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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046824
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】梱包容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/20 20060101AFI20240329BHJP
   B65D 85/64 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
B65D19/20
B65D85/64 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152135
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100174089
【弁理士】
【氏名又は名称】郷戸 学
(74)【代理人】
【識別番号】100186749
【弁理士】
【氏名又は名称】金沢 充博
(72)【発明者】
【氏名】荒関 良洋
【テーマコード(参考)】
3E037
3E063
【Fターム(参考)】
3E037AA20
3E037BA03
3E037BA07
3E037CA02
3E063AA09
3E063BA10
3E063BB08
3E063CA03
3E063CA08
3E063CB01
3E063CC04
3E063CD08
3E063CD11
3E063EE01
3E063EE05
3E063FF06
(57)【要約】
【課題】製品を搬送するときの安全性を向上させ、かつ製品の損傷を防ぐことができる梱包容器を提供する。
【解決手段】梱包容器は、フォークリフトの爪が挿入される穴5を有し、製品100が置かれるパレット1と、パレット1上に置かれ、製品100を覆う外箱2と、パレット1と外箱2を連結する連結具3を備える。パレット1および外箱2は、段ボールから構成されている。パレット1は、上方に折り曲げられた複数の底フラップ28を有しており、複数の底フラップ28は、連結具3により外箱2の側壁10A,10Bの外面に固定されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を梱包し、フォークリフトで搬送するための梱包容器であって、
フォークリフトの爪が挿入される穴を有し、前記製品が置かれるパレットと、
前記パレット上に置かれ、前記製品を覆う外箱と、
前記パレットと前記外箱を連結する連結具を備え、
前記パレットおよび前記外箱は、段ボールから構成されており、
前記パレットは、
底板と、
前記底板上に配置された、前記穴を形成するブロックと、
前記ブロック上に配置された上板を有し、
前記底板は、上方に折り曲げられた複数の底フラップを有しており、前記複数の底フラップは、前記連結具により前記外箱の側壁の外面に固定されている、梱包容器。
【請求項2】
上方に折り曲げられた前記複数の底フラップは、互いに隣接している、請求項1に記載の梱包容器。
【請求項3】
前記外箱は、前記底板上に置かれている、請求項1に記載の梱包容器。
【請求項4】
前記外箱の前記側壁は、互いに隣接する第1側壁および第2側壁を含み、
前記外箱は、前記第1側壁の上端に接続された内フラップと、前記第2側壁の上端に接続された外フラップを有しており、
前記外フラップの一部は、前記外箱の内側に折り曲げられて、フラップストッパを構成しており、
前記内フラップは、前記フラップストッパにより下から支持されている、請求項1に記載の梱包容器。
【請求項5】
前記第1側壁と前記内フラップとの接続部の少なくとも一部は、谷折りされて、収納ポケットを形成している、請求項1に記載の梱包容器。
【請求項6】
前記上板は、重ね合わされた上側上板と下側上板を有し、
前記上側上板は、ボルトが貫通可能なボルト挿入孔を有しており、
前記下側上板は、前記ボルト挿入孔に連通する切り欠きまたは通孔を有しており、
前記切り欠きまたは前記通孔は、前記ボルト挿入孔よりも大きい、請求項1に記載の梱包容器。
【請求項7】
前記パレットは、前記外箱を構成する段ボールよりも高い強度を有する強化段ボールから構成されている、請求項1に記載の梱包容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品を梱包し、フォークリフトで搬送するための梱包容器に関し、特に段ボールで構成された梱包容器に関する。
【背景技術】
【0002】
工場で製造された製品は、一般に、段ボール容器に梱包され、段ボール容器とともに搬送される。製品が機械などの重量物である場合は、製品が収容された段ボール容器は、フォークリフトで搬送される。より具体的には、図15に示すように、製品が収容された段ボール容器501は、フォークリフトの爪(フォーク)が挿入される穴を持つパレット502上に置かれ、そして、パレット502とともにフォークリフトにより持ち上げられ、搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-179367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フォークリフトでパレット502および段ボール容器501を持ち上げるとき、次のような問題が起こることがある。すなわち、図16に示すように、横に並んだ複数のパレット502上に複数の段ボール容器501が置かれている場合、ある段ボール容器501が2つのパレット502を跨いで置かれていることがある。このような場合に、パレット502を持ち上げると、段ボール容器501がパレット502から落下してしまうおそれがある。
【0005】
また、製品が収容された段ボール容器501がパレット502上に置かれていないときは、フォークリフトを使用できないため、作業員が手でその段ボール容器501を移動させようとすることがある。その場合、作業員は、まず、製品が収容された段ボール容器501を少し傾けた後、段ボール容器501を持ち上げようと試みる。しかしながら、段ボール容器501を傾けたとき、その中の製品が段ボール容器501の側壁に接触し、側壁を突き破るのみならず、製品に傷が付くことがあった。
【0006】
そこで、本発明は、製品を搬送するときの安全性を向上させ、かつ製品の損傷を防ぐことができる梱包容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、製品を梱包し、フォークリフトで搬送するための梱包容器であって、フォークリフトの爪が挿入される穴を有し、前記製品が置かれるパレットと、前記パレット上に置かれ、前記製品を覆う外箱と、前記パレットと前記外箱を連結する連結具を備え、前記パレットおよび前記外箱は、段ボールから構成されており、前記パレットは、底板と、前記底板上に配置された、前記穴を形成するブロックと、前記ブロック上に配置された上板を有し、前記底板は、上方に折り曲げられた複数の底フラップを有しており、前記複数の底フラップは、前記連結具により前記外箱の側壁の外面に固定されている、梱包容器が提供される。
【0008】
一態様では、上方に折り曲げられた前記複数の底フラップは、互いに隣接している。
一態様では、前記外箱は、前記底板上に置かれている。
一態様では、前記外箱の前記側壁は、互いに隣接する第1側壁および第2側壁を含み、前記外箱は、前記第1側壁の上端に接続された内フラップと、前記第2側壁の上端に接続された外フラップを有しており、前記外フラップの一部は、前記外箱の内側に折り曲げられて、フラップストッパを構成しており、前記内フラップは、前記フラップストッパにより下から支持されている。
一態様では、前記第1側壁と前記内フラップとの接続部の少なくとも一部は、谷折りされて、収納ポケットを形成している。
一態様では、前記上板は、重ね合わされた上側上板と下側上板を有し、前記上側上板は、ボルトが貫通可能なボルト挿入孔を有しており、前記下側上板は、前記ボルト挿入孔に連通する切り欠きまたは通孔を有しており、前記切り欠きまたは前記通孔は、前記ボルト挿入孔よりも大きい。
一態様では、前記パレットは、前記外箱を構成する段ボールよりも高い強度を有する強化段ボールから構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の段ボール製梱包容器は、パレットと外箱が一体に構成されるので、外箱とその内部の製品がパレットに対して位置ずれすることがない。したがって、フォークリフトで安全に梱包容器を持ち上げることができる。また、パレットと外箱が一体であるので、常にフォークリフトで梱包容器を搬送することができ、作業員が手で持ち運ぶ必要性がない。したがって、作業員が梱包容器を傾けたときに起こりうる製品の損傷などの事故を防ぐことができる。
【0010】
本発明の梱包容器は、段ボールで構成されている。床が水で濡れている場合、水は、通常、段ボールの断面から浸入しやすい。本発明では、底パレットは、上方に折り曲げられ、外箱の下端の断面を覆っている。このような構成により、床が水で濡れている場合であっても、水が外箱の下端に接触することを防ぎ、外箱の強度を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】梱包容器の一実施形態を示す斜視図である。
図2図1に示す梱包容器の分解斜視図である。
図3】パレットの一実施形態を示す分解斜視図である。
図4】ボルト挿入孔および切り欠きの一実施形態を示す断面図である。
図5】外箱の一実施形態を示す斜視図である。
図6】外箱の内フラップを閉じる様子を示す図である。
図7】外箱の外フラップを閉じる様子を示す図である。
図8】外箱に形成された収納ポケットの一実施形態を示す斜視図である。
図9図8に示す収納ポケットを覆うためのポケットカバーの一実施形態を示す斜視図である。
図10】収納ポケットをポケットカバーで覆った状態を示す斜視図である。
図11】収納ポケットをポケットカバーで覆った後に、外フラップを閉じた状態を示す斜視図である。
図12】梱包容器に製品を収納する工程を説明する図である。
図13】梱包容器に製品を収納する工程を説明する図である。
図14】梱包容器に製品を収納する工程を説明する図である。
図15】従来の段ボール容器とパレットを示す概略図である。
図16】複数のパレット上に置かれた複数の段ボール容器を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、梱包容器の一実施形態を示す斜視図であり、図2は、図1に示す梱包容器の分解斜視図である。梱包容器は、製品を梱包し、フォークリフトで搬送する用途に使用される。図1および図2に示すように、梱包容器は、製品100が置かれるパレット1と、パレット1上に置かれた外箱2と、パレット1と外箱2を連結する複数の連結具3を備えている。パレット1は、フォークリフトの爪が挿入される穴5を有している。パレット1上に置かれた製品100は、外箱2によって覆われる。
【0013】
外箱2は、側壁10A,10Bと、外箱2の天面を構成する外フラップ14を有する。外箱2の形状は、製品100の形状に合わせて予め定められている。本実施形態では、外箱2およびパレット1は四角形であるが、五角形、六角形などの他の形状を有する多角形状であってもよい。梱包容器内に収納される製品100は特に限定されない。製品100の例としては、給水装置、ポンプ装置、水槽など、工場で製造された機械が挙げられる。
【0014】
パレット1の全体および外箱2の全体は、段ボールから構成されている。本実施形態では、パレット1は、外箱2を構成する段ボールよりも高い強度を有する強化段ボールから構成されている。図2の符号51は、後述する収納ポケットを覆うポケットカバーである。
【0015】
図2に示すように、パレット1は、底板21と、底板21上に配置された複数のブロック22と、ブロック22上に配置された上板23を有している。底板21、ブロック22、および上板23は、段ボールから構成されている。本実施形態では、3つのブロック22が並列に配置されており、ブロック22の間には、フォークリフトの爪が挿入される穴5が形成されている。フォークリフトの爪が挿入される穴5が形成されている限りにおいて、1つまたは2つのブロック22、または4つ以上のブロック22が設けられてもよい。
【0016】
底板21は、外側に突出する4つの底フラップ28を有している。これら底フラップ28のうちの2つは、フォークリフトの爪が挿入される穴28aを有している。底フラップ28は上方に折り曲げ可能に構成されている。より具体的には、図1に示すように、外箱2が底板21の上に置かれた後、底フラップ28は上方に折り曲げられ、底フラップ28は、図1に示す連結具3により外箱2の側壁10A,10Bの外面に固定される。上方に折り曲げられる前の底フラップ28は、ブロック22および外箱2よりも外側に突出している。
【0017】
連結具3は、特に限定されないが、本実施形態では、取り付けおよび取り外しが容易なスクリューアンカーが使用されている。スクリューアンカーは市場で入手可能である。連結具3の他の例としては、ステープル、ねじ、リベットなどが挙げられる。
【0018】
図1に示すように、上方に折り曲げられた複数の底フラップ28は、互いに隣接しており、各底フラップ28の側縁は、隣接する底フラップ28の側縁に接触している。言い換えれば、上方に折り曲げられた複数の底フラップ28は、その内側に閉じられた空間を形成し、その閉じられた空間内に外箱2の下端が配置される。
【0019】
床が水で濡れている場合、水は、通常、段ボールの断面から浸入しやすい。本実施形態では、底フラップ28は、上方に折り曲げられ、外箱2の下端の断面を覆っている。このような構成により、床が水で濡れている場合に、水が外箱2の下端に接触することを防ぎ、外箱2の強度を維持することができる。
【0020】
図3は、パレット1の一実施形態を示す分解斜視図である。上板23は、上側上板23Aと下側上板23Bを有する。上側上板23Aおよび下側上板23Bは、重ね合わされて上板23を形成する。上側上板23A、下側上板23B、複数のブロック22、および底板21は、底板21、複数のブロック22、下側上板23B、上側上板23Aの順に重ねられる。底板21は、最も下に位置した部材であり、底板21の下面は、梱包容器の底面を構成する。上側上板23A、下側上板23B、複数のブロック22、および底板21は、接着剤により互いに固定されている。上方に折り曲げられる前の底フラップ28は、ブロック22よりも外側に突出している。
【0021】
上側上板23A、下側上板23B、複数のブロック22、および底板21は、強化段ボールから構成されている。各ブロック22は、横に積層された複数の段ボール(本実施形態では強化段ボール)から構成されている。図3に示す例では、3つのブロック22が並列に並べられ、ブロック22の間には隙間がある。この隙間は、フォークリフトの爪が挿入される穴5を形成する。上側上板23Aは、ボルトが貫通可能なボルト挿入孔30を有している。ボルトは、製品100をパレット1に固定するために使用される。下側上板23Bは、ボルト挿入孔30に連通する切り欠き31を有している。この切り欠き31は、上側上板23Aの下面から下方に突出するボルトの頭部を収容するためのヘッド収容空間32を形成する。
【0022】
図4は、ボルト挿入孔30および切り欠き31の一実施形態を示す断面図である。図4に示すように、ボルト挿入孔30と切り欠き31は同じ位置にあり、互いに連通している。切り欠き31は、ボルト挿入孔30よりも大きく、より具体的には、ボルト35の頭部35aよりも大きい。ボルト35は、ボルト挿入孔30に下から挿入され、製品100の底部に設けられている穴(図示せず)に挿入され、ナット36をボルト35に締め付けることで製品100はパレット1に固定される。
【0023】
本実施形態では、ボルト35の頭部35aと上側上板23Aの下面との間には座金41が挟まれている。座金41は、ボルト35の頭部35aよりも大きく、上側上板23Aとの接触面積を大きくして、固定強度を向上させることができる。切り欠き31は、座金41およびボルト35の頭部35aよりも大きい。ナット36と製品100のステー101との間には座金42が挟まれている。座金42は、梱包容器の輸送中および荷役中にナット36が緩むことを防止し、さらにナット36を締め付けるときにナット36が製品100のステー101を傷つけてしまうことを防止することができる。一例では、座金41には角型平座金が使用され、座金42には丸型座金が使用される。
【0024】
下側上板23Bの厚さは、ボルト35の頭部35aの厚さよりも大きく、ボルト35の頭部35aの最下面は、下側上板23Bの下面よりも上に位置している。すなわち、ボルト35の頭部35aは、下側上板23Bから下方に突出しない。ボルト35の頭部35aの全体は、切り欠き31により形成されたヘッド収容空間32内に位置している。ボルト35の頭部35aは、下側上板23Bから下方に突出しないので、フォークリフトで梱包容器を持ち上げるときに、フォークリフトの爪はボルト35の頭部35aに接触せず、梱包容器の姿勢および位置が安定する。
【0025】
ボルト挿入孔30および切り欠き31の数および配置は、製品100によって変わりうるため、ボルト挿入孔30および切り欠き31の数および配置は、図3に示す実施形態に限定されない。本実施形態では、ボルト35の頭部35aを収容するヘッド収容空間32は切り欠き31によって構成されているが、一実施形態では、切り欠き31に代えて、下側上板23Bを貫通する通孔によりヘッド収容空間32が形成されてもよい。
【0026】
図5は、外箱2の一実施形態を示す斜視図である。外箱2は、複数の側壁10A,10Bと、側壁10Aの上端に接続された内フラップ13と、側壁10Bの上端に接続された外フラップ14を有している。側壁10Bは、フォークリフトの爪がパレット1の穴5内に挿入されることを許容する切り欠き38を有している。これらの切り欠き38は側壁10Bの下部に位置している。切り欠き38に代えて通孔が形成されてもよい。一実施形態では、切り欠き38は、側壁10Aに形成され、パレット1の穴5は側壁10Aの切り欠き38に連通してもよい。
【0027】
側壁10Aおよび側壁10Bは、互いに隣接している。内フラップ13および外フラップ14は、外箱2の天板を構成している。図5は、内フラップ13および外フラップ14が開いている状態を示している。内フラップ13は、最初に閉じられ、次いで外フラップ14が閉じられる。したがって、外箱2の天板は、内フラップ13と、その上の外フラップ14から構成される。
【0028】
外フラップ14の一部は、外箱2の内側に折り曲げられて、フラップストッパ45を構成している。フラップストッパ45は、内フラップ13がその自重または外からの力に起因して下方に移動することを防止し、内フラップ13が外箱2内の製品100に接触して製品100に傷を付けることを防止する役割を持つ。すなわち、最初に、図5に示すように、内フラップ13および外フラップ14が開いている状態で、フラップストッパ45を内側に折り曲げる。その後、図6に示すように、内フラップ13を閉じる。内フラップ13の下面は、フラップストッパ45に接触し、内フラップ13はフラップストッパ45により下から支持される。フラップストッパ45は、内フラップ13がその自重や外からの力で下方に移動することを防止することができる。その後、図7に示すように、外フラップ14が閉じられ、内フラップ13は外フラップ14により覆われる。2つの外フラップ14は、図示しない留め具(例えばステープル)などにより互いに固定される。
【0029】
本実施形態では、内フラップ13および外フラップ14は両開き構造であるが、一実施形態では片開き構造であってもよい。
【0030】
図5に示すように、外箱2は、側壁10Aの上部から内フラップ13の下部まで延びる切り込み線48を有している。この切り込み線48は、以下に説明する収納ポケットを形成するために予め形成されている。
【0031】
図8は、外箱2に形成された収納ポケットの一実施形態を示す斜視図である。図8に示すように、内フラップ13を閉じながら、側壁10Aと内フラップ13との接続部の一部は、谷折りされて、収納ポケット50を形成する。側壁10Aの一部は、収納ポケット50の外側に位置するカバーストッパ55を構成する。内フラップ13には、後述するポケットカバーを取り外しやすくするための孔57が形成されている。収納ポケット50には、外箱2内に収納される製品100の付属品などが収納される。一実施形態では、側壁10Aと内フラップ13との接続部の全体が谷折りされて、収納ポケット50を形成してもよい。
【0032】
図9は、図8に示す収納ポケット50を覆うためのポケットカバー51の一実施形態を示す斜視図である。ポケットカバー51は、外箱2と同様に、段ボールから構成されている。
【0033】
図10は、収納ポケット50を図9に示すポケットカバー51で覆った状態を示す斜視図である。ポケットカバー51は、側壁10Aの一部から構成されたカバーストッパ55よりも内側に配置される。カバーストッパ55は、谷折りされずに立ち上がった形状を有しており、カバーストッパ55は、ポケットカバー51が外箱2から外れてしまうことを防止する。収納ポケット50をポケットカバー51で覆った後、図11に示すように、外フラップ14が閉じられ、これにより、ポケットカバー51は、外フラップ14により上から押さえつけられる。
【0034】
次に、梱包容器に製品100を収納し、梱包容器を組み立てる工程について、説明する。図12に示すように、パレット1の底フラップ28が展開された状態で、製品100をパレット1上に置く。次いで、図4を参照して説明したように、ボルト35およびナット36により製品100をパレット1の上板23に固定する。図13に示すように、外箱2を製品100に上から被せ、外箱2をパレット1の底板21上に置く。図14は、外箱2がパレット1の底板21上に置かれた状態を示す斜視図である。底フラップ28は、外箱2よりも外側に突出している。底フラップ28を上方に折り曲げ、連結具3(図1参照)により底フラップ28を外箱2の側壁10A,10Bに固定する。これにより、図1に示すような、梱包容器が完成する。
【0035】
上述した段ボール製梱包容器は、パレット1と外箱2が一体に構成されるので、外箱2とその内部の製品100がパレット1に対して位置ずれすることがない。したがって、フォークリフトで安全に梱包容器を持ち上げることができる。また、パレット1と外箱2が一体であるので、常にフォークリフトで梱包容器を搬送することができ、作業員が手で持ち運ぶ必要性がない。したがって、作業員が梱包容器を傾けたときに起こりうる製品100の損傷などの事故を防ぐことができる。
【0036】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0037】
1 パレット
2 外箱
3 連結具
5 穴
10A,10B 側壁
13 内フラップ
14 外フラップ
21 底板
22 ブロック
23 上板
23A 上側上板
23B 下側上板
28 底フラップ
28a 穴
30 ボルト挿入孔
31 切り欠き
32 ヘッド収容空間
35 ボルト
35a 頭部
36 ナット
38 切り欠き
41,42 座金
45 フラップストッパ
48 切り込み線
50 収納ポケット
51 ポケットカバー
55 カバーストッパ
57 孔
100 製品
101 ステー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16