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  • 特開-検知装置 図1
  • 特開-検知装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043713
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】検知装置
(51)【国際特許分類】
   G01H 17/00 20060101AFI20240326BHJP
   G01D 11/30 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
G01H17/00 Z
G01D11/30 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148860
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】関口 孝志
(72)【発明者】
【氏名】山田 泰雅
(72)【発明者】
【氏名】田村 拡海
【テーマコード(参考)】
2G064
【Fターム(参考)】
2G064AA11
2G064AB02
2G064AB13
2G064BA02
2G064BD02
2G064DD02
(57)【要約】
【課題】検知部を含む検知ユニットの高さを抑えることが可能な検知装置を提供すること。
【解決手段】検知装置1は、測定対象機器100に取り付けられる検知ユニット2と、検知ユニット2に電力を供給する電源ユニット3と、検知ユニット2と電源ユニット3とを接続するケーブル4と、を備え、検知ユニット2は、測定対象機器100の状態を検知する検知部10と、検知部10の検知結果を送信する通信部11と、検知部10および通信部11が共に実装される基板12と、を有している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象機器に取り付けられる検知ユニットと、
前記検知ユニットに電力を供給する電源ユニットと、
前記検知ユニットと前記電源ユニットとを接続するケーブルと、
を備え、
前記検知ユニットは、前記測定対象機器の状態を検知する検知部と、前記検知部の検知結果を送信する通信部と、前記検知部および前記通信部が共に実装される基板と、を有している、
検知装置。
【請求項2】
前記検知ユニットは、磁石を有し、前記磁石による磁着によって前記検知ユニットを前記測定対象機器に取り付ける取付部、をさらに有する、
請求項1に記載の検知装置。
【請求項3】
前記取付部は、前記磁石を保持し、磁気シールド性を有する保持部をさらに有しており、
前記保持部の少なくとも一部は、前記磁石と前記基板との間に配置されている、
請求項2に記載の検知装置。
【請求項4】
前記保持部は、強磁性体により形成される、
請求項3に記載の検知装置。
【請求項5】
前記保持部は、筒部と、前記筒部の一端を塞ぐ頂部と、を有し、
前記頂部は前記磁石と前記基板との間に位置し、
前記筒部の開口を通じて前記磁石が露出している、
請求項3または4に記載の検知装置。
【請求項6】
前記検知部は、前記測定対象機器の振動を検知する振動センサと、前記測定対象機器の温度を検知する温度センサと、前記測定対象機器から発生する音を検知する音センサと、前記測定対象機器の周囲の気圧を検知する気圧計と、のうち少なくとも一つを含む、
請求項1に記載の検知装置。
【請求項7】
前記電源ユニットは、電池を含む、
請求項1に記載の検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、測定対象機器の振動を検知する振動センサが実装されたセンサ基板と、センサ基板と電気的に接続されたメイン基板と、センサ基板とメイン基板に電力を供給するための電池と、センサ基板、メイン基板、および電池が収容されたケースと、を備えるセンサユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6867220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構造では、センサ基板と、メイン基板と、電池とが同一のケースで覆われているため、振動センサを含むセンサユニットの全体の高さが大きくなる。したがって、測定対象機器の周囲のスペースが狭い場合などに、特許文献1のセンサユニットを測定対象機器に取り付けることが難しい。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、検知部を含む検知ユニットの高さを抑えることが可能な検知装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1):本発明の一態様に係る検知装置は、測定対象機器に取り付けられる検知ユニットと、前記検知ユニットに電力を供給する電源ユニットと、前記検知ユニットと前記電源ユニットとを接続するケーブルと、を備え、前記検知ユニットは、前記測定対象機器の状態を検知する検知部と、前記検知部の検知結果を送信する通信部と、前記検知部および前記通信部が共に実装される基板と、を有している。
【0007】
(2):(1)に係る検知装置において、前記検知ユニットは、磁石を有し、前記磁石による磁着によって前記検知ユニットを前記測定対象機器に取り付ける取付部、をさらに有していてもよい。
【0008】
(3):(2)に係る検知装置において、前記取付部は、前記磁石を保持し、磁気シールド性を有する保持部をさらに有しており、前記保持部の少なくとも一部は、前記磁石と前記基板との間に配置されていてもよい。
【0009】
(4):(3)に係る検知装置において、前記保持部は、強磁性体により形成されていてもよい。
【0010】
(5):(3)または(4)に係る検知装置において、前記保持部は、筒部と、前記筒部の一端を塞ぐ頂部と、を有し、前記頂部は前記磁石と前記基板との間に位置し、前記筒部の開口を通じて前記磁石が露出していてもよい。
【0011】
(6):(1)~(5)のいずれか一つに係る検知装置において、前記検知部は、前記測定対象機器の振動を検知する振動センサと、前記測定対象機器の温度を検知する温度センサと、前記測定対象機器から発生する音を検知する音センサと、前記測定対象機器の周囲の気圧を検知する気圧計と、のうち少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0012】
(7):(1)~(6)のいずれか一つに係る検知装置において、前記電源ユニットは、電池を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0013】
上記本発明の一態様によれば、検知部を含む検知ユニットの高さを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態に係る検知装置のブロック図である。
図2】一実施形態に係る検知装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係る検知装置について図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る検知装置1のブロック図である。図2は、一実施形態に係る検知装置1の断面図である。
図1および図2に示すように、検知装置1は、検知ユニット2と、電源ユニット3と、ケーブル4と、を備えている。
【0016】
図2に示されるように、検知ユニット2は、測定対象機器100に取り付けられる。測定対象機器100は、例えば送風機の軸受けである。
検知ユニット2は、検知部10と、通信部11と、基板12と、収容ケース13と、取付部14と、を備える。
以下の説明において、図2におけるZ軸方向を高さ方向という。すなわち、高さ方向は、検知ユニット2を測定対象機器100に取り付けたときに、検知ユニット2の取付部14と測定対象機器100とが対向する方向である。また、高さ方向に沿って、後述する磁石25から基板12に向かう側を+Z側とし、その反対側を-Z側という。検知ユニット2の高さ方向における長さを、検知ユニット2の高さという。
【0017】
検知部10は、測定対象機器100の状態を検知する。例えば、検知部10は、測定対象機器100の振動を検知する振動センサを含む。検知部10は、測定対象機器100の振動以外の状態を検出してもよい。例えば、検知部10は、測定対象機器100の温度を検知する温度センサ、測定対象機器100から発生する音を検知する音センサ、測定対象機器100の周囲の気圧を検知する気圧計などを含んでいてもよい。検知部10は、振動センサ、温度センサ、音センサ、気圧計などのうち、いずれか一つを含んでいてもよいし、複数を含んでいてもよい。
検知部10は、通信部11に電気的に接続されており、検知部10の検知結果は通信部11に入力される。
【0018】
通信部11は、通信機器である。通信部11は、管理者が所有する端末装置などと直接または中継器やインターネットなどを介して間接的に、無線通信する。通信部11は、検知部10の検知結果を、管理者が所有する端末装置などに送信する。
【0019】
基板12には、検知部10および通信部11が共に実装される。すなわち、検知部10および通信部11は共通の基板12に実装される。基板12には、コネクタ15を介して、ケーブル4が接続されている。
【0020】
収容ケース13は、検知部10、通信部11、および基板12を収容する。収容ケース13は、ベース21と、カバー22と、ケーブルブッシュ23と、を有する。
【0021】
ベース21の内面には、基板12が固定される。ベース21の外面には、取付部14が固定される。ベース21の外面には、取付部14を囲むよう形成される支持突起21aが設けられる。
【0022】
カバー22は、ベース21に取り付けられる。カバー22は、検知部10、通信部11、および基板12を覆う。
ケーブルブッシュ23は、カバー22に取り付けられる。ケーブルブッシュ23には、ケーブル4が挿通される挿通孔23aが形成される。
【0023】
取付部14は、検知ユニット2を測定対象機器100に取り付けるために設けられる。取付部14は、磁石25と、保持部26と、を有する。検知ユニット2は、磁石25による磁着によって、測定対象機器100に取り付けられている。
【0024】
保持部26は、磁石25を保持する。保持部26は、磁気シールド性を有する。保持部26は、磁石25から基板12に向かう磁界を遮蔽する機能を有する。例えば、保持部26は、鉄などの強磁性体により形成される。
【0025】
保持部26は、筒部26aと、筒部26aの一端を塞ぐ頂部26bと、を有する。筒部26aと頂部26bとは、一体的に形成されている。磁石25は、筒部26aおよび頂部26bにより区画される空間に収容されている。磁石25は、筒部26aの開口を通じて露出している。磁石25の露出面が、測定対象機器100に取り付けられる。
【0026】
頂部26bは、ベース21の外面に固定される。頂部26bは、磁石25と基板12(ベース21)との間に位置する。頂部26bは、磁石25から基板12に直接向かう磁界を遮蔽する。
筒部26aは、磁石25を囲むよう形成される。磁石25は、筒部26aによって保持される。筒部26aは、頂部26bを迂回するように磁石25から基板12に向かう磁界を遮蔽する。頂部26bがベース21の外面に固定されたとき、筒部26aは、支持突起21aによって外側から支持される。
【0027】
電源ユニット3は、ケーブル4を介して、検知ユニット2に電気を供給する。例えば、電源ユニット3は、電源としての電池を含み、電池から検知ユニット2に電気を供給してもよい。電池は、一次電池でもよく、二次電池でもよい。電源ユニット3は、外部の電源装置と接続され、外部の電源装置から検知ユニット2に電気を供給してもよい。例えば、電源ユニット3は、測定対象機器100に設けられる発電装置と接続され、発電装置が発電した電気を検知ユニット2に供給してもよい。
【0028】
ケーブル4は、検知ユニット2と電源ユニット3とを接続する。ケーブル4の一端は、収容ケース13の内側において、コネクタ15を介して基板12に接続される。ケーブル4は、ケーブルブッシュ23を通じて収容ケース13の外部に引き出される。ケーブル4の他端は、電源ユニット3に接続される。
【0029】
以上説明したように、本実施形態に係る検知装置1は、測定対象機器100に取り付けられる検知ユニット2と、検知ユニット2に電力を供給する電源ユニット3と、検知ユニット2と電源ユニット3とを接続するケーブル4と、を備える。検知ユニット2は、測定対象機器100の状態を検知する検知部10と、検知部10の検知結果を送信する通信部11と、検知部10および通信部11が共に実装される基板12と、を有している。
【0030】
この構成によれば、検知ユニット2と電源ユニット3とが互いに別体に形成されている。すなわち、検知ユニット2には、電源ユニット3が設けられていない。また、検知ユニット2において、検知部10と通信部11とが共通の基板12に実装されている。したがって、検知ユニットと電源ユニットとが一体に形成されている場合や、検知部と通信部とが別の基板に実装されている場合と比べて、検知部10を含む検知ユニット2の高さを抑えることができる。したがって、測定対象機器100の周囲のスペースが狭い場合であっても、検知ユニット2を測定対象機器100に取り付けることができる。
検知部10と通信部11とが共通の基板12に実装されているため、製造コストを抑えることができる。また、検知部と通信部とが別の基板に実装されている場合と比べて、検知部10と通信部11との距離が短くなるため、検知部10と通信部11との間におけるノイズの影響を低減することができる。
【0031】
また、検知ユニット2は、磁石25を有し、磁石25による磁着によって検知ユニット2を測定対象機器100に取り付ける取付部14、をさらに有する。
この構成によれば、磁石25により、検知ユニット2を測定対象機器100に容易に取り付けることができる。
【0032】
また、取付部14は、磁石25を保持し、磁気シールド性を有する保持部26をさらに有する。保持部26の少なくとも一部は、磁石25と基板12との間に配置されている。
この構成によれば、保持部26によって、磁石25を保持するとともに、磁石25から基板12に向かう磁界を遮蔽することができる。したがって、基板12、並びに基板12に実装される検知部10および通信部11に、磁石25による影響が及ぼされることが抑制できる。ここで、磁石25から基板12に向かう磁界が遮蔽されていない場合、磁石25の影響を受けないように、基板12を磁石25から離間させる必要があり、検知ユニット2の高さが増加してしまう。保持部26によって、磁石25から基板12に向かう磁界を遮蔽することで、基板12を磁石25から離間させる必要がないため、検知ユニット2の高さを抑えることができる。
【0033】
また、保持部26は、筒部26aと、筒部26aの一端を塞ぐ頂部26bと、を有する。頂部26bは磁石25と基板12との間に位置する。筒部26aの開口を通じて磁石25が露出している。
この構成によれば、頂部26bによって、磁石25から基板12に直接向かう磁界を遮蔽できる。筒部26aによって、磁石25を保持しつつ、頂部26bを迂回するように磁石25から基板12に向かう磁界を遮蔽できる。さらに、筒部26aの開口を通じて、磁石25と測定対象機器100との間に磁力を生じさせて、検知ユニット2を測定対象機器100に取り付けることができる。
【0034】
電源ユニット3は、電池を含む。
この構成によれば、検知装置1を、外部の電源装置などと接続することなく、ワイヤレスで用いることができる。
【0035】
以上、本発明の好ましい実施形態を記載し説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。
【0036】
例えば、取付部14は、ネジによるネジ固定や、あるいは接着剤による接着によって、検知ユニット2を測定対象機器100に取り付けてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、測定対象機器100として送風機を例示したが、測定対象機器100は、ポンプ装置、電動機、冷凍機、内燃機関などの回転機械であってもよく、この回転機械によって動作する各種装置であってもよい。
【符号の説明】
【0038】
1…検知装置、2…検知ユニット、3…電源ユニット、4…ケーブル、10…検知部、11…通信部、12…基板、14…取付部、25…磁石、26…保持部、26a…筒部、26b…頂部、100…測定対象機器
図1
図2