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特開2024-4275基板処理装置、半導体装置の製造方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004275
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】基板処理装置、半導体装置の製造方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20240109BHJP
   H01L 21/285 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
C23C16/455
H01L21/285 C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103864
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野内 英博
【テーマコード(参考)】
4K030
4M104
【Fターム(参考)】
4K030AA03
4K030AA13
4K030BA18
4K030BA38
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA01
4K030EA03
4K030EA11
4K030FA10
4K030GA02
4K030GA12
4K030HA01
4K030KA41
4K030LA15
4M104BB30
4M104DD43
4M104DD44
4M104DD45
4M104HH13
(57)【要約】
【課題】処理容器内の熱を利用して省エネルギー化を図りつつ、基板上に形成される膜の特性を向上させることが可能な技術を提供する。
【解決手段】基板を処理する処理容器と、前記処理容器の外壁に少なくとも一部が接触し、前記処理容器内に供給するガスを貯留する貯留容器と、前記貯留容器内の温度を調整する温度調整部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する処理容器と、
前記処理容器の外壁に少なくとも一部が接触し、前記処理容器内に供給するガスを貯留する貯留容器と、
前記貯留容器内の温度を調整する温度調整部と、
を有する基板処理装置。
【請求項2】
前記温度調整部は、前記貯留容器内の温度を、当該貯留容器内に貯留するガスの分解温度よりも低い温度に調整することが可能なように構成される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記温度調整部は、前記貯留容器内の温度を、前記基板の処理温度よりも低い温度に調整することが可能なように構成される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
第1の圧力で前記ガスが前記貯留容器に供給された後、前記第1の圧力以下の第2の圧力で前記ガスを貯留する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記貯留容器とは異なる貯留容器内に不活性ガスを貯留する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記処理容器内に第1ガスを供給した後に、前記第1ガスとは異なる第2ガスを供給する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記貯留容器内には、前記第1ガスと前記第2ガスのうち少なくとも1つのガスを貯留する、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
基板を処理する処理容器の外壁に少なくとも一部が接触し、温度調整部により内部の温度が調整される貯留容器内にガスを貯留する工程と、
前記貯留容器内に貯留したガスを前記処理容器内に供給する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記ガスを貯留する工程では、前記温度調整部により前記貯留容器内の温度を、当該貯留容器内に貯留する前記ガスの分解温度よりも低い温度に調整する、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記温度調整部は、前記貯留容器内の温度を、前記基板の処理温度よりも低い温度に調整することが可能なように構成される、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記ガスを第1の圧力で前記貯留容器内に供給する工程を有し、
前記ガスを貯留する工程では、前記ガスを前記第1の圧力で前記貯留容器内に供給した後、前記第1の圧力以下の第2の圧力で前記貯留容器内に前記ガスを貯留する、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記貯留容器とは異なる貯留容器内に不活性ガスを貯留する工程を有する、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記処理容器内に第1ガスを供給した後に、前記第1ガスとは異なる第2ガスを供給する工程を有する、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記ガスを貯留する工程では、前記第1ガスと前記第2ガスのうち少なくとも1つのガスを前記貯留容器内に貯留する、請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
基板を処理する処理容器の外壁に少なくとも一部が接触し、温度調整部により内部の温度が調整される貯留容器内にガスを貯留する手順と、
前記貯留容器内に貯留したガスを前記処理容器内に供給する手順と、
をコンピュータを用いて基板処理装置に実行させるプログラム。
【請求項16】
前記ガスを貯留する手順では、前記温度調整部により前記貯留容器内の温度を、当該貯留容器内に貯留する前記ガスの分解温度よりも低い温度に調整するよう、コンピュータを用いて前記基板処理装置に実行させる請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記ガスを第1の圧力で前記貯留容器内に供給する手順を有し、
前記ガスを貯留する手順では、前記ガスを前記第1の圧力で前記貯留容器内に供給した後、前記第1の圧力以下の第2の圧力で前記貯留容器内に前記ガスが貯留されるよう、コンピュータを用いて前記基板処理装置に実行させる請求項15に記載のプログラム。
【請求項18】
前記貯留容器内に不活性ガスを貯留する手順を、コンピュータを用いて前記基板処理装置に実行させる請求項15に記載のプログラム。
【請求項19】
前記処理容器内に第1ガスを供給した後に、前記第1ガスとは異なる第2ガスを供給する手順を、コンピュータを用いて前記基板処理装置に実行させる請求項15に記載のプログラム。
【請求項20】
前記ガスを貯留する手順では、前記第1ガスと前記第2ガスのうち少なくとも1つのガスを前記貯留容器内に貯留するよう、コンピュータを用いて前記基板処理装置に実行させる請求項19に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置、半導体装置の製造方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板に成膜する際に、ガス供給管に設けられたタンク内にガスを充填してから、タンク内に充填されたガスを処理室内に供給するバッチ式の基板処理装置を用いることがある(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-222265号公報
【特許文献2】特開2012-67328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
枚葉式の基板処理装置においても、高アスペクト比構造の基板に対してカバレッジ性能を向上させるため、処理容器内に一度に大量のガスを供給するタンクを用いて処理することが予想される。また、これらのタンクを均一に温めるため、それぞれのタンクを加熱する加熱装置が必要となり、省エネルギー化が必要な課題となっている。
【0005】
本開示は、処理容器内の熱を利用して省エネルギー化を図りつつ、基板上に形成される膜の特性を向上させることが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、
基板を処理する処理容器と、
前記処理容器の外壁に少なくとも一部が接触し、前記処理容器内に供給するガスを貯留する貯留容器と、
前記貯留容器内の温度を調整する温度調整部と、
を有する技術が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、処理容器内の熱を利用して省エネルギー化を図りつつ、基板上に形成される膜の特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一態様で好適に用いられる基板処理装置の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面図で示す図である。
図2】本開示の一態様で好適に用いられる基板処理装置のコントローラの概略構成図であり、コントローラの制御系をブロック図で示す図である。
図3】本開示の一態様で好適に用いられる基板処理シーケンスを示す図である。
図4】本開示の一態様で好適に用いられる基板処理シーケンスの変形例を示した図である。
図5】本開示の一態様で好適に用いられる基板処理シーケンスの変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一態様について、図面を用いて説明する。なお、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面に示される、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。
【0010】
(1)基板処理装置の構成
図1に示されているように、基板処理装置100は、処理容器202を備えている。処理容器202は、例えば横断面が円形であり扁平な密閉容器として構成されている。また、処理容器202は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)などの金属材料により構成されている。処理容器202内には、基板としてのウエハWを処理する処理空間205と、ウエハWを処理空間205に搬送する際にウエハWが通過する搬送空間206とが形成されている。処理容器202は、上部容器202aと下部容器202bで構成される。上部容器202aと下部容器202bの間には仕切り板208が設けられる。
【0011】
下部容器202bの側面には、ゲートバルブ149に隣接した基板搬入出口204が設けられており、ウエハWは基板搬入出口204を介して図示しない搬送室との間を移動する。下部容器202bの底部には、リフトピン207が複数設けられている。
【0012】
処理空間205には、ウエハWを支持する基板支持部210が配される。基板支持部210は、ウエハWを載置する基板載置面211と、基板載置面211を表面に持つ基板載置台212、基板載置台212内に設けられた加熱源としてのヒータ213を主に有する。基板載置台212には、リフトピン207が貫通する貫通孔214が、リフトピン207と対応する位置にそれぞれ設けられている。ヒータ213にはヒータ制御部220が接続され、コントローラ280の指示によって所望の温度に加熱される。
【0013】
処理空間205の上部(すなわち上流側)には、ガス分散機構としてのシャワーヘッド230が設けられている。シャワーヘッド230の蓋231にはガス導入孔231a~231dが設けられる。ガス導入孔231a~231dは、それぞれ242a~242dと連通する。
【0014】
シャワーヘッド230は、ガスを分散させるための分散機構としての分散板234を備えている。この分散板234の上流側がバッファ空間232であり、下流側が処理空間205である。分散板234には、ガス供給口である複数の貫通孔234aが設けられている。分散板234は、基板載置面211と対向するように配置されている。分散板234は例えば円盤状に構成される。貫通孔234aは分散板234の全面にわたって設けられている。
【0015】
上部容器202aはフランジを有し、フランジ上に支持ブロック233が載置され、固定される。支持ブロック233はフランジを有し、フランジ上には分散板234が載置され、固定される。更に、蓋231は支持ブロック233の上面に固定される。
【0016】
(ガス供給部)
シャワーヘッド230の蓋231に設けられたガス導入孔231a~231dと連通するよう、蓋231には第1ガス供給管242a~242dがそれぞれ接続される。
【0017】
(第1ガス供給系)
第1ガス供給管242aには、上流方向から順に、第1ガス供給源243a、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)244a、及び開閉弁であるバルブ245a、貯留容器としてのタンク246a、バルブ247aが設けられている。
【0018】
第1ガス供給管242aからは、処理ガスであり、原料ガスである第1ガスが、MFC244a、バルブ245a、タンク246a、バルブ247a、ガス導入孔231a、バッファ空間232、貫通孔234aを介して処理空間205に供給される。
【0019】
主に、第1ガス供給管242a、MFC244a、バルブ245a、タンク246a、バルブ247aにより、第1ガス供給系が構成される。なお、第1ガス供給源243aを、第1ガス供給系に含めてもよい。
【0020】
(第2ガス供給系)
第2ガス供給管242bには、上流方向から順に、第2ガス供給源243b、MFC244b、バルブ245b、タンク246b、バルブ247bが設けられている。
【0021】
第2ガス供給管242bからは、処理ガスであり、反応ガスである第2ガスが、MFC244b、バルブ245b、タンク246b、バルブ247b、ガス導入孔231b、バッファ空間232、貫通孔234aを介して処理空間205に供給される。
【0022】
主に、第2ガス供給管242b、MFC244b、バルブ245b、タンク246b、バルブ247bにより、第2ガス供給系が構成される。なお、第2ガス供給源243bを、第2ガス供給系に含めてもよい。
【0023】
(第3ガス供給系)
第3ガス供給管242cには、上流方向から順に、第3ガス供給源243c、MFC244c、バルブ245c、タンク246c、バルブ247cが設けられている。
【0024】
第3ガス供給管242cからは、不活性ガスが、MFC244c、バルブ245c、タンク246c、バルブ247c、ガス導入孔231c、バッファ空間232、貫通孔234aを介して処理空間205に供給される。
【0025】
主に、第3ガス供給管242c、MFC244c、バルブ245c、タンク246c、バルブ247cにより、第3ガス供給系(不活性ガス供給系ともいう)が構成される。なお、第3ガス供給源243cを、第3ガス供給系に含めてもよい。
【0026】
(第4ガス供給系)
第4ガス供給管242dには、上流方向から順に、第4ガス供給源243d、MFC244d、バルブ245d、タンク246d、バルブ247dが設けられている。
【0027】
第4ガス供給管242dからは、不活性ガスが、MFC244d、バルブ245d、タンク246d、バルブ247d、ガス導入孔231d、バッファ空間232、貫通孔234aを介して処理空間205に供給される。
【0028】
また、第4ガス供給管242d、MFC244d、バルブ245d、タンク246d、バルブ247dにより第4ガス供給系(不活性ガス供給系ともいう)が構成される。なお、第4ガス供給源243dを、第4ガス供給系に含めてもよい。
【0029】
また、第3ガス供給系と第4ガス供給系は、基板処理工程では、処理容器202内やシャワーヘッド230内に留まったガスをパージするパージガスとしても作用する。
【0030】
(タンク)
タンク246a~246dは、処理空間205内に供給するガスを、処理空間205内に供給する前に、それぞれ貯留するように構成されている。
【0031】
また、タンク246a~246dは、シャワーヘッド230の蓋231の上面であって、処理容器202の上面に載置されている。すなわち、処理容器202の外壁であって、処理容器202の上面に、タンク246a~246dの下面がそれぞれ接触して設けられている。言い換えれば、タンク246a~246dは、それぞれ処理容器202の外壁に少なくとも一部が接触して設けられている。タンク246a~246dはガスを供給するガス導入孔231a~231dの近傍に配置されることとなり、ガス供給時の無駄も少なくなる。
【0032】
また、タンク246a~246dは、それぞれのガス供給管242a~242dから第1の圧力でガスが供給された後、第1の圧力以下の第2の圧力でガスを貯留するように構成されている。これにより、タンク246a~246d内の貯留空間内でのガス分子同士の衝突による熱分解の促進を抑制できる。
【0033】
また、タンク246a~246dには、タンク246a~246d内を加熱するタンクヒータ300a~300dがそれぞれ設けられている。タンクヒータ300a~300dには温度調整部302が接続されている。
【0034】
温度調整部302は、タンク246a~246d内の温度を調整するよう構成されている。例えば、温度調整部302は、タンク246a~246d内の温度を、それぞれタンク内に貯留するガスの分解温度よりも低い温度に調整する。また、温度調整部302は、タンク246a~246d内の温度を、ウエハWの処理温度よりも低い温度に調整する。本明細書における処理温度とはウエハ200の温度または処理室201内の温度のことを意味する。これは、以下の説明においても同様である。
【0035】
シャワーヘッド230は、処理容器202内に第1ガス又は第2ガスを供給する際には、第1ガス供給部又は第2ガス供給部として機能する。また、シャワーヘッド230は、処理容器202内に不活性ガスを供給する際には、不活性ガス供給部として機能する。
【0036】
基板載置台212は、シャフト217によって支持される。シャフト217は、処理容器202の底部を貫通しており、さらに処理容器202の外部で昇降機構218に接続されている。
【0037】
昇降機構218を作動させてシャフト217および基板載置台212を昇降させることにより、基板載置台212は、基板載置面211上に載置されるウエハWを昇降させることが可能となる。なお、シャフト217下端部の周囲はベローズ219により覆われており、これにより処理空間205内は気密に保持されている。
【0038】
基板載置台212は、ウエハWの搬送時には、基板載置面211が基板搬入出口204に対向する位置まで下降する。そして、ウエハWの成膜時には、図1で示されるように、ウエハWが処理空間205の下方の所定の位置となるまで上昇する。
【0039】
(排気部)
処理容器202の雰囲気を排気する排気部を説明する。処理容器202には、処理空間205に連通するよう、排気管262が接続される。排気管262は、処理空間205の側方に設けられる。排気管262には、処理空間205内を所定の圧力に制御する圧力制御器であるAPC(Auto Pressure Controller)266が設けられる。APC266は開度調整可能な弁体(図示せず)を有し、コントローラ280からの指示に応じて排気管262のコンダクタンスを調整する。排気管262においてAPC266の上流側にはバルブ267が設けられる。
【0040】
排気管262、バルブ267、APC266をまとめて排気部と呼ぶ。更に、真空ポンプ269が設けられる。図示のように、真空ポンプ269は、排気管262を介して処理空間205の雰囲気を排気する。
【0041】
(コントローラ)
基板処理装置100は、基板処理装置100の各部の動作を制御するコントローラ280を有している。
【0042】
コントローラ280の概略を図2に示す。制御部(制御手段)であるコントローラ280は、CPU(Central Processing Unit)280a、RAM(Random Access Memory)280b、記憶部としての記憶装置280c、I/Oポート280dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM280b、記憶装置280c、I/Oポート280dは、内部バス280fを介して、CPU280aとデータ交換可能なように構成されている。
【0043】
コントローラ280には、例えばキーボード等として構成された入力装置281や、外部記憶装置282が接続可能に構成されている。更に、上位装置270にネットワークを介して接続される受信部283が設けられる。
【0044】
表示装置284には、各モニタ部で検出されたデータ等が表示される。なお、本態様においては入力装置281と別の部品として説明したが、それに限るものではない。例えば入力装置がタッチパネル等表示画面を兼ねるものであれば、入力装置281と表示装置284とを一つの部品としてもよい。
【0045】
記憶装置280cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置280c内には、後述する基板処理の手順や条件などが記載されたプロセスレシピやそれを実現するために基板処理装置の動作を制御する制御プログラムとしてのレシピプログラム、後述するテーブル等が読み出し可能に格納されている。なお、レシピプログラムは、後述する基板処理工程における各手順をコントローラ280に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このレシピプログラムや制御プログラム等を総称して、単にプログラムともいう。なお、本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プロセスレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。また、RAM280bは、CPU280aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0046】
I/Oポート280dは、ゲートバルブ149、昇降機構218、APC266、真空ポンプ269、MFC244a~244d、バルブ245a~245d,247a~247d、ヒータ制御部220、温度調整部302等、基板処理装置100の各構成に接続されている。
【0047】
CPU280aは、記憶装置280cからの制御プログラムを読み出して実行すると共に、入力装置281からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置280cからレシピプログラムを読み出すように構成されている。そして、CPU280aは、読み出されたレシピプログラムの内容に沿うように、ゲートバルブ149の開閉動作、昇降機構218の昇降動作、真空ポンプ269のオンオフ制御、MFC244a~244dの流量調整動作、バルブ245a~245d,247a~247d、APC266の開閉動作、ヒータ制御部220によるヒータ213の温度制御、温度調整部302によるタンクヒータ300a~300dの温度調整等を制御可能に構成されている。
【0048】
なお、コントローラ280は、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、ハードディスク等の磁気ディスク、DVD等の光ディスク、MOなどの光磁気ディスク、USBメモリ等の半導体メモリ)282を用いてコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本態様に係るコントローラ280を構成することができる。なお、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置282を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用い、外部記憶装置282を介さずにプログラムを供給するようにしても良い。なお、記憶装置280cや外部記憶装置282は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。なお、本明細書において、記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置280c単体のみを含む場合、外部記憶装置282単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。
【0049】
(2)基板処理工程
次に、基板処理装置100を使用して、半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、ウエハW上に薄膜を形成する処理を実施する方法の例について説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置100を構成する各部の動作はコントローラ280により制御される。
【0050】
以下、本態様の基板処理工程を、図3を用いて具体的に説明する。
【0051】
なお、本明細書において「ウエハ」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのもの」を意味する場合や、「ウエハとその表面に形成された所定の層や膜等との積層体(集合体)」を意味する場合(すなわち、表面に形成された所定の層や膜等を含めてウエハと称する場合)がある。また、本明細書において「ウエハの表面」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのものの表面(露出面)」を意味する場合や、「ウエハ上に形成された所定の層や膜等の表面、すなわち、積層体としてのウエハの最表面」を意味する場合がある。
【0052】
従って、本明細書において「ウエハに対して所定のガスを供給する」と記載した場合は、「ウエハそのものの表面(露出面)に対して所定のガスを直接供給する」ことを意味する場合や、「ウエハ上に形成されている層や膜等に対して、すなわち、積層体としてのウエハの最表面に対して所定のガスを供給する」ことを意味する場合がある。また、本明細書において「ウエハ上に所定の層(又は膜)を形成する」と記載した場合は、「ウエハそのものの表面(露出面)上に所定の層(又は膜)を直接形成する」ことを意味する場合や、「ウエハ上に形成されている層や膜等の上、すなわち、積層体としてのウエハの最表面の上に所定の層(又は膜)を形成する」ことを意味する場合がある。
【0053】
なお、本明細書において「基板」という言葉を用いた場合も、「ウエハ」という言葉を用いた場合と同様であり、その場合、上記説明において、「ウエハ」を「基板」に置き換えて考えればよい。
【0054】
(基板搬入・載置工程:ステップS10)
基板処理装置100では基板載置台212をウエハWの搬送位置まで下降させることにより、基板載置台212の貫通孔214にリフトピン207を貫通させる。その結果、リフトピン207が、基板載置台212表面よりも所定の高さ分だけ突出した状態となる。続いて、ゲートバルブ149を開き、図示しないウエハ移載機を用いて、処理容器202内にウエハW(処理基板)を搬入し、リフトピン207上にウエハWを移載する。これにより、ウエハWは、基板載置台212の表面から突出したリフトピン207上に水平姿勢で支持される。
【0055】
処理容器202内にウエハWを搬入したら、ウエハ移載機を処理容器202の外へ退避させ、ゲートバルブ149を閉じて処理容器202内を密閉する。その後、基板載置台212を上昇させることにより、基板載置台212に設けられた基板載置面211上にウエハWを載置する。
【0056】
なお、ウエハWを処理する処理容器202内に搬入する際には、排気系により処理容器202内を排気しつつ、不活性ガス供給系から処理容器202内に不活性ガスとしてのNガスを供給することが好ましい。すなわち、真空ポンプ269を作動させ、APC266を開けることにより処理容器202内を排気した状態で、少なくとも不活性ガス供給系のバルブを開けることにより、処理容器202内に不活性ガスを供給することが好ましい。これにより、処理容器202内へのパーティクルの侵入や、ウエハW上へのパーティクルの付着を抑制することが可能となる。また、真空ポンプ269は、少なくとも基板搬入・載置工程(S10)から後述する基板搬出工程(S16)が終了するまでの間は、常に作動させた状態とする。
【0057】
ウエハWを基板載置台212の上に載置する際は、基板載置台212の内部に埋め込まれたヒータ213に電力を供給し、ウエハWの表面が所定の温度となるよう制御される。この際、ヒータ213の温度は、温度センサにより検出された温度情報に基づいて、ヒータ制御部220によりヒータ213への通電具合を制御することによって調整される。そして、基板載置台212を上昇させることにより、ウエハWを、図1で示される位置に移動させる。
【0058】
また、タンクヒータ300a~300dの温度は、それぞれのタンク246a~246dに設けられた温度センサにより検出された温度情報に基づいて、温度調整部302によりタンクヒータ300a~300dへの通電具合を制御することによって調整される。
【0059】
このとき、温度調整部302は、タンク246a~246d内の温度を、それぞれのタンク内に貯留するガスの分解温度よりも低い温度に調整する。これにより、タンク内にガスが充填しているときの熱分解が抑制され、熱分解によって生じるパーティクルの発生を抑制することができる。また、温度調整部302は、タンク246a~246d内の温度を、ウエハWの処理温度よりも低い温度に調整する。これにより、ウエハWの処理時における熱分解によって生じる活性種量が少なくなってしまうのを抑制することができる。
【0060】
ここで、タンク246a~246dの下面(底面ともいう)は、処理容器202の上面にそれぞれ接触して設けられているため、タンク246a~246dからの放熱面積が小さくなり、タンク246a~246dからの放熱量が少なくなる。また、処理容器202内の熱をタンク246a~246d内の加熱に利用することが可能となる。これにより、温度調整部302によるタンクヒータ300a~300dに対する温度調整を小さくすることが可能となり、省エネルギー化を図ることができる。ここで、タンク246a~246dの縦横比はそれぞれ1以上であって、処理容器202との接触面が大きい方が好ましい。これによりタンク246a~246dの、処理容器202からの入熱量を多くして、タンク246a~246dからの放熱量を少なくすることができる。
【0061】
[薄膜形成工程]
(第1ガス供給:ステップS11)
そして、処理空間205内のウエハWに対して、第1ガスをフラッシュ供給する。
【0062】
ここで、フラッシュ供給とは、一度に大量のガスをバッファ空間232内に供給することをいう。具体的には、フラッシュ供給では、ガス供給管に設けられ、タンクヒータによって加熱されたタンク内に予めガスを第1の圧力で供給し、第1の圧力以下の第2の圧力で貯留する。これにより、タンク246a~246d内の貯留空間内でのガス分子同士の衝突による熱分解の促進を抑制できる。そして、ガスを供給する際に、タンクの下流側に設けられたバルブを開にすることにより、タンクを用いない場合と比較して大量のガスを速い速度で供給することができる。
【0063】
本ステップでは、バルブ245aを開き、MFC244aにより流量調整され、予め第1ガスを貯留したタンク246aから、バルブ247aを開いて第1ガス供給管242a内に第1ガスを供給し、所定時間経過後に、バルブ247aを閉じて第1ガス供給管242a内への第1ガスの供給を停止する。第1ガスは、第1ガス供給管242aから、ガス導入孔231a、バッファ空間232、貫通孔234aを介して、処理空間205内に一度に大量に供給され、排気管262から排気される。
【0064】
このとき、同時にバルブ245c,247c,245d,247dを開き、第3ガス供給管242c、第4ガス供給管242dから、それぞれ不活性ガスとしてNガスを供給してもよい。流量調整されたNガスは、第3ガス供給管242c、第4ガス供給管242d、ガス導入孔231c,231d、バッファ空間232、貫通孔234aを介して、処理空間205内に供給され、排気管262から排気される。
【0065】
このとき、基板載置台212にウエハWが支持された状態で、処理空間205内に第1ガスが供給される。ウエハWには第1ガスが供給される。
【0066】
第1ガスは、例えば金属含有ガスである。金属含有ガスとしては、例えば四塩化チタン(TiCl)ガス等が用いられる。
【0067】
(残留ガス除去:ステップS12)
次に、処理空間205内のウエハWに対して、不活性ガスをフラッシュ供給して、処理空間205内の残留ガスを除去する。
【0068】
本ステップでは、バルブ245c,245dを開き、MFC244c,244dにより流量調整され、予め不活性ガスを貯留したタンク246c,246dから、バルブ247c,247dを開いて第3ガス供給管242c、第4ガス供給管242d内にそれぞれ不活性ガスを供給し、所定時間経過後に、バルブ247c,247dを閉じて第3ガス供給管242c、第4ガス供給管242d内への不活性ガスの供給を停止する。不活性ガスは、第3ガス供給管242c、第4ガス供給管242dから、それぞれガス導入孔231c,231d、バッファ空間232、貫通孔234aを介して、処理空間205内に一度に大量に供給され、排気管262から排気される。これにより、タンクを用いない場合と比較して大量の不活性ガスを速い速度で供給することができる。
【0069】
このとき、排気管262のバルブ267、APC266は開いたままとして、真空ポンプ269により処理空間205内を真空排気し、処理空間205内に残留する未反応もしくは第1ガスの吸着に寄与した後の第1ガスや反応副生成物を処理空間205内から排除する(残留ガス除去)。Nガスはパージガスとして作用し、これにより、処理空間205内に残留する未反応もしくは第1ガスの吸着に寄与した後の第1ガスや反応副生成物を処理空間205内から排除する効果を高めることができる。
【0070】
(第2ガス供給:ステップS13)
そして、処理空間205内のウエハWに対して、第2ガスをフラッシュ供給する。
【0071】
本ステップでは、バルブ245bを開き、MFC244bにより流量調整され、予め第2ガスを貯留したタンク246bから、バルブ247bを開いて第2ガス供給管242b内に第2ガスを供給し、所定時間経過後に、バルブ247bを閉じて第2ガス供給管242b内への第2ガスの供給を停止する。第2ガスは、第2ガス供給管242bから、ガス導入孔231b、バッファ空間232、貫通孔234aを介して、処理空間205内に一度に大量に供給され、排気管262から排気される。
【0072】
このとき、同時にバルブ245c,247c,245d,247dを開き、第3ガス供給管242c、第4ガス供給管242dから、それぞれ不活性ガスとしてNガスを供給してもよい。流量調整されたNガスは、第3ガス供給管242c、第4ガス供給管242d、ガス導入孔231c,231d、バッファ空間232、貫通孔234aを介して、処理空間205内に供給され、排気管262から排気される。
【0073】
このとき、基板載置台212にウエハWが支持された状態で、処理空間205内に第2ガスが供給される。ウエハWには第2ガスが供給される。
【0074】
第2ガスは、第1ガスとは異なるガスであり、第1ガスと反応するガスである。ここでは、第2ガスは、例えば窒素(N)含有ガスとして説明する。具体的には、N含有ガスとして、アンモニア(NH)ガスが用いられる。第1ガスと第2ガスとが反応して、ウエハW上に窒化チタン(TiN)膜を形成する。
【0075】
(残留ガス除去:ステップS14)
そして、処理空間205内のウエハWに対して、不活性ガスをフラッシュ供給して、処理空間205内の残留ガスを除去する。
【0076】
本ステップでは、バルブ245c,245dを開き、MFC244c,244dにより流量調整され、予め不活性ガスを貯留したタンク246c,246dから、バルブ247c,247dを開いて第3ガス供給管242c、第4ガス供給管242d内にそれぞれ不活性ガスを供給し、所定時間経過後に、バルブ247c,247dを閉じて第3ガス供給管242c、第4ガス供給管242d内への不活性ガスの供給を停止する。不活性ガスは、第3ガス供給管242c、第4ガス供給管242dから、それぞれガス導入孔231c,231d、バッファ空間232、貫通孔234aを介して、処理空間205内に一度に大量に供給され、排気管262から排気される。
【0077】
このとき、排気管262のバルブ267、APC266は開いたままとして、真空ポンプ269により処理空間205内を真空排気し、処理空間205内に残留する未反応もしくは第1ガスの吸着に寄与した後の第1ガスや反応副生成物を処理空間205内から排除する(残留ガス除去)。Nガスはパージガスとして作用し、これにより、処理空間205内に残留する未反応もしくは第1ガスの吸着に寄与した後の第2ガスや反応副生成物を処理空間205内から排除する効果を高めることができる。
【0078】
(所定回数実施:ステップS15)
上述したステップS11~S14を1サイクルとして、このサイクルを所定回数(n回、nは1以上の整数)行うことにより、ウエハW上に所望膜厚の薄膜が形成される。
【0079】
(基板搬出工程:ステップS16)
次に、基板載置台212を下降させ、基板載置台212の表面から突出させたリフトピン207上にウエハWを支持させる。その後、ゲートバルブ149を開き、ウエハ移載機を用いてウエハWを処理容器202の外へ搬出する。その後、基板処理工程を終了する場合は、不活性ガス供給系から処理容器202内に不活性ガスを供給することを停止する。
【0080】
すなわち、処理空間205内の熱を利用してタンク246a~246dを加熱することが可能となり、加熱に必要な電力量の削減につながり省エネルギー化を図ることができる。また、タンク246a~246dを用いることによりウエハW上に形成される膜のカバレッジ性能等の膜の特性を向上させることができる。
【0081】
(3)変形例
上述の態様における基板処理シーケンスは、以下に示す変形例のように変形することができる。以下において、特に説明がない限り、変形例における構成は、上述した態様における構成と同様であり、説明を省略する。
【0082】
[変形例1]
図4は、変形例1に係る基板処理シーケンスを示す図である。
本変形例では、ウエハWに対して、上述した態様の基板処理工程におけるステップS12を行わない。すなわち、ウエハW上に第1ガスのフラッシュ供給(S11)と、第2ガスのフラッシュ供給(S13)を連続して行い、その後残留ガス除去(S14)を行う。本変形例においても、上述の態様と同様の効果が得られる。また、本変形例においては、さらに上述した態様の基板処理工程と比べて処理時間を短くすることができ、スループットを向上させることができる。本明細書における処理時間とは、その処理を継続する時間を意味する。これは、以下の説明においても同様である。
【0083】
[変形例2]
図5は、変形例2に係る基板処理シーケンスを示す図である。
本変形例では、ウエハWに対して、第1ガスのフラッシュ供給(S11)を開始し、第1ガスのフラッシュ供給を停止する前に、第2ガスのフラッシュ供給(S13)を開始する。そして、第2ガスのフラッシュ供給(S13)の開始後に、第1ガスのフラッシュ供給を停止し、第1ガスのフラッシュ供給を停止した後に、第2ガスのフラッシュ供給を停止する。すなわち、第1ガスのフラッシュ供給(S11)と、第2ガスのフラッシュ供給(S13)とを、一部重なるように行う。本変形例においても、上述の態様と同様の効果が得られる。また、本変形例においては、さらに上述した態様の基板処理工程及び変形例1と比べてさらに処理時間を短くすることができ、スループットを向上させることができる。
【0084】
以上、本開示の態様及び変形例を具体的に説明した。しかしながら、本開示は上述の態様及び変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0085】
例えば、上述した態様においては、タンク246a~246dに各種ガスを貯留して、処理空間205内のウエハWに対してフラッシュ供給する構成を用いて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、第1ガスと第2ガスのうち少なくとも1つのガスをタンクに貯留してフラッシュ供給するようにしてもよく、不活性ガスは、タンクを用いずに処理空間205内に供給するようにしても良い。本態様においても、上述の態様と同様の効果が得られる。
【0086】
また、上記態様において、タンク246a~246dのそれぞれにタンクヒータ300a~300dを設け、これらのタンクヒータ300a~300dを温度調整部302により調整する場合を用いて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、温度調整部を備えたタンクを用いても良い。本態様においても、上述の態様と同様の効果が得られる。
【0087】
なお、上記態様におけるガスは、上述したガス種に限定されるものではない。また、薄膜形成工程としては、第1ガスと第2ガスとを用いて薄膜を形成する場合を例にして説明したが、これに限らず、1つのガスや、3つ以上のガスを用いてもよい。本態様においても、上述の態様と同様の効果が得られる。
【0088】
また、上記態様では、第1ガス供給系~第4ガス供給系をそれぞれ蓋231に接続し、それぞれのガス供給管からそれぞれのガスを処理空間205内に供給する場合を用いて説明したが、これに限らず、第1ガス供給系~第4ガス供給系を1つのガス供給管に接続して、1つのガス供給管によりそれぞれのガスを処理空間205内に供給する供給するようにしてもよい。本態様においても、上述の態様と同様の効果が得られる。
【0089】
また、基板処理に用いられるレシピは、処理内容に応じて個別に用意し、電気通信回線や外部記憶装置282を介して記憶装置280c内に格納しておくことが好ましい。そして、基板処理を開始する際、CPU280aが、記憶装置280c内に格納された複数のレシピの中から、基板処理の内容に応じて、適正なレシピを適宜選択することが好ましい。これにより、1台の基板処理装置で様々な膜種、組成比、膜質、膜厚の膜を、再現性よく形成することができるようになる。また、オペレータの負担を低減でき、操作ミスを回避しつつ、処理を迅速に開始できるようになる。
【0090】
上述のレシピは、新たに作成する場合に限らず、例えば、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを変更することで用意してもよい。レシピを変更する場合は、変更後のレシピを、電気通信回線や当該レシピを記録した記録媒体を介して、基板処理装置にインストールしてもよい。また、既存の基板処理装置が備える入力装置281を操作し、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを直接変更するようにしてもよい。
【0091】
上述の態様では、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本開示は上述の態様に限定されず、例えば、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用することができる。また、上述の態様では、コールドウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本開示は上述の態様に限定されず、ホットウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用することができる。
【0092】
これらの基板処理装置を用いる場合においても、上述の態様や変形例と同様な処理手順、処理条件にて基板処理を行うことができ、これらと同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0093】
100 基板処理装置
202 処理容器
246a,246b,246c,246d タンク(貯留容器)
302 温度調整部
W ウエハ(基板)
図1
図2
図3
図4
図5