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特開2024-44866情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044866
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G11B 20/10 20060101AFI20240326BHJP
   G06F 3/06 20060101ALI20240326BHJP
   G06F 11/10 20060101ALI20240326BHJP
   G11B 20/12 20060101ALI20240326BHJP
   G11B 20/18 20060101ALI20240326BHJP
   G11B 5/09 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
G11B20/10 301Z
G06F3/06 303G
G06F3/06 305C
G06F11/10
G11B20/12
G11B20/18 532B
G11B20/18 572B
G11B20/18 572G
G11B5/09 301Z
G11B5/09 331
G11B5/09 361
G11B20/18 512A
G11B20/12 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150654
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 理貴
(72)【発明者】
【氏名】大石 豊
(72)【発明者】
【氏名】増田 優子
(72)【発明者】
【氏名】大塚 美咲
【テーマコード(参考)】
5D044
【Fターム(参考)】
5D044AB01
5D044BC01
5D044CC02
5D044DE37
5D044DE49
5D044DE68
(57)【要約】
【課題】磁気テープに記録される全データの総サイズに占めるパリティデータの総サイズの割合を低減することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを得る。
【解決手段】情報処理装置は、最大サイズのデータ以外のデータに対してダミーデータを付加することにより複数のデータのサイズを同一サイズにする処理を実行し、同一サイズにした複数のデータを用いてパリティデータを生成し、複数のデータ及びパリティデータを磁気テープに記録する第1の制御を行い、新たなデータと、同一サイズにした複数のデータそれぞれにおけるダミーデータを用いてパリティデータを生成したデータ部分と、からパリティデータを生成し、新たなデータとパリティデータとを磁気テープに記録する第2の制御を行う。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを備える情報処理装置であって、
前記プロセッサは、
磁気テープへの記録対象の複数のデータのうちの最大サイズのデータ以外のデータに対してダミーデータを付加することにより前記複数のデータのサイズを同一サイズにする処理を実行し、
同一サイズにした前記複数のデータを用いてパリティデータを生成し、
前記複数のデータ及び前記パリティデータを磁気テープに記録する第1の制御を行い、
新たなデータの前記磁気テープへの記録要求を受け付けた場合、その新たなデータと、同一サイズにした前記複数のデータそれぞれにおける前記ダミーデータを用いてパリティデータを生成したデータ部分と、からパリティデータを生成し、
前記新たなデータと、その新たなデータを用いて生成したパリティデータとを前記磁気テープに記録する第2の制御を行う
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記第2の制御において、前記新たなデータのサイズが前記磁気テープに記録されたダミーデータのサイズ以下である場合、前記新たなデータを前記磁気テープにおける前記ダミーデータが記録された領域に上書きする制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記新たなデータのサイズが前記磁気テープに記録されたダミーデータのサイズを超える場合、前記データ部分にダミーデータを付加することにより前記新たなデータと前記データ部分とを同一サイズにする処理を実行する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
磁気テープへの記録対象の複数のデータのうちの最大サイズのデータ以外のデータに対してダミーデータを付加することにより前記複数のデータのサイズを同一サイズにする処理を実行し、
同一サイズにした前記複数のデータを用いてパリティデータを生成し、
前記複数のデータ及び前記パリティデータを磁気テープに記録する第1の制御を行い、
新たなデータの前記磁気テープへの記録要求を受け付けた場合、その新たなデータと、同一サイズにした前記複数のデータそれぞれにおける前記ダミーデータを用いてパリティデータを生成したデータ部分と、からパリティデータを生成し、
前記新たなデータと、その新たなデータを用いて生成したパリティデータとを前記磁気テープに記録する第2の制御を行う
処理を情報処理装置が備えるプロセッサが実行する情報処理方法。
【請求項5】
磁気テープへの記録対象の複数のデータのうちの最大サイズのデータ以外のデータに対してダミーデータを付加することにより前記複数のデータのサイズを同一サイズにする処理を実行し、
同一サイズにした前記複数のデータを用いてパリティデータを生成し、
前記複数のデータ及び前記パリティデータを磁気テープに記録する第1の制御を行い、
新たなデータの前記磁気テープへの記録要求を受け付けた場合、その新たなデータと、同一サイズにした前記複数のデータそれぞれにおける前記ダミーデータを用いてパリティデータを生成したデータ部分と、からパリティデータを生成し、
前記新たなデータと、その新たなデータを用いて生成したパリティデータとを前記磁気テープに記録する第2の制御を行う
処理を情報処理装置が備えるプロセッサに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パリティデータを生成する際に、論理ボリュームグループに属する論理ボリュームの後端にダミーデータを付加して、各論理ボリュームのサイズを均等化する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-143952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のデータとその複数のデータから生成されるパリティデータとを1つのグループとして複数のデータを同一サイズとする場合、そのサイズは、グループ毎に異なる場合が多い。この場合、例えば、データを受信した順に複数のデータを同一サイズにし、同一サイズにした複数のデータと、その複数のデータから生成されたパリティデータとを磁気テープに記録すると、以下の問題が発生する場合がある。すなわち、この場合、磁気テープに記録される全データの総サイズに占めるパリティデータの総サイズの割合が増大してしまう場合がある。
【0005】
本開示は、以上の事情を鑑みてなされたものであり、磁気テープに記録される全データの総サイズに占めるパリティデータの総サイズの割合を低減することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様の情報処理装置は、少なくとも一つのプロセッサを備える情報処理装置であって、プロセッサは、磁気テープへの記録対象の複数のデータのうちの最大サイズのデータ以外のデータに対してダミーデータを付加することにより複数のデータのサイズを同一サイズにする処理を実行し、同一サイズにした複数のデータを用いてパリティデータを生成し、複数のデータ及びパリティデータを磁気テープに記録する第1の制御を行い、新たなデータの磁気テープへの記録要求を受け付けた場合、その新たなデータと、同一サイズにした複数のデータそれぞれにおけるダミーデータを用いてパリティデータを生成したデータ部分と、からパリティデータを生成し、新たなデータと、その新たなデータを用いて生成したパリティデータとを磁気テープに記録する第2の制御を行う。
【0007】
第2の態様の情報処理装置は、第1の態様の情報処理装置において、プロセッサは、第2の制御において、新たなデータのサイズが磁気テープに記録されたダミーデータのサイズ以下である場合、新たなデータを磁気テープにおけるダミーデータが記録された領域に上書きする制御を行う。
【0008】
第3の態様の情報処理装置は、第1の態様又は第2の態様の情報処理装置において、プロセッサは、新たなデータのサイズが磁気テープに記録されたダミーデータのサイズを超える場合、データ部分にダミーデータを付加することにより新たなデータとデータ部分とを同一サイズにする処理を実行する。
【0009】
第4の態様の情報処理方法は、磁気テープへの記録対象の複数のデータのうちの最大サイズのデータ以外のデータに対してダミーデータを付加することにより複数のデータのサイズを同一サイズにする処理を実行し、同一サイズにした複数のデータを用いてパリティデータを生成し、複数のデータ及びパリティデータを磁気テープに記録する第1の制御を行い、新たなデータの磁気テープへの記録要求を受け付けた場合、その新たなデータと、同一サイズにした複数のデータそれぞれにおけるダミーデータを用いてパリティデータを生成したデータ部分と、からパリティデータを生成し、新たなデータと、その新たなデータを用いて生成したパリティデータとを磁気テープに記録する第2の制御を行う処理を情報処理装置が備えるプロセッサが実行するものである。
【0010】
第5の態様の情報処理プログラムは、磁気テープへの記録対象の複数のデータのうちの最大サイズのデータ以外のデータに対してダミーデータを付加することにより複数のデータのサイズを同一サイズにする処理を実行し、同一サイズにした複数のデータを用いてパリティデータを生成し、複数のデータ及びパリティデータを磁気テープに記録する第1の制御を行い、新たなデータの磁気テープへの記録要求を受け付けた場合、その新たなデータと、同一サイズにした複数のデータそれぞれにおけるダミーデータを用いてパリティデータを生成したデータ部分と、からパリティデータを生成し、新たなデータと、その新たなデータを用いて生成したパリティデータとを磁気テープに記録する第2の制御を行う処理を情報処理装置が備えるプロセッサに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、磁気テープに記録される全データの総サイズに占めるパリティデータの総サイズの割合を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図4】ダミーデータ付加処理を説明するための図である。
図5】パリティデータの生成処理を説明するための図である。
図6】第1の制御におけるデータセット及びパリティデータの磁気テープへの記録処理を説明するための図である。
図7】新たなデータの記録要求を受け付けた場合のパリティデータの生成処理を説明するための図である。
図8】新たなデータの記録要求を受け付けた場合のパリティデータの生成処理を説明するための図である。
図9】新たなデータの記録要求を受け付けた場合のパリティデータの生成処理を説明するための図である。
図10】第2の制御におけるデータ及びパリティデータの磁気テープへの記録処理を説明するための図である。
図11】第2の制御におけるデータ及びパリティデータの磁気テープへの記録処理を説明するための図である。
図12】変形例に係る第2の制御におけるデータ及びパリティデータの磁気テープへの記録処理を説明するための図である。
図13】データ記録処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態例を詳細に説明する。
【0014】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システム10の構成を説明する。図1に示すように、情報処理システム10は、情報処理装置12及びテープライブラリ14を含む。情報処理装置12の例としては、サーバコンピュータ等が挙げられる。
【0015】
テープライブラリ14は、複数のスロット(図示省略)及び複数のテープドライブ18を備え、各スロットには記録媒体の一例としての磁気テープTが格納される。各テープドライブ18は、情報処理装置12に接続される。テープドライブ18は、情報処理装置12による制御によって、磁気テープTに対するデータの書き込み又は読み取りを行う。磁気テープTの例としては、LTO(Linear Tape-Open)テープが挙げられる。
【0016】
情報処理装置12により磁気テープTに対するデータの書き込み又は読み取りを行う場合、書き込み又は読み取り対象の磁気テープTがスロットから所定のテープドライブ18にロードされる。テープドライブ18にロードされた磁気テープTに対するデータの書き込み又は読み取りが完了すると、磁気テープTは、テープドライブ18から元々格納されていたスロットにアンロードされる。
【0017】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る情報処理装置12のハードウェア構成を説明する。図2に示すように、情報処理装置12は、CPU(Central Processing Unit)20、一時記憶領域としてのメモリ21、及び不揮発性の記憶部22を含む。また、情報処理装置12は、液晶ディスプレイ等のディスプレイ23、キーボードとマウス等の入力装置24、ネットワークに接続されるネットワークI/F(InterFace)25、及び各テープドライブ18が接続される外部I/F26を含む。CPU20、メモリ21、記憶部22、ディスプレイ23、入力装置24、ネットワークI/F25、及び外部I/F26は、バス27に接続される。CPU20は、プロセッサの一例である。
【0018】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部22には、情報処理プログラム30が記憶される。CPU20は、記憶部22から情報処理プログラム30を読み出してからメモリ21に展開し、展開した情報処理プログラム30を実行する。
【0019】
ところで、本実施形態に係る情報処理装置12は、ユーザ端末等の外部装置から送信された磁気テープTへのデータの記録要求と、磁気テープTへの記録対象のデータとを受信する。情報処理装置12は、受信したデータを記憶部22に格納する。そして、情報処理装置12は、記憶部22に格納されたデータを磁気テープTに記録する制御を行う。
【0020】
次に、図3を参照して、本実施形態に係る情報処理装置12の機能的な構成について説明する。図3に示すように、情報処理装置12は、実行部40、第1生成部42、第1制御部44、第2生成部46、及び第2制御部48を含む。CPU20が情報処理プログラム30を実行することにより、実行部40、第1生成部42、第1制御部44、第2生成部46、及び第2制御部48として機能する。
【0021】
実行部40は、記憶部22に格納された磁気テープTへの記録対象の複数のデータのうちの最大サイズのデータ以外のデータに対してダミーデータを付加することにより複数のデータのサイズを同一サイズにする処理(以下、「ダミーデータ付加処理」という)を実行する。本実施形態では、実行部40は、複数のデータのまとまりを1つのデータセットとしてダミーデータ付加処理を実行する。
【0022】
具体的には、図4に示すように、実行部40は、ダミーデータ付加処理として、複数のデータセットのうちの最大サイズのデータセット以外のデータセットに対してダミーデータを付加することにより複数のデータセットを同一サイズにする処理を実行する。ダミーデータの例としては、0でパディングされたデータ、又は1でパディングされたデータ等が挙げられる。また、ダミーデータは、0と1とが交互に繰り返されるデータ等の特定の規則によって0と1とが並べられたビット列で表されるデータでもよい。図4では、各矩形の横の長さが、その矩形のデータサイズを表している。なお、図4における複数のデータセットの少なくとも1つが1つのデータであってもよい。
【0023】
第1生成部42は、実行部40により同一サイズとされた複数のデータセットを用いてパリティデータを生成する。具体的には、図5に示すように、第1生成部42は、実行部40により同一サイズとされた複数のデータセットを用いてデータセットと同一サイズの1つのパリティデータを生成する。本実施形態に係るパリティデータは、複数のデータセットのうちの1つのデータセットが失われても、その1つのデータセットを残りのデータセットとパリティデータとから復元可能な冗長符号である。なお、図5の例では、3つのデータセットから1つのパリティデータが生成される構成(所謂3D+1Pの構成)を示しているが、データセットの数及びパリティデータの数の組み合わせはこの例に限定されない。
【0024】
また、本実施形態に係るパリティデータは、複数のデータセットのビット毎の排他的論理和等のビット演算で生成されるデータである。従って、データセットに含まれる一部のデータのみを復元することも可能となっている。
【0025】
第1制御部44は、複数のデータセット及びその複数のデータセットを用いて第1生成部42により生成されたパリティデータを複数の磁気テープTに分散して記録する制御(以下、「第1の制御」という)を行う。本実施形態では、一例として図6に示すように、複数のデータセット及びパリティデータを、データセットの数及びパリティデータの数の合計値と同じ本数の磁気テープTに分散して記録する制御を行う。これにより、1本の磁気テープTが使用不可能になった場合でも、残りの3本の磁気テープTに記録されたデータセット及びパリティデータから、使用不可能になった1本の磁気テープTに記録されたデータセットを復元することができる。
【0026】
第2生成部46は、第1の制御の後に新たなデータの磁気テープTへの記録要求を受け付けた場合、その新たなデータと、同一サイズにした複数のデータセットそれぞれにおけるダミーデータを用いてパリティデータを生成したデータ部分と、からパリティデータを生成する。図7図9を参照して、第2生成部46によるパリティデータの生成処理の具体例を説明する。図7図9のいずれも図5に示した3つのデータセット及び1つのパリティデータが生成され、かつ磁気テープTに記録された後に、新たなデータとして「データ11」が情報処理装置12により受け付けられた場合の例を示している。また、図7図9における「パリティデータ(新)」は、第2生成部46により生成されるパリティデータを示している。
【0027】
図7に示すように、第2生成部46は、新たなデータのサイズが第1の制御により磁気テープTに記録されたダミーデータのサイズ以下である場合、新たなデータと、同一サイズにした複数のデータセットそれぞれにおけるダミーデータを用いてパリティデータを生成したデータ部分と、からパリティデータを生成する。図7の例では、新たなデータのサイズとダミーデータのサイズとが等しい場合を示している。図7図9における破線の矩形で囲まれた部分、すなわち「データ2」の一部と、「データ7」及び「データ8」とが同一サイズにした複数のデータセットそれぞれにおけるダミーデータを用いてパリティデータを生成したデータ部分に相当する。前述したように、パリティデータは、ビット単位での演算により生成されるデータであるため、このようにデータの一部からでもパリティデータの生成が可能である。
【0028】
なお、図8に示すように、第2生成部46は、新たなデータのサイズがダミーデータのサイズ未満である場合、新たなデータにダミーデータが付加されることにより同一サイズにされた新たなデータと、上記データ部分とからパリティデータを生成してもよい。この場合における新たなデータにダミーデータを付加することにより新たなデータと上記データ部分とを同一サイズにする処理は、前述した実行部40が実行する。
【0029】
また、図9に示すように、第2生成部46は、新たなデータのサイズが第1の制御により磁気テープTに記録されたダミーデータのサイズを超える場合、新たなデータと、上記データ部分にダミーデータが付加されることにより同一サイズにされたデータ部分と、からパリティデータを生成する。この場合における上記データ部分にダミーデータを付加することにより新たなデータと上記データ部分とを同一サイズにする処理は、前述した実行部40が実行する。
【0030】
第2制御部48は、新たなデータと、その新たなデータを用いて第2生成部46により生成されたパリティデータとを磁気テープTに記録する制御(以下、「第2の制御」という)を行う。図10に示すように、第2制御部48は、第2の制御において、新たなデータのサイズが第1の制御により磁気テープTに記録されたダミーデータのサイズ以下である場合、新たなデータを磁気テープTにおけるダミーデータが記録された領域に上書きする制御を行う。図10に示すように、この場合、更に、第2制御部48は、第2生成部46により生成されたパリティデータを、第1の制御により磁気テープTに記録されたパリティデータにおけるダミーデータを用いて生成されたデータ部分に上書きする制御を行う。
【0031】
図11に示すように、第2制御部48は、第2の制御において、新たなデータのサイズが第1の制御により磁気テープTに記録されたダミーデータのサイズを超える場合、新たなデータを磁気テープTにおけるダミーデータが記録された領域に上書きする制御を行う。図11に示すように、この場合、更に、第2制御部48は、第2生成部46により生成されたパリティデータを、第1の制御により磁気テープTに記録されたパリティデータにおけるダミーデータを用いて生成されたデータ部分に上書きする制御を行う。図11に示すように、この場合、更に、第2制御部48は、第2生成部46によるパリティデータの生成に用いられたダミーデータを磁気テープTに追記する制御を行ってもよい。
【0032】
なお、図12に示すように、第2制御部48は、第2の制御において、新たなデータのサイズが第1の制御により磁気テープTに記録されたダミーデータのサイズを超える場合、新たなデータを磁気テープTに追記する制御を行ってもよい。図12に示すように、この場合、更に、第2制御部48は、第2の制御において、第2生成部46により生成されたパリティデータを磁気テープTに追記する制御を行ってもよい。
【0033】
また、第2制御部48は、第2の制御の後に、更に新たなデータが受け付けられた場合、その新たなデータを用いて再度第2の制御を行ってもよい。また、この場合の新たなデータは、複数のデータのまとまりであるデータセットでもよい。
【0034】
次に、図13を参照して、本実施形態に係る情報処理装置12の作用を説明する。CPU20が情報処理プログラム30を実行することによって、図13に示すデータ記録処理が実行される。図13に示すデータ記録処理は、例えば、ユーザにより実行開始の指示が入力装置24を介して入力された場合、又は所定数以上のデータが記憶部22に格納された場合等に実行される。
【0035】
図13のステップS10で、実行部40は、前述したように、記憶部22に格納された磁気テープTへの記録対象の複数のデータに対してダミーデータ付加処理を実行する。ステップS12で、第1生成部42は、前述したように、ステップS10で同一サイズとされた複数のデータセットを用いてパリティデータを生成する。ステップS14で、第1制御部44は、前述したように、複数のデータセット及びその複数のデータセットを用いてステップS12で生成されたパリティデータを複数の磁気テープTに分散して記録する第1の制御を行う。
【0036】
ステップS16で、実行部40は、新たなデータの磁気テープTへの記録要求が受け付けられるまで待機する。新たなデータの磁気テープTへの記録要求が受け付けられると、ステップS16の判定が肯定判定となり、処理はステップS18へ移行する。ステップS18で、実行部40は、ステップS16で受け付けられた新たなデータのサイズがステップS14で磁気テープTに記録されたダミーデータのサイズ以下であるか否かを判定する。この判定が肯定判定となった場合、処理はステップS20に移行する。
【0037】
ステップS20で、実行部40は、ステップS16で受け付けられた新たなデータにダミーデータを付加することにより新たなデータと、同一サイズにされた複数のデータセットそれぞれにおけるダミーデータを用いてパリティデータを生成したデータ部分とを同一サイズにするダミーデータ付加処理を実行する。なお、新たなデータのサイズとステップS14で磁気テープTに記録されたダミーデータのサイズとが等しい場合、ステップS20の処理は実行されなくてもよい。
【0038】
ステップS22で、第2生成部46は、前述したように、ステップS20で同一サイズにされた新たなデータと上記データ部分とを用いてパリティデータを生成する。ステップS24で、第2制御部48は、前述したように、新たなデータを磁気テープTにおけるダミーデータが記録された領域に上書きする制御を行う。また、第2制御部48は、前述したように、ステップS22で生成されたパリティデータを、ステップS14で磁気テープTに記録されたパリティデータにおけるダミーデータを用いて生成されたデータ部分に上書きする制御を行う。ステップS24の処理が終了すると、データ記録処理が終了する。
【0039】
一方、ステップS18の判定が否定判定となった場合、処理はステップS26に移行する。ステップS26で、実行部40は、上記データ部分にダミーデータを付加することにより、ステップS16で受け付けられた新たなデータと上記データ部分とを同一サイズにするダミーデータ付加処理を実行する。
【0040】
ステップS28で、第2生成部46は、前述したように、ステップS26で同一サイズにされた新たなデータと上記データ部分とを用いてパリティデータを生成する。ステップS30で、第2制御部48は、前述したように、新たなデータを磁気テープTにおけるダミーデータが記録された領域に上書きする制御を行う。また、第2制御部48は、前述したように、ステップS28で生成されたパリティデータを、ステップS14で磁気テープTに記録されたパリティデータにおけるダミーデータを用いて生成されたデータ部分に上書きする制御を行う。ステップS30の処理が終了すると、データ記録処理が終了する。
【0041】
なお、ステップS24の処理の終了後及びステップS30の処理の終了後に、処理がステップS16に戻ってもよい。この場合、更に新たなデータの磁気テープTへの記録要求を受け付けられた場合、ステップS18以降の処理が再度実行される。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置12は、データ及びパリティデータを磁気テープTに記録した後に、新たなデータの記録要求を受け付けた場合、以下の制御を行う。すなわち、この場合、情報処理装置12は、新たなデータのみからパリティデータを生成するのではなく、既に磁気テープTに記録済みのデータの一部と新たなデータとからパリティデータを生成し、新たなデータとパリティデータとを磁気テープTに記録する制御を行う。従って、磁気テープTに記録される全データの総サイズに占めるパリティデータの総サイズの割合を低減することができる。
【0043】
なお、上記実施形態において、磁気テープTへの記録対象のデータとして、文書データ及び画像データ等のユーザが保存対象とするデータと、そのデータに関するメタデータとを含むオブジェクトを適用してもよい。このオブジェクトを取り扱うストレージシステムは、オブジェクトストレージシステムと称される。この形態例におけるメタデータには、例えば、オブジェクトキー等のオブジェクトの識別情報、オブジェクト名、データのサイズ、及びタイムスタンプ等の属性情報が含まれる。
【0044】
また、上記実施形態において、例えば、実行部40、第1生成部42、第1制御部44、第2生成部46、及び第2制御部48といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0045】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0046】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System on Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0047】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【0048】
また、上記実施形態では、情報処理プログラム30が記憶部22に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。情報処理プログラム30は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、情報処理プログラム30は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0049】
10 情報処理システム
12 情報処理装置
14 テープライブラリ
18 テープドライブ
20 CPU
21 メモリ
22 記憶部
23 ディスプレイ
24 入力装置
25 ネットワークI/F
26 外部I/F
27 バス
30 情報処理プログラム
40 実行部
42 第1生成部
44 第1制御部
46 第2生成部
48 第2制御部
T 磁気テープ
図1
図2
図3
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図5
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図13