(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042673
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】感光性樹脂組成物、これを用いて製造された感光性樹脂膜及びカラーフィルター、並びにCMOSイメージセンサ
(51)【国際特許分類】
G03F 7/004 20060101AFI20240321BHJP
G03F 7/075 20060101ALI20240321BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
G03F7/004 504
G03F7/004 505
G03F7/004 501
G03F7/075 501
G02B5/20 101
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023147204
(22)【出願日】2023-09-11
(31)【優先権主張番号】10-2022-0116659
(32)【優先日】2022-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジホン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヨンテ
(72)【発明者】
【氏名】イ,サンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム,サビナ
(72)【発明者】
【氏名】キム,グァンソプ
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ジョンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジヘ
(72)【発明者】
【氏名】キム,イジュ
(72)【発明者】
【氏名】キム,イクジン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ミョンホ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ベク ソング
【テーマコード(参考)】
2H148
2H225
【Fターム(参考)】
2H148BE03
2H148BE13
2H148BE26
2H148BE32
2H148BF16
2H148BF18
2H148BF20
2H148BG11
2H148BH02
2H225AC23
2H225AC36
2H225AD06
2H225AN11P
2H225AN39P
2H225AN94P
2H225AN98P
2H225BA05P
2H225BA16P
2H225BA32P
2H225CA17
2H225CB06
2H225CC01
2H225CC13
(57)【要約】
【課題】基板または下部感光性樹脂膜上に均一の厚さでコーティングされる感光性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、感光性樹脂組成物、これを用いて製造された感光性樹脂膜及びカラーフィルターに関するものである。一実施形態は、(A)添加剤、(B)バインダー樹脂、(C)光重合性化合物、(D)光重合開始剤、(E)着色剤、及び(F)溶媒を含む感光性樹脂組成物であり、添加剤はレベリング剤を含み、レベリング剤は、感光性樹脂組成物の総量中の15ppm乃至30ppmに含まれる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)添加剤、
(B)バインダー樹脂、
(C)光重合性化合物、
(D)光重合開始剤、
(E)着色剤、及び
(F)溶媒を含む感光性樹脂組成物であり、
前記添加剤はレベリング剤を含み、
前記レベリング剤は、前記感光性樹脂組成物の総量中の15ppm乃至30ppmに含まれる、感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記レベリング剤は、全体組成物中の20ppm乃至25ppmに含まれる、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記レベリング剤は、フッ素系界面活性剤である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記フッ素系界面活性剤は、非イオン性フッ素系界面活性剤である、請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記添加剤は、分散媒をさらに含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記添加剤の総量中の前記レベリング剤は、1重量%乃至20重量%に含まれる、請求項5に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記レベリング剤及び前記着色剤の重量比は、1:700乃至1:900である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項8】
前記添加剤は、マロン酸、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、ビニル基または(メタ)アクリルオキシ基を含むカップリング剤、及びラジカル重合開始剤から選択される少なくとも一つの添加剤をさらに含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項9】
前記バインダー樹脂は、アクリル系バインダー樹脂、エポキシ系バインダー樹脂、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項10】
前記着色剤は、青色顔料、紫色顔料、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項11】
前記溶媒は、沸点が互いに異なる2種以上の溶媒を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項12】
前記溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、n-ブチルアルコール(n-BA)及びジエチレングリコールメチルエチルエーテル(MEDG)中の2種以上の溶媒を含む、請求項11に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項13】
前記感光性樹脂組成物は、前記感光性樹脂組成物総量に対して、
前記(A)添加剤を15ppm乃至30ppm、
前記(B)バインダー樹脂を1重量%乃至20重量%、
前記(C)光重合性化合物を1重量%乃至20重量%、
前記(D)光重合開始剤を0.1重量%乃至5重量%、
前記(E)着色剤を5重量%乃至70重量%、及び
前記(F)溶媒
を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項14】
前記感光性樹脂組成物は、25℃での粘度が1.5cP乃至3.8cPである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いて製造される、感光性樹脂膜。
【請求項16】
請求項15の感光性樹脂膜を含む、カラーフィルター。
【請求項17】
請求項16のカラーフィルターを含むCMOSイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性樹脂組成物、これを用いて製造された感光性樹脂膜及びカラーフィルター、並びにCMOSイメージセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサは、光子を電子に変換してディスプレイに表示したり、貯蔵装置に保存できたりする半導体に該当する。
【0003】
イメージセンサは、作製工程と応用方式により、固体撮像素子(charge coupled device、CCD)イメージセンサと相補性金属酸化物半導体(complementary metal oxide semiconductor、CMOS)イメージセンサとに分類される。
【0004】
相補性金属酸化物半導体イメージセンサ(CMOS Image Sensor、CIS)とは、カメラが撮影したイメージをデジタル信号に変換する非メモリ半導体として、カラーフィルター、フォトダイオード、増幅器等のピクセル(pixel)の集合体である。
【0005】
カラーフィルターは、赤色(red)、緑色(green)、青色(blue)の加算混合原色のフィルターセグメント(filter segment)を含む。カラーフィルターは、着色剤を含有する感光性樹脂組成物を基板上にコーティングして、形成しようとする形態のパターンを露光した後に現像し、ポストベークを通して熱硬化させることにより感光性樹脂膜を形成し、このような一連の過程を繰り返すことにより製造することができる。
【0006】
しかしながら、感光性樹脂組成物を基板または先に形成された感光性樹脂膜(以下、「下部感光性樹脂膜」という。)の上にコーティングする過程で厚さの分布が発生すると、最終的に製造されるカラーフィルターの表面が物理的に粗くなることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一実施形態は、基板または下部感光性樹脂膜上に均一の厚さでコーティングされる感光性樹脂組成物を提供することを目的の一つとする。
【0008】
他の一実施形態は、前記感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜を提供することを目的の一つとする。
【0009】
また、他の一実施形態は、前記感光性樹脂膜を用いて製造されたカラーフィルターを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態においては、(A)添加剤、(B)バインダー樹脂、(C)光重合性化合物、(D)光重合開始剤、(E)着色剤、及び(F)溶媒を含む感光性樹脂組成物であり、前記添加剤はレベリング剤を含み、前記レベリング剤は、前記感光性樹脂組成物の総量中の15ppm乃至30ppmに含まれる。
【0011】
前記レベリング剤は、全体組成物中の20ppm乃至25ppmに含まれることができる。
【0012】
前記レベリング剤は、フッ素系界面活性剤であってもよい。
【0013】
前記フッ素系界面活性剤は、非イオン性フッ素系界面活性剤であってもよい。
【0014】
前記添加剤は、分散媒をさらに含むことができる。
【0015】
前記添加剤の総量中の前記レベリング剤は、1重量%乃至20重量%に含まれることができる。
【0016】
前記レベリング剤及び前記着色剤の重量比は、1:700乃至1:900であってもよい。
【0017】
前記添加剤は、マロン酸、3-アミノ-1,2-プロパンジオール;、ビニル基、または(メタ)アクリルオキシ基を含むカップリング剤、及びラジカル重合開始剤から選択される少なくとも一つの添加剤をさらに含むことができる。
【0018】
前記バインダー樹脂は、アクリル系バインダー樹脂、エポキシ系バインダー樹脂、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0019】
前記着色剤は、青色顔料、紫色顔料、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0020】
前記溶媒は、沸点が互いに異なる2種以上の溶媒を含むことができる。
【0021】
前記溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、n-ブチルアルコール(n-BA)及びジエチレングリコールメチルエチルエーテル(MEDG)中の2種以上の溶媒を含むことができる。
【0022】
前記感光性樹脂組成物は、前記感光性樹脂組成物総量に対して、前記(A)添加剤を15ppm乃至30ppm、前記(B)バインダー樹脂を1重量%乃至20重量%、前記(C)光重合性化合物を1重量%乃至20重量%、前記(D)光重合開始剤を0.1重量%乃至5重量%、前記(E)着色剤を5重量%乃至70重量%、及び前記(F)溶媒を残部量で含むことができる。
【0023】
前記感光性樹脂組成物は、25℃での粘度が1.5cP乃至3.8cPであってもよい。
【0024】
他の一実施形態においては、前記感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜を提供する。
【0025】
また、他の一実施形態においては、前記感光性樹脂膜を含むカラーフィルターを提供する。
【0026】
また、他の一実施形態においては、前記感光性カラーフィルターを含むCMOSイメージセンサを提供する。
【0027】
その他の本発明の態様の具体的な事項は、以下の詳細な説明に含まれている。
【発明の効果】
【0028】
一実施形態の感光性樹脂組成物は、レベリング剤を特定含有量の範囲に含むことにより、基板または下部感光性樹脂膜上に均一の厚さにコーティングされることができる。
【0029】
これにより、一実施形態の感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜及びカラーフィルターは、表面平滑度に優れており、イメージセンサの画質を一定の水準で実現することに寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】一評価例による露光パターンを概略的に示すものである。
【
図2】一評価例による厚さプロファイルを示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施例を詳しく説明する。但し、以下の説明は例示的に示されるものであり、これにより本発明は制限されず、本発明は請求範囲により定義される。
【0032】
本明細書において、特別な言及がない限り、「置換」とは、化合物中の少なくとも一つの水素原子が、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシ基、C1乃至C20アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、イミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバミル基、チオール基、エステル基、エーテル基、カルボキシル基若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩、リン酸若しくはその塩、C1乃至C20アルキル基、C2乃至C20アルケニル基、C2乃至C20アルキニル基、C6乃至C30アリール基、C3乃至C20シクロアルキル基、C3乃至C20シクロアルケニル基、C3乃至C20シクロアルキニル基、C2乃至C20ヘテロシクロアルキル基、C2乃至C20ヘテロシクロアルケニル基、C2乃至C20ヘテロシクロアルキニル基、またはこれらの組み合わせの置換基に置換されることを意味する。
【0033】
本明細書において、特別な言及がない限り、「ヘテロシクロアルキル基」、「ヘテロシクロアルケニル基」、「ヘテロシクロアルキニル基」及び「ヘテロシクロアルキレン基」とは、それぞれシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル及びシクロアルキレンの環化合物内に少なくとも一つのN、O、SまたはPのヘテロ原子が存在する基を意味する。
【0034】
本明細書において、特別な言及がない限り、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を含む。
【0035】
本明細書内の化学式において、別途の定義がない限り、化学結合が描かれるべき位置に化学結合が描かれていない場合は、当該位置に水素原子が結合されていることを意味する。
【0036】
本明細書において、別途の定義がない限り、「*」は、同一または異なる原子または化学式と連結される部分を意味する。
【0037】
本明細書における「粒子の大きさ」または「粒径」は、粒子の大きさ分布基準での粒子の大きさとして定義される。具体的には、粒子の大きさまたは粒径「Dn」とは、様々な粒子の大きさで分布されている粒子を体積比で「n%」まで粒子を累積させた際の粒子の大きさを意味する。例えば、D50は、体積比で50%まで粒子を累積させた際の粒子の大きさを意味する。
【0038】
粒子の大きさまたは粒径「Dn」は、当業者に広く公知された方法で測定されることができ、例えば、粒度分析器で測定することができ、または透過電子顕微鏡写真若しくは走査電子顕微鏡写真で測定することもできる。他の方法としては、動的光散乱法を用いて得られた結果に対してデータ分析を実施して測定することもできる。
【0039】
(感光性樹脂組成物)
一実施形態は、(A)添加剤、(B)バインダー樹脂、(C)光重合性化合物、(D)光重合開始剤、(E)着色剤、及び(F)溶媒を含む感光性樹脂組成物であり、前記添加剤はレベリング剤を含み、前記レベリング剤は、前記感光性樹脂組成物の総量中の15ppm乃至30ppmに含まれる。
【0040】
(A)添加剤
先に言及した通り、前記添加剤はレベリング剤を含む。
【0041】
ここで、「レベリング剤」とは、溶媒の蒸発速度を調整したり、着色剤の凝集を阻害したりすることにより、感光性樹脂組成物の流動性を向上させる添加剤が該当する。
【0042】
先に指摘した通り、感光性樹脂組成物を基板または下部感光性樹脂膜上にコーティングする過程でコーティング厚さの分布が発生すると、その後、パターンを形成(露光、現像)する過程で表面が物理的に粗く形成される場合がある。
【0043】
特に、下部感光性樹脂膜が形成された状態でその上に感光性樹脂組成物をコーティングする際、感光性樹脂組成物内のレベリング剤の含有量によっては隔壁での激しい障壁を誘発してコーティング厚さに偏差を生じさせる場合がある。更に、前記コーティング方法としてスピンコーティングを用いる場合、その方法的な限界により、基板または下部感光性樹脂膜の縁(side)部で中心部よりコーティング厚さが不均一になりやすい。
【0044】
このようにコーティング厚さに偏差が生じた状態で露光すると、劣化したパターンが形成され、表面平滑度の低いカラーフィルターが得られるのみである。
【0045】
一般にレベリング剤を感光性樹脂組成物に添加すると、基板または下部感光性樹脂膜上に均一にコーティングすることに役に立つと知られている。しかしながら、感光性樹脂組成物内のレベリング剤の含有量によってコーティングの均一性が変わり得る。
【0046】
一実施形態においては、レベリング剤を用いるが、その含有量を最適化することにより、感光性樹脂組成物を基板または下部感光性樹脂膜上に均一にコーティングさせることができる。これにより、一実施形態の感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜及びカラーフィルターは表面平滑度に優れており、イメージセンサの画質を一定の水準で実現することができる。
【0047】
一実施形態において、レベリング剤は、固形状態の物質のみを定義し、これは感光性樹脂組成物の総量中の15ppm乃至30ppmに含まれることができる。
【0048】
前記範囲において、レベリング剤の含有量が下限未満であると、レベリング剤による効果が少ない。それに反して、レベリング剤の含有量が上限を超えると、むしろ平坦度が劣る場合がある。
【0049】
前記範囲内においては、レベリング剤の含有量を高めるほど、感光性樹脂組成物をさらに均一にコーティングすることができる。例えば、レベリング剤は、感光性樹脂組成物の総量中の15ppm乃至30ppm、15ppm乃至25ppm、または20ppm乃至25ppmに含まれることができる。
【0050】
レベリング剤は、フッ素系界面活性剤であってもよい。
【0051】
フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を含有している疎水性直鎖分子の末端に水溶性反応器を置換反応させて製造されたものであってもよく、他の界面活性剤よりも表面張力の抵抗力に優れたものとすることができる。
【0052】
一方、一般に界面活性剤は、親水性部分がイオン性を帯びるか否かによりイオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤に区分することができるが、フッ素系界面活性剤は、親水性部分がイオン性を帯びない非イオン性フッ素系界面活性剤であってもよい。
【0053】
例えば、非イオン性フッ素系界面活性剤としては、DIC社製のF-554、F-556、F-553、F-559等を用いることができる。
【0054】
添加剤は、レベリング剤以外にも、分散媒をさらに含むことができる。この場合、レベリング剤が分散媒に分散し、レベリング剤稀釈液の形態で用いられることができる。分散媒は、後述する溶媒から選択されることができる。
【0055】
分散媒をさらに含む添加剤におけるレベリング剤は、1重量%乃至20重量%に含まれることができる。即ち、レベリング剤稀釈液中のレベリング剤稀釈濃度は、1重量%乃至20重量%であってもよい。
【0056】
この範囲において、レベリング剤が感光性樹脂組成物内に均一に分散し、ひいては、感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜及びカラーフィルターは表面平滑度を高めることができる。
【0057】
例えば、分散媒をさらに含む添加剤におけるレベリング剤は、1重量%乃至20重量%、5重量%乃至15重量%、または7重量%乃至12重量%に含まれることができる。
【0058】
一実施形態において、レベリング剤のみならず、着色剤は、固形状態の物質のみを定義し、レベリング剤及び着色剤の重量比は1:700乃至1:900であってもよい。
【0059】
前記範囲において、着色剤に対するレベリング剤の含有量が適切に制御され、感光性樹脂組成物を基板または下部感光性樹脂膜上に均一にコーティングすることができる。但し、前記範囲において、着色剤に対する前記レベリング剤の含有量が大きくなるほど均一度が高くなり、低くなるほど均一度が低くなることができる。
【0060】
このようなトレードオフ(trade-off)関係を考慮し、レベリング剤及び着色剤の重量比は、1:700乃至1:900、1:700乃至1:850、または1:750乃至1:800の範囲内で選択することができる。
【0061】
感光性樹脂組成物は、塗布時の染みや斑点を防止し、レベリング性能を改善するため、また未現像による残渣の生成を防止するため、マロン酸、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、ビニル基または(メタ)アクリルオキシ基を含むカップリング剤、及びラジカル重合開始剤から選択される少なくとも一つの添加剤をさらに含むことができる。
【0062】
さらに含まれる添加剤は、所望する物性により容易に調節されることができる。
【0063】
カップリング剤は、シラン系カップリング剤であってもよく、シラン系カップリング剤の例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γイソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、βエポキシシクロヘキシル、エチルトリメトキシシラン等が挙げられ、これらを単独、または2種以上混合して用いることができる。
【0064】
シラン系カップリング剤は、具体的には、前記感光性樹脂組成物100重量部に対して0.01重量部乃至1重量部で用いることができる。
【0065】
また、感光性樹脂組成物は、物性を阻害しない範囲内で酸化防止剤、安定剤等の他の添加剤が一定量添加されることもできる。
【0066】
さらに含まれる添加剤は、感光性樹脂組成物総量に対して0.01重量%乃至5重量%に含まれることが望ましく、0.01重量%乃至2重量%に含まれることがより望ましい。前記範囲を外れる場合、現像後に異物が発生する問題点が生じることがあるため望ましくない。
【0067】
(B)バインダー樹脂
感光性樹脂組成物は、バインダー樹脂を含むことができ、バインダー樹脂は、アクリル系バインダー樹脂を含むことができる。
【0068】
アクリル系樹脂は、第1エチレン性不飽和モノマー及びそれと共重合が可能な第2エチレン性不飽和モノマーの共重合体として、一つ以上のアクリル系を繰り返し含む樹脂である。
【0069】
第1エチレン性不飽和モノマーは、一つ以上のカルボキシ基を含有するエチレン性不飽和モノマーであり、その具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0070】
第1エチレン性不飽和モノマーは、アクリル系バインダー樹脂総量に対して5重量%乃至50重量%、例えば、10重量%乃至40重量%に含まれることができる。
【0071】
第2エチレン性不飽和モノマーは、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルメチルエーテル等の芳香族ビニル化合物、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル化合物、2-アミノエチル(メタ)アクリレート、2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル化合物、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル化合物、グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル化合物、(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド化合物等が挙げられ、これらを単独、または2以上混合して用いることができる。
【0072】
アクリル系樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン/2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体等が挙げられるが、これに限定されず、これらを単独、または2種以上を配合して用いることができる。
【0073】
バインダー樹脂は、エポキシ系バインダー樹脂を含むことができる。
【0074】
バインダー樹脂は、エポキシ系バインダー樹脂をさらに含むことにより、耐熱性を向上させることができる。エポキシ系バインダー樹脂は、例えば、フェノールノボラックエポキシ樹脂、テトラメチルビフェニルエポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂またはこれらの組み合わせ等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0075】
ひいては、エポキシ系バインダー樹脂を含むバインダー樹脂は、後述する顔料等の着色剤の分散安定性を確保すると共に、現像過程で所望の解像度のピクセルが形成されるように助ける。
【0076】
エポキシ系バインダー樹脂は、バインダー樹脂総量に対して1重量%乃至10重量%、例えば、5重量%乃至10重量%に含まれることができる。エポキシ系バインダー樹脂が前記範囲に含まれる場合、残膜率及び耐薬品性が大きく改善されることができる。
【0077】
エポキシ系バインダー樹脂のエポキシ当量(epoxy equivalen weight)は、150g/eq乃至200g/eqであってもよい。前記範囲内のエポキシ当量を有するエポキシ系バインダー樹脂がバインダー樹脂内に含まれる場合、形成されたパターンの硬化度の向上及びパターンが形成された構造内での着色剤の固着に有利な効果がある。
【0078】
バインダー樹脂は、固形形態として後述する溶媒に溶解して感光性樹脂組成物を構成することができる。この場合、前記固形形態のバインダー樹脂は、溶媒に溶解したバインダー樹脂溶液総量に対して約10重量%乃至50重量%、例えば、20重量%乃至40重量%であってもよい。
【0079】
バインダー樹脂は、感光性樹脂組成物総量に対して1重量%乃至20重量%、具体的には、1重量%乃至15重量%、例えば、1重量%乃至10重量%に含まれることができる。バインダー樹脂が前記範囲内に含まれる場合、カラーフィルター製造時に現像性に優れ、架橋性が改善されて優れた表面平滑度を得ることができる。
【0080】
(C)光重合性化合物
光重合性化合物としては、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリル酸の1官能または多官能エステルが追加に用いることができる。
【0081】
光重合性化合物は、エチレン性不飽和二重結合を有することにより、パターン形成工程における露光時に十分な重合を起こすことにより、耐熱性、耐光性及び耐薬品性に優れたパターンを形成することができる。
【0082】
光重合性化合物の具体的な例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ノボラックエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0083】
光重合性化合物における市販製品を例に挙げれば、次の通りである。(メタ)アクリル酸の1官能エステルの例としては、東亜合成株式会社製のアロニックス(登録商標) M-101、M-111、M-114等、日本化薬株式会社製のKAYARAD(登録商標) TC-110S、銅TC-120S等、大阪有機化学工業株式会社製のV-158、V-2311等が挙げられる。前記(メタ)アクリル酸の2官能エステルの例としては、東亜合成株式会社製のアロニックス(登録商標) M-210、M-240、M-6200等、日本化薬株式会社製のKAYARAD(登録商標) HDDA、HX-220、R-604等、大阪有機化学工業株式会社製のV-260、V-312、V-335HP等が挙げられる。(メタ)アクリル酸の3官能エステルの例としては、東洋合成工業株式会社製のアロニックス(登録商標) M-309、M-400、M-405、M-450、M-710、M-8030、M-8060等、日本化学株式会社製のKAYARAD(登録商標) TMPTA、DPCA-20、DPCA-30、DPCA-60、DPCA-120等;大阪有機化学工業株式会社製のV-295、V-300、V-360、V-GPT、V-3PA、V-400等が挙げられる。これらの製品を単独使用、または2種以上一緒に用いることができる。
【0084】
光重合性化合物は、より優れた現像性を付与するため、酸無水物に処理し、またはエチレンオキシド変性物を用いることができる。
【0085】
光重合性化合物は、感光性樹脂組成物総量に対して、1重量%乃至20重量%、具体的には、1重量%乃至4重量%、例えば、1重量%乃至3重量%に含まれることができる。光重合性化合物が前記範囲内に含まれる場合、パターン形成工程における露光時の硬化が十分に起こって信頼性に優れ、アルカリ現像液への現像性に優れている。
【0086】
(D)光重合開始剤
光重合開始剤は、感光性樹脂組成物に一般に用いられる開始剤として、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、ベンゾイン系化合物、トリアジン系化合物、オキシム系化合物またはこれらの組み合わせを用いることができる。
【0087】
アセトフェノン系化合物の例としては、2,2’-ジエトキシアセトフェノン、2,2’-ジブトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、p-t-ブチルトリクロロアセトフェノン、p-t-ブチルジクロロアセトフェノン、4-クロロアセトフェノン、2,2’-ジクロロ-4-フェノキシアセトフェノン、2-メチル-1-(4-(メチルチオ)フェニル)-2-モポリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モポリノフェニル)-ブタン-1-オン等が挙げられる。
【0088】
ベンゾフェノン系化合物の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-2-メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0089】
チオキサントン系化合物の例としては、チオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン等が挙げられる。
【0090】
ベンゾイン系化合物の例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
【0091】
トリアジン系化合物の例としては、2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(3’,4’-ジメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4’-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ビペニル4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-s-トリアジン、2-4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシスチリル)-s-トリアジン等が挙げられる。
【0092】
オキシム系化合物の例としては、O-アシルオキシム系化合物、2-(o-ベンゾイルオキシム)-1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタンジオン、1-(o-アセチルオキシム)-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン、O-エトキシカルボニル-α-オキシアミノ-1-フェニルプロパン-1-オン等を用いることができる。前記O-アシルオキシム系化合物の具体的な例としては、1,2-オクタンジオン、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルホリン-4-イル-フェニル)-ブタン-1-オン、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-ブタン-1,2-ジオン2-オキシム-O-ベンゾエ-ト、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-オクタン-1,2-ジオン2-オキシム-O-ベンゾエ-ト、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-オクタン-1-オンオキシム-O-アセテート及び1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-ブタン-1-オンオキシム-O-アセテート等が挙げられる。
【0093】
光重合開始剤は、上記化合物以外にもカルバゾール系化合物、ジケトン類化合物、スルホニウムボレート系化合物、ジアゾ系化合物、イミダゾール系化合物、ビイミダゾール系化合物、フルオレン系化合物等を用いることができる。
【0094】
光重合開始剤は、光を吸収して浮き立った状態になった後、そのエネルギーを伝達することにより、化学反応を起こす光増感剤と共に用いられることもできる。
【0095】
光増感剤の例としては、テトラエチレングリコールビス-3-メルカプトプロピオナート、ペンタエリトリトールテトラキス-3-メルカプトプロピオナート、ジペンタエリトリトールテトラキス-3-メルカプトプロピオナート等が挙げられる。
【0096】
光重合開始剤は、感光性樹脂組成物総量に対して0.1重量%乃至5重量%、具体的には、0.3重量%乃至4重量%、例えば、0.5重量%乃至3重量%に含まれることができる。光重合開始剤が前記範囲内に含まれる場合、パターン形成工程における露光時の硬化が十分に起こって優れた信頼性を得ることができ、パターンの耐熱性、耐光性及び耐薬品性に優れ、解像度及び密着性また優れており、未反応開始剤による透過率の低下を防ぐことができる。
【0097】
(E)着色剤
一実施形態の感光性樹脂組成物は、着色剤として顔料を含むことができる。
【0098】
顔料としては、赤色顔料、紫色顔料、緑色顔料、青色顔料、黄色顔料、黒色顔料等を用いることができる。
【0099】
赤色顔料は、カラーインデックス(Color Index)内において、C.I.赤色顔料254、C.I.赤色顔料255、C.I.赤色顔料264、C.I.赤色顔料270、C.I.赤色顔料272、C.I.赤色顔料177、C.I.赤色顔料89等を用いることができ、これらを単独、または2種以上混合して用いられるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0100】
紫色顔料は、カラーインデックス(Color Index)内において、C.I.バイオレット顔料23(V.23)、C.I.バイオレット顔料29、ジオキサジンバイオレット、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、インダントレンブリリアントバイオレット等を用いることができ、これらを単独、または2種以上混合して用いられるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0101】
緑色顔料は、カラーインデックス(Color Index)内において、C.I.緑色顔料7、C.I.緑色顔料36、C.I.緑色顔料58、C.I.緑色顔料59等を用いることができ、これらを単独、または2種以上混合して用いられるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0102】
青色顔料は、カラーインデックス(Color Index)内において、C.I.青色顔料15:6、C.I.青色顔料15、C.I.青色顔料15:1、C.I.青色顔料15:2、C.I.青色顔料15:3、C.I.青色顔料15:4、C.I.青色顔料15:5、C.I.青色顔料15:6、C.I.青色顔料16等のような銅フタロシアニン顔料を用いることができ、これらを単独、または2種以上混合して用いられるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0103】
黄色顔料は、カラーインデックス(Color Index)内において、C.I.黄色顔料185、C.I.黄色顔料139等のようなイソインドルリン系顔料、C.I.黄色顔料138等のようなキノフタロン系顔料、C.I.黄色顔料150等のようなニッケルコンプレックス顔料等を用いることができ、これらを単独、または2種以上混合して用いられるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0104】
黒色顔料は、カラーインデックス(Color Index)内において、アニリンブラック、パリレンブラック、チタニウムブラック、カーボンブラック等を用いることができ、これらを単独、または2種以上混合して用いられるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0105】
具体的には、着色剤は、青色顔料、紫色顔料、またはこれらの組み合わせを含んで青色を実現することができる。さらに具体的には、顔料は、青色顔料及び紫色顔料が95:5乃至60:40、90:10乃至70:30、または85:15乃至75:25の重量比に含まれる混合物であってもよい。
【0106】
顔料は、分散液の形態で近赤外線吸水性樹脂組成物に含まれることができる。
【0107】
このような顔料分散液は、顔料と溶媒、分散剤、分散樹脂等からなることができる。
【0108】
溶媒としては、エチレングリコールアセテート、エチルセロソルブ、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ポリエチレングリコール、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテル等を用いることができ、これらの中で好ましくはプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを用いることができる。
【0109】
分散剤は、顔料が分散液内に均一に分散するように助け、非イオン性、アニオン性またはカチオン性の分散剤をすべて用いることができる。具体的には、ポリアルキレングリコールまたはそのエステル、ポリオキシアルキレン、多価アルコールエステルアルキレンオキシド付加物、アルコールアルキレンオキシド付加物、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、カルボキシ酸エステル、カルボキシ酸塩、アルキルアミドアルキレンオキシド付加物、アルキルアミン等を用いることができ、これらは単独、または2種以上を混合して用いることができる。
【0110】
分散樹脂は、カルボキシ基を含むアクリル系樹脂を用いることができ、これは顔料分散液の安定性を向上させることができるだけでなく、ピクセルのパターン性も改善させることができる。
【0111】
着色剤は、顔料を含みながら、染料をさらに含むことができ、その際、一実施形態の樹脂組成物は、ハイブリッド型組成物になることができる。また、染料は、特に限定しないが、金属錯体染料を含むことができる。
【0112】
金属錯体染料は、200nm乃至650nmの波長領域において最大吸光度を有する化合物を用いることができ、色素の組み合わせに色座標を合わせるため、前記範囲の吸光度を有する化合物であれば、有機溶媒に溶ける全てのカラーの金属錯体染料を用いることができる。
【0113】
具体的には、金属錯体染料は、530nm乃至680nmの波長領域において最大吸光度を有する緑色染料、200nm乃至400nmの波長領域において最大吸光度を有する黄色染料、300nm乃至500nmの波長領域において最大吸光度を有するオレンジ染料、500nm乃至650nmの波長領域において最大吸光度を有する赤色染料、またはこれらの組み合わせを用いることができる。
【0114】
金属錯体染料は、直接染料、酸性染料、塩基性染料、酸性媒染染料、硫化染料、還元染料、アゾイック染料、分散染料、反応性染料、酸化染料、油溶染料、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、カルボニウムイオン染料、フタロシアニン染料、ニトロ染料、キノリン染料、シアニン染料、ポリメチン染料、またはこれらの組み合わせを用いることができる。
【0115】
金属錯体染料は、Mg、Ni、Cu、Co、Zn、Cr、Pt、Pd及びFeからなる群から選択された少なくとも一つの金属イオンを含むことができる。
【0116】
金属錯体染料は、C.I.ソルベントグリーン1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35等のC.I.ソルベント染料、C.I.アシッドグリーン1、3、5、6、7、8、9、11、13、14、15、16、22、25、27、28、41、50、51、58、63、65、80、104、105、106、109等のC.I.アシッド染料、C.I.ダイレクトグリーン25、27、31、32、34、37、63、65、66、67、68、69、72、77、79、82等のC.I.ダイレクト染料、C.I.ベーシックグリーン1等のC.I.ベーシック染料、C.I.モルダントグリーン1、3、4、5、10、13、15、19、21、23、26、29、31、33、34、35、41、43、53等のC.I.モルダント染料、C.I.ピグメントグリーン7、36、58等の緑色顔料、ソルベントイエロー19、ソルベントイエロー21、ソルベントイエロー25、ソルベントイエロー79、ソルベントイエロー82、ソルベントイエロー88、ソルベントオレンジ45、ソルベントオレンジ54、ソルベントオレンジ62、ソルベントオレンジ99、ソルベントレッド8、ソルベントレッド32、ソルベントレッド109、ソルベントレッド112、ソルベントレッド119、ソルベントレッド124、ソルベントレッド160、ソルベントレッド132及びソルベントレッド218からなる群から選択された少なくとも一つと金属イオンとの複合体を用いることができる。
【0117】
金属錯体を含む染料は、一実施形態による感光性樹脂組成物に用いられる溶媒、即ち、後述する溶媒に対する溶解度が5以上であることができ、具体的には、5乃至10であってもよい。溶解度は、溶媒100gに溶ける前記染料の量(g)から得ることができる。金属錯体を含む染料の溶解度が前記範囲内である場合、一実施形態による感光性樹脂組成物を構成する他の成分との相溶性及び着色力を確保することができ、染料の析出が防止されることができる。
【0118】
溶媒は、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(propylene glycol monomethyl ether acetate、PGMEA)、乳酸エチル(ethyl lactate、EL)、エチレングリコールエチルアセテート(ethylene glycol ethyl acetate、EGA)、シクロヘキサノン(cyclohexanone)、3-メトキシ-1-ブタノール(3-methoxy-1-butanol)、またはこれらの組み合わせを用いることができる。
【0119】
前記特定範囲を有することにより、所望の色座標で高輝度及び高明暗比を発現するLCD、LED等のカラーフィルターに有用に用いることができる。
【0120】
金属錯体を含む染料は、感光性樹脂組成物総量に対して0.01重量%乃至1重量%、例えば0.01重量%乃至0.5重量%に含むことができる。金属錯体を含む染料を前記範囲として用いる場合、所望の色座標で高い輝度及び明暗比を発現することができる。
【0121】
染料及び顔料を混合して用いる場合、0.1:99.9乃至99.9:0.1の重量比、具体的には、1:9乃至9:1の重量比で混合して用いることができる。重量比範囲で混合する場合、耐薬品性、最大吸収波長を適切な範囲で制御し、所望の色座標で高い輝度及び明暗比を発現することができる。
【0122】
着色剤は、感光性樹脂組成物総量に対して、5重量%乃至70重量%、具体的には、6重量%乃至50重量%、例えば、7重量%乃至30重量%に含まれることができる。着色剤が前記範囲内に含まれる場合、着色効果及び現像性に優れている。
【0123】
(F)溶媒
溶媒は、添加剤、バインダー樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤及び着色剤との相溶性を有するが、反応しない物質が用いられることができる。
【0124】
溶媒の例としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジクロロエチルエーテル、n-ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のアルキルアセテート類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチルセロソルブアセテート等のセロソルブアセテート類、メチルエチルカルビトール、ジエチルカルビトール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のカルビトール類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、メチル-n-プロピルケトン、メチル-n-ブチルケトン、メチル-n-アミルケトン、2-ヘプタノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチル等の飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル類、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル等のオキシ酢酸アルキルエステル類、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等のアルコキシ酢酸アルキルエステル類、3-オキシプロピオン酸メチル、3-オキシプロピオン酸エチル等の3-オキシプロピオン酸アルキルエステル類、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル等の3-アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類、2-オキシプロピオン酸メチル、2-オキシプロピオン酸エチル、2-オキシプロピオン酸プロピル等の2-オキシプロピオン酸アルキルエステル類、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-エトキシプロピオン酸メチル等の2-アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類、2-オキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-オキシ-2-メチルプロピオン酸エチル等の2-オキシ-2-メチルプロピオン酸エステル類、2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチル等の2-アルコキシ-2-メチルプロピオン酸アルキル類のモノオキシモノカルボン酸アルキルエステル類、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル等のエステル類、ピルビン酸エチル等のケトン酸エステル類等があり、また、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアニラード、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセチルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1-オクタノール、1-ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート等の高沸点溶媒が挙げられる。
【0125】
これらの中で好ましくは、常用性及び反応性を考慮して、シクロヘキサノン等のケトン類、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル等のエステル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のカルビトール類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、シクロヘキサノン等のケトン類が用いられることができる。
【0126】
具体的には、溶媒は、沸点が互いに異なる2種以上の溶媒を含むことができる。液体物質の「沸点」とは、当該液体物質の蒸気圧が外部圧力と等しくなって沸騰し始める温度であり、外部の圧力により変化することになる。一実施形態においては、1atm下の沸点を扱う。
【0127】
一実施形態の感光性樹脂組成物は、沸点が互いに異なる2種の溶媒を含むことにより、感光性樹脂組成物を基板、または下部感光性樹脂膜上にコーティングする過程で溶媒の揮発速度及び揮発位置を調和的に制御することができ、溶媒の揮発がコーティング下部より表面で主に成り立つようにして塗りつぶし特性、表面粗さ(roughness)等を改善することができる。
【0128】
例えば、溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、n-ブチルアルコール(n-BA)及びジエチレングリコールメチルエチルエーテル(MEDG)中の2種以上の溶媒を含むことができる。勿論、3種の溶媒を全て含むことができ、この場合、シナジー効果が最も高い。
【0129】
溶媒は、感光性樹脂組成物総量に対して残部量、例えば、30重量%乃至60重量%、例えば、40重量%乃至50重量%に含まれることができる。溶媒が前記範囲内に含まれる場合、感光性樹脂組成物の塗布性に優れており、平坦性に優れた塗膜を得ることができる。
【0130】
感光性樹脂組成物はCMOSイメージセンサのカラーフィルター用感光性樹脂組成物、具体的には、CMOSイメージセンサの青色カラーフィルター用感光性樹脂組成物に適用することができる。
【0131】
(感光性樹脂膜、カラーフィルター及びCMOSイメージセンサ)
他の一実施形態においては、感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜を提供する。
【0132】
また、他の一実施形態においては、感光性樹脂組成物を用いて製造されたカラーフィルターを提供する。
【0133】
また、他の一実施形態においては、カラーフィルターを含むCMOSイメージセンサを提供する。
【0134】
前記カラーフィルターの製造方法は次の通りである。
【0135】
ガラス基板上にスピン塗布、ローラ-塗布、スプレー塗布等の適当な方法を用いて、例えば、適切な厚さで上述した感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂組成物層を形成する。
【0136】
次に、感光性樹脂組成物層が形成された基板にカラーフィルターに必要なパターンを形成するように光を照射する。照射に用いられる光源としては、UV、電子線またはX線を用いることができ、例えば、190nm乃至450nm、具体的には、200nm乃至400nm領域のUVを照射することができる。照射する工程において、フォトレジストマスクを更に用いて行うこともできる。このように照射する工程を行った後、光源が照射された感光性樹脂組成物層を現像液で処理する。その際、感光性樹脂組成物層から非露光部が溶解することにより、カラーフィルターに必要なパターンが形成される。このような工程を必要な色の数に従って繰り返すことにより、所望のパターンを有するカラーフィルターを得ることができる。また、上述した工程において、現像により得られた画像パターンを再加熱したり、活性線照射等により硬化させたりすると、耐クラック性、耐溶剤性等を向上させることができる。
【0137】
以下、実施例を挙げて本発明に対して更に詳しく説明するが、下記の実施例は本発明の望ましい実施例であり、本発明が下記の実施例に限定されるものではない。
【0138】
(感光性樹脂組成物の製造)
(実施例1~実施例9及び比較例1~比較例6)
表1乃至3に示す組成で混合して感光性樹脂組成物を製造した。
【0139】
具体的には、溶媒に光重合開始剤を溶かした後、常温で30分間攪拌した後、それにバインダー樹脂を添加して常温で60分間攪拌した。次いで、得られた前記反応物に光重合性化合物及び着色剤(顔料分散液)を入れて常温で30分間攪拌した。追加に、添加剤を入れて常温で30分間攪拌した。次いで、前記生成物を2回ろ過して不純物を除去することにより、感光性樹脂組成物を製造した。
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
表1~表3において、使用された各成分は次の通りである。
【0144】
(A)添加剤
(A-1)フッ素系界面活性剤(製品名:F-556、製造会社:DIC)の稀釈液(分散媒:PGMEA)
(A-2)フッ素系界面活性剤(製品名:F-553、製造会社:DIC)の稀釈液(分散媒:PGMEA)
(A-3)シラン系カップリング剤(製品名:KBM-503、製造会社:Shinetsu)
【0145】
(B)バインダー樹脂
(B-1)アクリル系バインダー樹脂(製品名:RY-92、製造会社:昭和電工、重量平均分子量:5,000~20,000g/mol、酸価:30~180KOHmg/g)の分散液(溶媒:PGMEA)
【0146】
(C)光重合性化合物
(C-1)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、製造会社:日本火薬)
【0147】
(D)光重合開始剤
(D-1)オキシム系開始剤(製品名:SPI-03、製造会社:三養社)
【0148】
(E)着色剤
(E-1)B15:6及びV23の混合顔料分散液(溶媒:PGMEA)
【0149】
(F)溶媒
(F-1)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、沸点:146.4℃、製造会社:シグマアルドリッチ)
(F-2)n-ブチルアルコール(n-BA、沸点:117.7°C℃@1atm、製造会社:シグマアルドリッチ)
【0150】
(評価例1:感光性樹脂組成物の粘度)
25℃下で、実施例1~実施例9及び比較例1~比較例6による感光性樹脂組成物を4gずつ塗布し、レオメーター(Rheometer)を用いて粘度を評価した。その評価結果を表4に記載した。
【0151】
【0152】
(評価例2:カラーフィルターの表面特性)
(1)表面の粗さ
実施例1~実施例9及び比較例1~比較例6による感光性樹脂組成物を8インチSi基板上にスピンコーター(Mikasa社製、Opticoat MS-A150)を用いてコーティングした後、熱板(hot-plate)を用いて100℃で180秒間ソフトベ-キング(soft-baking)を行い、i-line stepper(Nikon社製、NSR-2005i10C)で1000msecの間の光を照射して露光した。露光は、
図1における四角形で示された部位に行った。
【0153】
露光した基板を室温で0.19%TMAH水溶液でスプレー&パドル方式で現像した後、熱板(hot-plate)で200℃で5分間ハードベ-キング(Hard-baking)を行った。それにより、Si基板上に5000Å厚さの感光性樹脂膜が形成されたカラーフィルター試験片を得た。
【0154】
得られた各カラーフィルター試験片に対して、顕微鏡(モデル名:BX51、製造会社:オリンパス)を用いて200倍率でイメージを撮影した。撮影されたイメージを陰影処理した後、右側から2番目の四角形部位での表面粗さ(roughness)を目視で確認し、表面が粗くない場合は「良い」、表面が粗い場合は「悪い」、表面が非常に粗い場合は「非常に悪い」として、下記表5に記載した。
【0155】
(2)表面の格子縞
前記から得られた各カラーフィルター試験片に対して、目視で識別される格子縞を確認し、格子縞が鮮明に識別される場合は「良い」、格子縞が不明確に識別される場合は「悪い」、格子縞が識別されない場合は「非常に悪い」として、下記表5に記載した。
【0156】
(3)厚さ
前記で得られた各カラーフィルター試験片に対して、厚さ測定器(モデル名:P-16、製造会社:KLA)を用いて50μm/sのスキャニング(scanning)速度で1000μmの厚さのプロファイルを測定し、その測定結果を
図2に示した。
【0157】
【0158】
前記表4及び表5を総合的に評価すると、レベリング剤の含有量により感光性樹脂組成物の粘度が異なり、特にレベリング剤が感光性樹脂組成物の総量中の15ppm乃至30ppmに含まれる場合、初めてカラーフィルター試験片の表面粗さと格子縞が改善されることが分かる。
【0159】
これにより、レベリング剤を用いるが、その含有量を感光性樹脂組成物の総量中の15ppm乃至30ppmに最適化することにより、感光性樹脂組成物を基板または下部感光性樹脂膜上に均一にコーティングさせることができる。
【0160】
ひいては、実施例1~実施例9に代表される一実施形態の感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜及びカラーフィルターは、表面平滑度に優れており、イメージセンサの画質を一定の水準で実現することに寄与できる。
【0161】
以上、本発明の望ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明及び添付した図面の範囲内で様々に変形して実施することが可能であり、また、本発明の範囲に属することは当然である。