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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048621
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】基板搬送トレイ及び基板搬送装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/56 20060101AFI20240402BHJP
   H01L 21/673 20060101ALI20240402BHJP
   B65D 85/86 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
C23C14/56 G
H01L21/68 U
B65D85/86 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154639
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 傑之
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】関原 将行
(72)【発明者】
【氏名】武者 和博
【テーマコード(参考)】
3E096
4K029
5F131
【Fターム(参考)】
3E096AA01
3E096BA15
3E096BB05
3E096CA06
3E096CB03
3E096EA06X
3E096FA20
3E096GA01
4K029KA01
4K029KA02
5F131AA12
5F131CA09
5F131CA12
5F131DA03
5F131GA05
5F131GA32
5F131GA52
5F131GA68
(57)【要約】
【課題】軽量かつ剛性に優れ、洗浄を行いやすい基板搬送トレイ及び基板搬送装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係る基板搬送トレイは、矩形形状の基板主面を有する基板が載置される開口を囲み、上記基板の4辺にそれぞれ対向する4つのフレームユニットが互いに着脱可能に接合されて構成されている。上記フレームユニットは、上記4辺のうち1辺と対向し、上記基板主面に垂直な主面と上記基板主面に平行な側面を有する板状であり、上記1辺の延伸方向に沿った長さが上記1辺より長いフレームと、上記フレームの上記側面に接合され、上記基板主面に平行なパネルとを具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形形状の基板主面を有する基板が載置される開口を囲み、前記基板の4辺にそれぞれ対向する4つのフレームユニットが互いに着脱可能に接合されて構成され、
前記フレームユニットは、
前記4辺のうち1辺と対向し、前記基板主面に垂直な主面と前記基板主面に平行な側面を有する板状であり、前記1辺の延伸方向に沿った長さが前記1辺より長いフレームと、
前記フレームの前記側面に接合され、前記基板主面に平行なパネルと
を具備する基板搬送トレイ。
【請求項2】
請求項1に記載の基板搬送トレイであって、
前記フレームユニットは、
前記4辺のうち1辺と対向し、前記基板主面に垂直な主面と前記基板主面に平行な側面を有する板状であり、前記1辺の延伸方向に沿った長さが前記1辺より長い第1フレームと、
前記第1フレームと対向し、前前記基板主面に垂直な主面と前記基板主面に平行な側面を有する板状であり、前記1辺の延伸方向に沿った長さが前記1辺より長い第2フレームと、
前記第1フレーム及び前記第2フレームの前記側面に接合され、前記基板主面に平行な第1パネルと、
前記第1フレーム及び前記第2フレームの前記側面に接合され、前記基板主面に平行であり、前記第1フレーム及び前記第2フレームを挟んで前記第1パネルと対向する第2パネルと
を具備する基板搬送トレイ。
【請求項3】
請求項2に記載の基板搬送トレイであって、
前記フレームユニットは、
前記第1フレーム及び前記第2フレームの主面に垂直な主面と、前記基板主面に平行な側面を有し、前記第1フレームと前記第2フレームを接続する第3フレームと、
前記第3フレームと対向し、前記第1フレーム及び前記第2フレームの主面に垂直な主面と、前記基板主面に平行な側面を有し、前記第1フレームと前記第2フレームを接続する第4フレームと、
をさらに具備し、
前記第1パネルはさらに、前記第3フレーム及び前記第4フレームの前記側面に接合され、
前記第2パネルはさらに、前記第3フレーム及び前記第4フレームの前記側面に接合されている
基板搬送トレイ。
【請求項4】
請求項1から3のうちいずれか1項に記載の基板搬送トレイであって、
4つの前記フレームユニットは、他の前記フレームユニットとの間で前記フレームの間が螺子によって締結されることにより互いに着脱可能に接合され、
前記パネルには、前記螺子を着脱するための開口が設けられている
基板搬送トレイ。
【請求項5】
請求項1から3のうちいずれか1項に記載の基板搬送トレイであって、
前記パネルには、洗浄液を排出するための排液口が設けられている
基板搬送トレイ。
【請求項6】
請求項1から3のうちいずれか1項に記載の基板搬送トレイであって、
前記基板を支持する基板支持ピンと
前記開口を介して対向する2つの前記フレームユニットの間を接続し、前記基板支持ピンが設けられる基板支持ステーと
をさらに具備し、
前記基板支持ステーを前記フレームユニットに支持する支持部には、前記基板支持ステーの熱線膨張を許容する軸受けが設けられている
基板搬送トレイ。
【請求項7】
請求項6に記載の基板搬送トレイであって、
前記軸受けは、前記開口を介して対向する2つの前記フレームユニットのうち鉛直下方側に位置する前記フレームユニット側の前記支持部に設けられている
基板搬送トレイ。
【請求項8】
請求項1から3のうちいずれか1項に記載の基板搬送トレイであって、
前記開口の4つ角のそれぞれにおいて、2つずつの前記フレームユニットの間を接続するリブ
をさらに具備する基板搬送トレイ。
【請求項9】
請求項1から3のうちいずれか1項に記載の基板搬送トレイであって、
前記フレームユニットはチタンからなる
基板搬送トレイ。
【請求項10】
請求項6に記載の基板搬送トレイであって、
前記フレームユニットはチタンからなり、
前記基板支持ステーはアルミニウムからなる
基板搬送トレイ。
【請求項11】
矩形形状の基板主面を有する基板が載置される開口を囲み、前記基板の4辺にそれぞれ対向する4つのフレームユニットが互いに着脱可能に接合されて構成され、
前記フレームユニットは、
前記4辺のうち1辺と対向し、前記基板主面に垂直な主面と前記基板主面に平行な側面を有する板状であり、前記1辺の延伸方向に沿った長さが前記1辺より長いフレームと、
前記フレームの前記側面に接合され、前記基板主面に平行なパネルと
を備える基板搬送トレイと、
前記基板搬送トレイを移動させる基板搬送機構と
を具備する基板搬送装置。
【請求項12】
請求項11に記載の基板搬送装置であって、
前記基板搬送トレイは、前記基板搬送トレイの鉛直上方側及び鉛直下方側の少なくとも一方に設けられ、外部に設けられた磁石に吸着されることにより、前記基板搬送トレイの重量を相殺する磁石
をさらに具備する基板搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板搬送に利用される基板搬送トレイ及び基板搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板搬送に用いられる基板搬送トレイ(例えば、特許文献1参照)は、基板が設置される開口を枠状のフレームが囲むように構成されている。基板搬送トレイは質量が軽く、かつ高剛性で変形や歪みが小さいことが求められる。
【0003】
基板搬送トレイに基板を設置する際に開口と基板との隙間を大きくすると、基板とフレームの間のガタツキによる基板割れが起きるため、開口と基板との隙間を一定値以下とする必要があり、そのためには基板搬送トレイに剛性が必要である。また、剛性が低いと搬送制御の性能悪化の原因となる。基板搬送トレイの質量は小さいほど、搬送アクチュエータの小型化や搬送時のガタツキ等による基板への衝撃緩和が期待され、好適である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-78600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来では基板搬送トレイを構成するフレームは一体の削り出し構造であり、質量が大きい。削り出し構造の基板搬送トレイの製造コストには材質の費用が大きく反映されるため、アルミニウム材が多く利用される。しかしながらアルミニウム材は熱線膨張係数が大きく、基板搬送トレイの推進に用いられるガイド磁石や自重キャンセル磁石の位置関係が影響を受けるため、高温の成膜プロセスには適さない。
【0006】
また、溶接構造の基板搬送トレイも利用されているが、溶接による内部歪みに起因する変形が問題となる。また溶接接合部は分厚い構造とする必要があるため質量も大きくなる。さらに、基板搬送トレイは運用により着膜を生じるため、定期的に洗浄が必要となるが、大型基板の場合、基板搬送トレイの全体で洗浄できないため、洗浄できるサイズまで分解する必要がある。さらに洗浄方法はウェット洗浄が一般的であるが、溶接構造では洗浄液が除去しきれずに真空汚染の問題がある。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、軽量かつ剛性に優れ、洗浄を行いやすい基板搬送トレイ及び基板搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る基板搬送トレイは、矩形形状の基板主面を有する基板が載置される開口を囲み、上記基板の4辺にそれぞれ対向する4つのフレームユニットが互いに着脱可能に接合されて構成されている。
上記フレームユニットは、上記4辺のうち1辺と対向し、上記基板主面に垂直な主面と上記基板主面に平行な側面を有する板状であり、上記1辺の延伸方向に沿った長さが上記1辺より長いフレームと、上記フレームの上記側面に接合され、上記基板主面に平行なパネルとを具備する。
【0009】
上記フレームユニットは、
上記4辺のうち1辺と対向し、上記基板主面に垂直な主面と上記基板主面に平行な側面を有する板状であり、上記1辺の延伸方向に沿った長さが上記1辺より長い第1フレームと、
上記第1フレームと対向し、前上記基板主面に垂直な主面と上記基板主面に平行な側面を有する板状であり、上記1辺の延伸方向に沿った長さが上記1辺より長い第2フレームと、
上記第1フレーム及び上記第2フレームの上記側面に接合され、上記基板主面に平行な第1パネルと、
上記第1フレーム及び上記第2フレームの上記側面に接合され、上記基板主面に平行であり、上記第1フレーム及び上記第2フレームを挟んで上記第1パネルと対向する第2パネルと
を具備してもよい。
【0010】
上記フレームユニットは、
上記第1フレーム及び上記第2フレームの主面に垂直な主面と、上記基板主面に平行な側面を有し、上記第1フレームと上記第2フレームを接続する第3フレームと、
上記第3フレームと対向し、上記第1フレーム及び上記第2フレームの主面に垂直な主面と、上記基板主面に平行な側面を有し、上記第1フレームと上記第2フレームを接続する第4フレームと、
をさらに具備し、
上記第1パネルはさらに、上記第3フレーム及び上記第4フレームの上記側面に接合され、
上記第2パネルはさらに、上記第3フレーム及び上記第4フレームの上記側面に接合されていてもよい。
【0011】
4つの上記フレームユニットは、他の上記フレームユニットとの間で上記フレームの間が螺子によって締結されることにより互いに着脱可能に接合され、
上記パネルには、上記螺子を着脱するための開口が設けられていてもよい。
【0012】
上記パネルには、洗浄液を排出するための排液口が設けられていてもよい。
【0013】
上記基板搬送トレイは、
上記基板を支持する基板支持ピンと
上記開口を介して対向する2つの上記フレームユニットの間を接続し、上記基板支持ピンが設けられる基板支持ステーと
をさらに具備し、
上記基板支持ステーを上記フレームユニットに支持する支持部には、上記基板支持ステーの熱線膨張を許容する軸受けが設けられていてもよい。
【0014】
上記軸受けは、上記開口を介して対向する2つの上記フレームユニットのうち鉛直下方側に位置する上記フレームユニット側の上記支持部に設けられていてもよい。
【0015】
上記基板搬送トレイは、
上記開口の4つ角のそれぞれにおいて、2つずつの上記フレームユニットの間を接続するリブ
をさらに具備してもよい。
【0016】
上記フレームユニットはチタンからなるものであってもよい。
【0017】
上記フレームユニットはチタンからなり、
上記基板支持ステーはアルミニウムからなるものであってもよい。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る基板搬送装置は、基板搬送トレイと、基板搬送機構とを具備する。
上記基板基板搬送トレイは、矩形形状の基板主面を有する基板が載置される開口を囲み、上記基板の4辺にそれぞれ対向する4つのフレームユニットが互いに着脱可能に接合されて構成され、
上記フレームユニットは、
上記4辺のうち1辺と対向し、上記基板主面に垂直な主面と上記基板主面に平行な側面を有する板状であり、上記1辺の延伸方向に沿った長さが上記1辺より長いフレームと、
上記フレームの上記側面に接合され、上記基板主面に平行なパネルと
を備える。
上記基板搬送機構は、上記基板搬送トレイを移動させる。
【0019】
上記基板搬送トレイは、上記基板搬送トレイの鉛直上方側及び鉛直下方側の少なくとも一方に設けられ、外部に設けられた磁石に吸着されることにより、上記基板搬送トレイの重量を相殺する磁石をさらに具備してもよい。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、軽量かつ剛性に優れ、洗浄を行いやすい基板搬送トレイ及び基板搬送装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る基板搬送トレイの斜視図である。
図2】上記基板搬送トレイの平面図である。
図3】基板を搭載した上記基板搬送トレイの斜視図である。
図4】基板を搭載した上記基板搬送トレイの平面図である。
図5】上記基板搬送トレイが備えるトレイフレームを分解して示す模式図である。
図6】上記トレイフレームを構成する第1フレームユニットの一端の斜視図(正面側)である。
図7】上記第1フレームユニットの一端の斜視図(背面側)である。
図8】上記第1フレームユニットの他端の斜視図(正面側)である。
図9】上記第1フレームユニットの他端の斜視図(背面側)である。
図10】第1パネル及び第2パネルを除く、上記第1フレームユニットの平面図である。
図11図10に示す上記第1フレームユニットの両端部の拡大図(正面側)である。
図12図10に示す上記第1フレームユニットの両端部の拡大図(背面側)である。
図13】上記第1フレームユニットの平面図(正面側)である。
図14】上記第1フレームユニットの平面図(背面側)である。
図15図14に示す上記第1フレームユニットの拡大図である。
図16】上記トレイフレームを構成する第2フレームユニットの平面図(正面側)である。
図17】上記第2フレームユニットの平面図(背面側)である。
図18図17に示す上記第1フレームユニットの拡大図である。
図19】第1パネル及び第2パネルを除く、上記第2フレームユニットの平面図である
図20図19に示す上記第2フレームユニットの両端部の拡大図(正面側)である。
図21図19に示す上記第2フレームユニットの両端部の拡大図(背面側)である。
図22】第1パネル及び第2パネルを除く、上記トレイフレームの平面図である。
図23】第1パネル及び第2パネルを除く、上記トレイフレームの斜視図である。
図24】上記トレイフレームの斜視図である。
図25】上記基板搬送トレイが備える基板支持ステーの平面図である。
図26】上記基板支持ステーの断面図である。
図27】上記基板支持ステー及びクランプの斜視図である。
図28】上記基板支持ステーが備える基板支持ピンの斜視図である。
図29】上記基板支持ステーの第1支持部と軸部の接続箇所の断面図である。
図30】本発明の実施形態に係る基板搬送装置の斜視図である。
図31】上記基板搬送装置が備える基板搬送機構の斜視図である。
図32】上記基板搬送装置の模式図である。
図33】上記基板搬送装置が備える基板搬送トレイの底部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0023】
[基板搬送トレイの構成]
本実施形態に係る基板搬送トレイについて説明する。図1は本実施形態に係る基板搬送トレイ100の斜視図であり、図2は基板搬送トレイ100の平面図である。図3は基板Sが載置された状態の基板搬送トレイ100の斜視図であり、図4は同状態の基板搬送トレイ100の平面図である。図3及び図4に示すように基板Sが載置される側の面を基板搬送トレイ100の正面とし、その反対側の面を背面とする。図1乃至図4はいずれも基板搬送トレイ100を正面側から見た図である。
【0024】
図3及び図4に示すように基板Sは主面が矩形形状を有する基板である。以下、基板S
の主面を基板主面Pとし、基板Sの4辺をそれぞれ辺Hとする。基板主面PはX-Z平面に平行であり、辺Hは2つがX方向に平行、他の2つがZ方向に平行とする。図1及び図2に示すように基板搬送トレイ100は、トレイフレーム101、クランプ102及び基板支持ステー103を備える。
【0025】
トレイフレーム101は枠状であり、基板Sが載置される開口105を形成する。図4に示すように開口105は基板Sの外形よりわずかに大きい形状を有する。基板Sは矩形形状の主面を有するため、開口105も基板Sの主面に垂直な方向(Y方向)から見て矩形形状を有する。トレイフレーム101と各辺Hの距離は例えば33mmある。
【0026】
図5はトレイフレーム101を分解して示す模式図である。同図に示すようにトレイフレーム101は、2つの第1フレームユニット110と2つの第2フレームユニット120が接合されて構成されており、各フレームユニットは互いに着脱可能である。各フレームユニットは基板Sの各辺H(図4参照)にそれぞれ対向する。
【0027】
第1フレームユニット110は第2フレームユニット120と共にトレイフレーム101を構成する。図6は第1フレームユニット110の一端を正面側から見た斜視図であり、図5の範囲Aの拡大図である。図7図6に示す第1フレームユニット110の一端を背面側から見た斜視図である。図8は第1フレームユニット110の他端を正面側から見た斜視図であり、図5の範囲Bの拡大図である。図9図8に示す第1フレームユニット110の一端を背面側から見た斜視図である。
【0028】
これらの図に示すように第1フレームユニット110は、第1フレーム111、第2フレーム112、第3フレーム113、第4フレーム114、第5フレーム115、第6フレーム116、第1パネル117及び第2パネル118を備える。図10は、第1パネル117及び第2パネル118を除いた第1フレームユニット110を正面側から見た平面図であり、図11図10の両端部の拡大図である。図12図10の構成を背面側から見た平面図である。
【0029】
第1フレーム111は基板Sの辺Hと対向する板状部材である。図11及び図12に示すように第1フレーム111は第1主面111a、第2主面111b、第1側面111c及び第2側面111dを有する。第1主面111a及び第2主面111bは共に基板主面P(X-Z平面)に垂直な面(X-Y平面)であり、第1主面111aは辺Hと対向する面、第2主面111bは第1主面111aとは反対側の面である。第1側面111c及び第2側面111dは共に基板主面Pに平行な面(X-Z平面)であり、第1側面111cは正面側の面、第2側面111dは背面側の面である。第1フレーム111の辺Hに沿った長さ(X方向)は辺Hの長さより長く、例えば4mである。第1フレーム111の厚み(Z方向)は例えば8mm、幅(Y方向)は例えば32mmである。
【0030】
第2フレーム112は第1フレーム111と対向する対向する板状部材である。図11及び図12に示すように第2フレーム112は第1主面112a、第2主面112b、第1側面112c及び第2側面112dを有する。第1主面112a及び第2主面112bは共に基板主面P(X-Z平面)に垂直な面(X-Y平面)であり、第1主面112aは第1フレーム111と対向する面、第2主面112bは第1主面112aとは反対側の面である。第1側面112c及び第2側面112dは共に基板主面Pに平行な面(X-Z平面)であり、第1側面112cは正面側の面、第2側面112dは背面側の面である。第2フレーム112の辺Hに沿った長さ(X方向)は第1フレーム111の長さと同一であり、例えば4mである。第2フレーム112の厚み(Z方向)は例えば8mm、幅(Y方向)は例えば32mmである。
【0031】
第3フレーム113は第1フレーム111と第2フレーム112を接続する板状部材である。図11及び図12に示すように第3フレーム113は、第1主面113a、第2主面113b、第1側面113c及び第2側面113dを有する。第1主面113a及び第2主面113bは共に第1フレーム111及び第2フレーム112の各主面(X-Y平面)に垂直な面(Y-Z平面)であり、第1主面113aはフレームユニット110の外周側の面、第2主面113bは第1主面113aとは反対側の面である。第1側面113c及び第2側面113dは共に基板主面Pに平行な面(X-Z平面)であり、第1側面113cは正面側の面、第2側面113dは背面側の面である。第3フレーム113の長さ(Z方向)は特に限定されない。第3フレーム113の厚み(Z方向)は例えば8mm、幅(Y方向)は例えば32mmである。
【0032】
第4フレーム114は第1フレーム111と第2フレーム112を接続し、第3フレーム113と対向する板状部材である。図11及び図12に示すように第4フレーム114は、第1主面114a、第2主面114b、第1側面114c及び第2側面114dを有する。第1主面114a及び第2主面114bは共に第1フレーム111及び第2フレーム112の各主面(X-Y平面)に垂直な面(Y-Z平面)であり、第1主面114aはフレームユニット110の外周側の面、第2主面114bは第1主面114aとは反対側の面である。第1側面114c及び第2側面114dは共に基板主面Pに平行な面(X-Z平面)であり、第1側面114cは正面側の面、第2側面114dは背面側の面である。第4フレーム114の長さ(Z方向)は第3フレームの長さと同一であり、特に限定されない。第4フレーム114の厚み(Z方向)は例えば8mm、幅(Y方向)は例えば32mmである。
【0033】
第5フレーム115は第1フレーム111と第2フレーム112の間において第3フレーム113の近傍に配置され、第1フレーム111と第2フレーム112を接続する板状部材である。図11及び図12に示すように第5フレーム115は、第1主面115a、第2主面115b、第1側面115c及び第2側面115dを有する。第1主面115a及び第2主面115bは共に第1フレーム111及び第2フレーム112の各主面(X-Y平面)に垂直な面(Y-Z平面)であり、第1主面115aはフレームユニット110の外周側の面、第2主面115bは第1主面115aとは反対側の面である。第1側面115c及び第2側面115dは共に基板主面Pに平行な面(X-Z平面)であり、第1側面115cは正面側の面、第2側面115dは背面側の面である。第5フレーム115の長さ(Z方向)は第3フレーム113の長さ同一であり、特に限定されない。第5フレーム115の厚み(Z方向)は例えば8mm、幅(Y方向)は例えば32mmである。
【0034】
第6フレーム116は第1フレーム111と第2フレーム112の間において第4フレーム114の近傍に配置され、第1フレーム111と第2フレーム112を接続する板状部材である。図11及び図12に示すように第6フレーム116は、第1主面116a、第2主面116b、第1側面116c及び第2側面116dを有する。第1主面116a及び第2主面116bは共に第1フレーム111及び第2フレーム112の各主面(X-Y平面)に垂直な面(Y-Z平面)であり、第1主面116aはフレームユニット110の外周側の面、第2主面116bは第1主面116aとは反対側の面である。第1側面116c及び第2側面116dは共に基板主面Pに平行な面(X-Z平面)であり、第1側面116cは正面側の面、第2側面116dは背面側の面である。第6フレーム116の長さ(Z方向)は第3フレーム113の長さ同一であり、特に限定されない。第6フレーム116の厚み(Z方向)は例えば8mm、幅(Y方向)は例えば32mmである。
【0035】
第1フレーム111、第2フレーム112、第3フレーム113、第4フレーム114第5フレーム115及び第6フレーム116は互いに接合され、図10に示すようにフレームユニット110の正面側及び背面側から見て四角形形状のフレーム構造を形成する。これらの接合方法は特に限定されず、螺子による締結や溶接を用いることができる。
【0036】
第1パネル117は第1側面111c、第1側面112c、第1側面113c、第1側面114c、第1側面115c及び第1側面116c(図11参照)に接合され、基板主面Pに平行なパネル(X-Z平面)である。図13は正面側から見た第1フレームユニット110の平面図である。同図に示すように第1フレームユニット110は3枚の第1パネル117を備える。また、第1フレームユニット110が備える第1パネル117の数は特に限定されず、2枚以下又は4枚以上であってもよい。第1パネル117は図6及び図8に示すように螺子151によって上記各側面に接合されている。また、第1パネル117は他の接合方法によって接合されてもよい。
【0037】
第2パネル118は第1側面111d、第2側面112d、第2側面113d、第2側面114d、第2側面115d及び第2側面116d(図12参照)に接合され、基板主面Pに平行なパネル(X-Z平面)である。図14は背面側から見た第1フレームユニット110の平面図であり、図15はその両端部の拡大図である。図14に示すように第1フレームユニット110は3枚の第2パネル118を備える。また、第1フレームユニット110が備える第2パネル118の数は特に限定されず、2枚以下又は4枚以上であってもよい。第2パネル118は図7及び図9に示すように螺子151によって上記各側面に接合されている。また、第2パネル118は他の接合方法によって接合されてもよい。
【0038】
図7図9および図15に示すように、第2パネル118にはメンテナンスポート118aと排液口118bが設けられている。メンテナンスポート118a及び排液口118bは共に第2パネル118を貫通する貫通孔である。なお、メンテナンスポート118a及び排液口118bは基板主面Pに対して背面側となる第2パネル118に設けることにより、基板Sに対する成膜時に成膜材料の入り込みを防止することができる。排液口118bは、例えば、フレーム同士の接合部の近傍に配置されてもよい。これにより、フレームユニットの乾燥時に洗浄液が溜まりやすい場所でも、洗浄液の残留が防止される。
【0039】
第1フレームユニット110を構成する各部材の材料は特に限定されないが、熱により変形を生じにくい材料が好適であり、例えばチタン(Ti)からなるものとすることができる。
【0040】
第1フレームユニット110は以上のような構成を有する。上述のようにフレームユニット110は各フレームが接合され、第1フレームユニット110の正面側及び背面側から見て四角形形状のフレーム構造(図10参照)が形成される。そして、このフレーム構造の両側に第1パネル117及び第2パネル118が接合されることにより6面体が形成される。第1フレーム111及び第2フレーム112は対向する基板Sの辺Hより長いため強度が高く、第1パネル117及び第2パネル118も強度部材として機能するため、第1フレームユニット110は高い剛性を有する。
【0041】
第2フレームユニット120は第1フレームユニット110と共にトレイフレーム101を構成する。図16は正面側から見た第2フレームユニット120の平面図である。図17は背面側から見た第2フレームユニット120の平面図であり、図18はその両端部の拡大図である。これらの図に示すように第2フレームユニット120は、第1フレーム121、第2フレーム122、第3フレーム123、第4フレーム124、第1パネル127及び第2パネル128を備える。図19は、第1パネル127及び第2パネル128を除いた第2フレームユニット120を正面側から見た平面図であり、図20図19の両端部の拡大図である。図21図20の構成を背面側から見た平面図である。
【0042】
第1フレーム121は基板Sの辺Hと対向する板状部材である。図20及び図21に示すように第1フレーム121は第1主面121a、第2主面121b、第1側面121c及び第2側面121dを有する。第1主面121a及び第2主面121bは共に基板主面P(X-Z平面)に垂直な面(Y-Z平面)であり、第1主面121aは辺Hと対向する面、第2主面121bは第1主面121aとは反対側の面である。第1側面121c及び第2側面121dは共に基板主面Pに平行な面(X-Z平面)であり、第1側面121cは正面側の面、第2側面121dは背面側の面である。第1フレーム111の辺Hに沿った長さ(Z方向)は辺Hの長さより長く、例えば4mである。第1フレーム111の厚み(X方向)は例えば8mm、幅(Y方向)は例えば32mmである。
【0043】
第2フレーム122は第1フレーム121と対向する対向する板状部材である。図20及び図21に示すように第2フレーム122は第1主面122a、第2主面122b、第1側面122c及び第2側面122dを有する。第1主面122a及び第2主面122bは共に基板主面P(X-Z平面)に垂直な面(Y-Z平面)であり、第1主面122aは第1フレーム121と対向する面、第2主面122bは第1主面122aとは反対側の面である。第1側面122c及び第2側面122dは共に基板主面Pに平行な面(X-Z平面)であり、第1側面122cは正面側の面、第2側面122dは背面側の面である。第2フレーム122の辺Hに沿った長さ(Z方向)は第1フレーム111の長さと同一であり、例えば4mである。第2フレーム112の厚み(X方向)は例えば8mm、幅(Y方向)は例えば32mmである。
【0044】
第3フレーム123は第1フレーム121と第2フレーム122を接続する板状部材である。図20及び図21に示すように第3フレーム123は、第1主面123a、第2主面123b、第1側面123c及び第2側面123dを有する。第1主面123a及び第2主面123bは共に第1フレーム121及び第2フレーム122の各主面(Y-Z平面)に垂直な面(X-Y平面)であり、第1主面123aは第2フレームユニット120の外周側の面、第2主面123bは第1主面123aとは反対側の面である。第1側面123c及び第2側面123dは共に基板主面Pに平行な面(X-Z平面)であり、第1側面123cは正面側の面、第2側面123dは背面側の面である。第3フレーム113の長さ(X方向)は特に限定されない。第3フレーム113の厚み(Z方向)は例えば8mm、幅(Y方向)は例えば32mmである。
【0045】
第4フレーム124は第1フレーム121と第2フレーム122を接続し、第3フレーム123と対向する板状部材である。図20及び図21に示すように第4フレーム124は、第1主面124a、第2主面124b、第1側面124c及び第2側面124dを有する。第1主面124a及び第2主面124bは共に第1フレーム121及び第2フレーム122の各主面(Y-Z平面)に垂直な面(X-Y平面)であり、第1主面124aは第2フレームユニット120の外周側の面、第2主面124bは第1主面124aとは反対側の面である。第1側面124c及び第2側面124dは共に基板主面Pに平行な面(X-Z平面)であり、第1側面124cは正面側の面、第2側面124dは背面側の面である。第4フレーム114の長さ(X方向)は第3フレームの長さと同一であり、特に限定されない。第4フレーム114の厚み(Z方向)は例えば8mm、幅(Y方向)は例えば32mmである。
【0046】
第1フレーム121、第2フレーム122、第3フレーム123及び第4フレーム124は互いに接合され、図19に示すように第2フレームユニット120の正面側及び背面側から見て四角形形状のフレーム構造を形成する。これらの接合方法は特に限定されず、螺子による締結や溶接を用いることができる。
【0047】
第1パネル127は第1側面121c、第1側面122c、第1側面123c及び第1側面124c(図20参照)に接合され、基板主面Pに平行なパネル(X-Z平面)である。図16に示すように第2フレームユニット120は3枚の第1パネル127を備える。また、第2フレームユニット120が備える第1パネル127の数は特に限定されず、2枚以下又は4枚以上であってもよい。第1パネル127は螺子によって上記各側面に接合されている。また、第1パネル127は他の接合方法によって接合されてもよい。
【0048】
第2パネル128は第1側面121d、第2側面122d、第2側面123d及び第2側面124d(図21参照)に接合され、基板主面Pに平行なパネル(X-Z平面)である。図17に示すように第2フレームユニット120は3枚の第2パネル128を備える。また、第2フレームユニット120が備える第2パネル128の数は特に限定されず、2枚以下又は4枚以上であってもよい。第2パネル128は螺子によって上記各側面に接合されている。また、第2パネル128は他の接合方法によって接合されてもよい。図18に示すように、第2パネル128には第2パネル128を貫通する貫通孔である排液口128bが設けられている。
【0049】
第2フレームユニット120を構成する各部材の材料は特に限定されないが、熱により変形を生じにくい材料が好適であり、例えばチタン(Ti)からなるものとすることができる。
【0050】
第2フレームユニット120は以上のような構成を有する。上述のように第2フレームユニット120は各フレームが接合され、第2フレームユニット120の正面側及び背面側から見て四角形形状のフレーム構造(図19参照)が形成される。そして、このフレーム構造の両側に第1パネル127及び第2パネル128が接合されることにより6面体が形成される。第1フレーム121及び第2フレーム122は対向する基板Sの辺Hより長いため強度が高く、第1パネル127及び第2パネル128も強度部材として機能するため、第2フレームユニット120は高い剛性を有する。
【0051】
上記のように2つの第1フレームユニット110と2つの第2フレームユニット120は互いに着脱可能に接合され、トレイフレーム101を形成する(図5参照)。図22は2つの第1フレームユニット110と2つの第2フレームユニット120が接合されたトレイフレーム101の模式図であり、各パネルは図示を省略している。同図に示すように第1フレームユニット110の第1フレーム111と第2フレームユニット120の第3フレーム123又は第4フレーム124が接合され、トレイフレーム101が形成されている。
【0052】
図23及び図24は第1フレームユニット110と第2フレームユニット120の接合部を示す斜視図であり、図22の範囲Cを背面側から見た図である。図23では各パネルの図示を省略している。これらの図に示すように、トレイフレーム101は第1フレームユニット110と第2フレームユニット120が螺子152によって互いに接合されている。ここで図24に示すように第2パネル118にはメンテナンスポート118aが設けられているため、メンテナンスポート118aを介して螺子152の着脱が可能である。なお、フレームユニット110の接合方法な螺子による締結に限られず、着脱可能な他の接合方法であってもよい。
【0053】
さらに、トレイフレーム101は、図2に示すようにリブ130を備える。リブ130は開口150の4つ角のそれぞれにおいて、第1フレームユニット110の長手方向(X方向)及び第2フレームユニット120の長手方向(Z方向)に対して傾斜した方向に延伸し、第1フレームユニット110と第2フレームユニット120をそれぞれ接続する。リブ130により、トレイフレーム101の剛性をさらに向上させることが可能となる。リブ130の材料は特に限定されないが、熱により変形を生じにくい材料が好適であり、例えばチタン(Ti)からなるものとすることができる。なお、トレイフレーム101はリブ130を備えないものであってもよい。
【0054】
クランプ102は、図2に示すようにトレイフレーム101において開口105の内周に複数が設けられ、基板Sを把持する。クランプ102の構成は特に限定されず、基板Sの把持が可能なものであればよい。
【0055】
基板支持ステー103は、図2に示すように開口105を介してトレイフレーム101の間を接続し、基板Sを支持する。図25は基板支持ステー103の平面図である。図26は基板支持ステー103の断面図であり、図25のA-A線での断面図である。これらの図に示すように基板支持ステー103は第1支持部131、第2支持部132、軸部133及び基板支持ピン134を備える。
【0056】
第1支持部131は、第1フレームユニット110と軸部133を接続する。図27は第1支持部131及びクランプ102の斜視図である。同図に示すように第1支持部131はクランプ102との干渉を避けるため、U字型形状を有する。第2支持部132は、第1支持部131とは反対側において第1フレームユニット110と軸部133を接続する。第2支持部132は第1支持部131と同様にU字型形状を有する。
【0057】
軸部133は、一方向(Z方向)に延伸する棒状であり、第1支持部131と第2支持部132を接続する。軸部133は図26に示すように螺子153によって第1支持部131及び第2支持部132と接続されている。基板支持ピン134は軸部133において所定間隔で複数が設けられ、基板主面Pに対して背面側に当接する。図28は基板支持ピン134の斜視図である。同図に示すように基板支持ピン134は軸部133から突出する。突出した基板支持ピン134の先端(基板に当接する部分)は樹脂等からなる。
【0058】
第1支持部131と軸部133の接続には、軸部133の延伸方向(Z方向)において自由度を持つ軸受けが用いられる。図29は第1支持部131と軸部133の接続箇所の断面図である。滑り軸受け161は環状形状を有し、同図に示すように第1支持部131に固定されている。滑り軸受け161はポリイミド樹脂等の摺動性に優れた材料からなる。
【0059】
第1支持部131には軸部133の延伸方向(Z方向)に沿って突出する突起部151aが設けられている。軸部133には摺動軸162が設けられ、摺動軸162には突起部151aが挿入される凹部162aが設けられている。摺動軸162の外周は滑り軸受け161内に挿入されている。これにより、軸部133は軸部133の延伸方向(Z方向)において第1支持部131に対して摺動可能であり、同方向において自由度を有する。
【0060】
この構成により、基板支持ステー103において熱線膨張が生じ、トレイフレーム101との間に膨張率の差異が生じても、滑り軸受け161によって解消される。したがって、トレイフレーム101をチタン等の熱線膨張を生じにくい材料からなるものとし、基板支持ステー103をアルミニウム等の熱線膨張を生じやすい材料からなるものとすることも可能であり、基板支持ステー103の製造コストの低減が可能となる。
【0061】
なお、基板搬送トレイ100は後述するように基板主面P(図3参照)が鉛直面となる向きで基板Sを搬送する。ここで、基板支持ステー103は、第1支持部131が鉛直下方、第2支持部132が鉛直上方となり、軸部133が鉛直方向に沿って延伸するように設けられと好適である。滑り軸受け161では摺動によりパーティクルが生じるおそれがあるが、第1支持部131が鉛直下方であるとパーティクルが基板Sに到達しないためである。
【0062】
[基板搬送トレイの効果]
基板搬送トレイ100は上述のように、2つの第1フレームユニット110と2つの第2フレームユニット120が着脱可能に接合されたトレイフレーム101を備える。第1フレームユニット110と第2フレームユニット120はそれぞれ、フレームとパネルが組み立てられて構成されている。従来の基板搬送トレイは削り出し構造又は溶接構造であり、質量が大きいが、基板搬送トレイ100はフレームとパネルによる組み立て構造とすることにより、軽量かつ高剛性とすることが可能である。
【0063】
また、基板に対する成膜プロセス等では基板搬送トレイ100に着膜が生じるため、定期的にウェット洗浄を行う必要がある。基板搬送トレイ100では2つの第1フレームユニット110と2つの第2フレームユニット120を分割することにより、フレームユニット毎に洗浄槽に浸漬させ、洗浄することが可能となる。削り出し構造又は溶接構造の基板搬送トレイでは、大型基板の場合には全体を洗浄槽に浸漬させて洗浄させることが困難となる。
【0064】
さらにウェット洗浄では洗浄液が除去しきれないと真空汚染が生じるおそれがある。基板搬送トレイ100では、第2パネル118及び第2パネル128に排液口118b及び排液口128bが設けられており、洗浄液の残留が防止されている。
【0065】
[基板搬送装置について]
上述した基板搬送トレイ100を利用した基板搬送装置について説明する。図30は基板搬送トレイ100を備える基板搬送装置200の模式図であり、図31は基板搬送装置200の一部構成の拡大図、図32は基板搬送装置200の模式図である。これらの図に示すように基板搬送装置200は、基板搬送トレイ100及び基板搬送機構210を備える。
【0066】
基板搬送機構210はリニアモータユニット211、ガイドローラ212、下部ガイドレール213及び上部ガイドレール214を備え、基板搬送トレイ10を移動させる。図31は基板搬送機構210のうちリニアモータユニット211、ガイドローラ212及び下部ガイドレール213を拡大して示す。
【0067】
リニアモータユニット211は基板搬送トレイ100の搬送ラインに沿って配設され、同ラインに沿って基板搬送トレイ100を推進させる。リニアモータユニット211には電磁石215が配置されている。図33は、基板搬送トレイ100の底面を示す斜視図である。同図に示すように基板搬送トレイ100の底面には磁石216が配置されている。電磁石215と磁石216の間で磁力が作用することにより、基板搬送トレイ100に推力が印加される。
【0068】
ガイドローラ212はリニアモータユニット211の前後に配置され、基板搬送トレイ100に当接する。ガイドローラ212は回転することにより基板搬送トレイ100の移動をガイドする。
【0069】
下部ガイドレール213は基板搬送トレイ100の搬送ラインに沿って配設され、基板搬送トレイ100の移動をガイドする。図31及び図32に示すように下部ガイドレール213には磁石217が配列されており、基板搬送トレイ100の底部に配列された磁石218と磁石217が吸引し合う(図32中、矢印A)ことにより基板搬送トレイ100の重量の一部が相殺される。
【0070】
上部ガイドレール214は基板搬送トレイ100の搬送ラインに沿って配設され、基板搬送トレイ100の移動をガイドする。図32に示すように上部ガイドレール214には磁石219が配列されており、基板搬送トレイ100の上部に配列された磁石220と磁石219が吸引し合う(図32中、矢印B)ことにより基板搬送トレイ100の重量の一部が相殺される。
【0071】
基板搬送装置200は以上のような構成を有する。基板搬送装置200では、基板搬送トレイ100が軽量かつ高剛性であるため、基板搬送トレイ100の迅速な搬送が可能である。また、基板搬送トレイ100の剛性が高く、熱変形も生じにくいため、各磁石の位置ズレが生じにくく、このような基板搬送機構210に適している。なお、基板搬送機構210はリニアモータ以外の機構により基板搬送トレイ100を推進させるものであってもよく、例えば磁気螺子を用いたものであってもよい。また、基板搬送機構210はガイドローラ212をモータによって回転させることによって基板搬送トレイ100を推進させるものであってもよい。
【0072】
[本発明の実施形態について]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。上述の実施形態において説明した特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を任意に組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0073】
100…基板搬送トレイ
101…トレイフレーム
102…クランプ
103…基板支持ステー
105…開口
110…第1フレームユニット
111…第1フレーム
112…第2フレーム
113…第3フレーム
114…第4フレーム
115…第5フレーム
116…第6フレーム
117…第1パネル
118…第2パネル
120…第2フレームユニット
121…第1フレーム
122…第2フレーム
123…第3フレーム
124…第4フレーム
127…第1パネル
128…第2パネル
130…リブ
200…基板搬送装置
210…基板搬送機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
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図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33