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特開2024-44816ポリチオエステル化合物およびポリチオエステル含有組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044816
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ポリチオエステル化合物およびポリチオエステル含有組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 73/00 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
C08G73/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150574
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】591021305
【氏名又は名称】太陽ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 温
(74)【代理人】
【識別番号】100132137
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】石川 信広
(72)【発明者】
【氏名】行森 大貴
(72)【発明者】
【氏名】井上 豪
【テーマコード(参考)】
4J043
【Fターム(参考)】
4J043QC02
4J043RA08
4J043SA06
4J043SA54
4J043SA71
4J043TA35
4J043TA74
4J043UA131
4J043UA132
4J043UB021
4J043UB061
4J043UB121
4J043UB282
4J043UB301
4J043VA021
4J043VA022
4J043VA042
4J043VA061
4J043XA16
4J043XB19
4J043YA25
4J043ZA12
(57)【要約】
【課題】マイケル付加反応により得られる新規なポリマーを提供する。
【解決手段】本発明のある態様のポリチオエステル化合物は、下記式(1)で表される繰り返し構造を含む。
【化1】
式(1)中、Yは、芳香環を有する2価の有機基である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される繰り返し構造を含む、ポリチオエステル化合物。
【化1】
式(1)中、Yは、芳香環を有する2価の有機基である。
【請求項2】
下記式(2)で表される繰り返し構造を含む、請求項1に記載のポリチオエステル化合物。
【化2】
上記式(2)中、Rは単結合、酸素原子、または、下記式(3)で表されるいずれかの構造部位より選ばれる。また、上記式中、R、Rは互いに独立に、水素原子、水酸基またはトリフルオロメチル基である。
【化3】
上記式(3)中、「*」は結合位置を示す。
【請求項3】
下記式(4)で表される繰り返し構造を含む、請求項2に記載のポリチオエステル化合物。
【化4】
【請求項4】
請求項1または2に記載のポリチオエステル化合物を含む、ポリチオエステル含有組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリチオエステル化合物およびポリチオエステル含有組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
マイケル付加反応は室温下で進行する反応であり、有機合成で幅広く用いられている。たとえば、多官能アクリラートと多官能アミンのマイケル付加反応によるポリマー合成は、比較的温和な条件でポリマーが得られる、副生成物が生じないなどの特徴がある。このようなポリマー合成手法は少なく、また、モノマー種が多様なことから研究開発が活発に行われている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Brian D.Mathera, Kalpana Viswanathana, Kevin M.Miller, Timothy E.Longa,Michael addition reactions in macromolecular design for emerging technologies, Progress in Polymer Science, Volume 31, Issue 5, May 2006, Pages 487-531
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多官能アクリラートと多官能アミンから得られるポリマーは、耐熱性が低いといった課題がある。多官能メタクリラートを用いることで耐熱性の向上が期待できるが、温和な条件においてメタクリラートではマイケル付加反応が進行しない。
本発明は上述のような課題を鑑みたものであり、マイケル付加反応により得られる新規なポリマーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、チオエステル基を有するチオメタクリレートは、チオエステル特有の電子の広がりによりマイケル受容体として機能し、ジチオメタクリレートと芳香族ジアミンとが、塩基触媒下、室温で反応が進行することにより、ポリマーが生成することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明のある態様は、ポリチオエステル化合物である。当該ポリチオエステル化合物は、下記式(1)で表される繰り返し構造を含む。
【化1】
式(1)中、Yは、芳香環を有する2価の有機基である。
上記態様のポリチオエステル化合物は、下記式(2)で表される繰り返し構造を含んでもよい。
【化2】
上記式(2)中、Rは単結合、酸素原子、または、下記式(3)で表されるいずれかの構造部位より選ばれる。また、上記式中、R、Rは互いに独立に、水素原子、水酸基またはトリフルオロメチル基である。
【化3】
上記式(3)中、「*」は結合位置を示す。
上記態様のポリチオエステル化合物は、下記式(4)で表される繰り返し構造を含んでもよい。
【化4】
本発明の他の態様は、ポリチオエステル含有組成物である。当該ポリチオエステル含有組成物は、上述したいずれかの態様のポリチオエステル化合物を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、マイケル付加反応により得られる新規なポリマーに関する技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下であることを表す。
【0009】
(ポリチオエステル化合物)
実施形態に係るポリチオエステル化合物は下記式(1)で表される繰り返し構造を有する。
【化5】
式(1)中、Yは、芳香環を有する2価の有機基である。当該有機基の炭素原子数は好ましくは4~40であり、より好ましくは6~34である。
当該有機基は、ベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ビスフェノール骨格等のベンゼン環を含む基が挙げられ、たとえば、以下が挙げられる。
【化6】
(ここで、Aは単結合、-CH-、-O-、-CO-、-S-、-SO-、-NHCO-、-C(CF-、または-C(CH-である。)
【0010】
より具体的には、実施形態に係るポリチオエステル化合物は下記式(2)で表される繰り返し構造を有する。
【化7】
式(2)中、Rは単結合、酸素原子、または、下記式(3)で表されるいずれかの構造部位より選ばれる。また、式(2)中、R、Rは互いに独立に、水素原子、水酸基またはトリフルオロメチル基である。
【化8】
上記式中、「*」は結合位置を示す。
【0011】
さらに具体的には、実施形態に係るポリチオエステル化合物は、下記式(4)で表される繰り返し構造を含む。
【化9】
【0012】
実施形態に係るポリチオエステル化合物は、さらに具体的には、下記式(5)~(9)で表されるいずれかの繰り返し構造を含む。
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【0013】
実施形態に係るポリチオエステル化合物の質量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、典型的には1万~40万である。「質量平均分子量」とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法による、ポリスチレンスタンダード換算の質量平均分子量を意味する。
また、実施形態に係るポリチオエステル化合物の分散度(Mw/Mn)は典型的には2~8である。
【0014】
実施形態に係るポリチオエステル化合物のガラス転移温度(Tg)は、100℃以上、110℃以上、120℃以上、130℃以上、140℃以上または150℃以上であり、耐熱性に優れている。
【0015】
(ポリチオエステル化合物の合成方法)
実施形態に係るポリチオエステル化合物は、ビス(4-メタクリロイルチオフェニル)スルフィドおよび芳香族ジアミンを原料とし、以下に示すマイケル付加反応(上記式(2)で表される繰り返し構造を有する場合の例示)によって生成される。
【化15】
具体的には、実施形態に係るポリチオエステル化合物は、適量のビス(4-メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、芳香族ジアミンおよび塩基性触媒を溶剤に溶解させた後、大気下にて、20~30℃、60分以上の条件で加熱を行い、上記式で示すようなマイケル付加反応を進行させることにより合成される。
【0016】
なお、原料として用いられる芳香族ジアミンとしては、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、2,4-トルエンジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン等の、芳香環を1つ有する芳香族ジアミン;4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’-ジメチルベンジジン、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-アミノ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-アミノ-3-クロロフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-アミノ-3-フルオロフェニル)フルオレン等の、芳香環を2つ以上有する芳香族ジアミン;3,3'-ジアミノ-4,4'-ジヒドロキシビフェニル、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジヒドロキシビフェニル、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン等の、芳香環に水酸基が結合したジヒドロキシジアミンが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組合せて使用できる。
【0017】
塩基性触媒として、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)、フォスファゼン塩基、各種3級アミン等が挙げられる。これらの塩基性触媒は、単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0018】
本実施形態のポリチオエステル化合物は、分子量制御、溶剤への溶解性、組成物中における他成分との相溶性の観点から、分子構造の末端に残存するメタクリル基又はアミノ基を封止してもよい。末端封止する場合、メタクリル基と反応し得るアミノ基又はアミノ基と反応し得るメタクリル基、酸無水物基等の官能基を1つ有するモノマーが用いられる。具体的には、3-アミノフェノール、メタクリル酸2-イソシアナトエチル、マレイン酸無水物等が挙げられる。
【0019】
溶剤として、N-メチルピロリドン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
【0020】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0021】
<組成物>
本実施形態のポリチオエステル化合物は、他成分と組合せて組成物とすることができる。中でも、式(4)、具体的には式(5)~(7)で表されるポリチオエステル化合物は、フェノール性水酸基を有することから、エポキシ化合物等と組合せて熱硬化性組成物とすることや、ナフトキノンジアジド化合物と組合せて感光性組成物とし、フォトリソグラフィによりパターン形成することができる。
【実施例0022】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
(実施例1)
<合成>
N-メチルピロリドン(溶剤1)13質量部にビス(4-メタクリロイルチオフェニル)スルフィド(モノマー1)1.94質量部、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(モノマー2)1.82質量部を攪拌溶解させジアザビシクロウンデセン(触媒)0.04質量部を滴下後、大気雰囲気下にて、25℃、8時間の条件でマイケル付加反応を進行させ、反応生成物を得た。得られた反応生成物を水/メタノール(1:1)の溶液にゆっくり滴下し、ポリマーを析出させた。ポリマーを濾過により分別し、100度で10時間乾燥させることで、淡黄色固体の化合物を収率90%で得た。
【0024】
得られた化合物について、H-NMR測定を行い、下記式(10)で表されるポリチオエステル化合物であることを確認した。下記式(10)で表されるポリチオエステル化合物のH-NMRの帰属を以下に示す。
【化16】
【0025】
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=1.18(br,6H,-CH),2.97(br,4H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),3.20(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),6.87(m,4H,Ar-H),7.23-7.31(m,10H,Ar-H),8.10(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),9.35(br,2H,Ar-OH)
【0026】
(実施例2)
<合成>
表1に示す実施例2の成分および配合にて、実施例1と同様な条件で、マイケル付加反応を進行させ、反応生成物を得た後、実施例1と同様に精製を行い、淡黄色固体の化合物を収率90%で得た。
得られた生成物について、H-NMR測定を行い、上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物であることを確認した。上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物のH-NMRの帰属を以下に示す。
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=1.18(br,6H,-CH),2.97(br,4H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),3.20(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),6.87(m,4H,Ar-H),7.23-7.31(m,10H,Ar-H),8.10(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),9.35(br,2H,Ar-OH)
【0027】
(実施例3)
<合成>
表1に示す実施例3の成分および配合にて、実施例1と同様な条件で、マイケル付加反応を進行させ、反応生成物を得た後、実施例1と同様に精製を行い、透明の化合物を収率90%で得た。
得られた生成物について、H-NMR測定を行い、上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物であることを確認した。上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物のH-NMRの帰属を以下に示す。
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=1.18(br,6H,-CH),2.97(br,4H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),3.20(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),6.87(m,4H,Ar-H),7.23-7.31(m,10H,Ar-H),8.10(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),9.35(br,2H,Ar-OH)
【0028】
(実施例4)
<合成>
表1に示す実施例4の成分および配合にて、実施例1と同様な条件で、マイケル付加反応を進行させ、反応生成物を得た後、実施例1と同様に精製を行い、透明の化合物を収率90%で得た。
得られた生成物について、H-NMR測定を行い、上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物であることを確認した。上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物のH-NMRの帰属を以下に示す。
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=1.18(br,6H,-CH),2.97(br,4H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),3.20(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),6.87(m,4H,Ar-H),7.23-7.31(m,10H,Ar-H),8.10(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),9.35(br,2H,Ar-OH)
【0029】
(実施例5)
<合成>
表1に示す実施例5の成分および配合にて、実施例1と同様な条件で、マイケル付加反応を進行させ、反応生成物を得た後、実施例1と同様に精製を行い、透明の化合物を収率90%で得た。
得られた生成物について、H-NMR測定を行い、上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物であることを確認した。上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物のH-NMRの帰属を以下に示す。
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=1.18(br,6H,-CH),2.97(br,4H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),3.20(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),6.87(m,4H,Ar-H),7.23-7.31(m,10H,Ar-H),8.10(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),9.35(br,2H,Ar-OH)
【0030】
(実施例6)
<合成>
表1に示す実施例6の成分および配合にて、実施例1と同様な条件で、マイケル付加反応を進行させ、反応生成物を得た後、実施例1と同様に精製を行い、透明の化合物を収率90%で得た。
得られた生成物について、H-NMR測定を行い、上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物であることを確認した。上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物のH-NMRの帰属を以下に示す。
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=1.18(br,6H,-CH),2.97(br,4H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),3.20(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),6.87(m,4H,Ar-H),7.23-7.31(m,10H,Ar-H),8.10(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),9.35(br,2H,Ar-OH)
【0031】
(実施例7)
<合成>
表1に示す実施例7の成分および配合にて、実施例1と同様な条件で、マイケル付加反応を進行させ、反応生成物を得た後、実施例1と同様に精製を行い、透明の化合物を収率90%で得た。
得られた生成物について、H-NMR測定を行い、上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物であることを確認した。上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物のH-NMRの帰属を以下に示す。
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=1.18(br,6H,-CH),2.97(br,4H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),3.20(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),6.87(m,4H,Ar-H),7.23-7.31(m,10H,Ar-H),8.10(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),9.35(br,2H,Ar-OH)
【0032】
(実施例8)
<合成>
表1に示す実施例8の成分および配合にて、実施例1と同様な条件で、マイケル付加反応を進行させ、反応生成物を得た後、実施例1と同様に精製を行い、透明の化合物を収率90%で得た。
得られた生成物について、H-NMR測定を行い、上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物であることを確認した。上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物のH-NMRの帰属を以下に示す。
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=1.18(br,6H,-CH),2.97(br,4H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),3.20(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),6.87(m,4H,Ar-H),7.23-7.31(m,10H,Ar-H),8.10(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),9.35(br,2H,Ar-OH)
【0033】
(実施例9)
<合成>
表1に示す実施例9の成分および配合にて、実施例1と同様な条件で、マイケル付加反応を進行させ、反応生成物を得た後、実施例1と同様に精製を行い、透明の化合物を収率90%で得た。
得られた生成物について、H-NMR測定を行い、上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物であることを確認した。上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物のH-NMRの帰属を以下に示す。
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=1.18(br,6H,-CH),2.97(br,4H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),3.20(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),6.87(m,4H,Ar-H),7.23-7.31(m,10H,Ar-H),8.10(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),9.35(br,2H,Ar-OH)
【0034】
(実施例10)
<合成>
表1に示す実施例10の成分および配合にて、実施例1と同様な条件で、マイケル付加反応を進行させ、反応生成物を得た後、実施例1と同様に精製を行い、透明の化合物を収率90%で得た。
得られた生成物について、H-NMR測定を行い、上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物であることを確認した。上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物のH-NMRの帰属を以下に示す。
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=1.18(br,6H,-CH),2.97(br,4H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),3.20(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),6.87(m,4H,Ar-H),7.23-7.31(m,10H,Ar-H),8.10(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),9.35(br,2H,Ar-OH)
【0035】
(実施例11)
<合成>
表1に示す実施例11の成分および配合にて、実施例1と同様な条件で、マイケル付加反応を進行させ、反応生成物を得た後、実施例1と同様に精製を行い、透明の化合物を収率90%で得た。
得られた生成物について、H-NMR測定を行い、上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物であることを確認した。上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物のH-NMRの帰属を以下に示す。
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=1.18(br,6H,-CH),2.97(br,4H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),3.20(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),6.87(m,4H,Ar-H),7.23-7.31(m,10H,Ar-H),8.10(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),9.35(br,2H,Ar-OH)
【0036】
(実施例12)
<合成>
表1に示す実施例12の成分および配合にて、実施例1と同様な条件で、マイケル付加反応を進行させ、反応生成物を得た後、実施例1と同様に精製を行い、透明の化合物を収率90%で得た。
得られた生成物について、H-NMR測定を行い、上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物であることを確認した。上記式(10)で表されるポリチオエステル化合物のH-NMRの帰属を以下に示す。
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=1.18(br,6H,-CH),2.97(br,4H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),3.20(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),6.87(m,4H,Ar-H),7.23-7.31(m,10H,Ar-H),8.10(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),9.35(br,2H,Ar-OH)
【0037】
(実施例13)
<合成>
表1に示す実施例13の成分および配合にて、実施例1と同様な条件で、マイケル付加反応を進行させ、反応生成物を得た後、実施例1と同様に精製を行い、透明の化合物を収率90%で得た。
得られた生成物について、H-NMR測定を行い、下式で表されるポリチオエステル化合物であることを確認した。下式で表されるポリチオエステル化合物のH-NMRの帰属を以下に示す。
【化17】
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=1.18(br,6H,-CH),2.97(br,4H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),3.20(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),7.18(m,4H,Ar-H),7.32(m,10H,Ar-H),8.10(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),9.33(br,2H,Ar-OH)
【0038】
(実施例14)
<合成>
表1に示す実施例14の成分および配合にて、実施例1と同様な条件で、マイケル付加反応を進行させ、反応生成物を得た後、実施例1と同様に精製を行い、透明の化合物を収率90%で得た。
得られた生成物について、H-NMR測定を行い、下式で表されるポリチオエステル化合物であることを確認した。下式で表されるポリチオエステル化合物のH-NMRの帰属を以下に示す。
【化18】
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=1.18(br,6H,-CH),2.97(br,4H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),3.20(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),6.79(m,4H,Ar-H),7.20-7.35(m,10H,Ar-H),8.10(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),9.30(br,2H,Ar-OH)
【0039】
(実施例15)
<合成>
表1に示す実施例15の成分および配合にて、実施例1と同様な条件で、マイケル付加反応を進行させ、反応生成物を得た後、実施例1と同様に精製を行い、透明の化合物を収率90%で得た。
得られた生成物について、H-NMR測定を行い、下式で表されるポリチオエステル化合物であることを確認した。下式で表されるポリチオエステル化合物のH-NMRの帰属を以下に示す。
【化19】
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=1.18(br,6H,-CH),2.97(br,4H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),3.20(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),6.87(m,4H,Ar-H),7.18-7.32(m,10H,Ar-H),8.10(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-)
【0040】
(実施例16)
<合成>
表1に示す実施例16の成分および配合にて、実施例1と同様な条件で、マイケル付加反応を進行させ、反応生成物を得た後、実施例1と同様に精製を行い、透明の化合物を収率90%で得た。
得られた生成物について、H-NMR測定を行い、下式で表されるポリチオエステル化合物であることを確認した。下式で表されるポリチオエステル化合物のH-NMRの帰属を以下に示す。
【化20】
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=1.18(br,6H,-CH),2.97(br,4H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),3.20(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-),6.90(m,4H,Ar-H),7.25-7.38(m,10H,Ar-H),8.10(br,2H,-CO-CH(CH)-CH-NH-)
【0041】
<質量分析>
各実施例のポリチオエステル化合物の数平均分子量(Mn)および質量平均分子量(Mw)をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた。GPCにおいては、Shodex K-805Lをカラムとして使用し、カラム温度を40℃、流量を1mL/min、溶離液をクロロホルム、標準物質をポリスチレンとした。各実施例のポリチオエステル化合物における質量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)を表1に示す。
【0042】
<ガラス転移温度>
各実施例のポリチオエステル化合物のガラス転移温度を以下の手順にて測定した。
得られた各実施例のポリチオエステル化合物のポリマーの粉末について、示差走査熱量測定(DSC)装置(Q-100 TAInstruments)、解析ソフト(TAInstruments製 Universal analysis)を用い、昇温降温速度10℃/min、測定範囲は20℃~200℃サイクル、窒素雰囲気下、ベースラインシフトの補外開始温度をガラス転移温度(Tg)として測定した。測定結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
表1中、モノマー1~9、触媒、溶剤1,2は以下のとおりである。
モノマー1:ビス(4-メタクリロイルチオフェニル)スルフィド
モノマー2:2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
モノマー3:ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)スルホン
モノマー4:2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン
モノマー5:2,2’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジアミン
モノマー6:2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4‘-ジアミノジフェニルエーテル
モノマー7:マレイン酸無水物
モノマー8:メタクリル酸2-イソシアナトエチル
モノマー9:3-アミノフェノール
触媒:ジアザビシクロウンデセン
溶剤1:N-メチルピロリドン
溶剤2:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート