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特開2024-42416超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042416
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147112
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】坪田 圭司
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE11
4C601JC08
4C601JC15
4C601KK16
4C601KK31
(57)【要約】
【課題】ユーザが摘便のタイミングを容易に把握できる超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法を提供する。
【解決手段】超音波診断装置は、超音波プローブ(1)と、超音波プローブ(1)を走査することにより被検体に関する超音波信号を取得する超音波信号取得部(31)と、超音波信号を解析することにより被検体内の便を検出する便検出部(25)と、便検出部(25)により検出された便の被検体の肛門入口に対する位置に応じてユーザに報知を行う報知部(26)とを備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波プローブと、
前記超音波プローブを走査することにより被検体に関する超音波信号を取得する超音波信号取得部と、
前記超音波信号を解析することにより前記被検体内の便を検出する便検出部と、
前記便検出部により検出された前記便の前記被検体の肛門入口に対する位置に応じてユーザに報知を行う報知部と
を備える超音波診断装置。
【請求項2】
前記超音波信号を解析することにより前記被検体の直腸を検出する直腸検出部を備え、
前記便検出部は、前記超音波信号を解析することにより、前記直腸検出部により検出された前記直腸内に存在する前記便を検出する請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記報知部は、前記便検出部により検出された前記便の位置が定められた摘便推奨範囲にある場合に第1の報知態様により報知する請求項1または2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記摘便推奨範囲は、前記被検体の肛門入口から4~5cmの範囲である請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記報知部は、前記便検出部により検出された前記便の位置が前記肛門入口から5~10cmの範囲にある場合に、前記第1の報知態様とは異なる第2の報知態様により報知する請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記報知部は、前記便検出部により検出された前記便の位置が前記肛門入口から10~20cmの範囲にある場合に、前記第1の報知態様および前記第2の報知態様とは異なる第3の報知態様により報知する請求項5に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記超音波信号に基づいて前記便検出部により検出された前記便の性状を判定する便性状判定部を備え、
前記報知部は、前記便性状判定部により判定された前記便の性状を前記ユーザに報知する請求項1または2に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
モニタと、
前記便検出部により検出された前記便の前記直腸内の位置を模式図により前記モニタに表示する便位置表示部と
を備える請求項1または2に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記超音波信号取得部は、前記超音波プローブを用いた経腹アプローチにより前記超音波信号を取得する請求項1または2に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記超音波信号取得部は、前記超音波プローブを用いた経臀裂アプローチにより前記超音波信号を取得する請求項1または2に記載の超音波診断装置。
【請求項11】
前記超音波信号取得部は、前記超音波信号として超音波画像を取得する請求項1または2に記載の超音波診断装置。
【請求項12】
超音波プローブを走査することにより被検体に関する超音波信号を取得し、
前記超音波信号を解析することにより前記被検体の直腸を検出し、
前記超音波信号を解析することにより前記直腸内に存在する便を検出し、
検出された前記便の前記直腸内の位置に応じてユーザに報知を行う
超音波診断装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体の直腸の検査に使用される超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、いわゆる超音波診断装置を用いて被検体の大腸の断層を表す超音波画像を撮影することにより大腸内の便に関する診断が行われている。医師等のユーザは、通常、その経験または知識等に基づいて撮影された超音波画像を観察することにより、便の性状等を判断し、被検体に必要な処置を施すことが多い。そこで、医師等のユーザが便に関する診断を円滑に行うために、例えば特許文献1に開示されるような、超音波画像を解析して便の性状を自動的に評価する技術が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-195748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的に、いわゆる自然排便ができない被検体、麻痺等の何らかの理由で腹圧がかけられないことにより排便が困難な被検体、および、脊髄損傷または直腸の機能に障害があることにより排便が困難な被検体等に対して便を排出させるために、術者の指により被検体の肛門から便を摘出する、いわゆる摘便と呼ばれる処置が行われている。摘便は、特に、肛門の近傍で硬い便が詰まることにより排便ができない症状である、いわゆる嵌入便が発生している場合に行われることが多い。
【0005】
摘便は、一般的に、肛門から直腸に進入した術者の指が届く位置に便が存在していないと困難である。そこで、術者は、通常、その経験および技量に基づいて被検体の腹部の触診を行うことにより摘便が可能か否かを判断した上で摘便を行うことが多い。このように、摘便が可能か否かの判断は、術者の経験および技量に基づいて行われることが多いため、術者によっては摘便のタイミングを把握できない場合があった。また、例えば特許文献1の技術を用いることにより、嵌入便の原因となる硬い便の存在を把握できたとしても、直腸における便の位置を把握することは困難であるため、摘便のタイミングを把握できない場合があった。
【0006】
本発明はこのような従来の問題点を解消するためになされたものであり、ユーザが摘便のタイミングを容易に把握できる超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下の構成によれば、上記目的を達成できる。
〔1〕 超音波プローブと、
超音波プローブを走査することにより被検体に関する超音波信号を取得する超音波信号取得部と、
超音波信号を解析することにより被検体内の便を検出する便検出部と、
便検出部により検出された便の被検体の肛門入口に対する位置に応じてユーザに報知を行う報知部と
を備える超音波診断装置。
〔2〕 超音波信号を解析することにより被検体の直腸を検出する直腸検出部を備え、
便検出部は、超音波信号を解析することにより、直腸検出部により検出された直腸内に存在する便を検出する〔1〕に記載の超音波診断装置。
〔3〕 報知部は、便検出部により検出された便の位置が定められた摘便推奨範囲にある場合に第1の報知態様により報知する〔1〕または〔2〕に記載の超音波診断装置。
〔4〕 摘便推奨範囲は、被検体の肛門入口から4~5cmの範囲である〔3〕に記載の超音波診断装置。
〔5〕 報知部は、便検出部により検出された便の位置が肛門入口から5~10cmの範囲にある場合に、第1の報知態様とは異なる第2の報知態様により報知する〔4〕に記載の超音波診断装置。
〔6〕 報知部は、便検出部により検出された便の位置が肛門入口から10~20cmの範囲にある場合に、第1の報知態様および第2の報知態様とは異なる第3の報知態様により報知する〔5〕に記載の超音波診断装置。
〔7〕 超音波信号に基づいて便検出部により検出された便の性状を判定する便性状判定部を備え、
報知部は、便性状判定部により判定された便の性状をユーザに報知する〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の超音波診断装置。
〔8〕 モニタと、
便検出部により検出された便の直腸内の位置を模式図によりモニタに表示する便位置表示部と
を備える〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の超音波診断装置。
〔9〕 超音波信号取得部は、超音波プローブを用いた経腹アプローチにより超音波信号を取得する〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の超音波診断装置。
〔10〕 超音波信号取得部は、超音波プローブを用いた経臀裂アプローチにより超音波信号を取得する〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の超音波診断装置。
〔11〕 超音波信号取得部は、超音波信号として超音波画像を取得する〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の超音波診断装置。
〔12〕 超音波プローブを走査することにより被検体に関する超音波信号を取得し、
超音波信号を解析することにより被検体の直腸を検出し、
超音波信号を解析することにより直腸内に存在する便を検出し、
検出された便の直腸内の位置に応じてユーザに報知を行う
超音波診断装置の制御方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、超音波診断装置が、超音波プローブと、超音波プローブを走査することにより被検体に関する超音波信号を取得する超音波信号取得部と、超音波信号を解析することにより被検体内の便を検出する便検出部と、便検出部により検出された便の被検体の肛門入口に対する位置に応じてユーザに報知を行う報知部とを備えるため、ユーザが摘便のタイミングを容易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態1における送受信回路の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態1における画像生成部の構成を示すブロック図である。
図4】経臀裂アプローチにより直腸内の便を撮影した超音波画像の例を示す図である。
図5】本発明の実施の形態1における第1の報知態様による報知の例を示す図である。
図6】本発明の実施の形態1における第2の報知態様による報知の例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態1における第3の報知態様による報知の例を示す図である。
図8】本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の動作を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
図10】本発明の実施の形態2における便の性状の報知の例を示す図である。
図11】本発明の実施の形態3に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
図12】本発明の実施の形態3における便の位置の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、「同一」、「同じ」は、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。
【0011】
実施の形態1
図1に本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示す。超音波診断装置は、超音波プローブ1と、超音波プローブ1に接続される装置本体2を備えている。
【0012】
超音波プローブ1は、振動子アレイ11を有している。振動子アレイ11に送受信回路12が接続されている。
【0013】
装置本体2は、超音波プローブ1の送受信回路12に接続される画像生成部21を有している。画像生成部21に、表示制御部22およびモニタ23が、順次、接続されている。また、画像生成部21に直腸検出部24および便検出部25が接続されている。また、直腸検出部24に便検出部25が接続されている。便検出部25に報知部26が接続されている。報知部26は、表示制御部22に接続している。また、送受信回路12、画像生成部21、表示制御部22、直腸検出部24、便検出部25および報知部26に、本体制御部29が接続されている。本体制御部29に入力装置30が接続されている。
【0014】
また、送受信回路12と画像生成部21により、超音波信号取得部31が構成されている。また、画像生成部21、表示制御部22、直腸検出部24、便検出部25、報知部26および本体制御部29により装置本体2用のプロセッサ32が構成されている。
【0015】
超音波プローブ1の振動子アレイ11は、1次元または2次元に配列された複数の超音波振動子を有している。これらの超音波振動子は、それぞれ送受信回路12から供給される駆動信号に従って超音波を送信すると共に、被検体からの超音波エコーを受信して、超音波エコーに基づく信号を出力する。各超音波振動子は、例えば、PZT(Lead Zirconate Titanate:チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック、PVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride:ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子およびPMN-PT(Lead Magnesium Niobate-Lead Titanate:マグネシウムニオブ酸鉛-チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成することにより構成される。
【0016】
送受信回路12は、本体制御部29による制御の下で、振動子アレイ11から超音波を送信し且つ振動子アレイ11により取得された受信信号に基づいて音線信号を生成する。送受信回路12は、図2に示すように、振動子アレイ11に接続されるパルサ41と、振動子アレイ11から順次直列に接続される増幅部42、AD(Analog to Digital)変換部43およびビームフォーマ44を有している。
【0017】
パルサ41は、例えば、複数のパルス発生器を含んでおり、本体制御部29からの制御信号に応じて選択された送信遅延パターンに基づいて、振動子アレイ11の複数の超音波振動子から送信される超音波が超音波ビームを形成するようにそれぞれの駆動信号を、遅延量を調節して複数の超音波振動子に供給する。このように、振動子アレイ11の超音波振動子の電極にパルス状または連続波状の電圧が印加されると、圧電体が伸縮し、それぞれの超音波振動子からパルス状または連続波状の超音波が発生して、それらの超音波の合成波から、超音波ビームが形成される。
【0018】
送信された超音波ビームは、例えば、被検体の部位等の対象において反射され、超音波プローブ1の振動子アレイ11に向かって伝搬する。このように振動子アレイ11に向かって伝搬する超音波エコーは、振動子アレイ11を構成するそれぞれの超音波振動子により受信される。この際に、振動子アレイ11を構成するそれぞれの超音波振動子は、伝搬する超音波エコーを受信することにより伸縮して、電気信号である受信信号を発生させ、これらの受信信号を増幅部42に出力する。
【0019】
増幅部42は、振動子アレイ11を構成するそれぞれの超音波振動子から入力された信号を増幅し、増幅した信号をAD変換部43に送信する。AD変換部43は、増幅部42から送信された信号をデジタルの受信データに変換する。ビームフォーマ44は、AD変換部43から受け取った各受信データに対してそれぞれの遅延を与えて加算することにより、いわゆる受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、AD変換部43で変換された各受信データが整相加算され且つ超音波エコーの焦点が絞り込まれた音線信号が取得される。
【0020】
画像生成部21は、図3に示すように、信号処理部45、DSC(Digital Scan Converter:デジタルスキャンコンバータ)46および画像処理部47が順次直列に接続された構成を有している。
【0021】
信号処理部45は、送受信回路12から受信した音線信号に対し、本体制御部29により設定される音速値を用いて超音波の反射位置の深度に応じて距離による減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施すことにより、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像信号を生成する。
【0022】
DSC46は、信号処理部45で生成されたBモード画像信号を通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号に変換(ラスター変換)する。
画像処理部47は、DSC46から入力されるBモード画像信号に階調処理等の各種の必要な画像処理を施した後、Bモード画像信号を表示制御部22、直腸検出部24および便検出部25に送出する。以降は、画像処理部47により画像処理が施されたBモード画像信号を、超音波画像と呼ぶ。
【0023】
表示制御部22は、本体制御部29の制御の下で、画像生成部21により生成された超音波画像等に対して所定の処理を施して、モニタ23に表示する。
モニタ23は、表示制御部22の制御の下で、種々の表示を行う。モニタ23は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等のディスプレイ装置を含むことができる。
【0024】
本体制御部29は、予め記録されたプログラム等に従って装置本体2の各部および超音波プローブ1を制御する。
入力装置30は、検査者による入力操作を受け付け、入力された情報を本体制御部29に送出する。入力装置30は、例えば、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッドおよびタッチパネル等の検査者が入力操作を行うための装置等により構成される。
【0025】
直腸検出部24は、画像生成部21により生成された超音波画像を解析することにより、超音波画像に撮像された被検体の直腸を検出する。ここで、本発明では、超音波プローブ1を被検体の腹部に接触させた状態で直腸の超音波画像を撮影するいわゆる経腹アプローチの方法、または、超音波プローブ1を被検体の肛門と尾骨の間、すなわち臀裂に接触させた状態で直腸の超音波画像を撮影するいわゆる経臀裂アプローチの方法により、被検体の直腸を撮影した超音波画像を得ることができる。
【0026】
直腸検出部24は、例えば、被検体の直腸に対する複数のテンプレート画像を記憶しており、これらの複数のテンプレート画像を用いた、いわゆるテンプレートマッチングの方法により超音波画像内をサーチして、直腸を検出できる。また、直腸検出部24は、例えば、被検体の直腸が写る大量の超音波画像を学習した機械学習モデルを有し、この機械学習モデルを用いて超音波画像に写る被検体の直腸を検出することもできる。
【0027】
便検出部25は、直腸検出部24による直腸の検出結果に基づいて画像生成部21により生成された超音波画像を解析することにより、直腸内に存在する便を検出する。便検出部25は、例えば、便に対する複数のテンプレート画像を記憶しており、これらの複数のテンプレート画像を用いたテンプレートマッチングの方法により、超音波画像において直腸検出部24によって検出された直腸の領域内をサーチして、直腸に存在する便を検出できる。また、直腸検出部24は、例えば、被検体の直腸が写る大量の超音波画像を学習した機械学習モデルを有し、この機械学習モデルを用いて超音波画像において直腸検出部24によって検出された直腸の領域内をサーチすることにより、直腸に存在する便を検出することもできる。
【0028】
また、便検出部25は、超音波画像を解析することにより、検出された便の直腸内における位置を検出できる。便検出部25は、例えば超音波プローブ1を被検体の臀裂に接触させた状態で超音波画像を撮影する経臀裂アプローチにより、例えば図4に示すような超音波画像Uを撮影した場合に、超音波画像Uに写る肛門Eを検出し、検出された肛門Eの位置から直腸A内の便Bの先端までの距離Lを計測することにより、便Bの位置として、肛門入口からの便Bの先端の位置を検出できる。この際に、便検出部25は、例えば、テンプレートマッチングの方法、または、被検体の肛門Eが写った大量の超音波画像Uを学習した機械学習モデルを用いた方法等により被検体の肛門Eを検出できる。
【0029】
また、例えば、超音波プローブ1を被検体の腹部に接触させた状態で超音波画像Uを撮影する経腹アプローチにより超音波プローブ1を肛門側に傾けながら連続的に複数フレームの超音波画像Uが撮影される場合に、便検出部25は、便Bの先端が検出されるフレームから肛門が検出されるフレームまでの複数フレームの超音波画像Uと肛門からの便Bの先端の位置の組み合わせを大量に学習した機械学習モデルを用いることにより、便の位置として、肛門入口からの便Bの先端の位置を検出できる。
【0030】
ところで、一般的に、いわゆる自然排便ができない被検体、麻痺等の何らかの理由で腹圧がかけられないことにより排便が困難な被検体、および、脊髄損傷または直腸Aの機能に障害があることにより排便が困難な被検体等に対して便Bを排出させるために、術者の指により被検体の肛門から便Bを摘出する、いわゆる摘便と呼ばれる処置が行われている。摘便は、一般的に、肛門から直腸Aに進入した術者の指が届く位置に便Bが存在していないと困難である。
【0031】
報知部26は、便検出部25により検出された便Bの、被検体の肛門入口に対する位置に応じて超音波診断装置のユーザに対して報知を行う。報知部26は、便検出部25により検出された便Bの位置が定められた摘便推奨範囲にある場合に、例えば図5に示すように、第1の報知態様によりユーザに報知できる。図5には、報知部26が、「摘便推奨範囲です」というメッセージM1を超音波画像Uに重ねてモニタ23に表示することにより、第1の報知態様に従ってユーザに対して報知する例が示されている。
【0032】
ここで、摘便推奨範囲とは、摘便の術者であるユーザの指が被検体の肛門入口に進入した場合に、直腸A内においてユーザの指が届く範囲のことをいう。摘便推奨範囲として、例えば、被検体の肛門入口から4~5cm(4cm以上5cm未満)の範囲を設定できる。なお、摘便推奨範囲は、超音波診断装置において固定値として予め設定することができ、変更可能なデフォルト値として設定することもでき、入力装置30を介してユーザにより設定することもできる。
【0033】
また、報知部26は、摘便推奨範囲として4~5cmの範囲が設定され、且つ、便検出部25により検出された便Bの位置が肛門入口から5~10cm(5cm以上10cm未満)の範囲にある場合に、例えば図6に示すように、第1の報知態様とは異なる第2の報知態様によりユーザに報知できる。図6には、報知部26が、「もう少しで摘便推奨範囲です 摘便の準備をして下さい」というメッセージM2を超音波画像Uに重ねてモニタ23に表示することにより、第2の報知態様に従ってユーザに対して報知する例が示されている。
【0034】
また、報知部26は、さらに、便検出部25により検出された便Bの位置が肛門入口から10~20cm(10cm以上20cm未満)の範囲にある場合に、例えば図7に示すように、第1の報知態様および第2の報知態様とは異なる第3の報知態様によりユーザに報知できる。図7には、報知部26が、「便意を感じる範囲まで便が来ています 摘便の準備をして下さい」というメッセージM3を超音波画像Uに重ねてモニタ23に表示することにより、第3の報知態様に従ってユーザに対して報知する例が示されている。
【0035】
一般的に、摘便タイミングに関する判断は、術者の経験および技量に基づいて行われることが多く、術者によっては摘便のタイミングを把握できない場合があった。しかしながら、報知部26は、例えば図5図7に示す第1の報知態様、第2の報知態様および第3の報知態様のように、便検出部25により検出された便Bの直腸A内の位置に応じて超音波診断装置のユーザに対して報知を行うため、ユーザは、摘便のタイミングを容易に把握できる。
【0036】
なお、画像生成部21、表示制御部22、直腸検出部24、便検出部25、報知部26および本体制御部29を有するプロセッサ32は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、および、CPUに各種の処理を行わせるための制御プログラムから構成されるが、FPGA(Field Programmable Gate Array:フィードプログラマブルゲートアレイ)、DSP(Digital Signal Processor:デジタルシグナルプロセッサ)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:アプリケーションスペシフィックインテグレイテッドサーキット)、GPU(Graphics Processing Unit:グラフィックスプロセッシングユニット)、または、その他のIC(Integrated Circuit:集積回路)を用いて構成されてもよく、もしくはそれらを組み合わせて構成されてもよい。
【0037】
また、プロセッサ32の画像生成部21、表示制御部22、直腸検出部24、便検出部25、報知部26および本体制御部29は、部分的にあるいは全体的に1つのCPU等に統合させて構成することもできる。
【0038】
次に、図8のフローチャートを用いて実施の形態1に係る超音波診断装置の動作の例を説明する。
【0039】
まず、ステップS1において、超音波信号取得部31により被検体の直腸Aを撮影した超音波画像Uが取得される。この際に、超音波プローブ1の振動子アレイ11により被検体内に超音波ビームが送信され且つ被検体内から超音波エコーが受信され、受信信号が生成される。超音波信号取得部31の送受信回路12は、受信信号に対して、本体制御部29の制御の下でいわゆる受信フォーカス処理を行って音線信号を生成する。送受信回路12により生成された音線信号は、画像生成部21に送出される。画像生成部21は、送受信回路12から送出された音線信号を用いて超音波画像Uを生成する。
【0040】
次に、ステップS2において、直腸検出部24は、ステップS1で取得された超音波画像Uを解析することにより、被検体の直腸Aを検出する。直腸検出部24は、例えばテンプレートマッチングにより直腸Aを検出することができ、直腸Aが撮影された大量の超音波画像Uを学習した機械学習モデルにより直腸Aを検出することもできる。
【0041】
ステップS3において、便検出部25は、ステップS1で取得された超音波画像Uを解析することにより、ステップS3で検出された直腸A内に存在する便Bを検出する。便検出部25は、例えばテンプレートマッチングにより便Bを検出することができ、直腸Aに存在する便Bが撮影された大量の超音波画像Uを学習した機械学習モデルにより直腸A内に存在する便Bを検出することもできる。
【0042】
さらに、便検出部25は、超音波画像Uを解析することにより、検出された便の直腸A内における位置を検出できる。ステップS1において経臀裂アプローチにより超音波画像Uが撮影された場合に、便検出部25は、例えば、超音波画像Uに写る肛門Eを検出し、検出された肛門Eの位置から便Bの先端までの距離Lを計測することにより、便Bの位置として、肛門入口からの便Bの先端の位置を検出できる。また、ステップS1において経腹アプローチにより超音波プローブ1を肛門側に傾けながら連続的に複数フレームの超音波画像Uが撮影された場合に、便検出部25は、例えば、便Bの先端が検出されるフレームから肛門が検出されるフレームまでの複数フレームの超音波画像Uと肛門からの便Bの先端の位置の組み合わせを大量に学習した機械学習モデルを用いることにより、便Bの位置として、肛門入口からの便Bの先端の位置を検出できる。
【0043】
ステップS4において、報知部26は、ステップS3で検出された便Bの位置が、肛門入口から4~5cmの範囲にあるか、肛門入口から5~10cmの範囲にあるか、肛門入口から10~20cmの範囲にあるかを判定する。
【0044】
便Bの位置が肛門入口から4~5cmの範囲にあるとステップS4で判定された場合にステップS5に進む。ステップS5において、報知部26は、便Bの位置が摘便推奨範囲にあると判断して、例えば図5に示すように、第1の報知態様によりユーザに報知する。図5では、第1の報知態様として、「摘便推奨範囲です」というメッセージM1がモニタ23に表示される例が示されている。ユーザは、第1の報知態様による報知を確認することにより、現在が摘便の適切なタイミングであることを容易に把握できる。
【0045】
便Bの位置が肛門入口から5~10cmの範囲にあるとステップS4で判定された場合にステップS6に進む。ステップS6において、報知部26は、便Bの位置がもう少しで摘便推奨範囲にまで進むと判断して、例えば図6に示すように、第1の報知態様とは異なる第2の報知態様によりユーザに報知する。図6では、第2の報知態様として、「もう少しで摘便推奨範囲です 摘便の準備をして下さい」というメッセージM2がモニタ23に表示される例が示されている。ユーザは、第2の報知態様による報知を確認することにより、便Bの位置が間もなく摘便推奨範囲にまで進むことを把握して、摘便に備えて準備を行うことができる。
【0046】
便Bの位置が肛門入口から10~20cmの範囲にあるとステップS4で判定された場合にステップS7に進む。ステップS6において、報知部26は、被検体が便意を感じる範囲にまで便Bの位置が進行していると判断して、例えば図7に示すように、第1の報知態様および第2の報知態様とは異なる第3の報知態様によりユーザに報知する。図7では、第3の報知態様として、「便意を感じる範囲まで便が来ています 摘便の準備をして下さい」というメッセージM3がモニタ23に表示される例が示されている。ユーザは、第3の報知態様による報知を確認することにより、便Bの位置が近いうちに摘便推奨範囲にまで進む可能性があることを把握して、摘便に備えて準備を行うことができる。
【0047】
このようにしてステップS4~ステップS7の処理が完了すると、図8のフローチャートに従う超音波診断装置の動作が完了する。
【0048】
以上から、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置によれば、報知部26が、便検出部25により検出された便Bの直腸A内の位置に応じてユーザに報知を行うため、ユーザは、報知内容を確認することにより、摘便のタイミングを容易に把握できる。
【0049】
なお、送受信回路12が超音波プローブ1に備えられることが説明されているが、送受信回路12は装置本体2に備えられていてもよい。
また、画像生成部21が装置本体2に備えられることが説明されているが、画像生成部21は超音波プローブ1に備えられていてもよい。
【0050】
また、装置本体2は、いわゆる据え置き型でもよく、持ち運びが容易な携帯型でもよく、例えばスマートフォンまたはタブレット型のコンピュータにより構成される、いわゆるハンドヘルド型でもよい。このように、装置本体2を構成する機器の種類は特に限定されない。
【0051】
また、直腸検出部24および便検出部25が、画像生成部21により生成された超音波画像Uを解析することが説明されているが、超音波画像Uの代わりに、送受信回路12により生成される音線信号が解析されてもよく、画像生成部21の信号処理部45により包絡線検波処理が行われることにより生成されるBモード画像信号が解析されてもよい。この場合でも、直腸検出部24は被検体の直腸Aを検出でき、便検出部25は直腸A内に存在する便Bおよびその位置を検出できる。本発明では、音線信号、包絡線検波処理により生成されたBモード画像信号および超音波画像U等の、直腸Aおよび便Bに関する情報を含み且つ直腸検出部24および便検出部25における解析の対象となる信号をまとめて超音波信号と呼んでいる。
【0052】
また、便検出部25が、直腸検出部24による直腸の検出結果に基づいて超音波画像Uを解析することにより、直腸A内に存在する便Bを検出することが説明されているが、直腸Aの検出結果に関わらず、被検体内の便Bを検出することもできる。この場合に、便検出部25は、例えば、テンプレートマッチングの方法、または、被検体内の便Bが写った大量の超音波画像Uを学習した機械学習モデルを用いた方法等により、被検体内の便Bを検出できる。
【0053】
また、第1の報知態様、第2の報知態様および第3の報知態様による報知は、メッセージM1、M2およびM3をモニタ23に表示することに限定されない。例えば超音波診断装置が図示しないスピーカを備える場合に、報知部26は、第1の報知態様、第2の報知態様および第3の報知態様による報知として、互いに異なる3種類の音による報知を行うこともできる。例えば超音波診断装置が図示しないランプを備える場合に、報知部26は、第1の報知態様、第2の報知態様および第3の報知態様による報知として、互いに異なる3種類の光の色または光の3種類の点滅パターン等による放置を行うこともできる。
【0054】
このように、報知部26がメッセージM1、M2およびM3をモニタ23に表示する以外の方法によりユーザに対する報知を行う場合でも、報知部26が、便検出部25により検出された便Bの直腸A内の位置に応じてユーザに報知を行うため、ユーザは、報知内容を確認することにより、摘便のタイミングを容易に把握できる。
【0055】
実施の形態2
直腸Aに存在する便Bが硬便である場合には、一般的に、直腸Aの粘膜が傷付いて、いわゆる裂肛が生じるリスクがある。例えば摘便におけるこのようなリスクを低減するために、超音波診断装置は、摘便に際して便Bの性状を自動的に把握することもできる。
【0056】
図9に、実施の形態2に係る超音波診断装置の構成を示す。実施の形態2の超音波診断装置は、図1に示す実施の形態1の超音波診断装置において、装置本体2の代わりに装置本体2Aを備えている。装置本体2Aは、実施の形態1における装置本体2において、便性状判定部51を新たに備え、本体制御部29の代わりに本体制御部29Aを備えている。
【0057】
装置本体2Aにおいて、画像生成部21、便検出部25、報知部26および本体制御部29に便性状判定部51が接続されている。また、画像生成部21、表示制御部22、直腸検出部24、便検出部25、報知部26、本体制御部29Aおよび便性状判定部51により、装置本体2A用のプロセッサ32Aが構成されている。
【0058】
便性状判定部51は、超音波信号取得部31により生成された超音波信号に基づいて便検出部25により検出された便Bの性状を判定する。
【0059】
ここで、一般的に、硬便の場合には超音波が便Bを通過しにくく、便Bの浅部でほとんどの超音波が反射するため、いわゆる三日月型の高輝度領域として超音波画像Uに写り、普通便では硬便よりも超音波が通過しやすいためにいわゆる半月型の高輝度領域として超音波画像Uに写り、軟便の場合には超音波が便Bを通過しやすいため、いわゆる全周性の低輝度領域として超音波画像Uに写ることが知られている。このように、便Bの性状に応じて超音波画像Uにおける便Bの写り方が異なる。便性状判定部51は、例えば、テンプレートマッチングの方法により便Bの性状を取得できる。便性状判定部51は、例えば、便Bが写る大量の超音波画像Uとそれらの便Bの性状に関する情報を学習した機械学習モデルを用いることにより、便性状判定部51は、便Bの性状を取得することもできる。
【0060】
なお、便性状判定部51は、便Bの性状としていわゆるブリストルスケールにおける性状を判定することもできる。ブリストルスケールは、便Bの性状を、硬くてコロコロの兎糞状の便である「コロコロの便」、ソーセージ状であるが硬い便である「硬い便」、表面にひび割れのあるソーセージ状の便である「やや硬い便」、表面がなめらかで柔らかいソーセージ状あるいは蛇のようなとぐろを巻く便である「普通便」、はっきりとした皺のある柔らかい半分固形の便である「やや柔らかい便」、境界がほぐれて不定形の小片便または泥状の便である「泥状便」および水様で固形物を含まない液体状の便である「水様便」の7つの状態に分類している。
【0061】
報知部26は、便性状判定部51により判定された便Bの性状を、例えば図10に示すように、ユーザに報知できる。図10では、図5に示す「摘便推奨範囲です」というメッセージにおいて「*やや硬便」という便Bの性状に関する文言が追加されたメッセージM1Aが、モニタ23に表示される例が示されている。
【0062】
以上から、本発明の実施の形態2の超音波診断装置によれば、便性状判定部51が、便検出部25により検出された便Bの性状を自動的に判定し、報知部26が、便性状判定部51により判定された便Bの性状をユーザに報知するため、ユーザは、便Bの性状に応じた適切な摘便を行うことができる。特に、便性状判定部51により、直腸A内に存在する便が硬便であると判定された場合に、ユーザは、直腸Aを傷付けないように注意しながら硬便に適した摘便を行うことができる。
【0063】
実施の形態3
摘便のタイミングをより明確に把握させるために、超音波診断装置は、便検出部25により検出された便Bの位置をモニタ23に表示することもできる。
【0064】
図11に、本発明の実施の形態3に係る超音波診断装置の構成を示す。実施の形態3の超音波診断装置は、図1に示す実施の形態1の超音波診断装置において、装置本体2の代わりに装置本体2Bを備えている。装置本体2Bは、実施の形態1における装置本体2において、便位置表示部52を新たに備え、本体制御部29の代わりに本体制御部29Bを備えている。
【0065】
装置本体2Bにおいて、表示制御部22、便検出部25および本体制御部29Bに、便位置表示部52が接続されている。また、画像生成部21、表示制御部22、直腸検出部24、便検出部25、報知部26、本体制御部29Bおよび便位置表示部52により、装置本体2B用のプロセッサ32Bが構成されている。
【0066】
便位置表示部52は、例えば図12に示すように、便検出部25により検出された便Bの直腸A内の位置を模式図F1によりモニタ23に表示する。図12には、第2の表示態様に従うメッセージM2と、便Bの直腸A内の位置を数値で示すメッセージM4と、便Bの直腸A内の位置を示す模式図F1がモニタ23に表示される例が示されている。
【0067】
以上から、本発明の実施の形態3の超音波診断装置によれば、便位置表示部52が、便検出部25により検出された便Bの直腸A内の位置を模式図F1によりモニタ23に表示するため、ユーザは、直腸A内の便Bの位置を容易に把握して、摘便のタイミングをより正確に把握できる。
【0068】
なお、便位置表示部52が便Bの直腸A内の位置を模式図F1によりモニタ23に表示することが説明されているが、例えば、模式図F1を表示する代わりに便Bの直腸A内の位置を表すテキスト情報のみをモニタ23に表示することもできる。このようにして、テキスト情報により直腸A内の便Bの位置を表示することにより、例えば、装置本体2Bがスマートフォン等の小型の端末により構成される等により、モニタ23が小型である場合でも、ユーザが明確に直腸A内の便Bの位置を読み取ることができる。
【0069】
また、超音波診断装置が図示しないスピーカを備える場合に、便検出部25により検出された便Bの直腸A内の位置を、スピーカを介して音声でアナウンスすることもできる。直腸A内の便Bの位置を音声でアナウンスすることにより、例えばユーザが老眼である等によりモニタ23の表示が見えにくい場合でも、ユーザは、直腸A内の便Bの位置を容易に把握できる。
【0070】
なお、実施の形態3の超音波診断装置は、実施の形態1の超音波診断装置に便位置表示部52が追加された構成を有しているが、実施の形態2の超音波診断装置に便位置表示部52が追加された構成を有することもできる。この場合でも、便位置表示部52が、便検出部25により検出された便Bの直腸A内の位置を模式図F1によりモニタ23に表示するため、ユーザは、直腸A内の便Bの位置を容易に把握して、摘便のタイミングをより正確に把握できる。
【符号の説明】
【0071】
1 超音波プローブ、2,2A,2B 装置本体、11 振動子アレイ、12 送受信回路、21 画像生成部、22 表示制御部、23 モニタ、24 直腸検出部、25 便検出部、26 報知部、29,29A,29B 本体制御部、30 入力装置、31 超音波信号取得部、32,32A,32B プロセッサ、A 直腸、B 便、E 肛門、L 距離、F1 模式図、M1,M1A,M2,M3,M4 メッセージ、U 超音波画像。
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