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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046110
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】プロテイン粉末飲料
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/39 20060101AFI20240327BHJP
   A23L 2/66 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
A23L2/00 Q
A23L2/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151302
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】711002926
【氏名又は名称】雪印メグミルク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 娟
(72)【発明者】
【氏名】上田 典子
(72)【発明者】
【氏名】福嶋 真理子
【テーマコード(参考)】
4B117
【Fターム(参考)】
4B117LC03
4B117LC13
4B117LE01
4B117LG11
4B117LK06
4B117LK10
4B117LK15
4B117LK18
(57)【要約】
【課題】水などに溶解する際に発泡が抑制され、風味が良好なプロテイン粉末飲料を提供する。
【解決手段】プロテイン粉末飲料は、タンパク質源、融点が18℃以上の油脂を含有する粉末油脂組成物、及びグリセリン脂肪酸エステルを含み、油脂含有量/タンパク質含有量の比率を0.25~6.00重量%、グリセリン脂肪酸エステル含有量/タンパク質含有量の比率を0.30~2.00重量%とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質源、融点が18℃以上の油脂を含有する粉末油脂組成物、及びグリセリン脂肪酸エステルを含むプロテイン粉末飲料であって、
油脂含有量/タンパク質含有量の比率が0.25~6.00重量%であり、且つ、グリセリン脂肪酸エステル含有量/タンパク質含有量の比率が0.30~2.00重量%である、プロテイン粉末飲料。
【請求項2】
油脂が、その総脂肪酸組成の35%以上を飽和脂肪酸が占める油脂である、請求項1に記載のプロテイン粉末飲料。
【請求項3】
油脂が、ヤシ油、パーム油、及びそれらを原料とした加工油脂、並びにそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のプロテイン粉末飲料。
【請求項4】
粉末油脂組成物の油脂の含有量が60~80重量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロテイン粉末飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、風味が良好で発泡が抑制されたプロテイン粉末飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質が豊富な粉末飲料を水などに溶解する際に、シェイクや攪拌により引き起こされる発泡現象は、喫食時の商品の食感や外観に好ましくない影響を与える。過度な発泡を抑制するために一般的には消泡効果が高い食品用のシリコーン系消泡剤が使用されているが、昨今の消費者の健康志向の高まりに鑑みると、本来、食品に含まれていない消泡剤を添加することは望ましくない。
【0003】
消費者に受け入れられやすい食品用の消泡剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステルやクエン酸モノグリセリド等が知られている。例えば、引用文献1では、食品製造や加工工程における起泡トラブルに対処するための食品用消泡剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、糖類を含有する食品用消泡剤が開示されている。
【0004】
また引用文献2では、ピックル液をはじめとする液状の食品や、これらの食品の製造工程において優れた消泡効果を示すものとして、常温で液状の食用油脂を含む液体消泡剤が開示されている。
【0005】
さらに引用文献3では、水との混合時に泡立ちにくい造粒粉末として、ホエイたんぱく質濃縮物にホエイ由来の脂質を含むバインダー液を噴霧して造粒した造粒粉末が提案されている。引用文献4では、泡立ちが少なく溶解性の良い粉末飲食品として、液体飲料又は液体食品に多糖類等の賦形剤を添加し噴霧乾燥を行った後の粉末粒子を粉砕等して得られた粉末の飲食品が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-193740号公報
【特許文献2】特開平6-327419号公報
【特許文献3】国際公開第2020/137932号
【特許文献4】特開2002-360229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、引用文献1で使用されているポリグリセリン脂肪酸エステルやクエン酸モノグリセリドは添加量が少ない場合には消泡効果が弱く、添加量が多い場合には乳化剤自体の風味が影響して食品の風味が損なわれるため、いずれの場合も商品としての食品の品質に課題があった。また引用文献2の液体消泡剤は、液体食品又は液体飲料への適用を想定したものであるため、商品としての形状が固体である粉末飲料には適さない。
そこで本開示は、水などに溶解する際に発泡が抑制され、且つ、風味が良好なプロテイン粉末飲料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本開示の構成は、以下の通りである。
【0009】
[1]タンパク質源、融点が18℃以上の油脂を含有する粉末油脂組成物、及びグリセリン脂肪酸エステルを含むプロテイン粉末飲料であって、
油脂含有量/タンパク質含有量の比率が0.25~6.00重量%であり、且つ、グリセリン脂肪酸エステル含有量/タンパク質含有量の比率が0.30~2.00重量%である、プロテイン粉末飲料。
[2]油脂が、その総脂肪酸組成の35%以上を飽和脂肪酸が占める油脂である、前項[1]に記載のプロテイン粉末飲料。
【0010】
[3]油脂が、ヤシ油、パーム油、及びそれらを原料とした加工油脂、並びにそれらの組み合わせから選択される、前項[1]に記載のプロテイン粉末飲料。
[4]粉末油脂組成物の油脂の含有量が60~80重量%である、前項[1]~[3]のいずれか一項に記載のプロテイン粉末飲料。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、水などに溶解する際に発泡が抑制され、且つ、風味が良好なプロテイン粉末飲料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示のプロテイン粉末飲料は、タンパク質源、粉末油脂組成物、及びグリセリン脂肪酸エステルを含む粉末飲料であり、例えば、喫食時にシェイカー等を用いて冷水や温水等で溶解して飲用に供される飲料である。プロテイン粉末飲料に含まれるタンパク質は、タンパク質源に由来する。
また本開示のプロテイン粉末飲料において、「油脂含有量/タンパク質含有量の比率」は0.25~6.00重量%であり、「グリセリン脂肪酸エステル含有量/タンパク質含有量の比率」は0.30~2.00重量%である。
【0013】
<タンパク質源>
本開示におけるタンパク質源としては、例えば、カゼイン、乳清タンパク質濃縮物(WPC)、乳清タンパク質分離物(WPI)、αs-カゼイン、β-カゼイン、α-ラクトアルブミン、及びβ-ラクトグロブリンなどの乳タンパク質やその分画物、並びに大豆タンパク質や小麦タンパク質などの植物タンパク質、さらにはこれらを種々の分解度まで酵素的に分解したペプチド、もしくはアミノ酸などを挙げることができる。これらのタンパク質源として、市販品を用いることができる。
また公知の製造方法により製造したものを用いることもできる。
【0014】
プロテイン粉末飲料に含まれるタンパク質の含有量は特に限定されるものではないが、風味や栄養価の観点から、例えば、タンパク質源とグリセリン脂肪酸エステルを含むベース粉、及び粉末油脂組成物の合計量に対するタンパク質含有量を30~90重量%とすることができ、好ましくは35~85重量%とすることができる。
なお、ベース粉には、タンパク質源とグリセリン脂肪酸エステルの他に、必要に応じて、糖類、香料、澱粉類などの添加物を含むことができる。また本明細書では、ベース粉と粉末油脂組成物を含む混合物を「タンパク質含有粉末」と称することがある。
【0015】
<粉末油脂組成物>
本開示における粉末油脂組成物は、例えば、油脂に賦形剤が被覆されたものである。
一般的に油脂とは、グリセリンに3つの脂肪酸が結合したトリグリセリド(トリアシルグリセロール)を主成分とするものであり、常温で固体の脂肪と常温で液体の油を包含するものであるが、本開示で使用する油脂は融点が18℃以上の油脂である。そのため、15℃では、通常、固体、又は半固体の形態であると理解される。
【0016】
本開示の好適な実施態様では、油脂は、その総脂肪酸組成の35%以上を、カプリル酸(8:0)、カプリン酸(10:0)、ラウリン酸(12:0)、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、ステアリン酸(18:0)等の飽和脂肪酸が占める、融点が18℃以上の油脂である。
本開示のさらに好適な実施態様では、油脂は、ヤシ油(融点:20~28℃)、パーム油(融点:27~50℃)、及びそれらを原料とした加工油脂、並びにそれらの組み合わせから選択される油脂である。
【0017】
油脂を被覆する賦形剤としては、例えば、でん粉分解物、カゼインナトリウム、を挙げることができるが、これらには限定されない。
【0018】
粉末油脂組成物の製造については、賦形剤を含む水相と、例えば40~60℃の温度で溶融した油脂からなる油相とを攪拌、及び均質化することにより水中油型乳化物とし、その後、乾燥粉末化して得ることができる。油脂の溶融は、各々の油脂の融点±15℃に温度管理された貯油タンク内で溶融することができる。また粉末油脂組成物は、市販品を用いてもよいし、別の公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
市販品としては、例えば、ヤシ油由来の油脂を78.5%含有する「エマファット(商品名)CO-7」(理研ビタミン株式会社製)、パーム油由来の油脂を73%含有する「マジックファット(商品名)200」(ミヨシ油脂株式会社製)、パーム油由来の油脂を65%含有する「マジックファット(商品名)215」(ミヨシ油脂株式会社製)を挙げることができる。
【0019】
粉末油脂組成物中の油脂の含有量は特に限定されるものではないが、好ましくは60~80重量%であり、より好ましくは70~80重量%以上である。
【0020】
<グリセリン脂肪酸エステル>
グリセリン脂肪酸エステルとは、グリセリンのヒドロキシル基の一部または全部に、脂肪酸がエステル結合したものである。本開示で使用するグリセリン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数や脂肪酸の不飽和度について特に限定はされないが、オレイン酸を多く含むものが好ましい。
グリセリン脂肪酸エステルとして、公知の製造方法により製造したものを用いてもよいし、市販品を用いることもできる。
市販品としては、例えば、「エマテック(商品名)W700」(理研ビタミン株式会社製)、脂肪酸として主にオレイン酸を含む「リョート(商品名)ポリグリエステルO-15D」(三菱ケミカル株式会社製)を挙げることができる。
【0021】
<油脂含有量/タンパク質含有量の比率>
本開示における「油脂含有量/タンパク質含有量の比率」とは、プロテイン粉末飲料に含まれるタンパク質含有量(重量)に対する粉末油脂組成物中の油脂含有量(重量)の割合を百分率で示した値である。
【0022】
本開示において「油脂含有量/タンパク質含有量の比率」は、0.25~6.00重量%であり、好ましくは0.40~5.00重量%であり、より好ましくは0.75~3.00重量%である。「油脂含有量/タンパク質含有量の比率」を、0.25~6.00重量%とすることで、所望の消泡効果を得ることができる。また過剰に油脂を含有することによる弊害、例えば油脂自体の風味を呈することにより飲料の風味が損なわれることや、溶解時に油膜を形成して飲料の外観を損なうことを回避することができる。
【0023】
<グリセリン脂肪酸エステル含有量/タンパク質含有量の比率>
本開示における「グリセリン脂肪酸エステル含有量/タンパク質含有量の比率」とは、プロテイン粉末飲料に含まれるタンパク質含有量(重量)に対するグリセリン脂肪酸エステル含有量(重量)の割合を百分率で示した値である。
【0024】
本開示において「グリセリン脂肪酸エステル含有量/タンパク質含有量の比率」は、0.30~2.00重量%であり、好ましくは0.70~1.50重量%である。「グリセリン脂肪酸エステル含有量/タンパク質含有量の比率」を、0.30~2.00重量%とすることで、所望の消泡効果を得ることができる。また過剰にグリセリン脂肪酸エステルを含有することによる弊害、例えばグリセリン脂肪酸エステル自体の風味を呈することにより飲料の風味が損なわれることを回避することができる。
【0025】
<製造方法>
本開示のプロテイン粉末飲料は、特に限定はされないが、例えばタンパク質源を含む粉末に、デキストリン、グリセリン脂肪酸エステルなどを溶解したバインダー液を噴霧し、乾燥させて造粒した造粒粉末に、粉末油脂組成物加えることにより、製造することができる。
タンパク質源を含む粉末の造粒方法としては、流動層造粒法、撹拌造粒法、転動造粒法など、公知の造粒方法を用いることができるが、得られる造粒粉末の溶解性の観点から流動層造粒法が好ましい。流動層造粒法は公知の流動層造粒装置を用いて実施することができる。具体的には、流動層造粒装置は、下部から空気(熱風)を送り込み、粉末を流動状態とし、これにバインダー液を噴霧し、乾燥させて造粒する装置である。
【0026】
粉末油脂組成物は、上記の造粒前のタンパク質源を含む粉末に混合してもよいし、得られた造粒粉末に後添加して混合してもよい。
グリセリン脂肪酸エステルは、例えば、タンパク質源を含む造粒粉末に、グリセリン脂肪酸エステルの溶液として噴霧し、乾燥させることにより添加することができる。
【0027】
また別の製造方法として、本開示のプロテイン粉末飲料は、全ての粉末原料を予め混合して得られた混合粉末に、全ての液状原料の混合液を噴霧し乾燥させることによっても製造することができる。またタンパク質源を含む全ての原料をそのまま混合することによって製造することもできる。糖類や澱粉類などの添加物をプロテイン粉末飲料に添加する場合は、水、糖類、及び澱粉類などを含む溶解液を、その他の原材料全ての混合物に対して造粒時に噴霧し、得られた造粒物を乾燥させることによって製造することができる。
【実施例0028】
以下、本開示を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本開示はこれら実施例に限定されるものではない。
【0029】
[プロテイン粉末飲料の製造]
表1及び表2に示すプロテイン粉末飲料(実施例1~12及び比較例1~12)を製造した。調製に使用した各原料は以下の通りである。デキストリンは、ベース粉の調製時に必要に応じて使用した。
【0030】
<WPC>
GermanProt(商品名)8000(Sachsenmilch Leppersdorf GmbH社製)
<WPI>
WPI Grande Ultra 9100(GRANDE CUSTOM INGREDIENTS GRP社製)
<分離大豆タンパク質>
ウィプロ(商品名)S615(秦皇島金海食品工業有限公司社製)
【0031】
<粉末油脂組成物>
エマファット(商品名)CO-7(理研ビタミン株式会社製)
マジックファット(商品名)200(ミヨシ油脂株式会社製)
<グリセリン脂肪酸エステル>
エマテック(商品名)W700」(理研ビタミン株式会社製)
リョート(商品名)ポリグリエステルO-15D(三菱ケミカル株式会社製)
<デキストリン>
パインデックス(松谷化学工業株式会社社製)
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
比較例1~12のプロテイン粉末飲料は、下記の理由により、本開示のプロテイン粉末飲料の範囲には含まれない。
[タンパク質源がWPCであるプロテイン粉末飲料]
比較例1:粉末油脂組成物・グリセリン脂肪酸エステルを含まない。
比較例2:粉末油脂組成物・グリセリン脂肪酸エステルを含まない。
比較例3:粉末油脂組成物を含まない。
比較例4:粉末油脂組成物を含まない。
比較例5:グリセリン脂肪酸エステルを含まない。
比較例6:グリセリン脂肪酸エステルを含まない。
比較例7:グリセリン脂肪酸エステル含有量/タンパク質含有量の比率が規定を超える。
比較例8:油脂含有量/タンパク質含有量の比率が規定を超える。
【0035】
[タンパク質源がWPIであるプロテイン粉末飲料]
比較例9:粉末油脂組成物・グリセリン脂肪酸エステルを含まない。
比較例10:グリセリン脂肪酸エステルを含まない。
[タンパク質源が分離大豆タンパク質であるプロテイン粉末飲料]
比較例11:粉末油脂組成物・グリセリン脂肪酸エステルを含まない。
比較例12:粉末油脂組成物を含まない。
【0036】
[製造の手順]
粉末油脂組成物以外の原料を用いて予め調製したベース粉に、粉末油脂組成物を添加して混合し、実施例1~12及び比較例1~12のプロテイン粉末飲料を得た。混合には、混合機ロッキングミキサー(愛知電機株式会社製)を使用した。ベース粉と粉末油脂組成物の各々の配合量は、表1及び表2に示す通りである。
【0037】
上記で得られた実施例1~12及び比較例1~12のプロテイン粉末飲料のそれぞれについて、下記の評価方法にしたがって、起泡による体積増加率、風味、外観(泡が少ない状態の液面の不溶油の有無)を評価した。結果を表3及び表4に示す。
【0038】
[起泡による体積増加率]
(評価手順)
25℃の条件下で、プロテイン粉末飲料20gと水180gを容量500mLのシェイカーに投入し、20回シェイクした。次いで、シェイカー内の溶液を500mLメスシリンダーに投入し、その体積V0(mL)を計測した。なお、体積V0は、シェイクによる起泡後の泡を含めた溶液の体積である。
【0039】
(評価基準)
起泡による体積増加率は、下記計算式に従って算出した。
増加率(倍)=「V0」/「起泡前の溶液の体積」
ここで、「起泡前の溶液の体積」は、プロテイン粉末飲料20gを水180gで溶解した溶液の質量(g)を、その溶液の比重(mL/g)で除算して算出した。溶液の比重は、比重計(東京硝子器械株式会社製)を用いて常法により測定した。
起泡による体積増加率は、1.20倍未満を合格とし、以下の基準に従って評価した。
◎:1.10倍未満
〇:1.10倍以上1.20倍未満
△:1.20倍以上1.30倍未満
×:1.30倍以上1.50倍未満
××:1.50倍以上
【0040】
[風味]
(評価基準)
以下の基準に従って、上記「起泡による体積増加率」の評価の際に作製したプロテイン粉末飲料の溶液を評価した。
下記「異風味」とは、基準粉とは異なる風味をいう。
◎:異風味を感じない。
〇:異風味を僅かに感じる。
△:異風味をやや感じるが、許容範囲内と判断できる。
×:異風味を感じる。
××:異風味を強く感じる。
【0041】
[外観]
(評価手順)
25℃の条件下で、プロテイン粉末飲料20gと水180gを容量500mLのシェイカーに投入し、20回シェイクした後、泡が少ない状態の液面を有するサンプルについて、液面に浮遊する不溶油の有無を以下の基準に従って評価した。
【0042】
(評価基準)
〇:不溶油なし
△:不溶油を僅かに確認できる
×:不溶油あり
―:起泡により評価不能
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
表3及び表4に示す結果より、タンパク質源、融点が18℃以上の油脂を含有する粉末油脂組成物、及びグリセリン脂肪酸エステルを含み、油脂含有量/タンパク質含有量の比率が0.25~6.00重量%であり、且つ、グリセリン脂肪酸エステル含有量/タンパク質含有量の比率が0.30~2.00重量%である、本開示のプロテイン粉末飲料(実施例1~12)は、比較例1~12のプロテイン粉末飲料と比較して、溶解時の発泡が抑制され、且つ、風味が良好であることが確認された。