IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

特開2024-49016表示装置、操作履歴表示方法、プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049016
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】表示装置、操作履歴表示方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20240402BHJP
【FI】
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155231
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】岩田 純一
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA05
5E555AA26
5E555BA02
5E555BA07
5E555BB02
5E555BB07
5E555BC09
5E555BC17
5E555CB02
5E555CC03
5E555DB41
5E555DC18
5E555EA03
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ダウンロードやアップロード等の操作が行われたファイルの保存場所情報を表示する表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、ネットワークを介して外部ストレージと通信可能な表示装置2であって、前記外部ストレージと通信する通信部と、ファイルを記憶する内部記憶部と、前記外部ストレージからファイルをダウンロードし前記内部記憶部に保存した場合、又は、前記内部記憶部に保存されているファイルを前記外部ストレージにアップロードした場合、前記ファイルの前記内部記憶部における保存場所情報と共に操作履歴を記録する操作記録部と、前記操作履歴に記録されたファイルのファイル名を前記保存場所情報と共に表示する表示制御部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して外部ストレージと通信可能な表示装置であって、
前記外部ストレージと通信する通信部と、
ファイルを記憶する内部記憶部と、
前記外部ストレージからファイルをダウンロードし前記内部記憶部に保存した場合、又は、前記内部記憶部に保存されているファイルを前記外部ストレージにアップロードした場合、前記ファイルの前記内部記憶部における保存場所情報と共に操作履歴を記録する操作記録部と、
前記操作履歴に記録されたファイルのファイル名を前記保存場所情報と共に表示する表示制御部と、
を有する表示装置。
【請求項2】
前記保存場所情報は、前記内部記憶部のディレクトリ情報又はフォルダ情報であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
アップロードする前記ファイルのリストを表示する操作を受け付ける操作受付部、を有し、
前記操作受付部が、前記表示制御部が表示した前記保存場所情報の選択を受け付けた場合、
前記操作受付部が受け付けた前記保存場所情報に保存された前記ファイルのリストをアップロードの候補として表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記操作受付部が、前記ファイルのリストからアップロードする前記ファイルの選択を受け付けた場合、
前記通信部は、前記操作受付部が受け付けた前記ファイルを前記外部ストレージに送信することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記保存場所情報は、更に、前記ファイルがダウンロードされる前の前記外部ストレージにおけるディレクトリ情報又はフォルダ情報を有し、
前記操作履歴に記録されたファイルのファイル名を前記保存場所情報と共に表示する表示制御部と、
前記保存場所情報の選択を受け付ける操作受付部と、を有し、
前記操作受付部が受け付けた前記保存場所情報に保存された前記ファイルのリストをダウンロードの候補として表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記操作受付部が、前記ファイルのリストからダウンロードする前記ファイルの選択を受け付けた場合、
前記通信部は、前記操作受付部が受け付けた前記ファイルを前記外部ストレージから受信することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記操作履歴には、前記ファイルがダウンロードされた、又は、前記ファイルがアップロードされた外部ストレージが記録されており、
前記表示制御部は、ユーザーがサインインしている前記外部ストレージが対応付けられている前記操作履歴についてのみ、前記ファイルのファイル名を前記保存場所情報と共に表示することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、ユーザーがサインインしている前記外部ストレージが対応付けられている前記操作履歴についてのみ、前記ファイルのファイル名及び操作内容、を保存場所情報と共に表示することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項9】
前記通信部はネットワークを介して端末装置と通信し、
前記端末装置からの要求に応じて前記操作履歴を表示する画面の画面情報を前記端末装置に提供するWebサーバー部を有し、
前記操作履歴から選択された、前記表示装置が保持するファイルを前記端末装置から要求され、前記通信部が前記ファイルを前記端末装置に送信した場合、
前記操作記録部は、前記操作履歴を記録することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記端末装置が保持するファイルを前記端末装置から、前記通信部が受信した場合、
前記操作記録部は、前記操作履歴を記録することを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記端末装置が前記外部ストレージからファイルをダウンロードした場合に記録した前記操作履歴を、前記ファイルと共に前記端末装置から、前記通信部が受信した場合、
前記操作記録部は、前記端末装置から受信した前記操作履歴を、前記操作記録部が記録している前記操作履歴に追加することを特徴とする請求項9又は10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記操作履歴を解析する解析部と、
前記解析部による解析結果を表示させると共に、前記解析結果に基づいて前記表示装置での設定変更を受け付ける表示受付部と、
を更に有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記表示受付部は、使用頻度が閾値以上の前記外部ストレージをアップロード画面又はダウンロード画面に表示するか否かをユーザーから受け付け、
表示する旨を受け付けた場合、前記アップロード画面又は前記ダウンロード画面に使用頻度が閾値以上の前記外部ストレージにアップロード又はダウンロードするためのボタンを表示することを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
ネットワークを介して外部ストレージと通信可能な表示装置が行う操作履歴表示方法であって、
前記外部ストレージと通信するステップと、
前記外部ストレージからファイルをダウンロードし内部記憶部に保存した場合、又は、前記内部記憶部に保存されているファイルを前記外部ストレージにアップロードした場合、前記ファイルの前記内部記憶部における保存場所情報と共に操作履歴を記録するステップと、
前記操作履歴に記録されたファイルのファイル名を前記保存場所情報と共に表示するステップと、
を有する操作履歴表示方法。
【請求項15】
ネットワークを介して外部ストレージと通信可能な表示装置を、
前記外部ストレージと通信する通信部と、
前記外部ストレージからファイルをダウンロードし内部記憶部に保存した場合、又は、前記内部記憶部に保存されているファイルを前記外部ストレージにアップロードした場合、前記ファイルの前記内部記憶部における保存場所情報と共に操作履歴を記録する操作記録部と、
前記操作履歴に記録されたファイルのファイル名を前記保存場所情報と共に表示する表示制御部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、操作履歴表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ペンや指でタッチパネルに手書きされたデータを表示する表示装置が知られている。大型のタッチパネルを備えた表示装置は会議室などに配置され、複数のユーザーにより電子黒板として利用される。表示装置は、外部ストレージから文書ファイルをダウンロードし、手書き編集後にアップロードするなど、外部ストレージと通信することができる。また、表示装置の用途によっては操作履歴を記録することが求められる。
【0003】
外部ストレージに対する操作履歴を記録しておく技術が知られている(例えば特許文献1参照。)。特許文献1には、ジョブ番号、ジョブ内容、ユーザー名等を操作履歴に保存しておく画像処理装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、ダウンロードやアップロード等の操作が行われたファイルの保存場所情報が表示されないという問題がある。通常、ユーザーはファイル名でファイルを判別するが、ファイルを選択するにはディレクトリの階層を辿り、所望のファイルを特定する必要があるため手間がかかる。例えば、電子ペーパーをディスプレーに採用した表示装置の場合、画面更新に時間がかかるのでユーザーとしては保存場所の指定やファイルの選択等が容易でない。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、ダウンロードやアップロード等の操作が行われたファイルの保存場所情報を表示する表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、ネットワークを介して外部ストレージと通信可能な表示装置であって、前記外部ストレージと通信する通信部と、ファイルを記憶する内部記憶部と、前記外部ストレージからファイルをダウンロードし前記内部記憶部に保存した場合、又は、前記内部記憶部に保存されているファイルを前記外部ストレージにアップロードした場合、前記ファイルの前記内部記憶部における保存場所情報と共に操作履歴を記録する操作記録部と、前記操作履歴に記録されたファイルのファイル名を前記保存場所情報と共に表示する表示制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
ダウンロードやアップロード等の操作が行われたファイルの保存場所情報を表示する表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ファイルの操作履歴の記録に関してその概略を説明する図である。
図2】ファイル管理システムの概略のシステム構成を説明する図である。
図3】表示装置の配置例を示した図である。
図4】表示装置が認識結果を表示する操作ガイドと操作ガイドが表示する選択可能候補の一例を示す図である。
図5】端末装置、アカウント管理サーバー、及び、クラウドストレージの一例のハードウェア構成図の一例である。
図6】表示装置のハードウェア構成図の一例である。
図7】表示装置、端末装置、及びアカウント管理サーバーが有する機能をブロック状に分けて説明する機能ブロック図の一例である。
図8】操作記録部が記録するファイルメタ情報の一例を示す図である。
図9】ユーザーが表示装置を操作してクラウドストレージから文書ファイルをダウンロードしたり、アップロードしたりする処理を説明するシーケンス図の一例である。
図10】文書ファイルの書誌情報を表示装置が表示する書誌情報画面の一例を示す図である。
図11】表示装置が表示するダウンロード画面の一例を示す図である。
図12】表示装置が表示するアップロード画面の一例を示す図である。
図13】表示装置が文書ファイルのダウンロード又はアップロードによりファイルメタ情報を記録する処理を説明するフローチャート図の一例である。
図14】表示装置が表示する操作履歴画面の一例を示す図である。
図15】表示装置が操作履歴画面を表示する処理を説明するフローチャート図の一例である。
図16】ユーザーが端末装置を操作して、文書ファイルを表示装置からダウンロードし、文書ファイルを表示装置にダウンロードする処理を説明するシーケンス図の一例である。
図17】端末装置が表示するファイル操作画面の一例を示す図である。
図18】端末装置が外部ストレージから文書ファイルをダウンロードし、表示装置にアップロードする処理を説明するシーケンス図の一例である。
図19】端末装置から送信された操作履歴が追加された表示装置の一例の操作履歴を示す図である。
図20】表示装置、端末装置、及びアカウント管理サーバーが有する機能をブロック状に分けて説明する機能ブロック図の一例である。
図21】解析部による操作履歴の解析結果を利用した外部ストレージのボタン表示の提案と設定変更の処理を説明するフローチャート図である。
図22】表示装置が表示する設定変更画面の一例を示す図である。
図23】クラウドストレージへのアップロードを受け付けるボタンを有するアップロード画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として表示装置と、表示装置が行う操作履歴表示方法について図面を参照しながら説明する。
【0010】
<ファイルの使用例>
表示装置におけるファイルの使用形態の一例として以下のようなケースがある。
【0011】
1.ユーザーがいる現場(工事現場、災害現場、建設現場など)に表示装置が配置されている。始業時に管理部門が作成したその日の手順説明書(ファイル)をユーザーがクラウドストレージからダウンロードし、現場で表示装置に表示させ日報などの必要事項を記入する。
【0012】
2.終業前にユーザーがクラウドストレージに手順説明書をアップロードし、アップロードされた手順説明書を管理部門がチェックする。
【0013】
3.また、同じ表示装置が、オンプレミスのNAS(Network Attached Storage)から図面(ファイル)をダウンロードし、ユーザーが作業の確認や編集を行い、NASにアップロードする。
【0014】
したがって、同じ表示装置の内部記憶部に、日々、種々のファイル(ダウンロードしたファイル、ファイル名が異なる更新されたファイル、全く別のファイル、など)が溜まっていく。
【0015】
このように、表示装置が外部ストレージからファイルをダウンロードし、編集後、アップロードする使用方法の場合、内部記憶部に蓄えられたファイルがどのストレージからダウンロードされたものか不明になったり、途中から他のユーザーが表示装置を使用する際に、アップロード済みか不明になったりして、利便性が低下する。ユーザーとしては、ファイルがどのような操作履歴を経たか(アップロード済みかどうか)、どの外部ストレージにアップロードすればよいか等を後で確認したい場合がある。また、ダウンロード又はアップロードしたいファイルを特定する場合も、ファイルの階層が深いとファイルを探すのが容易でない。特に、電子ペーパーを使用した表示装置の場合、電気泳動等による表示方式の特徴により画面の描画や更新に時間がかかったり、操作性が低下したりする場合があった。
【実施例0016】
そこで、本実施形態では、表示装置が以下のようにファイルの操作履歴を管理する。
【0017】
図1は、ファイルの操作履歴の記録に関してその概略を説明する図である。
【0018】
(1) 表示装置2は、ユーザー操作に応じて「ファイル名:doc.pdf」のファイルを外部ストレージ80からダウンロードする。表示装置2は、外部ストレージ名、操作内容、ダウンロードしたファイル名、内部記憶部におけるファイルのディレクトリを操作履歴(後述するファイルメタ情報)の一部として保存する。
【0019】
(2) 表示装置2は、ユーザー操作に応じて「ファイル名:doc.pdf」のファイルを外部ストレージ80にアップロードする。表示装置2は、外部ストレージ名、操作内容、アップロードしたファイル名、内部記憶部におけるファイルのディレクトリを操作履歴の一部として保存する。
【0020】
(3) 表示装置2は、ユーザー操作に応じて「ファイル名:paper.pdf」のファイルを外部ストレージ80からダウンロードする。表示装置2は、外部ストレージ名、操作内容、ダウンロードしたファイル名、内部記憶部におけるファイルのディレクトリを操作履歴の一部として保存する。
【0021】
(4) 表示装置2は、ユーザー操作に応じて「ファイル名:paper.pdf」のファイルを外部ストレージ80にアップロードする。表示装置2は、外部ストレージ名、操作内容、アップロードしたファイル名、内部記憶部におけるファイルのディレクトリを操作履歴の一部として保存する。
【0022】
以上の操作により、表示装置2の内部記憶部には、外部ストレージ名と共に、4つの操作履歴(操作内容、ファイル名、ファイルID)が保存される。操作履歴には、操作内容に対応付けて内部記憶部におけるファイルの保存場所(ディレクトリ)が記録される。操作履歴は、ユーザーがファイルを操作する画面に表示される。したがって、例えば、ユーザーがダウンロードしたファイルをアップロードする場合、ディレクトリの階層を辿ることなく、操作履歴のディレクトリからファイルを選択できる。また、操作履歴にはアップロードしたか否かが記録されるので、ユーザーはアップロードすべきファイルを特定しやすい。また、操作履歴には外部ストレージ名が記録されるので、ユーザーは、どの外部ストレージにファイルをアップロードすべきか分かる。
【0023】
<用語について>
保存場所情報とは、ファイルが保存されている、又は過去に保存されたことがあるファイルの場所を示す。この場所は、ディレクトリのパス(ディレクトリ情報)、フォルダのパス(フォルダ情報)などで特定されてもよいし、ネットワーク上のURLで特定されてもよい。
【0024】
ファイルとは、コンピュータにおけるデータの管理単位の一つで、HDDやSSDなどの外部記憶装置などにデータを記録する際に利用者やOSから見て最小の記録単位となるデータのまとまりである。本実施形態では、文書ファイルを例に操作履歴の記録を説明する。文書ファイルはユーザーにとって何らかの意味がある情報が記録されていればよく、文字以外に、図形、グラフ、画像などが含まれていてよい。ファイルとしては、例えばコンピュータが読み取るものでもよく、コンピュータの動作を制御するような設定ファイルでもよい。したがって、コンピュータ上で取り扱いが可能なファイルであればよい。ファイルを電子ファイル、データ、電子データと称してもよい。
【0025】
外部ストレージとは、表示装置2がネットワークを介してファイルの保存や取得に使用する記憶装置である。通信プロトコルは問わないが、例えばHTTP、SMB(Server Message Block)、WebDAV、FTP等が知られている。表示装置2の内部のHDDや外付けされたHDD等、ファイルシステムがアクセス可能な記憶装置は該当しない。
【0026】
ダウンロードとは、ユーザーが操作中の装置が他方の装置からファイル等を受信することをいう。アップロードとは、ユーザーが操作中の装置が他方の装置にファイル等を送信することをいう。
【0027】
操作履歴とは、ファイルに関してユーザーが可能な操作の内容を時系列に記録した情報である。本実施形態では、操作履歴は、ファイルのダウンロード、アップロード、編集、削除、移動等がある。操作履歴にファイルに関するもの以外が含まれてもよい。本実施形態では、操作履歴がファイルメタ情報に保存される。
ボタンとは、画面やグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)上で、ある特定の命令や処理を選択したり実行させたりする際にクリック又は押下する領域や表示部品を示す。ボタンをアイコンと称してもよい。ボタンにおいて、文字や記号の有無などは適宜、設計され、外観や形状はどのようなものでもよい。
【0028】
<システム構成例>
図2を参照して、ファイル管理システム100のシステム構成について説明する。図2は、ファイル管理システム100の概略のシステム構成を説明する図である。ファイル管理システム100は、ネットワーク機器(ファイアーウォール101,ルーティングスイッチ102、無線アクセスポイント103)とネットワークを介して通信可能な、アカウント管理サーバー50、クラウドストレージ70、表示装置2、端末装置30、及びNAS71、PC72(Personal Computer)を有している。
【0029】
このうち、クラウドストレージ70、NAS71、及びPC72は外部ストレージ80として使用される。クラウドストレージ70、NAS71、及びPC72はこのうち1つ以上があればよいし、外部ストレージ80の例としてはこれらに限られない。また、これら以外の外部ストレージ80があってもよい。外部ストレージ80はファイル管理システム100がファイルの保存に使用する記憶装置なので、ファイル管理システム100が有することは必要なく、表示装置2等がネットワークを介して通信可能であればよい。後述する端末装置30も汎用的な情報処理装置であればよいので、ファイル管理システム100の必須の構成ではない。
【0030】
図2に示すように、インターネット側110とオンプレミス側120が、ファイアーウォール101によりアクセス制御される。インターネットiが世界中のコンピュータなどの情報機器をIP(Internet Protocol)で接続するネットワークであるのに対し、オンプレミスとは、サーバーやソフトウェアなどの情報機器を、ユーザーが管理できる運用形態をいう。インターネットiをクラウドという場合がある。ファイアーウォール101は、所定の規則に基づいて、インターネット側110からオンプレミス側120への通信、及び、その逆方向の通信を許可するかどうかを判断し、拒否又は許可する装置である。図2の構成は一例であり、表示装置2等が3G、4G、5G、6Gなどの携帯電話網を介してインターネットiに接続してもよい。
【0031】
オンプレミス側にはルーティングスイッチ102がありルーティングスイッチ102にネットワークNが形成されている。ルーティングスイッチ102は、ルーターとスイッチの少なくとも一方の機能を有するネットワーク機器である。ルーティングスイッチ102は、スイッチとして、レイヤー2であるデータリンク層の通信プロトコル(イーサネット(登録商標))に基づき、LAN内の通信を制御する。なおスイッチをハブやL2スイッチともいう。また、ルーティングスイッチ102は、ルーターとして、レイヤー3であるネットワーク層の通信プロトコル(IP)に基づき2つ以上の異なるネットワーク間のデータを中継する。異なるネットワークとはネットワークアドレスが異なることをいう。
【0032】
ネットワークNは、例えば1つ以上のLANであり、図2では、無線LANが含まれている。また、ネットワークNは、広域イーサネットやVPN(Virtual Private Network)などでもよい。
【0033】
ネットワークNには無線アクセスポイント103が接続されている。無線アクセスポイント103は、Wi-Fi(登録商標)ルーターともいい、無線LANで通信する機器がネットワークNに接続するための基地局である。図2では、表示装置2と端末装置30が無線で無線アクセスポイント103に接続しているが、有線でネットワークNに接続してよい。NAS71とPC72は有線でネットワークNに接続しているが、NAS71とPC72が無線アクセスポイント103と通信してもよい。
【0034】
表示装置2は、ペンや指で指などの入力手段で手書き可能なタッチパネルを有し、ユーザーが手書きしたストロークを表示する。表示装置2は、1つ以上のストロークを有する手書きデータをリアルタイムに文字コードに変換する機能を有しており、手書きデータを文字列に清書できる。また、表示装置2は、PDFファイルなどを表示し、PDFファイルに対する手書き入力(文字列に変換される場合がある)を受け付けることもできる。表示装置2は、比較的大型のタッチパネルを備えることができ、ユーザーにより電子黒板として利用される場合がある。表示装置2は、外部ストレージ80から文書ファイルをダウンロードし、手書き編集後にアップロードするなど、外部ストレージ80と通信することができる。また、表示装置2はWebサーバーの機能を有していることが好ましく、端末装置30に対しWebサーバーとしてWebページ又はWebアプリを提供できる。
【0035】
また、表示装置2は、電子ペーパーとしての機能を有するとなおよい。電子ペーパーは、電力を消費しなくても表示内容を維持し、書換え可能という長所をあわせもった反射型の表示媒体である。電子ペーパーは消費電力が少ないので、商用電源を用意しにくい場所などでバッテリーでの長時間駆動が可能になる。
【0036】
端末装置30は、例えば、ネットワークNを介して表示装置2に接続し、Webページを表示するクライアント端末となる。端末装置30は、このWebページを介して、表示装置2から文書ファイルをダウンロードできる。また、端末装置30は、端末装置30に保存された文書ファイルを表示装置2にアップロードすることもできる。
【0037】
端末装置30は、デスクトップPC、ノート型PC、スマートフォン、タブレット端末等でよい。端末装置30はネットワークNに接続し、Webページを表示できるWebブラウザを実行できれば、これらに限られない。また、端末装置30は、ネイティブアプリを実行して表示装置2と通信してもよい。
【0038】
アカウント管理サーバー50は、テナント形態で表示装置2を利用するテナントのアカウント情報を管理する。テナントは、ユーザーグループの単位であり、例えば表示装置2を使用する契約を結んだ企業、企業内の部署、又は、一般消費者などである。アカウント管理サーバー50は、テナントごとにアカウントを配布しており、表示装置2を使用できる人数、期間、及び機能などを制限できる。
【0039】
アカウント管理サーバー50は、一台以上の情報処理装置により実現される。アカウント管理サーバー50は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよいし、単一の情報処理装置によって実現されてもよい。複数のアカウント管理サーバー50が存在し、それぞれが負荷等に応じてサービスを提供してもよい。クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される形態をいう。また、アカウント管理サーバー50は、インターネットi上に存在しても、オンプレミスに存在してもよい。
【0040】
クラウドストレージ70は、インターネットiを介して利用されるファイルの保存場所である。クラウドストレージ70は、ファイルを保管するだけでなく、複数のユーザーが保存場所のURLを共有することで、ファイルの共有も行える。クラウドストレージ70には、表示装置2で編集された文書ファイルが保存される場合がある。NAS71とPC72についても表示装置2で編集された文書ファイルが保存される場合がある。ユーザーは、文書ファイルのダウンロード、アップロードの際、クラウドストレージ70、NAS71又はPC72を任意に選択できる。
【0041】
複数の異なるクラウドストレージ70a、70b等が存在してよい。異なるとは、クラウドストレージ70のサービスの提供元(サービスブランド)が異なることをいう。クラウドストレージ70a、70bのうち任意のクラウドストレージをクラウドストレージ70という。
【0042】
<表示装置の構成例>
次に、図3を用いて、本実施形態に係る表示装置2の配置例を説明する。図3は、表示装置2の配置例を示した図である。図3(a)は、表示装置2の一例として、壁につり下げられた横長の電子黒板として使用される表示装置2を示している。
【0043】
図3(a)に示されているように、表示装置2の上部には表示装置2の一例としてのディスプレー220が設置されている。ユーザーUは、ペン2500を用いて、ディスプレー220に文字等を手書きする(入力、描画ともいう)ことができる。
【0044】
図3(b)は壁につり下げられた縦長の電子黒板として使用される表示装置2を示している。
【0045】
図3(c)は机230に平置きされた表示装置2を示す。表示装置2は厚みが1cm程度なので、一般の机に平置きしても机の高さを調整する必要がない。また、ユーザーは表示装置2を容易に移動できる。
【0046】
なお、ペン2500の座標の入力方式には、電磁誘導方式、アクティブ静電結合方式などがある。また、ペン2500は、筆圧検知、傾き検知、ホバー機能(ペンが触れる前にカーソルを表示)、などの機能を有していてよい。
【0047】
<文字の認識結果の一例>
図4を参照して、表示装置2による手書きデータの認識結果について説明する。図4は表示装置2が認識結果を表示する操作ガイド600と操作ガイドが表示する選択可能候補615の一例である。ユーザーが手書きデータ604を手書きし、ペンアップすると一定時間の経過で操作ガイド600が表示される。
【0048】
操作ガイド600は、操作コマンドの候補610、手書き認識文字列候補606、変換文字列候補607、及び、文字列/予測変換の候補608を表示する。なお、選択可能候補615は、操作コマンドの候補610、手書き認識文字列候補606、変換文字列候補607、文字列/予測変換の候補608である。また、操作コマンドの候補610を除く選択可能候補615を文字列候補613という。
【0049】
手書きデータ604はユーザーが手書きした「おは」という文字である。ペンアップにより「おは」が同一認識グループと判断された。同一認識グループの手書きデータ604を囲む手書きデータ矩形領域表示603が表示される。図4では二文字の入力で操作ガイド600が表示されているが、操作ガイド600が表示されるタイミングは、ユーザーが手書きを中断したタイミングである。中断までに同一認識グループに含まれるストロークデータがまとめて一文字以上に文字認識される。したがって、手書きデータ604の文字数は任意である。
【0050】
手書き認識文字列候補606、変換文字列候補607、文字列/予測変換の候補608にはそれぞれの文字列候補が確率降順で並んでいる。手書き認識文字列候補606の「おは」は認識結果の候補である。
【0051】
変換文字列候補607は「おは」のカナ漢字変換の結果(例えば「オハ」「尾は」「尾羽」)又はカナ漢字変換の結果から変換された変換文字列候補(例えば「おは」を含む熟語)である。文字列/予測変換の候補608は変換文字列候補607から変換された予測文字列候補である。この例では「おはようのあいさつ」と「尾は黒い」が表示されている。
【0052】
操作コマンドの候補610は認識された文字に応じて表示される、予め定義されている操作コマンド(ファイル操作、文字の編集などのコマンド)の候補である。図4の例では行頭文字の「》」611が操作コマンドの候補であることを示している。図4では「おは」の手書き認識文字列候補606が、定義データと部分一致したため、操作コマンドの候補610が表示されている。
【0053】
操作コマンドの候補610は、変換された文字列を含む操作コマンド定義データが見つかる場合に表示されるため、常に表示されるとは限らない。
【0054】
操作ヘッダー620はボタン601、609、602、605を有する。ボタン601は予測変換とカナ変換の切り替え操作を受け付ける。ボタン602は候補表示のページ操作をする。図4の例では候補表示ページは3ページあり、現在は1ページ目を表示している。ボタン605は操作ガイド600の消去を受け付ける。ユーザーがボタン605を押下すると手書きデータ以外の表示を消去する。ボタン609は一括表示消去を受け付ける。ユーザーがボタン609を押下すると図4に示されているすべての表示を消去して、ユーザーが最初から手書きをしなおすことを可能にする。
【0055】
<ハードウェア構成例>
図5図6を参照して、本実施形態に係る表示装置2、アカウント管理サーバー50、及び、クラウドストレージ70のハードウェア構成について説明する。
【0056】
<<情報処理システム及び端末装置30>>
図5は、本実施形態に係る端末装置30、アカウント管理サーバー50、及び、クラウドストレージ70の一例のハードウェア構成を示す図である。図5に示されているように、端末装置30、アカウント管理サーバー50、及び、クラウドストレージ70は、コンピュータ500によって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレー506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0057】
これらのうち、CPU501は、コンピュータ500全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレー506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図5に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0058】
また、キーボード511は、文字、数値、又は各種指示などの入力に使用される複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWドライブ514は、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0059】
<<表示装置>>
図6は、表示装置2のハードウェア構成図の一例である。図6に示されているように、表示装置2は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、及び、SSD(Solid State Drive)204を備えている。
【0060】
これらのうち、CPU201は、表示装置2全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201やIPL(Initial Program Loader)等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。
【0061】
SSD204は、OSや表示装置2用のプログラム等の各種データを記憶する。このプログラムは汎用的なOS(Windows(登録商標)、Mac OS(登録商標)、Android(登録商標)、iOS(登録商標)等)を搭載した情報処理装置で動作するアプリケーションプログラムでもよい。この場合、普段は汎用的な情報処理装置として利用されるが、ユーザーがアプリケーションプログラムを実行すると、表示装置2の専用機と同様、ユーザーが手書きすることができる。
【0062】
また、表示装置2は、ディスプレーコントローラー213、タッチセンサーコントローラー215、タッチセンサー216、ディスプレー220、電源スイッチ227、チルトセンサー217、シリアルインタフェース218、スピーカー219、マイク221、無線通信装置222、赤外線I/F223、電源制御回路224、ACアダプター225、及びバッテリー226を備えている。
【0063】
ディスプレーコントローラー213は、出力画像をディスプレー220等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。タッチセンサー216は、ディスプレー220上にペン2500やユーザーの手等(ペンやユーザーの手は入力手段となる)が接触したことを検知する。また、タッチセンサー216はペンIDを受信する。
【0064】
タッチセンサーコントローラー215は、タッチセンサー216の処理を制御する。タッチセンサー216は、座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法について説明する。例えば、光学式の場合、ディスプレー220の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレー220に平行して複数の赤外線を放射する。ディスプレー220の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。タッチセンサー216は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線の位置情報をタッチセンサーコントローラー215に出力し、タッチセンサーコントローラー215が、物体の接触位置である座標位置を特定する。また、タッチセンサーコントローラー215は通信ユニット215aを有しており、ペン2500と無線で通信することができる。例えば、Bluetooth(登録商標)などの規格で通信している場合は、市販されているペンを使用することができる。通信ユニット215aに予め1つ以上のペン2500を登録しておくと、ユーザーはペン2500を表示装置2と通信させる接続設定を行わなくても通信できる。
【0065】
電源スイッチ227は、表示装置2の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。チルトセンサー217は、表示装置2の傾き角度を検出するセンサーである。主に、表示装置2が図3(a)、図3(b)、又は、図3(c)のいずれかの設置状態で使用されているかを検出するために使用され、設置状態に応じて文字等の太さを自動で変更することができる。
【0066】
シリアルインタフェース218はUSBなどの外部との通信インターフェースである。シリアルインタフェース218は、外部からの情報の入力などに使用される。スピーカー219は音声の出力に使用され、マイク221は音声の入力に使用される。無線通信装置222は、ユーザーが携帯する端末と通信し、例えばインターネットiへの接続を中継する。無線通信装置222はWi-FiやBluetooth(登録商標)などで通信するが、通信規格は問われない。無線通信装置222はアクセスポイントを形成しており、ユーザーが入手したSSID(Service Set Identifier)とパスワードをユーザーが携帯する端末に設定すると、アクセスポイントに接続できる。
【0067】
なお、無線通信装置222には2つのアクセスポイントが用意されているとよい。
a. アクセスポイント→インターネットi
b. アクセスポイント→社内ネットワーク→インターネットi
aのアクセスポイントは社外のユーザー用で、ユーザーは社内ネットワークにはアクセスできないが、インターネットiを利用できる。bのアクセスポイントは社内のユーザー用で、ユーザーは社内ネットワーク及びインターネットiを利用できる。
【0068】
赤外線I/F223は隣に配置された表示装置2を検出する。赤外線I/F223は、赤外線の直進性を利用して、隣に配置された表示装置2のみを検出できる。赤外線I/F223は各辺に1つずつ設けられることが好ましく、表示装置2のどの方向に他の表示装置2が配置されたのかを検出できる。これにより画面が広がり、隣の表示装置2に過去に手書きされた手書き情報(1つのディスプレー220の広さを1ページとして別のページの手書き情報)等を表示できる。
【0069】
電源制御回路224は表示装置2の電源であるACアダプター225とバッテリー226を制御する。ACアダプター225は商用電源が共有する交流を直流に変換する。
【0070】
ディスプレー220がいわゆる電子ペーパーの場合、画像の表示を維持するためにほとんど又は一切電力を消費しないので、バッテリー226による駆動も可能である。これにより、屋外など電源を接続しにくい場所でもデジタルサイネージなどの用途で表示装置2を使用することが可能になる。
【0071】
更に、表示装置2は、バスライン210を備えている。バスライン210は、図6に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0072】
なお、タッチセンサー216は、光学式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネルでもよい。タッチセンサー216は、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネルでもよい。タッチセンサー216は、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどよく、種々の検出手段を用いてもよい。タッチセンサー216は、ペン先のタッチの有無を検知するのに電子ペンが必要ない方式であってよい。この場合はタッチ操作をするのに指先やペン型の棒を使用できる。なお、ペン2500は、細長いペン型である必要はない。
【0073】
<機能について>
次に、図7を用いて表示装置2、端末装置30、アカウント管理サーバー50の機能について説明する。図7は、表示装置2、端末装置30、及びアカウント管理サーバー50が有する機能をブロック状に分けて説明する機能ブロック図の一例である。
【0074】
<<表示装置>>
表示装置2は、通信部21、Webサーバー部22、認証要求部23、操作受付部24、表示制御部25、操作記録部26、及び内部記憶部28、を有している。表示装置2が有する各機能は、図6に示されている各構成要素のいずれかが、SSD204からRAM203上に展開されたプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0075】
通信部21は、ネットワークNやインターネットiを介して、アカウント管理サーバー50、外部ストレージ80及び端末装置30と通信し、各種の情報を送受信する。通信部21は、例えば、外部ストレージ80及び端末装置30との間で文書ファイルを送受信する。
【0076】
Webサーバー部22は、端末装置30から要求されたWebページを作成し、通信部21を介して端末装置30に提供する。Webサーバー部22は操作記録部26が有するファイルメタ情報27を表示するWebページを作成する。WebページやWebアプリを画面情報という場合がある。画面情報は、HTML、XML、CSS(Cascade Style Sheet)、及びJavaScript(登録商標)等により作成される。
【0077】
認証要求部23は、ユーザーが入力する認証情報(ユーザー名とパスワード、生体認証情報など)を用いてアカウント管理サーバー50に認証を要求する。認証が成功すると、該認証情報に対応する予め設定されているアカウントで、ユーザーが外部ストレージ80の文書ファイルを閲覧(ダウンロード)、編集、アップロード、及び、削除などの操作が可能になる。
【0078】
操作受付部24は、表示装置2に対する各種の操作を受け付ける。操作受付部24は、例えば、文書ファイルのダウンロード、アップロード、編集、ファイル名変更、及び、ファイル削除などを受け付ける。
【0079】
表示制御部25は、表示装置2のディスプレー220に各種の情報を表示する。一例として、表示制御部25は、手書きデータ、手書きデータから変換された文字列、文書ファイル、操作履歴などを表示する。
【0080】
操作記録部26は、操作ごとにファイルに対しファイルIDを生成すると共にファイルメタ情報27の記録を行う。ファイルメタ情報27については図8にて説明する。ファイルメタ情報27は、ファイルID、ファイル名、操作内容、操作日時、ダウンロード元又はアップロード先の外部ストレージ名、ディレクトリパス、サインイン情報、及び、クラウドディレクトリ情報などである。操作記録部26は、ファイル操作の都度、それが同じファイルであってもファイルIDを生成する。
【0081】
内部記憶部28は、図6に示したSSD204からRAM203等に形成される記憶部である。内部記憶部28には、文書ファイルの本体が保存される。本実施形態では、ダウンロードしたファイルが保存され、アップロードされた文書ファイルも削除されずに内部記憶部28に保存されたままでよい。
【0082】
<<端末装置>>
端末装置30は、通信部31と、表示制御部32と、操作受付部33と、操作記録部34と、を有する。これら各機能部は、端末装置30にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を図5に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。なお、このプログラムはWebブラウザでもよいし、専用のネイティブアプリでもよい。
【0083】
通信部31は、アカウント管理サーバー50、表示装置2又は外部ストレージ80との間で各種の情報を送受信する。本実施形態では、通信部31は、文書ファイルを表示装置2又は外部ストレージ80からダウンロードしたり、表示装置2又は外部ストレージ80にアップロードしたりする。
【0084】
表示制御部32は、各種の画面の画面情報を解釈してディスプレー506に表示する。操作受付部33は、ディスプレー506に表示された各種画面におけるユーザーの各種操作を受け付ける。
【0085】
操作記録部34の機能は表示装置2のものと同じでよい。端末装置30の操作記録部34は、端末装置30における表示装置2又は外部ストレージ80からの文書ファイルのダウンロード及びアップロードの操作履歴を記録する。
【0086】
<<アカウント管理サーバー>>
アカウント管理サーバー50は、通信部51と、認証部52と、を有する。アカウント管理サーバー50が有する各機能部は、アカウント管理サーバー50にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を図5に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。
【0087】
通信部51は、表示装置2や端末装置30から認証要求を受信し、認証結果を表示装置2や端末装置30に返す。認証部52は、予め保持する、ユーザー名とパスワード、生体認証情報などと、表示装置2や端末装置30から送信された認証情報とを比較し、認証が成功するか否かを判断する。認証が成功すると、認証部52は、アカウントに応じた権限(閲覧可、編集可、削除可など)を有するトークンを発行する。
【0088】
<ファイルメタ情報>
図8は、操作記録部26が記録するファイルメタ情報27の一例である。ファイルメタ情報27はファイルに関する情報とその操作履歴が記録された情報である。
【0089】
・Refの項目は、操作履歴に付与される操作の識別情報であり、例えば連番である。
【0090】
・ファイルIDの項目は、ファイルのハッシュ値である。したがって、ファイルIDはファイルが変更されると変化する。
【0091】
・ファイル名の項目は、操作の対象となったファイル名である。
【0092】
・操作の項目は、ファイルに対しどのような操作が行われたかを示す。操作は、主にダウンロード又はアップロードである。ダウンロードには、ダウンロードとWebUIダウンロードがある。WebUIダウンロードは、Webブラウザを使用したダウンロードであり、単なるダウンロードは表示装置2で動作するネイティブアプリを使用したダウンロードである。アップロードに関しても同様であるが、更にアップロードには別名でアップロードと上書きアップロードがある。別名でアップロードはダウンロードされた文書ファイルを別のファイル名(例えば日時を自動で付ける)でアップロードすることをいい、上書きアップロードは、外部ストレージ80にある文書ファイル(アップロードされる文書ファイルと同じファイル名)が上書きされるアップロードをいう。
【0093】
・操作日時の項目は、文書ファイルの操作が行われた日時である。
【0094】
・ストレージ帰属先の項目は、ダウンロード元又はアップロード先の外部ストレージ80の名称である。
【0095】
・ディレクトリ情報の項目は、内部記憶部28における文書ファイルの保存場所を示す。
【0096】
・サインイン情報の項目は、アカウント管理サーバー50にサインして、文書ファイルを操作したユーザーの識別情報である。
【0097】
・クラウドディレクトリ情報の項目は、クラウドストレージ70において、文書ファイルのダウンロード元又はアップロード先の文書ファイルの保存場所を示す。"ex"はダウンロード元を、"up"はアップロード先を示す。ファイルのダウンロード元又はアップロード先におけるディレクトリはクラウドストレージ70から表示装置2に送信される。クラウドディレクトリ情報の項目にNAS71又はPC72の名称が登録される場合もある。"nas"はNAS71を、"pc"はPC72を示す。
【0098】
<文書ファイルのダウンロード,アップロードの全体的な流れ>
次に、図9を参照して、文書ファイルのダウンロード,アップロードの全体的な流れを説明する。図9は、ユーザーが表示装置2を操作してクラウドストレージ70から文書ファイルをダウンロードしたり、アップロードしたりする処理を説明するシーケンス図である。
【0099】
S1:まず、ユーザーはアカウント管理サーバー50にサインインするための操作を表示装置2に行う。ユーザーは例えばメールアドレスとパスワードを表示装置2に入力する。あるいは、ユーザーは予め割り当てられたPIN(Personal Identification Number)を入力してもよい。
【0100】
S2:表示装置2の操作受付部24が入力を受け付け、認証要求部23が通信部21を介して、メールアドレスとパスワードを指定してサインイン要求をアカウント管理サーバー50に送信する。
【0101】
S3:アカウント管理サーバー50の通信部51がサインイン要求を受信し、認証部52は、メールアドレスとパスワードに基づいてユーザーを認証する。ここでは認証が成功したものとする。
【0102】
S4:アカウント管理サーバー50の通信部51は、ユーザーが属するテナントに登録されているクラウドストレージ70と通信するためのトークンを表示装置2に送信する。このトークンは例えばテナントの管理者がクラウドストレージ70にサインインするためのものでよい。テナントに登録されているクラウドストレージ70が複数ある場合、アカウント管理サーバー50は全てのクラウドストレージ70のトークンを提供してもよいし、クラウドストレージ70のリストを表示装置2に送信し、ユーザーがどのクラウドストレージ70を使用するかの選択を受け付けてよい。
【0103】
S5:表示装置2の通信部21はトークンを受信し、トークンを用いて、文書ファイルのリストをクラウドストレージ70に要求する。トークンにより、ユーザー又はテナントに閲覧権限がある文書ファイルが特定される。
【0104】
S6:表示装置2の通信部21は、文書ファイルのリストをクラウドストレージ70から受信する。表示制御部25は、文書ファイルのリストをディスプレー220に表示する。
【0105】
S7:ユーザーは閲覧や編集のためにダウンロードしたい文書ファイルを選択する。操作受付部24が選択を受け付ける。ユーザーがファイル操作を開始する画面の一例を図10に、ダウンロード画面320の一例を図11に示す。
【0106】
S8:表示装置2の通信部21は、ファイル名又はファイルIDを指定して、選択された文書ファイルをクラウドストレージ70に要求する。
【0107】
S9:表示装置2の通信部21は、文書ファイルをクラウドストレージ70から受信する。表示制御部25は、文書ファイルをディスプレー220に表示する。また、ユーザーは文書ファイルの書誌情報(ファイル名、ページ数、サイズ等)を表示できる(図10参照)。
【0108】
S10:操作記録部26は、ダウンロードした文書ファイルの操作履歴をファイルメタ情報27に保存する。
【0109】
S11:ユーザーはダウンロードした文書ファイルを必要に応じて編集する。操作受付部24が編集を受け付ける。
【0110】
S12:表示装置2の通信部21は、ユーザー操作に応じて、編集後の文書ファイルをクラウドストレージ70にアップロードする。文書ファイルは自動的にアップロードされてもよい。すなわち、文書ファイルは表示装置2とクラウドストレージ70とで共有されてよい。表示装置2が文書ファイルをアップロードしても、表示装置2の内部記憶部28に文書ファイルが残る。ユーザーがファイル名を変更した場合は別のファイルとしてアップロードされ、同じファイル名の場合は上書きアップロードされる。ダウンロードからアップロードまでにファイル名が変更された場合は、更新前と更新後の文書ファイルが内部記憶部28に保存される。ダウンロードからアップロードまでにファイル名が変更されない場合は、ダウンロードされた1つの文書ファイルが内部記憶部28に保存される。
【0111】
S13:操作記録部26は、アップロードした文書ファイルの操作履歴をファイルメタ情報27に保存する。
【0112】
以上のように、ファイルメタ情報27には、文書ファイルのダウンロードとアップロードの都度、操作履歴が記録される。
【0113】
図9ではクラウドストレージ70に対するダウンロード及びアップロードを説明したが、オンプレミス側120にあるNAS71、PC72に対しても表示装置2が文書ファイルをダウンロード及びアップロードできる。この場合、ファイルメタ情報27にはストレージ帰属先としてNAS71、PC72が記録される。
【0114】
<画面例>
続いて、図10図12を参照して、表示装置2が表示する文書ファイルに関する画面例を説明する。図10は、文書ファイルの書誌情報を表示装置2が表示する書誌情報画面を示す。なお、図10の文書ファイルは、内部記憶部28のものでもダウンロードしたものでもよい。
【0115】
図10(a)に示すように、書誌情報画面310はファイル情報欄301とサインイン情報欄302とを有する。ファイル情報欄301には、例えば、閲覧中の文書ファイルの書誌情報として、
・ファイル名
・ページ名(何ページ目か)
・ページ数(文書ファイルの全ページ数)
・文書ファイルの保存先の外部ストレージ名
が表示される。
【0116】
また、ファイル情報欄301はコマンド表示ボタン303を有している。コマンド表示ボタン303の押下により、図10(b)に示す操作メニュー311がポップアップ表示される。
【0117】
サインイン情報欄302は、ユーザーがサインインしている外部ストレージ80の情報とユーザーのアカウント名などを表示する。
・外部ストレージの名称(ストレージ帰属先)
・サインイン情報(サインインに使用されたアカウント名)
サインイン情報欄302は、ユーザーがサインイン中のみ表示され、非サインイン時は表示されない。また、サインイン情報欄302はコマンド表示ボタン304を有している。コマンド表示ボタン304の押下により、図10(b)に示す操作メニュー312がポップアップ表示される。
【0118】
それぞれの操作メニュー311,312は、文書ファイルを操作するコマンドを表示する。操作メニュー311は、
・コピーボタン311a
・ファイル名変更ボタン311b
を表示する。
【0119】
操作メニュー312は、
・文書ダウンロードボタン312a
・上書きアップロードボタン312b
・別名アップロードボタン312c
・操作履歴表示ボタン312d
・サインアウトボタン312e
を表示する。ユーザーが各ボタンを操作すると、図11図12図14などの画面に遷移する。これら画面からユーザーが文書ファイルを操作すると、操作記録部26が操作履歴をファイルメタ情報27に記録する。まず、ユーザーが文書ダウンロードボタン312aを押下した場合に表示されるダウンロード画面320を説明する。
【0120】
図11は、表示装置2が表示するダウンロード画面320を示す。ダウンロード画面320は、外部ストレージ情報321、操作履歴欄322、ファイル選択ボタン323、選択ファイル表示欄324、及び、ダウンロードボタン325を有している。
【0121】
・外部ストレージ情報321はユーザーがサインインしている外部ストレージ80の名称である。
【0122】
・操作履歴欄322は、操作記録部26が記録したファイルメタ情報27が表示される欄である。ユーザーが一切操作したことがない状態では、ファイルメタ情報27が存在しないので、操作履歴欄322は空白である。ファイルメタ情報27が記録済みの場合、操作履歴欄322にはファイルメタ情報27が表示される。操作履歴欄322には、ファイルメタ情報27のディレクトリ情報とクラウドディレクトリ情報が表示される。
【0123】
・ファイル選択ボタン323は、外部ストレージ80からユーザーがファイルを選択するためのボタンである。ファイル選択ボタン323の押下により、表示装置2が外部ストレージ80と通信し、外部ストレージ80に保存済みのファイルのリストが表示される。
【0124】
・選択ファイル表示欄324は、外部ストレージ80に保存済みのファイルのリストからユーザーが選択したファイル名を表示する欄である。
【0125】
・ダウンロードボタン325は、選択ファイル表示欄324のファイルのダウンロードを実行するためのボタンである。文書ファイルがダウンロードされると、操作記録部26が操作履歴を記録する(ファイルメタ情報27に1レコードが追加される)。
【0126】
図11において、ユーザーが操作履歴欄322で文書ファイルのダウンロード元のクラウドストレージ70におけるディレクトリ(クラウドディレクトリ情報)を選択した場合を説明する。この場合、ユーザーはクラウドディレクトリ情報を選択した上でファイル選択ボタン323を押下することにより、クラウドディレクトリ情報が示すディレクトリにある文書ファイルのリストが表示される。ユーザーがリストの中からダウンロードしたい文書ファイルを選択し、選択ファイル表示欄324に表示させる。こうすることで、ユーザーが過去にダウンロードした又はアップロードしたことがあるクラウドディレクトリ情報を、階層を辿って入力しなくても、選択するだけで該ディレクトリの文書ファイルのリストを選択できる。したがって、電子ペーパーが苦手とする画面遷移を抑制して、ユーザーが任意の文書ファイルを選択しやすくなる。
【0127】
次に、図10において、ユーザーが上書きアップロードボタン312bを押下した場合に表示されるアップロード画面330を説明する。
【0128】
図12は、表示装置2が表示するアップロード画面330を示す。なお、図12の説明では、主に図11との相違を説明する。外部ストレージ情報331及び操作履歴欄332については図11と同様でよい。
【0129】
・ファイル選択ボタン333は、内部記憶部28からユーザーが文書ファイルを選択するためのボタンである。ファイル選択ボタン333の押下により、表示装置2が内部記憶部28にアクセスし、内部記憶部28に保存済みの文書ファイルのリストが表示される。ユーザーは必要に応じて内部記憶部28のディレクトリを変更し、アップロードする文書ファイルを選択する。
【0130】
また、アップロードの場合、操作履歴欄332のディレクトリ情報をユーザーが利用できる。すなわち、ユーザーは、ディレクトリを操作履歴欄332から選択する。ファイル選択ボタン333の押下により、操作履歴欄332で選択されているディレクトリの文書ファイルのリストが内部記憶部28から取得され表示される。こうすることで、ユーザーが過去にアップロードしたことがあるディレクトリを、階層を辿って入力しなくても、選択するだけで該ディレクトリの文書ファイルのリストを選択できる。したがって、電子ペーパーが苦手とする画面遷移を抑制して、ユーザーが任意の文書ファイルを選択しやすくなる。
【0131】
・選択ファイル表示欄334は、内部記憶部28からユーザーが選択したファイル名を表示する欄である。
【0132】
・アップロードボタン335は、選択ファイル表示欄334の文書ファイルを、外部ストレージ80にアップロードするためのボタンである。文書ファイルがアップロードされると、操作記録部26が操作履歴をファイルメタ情報27に記録する(ファイルメタ情報27に1レコードが追加される)。
【0133】
<<ファイルメタ情報の保存処理>>
図13を参照して、ファイルメタ情報27の保存処理について説明する。図13は、表示装置2が文書ファイルのダウンロード又はアップロードによりファイルメタ情報27を記録する処理を説明するフローチャート図である。
【0134】
表示装置2は、図11のダウンロードボタン325又は図12のアップロードボタン335の押下により、サインインしている外部ストレージ80に対し、文書ファイルのダウンロード又はアップロードを実行する(S101)。
【0135】
操作記録部26は、該操作が図11又は図12の画面を使用したものか判断する(S102)。つまり、図11又は図12の画面を使用した文書ファイルのダウンロードやアップロードは記録すべきものだが、設定ファイルなどの送信は記録する必要性が低いためである。
【0136】
ステップS102の判断がYesの場合、操作記録部26はRefとファイルIDを作成するなどして、操作履歴をファイルメタ情報27に記録する(S103)。すなわち、ファイルメタ情報27に1レコードが追加される。ファイルメタ情報27のその他の項目は既知である。
【0137】
<操作履歴の表示>
次に、ユーザーが図10の操作履歴表示ボタン312dを押下した場合に表示される操作履歴画面340を説明する。
【0138】
図14は、表示装置2が表示する操作履歴画面340を示す。操作履歴画面340は、操作履歴であるファイルメタ情報27を表示する画面である。操作履歴画面340は、外部ストレージ情報341、サインイン情報342、操作履歴欄343、戻るボタン344、及び、進むボタン345を有している。外部ストレージ情報341とサインイン情報342は、図11図12と同様でよい。
【0139】
操作履歴欄343は、操作時刻、操作内容、及び、ファイル名の各項目を有している。いずれもファイルメタ情報27の項目である。操作履歴欄343には、操作時刻が新しい順に決まった数の操作履歴が表示される。ユーザーは戻るボタン344と進むボタン345を操作して、操作履歴欄343に表示しきれていない操作履歴を表示できる。
【0140】
図15は、表示装置2が操作履歴画面340を表示する処理を説明するフローチャート図である。
【0141】
表示装置2の操作受付部24が操作履歴表示ボタン312dの押下を受け付ける(S201)。
【0142】
表示制御部25は、現在、サインイン中の外部ストレージ情報を取得する(S202)。サインイン中の外部ストレージ情報は認証成功によりアカウント管理サーバー50から通知されている。
【0143】
次に、表示制御部25は、取得した外部ストレージ80に対する操作履歴をファイルメタ情報27から取得する(S203)。すなわち、表示制御部25は、サインイン中の外部ストレージ情報をストレージ帰属先に有する操作履歴のみをファイルメタ情報27から抽出する。
【0144】
表示制御部25は、取得した操作履歴を操作履歴欄に表示する(S204)。こうすることで、ユーザーがサインイン中の外部ストレージ80に対する操作履歴のみを表示装置2が表示できる。
【0145】
<端末装置における文書ファイルのダウンロード又はアップロード>
本実施形態の表示装置2はWebサーバーとして、端末装置30に文書ファイルの送信、及び、端末装置30から文書ファイルの受信を行うことができる。説明のため、端末装置30から表示装置2への文書ファイルの送信をアップロード、端末装置30が表示装置2から文書ファイルを受信することをダウンロードと称する。
【0146】
図16は、ユーザーが端末装置30を操作して、文書ファイルを表示装置2からダウンロードし、文書ファイルを表示装置2にアップロードする処理を説明するシーケンス図である。
【0147】
S31:まず、ユーザーはアカウント管理サーバー50にサインインするための操作を端末装置30に行う。ユーザーは例えばメールアドレスとパスワードを端末装置30に入力する。あるいは、ユーザーは予め割り当てられたPIN(Personal Identification Number)を入力してもよい。
【0148】
S32:端末装置30の操作受付部33が入力を受け付け、通信部31がメールアドレスとパスワードを指定してサインイン要求をアカウント管理サーバー50に送信する。
【0149】
S33:アカウント管理サーバー50の通信部51がサインイン要求を受信し、認証部52がメールアドレスとパスワードに基づいてユーザーを認証する。ここでは認証が成功したものとする。
【0150】
S34:アカウント管理サーバー50は、ユーザーが表示装置2を操作するためのトークンを端末装置30に送信する。
【0151】
S35:ユーザーは文書ファイルのダウンロードやアップロード等のファイル操作を行うための画面を表示装置2に要求する操作を端末装置30に入力する。操作受付部33が操作を受け付ける。
【0152】
S36:端末装置30の通信部31は、トークンを用いて、後述するファイル操作画面350を表示装置2に要求する。トークンにより、ユーザーに閲覧などの操作権限がある文書ファイルが特定される。
【0153】
S37:表示装置2の通信部21はファイル操作画面350の要求を受信し、これによりWebサーバー部22がファイル操作画面350を作成する。Webサーバー部22は、ユーザーに操作権限がある文書ファイルであって、ファイルメタ情報27の項目の少なくとも一部を表示できるファイル操作画面350を作成する。通信部21は、ファイル操作画面350の画面情報を端末装置30に送信する。
【0154】
S38:端末装置30の通信部31は、ファイル操作画面350の画面情報を受信し、表示制御部32は、ファイル操作画面350をディスプレー506に表示する。ファイル操作画面350の一例を図17に示す。
【0155】
S39:ユーザーは閲覧や編集のためにダウンロードしたい文書ファイルを選択する。操作受付部33が選択を受け付ける。
【0156】
S40:端末装置30の通信部31は、ファイルIDを指定して選択された文書ファイルを表示装置2に要求する。
【0157】
S41:表示装置2の通信部21は文書ファイルの要求を受信し、ファイルIDで指定された文書ファイルを内部記憶部28から取得する。通信部21は文書ファイルを端末装置30に送信する。
【0158】
S42:操作記録部26は文書ファイルのダウンロードについて操作履歴を記録する。端末装置30がダウンロードしたので、ファイルメタ情報27のストレージ帰属先は端末装置30となる。ただし、操作内容の項目は、「端末装置→表示装置」などのように文書ファイルの移動方向を示す情報が保存される。
【0159】
S43:端末装置30の通信部31は文書ファイルを受信し、表示制御部32は、文書ファイルをディスプレー506に表示する。また、ユーザーは文書ファイルを閲覧したり編集したりできる。
【0160】
S44:ユーザーは任意の文書ファイルをアップロードする操作を端末装置30に入力する。操作受付部33が操作を受け付ける。
【0161】
S45:端末装置30の通信部31は、文書ファイルを表示装置2にアップロードする。
【0162】
S46:表示装置2の通信部21は文書ファイルを受信し、内部記憶部28に保存する。操作記録部26は文書ファイルのアップロードについて操作履歴を記録する。端末装置30がアップロードしたので、ファイルメタ情報27のストレージ帰属先は端末装置30となる。ただし、操作内容の項目は、「表示装置→端末装置」などのように文書ファイルの移動方向を示す情報が保存される。
【0163】
以上のように、表示装置2は、端末装置30から文書ファイルのダウンロード又はアップロードを受け付けた場合も操作履歴を記録できる。
【0164】
<<端末装置が表示するファイル操作画面>>
図17を参照してファイル操作画面350について説明する。図17は、端末装置30が表示するファイル操作画面350である。ファイル操作画面350は、ユーザーが表示装置2から端末装置30に文書ファイルをダウンロードしたり、表示装置2にアップロードしたりする画面である。ファイル操作画面350は、ファイル選択ボタン351、ファイル表示欄352、操作履歴欄353、ファイル選択ボタン354、ファイル表示欄355、ダウンロードボタン356、及び、アップロードボタン357を有している。
【0165】
・ファイル選択ボタン351は、ダウンロードのために、表示装置2の内部記憶部28に保存された文書ファイルを選択するためのボタンである。ユーザーがファイル選択ボタン351を押下すると、通信部31が表示装置2と通信して表示装置2の内部記憶部28に保存された文書ファイルのリストを受信する。ファイル操作画面350にこの文書ファイルのリストが表示される。
【0166】
・ファイル表示欄352には、文書ファイルのリストからユーザーが選択した文書ファイルのファイル名が表示される。
【0167】
・操作履歴欄353は、表示装置2が記録しているファイルメタ情報27(操作履歴)が表示される。上記のように端末装置30のWebサーバー部22はファイルメタ情報27を有するファイル操作画面350を端末装置30に提供する。ユーザーは操作履歴欄353から文書ファイルを選択して、ファイル表示欄352に表示させることができる。操作履歴欄353に表示された文書ファイルは表示装置2が保持している可能性があり、選択によりダウンロードできる場合がある。
【0168】
・ファイル選択ボタン354は、端末装置30がHD504等に保存している文書ファイルを選択するためのボタンである。ユーザーがファイル選択ボタン354を押下すると、端末装置30が保存している文書ファイルのリストが表示される。
【0169】
・ファイル表示欄355には、端末装置30がHD504等に保存している文書ファイルのリストから、ユーザーが選択した文書ファイルのファイル名が表示される。
【0170】
・ダウンロードボタン356は、ファイル表示欄352に表示された文書ファイルをダウンロード(表示装置2から端末装置30に送信)するためのボタンである。文書ファイルが端末装置30によりダウンロードされると、操作記録部26が操作履歴を記録する(ファイルメタ情報27に1レコードが追加される)。
【0171】
・アップロードボタン357は、ファイル表示欄355の文書ファイルを端末装置30が表示装置2にアップロードするためのボタンである。文書ファイルがアップロードされると、操作記録部26が操作履歴を記録する(ファイルメタ情報27に1レコードが追加される)。
【0172】
上記ダウンロードの際に、端末装置30が、ファイル本体と共にファイルメタ情報27をダウンロードし、端末装置30で保存してよい。また、上記アップロードの際に、端末装置30がファイル本体と共にファイルメタ情報27をアップロードし、表示装置2の操作記録部26がファイルメタ情報27に追記してよい。
【0173】
<端末装置が記録した操作履歴の、表示装置による引き継ぎ>
端末装置30が表示装置2の代わりに外部ストレージ80から文書ファイルをダウンロードする場合がある。この場合も、端末装置30が外部ストレージ80から文書ファイルをダウンロードしたことを、表示装置2がファイルメタ情報27に記録することが好ましい。そこで、下記のように、端末装置30が表示装置2に操作履歴を送信し、表示装置2がファイルメタ情報27に端末装置30における操作履歴を追加で保存する。
【0174】
図18は、端末装置30が外部ストレージ80から文書ファイルをダウンロードし、表示装置2にアップロードする処理を説明するシーケンス図である。なお、すでにユーザーはクラウドストレージ70にサインインしている。
【0175】
S51:ユーザーがクラウドストレージ70にサインインすることにより、端末装置30の通信部31がファイルのリストをクラウドストレージ70から受信する。
【0176】
S52:端末装置30はWebページ又は専用のネイティブアプリでファイルリストを表示する。
【0177】
S53:ユーザーが任意の文書ファイルを選択してダウンロード操作を端末装置30に入力する。端末装置30の操作受付部33が操作を受け付ける。
【0178】
S54、S55:端末装置30の通信部31はファイル名などで文書ファイルを指定して文書ファイルをクラウドストレージ70からダウンロードする。
【0179】
S56:端末装置30の操作記録部34は、端末装置30におけるファイルメタ情報を記録する。操作記録部34は、端末装置30における操作であることを端末装置30におけるファイルメタ情報に含めてよい。
【0180】
S57:ユーザーが文書ファイルを閲覧したり編集したりする。必ずしも編集は必要ない。
【0181】
S58:ユーザーは、外部ストレージ80から直前にダウンロードした文書ファイルを表示装置2にアップロードする操作を端末装置30に入力する。端末装置30の操作受付部33が操作を受け付ける。直前にダウンロードした文書ファイルであることは端末装置30におけるファイルメタ情報に記録されている。すなわち、ファイルメタ情報で最も新しいファイルIDの文書ファイルがアップロードの対象となることで判断される。
【0182】
S59:端末装置30の通信部31は、文書ファイルと端末装置30におけるファイルメタ情報を表示装置2にアップロードする。
【0183】
S60:端末装置30の操作記録部34は、端末装置30におけるファイルメタ情報を記録する。操作記録部34は、端末装置30における操作であることを端末装置30におけるファイルメタ情報に含めてよい。
【0184】
S61:表示装置2の通信部21は文書ファイルとファイルメタ情報を受信し、文書ファイルを内部記憶部28に保存する。操作記録部26は、端末装置30から受信したファイルメタ情報を表示装置2が元々有するファイルメタ情報27に追記する。また、操作記録部26は、文書ファイルのアップロードをファイルメタ情報27に記録する。
【0185】
このように、端末装置30からのアップロード操作でも表示装置2の操作記録部26が、外部ストレージ80と紐づいた文書ファイルの操作履歴を引き継いで記録できる。
【0186】
図19は、端末装置30から送信されたファイルメタ情報が追加された表示装置2のファイルメタ情報27を示す。図19のファイルメタ情報27のうち、1行目131と2行目132が、表示装置2が予め記録したファイルメタ情報27であり、4行目133が、端末装置30が記録したファイルメタ情報27である。
【0187】
<主な効果>
以上説明したように、操作履歴には、操作内容に対応付けて内部記憶部28におけるファイルの保存場所(ディレクトリ)が記録される。操作履歴は、ユーザーがファイルを操作する画面に表示される。したがって、例えば、ユーザーがダウンロードしたファイルをアップロードする場合、ディレクトリの階層を辿ることなく、操作履歴のディレクトリからファイルを選択できる。また、操作履歴にはアップロードしたか否かが記録されるので、ユーザーは、アップロードすべきファイルを特定しやすい。また、操作履歴には外部ストレージ名が記録されるので、ユーザーは、どの外部ストレージにファイルをアップロードすべきか分かる。
【実施例0188】
本実施例では、操作履歴の分析に基づいた設定変更の提案を行う表示装置2について説明する。本実施例の表示装置2は収集した操作履歴(ファイルメタ情報27)を解析して、解析結果をユーザーへ通知すると共に、設定変更する提案を行う。
【0189】
例えば、ユーザーが文書ファイルを外部ストレージ80へアップロードする際に、所定の操作を多く使用する場合がある。一例として、複数の外部ストレージ80のうち、所定の外部ストレージ80に対してユーザーがより多くの回数、文書ファイルをアップロードする場合がある。この場合、アップロード画面330に所定の外部ストレージ80の専用のアップロードボタンがあると便利である。
【0190】
<機能について>
図20は、本実施例の、表示装置2、端末装置30、及びアカウント管理サーバー50が有する機能をブロック状に分けて説明する機能ブロック図の一例である。なお、図20において、図7と同一の符号を付した構成要素は同様の機能を果たすので、主に本実施例の主要な構成要素についてのみ説明する場合がある。
【0191】
<<表示装置>>
表示装置2は、新たに解析部29と表示受付部20を有している。解析部29は、操作履歴が更新されるごとに操作履歴を解析する。解析内容は種々あるが、例えば解析部29はアップロード先の外部ストレージ80又はダウンロード元の外部ストレージ80を外部ストレージ80ごとにカウントする。
【0192】
表示受付部20は、使用される回数が多い外部ストレージ80のボタンをアップロード画面330又はダウンロード画面320に表示するか否かをユーザーに問い合わせ、ユーザーから設定変更を受け付ける。
【0193】
<外部ストレージの提案と設定変更>
図21図22を参照して、よく使用される外部ストレージ80の提案と設定変更について説明する。図21は、解析部29による操作履歴の解析結果を利用した外部ストレージ80のボタン表示の提案と設定変更の処理を説明するフローチャート図である。図21の設定変更とは、アップロード画面330によく使用される外部ストレージ80のボタンを表示することをいう。なお、図21では、外部ストレージ80としてクラウドストレージ70を例示する。
【0194】
表示装置2の解析部29はユーザーの操作履歴を解析する(S71)。解析部29は、例えば、各外部ストレージ80へのアップロード回数をクラウドストレージ70ごとにカウントする。
【0195】
解析部29は、クラウドストレージ70aへのアップロード回数が所定の閾値(一例として8回)以上又は所定の閾値よりも多いか否か判断する(S72)。アップロード回数が閾値以上であることを、使用頻度が閾値以上ともいう。
【0196】
ステップS72の判断がYesの場合、表示受付部20は、クラウドストレージ70aへのアップロードを受け付けるボタンを表示するか否かを受け付ける設定変更画面360をディスプレー220に表示する(S73)。表示装置2が設定変更画面360を表示するタイミングとしては、例えばアップロード画面330を表示する直前や、アップロードした直後などでよい。設定変更画面360の一例を図22に示す。また、ステップS72の判断がNoの場合、設定変更画面360を表示する処理を終了する。
【0197】
表示受付部20は、ユーザーから「Yes(設定変更する)」という回答を受け付けたか否か判断する(S74)。
【0198】
表示受付部20がユーザーから「Yes」という回答を受け付けた場合(S74のYes)、表示受付部20はアップロード画面330に対する設定変更を受け付ける(S75)。以降、表示制御部25は、アップロード画面330に、クラウドストレージ70aにアップロードする専用のボタンを表示する(S75)。また、表示受付部20がユーザーから「No」という回答を受け付けた場合(S74のNo)、アップロード画面330に対する設定変更の処理を終了する。
【0199】
図22は、表示装置2が表示する設定変更画面360を示す。設定変更画面360は、ユーザーの操作履歴を一覧で表示する。設定変更画面360が表示する操作履歴は解析部29による解析結果361を含む。解析結果361には、操作内容と外部ストレージ80に対応付けて、操作回数が表示される。解析結果361には、アップロード先となることが多い順に、外部ストレージ80の名称と操作回数、及び、ダウンロード元となることが多い順に外部ストレージ80の名称と操作回数が表示される。
【0200】
また、設定変更画面360は、「ファイルを外部ストレージへアップロードする場合に、クラウドストレージAを使用することが多い傾向があります。クラウドストレージAへアップロードするボタンを画面に常時表示させますか?」というメッセージ362、Yesボタン363、及び、Noボタン364を有している。
【0201】
ユーザーが、Yesボタン363を押下することで、表示受付部20が、クラウドストレージ70aへのアップロードを受け付けるボタンを表示する旨を受け付ける。
【0202】
図23は、クラウドストレージ70aへのアップロードを受け付けるボタンを有するアップロード画面330を示す。図23の説明では主に図12との相違を説明する。図23のアップロード画面330はクラウドストレージA用アップロードボタン336を有する。ユーザーがクラウドストレージA用アップロードボタン336を押下すると、通信部21は選択ファイル表示欄334に表示されている文書ファイルをクラウドストレージ70aにアップロードできる。したがって、ユーザーがサインインしている外部ストレージ80以外の外部ストレージ80にも内部記憶部28の文書ファイルを簡単な操作でアップロードできる。
【0203】
なお、本実施例では主に操作履歴としてアップロードが多いクラウドストレージ70がある場合を説明したが、ダウンロードが多いクラウドストレージ70がある場合も同様に、ダウンロード元の特定のクラウドストレージ70をユーザーが指定するボタンを表示するかどうかを表示受付部20が受け付ける。
【0204】
また、本実施例では、クラウドストレージ70を指定するボタンについて説明したが、ディレクトリについても適用できる。使用される回数が多いディレクトリについても専用のボタンを表示するかどうかを表示受付部20が受け付け、ユーザーがYesと回答する場合、該ディレクトリを指定する専用のボタンがアップロード画面330又はダウンロード画面320に表示される。
【0205】
<主な効果>
以上説明したように、本実施例の表示装置2は、実施例1の効果に加え、ユーザーの操作を解析することで、画面表示などの設定変更を提案できる。設定変更により、電子ペーパーが苦手とする画面遷移を抑制して、ユーザーの操作性を向上できる。
【0206】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0207】
例えば、本実施形態では電子黒板を一例として説明したが、電子黒板は、電子ホワイトボード、電子情報ボード、などと呼ばれてよい。また、本実施形態は、ファイルをダウンロード又はアップロードする情報処理装置であれば好適に適用できる。このような情報処理装置としては、例えば、プロジェクター、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、ノートPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC又はデスクトップPC等であってもよい。
【0208】
また、本実施形態の表示装置2は、ペン先の座標をタッチパネルで検知する方法でペンの座標を検出したが、ペン先の座標を超音波により検出してもよい。また、ペンは発光と共に超音波を発信しており、表示装置2は超音波の到達時間により距離を算出する。表示装置2は、方向と距離によりペンの位置を特定でき、ペンの軌跡をストロークデータとしてプロジェクターが描画(投影)する。
【0209】
また、図7などの構成例は、表示装置2による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。表示装置2の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0210】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0211】
本発明の実施形態は、コンピュータの能力及び機能性に大きな改善をもたらす。これらの改善により、ユーザーは、情報処理装置において情報を格納し提示する方法であるテーブルとの、より効率的で堅牢な対話を提供するコンピュータを利用することができる。更に、本発明の実施形態は、より効率的で強力かつ堅牢なユーザーインタフェースの使用を通じて、より良いユーザー体験を提供する。このようなユーザーインタフェースは、人間と機械との間のより良い相互作用を提供する。
【0212】
<請求項に関する付記>
[請求項1]
ネットワークを介して外部ストレージと通信可能な表示装置であって、
前記外部ストレージと通信する通信部と、
ファイルを記憶する内部記憶部と、
前記外部ストレージからファイルをダウンロードし前記内部記憶部に保存した場合、又は、前記内部記憶部に保存されているファイルを前記外部ストレージにアップロードした場合、前記ファイルの前記内部記憶部における保存場所情報と共に操作履歴を記録する操作記録部と、
前記操作履歴に記録されたファイルのファイル名を前記保存場所情報と共に表示する表示制御部と、
を有する表示装置。
[請求項2]
前記保存場所情報は、前記内部記憶部のディレクトリ情報又はフォルダ情報であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
[請求項3]
アップロードする前記ファイルのリストを表示する操作を受け付ける操作受付部、を有し、
前記操作受付部が、前記表示制御部が表示した前記保存場所情報の選択を受け付けた場合、
前記操作受付部が受け付けた前記保存場所情報に保存された前記ファイルのリストをアップロードの候補として表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
[請求項4]
前記操作受付部が、前記ファイルのリストからアップロードする前記ファイルの選択を受け付けた場合、
前記通信部は、前記操作受付部が受け付けた前記ファイルを前記外部ストレージに送信することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
[請求項5]
前記保存場所情報は、更に、前記ファイルがダウンロードされる前の前記外部ストレージにおけるディレクトリ情報又はフォルダ情報を有し、
前記操作履歴に記録されたファイルのファイル名を前記保存場所情報と共に表示する表示制御部と、
前記保存場所情報の選択を受け付ける操作受付部と、を有し、
前記操作受付部が受け付けた前記保存場所情報に保存された前記ファイルのリストをダウンロードの候補として表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
[請求項6]
前記操作受付部が、前記ファイルのリストからダウンロードする前記ファイルの選択を受け付けた場合、
前記通信部は、前記操作受付部が受け付けた前記ファイルを前記外部ストレージから受信することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
[請求項7]
前記操作履歴には、前記ファイルがダウンロードされた、又は、前記ファイルがアップロードされた外部ストレージが記録されており、
前記表示制御部は、ユーザーがサインインしている前記外部ストレージが対応付けられている前記操作履歴についてのみ、前記ファイルのファイル名を前記保存場所情報と共に表示することを特徴とする請求項3~6のいずれか1項に記載の表示装置。
[請求項8]
前記表示制御部は、ユーザーがサインインしている前記外部ストレージが対応付けられている前記操作履歴についてのみ、前記ファイルのファイル名及び操作内容、を保存場所情報と共に表示することを特徴とする請求項3~6のいずれか1項に記載の表示装置。
[請求項9]
前記通信部はネットワークを介して端末装置と通信し、
前記端末装置からの要求に応じて前記操作履歴を表示する画面の画面情報を前記端末装置に提供するWebサーバー部を有し、
前記操作履歴から選択された、前記表示装置が保持するファイルを前記端末装置から要求され、前記通信部が前記ファイルを前記端末装置に送信した場合、
前記操作記録部は、前記操作履歴を記録することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の表示装置。
[請求項10]
前記端末装置が保持するファイルを前記端末装置から、前記通信部が受信した場合、
前記操作記録部は、前記操作履歴を記録することを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
[請求項11]
前記端末装置が前記外部ストレージからファイルをダウンロードした場合に記録した前記操作履歴を、前記ファイルと共に前記端末装置から、前記通信部が受信した場合、
前記操作記録部は、前記端末装置から受信した前記操作履歴を、前記操作記録部が記録している前記操作履歴に追加することを特徴とする請求項9又は10に記載の表示装置。
[請求項12]
前記操作履歴を解析する解析部と、
前記解析部による解析結果を表示させると共に、前記解析結果に基づいて前記表示装置での設定変更を受け付ける表示受付部と、
を更に有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
[請求項13]
前記表示受付部は、使用頻度が閾値以上の前記外部ストレージをアップロード画面又はダウンロード画面に表示するか否かをユーザーから受け付け、
表示する旨を受け付けた場合、前記アップロード画面又は前記ダウンロード画面に使用頻度が閾値以上の前記外部ストレージにアップロード又はダウンロードするためのボタンを表示することを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【符号の説明】
【0213】
2 表示装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0214】
【特許文献1】特開2015-228194号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23