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特開2024-48793超音波診断システムおよび超音波診断システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048793
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】超音波診断システムおよび超音波診断システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154898
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】田代 りか
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE09
4C601EE11
4C601GA18
4C601GA21
4C601GB04
4C601JB34
4C601JC06
4C601KK01
4C601KK25
4C601KK31
(57)【要約】
【課題】ユーザが円滑に被検体の検査を行うことができる超音波診断システムおよび超音波診断システムの制御方法を提供する。
【解決手段】超音波診断システムは、被検体の識別情報により被検体を特定する被検体特定部(30)と、観察部位を選択する観察部位選択部(25)と、第1表示領域および第2表示領域を有するモニタ(23)と、撮影された超音波画像を第1表示領域に表示する表示制御部(22)と、選択された観察部位に対する参考画像を第2表示領域に表示する参考画像表示部(26)と、被検体の過去の超音波画像を保存する画像メモリ(24)と、特定された被検体の観察部位の過去の超音波画像が画像メモリ(24)に保存されている場合に画像メモリ(24)から過去の超音波画像を読み出して参考画像に代えて第2表示領域に表示する過去画像表示部(29)とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波プローブを走査することにより撮影された被検体の観察部位の超音波画像を表示する超音波診断システムであって、
前記被検体の識別情報を入力することにより前記被検体を特定する被検体特定部と、
前記観察部位を選択する観察部位選択部と、
第1表示領域および第2表示領域を有するモニタと、
撮影された前記超音波画像を前記第1表示領域に表示する表示制御部と、
前記観察部位選択部により選択された前記観察部位に対する参考画像を前記第2表示領域に表示する参考画像表示部と、
前記被検体の過去の超音波画像を保存する画像メモリと、
前記被検体特定部により特定された前記被検体の前記観察部位の前記過去の超音波画像が前記画像メモリに保存されているか否かを判定し且つ前記過去の超音波画像が保存されている場合に前記画像メモリから前記過去の超音波画像を読み出して前記参考画像に代えて前記第2表示領域に表示する過去画像表示部と
を備える超音波診断システム。
【請求項2】
前記過去画像表示部は、複数の前記過去の超音波画像が前記画像メモリに保存されている場合に、前記複数の前記過去の超音波画像から前記第1表示領域に表示されている前記超音波画像に最も近い前記過去の超音波画像を選択して前記第2表示領域に表示する請求項1に記載の超音波診断システム。
【請求項3】
前記モニタは、前記第1表示領域および前記第2表示領域とは異なる第3表示領域を有し、
前記観察部位選択部により選択された前記観察部位に対する前記超音波プローブの走査をガイドする走査ガイドを前記第3表示領域に表示する走査ガイド表示部を備える請求項1に記載の超音波診断システム。
【請求項4】
前記走査ガイドは、動画である請求項3に記載の超音波診断システム。
【請求項5】
前記走査ガイドは、前記被検体と前記被検体の前記観察部位を走査中の前記超音波プローブとが撮影された光学画像である請求項3に記載の超音波診断システム。
【請求項6】
前記光学画像を取得する光学カメラを備える請求項5に記載の超音波診断システム。
【請求項7】
前記観察部位は、大腸全体、結腸および直腸のうちのいずれかである請求項1に記載の超音波診断システム。
【請求項8】
前記超音波画像から便を検出する便検出部を備え、
前記表示制御部は、前記便検出部により検出された便の位置を前記超音波画像内に強調表示する請求項7に記載の超音波診断システム。
【請求項9】
前記便検出部は、多数の被検体の大腸の超音波画像により学習された学習済みモデルを用いることにより前記便を検出する請求項8に記載の超音波診断システム。
【請求項10】
超音波プローブを走査することにより撮影された被検体の観察部位の超音波画像を表示する超音波診断システムの制御方法であって、
前記被検体の識別情報を入力することにより前記被検体を特定し、
前記観察部位を選択し、
撮影された前記超音波画像をモニタの第1表示領域に表示し、
選択された前記観察部位に対する参考画像を前記モニタの第2表示領域に表示し、
前記被検体の過去の超音波画像を画像メモリに保存し、
特定された前記被検体の前記観察部位の前記過去の超音波画像が前記画像メモリに保存されているか否かを判定し且つ前記過去の超音波画像が保存されている場合に前記画像メモリから前記過去の超音波画像を読み出して前記参考画像に代えて前記第2表示領域に表示する
超音波診断システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体の観察部位の超音波画像を表示する超音波診断システムおよび超音波診断システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、いわゆる超音波診断システムを用いて被検体内の断層を表す超音波画像を撮影することにより観察部位の検査が行われている。超音波診断システムのユーザは、通常、撮影された超音波画像を確認しながら目的とする部位の超音波画像を撮影できる位置にまで超音波プローブを移動させるが、ユーザの熟練度によっては、超音波画像を確認しても、現在撮影している被検体の部位を正確に把握できず、目的とする観察部位を容易に撮影できない等、検査を円滑に行うことが困難なことがあった。
【0003】
そこで、ユーザが検査を円滑に行うことができるように、例えば、特許文献1に開示されるような技術が開発されている。特許文献1は、同一の被検体に対して過去に撮影された超音波画像と現在撮影している超音波画像とを並べて表示する超音波診断システムを開示している。ユーザは、過去の超音波画像を参考にしながら超音波プローブを移動できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-131099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1の技術では、過去に検査を受けていない等により過去の超音波画像が存在しない被検体を検査する場合に、ユーザは、現在の超音波画像を確認して検査を行うことになるため、その熟練度によっては目的とする観察部位を容易に撮影できない等、検査を円滑に行うことが困難なことがあった。
【0006】
本発明はこのような従来の問題点を解消するためになされたものであり、ユーザが円滑に被検体の検査を行うことができる超音波診断システムおよび超音波診断システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下の構成によれば、上記目的を達成できる。
〔1〕 超音波プローブを走査することにより撮影された被検体の観察部位の超音波画像を表示する超音波診断システムであって、
被検体の識別情報を入力することにより被検体を特定する被検体特定部と、
観察部位を選択する観察部位選択部と、
第1表示領域および第2表示領域を有するモニタと、
撮影された超音波画像を第1表示領域に表示する表示制御部と、
観察部位選択部により選択された観察部位に対する参考画像を第2表示領域に表示する参考画像表示部と、
被検体の過去の超音波画像を保存する画像メモリと、
被検体特定部により特定された被検体の観察部位の過去の超音波画像が画像メモリに保存されているか否かを判定し且つ過去の超音波画像が保存されている場合に画像メモリから過去の超音波画像を読み出して参考画像に代えて第2表示領域に表示する過去画像表示部と
を備える超音波診断システム。
〔2〕 過去画像表示部は、複数の過去の超音波画像が画像メモリに保存されている場合に、複数の過去の超音波画像から第1表示領域に表示されている超音波画像に最も近い過去の超音波画像を選択して第2表示領域に表示する〔1〕に記載の超音波診断システム。
〔3〕 モニタは、第1表示領域および第2表示領域とは異なる第3表示領域を有し、
観察部位選択部により選択された観察部位に対する超音波プローブの走査をガイドする走査ガイドを第3表示領域に表示する走査ガイド表示部を備える〔1〕または〔2〕に記載の超音波診断システム。
〔4〕 走査ガイドは、動画である〔3〕に記載の超音波診断システム。
〔5〕 走査ガイドは、被検体と被検体の観察部位を走査中の超音波プローブとが撮影された光学画像である〔3〕に記載の超音波診断システム。
〔6〕 光学画像を取得する光学カメラを備える〔5〕に記載の超音波診断システム。
〔7〕 観察部位は、大腸全体、結腸および直腸のうちのいずれかである〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の超音波診断システム。
〔8〕 超音波画像から便を検出する便検出部を備え、
表示制御部は、便検出部により検出された便の位置を超音波画像内に強調表示する〔7〕に記載の超音波診断システム。
〔9〕 便検出部は、多数の被検体の大腸の超音波画像により学習された学習済みモデルを用いることにより便を検出する〔8〕に記載の超音波診断システム。
〔10〕 超音波プローブを走査することにより撮影された被検体の観察部位の超音波画像を表示する超音波診断システムの制御方法であって、
被検体の識別情報を入力することにより被検体を特定し、
観察部位を選択し、
撮影された超音波画像をモニタの第1表示領域に表示し、
選択された観察部位に対する参考画像をモニタの第2表示領域に表示し、
被検体の過去の超音波画像を画像メモリに保存し、
特定された被検体の観察部位の過去の超音波画像が画像メモリに保存されているか否かを判定し且つ過去の超音波画像が保存されている場合に画像メモリから過去の超音波画像を読み出して参考画像に代えて第2表示領域に表示する
超音波診断システムの制御方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、超音波診断システムが、被検体の識別情報を入力することにより被検体を特定する被検体特定部と、観察部位を選択する観察部位選択部と、第1表示領域および第2表示領域を有するモニタと、撮影された超音波画像を第1表示領域に表示する表示制御部と、観察部位選択部により選択された観察部位に対する参考画像を第2表示領域に表示する参考画像表示部と、被検体の過去の超音波画像を保存する画像メモリと、被検体特定部により特定された被検体の観察部位の過去の超音波画像が画像メモリに保存されているか否かを判定し且つ過去の超音波画像が保存されている場合に画像メモリから過去の超音波画像を読み出して参考画像に代えて第2表示領域に表示する過去画像表示部とを備えるため、ユーザが円滑に被検体の検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1に係る超音波診断システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態1における送受信回路の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態1における画像生成部の構成を示すブロック図である。
図4】観察部位を選択するメニュー画面の例を示す図である。
図5】第1表示領域、第2表示領域および第3表示領域の例を示す図である。
図6】第1表示領域に現在の超音波画像が表示され、第2表示領域に参考画像が表示され、第3表示領域に走査ガイドの動画が表示される例を示す図である。
図7】超音波画像に付与するアノテーションを選択するアイコンの例を示す図である。
図8】第2表示領域に表示された過去の超音波画像の例を示す例である。
図9】第1表示領域に現在の超音波画像が表示され、第2表示領域に過去の超音波画像が表示され、第3表示領域に走査ガイドの動画が表示される例を示す図である。
図10】本発明の実施の形態1に係る超音波診断システムの動作を示すフローチャートである。
図11】本発明の実施の形態2に係る超音波診断システムの構成を示すブロック図である。
図12】第3表示領域に走査ガイドとして表示された光学画像の例を示す図である。
図13】第1表示領域に現在の超音波画像が表示され、第2表示領域に過去の超音波画像が表示され、第3表示領域に光学画像が表示される例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、「同一」、「同じ」は、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。
【0011】
実施の形態1
図1に本発明の実施の形態1に係る超音波診断システムの構成を示す。超音波診断システムは、超音波プローブ1と、超音波プローブ1に接続される装置本体2を備えている。
【0012】
超音波プローブ1は、振動子アレイ11を有している。振動子アレイ11に送受信回路12が接続されている。
【0013】
装置本体2は、超音波プローブ1の送受信回路12に接続される画像生成部21を有している。画像生成部21に、表示制御部22およびモニタ23が、順次、接続されている。また、画像生成部21に画像メモリ24が接続されている。画像メモリ24に観察部位選択部25が接続されている。観察部位選択部25に、参考画像表示部26、走査ガイド表示部27および便検出部28が接続されている。参考画像表示部26および走査ガイド表示部27は、表示制御部22に接続している。また、装置本体2は、被検体特定部30を備えている。画像メモリ24、観察部位選択部25、便検出部28および被検体特定部30に、過去画像表示部29が接続されている。過去画像表示部29は表示制御部22に接続している。また、送受信回路12、画像生成部21、表示制御部22、画像メモリ24、観察部位選択部25、参考画像表示部26、走査ガイド表示部27、便検出部28、過去画像表示部29および被検体特定部30に、本体制御部31が接続されている。本体制御部31に入力装置32が接続されている。
【0014】
また、送受信回路12と画像生成部21により画像取得部33が構成されている。また、画像生成部21、表示制御部22、観察部位選択部25、参考画像表示部26、走査ガイド表示部27、便検出部28、過去画像表示部29、被検体特定部30および本体制御部31により、装置本体2用のプロセッサ34が構成されている。
【0015】
超音波プローブ1の振動子アレイ11は、1次元または2次元に配列された複数の超音波振動子を有している。これらの超音波振動子は、それぞれ送受信回路12から供給される駆動信号に従って超音波を送信すると共に、被検体からの超音波エコーを受信して、超音波エコーに基づく信号を出力する。各超音波振動子は、例えば、PZT(Lead Zirconate Titanate:チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック、PVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride:ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子およびPMN-PT(Lead Magnesium Niobate-Lead Titanate:マグネシウムニオブ酸鉛-チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成することにより構成される。
【0016】
送受信回路12は、本体制御部31による制御の下で、振動子アレイ11から超音波を送信し且つ振動子アレイ11により取得された受信信号に基づいて音線信号を生成する。送受信回路12は、図2に示すように、振動子アレイ11に接続されるパルサ41と、振動子アレイ11から順次直列に接続される増幅部42、AD(Analog to Digital)変換部43およびビームフォーマ44を有している。
【0017】
パルサ41は、例えば、複数のパルス発生器を含んでおり、本体制御部31からの制御信号に応じて選択された送信遅延パターンに基づいて、振動子アレイ11の複数の超音波振動子から送信される超音波が超音波ビームを形成するようにそれぞれの駆動信号を、遅延量を調節して複数の超音波振動子に供給する。このように、振動子アレイ11の超音波振動子の電極にパルス状または連続波状の電圧が印加されると、圧電体が伸縮し、それぞれの超音波振動子からパルス状または連続波状の超音波が発生して、それらの超音波の合成波から、超音波ビームが形成される。
【0018】
送信された超音波ビームは、例えば、被検体の部位等の対象において反射され、超音波プローブ1の振動子アレイ11に向かって伝搬する。このように振動子アレイ11に向かって伝搬する超音波エコーは、振動子アレイ11を構成するそれぞれの超音波振動子により受信される。この際に、振動子アレイ11を構成するそれぞれの超音波振動子は、伝搬する超音波エコーを受信することにより伸縮して、電気信号である受信信号を発生させ、これらの受信信号を増幅部42に出力する。
【0019】
増幅部42は、振動子アレイ11を構成するそれぞれの超音波振動子から入力された信号を増幅し、増幅した信号をAD変換部43に送信する。AD変換部43は、増幅部42から送信された信号をデジタルの受信データに変換する。ビームフォーマ44は、AD変換部43から受け取った各受信データに対してそれぞれの遅延を与えて加算することにより、いわゆる受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、AD変換部43で変換された各受信データが整相加算され且つ超音波エコーの焦点が絞り込まれた音線信号が取得される。
【0020】
画像生成部21は、図3に示すように、信号処理部45、DSC(Digital Scan Converter:デジタルスキャンコンバータ)46および画像処理部47が順次直列に接続された構成を有している。
【0021】
信号処理部45は、送受信回路12から受信した音線信号に対し、本体制御部31により設定される音速値を用いて超音波の反射位置の深度に応じて距離による減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施すことにより、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像信号を生成する。
【0022】
DSC46は、信号処理部45で生成されたBモード画像信号を通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号に変換(ラスター変換)する。
画像処理部47は、DSC46から入力されるBモード画像信号に階調処理等の各種の必要な画像処理を施した後、Bモード画像信号を表示制御部22および画像メモリ24に送出する。以降は、画像処理部47により画像処理が施されたBモード画像信号を、超音波画像と呼ぶ。
【0023】
表示制御部22は、本体制御部31の制御の下で、画像生成部21により生成された超音波画像等に対して所定の処理を施して、モニタ23に表示する。
モニタ23は、表示制御部22の制御の下で、種々の表示を行う。モニタ23は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等のディスプレイ装置を含むことができる。
【0024】
本体制御部31は、予め記録されたプログラム等に従って装置本体2の各部および超音波プローブ1を制御する。
入力装置32は、検査者による入力操作を受け付け、入力された情報を本体制御部31に送出する。入力装置32は、例えば、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッドおよびタッチパネル等の検査者が入力操作を行うための装置等により構成される。
【0025】
画像メモリ24は、本体制御部31の制御の下で、例えば入力装置32を介して超音波診断システムのユーザによって入力された被検体の識別情報に関連付けて、画像生成部21により生成された超音波画像を保存する。ここで、被検体の識別情報としては、例えば、被検体毎に設定されたID(Identifier:識別子)または被検体名等を用いることができる。画像メモリ24は、現在の検査で生成された超音波画像の他に、過去の検査で生成された超音波画像を累積して保存できる。
【0026】
画像メモリ24としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)、SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)、FD(Flexible Disk:フレキシブルディスク)、MOディスク(Magneto-Optical disk:光磁気ディスク)、MT(Magnetic Tape:磁気テープ)、RAM(Random Access Memory:ランダムアクセスメモリ)、CD(Compact Disc:コンパクトディスク)、DVD(Digital Versatile Disc:デジタルバーサタイルディスク)、SDカード(Secure Digital card:セキュアデジタルカード)、または、USBメモリ(Universal Serial Bus memory:ユニバーサルシリアルバスメモリ)等の記録メディア等を用いることができる。
【0027】
被検体特定部30は、例えば入力装置32を介してユーザにより入力された被検体の識別情報に基づいて被検体を特定する。
【0028】
観察部位選択部25は、入力装置32を介して入力されたユーザの指示に基づいて、予め設定されている複数の観察部位のうち、1つの観察部位を選択する。例えば、表示制御部22により図4に示すようなメニュー画面M1がモニタ23に表示された場合に、メニュー画面M1に含まれる複数のアイコンA1~A8のうち観察部位に関連するアイコンが入力装置32を介してユーザによって選択されると、観察部位選択部25は、ユーザが選択したアイコンに基づいて観察部位を選択できる。
【0029】
図4のメニュー画面M1は、血管への針の穿刺を行うモードを起動するためのアイコンA1、検査メニューのリストを設定するモードを起動するためのアイコンA2、被検体の膀胱を観察して膀胱内の尿量を計測するモードを起動するためのアイコンA3、大腸を観察するモードを起動するためのアイコンA4、肺エコーを観察するモードを起動するためのアイコンA5、超音波プローブ1の走査を開始するためのアイコンA6、検査履歴をモニタ23に表示するためのアイコンA7、および、超音波診断システムの取り扱い説明書をモニタ23に表示するためのアイコンA8を含んでいる。
【0030】
観察部位選択部25は、例えば、これらのアイコンA1~A8のうち、アイコンA1が選択されると観察部位として血管を選択し、アイコンA3が選択されると観察部位として膀胱を選択し、アイコンA4が選択されると観察部位として大腸を選択し、アイコンA5が選択されると観察部位として肺を選択することができる。観察部位選択部25は、特にアイコンA4が選択された場合に、観察部位として、大腸全体、結腸および直腸のうちのいずれかを選択できる。ここで、ユーザがアイコンA4を選択することによって観察部位選択部25が大腸全体、結腸および直腸のうちのいずれを選択するかは、予め設定できる。
【0031】
観察部位選択部25により観察部位が選択されると、本体制御部31は、モニタ23の表示を例えば図5に示すような表示に遷移させる。この際に、モニタ23は、第1表示領域R1、第2表示領域R2および第3表示領域R3を有する。
【0032】
表示制御部22は、画像生成部21により生成された最新の超音波画像を、順次、モニタ23の第1表示領域R1に表示する。
【0033】
参考画像表示部26は、定められた複数の観察部位毎に参考画像を記憶しており、例えば図5に示すように、観察部位選択部25により選択された観察部位に対する参考画像URをモニタ23の第2表示領域R2において表示する。ここで、参考画像URとは、観察部位を撮影した標準的な超音波画像のことを指す。ユーザは、第1表示領域R1に表示される現在の超音波画像と第2表示領域R2に表示される参考画像URを確認して、参考画像URに類似する超音波画像が得られるように超音波プローブ1を移動しながら走査を行うことにより、目的とする観察部位を容易に撮影できる。
【0034】
走査ガイド表示部27は、定められた複数の観察部位毎に、観察部位を撮影するために超音波プローブ1の走査をガイドする走査ガイドを記憶しており、例えば図5に示すように、観察部位選択部25により選択された観察部位に対する走査ガイドG1をモニタ23の第3表示領域R3に表示する。ここで、走査ガイド表示部27は、走査ガイドG1として、例えば、超音波プローブ1の観察部位までの移動経路を示す動画または静止画を表示できる。ユーザは、第3表示領域R3に表示された走査ガイドG1を確認することにより、超音波プローブ1の移動経路を容易に把握して、目的とする観察部位を容易に撮影できる。
【0035】
ここで、モニタ23は、図5のように、第1表示領域R1、第2表示領域R2および第3表示領域R3を有する表示において、フリーズボタンB1と、便の有無の判別を行うための便有無ボタンB2を含むことができる。フリーズボタンB1は、第1表示領域R1における超音波画像の連続的な表示を一時停止する、すなわち、いわゆるフリーズさせるためのボタンである。便有無ボタンB2は、後述するように、便検出部28により被検体の大腸に存在する便を検出する処理を実行するためのボタンである。
【0036】
便検出部28は、画像生成部21により生成された超音波画像を解析することにより、図6に示すように、超音波画像U1から便Kを検出する。便検出部28は、例えば、便Kに関する複数のテンプレート画像を記憶しており、複数のテンプレート画像を用いて超音波画像U1内をサーチする、いわゆるテンプレートマッチングの方法により便Kを検出できる。便検出部28は、例えば、便Kが写った多数の被検体の大腸の超音波画像により学習されたいわゆる機械学習における、学習済みモデルを用いて超音波画像U1から便Kを検出することもできる。
【0037】
便検出部28は、例えば、モニタ23に表示された便有無ボタンB2が入力装置32を介してユーザにより選択されることをトリガとして、第1表示領域R1において連続的に表示される超音波画像U1に対して便Kを検出する処理を実行できる。
【0038】
表示制御部22は、便検出部28により便Kが検出された場合に、例えば図6に示す関心領域示唆線L1を表示する等により便Kの位置を強調表示できる。関心領域示唆線L1は、検出された便Kを含む領域の存在を示唆する線であり、任意の形態を有することができるが、例えば、便Kを囲む矩形の四隅を表す4つの屈曲線からなることができる。表示制御部22は、関心領域示唆線L1を表示する他に、例えば、便Kの画像の色を周囲とは異なる色で表示する、便Kの輪郭線を表示する、便Kを点滅させる等、便Kを周囲とは異なる表示態様により強調表示することもできる。
【0039】
便検出部28により便Kが検出された状態で、入力装置32を介してユーザによりフリーズボタンB1が選択されると、本体制御部31は、モニタ23の表示を、例えば図7に示すような表示に遷移できる。この表示では、例えば、便Kが検出された最新の超音波画像U1がモニタ23に表示され、超音波画像U1に対して便Kの性状に関するアノテーションを付与するためのアノテーションアイコンC1、C2およびC3が表示される。ユーザは、入力装置32を介してアノテーションアイコンC1、C2およびC3のうちいずれかを選択することにより、選択されたアノテーションアイコンに対応するアノテーションを超音波画像U1に付与できる。このようにして超音波画像U1に付与されたアノテーションは、超音波画像U1に関連付けて画像メモリ24に保存される。また、図7の表示において、モニタ23は、検出された便Kの性状がアノテーションアイコンC1、C2およびC3に対応する便Kの性状に該当しないことから超音波画像U1に対してアノテーションを付与しない指示を行うための該当なしボタンB3と、フリーズを解除して走査を再開する再スキャンボタンB4を含むこともできる。
【0040】
過去画像表示部29は、被検体特定部30により特定された被検体の観察部位の過去の超音波画像が画像メモリ24に保存されているか否かを判定する。過去画像表示部29は、その被検体の過去の超音波画像が画像メモリ24に保存されている場合に、画像メモリ24から過去の超音波画像を読み出して、図8に示すように、参考画像URに代えて第2表示領域R2に過去の超音波画像U2を表示する。
【0041】
観察部位の形状、サイズおよび位置等は、被検体毎に異なるため、標準的な超音波画像である参考画像URを走査の参考とするよりも、同一の被検体の過去の超音波画像U2を走査の参考とすることで、より容易に観察部位を撮影できる。
【0042】
ここで、過去画像表示部29は、複数の過去の超音波画像U2が画像メモリ24に保存されている場合に、複数の過去の超音波画像U2から第1表示領域R1に表示されている超音波画像U1に最も近いすなわち最も類似する超音波画像U2を選択して、選択された超音波画像U2を第2表示領域R2に表示できる。この際に、過去画像表示部29は、第1表示領域R1に表示されている超音波画像U1と、複数の過去の超音波画像U2との間の複数の類似度を算出し、超音波画像U1に対して最も大きい類似度を有する過去の超音波画像U2を、超音波画像U1に最も近い超音波画像U2として選択できる。ユーザは、このようにして表示された過去の超音波画像U2と現在の超音波画像U1を比較することにより、現在撮影している被検体の部位が、目的とする観察部位であるか否かを容易に把握できる。
【0043】
また、図9に示すように、便検出部28による便Kの検出処理が現在の超音波画像U1に対して実行され且つ便Kが検出されている場合には、過去画像表示部29は、複数の過去の超音波画像U2のうち、便Kが検出されている超音波画像U2を選択し、第2表示領域R2に表示できる。
【0044】
また、過去画像表示部29は、読み出した過去の超音波画像U2において便Kが検出されている場合に、第2表示領域R2において、検出された便Kの位置を中心として超音波画像U2を拡大して表示することもできる。これにより、ユーザが便Kを含む領域を明確に確認できる。
【0045】
なお、画像生成部21、表示制御部22、観察部位選択部25、参考画像表示部26、走査ガイド表示部27、便検出部28、過去画像表示部29、被検体特定部30および本体制御部31を有するプロセッサ34は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、および、CPUに各種の処理を行わせるための制御プログラムから構成されるが、FPGA(Field Programmable Gate Array:フィードプログラマブルゲートアレイ)、DSP(Digital Signal Processor:デジタルシグナルプロセッサ)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:アプリケーションスペシフィックインテグレイテッドサーキット)、GPU(Graphics Processing Unit:グラフィックスプロセッシングユニット)、または、その他のIC(Integrated Circuit:集積回路)を用いて構成されてもよく、もしくはそれらを組み合わせて構成されてもよい。
【0046】
また、プロセッサ34の画像生成部21、表示制御部22、観察部位選択部25、参考画像表示部26、走査ガイド表示部27、便検出部28、過去画像表示部29、被検体特定部30および本体制御部31は、部分的にあるいは全体的に1つのCPU等に統合させて構成されることもできる。
【0047】
次に、図10のフローチャートを用いて実施の形態1に係る超音波診断システムの動作の例を説明する。
【0048】
まず、ステップS1において、被検体特定部30は入力装置32を介してユーザにより入力された、被検体のIDまたは名称等の識別情報に基づいて、検査対象の被検体を特定する。
【0049】
次に、ステップS2において、観察部位選択部25は、入力装置32を介して入力されたユーザの指示に基づいて、予め設定されている複数の観察部位のうち、1つの観察部位を選択する。例えば、表示制御部22により図4に示すようなメニュー画面M1がモニタ23に表示された場合に、メニュー画面M1に含まれる複数のアイコンA1~A8のうち観察部位に関連するアイコンが入力装置32を介してユーザによって選択されると、観察部位選択部25は、ユーザが選択したアイコンに基づいて観察部位を選択できる。
【0050】
ステップS2で観察部位が選択されると、本体制御部31は、モニタ23の表示を図5に示すような、第1表示領域R1、第2表示領域R2および第3表示領域R3を含む表示に遷移させる。
【0051】
ステップS3において、過去画像表示部29は、画像メモリ24を参照することにより、ステップS1で特定された被検体の過去の超音波画像U2が画像メモリ24に保存されているか否かを判定する。
【0052】
被検体の過去の超音波画像U2が画像メモリ24に保存されていないと判定された場合に、ステップS4に進む。ステップS4において、参考画像表示部26は、図5に示すように、観察部位選択部25により選択された観察部位に対する参考画像URをモニタ23の第2表示領域R2において表示する。
【0053】
ステップS4に続くステップS6において、走査ガイド表示部27は、図5に示すように、観察部位選択部25により選択された観察部位に対する走査ガイドG1をモニタ23の第3表示領域R3に表示する。
【0054】
ステップS7において、ユーザが超音波プローブ1を被検体の体表上で移動させながら走査することで、複数フレームの超音波画像U1が連続的に撮影される。この際に、超音波プローブ1の振動子アレイ11により被検体内に超音波ビームが送信され且つ被検体内から超音波エコーが受信され、受信信号が生成される。画像取得部33の送受信回路12は、受信信号に対して、本体制御部31の制御の下でいわゆる受信フォーカス処理を行って音線信号を生成する。送受信回路12により生成された音線信号は、画像生成部21に送出される。画像生成部21は、送受信回路12から送出された音線信号を用いて超音波画像を生成する。
【0055】
ステップS8において、表示制御部22は、ステップS7で得られた複数フレームの超音波画像U1を、順次、モニタ23の第1表示領域R1に表示する。ユーザは、第1表示領域R1に表示される現在の超音波画像と第2表示領域R2に表示される参考画像URを確認して、参考画像URに類似する超音波画像が得られるように超音波プローブ1を移動しながら走査を行うことにより、目的とする観察部位を容易に撮影できる。また、ユーザは、第3表示領域R3に表示された走査ガイドG1を確認することにより、超音波プローブ1の移動経路を容易に把握して、目的とする観察部位を容易に撮影できる。
【0056】
被検体の過去の超音波画像U2が画像メモリ24に保存されていると判定された場合に、ステップS5に進む。ステップS5において、過去画像表示部29は、画像メモリ24から過去の超音波画像を読み出して、図8に示すように、参考画像URに代えて第2表示領域R2に過去の超音波画像U2を表示する。過去画像表示部29は、複数の過去の超音波画像U2が画像メモリ24に保存されている場合に、複数の過去の超音波画像U2から第1表示領域R1に表示されている超音波画像U1に最も近いすなわち最も類似する超音波画像U2を選択して、選択された超音波画像U2を第2表示領域R2に表示できる。
【0057】
ステップS5に続くステップS6において、走査ガイド表示部27は、図5に示すように、観察部位選択部25により選択された観察部位に対する走査ガイドG1をモニタ23の第3表示領域R3に表示する。
【0058】
続いて、ステップS7において、ユーザが超音波プローブ1を被検体の体表上で移動させながら走査することで、複数フレームの超音波画像U1が連続的に撮影される。
【0059】
最後に、ステップS8において、表示制御部22は、ステップS7で得られた複数フレームの超音波画像U1を、順次、モニタ23の第1表示領域R1に表示する。観察部位の形状、サイズおよび位置等は、被検体毎に異なるため、標準的な超音波画像である参考画像URを走査の参考とするよりも、同一の被検体の過去の超音波画像U2を走査の参考とすることで、より容易に観察部位を撮影できる。
【0060】
このようにしてステップS8の処理が完了すると、図10のフローチャートに従う超音波診断システムの動作が完了する。
【0061】
以上から、実施の形態1の超音波診断システムによれば、被検体特定部30により特定された被検体の観察部位の過去の超音波画像U2が画像メモリ24に保存されていない場合に、第1表示領域R1に表示される現在の超音波画像U1と一緒に、参考画像URが第2表示領域R2に表示され、被検体特定部30により特定された被検体の観察部位の過去の超音波画像U2が画像メモリ24に保存されている場合に、第1表示領域R1に表示される現在の超音波画像U1と一緒に、参考画像URに代えて、過去の超音波画像U2が第2表示領域R2に表示されるため、被検体の過去の超音波画像U2の有無に関わらず、ユーザは、参考画像URまたは過去の超音波画像U2を確認することにより、目的とする観察部位を容易に撮影して、検査を円滑に行うことができる。
【0062】
なお、送受信回路12が超音波プローブ1に備えられることが説明されているが、送受信回路12は装置本体2に備えられていてもよい。
また、画像生成部21が装置本体2に備えられることが説明されているが、画像生成部21は超音波プローブ1に備えられていてもよい。
【0063】
また、装置本体2は、いわゆる据え置き型でもよく、持ち運びが容易な携帯型でもよく、例えばスマートフォンまたはタブレット型のコンピュータにより構成される、いわゆるハンドヘルド型でもよい。このように、装置本体2を構成する機器の種類は特に限定されない。
【0064】
また、装置本体2が画像メモリ24を備えることが説明されているが、画像メモリ24は、装置本体2に外付けされたメモリであってもよい。また、超音波診断装置は、例えば、装置本体2とネットワークを介して接続されるサーバを備えることができる。この場合に、画像メモリ24は、装置本体2ではなくサーバに備えられていてもよい。
【0065】
また、図10のフローチャートでは、ステップS1で被検体を特定した後にステップS2で観察部位を選択するが、観察部位を選択した後に被検体を特定することもできる。
【0066】
実施の形態2
実施の形態1において、走査ガイド表示部27が、観察部位までの超音波プローブ1の移動経路を示す動画または静止画を走査ガイドG1として表示することが説明されているが、走査ガイドG1として被検体上に配置された超音波プローブ1が写った光学画像を使用することもできる。
【0067】
図11に、実施の形態2の超音波診断システムの構成を示す。実施の形態2の超音波診断システムは、図1に示す実施の形態1の超音波診断システムにおいて、装置本体2の代わりに装置本体2を備え、光学カメラ61をさらに備えている。装置本体2Aは、実施の形態1の装置本体2において、本体制御部31の代わりに本体制御部31Aを備えている。
【0068】
装置本体2Aにおいて、光学カメラ61に、画像メモリ24および本体制御部31Aが接続されている。また、画像メモリ24は走査ガイド表示部27に接続している。また、画像生成部21、表示制御部22、観察部位選択部25、参考画像表示部26、走査ガイド表示部27、便検出部28、過去画像表示部29、被検体特定部30および本体制御部31Aにより、装置本体2A用のプロセッサ34Aが構成されている。
【0069】
光学カメラ61は、例えばいわゆるCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)イメージセンサまたはいわゆるCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサ等のイメージセンサを含み、本体制御部31Aの制御の下で、被検体と、被検体の体表上に配置され且つ被検体の観察部位を走査中の超音波プローブ1を光学的に撮影して光学画像を取得する。光学カメラ61は、取得された光学画像を画像メモリ24に送信する。
【0070】
画像メモリ24は、本体制御部31Aの制御の下で、画像取得部33と光学カメラ61により互いに同一のタイミングまたは最も近いタイミングで取得された超音波画像U1と光学画像を互いに関連付けて保存する。
【0071】
走査ガイド表示部27は、被検体特定部30により特定された被検体の過去の超音波画像U2が画像メモリ24に保存され、且つ、過去の超音波画像U2に対応して保存された光学画像が存在する場合に、図12に示すように、過去の超音波画像U2に対応する光学画像を走査ガイドG2として、モニタ23の第3表示領域R3に表示する。
【0072】
また、便検出部28により便Kを検出する処理が実行されると、図13に示すように、第2表示領域R2に表示された過去の超音波画像U2と第3表示領域R3に表示された光学画像と一緒に、便Kが強調表示された超音波画像U1が第1表示領域R1に表示される。
【0073】
以上から、実施の形態2の超音波システムによれば、走査ガイド表示部27が、過去の超音波画像U2に対応する過去の光学画像を走査ガイドG2として第3表示領域R3に表示するため、ユーザは、第3表示領域R3において、走査ガイドG2として表示された過去の光学画像を確認して、観察部位を明確に撮影できた過去の検査の手技と同様の手技を行うことにより、観察部位を容易に撮影できる。
【符号の説明】
【0074】
1 超音波プローブ、2,2A 装置本体、11 振動子アレイ、12 送受信回路、21 画像生成部、22 表示制御部、23 モニタ、24 画像メモリ、25 観察部位選択部、26 参考画像表示部、27 走査ガイド表示部、28 便検出部、29 過去画像表示部、30 被検体特定部、31,31A 本体制御部、32 入力装置、33 画像取得部、34,34A プロセッサ、41 パルサ、42 増幅部、43 AD変換部、44 ビームフォーマ、45 信号処理部、46 DSC、47 画像処理部、61 光学カメラ、A1~A8 アイコン、B1 フリーズボタン、B2 便有無ボタン、B3 該当なしボタン、B4 再スキャンボタン、C1~C3 アノテーションアイコン、G1,G2 走査ガイド、K 便、L1 関心領域示唆線、M1 メニュー画面、R1 第1表示領域、R2 第2表示領域、R3 第3表示領域、U1,U2 超音波画像、UR 参考画像。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13