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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046655
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】混合材料の生成方法
(51)【国際特許分類】
   G06N 99/00 20190101AFI20240327BHJP
   G16C 20/30 20190101ALI20240327BHJP
【FI】
G06N99/00 180
G16C20/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024004379
(22)【出願日】2024-01-16
(62)【分割の表示】P 2023527866の分割
【原出願日】2022-06-07
(31)【優先権主張番号】P 2021097381
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】坂口 俊
(72)【発明者】
【氏名】奥野 好成
(57)【要約】      (修正有)
【課題】目標の物性値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題の最適解を、材料組成に含まれる材料の数により変動する材料組成探索方法を用いる混合材料の生成方法を提供すること。
【解決手段】イジングモデルを用いたアニーリング方式の計算装置と、目標の物性値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題をイジングモデルに変換して計算装置に解かせる材料組成探索装置とを有する情報処理システムによる混合材料の生成方法であって、少なくとも1つの物性の目標値の入力を受け付け、材料組成の組合せ最適化問題を定式化した数式をイジングモデルに変換し、イジングモデルを用いて目標値に漸近する材料組成の最適解を算出し、最適解を出力する。数式は、目標値に漸近する材料組成のうち、材料組成に含まれる材料の数が多いほど最適解として算出されにくく、材料組成に含まれる材料の数が少ないほど最適解として算出されやすくなるように定式化されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イジングモデルを用いたアニーリング方式の計算装置と、目標の物性値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題をイジングモデルに変換して前記計算装置に解かせる材料組成探索装置と、を有する情報処理システムが、
少なくとも1つの物性の目標値の入力を受け付ける入力受付ステップと、
物性値が既知の材料の混合材料から前記目標値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題を定式化した数式を、前記計算装置が利用可能なデータ形式の前記イジングモデルに変換する変換ステップと、
前記イジングモデルを用いて、前記目標値に漸近する材料組成の最適解を算出する最適解算出ステップと、
算出した前記目標値に漸近する材料組成の最適解を出力する出力制御ステップと、
を実行し、
前記数式は、
前記目標値に漸近する材料組成のうち、前記材料組成に含まれる材料の数が多いほど前記最適解として算出されにくく、前記材料組成に含まれる材料の数が少ないほど前記最適解として算出されやすくなるように定式化されていることを特徴とする材料組成探索方法を用いて出力した、前記目標値に漸近する材料組成の最適解を指定して混合材料を生成する混合材料の生成方法。
【請求項2】
イジングモデルを用いたアニーリング方式の計算装置と通信ネットワークを介して接続されており、目標の物性値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題をイジングモデルに変換し、前記計算装置に解かせる材料組成探索装置が、
少なくとも1つの物性の目標値の入力を受け付ける入力受付ステップと、
物性値が既知の材料の混合材料から前記目標値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題を定式化した数式を、前記計算装置が利用可能なデータ形式の前記イジングモデルに変換する変換ステップと、
変換された前記イジングモデルを前記計算装置に送信して、前記計算装置が算出した前記目標値に漸近する材料組成の最適解を前記計算装置から受信する連携ステップと、
受信した前記目標値に漸近する材料組成の最適解を出力する出力制御ステップと、
を実行し、
前記数式は、
前記目標値に漸近する材料組成のうち、前記材料組成に含まれる材料の数が多いほど前記最適解として算出されにくく、前記材料組成に含まれる材料の数が少ないほど前記最適解として算出されやすくなるように定式化されていることを特徴とする材料組成探索方法を用いて出力した、前記目標値に漸近する材料組成の最適解を指定して混合材料を生成する混合材料の生成方法。
【請求項3】
前記数式は、
前記混合材料の物性値が前記目標値に近いほど前記最適解として算出されやすく、前記混合材料の物性値が前記目標値から遠いほど前記最適解として算出されにくくなるように値を出力するコスト関数と、
前記混合材料に含まれる材料の比率の合計が100%にならない場合に前記最適解として算出されないように値を出力する第1制約条件と、
前記混合材料に含まれる材料の数が少ないほど前記最適解として算出されやすく、前記混合材料に含まれる材料の数が多いほど前記最適解として算出されにくくなるように値を出力する第2制約条件と、
を含むエネルギー関数により、前記目標値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題を定式化されていること
を特徴とする請求項1又は2記載の混合材料の生成方法。
【請求項4】
前記数式は、下記の式(1)である請求項1又は2記載の混合材料の生成方法。
【数1】
ただし、前記式(1)において、
前記Lは、最適化する物性の数であり、
前記Nは、物性値が既知の材料の数であり、
前記Dk,iは、材料iの最適化したいk番目の物性の物性値であり、
前記riは、材料iの混合比(構成割合)をバイナリー法で表現した下記の式(2)であり、
【数2】
前記Dk,0は、混合材料の最適化したいk番目の物性の目標値であり、
前記ni,jは、材料iの混合比をバイナリー法で表現した場合の「0」又は「1」の数字であり、
前記cjは、材料iの混合比をバイナリー法で表現した場合の係数であり、
前記αk、β、γは、重み定数である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、混合材料の生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、最適な物性を持つ材料組成の探索など、様々な要素の組合せの中から最適な組合せを選択する組合せ最適化問題が存在する。組合せ最適化問題は、要素の数が増えると組合せの数が爆発的に増えるため、現実的な時間内に解けないこともある。例えば100種類の材料を1%刻みで組み合わせて混合材料を生成する場合、組合せの数は5×1058となる。
【0003】
このような組合せ最適化問題を解くことに特化したアーキテクチャとして、イジングモデルを用いたアニーリングマシンが提案されている。アニーリングマシンは、イジングモデルに変換された組合せ最適化問題を効率良く解くことができる。
【0004】
従来、組合せ最適化問題に特化した計算機アーキテクチャを用いて、混合冷媒の熱物性を最適化する技術が知られている(例えば非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「デジタルアニーラを用いた混合冷媒の熱物性最適化」、No.19-303日本機械学会熱工学コンファレンス2019講演論文集[2019.10.12-13,名古屋]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えばアニーリングマシンで目標の物性値に漸近(近似)する材料組成の組合せ最適化問題を解いた場合は、目標の物性値に漸近する混合材料の組成(混合材料に含まれる材料と、その材料の比率)を結果として得られる。しかしながら、結果として得られる混合材料の組成は目標の物性値に漸近していたとしても、混合材料に含まれる材料の数が多いなど、実務的に扱いにくい場合があった。
【0007】
本開示は、目標の物性値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題の最適解を、材料組成に含まれる材料の数により変動する材料組成探索方法を用いる混合材料の生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、以下に示す構成を備える。
【0009】
[1] イジングモデルを用いたアニーリング方式の計算装置と、目標の物性値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題をイジングモデルに変換して前記計算装置に解かせる材料組成探索装置と、を有する情報処理システムであって、
少なくとも1つの物性の目標値の入力を受け付ける入力受付部と、
物性値が既知の材料の混合材料から前記目標値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題を定式化した数式を、前記計算装置が利用可能なデータ形式の前記イジングモデルに変換する変換部と、
前記イジングモデルを用いて、前記目標値に漸近する材料組成の最適解を算出する最適解算出部と、
算出した前記目標値に漸近する材料組成の最適解を出力する出力制御部と、
を有し、
前記数式は、
前記目標値に漸近する材料組成のうち、前記材料組成に含まれる材料の数が多いほど前記最適解として算出されにくく、前記材料組成に含まれる材料の数が少ないほど前記最適解として算出されやすくなるように定式化されていること
を特徴とする情報処理システム。
【0010】
[2] 前記数式は、
前記混合材料の物性値が前記目標値に近いほど前記最適解として算出されやすく、前記混合材料の物性値が前記目標値から遠いほど前記最適解として算出されにくくなるように値を出力するコスト関数と、
前記混合材料に含まれる材料の比率の合計が100%にならない場合に前記最適解として算出されないように値を出力する第1制約条件と、
前記混合材料に含まれる材料の数が少ないほど前記最適解として算出されやすく、前記混合材料に含まれる材料の数が多いほど前記最適解として算出されにくくなるように値を出力する第2制約条件と、
を含むエネルギー関数により、前記目標値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題を定式化されていること
を特徴とする[1]記載の情報処理システム。
【0011】
[3] 前記数式は、下記の式(1)である[1]又は[2]記載の情報処理システム。
【0012】
【数1】

ただし、前記式(1)において、
前記Lは、最適化する物性の数であり、
前記Nは、物性値が既知の材料の数であり、
前記Dk,iは、材料iの最適化したいk番目の物性の物性値であり、
前記riは、材料iの混合比(構成割合)をバイナリー法で表現した下記の式(2)であり、
【0013】
【数2】

前記Dk,0は、混合材料の最適化したいk番目の物性の目標値であり、
前記ni,jは、材料iの混合比をバイナリー法で表現した場合の「0」又は「1」の数字であり、
前記cjは、材料iの混合比をバイナリー法で表現した場合の係数であり、
前記αk、β、γは、重み定数である。
【0014】
[4] 前記最適解算出部は、前記式(1)を前記計算装置が利用可能なデータ形式に変換した前記イジングモデルを用いて、前記式(1)のエネルギー関数が最小値となる前記ni,jの組合せを前記目標値に漸近する材料組成の最適解として算出すること
を特徴とする[3]記載の情報処理システム。
【0015】
[5] 前記入力受付部は、少なくとも1つの物性の目標値の選択と、前記少なくとも1つの物性の物性値が既知の複数の材料から、前記混合材料の材料組成として利用する前記材料の選択と、をユーザから受け付け、
前記出力制御部は、前記最適解算出部が算出した前記材料組成の最適解を、前記混合材料に含まれる材料、前記材料の混合比、及び前記混合材料の前記物性の物性値、の少なくとも1つに変換して表示装置に表示すること
を特徴とする[1]乃至[4]の何れか一項に記載の情報処理システム。
【0016】
[6] イジングモデルを用いたアニーリング方式の計算装置と、目標の物性値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題をイジングモデルに変換して前記計算装置に解かせる材料組成探索装置と、を有する情報処理システムが実行する材料組成探索方法であって、
少なくとも1つの物性の目標値の入力を受け付ける入力受付ステップと、
物性値が既知の材料の混合材料から前記目標値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題を定式化した数式を、前記計算装置が利用可能なデータ形式の前記イジングモデルに変換する変換ステップと、
前記イジングモデルを用いて、前記目標値に漸近する材料組成の最適解を算出する最適解算出ステップと、
算出した前記目標値に漸近する材料組成の最適解を出力する出力制御ステップと、
を有し、
前記数式は、
前記目標値に漸近する材料組成のうち、前記材料組成に含まれる材料の数が多いほど前記最適解として算出されにくく、前記材料組成に含まれる材料の数が少ないほど前記最適解として算出されやすくなるように定式化されていること
を特徴とする材料組成探索方法。
【0017】
[7] イジングモデルを用いたアニーリング方式の計算装置と通信ネットワークを介して接続されており、目標の物性値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題をイジングモデルに変換し、前記計算装置に解かせる材料組成探索装置であって、
少なくとも1つの物性の目標値の入力を受け付ける入力受付部と、
物性値が既知の材料の混合材料から前記目標値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題を定式化した数式を、前記計算装置が利用可能なデータ形式の前記イジングモデルに変換する変換部と、
変換された前記イジングモデルを前記計算装置に送信して、前記計算装置が算出した前記目標値に漸近する材料組成の最適解を前記計算装置から受信する連携部と、
受信した前記目標値に漸近する材料組成の最適解を出力する出力制御部と、
を有し、
前記数式は、
前記目標値に漸近する材料組成のうち、前記材料組成に含まれる材料の数が多いほど前記最適解として算出されにくく、前記材料組成に含まれる材料の数が少ないほど前記最適解として算出されやすくなるように定式化されていること
を特徴とする材料組成探索装置。
【0018】
[8] イジングモデルを用いたアニーリング方式の計算装置と通信ネットワークを介して接続されており、目標の物性値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題をイジングモデルに変換し、前記計算装置に解かせる材料組成探索装置を、
少なくとも1つの物性の目標値の入力を受け付ける入力受付部、
物性値が既知の材料の混合材料から前記目標値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題を定式化した数式を、前記計算装置が利用可能なデータ形式の前記イジングモデルに変換する変換部、
変換された前記イジングモデルを前記計算装置に送信して、前記計算装置が算出した前記目標値に漸近する材料組成の最適解を前記計算装置から受信する連携部、
受信した前記目標値に漸近する材料組成の最適解を出力する出力制御部、
として機能させ、
前記数式は、
前記目標値に漸近する材料組成のうち、前記材料組成に含まれる材料の数が多いほど前記最適解として算出されにくく、前記材料組成に含まれる材料の数が少ないほど前記最適解として算出されやすくなるように定式化されていること
を特徴とするプログラム。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、目標の物性値に漸近する材料組成の組合せ最適化問題の最適解を、材料組成に含まれる材料の数により変動する材料組成探索方法を用いる混合材料の生成方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図2】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図3】物性値が既知の溶媒情報の一例の構成図である。
図4】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図5】本実施形態に係る情報処理システムの材料組成探索方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。
図6】最適解となる溶媒の組合せ及び混合比の一例を示した構成図である。
図7】材料組成探索結果画面の一例のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本実施形態では、物性値が既知の材料を含む混合材料の最適化の一例として、物性値が既知の溶媒を含む混合溶媒の最適化について説明する。
【0022】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。図1の情報処理システム1は、アニーリング方式コンピュータ10、及び材料組成探索装置12を有している。アニーリング方式コンピュータ10及び材料組成探索装置12はローカルエリアネットワーク(LAN)又はインターネットなどの通信ネットワーク18を介してデータ通信可能に接続されている。
【0023】
アニーリング方式コンピュータ10は、イジングモデルを用いたアニーリングマシンであって、イジングモデルを用いたアニーリング方式の計算装置の一例である。アニーリング方式コンピュータ10は、量子コンピュータで実現してもよいし、アニーリング方式をデジタル回路で実現した計算機アーキテクチャであるデジタルアニーラ(登録商標)などで実現してもよい。
【0024】
アニーリングマシンは、イジングモデルに帰着させた組合せ最適化問題を、そのイジングモデルの収束動作により解く。イジングモデルとは、磁性体の振る舞いを表す統計力学上のモデルであり、磁性体のスピン間の相互作用によりエネルギー(ハミルトニアン)が最小となるようにスピンの状態が更新され、最終的にエネルギーが最小となるという性質がある。アニーリングマシンは、組合せ最適化問題をイジングモデルに帰着させ、エネルギーが最小となる状態を求めることにより、その状態を組合せ最適化問題の最適解として得ることができる。
【0025】
材料組成探索装置12は、PCなどのユーザが操作できる情報処理装置である。材料組成探索装置12は、タブレット端末、スマートフォンなどのユーザが操作可能な情報処理端末であってもよい。材料組成探索装置12は、イジングモデルに帰着させた組合せ最適化問題をアニーリングマシンに解かせる為に必要な情報の入力を受け付け、イジングモデルをアニーリング方式コンピュータ10に解かせる。
【0026】
材料組成探索装置12は、アニーリング方式コンピュータ10が解いた組合せ最適化問題の最適解を受信し、その最適解を表示装置に表示するなど、ユーザが確認できるように出力する。
【0027】
なお、図1の情報処理システム1は一例であって、ユーザが操作するユーザ端末(図示せず)を更に有し、ユーザ端末からユーザが材料組成探索装置12にアクセスして利用する形態であってもよい。
【0028】
また、アニーリング方式コンピュータ10はクラウドコンピューティングのサービスとして実現してもよい。例えばアニーリング方式コンピュータ10は、通信ネットワーク18経由でAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を呼び出すことにより利用可能であってもよい。さらに、アニーリング方式コンピュータ10はクラウドコンピューティングのサービスとして実現されたものに限定されず、オンプレミスにより実現されたものであってもよいし、他社が運用するものであってもよい。アニーリング方式コンピュータ10は、複数台のコンピュータにより実現してもよい。図1の情報処理システム1は、用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。
【0029】
<ハードウェア構成>
図1の材料組成探索装置12は、例えば図2に示すハードウェア構成のコンピュータ500により実現する。
【0030】
図2は、本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。図2のコンピュータ500は、入力装置501、表示装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507、及びHDD508などを備えており、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び表示装置502は接続して利用する形態であってもよい。
【0031】
入力装置501は、ユーザが各種信号を入力するのに用いるタッチパネル、操作キーやボタン、キーボードやマウスなどである。表示装置502は、画面を表示する液晶や有機ELなどのディスプレイ、音声や音などの音データを出力するスピーカ等で構成されている。通信I/F507はコンピュータ500がデータ通信を行うためのインタフェースである。
【0032】
また、HDD508は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、コンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。なお、コンピュータ500はHDD508に替えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSDなど)を利用するものであってもよい。
【0033】
外部I/F503は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータ500は外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
【0034】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505にはコンピュータ500の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0035】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置である。本実施形態に係る材料組成探索装置12は、後述するような各種機能を実現できる。なお、アニーリング方式コンピュータ10のハードウェア構成については説明を省略する。
【0036】
<組合せ最適化問題として解く課題例>
以下では、物性値が既知の複数の溶媒を混合して、目的物性が目標値に漸近(近似)する混合溶媒の混合比(構成割合)を、組合せ最適化問題として解く例を説明する。
【0037】
例えば本実施形態では図3に示すような物性値が既知の複数の溶媒を利用する。図3は物性値が既知の溶媒情報の一例の構成図である。図3の溶媒情報は、溶媒名で特定される溶媒ごとに一つ以上の物性の物性値が記録されている。図3では、一例として3つの物性δD、δP、及びδHの物性値が記録されている。
【0038】
本実施形態では、図3の溶媒情報から目的物性を選択するものとする。また、混合溶媒の目的物性の物性値は、以下の式(3)により算出するものとする。
【0039】
混合溶媒の物性値=Σ(単溶媒の物性値×混合比)…(3)
本実施形態では、図3の溶媒情報に含まれる溶媒の中から複数種類の溶媒を例えば1%刻みで混合して目的物性が目標値に漸近する混合溶媒の混合比を探索することを、組合せ最適化問題として解きたい課題とする。
【0040】
本実施形態では、解きたい課題を例えば以下の式(1)のように定式化する。
【0041】
【数3】

ただし、前記の式(1)において、
Eはエネルギー関数(評価関数)であり、
Lは、最適化する物性(目的物性)の数であり、
Nは、物性値が既知の溶媒の数であり、
k,iは、溶媒iの最適化したいk番目の目的物性の物性値であり、
iは、溶媒iの混合比(構成割合)をバイナリー法で表現した下記の式(2)であり、
【0042】
【数4】

k,0は、混合溶媒の最適化したいk番目の目的物性の目標値であり、
i,jは、溶媒iの混合比をバイナリー法で表現した場合の「0」又は「1」の数字であり、その溶媒iが比率cj含まれている場合に「0」、溶媒iが比率cj含まれていない場合に「1」となり、
jは、溶媒iの混合比をバイナリー法で表現した場合の係数であり、
αk、β、γは、重み定数である。
【0043】
上記の式(1)の右辺の第一項は、上記の式(3)により算出される混合溶媒の目的物性の物性値が、目的物性の目標値に近づくと小さくなる。また、上記の式(1)の右辺の第二項は、混合溶媒に含まれる溶媒の混合比(比率)の合計値が1(100%)であるときに「0」となる(小さくなる)項であって、制約項である。
【0044】
上記の式(2)の例では溶媒iの混合比の表現方法によって、溶媒iの混合比を表現するために必要な比率cjのノード数mが異なる。例えば溶媒iの混合比の第1の表現方法では、比率cjを(c1=2/100、c2=2/100、…c50=2/100)というようにノード数「m=50」で表すことができる。混合比の第2の表現方法では、比率cjを(c1=1/100、c2=1/100、…c100=1/100)というようにノード数「m=100」で表すことができる。混合比の第3の表現方法では、比率cjを(c1=64/100、c2=32/100、c3=16/100、c4=8/100、c5=4/100、c6=2/100、c7=1/100)というようにノード数「m=7」で表すことができる。また、混合比の第4の表現方法では、比率cjを(c1=512/1000、c2=256/1000、c3=128/1000、c4=64/1000、c5=32/1000、c6=16/1000、c7=8/1000、c8=4/1000、c9=2/1000、c10=1/1000)というようにノード数「m=10」で表すことができる。例えば混合比の第3の表現方法は、1%刻みで混合する場合に利用でき、1溶媒の混合比を表すために7ビットが必要となる。なお、0.1%刻みで混合する場合は、混合比の第4の表現方法に示したように1溶媒当たり10ビットが必要となる。
【0045】
上記の式(1)の右辺の第三項は、混合溶媒に含まれる溶媒の数(種類)が多いほど大きくなり、混合溶媒に含まれる溶媒の数が少ないほど小さくなる制約項である。例えば上記の式(1)の右辺の第三項に含まれる下記の式(4)は「0」又は「1」を算出する式である。式(4)から「1」が算出される場合は、ある溶媒iの全てのni,jが「1」であり、即ち、溶媒iが含まれていない。また、式(4)から「0」が算出される場合は、ある溶媒iの何れかのni,jが「0」であり、即ち、溶媒iが含まれている。このように、式(4)は溶媒iが含まれていない場合に「1」を算出する。なお、式(1)はnに関してm次となるため、m次のni,jを2次に落とす必要がある。例えば7次のni,j(7変数)は既存の技術により2次のni,j(12変数)で表現可能である。
【0046】
【数5】

したがって、上記の式(1)の右辺の第三項に含まれる下記の式(5)は、混合溶媒に含まれる溶媒の数を表している。
【0047】
【数6】

例えば上記の式(1)は、重み定数γを大きくすることで、混合溶媒に含まれる溶媒の数が最適解の算出に与える影響を大きくすることができる。また、上記の式(1)は重み定数γを小さくすることで、混合溶媒に含まれる溶媒の数が最適解の算出に与える影響を小さくすることができる。
【0048】
例えば上記の式(1)は、重み定数γを小さくすることで、混合溶媒に含まれる溶媒の数が増えても、目的物性が目標値に近い溶媒組成の場合に最小値となり、その溶媒組成が最適解として算出される。また、例えば上記の式(1)は、重み定数γを大きくすることで、目的物性が目標値から多少離れても、混合溶媒に含まれる溶媒の数が少ない溶媒組成の場合に最小値となり、その溶媒組成が最適解として算出される。
【0049】
したがって、ユーザは上記の式(1)の重み定数γを調整することで、最適解として算出される溶媒組成を、混合溶媒に含まれる溶媒の数により変動させることができる。
【0050】
定式化された上記の式(1)は、アニーリング方式コンピュータ10が利用可能であるデータ形式のイジングモデルに変換されたあと、材料組成探索装置12からアニーリング方式コンピュータ10に送信される。アニーリング方式コンピュータ10は、利用可能なデータ形式のイジングモデルを用いて、溶媒組成の最適解を算出する。
【0051】
算出された溶媒組成の最適解はアニーリング方式コンピュータ10から材料組成探索装置12に送信される。材料組成探索装置12はアニーリング方式コンピュータ10から受信した溶媒組成の最適解を、ユーザが確認できるように出力する。
【0052】
<構成>
本実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。図4は本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。なお、図4の構成図は、本実施形態の説明に不要な部分について適宜省略している。
【0053】
図4に示した情報処理システム1のアニーリング方式コンピュータ10は、呼出受付部20及び最適解算出部22を有する。また、材料組成探索装置12は、入力受付部30、定式化部32、変換部34、連携部36、出力制御部38、溶媒情報記憶部40、及び数式記憶部42を有する。
【0054】
入力受付部30は、ユーザから目的物性、及びその目的物性の目標値の入力を受け付ける入力インタフェースである。また、入力受付部30は利用する溶媒情報の入力をユーザから受け付けてもよい。入力受付部30は、入力された溶媒情報を溶媒情報記憶部40に記憶させる。
【0055】
定式化部32は、図3の溶媒情報に含まれる溶媒の中から複数種類の溶媒を例えば1%刻みで混合して目的物性が目標値に漸近する混合溶媒の混合比を探索するという課題を定式化した上記の式(1)の入力を受け付ける。また、定式化部32はユーザから重み定数αk、β、γの入力を受け付ける。
【0056】
定式化部32は例えば上記の式(1)を定義したプログラムにより上記の式(1)の入力を受け付ける。定式化部32は、入力された上記の式(1)を数式記憶部42に記憶させる。
【0057】
変換部34は、目的物性、その目的物性の目標値、及び上記の式(1)から、アニーリング方式コンピュータ10が利用可能なデータ形式のイジングモデルに変換する。連携部36は、変換部34により変換されたイジングモデルをアニーリング方式コンピュータ10に送信する。また、連携部36はアニーリング方式コンピュータ10が算出した最適解を受信する。
【0058】
出力制御部38は、連携部36が受信した最適解を表示装置502に表示して、ユーザに確認させる。表示装置502に表示される最適解は、ユーザが分かりやすい例えば混合溶媒の混合比として表示される。出力制御部38は、連携部36が受信した最適解から目的物性の物性値を算出し、目的物性の物性値を表示装置502に表示して、ユーザに確認させてもよい。
【0059】
呼出受付部20は、材料組成探索装置12からの呼び出しを受け付け、材料組成探索装置12で利用可能なデータ形式に変換されたイジングモデルを受信する。最適解算出部22は呼出受付部20が受信したイジングモデルのエネルギー(ハミルトニアン)が最小となる状態を求めることにより、目的物性が目標値に漸近する混合溶媒の混合比の最適解を探索する。呼出受付部20は探索した最適解を材料組成探索装置12に送信する。
【0060】
なお、図4の構成図は一例である。本実施形態に係る情報処理システム1の構成は様々考えることができる。
【0061】
<処理>
図5は、本実施形態に係る情報処理システムの材料組成探索方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。ステップS10において、材料組成探索装置12の入力受付部30は、ユーザから最適化する混合溶媒の目的物性と、その目的物性の目標値の入力を受け付ける。ここでは、ユーザから目的物性δD、δP、及びδHと、その目的物性の目標値(δD0、δP0、δH0)=(18.0、12.3、7.2)の入力を受け付けたとする。また、材料組成探索装置12の入力受付部30は、ユーザから重み定数αk、β、γの入力を受け付ける。
【0062】
ステップS12において、材料組成探索装置12の入力受付部30は、混合する溶媒の例えば図3に示した溶媒情報の入力を受け付ける。図3に示した溶媒情報は、混合する単溶媒の複数種類の物性の物性値を記憶している表データである。なお、溶媒情報の入力は溶媒情報記憶部40に記憶されている表データファイルを選択することで行うようにしてもよい。また、材料組成探索装置12の入力受付部30は、選択された表データファイルから混合する単溶媒と、混合溶媒の目的物性との選択を受け付けるようにしてもよい。
【0063】
ステップS14において、材料組成探索装置12の定式化部32及び変換部34は複数種類の溶媒を例えば1%刻みで混合して目的物性が目標値に漸近する混合溶媒の混合比を探索するという課題を定式化した上記の式(1)と、ステップS10で入力を受け付けた最適化する混合溶媒の目的物性と、その目的物性の目標値と、を用いて、アニーリング方式コンピュータ10が利用可能なデータ形式のイジングモデルを得る。
【0064】
なお、定式化した式(1)を評価関数の二次制約なし二値最適化(QUBO)形式に変換したり、アニーリング方式コンピュータ10が利用可能なデータ形式のイジングモデルに変換したり、する技術(ライブラリ)は、WebAPI等として提供されており、既存の技術である。変換部34は上記の式(1)を展開して、下記の式(6)に示すイジングモデルの行列要素Qi,jを計算し、この行列要素Qi,jをイジングモデルのパラメータとしてアニーリング方式コンピュータ10に送信する。
【0065】
E=ΣQi,jij+ΣQiii …(6)
【0066】
ステップS16において、イジングモデルのパラメータを受信したアニーリング方式コンピュータ10の最適解算出部22は、上記式(1)のハミルトニアンが最小となるni,jを最適解として求める。上記式(1)のハミルトニアンが最小となるni,jは目的物性が目標値に漸近する混合溶媒の混合比の最適解を表している。
【0067】
なお、上記したように、ni,jは溶媒iの混合比をバイナリー法で表現した場合の「0」又は「1」の数字が格納される変数である。ni,jは、その溶媒iが比率cj含まれている場合に「0」、溶媒iが比率cj含まれていない場合に「1」となる。例えば溶媒iが33%含まれている場合は、上記の混合比の第3の表現方法では{ni,j}=(1,0,1,1,1,1,0)となる。
【0068】
ステップS18において、材料組成探索装置12の連携部36はアニーリング方式コンピュータ10が求めた上記式(1)のハミルトニアンが最小となるni,jを最適解として受信する。
【0069】
出力制御部38は、連携部36が最適解として受信したni,jをユーザが分かりやすい情報に変換して出力する。出力制御部38は例えば最適解として受信したni,jから図6に示すような最適解となる混合溶媒の情報を出力できる。
【0070】
図6は最適解となる溶媒の組合せ及び混合比の一例を示した構成図である。図6では最適解の混合溶媒に含まれる溶媒と、その溶媒の混合比と、混合溶媒の物性値と、を含む情報の例を示している。混合溶媒の物性値は、上記の式(3)から算出できる。また、例えば図6の例では4種類の溶媒Acetone、Cyclohexanone、Sulfolane(Tetramethylene Sulfone)、及びTolueneを2:1:64:33の比で混合することで、目的物性δD、δP、及びδHが、その目的物性の目標値(δD0、δP0、δH0)=(18.0、12.3、7.2)に近い混合溶媒となる。
【0071】
例えば出力制御部38は、図7に示すような材料組成探索結果画面1000に、最適解となる混合溶媒の情報を出力してもよい。図7は材料組成探索結果画面の一例のイメージ図である。材料組成探索結果画面1000は、イジングモデルに帰着させた組合せ最適化問題をアニーリングマシンに解かせる為にユーザが入力した情報の表示欄1102、及び最適解となる混合溶媒の情報を出力する表示欄1104を表示する。
【0072】
表示欄1102には、ユーザが入力した情報の一例として、目的物性、目的物性の目標値、溶媒情報、及び重み定数が表示されている。また、表示欄1104には最適解となる混合溶媒の情報の一例として、混合溶媒の組成(混合溶媒に含まれる溶媒の種類と、その溶媒の混合比)及び目的物性の物性値が表示されている。
【0073】
図7の材料組成探索結果画面1000を確認することで、ユーザは最適解として得た混合溶媒の評価を行いやすくなる。また、ユーザは材料組成探索結果画面1000を確認した結果、他の混合溶媒を探索したければ、例えば上記の式(1)に含まれる重み定数を再調整したあと、図5に示したフローチャートの処理を行えばよい。重み定数の再調整は、ユーザが手動で行ってもよいし、重み定数の最適化を自動で行うプログラムなどを利用して行ってもよい。
【0074】
例えば混合溶媒に含まれる溶媒の種類を減らしたければ、ユーザは上記の式(1)の重み定数γを大きくすることで、目的物性が目標値から多少離れても、混合溶媒に含まれる溶媒の数が少ない溶媒組成の場合に最小値となり、ユーザの所望する溶媒組成が最適解として算出されやすくなる。
【0075】
図7の材料組成探索結果画面1000は一例であって、上記の式(1)に含まれる重み定数を再調整するための欄や、重み対数が再調整されたあとの上記の式(1)で最適解を再探索するための処理を実行させる再探索ボタンなどが設けられていてもよい。図7の材料組成探索結果画面1000は図6の構成図を含めて表示するようにしてもよい。
【0076】
最適解として探索した混合溶媒の情報は、混合する溶媒、及びその混合比を指定することで混合溶媒を生成する例えば混合溶媒生成装置の制御などに利用できる。また、上記の混合溶媒生成装置が生成した混合溶媒の物性は評価装置で評価できる。したがって、最適解として探索した混合溶媒の情報は、その混合溶媒の情報を指定して混合溶媒生成装置に生成させた混合溶媒の物性と比較することができ、その比較の結果をフィードバックすることで最適解の探索の精度を向上できる。
【0077】
以上、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、目的物性の目標値に漸近する混合溶媒の組成の組合せ最適化問題の最適解を、溶媒の混合数により人為的に増減させることが可能となる。
【0078】
以上、本実施形態について説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【0079】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々な変形が可能である。本願は、日本特許庁に2021年6月10日に出願された基礎出願2021―097381号の優先権を主張するものであり、その全内容を参照によりここに援用する。
【符号の説明】
【0080】
1 情報処理システム
10 アニーリング方式コンピュータ
12 材料組成探索装置
18 通信ネットワーク
20 呼出受付部
22 最適解算出部
30 入力受付部
32 定式化部
34 変換部
36 連携部
38 出力制御部
40 溶媒情報記憶部
42 数式記憶部
502 表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7