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特開2024-47499液晶調光装置、液晶調光装置の調光方法、及び液晶調光プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047499
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】液晶調光装置、液晶調光装置の調光方法、及び液晶調光プログラム
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/133 20060101AFI20240329BHJP
   G02F 1/137 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
G02F1/133 570
G02F1/137
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153157
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【弁理士】
【氏名又は名称】駒井 慎二
(74)【代理人】
【識別番号】100176692
【弁理士】
【氏名又は名称】岡崎 ▲廣▼志
(72)【発明者】
【氏名】井ノ上 雄一
【テーマコード(参考)】
2H088
2H193
【Fターム(参考)】
2H088EA34
2H088GA03
2H088GA13
2H088GA17
2H088HA03
2H088JA06
2H088KA12
2H088KA26
2H088MA02
2H088MA10
2H193ZB30
2H193ZB50
2H193ZB51
2H193ZE18
2H193ZF17
2H193ZH18
2H193ZH33
2H193ZH53
2H193ZQ07
2H193ZR18
(57)【要約】
【課題】液晶分子が安定状態になるまでの時間を従来技術より短くする。
【解決手段】一対の電極と、前記一対の電極間に配置され、前記一対の電極間の距離をd(μm)、カイラルピッチをp(μm)としたとき、d/p≧2である液晶組成物と、前記一対の電極間に電圧を印加する電圧印加部と、前記一対の電極間に、前記液晶組成物の液晶分子をホメオトロピック配向状態にするための第1の電圧が印加された後、大きさが前記第1の電圧と異なり且つ前記液晶分子をプレナー配向状態にするための第2の電圧が印加される前に、前記液晶分子をフォーカルコニック配向状態とするための中間電圧が印加されるように、前記電圧印加部を制御する制御部と、を備える液晶調光装置。
【選択図】図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極と、
前記一対の電極間に配置され、前記一対の電極間の距離をd、カイラルピッチをpとしたとき、d/p≧2である液晶組成物と、
前記一対の電極間に電圧を印加する電圧印加部と、
前記一対の電極間に、前記液晶組成物の液晶分子をホメオトロピック配向状態にするための第1の電圧が印加された後、大きさが前記第1の電圧と異なり且つ前記液晶分子をプレナー配向状態にするための第2の電圧が印加される前に、前記液晶分子をフォーカルコニック配向状態とするための中間電圧が印加されるように、前記電圧印加部を制御する制御部と、
を備える液晶調光装置。
【請求項2】
前記中間電圧は、大きさが前記第1の電圧と前記第2の電圧との間の中間の電圧を含む、請求項1に記載の液晶調光装置。
【請求項3】
前記制御部は、予め定められた印加パターンに基づいて前記中間電圧が印加されるように、前記電圧印加部を制御する、請求項1又は請求項2に記載の液晶調光装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記中間電圧が徐々に小さくなるように、前記電圧印加部を制御する、請求項2又は請求項3記載の液晶調光装置。
【請求項5】
前記中間電圧は、大きさが異なる複数の電圧を含み、
前記制御部は、前記複数の電圧が、大きさが大きい順に印加されるように制御する、請求項2に記載の液晶調光装置。
【請求項6】
前記中間電圧は、第1の中間電圧と、大きさが前記第1の中間電圧より大きい第2の中間電圧とを含み、
前記制御部は、前記第1の中間電圧と前記第2の中間電圧とが交互に少なくとも1回印加されるように制御する、請求項2又は請求項3に記載の液晶調光装置。
【請求項7】
前記制御部は、大きさが同じ前記第2の中間電圧が、複数回、印加時間が短くなるように、印加されるように制御する、請求項6に記載の液晶調光装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記液晶組成物の物性値及び前記一対の電極間の距離の少なくとも一方に応じて電圧の印加状態を変化させる、請求項1又は請求項2に記載の液晶調光装置。
【請求項9】
前記電圧の印加状態は、前記電圧の大きさ及び前記電圧の印加時間の少なくとも1つにより規定される、請求項8に記載の液晶調光装置。
【請求項10】
前記一対の電極と前記液晶組成物とを含んで液晶パネルが構成され、
前記液晶組成物は、前記電圧の印加により、前記液晶パネルを光が透過する透過状態が変化する、請求項1又は請求項2に記載の液晶調光装置。
【請求項11】
前記第1の電圧は、前記透過状態を、指定された透過状態とするための電圧である、請求項10に記載の液晶調光装置。
【請求項12】
前記透過状態は、透過率又は曇り度により規定される、請求項10に記載の液晶調光装置。
【請求項13】
前記液晶組成物には、2色性色素が含有されている、請求項2又は請求項3に記載の液晶調光装置。
【請求項14】
前記液晶分子は、前記第1の電圧が印加されると、長軸方向が前記一対の電極間での電界方向に沿う向きに配向される、請求項1又は請求項2に記載の液晶調光装置。
【請求項15】
前記第2の電圧は、前記液晶分子をツイスト状態にする電圧である、請求項2又は請求項3に記載の液晶調光装置。
【請求項16】
前記一対の電極には、前記液晶組成物の液晶分子を水平配向とする一対の配向膜が設けられている、請求項1又は請求項2に記載の液晶調光装置。
【請求項17】
一対の電極と、
前記一対の電極間に配置され、前記一対の電極間の距離をd、カイラルピッチをpとしたとき、d/p≧2である液晶組成物と、
前記一対の電極間に電圧を印加する電圧印加部と、
を備える液晶調光装置の調光方法であって、
前記一対の電極間に、前記液晶組成物の液晶分子をホメオトロピック配向状態にするための第1の電圧が印加された後、大きさが前記第1の電圧と異なり且つ前記液晶分子をプレナー配向状態にするための第2の電圧が印加される前に、前記液晶分子をフォーカルコニック配向状態とするための中間電圧を印加する、
液晶調光装置の液晶調光方法。
【請求項18】
コンピュータを、請求項1又は請求項2に記載の前記制御部として機能させるための液晶調光プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、液晶調光装置、液晶調光装置の調光方法、及び液晶調光プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶材料は、テレビ(TV)やスマートフォンに代表される文字や画像、映像を表示させる表示材料素子に利用されるだけではなく、光の透過量を調節する調光素子としてのスマートウィンドウへの応用も検討されつつある。スマートウィンドウとは、日差しの透過量をコントロールすることができる窓のことを指し、快適な室内環境を保つ用途への需要が高まっている。現在実用化されているスマートウィンドウには主に液晶にモノマ/ポリマや2色性の色素を添加したモードが主である。1つのモードとして、誘電率異方性が正のp型液晶に色素を添加したゲストホスト液晶層(GHLC(Guest Host Liquid Crystal))がある。この場合、液晶層の上下電極間の電位差がゼロもしくはかなり小さい場合、液晶分子及び色素の向きが電極と平行となり、入射した光を色素が吸収して着色する。一方、液晶層の上下電極間の電位差を大きくした場合、液晶分子及び色素の向きは、電極間の電界の方向(通常入射した光の向き)と平行となり、色素は光をほとんど吸収せず透明になる。
【0003】
ところで、上下電極間の電位差をゼロ等にした場合と当該電位差を大きくした場合との間でのゲストホスト液晶層の透過率のコントラスト比を大きくするために、一対の電極間の距離(セルギャップ)を長くする事や液晶分子のツイスト回数(ねじれ回数)を大きくする事が有用である事が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06-027496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の技術は、ツイスト回数を大きくすると、上記電位差を、大きくした状態からゼロ等にした時、垂直に配向していた液晶分子が、ツイストした水平配向とした時に、配向欠陥が多く発生し、これらが解消する安定状態になるまでの時間が長くなるという課題を持っていた。
本開示の技術は、液晶分子が安定状態になるまでの時間を従来技術より短くすることができる液晶調光装置、液晶調光装置の調光方法、及び液晶調光プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本開示の技術の第1の態様の液晶調光装置は、一対の電極と、前記一対の電極間に配置され、前記一対の電極間の距離をd(μm)、カイラルピッチをp(μm)としたとき、d/p≧2である液晶組成物と、前記一対の電極間に電圧を印加する電圧印加部と、前記一対の電極間に、前記液晶組成物の液晶分子をホメオトロピック配向状態にするための第1の電圧が印加された後、大きさが前記第1の電圧と異なり且つ前記液晶分子をプレナー配向状態にするための第2の電圧が印加される前に、前記液晶分子をフォーカルコニック配向状態とするための中間電圧が印加されるように、前記電圧印加部を制御する制御部と、を備える。
【0007】
第2の態様の液晶調光装置の調光方法は、一対の電極と、前記一対の電極間に配置され、前記一対の電極間の距離をd(μm)、カイラルピッチをp(μm)としたとき、d/p≧2である液晶組成物と、前記一対の電極間に電圧を印加する電圧印加部と、を備える液晶調光装置の調光方法であって、前記一対の電極間に、前記液晶組成物の液晶分子をホメオトロピック配向状態にするための第1の電圧が印加された後、大きさが前記第1の電圧と異なり且つ前記液晶分子をプレナー配向状態にするための第2の電圧が印加される前に、前記液晶分子をフォーカルコニック配向状態とするための中間電圧を印加する。
【0008】
第3の態様の液晶調光プログラムは、コンピュータを、第1の態様の前記制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の技術は、一対の電極間に電圧を印加した状態から当該電圧印加を停止した時の液晶分子が安定した配向状態に戻るまでの時間を従来技術より短くすることができる液晶調光装置、液晶調光方法、及び液晶調光プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態の液晶調光装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態の液晶調光装置の液晶組成物の液晶分子の配向状態を示した概念図であり、一対の電極間に第2の電圧V2が印加された場合のプレナー配向状態(左側)と、一対の電極間に第1の電圧V1が印加された場合のホメオトロピック配向状態と、を示した図である。
図3】暗状態における液晶組成物のセル厚が10(μm)で、所定量の2色性色素を添加した場合での、d/pとプレナー配向状態での暗状透過率(%)との関係を示す図である。
図4】d/pが大きくなるに従って、コントラスト比(明状態透過率/暗状態透過率)の値が大きくなることを示す図である。
図5】液晶調光装置のCPUが実行する液晶調光プログラムのフローチャートである。
図6】第1の電圧と透過率との関係を示すグラフである。
図7】中間電圧の第1の印加パターンを示す図である。
図8】第1の印加パターンにおける、液晶組成物の温度と第1の中間電圧の印加時間との関係を示すグラフである。
図9】第1の印加パターンにおける、液晶組成物の温度と第2の中間電圧(最初の第2の中間電圧)との関係を示すグラフである。
図10】中間電圧を印加しない場合(I)と、中間電圧を印加した場合(II)とのそれぞれの液晶分子の配向状態を観察した顕微鏡図である。
図11】中間電圧の第2の印加パターンを示す図である。
図12】中間電圧の第3の印加パターンを示す図である。
図13】中間電圧の第4の印加パターンを示す図である。
図14】中間電圧を印加しない第1の非印加パターンと、中間電圧の第5の印加パターン~第8の印加パターンと、を示す表である。
図15】中間電圧を印加しない第2の非印加パターンと、中間電圧の第9の印加パターンと、を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本開示の技術の実施の形態を説明する。
【0012】
図1には、実施の形態の液晶調光装置10の一例の概略構成が示されている。図1に示すように、液晶調光装置10は、コンピュータ20、記憶装置25、温度センサ22、入力装置24、表示装置26、電源28、及び液晶パネル(液晶調光素子)30を備えている。
【0013】
電源28は、本開示の技術の「電圧印加部」の一例であり、温度センサ22は、本開示の技術の「検出部」の一例であり、コンピュータ20は、本開示の技術の「制御部」の一例である。
【0014】
コンピュータ20は、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、RAM(Random Access Memory)20C、及び入出力(I/O)ポート20Dを備えている。CPU20A、ROM20B、RAM20C、及びI/Oポート20Dは、バス20Eを介して、相互に接続されている。
【0015】
液晶パネル30は、一対の透明の電極32、34と、一対の電極32、34間に配置され、一対の電極32、34間の距離をd(μm)、カイラルピッチをp(μm)としたとき、d/p≧2である液晶組成物50と、一対の電極32、34に設けられた、液晶組成物50の液晶分子を水平配向とする一対の配向膜36、38と、を備える。一対の配向膜36、38はラビング処理されているのが好ましく、電極32、34でのラビング向きは互いに、パラレルでもアンチパラレルもしくは90°ずれている関係であってもよい。配向膜36、38は、水平配向用配向膜である。
後述するように、電極32は、第一の透明電極層32と、電極34は、第二の透明電極層34と、いう場合もある。
【0016】
液晶パネル30は、図示していないが、一対の透明の電極32、34を支持する基板(ガラス等)を備える。
【0017】
コンピュータ20のI/Oポート20Dには、記憶装置25、温度センサ22、入力装置24、表示装置26、及び電源28が接続されている。
【0018】
温度センサ22は、液晶組成物50の温度を検出する温度センサ22であり、液晶組成物50の温度を、直接的又は間接的に検出する。なお、温度センサ22が液晶組成物50の温度を間接的に検出する場合としては、例えば、液晶パネル30自体や液晶パネル30の周囲の温度(環境温度)を検出し、液晶組成物50の温度を推定する場合である。
【0019】
電源28は、交流電源である。後述する各電圧は、実効値である。電源28には、液晶パネル30の一対の電極32、34が接続されている。一対の電極32、34には、一対の電極32、34の間の電位差が、後述する各電圧の値となるように、交流電圧が印加される。特に、矩形波の交流電源が好ましい。周波数は30~100(Hz)が好ましい。なお、電源28は直流電源でもよい。
【0020】
記憶装置25には、後述する液晶調光プログラム30P(図5参照)と、液晶組成物50の温度に応じた中間電圧の印加パターン30T(図7参照)と、第1の電圧と透過率との関係を示すグラフ30K(図6参照)と、が記憶されている。
【0021】
液晶調光プログラム30Pを実行するCPU20Aの機能は、判断機能30P1及び印加機能30P2を有する。CPU20Aは、液晶調光プログラム30Pを実行することにより、判断部20AP1及び印加部20AP2として機能する。
【0022】
本実施の形態では、液晶パネル30は、液晶組成物50に対して一対の電極32、34を備えており、スマートウィンドウ(液晶シャッタ)である。
なお、液晶組成物50を挟み且つ交差させて画素を構成した複数の走査電極及び複数の信号電極を備えるマトリクス電極と、マトリクス電極を制御する走査駆動回路及び信号駆動回路とを設け、画像を表示する液晶表示装置でもよい。
【0023】
図2には、本実施の形態の液晶調光装置10の液晶組成物50の液晶分子の配向状態の概念図が示されている。上記のように、液晶組成物50は、一対の電極32、34間の距離(「セル厚」ともいう)をd(μm)、カイラルピッチをp(μm)としたとき、d/p≧2である。例えば、d/p=3、カイラルピッチp=3.8(μm)である。なお、カイラル剤を含め液晶組成物50の内容は後述する。
【0024】
ところで、液晶組成物50の厚さは、数~10(μm)であるのに対し、配向膜の厚さは0.05~0.1(μm)である。よって、液晶組成物50の厚さに対し、配向膜の厚さは無視してもよい。よって、一対の電極32、34間の距離は、ほぼ液晶組成物50の厚さであり、液晶組成物50の厚さは、ほぼ一対の電極32、34間の距離でもある。よって、一対の電極32、34間の距離は、「セル厚」ともいう。液晶組成物50の厚さを一対の電極32、34間の距離と解釈してもよい。
なお、一対の電極32、34間の距離は、プラスチック粒子を用いて所定の間隙になるように設定されている。
液晶組成物50は、一対の電極32、34への電圧の印加により、液晶組成物50を光が透過する透過状態、即ち、透過レベルが変化する。
【0025】
図2に示すように、液晶組成物50は、誘電率異方性が正の液晶である。液晶組成物50は、一対の電極32、34間に第2の電圧V2が印加された場合(左側)、液晶分子は、プレナー配向状態となる。上記のように、例えば、d/p=3の場合、液晶分子は、一対の電極32、34の間で、3回、ツイストする。例えば、上側の電極32に最も接近する液晶分子は、当該液晶分子を上から見た場合の画像IM1に示すように、長軸の一方の端reが、右側に位置する。液晶分子が90°ツイストすると、画像IM2に示すように、上記端reは、手前側に位置する。液晶分子が180°ツイストすると、画像IM3に示すように、上記端reは、左側に位置する。・・・液晶分子が2.5回転ツイストすると、画像IM4に示すように、上記端reは、左側に位置し、この状態から更に90°ツイストすると、画像IM5に示すように、上記端reは、奥側に位置する。そして、液晶分子が3.0回転ツイストすると、画像IM6に示すように、上記端reは、右側に位置する。
【0026】
一方、液晶組成物50は、一対の電極32、34間に第1の電圧V1(>V2)が印加された場合(右側)、液晶分子の長軸方向が一対の電極32、34間での電界方向に沿う向きに配向、即ち、ホメオトロピック配向状態となる。
なお、本開示の技術では、液晶組成物は、第1の電圧V1(>V2)が印加された場合液晶分子がホメオトロピック配向状態となり、第2の電圧V2(<V1)が印加された場合、プレナー配向状態となる液晶組成部に限定されない。例えば、液晶組成物は、液晶分子を、ホメオトロピック配向状態にするための電圧が、プレナー配向状態にするための電圧より小さい(V1<V2)液相組成物でもよい。
【0027】
液晶組成物50には、2色性の色素が含有されている。図2に示す例では、液晶組成物50が、一対の電極32、34間に第1の電圧V1(>V2)が印加されて、ホメオトロピック配向状態(右側)となった場合、光はほとんど吸収されず、無色に近くなる。一対の電極32、34間に第2の電圧V2が印加されて、プレナー配向状態(左側)となった場合、特定の波長の光を吸収するために着色する。なお、液晶組成物50は、2色性の色素を少なくとも1種含有している。
なお、上記のように、マトリクス電極と、走査駆動回路及び信号駆動回路とを設け、画像を表示する液晶表示装置の場合、液晶組成物50には、2色性の色素が含有されなくともよい。
【0028】
図3には、暗状態における液晶組成物50のセル厚が10(μm)で、所定量の2色性色素を添加した場合での、d/pとプレナー配向状態での暗状透過率(%)との関係が示されている。ここで、暗状態透過率は、一対の電極32、34に、例えば、0(V)を印加し、液晶組成物50を比較的暗い状態(暗状態)にした場合の光の透過率である。なお、明状態透過率は、一対の電極32、34に、例えば、30(V)を印加し、液晶組成物50を比較的明るい状態(明状態)にした場合の光の透過率である。図3に示すように、d/pが2未満であると、暗状態透過率が高く、遮光性が不十分な場合である。d/pが2以上10未満であると、暗状態透過率が下がり、遮光性を高める事が出来る。d/pが10に近づくにつれ、暗状態透過率は飽和していく。そのため、2≦d/p<10が望ましい。一方、d/pの値を大きくしていくと、液晶分子を駆動(ホメオトロピック配向状態、明状態に)するための電圧を大きくする必要がある。よって、より低い黒状態透過率と適度な駆動電圧との両立に鑑みると、2≦d/p<6が望ましい。
【0029】
図4には、d/pが大きくなるに従って、コントラスト比の値が大きくなることが示されている。ここで、コントラスト比は、明状態透過率/暗状態透過率である。図4に示すテストは以下の態様において行った。即ち、d/pが、1、2、3、4の各々において、ホスト液晶はLC-1であり、色素(AAA)については、G-472の色素濃度が2.0(%)、SI-426の色素濃度が1.0(%)、SI-486の色素濃度が1.0(%)である。テストセル(液晶パネル30)においては、配向膜36、38は水平配向膜、セル厚は10(μm)、ラビングはアンチパラレルである。明状態透過率は、一対の電極32、34に50(V)を印加した場合の光の透過率であり、暗状態透過率は、一対の電極32、34への印加電圧が0(V)の場合の光の透過率である。
【0030】
テストセル(液晶パネル30)を白光源の上に載せ、電圧駆動を行い、テストセル(液晶パネル30)を透過する光量を輝度計にて測定し、各明状態と暗状態での透過率(即ち、白色光源の光量に対し何%分が液晶パネル30を透過しているかを示す比率である)を測定するテストを行った。テスト結果は以下の通りである。
【0031】
d/pが1の場合(カイラルピッチpは9.7(μm)、カイラル剤(S-811)は、1.0(%))、明状態透過率は、53.6(%)であり、暗状態透過率は、26.1(%)であり、コントラスト比は、2.1であった。
d/pが2の場合(カイラルピッチpは5.3(μm)、カイラル剤(S-811)は、2.0(%))、明状態透過率は、53.6(%)であり、暗状態透過率は、12.9(%)であり、コントラスト比は、4.2であった。
d/pが3の場合(カイラルピッチpは3.8(μm)、カイラル剤(S-811)は、3.0(%))、明状態透過率は、53.7(%)であり、暗状態透過率は、8.0(%)であり、コントラスト比は、6.7であった。
d/pが4の場合(カイラルピッチpは2.4(μm)、カイラル剤(S-811)は、4.0(%))、明状態透過率は、54.9(%)であり、暗状態透過率は、6.0(%)であり、コントラスト比は、9.1であった。
【0032】
このように、d/pが大きくなるに従って、コントラスト比の値は大きくなることが理解される。なお、上記のように、d/pが1の場合、コントラスト比は2.1であるので、明状態透過率と暗状態透過率とはほとんど変化していないことが理解される。d/pは、2以上で、大きくなることが、コントラスト比の値が大きくなる点で、好ましい。
【0033】
次に、本実施の形態の作用を説明する。図5には、液晶調光装置10のCPU20Aが実行する液晶調光プログラムのフローチャートが示されている。CPU20Aが液晶調光プログラムを実行すると、以下の液晶調光処理及び液晶調光方法が実行される。
【0034】
詳細には、後述するが、コンピュータ20は、液晶調光プログラム30Pに従って、一対の電極32、34間に、第1の電圧V1が印加された後、大きさが第1の電圧V1より小さい第2の電圧V2が印加される前に、液晶組成物50の液晶分子をフォーカルコニック配向状態とするための中間電圧が印加されるように、電源28を制御する。
中間調電圧を印加する時間は、好ましくは、3分以内、2分以内、1分以内、より好ましくは30秒以内が良い。
以下、詳細に説明する。
【0035】
ステップ62で、印加部30P2は、指定された透過率となる第1の電圧(実効値)が一対の電極32、34間に印加されるように、電源28を制御する。これにより、液晶組成物50がホメオトロピック配向状態となり、光が色素に吸収されにくくなり、液晶パネル30は、無色により近くなり、明状態になる。
【0036】
ところで、上記のように、本実施の形態では、液晶パネル30の透過率を、指定された透過率とする。図6には、第1の電圧と透過率との関係が示されている。第1の電圧と透過率との関係は、グラフ、データテーブル、又は式により、記憶装置25に記憶されている。液晶パネル30は、図4のd/p=3のテストを行ったときの液晶パネルを用いている。ユーザは、入力装置24を介して、液晶パネル30の透過率を指定する。図6に示す第1の電圧と透過率との関係から、液晶パネル30の透過率を、指定された透過率とするための第1の電圧を読み出し、読み出した第1の電圧が一対の電極32、34間に印加されるように、電源28を制御する。
【0037】
ところで、図6に示す第1の電圧と透過率との関係は、液晶組成物50の温度がある温度の場合のこれらの関係である。第1の電圧と透過率との関係は、液晶組成物50の温度に応じて、定まる。よって、液晶組成物50の温度に応じて定まる第1の電圧と透過率との関係を、記憶装置25に記憶しておく。ステップ62では、液晶組成物50の温度を検出し、検出した温度に対応する上記関係から、指定された透過率とするための第1の電圧を読み出し、読み出した第1の電圧が一対の電極32、34間に印加されるように、電源28を制御する。なお、ステップ62では、液晶組成物50の温度が、例えば、25℃の上記関係のみを、記憶装置25に記憶しておき、ステップ62では、液晶組成物50の温度にかかわらず、記憶装置25に記憶されている上記関係のみを用いるようにしてもよい。
【0038】
例えば、ユーザにより透過率t=30.0%が指定されたとすると、図6に示す上記関係から、第1の電圧V1として、12(V)が読み出される。ステップ62で、印加部30P2は、液晶組成物50の透過率が、指定された透過率t=30.0%となる12(V)が一対の電極32、34間に印加されるように、電源28を制御する。
なお、本開示の技術は、指定された透過率となる第1の電圧が一対の電極32、34間に印加されるように、電源28を制御することに限定されず、透過率に代えて曇り度を用いてもよい。
【0039】
ステップ64で、判断部30P1は、第2の電圧に切り替えるか否かを判断し、第2の電圧に切り替えると判断されるまで、当該判断を繰り返す。例えば、ユーザが液晶パネル30を閉じる(暗状態)と判断すると、入力装置24を介して、シャッターを閉じる(暗状態にする)指示を入力する。これにより、ステップ64が肯定判定となる。
【0040】
ステップ64が肯定判定となると、ステップ66で、印加部30P2は、温度センサ22からの出力から、液晶組成物50の温度を検出する。本実施の形態では、温度センサ22は、液晶組成物50の温度を間接的に検出する。具体的には、温度センサ22は、液晶パネル30の周囲の温度(環境温度)を検出し、印加部30P2は、温度センサ22の出力から、液晶組成物50の温度を、予め定められている環境温度から液相組成物50の温度を推定するための関係式を用いて、推定する。なお、液晶パネル30の周囲の環境温度を、液晶組成物50の温度と推定して、用いてもよい。
【0041】
ステップ68で、印加部30P2は、温度に応じた印加パターンを読み出す。図7には、印加パターンとして、液晶組成物50の温度がT1の場合の中間電圧の予め定められた第1の印加パターンが示されている。第1の印加パターンにより印加される中間電圧は、液晶組成物50の液晶分子をフォーカルコニック配向状態とするための電圧、例えば、大きさが第1の電圧V1と第2の電圧V2との間の中間の電圧(Vc1~Vc3)を含む。
なお、フォーカルコニック配向状態は、ホメオトロピック配向状態及びプレナー配向状態と異なる配向状態である。
【0042】
図7に示すように、第1の電圧V1の印加が時刻t0で終了し、第1の印加パターンにより印加される中間電圧は、第1の中間電圧と、大きさが第1の中間電圧より大きい第2の中間電圧Vc1~Vc3とからなる。第1の中間電圧は、時刻t0~t1の間、3個の第2の中間電圧Vc1~Vc3は、時刻t1~t4の間、印加される。第1の中間電圧は、第2の電圧V2と同じ大きさである。第2の中間電圧Vc1~Vc3は、時間と共に段階的に徐々に小さくなる。中間電圧は、大きさが異なる3個の第2の中間電圧Vc1~Vc3を含み、第2の中間電圧Vc1~Vc3は、大きさが大きい順に印加されるように定められている。
【0043】
大きさが異なる3個の第2の中間電圧Vc1~Vc3のそれぞれが一対の電極32、34に印加されると、液晶組成物50の液晶分子は、異なるフォーカルコニック配向状態となる。時刻t0~t1の間に第1の中間電圧が印加されると、液晶組成物50の液晶分子は、プレナー配向になっている。
【0044】
第1の電圧V1が印加された後において、第1の中間電圧と大きさが第1の中間電圧より大きい第2の中間電圧Vc1~Vc3とが印加された後に、第2の電圧V2が印加されて発生する配向欠陥の数は、第1の電圧V1が印加された後、中間電圧を印加せずに、第2の電圧V2が印加されて発生する配向欠陥の数より、少ない。
なお、印加パターンは、第2の中間電圧Vc1~Vc3の3段を含む場合を説明しているが、これに限定されず、第2の中間電圧は、1段(後述する第8の印加パターン参照)でも2段(後述する第5の印加パターン参照)でもよい。
【0045】
ところで、上記のように、第1の印加パターンは、液晶組成物50の温度がT1の場合の中間電圧の予め定められた印加パターンであり、当該温度に応じて電圧の印加状態が変化する。電圧の印加状態は、電圧の大きさ及び電圧の印加時間の少なくとも1つにより規定される。
【0046】
図8には、第1の印加パターンにおける、液晶組成物50の温度と第1の中間電圧の印加時間(時刻t0~t1の間の時間L)との関係が示されている。液晶組成物50の温度が高くなるに従って、第1の中間電圧の印加時間Lは短くなっている。液晶組成物50の温度T=T1の場合、第1の中間電圧の印加時間L=L1である。
【0047】
液晶組成物50の温度に応じて第1の中間電圧の値も予め定められている。
【0048】
図9には、第1の印加パターンにおける、液晶組成物の温度と第2の中間電圧(最初の第2の中間電圧)Vc1との関係を示すグラフである。図9に示すように、液晶組成物50の温度が高くなるに従って、第2の中間電圧(最初の第2の中間電圧)Vc1は小さくなっている。液晶組成物50の温度T=T1の場合、第2の中間電圧)Vc1=Vc10である。
【0049】
液晶組成物50の温度に応じて、第2の中間電圧(最初の第2の中間電圧)Vc1の印加時間も予め定められている。
その他、2番目の中間電圧Vc2及び3番目の中間電圧Vc3の印加状態(電圧の大きさ及び電圧の印加時間により規定される)が、液晶組成物50の温度に応じて、予め定められている。
第2の中間電圧(最初~3番目の第2の中間電圧)の印加状態は、液晶組成物50の温度に応じて、定めてもよいが、液晶組成物50の温度が変化しても液晶組成物50の温度がある温度、例えば、25℃の場合の印加状態、例えば、電圧の大きさのみを用いてもよい。
【0050】
本実施の形態では、記憶装置25に、液晶組成物50の温度に応じた複数の第1の印加パターンが記憶されている。ステップ68では、液晶組成物50の温度に応じた第1の印加パターンを記憶装置25から読み出す。
【0051】
本開示の技術は、記憶装置25に、液晶組成物50の温度に応じた複数の第1の印加パターンを記憶することに限定されない。例えば、第1の印加パターンの基本パターンと、第1の中間電圧及び3個の第2の中間電圧Vc1~Vc3の各々の印加状態と液晶組成物50の温度との関係と、を記憶装置25に記憶し、ステップ68では、印加部30P2は、液晶組成物50の温度に応じて、第1の中間電圧及び3個の第2の中間電圧Vc1~Vc3の各々の印加状態を、当該関係から特定し、液晶組成物50の温度に応じた第1の印加パターンを特定するようにしてもよい。
【0052】
第1の印加パターンは、液晶組成物50の温度に応じて定められることに限定されない。例えば、液晶組成物50におけるカイラル剤の濃度、カイラルピッチp(μm)、カイラル剤の種類に応じて第1の印加パターンが定められてもよい。つまり、液晶組成物50の温度、液晶組成物50におけるカイラル剤の濃度、カイラルピッチp(μm)、カイラル剤の種類等の液晶組成物の物性値に応じて定めるようにしてもよい。また、第1の印加パターンは、セル厚に応じて定めてもよい。以上より、第1の印加パターンは、液晶組成物50の物性値及びセル厚の少なくとも1つに応じて定めてもよい。
【0053】
ステップ70で、印加部30P2は、予め定められた印加パターン(例えば、第1の印加パターン)に従って中間電圧を印加する。
【0054】
予め定められた印加パターン(例えば、第1の印加パターン)に従って中間電圧が印加され、続いてステップ72で、印加部30P2は、第2の電圧を印加する。第2の電圧は、例えば、V2(V)である。よって、この場合には、印加部30P2は、V2(V)を一対の電極32、34の間に印加する。上記のように、第2の電圧V2が印加された場合、液晶分子はツイスト状態、即ち、プレナー配向状態となる。これにより、液晶組成物50の色素が特定の波長の光を吸収するために着色し、シャッターが閉じること(暗状態)になる。
【0055】
以上説明した本実施の形態では、液晶分子が元の向きに戻るまでの時間、即ち、液晶分子が安定した配向状態に戻るまでの応答時間を、中間電圧を印加しない場合(従来技術)より短くすることができる。より詳細には、図10の従来技術(I参照))のように、第1の電圧V1から第2の電圧V2に変えた場合、液晶分子は元の向きに戻ろうとするが、電圧を第2の電圧V2=0(V)のまま(I)にすると、比較的長い(L1)配向欠陥(液晶分子の配向の不均一状態、ディスクリネーションラインやオイリーストリークスなども含まれる)が発生し、コントラスト比低下やヘイズ増大の悪影響が生ずる。本配向欠陥が比較的長いと、これが消えるまでに時間がかかり、コントラスト比低下の悪影響が比較的長期に継続し、液晶パネル30の性能の品質が低下する。具体的には、液晶パネル30の表示面の明るさが均一に見えない。例えば、液晶パネル30の表示面内において明るさのムラが生じチラついて見える(ギラツキ等)。
【0056】
これに対し本実施の形態(II参照)では、第1の電圧V1の印加後、第2の電圧V2の印加前に、液晶分子をフォーカルコニック配向状態とするための中間電圧(0、Vc1、Vc2、Vc3)を印加している。これにより、第1の電圧V1の印加時の液晶分子の配向状態とは異なる配向状態(フォーカルコニック配向状態)とし、発生するディスクリネーションラインを比較的短く(L2<L1)している。
【0057】
上記のように中間電圧を、VC1の後、VC2(<VC1)、VC3(<VC2)のように徐々に小さくし、各々別の配向状態とし、これらの後、第2の電圧V2へ切り替えた時に発生する配向欠陥(ディスクリネーションラインやオイリーストリークスなど)の残存時間をより短くしている。
【0058】
また、本実施の形態(II)の場合に発生するディスクリネーションラインm2、n2は、従来技術(I参照))の場合に発生するディスクリネーションラインm1より短い。また、本実施の形態(II)の場合に発生するディスクリネーションラインm2、n2の中のディスクリネーションラインn2は、ディスクリネーションラインm1の方向と交差する方向に発生している事が特徴的であり、配向欠陥を早期に解消出来る。
【0059】
以上説明したように本実施の形態では、中間電圧を印加することにより、ホメオトロピック配向状態であった液晶組成物の液晶分子を、フォーカルコニック配向状態とすることにより、配向欠陥、例えば、ディスクリネーションラインを短くし、配向欠陥、例えば、ディスクリネーションラインの残存時間をより短くすることができる。
【0060】
また、液晶組成物50の温度に応じた印加パターンに従って、中間電圧を印加するので、液晶組成物50の温度が変化しても液晶分子が元の向きに戻るまでの時間を従来技術より短くすることができる。
【0061】
以上説明した実施の形態では、印加部30P2は、予め定められた第1の印加パターンに従って中間電圧を印加する。本開示の技術では、中間電圧は、第1の印加パターンに限定されず、その他の印加パターンでもよい。なお、その他の各印加パターンにおいても、液晶組成物50の温度に応じた複数の印加パターンを記憶装置25に記憶したり、その他の各印加パターンの基本パターンと、印加パターンの中間電圧の印加状態と液晶組成物50の温度との関係と、を記憶装置25に記憶し、第1の印加パターンのように、液晶組成物50の温度に応じたその他の各印加パターンを特定したり、してもよい。
【0062】
(第2の印加パターン)
図11には、中間電圧の第2の印加パターンが示されている。図11に示すように、第2の印加パターンの中間電圧は、第1の中間電圧(V2)と、大きさが第1の中間電圧(V2)より大きい4個の第2の中間電圧(VD1~VD4)とを含み、第1の中間電圧(V2)と4個の第2の中間電圧(VD1、VD2、VD3、VD4)とが交互に印加されるように定められている。4個の第2の中間電圧(VD1、VD2、VD3、VD4)は、時間と共に段階的に徐々に小さくなる。4個の第2の中間電圧(VD1、VD2、VD3、VD4)は、大きさが大きい順に印加されるように定められている。
【0063】
具体的には、第1の電圧V1の印加が停止した時刻t10からの第2の印加パターンは次のように定められている。
[期間] [印加される電圧]
時刻t10~t11の間 第1の中間電圧(V2)
時刻t11~t12の間 1番目の第2の中間電圧VD1
時刻t12~t13の間 第1の中間電圧(V2)
時刻t13~t14の間 2番目の第2の中間電圧VD2
時刻t14~t15の間 第1の中間電圧(V2)
時刻t15~t16の間 3番目の第2の中間電圧VD3
時刻t16~t17の間 第1の中間電圧(V2)
時刻t17~t18の間 4番目の第2の中間電圧VD4
第2の印加パターンは、4個の第2の中間電圧(VD1~VD4)を含んでいるが、本開示の技術は、これに限定されず、3個又は5個等でもよい。
【0064】
(第3の印加パターン)
図12には、中間電圧の第3の印加パターンが示されている。図12に示すように、第3の印加パターンの中間電圧は、第1の中間電圧(V2)と、大きさが所定値(VE)から徐々に連続的に減少する第2の中間電圧と、を含む。
【0065】
(第4の印加パターン)
図13には、中間電圧の第4の印加パターンが示されている。図13に示すように、第4の印加パターンの中間電圧は、第1の中間電圧(V2)と、大きさが第1の中間電圧(V2)より大きい第2の中間電圧VFとを含み、第1の中間電圧(V2)と第2の中間電圧VFとが交互に印加されるように定められ、大きさが同じ第2の中間電圧VFが、複数回、印加時間が短くなるように定められている。
【0066】
具体的には、第1の電圧V1の印加が停止した時刻t30からの第4の印加パターンは次のように定められている。
[期間] [印加される電圧]
時刻t30~t31の間 第1の中間電圧(V2)
時刻t31~t32の間 第2の中間電圧VF
時刻t32~t33の間 第1の中間電圧(V2)
時刻t33~t34の間 第2の中間電圧VF
時刻t34~t35の間 第1の中間電圧(V2)
時刻t35~t36の間 第2の中間電圧VF
時刻t31~t32の間=M1>時刻t33~t34の間=M2>時刻t35~t36の間=M3である。
なお、第4の印加パターンは、大きさが同じ第2の中間電圧VFを、3回、印加しているが、本開示の技術は、これに限定されず、2回又は4回等印加してもよく、時刻t33~t34の間及び時刻t35~t36の間に印加する第2の中間電圧を、VFから所定値大きくしてもよい。
【0067】
(第5~8の印加パターン)
図14の表には、中間電圧を印加しないパターン(第1の非印加パターン)と、中間電圧の第5の印加パターン~第8の印加パターンとが示されている。図14には、電圧Vをp-pで表記している。例えばVp-p=100Vとは、矩形波電圧で交流50(V)を印加している事を指す。ここでは矩形波電圧の周波数を60Hzで行った。
【0068】
第1の非印加パターンでは、第1の電圧V1として100(V)を8(秒)印加し、第2の電圧を0(V)としている。この場合、液晶分子が安定した配向状態に戻る、具体的には、配向欠陥が顕微鏡観察にて見えなくなるまでの応答時間は、5分~10分であった。
【0069】
第5の印加パターンは、第1の電圧V1として100(V)を8(秒)印加し、その後、中間電圧(2(秒)間、0(V)、2(秒)間、20(V)、2(秒)間、15(V)、2(秒)間、10(V))を印加し、第2の電圧を0(V)とするパターンである。応答時間は、40(秒)であった。
【0070】
第6の印加パターンは、第1の電圧V1として100(V)を8(秒)印加し、その後、中間電圧(2(秒)間、0(V)、2(秒)間、20(V)、2(秒)間、10(V))を印加し、第2の電圧を0(V)とするパターンである。応答時間は、40~50(秒)であった。
【0071】
第7の印加パターンは、第1の電圧V1として100(V)を8(秒)印加し、その後、中間電圧(2(秒)間、20(V)、2(秒)間、15(V)、2(秒)間、10(V))を印加し、第2の電圧を0(V)とするパターンである。応答時間は、3~4(分)であった。第7の印加パターンでは、第1の電圧V1(100[V])の印加停止後、すぐに0Vにしないパターンである。
【0072】
第8の印加パターンは、第1の電圧V1として100(V)を8(秒)印加し、その後、中間電圧(2(秒)間、0(V)、2(秒)間、15(V))を印加し、第2の電圧を0(V)とするパターンである。応答時間は、3~4(分)であった。第8の印加パターンは、中間電圧として、第1の中間電圧(0(V))と、第2の中間電圧(15(V))とを、一回、印加するパターンである。
【0073】
(第9の印加パターン)
図15の表には、中間電圧を印加しないパターン(第2の非印加パターン)と、中間電圧の第9の印加パターンと、が示されている。
【0074】
第2の非印加パターンでは、第1の電圧V1として150(V)を8(秒)印加して停止する。この場合、応答時間は、10分以上であった。
【0075】
第9の印加パターンは、第1の電圧V1として150(V)を8(秒)印加し、その後、中間電圧(2(秒)間、0(V)、4(秒)間、80(V)、4(秒)間、70(V)、4(秒)間、50(V))を印加し、第2の電圧を0(V)とするパターンである。応答時間は、40~50(秒)であった。
【0076】
なお、液晶調光装置10は、建物、車載、及びインテリアに用いられる。例えば、液晶調光装置10を、室内への日差しの透過量をコントロールするために、家やビル等の建物及び車両の窓の室内側に設置してもよい。
【0077】
前述した実施の形態では、コンピュータ20が、予め定められた印加パターンに従って中間電圧を自動的に印加している。本開示の技術はこれに限定せず、各タイミングで印加パターンに従って、ユーザが、入力装置24により、電圧値を入力して、中間電圧を印加するようにしてもよい。
【0078】
次に、液晶組成物について説明する。
【0079】
(一般式(i)で表される化合物)
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物は、下記一般式(i)で表されるアルケニル化合物の1種又は2種以上を含む。
【0080】
【化1】
一般式(i)中、Ri1は、炭素原子数2~20のアルケニル基を表す。
炭素原子数2~20のアルケニル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基であり、直鎖状のアルケニル基であることが好ましい。
炭素原子数2~20のアルケニル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0081】
当該アルケニル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-及び/又は-CO-で置換されていてもよい。
【0082】
また、当該アルケニル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-及び/又は-C≡C-で置換されていてもよい。
【0083】
また、当該アルケニル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0084】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
但し、当該アルケニル基が所定の基により置換される場合においては、酸素原子と酸素原子が直接結合することはない。
【0085】
例えば、Ri1は、当該アルケニル基中の1つの-CH2-が-O-に置換されることにより、炭素原子数2~19のアルケニルオキシ基を表すことができる。
【0086】
当該アルケニルオキシ基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルケニルオキシ基であり、直鎖状のアルケニルオキシ基であることが好ましい。
当該アルケニルオキシ基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0087】
Ri1における炭素原子数2~20のアルケニル基(置換されたものも含む)の具体例としては、式(Ri1-1)~(Ri1-10)で表される基等が挙げられる。
【0088】
【化2】
式(Ri1-1)~(Ri1-10)中、黒点は環構造への結合手を表す。
なお、Ri1としては、色素化合物の溶解性を高める観点から、炭素原子数2~6の直鎖状のアルケニル基が好ましい。
【0089】
一般式(i)中、Ri2は、炭素原子数1~20のアルキル基を表す。
炭素原子数1~20のアルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、直鎖状のアルキル基であることが好ましい。
炭素原子数1~20のアルキル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0090】
当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-及び/又は-CO-で置換されてもよい。
また、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-及び/又は-C≡C-で置換されてもよい。
【0091】
また、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0092】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
但し、当該アルキル基が所定の基により置換される場合においては、酸素原子と酸素原子が直接結合することはない。
【0093】
例えば、Ri2は、当該アルキル基中の1つの-CH2-が-O-に置換されることにより、炭素原子数1~19のアルコキシ基を表すことができる。
当該アルコキシ基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基であり、直鎖状のアルコキシ基であることが好ましい。
【0094】
当該アルコキシ基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0095】
また、Ri2は、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-CH=CH-に置換されることにより、炭素原子数1~20のアルケニル基を表すことができる。
【0096】
当該アルケニル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基であり、直鎖状のアルケニル基であることが好ましい。
当該アルケニル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0097】
また、Ri2は、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-C≡C-に置換されることにより、炭素原子数1~20のアルキニル基を表すことができる。
当該アルキニル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキニル基であり、直鎖状のアルキニル基であることが好ましい。
【0098】
当該アルキニル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0099】
また、Ri2は、当該アルキル基中の1つの-CH2-が-O-に置換され、且つ1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-CH=CH-に置換されることにより、炭素原子数1~19のアルケニルオキシ基を表すことができる。
【0100】
当該アルケニルオキシ基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルケニルオキシ基であり、直鎖状のアルケニルオキシ基であることが好ましい。
【0101】
当該アルケニルオキシ基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0102】
また、Ri2は、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されることにより、炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基を表すことができる。
【0103】
当該ハロゲン化アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基であり、直鎖状のハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
当該ハロゲン化アルキル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0104】
Ri2における炭素原子数1~20のアルキル基(置換されたものも含む)の具体例としては、式(Ri2-1)~(Ri2-31)で表される基等が挙げられる。
【0105】
【化3】
式(Ri2-1)~(Ri2-31)中、黒点は環構造への結合手を表す。
なお、Ri2としては、高い溶解性と色素化合物含有液晶組成物の粘度を低下させる観点から、炭素原子数1~6の直鎖状のアルキル基が好ましい。
一般式(i)中、Ai1は、以下の基(a)及び基(b):
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1つの-CH2-又は非隣接の2つ以上の-CH2-は-O-及び/又は-S-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1つの-CH=又は非隣接の2つ以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表す。
【0106】
また、Ai1中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子により置換されていてもよい。
【0107】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
より具体的には、Ai1は、下記式(Ai1-1)~(Ai1-2)のいずれかを表すことが好ましい。
【0108】
【化4】
式(Ai1-1)~(Ai1-2)中、白点は1,4-シクロヘキシレン基への結合手を表し、黒点は1,4-フェニレン基への結合手を表す。
一般式(i)中、Li2、Li3、Li4、Li5は、それぞれ独立して、水素原子又はハロゲン原子を表す。
【0109】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
色素化合物含有液晶組成物の高い耐光性の観点から、Li2、Li3、Li4、Li5は全て水素原子であることが好ましい。
【0110】
一般式(i)で表される化合物としては、下記一般式(i-1)~(i-2)で表される化合物であることが好ましい。
【0111】
【化5】
一般式(i-1)~(i-2)中、Ri1及びRi2は、上記一般式(i)中のRi1及びRi2とそれぞれ同じ意味を表し、好ましい基も同じものを表す。
一般式(i-1)で表される化合物としては、下記構造式(i-1.1)~(i-1.8)で表される化合物であることが好ましい。
【0112】
【化6】
一般式(i-2)で表される化合物としては、下記構造式(i-2.1)~(i-2.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0113】
【化7】
一般式(i)、一般式(i-1)~(i-2)、構造式(i-1.1)~(i-1.8)又は構造式(i-2.1)~(i-2.2)で表される化合物の色素化合物含有液晶組成物に用いる種類は、1種又は2種以上、好ましくは1~5種、好ましくは1~4種、好ましくは1~3種、好ましくは1~2種、好ましくは1種である。
一般式(i)、一般式(i-1)~(i-2)、構造式(i-1.1)~(i-1.8)又は構造式(i-2.1)~(i-2.2)で表される化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量の下限値は、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることが好ましい。
一般式(i)、一般式(i-1)~(i-2)、構造式(i-1.1)~(i-1.8)又は構造式(i-2.1)~(i-2.2)で表される化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量の上限値は、35質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることが好ましい。
一般式(i)、一般式(i-1)~(i-2)、構造式(i-1.1)~(i-1.8)又は構造式(i-2.1)~(i-2.2)で表される化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量は、1~35質量%であることが好ましく、5~30質量%であることが好ましく、10~25質量%であることが好ましい。
一般式(i)、一般式(i-1)~(i-2)、構造式(i-1.1)~(i-1.8)又は構造式(i-2.1)~(i-2.2)で表される化合物は、公知の合成方法を用いて合成することができる。
【0114】
(一般式(ii)で表される化合物)
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物は、下記一般式(ii)で表されるジフッ素構造を有する化合物の1種又は2種以上を含む。
【0115】
【化8】
一般式(ii)中、Rii1は、炭素原子数1~20のアルキル基を表す。
炭素原子数1~20のアルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、直鎖状のアルキル基であることが好ましい。
炭素原子数1~20のアルキル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0116】
当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-及び/又は-CO-で置換されてもよい。
また、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-及び/又は-C≡C-で置換されてもよい。
また、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0117】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
但し、当該アルキル基が所定の基により置換される場合においては、酸素原子と酸素原子が直接結合することはない。
【0118】
例えば、Rii1は、当該アルキル基中の1つの-CH2-が-O-に置換されることにより、炭素原子数1~19のアルコキシ基を表すことができる。
【0119】
当該アルコキシ基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基であり、直鎖状のアルコキシ基であることが好ましい。
【0120】
当該アルコキシ基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0121】
また、Rii1は、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-CH=CH-に置換されることにより、炭素原子数1~20のアルケニル基を表すことができる。
当該アルケニル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基であり、直鎖状のアルケニル基であることが好ましい。
当該アルケニル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0122】
また、Rii1は、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-C≡C-に置換されることにより、炭素原子数1~20のアルキニル基を表すことができる。
【0123】
当該アルキニル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキニル基であり、直鎖状のアルキニル基であることが好ましい。
当該アルキニル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0124】
また、Rii1は、当該アルキル基中の1つの-CH2-が-O-に置換され、且つ1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-CH=CH-に置換されることにより、炭素原子数1~19のアルケニルオキシ基を表すことができる。
【0125】
当該アルケニルオキシ基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルケニルオキシ基であり、直鎖状のアルケニルオキシ基であることが好ましい。
当該アルケニルオキシ基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0126】
また、Rii1は、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されることにより、炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基を表すことができる。
【0127】
当該ハロゲン化アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基であり、直鎖状のハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
当該ハロゲン化アルキル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
Rii1における炭素原子数1~20のアルキル基(置換されたものも含む)の具体例としては、式(Rii1-1)~(Rii1-31)で表される基等が挙げられる。
【0128】
【化9】
式(Rii1-1)~(Rii1-31)中、黒点は環構造への結合手を表す。
なお、Rii1としては、高い溶解性と色素化合物含有液晶組成物の粘度を低下させる観点から、炭素原子数1~6の直鎖状のアルキル基又は炭素原子数1~6の直鎖状のアルケニル基が好ましい。
【0129】
一般式(ii)中、Aii1及びAii2は、それぞれ独立して、以下の基(a)及び基(b):
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1つの-CH2-又は非隣接の2つ以上の-CH2-は-O-及び/又は-S-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1つの-CH=又は非隣接の2つ以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表す。
【0130】
また、Aii1及びAii2中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子により置換されていてもよい。
【0131】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
より具体的には、Aii1及びAii2は、下記式(Aii1/2-1)~(Aii1/2-2)のいずれかを表すことが好ましい。
【0132】
【化10】
式(Aii1/2-1)~(Aii1/2-2)中、白点はRii1又はAii1への結合手を表し、黒点はAii2又は(3F)-1,4-フェニレン基への結合手を表す。
一般式(ii)で表される化合物としては、下記一般式(ii-1)~(ii-3)で表される化合物であることが好ましい。
【0133】
【化11】
一般式(ii-1)~一般式(ii-3)中、Rii1は、上記一般式(ii)中のRii1とそれぞれ同じ意味を表し、好ましい基も同じものを表す。
一般式(ii-1)で表される化合物としては、下記構造式(ii-1.1)~(ii-1.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0134】
【化12】
一般式(ii-2)で表される化合物としては、下記構造式(ii-2.1)~(ii-2.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0135】
【化13】
一般式(ii-3)で表される化合物としては、下記構造式(ii-3.1)~(ii-3.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0136】
【化14】
一般式(ii)、一般式(ii-1)~(ii-3)、構造式(ii-1.1)~(ii-1.4)、構造式(ii-2.1)~(ii-2.4)又は構造式(ii-3.1)~(ii-3.4)で表される化合物の色素化合物含有液晶組成物に用いる種類は、1種又は2種以上、好ましくは1~5種、好ましくは1~4種、好ましくは1~3種、好ましくは1~2種である。
一般式(ii)、一般式(ii-1)~(ii-3)、構造式(ii-1.1)~(ii-1.4)、構造式(ii-2.1)~(ii-2.4)又は構造式(ii-3.1)~(ii-3.4)で表される化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量の下限値は、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることが好ましい。
一般式(ii)、一般式(ii-1)~(ii-3)、構造式(ii-1.1)~(ii-1.4)、構造式(ii-2.1)~(ii-2.4)又は構造式(ii-3.1)~(ii-3.4)で表される化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量の上限値は、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることが好ましい。
一般式(ii)、一般式(ii-1)~(ii-3)、構造式(ii-1.1)~(ii-1.4)、構造式(ii-2.1)~(ii-2.4)又は構造式(ii-3.1)~(ii-3.4)で表される化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量は、1~30質量%であることが好ましく、5~25質量%であることが好ましく、10~20質量%であることが好ましい。
一般式(ii)、一般式(ii-1)~(ii-3)、構造式(ii-1.1)~(ii-1.4)、構造式(ii-2.1)~(ii-2.4)又は構造式(ii-3.1)~(ii-3.4)で表される化合物は、公知の合成方法を用いて合成することができる。
【0137】
(その他の化合物)
(一般式(iii)で表される化合物)
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物は、色素化合物含有液晶組成物の誘電率異方性をより大きくする観点から、更に、下記一般式(iii)で表されるトリフッ素構造を有する化合物の1種又は2種以上を含んでもよい。
【0138】
【化15】
一般式(iii)中、Riii1は、炭素原子数1~20のアルキル基を表す。
【0139】
炭素原子数1~20のアルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、直鎖状のアルキル基であることが好ましい。
炭素原子数1~20のアルキル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0140】
当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-及び/又は-CO-で置換されてもよい。
また、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-及び/又は-C≡C-で置換されてもよい。
また、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0141】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
但し、当該アルキル基が所定の基により置換される場合においては、酸素原子と酸素原子が直接結合することはない。
【0142】
例えば、Riii1は、当該アルキル基中の1つの-CH2-が-O-に置換されることにより、炭素原子数1~19のアルコキシ基を表すことができる。
当該アルコキシ基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基であり、直鎖状のアルコキシ基であることが好ましい。
【0143】
当該アルコキシ基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0144】
また、Riii1は、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-CH=CH-に置換されることにより、炭素原子数1~20のアルケニル基を表すことができる。
【0145】
当該アルケニル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基であり、直鎖状のアルケニル基であることが好ましい。
【0146】
当該アルケニル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0147】
また、Riii1は、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-C≡C-に置換されることにより、炭素原子数1~20のアルキニル基を表すことができる。
【0148】
当該アルキニル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキニル基であり、直鎖状のアルキニル基であることが好ましい。
【0149】
当該アルキニル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0150】
また、Riii1は、当該アルキル基中の1つの-CH2-が-O-に置換され、且つ1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-CH=CH-に置換されることにより、炭素原子数1~19のアルケニルオキシ基を表すことができる。
【0151】
当該アルケニルオキシ基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルケニルオキシ基であり、直鎖状のアルケニルオキシ基であることが好ましい。
【0152】
当該アルケニルオキシ基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0153】
また、Riii1は、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されることにより、炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基を表すことができる。
【0154】
当該ハロゲン化アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基であり、直鎖状のハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
【0155】
当該ハロゲン化アルキル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0156】
Riii1における炭素原子数1~20のアルキル基(置換されたものも含む)の具体例としては、式(Riii1-1)~(Riii1-31)で表される基等が挙げられる。
【0157】
【化16】
式(Riii1-1)~(Riii1-31)中、黒点は環構造への結合手を表す。
なお、Riii1としては、高い溶解性と色素化合物含有液晶組成物の粘度を低下させる観点から、炭素原子数1~6の直鎖状のアルキル基が好ましい。
一般式(iii)中、Aiii1及びAiii2は、それぞれ独立して、以下の基(a)及び基(b):
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1つの-CH2-又は非隣接の2つ以上の-CH2-は-O-及び/又は-S-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1つの-CH=又は非隣接の2つ以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表す。
【0158】
また、Aiii1及びAiii2中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子により置換されていてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
Aiii1及びAiii2におけるハロゲン原子の置換位置としては、下記式(Aiii1/2-SP-1)であることが好ましい。
【0159】
【化17】
式(Aiii1/2-SP-1)中、Siii1/2はそれぞれ独立してハロゲン原子を表し、白点はRiii1又はAiii1への結合手を表し、黒点はAiii2又は(3F,5F)-1,4-フェニレン基への結合手を表す。
【0160】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
より具体的には、Aiii1及びAiii2は、下記式(Aiii1/2-1)~(Aiii1/2-3)のいずれかを表すことが好ましい。
【0161】
【化18】
式(Aiii1/2-1)~(Aiii1/2-3)中、白点はRiii1又はAiii1への結合手を表し、黒点はAiii2又は(3F,5F)-1,4-フェニレン基への結合手を表す。
一般式(iii)で表される化合物としては、下記一般式(iii-1)~(iii-5)で表される化合物であることが好ましい。
【0162】
【化19】
一般式(iii-1)~(iii-5)中、Riii1は、上記一般式(iii)中のRiii1とそれぞれ同じ意味を表し、好ましい基も同じものを表す。
一般式(iii-1)~(iii-5)中、Siii1/2はそれぞれ独立してハロゲン原子を表す。
【0163】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(iii-1)で表される化合物としては、下記構造式(iii-1.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0164】
【化20】
一般式(iii-2)で表される化合物としては、下記構造式(iii-2.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0165】
【化21】
一般式(iii-3)で表される化合物としては、下記構造式(iii-3.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0166】
【化22】
一般式(iii-4)で表される化合物としては、下記構造式(iii-4.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0167】
【化23】
一般式(iii-5)で表される化合物としては、下記構造式(iii-5.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0168】
【化24】
一般式(iii)、一般式(iii-1)~(iii-5)、構造式(iii-1.1)、構造式(iii-2.1)、構造式(iii-3.1)、構造式(iii-4.1)又は構造式構造式(iii-5.1)で表される化合物の色素化合物含有液晶組成物に用いる種類は、1種又は2種以上、好ましくは1~5種、好ましくは1~4種、好ましくは1~3種、好ましくは1~2種である。
一般式(iii)、一般式(iii-1)~(iii-5)、構造式(iii-1.1)、構造式(iii-2.1)、構造式(iii-3.1)、構造式(iii-4.1)又は構造式構造式(iii-5.1)で表される化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量の下限値は、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることが好ましい。
一般式(iii)、一般式(iii-1)~(iii-5)、構造式(iii-1.1)、構造式(iii-2.1)、構造式(iii-3.1)、構造式(iii-4.1)又は構造式構造式(iii-5.1)で表される化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量の上限値は、35質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることが好ましい。
一般式(iii)、一般式(iii-1)~(iii-5)、構造式(iii-1.1)、構造式(iii-2.1)、構造式(iii-3.1)、構造式(iii-4.1)又は構造式構造式(iii-5.1)で表される化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量は、1~35質量%であることが好ましく、5~30質量%であることが好ましく、10~25質量%であることが好ましい。
一般式(iii)、一般式(iii-1)~(iii-5)、構造式(iii-1.1)、構造式(iii-2.1)、構造式(iii-3.1)、構造式(iii-4.1)又は構造式構造式(iii-5.1)で表される化合物は、公知の合成方法を用いて合成することができる。
【0169】
(一般式(iv)で表される化合物)
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物は、色素化合物含有液晶組成物の粘度を低下させる観点から、更に、シクロヘキサン環とベンゼン環を有する下記一般式(iv)で表される化合物の1種又は2種以上を含んでもよい。
【0170】
【化25】
一般式(iv)中、Riv1及びRiv2は、それぞれ独立して、炭素原子数1~20のアルキル基を表す。
炭素原子数1~20のアルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、直鎖状のアルキル基であることが好ましい。
炭素原子数1~20のアルキル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-及び/又は-CO-で置換されてもよい。
【0171】
また、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-及び/又は-C≡C-で置換されてもよい。
【0172】
また、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0173】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
但し、当該アルキル基が所定の基により置換される場合においては、酸素原子と酸素原子が直接結合することはない。
【0174】
例えば、Riv1及びRiv2は、当該アルキル基中の1つの-CH2-が-O-に置換されることにより、炭素原子数1~19のアルコキシ基を表すことができる。
【0175】
当該アルコキシ基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基であり、直鎖状のアルコキシ基であることが好ましい。
【0176】
当該アルコキシ基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0177】
また、Riv1及びRiv2は、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-CH=CH-に置換されることにより、炭素原子数1~20のアルケニル基を表すことができる。
【0178】
当該アルケニル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基であり、直鎖状のアルケニル基であることが好ましい。
当該アルケニル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0179】
また、Riv1及びRiv2は、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-C≡C-に置換されることにより、炭素原子数1~20のアルキニル基を表すことができる。
【0180】
当該アルキニル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキニル基であり、直鎖状のアルキニル基であることが好ましい。
当該アルキニル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0181】
また、Riv1及びRiv2は、当該アルキル基中の1つの-CH2-が-O-に置換され、且つ1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-CH=CH-に置換されることにより、炭素原子数1~19のアルケニルオキシ基を表すことができる。
当該アルケニルオキシ基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルケニルオキシ基であり、直鎖状のアルケニルオキシ基であることが好ましい。
当該アルケニルオキシ基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0182】
また、Riv1及びRiv2は、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されることにより、炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基を表すことができる。
当該ハロゲン化アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基であり、直鎖状のハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
当該ハロゲン化アルキル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0183】
Riv1及びRiv2における炭素原子数1~20のアルキル基(置換されたものも含む)の具体例としては、式(Riv1/2-1)~(Riv1/2-31)で表される基等が挙げられる。
【0184】
【化26】
式(Riv1/2-1)~(Riv1/2-31)中、黒点は環構造への結合手を表す。
なお、Riv1としては、色素化合物含有液晶組成物の粘度を低下させる観点から、炭素原子数1~6の直鎖状のアルキル基又は炭素原子数1~6の直鎖状のアルコキシ基が好ましい。
【0185】
また、Riv2としては、色素化合物含有液晶組成物の屈折率異方性を大きくする観点から、炭素原子数1~6の直鎖状のアルコキシ基が好ましい。
一般式(iv)で表される化合物としては、下記構造式(iv-1.1)~(iv-1.5)で表される化合物であることが好ましい。
【0186】
【化27】
一般式(iv)又は構造式(iv-1.1)~(iv-1.5)で表される化合物の色素化合物含有液晶組成物に用いる種類は、1種又は2種以上、好ましくは1~5種、好ましくは1~4種、好ましくは1~3種、好ましくは1~2種である。
一般式(iv)又は構造式(iv-1.1)~(iv-1.5)で表されるで表される化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量の下限値は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが好ましい。
一般式(iv)又は構造式(iv-1.1)~(iv-1.5)で表されるで表される化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量の上限値は、45質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることが好ましい。
一般式(iv)又は構造式(iv-1.1)~(iv-1.5)で表されるで表される化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量は、1~45質量%であることが好ましく、3~40質量%であることが好ましく、5~35質量%であることが好ましい。
一般式(iv)又は構造式(iv-1.1)~(iv-1.5)で表される化合物は、公知の合成方法を用いて合成することができる。
【0187】
(一般式(v)で表される化合物)
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物は、適度な電圧で液晶駆動を行う観点から、25℃における誘電率異方性が正(2≦Δε)である液晶化合物、いわゆるP型化合物である下記一般式(v)で表される化合物の1種又は2種以上を含んでもよい。
【0188】
なお、液晶化合物の誘電率異方性(Δε)は、25℃において誘電的にほぼ中性の組成物に、液晶化合物を添加した組成物の誘電率異方性の測定値から外挿した値である。
【0189】
【化28】
一般式(v)中、Rv1は、それぞれ独立して、炭素原子数1~20のアルキル基を表す。
【0190】
炭素原子数1~20のアルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、直鎖状のアルキル基であることが好ましい。
【0191】
炭素原子数1~20のアルキル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0192】
当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-及び/又は-CO-で置換されてもよい。
【0193】
また、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-及び/又は-C≡C-で置換されてもよい。
【0194】
また、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0195】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
但し、当該アルキル基が所定の基により置換される場合においては、酸素原子と酸素原子が直接結合することはない。
【0196】
例えば、Rv1は、当該アルキル基中の1つの-CH2-が-O-に置換されることにより、炭素原子数1~19のアルコキシ基を表すことができる。
【0197】
当該アルコキシ基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基であり、直鎖状のアルコキシ基であることが好ましい。
【0198】
当該アルコキシ基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0199】
また、Rv1は、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-CH=CH-に置換されることにより、炭素原子数1~20のアルケニル基を表すことができる。
【0200】
当該アルケニル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基であり、直鎖状のアルケニル基であることが好ましい。
【0201】
当該アルケニル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0202】
また、Rv1は、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-C≡C-に置換されることにより、炭素原子数1~20のアルキニル基を表すことができる。
【0203】
当該アルキニル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキニル基であり、直鎖状のアルキニル基であることが好ましい。
【0204】
当該アルキニル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0205】
また、Rv1は、当該アルキル基中の1つの-CH2-が-O-に置換され、且つ1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-CH=CH-に置換されることにより、炭素原子数1~19のアルケニルオキシ基を表すことができる。
【0206】
当該アルケニルオキシ基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルケニルオキシ基であり、直鎖状のアルケニルオキシ基であることが好ましい。
【0207】
当該アルケニルオキシ基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0208】
また、Rv1は、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されることにより、炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基を表すことができる。
【0209】
当該ハロゲン化アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基であり、直鎖状のハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
【0210】
当該ハロゲン化アルキル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0211】
Rv1における炭素原子数1~20のアルキル基(置換されたものも含む)の具体例としては、式(Rv1-1)~(Rv1-31)で表される基等が挙げられる。
【0212】
【化29】
式(Rv1-1)~(Rv1-31)中、黒点は環構造への結合手を表す。
なお、Rv1としては、色素化合物含有液晶組成物の粘度を低下させる観点から、炭素原子数1~6の直鎖状のアルキル基が好ましい。
一般式(v)中、Rv2は、ハロゲン原子、-CN、-OCN又は-C≡CCNのいずれかを表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。 なお、Rv2としては、色素化合物含有液晶組成物の高い耐光性や高い溶解性の観点から、フッ素原子、-CNが好ましい。
一般式(v)中、Av1及びAv2は、それぞれ独立して、以下の基(a)、基(b)及び基(c):
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1つの-CH2-又は非隣接の2つ以上の-CH2-は-O-及び/又は-S-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1つの-CH=又は非隣接の2つ以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1つの-CH=又は非隣接の2つ以上の-CH=は-N=に置換されていてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表す。
【0213】
また、Av1及びAv2中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子により置換されていてもよい。
【0214】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
Av1及びAv2におけるハロゲン原子の置換位置としては、下記式(Av1/2-SP-1)~(Av1/2-SP-2)のいずれかであることが好ましい。
【0215】
【化30】
式(Av1/2-SP-1)~(Av1/2-SP-2)中、Sv1/2はそれぞれ独立してハロゲン原子を表し、白点はRv1又はZv1への結合手を表し、黒点はZv1又はRv2への結合手を表す。
【0216】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
より具体的には、Av1及びAv2は、下記式(Av1/2-1)~(Av1/2-5)のいずれかを表すことが好ましい。
【0217】
【化31】
式(Av1/2-1)~(Av1/2-5)中、白点はRv1又はZv1への結合手を表し、黒点はZv1又はRv2への結合手を表す。
一般式(v)中、Zv1は、単結合、炭素原子数1~20のアルキレン基のいずれかを表す。
【0218】
当該アルキレン基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基であり、直鎖状のアルキレン基であることが好ましい。
当該アルキレン基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
当該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-、-CH(CH3)-、-CO-及び/又は-CF2-で置換されていてもよい。
【0219】
また、当該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-、-CF=CH-、-CH=CF-、-CF=CF-、-CH=C(CH3)-、-C(CH3)=CH-、-CH=N-、-N=CH-、-N=N-及び/又は-C≡C-で置換されてもよい。
但し、当該アルキレン基が所定の基により置換される場合においては、酸素原子と酸素原子が直接結合することはない。
【0220】
炭素原子数1~20のアルキレン基の具体例(置換されたものも含む)としては、式(Zv1-1)~(Zv1-24)で表される基等が挙げられる。
【0221】
【化32】
式(Zv1-1)~(Zv1-24)中、白点はAv1又はAv2への結合手を表し、黒点はAv2への結合手を表す。
なお、Zvi1としては、色素化合物含有液晶組成物の高い耐光性の観点から、単結合、-CO-O-、-O-CO-、又は炭素原子数1~6の直鎖状のアルキレン基が好ましい。
nv1は、1~3の整数を表す。
Av2及びZv1が複数存在する場合は、それらはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0222】
但し、一般式(v)で表される化合物において、一般式(ii)及び(iii)で表される化合物(下位概念を含む)は除かれる。
一般式(v)で表される化合物としては、下記一般式(v-1)~(v-3)で表される化合物であることが好ましい。
【0223】
【化33】
一般式(v-1)~(v-3)中、Rv1、Rv2、Zv1、Av1及びAv2は、上記一般式(v)中のRv1、Rv2、Zv1、Av1及びAv2とそれぞれ同じ意味を表し、好ましい基も同じものを表す。
一般式(v-1)~(v-3)中、Zv1-2及びZv1-3は、それぞれ独立して、上記一般式(v)中のZv1とそれぞれ同じ意味を表し、好ましい基も同じものを表す。
一般式(v-1)~(v-3)中、Av2-2及びAv2-3は、それぞれ独立して、上記一般式(v)中のAv1とそれぞれ同じ意味を表し、好ましい基も同じものを表す。
一般式(v-1)で表される化合物としては、下記一般式(v-1-1)~(v-1-10)で表される化合物であることが好ましい。
【0224】
【化34】
一般式(v-1-1)~(v-1-10)中、Rv1、Rv2は、上記一般式(v)中のRv1、Rv2とそれぞれ同じ意味を表し、好ましい基も同じものを表す。
一般式(v-1-1)~(v-1-10)中、Sv1/2はそれぞれ独立してハロゲン原子を表す。
【0225】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(v-1-1)で表される化合物としては、下記構造式(v-1-1.1)~(v-1-1.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0226】
【化35】
一般式(v-1-2)で表される化合物としては、下記構造式(v-1-2.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0227】
【化36】
一般式(v-1-3)で表される化合物としては、下記構造式(v-1-3.1)~(v-1-3.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0228】
【化37】
一般式(v-1-4)で表される化合物としては、下記構造式(v-1-4.1)~(v-1-4.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0229】
【化38】
一般式(v-1-5)で表される化合物としては、下記構造式(v-1-5.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0230】
【化39】
一般式(v-1-6)で表される化合物としては、下記構造式(v-1-6.1)~構造式(v-1-6.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0231】
【化40】
一般式(v-1-7)で表される化合物としては、下記構造式(v-1-7.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0232】
【化41】
一般式(v-1-8)で表される化合物としては、下記構造式(v-1-8.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0233】
【化42】
一般式(v-1-9)で表される化合物としては、下記構造式(v-1-9.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0234】
【化43】
一般式(v-1-10)で表される化合物としては、下記構造式(v-1-10.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0235】
【化44】
一般式(v-2)で表される化合物としては、下記一般式(v-2-1)~(v-2-5)で表される化合物であることが好ましい。
【0236】
【化45】
一般式(v-2-1)~(v-2-5)中、Rv1、Rv2は、上記一般式(v)中のRv1、Rv2とそれぞれ同じ意味を表し、好ましい基も同じものを表す。
一般式(v-2-1)~(v-2-5)中、Sv1/2はそれぞれ独立してハロゲン原子を表す。
【0237】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(v-2-1)で表される化合物としては、下記構造式(v-2-1.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0238】
【化46】
一般式(v-2-2)で表される化合物としては、下記構造式(v-2-2.1)~(v-2-2.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0239】
【化47】
一般式(v-2-3)で表される化合物としては、下記構造式(v-2-3.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0240】
【化48】
一般式(v-2-4)で表される化合物としては、下記構造式(v-2-4.1)~(v-4-4.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0241】
【化49】
一般式(v-2-5)で表される化合物としては、下記構造式(v-2-5.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0242】
【化50】
一般式(v-3)で表される化合物としては、下記一般式(v-3-1)~(v-3-2)で表される化合物であることが好ましい。
【0243】
【化51】
一般式(v-3-1)~(v-3-2)中、Rv1、Rv2は、上記一般式(v)中のRv1、Rv2とそれぞれ同じ意味を表し、好ましい基も同じものを表す。
一般式(v-3-1)~(v-3-2)中、Sv1/2はそれぞれ独立してハロゲン原子を表す。
【0244】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(v-3-1)で表される化合物としては、下記構造式(v-3-1.1)~(v-3-1.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0245】
【化52】
一般式(v-3-1)で表される化合物としては、下記構造式(v-3-2.1)~(v-3-2.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0246】
【化53】
一般式(v)、一般式(v-1)~(v-3)、一般式(v-1-1)~(v-1-10)、一般式(v-2-1)~(v-2-5)、一般式(v-3-1)~(v-3-2)、構造式(v-1-1.1)~(v-1-1.4)、構造式(v-1-2.1)、構造式(v-1-3.1)~(v-1-3.4)、構造式(v-1-4.1)~(v-1-4.2)、構造式(v-1-5.1)、構造式(v-1-6.1)~構造式(v-1-6.2)、構造式(v-1-7.1)、構造式(v-1-8.1)、構造式(v-1-9.1)、構造式(v-1-10.1)、構造式(v-2-1.1)、構造式(v-2-2.1)~(v-2-2.2)、構造式(v-2-3.1)、構造式(v-2-4.1)~(v-4-4.2)、構造式(v-2-5.1)、構造式(v-3-1.1)~(v-3-1.2)、構造式(v-3-2.1)~(v-3-2.2)で表される化合物の色素化合物含有液晶組成物に用いる種類は、1種又は2種以上、好ましくは1~6種、好ましくは1~5種、好ましくは1~4種、好ましくは1~3種である。
一般式(v)、一般式(v-1)~(v-3)、一般式(v-1-1)~(v-1-10)、一般式(v-2-1)~(v-2-5)、一般式(v-3-1)~(v-3-2)、構造式(v-1-1.1)~(v-1-1.4)、構造式(v-1-2.1)、構造式(v-1-3.1)~(v-1-3.4)、構造式(v-1-4.1)~(v-1-4.2)、構造式(v-1-5.1)、構造式(v-1-6.1)~構造式(v-1-6.2)、構造式(v-1-7.1)、構造式(v-1-8.1)、構造式(v-1-9.1)、構造式(v-1-10.1)、構造式(v-2-1.1)、構造式(v-2-2.1)~(v-2-2.2)、構造式(v-2-3.1)、構造式(v-2-4.1)~(v-4-4.2)、構造式(v-2-5.1)、構造式(v-3-1.1)~(v-3-1.2)、構造式(v-3-2.1)~(v-3-2.2)で表される化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量の下限値は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが好ましい。
一般式(v)、一般式(v-1)~(v-3)、一般式(v-1-1)~(v-1-10)、一般式(v-2-1)~(v-2-5)、一般式(v-3-1)~(v-3-2)、構造式(v-1-1.1)~(v-1-1.4)、構造式(v-1-2.1)、構造式(v-1-3.1)~(v-1-3.4)、構造式(v-1-4.1)~(v-1-4.2)、構造式(v-1-5.1)、構造式(v-1-6.1)~構造式(v-1-6.2)、構造式(v-1-7.1)、構造式(v-1-8.1)、構造式(v-1-9.1)、構造式(v-1-10.1)、構造式(v-2-1.1)、構造式(v-2-2.1)~(v-2-2.2)、構造式(v-2-3.1)、構造式(v-2-4.1)~(v-4-4.2)、構造式(v-2-5.1)、構造式(v-3-1.1)~(v-3-1.2)、構造式(v-3-2.1)~(v-3-2.2)で表される化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量の上限値は、50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることが好ましい。
一般式(v)、一般式(v-1)~(v-3)、一般式(v-1-1)~(v-1-10)、一般式(v-2-1)~(v-2-5)、一般式(v-3-1)~(v-3-2)、構造式(v-1-1.1)~(v-1-1.4)、構造式(v-1-2.1)、構造式(v-1-3.1)~(v-1-3.4)、構造式(v-1-4.1)~(v-1-4.2)、構造式(v-1-5.1)、構造式(v-1-6.1)~構造式(v-1-6.2)、構造式(v-1-7.1)、構造式(v-1-8.1)、構造式(v-1-9.1)、構造式(v-1-10.1)、構造式(v-2-1.1)、構造式(v-2-2.1)~(v-2-2.2)、構造式(v-2-3.1)、構造式(v-2-4.1)~(v-4-4.2)、構造式(v-2-5.1)、構造式(v-3-1.1)~(v-3-1.2)、構造式(v-3-2.1)~(v-3-2.2)で表される化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量は、1~50質量%であることが好ましく、3~45質量%であることが好ましく、5~40質量%であることが好ましい。
一般式(v)、一般式(v-1)~(v-3)、一般式(v-1-1)~(v-1-10)、一般式(v-2-1)~(v-2-4)、一般式(v-3-1)~(v-3-2)、構造式(v-1-1.1)~(v-1-1.4)、構造式(v-1-2.1)、構造式(v-1-3.1)~(v-1-3.4)、構造式(v-1-4.1)~(v-1-4.2)、構造式(v-1-5.1)、構造式(v-1-6.1)~構造式(v-1-6.2)、構造式(v-1-7.1)、構造式(v-1-8.1)、構造式(v-1-9.1)、構造式(v-1-10.1)、構造式(v-2-1.1)、構造式(v-2-2.1)~(v-2-2.2)、構造式(v-2-3.1)、構造式(v-2-4.1)~(v-4-4.2)、構造式(v-3-1.1)~(v-3-1.2)、構造式(v-3-2.1)~(v-3-2.2)で表される化合物は、公知の合成方法を用いて合成することができる。
【0247】
(一般式(vi)で表される化合物)
本発明に係る液晶組成物は、色素化合物含有液晶組成物の溶解性の向上及び耐光性の向上の観点から、25℃における誘電率異方性が中性(-2<Δε<2)である液晶化合物、いわゆるnp型化合物である下記一般式(vi)で表される化合物の1種又は2種以上を含んでもよい。
【0248】
なお、液晶化合物の誘電率異方性(Δε)は、25℃において誘電的にほぼ中性の組成物に、液晶化合物を添加した組成物の誘電率異方性の測定値から外挿した値である。
【0249】
【化54】
一般式(vi)中、Rvi1及びRvi2は、それぞれ独立して、炭素原子数1~20のアルキル基を表す。
炭素原子数1~20のアルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、直鎖状のアルキル基であることが好ましい。
炭素原子数1~20のアルキル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0250】
当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-及び/又は-CO-で置換されてもよい。
【0251】
また、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-及び/又は-C≡C-で置換されてもよい。
【0252】
但し、当該アルキル基が所定の基により置換される場合においては、酸素原子と酸素原子が直接結合することはない。
【0253】
例えば、Rvi1及びRvi2は、当該アルキル基中の1つの-CH2-が-O-に置換されることにより、炭素原子数1~19のアルコキシ基を表すことができる。
【0254】
当該アルコキシ基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基であり、直鎖状のアルコキシ基であることが好ましい。
当該アルコキシ基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0255】
また、Rvi1及びRvi2は、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-CH=CH-に置換されることにより、炭素原子数1~20のアルケニル基を表すことができる。
【0256】
当該アルケニル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基であり、直鎖状のアルケニル基であることが好ましい。
当該アルケニル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0257】
また、Rvi1及びRvi2は、当該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-C≡C-に置換されることにより、炭素原子数1~20のアルキニル基を表すことができる。
【0258】
当該アルキニル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキニル基であり、直鎖状のアルキニル基であることが好ましい。
当該アルキニル基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0259】
また、Rvi1及びRvi2は、当該アルキル基中の1つの-CH2-が-O-に置換され、且つ1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-が、-CH=CH-に置換されることにより、炭素原子数1~19のアルケニルオキシ基を表すことができる。
【0260】
当該アルケニルオキシ基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルケニルオキシ基であり、直鎖状のアルケニルオキシ基であることが好ましい。
当該アルケニルオキシ基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
【0261】
Rvi1及びRvi2における炭素原子数1~20のアルキル基(置換されたものも含む)の具体例としては、式(Rvi1/2-1)~(Rvi1/2-26)で表される基等が挙げられる。
【0262】
【化55】
式(Rvi1/2-1)~(Rvi1/2-26)中、黒点は環構造への結合手を表す。
【0263】
なお、Rvi1及びRvi2としては、色素化合物含有液晶組成物の溶解性向上及び耐光性の向上の観点から、炭素原子数1~6の直鎖状のアルキル基又は炭素原子数2~6の直鎖状のアルケニル基が好ましい。
一般式(vi)中、Avi1及びAvi2は、それぞれ独立して、以下の基(a)、基(b)及び基(c):
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1つの-CH2-又は非隣接の2つ以上の-CH2-は-O-及び/又は-S-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1つの-CH=又は非隣接の2つ以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1つの-CH=又は非隣接の2つ以上の-CH=は-N=に置換されていてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表す。
【0264】
また、Avi1及びAvi2中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、炭素原子数1~6のアルキル基により置換されていてもよい。
炭素原子数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基が好ましい。
【0265】
Avi1及びAvi2における炭素原子数1~6のアルキル基の置換位置としては、下記式(Avi1/2-SP-1)であることが好ましい。
【0266】
【化56】
式(Avi1/2-SP-1)中、Svi1/2は炭素原子数1~6のアルキル基を表し、白点はRvi1又はZvi1への結合手を表し、黒点はZvi1又はRvi2への結合手を表す。
【0267】
炭素原子数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基が好ましい。
より具体的には、Avi1及びAvi2は、下記式(Avi1/2-1)~(Avi1/2-3)のいずれかを表すことが好ましい。
【0268】
【化57】
式(Avi1/2-1)~(Avi1/2-3)中、白点はRvi1又はZvi1への結合手を表し、黒点はZvi1又はRvi2への結合手を表す。
一般式(vi)中、Zvi1は、単結合、炭素原子数1~20のアルキレン基のいずれかを表す。
【0269】
当該アルキレン基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基であり、直鎖状のアルキレン基であることが好ましい。
当該アルキレン基における炭素原子数は、好ましくは2~10、好ましくは2~6である。
当該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-、-CH(CH3)-、-CO-及び/又は-CF2-で置換されていてもよい。
また、当該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-、-CF=CH-、-CH=CF-、-CF=CF-、-CH=C(CH3)-、-C(CH3)=CH-、-CH=N-、-N=CH-、-N=N-及び/又-C≡C-で置換されてもよい。
【0270】
但し、当該アルキレン基が所定の基により置換される場合においては、酸素原子と酸素原子が直接結合することはない。
炭素原子数1~20のアルキレン基の具体例(置換されたものも含む)としては、式(Zvi1-1)~(Zvi1-24)で表される基等が挙げられる。
【0271】
【化58】
式(Zvi1-1)~(Zvi1-24)中、白点はAvi1又はAvi2への結合手を表し、黒点はAvi2への結合手を表す。
【0272】
なお、Zvi1としては、色素化合物含有液晶組成物の溶解性向上及び耐光性の向上の観点から、単結合、-CO-O-、-O-CO-が好ましい。
nvi1は、1~3の整数を表す。
Avi2及びZvi1が複数存在する場合は、それらはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0273】
但し、一般式(vi)で表される化合物において、一般式(i)及び(iv)で表される化合物(下位概念を含む)は除かれる。
一般式(vi)で表される化合物としては、下記一般式(vi-1)~(vi-3)で表される化合物であることが好ましい。
【0274】
【化59】
一般式(vi-1)~(vi-3)中、Rvi1、Rvi2、Zvi1、Avi1及びAvi2は、上記一般式(vi)中のRvi1、Rvi2、Zvi1、Avi1及びAvi2とそれぞれ同じ意味を表し、好ましい基も同じものを表す。
一般式(vi-1)~(vi-3)中、Zvi1-2及びZvi1-3は、それぞれ独立して、上記一般式(vi)中のZvi1とそれぞれ同じ意味を表し、好ましい基も同じものを表す。
一般式(vi-1)~(vi-3)中、Avi2-2及びAvi2-3は、それぞれ独立して、上記一般式(vi)中のAvi1とそれぞれ同じ意味を表し、好ましい基も同じものを表す。
一般式(vi-1)で表される化合物としては、下記一般式(vi-1-1)~(vi-1-4)で表される化合物であることが好ましい。
【0275】
【化60】
一般式(vi-1-1)~(vi-1-4)中、Rvi1、Rvi2は、上記一般式(v)中のRvi1、Rvi2とそれぞれ同じ意味を表し、好ましい基も同じものを表す。 一般式(vi-1-1)~(vi-1-4)中、Svi1/2は炭素原子数1~6のアルキル基を表す。
【0276】
炭素原子数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基が好ましい。
一般式(vi-1-1)で表される化合物としては、下記構造式(vi-1-1.1)~(vi-1-1.8)で表される化合物であることが好ましい。
【0277】
【化61】
一般式(vi-1-2)で表される化合物としては、下記構造式(vi-1-2.1)~(vi-1-2.5)で表される化合物であることが好ましい。
【0278】
【化62】
一般式(vi-1-3)で表される化合物としては、下記構造式(vi-1-3.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0279】
【化63】
一般式(vi-1-4)で表される化合物としては、下記構造式(vi-1-4.1)~(vi-1-4.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0280】
【化64】
一般式(vi-2)で表される化合物としては、下記一般式(vi-2-1)~(vi-2-8)で表される化合物であることが好ましい。
【0281】
【化65】
一般式(vi-2-1)~(vi-2-8)中、Rvi1、Rvi2は、上記一般式(vi)中のRvi1、Rvi2とそれぞれ同じ意味を表し、好ましい基も同じものを表す。
一般式(vi-2-1)~(vi-2-8)中、Svi1/2は炭素原子数1~6のアルキル基を表す。
炭素原子数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基が好ましい。
一般式(vi-2-1)で表される化合物としては、下記構造式(vi-2-1.1)~(vi-2-1.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0282】
【化66】
一般式(vi-2-2)で表される化合物としては、下記構造式(vi-2-2.1)~(vi-2-2.5)で表される化合物であることが好ましい。
【0283】
【化67】
一般式(vi-2-3)で表される化合物としては、下記構造式(vi-2-3.1)~(vi-2-3.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0284】
【化68】
一般式(vi-2-4)で表される化合物としては、下記構造式(vi-2-4.1)~(vi-2-4.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0285】
【化69】
一般式(vi-2-5)で表される化合物としては、下記構造式(vi-2-5.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0286】
【化70】
一般式(vi-2-6)で表される化合物としては、下記構造式(vi-2-6.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0287】
【化71】
一般式(vi-2-7)で表される化合物としては、下記構造式(vi-2-7.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0288】
【化72】
一般式(vi-2-8)で表される化合物としては、下記構造式(vi-2-8.1)~(vi-2-8.5)で表される化合物であることが好ましい。
【0289】
【化73】
一般式(vi-3)で表される化合物としては、下記一般式(vi-3-1)~(vi-3-2)で表される化合物であることが好ましい。
【0290】
【化74】
一般式(vi-3-1)~(vi-3-2)中、Rvi1、Rvi2は、上記一般式(v)中のRvi1、Rvi2とそれぞれ同じ意味を表し、好ましい基も同じものを表す。
一般式(vi-3-1)で表される化合物としては、下記構造式(vi-3-1.1)~(vi-3-1.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0291】
【化75】
一般式(vi-3-2)で表される化合物としては、下記構造式(vi-3-2.1)~(vi-3-2.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0292】
【化76】
一般式(vi)、一般式(vi-1)~(vi-3)、一般式(vi-1-1)~(vi-1-4)、一般式(vi-2-1)~(vi-2-8)、一般式(vi-3-1)~(vi-3-2)、構造式(vi-1-1.1)~(vi-1-1.8)、構造式(vi-1-2.1)~(vi-1-2.5)、構造式(vi-1-3.1)、構造式(vi-1-4.1)~(vi-1-4.2)、構造式(vi-2-1.1)~(vi-2-1.4)、構造式(vi-2-2.1)~(vi-2-2.5)、構造式(vi-2-3.1)~(vi-2-3.3)、構造式(vi-2-4.1)~(vi-2-4.2)、構造式(vi-2-5.1)、構造式(vi-2-6.1)、構造式(vi-2-7.1)、構造式(vi-2-8.1)~構造式(vi-2-8.2、)、構造式(vi-3-1.1)~(vi-3-1.3)、構造式(vi-3-2.1)~(vi-3-2.2)で表される化合物の液晶組成物に用いる種類は、1種又は2種以上、好ましくは1~5種、好ましくは1~4種、好ましくは1~3種、好ましくは1~2種である。
一般式(vi)、一般式(vi-1)~(vi-3)、一般式(vi-1-1)~(vi-1-4)、一般式(vi-2-1)~(vi-2-8)、一般式(vi-3-1)~(vi-3-2)、構造式(vi-1-1.1)~(vi-1-1.8)、構造式(vi-1-2.1)~(vi-1-2.5)、構造式(vi-1-3.1)、構造式(vi-1-4.1)~(vi-1-4.2)、構造式(vi-2-1.1)~(vi-2-1.4)、構造式(vi-2-2.1)~(vi-2-2.5)、構造式(vi-2-3.1)~(vi-2-3.3)、構造式(vi-2-4.1)~(vi-2-4.2)、構造式(vi-2-5.1)、構造式(vi-2-6.1)、構造式(vi-2-7.1)、構造式(vi-2-8.1)~構造式(vi-2-8.2、)、構造式(vi-3-1.1)~(vi-3-1.3)、構造式(vi-3-2.1)~(vi-3-2.2)で表される化合物の液晶組成物100質量%中の合計含有量の下限値は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが好ましい。
一般式(vi)、一般式(vi-1)~(vi-3)、一般式(vi-1-1)~(vi-1-4)、一般式(vi-2-1)~(vi-2-8)、一般式(vi-3-1)~(vi-3-2)、構造式(vi-1-1.1)~(vi-1-1.8)、構造式(vi-1-2.1)~(vi-1-2.5)、構造式(vi-1-3.1)、構造式(vi-1-4.1)~(vi-1-4.2)、構造式(vi-2-1.1)~(vi-2-1.4)、構造式(vi-2-2.1)~(vi-2-2.5)、構造式(vi-2-3.1)~(vi-2-3.3)、構造式(vi-2-4.1)~(vi-2-4.2)、構造式(vi-2-5.1)、構造式(vi-2-6.1)、構造式(vi-2-7.1)、構造式(vi-2-8.1)~構造式(vi-2-8.2、)、構造式(vi-3-1.1)~(vi-3-1.3)、構造式(vi-3-2.1)~(vi-3-2.2)で表される化合物の液晶組成物100質量%中の合計含有量の上限値は、50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることが好ましい。
一般式(vi)、一般式(vi-1)~(vi-3)、一般式(vi-1-1)~(vi-1-4)、一般式(vi-2-1)~(vi-2-8)、一般式(vi-3-1)~(vi-3-2)、構造式(vi-1-1.1)~(vi-1-1.8)、構造式(vi-1-2.1)~(vi-1-2.5)、構造式(vi-1-3.1)、構造式(vi-1-4.1)~(vi-1-4.2)、構造式(vi-2-1.1)~(vi-2-1.4)、構造式(vi-2-2.1)~(vi-2-2.5)、構造式(vi-2-3.1)~(vi-2-3.3)、構造式(vi-2-4.1)~(vi-2-4.2)、構造式(vi-2-5.1)、構造式(vi-2-6.1)、構造式(vi-2-7.1)、、構造式(vi-2-8.1)~構造式(vi-2-8.2、)、構造式(vi-3-1.1)~(vi-3-1.3)、構造式(vi-3-2.1)~(vi-3-2.2)で表される化合物の液晶組成物100質量%中の合計含有量は、1~50質量%であることが好ましく、3~45質量%であることが好ましく、5~40質量%であることが好ましい。
一般式(vi)、一般式(vi-1)~(vi-3)、一般式(vi-1-1)~(vi-1-4)、一般式(vi-2-1)~(vi-2-8)、一般式(vi-3-1)~(vi-3-2)、構造式(vi-1-1.1)~(vi-1-1.8)、構造式(vi-1-2.1)~(vi-1-2.5)、構造式(vi-1-3.1)、構造式(vi-1-4.1)~(vi-1-4.2)、構造式(vi-2-1.1)~(vi-2-1.4)、構造式(vi-2-2.1)~(vi-2-2.5)、構造式(vi-2-3.1)~(vi-2-3.3)、構造式(vi-2-4.1)~(vi-2-4.2)、構造式(vi-2-5.1)、構造式(vi-2-6.1)、構造式(vi-2-7.1)、、構造式(vi-2-8.1)~構造式(vi-2-8.2、)、構造式(vi-3-1.1)~(vi-3-1.3)、構造式(vi-3-2.1)~(vi-3-2.2)で表される化合物は、公知の合成方法を用いて合成することができる。
【0293】
(色素化合物)
本発明に係る液晶組成物は、色素化合物の1種又は2種以上を含む。
色素化合物は、好ましくは350~700nm、より好ましくは400~650の間に最大吸収を有することが好ましい。
【0294】
最大吸収波長の測定方法は、次の通りである。
【0295】
まず、色素化合物を溶解することができる任意の液晶組成物100質量部に対して、色素化合物を1.0質量部添加して溶解させて、試料を調整する。
【0296】
次に、ITO電極(一対の電極32、34)を有し、当該ITO電極上に水平配向用配向膜を備えた2cm×2cmのガラス基板を2枚用いて、ITO電極層をセルの内側として、プラスチック粒子によりセル厚10μmに調整した注入口を備えたセルを作製する。
当該セルに、試料を注入し、注入口を封止材で塞ぐことにより、素子を作製する。
【0297】
次に、スペクトルメーター(大塚電子社製、「LCD-5200」)を用いて、25℃、電圧無印加の条件下、作製した素子を用いて、350~750nmの間の吸収スペクトルを測定することにより、色素化合物の最大吸収波長を求めることができる。
複数の色素化合物を用いる場合には、複数の色素化合物が互いに異なる吸収波長を有していることが好ましく、これにより黒色など所望の色にすることが可能になる。
また、色素化合物は、二色性色素であることが好ましい。
【0298】
色素化合物として、アゾ系化合物、アントラキノン系化合物、メチン系化合物、アゾメチン系化合物、メロシアニン系化合物、キノン系化合物、ナフトキノン系化合物、テトラジン系化合物、ペリレン系化合物、テリレン系化合物、クアテリレン系化合物、高リレン系化合物、インジゴ系化合物、ジオキサジン系化合物、アズレン系化合物、ピロメテン系化合物、スピロピラン系化合物及びジアリールエテン系化合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0299】
アゾ系化合物としては、ジスアゾ系化合物及びトリスアゾ系化合物等が挙げられる。
【0300】
色素化合物の具体例としては、SI-486(黄、二色性色素、アゾ系化合物)、SI-426(赤、二色性色素、アゾ系化合物)、G-472(青、二色性色素、アゾ系化合物)M-483(二色性色素、青)、M-412(二色性色素、青)等が挙げられる。
【0301】
色素化合物の色素化合物含有液晶組成物に用いる種類は、1種又は2種以上、好ましくは1~5種、好ましくは1~4種、好ましくは1~3種である。
【0302】
色素化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量の下限値は、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることが好ましい。
【0303】
色素化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量の上限値は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることが好ましい。
【0304】
色素化合物の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量は、0.1~20質量%であることが好ましく、0.5~15質量%であることが好ましく、1~10質量%であることが好ましい。
【0305】
色素化合物及び添加物を含まない液晶組成物100質量部に対する色素化合物の添加量の下限値は、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることが好ましい。
【0306】
色素化合物及び添加物を含まない液晶組成物100質量部に対する色素化合物の添加量の上限値は、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることが好ましい。
【0307】
色素化合物及び添加物を含まない液晶組成物100質量部に対する色素化合物の添加量は、0.1~20質量部であることが好ましく、0.5~15質量部であることが好ましく、1~10質量部であることが好ましい。
【0308】
(色素化合物含有液晶組成物)
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物は、例えば、上述の一般式(i)~(ii)で表される化合物、色素化合物、必要に応じて上述のその他の化合物、添加物を混合することにより、製造することができる。
【0309】
より具体的には、上述の一般式(i)~(ii)で表される化合物、必要に応じて上述のその他の化合物を混合することにより、色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物を得る工程と、前記色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物に色素化合物、必要に応じて添加物を混合することにより、色素化合物含有液晶組成物を得る工程により製造することができる。
【0310】
また、色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物を構成する液晶化合物、色素化合物、必要に応じて添加物を任意の順序で混合することにより、色素化合物含有液晶組成物を得る工程により製造することができる。
【0311】
添加物としては、安定剤、カイラル剤、帯電防止剤、ネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、キラル剤、重合性化合物等が挙げられる。
【0312】
安定剤としては、酸化防止剤、紫外線(UV)吸収剤、光安定剤又は赤外線吸収剤等が挙げられる。
【0313】
酸化防止剤としては、ヒドロキノン誘導体、ニトロソアミン系重合禁止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
【0314】
より具体的には、tert-ブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、和光純薬工業株式会社製の「Q-1300」、「Q-1301」、BASF社の「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1425」、「IRGANOX1520」、「IRGANOX1726」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」等が挙げられる。
【0315】
紫外線(UV)吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。
【0316】
より具体的には、例えばヒンダードフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシベンゾフェノン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物等が挙げられる。
【0317】
ヒンダードフェノール系化合物としては、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ペンタエリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナミド)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレートが挙げられる。
【0318】
ベンゾトリアゾール系化合物としては、2-(2′-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2-メチレンビス(4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール)、(2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、トリエチレングリコール-ビス〔3-(3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナミド)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロルベンゾトリアゾール、(2-(2′-ヒドロキシ-3’,5-ジ-tert-アミルフェニル)-5-クロルベンゾトリアゾール、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ペンタエリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が挙げられる。
【0319】
より具体的には、BASFジャパン(株)製の「TINUVIN109」、「TINUVIN171」、「TINUVIN326」、「TINUVIN327」、「TINUVIN328」、「TINUVIN770」、「TINUVIN900」、「TINUVIN928」、ケミプロ化成(株)製の、「KEMISORB 71」、「KEMISORB 73」、「KEMISORB 74」等が挙げられる。
【0320】
安定剤の色素化合物含有液晶組成物に用いる種類は、1種又は2種以上、好ましくは1~5種、好ましくは1~4種、好ましくは1~3種、好ましくは1~2種である。
安定剤を使用する場合における安定剤の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量の下限値は、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることが好ましい。
【0321】
安定剤を使用する場合における安定剤の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量の上限値は、2.0質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることが好ましい。
【0322】
安定剤を使用する場合における安定剤の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量は、0.01~2.0質量%であることが好ましく、0.05~1.5質量%であることが好ましく、0.1~1.0質量%であることが好ましい。
【0323】
安定剤を使用する場合における安定剤の色素化合物及び添加物を含まない液晶組成物100質量部に対する添加量の下限値は、0.01質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることが好ましい。
【0324】
安定剤を使用する場合における安定剤の色素化合物及び添加物を含まない液晶組成物100質量部に対する添加量の上限値は、2.0質量部以下であることが好ましく、1.5質量部以下であることが好ましく、1.0質量部以下であることが好ましい。
【0325】
安定剤を使用する場合における安定剤の色素化合物及び添加物を含まない液晶組成物100質量部に対する添加量は、0.01~2.0質量部であることが好ましく、0.05~1.5質量部であることが好ましく、0.1~1.0質量部であることが好ましい。
【0326】
また、色素化合物含有液晶組成物にカイラル剤を用いることにより、液晶に捩じれを誘起することができる。
【0327】
カイラル剤は、右巻きであっても左巻きであっても良く、素子の構成によって適宜使い分ければ良い。
【0328】
また、カイラル剤として、TNモード又はSTNモードに用いられるカイラル剤を転用しても良い。
【0329】
例えば、カイラル剤としては、「Chiral S-811(下記構造式(CA-1)で表される化合物)」等が挙げられる。
【0330】
【化77】
なお、構造式(CA-1)中、「*」は、不斉中心を表す。
【0331】
カイラル剤の色素化合物含有液晶組成物に用いる種類は、1種又は2種以上、好ましくは1~5種、好ましくは1~4種、好ましくは1~3種、好ましくは1~2種、好ましくは1種である。
【0332】
カイラル剤を使用する場合における安定剤の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量の下限値は、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることが好ましい。
【0333】
カイラル剤を使用する場合における安定剤の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量の上限値は、5質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以下であることが好ましい。
【0334】
カイラル剤を使用する場合における安定剤の色素化合物含有液晶組成物100質量%中の合計含有量は、0.05~5質量%であることが好ましく、0.1~3.0質量%であることが好ましく、0.3~2.0質量%であることが好ましく、0.5~1.5質量%であることが好ましい。
【0335】
カイラル剤を使用する場合におけるカイラル剤の色素化合物及び添加物を含まない液晶組成物100質量部に対する添加量の下限値は、0.05質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることが好ましく、0.3質量部以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることが好ましい。
【0336】
カイラル剤を使用する場合におけるカイラル剤の色素化合物及び添加物を含まない液晶組成物100質量部に対する添加量の上限値は、5質量部以下であることが好ましく、3.0質量部以下であることが好ましく、2.0質量部以下であることが好ましく、1.5質量部以下であることが好ましい。
【0337】
カイラル剤を使用する場合におけるカイラル剤の色素化合物及び添加物を含まない液晶組成物100質量部に対する添加量は、0.05~5質量部であることが好ましく、0.1~3.0質量部であることが好ましく、0.3~2.0質量部であることが好ましく、0.5~1.5質量部であることが好ましい。
【0338】
また、色素化合物含有液晶組成物の高い耐光性と高い溶解性を両立させる観点から、前記一般式(i)及び/又は(ii)で表される化合物の含有量は、10質量%以上であることが好ましく、10~20質量%が好ましい。
【0339】
なお、当該含有量の関係性は、一般式(i)で表される化合物、及び/又は一般式(ii)で表される化合物の任意の下位概念に対しても適用でき、下位概念を含む一般式(i)で表される化合物、及び/又は一般式(ii)で表される化合物の任意の組み合わせに対しても適用できる。
【0340】
また、色素化合物含有液晶組成物の高い耐光性と高い溶解性を両立させる観点から、一般式(iii)で表される化合物を用いる場合においては、一般式(i)で表される化合物と、一般式(ii)で表される化合物と、一般式(iii)で表される化合物の合計含有量が、色素化合物含有液晶組成物100質量%中において、20質量%以上であることが好ましく、25~65質量%であることが好ましく、30~60質量%であることが好ましく、35~55質量%であることが好ましい。
【0341】
なお、当該含有量の関係性は、一般式(i)で表される化合物、一般式(ii)で表される化合物、及び/又は一般式(iii)で表される化合物の任意の下位概念に対しても適用でき、下位概念を含む一般式(i)で表される化合物、一般式(ii)で表される化合物、及び/又は一般式(iii)で表される化合物の任意の組み合わせに対しても適用できる。
【0342】
また、色素化合物含有液晶組成物の高い耐光性と高い溶解性を両立させる観点から、一般式(iv)で表される化合物を用いる場合においては、一般式(i)で表される化合物と、一般式(ii)で表される化合物と、一般式(iv)で表される化合物の合計含有量が、色素化合物含有液晶組成物100質量%中において、20質量%以上であることが好ましく、25~75質量%であることが好ましく、30~70質量%であることが好ましく、35~65質量%であることが好ましい。
【0343】
なお、当該含有量の関係性は、任意の一般式(i)で表される化合物、一般式(ii)で表される化合物、及び/又は一般式(iv)で表される化合物の下位概念に対しても適用でき、下位概念を含む一般式(i)で表される化合物、一般式(ii)で表される化合物、及び/又は一般式(iv)で表される化合物の任意の組み合わせに対しても適用できる。
【0344】
液晶相上限温度(TNI)は、液晶組成物がネマチック相から等方相へ相転移する温度である。
【0345】
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物の液晶相上限温度(TNI)は、TNIが高いほど高温でもネマチック相を維持することができ、駆動温度範囲を広く取ることができる観点から、95℃以上であることが好ましく、100~150℃であることが好ましく、100~130℃であることが好ましい。
【0346】
液晶相下限温度(T→N)は、液晶組成物が他の相(ガラス、スメクチック相、結晶相)からネマチック相へ相転移する温度である。
【0347】
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物の液晶相下限温度(T→N)は、T→Nが低いほど低温でもネマチック相を維持することができるため、駆動温度範囲を広く取ることができる観点から、-15℃以下であることが好ましく、-78~-20℃であることが好ましく、-65~-25℃であることが好ましい。
【0348】
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物の25℃、589nmにおける屈折率異方性(Δn)は、0.05以上であることが好ましく、0.06~0.20であることが好ましく、0.07~0.15であることが好ましく、0.08~0.13であることが好ましい。
【0349】
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物の25℃、589nmにおける液晶分子の長軸方向の屈折率(ne)は、1.4以上であることが好ましく、1.45~1.65であることが好ましく、1.50~1.63であることが好ましい。
【0350】
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物の25℃、589nmにおける液晶分子の短軸方向の屈折率(no)は、1.3以上であることが好ましく、1.35~1.55であることが好ましく、1.40~1.53であることが好ましい。
【0351】
なお、アッベ屈折計を用いて、色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物のne、noを測定し、Δnを算出する事が出来る。
【0352】
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物の25℃における誘電率異方性(Δε)は、正(2≦Δε)であることが好ましい。
【0353】
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物の25℃における誘電率異方性(Δε)は、より具体的には、2.0~20.0であることが好ましく、2.5~15.0であることが好ましく、3.0~10.0であることが好ましく、3.5~7.0であることが好ましく、4.0~6.0であることが好ましい。
【0354】
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物の25℃における液晶分子の長軸方向の誘電率(ε//)は、であり、5.0以上であることが好ましく、5.5~30.0であることが好ましく、6.0~20.0であることが好ましく、6.0~15.0であることが好ましく、6.5~10.0であることが好ましい。
【0355】
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物の25℃における液晶分子の短軸方向の誘電率(ε⊥)は、1.5以上であることが好ましく、2.0~7.0であることが好ましく、2.5~5.0であることが好ましく、2.5~4.0であることが好ましい。
【0356】
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物の25℃における回転粘性(γ1)は、100~180mPa・sであることが好ましく、105~175mPa・sであることが好ましく、110~170mPa・sであることが好ましく、115~165mPa・sであることが好ましい。
【0357】
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物の25℃における弾性定数K11は、1.0~30.0pNであることが好ましく、5.0~25.0pNであることが好ましく、10.0~20.0pNであることが好ましい。
【0358】
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物の25℃における弾性定数K22は、1.0~25.0pNであることが好ましく、3.0~20.0pNであることが好ましく、5.0~15.0pNであることが好ましい。
【0359】
本発明に係る色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物の25℃における弾性定数K33は、1.0~35.0pNであることが好ましく、5.0~30.0pNであることが好ましく、10.0~25.0pNであることが好ましい。
【0360】
(素子)
次に、上述の色素化合物含有液晶組成物を用いた素子(液晶パネル30)について説明する。
【0361】
素子の用途としては、上記のように、調光素子であることが好ましい。
【0362】
素子の構成としては、第一の透明電極層(32)を有する基板と第二の透明電極層(34)を有する基板が透明電極層が内側となるように対向して配置され,当該基板間に上述の液晶組成物が挟持されている構成が好ましい。
【0363】
透明電極層としては、ITO電極が好ましい。
【0364】
第一及び/又は第二の透明電極層を有する基板は、透明電極層上に、配向膜を備えていてもよい。
【0365】
配向膜としては、水平配向用配向膜が好ましい。
【0366】
また、カイラル剤を色素化合物含有液晶組成物に添加することにより、液晶をツイストして配向させることができる。
【0367】
液晶分子のツイストは、第一の透明電極層を有する基板と第二の透明電極層を有する基板の配置によって、配向軸の角度を調整することでも調整することができる。
【0368】
具体的には、ツイスト角に応じて捩れピッチ(p(μm))とセル厚(d(μm))の関係d/p値が最適となるように調節することが好ましい。
【0369】
最適なd/p値とは、リバースツイストドメインやストライプドメインなどの配向欠陥がでない領域である。
【0370】
目視や顕微鏡などでドメインを観察して配向欠陥が生じないよう調節することが好ましい。
【0371】
素子における色素化合物含有液晶組成物のプレチルト角は、0.1~10°であることが好ましく、0.5~5°であることが好ましい。
【0372】
プレチルト角は、シンテック製OPTIPROを用いて測定することができる。
【0373】
基板の間隔(セル厚)は、1~100μmが好ましく、1.5~30μmが好ましく、5~20μmが好ましい。
【0374】
基板の間隔はスペーサーを用いて調整してもよい。
【0375】
スペーサーとしては、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子、フォトレジスト材料等が挙げられる。
【0376】
また、本発明に係る素子は、紫外線による劣化を防ぐ観点から、紫外線カットフィルムを備えていてもよい。
【0377】
例えば、400nm以下の波長の光をカットする、紫外線(UV)カットフィルムを素子上に積層させたり、貼り付けてもよい。
【0378】
また、本発明に係る素子は、単層として用いてもよいし、複数の素子を2層又は3層以上積層して用いてもよい。
【0379】
複数の素子を積層して用いる場合は、コントラスト比を向上させる観点から、アンチパラレルに配向処理された素子を、配向処理方向を90°直交させて積層させることが好ましい。
【0380】
素子は、次のようにして作製することができる。
【0381】
例えば、第一の透明電極層を有する基板にエポキシ系熱硬化性組成物等のシール剤を注入口を設けた形で描画し、第二の透明電極層を有する基板と当該基板同士を貼り合わせ、その後加熱してシール剤を熱硬化させることにより、空セルを作製できる。
【0382】
そして、当該セルにおける2枚の基板間に、通常の真空注入法又はODF法などを用いて色素化合物含有液晶組成物を狭持させることにより、液晶素子を作製することができる。
【0383】
また、よりコントラスト比を向上させたい場合には、本素子に所定の角度で偏光軸等の光学フィルムを更に配置しても良い。
【実施例0384】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0385】
以下の実施例及び比較例の組成物は各化合物を表中の割合で含有し、含有量は「質量%」で記載した。
【0386】
また、化合物の記載は、以下の略号を用いる。なお、シス体とトランス体を取りうる化合物は、特に断りがない限りトランス体を表す。
【0387】
<環構造>
【0388】
【化78】
【0389】
<末端構造>
【0390】
【表1】
【0391】
<連結構造>
【0392】
【表2】
【0393】
<色素化合物>
・SI-426:赤色を呈する二色性色素化合物(アゾ系)、最大吸収波長414nm
・SI-486:黄色を呈する二色性色素化合物(アゾ系)、最大吸収波長513nm
・G-472 :青色を呈する二色性色素化合物(アゾ系)、最大吸収波長636nm
【0394】
<酸化防止剤>
・IRGANOX1076:ヒンダードフェノール系酸化防止剤
【0395】
<紫外線(UV)吸収剤>
・KEMISORB71:ベンゾトリアゾール系化合物
【0396】
<色素化合物含有液晶組成物に用いた液晶組成物の物性>
色素化合物含有液晶組成物に用いた液晶組成物について、以下の物性値を測定した。
TNI(℃):液晶組成物がネマチック相から等方相へ転移する温度(上限温度)
T→N(℃):液晶組成物が他の相からネマチック相へ転移する温度(下限温度)
Δn:液晶組成物の25℃、589nmにおける屈折率異方性
ne:液晶組成物の25℃、589nmにおける液晶分子の長軸方向の屈折率
no:液晶組成物の25℃、589nmにおける液晶分子の短軸方向の屈折率
Δε:液晶組成物の25℃における誘電率異方性
ε//:液晶組成物の25℃における液晶分子の長軸方向の誘電率
ε⊥:液晶組成物の25℃における液晶分子の短軸方向の誘電率
γ1(mPa・s):25℃における回転粘性
K11(pN):液晶組成物の25℃における弾性定数K11
K22(pN):液晶組成物の25℃における弾性定数K22
K33(pN):液晶組成物の25℃における弾性定数K33
【0397】
(実施例1~18並びに比較例1~2)
<色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物の調整>
表1に記載の通り、各液晶化合物を各割合にて混合することにより、色素化合物含有液晶組成物に用いる液晶組成物LC-1~LC-11を調製し、その物性値を測定した。結果を表3及び4に示す。
【0398】
【表3】
【0399】
【表4】
【0400】
<素子の作製>
表5及び6に示す通り、LC1~11に色素化合物、酸化防止剤、カイラル剤を混合して溶解させることにより、色素化合物含有液晶組成物を調整した。次に、ITO電極を有し、当該ITO電極上に水平配向用配向膜(AL1051)を備えた2cm×2cmのガラス基板を2枚用いて、ITO電極層をセルの内側として、プラスチック粒子によりセル厚10μmに調整した注入口を備えたセルを作製した。当該セルに、色素化合物含有液晶組成物を注入し、注入口を封止材で塞ぐことにより、素子を作製した。
なお、表5及び6において色素化合物、酸化防止剤(質量部)は液晶組成物100質量部に対する添加量を表す。
【0401】
【表5】
【0402】
【表6】
表5及び6の色素化合物含有液晶組成物に対し、カイラル剤を添加しd/pを変えた結果を図4に示す。ここで、カイラル剤の添加量(質量部)は色素化合物含有液晶組成物100質量部に対する添加量を表す。また、図14及び15の結果は、それぞれ図4におけるd/p=3及び4の色素化合物含有液晶組成物を用いたテストパネル(液晶パネル)での試験結果であり、本開示の技術の液晶調光装置の調光方法により応答の改善を確認された。
その他のホスト液晶の場合にも、同様な条件にて、テストパネルを作製し、同様な応答の改善する事を確認出来た。
【0403】
以上の開示から以下の付記が提案される。
【0404】
(付記1)
下記一般式(i)
【化79】
(一般式(i)中、
Ri1は、炭素原子数2~20のアルケニル基を表し、
該アルケニル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-及び/又は-CO-で置換されてもよく、
該アルケニル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-及び/又は-C≡C-で置換されてもよく、
該アルケニル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよいが、
酸素原子と酸素原子が直接結合することはなく、
Ri2は、炭素原子数1~20のアルキル基を表し、
該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-及び/又は-CO-で置換されてもよく、
該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-及び/又は-C≡C-で置換されてもよく、
該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよいが、
酸素原子と酸素原子が直接結合することはなく、
Ai1は、以下の基(a)及び基(b):
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1つの-CH2-又は非隣接の2つ以上の-CH2-は-O-及び/又は-S-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1つの-CH=又は非隣接の2つ以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、
前記Ai1中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子により置換されていてもよく、
Li2、Li3、Li4、Li5は、それぞれ独立して、水素原子又はハロゲン原子を表す。)
で表される化合物の1種又は2種以上と、
下記一般式(ii)
【化80】
(一般式(ii)中、
Rii1は、炭素原子数1~20のアルキル基を表し、
該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-及び/又は-CO-で置換されてもよく、
該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-及び/又は-C≡C-で置換されてもよく、
該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよいが、
酸素原子と酸素原子が直接結合することはなく、
Aii1及びAii2は、それぞれ独立して、以下の基(a)及び基(b):
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1つの-CH2-又は非隣接の2つ以上の-CH2-は-O-及び/又は-S-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1つの-CH=又は非隣接の2つ以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、
前記Aii1及びAii2中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子により置換されていてもよい。)
で表される化合物の1種又は2種以上と、
色素化合物の1種又は2種以上と、
を含む色素化合物含有液晶組成物。
【0405】
(付記2)
更に、下記一般式(iii)
【化81】
(一般式(iii)中、
Riii1は、炭素原子数1~20のアルキル基を表し、
該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-及び/又は-CO-で置換されてもよく、
該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-及び/又は-C≡C-で置換されてもよく、
該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよいが、
酸素原子と酸素原子が直接結合することはなく、
Aiii1及びAiii2は、それぞれ独立して、以下の基(a)及び基(b):
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1つの-CH2-又は非隣接の2つ以上の-CH2-は-O-及び/又は-S-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1つの-CH=又は非隣接の2つ以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、
前記Aiii1及びAiii2中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子により置換されていてもよい。)
で表される化合物の1種又は2種以上を含む付記1に記載の色素化合物含有液晶組成物。
【0406】
(付記3)
更に、下記一般式(iv)
【化82】
(一般式(iv)中、
Riv1及びRiv2は、それぞれ独立して、炭素原子数1~20のアルキル基を表し、
該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-及び/又は-CO-で置換されてもよく、
該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-及び/又は-C≡C-で置換されてもよく、
該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよいが、
酸素原子と酸素原子が直接結合することはない。)
で表される化合物の1種又は2種以上を含む付記1又は2に記載の色素化合物含有液晶組成物。
【0407】
(付記4)
更に、下記一般式(v)
【化83】
(一般式(v)中、
Rv1は、炭素原子数1~20のアルキル基を表し、
該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-及び/又は-CO-で置換されてもよく、
該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-及び/又は-C≡C-で置換されてもよく、
該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよいが、
酸素原子と酸素原子が直接結合することはなく、
Rv2は、ハロゲン原子、-CN、-OCN又は-C≡CCNのいずれかを表し、
Av1及びAv2は、それぞれ独立して、以下の基(a)、基(b)及び基(c):
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1つの-CH2-又は非隣接の2つ以上の-CH2-は-O-及び/又は-S-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1つの-CH=又は非隣接の2つ以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1つの-CH=又は非隣接の2つ以上の-CH=は-N=に置換されていてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、
前記Av1及びAv2中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子により置換されていてもよく、
Zv1は、単結合、炭素原子数1~20のアルキレン基のいずれかを表し、
当該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-、-CH(CH3)-、-CO-及び/又は-CF2-で置換されていてもよく、
当該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-、-CF=CH-、-CH=CF-、-CF=CF-、-CH=C(CH3)-、-C(CH3)=CH-、-CH=N-、-N=CH-、-N=N-及び/又は-C≡C-で置換されてもよいが、
酸素原子と酸素原子が直接結合することはなく、
nv1は、1~3の整数を表し、
Av2及びZv1が複数存在する場合は、それらはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
但し、一般式(ii)及び(iii)で表される化合物を除く。)
で表される化合物の1種又は2種以上を含む付記1~3のいずれか一項に記載の色素化合物含有液晶組成物。
【0408】
(付記5)
更に、下記一般式(vi)
【化84】
(一般式(vi)中、
Rvi1及びRvi2は、それぞれ独立して、炭素原子数1~20のアルキル基を表し、
該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-及び/又は-CO-で置換されてもよく、
該アルキル基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-及び/又は-C≡C-で置換されてもよく、
酸素原子と酸素原子が直接結合することはなく、
Avi1及びAvi2は、それぞれ独立して、以下の基(a)、基(b)及び基(c):
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1つの-CH2-又は非隣接の2つ以上の-CH2-は-O-及び/又は-S-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1つの-CH=又は非隣接の2つ以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1つの-CH=又は非隣接の2つ以上の-CH=は-N=に置換されていてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、
前記Avi1及びAvi2中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、炭素原子数1~6のアルキル基により置換されていてもよく、
Zvi1は、単結合、炭素原子数1~20のアルキレン基のいずれかを表し、
当該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の-CH2-は、それぞれ独立して、-O-、-CH(CH3)-、-CO-及び/又は-CF2-で置換されていてもよく、
当該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の-CH2-CH2-は、それぞれ独立して、-CH=CH-、-CF=CH-、-CH=CF-、-CF=CF-、-CH=C(CH3)-、-C(CH3)=CH-、-CH=N-、-N=CH-、-N=N-及び/又は-C≡C-で置換されてもよいが、
酸素原子と酸素原子が直接結合することはなく、
nvi1は、1~3の整数を表し、
Avi2及びZvi1が複数存在する場合は、それらはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
但し、一般式(i)及び(iv)で表される化合物を除く。)
で表される化合物の1種又は2種以上を含む付記1~4のいずれか一項に記載の色素化合物含有液晶組成物。
【0409】
(付記6)
前記色素化合物が、350~700nmの間に最大吸収を有する付記1~5のいずれか一項に記載の色素化合物含有液晶組成物。
【0410】
(付記7)
前記色素化合物が、二色性色素化合物である付記6に記載の色素化合物含有液晶組成物。
【0411】
(付記8)
更に、カイラル剤を含む付記1~7に記載の色素化合物含有液晶組成物。
【0412】
(付記9)
前記一般式(i)及び/又は(ii)で表される化合物の含有量が、10質量%以上である付記1~8のいずれか一項に記載の色素化合物含有液晶組成物。
【0413】
(付記10)
付記1~9のいずれか1項に記載の色素化合物含有液晶組成物を用いた素子。
【0414】
(付記11)
前記素子が調光素子である付記10に記載の素子。
本開示において、各構成要素(装置等)は、矛盾が生じない限りは、1つのみ存在しても2つ以上存在してもよい。
【0415】
以上説明した各例では、コンピュータを利用したソフトウェア構成により情報出力処理が実現される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、コンピュータを利用したソフトウェア構成に代えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア構成のみによって、液晶調光処理が実行されるようにしてもよい。液晶調光処理のうちの一部の処理がソフトウェア構成により実行され、残りの処理がハードウェア構成によって実行されるようにしてもよい。
【0416】
なお、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
以上説明した情報出力処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0417】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的にかつ個々に記載された場合と同様に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【符号の説明】
【0418】
10 液晶調光装置
20 コンピュータ
25 記憶装置
22 温度センサ
28 電源
30 液晶パネル
32、34 電極
50 液晶組成物
36、38 配向膜

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