(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044901
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】基板処理装置、半導体装置の製造方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20240326BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20240326BHJP
H01L 21/31 20060101ALN20240326BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
G05B19/418 Z
H01L21/31 B
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150724
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 真一朗
【テーマコード(参考)】
3C100
5F045
【Fターム(参考)】
3C100AA56
3C100AA57
3C100AA58
3C100BB13
3C100EE06
5F045AA06
5F045AD01
5F045AE01
5F045DP19
5F045DQ05
5F045EK06
5F045EN05
(57)【要約】
【課題】変更前後で設定値の整合性を確保しつつ、ファイルの編集操作を効率的に行うことが可能な技術を提供する。
【解決手段】複数の設定値を有する基板の処理条件を記載したファイルの表示が可能な表示部と、前記ファイルの編集操作と、前記編集操作において設定した前記設定値の取り消し又はやり直しの少なくとも一つの操作とを行うことが可能な操作部と、前記ファイルと、前記取り消し又は前記やり直しの操作履歴情報とを記憶する記憶部と、前記取り消し又は前記やり直しの操作時に再設定された前記設定値の有効範囲の判定を行う判定部と、前記記憶部及び前記判定部を有し、前記設定値の編集操作の制御を行うことが可能な制御部と、指定された前記ファイルに基づいて前記基板の処理が可能な処理容器と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設定値を有する基板の処理条件を記載したファイルの表示が可能な表示部と、
前記ファイルの編集操作と、前記編集操作において設定した前記設定値の取り消し又はやり直しの少なくとも一つの操作とを行うことが可能な操作部と、
前記ファイルと、前記取り消し又は前記やり直しの操作履歴情報とを記憶する記憶部と、
前記取り消し又は前記やり直しの操作時に再設定された前記設定値の有効範囲の判定を行う判定部と、
前記記憶部及び前記判定部を有し、前記設定値の編集操作の制御を行うことが可能な制御部と、
指定された前記ファイルに基づいて前記基板の処理が可能な処理容器と、
を有する基板処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記設定値の管理を行う管理部を更に有し、
前記管理部は、前記操作部からの指示に従い、指示された前記設定値の情報を検索する、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記設定値の有効範囲である上限値及び下限値を設定する範囲設定部を更に有し、
前記範囲設定部は、前記管理部からの前記有効範囲の設定指示に従い、全ての前記設定値の前記有効範囲を設定する、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記範囲設定部は、予め定められた各項目の範囲設定条件と、関連する他の項目の設定情報とを確認して、前記上限値及び前記下限値の算出を行う、
請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記設定値が変更となった場合に、前記ファイルに定義される全ての前記設定値が有効な範囲内であるか否かの判定を行う、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記判定部の判定結果が範囲外となった場合に、前記設定値が範囲外であることを報知するよう前記操作部に対して通知を行う、
請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記操作部は、前記制御部からの前記通知に従い、範囲外の前記設定値があることを表示するよう前記表示部に指示を行う、
請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記表示部は、前記操作部からの指示に従い、前記設定値が範囲外である通知を表示し、対象となる設定値の表示を切り替える、
請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記表示部は、前記取り消し又は前記やり直しの操作が可能なボタンを有する、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記表示部は、前記表示部の表示言語に合わせて、前記ボタンの表示文字を切り替える、
請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記表示部は、前記取り消し又は前記やり直しの操作に合わせて、前記ボタンの表示を切り替える、
請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記操作履歴情報は、前記設定値の、設定値関連情報を格納する第1の操作履歴情報と、前記取り消しの操作実行時に取り消し履歴として前記設定値関連情報を格納する第2の操作履歴情報とを含む、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記設定値関連情報は、設定項目、変更前の設定値、及び変更後の設定値のうち少なくともいずれかを含む、
請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記取り消しの操作実行時に、前記第1の操作履歴情報に格納された前記設定値関連情報を前記第2の操作履歴情報に格納し、前記第1の操作履歴情報に格納された前記設定値関連情報を削除する、
請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記やり直しの操作実行時に、前記第2の操作履歴情報に格納された前記設定値関連情報を前記第1の操作履歴情報に格納し、前記第2の操作履歴情報に格納された前記設定値関連情報を削除する、
請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記制御部は、新たな設定値関連情報を取得した場合に、前記第2の操作履歴情報に格納された前記設定値関連情報を前記第1の操作履歴情報に格納し、前記新たな設定値関連情報を前記第1の操作履歴情報に格納する、
請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記第2の操作履歴情報をクリアする、
請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記ファイルの編集を終了した場合、前記操作履歴情報をクリアする、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項19】
複数の設定値を有する基板の処理条件を記載したファイルの表示を行う工程と、
前記設定値の編集を行う場合に、設定した前記設定値の取り消し又はやり直しの少なくとも一つの操作を行う工程と、
前記ファイルと、前記取り消し又は前記やり直しの操作履歴情報とを記憶する工程と、
前記取り消し又は前記やり直しの操作時に再設定された前記設定値の有効範囲の判定を行う工程と、
指定された前記ファイルに基づいて前記基板の処理を実行する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項20】
複数の設定値を有する基板の処理条件を記載したファイルの表示を行う手順と、
前記設定値の編集を行う場合に、設定した前記設定値の取り消し又はやり直しの少なくとも一つの操作を行う手順と、
前記ファイルと、前記取り消し又は前記やり直しの操作履歴情報とを記憶する手順と、
前記取り消し又は前記やり直しの操作時に再設定された前記設定値の有効範囲の判定を行う手順と、
指定された前記ファイルに基づいて前記基板の処理を実行する手順と、
をコンピュータによって基板処理装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置、半導体装置の製造方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置において、基板の処理を実行するための処理条件を各ステップで設定可能なレシピを編集したり、レシピを実行するためのパラメータを編集したりする場合がある。また、レシピやパラメータは設定項目が多く、レシピやパラメータの編集を行う場合の編集者への負担が大きい。基板処理装置では、その負担を軽減するために、レシピやパラメータの編集時の補助機能を備えることがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、レシピの編集時に使用するパラメータの編集において設定値を変更する際、入力可能な設定値を適切な範囲に制限することが可能な基板処理装置が記載されている。この特許文献1では、基板処理装置におけるファイル編集時の入力補助に関連する記載がされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、設定値の変更を複数回行った後で、その状態から前の状態に戻る場合は、編集したファイルを保存しないで終了し、再度ファイルを開き直して、再度設定値を設定するか、あるいは、変更した設定値を手作業で元に戻す作業があり、作業効率の低下につながることがある。
【0006】
また、設定値を変更した場合、変更後の設定値だけでなく、設定値によっては関連する他の設定値の有効範囲を超えてしまうことがあるため、変更前後で設定値の整合性が確保できない場合がある。
【0007】
本開示は、変更前後で設定値の整合性を確保しつつ、ファイルの編集操作を効率的に行うことが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様によれば、複数の設定値を有する基板の処理条件を記載したファイルの表示が可能な表示部と、前記ファイルの編集操作と、前記編集操作において設定した前記設定値の取り消し又はやり直しの少なくとも一つの操作とを行うことが可能な操作部と、前記ファイルと、前記取り消し又は前記やり直しの操作履歴情報とを記憶する記憶部と、前記取り消し又は前記やり直しの操作時に再設定された前記設定値の有効範囲の判定を行う判定部と、前記記憶部及び前記判定部を有し、前記設定値の編集操作の制御を行うことが可能な制御部と、指定された前記ファイルに基づいて前記基板の処理が可能な処理容器と、を有する技術が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、変更前後で設定値の整合性を確保しつつ、ファイルの編集操作を効率的に行うことができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る基板処理装置の一例を示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る基板処理装置を側面から見たときの断面図である。
【
図3】実施形態に係る基板処理装置が備える制御部の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4A】実施形態に係るレシピ編集画面の一例を示す正面図である。
【
図4B】実施形態に係るレシピ編集画面の別の例を示す正面図である。
【
図4C】実施形態に係るレシピ編集画面の更に別の例を示す正面図である。
【
図5】操作履歴情報として用いるUndo操作用のUndoデータ格納テーブル及びRedo操作用のRedoデータ格納テーブルの一例を示す図である。
【
図6A】設定値の設定を3回行った場合のUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移例を示す図である。
【
図6B】
図6Aに示すUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移に応じた画面設定値情報の変化及びUndo/Redoボタンの表示状態の変化の様子の一例を示す図である。
【
図7A】設定値の設定を2回行った後にUndoを1回行った場合のUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移例を示す図である。
【
図7B】
図7Aに示すUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移に応じた画面設定値情報の変化及びUndo/Redoボタンの表示状態の変化の様子の一例を示す図である。
【
図8A】設定値の設定を2回行った後にUndoを2回行った場合のUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移例を示す図である。
【
図8B】
図8Aに示すUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移に応じた画面設定値情報の変化及びUndo/Redoボタンの表示状態の変化の様子の一例を示す図である。
【
図9A】
図8Aの遷移に続き更にRedoを2回行った場合のUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移例を示す図である。
【
図9B】
図9Aに示すUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移に応じた画面設定値情報の変化及びUndo/Redoボタンの表示状態の変化の様子の一例を示す図である。
【
図10A】設定値の設定を2回行った後にUndoを1回行い更に設定を1回行った場合のUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移例を示す図である。
【
図10B】
図10Aに示すUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移に応じた画面設定値情報の変化及びUndo/Redoボタンの表示状態の変化の様子の一例を示す図である。
【
図11】実施形態に係る編集開始処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図12】実施形態に係る設定値変更処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図13】実施形態に係るUndo操作処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図14】実施形態に係るRedo操作処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本開示の技術を実現する実施形態を詳細に説明する。
なお、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。また、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。また、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面に示される、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。
【0012】
まず、
図1及び
図2を参照して、本実施形態に係る基板処理装置の概要について説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る基板処理装置1の一例を示す斜視図である。また、
図2は、本実施形態に係る基板処理装置1を側面から見たときの断面図である。
図1及び
図2は基板処理装置の一例として縦型の基板処理装置1を示している。なお、基板処理装置1において処理される基板は、一例としてシリコン等から成る半導体ウェーハが示されている。
【0014】
図1及び
図2に示すように、基板処理装置1は、筐体2を備え、筐体2の正面壁3の下部にはメンテナンス可能に設けられた開口部としての正面メンテナンス口4が開設され、正面メンテナンス口4は正面メンテナンス扉5によって開閉される。
【0015】
筐体2の正面壁3にはポッド搬入搬出口6が筐体2の内外を連通するように開設されており、ポッド搬入搬出口6はフロントシャッタ(搬入搬出口開閉機構)7によって開閉される。ポッド搬入搬出口6の正面前方側にはロードポート(基板搬送容器受渡し台)8が設置されており、ロードポート8は載置されたポッド9を位置合せするように構成されている。
【0016】
ポッド9は密閉式の基板搬送容器であり、工程内搬送装置(図示せず)によってロードポート8上に搬入され、又、ロードポート8上から搬出されるようになっている。
【0017】
筐体2内の前後方向の略中央部における上部には回転式ポッド棚(基板搬送容器格納棚)11が設置されており、回転式ポッド棚11は複数個のポッド9を格納するように構成されている。
【0018】
回転式ポッド棚11は、垂直に立設されて間欠回転される支柱12と、支柱12に上中下段の各位置において放射状に支持された複数段の棚板(基板搬送容器載置棚)13とを備えている。棚板13は、ポッド9を複数個載置した状態で格納するように構成されている。
【0019】
回転式ポッド棚11の下方にはポッドオープナ(基板搬送容器蓋体開閉機構)14が設けられ、ポッドオープナ14はポッド9を載置し、又、ポッド9の蓋を開閉可能な構成を有している。
【0020】
ロードポート8と回転式ポッド棚11、ポッドオープナ14との間にはポッド搬送機構(容器搬送機構)15が設置されており、ポッド搬送機構15はポッド9を保持して昇降可能、水平方向に進退可能となっている。ロードポート8、回転式ポッド棚11、ポッドオープナ14との間でポッド9を搬送するように構成されている。
【0021】
筐体2内の前後方向の略中央部における下部には、サブ筐体16が後端に亘って設けられている。サブ筐体16の正面壁17にはウェーハ(基板)18をサブ筐体16内に対して搬入搬出するためのウェーハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)19が一対、垂直方向に上下2段に並べられて開設されており、上下段のウェーハ搬入搬出口19に対してポッドオープナ14がそれぞれ設けられている。
【0022】
ポッドオープナ14は、ポッド9を載置する載置台21と、ポッド9の蓋を開閉する開閉機構22とを備えている。ポッドオープナ14は、載置台21に載置されたポッド9の蓋を開閉機構22によって開閉することにより、ポッド9のウェーハ出入口を開閉するように構成されている。
【0023】
サブ筐体16は、ポッド搬送機構15や回転式ポッド棚11が配設されている空間(ポッド搬送空間)から気密となっている移載室23を構成している。移載室23の前側領域にはウェーハ移載機構(基板移載機構)24が設置されており、ウェーハ移載機構24はウェーハ18を載置する所要枚数(例えば、図示では5枚)のウェーハ載置プレート25を具備し、ウェーハ載置プレート25は水平方向に直動可能、水平方向に回転可能、又は昇降可能となっている。ウェーハ移載機構24は、ボート(基板保持体)26に対してウェーハ18を装填及び払い出しするように構成されている。
【0024】
移載室23の後側領域にはボート26を収容して待機させる待機部27が構成され、待機部27の上方には縦型の処理炉28が設けられている。処理炉28は内部に処理室29を形成し、処理室29の下端部は炉口部となっており、炉口部は炉口シャッタ(炉口開閉機構)31により開閉されるようになっている。なお、処理室29は、処理容器の一例である。
【0025】
筐体2の右側端部とサブ筐体16の待機部27の右側端部との間にはボート26を昇降させるためのボートエレベータ(基板保持具昇降機構)32が設置されている。ボートエレベータ32の昇降台に連結されたアーム33には蓋体としてのシールキャップ34が水平に取付けられており、シールキャップ34はボート26を垂直に支持し、ボート26を処理室29に装入した状態で炉口部を気密に閉塞可能となっている。
【0026】
ボート26は、複数枚(例えば、50枚~125枚程度)のウェーハ18をその中心に揃えて水平姿勢で多段に保持するように構成されている。
【0027】
ボートエレベータ32側と対向した位置にはクリーンユニット35が配設され、クリーンユニット35は清浄化した雰囲気若しくは不活性ガスであるクリーンエア36を供給するよう供給ファン及び防塵フィルタで構成されている。不活性ガスとしては、例えば窒素(N)含有ガスを用いることができる。N含有ガスとしては、例えば、窒素(N2)ガス、アンモニア(NH3)ガス等を用いることができる。N含有ガスとしては、これらのうち1以上を用いることができる。ウェーハ移載機構24とクリーンユニット35との間には、ウェーハ18の円周方向の位置を整合させる基板整合装置としてのノッチ合せ装置(図示せず)が設置されている。
【0028】
クリーンユニット35から吹出されたクリーンエア36は、ノッチ合せ装置(図示せず)及びウェーハ移載機構24、ボート26に流通された後に、ダクト(図示せず)により吸込まれて、筐体2の外部に排気がなされるか、若しくは、クリーンユニット35によって移載室23内に吹き出されるように構成されている。
【0029】
次に、基板処理装置1の作動について説明する。
【0030】
ポッド9がロードポート8に供給されると、ポッド搬入搬出口6がフロントシャッタ7によって開放される。ロードポート8上のポッド9は、ポッド搬送機構15によって筐体2の内部へポッド搬入搬出口6を通して搬入され、回転式ポッド棚11の指定された棚板13へ載置される。ポッド9は、回転式ポッド棚11で一時的に保管された後、ポッド搬送機構15により棚板13からいずれか一方のポッドオープナ14に搬送されて載置台21に移載されるか、若しくはロードポート8から直接載置台21に移載される。
【0031】
この際、ウェーハ搬入搬出口19は開閉機構22によって閉じられており、移載室23にはクリーンエア36が流通され、充満している。例えば、移載室23にはクリーンエア36としてN含有ガスが充満することにより、酸素濃度が20ppm以下と、筐体2の内部(大気雰囲気)の酸素濃度よりも低く設定されている。
【0032】
載置台21に載置されたポッド9はその開口側端面がサブ筐体16の正面壁17におけるウェーハ搬入搬出口19の開口縁辺部に押し付けられると共に、蓋が開閉機構22によって取り外され、ウェーハ出入口が開放される。
【0033】
ポッド9がポッドオープナ14によって開放されると、ウェーハ18はポッド9からウェーハ移載機構24によって取り出され、ノッチ合せ装置(図示せず)に移送され、ノッチ合せ装置にてウェーハ18を整合した後、ウェーハ移載機構24はウェーハ18を移載室23の後方にある待機部27へ搬入し、ボート26に装填(チャージング)する。
【0034】
ボート26にウェーハ18を受け渡したウェーハ移載機構24は、ポッド9に戻り、次のウェーハ18をボート26に装填する。
【0035】
一方(上段又は下段)のポッドオープナ14におけるウェーハ移載機構24によりウェーハ18のボート26への装填作業中に、他方(下段又は上段)のポッドオープナ14には回転式ポッド棚11から別のポッド9がポッド搬送機構15によって搬送されて移載され、他方のポッドオープナ14によるポッド9の開放作業が同時進行される。
【0036】
予め指定された枚数のウェーハ18がボート26に装填されると炉口シャッタ31によって閉じられていた処理炉28の炉口部が炉口シャッタ31によって開放される。続いて、ボート26はボートエレベータ32によって上昇され、処理室29に搬入(ローディング)される。
【0037】
ローディング後は、シールキャップ34によって炉口部が気密に閉塞される。なお、本実施形態において、このタイミングで(ローディング後)、処理室29が不活性ガスに置換されるパージ工程(プリパージ工程)を有する。
【0038】
処理室29が所望の圧力(真空度)となるようにガス排気機構(図示せず)によって真空排気される。また、処理室29が所望の温度分布となるようにヒータ駆動部(図示せず)によって所定温度まで加熱される。
【0039】
また、ガス供給機構(図示せず)により、所定の流量に制御された処理ガスが供給され、処理ガスが処理室29を流通する過程で、ウェーハ18の表面と接触し、ウェーハ18の表面上に所定の処理が実施される。更に、反応後の処理ガスは、ガス排気機構により処理室29から排気される。本明細書における処理ガスとは処理室29内に供給されるガスのことを意味する。これらは、以下の説明においても同様である。
【0040】
予め設定された処理時間が経過すると、ガス供給機構により不活性ガス供給源(図示せず)から不活性ガスが供給され、処理室29が不活性ガスに置換されると共に、処理室29の圧力が常圧に復帰される(アフターパージ工程)。そして、ボートエレベータ32によりシールキャップ34を介してボート26が降下される。本明細書における処理時間とは、その処理を継続する時間を意味する。これらは、以下の説明においても同様である。
【0041】
処理後のウェーハ18の搬出については、上記説明と逆の手順で、ウェーハ18及びポッド9は筐体2の外部へ払い出される。未処理のウェーハ18が、更にボート26に装填され、ウェーハ18のバッチ処理が繰り返される。
【0042】
ここで、
図1及び
図2に示すように、基板処理装置1は制御部100を備え、制御部100は基板処理装置1の制御を行う。制御部100は、基板処理装置1に内蔵されていてもよいし、基板処理装置1の外部にアクセス可能に設けられていてもよい。
【0043】
次に、
図3を参照して、本実施形態に係る基板処理装置1の制御系の構成について説明する。
【0044】
図3は、本実施形態に係る基板処理装置1が備える制御部100の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0045】
図3に示すように、基板処理装置1は、制御部(主コントローラ)100と、外部記憶部201と、外部通信部202と、操作部203と、表示部204と、プロセス制御部205と、搬送制御部206と、を備えている。
【0046】
また、制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101と、RAM(Random Access Memory)102と、記憶部103と、I/Oポート104と、管理部105と、範囲設定部106と、判定部107と、を備えている。
【0047】
制御部100は、操作部203と接続されると共に、I/Oポート104を介してプロセス制御部205及び搬送制御部206が接続されている。制御部100は、プロセス制御部205及び搬送制御部206の各々とI/Oポート104を介して電気的に接続されているため、各データの送受信や各ファイルのダウンロード及びアップロード等が可能な構成となっている。
【0048】
制御部100には、記録媒体の一例であるUSB(Universal Serial Bus)メモリ等が挿脱される装着部としての外部記憶部201が接続されている。また、制御部100には、外部の上位コンピュータ(図示せず)と外部通信部202を介して接続されている。このため、基板処理装置1がクリーンルーム内に設置されている場合であっても上位コンピュータがクリーンルーム外の事務所等に配置されることが可能である。
【0049】
操作部203は、表示部204を一体的に有する、あるいは、表示部204とビデオケーブル等を介して接続される。表示部204は、例えば、液晶表示パネルである。表示部204には基板処理装置1を操作するための各操作画面が表示されるように構成されている。操作画面には、プロセス制御部205が制御する基板プロセス系、及び、搬送制御部206が制御する基板搬送系の状態を確認するための画面を有し、また、表示部204は、基板プロセス系及び基板搬送系への動作指示を入力したりする入力部としての各操作ボタンを設けることも可能である。操作部203は、操作画面を介して基板処理装置1内で生成される情報を表示部204に表示させる。また、操作部203は、例えば、表示部204に表示された情報を外部記憶部201に挿入されたUSBメモリ等のデバイスに出力させる。操作部203は、表示部204に表示される操作画面からの入力データ(入力指示)を受け付け、入力データを制御部100に送信する。また、操作部203は、RAM102に展開されたレシピ又は記憶部103に格納された複数のレシピのうち任意の基板処理レシピ(プロセスレシピともいう。)を実行させる指示(制御指示)を受け付け、制御部100に送信するようになっている。なお、操作部203及び表示部204はタッチパネルにより構成されていてもよい。ここで、操作部203及び表示部204は制御部100と別体で設けられているが、制御部100に一体で含まれる構成としてもよい。
【0050】
プロセス制御部205は、温度制御部205A、圧力制御部205B、及びガス流量制御部205Cを備えている。温度制御部205A、圧力制御部205B、及びガス流量制御部205Cはそれぞれサブコントローラを構成し、プロセス制御部205と電気的に接続されているため、各データの送受信や各ファイルのダウンロード及びアップロード等が可能となっている。なお、プロセス制御部205と各サブコントローラ(温度制御部205A、圧力制御部205B、及びガス流量制御部205C)は、別体で図示されているが、一体構成でも構わない。
【0051】
温度制御部205Aには、主にヒータ及び温度センサにより構成される加熱機構が接続されている。温度制御部205Aは、処理炉28のヒータの温度を制御することで処理炉28内の温度を調節するように構成されている。なお、温度制御部205Aは、サイリスタのスイッチング(オンオフ)制御を行い、ヒータ素線に供給する電力を制御するように構成されている。
【0052】
圧力制御部205Bには、主に圧力センサ(図示せず)、圧力バルブとしてのAPC(自動圧力制御)バルブ(図示せず)により構成されるガス排気機構(図示せず)が接続されている。なお、真空ポンプ(図示せず)をガス排気機構に含めても良い。圧力制御部205Bは、圧力センサにより検知された圧力値に基づいて、処理室29内の圧力が所望のタイミングにて所望の圧力となるように、APCバルブの開度及び真空ポンプのスイッチング(オンオフ)を制御するように構成されている。
【0053】
ガス流量制御部205Cは、MFC(Mass Flow Controller)(図示せず)により構成される。
【0054】
搬送制御部206は、駆動部制御部206A、回転部制御部206B、及び昇降制御部206Cを備えている。駆動部制御部206Aは、基板処理装置1の駆動部系の制御を行うように構成されている。回転部制御部206Bは、基板処理装置1の回転部系の制御を行うように構成されている。昇降制御部206Cは、基板処理装置1の昇降系の制御を行うように構成されている。搬送制御部206は、例えば、回転式ポッド棚11、ボートエレベータ32、ポッド搬送機構15、ウェーハ移載機構24、ボート26、及び回転機構(図示せず)の搬送動作をそれぞれ制御するように構成されている。
【0055】
なお、本実施形態に係る制御部100、プロセス制御部205、及び搬送制御部206は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、汎用コンピュータに、上述の処理を実行するためのプログラムを格納した記録媒体(CD-ROM、USB等)から当該プログラムをインストールすることにより、所定の処理を実行する各コントローラを構成することができる。
【0056】
そして、これらのプログラムを供給するための手段は任意である。上述のように所定の記録媒体を介して供給できる他、例えば、通信回線、通信ネットワーク、通信システムなどを介して供給してもよい。
【0057】
制御部100は、CPU101、RAM102、記憶部103、及びI/Oポート104を備えたコンピュータとして構成されている。記憶部103には、処理条件及び処理手順が定義されたレシピ等の各レシピファイル、これら各レシピファイルを実行させるための制御プログラムファイル、処理条件及び処理手順を設定するためのパラメータファイル(設定値ファイル)、また、エラー処理プログラムファイル及びエラー処理のパラメータファイルの他、プロセスパラメータを入力する入力画面を含む各種画面ファイル、各種アイコンファイル等(いずれも図示せず)が格納されている。なお、制御部100は、外部通信部202を用いて、一例として、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークに接続され、外部機器との間でネットワークを介して通信が可能とされる。
【0058】
また、記憶部103としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部103には、本実施形態に係る設定値編集処理を実行するための設定値編集プログラムが記憶される。
【0059】
設定値編集プログラムは、例えば、基板処理装置1に予めインストールされていてもよい。設定値編集プログラムは、不揮発性の記録媒体に記録して、又はネットワークを介して配布して、基板処理装置1に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記録媒体の例としては、CD-ROM、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM、フラッシュメモリ、メモリカード、USB等が想定される。
【0060】
つまり、設定値編集プログラムは、複数の設定値を有する基板の処理条件を記載したファイルの表示を行う手順と、設定値の編集を行う場合に、設定した設定値の取り消し又はやり直しの少なくとも一つの操作を行う手順と、ファイルと、取り消し又はやり直しの操作履歴情報とを記憶する手順と、取り消し又はやり直しの操作時に再設定された設定値の有効範囲の判定を行う手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0061】
本実施形態に係る基板処理装置1のCPU101は、記憶部103に記憶されている設定値編集プログラムをRAM102に書き込んで実行することにより、制御部100、管理部105、範囲設定部106、判定部107として機能する。
【0062】
本実施形態に係る基板処理装置1は、表示部204、操作部203、記憶部103、判定部107、外部記憶部201、外部通信部202、及び制御部100を備えている。
【0063】
表示部204は、複数の設定値を有する基板の処理条件を記載したファイルの表示が可能である。
【0064】
操作部203は、表示部204に表示されたファイルの編集操作と、編集操作において設定した設定値の取り消し又はやり直しの少なくとも一つの操作とを行うことが可能である。ファイル編集では項目の設定値の編集が可能とされる。ここで、表示部204は、一例として、
図4Aに示すように、ファイルを含むレシピ編集画面を表示する、
【0065】
図4Aは、本実施形態に係るレシピ編集画面40の一例を示す正面図である。
【0066】
図4Aに示すレシピ編集画面40には、複数の設定値の一例として、温度(Temperature)、ガス流量(MFC)、及び圧力(Pressure)の各設定値を有する基板の処理条件を記載したファイル41が表示されている。また、レシピ編集画面40には、ファイルを閉じるCloseボタン42と、ファイルを保存するSaveボタン43と、編集操作で設定した設定値を取り消して元の設定値に戻す取り消し(Undo)ボタン44と、編集操作で設定した設定値をやり直して当該設定値を再設定するやり直し(Redo)ボタン45と、各種情報を表示する領域であるInformationArea46と、が含まれる。
【0067】
記憶部103は、複数の設定値を有する基板の処理条件を記載したファイルと、取り消し又はやり直しの操作履歴情報とを記憶する。
【0068】
判定部107は、取り消し又はやり直しの操作時に再設定された設定値の有効範囲の判定を行う。
【0069】
制御部100は、記憶部103及び判定部107を有し、設定値の編集操作の制御を行うことが可能である。具体的には、制御部100は、操作部203からの取り消し又はやり直し操作の指示があった場合に、設定値の取り消し動作、又は、やり直し動作の制御を行う。制御部100は、設定値の確定操作、あるいは、取り消し又はやり直し操作があった場合に、判定部107に対して、全編集項目の有効性チェック(範囲チェック)を行うように指示する。
【0070】
上記構成によれば、設定値の変更時に入力範囲の再計算、及び全項目の範囲チェックを行うことで、編集項目の整合性が常に保たれ、基板処理実行時のファイル不整合によるファイル再編集の無駄な時間を削減することが可能となり、結果として生産効率の向上に貢献することができる。
【0071】
また、項目設定時に全項目の有効範囲の確認を行うことで修正対象の項目が明確となり、ファイル編集の効率化に貢献し、作業効率の向上に貢献することができる。
【0072】
具体的には、制御部100は、設定値の管理を行う管理部105を有する。管理部105は、操作部203からの指示に従い、指示された設定値の情報を検索し、検索結果を操作部203に返す。例えば、レシピ編集画面40を表示する場合、管理部105が記憶部103に記憶された、設定値を含むファイル情報を読み出し、読み出したファイル情報をRAM102に展開する。また、管理部105は、操作部203から項目の表示要求があった場合に、該当する項目の設定値をRAM102から検索し、検索した設定値を取得し、取得した設定値を操作部203に返す。操作部203は、管理部105より取得した設定値を表示部204に渡す。表示部204は、操作部203から渡された設定値を表示する。これにより、指示された設定値を容易に取得することができる。
【0073】
また、制御部100は、設定値の有効範囲である上限値及び下限値を設定する範囲設定部106を有する。範囲設定部106は、管理部105からの有効範囲の設定指示に従い、全ての設定値の有効範囲を設定する。具体的には、範囲設定部106は、全ての項目に対し、有効範囲の設定を行う。この有効範囲は、各設定項目の条件によってその範囲が異なるため、都度有効範囲の設定を行う。なお、この有効範囲は予め有効範囲情報として記憶部103に記憶しておき、適宜その有効範囲情報を読み出し、条件に合った有効範囲を設定するようにしても良く、また、プログラムによって条件に合わせた有効範囲を算出する方式でも良い。これにより、全設定値の有効範囲を設定することができる。
【0074】
また、範囲設定部106は、予め定められた各項目の範囲設定条件と、関連する他の項目の設定情報とを確認して、上限値及び下限値の算出を行う。例えば、圧力設定値の単位が[Pa]の場合は、設定値の範囲を、0000.00Pa~9999.99Paとし、例えば、圧力設定値の単位が[Torr]の場合は、設定値の範囲を、00.000Torr~99.999Torrとし、関連する条件に合わせて、有効範囲が変更される。ここで、0000.00Pa~9999.99Paとは値の範囲を示し、0000.00Pa以上で9999.99Pa以下であることを示す。但し、[Pa]以外の範囲を定義する場合も同様である。例えば、ガス流量の単位が[slm]の場合は、0000.000slm~9999.000slmとし、例えば、ガス流量の単位が[sccm]の場合は、00.0sccm~99.0sccmとし、関連する条件に合わせて、有効範囲が変更される。なお、供給流量に0slm、0sccmが含まれる場合、0slm、0sccmとは、その物質(ガス)を供給しないケースを意味する。このことは、以下の説明においても同様である。これにより、有効範囲の上限値と下限値を適切に算出することができる。
【0075】
また、判定部107は、設定値が変更となった場合に、ファイルに定義される全ての設定値が有効な範囲内であるか否かの判定を行う。判定部107は、管理部105から指定された設定情報の設定値と範囲設定部106で設定された有効範囲とを比較し、設定値が有効範囲内であるか判定を行う。判定部107は、判定した結果を管理部105に返す。これにより、ファイルに定義される全設定値が有効範囲内であるか否かを判定することができる。
【0076】
また、制御部100は、判定部107の判定結果が範囲外となった場合に、設定値が範囲外であることを報知するよう操作部203に対して通知を行うようにしてもよい。これにより、範囲外の設定値を操作部に通知することができる。
【0077】
操作部203は、制御部100からの通知に従い、範囲外の設定値があることを表示するよう表示部204に指示を行う。この場合、表示部204は、操作部203からの指示に従い、設定値が範囲外である通知を表示してもよいし、対象となる設定値の表示を切り替えてもよいし、あるいは、設定値が範囲外である通知を表示し、対象となる設定値の表示を切り替えてもよい。例えば、
図4Bに示すように、範囲外と判断された項目が分かるようにレシピ編集画面40の上部に位置するInformationArea46にメッセージを表示する。メッセージとしては、例えば、範囲外となった設定値情報と範囲外である旨のメッセージを表示する。InformationArea46にメッセージを表示することにより、レシピ編集画面40での範囲外となった設定値の通知が可能となる。
【0078】
また、
図4Cに示すように、範囲外と判断された項目が分かるように当該項目付近にメッセージ47を表示してもよい。メッセージ47は、例えば、ツールチップでもよいし、メッセージボックスでもよい。また、範囲外と判断された項目が分かるように背景を切り替えても良い。また、設定値の表示色(文字色)を切り替えても良い。
図4Cでは、例えば、背景を白から黒に切り替えている。ここでは、背景を黒にしているが他の項目と異なる色であれば何色でもよい。また、範囲外と判断された項目が分かるように表示文字を切り替えても良い。これにより、範囲外の設定値を表示してユーザに知らせることができる。
【0079】
ここで、上述の
図4Aに示すように、表示部204は、取り消し又はやり直しの操作が可能なボタンであるUndoボタン44、Redoボタン45を有する。これらのボタンによって取り消し又はやり直しの操作を容易に行うことができる。表示部204は、表示部204の表示言語に合わせて、Undoボタン44、Redoボタン45の表示文字を切り替えるようにしてもよい。例えば、装置の納入先で指定された言語に合わせて、例えば、日本語、英語等の表示文字を切り替えることで、ファイル操作支援に貢献することができる。日本語の場合、「Undo」を「取り消し」に切り替え、「Redo」を「やり直し」に切り替える。
【0080】
また、表示部204は、取り消し又はやり直しの操作に合わせて、Undoボタン44及びRedoボタン45の少なくとも一方の表示を切り替えるようにしてもよい。例えば、後述の
図6B、
図7B、
図8B、
図9B、
図10Bに示すように、Undoボタン44及びRedoボタン45のうち実行不可のボタンをグレーアウトする、あるいは、非表示とする。この場合、Undoボタン44及びRedoボタン45の実行可否をレシピ編集画面40で確認することが可能となるため、ファイル操作支援に貢献することができる。
【0081】
次に、
図5、及び
図6A~
図10Bを用いて、本実施形態に係るUndo及びRedoの操作履歴情報の遷移例について具体的に説明する。
【0082】
図5は、本実施形態に係る取り消し又はやり直しの操作履歴を有する操作履歴情報を格納する、Undo操作用のUndoデータ格納テーブル及びRedo操作用のRedoデータ格納テーブルの一例を示す図である。
【0083】
操作履歴情報には、取り消しの操作履歴情報としてUndo履歴情報51と、やり直しの操作履歴情報としてRedo履歴情報52とが含まれる。Undo履歴情報51は、例えば、設定項目、変更前設定値、及び変更後設定値を含む。Redo履歴情報52は、例えば、設定項目、変更前設定値、及び変更後設定値を含む。
【0084】
図5に示すように、Undo操作用のUndoデータ格納テーブル及びRedo操作用のRedoデータ格納テーブルは、同様のテーブル構成を有している。Undoデータ格納テーブルは第1の操作履歴情報の一例であり、Redoデータ格納テーブルは第2の操作履歴情報の一例である。
【0085】
つまり、操作履歴情報は、設定値の設定値関連情報を格納するUndoデータ格納テーブルと、取り消しの操作実行時に取り消し履歴として設定値関連情報を格納するRedoデータ格納テーブルとを含む。なお、設定値関連情報は、設定項目、変更前設定値、及び変更後設定値のうち少なくともいずれかを含んでいる。これらのデータ格納テーブルを用いることで、Undo/Redo操作の管理が容易となり、不要な検索の削減に貢献し、操作時間の短縮が可能となる。
【0086】
例えば、制御部100は、取り消しの操作実行時に、Undoデータ格納テーブルに格納された設定値関連情報をRedoデータ格納テーブルに格納し、Undoデータ格納テーブルに格納された設定値関連情報を削除する。
【0087】
また、制御部100は、やり直しの操作実行時に、Redoデータ格納テーブルに格納された設定値関連情報をUndoデータ格納テーブルに格納し、Redoデータ格納テーブルに格納された設定値関連情報を削除する。
【0088】
また、制御部100は、新たな設定値関連情報を取得した場合に、Redoデータ格納テーブルに格納された設定値関連情報をUndoデータ格納テーブルに格納し、新たな設定値関連情報をUndoデータ格納テーブルに格納する。この場合、制御部100は、Redoデータ格納テーブルのデータを全てクリア、つまり、削除してもよい。
【0089】
また、制御部100は、ファイルの編集を終了した場合、操作履歴情報、つまり、Undoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルのデータをクリア(削除)してもよい。
【0090】
図6Aは、設定値の設定を3回行った場合のUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移例を示す図である。また、
図6Bは、
図6Aに示すUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移に応じた画面設定値情報の変化及びUndo/Redoボタンの表示状態の変化の様子の一例を示す図である。なお、格納されるデータは、LIFO(Last In First Out)方式でデータの入出力を行うものとする。
【0091】
図6Bの(S1)では、一例として、上述の
図4Aに示すレシピ編集画面40の新規表示を行う。この場合、
図6Bの(S1)に示す画面設定値情報として、設定情報1、設定情報2、及び設定情報3が表示される。設定情報1では変更前設定値として「001」が表示され、設定情報2では変更前設定値として「002」が表示され、設定情報3では変更前設定値として「003」が表示される。また、ボタンの表示状態について、Undoボタン及びRedoボタンは共に実行不可を意味する表示(例えばグレーアウト)となり、実行不可とされる。このとき、
図6Aの(S1)では、Undoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの各々には何も格納されていない状態である。
【0092】
次に、
図6Bの(S2)で、設定情報1の変更後設定値として「002」を入力する。画面設定値情報として、設定情報1では変更後設定値として「002」の表示に切り替わり、設定情報2では変更前設定値として「002」を継続表示し、設定情報3では変更前設定値として「003」を継続表示する。なお、変更された設定値は例えば変更前設定値と異なる背景色に切り替えても良い。また、変更された設定値は例えば表示文字の色を切り替えても良い。例えば、
図6Bでは設定値の背景をグレーで表している。また、ボタンの表示状態について、Undoボタンは実行不可表示が解除されて実行可能とされる。Redoボタンは実行不可表示のままで実行不可とされる。この場合、
図6Aの(S2)では、設定情報1の設定値関連情報をUndoデータ格納テーブルに格納する。このとき、Undoデータ格納テーブルに格納される設定情報1の設定値関連情報には、変更前設定値として「001」、変更後設定値として「002」を含んでいる。
【0093】
次に、
図6Bの(S3)で、設定情報2の変更後設定値として「003」を入力する。画面設定値情報として、設定情報1では変更後設定値として「002」を継続表示し、設定情報2では変更後設定値として「003」の表示に切り替わり、設定情報3では変更前設定値として「003」を継続表示する。なお、変更された設定値は例えば変更前設定値と異なる背景色に切り替えても良い。また、変更された設定値は例えば表示文字の色を切り替えても良い。
図6Bでは例えば設定値の背景をグレーで表している。また、ボタンの表示状態として、Undoボタンは実行可能表示のままで実行可能を継続する。Redoボタンは実行不可表示のままで実行不可を継続する。この場合、
図6Aの(S3)では、設定情報2をUndoデータ格納テーブルに格納する。このとき、Undoデータ格納テーブルに格納される設定情報2は、変更前設定値として「002」、変更後設定値として「003」を含んでいる。
【0094】
次に、
図6Bの(S4)で、設定情報1の変更後設定値として「003」を入力する。画面設定値情報として、設定情報1では変更後設定値として「003」の表示に切り替わり、設定情報2では変更後設定値として「003」を継続表示し、設定情報3では変更前設定値として「003」を継続表示する。ボタンの表示状態として、Undoボタンは操作可表示のままで設定可能を継続する。Redoボタンは操作不可表示のままで実行不可を継続する。この場合、
図6Aの(S4)では、新たな設定情報1をUndoデータ格納テーブルに格納する。このとき、Undoデータ格納テーブルに格納される新たな設定情報1は、変更前設定値として「002」、変更後設定値として「003」を含んでいる。
【0095】
図7Aは、設定値の設定を2回行った後にUndoを1回行った場合のUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移例を示す図である。また、
図7Bは、
図7Aに示すUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移に応じた画面設定値情報の変化及びUndo/Redoボタンの表示状態の変化の様子の一例を示す図である。
【0096】
図7Bの(S11)では、一例として、上述の
図4Aに示すレシピ編集画面40の新規表示を行う。この場合、
図7Bの(S11)に示す画面設定値情報として、設定情報1、設定情報2、及び設定情報3が表示される。設定情報1では変更前設定値として「001」が表示され、設定情報2では変更前設定値として「002」が表示され、設定情報3では変更前設定値として「003」が表示される。また、ボタンの表示状態について、Undoボタン及びRedoボタンは共に実行不可を意味する表示(例えばグレーアウト)となり、実行不可とされる。このとき、
図7Aの(S11)では、Undoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの各々には何も格納されていない状態である。
【0097】
次に、
図7Bの(S12)で、設定情報1の変更後設定値として「002」を入力する。画面設定値情報として、設定情報1では変更後設定値として「002」の表示に切り替わり、設定情報2では変更前設定値として「002」を継続表示し、設定情報3では変更前設定値として「003」を継続表示する。なお、変更された設定値は例えば変更前設定値と異なる背景色に切り替えても良い。また、変更された設定値は例えば表示文字の色を切り替えても良い。例えば
図7Bでは設定値の背景をグレーで表している。また、ボタンの表示状態について、Undoボタンは実行不可表示が解除されて実行可能とされる。Redoボタンは実行不可表示のままで実行不可とされる。この場合、
図7Aの(S12)では、設定情報1の設定値関連情報をUndoデータ格納テーブルに格納する。このとき、Undoデータ格納テーブルに格納される設定情報1の設定値関連情報には、変更前設定値として「001」、変更後設定値として「002」を含んでいる。
【0098】
次に、
図7Bの(S13)で、設定情報2の変更後設定値として「003」を入力する。画面設定値情報として、設定情報1では変更後設定値として「002」を継続表示し、設定情報2では変更後設定値として「003」の表示に切り替わり、設定情報3では変更前設定値として「003」を継続表示する。なお、変更された設定値は例えば変更前設定値と異なる背景色に切り替えても良い。また、変更された設定値は例えば表示文字の色を切り替えても良い。
図7Bでは例えば設定値の背景をグレーで表している。また、ボタンの表示状態として、Undoボタンは実行可能表示のままで実行可能を継続する。Redoボタンは実行不可表示のままで実行不可を継続する。この場合、
図7Aの(S13)では、設定情報2をUndoデータ格納テーブルに格納する。このとき、Undoデータ格納テーブルに格納される設定情報2は、変更前設定値として「002」、変更後設定値として「003」を含んでいる。
【0099】
次に、
図7Bの(S14)で、Undoボタンを押下する。画面設定値情報として設定情報1では変更後設定値として「002」が継続表示され、設定情報2では変更前設定値として「002」が表示され、設定情報3では変更前設定値として「003」が継続表示される。また、ボタンの表示状態について、Undoボタンは実行可能を継続し、Redoボタンは実行不可表示(グレーアウト表示)が解除されて実行可能とされる。この場合、
図7Aの(S14)では、設定情報2のUndo操作(つまり、変更後設定値「003」を取り消す操作)を行う。このとき、Undoデータ格納テーブルに格納されていた設定情報2は、Redoデータ格納テーブルに格納され、Undoデータ格納テーブルから削除される。
【0100】
図8Aは、設定値の設定を2回行った後にUndoを2回行った場合のUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移例を示す図である。また、
図8Bは、
図8Aに示すUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移に応じた画面設定値情報の変化及びUndo/Redoボタンの表示状態の変化の様子の一例を示す図である。
【0101】
図8Bの(S21)では、一例として、上述の
図4Aに示すレシピ編集画面40の新規表示を行う。
図8Bの(S21)に示す画面設定値情報として、設定情報1、設定情報2、及び設定情報3が表示される。設定情報1では変更前設定値として「001」が表示され、設定情報2では変更前設定値として「002」が表示され、設定情報3では変更前設定値として「003」が表示される。また、ボタンの表示状態について、Undoボタン及びRedoボタンは共に実行不可を意味する表示(例えばグレーアウト)となり、実行不可とされる。このとき、
図8Aの(S21)ではUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの各々には何も格納されていない状態である。
【0102】
次に、
図8Bの(S22)で、設定情報1の変更後設定値として「002」を入力する。画面設定値情報として、設定情報1では変更後設定値として「002」の表示に切り替わり、設定情報2では変更前設定値として「002」を継続表示し、設定情報3では変更前設定値として「003」を継続表示する。なお、変更された設定値は例えば変更前設定値と異なる背景色に切り替えても良い。また、変更された設定値は例えば表示文字の色を切り替えても良い。例えば
図8Bでは設定値の背景をグレーで表している。また、ボタンの表示状態について、Undoボタンは実行不可表示が解除されて実行可能とされる。Redoボタンは実行不可表示のままで実行不可とされる。この場合、
図8Aの(S22)では、設定情報1の設定値関連情報をUndoデータ格納テーブルに格納する。このとき、Undoデータ格納テーブルに格納される設定情報1の設定値関連情報には、変更前設定値として「001」、変更後設定値として「002」を含んでいる。
【0103】
次に、
図8Bの(S23)で、設定情報2の変更後設定値として「003」を入力する。画面設定値情報として、設定情報1では変更後設定値として「002」を継続表示し、設定情報2では変更後設定値として「003」の表示に切り替わり、設定情報3では変更前設定値として「003」を継続表示する。なお、変更された設定値は例えば変更前設定値と異なる背景色に切り替えても良い。また、変更された設定値は例えば表示文字の色を切り替えても良い。例えば
図8Bでは設定値の背景をグレーで表している。また、ボタンの表示状態として、Undoボタンは実行可表示のままで実行可能を継続する。Redoボタンは実行不可表示のままで実行不可を継続する。この場合、
図8Aの(S23)では、設定情報2をUndoデータ格納テーブルに格納する。このとき、Undoデータ格納テーブルに格納される設定情報2は、変更前設定値として「002」、変更後設定値として「003」を含んでいる。
【0104】
次に、
図8Bの(S24)で、Undoボタンを押下する。画面設定値情報として設定情報1では変更後設定値として「002」が継続表示され、設定情報2では変更前設定値として「002」が表示され、設定情報3では変更前設定値として「003」が継続表示される。また、ボタンの表示状態について、Undoボタンは実行可能を継続し、Redoボタンは実行不可表示(グレーアウト表示)が解除されて実行可能とされる。この場合、
図8Aの(S24)では、設定情報2のUndo操作(つまり、変更後設定値「003」を取り消す操作)を行う。このとき、Undoデータ格納テーブルに格納されていた設定情報2は、Redoデータ格納テーブルに格納され、Undoデータ格納テーブルから削除される。
【0105】
次に、
図8Bの(S25)で、Undoボタンを押下する。画面設定値情報として設定情報1では変更前設定値として「001」が表示され、設定情報2では変更前設定値として「002」が継続表示され、設定情報3では変更前設定値として「003」が継続表示される。また、ボタンの表示状態について、Undoボタンは実行不可表示(例えばグレーアウト)に切り替わり実行不可となり、Redoボタンは実行可能表示を継続し実行可能を継続する。この場合、
図8Aの(S25)では、設定情報1のUndo操作(つまり、変更後設定値「002」を取り消す操作)を行う。このとき、Undoデータ格納テーブルに格納されていた設定情報1は、Redoデータ格納テーブルに格納され、Undoデータ格納テーブルから削除される。
【0106】
図9Aは、
図8Aの遷移に続き更にRedoを2回行った場合のUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移例を示す図である。また、
図9Bは、
図9Aに示すUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移に応じた画面設定値情報の変化及びUndo/Redoボタンの表示状態の変化の様子の一例を示す図である。
【0107】
図9Bの(S31)で、Redoボタンを押下する。画面設定値情報について、設定情報1では変更後設定値として「002」が表示され、設定情報2では変更前設定値として「002」が継続表示され、設定情報3では変更前設定値として「003」が継続表示される。また、ボタンの表示状態について、Undoボタンは実行不可表示(例えばグレーアウト表示)が解除されて実行可能とされる。Redoボタンは実行可能を継続する。この場合、
図9Aの(S31)では、設定情報1のRedo操作(つまり、変更後設定値「002」をやり直す操作)を行う。このとき、Redoデータ格納テーブルに格納されていた設定情報1は、Undoデータ格納テーブルに格納され、Redoデータ格納テーブルから削除される。
【0108】
次に、
図9Bの(S32)で、Redoボタンを押下する。画面設定値情報について、設定情報1では変更後設定値として「002」が継続表示され、設定情報2では変更後設定値として「003」が表示され、設定情報3では変更前設定値として「003」が継続表示される。また、ボタンの表示状態について、Undoボタンは実行可能表示を継続し、実行可能とされる。Redoボタンは実行不可表示(例えばグレーアウト)となり、実行不可とされる。この場合、
図9Aの(S32)では、設定情報2のRedo操作(つまり、変更後設定値「003」をやり直す操作)を行う。このとき、Redoデータ格納テーブルに格納されていた設定情報2は、Undoデータ格納テーブルに格納され、Redoデータ格納テーブルから削除される。
【0109】
図10Aは、設定値の設定を2回行った後にUndoを1回行い更に設定を1回行った場合のUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移例を示す図である。また、
図10Bは、
図10Aに示すUndoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの遷移に応じた画面設定値情報の変化及びUndo/Redoボタンの表示状態の変化の様子の一例を示す図である。
【0110】
図10Bの(S41)では、一例として、上述の
図4Aに示すレシピ編集画面40の新規表示を行う。
図10Bの(S41)に示す画面設定値情報として、設定情報1、設定情報2、及び設定情報3が表示される。設定情報1では変更前設定値として「001」が表示され、設定情報2では変更前設定値として「002」が表示され、設定情報3では変更前設定値として「003」が表示される。また、ボタンの表示状態について、Undoボタン及びRedoボタンは共に実行不可を意味する表示(例えばグレーアウト)となり、実行不可とされる。このとき、Undoデータ格納テーブル及びRedoデータ格納テーブルの各々には何も格納されていない状態である。
【0111】
次に、
図10Bの(S42)で、設定情報1の変更後設定値として「002」を入力する。画面設定値情報として、設定情報1では変更後設定値として「002」の表示に切り替わり、設定情報2では変更前設定値として「002」を継続表示し、設定情報3では変更前設定値として「003」を継続表示する。なお、変更された設定値は例えば変更前設定値と異なる背景色に切り替えても良い。また、変更された設定値は例えば表示文字の色を切り替えても良い。例えば
図10Bでは設定値の背景をグレーで表している。また、ボタンの表示状態について、Undoボタンは実行不可表示が解除されて実行可能とされる。Redoボタンは実行不可表示のままで実行不可とされる。この場合、
図10Aの(S42)では、設定情報1の設定値関連情報をUndoデータ格納テーブルに格納する。このとき、Undoデータ格納テーブルに格納される設定情報1の設定値関連情報には、変更前設定値として「001」、変更後設定値として「002」を含んでいる。
【0112】
次に、
図10Bの(S43)で、設定情報2の変更後設定値として「003」を入力する。画面設定値情報として、設定情報1では変更後設定値として「002」を継続表示し、設定情報2では変更後設定値として「003」の表示に切り替わり、設定情報3では変更前設定値として「003」を継続表示する。なお、変更された設定値は例えば変更前設定値と異なる背景色に切り替えても良い。また、変更された設定値は例えば表示文字の色を切り替えても良い。
図10Bでは例えば設定値の背景をグレーで表している。また、ボタンの表示状態として、Undoボタンは実行可能表示のままで実行可能を継続する。Redoボタンは実行不可表示のままで実行不可を継続する。この場合、
図10Aの(S43)では、設定情報2をUndoデータ格納テーブルに格納する。このとき、Undoデータ格納テーブルに格納される設定情報2は、変更前設定値として「002」、変更後設定値として「003」を含んでいる。
【0113】
次に、
図10Bの(S44)で、Undoボタンを押下する。画面設定値情報として設定情報1では変更後設定値として「002」が継続表示され、設定情報2では変更前設定値として「002」が表示され、設定情報3では変更前設定値として「003」が継続表示される。また、ボタンの表示状態について、Undoボタンは実行可能を継続し、Redoボタンは実行不可表示(グレーアウト表示)が解除されて操作可能とされる。この場合、
図10Aの(S44)では、設定情報2のUndo操作(つまり、変更後設定値「003」を取り消す操作)を行う。このとき、Undoデータ格納テーブルに格納されていた設定情報2は、Redoデータ格納テーブルに格納され、Undoデータ格納テーブルから削除される。
【0114】
次に、
図10Bの(S45)で、設定情報2の変更後設定値として「004」を入力する。画面設定値情報として設定情報1では変更後設定値として「002」が継続表示され、設定情報2では変更前設定値として「004」が表示され、設定情報3では変更前設定値として「003」が継続表示される。また、ボタンの表示状態について、Undoボタンは実行可能を継続し、Redoボタンは実行不可表示(例えばグレーアウト表示)となり実行不可とされる。この場合、
図10Aの(S45)では、Redoデータ格納テーブルに格納されている全ての設定値関連情報をUndoデータ格納テーブルに格納し、Redoデータ格納テーブルをクリアする。その後、新たな設定情報2をUndoデータ格納テーブルに格納する。このとき、Undoデータ格納テーブルに格納される新たな設定情報2は、変更前設定値として「003」、変更後設定値として「004」を含んでいる。
【0115】
次に、
図11~
図14を参照して、本実施形態に係る基板処理装置1の作用を説明する。
【0116】
図11は、本実施形態に係る編集開始処理の一例を示すシーケンス図である。
【0117】
図11のステップS101では、操作部203が、管理部105に対して、設定値の編集の開始要求を送る。
【0118】
ステップS102では、管理部105が、操作部203からの編集開始要求に応じて、記憶部103からレシピファイルを取得する。
【0119】
ステップS103では、管理部105が、範囲設定部106に対して、設定値の有効範囲の算出要求を送る。
【0120】
ステップS104では、範囲設定部106が、管理部105からの算出要求に応じて、全設定値の有効範囲を設定する。
【0121】
ステップS105では、範囲設定部106が、管理部105に対して、全設定値の有効範囲を算出したことを応答として返す。
【0122】
ステップS106では、管理部105が、操作部203に対して、編集の開始を応答として返す。
【0123】
ステップS107では、操作部203が、管理部105に対して、設定値の取得要求を送る。
【0124】
ステップS108では、管理部105が、範囲設定部106に対して、設定値の有効範囲の取得要求を送る。
【0125】
ステップS109では、範囲設定部106が、管理部105からの取得要求に応じて、指定された設定値の有効範囲を取得し、取得した有効範囲を管理部105に送る。
【0126】
ステップS110では、管理部105が、操作部203に対して、指定された設定値の有効範囲を指定する。
【0127】
ステップS111では、管理部105が、操作部203に対して、設定値の取得を応答として返し、一連の処理を終了する。
【0128】
図12は、本実施形態に係る設定値変更処理の一例を示すシーケンス図である。
【0129】
図12のステップS121では、操作部203が、管理部105に対して、設定値の更新を指示する。
【0130】
ステップS122では、管理部105が、操作部203からの更新指示に応じて、範囲設定部106に対して、有効範囲の算出要求を送る。
【0131】
ステップS123では、範囲設定部106が、管理部105からの算出要求に応じて、全設定値の有効範囲を設定する。
【0132】
ステップS124では、範囲設定部106が、管理部105に対して、全設定値の有効範囲を算出したことを応答として返す。
【0133】
ステップS125では、管理部105が、判定部107に対して、全設定値の有効範囲の確認を指示する。
【0134】
ステップS126では、判定部107が、管理部105からの指示に応じて、全設定値の有効範囲の確認を行い、確認結果を管理部105に送る。
【0135】
ステップS127では、管理部105が、判定部107からの確認結果に基づいて設定値が有効範囲内であるか否かを判定する。設定値が有効範囲内であると判定した場合(成功の場合)、ステップS128に移行し、設定値が有効範囲外であると判定した場合(範囲外の場合)、ステップS129に移行する。
【0136】
ステップS128では、管理部105が、Undoデータ格納テーブルに設定値を格納する。
【0137】
ステップS129では、管理部105が、操作部203に対して、設定値の確認結果を応答として返す。
【0138】
ステップS130では、操作部203が、管理部105からの確認結果に基づいて設定値が有効範囲内であるか否かを判定する。設定値が有効範囲内であると判定した場合(成功の場合)、そのまま終了し、設定値が有効範囲外であると判定した場合(範囲外の場合)、ステップS131に移行する。
【0139】
ステップS131では、操作部203が、設定値が範囲外であることを表示部204に通知し、ステップS121に戻り処理を繰り返す。
【0140】
ここで、設定値を入力する場合、Redoデータ格納テーブルから設定値関連情報の有無を確認する。Redoデータ格納テーブルに設定値関連情報がある場合は全ての設定値関連情報をUndoデータ格納テーブルに格納する。そして、入力された設定値に関連する設定値関連情報をUndoデータ格納テーブルに格納し、Redoデータ格納テーブルをクリアする。
【0141】
図13は、本実施形態に係るUndo操作処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0142】
図13のステップS141では、CPU101が、Undoデータ格納テーブルに格納されている最新の設定値関連情報を取得する。
【0143】
ステップS142では、CPU101が、ステップS141で取得した設定値関連情報をRedoデータ格納テーブルの最新位置に格納する。
【0144】
ステップS143では、CPU101が、Undoデータ格納テーブルに格納されている最新の設定値関連情報をクリアし、一連の処理を終了する。
【0145】
つまり、Undo操作の場合、Undoデータ格納テーブルに格納されている設定値関連情報を取得し、取得した設定値関連情報をRedoデータ格納テーブルに格納する。そして、Undoデータ格納テーブルに格納されていた設定値関連情報をクリアする。このとき、全設定値の有効範囲の再算出を行い、全設定値の有効範囲の判定を行い、有効範囲の判定結果を反映する。
【0146】
図14は、本実施形態に係るRedo操作処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0147】
図14のステップS151では、CPU101が、Redoデータ格納テーブルに格納されている最新の設定値関連情報を取得する。
【0148】
ステップS152では、CPU101が、ステップS151で取得した設定値関連情報をUndoデータ格納テーブルの最新位置に格納する。
【0149】
ステップS153では、CPU101が、Redoデータ格納テーブルに格納されている最新の設定値関連情報をクリアし、一連の処理を終了する。
【0150】
つまり、Redo操作の場合、Redoデータ格納テーブルに格納されている設定値関連情報を取得し、取得した設定値関連情報をUndoデータ格納テーブルに格納する。そして、Redoデータ格納テーブルに格納されていた設定値関連情報をクリアする。このとき、全設定値の有効範囲の再算出を行い、全設定値の有効範囲の判定を行い、有効範囲の判定結果を反映する。
【0151】
このように本実施形態よれば、設定値の変更時に入力範囲の再計算、及び全項目の範囲チェックを行うことで、編集項目の整合性が常に保たれ、基板処理実行時のファイル不整合によるファイル再編集の無駄な時間を削減することが可能となり、結果として生産効率の向上に貢献することができる。
【0152】
また、項目設定時に全項目の有効範囲の確認を行うことで修正対象の項目が明確となり、ファイル編集の効率化に貢献し、作業効率の向上に貢献することができる。
【0153】
以上、実施形態に係る基板処理装置を例示して説明した。実施形態は、基板処理装置の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、これらのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非一時的記録媒体の形態としてもよい。
【0154】
その他、上記実施形態で説明した基板処理装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0155】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0156】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【0157】
上記実施形態では、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本開示は上述の態様に限定されず、例えば、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用することができる。また、上述の態様では、ホットウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本開示は上述の態様に限定されず、コールドウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用することができる。
【0158】
これらの基板処理装置を用いる場合においても、上記実施形態と同様な処理手順、処理条件にて各処理を行うことができ、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0159】
1 基板処理装置
29 処理室(処理容器)
100 制御部
103 記憶部
107 判定部
203 操作部
204 表示部