート、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、ブチレン1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチル-シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、1,4-及び/又は1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、シクロヘキサン1,4-ジイソシアネート、1-メチルシクロヘキサン2,4-及び/又は2,6-ジイソシアネート及び/又はジシクロヘキシルメタン4,4’-、2,4’-及び2,2’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,2’-、2,4’-及び/又は4,4’-ジイソシアネート(MDI)、ナフチレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、トリレン2,4-及び/又は2,6-ジイソシアネート(TDI)、ジメチルビフェニル3,3’-ジイソシアネート、1,2-ジフェニルエタンジイソシアネート及び/又はフェニレンジイソシアネートを使用することが可能である。特に好ましくは、4,4’-MDIのみを使用する。
【0036】
したがって、さらなる実施態様において、本発明は上記の組成物を提供し、ここで、熱可塑性ポリウレタンがジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネートをベースとする。
【0037】
さらに好適な脂肪族イソシアネートは、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)又は1-イソシアナト-4-[(4-イソシアナトシクロヘキシル)メチル]シクロヘキサン(H12MDI)である。
【0038】
本発明によれば、特に好ましいイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジフェニルメタン2,2’-、2,4’-及び/又は4,4’-ジイソシアネート(MDI)、及びトリレン2,4-及び/又は2,6-ジイソシアネート(TDI)、又は1-イソシアナト-4-[(4-イソシアナトシクロヘキシル)メチル]シクロヘキサン(H12MDI)であり、特に好ましくはジフェニルメタン2,2’-、2,4’-及び/又は4,4’-ジイソシアネート(MDI)であり、特にジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネートである。
【0039】
したがって、さらなる実施態様において、本発明は上記の組成物も提供し、ここで、ポリイソシアネート組成物(IZ)が、フェニレン1,2-、1,3-及び/又は1,4-ジイソシアネート、トリフェニルメタン4,4’,4’’-トリイソシアネート、ナフチレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、トリレン2,4-及び/又は2,6-ジイソシアネート(TDI)、ビフェニル2,4’-、4,4’-及び/又は2,2-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,2’-、2,4’-及び/又は4,4’-ジイソシアネート(MDI)、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート、キシリレン1,2-、1,3-及び/又は1,4-ジイソシアネート及びm-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)からなる群から選択されるポリイソシアネート(PI)を含む。
【0040】
イソシアネート組成物(IZ)及びポリオール組成物(PZ)に加えて、さらなる成分、例えば好適な触媒又は助剤を、熱可塑性ポリウレタン(TPU1)の製造に使用することができる。
【0041】
好ましい実施態様において、特にジイソシアネートのNCO基とイソシアネート反応性化合物及び鎖延長剤のヒドロキシル基との反応を促進する触媒は、三級アミン、特にトリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N-メチルモルホリン、N,N’-ジメチルピペラジン、2-(ジメチルアミノエトキシ)エタノール、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンであり;他の好ましい実施態様において、これらは、有機金属化合物、例えば、チタン酸エステル、鉄化合物、好ましくは鉄(III)アセチルアセトナート、スズ化合物、好ましくはスズジアセテート、スズジオクトエート、スズジラウレート、又は脂肪族カルボン酸のジアルキルスズ塩、好ましくはジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、又はビスマスが好ましくは2又は3、特に3の酸化状態であるビスマス塩である。カルボン酸の塩が好ましい。カルボン酸として、好ましくは6~14個の炭素原子を有する、特に好ましくは8~12個の炭素原子を有するカルボン酸を使用する。好適なビスマス塩の例は、ビスマス(III)ネオデカノエート、ビスマス2-エチル-ヘキサノエート及びビスマスオクタノエートである。
【0042】
触媒は、好ましくは100質量部のイソシアネート反応性化合物につき0.0001~0.1質量部の量で使用される。好ましくは、スズ触媒、特にスズジオクトエートを使用する。
【0043】
触媒に加えて、通例の助剤を添加することも可能である。例えば、界面活性物質、フィラー、さらなる難燃剤、核形成剤、酸化安定剤、潤滑剤及び脱型助剤、染料及び顔料、任意に、例えば加水分解、光、熱又は変色に対する安定剤、無機及び/又は有機フィラー、強化剤及び可塑剤が挙げられる。好適な助剤及び添加剤は、例えばKunststoffhandbuch,第VII巻,Vieweg及びHoechtlen編,Carl Hanser Verlag,Munich 1966年(103~113頁)に見出すことができる。
【0044】
熱可塑性ポリウレタンの好適な製造方法は、例えばEP 0 922 552 A1、DE 101 03 424 A1又はWO 2006/072461 A1に開示されている。製造は一般に、ベルト装置又は反応押出機で実行されるが、実験室規模では、例えば手動キャスティング法によって実行することもできる。成分の材料特性に応じて、これらはすべて、互いに直接混合するか、又は個々の成分を事前に混合し及び/又は事前に反応させて、例えばプレポリマーを形成し、その後、重付加に供する。さらなる実施態様において、熱可塑性ポリウレタンはまず、任意に、熱可塑性ポリウレタン助剤を任意に組み込むことができる触媒を使用して、形成成分から製造される。次に、少なくとも1種のフィラーをこの材料中に組み込んで、均一に分散する。均一な分散は、好ましくは、押出機、好ましくは二軸押出機で実施される。本発明によれば、好ましくは、フィラーを部分的に、例えば押出機の入口で一部のフィラー、第2の計量位置、例えばサイドフィーダーでさらなる部分のフィラーを添加する。TPUの硬度を設定するために、使用される形成成分(b)及び(c)の量は、比較的広い範囲のモル比で変化することができ、一般に、鎖延長剤の含有量が増加するにつれて、硬度は上昇する。
【0045】
本発明によれば、熱可塑性ポリウレタンの製造に使用される成分の混合比は、広い範囲内で変化することができる。例えば、使用される鎖延長剤及びポリオールは、20:1~1:1の範囲、好ましくは18:1~2:1の範囲、より好ましくは17:1~3:1の範囲、特に好ましくは15:1~4:1の範囲のモル混合比で使用することができる。
【0046】
本発明によれば、使用される鎖延長剤(KV1)と(KV2)の混合比は、広い範囲内で変化することができる。例えば、鎖延長剤は、20:1~3:1の範囲、好ましくは15:1~4:1の範囲、より好ましくは17:1~3:1の範囲、特に好ましくは15:1~4:1の範囲のKV1:KV2のモル混合比で使用することができる。
【0047】
本発明により使用される熱可塑性ポリウレタンは、好ましくは、DIN ISO 7619-1(ショア硬度試験A(3s))に従って決定された40D~90Dの範囲、好ましくはDIN ISO 7619-1に従って決定された50D~90Dの範囲、より好ましくはDIN ISO 7619-1に従って決定された60D~90Dの範囲、特に好ましくはDIN ISO 7619-1に従って決定された70D~90Dの範囲の硬度を有する。
【0048】
したがって、さらなる実施態様において、本発明は上記の組成物も提供し、ここで、熱可塑性ポリウレタンが、DIN ISO 7619-1に従って決定された40D~90Dの範囲のショア硬度を有する。
【0049】
本発明の熱可塑性ポリウレタンを製造するために、形成成分は、好ましくは触媒、及び任意に助剤及び/又は添加剤の存在下で、ジイソシアネートのNCO基とさらなる形成成分のヒドロキシル基の合計との当量比が0.9~1.1:1、好ましくは0.95~1.05:1、特に約0.95~1.00:1であるような量で反応させる。
【0050】
本発明の組成物は、組成物の全体に基づいて40質量%~60質量%の範囲、特に組成物の全体に基づいて45質量%~55質量%の範囲、好ましくはいずれの場合も組成物の全体に基づいて48質量%~52質量%の範囲の量で少なくとも1種の熱可塑性ポリウレタン(TPU1)を含む。
【0051】
したがって、さらなる実施態様において、本発明は上記の組成物を提供し、ここで、組成物中の熱可塑性ポリウレタンの割合が、組成物の全体に基づいて40質量%~60質量%の範囲である。
【0052】
ここでは、いずれの場合も、組成物のすべての成分の合計は100質量%である。
【0053】
本発明によれば、好ましくは、50000~500000Daの範囲の平均分子量(M)を有する熱可塑性ポリウレタンを使用する。熱可塑性ポリウレタンの平均分子量(M)の上限は一般に、加工性及び所望の特性スペクトルによって決定される。より好ましくは、熱可塑性ポリウレタンは、50000~250000Daの範囲、特に好ましくは50000~150000Daの範囲の平均分子量(M)を有する。
【0054】
本発明によれば、組成物が、例えばそれらの平均分子量に関して又はそれらの化学組成に関して異なる2種以上の熱可塑性ポリウレタンを含むことも可能である。
【0055】
熱可塑性ポリウレタンは、既知の方法により、例えば反応押出機又はベルトプロセスを用いて、ワンショット又はプレポリマープロセスによって、好ましくはワンショットプロセスによって、不連続的又は連続的に製造することができる。これらのプロセスでは、反応させる成分は、連続的に又は同時に互いに混合することができ、反応は直ちに開始する。押出機プロセスでは、形成成分を、例えば、好ましくは100℃~280℃の温度で、個別に又は混合物として押出機に導入し、より好ましくは140℃~250℃で反応させ、次に得られるポリウレタンを押し出し、冷却し、ペレット化する。
【0056】
本発明の組成物は、フィラー(F1)をさらに含む。本発明によれば、熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)との十分な適合性が確保されている限り、フィラー(F1)の化学的性質及び形状は広い範囲内で変化することができる。ここでは、フィラー(F1)はフィラーの形状及び粒子サイズが十分な混和性及び組成物中の均一な分散を可能にするように選択される。
【0057】
好適なフィラーは、例えば、ガラス繊維、ガラス球、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム繊維、液晶ポリマーから構成される繊維、有機の繊維状フィラー又は無機強化材である。有機の繊維状フィラーは、例えば、セルロース繊維、麻繊維、サイザル麻又はケナフである。無機強化材は、例えば、セラミックフィラー、例えば窒化アルミニウム及び窒化ホウ素、又は鉱物フィラー、例えばアスベスト、タルク、ウォラストナイト、マイクロバイト、シリケート、チョーク、焼成カオリン、雲母及び石英粉である。本発明によれば、好ましくは、フィラー(F1)は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム繊維、液晶ポリマーから構成される繊維、金属繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、有機の繊維状フィラー及び無機の繊維状フィラーからなる群から選択される。
【0058】
したがって、さらなる実施態様において、本発明は上記の組成物も提供し、ここで、フィラー(F1)が、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム繊維、液晶ポリマーから構成される繊維、金属繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、有機の繊維状フィラー及び無機の繊維状フィラーからなる群から選択される。
【0059】
本発明の目的のため、繊維状フィラーが好ましい。したがって、さらなる実施態様において、本発明は上記の組成物も提供し、ここで、フィラー(F1)が繊維状のものである。
【0060】
使用されるフィラーの寸法は、通常の範囲内で変化することができる。好ましくは、使用されるフィラーは、いずれの場合もASTM D578-98に従って決定された、3mm~4mmの範囲の長さ及び1μm~20μmの範囲の直径を有する。したがって、さらなる実施態様において、本発明は上記の組成物も提供し、ここで、フィラー(F1)が、いずれの場合もASTM D578-98に従って決定された、3mm~4mmの範囲の長さ及び1μm~20μmの範囲の直径を有する。
【0061】
フィラー、例えば繊維状フィラーは、熱可塑性ポリマーとのより良い適合性を得るために、例えばシラン化合物で前処理することができる。
【0062】
好ましくは、無機の繊維状フィラーを使用する。無機の繊維状フィラーを使用する場合、比較的大きな強化効果及び比較的高い耐熱変形性が見出される。
【0063】
本発明によれば、組成物は、2種以上のフィラーを含むこともできる。
【0064】
組成物中のフィラー(F1)の割合は、例えば組成物の全体に基づいて40質量%~60質量%の範囲、好ましくは組成物の全体に基づいて45質量%~55質量%の範囲、より好ましくは組成物の全体に基づいて48質量%~52質量%の範囲である。
【0065】
したがって、さらなる実施態様において、本発明は上記の組成物も提供し、ここで、フィラー(F1)が、組成物の全体に基づいて40質量%~60質量%の範囲の量で含まれる。
【0066】
本発明によれば、組成物は、熱可塑性ポリウレタン(TPU1)及びフィラー(F1)に加えて、さらなる成分、例えば離型剤、UV保護剤、酸化防止剤又は着色顔料も含むことができる。
【0067】
さらなる態様によれば、本発明は組成物の製造方法も提供し、この方法は、
(i)以下の成分
(a)ポリイソシアネート組成物(IZ)とポリオール組成物(PZ)との反応により得られる又は得ることができる熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)であって、ポリオール組成物(PZ)が少なくとも1種のポリオール(P1)、鎖延長剤(KV1)及び鎖延長剤(KV2)を含む、熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)、及び
(b)フィラー(F1)
を混合する工程を含む。
【0068】
好ましい実施態様に関して、好ましく使用される成分に関して上記で述べられたことを参照する。
【0069】
組成物の好適な製造方法は、それ自体、当業者に知られている。本発明の目的のために、それ自体が知られている方法が通常、配合のために使用される。
【0070】
例えば、組成物は、押出機、例えば二軸押出機で、それ自体が知られている方法で製造することができる。本発明によれば、好ましくは、フィラーを部分的に、例えば、押出機の入口で一部のフィラー、第2の計量位置、例えばサイドフィーダーでさらなる部分を添加する。ここで、好ましくは、温度は160~230℃の範囲である。本発明の目的のため、押出機は、例えば、毎分150~300回転の範囲の回転速度で運転することができる。
【0071】
本発明は、本発明の方法により得られる又は得ることができる組成物をさらに提供する。
【0072】
本発明は、本発明の組成物、又は本発明による方法により得られる又は得ることができる組成物を、成形体の製造に使用する方法も提供する。
【0073】
好ましくは、製造は、ペレットから、射出成形、カレンダ加工、粉末焼結、又は押出によって、及び/又は本発明の組成物のさらなる発泡によって行われる。
【0074】
さらなる態様によれば、本発明は、本発明による組成物、又は本発明による方法により得られる又は得ることができる組成物を含む成形体をさらに提供する。
【0075】
また、本発明は、上記の本発明の組成物を、成形体、例えば履物の部品又はスキーブーツの部品の製造に使用する方法も提供する。
【0076】
本発明のさらなる実施態様は、請求項の範囲及び実施例に示されている。言うまでもなく、本発明による対象/方法又は本発明による使用方法の上記の特徴及び以下に説明する特徴は、それぞれの場合に示された組み合わせだけでなく、他の組み合わせでも、本発明の範囲から逸脱することなく使用することができる。したがって、例えば、好ましい特徴と特に好ましい特徴との組み合わせ、又はより詳細に特徴付けられていない特徴と特に好ましい特徴との組み合わせなどは、この組み合わせが明示的に言及されていなくても暗黙的に包含される。
【0077】
本発明の例示的な実施態様を以下に列挙するが、本発明を限定するものではない。特に、本発明は、以下に示される後方参照、及びしたがって組み合わせから得られる実施態様も包含する。
【0078】
1.(a)ポリイソシアネート組成物(IZ)とポリオール組成物(PZ)との反応により得られる又は得ることができる熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)であって、前記ポリオール組成物(PZ)が少なくとも1種のポリオール(P1)、鎖延長剤(KV1)及び鎖延長剤(KV2)を含む、熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)、及び
(b)フィラー(F1)
を含む、組成物。
【0079】
2.前記鎖延長剤(KV1)及び/又は前記鎖延長剤(KV2)が、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヒドロキノンビス-2-ヒドロキシエチルエーテル及びビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートからなる群から選択される、実施態様1に記載の組成物。
【0080】
3.前記鎖延長剤(KV1)が1,4-ブタンジオールである、実施態様1又は2に記載の組成物。
【0081】
4.前記鎖延長剤(KV1)が1,4-ブタンジオールであり、前記鎖延長剤(KV2)が1,3-プロパンジオールである、実施態様1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【0082】
5.前記ポリオール(P1)がポリエーテルポリオールである、実施態様1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【0083】
6.(a)ポリイソシアネート組成物(IZ)とポリオール組成物(PZ)との反応により得られる又は得ることができる熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)であって、前記ポリオール組成物(PZ)が少なくとも1種のポリオール(P1)、鎖延長剤(KV1)及び鎖延長剤(KV2)を含む、熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)、及び
(b)フィラー(F1)
を含む組成物であって、
前記鎖延長剤(KV1)が1,4-ブタンジオールであり、前記鎖延長剤(KV2)が1,3-プロパンジオールであり、前記ポリオール(P1)がポリエーテルポリオールである、組成物。
【0084】
7.前記ポリイソシアネート組成物(IZ)が、フェニレン1,2-、1,3-及び/又は1,4-ジイソシアネート、トリフェニルメタン4,4’,4’’-トリイソシアネート、ナフチレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、トリレン2,4-及び/又は2,6-ジイソシアネート(TDI)、ビフェニル2,4’-、4,4’-及び/又は2,2-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,2’-、2,4’-及び/又は4,4’-ジイソシアネート(MDI)、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート、キシリレン1,2-、1,3-及び/又は1,4-ジイソシアネート及びm-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)からなる群から選択されるポリイソシアネート(PI)を含む、実施態様1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【0085】
8.前記フィラー(F1)が繊維状のものである、実施態様1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【0086】
9.前記フィラー(F1)が、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム繊維、液晶ポリマーから構成される繊維、金属繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、有機の繊維状フィラー及び無機の繊維状フィラーからなる群から選択される、実施態様1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【0087】
10.前記フィラー(F1)が、いずれの場合もASTM D578-98に従って決定された、3mm~4mmの範囲の長さ及び1μm~20μmの範囲の直径を有する、実施態様1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【0088】
11.(a)ポリイソシアネート組成物(IZ)とポリオール組成物(PZ)との反応により得られる又は得ることができる熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)であって、前記ポリオール組成物(PZ)が少なくとも1種のポリオール(P1)、鎖延長剤(KV1)及び鎖延長剤(KV2)を含む、熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)、及び
(b)フィラー(F1)
を含む組成物であって、
前記鎖延長剤(KV1)が1,4-ブタンジオールであり、前記鎖延長剤(KV2)が1,3-プロパンジオールであり、前記ポリオール(P1)がポリエーテルポリオールであり、
前記フィラー(F1)が、繊維状のものであり、いずれの場合もASTM D578-98に従って決定された、3mm~4mmの範囲の長さ及び1μm~20μmの範囲の直径を有する、組成物。
【0089】
12.前記フィラー(F1)が、前記組成物の全体に基づいて40質量%~60質量%の範囲の量で含まれる、実施態様1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【0090】
13.(a)ポリイソシアネート組成物(IZ)とポリオール組成物(PZ)との反応により得られる又は得ることができる熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)であって、前記ポリオール組成物(PZ)が少なくとも1種のポリオール(P1)、鎖延長剤(KV1)及び鎖延長剤(KV2)を含む、熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)、及び
(b)フィラー(F1)
を含む組成物であって、
前記鎖延長剤(KV1)が1,4-ブタンジオールであり、前記鎖延長剤(KV2)が1,3-プロパンジオールであり、前記ポリオール(P1)がポリエーテルポリオールであり、
前記フィラー(F1)が、前記組成物の全体に基づいて40質量%~60質量%の範囲の量で含まれる、組成物。
【0091】
14.前記熱可塑性ポリウレタンが、DIN ISO 7619-1に従って決定された、40D~90D、好ましくは70D~90Dの範囲のショア硬度を有する、実施態様1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【0092】
15.組成物の製造方法であって、
(i)以下の成分
(a)ポリイソシアネート組成物(IZ)とポリオール組成物(PZ)との反応により得られる又は得ることができる熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)であって、ポリオール組成物(PZ)が少なくとも1種のポリオール(P1)、鎖延長剤(KV1)及び鎖延長剤(KV2)を含む、熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)、及び
(b)フィラー(F1)
を混合する工程を含む、方法。
【0093】
16.前記鎖延長剤(KV1)及び/又は前記鎖延長剤(KV2)が、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヒドロキノンビス-2-ヒドロキシエチルエーテル及びビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートからなる群から選択される、実施態様15に記載の方法。
【0094】
17.前記鎖延長剤(KV1)が1,4-ブタンジオールである、実施態様15又は16に記載の方法。
【0095】
18.前記ポリオール(P1)がポリエーテルポリオールである、実施態様15から17のいずれか一項に記載の方法。
【0096】
19.前記ポリイソシアネート組成物(IZ)が、フェニレン1,2-、1,3-及び/又は1,4-ジイソシアネート、トリフェニルメタン4,4’,4’’-トリイソシアネート、ナフチレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、トリレン2,4-及び/又は2,6-ジイソシアネート(TDI)、ビフェニル2,4’-、4,4’-及び/又は2,2-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,2’-、2,4’-及び/又は4,4’-ジイソシアネート(MDI)、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート、キシリレン1,2-、1,3-及び/又は1,4-ジイソシアネート及びm-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)からなる群から選択されるポリイソシアネート(PI)を含む、実施態様15から18のいずれか一項に記載の方法。
【0097】
20.前記フィラー(F1)が繊維状のものである、実施態様15から19のいずれか一項に記載の方法。
【0098】
21.前記フィラー(F1)が、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム繊維、液晶ポリマーから構成される繊維、金属繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、有機の繊維状フィラー及び無機の繊維状フィラーからなる群から選択される、実施態様15から20のいずれか一項に記載の方法。
【0099】
22.前記フィラー(F1)が、いずれの場合もASTM D578-98に従って決定された、3mm~4mmの範囲の長さ及び1μm~20μmの範囲の直径を有する、実施態様15から21のいずれか一項に記載の方法。
【0100】
23.前記フィラー(F1)が、前記組成物の全体に基づいて40質量%~60質量%の範囲の量で含まれる、実施態様15から22のいずれか一項に記載の方法。
【0101】
24.前記熱可塑性ポリウレタンが、DIN ISO 7619-1に従って決定された、40D~90D、好ましくは70D~90Dの範囲のショア硬度を有する、実施態様15から23のいずれか一項に記載の方法。
【0102】
25.実施態様15から24のいずれか一項に記載の方法により得られる又は得ることができる、組成物。
【0103】
26.実施態様1から14のいずれか一項に記載の組成物、又は実施態様15から24のいずれか一項に記載の方法により得られる又は得ることができる組成物を、成形体の製造に使用する方法。
【0104】
27.実施態様1から14のいずれか一項に記載の組成物、又は実施態様15から24のいずれか一項に記載の方法により得られる又は得ることができる組成物を含む、成形体。
【0105】
以下の実施例は、本発明を説明するのに役立つが、本発明の対象を決して制限するものではない。
【実施例0106】
1.使用した材料
Chopvantage HP3550 EC10-3,8:PPG Industries Fiber Glass,Energieweg 3,9608 PC Westerbroek,オランダからのガラス繊維、Eガラス、フィラメント径10μm、長さ3.8mm。
【0107】
TPU 1:1000ダルトンの分子量(Mn)を有するポリテトラヒドロフラン(PTHF)、1,4-ブタンジオール、MDIをベースとする、60Dのショア硬度を有するTPU。
【0108】
TPU 2:1000ダルトンの分子量(Mn)を有するポリテトラヒドロフラン(PTHF)、1,4-ブタンジオール、MDIをベースとする、83Dのショア硬度を有するTPU。
【0109】
TPU 3:1000ダルトンの分子量(Mn)を有するポリテトラヒドロフラン(PTHF)、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、MDIをベースとする、83Dのショア硬度を有するTPU。
【0110】
TPU 4:48%のガラス繊維Chopvantage HP3550 EC10-3,8をTPU 1中に配合することによって製造した、70Dのショア硬度を有するガラス繊維充填TPU。
【0111】
TPU 5:48%のガラス繊維Chopvantage HP3550 EC10-3,8をTPU 2中に配合することによって製造した、75Dのショア硬度を有するガラス繊維充填TPU(製造できなかった、表4を参照)。
【0112】
TPU 6:48%のガラス繊維Chopvantage HP3550 EC10-3,8をTPU 3中に配合することによって製造した、75Dのショア硬度を有するガラス繊維充填TPU。
【0113】
2.製造例
2.1 手動キャスティングプロセスによる製造(TPU 1~3)
基本配合(表1)で特定しているポリオール及び鎖延長剤の量を秤量してブリキ缶に入れ、窒素で簡単に覆った。この缶を蓋で閉じ、オーブンで約90℃に加熱した。
【0114】
ポリウレタンシートを熱処理するためのさらなるオーブンを80℃に予熱した。テフロン(登録商標)皿をホットプレート上に置き、125℃に設定した。
【0115】
液体イソシアネートの計算量を、体積測定によって決定した。この目的のため、液体イソシアネートを秤量して(約48℃の温度でMDIの体積を測定した)PEビーカーに入れ、10秒以内にPEビーカーに注いだ。続いて、このようにして空にしたビーカーを風袋引きして、計算量のイソシアネートで充填した。MDIの場合、これをオーブンで約48℃に保存した。
【0116】
室温で固体として存在する添加剤、例えば加水分解防止剤、酸化防止剤などは、直接秤量した。
【0117】
予熱したポリオールを静止している攪拌機の下のジャッキに置いた。続いて、攪拌機のブレードを完全にポリオールに浸漬するまで、反応容器をジャッキによって持ち上げた。
【0118】
攪拌機のモーターをオンにする前に、回転速度レギュレーターがゼロの位置にあることを確認することが絶対的に必要である。続いて、空気が撹拌で混入することなく良好な混合が確保されるように、回転速度をゆっくりと上げた。
【0119】
続いて、酸化防止剤などの添加剤をポリオールに添加した。
【0120】
反応混合物の温度を熱風送風機によって注意深く80℃に設定した。
【0121】
必要に応じて、イソシアネートを添加する前に、マイクロリットル注射器を使用して触媒を反応混合物中に計量した。次に、事前に体積測定した量を10秒間にわたって反応混合物に導入することにより、80℃でイソシアネートを添加した。バック計量(backweighing)によって質量を監視した。配合量から0.2g超/未満の偏差を記録した。イソシアネートの添加により、ストップウォッチを開始した。温度が110℃に達したら、125℃に予熱したテフロン(登録商標)皿に反応混合物を注ぎ出した。
【0122】
ストップウォッチを開始してから10分後、ポリウレタンシートをホットプレートから取り出し、80℃でオーブン中に15時間保存した。カッターミルで冷却したポリウレタンシートを粉砕した。次に、粒にした材料を110℃で3時間乾燥させ、乾燥状態で保存した。
【0123】
原則として、このプロセスは、反応押出機又はベルトプロセスによって行うことができる。
【0124】
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】
2.2 TPU 4~6の製造
以下の表3は、個々の出発材料が質量部(pbw)で報告されている組成を示している。いずれの場合も、10個のバレルセクションに分割した、35Dのプロセス部分の長さを有するBerstorffからの二軸押出機モデルZE40Aを使用して、混合物を製造した。連続的ペレット化を使用した。
【0127】
【表3】
【0128】
【表4】
【0129】
3.結果
TPU 2の処理は不可能であった。この材料は非常に高い融点範囲を有し、ガラス繊維化合物の製造は不可能であった。
【0130】
TPU 4は製造可能であったが、E弾性率はわずか4080MPaであった。
【0131】
驚いたことには、TPU 6が製造可能であった。E弾性率は18300MPaであった。
【0132】
4.測定方法
ショア硬度A:DIN ISO 7619-1、ショア硬度試験A(3s)
引張強度:DIN EN ISO 527
破断伸び:DIN EN ISO 527
引裂伝播抵抗:DIN ISO 34-1,B(b。
【0133】
引用文献
Kunststoffhandbuch,第VII巻,Vieweg及びHoechtlen編,Carl Hanser Verlag,Munich 1966年(103~113頁)
EP 0 922 552 A1
DE 101 03 424 A1
WO 2006/072461 A1
【手続補正書】
【提出日】2024-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリイソシアネート組成物(IZ)とポリオール組成物(PZ)との反応により得られる又は得ることができる熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)であって、前記ポリオール組成物(PZ)が少なくとも1種のポリオール(P1)、鎖延長剤(KV1)及び鎖延長剤(KV2)を含み、鎖延長剤が、20:1~3:1の範囲のKV1:KV2のモル混合比で使用される、熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)、及び
(b)フィラー(F1)
を含む、組成物であって、
前記フィラー(F1)が繊維状のものであり、且つ、いずれの場合もASTM D578-98に従って決定された、3mm~4mmの範囲の長さ及び1μm~20μmの範囲の直径を有する、前記組成物
【請求項2】
前記鎖延長剤(KV1)及び/又は前記鎖延長剤(KV2)が、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヒドロキノンビス-2-ヒドロキシエチルエーテル及びビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記鎖延長剤(KV1)が1,4-ブタンジオールである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリオール(P1)がポリエーテルポリオールである、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリイソシアネート組成物(IZ)が、フェニレン1,2-、1,3-及び/又は1,4-ジイソシアネート、トリフェニルメタン4,4’,4’’-トリイソシアネート、ナフチレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、トリレン2,4-及び/又は2,6-ジイソシアネート(TDI)、ビフェニル2,4’-、4,4’-及び/又は2,2-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,2’-、2,4’-及び/又は4,4’-ジイソシアネート(MDI)、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート、キシリレン1,2-、1,3-及び/又は1,4-ジイソシアネート及びm-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)からなる群から選択されるポリイソシアネート(PI)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記フィラー(F1)が、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム繊維、液晶ポリマーから構成される繊維、金属繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、有機の繊維状フィラー及び無機の繊維状フィラーからなる群から選択される、請求項1からのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記フィラー(F1)が、前記組成物の全体に基づいて40質量%~60質量%の範囲の量で含まれる、請求項1からのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記熱可塑性ポリウレタンが、DIN ISO 7619-1に従って決定された、40D~90D、好ましくは70D~90Dの範囲のショア硬度を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
組成物の製造方法であって、
(i)以下の成分
(a)ポリイソシアネート組成物(IZ)とポリオール組成物(PZ)との反応により得られる又は得ることができる熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)であって、前記ポリオール組成物(PZ)が少なくとも1種のポリオール(P1)、鎖延長剤(KV1)及び鎖延長剤(KV2)を含み、鎖延長剤が、20:1~3:1の範囲のKV1:KV2のモル混合比で使用される、熱可塑性ポリウレタン(TPU-1)、及び
(b)フィラー(F1)
を混合する工程を含
前記フィラー(F1)が繊維状のものであり、且つ、いずれの場合もASTM D578-98に従って決定された、3mm~4mmの範囲の長さ及び1μm~20μmの範囲の直径を有する、前記方法。
【請求項10】
請求項に記載の方法により得られる又は得ることができる、組成物。
【請求項11】
請求項1からのいずれか一項に記載の組成物、又は請求項に記載の方法により得られる又は得ることができる組成物を、成形体の製造に使用する方法。
【請求項12】
請求項1からのいずれか一項に記載の組成物、又は請求項に記載の方法により得られる又は得ることができる組成物を含む、成形体。
【外国語明細書】