(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044348
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】印刷装置、加熱装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20240326BHJP
D06B 11/00 20060101ALI20240326BHJP
D06C 7/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B41J2/01 305
B41J2/01 125
D06B11/00 E
D06C7/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149826
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】230100631
【弁護士】
【氏名又は名称】稲元 富保
(72)【発明者】
【氏名】尾ヶ口 宗之
【テーマコード(参考)】
2C056
3B154
【Fターム(参考)】
2C056FB03
2C056HA27
2C056HA29
2C056HA30
2C056HA46
2C056HA47
3B154AB31
3B154BA09
3B154BB02
3B154BB12
3B154BB33
3B154BC07
3B154BC21
3B154BC28
3B154BC41
3B154DA13
(57)【要約】
【課題】印刷後定着前の印刷対象の取り扱い性を向上できる印刷装置、加熱装置を提供する。
【解決手段】印刷装置1は、第1印刷手段11A、第2印刷手段11Bによって液体が付与される布地400を保持するプラテン部材301と、プラテン部材302に装着する枠部材302とを備え、枠部材302は、プラテン部材301の外周部の段差形状部312に着脱可能な第1枠体321と、第1枠体321に対して着脱可能であって、第1枠体321との間で布地400を挟む第2枠体322とで構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が付与される印刷対象を保持するプラテン部材と、
前記プラテン部材の外周部に着脱可能な第1枠体と、
前記第1枠体の外周部に対して着脱可能で、前記プラテン部材及び前記第1枠体上に載せられる前記印刷対象を、前記第1枠体との間で挟む第2枠体と、を備えている
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記第1枠体は、前記第2枠体との間で前記印刷対象を挟んだ状態で、前記プラテン部材から取り外し可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
布地を加熱する加熱手段と、
前記布地を受ける受け部材と、を備え、
前記受け部材は、請求項2に記載の印刷装置から取り外された、前記第1枠体と前記第2枠体とで挟まれた状態の前記印刷対象を、前記第1枠体と前記第2枠体との間で挟まれた状態のままで受け入れ可能である
ことを特徴とする加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷装置、加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置として、例えばTシャツなどの布地に印刷を行う捺染装置がある。そして、印刷装置を使用して布地に液体を付与して印刷し、印刷された布地を加熱装置で加熱して定着することが行われる。
【0003】
従来、布地に印刷する液体を吐出する装置として、被捺染物を挟んで保持する分割された保持部材を備え、保持部材で被捺染物を挟んだ状態で、保持部材をプラテン部材としてのドラムに嵌め込むようにしたものが知られている(特許文献1)。
(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したように印刷後(液体付与後)定着前の布地などの印刷対象を印刷装置から取り出して加熱装置にセットするとき、印刷対象に付与された液体は定着前であるため、擦れなどによって印刷画像が乱れたり、印刷面が汚れたりする。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、印刷後定着前の印刷対象の取り扱い性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出装置は、
液体が付与される印刷対象を保持するプラテン部材と、
前記プラテン部材の外周部に着脱可能な第1枠体と、
前記第1枠体の外周部に対して着脱可能で、前記プラテン部材及び前記第1枠体上に載せられる前記印刷対象を、前記第1枠体との間で挟む第2枠体と、を備えている
構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、印刷後定着前の印刷対象の取り扱い性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る液体を吐出する装置としての印刷装置の外観斜視説明図である。
【
図2】同印刷装置で使用するプラテン部材及び枠部材の断面説明図である。
【
図3】同実施形態におけるプラテン部材及び枠部材の分解斜視説明図である。
【
図5】同じく枠部材で布地を保持した状態の平面説明図である。
【
図6】同じく枠部材の2つの枠体の結合作用の説明に供する断面説明図である。
【
図7】同じく布地を保持した枠部材をプラテン部材から取り外した状態の断面説明図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る加熱装置の側面説明図である。
【
図9】同加熱装置の載置部の説明に供する断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係る液体を吐出する装置としての印刷装置について
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は同印刷装置の外観斜視説明図、
図2は同印刷装置で使用するプラテン部材及び枠部材の断面説明図である。
【0011】
印刷装置1は、副走査方向Yに、液体を吐出する液体吐出手段を含む第1印刷手段11Aと第2印刷手段11Bとを並べて配置し、装置本体10内を副走査方向Yに移動可能なプラテン部材301を備えている。
【0012】
第1印刷手段11Aは、主走査方向Xに移動可能なキャリッジに搭載された液体吐出手段としてのヘッドを備え、プラテン部材301に保持される印刷対象としての布地400に対して例えばホワイトWの液体を吐出する。第2印刷手段11Bは、主走査方向Xに移動可能なキャリッジに搭載された液体吐出手段としての1又は複数のヘッドを備え、プラテン部材301に保持される布地400に対して例えばイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの各色の液体を吐出する。
【0013】
次に、本発明の第1実施形態におけるプラテン部材に印刷対象を保持させる枠部材について
図3ないし
図7も参照して説明する。
図3はプラテン部材及び枠部材の分解斜視説明図、
図4は枠部材の枠体の平面説明図、
図5は枠部材で布地を保持した状態の平面説明図である。
図6は枠部材の2つの枠体の結合作用の説明に供する断面説明図、
図7は布地を保持した枠部材をプラテン部材から取り外した状態の断面説明図である。
【0014】
プラテン部材301は、布地400を載置する載置面311を有し、枠部材302を装着する外周部には段差形状部312が形成されている。
【0015】
枠部材302は、プラテン部材301の矩形状の載置面311に合わせた平面視で矩形状の枠である第1枠体321と第2枠体322とで構成される。第1枠体321は、プラテン部材301の外周部の段差形状部312に着脱可能な部材である。第2枠体322は、第1枠体321の外周部に対して着脱可能で、プラテン部材301及び第1枠体321上に載せられる印刷対象である布地400を、第1枠体321との間で挟む部材である。
【0016】
第1枠体321と第2枠体322との結合は、単なる嵌め合わせ構造とすることができる。本実施形態では、
図6に示すように、第1枠体321の外周側と第2枠体322の内周側にそれぞれ磁石331、332を取付けて磁力結合できるようにしている。
【0017】
次に、本発明の第1実施形態に係る加熱装置について
図8及び
図9を参照して説明する。
図8は同加熱装置の側面説明図、
図9は同加熱装置の載置部の側面説明図である。
【0018】
加熱装置2は、基台201上に、布地400を保持した枠部材302を、布地400を保持したまま受け入れ可能な載置部202を備えている。言い換えれば、加熱装置2の載置部202は、枠部材302の第1枠体321と第2枠体322とで挟まれた布地400を、第1枠体321と第2枠体322との間で挟まれた状態のままで受け入れ可能である。
【0019】
そして、載置部202の上方には、枠部材302で保持された布地400を加熱する加熱手段203が配置されている。本実施形態では、加熱手段203は基台201に取り付けた支柱部204に軸部205で上下方向に回動可能に支持され、操作部206にて矢印方向に回動可能としている。
【0020】
ここで、載置部202の断面形状を印刷装置1のプラテン部材301と同様に、布地400が載せられる載置面211と、枠部材302の第1枠体321を着脱可能に装着する外周部の段差形状部212とを有する構成としている。
【0021】
これにより、布地400を加熱するとき、布地400は載置部202で裏面側が保持されているので、加熱手段203によって加圧することができ、加圧加熱で定着を行うこともできる。
【0022】
なお、布地400の加熱のみによる定着を行うのであれば、載置部202は段差形状部212を有しない平板状の部材であってもよい。
【0023】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0024】
布地400に印刷を施すときには、印刷装置1のプラテン部材301を装置本体10外が出して、プラテン部材301の段差形状部312に第1枠体321を装着する。
【0025】
そして、プラテン部材301の載置面311及び第1枠体321の表面を含めて布地400を載せ置く。次いで、第1枠体321の外周部に、第1枠体321との間に布地400を挟み込んだ状態で、第2枠体322を装着する。
【0026】
そして、印刷装置1によって、プラテン部材301を副走査方向Yに移動させながら第1印刷手段11A及び第2印刷手段11Bを使用して、布地400に所要の色の液体の滴を吐出させて付与し所要の画像を印刷する。
【0027】
印刷終了後、
図7にも示すように、第1枠体321と第2枠体322とで布地400を挟み持った状態のまま、第1枠体321をプラテン部材301から取り外す。
【0028】
このように、2つの第1枠体321と第2枠体322とで印刷が終了した布地400を挟み持った状態のままプラテン部材301から布地400を取り外すことができる。
【0029】
次いで、2つの第1枠体321と第2枠体322とで印刷が終了した布地400を挟み持った状態の枠部材302を加熱装置2の載置部202にセットする。そして、加熱手段203によって布地400を加熱して定着する。
【0030】
このように、印刷終了後定着前の布地400を第1枠体321と第2枠体322とで挟み持った状態のまま印刷装置1から取り出して加熱装置2にセットすることができ、布地400に皺を生じることなく移送することができる。
【0031】
これにより、印刷装置1のプラテン部材301から布地400を取り外すとき、布地400を加熱装置2にセットするとき、などの印刷後定着前の布地400の取り扱い性が向上し、布地400の印刷面が擦れるなどして画像が乱れたりすることなくなる。
【符号の説明】
【0032】
1 印刷装置
2 加熱装置
10 装置本体
11A 第1印刷手段
11B 第2印刷手段
202 載置部
203 加熱手段
301 プラテン部材
302 枠部材
321 第1枠体
322 第2枠体
400 布地(印刷対象)