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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004596
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】キャップ及び液状調味料容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/20 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
B65D47/20 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104266
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001421
【氏名又は名称】キユーピー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100213388
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 康司
(72)【発明者】
【氏名】菅原 智美
(72)【発明者】
【氏名】長野 学
(72)【発明者】
【氏名】東田 海斗
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA03
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA24
3E084AA25
3E084AA26
3E084AB00
3E084AB06
3E084BA03
3E084BA06
3E084CA01
3E084CB04
3E084CC03
3E084CC04
3E084CC05
3E084DA01
3E084DB08
3E084DB12
3E084DB13
3E084DC03
3E084DC04
3E084DC05
3E084EA01
3E084EB02
3E084EC03
3E084FA06
3E084FB01
3E084FC04
3E084FC07
3E084FC09
3E084GA01
3E084GB16
3E084HA01
3E084HB04
3E084HB09
3E084HC02
3E084HC03
3E084JA08
3E084LA21
3E084LB02
3E084LD12
3E084LD13
(57)【要約】
【課題】本発明は、液状調味料を注出した後に注出口222を下に向けた倒立状態で置くことができると共に、使用者から注出口222が見やすいキャップ1及び液状調味料容器5を提供する。
【解決手段】キャップ1は、液状調味料が充填される液状調味料容器5のキャップ1である。キャップ1は、液状調味料を注出する注出口222を備えるキャップ本体20と、注出口222を閉塞する蓋体10と、を備える。蓋体10は、注出口222に対向する第1天壁12と、第1天壁12から下方へ延在する略円筒状の第1環状壁120と、を備える。キャップ本体20は、注出口222と、キャップ本体20の外周縁部24から上方へ突出する複数の突起部26と、外周縁部24から下方へ延在する略円筒状の第2環状壁28と、注出口222に固定される可撓性弁体30と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状調味料が充填される液状調味料容器のキャップであって、
前記キャップは、液状調味料を注出する注出口を備えるキャップ本体と、前記注出口を閉塞する蓋体と、を備え、
前記蓋体は、
前記注出口に対向する天壁と、
前記天壁から下方へ延在する略円筒状の第1環状壁と、
を備え、
前記キャップ本体は、
前記注出口と、
前記キャップ本体の外周縁部から上方へ突出する複数の突起部と、
前記外周縁部から下方へ延在する略円筒状の第2環状壁と、
前記注出口に固定される可撓性弁体と、
を備え、
前記第1環状壁は、前記キャップ本体に対し着脱可能であり、
前記第2環状壁は、前記液状調味料容器の口部に対し着脱可能であり、
前記複数の突起部は、前記注出口よりも高くかつ同じ高さで突出することを特徴とする、キャップ。
【請求項2】
請求項1に記載のキャップおいて、
前記複数の突起部は、前記液状調味料容器を倒立させた状態で接地して支持する円弧状の支持面をそれぞれの頂部に備えることを特徴とする、キャップ。
【請求項3】
請求項2に記載のキャップおいて、
前記支持面の前記外周縁部に沿った長さの合計が、前記外周縁部の長さの20%~70%であることを特徴とする、キャップ。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の前記キャップが装着された口部と、可撓性を有する胴部と、前記胴部を挟んで前記口部と対向する基端部と、を備えることを特徴とする、液状調味料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状調味料が充填される液状調味料容器のキャップ及び液状調味料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マヨネーズ様食品を含む粘度の高い酸性乳化液状調味料の容器に装着するキャップが知られている(例えば、特許文献1~特許文献3)。
【0003】
特許文献1には、星形に開口する注出口が形成された容器の口部に装着する円筒状のキャップが開示されている。また、特許文献2,3には、容器の口部に装着されるキャップ本体部と蓋部とをヒンジ部で接続したキャップが開示されている。これらの容器は、キャップを開けてから注出口を下に向けて液状調味料を押し出して使用するため、キャップが開いた状態で注出口は開口しており、そのままの状態(注出口を下に向けた倒立状態)で容器を立てることはできない。
【0004】
一方、特許文献4には、輸送中、保管時及び使用時において注出口を下に向けた倒立状態のいわゆる倒立容器が提案されている。この倒立容器は、比較的低い粘度の液体(例えば洗剤や柔軟剤)でも液垂れがないスリットバルブを注出口に設けている。そのため、元々キャップが用意されておらず、液体を吐出させた後、キャップを嵌めることなく、そのまま倒立状態で容器を置くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-287349号公報
【特許文献2】特許第2873081号公報
【特許文献3】特許第4494140号公報
【特許文献4】特開2020-117313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献4のような洗剤等であればキャップがなくてもよいが、液状調味料容器としては衛生管理の観点から好ましくない。また、特許文献4のように円錐状のカバーで注出口が見えない容器は、液状調味料容器に採用することが難しい。
【0007】
そこで、本発明は、液状調味料を注出した後に注出口を下に向けた倒立状態で置くことができ、かつ、使用者から注出口が見やすい、キャップ及び液状調味料容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
【0009】
[1]本発明に係るキャップの一態様は、
液状調味料が充填される液状調味料容器のキャップであって、
前記キャップは、液状調味料を注出する注出口を備えるキャップ本体と、前記注出口を閉塞する蓋体と、を備え、
前記蓋体は、
前記注出口に対向する天壁と、
前記天壁から下方へ延在する略円筒状の第1環状壁と、
を備え、
前記キャップ本体は、
前記注出口と、
前記キャップ本体の外周縁部から上方へ突出する複数の突起部と、
前記外周縁部から下方へ延在する略円筒状の第2環状壁と、
前記注出口に固定される可撓性弁体と、
を備え、
前記第1環状壁は、前記キャップ本体に対し着脱可能であり、
前記第2環状壁は、前記液状調味料容器の口部に対し着脱可能であり、
前記複数の突起部は、前記注出口よりも高くかつ同じ高さで突出することを特徴とする。
【0010】
[2]前記キャップの一態様において、
前記複数の突起部は、前記液状調味料容器を倒立させた状態で接地して支持する円弧状の支持面をそれぞれの頂部に備えることができる。
【0011】
[3]前記キャップの一態様において、
前記支持面の前記外周縁部に沿った長さの合計が、前記外周縁部の長さの20%~70%であることができる。
【0012】
[4]本発明に係る液状調味料容器の一態様は、
前記[1]~[3]のいずれかに記載の前記キャップが装着された口部と、可撓性を有する胴部と、前記胴部を挟んで前記口部と対向する基端部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るキャップの一態様及び液状調味料容器の一態様によれば、キャップを液状調味料容器に装着した状態で、液状調味料を注出した後、蓋体を装着することなく注出口を下に向けたまま液状調味料容器を倒立状態で置くことができると共に、複数の突起部の間から使用者が注出口を見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態に係る液状調味料容器の正面図である。
図2】一実施形態に係るキャップの縦断面図である。
図3】キャップ本体の平面図である。
図4】キャップ本体の斜視図である。
図5】倒立状態の液状調味料容器を拡大して示す図である。
図6】2種類の蓋体の底面図である。
図7】変形例1に係る液状調味料容器の平面図(a)及び正面図(b)である。
図8】変形例2に係る液状調味料容器の平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0016】
1.液状調味料容器
図1及び図2を用いて、キャップ1が装着された液状調味料容器5について以下詳細に説明する。図1は、一実施形態に係る液状調味料容器5の正面図であり、図2は、一実施形態に係るキャップ1の縦断面図である。図1では口部50は破線で示す。なお、本願においては、特に断らない限り、液状調味料容器5及びキャップ1の上下は注出口を上にした正立状態における上下として説明する。また、「正立状態」とはキャップ1を上にして底部54が接地した状態であり、「倒立状態」とは底部54を上にしてキャップ1またはキャップ本体20が接地した状態である。
【0017】
図1に示すように、液状調味料容器5は、キャップ1が装着された口部50と、可撓性を有する胴部52と、前記胴部52を挟んで前記口部50と対向する基端部と、を備える。本実施形態では、基端部は接地して液状調味料容器5を正立可能な底部54の例について説明するが、これに限らず、チューブ容器のように基本的な姿勢が倒立状態であってもよく、その場合には基端部はヒートシール方式や超音波振動方式などによって封止されたシール部であってもよい。
【0018】
液状調味料容器5は、キャップ1を除いて、ブロー成形により一体に成形される。ブロー成形は、ダイレクトブロー成形、インジェクションブロー成形、インジェクションストレッチブロー成形などの公知の成形方法を適用できる。
【0019】
液状調味料容器5の内部には、液状調味料が充填されている。液状調味料は、粘度が5Pa・s~500Pa・sの液状調味料である。液状調味料としては、高粘度の調味料、例えば、マヨネーズを含むマヨネーズ様食品、ケチャップ、クリーム、ソース、ジャム等がある。液状調味料の粘度は、BH形粘度計で、品温20℃、回転数2rpmの条件で、ローターNo.6を使用し、測定開始後ローターが2回転した時の示度により算出する。また液状調味料の比重は0.9~1.1と1.0前後であることができ、初期容量として体積(cm)の代わりに重量(g)を用いたものを含むことができる。
【0020】
液状調味料容器5の初期容量は、例えば、200cm~500cmである。500cm以下の初期容量であれば、液状調味料容器5は倒立状態でも比較的安定して自立できる。
【0021】
図2に示すように、口部50は、キャップ1が取り付けられる部分である。口部50の上端は開口を有し、口部50の側面には雄ねじ部51が形成される。雄ねじ部51は、キャップ1の第2環状壁28の内周面に形成された雌ねじ部280と螺合されてキャップ1が口部50に装着される。
【0022】
図1に示すように、胴部52は、口部50の開口から底部54へ向かって延びる略筒状の部分であって、底部54で閉塞される。胴部52は、上方へ向かうにしたがって徐々に縮径して上端で口部50に接続する。胴部52は、正立状態における水平横断面が扁平形状の部分を含んでもよい。扁平形状の部分を有することで、使用者が液状調味料容器5を把持しやすく、使用者が短軸方向に沿って押しやすく、使用者に調味料を押し出すために押す部分を認識させやすい。また、胴部52は、正面及び背面のそれぞれに減圧吸収のためのパネルを備えてもよい。パネルの変形によって、内圧の変化による胴部52の変形を防止することができるので、胴部52の外観に影響が少なくなる。
【0023】
胴部52は、内容物を押し出した後に徐々に膨らんで復元しやすくするために、胴部52の最低肉厚が0.2mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.3mm以上である。胴部52の最大幅L2の位置における肉厚は、1.1mm以下であることができる。液状調味料容器5は、胴部52の肉厚が厚いので、内容物を押し出しても押した部分が
徐々に膨らんで元に戻り(復元し)やすく、内容物が少なくなっても液状調味料容器5の初期形状に近い状態で維持することができる。なお、キャップ1を除く液状調味料容器5の形態等は、国際公開番号WO2017/010252に開示された特徴を備えることができる。
【0024】
液状調味料容器5の材質は、熱可塑性樹脂であり、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及びポリプロピレン等のオレフィン系樹脂またはポリエチレンテレフタレートを採用することができる。液状調味料容器5は、主成分が低密度ポリエチレン(以下、単に「LDPE」ということがある)の単層構造または主成分が低密度ポリエチレンの層を1層以上含む多層構造であることが易スクイズ性及び復元性の点で好ましい。なお、主成分が低密度ポリエチレンであるというのは、樹脂中のモノマーとしてエチレンの占める割合が50モル%以上である低密度ポリエチレンを、50質量%以上含むことを意味する。また、低密度ポリエチレンは、直鎖上低密度ポリエチレン(LLDPE)よりも、高圧法で製造された低密度ポリエチレン(HP-LDPE)であれば、曲げ弾性率が130~370MPa(JIS K6922-2法による)と比較的柔軟であり、主成分として好ましい。
【0025】
キャップ1の上端外周には後述するようにフランジ部16が設けられ、液状調味料容器5は、キャップ1を下にした倒立状態で例えばテーブル上に安定的に置くことができる。フランジ部16の直径L1(倒立状態における接地径)は、胴部の最大幅L2の0.4倍~1.0倍であることが好ましい。L1/L2の比率が大きくなるほど、液状調味料容器5を倒立させた時にキャップ1の天面で液状調味料容器5の重心を支えられるようになり、転倒しにくくなるため好ましく、輸送時の梱包性を考慮すると1.0倍を超えないことが好ましい。
【0026】
2.キャップ
図2図6を用いて、キャップ1について以下詳細に説明する。図2は、一実施形態に係るキャップ1の縦断面図であり、図3は、キャップ本体20の平面図であり、図4は、キャップ本体20の斜視図であり、図5は、倒立状態の液状調味料容器5を拡大して示す図であり、図6は、2種類の蓋体10,10aの底面図である。図2では、キャップ1を蓋体10とキャップ本体20とに分離した状態で示し、キャップ1の下方に液状調味料容器5の口部50を示す。
【0027】
図2図6に示すように、キャップ1は、液状調味料が充填される液状調味料容器5のキャップ1である。キャップ1は、液状調味料を注出する注出口222を備えるキャップ本体20と、注出口222を閉塞する蓋体10と、を備える。キャップ1は、合成樹脂製であり、例えば、ポリエチレン製またはポリプロピレン製である。
【0028】
蓋体10は、注出口222に対向する第1天壁12と、第1天壁12から下方へ延在する略円筒状の第1環状壁120と、を備える。
【0029】
第1天壁12は、略平坦な円形の板状部分であり、その上面は蓋体10の上面を構成し、その下面(内面)には下方に向かって突出する第1環状壁120と、第1環状壁120を囲む第3環状壁14が形成される。
【0030】
第1環状壁120は、キャップ本体20に対し着脱可能である。第1環状壁120は、第1天壁12の下面から円環状に突出し、蓋体10がキャップ本体20に装着された状態で後述する凸部220及び注出口222の周囲を囲むように閉塞することができる。第1環状壁120は、キャップ本体20の凸部220の外周面225に適合する内周面121と、内周面121に沿って環状に凹む係止用凹部122と、を備える。第1天壁12と内
周面121に囲まれて下方に開口する領域は、凸部220を収容する第1収容部18である。第1収容部18により注出口222を閉塞することにより、保管時における注出口222(液状調味料)の乾燥を防ぐことができる。係止用凹部122は、蓋体10がキャップ本体20に装着された状態で凸部220の係止用凸部226に係合して蓋体10の抜け止めとして機能するものである。図2の係止用凹部122は内周面121の下端付近に設けたが、凸部220の係止用凸部226の高さに合わせて設定することができ、また、係止用凹部122と係止用凸部226は凹凸が逆であってもよい。
【0031】
蓋体10は、第1天壁12の外周縁から水平方向に環状に突出するフランジ部16をさらに備える。フランジ部16は、第3環状壁14の外側に突出し、第1天壁12と共に蓋体10の上面を構成する。フランジ部16は、図6の(a)に示すように円形の外縁を有してもよいし、図6の(b)に示すように略円形の外縁から放射状に突出する波型形状を有してもよい。倒立状態で液状調味料容器5を安定的に支持することができる直径L1を有して入れば、フランジ部16の外形は他の形状であってもよい。
【0032】
第3環状壁14は、第1環状壁120の外側で第1天壁12の下面から下方に延びる略円筒状の部分であって、上方の第1天壁12と内外を第1環状壁120と第3環状壁14に囲まれて下方に開口する環状の第2収容部19を形成する。第2収容部19は、後述するキャップ本体20の複数の突起部26を内部に受け入れることができる。第3環状壁14の内周面140は、蓋体10をキャップ本体20に装着する際に、突起部26の外面に沿って装着位置までガイドする内径に形成してもよい。本実施形態では内周面121に係止用凹部122を設けたが、例えば、内周面140の下端付近に係止用凹部を設けてもよい。蓋体10は、合成樹脂を射出成形または圧縮成形して製造することができる。
【0033】
キャップ本体20は、注出口222と、キャップ本体20の外周縁部24から上方へ突出する複数の突起部26と、外周縁部24から下方へ延在する略円筒状の第2環状壁28と、注出口222に固定される可撓性弁体30と、を備える。キャップ本体20は、当該キャップ本体20の中心に上方へ突出する円筒状の凸部220と、凸部220の下端から外側に向けて水平方向に延びる平坦な円環状の第2天壁22と、をさらに備える。
【0034】
注出口222は、凸部220の中心にある開口であり、凸部220内に固定された可撓性弁体30により開閉することができる。凸部220第2天壁22の上面からの全高(第1高さH1)は、2mm~10mmであることが好ましく、3mm~5mmであることがさらに好ましい。調味料を注出した後の液切れの観点からは第1高さH1は高い方が好ましいが、高周波誘電加熱のためには第1高さH1は10mm以下であることが好ましい。第1高さH1及び後述する第2高さH2は、凸部220と突起部26との間にある第2天壁22の上面を基準とする。
【0035】
外周縁部24は、円形の第2天壁22の外周縁であって、例えば、第2天壁22の上面より低い位置に形成されてもよいし、高い位置に形成されてもよい。外周縁部24は、蓋体10がキャップ本体20に装着される際に第3環状壁14の下端と対向する部分である。また、第2環状壁28の上端が外周縁部24となる。
【0036】
複数の突起部26は、注出口222よりも高くかつ同じ高さで突出する。突起部26が注出口222より高いことで、蓋体10をキャップ本体20から外した状態で液状調味料容器5を倒立させて例えば机上に置いた場合にも注出口222が机に接触せず、衛生面の安全性を維持できる。また、複数の突起部26が同じ高さであることにより、蓋体10をキャップ本体20から外した状態で倒立させても安定性に優れる。突起部26の第2天壁22の上面からの全高(第2高さH2)は、例えば3mm~12mmであることが好ましく、さらに好ましくは5mm~10mmである。第2高さH2は、第1高さH1よりも1
mm~6mm高いことが好ましく、さらに好ましくは2mm~5mm高い。
【0037】
突起部26は、外周縁部24に沿って等間隔に複数、例えば4つ配置される。突起部26の数は、2以上の複数であればよいが、倒立状態における安定性及び注出口222の目視のために、3つ~6つであることが好ましく、さらに4つまたは5つであることが好ましい。突起部26が7つ以上であると突起部26間の隙間が狭くなりすぎて使用者が注出口222の状態を確認しにくくなってしまうため、多くとも6つ以下であることが好ましい。
【0038】
複数の突起部26は、蓋体10をキャップ本体20から外して液状調味料容器5を倒立させた状態で接地して支持する円弧状の支持面262をそれぞれの頂部に備えることができる。突起部26が円弧状の支持面262を有する湾曲した壁体であり、外周縁部24に沿って設けられることで蓋体10を取り外した状態でもすっきりした外観を有するため好ましい。支持面262は、幅が1mm~5mm程度の平坦面であることが支持面262で倒立させる際の安定性を考慮すると好ましい。支持面262の外周縁部24に沿った長さ(第1長さL3:図3)の合計(4×L3)が、外周縁部24の長さ(第2長さL4:図3)の20%~70%であることができ、好ましくは20%~50%であることが好ましい。20%未満であると突起部26で倒立させたときの安定性が低下し、70%を超えると隣り合う突起部26間の隙間が狭くなりすぎて使用者が注出口222の状態を確認しにくくなる。
【0039】
第2天壁22の下面(内面)には、凸部220の周りに環状で平坦なシール面224が形成され、アルミシート36が取り付けられる。アルミシート36は、アルミニウム製の薄膜であり、口部50にキャップ本体20が装着されるとシール面224により口部50にアルミシート36が押し付けられた状態となり、この状態で高周波誘電加熱を行うことで口部50に溶着して密封するものである(特公昭61-1289号公報参考)。アルミシート36は、アルミニウム以外の金属であってもよい。
【0040】
第2環状壁28は、液状調味料容器5の口部50に対し着脱可能である。第2環状壁28の内側には雌ねじ部280が形成され、口部50の外面に設けられた雄ねじ部51と螺合できる。キャップ本体20は、合成樹脂を射出成形または圧縮成形して製造することができる。
【0041】
可撓性弁体30は、注出口222の内側に配置される薄い膜状の弁部32と、弁部32に形成されたスリット34と、を備える。可撓性弁体30は、凸部220の内部に固定するための図示しない環状の固定板をさらに備えてもよい。スリット34は、図3の例では十字に切られているがこれに限らない。可撓性弁体30の材質としては、スリット34を押し広げて内容物である液状調味料を押し出した後、すみやかにスリット34を初期状態に復元して閉塞することができる柔軟性と剛性とを備える材質が望ましく、例えば、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマー、及びこれらの混合物であることができる。また、スリット34がすみやかに閉塞するために、液状調味料容器5の胴部52が上述したように内容物を押し出してた後で徐々に膨らんで元に戻る復元力に優れることが好ましい。
【0042】
このように、キャップ1及び液状調味料容器5によれば、キャップ1を液状調味料容器5に装着した状態で、液状調味料を注出した後、蓋体10を装着することなく注出口222を下に向けたまま液状調味料容器5を倒立状態で置くことができると共に、使用(調味料の注出)時に複数の突起部26の間から使用者が注出口222を見ることができる。
【0043】
3.変形例1及び変形例2
図7を用いて変形例1に係る液状調味料容器5aを説明し、図8を用いて変形例2に係
る液状調味料容器5bを説明する。図7は、変形例1に係る液状調味料容器5aの平面図(a)及び正面図(b)であり、図8は、変形例2に係る液状調味料容器5bの平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。液状調味料容器5a,5bは、基本的な構成は上記「1.液状調味料容器」で説明した液状調味料容器5と同じであるので重複する説明は省略する。
【0044】
図7に示すように、液状調味料容器5aは、液状調味料容器5とは異なり、胴部52の最大幅が胴部52の高さの半分よりも上にある。そのため、正立状態よりも倒立状態における安定性に優れる。
【0045】
図8に示すように、液状調味料容器5bは、胴部52の下部に括れがある。この括れがあることにより使用者が胴部52を握りやすい。液状調味料容器5の胴部52は、(c)で示すような扁平率が高い形状である。
【0046】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能であり、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成を含む。ここで、「同一の構成」とは、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成である。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0047】
1…キャップ、5,5a,5b…液状調味料容器、10,10a…蓋体、12…第1天壁、120…第1環状壁、121…内周面、122…係止用凹部、14…第3環状壁、140…内周面、16…フランジ部、18…第1収容部、19…第2収容部、20…キャップ本体、22…第2天壁、220…凸部、222…注出口、224…シール面、225…外周面、226…係止用凸部、24…外周縁部、26…突起部、262…支持面、28…第2環状壁、280…雌ねじ部、30…可撓性弁体、32…弁部、34…スリット、36…アルミシート、50…口部、51…雄ねじ部、52…胴部、54…底部、H1…第1高さ、H2…第2高さ、L1…直径、L2…最大幅、L3…第1長さ、L4…第2長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8