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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044097
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】統括装置及び統括プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/50 20060101AFI20240326BHJP
   H04L 41/085 20220101ALI20240326BHJP
   H04L 41/0893 20220101ALI20240326BHJP
【FI】
G06F9/50 150D
G06F9/50 120Z
H04L41/085
H04L41/0893
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149431
(22)【出願日】2022-09-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005902
【氏名又は名称】株式会社三井E&S
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 道生
(72)【発明者】
【氏名】二又 浩文
(57)【要約】
【課題】海洋に関するタスクを効率良く遂行すること。
【解決手段】実施形態の統括装置は、情報取得部と、グループ作成部と、処理実行部と、を有する。情報取得部は、あらかじめ設定された海洋に関するタスクを遂行するためのリソースを有するノードの情報を取得する。グループ作成部は、情報取得部によって取得されたノードの情報とタスクとに応じて、互いにデータの通信が可能な複数のノードを含むグループを作成する。処理実行部は、複数のノードに、互いにデータの通信を行わせ、複数のノードにリソースを提供させることにより、タスクに応じた処理を実行させる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ設定された海洋に関するタスクを遂行するためのリソースを有するノードの情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部によって取得された前記ノードの情報と前記タスクとに応じて、互いにデータの通信が可能な複数のノードを含むグループを作成するグループ作成部と、
前記複数のノードに、互いにデータの通信を行わせ、前記複数のノードに前記リソースを提供させることにより、前記タスクに応じた処理を実行させる処理実行部と
を有することを特徴とする統括装置。
【請求項2】
前記処理実行部は、前記複数のノードのそれぞれの前記リソースの使用状況に応じて、前記リソースを提供するノードを分散させることを特徴とする請求項1に記載の統括装置。
【請求項3】
前記グループ作成部は、前記ノードに関する情報を基に、前記処理を実行するための前記ノードの組み合わせを出力する機械学習モデルを用いて、前記グループを作成することを特徴とする請求項1に記載の統括装置。
【請求項4】
前記処理実行部は、前記複数のノードのそれぞれに同一のデータを記憶させることにより、前記複数のノードをブロックチェーンとして機能させることを特徴とする請求項1に記載の統括装置。
【請求項5】
前記グループ作成部は、前記ノードに関する情報を基に、データの通信を行うための通信経路を出力する機械学習モデルを用いて、前記複数のノードが互いにデータの通信を行うための通信経路を決定することを特徴とする請求項1に記載の統括装置。
【請求項6】
前記処理実行部は、前記処理を実行するために、前記複数のノードのそれぞれによって提供された前記リソースに対して課される料金を計算することを特徴とする請求項1に記載の統括装置。
【請求項7】
前記グループ作成部は、クラウドサーバ、船舶に搭載されたECU、及び前記船舶の主機のメーカのサーバをノードとするグループを作成し、
前記処理実行部は、前記ノードに、前記船舶の運航を支援するための処理を実行させることを特徴とする請求項1に記載の統括装置。
【請求項8】
あらかじめ設定された海洋に関するタスクを遂行するためのリソースを有するノードの情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップによって取得された前記ノードの情報と前記タスクとに応じて、互いにデータの通信が可能な複数のノードを含むグループを作成するグループ作成ステップと、
前記複数のノードに、互いにデータの通信を行わせ、前記複数のノードに前記リソースを提供させることにより、前記タスクに応じた処理を実行させる処理実行ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする統括プログラム。
【請求項9】
前記処理実行ステップは、前記複数のノードのそれぞれの前記リソースの使用状況に応じて、前記リソースを提供するノードを分散させることを特徴とする請求項8に記載の統括プログラム。
【請求項10】
前記グループ作成ステップは、前記ノードに関する情報を基に、前記処理を実行するための前記ノードの組み合わせを出力する機械学習モデルを用いて、前記グループを作成することを特徴とする請求項8に記載の統括プログラム。
【請求項11】
前記処理実行ステップは、前記複数のノードのそれぞれに同一のデータを記憶させることにより、前記複数のノードをブロックチェーンとして機能させることを特徴とする請求項8に記載の統括プログラム。
【請求項12】
前記グループ作成ステップは、前記ノードに関する情報を基に、データの通信を行うための通信経路を出力する機械学習モデルを用いて、前記複数のノードが互いにデータの通信を行うための通信経路を決定することを特徴とする請求項8に記載の統括プログラム。
【請求項13】
前記処理実行ステップは、前記処理を実行するために、前記複数のノードのそれぞれによって提供された前記リソースに対して課される料金を計算することを特徴とする請求項8に記載の統括プログラム。
【請求項14】
前記グループ作成ステップは、クラウドサーバ、船舶に搭載されたECU、及び前記船舶の主機のメーカのサーバをノードとするグループを作成し、
前記処理実行ステップは、前記ノードに、前記船舶の運航を支援するための処理を実行させることを特徴とする請求項8に記載の統括プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、統括装置及び統括プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
海洋に関するタスクの遂行においては、複数の主体が有するコンピュータが利用される場合がある。
【0003】
海洋に関するタスクには、海難事故対応、船舶の航路検索、船舶のメンテナンス等がある。また、複数の主体には、船舶だけでなく、船主、造船会社、船舶のエンジンの製造会社、荷主、官公庁、保険会社等が含まれる。
【0004】
従来、複数のコンピュータがタスクを遂行する分散コンピューティングにおいて、タスクを実行するコンピュータを自動的に特定する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
また、通信機能を備えた複数の車両を、互いに通信可能なグループとして編成する技術が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2016-504696号公報
【特許文献2】特開2022-116616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術には、海洋に関するタスクを効率良く遂行できない場合があるという問題がある。
【0008】
例えば、特許文献1及び特許文献2に記載の技術は、海洋に関するタスクを遂行するものではない。
【0009】
1つの側面では、海洋に関するタスクを効率良く遂行できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの態様において、統括装置は、あらかじめ設定された海洋に関するタスクを遂行するためのリソースを有するノードの情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部によって取得された前記ノードの情報と前記タスクとに応じて、互いにデータの通信が可能な複数のノードを含むグループを作成するグループ作成部と、前記複数のノードに、互いにデータの通信を行わせ、前記複数のノードに前記リソースを提供させることにより、前記タスクに応じた処理を実行させる処理実行部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
実施形態の1つの態様によれば、海洋に関するタスクを効率良く遂行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るノードの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る統括ノードの構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る運用管理機能の構成例を示す図である。
図5図5は、タスク情報の例を示す図である。
図6図6は、ノード情報の例を示す図である。
図7図7は、多重化構造を説明する図である。
図8図8は、監視ノードについて説明する図である。
図9図9は、ネットワークシステムの処理を説明する図である。
図10図10は、実施形態に係る統括ノードの処理の流れを示すフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係るグループを作成する処理の流れを示すフローチャートである。
図12図12は、ネットワークシステムの構成例を示す図である。
図13図13は、ネットワークシステムの構成例を示す図である。
図14図14は、ネットワークシステムの構成例を示す図である。
図15図15は、ネットワークシステムの構成例を示す図である。
図16図16は、ネットワークシステムの構成例を示す図である。
図17図17は、実施形態に係る統括装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本開示による統括装置及び統括プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではない。
【0014】
本実施形態の目的の1つは、海洋に関するタスクを効率良く遂行することである。そのために、本実施形態では、コンピュータをノードとするネットワーク(以下、ネットワークシステム)が構築される。
【0015】
[実施形態の構成]
図1を用いて、ネットワークシステムについて説明する。図1は、実施形態に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。
【0016】
図1に示すように、ネットワークシステム1は、統括ノード20と複数のノード(ノード10a、ノード10b、ノード10c、ノード10d)を有する。統括ノード20は、統括装置の一例である。
【0017】
ここで、統括ノードでないノードを、一般ノードと呼ぶ。また、以降の説明において、単にノードと表記した場合は、統括ノードと一般ノードの両方を意味するものとする。
【0018】
ノードは、コンピュータである。ノードは、例えば企業等の組織又は個人によって所有される。ノードは、例えばクラウド上又はローカル環境に設置されたサーバ、デスクトップ型又はラップトップ型のPC、スマートフォン等の携帯型端末、船舶等の移動体に備えられたコンピュータ等である。また、ノードは、船舶に備えられたECU(Engine Control Unit)であってもよい。
【0019】
ネットワークシステム1に含まれる各ノードは、互いにデータの通信を行うことができる。例えば、ネットワークシステム1の各ノードは、インターネットを介してデータ通信を行ってもよいし、ノード間で直接的にデータ通信を行ってもよい。例えば、ノードは、モバイルネットワーク(例えばLTE(Long Term Evolution)、5G)、ローカル無線通信(例えばWi-Fi(登録商標))、又は船舶向けの衛星通信を介して通信を行う。
【0020】
ネットワークシステム1に含まれるノードが互いにデータの通信を行うことができることは、ノード間がいわゆる物理層で接続されているだけでなく、物理層より上位の層(データリンク層以上)での接続が確立可能であることを意味する。
【0021】
例えば、ネットワークシステム1に含まれるノードは、通信先のノードのアドレス、及びデータの送受信に必要なパスワード等を記憶しておき、当該記憶した情報を使って通信を確立させる。
【0022】
なお、ネットワークシステム1に含まれる全てのノードが互いに接続されている必要はない。例えば、ノードは、他のノードを介して通信先のノードと間接的に接続されていてもよい。
【0023】
統括ノード20は、一般ノードを統括するためのノードである。統括ノード20は、候補のノード群の中から、特定のノードを選択し、選択したノードをクラスタリング(グループ化)する。統括ノード20及びクラスタリングされた一般ノードが、ネットワークシステム1を構成する。
【0024】
なお、候補のノード群に含まれる各ノードは、一般ノードとして機能することもできるし、統括ノードとして機能することもできる。
【0025】
図1の例では、候補のノード群に、ノード10a、ノード10b、ノード10c、ノード10d、ノード10e及びノード10fが含まれる。
【0026】
そして、統括ノード20はクラスタリングを行い、ノード10a、ノード10b、ノード10c及びノード10dをクラスタ(ネットワークシステム1)に含める。一方で、統括ノード20は、ノード10e及びノード10fをクラスタ(ネットワークシステム1)に含めない。
【0027】
ここで、ネットワークシステム1は、海洋に関するタスクの遂行するためのシステムである。統括ノード20は、タスクの内容及びノードが持つリソース等に応じて、ネットワークシステム1に含めるノードを選定する。
【0028】
図2及び図3を用いて、ノードの構成を説明する。図2は、実施形態に係るノードの構成例を示す図である。図3は、実施形態に係る統括ノードの構成例を示す図である。
【0029】
図2に示すノード10は、一般ノード、すなわち図1のノード10a、ノード10b、ノード10c、ノード10d、ノード10e及びノード10fに相当する。ただし、一般ノードの構成は、統括ノード20と同等の構成であってもよい。
【0030】
図2に示すように、ノード10は、機能部11及びリソース部12を有する。機能部11は、ノード10の各機能を実現する。リソース部12は、ネットワークシステム1がタスクを遂行する際に利用可能なコンピュータリソース(計算機リソース)である。
【0031】
例えば、機能部11及びリソース部12は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、入出力ポート等を有するコンピュータ又は各種の回路により実現される。
【0032】
機能部11は、リソース管理機能111、通信機能112、課金機能113及び監視機能114を有する。機能部11の各機能は、CPUがプログラムを実行することにより実現される。
【0033】
リソース管理機能111は、リソース部12に含まれるリソースの管理を行う。例えば、リソース管理機能111は、リソースの提供、及び提供するリソースの内容及び量の制限を行う。
【0034】
ここで、リソース部22には、ハードウェアリソース121、ソフトウェアリソース122及びDBリソース123が含まれる。
【0035】
ハードウェアリソース121は、プロセッサ(例えばCPU又はGPU)による演算能力に相当する。例えば、リソース管理機能111がハードウェアリソース121を提供することにより、ネットワークシステム1は分散コンピューティングを実現することができる。このとき、ノード10は、プロセッサの1つのスレッドとして機能してもよい。
【0036】
例えば、リソース管理機能111は、他のノードから計算式及び当該計算式の演算に必要なデータを受け取る。そして、リソース管理機能111は、ハードウェアリソース121を使って計算式に従って計算を行い、計算結果を他のノードに返す。
【0037】
ソフトウェアリソース122は、あらかじめ作成されたプログラムである。ソフトウェアリソース122として備えられるプログラムは、ノードごとに異なっていてもよい。なお、ソフトウェアリソース132は、モジュール、プロシージャ、関数等と呼ばれる所定の単位のプログラムであってもよい。
【0038】
リソース管理機能111は、ソフトウェアリソース122であるプログラムを他のノードに提供してもよいし、ハードウェアリソース121とソフトウェアリソース122の両方を使ってプログラムを実行し、実行結果を提供してもよい。
【0039】
例えば、ソフトウェアリソース122に、シミュレーションにより現在地から目的地までの最適な航路を計算する最適航路探索プログラムが含まれている場合を考える。
【0040】
このとき、ノード10には、船舶の現在地、目的地、現在地と目的地との間の航路の候補、及び最適航路探索プログラムの実行に必要なその他のデータが与えられる。リソース管理機能111は、ハードウェアリソース121を使って、与えられたデータを基に最適航路探索プログラムを実行し、その結果得られた航路を他のノードに返す。
【0041】
また、ソフトウェアリソース122には、学習済みの機械学習モデル(AIモデル)が含まれていてもよい。例えば、ソフトウェアリソース122に、画像に写る物体を認識する画像認識モデルが含まれている場合を考える。
【0042】
このとき、ノード10には画像が与えられる。リソース管理機能111は、ハードウェアリソース121を使って、与えられた画像を画像認識モデルに入力し、認識結果を他のノードに返す。
【0043】
DBリソース123は、データとして記憶された情報である。DBリソース123として記憶されるデータは、ノードごとに異なっていてもよい。
【0044】
例えば、DBリソース123は、キー及び値を持つテーブルとしてデータを記憶する。その場合、リソース管理機能111は、他のノードから指定されたキーを基に、テーブルを検索して得られた値を他のノードに返す。
【0045】
通信機能112は、他のノードとの間で通信を行う。例えば、通信機能112は、NIC(Network Interface Controller)のような通信インタフェースと、通信インタフェースを制御するためのプログラムを含む。
【0046】
課金機能113は、リソースの提供に対する料金を課するための機能である。例えば、課金機能113は、リソース管理機能111によって他のノードに提供されたリソースの内容及び量に応じて料金を計算する。例えば、課金機能113は、リソースごとの単価に、提供された時間又は回数を掛けることにより料金を計算する。
【0047】
また、課金機能113は、料金を請求するための請求書のフォーマットのデータを作成し、当該データを所定の宛先に送信することができる。
【0048】
監視機能114は、他のノードとの交渉を行う。監視機能114は、他のノードに対してリソースの提供を依頼する。また、監視機能114は、他のノードから受けたリソースの提供依頼を受けるか否かを判断する。
【0049】
監視機能114は、各ノードが有するリソース等に応じて、ルールベースで交渉を行うことができる。
【0050】
また、監視機能114は、ルールベースではなく、機械学習モデル(AIモデル)によって実現されてもよい。例えば、監視機能114は、他のノードから提示された条件をAIモデルに入力する。そして、機械学習モデルは、当該条件に基づいてリソースを提供してよいか否かを示す情報を出力する。条件には、提供されるリソースの内容、量、時間、期間、料金等が含まれる。また、機械学習モデルは、入力されたデータ(条件)、及び出力に従ってリソースを提供するか否かを判断した場合の結果の評価を教師データとして追加することで、適宜更新(訓練)される。なお、結果は、タスクの成否、及び成功の度合い(例えば、ビジネスに関するタスクであれば利益)によって評価されてもよい。
【0051】
次に、図3を用いて統括ノード20の構成を説明する。図3に示すように、統括ノード20は、機能部21及びリソース部22を有する。
【0052】
統括ノード20は、ノード10と同等の構成に加えて、運用管理機能215を有する。統括ノード20のリソース管理機能211、通信機能212、課金機能213及び監視機能214は、それぞれノード10のリソース管理機能111、通信機能112、課金機能113及び監視機能114と同等の機能である。
【0053】
また、統括ノード20のリソース部22(ハードウェアリソース221、ソフトウェアリソース222及びDBリソース223)は、ノード10のリソース部22と同等の機能である。
【0054】
図4を用いて、運用管理機能215について説明する。図4は、実施形態に係る運用管理機能の構成例を示す図である。
【0055】
図4に示すように、運用管理機能215は、情報取得部2151、グループ作成部2152、処理実行部2153を有する。また、運用管理機能215は、ノード情報2154及びタスク情報2155を記憶する。
【0056】
情報取得部2151は、あらかじめ設定された海洋に関するタスクを遂行するためのリソースを有するノードの情報を取得する。情報取得部2151は、ノード情報2154からノードの情報を取得する。また、情報取得部2151は、タスク情報2155からタスクの情報を取得する。
【0057】
図5は、タスク情報の例を示す図である。図5に示すように、タスク情報2155は、タスクとソフトウェアリソース、DBリソース及びハードウェアリソースとを対応付けた情報である。
【0058】
図5の例では、タスク「貨物の輸送」に、ソフトウェアリソースである「最適航路探索」、DBリソースである「船舶データ」、「運航計画データ」、「気象予報データ」、ハードウェアリソースである「CPU」、「GPU」が対応付けられている。
【0059】
図6は、ノード情報の例を示す図である。図6に示すように、ノード情報2154には、ノードと、各ノードが有するソフトウェアリソース、DBリソース及びハードウェアリソースとを対応付けた情報である。
【0060】
図6の例では、ノード「システム30a」に、ソフトウェアリソースである「最適航路探索」、DBリソースである「船舶データ」、ハードウェアリソースである「GPU」が対応付けられている。
【0061】
グループ作成部2152は、情報取得部2151によって取得されたノードの情報とタスクとに応じて、互いにデータの通信が可能な複数のノードを含むグループを作成する。
【0062】
例えば、遂行するタスクが「貨物の輸送」である場合を考える。タスク情報2155には、タスク「貨物の輸送」を遂行するためには、ソフトウェアリソースである「最適航路探索」、DBリソースである「船舶データ」、「運航計画データ」、「気象予報データ」、ハードウェアリソースである「CPU」、「GPU」が必要であることが示されている。
【0063】
そこで、グループ作成部2152は、ソフトウェアリソース「最適航路探索」及びDBリソース「船舶データ」及びハードウェアリソース「GPU」を有する「システム30a」を選択する。また、グループ作成部2152は、ソフトウェアリソース「最適航路探索」及びDBリソース「気象予報データ」及びハードウェアリソース「CPU」を有する「システム30b」を選択する。また、グループ作成部2152は、ソフトウェアリソース「最適航路探索」及びDBリソース「運航計画データ」及びハードウェアリソース「GPU」を有する「システム30c」を選択する。一方で、「システム30d」はタスク「貨物の輸送」に必要なリソースを有していないため、グループ作成部2152は「システム30d」を選択しない。
【0064】
グループ作成部2152は、選択した「システム30a」、「システム30b」、「システム30c」をグループ化する。これにより、「システム30a」、「システム30b」、「システム30c」をノードとするネットワークシステムが構築される。
【0065】
さらに、グループ作成部2152は、ノード間の通信経路を設定する。例えば、グループ作成部2152は、グループに含まれるノードに、各ノードのアドレス等の通信に必要な情報を通知し、記憶させる。
【0066】
また、グループ作成部2152は、ノードに関する情報を基に、データの通信を行うための通信経路を出力する機械学習モデル(AIモデル)を用いて、複数のノードが互いにデータの通信を行うための通信経路を決定してもよい。このように、事前に機械学習モデルを用意できれば、通信経路の自動決定及びリコメンドが可能になる。また、機械学習モデルは、決定した通信経路の評価(例えば、通信速度、安定性の計測値)を基に、適宜更新(訓練)されてもよい。
【0067】
また、グループ作成部2152は、各ノードを複数のノードと接続させ、メッシュネットワークを構築してもよい。
【0068】
なお、グループ作成部2152は、ノードに関する情報を基に、処理を実行するためのノードの組み合わせを出力する機械学習モデル(AIモデル)を用いて、グループを作成してもよい。このように、事前に機械学習モデルを用意できれば、グループの作成を効率良く行うことができる。また、機械学習モデルは、作成したグループに関する評価(例えば、最終的なタスクの成否)を基に、適宜更新(訓練)されてもよい。
【0069】
処理実行部2153は、グループ作成部2152によってグループ化された複数のノードに、互いにデータの通信を行わせ、複数のノードにリソースを提供させることにより、タスクに応じた処理を実行させる。
【0070】
また、処理実行部2153は、複数のノードのそれぞれのリソースの使用状況に応じて、リソースを提供するノードを分散させる。
【0071】
例えば、「システム30a」及び「システム30b」は、いずれもソフトウェアリソース「最適航路探索」を有する。このため、処理実行部2153は、ソフトウェアリソース「最適航路探索」を使った処理を、「システム30a」のみに実行させるのではなく、「システム30a」及び「システム30b」の両方に実行させる。これにより、1つのノードに負荷が集中することを防ぐことができる。
【0072】
さらに、処理実行部2153は、複数のノードのそれぞれに同一のデータを記憶させ、複数のノード(ネットワークシステム)をブロックチェーンとして機能させてもよい。
これにより、情報の透明性及び信頼性を確保することができるようになる。
【0073】
また、処理実行部2153は、処理を実行するために、複数のノードのそれぞれによって提供されたリソースに対して課される料金を計算する。この場合、処理実行部2153は、各ノードの課金機能113によって計算された料金を基に、料金の請求又は徴収を行う。
【0074】
なお、料金の請求及び徴収は、タスクの実行を要求した顧客が存在する場合は、当該顧客に対して行われる。処理実行部2153は、クライアントに請求書のフォーマットのデータを送信してもよいし、金融システムと連携して自動的に料金の引き落としを行ってもよい。
【0075】
ここで、図7に示すように、ネットワークシステムは多重化されていてもよい。図7は、多重化構造を説明する図である。「N」が付されたノードは一般ノードである。また、「L」が付されたノードは統括ノードである。
【0076】
図7の例では、統括ノードが統括するネットワークシステムをノードとするネットワークシステムがさらに構築されている。このように、統括ノード及びネットワークシステムは多層化される場合がある。また、各ノードは複数のネットワークシステムに重複して所属していてもよい。
【0077】
同一の価値を持つ複数のノードの集合をネットワークシステムとみなすことができる。この場合、集合に含まれるいずれかのノードが統括ノードとして振る舞うことができる。
【0078】
例えば、同一の価値を持つ複数のノードは、同一の主体(企業又は個人)が所有するノードである。また、例えば、同一の価値を持つ複数のノードは、1つのタスクに対するステークスホルダである主体(企業又は個人)が所有するノードである。
【0079】
図7の例と同様に、同一の価値を持つ複数のノードの集合をノードとするネットワークシステムが構築されてもよい。
【0080】
また、図8に示すように、統括ノード及び一般ノードの一部は、監視ノードとして振る舞うことができる。図8は、監視ノードについて説明する図である。「R」が付されたノードは監視ノードである。
【0081】
監視ノードは、前述の監視機能114によるノード間の交渉を実行する。また、監視ノードは、グループ作成部2152によって決定された通信経路を、各ノードにリコメンドする。
【0082】
これまで説明してきた処理の流れを図9に示す。図9は、ネットワークシステムの処理を説明する図である。
【0083】
図9に示すように、ノードの候補として、システム30a、システム30b、システム30c、システム30dが存在するものとする。ノードの候補のシステムは、サーバ、端末、ECU等のコンピュータである。
【0084】
また、端末50は、ユーザUによって操作される。ユーザUは、端末50を介して統括ノード20にタスクの遂行を要求し、さらに統括ノード20からタスクの遂行結果を受け取る。
【0085】
統括ノード20は、まずノードの情報を取得する(ステップS1)。このとき、統括ノード20は、ノード情報2154及びタスク情報2155を参照して情報を取得する。
【0086】
統括ノード20は、運用管理機能215により、システム30a及びシステム30bを採用(選択)する(ステップS2)。一方で、統括ノード20は、システム30dを採用しない(ステップS3)。前述の通り、運用管理機能215は、ノード情報2154及びタスク情報2155を基に、処理に必要なリソースを有するノードを選択する。
【0087】
ここでは、システム30cは、システム30bの監視機能114による交渉(ノード間交渉)により選択されるものとする(ステップS4)。
【0088】
ここで、統括ノード20は、採用されたたノードを含むグループを作成する(ステップS5)。そして、統括ノード20は、作成したグループによりタスクに応じた処理を実行する(ステップS6)。
【0089】
[実施形態の処理の流れ]
図10を用いて、統括ノード20の処理の流れを説明する。図10は、実施形態に係る統括ノードの処理の流れを示すフローチャートである。
【0090】
図10に示すように、まず、統括ノード20は、タスクの入力を受け付ける(ステップS11)。例えば、タスクの入力は、端末50を介して行われる。
【0091】
次に、統括ノード20は、タスク及びノードの情報を取得する(ステップS12)。そして、統括ノード20は、取得した情報を基にノードのグループを作成する(ステップS13)。
【0092】
続いて、統括ノード20は、グループに含まれるノード間の通信経路を決定する(ステップS14)。そして、統括ノード20は、グループに含まれるノードのリソースを用いて処理を実行する(ステップS15)。
【0093】
図11を用いて、グループを作成する処理(図10のステップS13)について説明する。図11は、実施形態に係るグループを作成する処理の流れを示すフローチャートである。
【0094】
図11に示すように、統括ノード20は、候補のノードを識別する番号を表すiを1とおく(ステップS131)。
【0095】
次に、統括ノード20は、第i番目のノードがタスクに適合するか否かを判定する(ステップS132)。統括ノード20は、第i番目のノードがタスクに必要なリソースを有する場合、当該ノードがタスクに適合すると判定する。一方、統括ノード20は、第i番目のノードがタスクに必要なリソースを有さない場合、当該ノードがタスクに適合しない判定する。
【0096】
第i番目のノードがタスクに適合する場合(ステップS132、Yes)、統括ノード20は、第i番目のノードを採用して(ステップS133)ステップS134に進む。一方、第i番目のノードがタスクに適合しない場合(ステップS132、No)、統括ノード20は、第i番目のノードを採用せずにステップS134に進む。
【0097】
統括ノード20は、採用済みノードでタスクを実行可能であるか否かを判定する(ステップS134)。例えば、タスクに必要なリソースの内容及び量が、採用済みノードが有するリソースの内容及び量で全て補われている場合、統括ノード20は、採用済みノードでタスクを実行可能であるかと判定する。
【0098】
統括ノード20は、採用済みノードでタスクを実行可能であると判定した場合(ステップS134、Yes)、採用したノードをグループに追加し(ステップS136)処理を終了する。
【0099】
一方、統括ノード20は、採用済みノードでタスクを実行可能でないと判定した場合(ステップS134、No)、iを1だけ増加させ(ステップS135)、ステップS132に戻る。
【0100】
[実施形態の効果]
これまで説明してきたように、情報取得部2151は、あらかじめ設定された海洋に関するタスクを遂行するためのリソースを有するノードの情報を取得する。グループ作成部2152は、情報取得部2151によって取得されたノードの情報とタスクとに応じて、互いにデータの通信が可能な複数のノードを含むグループを作成する。処理実行部2153は、複数のノードに、互いにデータの通信を行わせ、複数のノードにリソースを提供させることにより、タスクに応じた処理を実行させる。
【0101】
このように、本実施形態では、タスクに応じて、リソースを有するノードのグループを作成することができる。このため、本実施形態によれば、例えば海難事故対応、船舶のメンテナンス、貨物の輸送といった海洋に関するタスクであっても、当該タスクに応じたグループを作成することで、タスクを効率良く遂行できる。
【0102】
これまで説明した実施形態を具体的な事例に適応させた実施例について説明する。例えば、実施例におけるネットワークシステムは、船舶の運航を支援する処理を実行する。また、例えば、実施例におけるネットワークシステムは、船舶が寄港する港湾の設備に関する処理を実行する。
【0103】
[実施例1:津波アラートサービス]
図12を用いて、タスクが「津波アラートサービス」である場合の実施例を説明する。図12は、ネットワークシステムの構成例を示す図である。
【0104】
タスク「津波アラートサービス」は、船舶によって津波の発生が検知された場合、当該津波に関する情報を研究機関等に通知するものである。
【0105】
図12に示すように、船舶62は、記録装置62a及び船舶ECU62bを有する。実施例1では、船舶ECU62bは統括ノードとして機能する。
【0106】
船舶ECU62bは、船舶62が太平洋の航路を運航中に津波を検知した場合、クラウドサーバ61、他の船舶62、研究機関サーバ64をノードとするネットワークシステム1Aを作成する。
【0107】
そして、船舶ECU62bは、ネットワークシステム1Aのリソースを使用して、タスク「津波アラートサービス」を遂行するための処理を開始する。
【0108】
まず、船舶ECU62bは、船舶62の船位に応じて、クラウドサーバ61にデータを照会し、太平洋に面する国(津波の影響を受ける国)の情報を得る。そして、船舶ECU62bは、津波の分析を実施可能な研究機関サーバ64から得た情報を基に、津波に関する情報を発信する国及び研究機関等を選定する。船舶ECU62bは、複数の船舶からの情報を集約した上でクラウドサーバ61にデータを照会してもよい。
【0109】
なお、船舶62は複数存在する。船舶62のそれぞれに搭載された船舶ECUは、船舶62の航路に面した国に在籍する研究機関のサーバ等を含むグループを作成する。これにより、グループがさらに多重化されたグループが作成される。
【0110】
船舶ECU62bは、クラウドサーバ61に、オンライン支援テレビ会議システム、詳細データ収集サービス等を利用するために必要なデータを、選定した国及び研究機関、さらには他の船舶等へ送信させる。
【0111】
船舶ECU62bは、自身のリソースだけでは、センサ値の閾値判定といった簡易な処理しか行うことができない。一方で、船舶ECU62bは、クラウドサーバ61のリソースを使用することで機能を拡張し、機械学習モデルを使った分析を行うことができる。
【0112】
船舶ECU62bがタスク「津波アラートサービス」を遂行することで、国及び研究機関は津波の詳細なデータを入手でき、被害のシミュレート及び対象区域への津波アラートの発信等の対策を行うことができる。
【0113】
また、船舶ECU62bは、船舶62の船位等に応じて、船陸間通信回線を含む複数の通信回線から最適なものを選択し、通信経路とすることができる。
【0114】
船舶ECU62bは、クラウドサーバ61のリソースだけでなく、船舶ECU62b自身が持つリソースを合わせて提供してもよい。また、船舶ECU62bは、提供速度を重視して、クラウドサーバ61のリソースを提供させずに、船舶ECU62b自身が持つリソースのみを提供してもよい。
【0115】
船舶ECU62bは、タスク「津波アラートサービス」が完了した後、リソースの提供を停止する。例えば、国及び研究機関が詳細データを収集し終わったら、船舶ECU62bは、提供されていた各種ツールを無効化する。
【0116】
そして、船舶ECU62bは、リソースの提供を受けた国及び研究機関、他の船舶に課される料金を計算する。船舶ECU62bは、デフォルトの使用回数を超えてリソースが使用された場合にのみ、リソースの使用を有償とすることもできる。
【0117】
また、船舶ECU62bがタスク「津波アラートサービス」を遂行することによって得られた情報及び対応の履歴は、研究機関に関するノードによって構成される別のネットワークシステムによって、被害情報と合わせて保管されてもよい。これにより、今後の津波による被害のシミュレーションの精度を向上させることができる。
【0118】
タスク「津波アラートサービス」によれば、津波の早期発見及び被害のシミュレーションを実施でき、被害を最小限にとどめることが可能になる。
【0119】
また、船舶ECU62bは、研究機関に関するノードによって構成される別のネットワークシステムとの間で交渉を行い、情報を提供するか否か、どの研究機関に情報を提供するか、及び提供する情報の範囲を決定してもよい。交渉は、機械学習モデル(AIモデル)の出力を基に行われるものであってもよい。
【0120】
例えば、船舶ECU62bは、提供する情報ごとに評価値及び閾値を設けておき、評価値が閾値を超えた情報のみを提供するようにしてもよい。また、閾値及び提供される情報の範囲は、交渉により決定されてもよい。
【0121】
また、船舶ECU62bが自動的に情報を提供する機能は無効化されてもよい。この場合、情報の提供は、人間により手動で行われる。
【0122】
また、ネットワークシステム1Aは、研究機関に関するノードによって構成される別のネットワークシステムに提供する情報を、各ノードに記憶させておき、ブロックチェーン化することができる。これにより、提供される情報の透明性及び信頼性を確保することができる。
【0123】
[実施例2:主機の見守り支援サービス]
図13を用いて、タスクが「主機の見守り支援サービス」である場合の実施例を説明する。図13は、ネットワークシステムの構成例を示す図である。
【0124】
タスク「主機の見守り支援サービス」は、船舶の主機に異常が生じた際の対応を行うものである。
【0125】
図13に示すように、船舶62は、記録装置62a及び船舶ECU62bを有する。実施例2では、船舶ECU62bは統括ノードとして機能する。
【0126】
船舶ECU62bは、船舶62の主機に異常が発生した場合、クラウドサーバ61、エンジンメーカサーバ63a、エンジンメーカサーバ63b、エンジンメーカサーバ63cをノードとするネットワークシステム1Bを作成する。
【0127】
エンジンメーカサーバ63a、エンジンメーカサーバ63b、エンジンメーカサーバ63cは、船舶62に搭載されたものと同じ型の主機を提供する複数の異なるメーカ(又はライセンサ)のサーバである。
【0128】
そして、船舶ECU62bは、ネットワークシステム1Bのリソースを使用して、タスク「主機の見守り支援サービス」を遂行するための処理を開始する。
【0129】
まず、船舶ECU62bは、異常が発生した主機の種類に応じて、クラウドサーバ61にデータを照会し、製造メーカ、船主、船国籍、登録されている船級情報等を得る。そして、船舶ECU62bは、取得した情報と、次回寄港国等の付帯情報を基に、対応可能なエンジンメーカサーバを選定する。船舶ECU62bは、複数の船舶からの情報を集約した上でクラウドサーバ61にデータを照会してもよい。
【0130】
なお、船舶62は複数存在する。船舶62のそれぞれに搭載された船舶ECUは、主機の種類、製造メーカ、船舶の船主、船国籍、登録されている船級情報等を基にグループを作成する。これにより、グループがさらに多重化されたグループが作成される。
【0131】
船舶ECU62bは、クラウドサーバ61に、オンライン支援テレビ会議システム、異常修正(補正)ツール等を利用するために必要なデータを、船舶62及び選定したエンジンメーカサーバへ送信させる。
【0132】
船舶ECU62bは、自身のリソースだけでは、センサ値の閾値判定といった簡易な処理しか行うことができない。一方で、船舶ECU62bは、クラウドサーバ61のリソースを使用することで機能を拡張し、機械学習モデルを使った分析を行うことができる。
【0133】
船舶ECU62bがタスク「主機の見守り支援サービス」を遂行することで、エンジンメーカは、主機の異常への対応を容易に行うことができるようになる。さらに、船舶62を停止させるほどの主機のトラブル(運航計画の遅延)を減少させることができる。
【0134】
また、船舶ECU62bは、船舶62の船位等に応じて、船陸間通信回線を含む複数の通信回線から最適なものを選択し、通信経路とすることができる。
【0135】
船舶ECU62bは、クラウドサーバ61のリソースだけでなく、船舶ECU62b自身が持つリソースを合わせて提供してもよい。また、船舶ECU62bは、提供速度を重視して、クラウドサーバ61のリソースを提供させずに、船舶ECU62b自身が持つリソースのみを提供してもよい。
【0136】
船舶ECU62bは、タスク「主機の見守り支援サービス」が完了した後、リソースの提供を停止する。例えば、船舶ECU62bは、異常修正(補正)ツールの実行が終わったら、当該ツールを無効化する。
【0137】
そして、船舶ECU62bは、リソースの提供を受けた船舶又はエンジンメーカに課される料金を計算する。船舶ECU62bは、デフォルトの使用回数を超えてリソースが使用された場合にのみ、リソースの使用を有償とすることもできる。
【0138】
また、船舶ECU62bがタスク「主機の見守り支援サービス」を遂行することによって得られた情報及び対応の履歴は、船舶協会に関するノードによって構成される別のネットワークシステムによって保管されてもよい。これにより、保管された情報が船舶協会において船舶の故障履歴として活用され、船主は船級協会への報告及び立ち入り検査等を免除される場合がある。
【0139】
また、船舶ECU62bは、船舶協会に関するノードによって構成される別のネットワークシステムとの間で交渉を行い、情報を提供するか否か、どの船舶協会に情報を提供するか、及び提供する情報の範囲を決定してもよい。交渉は、機械学習モデル(AIモデル)の出力を基に行われるものであってもよい。
【0140】
例えば、船舶ECU62bは、提供する情報ごとに評価値及び閾値を設けておき、評価値が閾値を超えた情報のみを提供するようにしてもよい。また、閾値及び提供される情報の範囲は、交渉により決定されてもよい。
【0141】
また、船舶ECU62bが自動的に情報を提供する機能は無効化されてもよい。この場合、情報の提供は、人間により手動で行われる。
【0142】
また、ネットワークシステム1Aは、船舶協会に関するノードによって構成される別のネットワークシステムに提供する情報を、各ノードに記憶させておき、ブロックチェーン化することができる。これにより、提供される情報の透明性及び信頼性を確保することができる。
【0143】
[実施例3:港湾保守見守りサービス]
図14を用いて、タスクが「港湾保守見守りサービス」である場合の実施例を説明する。図14は、ネットワークシステムの構成例を示す図である。
【0144】
タスク「港湾保守見守りサービス」は、港湾設備に異常が生じた際の対応を行うものである。
【0145】
図14に示すように、船舶62は、記録装置62a及び船舶ECU62bを有する。実施例3では、船舶ECU62bは統括ノードとして機能する。
【0146】
船舶ECU62bは、寄港中の港湾における港湾設備に異常が発生した場合、クラウドサーバ61、港湾設備サーバ65をノードとするネットワークシステム1Cを作成する。港湾設備は、クレーン、シャシー、フォークリフト等の荷役機器、照明、受変電設備、燃料供給設備等を含む。また、統括ノードは、港湾設備に備えられたコンピュータであってもよい。
【0147】
そして、船舶ECU62bは、ネットワークシステム1Cのリソースを使用して、タスク「港湾保守見守りサービス」を遂行するための処理を開始する。
【0148】
まず、船舶ECU62bは、異常が発生した港湾設備の種類に応じて、クラウドサーバ61にデータを照会し、港湾設備の製造メーカ、種類、港湾管理者(自治体を含む)、港湾運営者(例えば、港湾管理者からの港湾借受者、ターミナルオペレータ)、保守業者、荷主等の情報を得る。そして、船舶ECU62bは、取得した情報と、船舶62の滞船時間、気象情報等の付帯情報を基に、対応可能な港湾設備サーバ65を選定する。船舶ECU62bは、複数の船舶からの情報を集約した上でクラウドサーバ61にデータを照会してもよい。
【0149】
なお、グループは、港湾設備の製造メーカ、種類、港湾管理者、港湾運営者、港湾使用者(例えば、港湾運営者から設備借受者)、保守業者、荷主等により、多重に作成されてもよい。
【0150】
船舶ECU62bは、クラウドサーバ61に、オンライン支援テレビ会議システム、異常修正(補正)ツール等を利用するために必要なデータを、船舶62及び選定した港湾設備サーバ65へ送信させる。
【0151】
船舶ECU62bは、自身のリソースだけでは、センサ値の閾値判定といった簡易な処理しか行うことができない。一方で、船舶ECU62bは、クラウドサーバ61のリソースを使用することで機能を拡張し、機械学習モデルを使った分析を行うことができる。
【0152】
船舶ECU62bがタスク「港湾保守見守りサービス」を遂行することで、港湾設備メーカは、港湾設備の異常への対応を容易に行うことができるようになる。さらに、港湾設備を停止させるほどのトラブルを減少させることができる。
【0153】
また、船舶ECU62bは、港湾管理者又は港湾運営者が契約している通信回線を含む複数の通信回線から、港湾設備サーバ65の所在地等を基に最適なものを選択し、通信経路とすることができる。
【0154】
船舶ECU62bは、クラウドサーバ61のリソースだけでなく、船舶ECU62b自身が持つリソースを合わせて提供してもよい。また、船舶ECU62bは、提供速度を重視して、クラウドサーバ61のリソースを提供させずに、船舶ECU62b自身が持つリソースのみを提供してもよい。
【0155】
船舶ECU62bは、タスク「港湾保守見守りサービス」が完了した後、リソースの提供を停止する。例えば、船舶ECU62bは、異常修正(補正)ツールの実行が終わったら、当該ツールを無効化する。
【0156】
そして、船舶ECU62bは、リソースの提供を受けた港湾設備メーカ(港湾設備サーバ65の所有者)、港湾管理者、港湾運営者に課される料金を計算する。船舶ECU62bは、デフォルトの使用回数を超えてリソースが使用された場合にのみ、リソースの使用を有償とすることもできる。
【0157】
また、船舶ECU62bがタスク「港湾保守見守りサービス」を遂行することによって得られた情報及び対応の履歴は、港湾管理者に関するノードによって構成される別のネットワークシステムによって保管されてもよい。これにより、保管された情報が港湾管理者において港湾設備の故障履歴として活用され、港湾運営者及び港湾使用者は、港湾管理者への報告及び立ち入り検査等を免除される場合がある。
【0158】
また、船舶ECU62bは、港湾管理者に関するノードによって構成される別のネットワークシステムとの間で交渉を行い、情報を提供するか否か、どの港湾管理者に情報を提供するか、及び提供する情報の範囲を決定してもよい。交渉は、機械学習モデル(AIモデル)の出力を基に行われるものであってもよい。
【0159】
例えば、船舶ECU62bは、提供する情報ごとに評価値及び閾値を設けておき、評価値が閾値を超えた情報のみを提供するようにしてもよい。また、閾値及び提供される情報の範囲は、交渉により決定されてもよい。
【0160】
また、船舶ECU62bが自動的に情報を提供する機能は無効化されてもよい。この場合、情報の提供は、人間により手動で行われる。
【0161】
また、ネットワークシステム1Aは、港湾管理者に関するノードによって構成される別のネットワークシステムに提供する情報を、各ノードに記憶させておき、ブロックチェーン化することができる。これにより、提供される情報の透明性及び信頼性を確保することができる。
【0162】
[実施例4:船舶-港湾連携サービス]
図15を用いて、タスクが「船舶-港湾連携サービス」である場合の実施例を説明する。図15は、ネットワークシステムの構成例を示す図である。
【0163】
タスク「船舶-港湾連携サービス」は、港湾に寄港した船舶のメンテナンスを行うものである。
【0164】
図15に示すように、船舶62は、記録装置62a及び船舶ECU62bを有する。実施例1では、船舶ECU62bは統括ノードとして機能する。
【0165】
船舶ECU62bは、船舶62が太平洋の航路を運航中に燃費の低下を検知した場合(例えば、単位時間当たりの燃費が閾値を下回った場合)、クラウドサーバ61、メンテナンスサーバ66をノードとするネットワークシステム1Dを作成する。
【0166】
そして、船舶ECU62bは、ネットワークシステム1Dのリソースを使用して、タスク「船舶-港湾連携サービス」を遂行するための処理を開始する。
【0167】
まず、船舶ECU62bは、船舶62の船位に応じて、クラウドサーバ61にデータを照会し、運航ルート上の寄港候補の港湾の情報、及び寄港予定時刻等の情報を得る。そして、船舶ECU62bは、取得した情報と、燃費低減の船体汚損分析結果、船体の清掃業者、補修業者、港湾運営者(会社又は機関)等の付帯情報から、船体のメンテナンス(点検、清掃(船全体又はプロペラ周り)、補修)の依頼先及び寄港先を選定する。
【0168】
なお、船舶62は複数存在する。船舶62のそれぞれに搭載された船舶ECUは、船舶62の航路に近接している港、メンテナンスの依頼先等を含むグループを作成する。これにより、グループがさらに多重化されたグループが作成される。
【0169】
船舶ECU62bは、クラウドサーバ61に、オンライン支援テレビ会議システム、メンテナンス(点検、清掃、補修)サービス等を利用するために必要なデータを、選定したメンテナンスの依頼先のメンテナンスサーバ66へ送信させる。メンテナンスサーバ66は、港湾管理システム、港湾機器遠隔監視システム等を実施するためのサーバである。
【0170】
また、船舶ECU62bは、寄港先の寄港予定時刻、港湾稼働状況から想定される滞船予想時間、選定した依頼先が提供可能なサービスを選定する。その際、船舶ECU62bは、急な船舶の滞船により港湾の稼働率が低下しないようにクラウドサーバ61のリソースによりシミュレーションを行った上で、必要に応じて港湾の荷役体制等の調整を行う。
【0171】
船舶ECU62bは、自身のリソースだけでは、センサ値の閾値判定といった簡易な処理しか行うことができない。一方で、船舶ECU62bは、クラウドサーバ61のリソースを使用することで機能を拡張し、機械学習モデルを使った分析を行うことができる。
【0172】
船舶ECU62bがタスク「船舶-港湾連携サービス」を遂行することで、船舶62の燃費の低下を早期に発見できる。
【0173】
また、船舶ECU62bは、船舶62の船位等に応じて、船陸間通信回線を含む複数の通信回線から最適なものを選択し、通信経路とすることができる。
【0174】
船舶ECU62bは、クラウドサーバ61のリソースだけでなく、船舶ECU62b自身が持つリソースを合わせて提供してもよい。また、船舶ECU62bは、提供速度を重視して、クラウドサーバ61のリソースを提供させずに、船舶ECU62b自身が持つリソースのみを提供してもよい。
【0175】
船舶ECU62bは、タスク「船舶-港湾連携サービス」が完了した後、リソースの提供を停止する。例えば、清掃等のメンテナンスの依頼が完了したら、船舶ECU62bは、提供されていた各種ツールを無効化する。
【0176】
そして、船舶ECU62bは、リソースの提供を受けたメンテナンスの依頼先(メンテナンスサーバ66の所有者)に課される料金を計算する。船舶ECU62bは、デフォルトの使用回数を超えてリソースが使用された場合にのみ、リソースの使用を有償とすることもできる。
【0177】
また、船舶ECU62bがタスク「船舶-港湾連携サービス」を遂行することによって得られた情報及び対応の履歴は、寄港先の情報と合わせてメンテナンスサーバ66に保管されてもよい。保管された情報は、メンテナンスのシミュレーション、燃費改善及び最適航路のシミュレーション等に活用される。
【0178】
[その他の実施例]
その他にも、統括ノードは、図16に示すようなネットワークシステムを作成することができる。図16は、ネットワークシステムの構成例を示す図である。
【0179】
図16に示すように、ネットワークシステム1Eには、クラウドサーバ61、船舶62(記録装置62a及び船舶ECU62bを含む)、荷主端末71、オペレータ端末72、ブローカ端末73、船主端末74、保険会社サーバ75、造船所サーバ76、エンジンメーカサーバ77及び海洋システムサーバ78を有する。ネットワークシステム1Eに含まれる装置のいずれかが統括ノードとして機能し、その他の装置が一般ノードとして機能する。
【0180】
クラウドサーバ61は、各実施例で説明したようなツール及びサービスを実行するためのデータをリソースとして提供することができる。
【0181】
荷主端末71は、船舶62の荷主が使用する端末である。オペレータ端末72は、オペレータが使用する端末である。オペレータ端末72は、荷主端末71に対して港湾運営連携、荷役支援、海上輸送に関する支援を提供する。また、オペレータ端末72は、クラウドサーバ61から、燃費改善支援を受ける。
【0182】
ブローカ端末73は、ブローカが使用する端末である。船主端末74は、船舶62の船主が使用する端末である。ブローカ端末73は、船主端末74との間で中古船の売買に関する情報をやり取りする。船主端末74は、クラウドサーバ61から人件費削減の支援を受け、また、造船所サーバ76から新造船の情報を受け取る。
【0183】
保険会社サーバ75は、保険会社で使用されるサーバである。保険会社サーバ75は、船主端末74に対して保険に関する情報、AIによる船舶62の監視及び解析の結果を提供する。また、保険会社サーバ75は、船主端末74に対して事故予防の支援を行う。
【0184】
保険会社サーバ75は、クラウドサーバ61から、船舶62に関する操舵練度、故障及び事故の情報を受け取る。
【0185】
エンジンメーカサーバ77は、エンジンの運転データ等を海洋システムサーバ78に提供する。
【0186】
海洋システムサーバ78は、海洋システムにおいて用いられるサーバである。海洋システムサーバ78は、クラウドサーバ61に運航データを提供する。海洋システムには、船舶62の荷役を管理するシステム、及び船舶62のコンテナをモニタリングするシステム等が含まれる。
【0187】
また、記録装置62aは、船舶62に関するデータを記録する。記録装置62aには、運転、映像、貨物、生態等に関するデータがオンラインで入力される。また、記録装置62aには、船舶62で取得されたログ、メンテナンスに関する手入力データがオフラインで入力される。また、船舶ECU62bは、記録装置62aに記録されたデータを含む各種のデータをクラウドサーバ61に送信する。
【0188】
これまで、リソースがコンピュータリソース(計算機リソース)である場合の実施形態を説明してきた。一方で、ノードが提供するリソースは、コンピュータリソースに限られない。
【0189】
例えば、エンジンメーカから船舶に貸し出される主機がリソースであってもよい。統括ノード20は、エンジンメーカから貸し出された主機を搭載した船舶の航行距離を基に、リソースである主機に対して課される料金を計算する。例えば、統括ノード20は、あらかじめ定められた単位距離あたりの金額に、船舶の航行距離を掛けることで料金を計算する。また、統括ノード20は、航行距離の代わりに、航行時間を基に料金を計算してもよい。
【0190】
例えば、統括ノード20によって計算された料金は、エンジンメーカから船舶の船主に対して請求される。
【0191】
図17は、実施形態に係る統括装置のハードウェア構成例を示す図である。なお、一般ノードとして機能する装置についても、統括装置と同様の構成を有していてもよい。
【0192】
図17に示すように、統括ノード20(統括装置)は、プロセッサ2010と、メモリ2020と、入出力IF2030と、バス2040とを備えるコンピュータを含む。プロセッサ2010、メモリ2020、及び入出力IF2030は、バス2040によって互いに情報の送受信が可能である。
【0193】
プロセッサ2010は、メモリ2020に記憶された統括プログラムを読み出して実行することによって、各機能を実行する。プロセッサ2010は、例えば、処理回路の一例であり、CPU、DSP(Digital Signal Processor)、及びシステムLSI(Large Scale Integration)のうち1つ以上を含む。
【0194】
メモリ2020は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、及びEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)のうち1つ以上を含む。入出力IF2030は、例えば、AD変換器、DA変換器、及び入出力ポート等を含む。
【0195】
なお、統括ノード20は、コンピュータが読み取り可能な統括プログラムが記録された記録媒体から統括プログラムを読み出すデータ読出部を備える構成であってもよい。プロセッサ2010は、データ読出部を制御して記録媒体に記録された統括プログラムをデータ読出部から取得し、取得した統括プログラムをメモリ2020に記憶させることができる。記録媒体は、例えば、不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルメモリ、光ディスク、コンパクトディスク、及びDVD(Digital Versatile Disc)のうち1つ以上を含む。
【0196】
また、統括ノード20は、ネットワークを介してサーバから統括プログラムを受信する通信部を備えていてもよい。この場合、プロセッサ2010は、通信部を介してサーバから統括プログラムを取得し、取得した統括プログラムをメモリ2020に記憶させることができる。
【0197】
また、統括ノード20は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)及びFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を含んでいてもよい。
【0198】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0199】
1、1A、1B、1C、1D、1E ネットワークシステム
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f ノード
20 統括ノード
11、21 機能部
12、22 リソース部
111、211 リソース管理機能
112、212 通信機能
113、213 課金機能
114、214 監視機能
121、221 ハードウェアリソース
122、222 ソフトウェアリソース
123、223 DBリソース
215 運用管理機能
2151 情報取得部
2152 グループ作成部
2153 処理実行部
2154 ノード情報
2155 タスク情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2023-06-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ設定された海洋に関するタスクを遂行するための計算機リソースをそれぞれがし、互いにデータの通信が可能な複数のコンピュータである複数のノードの情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部によって取得された前記複数のノードの情報と前記タスクとに応じて、前記複数のノードのうち、船舶に搭載されたECU及び1つ以上のサーバをノードとして含むグループを作成するグループ作成部と、
前記グループに含まれる複数のノードに、互いにデータの通信を行わせ、前記計算機リソースを提供させることにより、前記タスクに応じた処理を実行させる処理実行部と
を有することを特徴とする統括装置。
【請求項2】
前記処理実行部は、前記複数のノードのそれぞれの前記計算機リソースの使用状況に応じて、前記計算機リソースを提供するノードを分散させることを特徴とする請求項1に記載の統括装置。
【請求項3】
前記グループ作成部は、前記複数のノードの情報を基に、前記処理を実行するための前記複数のノードに含まれるノードの組み合わせを出力する機械学習モデルを用いて、前記グループを作成することを特徴とする請求項1に記載の統括装置。
【請求項4】
前記処理実行部は、前記複数のノードのそれぞれに同一のデータを記憶させることにより、前記複数のノードをブロックチェーンとして機能させることを特徴とする請求項1に記載の統括装置。
【請求項5】
前記グループ作成部は、前記複数のノードに関する情報を基に、データの通信を行うための通信経路を出力する機械学習モデルを用いて、前記複数のノードが互いにデータの通信を行うための通信経路を決定することを特徴とする請求項1に記載の統括装置。
【請求項6】
前記処理実行部は、前記処理を実行するために、前記複数のノードのそれぞれによって提供された前記計算機リソースに対して課される料金を計算することを特徴とする請求項1に記載の統括装置。
【請求項7】
前記グループ作成部は、前記船舶の主機のメーカのサーバをさらにノードとして含む前記グループを作成し、
前記処理実行部は、前記グループに含まれる複数のノードに、前記船舶の運航を支援するための処理を実行させることを特徴とする請求項1に記載の統括装置。
【請求項8】
あらかじめ設定された海洋に関するタスクを遂行するための計算機リソースをそれぞれがし、互いにデータの通信が可能な複数のコンピュータである複数のノードの情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップによって取得された前記複数のノードの情報と前記タスクとに応じて、前記複数のノードのうち、船舶に搭載されたECU及び1つ以上のサーバをノードとして含むグループを作成するグループ作成ステップと、
前記グループに含まれる複数のノードに、互いにデータの通信を行わせ、前記計算機リソースを提供させることにより、前記タスクに応じた処理を実行させる処理実行ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする統括プログラム。
【請求項9】
前記処理実行ステップは、前記複数のノードのそれぞれの前記計算機リソースの使用状況に応じて、前記計算機リソースを提供するノードを分散させることを特徴とする請求項8に記載の統括プログラム。
【請求項10】
前記グループ作成ステップは、前記複数のノードの情報を基に、前記処理を実行するための前記複数のノードに含まれるノードの組み合わせを出力する機械学習モデルを用いて、前記グループを作成することを特徴とする請求項8に記載の統括プログラム。
【請求項11】
前記処理実行ステップは、前記複数のノードのそれぞれに同一のデータを記憶させることにより、前記複数のノードをブロックチェーンとして機能させることを特徴とする請求項8に記載の統括プログラム。
【請求項12】
前記グループ作成ステップは、前記複数のノードに関する情報を基に、データの通信を行うための通信経路を出力する機械学習モデルを用いて、前記複数のノードが互いにデータの通信を行うための通信経路を決定することを特徴とする請求項8に記載の統括プログラム。
【請求項13】
前記処理実行ステップは、前記処理を実行するために、前記複数のノードのそれぞれによって提供された前記計算機リソースに対して課される料金を計算することを特徴とする請求項8に記載の統括プログラム。
【請求項14】
前記グループ作成ステップは、前記船舶の主機のメーカのサーバをさらにノードとして含む前記グループを作成し、
前記処理実行ステップは、前記グループに含まれる複数のノードに、前記船舶の運航を支援するための処理を実行させることを特徴とする請求項8に記載の統括プログラム。