(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047647
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】コンテンツ提示装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/903 20190101AFI20240401BHJP
G06F 16/73 20190101ALI20240401BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20240401BHJP
H04N 21/278 20110101ALI20240401BHJP
【FI】
G06F16/903
G06F16/73
H04N21/258
H04N21/278
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153254
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 勝
【テーマコード(参考)】
5B175
5C164
【Fターム(参考)】
5B175DA04
5B175HB03
5C164FA06
5C164SB31S
5C164SC11P
5C164SD01P
5C164YA07
(57)【要約】
【課題】ユーザに提示するコンテンツに対して他のコミュニティで言及された内容を表す情報を付与する。
【解決手段】コンテンツ提示装置が、コンテンツを共有可能な情報通信サービスに接続する複数のユーザを、互いに関連するユーザが属する複数のコミュニティに分割するように構成されているコミュニティ生成部と、第1のコミュニティに属する対象ユーザに提示する対象コンテンツに関する情報を取得するように構成されているコンテンツ取得部と、第1のコミュニティと異なる第2のコミュニティで言及された対象コンテンツに関連する関連情報を生成するように構成されている関連情報生成部と、関連情報が付与された対象コンテンツを対象ユーザに提示するように構成されているコンテンツ提示部と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを共有可能な情報通信サービスに接続する複数のユーザを、互いに関連するユーザが属する複数のコミュニティに分割するように構成されているコミュニティ生成部と、
第1のコミュニティに属する対象ユーザに提示する対象コンテンツに関する情報を取得するように構成されているコンテンツ取得部と、
前記第1のコミュニティと異なる第2のコミュニティで言及された前記対象コンテンツに関連する関連情報を生成するように構成されている関連情報生成部と、
前記関連情報が付与された前記対象コンテンツを前記対象ユーザに提示するように構成されているコンテンツ提示部と、
を備えるコンテンツ提示装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ提示装置であって、
前記関連情報は、前記第2のコミュニティで言及された前記対象コンテンツと類似する類似コンテンツに関する情報を含む、
コンテンツ提示装置。
【請求項3】
請求項1に記載のコンテンツ提示装置であって、
前記関連情報は、前記複数のコミュニティそれぞれにおける前記対象コンテンツに対する言及に関する統計情報を含む、
コンテンツ提示装置。
【請求項4】
請求項2に記載のコンテンツ提示装置であって、
前記関連情報は、前記複数のコミュニティそれぞれにおける前記類似コンテンツに対する言及に関する統計情報を含む、
コンテンツ提示装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のコンテンツ提示装置であって、
前記関連情報は、前記統計情報を前記複数のコミュニティにおける前記言及の傾向を比較可能に可視化したグラフである、
コンテンツ提示装置。
【請求項6】
請求項1に記載のコンテンツ提示装置であって、
前記コンテンツは、時事に関する報道の内容を表すニュースコンテンツ、又は、放送番組の内容を表す動画コンテンツを含む、
コンテンツ提示装置。
【請求項7】
コンピュータを請求項1に記載のコンテンツ提示装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ提示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワークを介して様々なコンテンツをユーザに対して提示する情報通信サービスが利用されている。この種の情報通信サービスには、コンテンツに対してユーザによるコメントやアクション等の反応を付与して提示する機能を有するものがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、メディアサーバが提示するメディアコンテンツに対してコメントサーバから取得したコメント集合を表示する際に、メディアコンテンツの種々の配信指標に応じて、それに関するコメント集合のソート条件を制御するコメントリスト公開サーバが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、提示されるコンテンツに対して、ユーザが属するコミュニティにおける反応とは異なる視点を得ることが困難である、という課題がある。情報通信サービスで形成されるコミュニティは、興味や関心が類似するユーザで構成されることが多い。そのため、自身が属するコミュニティにおける反応ばかりに触れていると、物事に対する視点が限定的となるおそれがある。
【0006】
本発明の一態様は、上記のような技術的課題に鑑みて、ユーザに提示するコンテンツに対して他のコミュニティで言及された内容を表す情報を付与することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様のコンテンツ提示装置は、コンテンツを共有可能な情報通信サービスに接続する複数のユーザを、互いに関連するユーザが属する複数のコミュニティに分割するように構成されているコミュニティ生成部と、第1のコミュニティに属する対象ユーザに提示する対象コンテンツに関する情報を取得するように構成されているコンテンツ取得部と、第1のコミュニティと異なる第2のコミュニティで言及された対象コンテンツに関連する関連情報を生成するように構成されている関連情報生成部と、関連情報が付与された対象コンテンツを対象ユーザに提示するように構成されているコンテンツ提示部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、ユーザに提示するコンテンツに対して他のコミュニティで言及された内容を表す情報を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】従来技術の課題の一例を説明するための概念図である。
【
図2】第1実施形態の概要を説明するための概念図である。
【
図3】情報通信システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】コンピュータのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】情報通信システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】第1実施形態における関連情報生成部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】第1実施形態におけるコンテンツ提示方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】関連コンテンツ判定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】第1実施形態におけるコンテンツ提示画面の一例を示す図である。
【
図10】第2実施形態における関連情報生成部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】第2実施形態におけるコンテンツ提示方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図13】第2実施形態におけるコンテンツ提示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0011】
[第1実施形態]
近年、フェイクニュース等とも呼ばれる、事実と異なる報道が課題となっており、その対策となる技術が求められている。フェイクニュースへの対策には2つの側面がある。第1の側面は、ニュースの信憑性評価(ファクトチェック)である。第2の側面は、認知バイアスやヒューリスティックといった人間の意思決定の傾向への対応である。
【0012】
例えば、利用可能性ヒューリスティックという意思決定の傾向によって、フェイクニュースを信じてしまう、ということが起こる。利用可能性ヒューリスティックとは、「怪しい情報であっても繰り返し報道されたり見聞きしたりすると、その情報は正しいという認識が強化される」といった現象である。そのような情報環境は、エコーチェンバーやフィルターバブルと呼ばれる現象が一因であると言われている(参考文献1参照)。
【0013】
エコーチェンバーとは、ユーザがソーシャルネットワーキングサービス(SNS; Social Networking Service)等で自分と興味や関心が類似するユーザを多くフォローし、結果的に同じようなニュースや情報ばかりが流通する現象である。フィルターバブルとは、ユーザの興味や関心を学習した検索アルゴリズム又は提案アルゴリズム等により、自分にとって興味や関心がありそうな情報ばかりが届く現象である。
【0014】
〔参考文献1〕笹原和俊、「フェイクニュースを科学する:拡散するデマ、陰謀論、プロパガンダのしくみ」、DOJIN選書、2018年
【0015】
従来技術の課題について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、従来技術の課題の一例を説明するための図である。ソーシャルネットワーキングサービス等の情報通信サービスでは、ユーザ間の種々の関係性に基づいて複数のコミュニティが形成されている。ユーザ間の関係性の一例は、一方向又は双方向にフォローする関係である。
【0016】
図1には、ユーザ間のフォロー関係に基づいて形成されたコミュニティの一例が示されている。
図1の例では、ユーザU1-1が、他のユーザU1-2~U1-6をフォローすることで、コミュニティC1が形成され、ユーザU2-1が、他のユーザU2-2~U2-6をフォローすることで、コミュニティC2が形成されている。図中には示していないが、コミュニティにおいては、ユーザ同士のフォローは一方向的なものだけでなく双方向的な場合もありえる。また、あるユーザとフォロー関係にある2人のユーザ同士(例えば、U1-2とU1-3)がフォロー関係にある場合もありえる。この例ではコミュニティC1に属するユーザU1-1~U1-6とコミュニティC2に属するユーザU2-1~U2-6との間にはフォロー関係が存在しないため、コミュニティC1とコミュニティC2とを異なるコミュニティであるとしている。
【0017】
なお、
図1ではコミュニティC1とコミュニティC2との間にフォロー関係が示されていないが、コミュニティ間にユーザ同士の関係性が存在してはいけないことを意味しない。一般的な情報通信サービスでは、完全にユーザ同士の関係性が存在しないコミュニティが形成されることは稀である。本実施形態では、情報通信サービスに接続するユーザをコミュニティに分割するための様々なコミュニティ抽出手法を適用することができる。公知のコミュニティ抽出手法では、ユーザ同士が複雑に結びついたネットワーク構造の中で、様々な指標に基づいて特に結びつきが強い部分を抽出してコミュニティを定義することが多い。
【0018】
例えば、コミュニティC1に属するユーザU1-2が、あるコンテンツN1-1に言及するメッセージを投稿すると、ユーザU1-2をフォローしているユーザU1-1に対してコンテンツN1-1に関する情報(以下、「コンテンツ情報」とも呼ぶ)が提示される。コンテンツ情報は、例えば、コンテンツのタイトル、ダイジェスト(要約)、URL(Uniform Resource Locator)等を含む。なお、メッセージにコンテンツ情報を含めて投稿することを、当該コンテンツへの「言及」又は当該コンテンツの「シェア(共有)」等と呼ぶことがある。
【0019】
あるユーザに対して提示されるコンテンツは、当該ユーザが属しているコミュニティで言及されたコンテンツに限定され、他のコミュニティで言及されたコンテンツは通常提示されない。例えば、ユーザU1-1には、コミュニティC1に属するユーザU1-2~U1-6が言及したコンテンツN1-1,N1-2は提示されるが、コミュニティC2に属するユーザU2-1~U2-6が言及したコンテンツN2-1,N2-2は提示されない。このように、自分と興味や関心が類似するユーザで形成されたコミュニティ内で流通する情報ばかりを参照することになる現象が、エコーチェンバーと呼ばれている。
【0020】
放送局等のメディアには、事実を報道することで、視聴者が意思決定を行う際の材料を提供する、という重要な役割がある。そのためには、事実を様々な視点からバランス良く報道することが重要である。また、ユーザを特定の視点からの意見ばかりに触れるような情報環境に置かない、ということも重要な要素となる。自身が属するコミュニティ内で流通するコンテンツだけではなく、他のコミュニティにおいて話題となっているコンテンツを閲覧することは、ユーザにとって異なる視点を得る機会となることが期待できる。
【0021】
ニュース記事等のコンテンツを配信するニュースサイト等では、提示するコンテンツに、当該コンテンツに対する他のユーザのコメントやアクション(例えば「いいね」等のボタン押下)等の反応を表示するものがある。また、単にコメント等の反応を表示するだけではなく、コンテンツ自体の種々の指標に応じて、そのコンテンツに関するコメント集合のソート条件を制御する技術等も提案されている(特許文献1等)。
【0022】
これらの技術によれば、ユーザが閲覧しているコンテンツに対し、どれくらいの反響があるのか、どのような意見が存在しているのか、等を把握することができ、閲覧中のコンテンツに対する他者の意見を知ることができる。しかしながら、従来技術では、自身が属さない他のコミュニティにおいて話題となっている異なる視点からのコンテンツや、自身が属するコミュニティや他のコミュニティにおいて、当該コンテンツがどの程度話題になっているかを表す情報等を提供する機能は実現していない。
【0023】
本発明の第1実施形態は、コンテンツをユーザに提示する際に、当該ユーザが属さないコミュニティで言及された当該コンテンツに関連する情報を提示する情報通信システムである。本実施形態における情報通信システムのユーザは、自身が属するコミュニティの反応とは異なる視点を得ることができる。したがって、本実施形態によれば、エコーチェンバーやフィルターバブルといった閉じた情報環境に依存する課題を解決することができる。
【0024】
本実施形態の概要について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態の概要を説明するための図である。
図2に示されているように、本実施形態では、コミュニティC1に属するユーザが言及したコンテンツN1-1をユーザU1-1に提示するとき、コミュニティC2に属するユーザが言及したコンテンツのうち、コンテンツN1-1と類似するコンテンツN2-2に関する情報を付与する。
【0025】
ユーザは、自身が属するコミュニティの中で繰り返し提示される「同質の視点で注目されているコンテンツ」だけでなく、他のコミュニティにおいて注目されているコンテンツに触れることができる。これにより、ユーザは、異なるイデオロギーや立場等に関連したコンテンツに触れる可能性が高くなり、エコーチェンバーやフィルターバブルといった情報環境に閉じ込められることがなくなる。結果として、ユーザは、フェイクニュース等の信憑性が低いコンテンツを回避することが可能となる。
【0026】
<情報通信システムの全体構成>
本実施形態における情報通信システムの全体構成を、
図3を参照しながら説明する。
図3は、本実施形態における情報通信システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
図3に示されているように、本実施形態における情報通信システム1は、コンテンツ提示装置10、コンテンツ提供装置20及び1台以上のユーザ端末30を含む。以降では、複数のユーザ端末30について、各々を区別するときは、「ユーザ端末30-1」、「ユーザ端末30-2」等と枝番を用いて表記する。コンテンツ提示装置10、コンテンツ提供装置20及び各ユーザ端末30は、LAN(Local Area Network)又はインターネット等の通信ネットワークN1を介してデータ通信可能に接続されている。
【0028】
コンテンツ提示装置10は、通信ネットワークN1を介して情報通信サービスをユーザ端末30に提供するパーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ等の情報処理装置である。本実施形態における情報通信サービスは、アカウントを有するユーザ間でコンテンツを共有可能なサービスである。
【0029】
本実施形態における情報通信サービスでは、ユーザがコンテンツ情報を含むメッセージを投稿できる。ユーザは、他のユーザをフォローすることで、他のユーザが投稿したメッセージを参照することができる。したがって、本実施形態における情報通信サービスによれば、ユーザ間でコンテンツを共有することが可能である。
【0030】
情報通信サービスの一例は、ソーシャルネットワーキングサービスである。ソーシャルネットワーキングサービスは、インターネットを介して社会的ネットワークを構築可能な情報通信サービスの総称である。ソーシャルネットワーキングサービスでは、ユーザが様々なコンテンツに言及するメッセージを投稿することが可能であり、投稿されたメッセージは予め設定された共有範囲で他のユーザが参照することが可能である。
【0031】
コンテンツ提供装置20は、通信ネットワークN1を介してコンテンツ配信サービスをユーザ端末30に提供するパーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ等の情報処理装置である。本実施形態におけるコンテンツ配信サービスは、テキスト、画像又は動画等を含むコンテンツを保持し、ユーザからの要求に応じてコンテンツを提供するサービスである。
【0032】
コンテンツ配信サービスの一例は、ニュースコンテンツを配信するニュースサイトである。ニュースコンテンツは、時事に関する報道の内容を表すニュース記事等である。ニュースコンテンツには、記事の見出し及び本文を表すテキストが含まれ、理解を容易にするための画像又は動画が含まれることがある。
【0033】
コンテンツ配信サービスの他の例は、動画コンテンツを配信する動画配信サイトである。動画コンテンツは、例えば、放送番組や映画等を収録した動画データ等である。動画コンテンツには、動画コンテンツ本体である動画データに、動画コンテンツの内容を表すテキスト(例えば、番組概要文等)やタグ情報等のメタデータが付与されていることがある。
【0034】
コンテンツ配信サービスは、情報通信サービスと連携した1つのサービスとして構築してもよい。例えば、ニュースサイト又は動画配信サイトでは、ユーザがニュースコンテンツ又は動画コンテンツに対して他のユーザが参照可能なコメントを投稿できる機能を有していることがある。
【0035】
ユーザ端末30は、ユーザが操作するパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の情報処理端末である。ユーザ端末30は、ユーザがコンテンツを視聴するテレビ受像機及びセットトップボックス等の電子機器
でもよい。ユーザ端末30は、ユーザの操作に応じて、コンテンツ配信サービスにコンテンツを要求し、コンテンツ配信サービスから提供されたコンテンツをユーザに対して出力する。ユーザ端末30は、ユーザの操作に応じて、情報通信サービスにメッセージを投稿し、情報通信サービスから受信した他のユーザが投稿したメッセージをユーザに対して出力する。
【0036】
なお、
図3に示した情報通信システム1の全体構成は一例であって、用途や目的に応じて様々なシステム構成例があり得る。例えば、コンテンツ提示装置10及びコンテンツ提供装置20は、複数台のコンピュータにより実現してもよいし、クラウドコンピューティングのサービスとして実現してもよい。また、例えば、情報通信システム1は、コンテンツ提示装置10及びコンテンツ提供装置20がそれぞれ備えるべき機能を兼ね備えたスタンドアローンの情報処理装置により実現してもよい。
【0037】
<情報通信システムのハードウェア構成>
本実施形態における情報通信システム1のハードウェア構成を、
図3を参照しながら説明する。
【0038】
≪コンピュータのハードウェア構成≫
本実施形態におけるコンテンツ提示装置10、コンテンツ提供装置20及びユーザ端末30は、例えばコンピュータにより実現される。
図4は、本実施形態におけるコンピュータのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0039】
図4に示されているように、本実施形態におけるコンピュータ500は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HDD(Hard Disk Drive)504、入力装置505、表示装置506、通信I/F(Interface)507及び外部I/F508を有する。CPU501、ROM502及びRAM503は、いわゆるコンピュータを形成する。コンピュータ500の各ハードウェアは、バスライン509を介して相互に接続されている。なお、入力装置505及び表示装置506は外部I/F508に接続して利用する形態であってもよい。
【0040】
CPU501は、ROM502又はHDD504等の記憶装置からプログラムやデータをRAM503上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0041】
ROM502は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM502は、HDD504にインストールされている各種プログラムをCPU501が実行するために必要な各種プログラム、データ等を格納する主記憶装置として機能する。具体的には、ROM502には、コンピュータ500の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、EFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラムや、OS(Operating System)設定、ネットワーク設定等のデータが格納されている。
【0042】
RAM503は、電源を切るとプログラムやデータが消去される揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。RAM503は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等である。RAM503は、HDD504にインストールされている各種プログラムがCPU501によって実行される際に展開される作業領域を提供する。
【0043】
HDD504は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。HDD504に格納されるプログラムやデータには、コンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーション等がある。なお、コンピュータ500はHDD504に替えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いる記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive等)を利用するものであってもよい。
【0044】
入力装置505は、ユーザが各種信号を入力するために用いるタッチパネル、操作キーやボタン、キーボードやマウス、音声等の音データを入力するマイクロホン等である。
【0045】
表示装置506は、画面を表示する液晶や有機EL(Electro-Luminescence)等のディスプレイ、音声等の音データを出力するスピーカ等で構成されている。
【0046】
通信I/F507は、通信ネットワークに接続し、コンピュータ500がデータ通信を行うためのインタフェースである。
【0047】
外部I/F508は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、ドライブ装置510等がある。
【0048】
ドライブ装置510は、記録媒体511をセットするためのデバイスである。ここでいう記録媒体511には、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記録媒体511には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。これにより、コンピュータ500は外部I/F508を介して記録媒体511の読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。
【0049】
なお、HDD504にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記録媒体511が外部I/F508に接続されたドライブ装置510にセットされ、記録媒体511に記録された各種プログラムがドライブ装置510により読み出されることでインストールされる。あるいは、HDD504にインストールされる各種プログラムは、通信I/F507を介して、通信ネットワークとは異なる他のネットワークよりダウンロードされることでインストールされてもよい。
【0050】
<情報通信システムの機能構成>
本実施形態における情報通信システムの機能構成を、
図5を参照しながら説明する。
図5は、本実施形態における情報通信システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0051】
≪コンテンツ提示装置の機能構成≫
図5に示されているように、本実施形態におけるコンテンツ提示装置10は、メッセージ受信部101、コンテンツ取得部102、コミュニティ生成部103、関連情報生成部104、コンテンツ提示部105、ユーザ情報記憶部110及びメッセージ記憶部111を備える。
【0052】
メッセージ受信部101、コンテンツ取得部102、コミュニティ生成部103、関連情報生成部104及びコンテンツ提示部105は、例えば、
図4に示されているHDD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501に実行させる処理によって実現される。ユーザ情報記憶部110及びメッセージ記憶部111は、例えば、
図4に示されているHDD504を用いて実現される。
【0053】
ユーザ情報記憶部110には、情報通信サービスに接続するユーザに関するユーザ情報が記憶されている。本実施形態におけるユーザ情報は、当該ユーザを識別する識別情報、当該ユーザを認証するための認証情報、及び当該ユーザがフォローしている他のユーザに関する情報(例えば、他のユーザの識別情報の一覧等)を含む。
【0054】
メッセージ記憶部111には、情報通信サービスに投稿されたメッセージに関するメッセージ履歴情報が記憶される。メッセージ履歴情報は、当該メッセージの本文、当該メッセージで言及されたコンテンツを表す情報(例えば、コンテンツのURL等)、当該メッセージを投稿したユーザを表す情報(例えば、ユーザの識別情報等)、及び当該メッセージが投稿された投稿日時等を含む。
【0055】
メッセージ受信部101は、ユーザ端末30からメッセージを受信する。本実施形態におけるメッセージは、コンテンツ提供装置20により提供されるコンテンツを表す情報を含む。メッセージ受信部101は、受信したメッセージに関するメッセージ履歴情報をメッセージ記憶部111に記憶する。
【0056】
コンテンツ取得部102は、ユーザ端末30から受信したメッセージに基づいて、当該メッセージで言及されたコンテンツ(以下、「対象コンテンツ」とも呼ぶ)に関するコンテンツ情報を取得する。以下、対象コンテンツに関するコンテンツ情報を、「対象コンテンツ情報」とも呼ぶ。
【0057】
コミュニティ生成部103は、ユーザ情報記憶部110から読み出したユーザ情報に基づいて、情報通信サービスに接続する複数のユーザを複数のコミュニティに分割する。各コミュニティには、互いに関連する複数のユーザが含まれる。関連する複数のユーザは、例えば、一方向又は双方向にフォローする関係を有する複数のユーザである。
【0058】
関連情報生成部104は、対象コンテンツに関連する情報(以下、「関連情報」とも呼ぶ)を取得する。本実施形態における関連情報は、対象コンテンツに関連するコンテンツ(以下、「関連コンテンツ」とも呼ぶ)に関するコンテンツ情報である。以下、関連コンテンツに関するコンテンツ情報を、「関連コンテンツ情報」とも呼ぶ。
【0059】
本実施形態における関連コンテンツは、対象コンテンツと類似するコンテンツ(以下、「類似コンテンツ」とも呼ぶ)のうち、対象ユーザが属するコミュニティとは異なる他のコミュニティで言及されているコンテンツ(すなわち、他のコミュニティで話題になっているコンテンツ)である。なお、対象ユーザは、ユーザ端末30を操作するユーザのうち、対象コンテンツを提示する対象とするユーザである。
【0060】
(関連情報生成部の機能構成)
図6は、本実施形態における関連情報生成部104の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6に示されているように、本実施形態における関連情報生成部104は、類似コンテンツ抽出部401、言及数取得部402及び関連コンテンツ判定部403を備える。
【0061】
類似コンテンツ抽出部401は、コンテンツ提供装置20にコンテンツ一覧を要求する。類似コンテンツ抽出部401は、複数のコンテンツ提供装置20にコンテンツ一覧を要求してもよい。類似コンテンツ抽出部401は、1台以上のコンテンツ提供装置20から取得したコンテンツ一覧から類似コンテンツを抽出する。
【0062】
言及数取得部402は、メッセージ記憶部111から読み出したメッセージ履歴情報に基づいて、類似コンテンツ抽出部401により抽出した各類似コンテンツについて、各コミュニティにおける言及数を取得する。言及数とは、当該コミュニティに属するユーザにより投稿されたメッセージのうち、当該類似コンテンツに言及したメッセージの数である。
【0063】
関連コンテンツ判定部403は、言及数取得部402により取得された各コミュニティにおける各類似コンテンツに関する言及数に基づいて、各類似コンテンツを対象ユーザに提示する関連コンテンツとするか否かを判定する。関連コンテンツ判定部403は、対象ユーザが属するコミュニティにおける言及数よりも他のコミュニティにおける言及数の方が多い類似コンテンツを、対象ユーザに提示する関連コンテンツとする。
【0064】
図5に戻って説明する。コンテンツ提示部105は、関連情報生成部104により生成された関連情報を対象コンテンツ情報に付与する。コンテンツ提示部105は、関連情報が付与された対象コンテンツ情報を含むメッセージを、対象ユーザが操作するユーザ端末30に送信する。
【0065】
≪コンテンツ提供装置の機能構成≫
図5に示されているように、本実施形態におけるコンテンツ提供装置20は、コンテンツ提供部201及びコンテンツ記憶部210を備える。
【0066】
コンテンツ提供部201は、例えば、
図4に示されているHDD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501に実行させる処理によって実現される。コンテンツ記憶部210は、例えば、
図4に示されているHDD504を用いて実現される。
【0067】
コンテンツ記憶部210には、コンテンツ配信サービスで配信されるコンテンツが記憶される。本実施形態におけるコンテンツは、例えば、ニュースコンテンツ又は動画コンテンツ等である。コンテンツ記憶部210に記憶されるコンテンツは、例えば、コンテンツ配信サービスの運営管理者等により予め記憶される。
【0068】
コンテンツ提供部201は、ユーザ端末30からの要求に応じて、コンテンツ記憶部210に記憶されているコンテンツを読み出し、ユーザ端末30に提供する。コンテンツ提供部201は、コンテンツ提示装置10からの要求に応じて、コンテンツ記憶部210に記憶されているコンテンツを抽出し、コンテンツ一覧をコンテンツ提示装置10に提供する。
【0069】
≪ユーザ端末の機能構成≫
図5に示されているように、本実施形態におけるユーザ端末30は、コンテンツ閲覧部301、メッセージ投稿部302及びメッセージ表示部303を備える。
【0070】
コンテンツ閲覧部301、メッセージ投稿部302及びメッセージ表示部303は、例えば、
図4に示されているHDD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501に実行させる処理によって実現される。
【0071】
コンテンツ閲覧部301は、ユーザの操作に応じて、コンテンツ提供装置20にコンテンツを要求する。コンテンツ閲覧部301は、コンテンツ提供装置20から受信したコンテンツを表示装置506等に表示する。
【0072】
メッセージ投稿部302は、ユーザの操作に応じて、情報通信サービスに投稿するメッセージをコンテンツ提示装置10に送信する。メッセージ投稿部302が送信するメッセージには、コンテンツ閲覧部301により表示されたコンテンツに関する対象コンテンツ情報が含まれてもよい。
【0073】
メッセージ表示部303は、情報通信サービスに投稿されたメッセージをコンテンツ提示装置10から受信し、当該メッセージを表示装置506等に表示する。情報通信サービスに投稿されたメッセージに対象コンテンツ情報が含まれる場合、メッセージ表示部303は、対象コンテンツ情報と共に、対象コンテンツ情報に付与された関連情報を表示する。
【0074】
<情報通信システムの処理手順>
本実施形態における情報通信システム1が実行するコンテンツ提示方法の処理手順を、
図7を参照しながら説明する。
図7は、本実施形態におけるコンテンツ提示方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0075】
以降の説明では、ユーザ端末30-1を操作するユーザ(以下、「第1ユーザ」とも呼ぶ)と、ユーザ端末30-2を操作するユーザ(以下、「第2ユーザ」とも呼ぶ)とは同じコミュニティに属するものとする。また、情報通信サービスにおいて、第2ユーザは第1ユーザをフォローしているものとする。以下、第2ユーザは、「ユーザA」又は「対象ユーザ」とも呼ぶ。
【0076】
ステップS1において、ユーザ端末30-1が備えるコンテンツ閲覧部301は、第1ユーザの操作に応じて、コンテンツの取得要求をコンテンツ提供装置20に送信する。当該取得要求には、第1ユーザが所望するコンテンツを識別する識別情報(例えば、URL等)が含まれる。
【0077】
ステップS2において、コンテンツ提供装置20が備えるコンテンツ提供部201は、ユーザ端末30-1からコンテンツの取得要求を受信する。次に、コンテンツ提供部201は、受信した取得要求に含まれるコンテンツの識別情報に基づいて、コンテンツ記憶部210からコンテンツを読み出す。続いて、コンテンツ提供部201は、読み出したコンテンツをユーザ端末30-1に送信する。
【0078】
ステップS3において、ユーザ端末30-1が備えるコンテンツ閲覧部301は、コンテンツ提供装置20からコンテンツを受信する。次に、コンテンツ閲覧部301は、受信したコンテンツを表示装置506等に表示する。これにより、第1ユーザは、所望のコンテンツを閲覧可能となる。
【0079】
ステップS4において、ユーザ端末30-1が備えるメッセージ投稿部302は、第1ユーザによるメッセージの入力を受け付ける。このとき、メッセージ投稿部302は、入力されたメッセージにコンテンツ閲覧部301により表示されたコンテンツに関する情報(対象コンテンツ情報)を含める。次に、メッセージ投稿部302は、第1ユーザの操作に応じて、情報通信サービスに投稿するメッセージをコンテンツ提示装置10に送信する。
【0080】
ステップS5において、コンテンツ提示装置10が備えるメッセージ受信部101は、ユーザ端末30-1からメッセージを受信する。メッセージ受信部101は、受信したメッセージに関するメッセージ履歴情報を生成する。続いて、メッセージ受信部101は、生成したメッセージ履歴情報をメッセージ記憶部111に記憶する。また、メッセージ受信部101は、受信したメッセージをコンテンツ取得部102及びコンテンツ提示部105に送る。
【0081】
ステップS6において、コンテンツ提示装置10が備えるコンテンツ取得部102は、メッセージ受信部101からメッセージを受け取る。次に、コンテンツ取得部102は、受け取ったメッセージから対象コンテンツ情報を取得する。続いて、コンテンツ取得部102は、取得した対象コンテンツ情報を関連情報生成部104に送る。
【0082】
ステップS7において、コンテンツ提示装置10が備える関連情報生成部104は、コンテンツ取得部102から対象コンテンツ情報を受け取る。次に、関連情報生成部104の類似コンテンツ抽出部401が、コンテンツ一覧の取得要求をコンテンツ提供装置20に送信する。当該取得要求には、対象コンテンツ情報が含まれてもよい。
【0083】
ステップS8において、コンテンツ提供装置20が備えるコンテンツ提供部201は、コンテンツ一覧の取得要求をコンテンツ提示装置10から受信する。次に、コンテンツ提供部201は、コンテンツ記憶部210からコンテンツ一覧を生成する。続いて、コンテンツ提供部201は、生成したコンテンツ一覧をコンテンツ提示装置10に送信する。
【0084】
コンテンツ一覧の取得要求に対象コンテンツ情報が含まれる場合、コンテンツ提供部201は、対象コンテンツ情報に基づいて、コンテンツ一覧に含めるコンテンツを限定してもよい。例えば、コンテンツ提供部201は、コンテンツ一覧に含めるコンテンツを対象コンテンツと同じ分類に属するコンテンツに限定することができる。例えば、対象コンテンツが政治に関する報道の内容を表す場合、コンテンツ提供部201は、コンテンツ記憶部210に記憶されているコンテンツのうち、政治に関するコンテンツのみをコンテンツ一覧に含めてもよい。
【0085】
コンテンツ提供部201は、対象コンテンツ情報に基づいて、対象コンテンツと類似するコンテンツのみをコンテンツ一覧に含めてもよい。例えば、コンテンツ提供部201は、関連コンテンツの本文等から抽出した単語を検索条件として、コンテンツ記憶部210に記憶されているコンテンツを検索し、当該検索条件に合致するコンテンツのみをコンテンツ一覧に含めてもよい。
【0086】
ステップS9において、コンテンツ提示装置10が備える関連情報生成部104は、コンテンツ提供装置20からコンテンツ一覧を受信する。次に、関連情報生成部104の類似コンテンツ抽出部401が、受信したコンテンツ一覧から類似コンテンツを抽出する。類似コンテンツ抽出部401が抽出する類似コンテンツは、複数であってもよい。続いて、類似コンテンツ抽出部401は、抽出した類似コンテンツを識別する識別情報(例えば、URL等)を言及数取得部402に送る。
【0087】
類似コンテンツの抽出方法は、公知のテキスト間類似度を用いた手法を適用することができる。公知のテキスト間類似度は、例えば、参考文献2に開示されているword2vec等を用いて算出することができる。
【0088】
〔参考文献2〕Google Code Archive, "word2vec", [online],[令和4年8月31日検索],インターネット<URL: https://code.google.com/archive/p/word2vec/>
【0089】
コンテンツ配信サービスがニュースサイトである場合、類似コンテンツ抽出部401は、以下のようにして類似コンテンツを抽出する。まず、対象コンテンツであるニュース記事N0の本文を、word2vecを用いて単語ベクトルに変換する。次に、コンテンツ一覧に含まれるニュース記事Ny(ただし、yは1以上の整数)の本文を、word2vecを用いて単語ベクトルに変換する。続いて、ニュース記事N0の単語ベクトルとNyの単語ベクトルとのコサイン類似度を計算し、予め定めた閾値と比較する。そして、コサイン類似度が予め定めた閾値以上となるニュース記事Nyを、類似コンテンツとして抽出する。
【0090】
コンテンツ配信サービスが動画配信サイトである場合、類似コンテンツ抽出部401は、以下のようにして類似コンテンツを抽出する。まず、対象コンテンツである番組P0に付随するメタデータT0(例えば、番組概要文や番組字幕など)を、word2vecを用いて単語ベクトルに変換する。次に、コンテンツ一覧に含まれる番組Py(ただし、yは1以上の整数)に付随するメタデータTyを、word2vecを用いて単語ベクトルに変換する。続いて、メタデータT0の単語ベクトルとメタデータTyの単語ベクトルとのコサイン類似度を計算し、予め定めた閾値と比較する。そして、コサイン類似度が予め定めた閾値以上となる番組Pyを、類似コンテンツとして抽出する。
【0091】
ここでは、コンテンツ配信サービスがニュースサイトであるものとし、対象コンテンツをN0と表記する。また、m個の類似コンテンツNy(y=1,…,m)が抽出されたものとする。
【0092】
ステップS10において、コンテンツ提示装置10が備えるコミュニティ生成部103は、ユーザ情報記憶部110からユーザ情報を読み出す。次に、コミュニティ生成部103は、読み出したユーザ情報に基づいて、情報通信サービスに接続する複数のユーザを複数のコミュニティに分割する。続いて、コミュニティ生成部103は、分割された各コミュニティに関する情報(例えば、各コミュニティに属するユーザの一覧等)を含むコミュニティ情報を関連情報生成部104に送る。
【0093】
ここでは、n個のコミュニティCx(x=0,…,n)が生成されたものとし、第1ユーザ及び第2ユーザが属するコミュニティをC0とする。
【0094】
情報通信サービスに接続するユーザをコミュニティに分割する方法は、公知のコミュニティ抽出手法を用いればよい。公知のコミュニティ抽出手法は、例えば、参考文献3に開示されている。
【0095】
〔参考文献3〕Charu C. Aggarwal, "Social Network Data Analytics," 1st edition, Springer Publishing Company, Incorporated, 2011.
【0096】
ステップS11において、コンテンツ提示装置10が備える関連情報生成部104は、コミュニティ生成部103からコミュニティ情報を受け取る。次に、関連情報生成部104は、受け取ったコミュニティ情報及び対象コンテンツ情報に基づいて、関連コンテンツ情報を生成する。続いて、関連情報生成部104は、生成した関連コンテンツ情報をコンテンツ提示部105に送る。
【0097】
(関連情報生成処理の処理手順)
本実施形態における関連情報生成部104が実行する関連情報生成処理(
図7のステップS11)を、
図8を参照しながら詳細に説明する。
図8は、本実施形態における関連情報生成処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0098】
ステップS11-1において、言及数取得部402は、類似コンテンツ抽出部401から類似コンテンツの識別情報を受け取る。次に、言及数取得部402は、メッセージ記憶部111からメッセージ履歴情報を読み出す。
【0099】
続いて、言及数取得部402は、読み出したメッセージ履歴情報に基づいて、類似コンテンツNyについて、コミュニティC0における言及数C0_Nyを取得する。次に、言及数取得部402は、取得した言及数C0_Nyを関連コンテンツ判定部403に送る。
【0100】
ステップS11-2において、言及数取得部402は、読み出したメッセージ履歴情報に基づいて、類似コンテンツNyについて、コミュニティCxにおける言及数Cx_Nyを取得する。次に、言及数取得部402は、取得した言及数Cx_Nyを関連コンテンツ判定部403に送る。
【0101】
ステップS11-3において、関連コンテンツ判定部403は、言及数取得部402から言及数C0_Ny及び言及数Cx_Nyを受け取る。次に、関連コンテンツ判定部403は、言及数Cx_Nyが言及数C0_Nyより大きいか否かを判定する。言及数Cx_Nyが言及数C0_Nyより大きいとき(YES)、関連コンテンツ判定部403は、ステップS11-4に処理を進める。言及数Cx_Nyが言及数C0_Ny以下であるとき(NO)、関連コンテンツ判定部403は、ステップS11-4をスキップする。
【0102】
ステップS11-4において、関連コンテンツ判定部403は、類似コンテンツNyをリストNLに追加する。リストNLは関連コンテンツの一覧を表すリストである。
【0103】
関連情報生成部104は、各コミュニティCx(x=1,…,m)について、ステップS11-2からS11-4の処理を繰り返し実行する。また、関連情報生成部104は、各類似コンテンツNy(y=1,…,n)について、ステップS11-1からS11-4の処理を繰り返し実行する。
【0104】
ステップS11-5において、関連コンテンツ判定部403は、リストNLに基づいて、関連コンテンツ情報を生成する。次に、関連コンテンツ判定部403は、関連コンテンツ情報をコンテンツ提示部105に出力する。
【0105】
図7に戻って説明する。ステップS12において、コンテンツ提示装置10が備えるコンテンツ提示部105は、メッセージ受信部101から情報通信サービスに投稿されたメッセージを受け取る。次に、コンテンツ提示部105は、関連情報生成部104から関連コンテンツ情報を受け取る。続いて、コンテンツ提示部105は、受け取ったメッセージに含まれる対象コンテンツ情報に、関連コンテンツ情報を関連情報として付与する。そして、コンテンツ提示部105は、関連情報が付与された対象コンテンツ情報を含むメッセージをユーザ端末30-2に送信する。
【0106】
ステップS13において、ユーザ端末30-2が備えるメッセージ表示部303は、コンテンツ提示装置10からメッセージを受信する。当該メッセージには、対象コンテンツ情報が含まれ、対象コンテンツ情報には関連情報として関連コンテンツ情報が付与されている。次に、メッセージ表示部303は、受信したメッセージを埋め込んだコンテンツ提示画面を表示装置506に表示する。これにより、ユーザ端末30-2を操作する第2ユーザは、対象コンテンツと共に、対象コンテンツと類似する類似コンテンツのうち、他のコミュニティで言及された関連コンテンツを閲覧可能となる。
【0107】
≪コンテンツ提示画面≫
本実施形態におけるコンテンツ提示画面について、
図9を参照しながら説明する。
図9は、本実施形態におけるコンテンツ提示画面の一例を示す概念図である。
【0108】
図9に示されているように、本実施形態におけるコンテンツ提示画面は、対象コンテンツ表示欄1001及び1個以上の関連コンテンツ表示欄1002を有する。なお、
図9の例では、2個の関連コンテンツ表示欄1002-1,1002-2が表示されているが、関連コンテンツ表示欄1002の数は限定されず、1個でもよいし、3個以上でもよい。
【0109】
対象コンテンツ表示欄1001には、対象コンテンツの内容が表示される。関連コンテンツ表示欄1002-1,1002-2には、関連コンテンツの内容が表示される。
【0110】
関連コンテンツ表示欄1002-1,1002-2には、対象コンテンツに関連し、かつ、対象コンテンツとは異なるコンテンツであることを示す表示が付される。
図9に示した例では、関連コンテンツ表示欄1002-1,1002-2には、「こういう視点のニュースもあります。」といった文言が付されている。
【0111】
関連コンテンツ表示欄1002-1,1002-2に表示されるコンテンツは、第2ユーザとは別のコミュニティに属するユーザ(すなわち、通常は第2ユーザが閲覧するコンテンツ提示画面に表示される可能性が低いユーザ)が言及したメッセージである。上記のような文言を付すことで、第2ユーザに違和感を与えずに関連コンテンツを提示することができる。
【0112】
<第1実施形態の効果>
本実施形態におけるコンテンツ提示装置は、対象ユーザが属するコミュニティと異なる他のコミュニティで言及された対象コンテンツに関連する関連情報を生成し、関連情報が付与された対象コンテンツを対象ユーザに提示する。したがって、本実施形態におけるコンテンツ提示装置によれば、ユーザに提示するコンテンツに対して他のコミュニティで言及された内容を表す情報を付与することができる。
【0113】
本実施形態における関連情報は、対象コンテンツに類似する類似コンテンツのうち、他のコミュニティで言及された関連コンテンツに関する情報を含む。したがって、本実施形態におけるコンテンツ提示装置によれば、対象コンテンツと類似するコンテンツであって、他のコミュニティで話題になっているコンテンツを把握することができる。
【0114】
[第2実施形態]
本発明の第1実施形態では、対象コンテンツと類似する類似コンテンツのうち、他のコミュニティで多く言及された関連コンテンツを判定し、関連コンテンツ情報が付与された対象コンテンツ情報をユーザに提示する構成を説明した。本発明の第2実施形態は、対象コンテンツに対するコミュニティごとの言及に関する統計情報を生成し、統計情報が付与された対象コンテンツ情報をユーザに提示するように構成する。
【0115】
上記のように構成することにより、ユーザは、自身と同じコミュニティに属するユーザによる言及の傾向と、他のコミュニティに属するユーザによる言及の傾向との相違を把握することができる。したがって、本実施形態によれば、エコーチェンバーやフィルターバブルといった閉じた情報環境に依存する課題を解決することができる。
【0116】
<情報通信システムの機能構成>
本実施形態における情報通信システムの機能構成を、
図10を参照しながら説明する。本実施形態における情報通信システム1は、第1実施形態と比較すると、関連情報生成部104の構成のみが異なる。
【0117】
(関連情報生成部の機能構成)
図10は、本実施形態における関連情報生成部104の機能構成の一例を示すブロック図である。
図10に示されているように、本実施形態における関連情報生成部104は、統計情報取得部411及びグラフ生成部412を備える。
【0118】
統計情報取得部411は、メッセージ記憶部111から読み出したメッセージ履歴情報に基づいて、対象コンテンツに対する言及に関する統計情報を生成する。統計情報取得部411は、コミュニティごとに統計情報を生成する。本実施形態における統計情報は、各コミュニティにおける対象コンテンツに対する言及の傾向を比較可能な統計情報であればどのようなものでもよい。
【0119】
グラフ生成部412は、統計情報取得部411により取得された統計情報に基づいて、各コミュニティにおける対象コンテンツに対する言及の傾向を可視化したグラフを表すグラフ化統計情報を生成する。
【0120】
<情報通信システムの処理手順>
本実施形態における情報通信システム1が実行するコンテンツ提示方法の処理手順を、
図11を参照しながら説明する。
図11は、本実施形態におけるコンテンツ提示方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0121】
ステップS1からステップS6まで及びステップS10の処理は、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0122】
ステップS21において、コンテンツ提示装置10が備える関連情報生成部104は、コミュニティ生成部103からコミュニティ情報を受け取る。次に、関連情報生成部104の統計情報取得部411が、メッセージ記憶部111からメッセージ履歴情報を読み出す。続いて、統計情報取得部411は、コミュニティ情報及びメッセージ履歴情報に基づいて、対象コンテンツに対する言及に関する統計情報を生成する。そして、統計情報取得部411は、生成した統計情報をグラフ生成部412に送る。
【0123】
図12は、本実施形態における統計情報の一例を示す図である。
図12に示されているように、本実施形態における統計情報は、1.コンテンツN0がユーザAに表示された回数(以下、「表示回数」と略す)、2.コンテンツN0がα回以上言及されたコミュニティの割合(以下、「コミュニティ割合」と略す)、3.コンテンツN0に言及したユーザの割合(以下、「ユーザ割合」と略す)等を含む。ただし、コンテンツN0は対象コンテンツであり、ユーザAは対象ユーザであり、αは予め定めた正の整数である。
【0124】
1.表示回数は、言い替えると、ユーザAと同じコミュニティに属するユーザがコンテンツN0に言及した回数である。1.表示回数は、ユーザAが属するコミュニティでコンテンツN0がどれだけ話題になっているかを示す指標となる。
【0125】
2.コミュニティ割合は、コミュニティ生成部103により生成されたコミュニティの数と、α回以上コンテンツN0に言及するメッセージが投稿されたコミュニティの数との比である。2.コミュニティ割合は、コンテンツN0について話題になっているコミュニティがどれだけあるかを示す指標となる。
【0126】
3.ユーザ割合は、コミュニティ生成部103により生成された各コミュニティにおける、当該コミュニティに属するユーザの数と、コンテンツN0に言及したユーザの数との比である。3.ユーザ割合は、コミュニティごとにコンテンツN0についてどれだけ話題になっているかを示す指標となる。
【0127】
図11に戻って説明する。ステップS22において、関連情報生成部104のグラフ生成部412は、統計情報取得部411から統計情報を受け取る。次に、グラフ生成部412は、受け取った統計情報に基づいて、グラフ化統計情報を生成する。グラフ化統計情報は、各コミュニティにおける対象コンテンツに対する言及の傾向を可視化したグラフを表す情報である。可視化するために用いるグラフの種類(例えば、棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフ、積み上げ折れ線グラフ等)は、統計情報の特性に応じて任意に設定すればよい。そして、グラフ生成部412は、生成したグラフ化統計情報をコンテンツ提示部105に送る。
【0128】
ステップS23において、コンテンツ提示装置10が備えるコンテンツ提示部105は、メッセージ受信部101から情報通信サービスに投稿されたメッセージを受け取る。次に、コンテンツ提示部105は、関連情報生成部104からグラフ化統計情報を受け取る。続いて、コンテンツ提示部105は、受け取ったメッセージに含まれる対象コンテンツ情報に、グラフ化統計情報を関連情報として付与する。そして、コンテンツ提示部105は、関連情報が付与された対象コンテンツ情報を含むメッセージをユーザ端末30-2に送信する。
【0129】
ステップ13において、ユーザ端末30-2が備えるメッセージ表示部303は、コンテンツ提示装置10からメッセージを受信する。当該メッセージには、対象コンテンツ情報が含まれ、対象コンテンツ情報には関連情報としてグラフ化統計情報が付与されている。次に、メッセージ表示部303は、受信したメッセージを埋め込んだコンテンツ提示画面を表示装置506に表示する。これにより、ユーザ端末30-2を操作する第2ユーザは、対象コンテンツと共に、各コミュニティにおける対象コンテンツに対する言及の傾向を可視化したグラフを閲覧可能となる。
【0130】
≪コンテンツ提示画面≫
本実施形態におけるコンテンツ提示画面について、
図13を参照しながら説明する。
図13は、本実施形態におけるコンテンツ提示画面の一例を示す概念図である。
【0131】
図13に示されているように、本実施形態におけるコンテンツ提示画面は、対象コンテンツ表示欄1101、表示回数表示欄1102及び1個以上の統計情報表示欄1103を有する。なお、
図13の例では、2個の統計情報表示欄1103-1,1103-2が表示されているが、統計情報表示欄1103の数は限定されず、1個でもよいし、3個以上でもよい。
【0132】
対象コンテンツ表示欄1101には、対象コンテンツの内容が表示される。表示回数表示欄1102には、統計情報取得部411により取得された統計情報のうち、対象コンテンツがユーザに提示された回数が表示される。統計情報表示欄1103,1103-2には、統計情報取得部411により取得された統計情報のうち、各コミュニティにおける言及の傾向を比較可能に可視化したグラフが表示される。
【0133】
図13の例では、統計情報表示欄1103-1には、各コミュニティ内で対象コンテンツに言及したユーザの割合が棒グラフで表示されている。また、統計情報表示欄1103-2には、対象コンテンツが所定回数以上言及されたコミュニティの割合が円グラフで表示されている。これらのグラフを参照することで、第2ユーザは、対象コンテンツについて、自身が属するコミュニティのみで話題になっているのか、他のコミュニティでも話題になっているのか、自身が属するコミュニティ以外で話題となっているコミュニティがどれくらいあるのか等を把握することができる。
【0134】
<第2実施形態の効果>
本実施形態におけるコンテンツ提示装置は、対象コンテンツを対象ユーザに提示する際に、各コミュニティにおける対象コンテンツに対する言及に関する統計情報を生成し、統計情報が付与された対象コンテンツを対象ユーザに提示する。したがって、本実施形態におけるコンテンツ提示装置によれば、自身が属するコミュニティに属するユーザによる言及の傾向と、他のコミュニティに属するユーザによる言及の傾向との相違を把握することができる。
【0135】
本実施形態における関連情報は、各コミュニティにおける対象コンテンツに対する言及に関する統計情報を、各コミュニティにおける対象コンテンツに関する言及の傾向を比較可能に可視化したグラフである。したがって、本実施形態におけるコンテンツ提示装置によれば、自身が属するコミュニティにおけるユーザの言及の傾向と、他のコミュニティにおけるユーザの言及の傾向との相違を直感的に把握することができる。
【0136】
[変形例]
本発明の第1実施形態と第2実施形態とは、組み合わせることが可能である。すなわち、対象コンテンツと類似する類似コンテンツのうち、他のコミュニティで多く言及された関連コンテンツを判定し、関連コンテンツに対するコミュニティごとの言及に関する統計情報を生成し、関連コンテンツ及び関連コンテンツに関する統計情報が付与された対象コンテンツをユーザに提示するように構成してもよい。
【0137】
本変形例における関連情報は、各コミュニティにおける関連コンテンツに対する言及に関する統計情報を、各コミュニティにおける関連コンテンツに関する言及の傾向を比較可能に可視化したグラフである。したがって、本実施形態におけるコンテンツ提示装置によれば、自身が属するコミュニティにおけるユーザの言及の傾向と、他のコミュニティにおけるユーザの言及の傾向との相違を直感的に把握することができる。
【0138】
[補足]
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等の機器を含むものとする。
【0139】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0140】
1 情報通信システム
10 コンテンツ提示装置
101 メッセージ受信部
102 コンテンツ取得部
103 コミュニティ生成部
104 関連情報生成部
105 コンテンツ提示部
110 ユーザ情報記憶部
111 メッセージ記憶部
20 コンテンツ提供装置
201 コンテンツ提供部
210 コンテンツ記憶部
30 ユーザ端末
301 コンテンツ閲覧部
302 メッセージ投稿部