(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046900
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】ケース、画像表示装置、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G02B 30/10 20200101AFI20240329BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240329BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240329BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
G02B30/10
G09F9/00 350Z
G09F9/00 366G
G09F9/00 361
G09G5/00 550C
G09G5/00 530T
G09G5/36 510V
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152258
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 隼人
(72)【発明者】
【氏名】岡市 直人
(72)【発明者】
【氏名】加納 正規
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 久幸
(72)【発明者】
【氏名】洗井 淳
【テーマコード(参考)】
2H199
5C182
5G435
【Fターム(参考)】
2H199BA19
2H199BA42
2H199BB03
2H199BB04
5C182AA03
5C182AA26
5C182AA28
5C182AB08
5C182AC02
5C182AC43
5C182AC46
5C182BA01
5C182BA06
5C182BA39
5C182CC21
5C182DA02
5G435AA00
5G435AA17
5G435CC09
5G435CC11
5G435EE02
5G435EE16
5G435EE49
5G435GG06
5G435LL07
5G435LL08
(57)【要約】
【課題】 簡易な構成によって、3次元画像と2次元画像とを切り替え可能なケースの提供を目的とする。
【解決手段】 開示の一態様に係るケースは、3次元画像を観察者に視認させる第1画像又は2次元画像を前記観察者に視認させる第2画像のどちらか一方を切替表示可能な表示部を有する携帯型端末のケースであって、前記携帯型端末を収め、少なくとも前記携帯型端末の前記表示部を露出させる開口部を有する端末収納部と、レンズアレイ及びレンチキュラーレンズの少なくとも一方を含むレンズ部と、を有し、前記携帯型端末が前記第1画像を表示する場合、前記レンズ部は、前記開口部から露出された前記表示部と前記観察者の間に配置され、前記携帯型端末が前記第2画像を表示する場合、前記レンズ部は、前記表示部から離れる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元画像を観察者に視認させる第1画像又は2次元画像を前記観察者に視認させる第2画像のどちらか一方を切替表示可能な表示部を有する携帯型端末のケースであって、
前記携帯型端末を収め、少なくとも前記携帯型端末の前記表示部を露出させる開口部を有する端末収納部と、
レンズアレイ及びレンチキュラーレンズの少なくとも一方を含むレンズ部と、
を有し、
前記携帯型端末が前記第1画像を表示する場合、前記レンズ部は、前記開口部から露出された前記表示部と前記観察者の間に配置され、
前記携帯型端末が前記第2画像を表示する場合、前記レンズ部は、前記表示部から離れる、
ケース。
【請求項2】
前記レンズ部は、前記端末収納部と連結するヒンジ部を有し、
前記携帯型端末が前記第1画像を表示する場合、前記レンズ部が、前記ヒンジ部を軸として前記端末収納部側に回動することで、前記表示部と前記観察者との間に配置される、
請求項1に記載のケース。
【請求項3】
前記レンズ部が、前記表示部と前記観察者との間に配置された状態で、前記レンズ部を前記端末収納部に固定する固定部を更に有し、
前記固定部は、
前記レンズ部側に設けられる第1固定要素部と、
前記端末収納部側に設けられると共に、前記レンズ部が、前記表示部と前記観察者との間に配置される場合、前記第1固定要素部と向き合い、前記第1固定要素部に接続する第2固定要素部と、を有する、
請求項1又は2に記載のケース。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のケースと、
前記ケースに収納され、前記第1画像と前記第2画像とを切替表示する携帯型端末と、
を有する画像表示装置。
【請求項5】
前記ケースは、
前記レンズ部が、前記表示部と前記観察者との間に配置される場合、前記レンズ部を前記端末収納部に固定する固定部を更に有し、
前記固定部は、
前記レンズ部側に設けられる第1固定要素部と、
前記端末収納部側に設けられると共に、前記レンズ部が、前記表示部と前記観察者との間に配置される場合、前記第1固定要素部と向き合い、前記第1固定要素部に接続する第2固定要素部と、を有し、
前記第1固定要素部と前記第2固定要素部とは、共に磁石であり、
前記携帯型端末は、
少なくとも前記第1固定要素部からの磁気を検出する磁気センサを有し、
前記磁気センサによって検出された磁界強度に基づき、前記レンズ部が前記表示部と前記観察者との間に配置されていることを検出する場合、前記第1画像を表示し、前記レンズ部が前記表示部から離れていることを検出する場合、前記第2画像を表示する、
請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
端末収納部と、レンズアレイ及びレンチキュラーレンズの少なくとも一方を含むレンズ部と、を有するケースに収納される携帯型端末を、
観察者に3次元画像を視認させるための第1画像を表示する第1画像表示手段、
前記観察者に2次元画像を視認させるための第2画像を表示する第2画像表示手段、
前記レンズ部が、前記携帯型端末の表示部と前記観察者との間に配置される場合に前記第1画像を表示し、前記レンズ部が、前記表示部から離れる場合に前記第2画像を表示するよう、前記第1画像と前記第2画像とを切り替える画像切替手段、
として機能させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ケース、画像表示装置、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
専用のメガネを用いて、観察者に3次元画像を認識させる2眼式の3次元画像表示技術をはじめ、多種多様な3次元画像表示技術が提案されている。その中で、インテグラル・フォトグラフィの原理を応用して、被写体の3次元画像を表示する3次元画像表示装置(以下、「インテグラル方式に基づく3次元画像表示装置」と言う場合がある)は、2眼式のような専用のメガネを用いる必要がなく、水平・垂直の両方向の視差を有する3次元画像を提供できるなどの利点を有する(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
インテグラル方式に基づく3次元画像表示装置は、2次元状に配列される複数の要素画像から構成される要素画像群を表示する表示デバイスと、各要素画像と対向するよう配置される複数の微小な要素レンズから構成されるレンズアレイと、を有する。観察者は、レンズアレイを通じて、表示デバイスに表示される要素画像群を観視することで、専用のメガネを用いることなく3次元像を視認することができる。
【0004】
ところで、インテグラル方式に基づく3次元画像表示装置によって表示される3次元画像の最大画素数は、レンズアレイの要素レンズの数に制限される。これは、一般の表示デバイスにおける画素数の数百分の一程度の画素数に相当する。そのため、インテグラル方式に基づく3次元画像表示装置を用いて、文字など、細かな形状を有する被写体を精細に表示することが難しい。
【0005】
これに対して、例えば、表示デバイスの画像表示モードを、要素画像群を表示する3次元画像表示モードに加え、高画素の2次元画像を表示する2次元画像表示モードを有するように構成すれば、レンズアレイを取り外すことで、表示デバイスから高精細な2次元画像を表示することができる。これにより、細かな形状を有する被写体を精細に表示することが可能である。また、表示デバイスで表示される画像を切り替える度に、レンズアレイを着脱する手間を省くため、レンズアレイの前面に透過型液晶パネルを新たに配置する発明が、特許文献1及び非特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0033741号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】F. Okano, H. Hoshino, J. Arai, and I. Yuyama, "Real-time pickup method for a three-dimensional image based on integral photography," Applied Optics, Vol. 36, No. 7, pages. 1598-1603 (1997).
【非特許文献2】Y. Oh, D. Shin, B.-G. Lee, and S.-I. Jeong, "Three-dimensional/two-dimensional convertible integral imaging displays system using an active mask," Journal of the Korea Institute of Information and Communication Engineering, Vol. 18, No. 12, pages. 3055-3062 (2014).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1及び非特許文献2に開示の発明は、透過型液晶パネルを別途有することから、装置の構造が複雑化する。また、透過型液晶パネルを介して、表示デバイスから発せられる画像を投影するため、観察者に到達するまでに画像の輝度が低下する。そのため、表示される3次元画像と2次元画像が暗くなるという課題も生じる。
【0009】
開示の技術は、簡易な構成によって、3次元画像と2次元画像とを切り替え可能なケースの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示の技術の一態様に係るケースは、3次元画像を観察者に視認させる第1画像又は2次元画像を前記観察者に視認させる第2画像のどちらか一方を切替表示可能な表示部を有する携帯型端末のケースであって、前記携帯型端末を収め、少なくとも前記携帯型端末の前記表示部を露出させる開口部を有する端末収納部と、レンズアレイ及びレンチキュラーレンズの少なくとも一方を含むレンズ部と、を有し、前記携帯型端末が前記第1画像を表示する場合、前記レンズ部は、前記開口部から露出された前記表示部と前記観察者の間に配置され、前記携帯型端末が前記第2画像を表示する場合、前記レンズ部は、前記表示部から離れる。
【発明の効果】
【0011】
開示の技術によれば、簡易な構成によって、3次元画像と2次元画像とを切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】第1実施形態に係るケースの垂直断面図である。
【
図3】レンズ部及びカバー部が閉じた状態のケースの垂直断面図である。
【
図4】カバー部が開いた状態のケースの垂直断面図である。
【
図5】レンズ部が開いた状態のケースの垂直断面図である。
【
図6】第2実施形態に係る画像表示装置の垂直断面図である。
【
図7】第2実施形態の画像表示装置における携帯型端末の制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】第2実施形態の画像表示装置における携帯型端末の制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】第3実施形態に係る画像表示装置の垂直断面図である。
【
図10】第3実施形態の画像表示装置における携帯型端末の制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】第3実施形態の画像表示装置における携帯型端末の制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して発明の実施形態について説明する。各図面において、同一構成部には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。なお、本実施形態において、図示されるX方向は、ケース1の左右方向に対応する。Y方向は、ケース1の前後方向に対応する。Z方向は、ケース1の上下方向に対応する。X方向、Y方向、Z方向は、それぞれ直交する。
【0014】
<第1実施形態>
[ケースの構成]
図1及び
図2を参照して、第1実施形態に係るケース1の構成を説明する。
図1は、ケース1の構成例を示す斜視図である。
図2は、
図1に示されるA-A線に沿ってケース1を切断した垂直断面図である。
【0015】
図1及び
図2に示されるように、本実施形態のケース1は、携帯型端末10を収納する端末収納部20と、レンズ部30と、カバー部40と、を有する。
【0016】
端末収納部20は、矩形状の平面形状を有する底壁21と、底壁21の4つの辺縁からそれぞれZ方向上側に立ち上がる側壁22a~22dと、を有する樹脂製の箱型部材である。互いに対向する側壁22aと側壁22bは、Y方向に沿って延在する。また、互いに対向する側壁22cと側壁22dは、X方向に沿って延在する。また、端末収納部20の上方側は、開口する。この開口領域を、以下「開口部23」と言う場合がある。
【0017】
携帯型端末10は、3次元画像を観察者に視認させる第1画像又は2次元画像を前記観察者に視認させる第2画像のどちらか一方を切替表示可能な表示部11を有する。また、携帯型端末10は、端末収納部20の底壁21、側壁22a~22dで囲まれる空間内に収納される。このとき、携帯型端末10において、少なくとも表示部11は、開口部23から露出する。ここで、第1画像及び第2画像、並びに第1画像に基づき提供される3次元画像及び第2画像に基づき提供される2次元画像は、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。
【0018】
携帯型端末10の側面12が、外側に向けて湾曲する場合、端末収納部20の側面12と対向する側壁(例えば、側壁22a,22b)も、側面12の湾曲形状に合わせて外側に湾曲することが好ましい。
【0019】
携帯型端末10の例として、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)端末等の観察者が携帯する各種情報通信端末が挙げられる。また、携帯型端末10の表示部11は、第1画像と第2画像とを所望のタイミングで切り替えて表示する。なお、携帯型端末10の表示部11で表示される第1画像は、レンズアレイやレンチキュラーレンズ等のレンズ部を通じて視聴者に観視されることで、立体感が付与される画像である。
【0020】
本実施形態の場合、携帯型端末10の表示部11は、第1画像として、インテグラル方式に基づく要素画像から構成される要素画像群を表示する。
【0021】
これに対して、携帯型端末10の表示部11は、第2画像を表示する場合、第1画像の要素画像の数よりも画素数が多い画像を表示する。第2画像の画素数は、第1画像の要素画像の数よりも多ければ、特に限定されないが、一例として、3840×2160画素や7680×4320画素が挙げられる。
【0022】
本実施形態のレンズ部30は、2次元状に配列される複数の微小な要素レンズから構成されるレンズアレイである。また、レンズ部30は、携帯型端末10の表示部11から第1画像が表示される場合、表示部11と観察者との間に配置される。このとき、レンズアレイにおける複数の要素レンズは、表示部11で表示される要素画像群の各要素画像と対向する。
【0023】
ただし、レンズ部30は、これに限られず、レンチキュラーレンズであってもよい。レンチキュラーレンズは、例えば、携帯型端末10の表示部11とは反対側に凸となる複数のシリンドリカルレンズから構成される。この場合、携帯型端末10の表示部11で表示される第1画像は、レンチキュラーレンズ方式に基づき3次元画像を表示するための画像に対応する。また、レンズ部30は、レンチキュラーレンズとレンズアレイの双方を含むものであってもよい。
【0024】
図1及び
図2に示されるように、レンズ部30は、第1ヒンジ部51を介して端末収納部20と連結する。すなわち、レンズ部30は、第1ヒンジ部51を軸に、回動可能に端末収納部20に取り付けられる。本実施形態の場合、レンズ部30のY方向に沿う第1側端31が、第1ヒンジ部51を介して、端末収納部20の側壁22aに取り付けられる。
【0025】
レンズ部30が、第1ヒンジ部51を軸に端末収納部20側に回動することで、レンズ部30は、端末収納部20の開口部23から露出する携帯型端末10の表示部11と対向する。これに対して、レンズ部30が、これとは逆方向に回動することで、レンズ部30は、携帯型端末10から離れる。
【0026】
ここで、「レンズ部30が携帯型端末10の表示部11と対向する」状態とは、少なくともレンズ部30の第1面32が、携帯型端末10の表示部11と向き合う状態を言う。また、「レンズ部30が携帯型端末10から離れる」状態とは、少なくともレンズ部30の第1面32が、端末収納部20に収納される携帯型端末10の表示部11の上方側の空間を遮らない状態を言う。なお、レンズ部30の第1面32が、携帯型端末10に対向する状態を、「レンズ部30が閉じる」という場合がある。これに対して、レンズ部30の第1面32が、携帯型端末10から離れた状態を、「レンズ部30が開く」という場合がある。
【0027】
レンズ部30が閉じた場合、要素レンズの主点と携帯型端末10の表示部11との間に、要素レンズの焦点距離程度の距離が設けられることが好ましい。レンズ部30が携帯型端末10の表示部11とは反対側に凸となる要素レンズで構成される場合は、レンズ部30に要素レンズの焦点距離程度の厚みを設けたうえで、レンズ部30の第1面32と表示部11とを密着させてもよい。なお、レンズ部30がレンチキュラーレンズから構成される場合も、同様にして、レンズ部30の第1面32と携帯型端末10の表示部11とを密着させてもよい。
【0028】
レンズ部30が閉じた状態においても、観察者が、携帯型端末10を操作できるように、携帯型端末10の表示部11は、静電容量方式のタッチセンサを備えることが好ましい。また、レンズ部30を隔てても観察者の操作を検出できるよう、一般の携帯型端末に比べて高感度なタッチセンサを用いることが好ましい。
【0029】
レンズ部30は、端末収納部20の開口部23から露出する携帯型端末10の表示部11と対向可能に配置されるが、第1ヒンジ部51を介して端末収納部20と常時連結されなくてもよい。例えば、レンズ部30は、取り外し可能な状態で端末収納部20に取り付けられてもよい。すなわち、携帯型端末10が第1画像を表示する場合、レンズ部30は、携帯型端末10と対向するよう端末収納部20に装着される一方、携帯型端末10が第2画像を表示する場合、レンズ部30は、端末収納部20から取り外されてもよい。
【0030】
カバー部40は、平板状の樹脂製部材であって、レンズ部30を保護するために設けられる。特に限定されないが、カバー部40は、レンズ部30の第2面33を被覆することが好ましい。
【0031】
図1及び
図2に示されるように、カバー部40は、第2ヒンジ部52を介してレンズ部30と連結する。すなわち、カバー部40は、第2ヒンジ部52を軸に回動可能にレンズ部30に取り付けられる。本実施形態の場合、カバー部40のY方向に沿う第1側端41が、第2ヒンジ部52を介して、レンズ部30のY方向に沿う第2側端34に取り付けられる。
【0032】
カバー部40が、第2ヒンジ部52を軸にレンズ部30側に回動することで、レンズ部30の第2面33に密着する。これにより、カバー部40がレンズ部30に覆いかぶさり、レンズ部30を保護する。これに対して、カバー部40が、これとは逆方向に回動することで、レンズ部30の第2面33から離れる。これにより、レンズ部30の第2面33が、露出する。なお、カバー部40が、レンズ部30に密着する状態を、「カバー部40が閉じる」という場合がある。これに対して、カバー部40が、レンズ部30から離れた状態を、「カバー部40が開く」という場合がある。
【0033】
ケース1は、
図2に示されるように、4つの磁石61~64を更に有する。具体的には、第1磁石61は、例えば、レンズ部30の第2側端34側に設けられる。第2磁石62は、例えば、端末収納部20の側壁22bに設けられる。第3磁石63は、例えば、カバー部40の第2側端42側に設けられる。第4磁石64は、例えば、レンズ部30の第1側端31側に設けられる。
【0034】
レンズ部30が閉じることで、第1磁石61と第2磁石62とが向き合う。このとき、第1磁石61と第2磁石62とにおいて、互いに異なる極性の磁極が向き合う。これにより、第1磁石61と第2磁石62とが引き合った状態で接続する。その結果、レンズ部30を端末収納部20に固定することができる。なお、第1磁石61は、「第1固定要素部」の一例であり、第2磁石62は、「第2固定要素部」の一例である。また、第1磁石61と第2磁石62とを合わせて、「固定部」又は「第1固定部」と言う場合がある。
【0035】
第1磁石61及び第2磁石62を設けることで、表示部11から第1画像が表示される間、レンズ部30が動くことを防止できる。これにより、表示部11で表示される要素画像と、レンズ部30の要素レンズとの位置関係が変わることを防止できる結果、水平視差・垂直視差を有する3次元画像を適切に表示することができる。
【0036】
これに対して、カバー部40が閉じることで、第3磁石63と第4磁石64とが向き合う。このとき、第3磁石63と第4磁石64とにおいて、互いに異なる極性の磁極が向き合う。これにより、第3磁石63と第4磁石64とが引き合った状態で接続する。その結果、カバー部40をレンズ部30に固定することができる。なお、第3磁石63は、「第3固定要素部」の一例であり、第4磁石64は、「第4固定要素部」の一例である。また、第3磁石63と第4磁石64とを合わせて、「固定部」又は「第2固定部」と言う場合がある。
【0037】
第1固定要素部から第4固定要素部は、磁石に限られない。第1固定要素部から第4固定要素部の他の例として、面ファスナー、スナップ式の留め具等が挙げられる。また、第1固定要素部から第4固定要素部の位置もこれに限られない。必要に応じて、更に別の固定要素部を設けてもよい。
【0038】
[ケースの動作]
次に、
図3~
図5を参照して、本実施形態に係るケース1の動作を説明する。
図3は、レンズ部30及びカバー部40が閉じた状態のケース1の垂直断面図である。
図4は、カバー部40が開いた状態のケース1の垂直断面図である。
図5は、レンズ部30が開いた状態のケース1の垂直断面図である。
【0039】
例えば、端末収納部20に収納される携帯型端末10が、第1画像及び第2画像を共に表示しない場合、
図3に示されるように、レンズ部30及びカバー部40が閉じる。このとき、第1磁石61と第2磁石62とが引き合った状態で接続するため、レンズ部30は、端末収納部20に固定されている。また、第3磁石63と第4磁石64とが引き合った状態で接続するため、カバー部40は、レンズ部30に固定されている。
【0040】
これに対して、端末収納部20に収納される携帯型端末10が第1画像を表示する場合、
図4に示されるように、カバー部40を開く。これに対して、レンズ部30は、閉じた状態を維持する。
【0041】
携帯型端末10の表示部11は、レンズ部30が閉じた状態で第1画像を表示する。これにより、レンズ部30の要素レンズを通過した要素画像群からの光線群を観察者側に出射することができる。
【0042】
次に、端末収納部20に収納される携帯型端末10が第2画像を表示する場合、
図5に示されるように、レンズ部30を開く。このとき、カバー部40は、レンズ部30と密着しているため、レンズ部30の回動に伴い、端末収納部20から離れる。
【0043】
この状態で、携帯型端末10の表示部11が第2画像を表示する。このとき、レンズ部30が表示部11と観察者との間に配置されず、レンズ部30の第1面32と表示部11とが対向していないため、表示部11から表示される第2画像の画素数は、要素レンズの個数に制限されない。そのため、第1画像に比べて高画素密度の画像を表示することができる。
【0044】
本実施形態によれば、第1ヒンジ部51を軸にレンズ部30を回動させるシンプルな機構によって、携帯型端末10が第1画像を表示する場合にレンズ部30を閉じる一方、携帯型端末10が第2画像を表示する場合にレンズ部30を開く動作を行える。これにより、極めて簡便な操作によって、第1画像を表示する場合のレンズ部30の状態と、第2画像を表示する場合のレンズ部30の状態とを変化させることができる。すなわち、携帯型端末10における3次元画像と2次元画像との表示モードの切り替えに、レンズ部30の状態を容易に対応させることができる。
【0045】
また、レンズ部30と観察者との間に、例えば、透過型液晶パネルのような別部材が配されない。そのため、携帯型端末10の表示部11で表示された画像の輝度が、観察者に到達するまでに低下するなどの不具合も招かない。
【0046】
<第2実施形態>
次に、
図6~
図8を参照して、第2実施形態に係る画像表示装置100を説明する。
図6は、画像表示装置100の垂直断面図である。
図7は、画像表示装置100における携帯型端末10の制御部200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図8は、画像表示装置100における携帯型端末10の制御部200の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6に示されるように、画像表示装置100は、ケース1と、携帯型端末10と、を有する。
【0047】
[携帯型端末のハードウェア構成]
携帯型端末10における制御部200のハードウェア構成の一例を説明する。携帯型端末10は、各種動作を制御する制御部200を更に有する。
図7に示されるように、制御部200は、CPU(Central Processing Unit)210と、ROM(Read Only Memory)220と、RAM(Random Access Memory)230と、入出力インターフェース240と、通信インターフェース250と、を備えている。また、これらは相互にバス260によって接続される。
【0048】
CPU210は、ROM220に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、所定の処理を実行する演算処置部である。RAM230は、CPU210の動作のワークエリアである。入出力インターフェース240は、例えば、CPU210で演算処理された画像信号を表示部11に出力する。通信インターフェース250は、例えば、外部通信端末との間で通信を行う際のインターフェースである。
【0049】
コンピュータプログラムは、記録媒体に記憶させて提供することができる。コンピュータプログラムを記憶した記録媒体は、非一過性の記録媒体であっても良い。非一過性の記録媒体は特に限定されないが、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO(光磁気ディスク)、DVD-ROM、メモリカードなどの記録媒体が挙げられる。また、通信回線を通じてコンピュータプログラムを携帯型端末10に伝送してインストールすることも可能である。
【0050】
[携帯型端末の機能構成]
次に、携帯型端末10における制御部200の機能構成の一例を説明する。
図8に示されるように、制御部200は、第1画像表示手段110と、第2画像表示手段120と、画像切替手段130と、を有する。
【0051】
第1画像表示手段110は、携帯型端末10の表示部11を介して第1画像を表示する。第1画像が、レンズ部30を通った後、観察者に提供されることで、観察者に3次元画像を視認させる。本実施形態の場合、表示する第1画像は、インテグラル方式の要素画像群である。ただし、レンズ部30の種類によって、他の方式の第1画像を表示部11に表示させる。第1画像表示手段110の機能は、例えば、CPU210、入出力インターフェース240によって実現される。
【0052】
第2画像表示手段120は、携帯型端末10の表示部11を介して第2画像を表示する。本実施形態の場合、表示する第2画像は、例えば、4Kや8K等の高解像度のデジタル画像である。第2画像表示手段120の機能は、例えば、CPU210、入出力インターフェース240によって実現される。
【0053】
画像切替手段130は、携帯型端末10の表示部11に設けられるタッチセンサを介して入力される操作信号を受け付け、携帯型端末10の表示部11を介して表示される画像を第1画像又は第2画像に切り替える。
【0054】
具体的には、画像切替手段130は、第1画像を表示するための操作信号を受け付けた場合、第1画像を表示させるための制御信号を第1画像表示手段110に出力する。これに対して、画像切替手段130は、第2画像を表示するための操作信号を受け付けた場合、第2画像を表示させるための制御信号を第2画像表示手段120に出力する。画像切替手段130の機能は、例えば、CPU210、入出力インターフェース240によって実現される。
【0055】
制御部200における上記の各機能の一部又は全部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の電子回路により実現してもよい。
【0056】
<第3実施形態>
[画像表示装置の構成]
次に、
図9を参照して、第3実施形態に係る画像表示装置100Aの構成を説明する。
図9は、本実施形態に係る画像表示装置100Aの垂直断面図である。本実施形態に係る画像表示装置100Aは、ケース1と、携帯型端末10Aと、を有する。
【0057】
図9に示されるように、画像表示装置100Aの携帯型端末10Aは、例えば、側面12の近傍に、第1磁気センサ71と第2磁気センサ72とを有する。第1磁気センサ71は、レンズ部30に設けられる第1磁石61からの磁界強度を検出する。また、第2磁気センサ72は、カバー部40に設けられる第3磁石63からの磁界強度を検出する。
【0058】
第1磁気センサ71及び第2磁気センサ72の種類は、特に限定されないが、例えば、コイル、リードスイッチ、MR(Magneto-Resistance)センサ素子、ホール素子等を用いるものが挙げられる。
【0059】
第1磁気センサ71及び第2磁気センサ72の位置は、携帯型端末10Aの側面12の近傍に限られない。ただし、レンズ部30及びカバー部40が閉じた状態において、第1磁石61や第3磁石63に向き合う位置であることが好ましい。
【0060】
磁気センサの個数は、2つに限られない。第1磁気センサ71及び第2磁気センサ72に加えて、他の磁気センサを設けてもよい。また、磁気センサの個数を1つとしてもよい。ただし、少なくとも第1磁石61及び第3磁石63からの磁界強度を適切に検出する観点から、磁気センサの個数は、2つ以上であることが好ましい。
【0061】
本実施形態によれば、レンズ部30に設けられた第1磁石61及びカバー部40に設けられた第3磁石63からの磁界強度を検出する携帯型端末10Aの第1磁気センサ71及び第2磁気センサ72によって、レンズ部30及びカバー部40の開閉状態を判定することができる。また、レンズ部30及びカバー部40の開閉状態に応じて、携帯型端末10Aで表示する画像を第1画像から第2画像(又はその逆)に切り替えることができる。
【0062】
第1磁石61は、レンズ部30を端末収納部20に固定するための固定要素部であると共に、第3磁石63は、カバー部40をレンズ部30に固定するための固定要素部である。すなわち、少なくとも第1磁石61及び第3磁石63は、レンズ部30及びカバー部40の固定手段と、第1磁気センサ71及び第2磁気センサ72の被検出体としての役割を兼ねるため、製造コストの上昇を避けつつ、レンズ部30及びカバー部40の開閉状態を判定することができる。
【0063】
[携帯型端末のハードウェア構成]
次に、
図10を参照して、本実施形態の携帯型端末10Aにおける制御部200Aのハードウェア構成の一例を説明する。
図10は、携帯型端末10Aの制御部200Aのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0064】
図10に示されるように、第1磁気センサ71、第2磁気センサ72は、制御部200Aの入出力インターフェース240と電気的に接続する。これにより、第1磁気センサ71、第2磁気センサ72からの検出信号は、入出力インターフェース240を介してCPU210に入力される。
【0065】
[携帯型端末の機能構成]
次に、
図11を参照して、本実施形態の携帯型端末10Aにおける制御部200Aの機能構成の一例を説明する。
図11は、制御部200Aの機能構成の一例を示すブロック図である。
図11に示されるように、制御部200Aは、第1画像表示手段110、第2画像表示手段120に加え、画像切替手段130Aを有する。
【0066】
画像切替手段130Aは、第2実施形態における画像切替手段130と異なり、第1磁気センサ71及び第2磁気センサ72によって検出された磁界強度に基づき、表示部11で表示される画像を第1画像又は第2画像に切り替える。具体的には、画像切替手段130Aは、第1磁気センサ71及び第2磁気センサ72によって検出された磁界強度に基づき、レンズ部30が、携帯型端末10Aの表示部11と観察者との間に配置されていることを検出する。この場合、携帯型端末10の表示部11は、第1画像を表示する。これに対して、画像切替手段130Aは、第1磁気センサ71及び第2磁気センサ72によって検出された磁界強度に基づき、レンズ部30と携帯型端末10Aの表示部11とが離れた状態にあることを検出する。この場合、携帯型端末10の表示部11は、第2画像を表示する。
【0067】
第1磁気センサ71によって検出された磁界強度が、所定値以上の場合、画像切替手段130Aは、レンズ部30の第1面32と携帯型端末10Aの表示部11とが対向した状態にあり、レンズ部30が閉じていると判定する。これに対して、第1磁気センサ71によって検出された磁界強度が、所定値を下回る場合、画像切替手段130Aは、レンズ部30と携帯型端末10Aとが離れた状態にあり、レンズ部30が開いていると判定する。
【0068】
第2磁気センサ72によって検出された磁界強度が、所定値以上の場合、画像切替手段130Aは、カバー部40と携帯型端末10Aとが近づいた状態にあると判定する。これに対して、第2磁気センサ72によって検出された磁界強度が、所定値を下回る場合、画像切替手段130Aは、カバー部40と携帯型端末10Aとが離れた状態にあると判定する。
【0069】
ここで、第1磁気センサ71及び第2磁気センサ72で検出された磁界強度が、共に所定値以上の場合、画像切替手段130Aは、レンズ部30及びカバー部40の双方が閉じていると判定する。このとき、画像切替手段130Aは、第1画像表示手段110、第2画像表示手段120のいずれにも、画像を表示するための制御信号を出力しない。すなわち、携帯型端末10の表示部11は、いずれの画像も表示しない。
【0070】
第1磁気センサ71で検出された磁界強度が所定値以上である一方、第2磁気センサ72で検出された磁界強度が所定値を下回る場合、レンズ部30が閉じ、且つ、カバー部40が開いた状態にあるため、画像切替手段130Aは、第1画像を表示させるための制御信号を第1画像表示手段110に出力する。これにより、携帯型端末10の表示部11は、第1画像を表示する。
【0071】
第1磁気センサ71で検出された磁界強度が所定値を下回る場合、レンズ部30が開いた状態にあるため、画像切替手段130Aは、第2画像を表示させるための制御信号を第2画像表示手段120に出力する。これにより、携帯型端末10の表示部11は、第2画像を表示する。
【0072】
画像切替手段130Aの機能は、例えば、CPU210、入出力インターフェース240によって実現される。
【0073】
以上、実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 ケース
10,10A 携帯型端末
20 端末収納部
30 レンズ部
40 カバー部
51 第1ヒンジ部
52 第2ヒンジ部
61 第1磁石
62 第2磁石
63 第3磁石
64 第4磁石
71 第1磁気センサ
72 第2磁気センサ
100,100A 画像表示装置
200,200A 携帯型端末の制御部