(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043203
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドユニット及び液滴吐出装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/14 20060101AFI20240322BHJP
B41J 2/16 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
B41J2/14 605
B41J2/16 503
B41J2/14 301
B41J2/16 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148254
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】三輪 圭史
(72)【発明者】
【氏名】平林 拓磨
【テーマコード(参考)】
2C057
【Fターム(参考)】
2C057AF21
2C057AG12
2C057AG29
2C057AG44
2C057AG81
2C057AP02
2C057AP25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】クロストークを防止しつつ、保持部材の接着面への異物混入による歩留まり低下を防止する。
【解決手段】ノズル板と振動板30との間に形成され複数のノズル孔に個別に接続する複数の個別液室と、個別液室と反対側の振動板30上に各個別液室と対応して配設された複数のアクチュエータ(圧電素子40)と、アクチュエータ及び振動板30と対向して配設されノズル板の周縁部に第1接合部7を介して接合された保持部材12と、保持部材12と振動板30との間に形成されアクチュエータを個々に収容する複数の収容空間とを有し、第1接合部7の内側であって収容空間を除く領域に、振動板30と保持部材12が接合されない非接合空間NAを形成すると共に、複数の収容空間相互間に、振動板30と保持部材12を接合する第2接合部2を設けたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズル孔を有するノズル板と、当該ノズル板の内側面と対向して配設された振動板と、前記ノズル板と前記振動板との間に形成され前記複数のノズル孔に個別に接続する複数の個別液室と、当該個別液室と反対側の前記振動板上に各個別液室と対応して配設された複数のアクチュエータと、当該アクチュエータ及び前記振動板と対向して配設され前記振動板の周縁部に第1接合部を介して接合された保持部材と、当該保持部材と前記振動板との間に形成され前記アクチュエータを個々に収容する複数の収容空間とを有し、前記アクチュエータを駆動して前記振動板を振動させることで前記個別液室に生じた圧力で前記ノズル孔から液滴を吐出するようにした液滴吐出ヘッドにおいて、
前記第1接合部の内側であって前記収容空間を除く領域に、前記振動板と前記保持部材が接合されない非接合空間を形成すると共に、前記複数の収容空間相互間に、前記振動板と前記保持部材を接合する第2接合部を設けたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項2】
前記第2接合部が、前記保持部材側に形成された保持部材側接合部と、前記振動板上に形成され前記保持部材側接合部に接着剤を介して接合する振動板側接合パターンを有することを特徴とする請求項1の液滴吐出ヘッド。
【請求項3】
前記第2接合部が、前記複数のノズル孔の配列方向を横断する方向に延びる1本の線状に形成されていることを特徴とする請求項2の液滴吐出ヘッド。
【請求項4】
前記第2接合部が、前記複数のノズル孔の配列方向を横断する方向に延びる2本の線状に形成されていることを特徴とする請求項2の液滴吐出ヘッド。
【請求項5】
前記線状の第2接合部の線幅が20~50μmであることを特徴とする請求項3又は4の液滴吐出ヘッド。
【請求項6】
請求項3又は4の前記第2接合部が、前記保持部材側に形成された1本又は2本の線状の保持部材側接合部と、前記振動板上に形成され前記保持部材側接合部に接着剤を介して接合する2本の線状の振動板側接合パターンを有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項7】
前記第2接合部が、前記収容空間を包囲する形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2の液滴吐出ヘッド。
【請求項8】
前記第1接合部の内側であって前記収容空間を除く領域に、前記保持部材と前記振動板を貫通して前記個別液室に液体を供給する液体供給通路が形成され、当該液体供給通路の周囲に前記振動板と前記保持部材を接合する第3接合部が設けられていることを特徴とする請求項1の液滴吐出ヘッド。
【請求項9】
前記第3接合部の断面形状を前記液体供給通路の断面形状と同一形状にしたことを特徴とする請求項8の液滴吐出ヘッド。
【請求項10】
前記第3接合部が、前記保持部材側に形成された通路接合部と、前記振動板上に形成された通路接合パターンを有することを特徴とする請求項8の液滴吐出ヘッド。
【請求項11】
前記第1接合部と前記第2接合部の間に、前記振動板と前記保持部材を接合する第4接合部が設けられていることを特徴とする請求項1の液滴吐出ヘッド。
【請求項12】
前記第4接合部が、前記保持部材側に形成された島状接合部と、前記振動板上に形成され前記島状接合部に接着剤を介して接合する島状接合パターンを有することを特徴とする請求項11の液滴吐出ヘッド。
【請求項13】
前記島状接合パターンに複数の凹部が形成されていることを特徴とする請求項12の液滴吐出ヘッド。
【請求項14】
前記接着剤のヤング率が2GPa以上であることを特徴とする請求項2の液滴吐出ヘッド。
【請求項15】
前記保持部材の厚みが300~500μmであることを特徴とする請求項1の液滴吐出ヘッド。
【請求項16】
請求項1から4、8から15のいずれか1項の液滴吐出ヘッドが複数搭載されていることを特徴とする液滴吐出ヘッドユニット。
【請求項17】
請求項16の液滴吐出ヘッドユニットが搭載されていることを特徴とする液滴吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドユニット及び液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液滴吐出装置は、例えば特許文献1(特許第6064688号公報)のインクジェット方式のように、振動板をアクチュエータ(圧電素子)で振動させることで個別液室に圧力を発生させ、この圧力でノズル板に形成された微細なノズル孔から液滴を吐出する。液滴吐出装置は様々な分野で使用され、例えば自動車の車体に図形等を高画質で描画したり、あるいは液体レジストやDNA試料を液滴として吐出したりするのに使用される。
【0003】
特許文献1には、振動板、圧電素子及び個別液室をシリコン基板上に一体形成したアクチュエータ基板と、このアクチュエータ基板を片側から補強する保持部材(サブフレーム)と、保持部材とは反対側で個別液室に対向するノズル板とを貼り合わせた液滴吐出ヘッドが開示されている。近年、ノズル間ピッチの狭ピッチ化で描画解像度を向上した液滴吐出ヘッドが使用されつつある。これに伴い、アクチュエータ基板上の圧電素子間ピッチも狭ピッチ化が進行している。この狭ピッチ化には、半導体プロセスを応用したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術などが応用されている。
【0004】
従来、アクチュエータ基板と保持部材は、狭ピッチ化された圧電素子間のクロストーク(相互干渉)発生を防止するため、圧電素子を収容する収容空間を除いてほぼ全面が接着剤(ベタ膜)で貼り合わされていた。MEMS工程はクリーンルームで行われるが、アクチュエータ基板と保持部材との貼り合わせ接着面(ベタ膜)に、10μm未満の微細な異物が混入して閉じ込められることがある。そうすると、アクチュエータ基板の割れや基板特性の不良などが発生し、基板の歩留まりが低下する。
【0005】
また、ベタ膜面積が大きいと圧電素子側への接着剤のはみ出しが発生しやすく、接着剤がはみ出すと液滴吐出性能が影響を受ける。また、接着剤の塗布条件がばらついた場合、アクチュエータ基板全体の接着剤使用量に差が出やすく、ベタ膜の残留応力のバラつきで基板ごとに液滴吐出特性の差が生じやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明の目的は、クロストークを防止しつつ、保持部材の接着面への異物混入による歩留まり低下を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明の液滴吐出ヘッドは、複数のノズル孔を有するノズル板と、当該ノズル板の内側面と対向して配設された振動板と、前記ノズル板と前記振動板との間に形成され前記複数のノズル孔に個別に接続する複数の個別液室と、当該個別液室と反対側の前記振動板上に各個別液室と対応して配設された複数のアクチュエータと、当該アクチュエータ及び前記振動板と対向して配設され前記振動板の周縁部に第1接合部を介して接合された保持部材と、当該保持部材と前記振動板との間に形成され前記アクチュエータを個々に収容する複数の収容空間とを有し、前記アクチュエータを駆動して前記振動板を振動させることで前記個別液室に生じた圧力で前記ノズル孔から液滴を吐出するようにした液滴吐出ヘッドにおいて、前記第1接合部の内側であって前記収容空間を除く領域に、前記振動板と前記保持部材が接合されない非接合空間を形成すると共に、前記複数の収容空間相互間に、前記振動板と前記保持部材を接合する第2接合部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、クロストークを防止しつつ保持部材の接着面への異物混入による歩留まり低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本発明の実施形態に係る液滴吐出装置の概略図である。
【
図1B】液滴吐出装置のヘッドユニットの平面図である。
【
図2A】本発明の実施形態に係るヘッドユニットの分解斜視図である。
【
図2B】ヘッドユニットのノズル面側から見た分解斜視図である。
【
図3】ヘッドユニットの短手方向に沿った断面図である。
【
図4】第1実施形態の液滴吐出ヘッドの(a)保持部材のアクチュエータ基板側接合面と(b)アクチュエータ基板の保持部材側接合面である。
【
図4A】アクチュエータ基板の(a)平面図と(b)A-A'断面図である。
【
図4B】アクチュエータ基板のB-B'断面図である。
【
図4C】アクチュエータ基板のC-C'断面図である。
【
図4D】アクチュエータ基板のD-D'断面図である。
【
図5】従来の保持部材のアクチュエータ基板側接合面である。
【
図5A】アクチュエータ基板と保持部材のA''-A'''断面図である。
【
図5B】アクチュエータ基板と保持部材のB''-B'''断面図である。
【
図5C】アクチュエータ基板と保持部材のC''-C'''断面図である。
【
図5D】アクチュエータ基板と保持部材のD''-D'''断面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態の液滴吐出ヘッドの(a)保持部材のアクチュエータ基板側接合面と(b)E-E'断面図である。
【
図7】本発明の第3実施形態の液滴吐出ヘッドの(a)保持部材のアクチュエータ基板側接合面と(b)F-F'断面図である。
【
図8】本発明の第4実施形態の(a)アクチュエータ基板の保持部材側接合面の平面図、(b)第4接合部の島状接合パターンの拡大平面図、(c)G-G'断面図、及び(d)島状接合パターンの平面図である。
【
図9】(a)変型例1に係る第1~第4接合部を示すアクチュエータ基板の平面図と(b)変型例2に係る第3接合部の変型例の平面図である。
【
図10】本発明の(a)変型例3に係る第1実施形態の変型例と、(b)変型例4に係る第3実施形態の変型例を示す平面図である。
【
図11】変型例5に係る第2実施形態の変型例を示す平面図である。
【
図12】変型例6に係る保持部材とアクチュエータ基板の接合部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略または簡略化がなされている。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素及び相当部分には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0011】
(●印刷装置)
次に、本発明に係る液滴吐出装置の一例について
図1Aと
図1Bを参照して説明する。
図1Aは液滴吐出装置を使用する印刷装置500の概略図、
図1Bは印刷装置500に使用するヘッドユニット100の平面図である。
【0012】
この印刷装置500は、連帳紙510を搬入する搬入手段501と、搬入手段501から搬入された連帳紙510を印刷手段505に案内搬送する案内搬送手段503と、連帳紙510に対して液滴を吐出して画像を形成する印刷を行う印刷手段505と、連帳紙510を乾燥する乾燥手段507と、連帳紙510を搬出する搬出手段509などを備えている。
【0013】
連帳紙510は搬入手段501の元巻きローラ511から送り出され、搬入手段501、案内搬送手段503、乾燥手段507、搬出手段509の各ローラによって案内、搬送されて、搬出手段509の巻取りローラ591にて巻き取られる。この連帳紙510は、印刷手段505において、搬送ガイド部材559上をヘッドユニット550に対向して搬送され、ヘッドユニット550から吐出される液体によって画像が印刷される。
【0014】
ここで、ヘッドユニット550には、
図1Bに示すように、本発明に係る二つのヘッドユニット100A、100Bを共通ベース部材552に備えている。そして、ヘッドユニット100の搬送方向と直交する方向におけるヘッド101の並び方向をヘッド配列方向とするとき、ヘッドユニット100Aのヘッド列1A1,1A2で同じ色の液滴を吐出する。同様に、ヘッドユニット100Aのヘッド列1B1、1B2を組とし、ヘッドユニット100Bのヘッド列1C1、1C2を組とし、ヘッド列1D1、1D2を組として、それぞれ所要の色の液滴を吐出する。
【0015】
なお、本発明に係るヘッドユニットは、機能部品、機構と一体化して液体吐出ユニットを構成することができる。例えば、ヘッドユニットと、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構、液体循環装置の構成の少なくとも一つを組み合わせることができる。
【0016】
ここで、一体化とは、例えば、ヘッドユニットと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、ヘッドユニットと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
【0017】
また、本発明における「液滴吐出装置」には、ヘッドユニット又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液滴を吐出させる装置が含まれる。液滴吐出装置には、液体が付着可能なものに対して液滴を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0018】
この「液滴吐出装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。例えば、「液滴吐出装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0019】
また、「液滴吐出装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0020】
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0021】
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。また、「液滴吐出装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0022】
また、「液滴吐出装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。
【0023】
より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどである。これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0024】
液滴を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
【0025】
(●ヘッドユニット)
次に、本発明の一実施形態に係るヘッドユニットついて
図2A、
図2B、
図3を参照して説明する。
図2Aはヘッドユニットの保持部材側から見た分解斜視図であり、
図2Bはノズル板側から見た分解斜視図である。また
図3は、ヘッドユニットの短手方向に沿う断面図である。
【0026】
ヘッドユニット100は、液滴を吐出する液体吐出ヘッドである複数のヘッド101と、ベース部材102と、カバー部材103と、放熱部材104と、マニホールド105と、プリント基板(PCB)106と、モジュールケース107とを備えている。
【0027】
複数のヘッド101は、ノズル孔11を形成したノズル板10と、ノズル孔11に通じる個別液室21などを形成する個別流路板20と、圧電素子40を含む振動板30と、振動板30に積層した振動板30の保持部材としての中間流路板50と、中間流路板50に積層した共通流路部材70などを備えている。
【0028】
個別流路板20は、個別液室21とともに、個別液室21に通じる供給側個別流路22、個別液室21に通じる回収側個別流路24を形成している。中間流路板50は、供給側個別流路22に振動板30の開口31を介して通じる供給側中間個別流路51と、回収側個別流路24に振動板30の開口32を介して通じる回収側中間個別流路52とを形成している。
【0029】
共通流路部材70は、供給側中間個別流路51に通じる供給側共通流路71と、回収側中間個別流路52に通じる回収側共通流路72を形成している。供給側共通流路71はマニホールド105の流路151を介して供給ポート81に通じている。回収側共通流路72はマニホールド105の流路152を介して回収ポート82に通じている。
【0030】
プリント基板106とヘッド101の圧電素子40とは、フレキシブル配線部材90を介して接続されている。フレキシブル配線部材90には、ドライバIC(駆動回路)91が実装されている。
【0031】
本実施形態では、複数のヘッド101が間隔を空けてベース部材102に取付けられている。ヘッド101のベース部材102への取付けは、ベース部材102に設けた開口部121にヘッド101を挿入し、ベース部材102に接合固定したカバー部材103に、ヘッド101のノズル板10の周縁部を接合して固定している。
【0032】
また、ヘッド101の共通流路部材70の外部に設けたフランジ部70aを、ベース部材102に接合して固定している。なお、ヘッド101とベース部材102に固定構造は限定されるものではなく、接着、カシメ、ねじ固定などで行うことができる。
【0033】
ここで、ベース部材102は線膨張係数が低い材料で形成されていることが好ましい。例えば、鉄にニッケルを添加した42alloy(アロイ)や、インバー材などを挙げることができる。
【0034】
本実施形態では、インバー材を使用している。これにより、ヘッド101が発熱して、ベース部材102の温度が上昇しても、ベース部材102の膨張量が少ないため、所定のノズル位置からのノズルのずれが生じにくくなり、着弾位置ずれを抑制できる。
【0035】
同様に、ノズル板10及び個別流路板20、振動板30はシリコン単結晶基板で形成し、ベース部材102の線膨張係数を略同じにしている。これにより、熱膨張によるノズル位置ずれを低減することができる。
【0036】
(●第1実施形態)
次に、前述した振動板30と中間流路板50の接合構造を説明する。以下の説明と参照する図面では、前述した中間流路板50を、振動板30の保持部材12として説明する。
【0037】
図4(a)は、保持部材12を振動板30側から見た平面図である。また、
図4(b)は振動板30を保持部材12側から見た平面図である。
【0038】
振動板30上には前述したように圧電素子40が配設されている。圧電素子40は機能配線部4によって外部に接続されている。圧電素子40が配設された振動板30は、アクチュエータ基板ともいう。
図4Aに示すように、振動板30の下側の複数の個別液室21は、隔壁26によって相互独立に仕切られている。
【0039】
(●第1接合部、第2接合部)
保持部材12は横長矩形状であり、保持部材12の四辺に沿って第1接合部7が所定幅で形成されている。この矩形枠状の第1接合部7が、振動板30の四辺に接着剤を介して接合される。
【0040】
接着剤は例えば樹脂材料を使用することができ、詳しくは例えばエポキシ系の熱硬化型接着剤を使用することができる。接着剤のヤング率は、好ましくは2GPa以上とすることができる。接着剤の塗布厚は、例えば1.0~3.0μmとすることができる。
【0041】
保持部材12の長手方向に、複数の第2接合部2が2列で形成されている。各第2接合部2は1本の線状に形成されている。第2接合部2は、保持部材12の短手方向に対して所定角度で傾斜して形成されている。振動板30上のスペースを有効利用して狭ピッチ化対応にするためである。
【0042】
第2接合部2相互間に、振動板30上の圧電素子40を収容する収容空間14が形成されている。第2接合部2の長さは、隣接する第2接合部2の両端同士を結ぶ2本の平行な直線の間に収容空間14が収まる長さである。
【0043】
ここでいう収容空間14は、その周囲を区画する部材を必ずしも必要としない。収容空間14は圧電素子40を収容可能なスペースがあればよい。
【0044】
第2接合部2は、好ましくは、幅20μm~50μm、高さ15μm~50μmとすることができる。保持部材12は、好ましくは厚み300μm~500μmとすることができる。
【0045】
第2接合部2は、
図4A(a)(b)と
図12に示すように、非機能配線部3と接着剤ADを介して振動板30に接合されている。この第2接合部2によって、圧電素子40相互間のクロストークを抑制するようにしている。
【0046】
非機能配線部3は一対で構成されている。一対の非機能配線部3は第2接合部2とほぼ同じ幅W1で配設され、非機能配線部3相互間に隙間を形成している。この隙間の機能については
図12で後述する。
【0047】
接着剤ADは、例えばエポキシ系の熱硬化型接着剤を使用することができる。接着剤ADのヤング率は、好ましくは2GPa以上とすることができる。接着剤ADの塗布厚は、例えば1.0~3.0μmとすることができる。
【0048】
2列の第2接合部2相互間に、各収容空間14に対応して、2つ一組の液体供給通路8が形成されている。この液体供給通路8は、
図4Bのように振動板30に形成された2つ一組の液体供給通路9に接続されている。そして振動板30の液体供給通路9は、各個別液室21に接続されている。一方、液体供給通路8の上流側は、複数の圧力室にそれぞれ繋がる複数の液体供給通路に接続する本流(共通共通路)に接続する。
【0049】
(●第3接合部)
保持部材12の液体供給通路8の周囲には、
図4Bのように、保持部材12と一体の第3接合部5が形成されている。この第3接合部5は、好ましくは高さ15μm~50μmとすることができる。
【0050】
第3接合部5は、2つの液体供給通路8を包囲するように矩形状に形成され、接着剤ADを介して振動板30の液体供給通路9の周囲に接合されている。接着剤ADは、例えばエポキシ系の熱硬化型接着剤を使用することができる。接着剤ADのヤング率は、好ましくは2GPa以上とすることができる。接着剤の塗布厚は、例えば1.0~3.0μmとすることができる。
【0051】
従来は、後述する
図5のように、液体供給通路8の周囲を含めて、第1接合部7の内側領域と振動板30がベタ膜12aにより全面的に接合されていた。本実施形態では、第2接合部2、第3接合部5及び第4接合部6を限定的に形成することで、ベタ膜を大幅低減して液滴吐出ヘッドの歩留まりを向上することができる。
【0052】
(●第4接合部)
矩形枠状の第1接合部7と、その内側の線状の第2接合部2との間に、第4接合部6が形成されている。この第4接合部6は、好ましくは高さ15μm~50μmとすることができる。
【0053】
第4接合部6は三角形の島状に形成され、
図4Dのように振動板30側の島状接合パターン13と接着剤を介して接合されている。接着剤は、例えばエポキシ系の熱硬化型接着剤を使用することができる。接着剤のヤング率は、好ましくは2GPa以上とすることができる。接着剤の塗布厚は、例えば1.0~3.0μmとすることができる。
【0054】
この第4接合部6によって、保持部材12と振動板30の周縁部接合力を高めることができる。また、第4接合部6によって第1接合部7を外側に迂回したクロストークの伝播を抑制することができる。第4接合部6は、第1接合部7を部分的に内側に突出させることで省略することも可能である。
【0055】
(●従来技術との比較)
本実施形態では、前述したように、保持部材12の枠状の第1接合部7の内側領域は、最小限必要な第2接合部2、第3接合部5及び第4接合部6を除いて、全面が振動板30と接合されない非接合空間NA(Non-contact Area)とされている。圧電素子40の収容空間14は非接合空間NAに含まれる。
【0056】
従来は
図5に示すように、枠状の第1接合部7の内側領域は、圧電素子40の収容空間14を除きほぼ全面が接着剤ADのベタ膜12aを介して
図5A-
図5Dのように振動板30に接合されていた。圧電素子40相互間も、ベタ膜12aが幅W2で非機能配線部3を介して振動板30に接合されていた(
図4AのW1<W2)。このため、前述したようにベタ膜12aに異物が混入する可能性があり、液滴吐出ヘッドの歩留まりが低下するという課題があった。
【0057】
これに対して本実施形態では、枠状の第1接合部7の内側領域は、基本的に、圧電素子40相互間のクロストーク抑制に必要な第2接合部2を除いて、保持部材12と振動板30が互いに接合されない非接合空間NA(Non-contact Area)とされている。このため、接着剤ADの接着面が従来に比べて大幅に低減され、接着面の異物混入による液滴吐出ヘッドの歩留まり低下を大きく改善することができる。
【0058】
(●第2実施形態)
図6(a)(b)は本発明の第2実施形態を示すもので、この第2実施形態では第2接合部2が平行な線状2本で構成されている。第1実施形態に比べると第2接合部の接着面積がやや増加するが、圧電素子40相互間に2本の第2接合部2を配設することができるので、圧電素子40相互間のクロストーク抑制効果を高めることができる。
【0059】
(●第3実施形態)
図7(a)(b)は本発明の第3実施形態を示すもので、この第3実施形態では第2接合部2bを閉じた形状で構成している。すなわち、第2接合部2bによって圧電素子40の収容空間14を包囲するように、第2接合部2bを矩形枠状に形成している。
【0060】
このように圧電素子40の収容空間14を第2接合部2bで矩形枠状に包囲することで、第1実施形態に比べると第2接合部2bの接着面積がやや増加するが、圧電素子40相互間のクロストーク抑制効果を高めることができる。
【0061】
(●第4実施形態)
図8は、
図4Dで前述した島状接合パターン13の変形例を示すものである。前述したように第4接合部6と島状接合パターン13による接合で保持部材12と振動板30の周縁部接合力を高めることができるが、島状接合パターン13のベタ膜に異物が混入する可能性もある。
【0062】
そこで、ベタ膜面積を低減するために
図8(b)(c)のように凹部13aを有する島状接合パターン13を形成することにした。凹部13aの分だけ島状接合パターン13のベタ膜の面積を低減することができるので、当該ベタ膜に対する異物混入の可能性を低減することができる。
【0063】
また、ベタ膜に使用する接着剤量も低減することができる。さらに、凹部13aに接着剤が侵入するので、アンカー効果により接合強度を高める作用も得られる。
【0064】
図8(d)は、島状接合パターン13を外部に対する電気接続を持たない非機能配線部で構成した例である。島状接合パターン13を非機能配線部とすることで、電気的な不具合発生を抑制することができる。島状接合パターン13を外部に対する電気接続を有する機能配線部で構成することも可能であり、また複数の島状接合パターン13を機能配線部と非機能配線部で交互に配列してもよい。
【0065】
(●変型例1)
図9(a)は、
図4、
図4Bで前述した液体供給通路8を包囲する第3接合部5の変形例1を示すものである。
図4、
図4Bでは第3接合部5を矩形状として説明したが、
図9(a)では第3接合部5を線状に連続した8の字形状に形成している。
【0066】
このように第3接合部5を線状に連続形成することで、液体供給通路8周りの接着面積と接着剤使用量を低減してベタ膜に対する異物混入の可能性を低減することができる。
【0067】
(●変型例2)
図9(b)は第3接合部5の変形例2を示すもので、2つの液体供給通路8の周囲に独立して2つの第3接合部5を形成している。この場合、各第3接合部5は液体供給通路8と同形状の円環状にすることができる。これにより、液体供給通路8周りの接着面積と接着剤使用量をさらに低減してベタ膜に対する異物混入の可能性をさらに低減することができる。
【0068】
(●変型例3)
図10(a)は、
図4(a)で前述した第2接合部2の変形例3を示すものである。
図4(a)の第2接合部2は1本の線状でそれぞれが独立して形成されている。
【0069】
これに対して
図10の第2接合部2は線状の連結部2aによって相互接合されている。連結部2aによって圧電素子40の収容空間14の片側が閉じられるので、第2接合部2を外側に迂回する形での隣接圧電素子40に対するクロストーク伝播を抑制することができる。
【0070】
(●変型例4)
また、
図10(b)は、
図7(a)で前述した第2接合部2bの変形例4を示すものである。
図7(a)の第2接合部2bは矩形枠状でそれぞれが独立して形成されている。
【0071】
これに対して
図10(b)の第2接合部2bは線状の連結部2aによって相互接合されている。連結部2aによって隣接圧電素子40に対するクロストーク伝播を抑制することができる。
【0072】
(●変型例5)
図11は、
図6で前述した第2接合部2の変形例5を示すものである。
図6の第2接合部2は平行な線状2本で構成してクロストーク抑制効果を高めている。これに対して
図11の第2接合部2は、平行な線状2本であるが第2接合部2の長さが
図6よりも短い。
【0073】
そして、2本の第2接合部2の端部同士を圧電素子40の収容空間14の長手方向中央部付近でオーバーラップさせている。収容空間14の長手方向中央部付近は最もクロストーク伝播しやすい部分である。この部分で2本の第2接合部2の端部同士をオーバーラップさせることで、クロストーク抑制効果を高めつつ、第2接合部2の接着面積と接着剤使用量を低減してベタ膜に対する異物混入の可能性を低減することができる。
【0074】
(●変型例6)
図12は、前述した第2接合部2と非機能配線部3で保持部材12と振動板30を接合する構造の変形例6である。非機能配線部3は電気的に機能しない配線部であって、MEMS工程においてパターニングされる。非機能配線部3を外部電極に接続して機能配線化することも可能であるが、電気的不具合発生を予防するために非機能配線部3とするのがよい。
【0075】
非機能配線部3は、1本の第2接合部2に対して平行2本で配設されている。すなわち、1本の非機能配線部3の幅は、1本の第2接合部2の幅よりも小さい。これにより、2本の非機能配線部3相互間に接着剤ADを侵入させる空間を形成することができる。
【0076】
この空間に接着剤ADが侵入することで、アンカー効果によって振動板30に対する第2接合部2の接合力を向上させることができる。この場合の接着剤ADのヤング率は、好ましくは2GPa以上とすることができる。
【0077】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば接着剤としてエポキシ系の熱硬化型接着剤の使用を例示したが、接着剤として他の種類の接着剤を使用することも勿論可能である。また、接着剤に代えて熱溶着フィルム等を使用することも可能である。
【0078】
<付記>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
<第1態様>
複数のノズル孔を有するノズル板と、当該ノズル板の内側面と対向して配設された振動板と、前記ノズル板と前記振動板との間に形成され前記複数のノズル孔に個別に接続する複数の個別液室と、当該個別液室と反対側の前記振動板上に各個別液室と対応して配設された複数のアクチュエータと、当該アクチュエータ及び前記振動板と対向して配設され前記振動板の周縁部に第1接合部を介して接合された保持部材と、当該保持部材と前記振動板との間に形成され前記アクチュエータを個々に収容する複数の収容空間とを有し、前記アクチュエータを駆動して前記振動板を振動させることで前記個別液室に生じた圧力で前記ノズル孔から液滴を吐出するようにした液滴吐出ヘッドにおいて、
前記第1接合部の内側であって前記収容空間を除く領域に、前記振動板と前記保持部材が接合されない非接合空間を形成すると共に、前記複数の収容空間相互間に、前記振動板と前記保持部材を接合する第2接合部を設けたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
<第2態様>
前記第2接合部が、前記保持部材側に形成された保持部材側接合部と、前記振動板上に形成され前記保持部材側接合部に接着剤を介して接合する振動板側接合パターンを有することを特徴とする第1態様の液滴吐出ヘッド。
<第3態様>
前記第2接合部が、前記複数のノズル孔の配列方向を横断する方向に延びる1本の線状に形成されていることを特徴とする第2態様の液滴吐出ヘッド。
<第4態様>
前記第2接合部が、前記複数のノズル孔の配列方向を横断する方向に延びる2本の線状に形成されていることを特徴とする第2態様の液滴吐出ヘッド。
<第5態様>
前記線状の第2接合部の線幅が20~50μmであることを特徴とする第3態様又は第4態様の液滴吐出ヘッド。
<第6態様>
第3態様又は第4態様の前記第2接合部が、前記保持部材側に形成された1本又は2本の線状の保持部材側接合部と、前記振動板上に形成され前記保持部材側接合部に接着剤を介して接合する2本の線状の振動板側接合パターンを有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
<第7態様>
前記第2接合部が、前記収容空間を包囲する形状に形成されていることを特徴とする第1態様から第6態様のいずれか1の態様の液滴吐出ヘッド。
<第8態様>
前記第1接合部の内側であって前記収容空間を除く領域に、前記保持部材と前記振動板を貫通して前記個別液室に液体を供給する液体供給通路が形成され、当該液体供給通路の周囲に前記振動板と前記保持部材を接合する第3接合部が設けられていることを特徴とする第1態様から第7態様のいずれか1の態様の液滴吐出ヘッド。
<第9態様>
前記第3接合部の断面形状を前記液体供給通路の断面形状と同一形状にしたことを特徴とする第8態様の液滴吐出ヘッド。
<第10態様>
前記第3接合部が、前記保持部材側に形成された通路接合部と、前記振動板上に形成された通路接合パターンを有することを特徴とする第8態様の液滴吐出ヘッド。
<第11態様>
前記第1接合部と前記第2接合部の間に、前記振動板と前記保持部材を接合する第4接合部が設けられていることを特徴とする第1態様から第10態様のいずれか1の態様の液滴吐出ヘッド。
<第12態様>
前記第4接合部が、前記保持部材側に形成された島状接合部と、前記振動板上に形成され前記島状接合部に接着剤を介して接合する島状接合パターンを有することを特徴とする第11態様の液滴吐出ヘッド。
<第13態様>
前記島状接合パターンに複数の凹部が形成されていることを特徴とする第12態様の液滴吐出ヘッド。
<第14態様>
前記接着剤のヤング率が2GPa以上であることを特徴とする第2態様から第13態様のいずれか1の態様の液滴吐出ヘッド。
<第15態様>
前記保持部材の厚みが300~500μmであることを特徴とする第1態様から第14態様のいずれか1の態様の液滴吐出ヘッド。
<第16態様>
第1態様から第15態様のいずれか1の態様の液滴吐出ヘッドが複数搭載されていることを特徴とする液滴吐出ヘッドユニット。
<第17態様>
第1態様から第15態様のいずれか1の態様の液滴吐出ヘッド又は第16態様の液滴吐出ヘッドユニットが搭載されていることを特徴とする液滴吐出装置。
【符号の説明】
【0079】
1A1,1A2:ヘッド列 1B1、1B2:ヘッド列
1C1、1C2:ヘッド列 1D1、1D2:ヘッド列
2、2b:第2接合部 2a:連結部
3:非機能配線部 4:機能配線部
5:第3接合部 6:第4接合部
8:液体供給通路 9:液体供給通路
10:ノズル板 11:ノズル孔
12:保持部材 12a:ベタ膜
13:島状接合パターン 13a:凹部
14:収容空間 20:個別流路板
21:個別液室 22:供給側個別流路
24:回収側個別流路 26:隔壁
30:振動板 31、32:開口
40:圧電素子(アクチュエータ) 50:中間流路板
51:供給側中間個別流路 52:回収側中間個別流路
70:共通流路部材 70a:フランジ部
71:供給側共通流路 72:回収側共通流路
81:供給ポート 82:回収ポート
90:フレキシブル配線部材 91:ドライバIC(駆動回路)
100:ヘッドユニット 100A、100B:ヘッドユニット
101:ヘッド 102:ベース部材
103:カバー部材 104:放熱部材
105:マニホールド 106:プリント基板
107:モジュールケース 121:開口部
151、152:流路 500:印刷装置
501:搬入手段 503:案内搬送手段
505:印刷手段 507:乾燥手段
509:搬出手段 510:連帳紙
511:元巻きローラ 550:ヘッドユニット
552:共通ベース部材 559:搬送ガイド部材
591:巻取りローラ AD:接着剤
NA:非接合空間
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】