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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043400
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】コンパレータ
(51)【国際特許分類】
   H03K 5/08 20060101AFI20240322BHJP
   G05F 3/26 20060101ALI20240322BHJP
   H03F 3/45 20060101ALN20240322BHJP
【FI】
H03K5/08 E
G05F3/26
H03F3/45 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148571
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】日清紡マイクロデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 晴彦
【テーマコード(参考)】
5H420
5J039
5J500
【Fターム(参考)】
5H420BB13
5H420CC02
5H420DD02
5H420EA12
5H420EA18
5H420EB37
5H420NB36
5H420NC02
5J039DA04
5J039DA09
5J039KK17
5J039KK18
5J039MM01
5J039MM04
5J500AA01
5J500AA12
5J500AA59
5J500AC04
5J500AC36
5J500AC81
5J500AF14
5J500AH02
5J500AH09
5J500AH25
5J500AK09
5J500AK12
5J500AK47
5J500AM21
5J500DN01
5J500DN12
5J500DN22
5J500DN24
5J500DP01
5J500DP03
(57)【要約】
【課題】応答速度の低下を招くことなく、消費電流の低減を図ったコンパレータを提供する。
【解決手段】差動入力部2に定電流を供給する定電流発生部4において、トランジスタM10,M14は、負荷トランジスタM3,M4に各々カレントミラー接続され、互いに並列接続される。トランジスタM10,M14のソースと負電源端子T22との間に抵抗器R1が接続される。トランジスタM11がトランジスタM10,M14に直列接続され、トランジスタM13が、トランジスタM11にカレントミラー接続されて、差動入力部2に定電流を供給する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の入力電位及び第2の入力電位の電位差に応じた電流比の電流が各々流れる第1の差動トランジスタ及び第2の差動トランジスタと、
前記第1の差動トランジスタのドレイン又はコレクタと第1の電源電圧が供給される第1の電源端子との間に接続された第3の負荷トランジスタと、
前記第2の差動トランジスタのドレイン又はコレクタと前記第1の電源端子との間に接続された第4の負荷トランジスタと、
前記第1の差動トランジスタ及び前記第2の差動トランジスタのソース又はエミッタと第2の電源電圧が供給される第2の電源端子との間に接続された第5のトランジスタとを有する第1の差動入力部と、
前記第3の負荷トランジスタにカレントミラー接続された第6のトランジスタと、
前記第4の負荷トランジスタにカレントミラー接続された第7のトランジスタとを有し、
前記第3の負荷トランジスタ及び前記第4の負荷トランジスタに流れる電流の比較結果を出力する出力部と、
前記第3の負荷トランジスタ及び前記第4の負荷トランジスタに各々カレントミラー接続され、互いに並列接続された第8のトランジスタ及び第9のトランジスタと、
前記第8のトランジスタ及び前記第9のトランジスタのソース又はエミッタと前記第1の電源端子との間に接続された第1の抵抗器と、
前記第8のトランジスタ及び前記第9のトランジスタのドレイン又はコレクタと前記第2の電源端子との間に接続された第10のトランジスタとを有する電流発生部とを備え、
前記第5のトランジスタが、前記第10のトランジスタにカレントミラー接続された、
コンパレータ。
【請求項2】
請求項1に記載のコンパレータにおいて、
前記出力部が、前記第6のトランジスタに直列接続された第11のトランジスタと、前記第11のトランジスタにカレントミラー接続された第12のトランジスタとを有し、前記第7のトランジスタ及び前記第12のトランジスタが直列接続され、その接続点が出力となる、
コンパレータ。
【請求項3】
請求項1に記載のコンパレータにおいて、
前記第5のトランジスタに直列接続された第13のトランジスタを有し、
前記第1の差動入力部の同相入力電位と前記第2の電源電圧との電位差が小さくなり、前記第1の差動トランジスタ及び前記第2の差動トランジスタがオフすると、前記第13のトランジスタがオンして、前記第5のトランジスタのドレイン電流又はコレクタ電流を流し続ける電流安定化部を備えた、
コンパレータ。
【請求項4】
請求項3に記載のコンパレータにおいて、
前記電流安定化部は、前記第10のトランジスタと前記第8のトランジスタ及び前記第9のトランジスタの間に接続された第2の抵抗器を有し、
前記第2の抵抗器と前記第8のトランジスタ及び前記第9のトランジスタの接続点が、前記第13のトランジスタのゲート又はベースに接続されている、
コンパレータ。
【請求項5】
請求項3に記載のコンパレータにおいて、
前記第13のトランジスタが、前記第1の差動トランジスタに並列接続され、前記第3の負荷トランジスタに直列接続された、
コンパレータ。
【請求項6】
請求項3に記載のコンパレータにおいて、
前記電流安定化部は、前記第13のトランジスタに直列接続される第14のトランジスタと、前記第14のトランジスタにカレントミラー接続され、前記第8のトランジスタ及び前記第9のトランジスタに並列接続される第15のトランジスタとを有し、
前記第13のトランジスタ及び前記第14のトランジスタが、前記第1の差動トランジスタ及び前記第3の負荷トランジスタと、前記第2の差動トランジスタ及び前記第4の負荷トランジスタとに並列接続される、
コンパレータ。
【請求項7】
請求項3に記載のコンパレータにおいて、
前記第1の入力電位及び前記第2の入力電位の電位差に応じた電流比の電流が各々流れる第16の差動トランジスタ及び第17の差動トランジスタと、
前記第16の差動トランジスタのドレイン又はコレクタと前記第2の電源端子との間に接続された第18の負荷トランジスタと、
前記第17の差動トランジスタのドレイン又はコレクタと前記第2の電源端子との間に接続された第19の負荷トランジスタと、
前記第16の差動トランジスタ及び前記第17の差動トランジスタのソース又はエミッタと前記第1の電源端子との間に接続された第20のトランジスタとを有する第2の差動入力部とを備え、
前記第13のトランジスタがオンすると前記第20のトランジスタをオンして前記第2の差動入力部に電流を供給する、
コンパレータ。
【請求項8】
請求項7に記載のコンパレータにおいて、
前記電流安定化部は、前記第13のトランジスタに直列接続される第14のトランジスタと、前記第14のトランジスタにカレントミラー接続され、前記第8のトランジスタ及び前記第9のトランジスタに並列接続される第15のトランジスタとを有し、
前記第20のトランジスタが、前記第14のトランジスタにカレントミラー接続される、
コンパレータ。
【請求項9】
請求項8に記載のコンパレータにおいて、
前記出力部は、前記第18の負荷トランジスタにカレントミラー接続される第21のトランジスタと、前記第21のトランジスタに直列接続された第22のトランジスタと、前記第22のトランジスタにカレントミラー接続された第23のトランジスタと、前記第19の負荷トランジスタにカレントミラー接続された第24のトランジスタとを有し、
前記第6のトランジスタ及び前記第19の負荷トランジスタが直列接続され、
前記第7のトランジスタ及び前記第24のトランジスタが直列接続され、その接続点が出力となり、
前記第7のトランジスタ及び前記第23のトランジスタが並列接続された、
コンパレータ。
【請求項10】
請求項1に記載のコンパレータにおいて、
前記第3の負荷トランジスタ及び前記第4の負荷トランジスタに前記電流発生部から前記第1の差動入力部に供給される電流より小さい微小電流を供給する微小電流供給部を備えた、
コンパレータ。
【請求項11】
請求項10に記載のコンパレータにおいて、
前記微小電流供給部は、前記第10のトランジスタに流れる電流の1/N(N>1)の電流を折り返す第25のトランジスタ及び第26のトランジスタを有し、
前記第25のトランジスタ及び前記第3の負荷トランジスタが直列接続され、
前記第26のトランジスタ及び前記第4の負荷トランジスタが直列接続された、
コンパレータ。
【請求項12】
請求項10に記載のコンパレータにおいて、
前記微小電流供給部は、前記第10のトランジスタに流れる電流の1/N(N>1)を折り返す第27のトランジスタと、前記第27のトランジスタに直列接続される第28のトランジスタ及び第29のトランジスタとを有し、
前記第28のトランジスタ及び前記第3の負荷トランジスタが直列接続され、
前記第29のトランジスタ及び前記第4の負荷トランジスタが直列接続された、
コンパレータ。
【請求項13】
請求項10に記載のコンパレータにおいて、
前記微小電流供給部は、前記第5のトランジスタに直列接続され、前記第2の差動トランジスタにカレントミラー接続されて、前記第2の差動トランジスタに流れる電流の1/N(N>1)を折り返す第28のトランジスタと、前記第5のトランジスタに直列接続され、前記第1の差動トランジスタにカレントミラー接続されて、前記第1の差動トランジスタに流れる電流の1/Nを折り返す第29のトランジスタとを有し、
前記第28のトランジスタ及び前記第3の負荷トランジスタが直列接続され、
前記第29のトランジスタ及び前記第4の負荷トランジスタが直列接続された、
コンパレータ。
【請求項14】
請求項1~13の何れか1項に記載のコンパレータにおいて、
前記トランジスタの少なくとも1つ以上が電界効果トランジスタから構成されている、
コンパレータ。
【請求項15】
請求項1~13の何れか1項に記載のコンパレータにおいて、
前記トランジスタの少なくとも1つ以上がバイポーラトランジスタから構成されている、
コンパレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパレータに関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化の原因は、COのような温暖効果ガスの濃度上昇により、大気の温室効果が強まったことによると考えられており、通信情報化社会の急速な進展に伴い、電子機器の低消費電力化も大きな課題になってきている。電子機器には多くの半導体集積回路が使用されており、本発明は、半導体集積回路に幅広く使われるコンパレータの消費電流を低減し、地球温暖化の抑制に貢献しようとするものである。
【0003】
半導体集積回路に用いられるコンパレータとして、図8に示すような回路が知られている(例えば特許文献1、2など参照)。図8に示されているコンパレータ100は、差動入力部102と、出力部103と、定電流発生部104とを主たる構成要素として構成されている。
【0004】
差動入力部102は、ソースが共通接続された差動トランジスタM1,M2と、そのドレインに各々接続された負荷トランジスタM3,M4と、差動トランジスタM1,M2の共通ソースと正電源電圧VDDとの間に接続されたトランジスタM13とにより構成されている。
【0005】
出力部103は、負荷トランジスタM3,M4と各々カレントミラー接続されたトランジスタM5,M6と、そのドレインと正電源電圧VDDとの間に各々接続されたトランジスタM7,M8とから成る。トランジスタM7,M8をカレントミラー接続して、トランジスタM6のドレインとトランジスタM8のドレインとの接続点より、出力を取り出すように構成されている。
【0006】
定電流発生部104は、カレントミラー接続されたトランジスタM9,M10と、カレントミラー接続されたトランジスタM11,M12と、抵抗器R1とから成る。トランジスタM11,M13をカレントミラー接続して、生成された定電流IREFを差動入力部102に供給している。
【0007】
上記定電流発生部104は、所謂、バンドギャップリファレンス回路を構成され、2つのトランジスタM9,M10の面積比を1:Nとなるように設けられている。この2つのトランジスタM9,M10には、トランジスタM11,M12から構成されるカレントミラー回路により同じドレイン電流が流れるようになっている。このため、トランジスタM9,M10のゲート・ソース電圧VGS9,VGS10に差が生じ、トランジスタM10に流れる電流IM10は、(VGS9-VGS10)/R1となる。この式から明らかなように、正電源電圧VDD,負電源電圧VSSが変動しても、定電流IM10を一定にすることができる。
【0008】
また、トランジスタM9,M10がサブスレッショルド領域で動作した場合、ゲート・ソース電位差の変化に対しドレイン電流は指数関数的に変化する。定電流発生部104で生成される定電流IREF(=IM10)と、定電流発生部104の回路電流I104は、下記の式1,式2で表される。
【0009】
【数1】
【0010】
【数2】
【0011】
ここで、KM9はトランジスタM9のアスペクト比(=W/L)、KM10はトランジスタM10のアスペクト比、Wはゲート幅、Lはゲート長、Vは熱電圧(=kT/q)、kはボルツマン係数、Tは絶対温度、qは電子の単位電荷、ηはサブスレッショルドスイング係数である。
【0012】
上述した従来のコンパレータ100は、差動入力部102に供給する電流を生成する定電流発生部104の回路電流I104が定常電流として流れるため、消費電流が大きくなるという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特許第5141289号公報
【特許文献2】特開2009-246985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、応答速度の低下を招くことなく、消費電流の低減を図ったコンパレータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述した目的を達成するために、本発明に係るコンパレータは、下記[1]~[15]を特徴としている。
[1]
第1の入力電位及び第2の入力電位の電位差に応じた電流比の電流が各々流れる第1の差動トランジスタ及び第2の差動トランジスタと、
前記第1の差動トランジスタのドレイン又はコレクタと第1の電源電圧が供給される第1の電源端子との間に接続された第3の負荷トランジスタと、
前記第2の差動トランジスタのドレイン又はコレクタと前記第1の電源端子との間に接続された第4の負荷トランジスタと、
前記第1の差動トランジスタ及び前記第2の差動トランジスタのソース又はエミッタと第2の電源電圧が供給される第2の電源端子との間に接続された第5のトランジスタとを有する第1の差動入力部と、
前記第3の負荷トランジスタにカレントミラー接続された第6のトランジスタと、
前記第4の負荷トランジスタにカレントミラー接続された第7のトランジスタとを有し、
前記第3の負荷トランジスタ及び前記第4の負荷トランジスタに流れる電流の比較結果を出力する出力部と、
前記第3の負荷トランジスタ及び前記第4の負荷トランジスタに各々カレントミラー接続され、互いに並列接続された第8のトランジスタ及び第9のトランジスタと、
前記第8のトランジスタ及び前記第9のトランジスタのソース又はエミッタと前記第1の電源端子との間に接続された第1の抵抗器と、
前記第8のトランジスタ及び前記第9のトランジスタのドレイン又はコレクタと前記第2の電源端子との間に接続された第10のトランジスタとを有する電流発生部とを備え、
前記第5のトランジスタが、前記第10のトランジスタにカレントミラー接続された、
コンパレータであること。
[2]
[1]に記載のコンパレータにおいて、
前記出力部が、前記第6のトランジスタに直列接続された第11のトランジスタと、前記第11のトランジスタにカレントミラー接続された第12のトランジスタとを有し、前記第7のトランジスタ及び前記第12のトランジスタが直列接続され、その接続点が出力となる、
コンパレータであること。
[3]
[1]に記載のコンパレータにおいて、
前記第5のトランジスタに直列接続された第13のトランジスタを有し、
前記第1の差動入力部の同相入力電位と前記第2の電源電圧との電位差が小さくなり、前記第1の差動トランジスタ及び前記第2の差動トランジスタがオフすると、前記第13のトランジスタがオンして、前記第5のトランジスタのドレイン電流又はコレクタ電流を流し続ける電流安定化部を備えた、
コンパレータであること。
[4]
[3]に記載のコンパレータにおいて、
前記電流安定化部は、前記第10のトランジスタと前記第8のトランジスタ及び前記第9のトランジスタの間に接続された第2の抵抗器を有し、
前記第2の抵抗器と前記第8のトランジスタ及び前記第9のトランジスタの接続点が、前記第13のトランジスタのゲート又はベースに接続されている、
コンパレータであること。
[5]
[3]に記載のコンパレータにおいて、
前記第13のトランジスタが、前記第1の差動トランジスタに並列接続され、前記第3の負荷トランジスタに直列接続された、
コンパレータであること。
[6]
[3]に記載のコンパレータにおいて、
前記電流安定化部は、前記第13のトランジスタに直列接続される第14のトランジスタと、前記第14のトランジスタにカレントミラー接続され、前記第8のトランジスタ及び前記第9のトランジスタに並列接続される第15のトランジスタとを有し、
前記第13のトランジスタ及び前記第14のトランジスタが、前記第1の差動トランジスタ及び前記第3の負荷トランジスタと、前記第2の差動トランジスタ及び前記第4の負荷トランジスタとに並列接続される、
コンパレータであること。
[7]
[3]に記載のコンパレータにおいて、
前記第1の入力電位及び前記第2の入力電位の電位差に応じた電流比の電流が各々流れる第16の差動トランジスタ及び第17の差動トランジスタと、
前記第16の差動トランジスタのドレイン又はコレクタと前記第2の電源端子との間に接続された第18の負荷トランジスタと、
前記第17の差動トランジスタのドレイン又はコレクタと前記第2の電源端子との間に接続された第19の負荷トランジスタと、
前記第16の差動トランジスタ及び前記第17の差動トランジスタのソース又はエミッタと前記第1の電源端子との間に接続された第20のトランジスタとを有する第2の差動入力部とを備え、
前記第13のトランジスタがオンすると前記第20のトランジスタをオンして前記第2の差動入力部に電流を供給する、
コンパレータであること。
[8]
[7]に記載のコンパレータにおいて、
前記電流安定化部は、前記第13のトランジスタに直列接続される第14のトランジスタと、前記第14のトランジスタにカレントミラー接続され、前記第8のトランジスタ及び前記第9のトランジスタに並列接続される第15のトランジスタとを有し、
前記第20のトランジスタが、前記第14のトランジスタにカレントミラー接続される、
コンパレータであること。
[9]
[8]に記載のコンパレータにおいて、
前記出力部は、前記第18の負荷トランジスタにカレントミラー接続される第21のトランジスタと、前記第21のトランジスタに直列接続された第22のトランジスタと、前記第22のトランジスタにカレントミラー接続された第23のトランジスタと、前記第19の負荷トランジスタにカレントミラー接続された第24のトランジスタとを有し、
前記第6のトランジスタ及び前記第19の負荷トランジスタが直列接続され、
前記第7のトランジスタ及び前記第24のトランジスタが直列接続され、その接続点が出力となり、
前記第7のトランジスタ及び前記第23のトランジスタが並列接続された、
コンパレータであること。
[10]
[1]に記載のコンパレータにおいて、
前記第3の負荷トランジスタ及び前記第4の負荷トランジスタに前記電流発生部から前記第1の差動入力部に供給される電流より小さい微小電流を供給する微小電流供給部を備えた、
コンパレータであること。
[11]
[10]に記載のコンパレータにおいて、
前記微小電流供給部は、前記第10のトランジスタに流れる電流の1/N(N>1)の電流を折り返す第25のトランジスタ及び第26のトランジスタを有し、
前記第25のトランジスタ及び前記第3の負荷トランジスタが直列接続され、
前記第26のトランジスタ及び前記第4の負荷トランジスタが直列接続された、
コンパレータであること。
[12]
[10]に記載のコンパレータにおいて、
前記微小電流供給部は、前記第10のトランジスタに流れる電流の1/N(N>1)を折り返す第27のトランジスタと、前記第27のトランジスタに直列接続される第28のトランジスタ及び第29のトランジスタとを有し、
前記第28のトランジスタ及び前記第3の負荷トランジスタが直列接続され、
前記第29のトランジスタ及び前記第4の負荷トランジスタが直列接続された、
コンパレータであること。
[13]
[10]に記載のコンパレータにおいて、
前記微小電流供給部は、前記第5のトランジスタに直列接続され、前記第2の差動トランジスタにカレントミラー接続されて、前記第2の差動トランジスタに流れる電流の1/N(N>1)を折り返す第28のトランジスタと、前記第5のトランジスタに直列接続され、前記第1の差動トランジスタにカレントミラー接続されて、前記第1の差動トランジスタに流れる電流の1/Nを折り返す第29のトランジスタとを有し、
前記第28のトランジスタ及び前記第3の負荷トランジスタが直列接続され、
前記第29のトランジスタ及び前記第4の負荷トランジスタが直列接続された、
コンパレータであること。
[14]
[1]~[13]の何れか1項に記載のコンパレータにおいて、
前記トランジスタの少なくとも1つ以上が電界効果トランジスタから構成されている、
コンパレータであること。
[15]
[1]~[13]の何れか1項に記載のコンパレータにおいて、
前記トランジスタの少なくとも1つ以上がバイポーラトランジスタから構成されている、
コンパレータであること。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、応答速度の低下を招くことなく、消費電流の低減を図ったコンパレータを提供することができる。
【0017】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、第1実施形態における本発明のコンパレータを示す回路図である。
図2図2は、第2実施形態における本発明のコンパレータを示す回路図である。
図3図3は、第3実施形態における本発明のコンパレータを示す回路図である。
図4図4は、第4実施形態における本発明のコンパレータを示す回路図である。
図5図5は、第5実施形態における本発明のコンパレータを示す回路図である。
図6図6は、第6実施形態における本発明のコンパレータを示す回路図である。
図7図7は、第7実施形態における本発明のコンパレータを示す回路図である。
図8図8は、従来のコンパレータの一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0020】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態のコンパレータ1について図1を参照して説明する。同図に示すように、コンパレータ1は、反転入力端子T11に入力された反転入力電位INM(=第1の入力電位)と非反転入力端子T12に入力された非反転入力電位INP(=第2の入力電位)とを比較し、その比較結果を出力端子T3から出力する。コンパレータ1は、差動入力部2(=第1の差動入力部)と、出力部3と、定電流発生部4(=電流発生部)とを備えている。
【0021】
差動入力部2は、ソースが共通接続された差動トランジスタM1(=第1の差動トランジスタ),差動トランジスタM2(=第2の差動トランジスタ)と、負荷トランジスタM3(=第3の負荷トランジスタ),負荷トランジスタM4(=第4の負荷トランジスタ)と、トランジスタM13(=第5のトランジスタ)とを備えている。
【0022】
差動トランジスタM1,M2とトランジスタM13は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。差動トランジスタM1のゲートは、反転入力端子T11に接続され、差動トランジスタM2のゲートは、非反転入力端子T12に接続されている。
【0023】
トランジスタM13は、ソースが正電源端子T21(=第2の電源端子)に接続され、ドレインが差動トランジスタM1,M2のそれぞれのソースに接続されている。正電源端子T21には、正電源電圧VDD(=第2の電源電圧)が供給されている。差動入力部2は、トランジスタM13が供給する電流IM13を差動トランジスタM1,M2に分流する。差動トランジスタM1,M2に流れる電流の電流比(分流比)は、反転入力電位INM及び非反転入力電位INPの電位差に応じた値となる。
【0024】
負荷トランジスタM3,M4は、Nチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。負荷トランジスタM3は、ドレイン及びゲートが差動トランジスタM1のドレインに接続され、ソースが負電源端子T22(=第1の電源端子)に接続されている。負電源端子T22には負電源電圧VSS(=第1の電源電圧)が供給されている。負荷トランジスタM4は、ドレイン及びゲートが差動トランジスタM2のドレインに接続され、ソースが負電源端子T22に接続されている。
【0025】
出力部3は、トランジスタM5(=第6のトランジスタ),トランジスタM6(=第7のトランジスタ),トランジスタM7(=第11のトランジスタ),トランジスタM8(=第12のトランジスタ)を備え、差動トランジスタM1,M2に流れる電流の比較結果を出力する。詳しく説明すると、差動トランジスタM2に流れる電流が差動トランジスタM1に流れる電流よりも大きい場合、出力部3はLow状態(=負電源電圧VSS)を出力する。一方、差動トランジスタM1に流れる電流が差動トランジスタM2に流れる電流よりも大きい場合、出力部3はHigh状態(=正電源電圧VDD)を出力する。
【0026】
トランジスタM5,M6は、Nチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタM5は、ゲートが負荷トランジスタM3のゲート及びドレインに接続され、ソースが負電源端子T22に接続されている。すなわち、トランジスタM5は、負荷トランジスタM3にカレントミラー接続され、負荷トランジスタM3に流れる電流をコピーして折り返す。トランジスタM6は、ゲートが負荷トランジスタM4のゲート及びドレインに接続され、ソースが負電源端子T22に接続されている。すなわち、トランジスタM6は、負荷トランジスタM4にカレントミラー接続され、負荷トランジスタM4に流れる電流をコピーして折り返す。
【0027】
トランジスタM7,M8は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタM7,M8は、ソースが共通接続され、正電源端子T21に接続されている。トランジスタM7のドレインは、トランジスタM5のドレインに接続され、トランジスタM7とトランジスタM5とは直列接続されている。また、トランジスタM8は、ゲートがトランジスタM7のゲート及びドレインに接続されている。すなわち、トランジスタM8は、トランジスタM7にカレントミラー接続され、トランジスタM7に流れる電流をコピーして折り返す。
【0028】
トランジスタM8のドレインが、トランジスタM6のドレインに接続され、トランジスタM8とトランジスタM6とが直列接続され、出力段を構成している。トランジスタM6とトランジスタM8との接続点が出力部3の出力となり、出力端子T3に接続されている。
【0029】
定電流発生部4は、トランジスタM10(=第8のトランジスタ),トランジスタM14(=第9のトランジスタ),トランジスタM11(=第10のトランジスタ)と、抵抗器R1(=第1の抵抗器)とを備えている。
【0030】
トランジスタM10,M14は、Nチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタM10は、ソースが抵抗器R1を介して負電源端子T22に接続され、ゲートが負荷トランジスタM3のゲート及びドレインに接続されている。すなわち、トランジスタM10は、負荷トランジスタM3にカレントミラー接続され、負荷トランジスタM3に流れるドレイン電流がトランジスタM10のドレイン電流にコピーされ折り返される。
【0031】
トランジスタM14は、ソースがトランジスタM10のソースに接続され、ゲートが負荷トランジスタM4のゲート及びドレインに接続されている。すなわち、トランジスタM14は、負荷トランジスタM4にカレントミラー接続され、負荷トランジスタM4に流れるドレイン電流がトランジスタM14のドレイン電流にコピーされ折り返される。また、トランジスタM10及びトランジスタM14は並列接続されている。
【0032】
トランジスタM11は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタM11は、ソースが正電源端子T21に接続され、ドレイン及びゲートがトランジスタM10,M14のそれぞれのドレインに接続されている。すなわち、トランジスタM10,M14とトランジスタM11は、直列接続されている。
【0033】
また、トランジスタM13は、ゲートがトランジスタM11のゲート及びドレイン接続されている。すなわち、トランジスタM13は、トランジスタM11にカレントミラー接続され、トランジスタM11に流れるドレイン電流がトランジスタM13のドレイン電流にコピーされ折り返され、差動入力部2に電流IM13を供給している。
【0034】
次に、上述した構成のコンパレータ1の動作について説明する。最初に、反転入力電位INMが、非反転入力電位INPよりも高く、出力端子T3の出力がLow状態、すなわち、出力信号がほぼ負電源電圧VSSとなっている場合の動作を説明する。
【0035】
反転入力電位INMが、非反転入力電位INPよりも高い場合、差動トランジスタM1よりも差動トランジスタM2の方にトランジスタM13からの電流がより多く流れ、負荷トランジスタM3よりも負荷トランジスタM4の方に多くの電流が流れる。このため、負荷トランジスタM3にカレントミラー接続されているトランジスタM5,M10よりも負荷トランジスタM4にカレントミラー接続されているトランジスタM6,M14の方に多くの電流が流れる。
【0036】
トランジスタM5に流れる小電流は、トランジスタM7に流れ、トランジスタM8のドレイン電流にコピーされる。トランジスタM8は小電流が流れるように動作し、トランジスタM6は大電流が流れるように動作するため、出力端子T3の出力信号VOUTはLow状態となる。
【0037】
次に、反転入力電位INMが、非反転入力電位INPよりも高い場合の定電流発生部4の動作について説明する。
【0038】
電源が投入されると、トランジスタM10,M14,M11のそれぞれのドレインと負電源電圧VSSとの間の寄生容量により、トランジスタM11から励起電流を引き抜く。トランジスタM11,M13は、カレントミラー接続されているため、上記励起電流がトランジスタM13のドレイン電流にコピーされる。このトランジスタM13による励起電流は、トランジスタM4のドレイン及びゲートの接続点と負電源端子T22との間の寄生容量を充電する。寄生容量を充電した結果、トランジスタM4,M14のゲート・ソース電位差が閾値電圧を超えると、トランジスタM4,M14がオフ状態からオン状態に変化する。
【0039】
トランジスタM11,M13とトランジスタM4,M14に十分な電流が流れると、安定状態となり定常状態へと移行する。
【0040】
トランジスタM4,M14がサブスレッショルド領域で動作した場合、ゲート・ソース電位差の変化に対しドレイン電流は指数関数的に変化する。定電流発生部4で生成される定電流IREF(=IM13)と、定電流発生部4の回路電流Iは、下記の式3,式4で表される。
【0041】
【数3】
【0042】
【数4】
【0043】
ここで、KM4はトランジスタM4のアスペクト比(=W/L)、KM14はトランジスタM4のアスペクト比(=W/L)、Wはゲート幅、Lはゲート長、Vは熱電圧(=kT/q)、kはボルツマン係数、Tは絶対温度、qは電子の単位電荷、ηはサブスレッショルドスイング係数である。
【0044】
式3からも明らかなように、定電流IREFは、抵抗器R1の抵抗値と、アスペクト比KM4,KM14に応じた値となり、正電源電圧VDD,負電源電圧VSSの変動の影響を受けない。
【0045】
定電流発生部4で生成された定電流IREFは、トランジスタM11にカレントミラー接続されたトランジスタM13を介して、差動入力部2に電流を供給する。
【0046】
次に、非反転入力電位INPが、反転入力電位INMよりも高く、出力端子T3の出力がHigh状態、すなわち、出力信号VOUTがほぼ正電源電圧VDDとなっている場合の動作を説明する。
【0047】
非反転入力電位INPが、反転入力電位INMよりも高い場合、差動トランジスタM2よりも差動トランジスタM1の方にトランジスタM13からの電流がより多く流れ、負荷トランジスタM4よりも負荷トランジスタM3の方に多くの電流が流れる。このため、負荷トランジスタM4にカレントミラー接続されているトランジスタM6,M14よりも負荷トランジスタM3にカレントミラー接続されているトランジスタM5,M10の方に多くの電流が流れる。
【0048】
トランジスタM5に流れる大電流は、トランジスタM7に流れ、トランジスタM8のドレイン電流にコピーされる。トランジスタM8は大電流が流れるように動作し、トランジスタM6は小電流が流れるように動作するため、出力端子T3の出力信号VOUTは、High状態となる。
【0049】
次に、非反転入力電位INPが、反転入力電位INMよりも高い場合の定電流発生部4の動作について説明する。
【0050】
電源が投入されると、トランジスタM10,M14,M11のそれぞれのドレインと負電源電圧VSSとの間の寄生容量により、トランジスタM11から励起電流を引き抜く。トランジスタM11,M13は、カレントミラー接続されているため、上記励起電流がトランジスタM13のドレイン電流にコピーされる。このトランジスタM13による励起電流は、トランジスタM3のドレイン及びゲートの接続点と負電源端子T22との間の寄生容量を充電する。寄生容量を充電した結果、トランジスタM3,M10のゲート・ソース電位差が閾値電圧を超えると、トランジスタM3,M10がオフ状態からオン状態に変化する。
【0051】
トランジスタM11,M13とトランジスタM3,M10に十分な電流が流れると、安定状態となり定常状態へと移行する。
【0052】
トランジスタM3,M10がサブスレッショルド領域で動作した場合、ゲート・ソース電位差の変化に対しドレイン電流は指数関数的に変化する。定電流発生部4で生成される定電流IREFと、定電流発生部4の回路電流Iは、下記の式5,式6で表される。
【0053】
【数5】
【0054】
【数6】
【0055】
ここで、KM3はトランジスタM3のアスペクト比(=W/L)、KM10はトランジスタM10のアスペクト比(=W/L)、Wはゲート幅、Lはゲート長、Vは熱電圧(=kT/q)、kはボルツマン係数、Tは絶対温度、qは電子の単位電荷、ηはサブスレッショルドスイング係数である。
【0056】
定電流発生部4で生成された定電流IREFは、トランジスタM11にカレントミラー接続されたトランジスタM13を介して、差動入力部2に電流を供給する。
【0057】
上述したように差動入力部2は、図8に示されているような従来のコンパレータ100の回路構成例における定電流発生部104のトランジスタM9,M12の機能を兼用する回路構成となっており、トランジスタM9,M12に流れる定常電流IM9=IREFを削減することができる。
【0058】
つまり、この第1実施形態におけるコンパレータ1は、定電流発生部4の回路電流Iを低減することができる。
【0059】
しかも、第1実施形態における定電流発生部4は、従来と同様に、バンドギャップリファレンス回路を構成している。即ち、トランジスタM3,M4が、従来のトランジスタM9の機能を兼ね備え、トランジスタM3,M4と、トランジスタM10,M14の面積比が1:N(N>1)になるように設けられている。また、トランジスタM13が、従来のトランジスタM12の機能を兼ね備え、トランジスタM11,M13から構成されるカレントミラー回路により、トランジスタM3,M4と、トランジスタM10,M14には同じドレイン電流が流れるようになっている。このため、トランジスタM3がオンしているときには、トランジスタM3,M10のゲート・ソース電圧VGSM3,VGSM10に差が生じ、トランジスタM4がオンしているときには、トランジスタM4,M14のゲート・ソース電圧VGSM4,VGSM14に差が生じる。トランジスタM11に流れる電流IM11(=IREF)は、(VGSM3-VGSM10)/R1=(VGSM4-VGSM14)/R1となる。従来と同様に、正電源電圧VDD、負電源電圧VSSが変動しても定電流IREFを一定にすることができる。
【0060】
したがって、応答速度の低下を招くことなく、消費電流が低減されるという効果が得られるものとなっている。
【0061】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のコンパレータ1Bについて図2を参照して説明する。なお、図2において、図1に示された回路における構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0062】
同図に示すように、コンパレータ1Bは、差動入力部2と、出力部3と、定電流発生部4と、定電流安定化部5(=電流安定化部)とを備えている。差動入力部2、出力部3、定電流発生部4については上述した第1実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0063】
定電流安定化部5は、トランジスタM15(=第13のトランジスタ)と、抵抗器R2(=第2の抵抗器)とを備え、差動入力部2の同相入力電位と正電源電圧VDDとの電位差が小さくなったときに、トランジスタM13のドレイン電流が遮断され、定電流発生部4の動作が停止するのを抑制している。
【0064】
トランジスタM15は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタM15は、ソースが差動トランジスタM1,M2のそれぞれのソースに接続され、ドレインがトランジスタM1のドレインに接続されている。すなわち、トランジスタM15と、トランジスタM1とは並列接続されている。抵抗器R2は、トランジスタM11のドレイン及びゲートの接続点と、トランジスタM10,M14のそれぞれのドレインとトランジスタM15のゲートの接続点との間に接続されている。
【0065】
次に、上述した構成のコンパレータ1Bの動作について説明する。かかる構成におけるコンパレータ1Bは、後述する点を除けば、基本的には、第1実施形態と同様である。
【0066】
第1実施形態のコンパレータ1の回路構成において、トランジスタM13のドレイン電流が遮断されない差動入力部2の同相入力電位範囲VICMは、下記の式7で表される。
【0067】
【数7】
【0068】
差動入力部2の同相入力電位と電源電圧VDDとの電位差が、トランジスタM1,M2の閾値電圧VTHにトランジスタM13のドレイン・ソース電位差VDS13を加えた電位差より小さくなると、トランジスタM1,M2のドレイン電流が遮断される。
【0069】
第2実施形態のコンパレータ1Bの回路構成では、定電流安定化部5を設けることで、差動入力部2の同相入力電位と電源電圧VDDとの電位差が小さくなったときに、トランジスタM13のドレイン電流が遮断されるのを抑制している。
【0070】
差動入力部2の同相入力電位が上昇し、トランジスタM1,M2のゲート電位が、トランジスタM15のゲート電位VG15(=式8)を超えると、トランジスタM1,M2はオフするが、トランジスタM15がオンするため、トランジスタM13のドレイン電流がトランジスタM15を介してトランジスタM3に流れる。
【0071】
【数8】
【0072】
その結果、トランジスタM3にカレントミラー接続されているトランジスタM10に電流が流れ、トランジスタM11,M13のドレイン電流は遮断させず、定電流発生部4の動作も停止しない。なお、トランジスタM15のゲート電位VG15は、同相入力電位範囲VICMの最大値(=VDD-(VTH+VDS13))以下となるように、抵抗器R2が設定されている。この結果、同相入力電位が、同相入力電位範囲VICMの最大値を超える前に、トランジスタM15のゲート電位VG15を越えて、トランジスタM15がオンする。
【0073】
つまり、この第2実施形態におけるコンパレータ1Bは、定電流安定化部5を設けることで、差動入力部2の同相入力電位と電源電圧VDDとの電位差が小さくなっても、定電流発生部4の動作が停止しないため、定電流発生部4で生成された電流をトランジスタM11とのカレントミラー接続によりコピーして折り返すことで、コンパレータ1B以外の回路ブロックにも供給することができる。
【0074】
したがって、定電流発生部4で生成された電流をコンパレータ1B以外の回路ブロック(図示せず)にも供給することができると共に、応答速度の低下を招くことなく、消費電流が低減されるという効果が得られるものとなっている。
【0075】
また、抵抗器R2を設け、抵抗器R2とトランジスタM10,M14との接続点をトランジスタM15のゲートに接続することにより、抵抗器R2によりトランジスタM15をオンできるゲート電圧を調整することができる。
【0076】
また、トランジスタM15を負荷トランジスタM3に直列接続することにより、トランジスタM15をオンした後も、負荷トランジスタM3,トランジスタM10に電流を流し続けることができる。
【0077】
また、上述した第2実施形態では、トランジスタM15のドレインをトランジスタM1のドレインに接続したが、これに限ったものではない。トランジスタM15のドレインをトランジスタM2のドレインに接続しても、同様の効果が得られるものとなっている。
【0078】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態のコンパレータ1Cについて図3を参照して説明する。なお、図3において、図2に示された回路における構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0079】
同図に示すように、コンパレータ1Cは、差動入力部2と、出力部3と、定電流発生部4と、定電流安定化部5C(=電流安定化部)とを備えている。差動入力部2、出力部3、定電流発生部4については上述した第2実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0080】
第2実施形態の定電流安定化部5と第3実施形態の定電流安定化部5Cとで異なる点は、トランジスタM15に対応するトランジスタM15C(=第13のトランジスタ)のドレインの接続先が異なる点と、トランジスタM16(=第14のトランジスタ),トランジスタM17(第15のトランジスタ)が設けられている点である。
【0081】
定電流安定化部5Cは、トランジスタM15C,トランジスタM16,トランジスタM17と、抵抗器R2とを備え、差動入力部2の同相入力電位と電源電圧VDDとの電位差が小さくなったときに、トランジスタM13のドレイン電流が遮断され、定電流発生部4の動作が停止するのを抑制している。
【0082】
トランジスタM15Cは、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタM15Cは、ソースが差動トランジスタM1,M2のそれぞれのソースに接続され、ゲートが抵抗器R2とトランジスタM10,M14のそれぞれのドレインとの接続点に接続されている。
【0083】
トランジスタM16,M17は、Nチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタM16は、ドレイン及びゲートがトランジスタM15Cのドレインに接続され、ソースが負電源端子T22に接続されている。トランジスタM17は、ドレインがトランジスタM10,M14のそれぞれのドレインに接続され、ゲートがトランジスタM16のゲートに接続され、ソースがトランジスタM10,M14のそれぞれのソースに接続されている。すなわち、トランジスタM17は、トランジスタM16にカレントミラー接続され、トランジスタM16に流れる電流をコピーして折り返す。
【0084】
次に、上述した構成のコンパレータ1Cの動作について説明する。かかる構成におけるコンパレータ1Cは、後述する点を除けば、基本的には、第2実施形態と同様である。
【0085】
差動入力部2の同相入力電位が上昇し、トランジスタM1,M2のゲート電位が、トランジスタM15Cのゲート電位VG15C(=式9)を超えると、トランジスタM1,M2はオフするが、トランジスタM15Cがオンするため、トランジスタM13のドレイン電流がトランジスタM15Cを介してトランジスタM16に流れる。
【0086】
【数9】
【0087】
その結果、トランジスタM16にカレントミラー接続されているトランジスタM17に電流が流れ、トランジスタM11,M13のドレイン電流は遮断させず、定電流発生部4の動作も停止しない。
【0088】
つまり、この第3実施形態におけるコンパレータ1Cは、定電流安定化部5Cを設けることで、差動入力部2の同相入力電位と電源電圧VDDとの電位差が小さくなっても、定電流発生部4の動作が停止しないため、定電流発生部4で生成された電流をトランジスタM11とのカレントミラー接続によりコピーして折り返すことで、コンパレータ1C以外の回路ブロックにも供給することができる。
【0089】
したがって、定電流発生部4で生成された電流をコンパレータ1C以外の回路ブロックにも供給することができると共に、応答速度の低下を招くことなく、消費電流が低減されるという効果が得られるものとなっている。
【0090】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態のコンパレータ1Dについて図4を参照して説明する。なお、図4において、図3に示された回路における構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0091】
同図に示すように、コンパレータ1Dは、差動入力部2と、出力部3Dと、定電流発生部4と、定電流安定化部5Cと、差動入力部6(=第2の差動入力部)とを備えている。差動入力部2、定電流発生部4、定電流安定化部5Cについては上述した第3実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0092】
差動入力部6は、差動トランジスタM61(=第16の差動トランジスタ),差動トランジスタM62(=第17の差動トランジスタ),負荷トランジスタM63(=第18の負荷トランジスタ),負荷トランジスタM64(=第19の負荷トランジスタ),トランジスタM65(=第20のトランジスタ)を備えている。差動入力部2と差動入力部6によりレール・ツー・レール差動入力段を構成している。
【0093】
差動トランジスタM61,M62は、Nチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。差動トランジスタM61は、ゲートが反転入力端子T11に接続されている。差動トランジスタM62は、ゲートが非反転入力端子T12に接続され、ドレインがトランジスタM64のドレイン及びゲートに接続されている。
【0094】
負荷トランジスタM63,M64は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。負荷トランジスタM63は、ドレイン及びゲートが差動トランジスタM61のドレインに接続され、ソースが正電源端子T21に接続されている。すなわち、負荷トランジスタM63及び差動トランジスタM61は直列接続されている。負荷トランジスタM64は、ドレイン及びゲートが差動トランジスタM62のドレインに接続され、ソースが正電源端子T21に接続されている。すなわち、負荷トランジスタM64及び差動トランジスタM62は直列接続されている。
【0095】
差動入力部6は、トランジスタM65が供給する電流IM65を差動トランジスタM61,M62に分流する。差動トランジスタM61,M62に流れる電流の電流比(分流比)は、反転入力電位INM及び非反転入力電位INPの電位差に応じた値となる。
【0096】
トランジスタM65は、Nチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタM65は、ソースが負電源端子T22に接続され、ドレインが差動トランジスタM61,M62のそれぞれのソースに接続され、ゲートがトランジスタM16のゲート及びドレインに接続されている。すなわち、トランジスタM65は、トランジスタM15Cがオンすると電流が流れるトランジスタM16にカレントミラー接続され、トランジスタM16に流れる電流を折り返して差動入力部6に供給している。
【0097】
出力部3Dは、出力部3と同じトランジスタM5,M6に加え、トランジスタM18(=第21のトランジスタ),トランジスタM19(=第22のトランジスタ),トランジスタM20(=第23のトランジスタ),トランジスタM21(=第24のトランジスタ)を有している。トランジスタM18,M21は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタM19,M20は、Nチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。
【0098】
トランジスタM18は、ドレインがトランジスタM19のドレイン及びゲートに接続され、ゲートが負荷トランジスタM63のゲート及びドレインに接続され、ソースが正電源端子T21に接続されている。すなわち、トランジスタM18は、負荷トランジスタM63にカレントミラー接続され、負荷トランジスタM63に流れる電流をコピーして折り返す。
【0099】
トランジスタM20は、ドレインがトランジスタM6のドレインに接続され、ゲートがトランジスタM19のゲート及びドレインに接続され、ソースが負電源端子T22に接続されている。すなわち、トランジスタM20は、トランジスタM19にカレントミラー接続され、トランジスタM19に流れる電流をコピーして折り返す。
【0100】
また、トランジスタM5とトランジスタM64は直列接続され、トランジスタM6とトランジスタM21が直列接続され、トランジスタM20とトランジスタM6が並列接続される。
【0101】
次に、上述した構成のコンパレータ1Dの動作について説明する。かかる構成におけるコンパレータ1Dは、後述する点を除けば、基本的には、第3実施形態と同様である。
【0102】
トランジスタM65は、トランジスタM16にカレントミラー接続され、トランジスタM16に流れるドレイン電流がトランジスタM65のドレイン電流にコピーされ折り返される。
【0103】
その結果、差動入力部2及び差動入力部6の同相入力電位が、トランジスタM15Cのゲート電位VG15C未満の場合、トランジスタM15Cがオフするため、トランジスタM13のドレイン電流は、差動入力部2のテール電流として供給される。一方、差動入力部2及び差動入力部6の同相入力電位が、トランジスタM15Cのゲート電位VG15Cを超える場合、トランジスタM15CがオンしトランジスタM1,M2がオフするため、トランジスタM13のドレイン電流は、トランジスタM15C,M16,M65を介して差動入力部6のテール電流として供給される。
【0104】
つまり、この第4実施形態におけるコンパレータ1Dは、トランジスタM65を定電流安定化部5Cに接続することで、差動入力部2の同相入力電位と電源電圧VDDとの電位差が小さくなったときに、トランジスタM13のドレイン電流の供給を差動入力部2から差動入力部6に切り替えられるため、レール・ツー・レール差動入力段を有するコンパレータを構成することができる。
【0105】
したがって、レール・ツー・レール差動入力段を有するコンパレータを構成すると共に、応答速度の低下を招くことなく、消費電流が低減されるという効果が得られるものとなっている。
【0106】
また、第4実施形態におけるコンパレータ1Dの出力部3Dは、トランジスタM15Cがオフしているときは、負荷トランジスタM3,M4に流れる電流の比較結果を出力し、トランジスタM15Cがオンしているときは、負荷トランジスタM63,M64に流れる電流の比較結果を出力する。
【0107】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態のコンパレータ1Eについて図5を参照して説明する。なお、図5において、図1に示された回路における構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0108】
同図に示すように、コンパレータ1Eは、差動入力部2と、出力部3と、定電流発生部4と、微小電流供給部7とを備えている。差動入力部2、出力部3、定電流発生部4については上述した第1実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0109】
微小電流供給部7は、微小定電流源を構成するトランジスタM71(=第25のトランジスタ),トランジスタM72(第26のトランジスタ)を備えている。
【0110】
トランジスタM71,M72は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタM71は、ゲートがトランジスタM11のゲート及びドレイン接続され、ドレインがトランジスタM3のドレイン及びゲートに接続されている。トランジスタM72は、ゲートがトランジスタM11のゲート及びドレイン接続され、ドレインがトランジスタM4のドレイン及びゲートに接続されている。
【0111】
トランジスタM71,M72は、トランジスタM11にカレントミラー接続され、トランジスタM11に流れるドレイン電流がトランジスタM71,M72のドレイン電流にコピーされ折り返される。トランジスタM71,M72のアクセプト比(=W/L)とトランジスタM11のアクセプト比(=W/L)との比率Nを大きくすることで、トランジスタM71,M72は、トランジスタM11に流れる電流の1/N(N>1)を折り返し微小電流が生成される。
【0112】
トランジスタM71,M72から供給される微小電流は、反転入力電位INM及び非反転入力電位INPに応じてオンオフする差動トランジスタM1,M2が各々接続される負荷トランジスタM3,M4に対して、オフする側の負荷トランジスタに微小電流を流しておくことで、負荷トランジスタはオフせずにオン状態を維持することができ、負荷トランジスタのスイッチング動作の遅延が改善される。
【0113】
その結果、負荷トランジスタがオンオフする遷移期間に発生する定電流発生部4で生成される電流の変動が、負荷トランジスタのスイッチング動作の遅延を改善することで抑制される。
【0114】
したがって、微小電流供給部7を設けることで、定電流発生部4で生成される電流の安定化を図ると共に、応答速度の低下を招くことなく、消費電流が低減されるという効果が得られるものとなっている。
【0115】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態のコンパレータ1Fについて図6を参照して説明する。なお、図6において、図1に示された回路における構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0116】
同図に示すように、コンパレータ1Fは、差動入力部2と、出力部3と、定電流発生部4と、微小電流供給部7Fとを備えている。差動入力部2、出力部3、定電流発生部4については上述した第1実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0117】
微小電流供給部7Fは、微小定電流源を構成するトランジスタM75(=第27のトランジスタ)と、差動トランジスタM73(=第29のトランジスタ),差動トランジスタM74(第28のトランジスタ)とを備えている。
【0118】
トランジスタM75は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタM75は、ゲートがトランジスタM11のゲート及びドレイン接続され、ドレインが差動トランジスタM73,M74のそれぞれのソースに接続されている。
【0119】
トランジスタM75は、トランジスタM11にカレントミラー接続され、トランジスタM11に流れるドレイン電流がトランジスタM75のドレイン電流にコピーされ折り返される。トランジスタM75のアクセプト比(=W/L)とトランジスタM11のアクセプト比(=W/L)との比率Nを大きくすることで、トランジスタM75は、トランジスタM11に流れる電流の1/N(N>1)を折り返し、微小電流が生成される。
【0120】
差動トランジスタM73,M74は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。差動トランジスタM73は、ゲートがトランジスタM1のゲートに接続され、ドレインがトランジスタM4のドレイン及びゲートに接続されている。差動トランジスタM74は、ゲートがトランジスタM2のゲートに接続され、ドレインがトランジスタM3のドレイン及びゲートに接続されている。
【0121】
トランジスタM75から供給される微小電流は、反転入力電位INM及び非反転入力電位INPに応じてオンオフする差動トランジスタM73,M74が各々接続される負荷トランジスタM3,M4に対して、オフする側の負荷トランジスタに微小電流を流しておくことで、負荷トランジスタはオフせずにオン状態を維持することができ、負荷トランジスタのスイッチング動作の遅延が改善される。
【0122】
その結果、負荷トランジスタがオンオフする遷移期間に発生する定電流発生部4で生成される電流の変動が、負荷トランジスタのスイッチング動作の遅延を改善することで抑制される。
【0123】
したがって、微小電流供給部7Fを設けることで、定電流発生部4で生成される電流の安定化を図ると共に、応答速度の低下を招くことなく、消費電流が低減されるという効果が得られるものとなっている。
【0124】
また、上述した第6実施形態では、差動トランジスタM73,M74のそれぞれのソースをトランジスタM75のドレインに接続したが、これに限ったものではない。差動トランジスタM73,M74のそれぞれのソースをトランジスタM13のドレインに接続する。すなわち、トランジスタM13と、トランジスタM73,M74とを直列接続する。さらに、トランジスタM73を差動トランジスタM1にカレントミラー接続し、トランジスタM74を差動トランジスタM2にカレントミラー接続する。
【0125】
差動トランジスタM73のアクセプト比(=W/L)と差動トランジスタM1のアクセプト比(=W/L)との比率Nを大きくすることで、トランジスタM73は、差動トランジスタM1に流れる電流の1/N(N>1)を折り返して、負荷トランジスタM4に供給することができる。また、差動トランジスタM74のアクセプト比(=W/L)と差動トランジスタM2のアクセプト比(=W/L)との比率Nを大きくすることで、トランジスタM74は、差動トランジスタM2に流れる電流の1/Nを折り返して、負荷トランジスタM3に供給することができる。この場合も同様の効果が得られるものとなっている。
【0126】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態のコンパレータ1Gについて図7を参照して説明する。なお、図7において、図1に示された回路における構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0127】
同図に示すように、コンパレータ1Gは、第1実施形態と同様に、差動入力部2Gと、出力部3Gと、定電流発生部4Gとを備えている。
【0128】
第1実施形態と第7実施形態とで異なる点は、トランジスタM1~M8,M10,M11,M13,M14に相当するトランジスタM1G~M8G,M10G,M11G,M13G,M14Gの導電型を逆にした点である。また、第1実施形態と第7実施形態とで異なる点は、正電源端子T21と負電源端子T22との関係を逆にした点である。
【0129】
第2~第6実施形態についても同様に、トランジスタの導電型を逆にし、正電源端子T21と負電源端子T22との関係を逆にしてもよい。
【0130】
第7実施形態も第1実施形態と同様に、応答速度の低下を招くことなく、消費電流が低減されるという効果が得られるものとなっている。
【0131】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0132】
例えば、上述した第1~第7実施形態では、トランジスタが電界効果トランジスタから構成されていたが、これに限ったものではない。トランジスタの少なくとも1つ以上をバイポーラトランジスタに置き換えてもよい。この場合、トランジスタのゲートをベース、ソースをエミッタ、ドレインをコレクタに読み替えて説明することができる。
【0133】
また、上述した第1~第7実施形態では、1つの負荷トランジスタM3(G)のゲートに2つのトランジスタM5(G),M10(G)が接続されていたが、これに限ったものではない。2つの負荷トランジスタM3(G)を設け、それぞれにトランジスタM5(G),M10(G)を接続してもよい。同様に、2つの負荷トランジスタM4(G)を設け、それぞれにトランジスタM6(G),M14(G)を接続してもよい。
【符号の説明】
【0134】
1,1B~1G コンパレータ
2,2G 差動入力部(第1の差動入力部)
3,3D,3G 出力部
4,4G 定電流発生部(電流発生部)
5,5C 定電流安定化部(電流安定化部)
6 差動入力部(第2の差動入力部)
7,7F 微小電流供給部
INM 反転入力電位(第1の入力電位)
INP 非反転入力電位(第2の入力電位)
M1,M1G 差動トランジスタ(第1の差動トランジスタ)
M2,M2G 差動トランジスタ(第2の差動トランジスタ)
M3,M3G 負荷トランジスタ(第3の負荷トランジスタ)
M4,M4G 負荷トランジスタ(第4の負荷トランジスタ)
M5,M5G トランジスタ(第6のトランジスタ)
M6,M6G トランジスタ(第7のトランジスタ)
M7,M7G トランジスタ(第11のトランジスタ)
M8,M8G トランジスタ(第12のトランジスタ)
M10,M10G トランジスタ(第8のトランジスタ)
M11,M11G トランジスタ(第10のトランジスタ)
M13,M13G トランジスタ(第5のトランジスタ)
M14,M14G トランジスタ(第9のトランジスタ)
M15,M15C トランジスタ(第13のトランジスタ)
M16 トランジスタ(第14のトランジスタ)
M17 トランジスタ(第15のトランジスタ)
M18 トランジスタ(第21のトランジスタ)
M19 トランジスタ(第22のトランジスタ)
M20 トランジスタ(第23のトランジスタ)
M21 トランジスタ(第24のトランジスタ)
M61 差動トランジスタ(第16の差動トランジスタ)
M62 差動トランジスタ(第17の差動トランジスタ)
M63 負荷トランジスタ(第18の負荷トランジスタ)
M64 負荷トランジスタ(第19の負荷トランジスタ)
M65 トランジスタ(第20のトランジスタ)
M71 トランジスタ(第25のトランジスタ)
M72 トランジスタ(第26のトランジスタ)
M73 トランジスタ(第29のトランジスタ)
M74 トランジスタ(第28のトランジスタ)
M75 トランジスタ(第27のトランジスタ)
R1,R1G 抵抗器(第1の抵抗器)
R2 抵抗器(第2の抵抗器)
T21 正電源端子(第2の電源端子)
T22 負電源端子(第1の電源端子)
VDD 正電源電圧(第2の電源電圧)
VSS 負電源電圧(第1の電源電圧)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8