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特開2024-49159画像処理方法、画像処理装置、プリント方法、及びプリント出力システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049159
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】画像処理方法、画像処理装置、プリント方法、及びプリント出力システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/387 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
H04N1/387
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155455
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】横山 幸徳
【テーマコード(参考)】
5C076
【Fターム(参考)】
5C076AA02
5C076AA13
5C076AA21
5C076AA22
5C076AA36
5C076BA01
5C076BA02
5C076BA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】第1のプリントの画像からの情報に基づいて、最適な画像を記録するための第2のプリント用画像データを生成することができる画像処理方法及び画像処理装置並びに最適な画像を記録した第2のプリントを出力するプリント方法及びプリント出力システムを提供する。
【解決手段】画像処理方法は、第12の領域及び第2の領域を有する第1のプリントから第1のプリント画像データを取得する取得工程と、少なくとも一方の領域から取得された情報に基づいて、適用する画像処理を決定する決定工程と、第1のプリント画像データに画像処理を行って、第1の領域に対応する第3の領域を有する第2のプリントを出力するための第2のプリント用画像データを生成する生成工程と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の領域と第2の領域とを有する第1のプリントから第1のプリント画像データを取得する取得工程と、
前記第1の領域、及び前記第2の領域の少なくとも一方の領域から取得された情報に基づいて、適用する画像処理を決定する決定工程と、
取得された前記第1のプリント画像データに前記画像処理を行って、前記第1の領域に対応する第3の領域を有する第2のプリントを出力するための第2のプリント用画像データを生成する生成工程と、を備えた画像処理方法。
【請求項2】
前記第2のプリントは、前記第2の領域に対応する第4の領域を有する、請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記取得工程は、前記第1のプリントの前記第1の領域の第1の領域画像データと、前記第1のプリントの前記第2の領域の第2の領域画像データとを検出する検出工程を備え、
前記決定工程は、検出された、前記第1の領域画像データ、及び前記第2の領域画像データに、それぞれ異なる画像処理を決定し、
前記生成工程は、前記第1の領域画像データと前記第2の領域画像データに基づいて、前記第3の領域の第3の領域画像データと、前記第4の領域の第4の領域画像データとを生成し、前記第2のプリント用画像データとして合成する請求項2に記載の画像処理方法。
【請求項4】
前記第1のプリントの用紙サイズと、前記第2のプリントの記録媒体サイズが異なる場合、前記生成工程は、
前記第1のプリントの前記第2の領域にはリサイズを行わず、映像の補填、又はクロッピングをする画像処理を前記第1のプリントの前記第2の領域画像データに対して行って、前記第2のプリントの前記第4の領域画像データを生成し、
前記第2のプリントの前記第4の領域のサイズの情報に基づいて前記第1のプリントの前記第1の領域にリサイズをする画像処理を前記第1のプリントの前記第1の領域画像データに対して行って、前記第2のプリントの前記第3の領域画像データを生成し、
前記第2のプリントの前記第4の領域画像データと、前記第2のプリントの前記第3の領域画像データとを合成して、前記第2のプリント用画像データを生成する請求項3に記載の画像処理方法。
【請求項5】
前記第1の領域、及び前記第3の領域は、それぞれ前記第1のプリント、及び前記第2のプリントの写真部分であり、
前記第2の領域、及び前記第4の領域は、それぞれ前記第1のプリント、及び前記第2のプリントのフレーム部分である請求項2に記載の画像処理方法。
【請求項6】
前記生成工程は、前記第1のプリントのフレーム部分の柄と手描きのテキストを認識し、認識結果に応じた画像処理を前記第1のプリントの前記写真部分の第1のプリント画像データに適用して前記第2のプリント用画像データを生成する請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記生成工程は、前記第1のプリントの前記フレーム部分の柄と、前記第2のプリントに使用する記録媒体の前記フレーム部分の柄の組合せに応じた画像処理を前記第1のプリントの前記写真部分の第1のプリント画像データに適用して前記第2のプリント用画像データを生成する請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記第2のプリントの前記フレーム部分は、前記第1のプリントの前記フレーム部分と異なる請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記生成工程は、前記第2のプリント用の画像のクロッピング領域として、前記第1のプリントの前記写真部分に対応する第1の画像、前記第1の画像に対するクロッピング領域情報、及び前記第2のプリントの記録媒体サイズ情報に基づいて、前記第2のプリント用の画像を生成するための新たなクロッピング領域の情報を生成する請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記少なくとも一方の領域から取得された情報は、前記少なくとも一方の領域の前記第1のプリント画像データの画像処理の結果を含む請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の画像処理方法によって生成された前記第2のプリント用画像データに基づいて、前記第2のプリント用の画像が前記第2のプリントの記録媒体上に記録された前記第2のプリントを出力するプリント方法。
【請求項12】
第1の領域と第2の領域とを有する第1のプリントから第1のプリント画像データを取得するスマートデバイスと、
前記第1の領域、及び前記第2の領域の少なくとも一方の領域から取得された情報に基づいて、適用する画像処理を決定し、取得された前記第1のプリント画像データに決定された前記画像処理を行って、前記第1の領域に対応する第3の領域を有する第2のプリントを出力するための第2のプリント用画像データを生成するプロセッサと、
前記スマートデバイスにおいて取得された前記第1のプリント画像データを前記プロセッサに送信するネットワークと、を備えた画像処理装置。
【請求項13】
前記スマートデバイスは、前記第1のプリントの前記第1の領域の第1の領域画像データと、前記第1のプリントの前記第2の領域の第2の領域画像データとを検出し、
前記プロセッサは、検出された前記第1の領域画像データ、及び前記第2の領域画像データに、それぞれ異なる画像処理を決定し、前記第1の領域画像データと前記第2の領域画像データに基づいて、前記第3の領域の第3の領域画像データと、前記第2の領域に対応する第4の領域の第4の領域画像データとを生成し、前記第2のプリント用画像データとして合成する請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項14】
請求項12、又は13に記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置によって生成された前記第2のプリント用画像データに基づいて、前記第2のプリント用の画像が前記第2のプリントの記録媒体上に記録された前記第2のプリントを出力するプリンタと、を有するプリント出力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理方法、画像処理装置、プリント方法、及びプリント出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な撮影手段で撮影された画像の画像データを用いて、多様なメディアサイズの出力メディアに様々な画像処理を施して様々な画像を出力することが行われている。例えば、プリント画像の画像データの複数の領域を画像処理の対象領域として設定して各領域に応じた画像処理を行う場合がある(特許文献1参照)。また、撮影画像のズーム倍率、被写体の注目度、検出した被写体の位置、及び/又は大きさに基づいて画像のトリミングを行う場合がある(特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-250047号公報
【特許文献2】特開2007-258869号公報
【特許文献3】特開2007-274017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、第1のプリント、例えば元プリントの画像の画像データから第2のプリント、例えば再プリントの画像の画像データを生成し、再プリントの画像を、観察に適した画像として出力することが求められている。例えば、元プリントのフレーム領域、写真(印画)領域の全体、及び一部の領域の少なくとも1つの領域の画像データ、及び/又は情報を用いることができれば、再プリントの画像を、観察に適した画像として出力することができる。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、記録済の第1のプリントの画像から得られた写真領域、及び/又はフレーム領域等の複数の領域の情報、必要に応じてさらにはその画像データに基づいて、新たな記録媒体に最適な画像を記録するための新たな第2のプリント用画像データを生成することができる画像処理方法、及び画像処理装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、こうして生成された新たな第2のプリント用画像データに基づいて最適な画像が記録媒体に記録された第2のプリントを出力することができるプリント方法、及びプリント出力システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る画像処理方法は、第1の領域と第2の領域とを有する第1のプリントから第1のプリント画像データを取得する取得工程と、第1の領域、及び第2の領域の少なくとも一方の領域から取得された情報に基づいて、適用する画像処理を決定する決定工程と、取得された第1のプリント画像データに画像処理を行って、第1の領域に対応する第3の領域を有する第2のプリントを出力するための第2のプリント用画像データを生成する生成工程と、を備える。
また、上記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係るプリント方法は、上記実施形態の画像処理方法によって生成された第2のプリント用画像データに基づいて、第2のプリント用の画像が第2のプリントの記録媒体上に記録された第2のプリントを出力する。
【0007】
ここで、第2のプリントは、第2の領域に対応する第4の領域を有していても良い。
また、取得工程は、第1のプリントの第1の領域の第1の領域画像データと、第1のプリントの第2の領域の第2の領域画像データとを検出する検出工程を備え、決定工程は、検出された、第1の領域画像データ、及び第2の領域画像データに、それぞれ異なる画像処理を決定し、生成工程は、第1の領域画像データと第2の領域画像データに基づいて、第3の領域の第3の領域画像データと、第4の領域の第4の領域画像データとを生成し、第2のプリント用画像データとして合成しても良い。
【0008】
また、第1のプリントの用紙サイズと、第2のプリントの記録媒体サイズが異なる場合、生成工程は、第1のプリントの第2の領域にはリサイズを行わず、映像の補填、又はクロッピングをする画像処理を第1のプリントの第2の領域画像データに対して行って、第2のプリントの第4の領域画像データを生成し、第2のプリントの第4の領域のサイズの情報に基づいて第1のプリントの第1の領域にリサイズをする画像処理を第1のプリントの第1の領域画像データに対して行って、第2のプリントの第3の領域画像データを生成し、第2のプリントの第4の領域画像データと、第2のプリントの第3の領域画像データとを合成して、第2のプリント用画像データを生成しても良い。
【0009】
また、第1の領域、及び第3の領域は、それぞれ第1のプリント、及び第2のプリントの写真部分であり、第2の領域、及び第4の領域は、それぞれ第1のプリント、及び第2のプリントのフレーム部分であっても良い。
また、生成工程は、第1のプリントのフレーム部分の柄と手描きのテキストを認識し、認識結果に応じた画像処理を第1のプリントの写真部分の第1のプリント画像データに適用して第2のプリント用画像データを生成しても良い。
また、生成工程は、第1のプリントのフレーム部分の柄と、第2のプリントに使用する記録媒体のフレーム部分の柄の組合せに応じた画像処理を第1のプリントの写真部分の第1のプリント画像データに適用して第2のプリント用画像データを生成しても良い。
【0010】
また、第2のプリントのフレーム部分は、第1のプリントのフレーム部分と異なっていても良い。
また、生成工程は、第2のプリント用の画像のクロッピング領域として、第1のプリントの写真部分に対応する第1の画像、第1の画像に対するクロッピング領域情報、及び第2のプリントの記録媒体サイズ情報に基づいて、第2のプリント用の画像を生成するための新たなクロッピング領域の情報を生成しても良い。
また、少なくとも一方の領域から取得された情報は、少なくとも一方の領域の第1のプリント画像データの画像処理の結果を含んでいても良い。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る画像処理装置は、第1の領域と第2の領域とを有する第1のプリントから第1のプリント画像データを取得するスマートデバイスと、第1の領域、及び第2の領域の少なくとも一方の領域から取得された情報に基づいて、適用する画像処理を決定し、取得された第1のプリント画像データに決定された画像処理を行って、第1の領域に対応する第3の領域を有する第2のプリントを出力するための第2のプリント用画像データを生成するプロセッサと、スマートデバイスにおいて取得された第1のプリント画像データをプロセッサに送信するネットワークと、を備える。
また、上記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係るプリント出力システムは、上記実施形態の画像処理装置と、画像処理装置によって生成された第2のプリント用画像データに基づいて、第2のプリント用の画像が第2のプリントの記録媒体上に記録された第2のプリントを出力するプリンタと、を有する。
【0012】
ここで、スマートデバイスは、第1のプリントの第1の領域の第1の領域画像データと、第1のプリントの第2の領域の第2の領域画像データとを検出し、プロセッサは、検出された、第1の領域画像データ、及び第2の領域画像データに、それぞれ異なる画像処理を決定し、第1の領域画像データと第2の領域画像データに基づいて、第3の領域の第3の領域画像データと、第2の領域に対応する第4の領域の第4の領域画像データとを生成し、第2のプリント用画像データとして合成しても良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、記録済の第1のプリントの画像から得られた写真領域、及び/又はフレーム領域等の複数の領域の情報、必要に応じてさらにはその画像データに基づいて、新たな記録媒体に最適な画像を記録するための新たな第2のプリント用画像データを生成することができる画像処理方法、及び画像処理装置を提供することができる。
また、本発明によれば、こうして生成された新たな第2のプリント用画像データに基づいて最適な画像が記録媒体に記録された第2のプリントを出力することができるプリント方法、及びプリント出力システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る画像処理方法、及びプリント方法のフローチャートである。
図2図1に示す画像処理方法、及びプリント方法を実施するプリント出力システムの一構成例を示す図である。
図2A】本発明の一実施形態に係る画像処理装置を備えるプリント出力システムのブロック図である。
図3A】第2のプリントの画像を記録する記録媒体の一例を示す図である。
図3B図3Aに示す記録媒体とサイズの異なる記録媒体の一例を示す図である。
図3C図3A、及び図3Bに示す記録媒体とサイズの異なる記録媒体の一例を示す図である。
図3D図3A図3Cに示す記録媒体のサイズ情報を示す表である。
図3E】第2のプリントの画像を記録する記録媒体として用いられるカラーペーパーのサイズ情報を示す表である。
図4】本発明に係る画像処理方法、及びプリント方法の第1実施形態を説明する図である。
図4A図4に示す画像処理方法、及びプリント方法の第1実施形態のフローチャートである。
図5】本発明に係る画像処理方法、及びプリント方法の第2実施形態を説明する図である。
図5A図5に示す画像処理方法、及びプリント方法の第2実施形態のフローチャートである。
図6】本発明に係る画像処理方法、及びプリント方法の第3実施形態を説明する図である。
図6A図6に示す画像処理方法、及びプリント方法の第3実施形態のフローチャートである。
図7】本発明に係る画像処理方法、及びプリント方法の第4実施形態を説明する図である。
図7A図7に示す画像処理方法、及びプリント方法の第4実施形態のフローチャートである。
図8】本発明に係る画像処理方法、及びプリント方法の第5実施形態を説明する図である。
図8A図8に示す画像処理方法、及びプリント方法の第5実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の具体的な実施形態について説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれる。
【0016】
また、本明細書において、「画像」は、元となる第1のプリント(元プリントともいう)、及び第1のプリントとは異なる新しい第2のプリント(再プリントともいう)の全体の領域の画像を意味する。更に、「画像」は、これらの全体の領域の画像に加え、第1のプリントの主要な第1の領域、及び第2のプリントの第3の領域(以下、これらの2つの領域を写真部分、写真領域、印画領域ともいう)に記録された写真画像を意味する。更に、「画像」は、これらのみならず、第1のプリントの第1の領域の周囲を囲む第2の領域(以下、フレーム部分、フレーム領域ともいう)に記録された柄の画像、模様、及びユーザなどによって記載された手書きテキスト等の画像を意味する。また、本発明では、第2のプリントの第3の領域の周囲を囲む第4の領域を有していても良く、この場合には、「画像」は、第4の領域(以下、フレーム部分、フレーム領域ともいう)に記録された柄、模様、及びテキスト等の画像をも意味する。
また、本明細書において、「画像」は、第1のプリント、及び第2のプリントに記録されて表示された画像のみならず、後述する画像データによって表示される得る画像をも意味する。
【0017】
また、本明細書において、「画像データ」は、画素毎の階調を示すデータ(デジタル画像データ)を意味し、第1のプリントを撮影、又はスキャンして得られる第1のプリント画像データ、及び第2のプリントを出力するための第2のプリント用画像データを始めとして、第1のプリントの第1、及び第2の領域、並びに第2のプリントの第3、及び第4の領域の画像のデジタル画像データを意味する。
画像データのファイルフォーマットとしては、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)、Tiff(Tagged Image File Format)、GIF(Graphics Interchange Format)、BMP(Microsoft Windows Bitmap Image)、PNG(Portable Network Graphics)、HEIF(High Efficiency Image File Format)等が挙げられる。
【0018】
また、本明細書において、「システム」という概念には、分散して互いに独立して存在しつつ協働(連携)して特定の機能を発揮する複数の装置の組み合わせも含まれる。
また、本発明書において、「ユーザ」は、本発明の画像処理方法、及びプリント方法を利用する者であり、具体的には、例えば、本発明の画像処理方法によって生成された第2のプリント用画像データ、及び本発明のプリント方法によって出力された第2のプリントを利用する者である。また、本明細書において、「者」は、特定の行為を行う主体を意味し、個人、グループ、企業等の法人、及び団体等を含み、さらには人工知能(AI:Artificial Intelligence)を構成するコンピュータ及びデバイスも含み得る。人工知能は、推論、予測及び判断等の知的な機能をハードウェア資源及びソフトウェア資源を使って実現されるものである。人工知能のアルゴリズムは任意であり、例えば、エキスパートシステム、事例ベース推論(CBR:Case-Based Reasoning)、ベイジアンネットワーク又は包摂アーキテクチャ等である。
【0019】
<<本発明の一実施形態>>
以下、図1図2、及び図2Aを参照しつつ、本発明の一実施形態の画像処理方法、及びプリント方法、並びにこれらを実施する画像処理装置、及びプリント出力システムの一構成例について説明する。
【0020】
図1に示すように、本発明の画像処理方法は、第1のプリント画像データの取得工程S10と、適用画像処理の決定工程S12と、第2のプリント用画像データの生成工程S14と、を有する。
また、本発明のプリント方法は、本発明の画像処理方法の第2のプリント用画像データの生成工程S14で生成された第2のプリント用画像データを用いた第2のプリント画像の記録工程S16と、第2のプリントの出力工程S18と、を有する。
【0021】
図2に示すように、図1に示す本発明の画像処理方法、及びプリント方法を実施するプリント出力システム10は、スマートデバイス12と、コンピュータ14と、サーバ16と、写真プリンタ18と、ネットワーク20とを備える。
また、図2Aに示すように、プリント出力システム10は、画像処理装置50と、図2に示す写真プリンタ18とを備える。ここで、画像処理装置50は、図2に示すスマートデバイス12と、図2に示すコンピュータ14、及び/又はサーバ16によって構成されるプロセッサ52と、メモリ54と、ストレージ56と、通信用インタフェース58と、を備える。
【0022】
本発明の画像処理方法の取得工程S10は、例えば、プリンタ付きアナログカメラ22によって被写体が撮影されて出力された第1のプリント24をスマートデバイス12によって撮影して第1のプリント画像データ(デジタル画像データ)を取得する工程である。
本発明において、第1のプリント24は、図2に示す例では、プリンタ付きアナログカメラ22によって撮影されて出力された第1の領域25aと、第2の領域25bとを有する矩形状のプリントであるが、本発明では、これに限定されず、どのようなプリントであっても良いし、どのようにして出力された物であっても良い。
【0023】
第1のプリント24は、第1の領域25aと、第2の領域25bとを有していればよく、例えば、図3A図3B、及び図3Cにそれぞれ示すサイズが異なる矩形状の記録媒体(以下、プリント用紙ともいう)28(例えば、インスタントフィルム28a、28b、及び28c)の第1の領域29aに写真画像が記録されたプリントであっても良い。なお、第1のプリント24、従ってプリント用紙28のサイズ、及びアスペクト比も、これらの3つのサイズ、及びアスペクト比に限定されず、様々なサイズ、及びアスペクト比であっても良く、また、第1のプリント24の形状も、矩形状されず、様々な形状であっても良い。なお、第1のプリント24の第1の領域25a、及び第2の領域25b、従って、プリント用紙28の第1の領域29a及び第2の領域29bも、様々な形状、サイズ、及びアスペクト比であっても良い。
また、第1のプリント24は、例えば、写真フィルムの写真画像が写真プリンタによって記録媒体28の第1の領域29aにプリントされた物であっても良いし、プリンタ付きデジタルカメラで撮影されて出力された物であっても良く、いかなるプリンタから出力されたものであっても良い。
【0024】
本発明において、第1のプリント24の第1の領域25aと、第2の領域25bとは、それぞれ異なる画像が記録された領域を意味するが、一方の領域の画像は写真画像であり、他方の領域の画像は、写真画像の周囲を囲むフレームの画像である。なお、フレームの画像は、通常フレームを形成する柄等であるが、何も記録されていない無地も含む。
なお、後述する第2のプリント26の第3の領域27a、及び第4の領域27bも、それぞれ第1のプリント24の第1の領域25a、及び第2の領域25bに対応しているものである。
以下では、第1の領域25a、及び対応する第3の領域27aは、写真画像が記録される、又は記録された写真部分であり、第2の領域25b、及び対応する第4の領域27bは、フレームの柄等の画像が記録されたフレーム部分として説明する。
【0025】
次に、図2に示す例では、第1のプリント24の全領域の画像をスマートデバイス12によって撮影して第1のプリント画像データを取得している。ここで、スマートデバイス12としては、スマートフォン等の撮影機能付きの情報機器端末を挙げることができる。
本発明においては、第1のプリント画像データは、スマートデバイス12によって取得するものに限定されず、第1のプリント画像データを取得できれば、どのようにして取得しても良い。
例えば、第1のプリント画像データは、第1のプリント24の全領域の画像を、デジタルカメラによって撮影して取得されたものであっても、スキャナー、又は複写装置によってスキャンして取得されたものであっても良い。
【0026】
なお、取得工程S10は、第1のプリント24の第1の領域25aの第1の領域画像データと、第2の領域25bの第2の領域画像データとをそれぞれ検出する検出工程を備え、これらを合成して第1のプリント画像データを取得しても良い。
図2、及び図2Aに示すように、スマートデバイス12等の撮影機能付きの情報機器端末は、ネットワーク20を介してコンピュータ(パーソナルコンピュータ;PC)14、及びサーバ16に接続させることができる。こうして得られた第1のプリント画像データは、スマートデバイス12からネットワーク20を介して画像処理装置50を構成するコンピュータ14、及び/又はサーバ16に送信され、通信用インタフェース58を介してプロセッサ52に入力されると共に、必要に応じてメモリ54、又はストレージ56に保存される。
【0027】
ここで、本発明において用いられるコンピュータ14、及び/又はサーバ16は、この決定工程S12、及び後述する生成工程S14を実行できれば、どのようなものであっても良く、例えば、図2Aに示すように、プロセッサ52、メモリ54、ストレージ(記憶装置)56、通信用インタフェース58、などを有していればよく、これらを備える一体型のサーバコンピュータであっても良い。更に、コンピュータ14は、キーボード、マウス、及びスキャナーなどの入力機器60、並びにディスプレイ(表示装置)62、及びプリンタ等の出力機器を有していても良い。
なお、プロセッサ52は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、又はTPU(Tensor Processing Unit)等によって構成される。メモリ54は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ等によって構成される。ストレージ(記憶装置)56は、ハードディスク、又は光磁気ディスクドライブ等によって構成される。通信用インタフェース58は、例えば、ネットワークインタフェースカード又は通信インタフェースボード等によって構成される。
【0028】
次に、決定工程S12は、コンピュータ14、及び/又はサーバ16のプロセッサ52において実行され、第1のプリント24の第1の領域25a、及び第2の領域25bの少なくとも一方の領域から取得された情報に基づいて、第2のプリント用画像データを生成するために、第1のプリント画像データに適用する画像処理を決定する工程である。
決定工程S12において、第1のプリント24の第1の領域25aから取得される情報としては、第1の領域25aのサイズ、アスペクト比、写真部分25aの写真画像のトリミングの有無、トリミング領域のサイズ、アスペクト比、写真部分25aの写真画像内の被写体、例えば人物の認識結果、被写体の場面の認識結果等を挙げることができる。これらの情報は、メモリ54に保存されても良いし、ストレージ56に保存されても良い。
なお、これらの情報は、取得工程S10で取得された第1のプリント24の第1の領域25aの画像データをプロセッサ52において分析することによって取得されるものであっても良いし、予め、第1の領域25aの写真画像からユーザによって取得されるものであっても良い。これらの情報は、メモリ54に保存されても良いし、ストレージ56に保存されても良い。
【0029】
次に、第1のプリント24の第2の領域(フレーム部分)25bから取得される情報としては、フレーム部分25bのサイズ、フレーム部分25bの柄(図柄)、例えば、色、絵柄、及びデザイン、並びにフレーム部分に記載された第1のプリント24の主題を表す「誕生日」等の手書きテキスト等を挙げることができる。
なお、これらの情報は、取得工程S10で取得された第1のプリント24の第2の領域25bの画像データをプロセッサ52において分析することによって取得されるものであっても良いし、予め、第2の領域25bのフレームの画像からユーザによって取得されるものであっても良い。なお、手書きテキストが第1のプリント24の第2の領域25bのみならず、第1の領域25a、又は両方の領域に渡って記載された場合であっても、手書きテキストの情報を第2の領域25bのみならず、第1の領域25a、又は両方の領域から取得しても良い。
【0030】
また、決定工程S12において決定される画像処理としては、例えば、フレーム部分25bの柄、及び/又は手書きテキスト等に応じて、第2のプリント26の第3の領域27a、及び/又は第4の領域27bに適した模様などを付けるために、第1のプリント画像データ、若しくは第1の領域画像データ、及び/又は第2の領域画像データに行うフィルター処理を挙げることができる。例えば、決定工程において、上記検出工程で検出された第1の領域画像データ、及び第2の領域画像データに適用する画像処理として、それぞれ異なる画像処理を決定しても良い。
また、他の画像処理としては、第1のプリント24のフレーム部分25bの柄、及び第2のプリント26の第4の領域(フレーム部分)27bの柄の組合せに応じて柄を決定し、決定された柄を第2のプリント26の第3の領域(写真部分)27aの周囲に構成する画像処理を挙げることができる。
また、他の画像処理としては、分離して取得された第1のプリント24の写真部分25aの第1の領域画像データと、フレーム部分25bの第1の領域画像データとそれぞれリサイズして合成する画像処理等を挙げることができる。
【0031】
また、他の画像処理としては、第1のプリント24の第1の領域25aの写真画像が元となる原プリントの原写真画像である場合、第1のプリント24の写真画像とするために行われた原写真画像のトリミング領域を参考にして、第2のプリント26の第3の領域(写真部分)27aの写真画像とするために原写真画像に対するトリミング領域を決定する画像処理等を挙げることができる。
また、上述の原写真画像に映っている被写体、人物、及び/又は場面を認識し、認識結果に基づいて、第2のプリント26の写真画像とするために原写真画像に対するトリミング領域を決定する画像処理等も挙げることができる。
以上の複数の画像処理は、予めメモリ54、又はストレージ56に保存されていることが好ましい。
【0032】
次に、生成工程S14は、コンピュータ14、及び/又はサーバ16のプロセッサ52において実行され、取得工程S10において取得された第1のプリント画像データに、決定工程S12で決定された上述した画像処理を行って、第1のプリント24の第1の領域(写真部分)25aに対応する第3の領域(写真部分)27aを有する第2のプリント26を出力するための第2のプリント用画像データを生成する工程である。
こうして、本発明の画像処理方法においては、上述した様々な画像処理が施され、新たな記録媒体28に最適な画像を記録するための新たな様々な第2のプリント用画像データを生成することができる。こうして生成工程S14において生成された第2のプリント用画像データは、必要に応じてメモリ54、又はストレージ56に保存されることが好ましい。
こうして生成された第2のプリント画像データは、コンピュータ14、及び/又はサーバ16のプロセッサ52から通信用インタフェース58を経て画像処理装置50のコンピュータ14、及び/又はサーバ16からプリンタ18に送信される。
【0033】
次に、本発明のプリント方法について説明する。
本発明のプリント方法の記録工程S16は、コンピュータ14、及び/又はサーバ16のプロセッサ52から通信用インタフェース58を経てネットワーク20を介してプリンタ18に送信された第2のプリント用画像データに基づいて、プリンタ18において第2のプリント用の画像を第2のプリント用の記録媒体28上に記録する工程である。なお、送信された第2のプリント用画像データは、画像処理装置50、即ちコンピュータ14、及び/又はサーバ16のプロセッサ52において、上述した本発明の画像処理方法の第2のプリント用画像データの生成工程S14で生成されたものである。
ここで、第2のプリント用の記録媒体28は、プリンタ18において用いることができ、第2のプリント用の画像を記録できるものであれば、どのようなものでも良く、再プリント用紙、例えばインスタントフィルム、インクジェット用紙、写真用の印画紙、例えばモノクロームペーパー、カラーペーパー等を挙げることができる。なお、第2のプリント用の記録媒体28は、第1のプリント24の記録媒体(プリント用紙)28と同様のものを用いることができるが、その形状、サイズ、及びアスペクト比は、同じであってもよいし、異なっていても良い。
【0034】
ここで、第2のプリント用の記録媒体(プリント用紙)28としては、図3(a)、(b)、及び(c)に示す記録媒体(インスタントフィルム)28a(instax mini film;富士フイルム社製)、28b(instax SQUARE film;富士フイルム社製)、及び28c(instax WIDE film;富士フイルム社製)のように、予め第2のプリント26のフレーム部分27bとなるフレーム部分29bに柄等を有しており、第2のプリント26の写真部分27aとなる写真部分29aに第2のプリント用の画像の写真画像のみを記録する記録媒体であっても良い。また、第2のプリント用の記録媒体28としては、写真部分29aには第2のプリント用の画像の写真画像を記録し、柄等を有するフレーム部分29bにも、第2のプリント用の画像のフレーム画像を重ねて記録することができる記録媒体であっても良い。更には、第2のプリント用の記録媒体28は、フレーム部分29bには何も記録されておらず、全体が画像を記録可能な記録媒体であっても良い。この場合には、第2のプリント用画像データが、第2のプリント26の写真部分27aとなる第3の領域画像データと、第2のプリント26のフレーム部分27bとなる第4の領域画像データとを有しており、第2のプリント用画像データに基づいて、このような記録媒体28に第2のプリント用の画像を記録することにより、第2のプリント26の写真部分27a、及びフレーム部分27bが記録されるものであっても良い。
【0035】
なお、第2のプリント26のサイズ、及びアスペクト比も、第1のプリント24と同様に、これらの3つのサイズ、及びアスペクト比に限定されず、様々なサイズ、及びアスペクト比であっても良く、また、第2のプリント26の形状も、第1のプリント24と同様に、矩形状されず、様々な形状であっても良い。なお、第2のプリント用の記録媒体28は、第1のプリント24の記録媒体(プリント用紙)28と同様のものを用いることができるが、その形状、サイズ、及びアスペクト比は、同じであってもよいし、異なっていても良い。勿論、第2のプリント26の写真部分27aも、第1のプリント24の写真部分25aと、その形状、サイズ、及びアスペクト比が、同じであってもよいし、異なっていても良い。
【0036】
例えば、プリント用紙28であるインスタントフィルム28a、28b、及び28cの用紙形状、用紙サイズ、及びアスペクト比等は、図3A図3B、及び図3C、並びに図3Dに記載されたサイズ情報等を参照することができる。また、プリント用紙28であるインスタントフィルム28a、28b、及び28cのフレーム部分29bの柄、及び/又は模様については、白、白以外の黒・赤・青・ピンクのような単色、及び/又は混合色、複数色、複数色のグラデーション、ドット・チェック・ストライプ・ステンドグラス・カンフェティ・星・和風などの柄、自然物、及び/又は生き物をモチーフにした模様、アート表現、及び/又はキャラクタデザイン等、様々な配色、及び/又はデザイン性のある模様等を挙げることができる。
また、プリント用紙28であるカラーペーパーの用紙形状、用紙サイズ、及びアスペクト比等は、図3Eに記載された多数のサイズ情報を参照することができる。
【0037】
次に、出力工程S18は、記録工程S16において、プリンタ18によって、第2のプリント用の画像が記録媒体28に記録された第2のプリント26を出力する工程である。
第2のプリント26は、写真部分27a、及び/又はフレーム部分27bに、被写体、人物、及び/又は場面に最適な画像が記録されているプリントである。
本発明の一実施形態の画像処理方法、及びプリント方法、並びに本発明の一実施形態の画像処理装置、及びプリント出力システムは、基本的に以上のように構成される。
【0038】
以下に、本発明の画像処理方法、及びプリント方法の具体的な実施形態について説明する。
[第1実施形態について]
まず、図1図4、及び図4Aを参照しつつ、本発明の画像処理方法、及びプリント方法の第1の実施形態について具体的に説明する。
【0039】
図4の左側に示すように、写真部分25aに2人の人物の写真画像が記録され、写真部分25aの周囲を囲むフレーム部分25bの全域に柄があり、下側の領域に「Happy birthday(誕生日)」を簡略化した「Happy b-day」という手書きのテキストが記載された元(第1の)プリント24が用意されている。
この時、図1に示す本発明の画像処理方法の取得工程S10において元プリント24全体の元(第1の)プリント画像データを取得する。即ち、図4Aに示す工程S10aのように、写真部分25aに人物、フレーム部分25bに柄、及び手書きテキストが記載された元プリント24の元プリント画像データを取得する。
ここで、図4の中側に示すように、取得された元プリント画像データが表すスキャン画像(スキャンされた元プリント24全体の画像)の写真部分25aの画像と、フレーム部分25bの柄の画像とその中の手書きテキストを認識することができる(図4Aの工程S10a1参照)。
【0040】
次に、決定工程S12において、取得工程S10において取得された元プリント画像データが表すスキャン画像のフレーム部分25bの柄、及び手書きテキストを認識し、画像データに適用する画像処理として、認識したフレーム部分25bの柄、及び手書きテキストに応じたフィルター処理を決定する(図4Aの工程S12a)。なお、この認識は、取得された元プリント画像データのフレーム部分25bの画像データからコンピュータ14、サーバ16のプロセッサ52によって行っても良いし、ユーザが認識してコンピュータ14、サーバ16に入力しても良い。
ここで、フィルター処理としては、例えば、図4の右側に示すように、手書きテキストが示す誕生日に応じた星マークを写真部分25aの画像に重ね合わせる処理等を挙げることができる。
【0041】
次に、生成工程S14において、再(第2の)プリント26の写真部分27aの画像データとして、図4の右側に示すように、2人の人物の写真画像に星マークが重ね合わされた再プリント26の画像の再プリント用画像データが生成される。即ち、図4Aの工程S14aのように、再プリント26の写真部分27aの画像データとして、人物の画像に星マークが重ね合わされた再プリント用画像データを生成する。
ここで、図4の右側には、フレーム部分27bの画像が図示されていないが、フレーム部分27bは、元プリント24のフレーム部分25bと同じ柄の画像であっても良いし、この柄に同様の星マークを重ね合わせた画像であっても良い。
こうして、本発明の画像処理方法は終了する。
【0042】
この後、本発明の画像処理方法で生成された再プリント用画像データに基づいて、図1に示す本発明のプリント方法の記録工程S16、及び出力工程S18が実施され、図4の右側に示す人の人物の写真画像に星マークが重ね合わされた写真画像が記録された写真部分27aを持つ再(第2の)プリント26が出力される。即ち、図4Aの工程S16aのように、再プリント用画像データに基づいて再プリント用の記録媒体28に写真部分27aに人物の画像に星マークが重ね合わされた写真画像を記録する。続いて、工程S18aのように、写真部分27aに人物の画像に星マークが重ね合わされた写真画像が記録された再プリント26を出力する。
なお、本第1実施形態では、再プリント26の写真部分27aの星マーク付きの写真画像の代わりに、写真画像を再プリント26の写真部分27cとして、2人の人物の画像の上方に手書きテキストと同じテキストを所定の書体で記録した写真画像を再プリント26の写真部分27cとしても良い。
【0043】
本第1実施形態においては、再プリント26を作製する再プリント時に、元プリント24のフレーム部分25bの手書きテキストの情報を用いることができ、再プリント26の写真部分27a、及び27cの画像を、元プリント24の写真部分25aの画像、及びフレーム部分25bの手書きテキストの情報に最適な雰囲気を持つ最適な画像にすることができる。即ち、図5に示すように、フレーム部分に「Happy b-day(誕生日)」と書いてあることを認識して、再プリント26の写真部分27aも画像に楽しい雰囲気のフィルターをかけることができる。
【0044】
[第2実施形態について]
まず、図1図5、及び図5Aを参照しつつ、本発明の画像処理方法、及びプリント方法の第2の実施形態について具体的に説明する。
本第2実施形態においても、図5の左側に示すように、第1実施形態の図4に示す元プリント24と同じ元(第1の)プリント24aが用意されている。
【0045】
ここでも、第1実施形態と同様に、図1に示す本発明の画像処理方法の取得工程S10において、元プリント24aの画像データを取得する。
ここで、図5の中側に示すように、図4に示す写真部分25aの画像と同じスキャン画像(スキャンされた元プリント24a全体の画像)の写真部分25aの画像と、フレーム部分25bの柄の画像とを分離して、それぞれ、写真部分25aの画像データと、フレーム部分25bの柄の画像の画像データを取得する。即ち、図5Aに示す工程S10bのように、元プリント24aの元プリント画像データとして、写真部分25aの画像データと、フレーム部分25bの画像データとを分離して取得する。
【0046】
次に、決定工程S12において、取得工程S10において取得された写真部分25aの画像データ、及びフレーム部分25bの柄の画像の画像データに、それぞれ施す異なる画像処理、例えば、リサイズ処理、クロッピング処理、及び合成処理、又は映像の補填処理等を決定する。即ち、図5Aの工程S12bのように、元プリント画像データの写真部分25aの画像データと、フレーム部分25bの画像データとに対して施す画像処理として、それぞれ異なる画像処理を決定する。ここでは、スキャン画像の写真部分25aの画像、及びフレーム部分25bの柄の画像に対して、画像の拡大縮小処理、即ち拡縮処理は行わない。
【0047】
例えば、再プリント26aの記録媒体28のサイズが元プリント24aのサイズと異なり、より大きい場合、再プリント26aの記録媒体28の写真部分29aのサイズの情報に合わせて、元プリント24aの写真部分25aの画像に対してリサイズ処理する。即ち、図5Aの工程S12b1のように、写真部分25aの人物の画像データに対する画像処理として、人物の両側を拡大するリサイズ処理を決定する。これと共に、このリサイズ処理は行わず、これとは別に、再プリント26aの記録媒体28のフレーム部分29bのサイズに合わせて、元プリント24aのフレーム部分25bの画像に対して合成処理、又は映像の補填処理を行って、再プリント26aのフレーム部分27bとする必要がある。即ち、図5Aの工程S12b2のように、フレーム部分25bの画像データに対する画像処理として、柄を追加する合成処理、又は映像の補填処理を決定する。したがって、再プリント26aのフレーム部分27bと、元プリント24aのフレーム部分25bとは異なる。
【0048】
例えば、元プリント24aの記録媒体28が図3Aに示す記録媒体28aであり、再プリント26aの記録媒体28が図3Cに示す記録媒体28cであり、そのサイズが大きい場合に、元プリント24aの写真部分25aの画像には、後述する第4実施形態、及び第5実施形態のようなリサイズ処理を画像処理として行って、再プリント26aの写真部分27aの画像を記録媒体28cの写真部分29aのサイズに合わせる。即ち、詳細は後述するが、このリサイズ処理は、元プリント24aの写真部分25aの画像が、図示しない元画像(以下、原画像ともいう)をトリミングしたものである場合に、原画像に戻し、原画像を記録媒体28cの写真部分29aのサイズに合わせてトリミングするリサイズ処理を行うことにより、画像の拡縮を行うことなく、再プリント26aの写真部分27aの画像とする画像データを生成する画像処理である。
図5の右側に示す再プリント26aの写真部分27aの画像の場合には、原画像にも2人の人物しか写っておらず、その両側は背景であったことを表している。
【0049】
一方、再プリント26aのフレーム部分27bの柄の画像に関しては、元プリント24aのフレーム部分25bの柄の画像の画像処理は、記録媒体28cのフレーム部分29bのサイズに合わせて、元プリント24aのフレーム部分25bの柄の画像を塗り足す処理、即ち合成処理、又は画像の補填処理を行うことにより、画像の拡縮を行うことなく、再プリント26aのフレーム部分27bの画像とする画像データを生成する画像処理である。
図5の右側の再プリント26aに示すように、元プリント24aのスキャン画像には拡縮処理を行わないので、元プリント24aのフレーム部分25bの柄の画像、及び「Happy b-day」なる手書きのテキストは、第1実施形態と同様に、そのまま生かしておき、リサイズ処理によってサイズが大きくなった写真部分27aの画像の2人の左右の両側の画像領域に対応するフレーム部分27bの左右の領域27b1、27b2、27b3、及び27b4に柄の画像を付け加えて、又は補填して合成したことを表している。
【0050】
次に、生成工程S14において、元プリント24aの写真部分25aの画像データにはリサイズ処理が行われて再プリント26aの写真部分27aの画像データが生成され、元プリント24aのフレーム部分25bの柄、及び手書きテキストの画像には柄の画像を塗り足す処理が行われて再プリント26aのフレーム部分27bの画像データが生成され、写真部分27aの画像データとフレーム部分27bの画像データとが合成され、再プリント26aの画像の再プリント用画像データが生成される。即ち、図5Aの工程S14bのように、再プリント26の写真部分27aのリサイズされた画像データと、フレーム部分27bの合成処理された画像データとを合成して再プリント用画像データを生成する。
こうして、本発明の画像処理方法が終了する。
【0051】
この後、本発明の画像処理方法で生成された再プリント用画像データに基づいて、図1に示す本発明のプリント方法の記録工程S16、及び出力工程S18が実施され、図5の右側に示すように、写真部分27aには、リサイズ処理がされた写真画像がプリントされ、フレーム部分27bには、塗り足し処理がされた柄、及び手書きテキストの画像がプリントされた再プリント26が出力される。即ち、図5Aの工程S16bのように、再プリント用画像データに基づいて再プリント用の記録媒体28にリサイズ処理された写真部分27aの画像と合成処理されたフレーム部分27bの画像とを持つ写真画像を記録する。続いて、図5Aの工程S18bのように、リサイズ処理された写真部分27aの画像と合成処理されたフレーム部分27bの画像とを持つ写真画像が記録された再プリント26を出力する。
【0052】
なお、本第2実施形態では、再プリント26のための記録媒体28は、写真部分29aと同様に、フレーム部分29bもプリント可能である必要がある。
本第2実施形態においては、再プリント26を作製する再プリント時に、元プリント24の写真部分25aとフレーム部分25bとを分離してそれぞれの画像データに異なる画像処理を施して、再プリント26の写真部分27aの画像とフレーム部分27bの画像を生成するので、画像の拡縮を行うことなく、元プリント24の写真部分25aとフレーム部分25bの特徴を生かしたまま、どのようなサイズの再プリント26も出力することができるし、最適な画像とすることができる。
【0053】
また、本第2実施形態においては、元プリント24aのフレーム部分25bの画像処理結果に基づいて、再プリント26aを出力するための再プリント画像を生成する。したがって、元プリント24aと再プリント26aとでプリント用紙(記録媒体28)のサイズ等の条件が異なる場合に、再プリント26aに最適な画像を生成することができる。
また、元プリント24bと再プリント26b(記録媒体28)の用紙サイズが異なる場合に、再プリント26bのフレーム部分27bはリサイズせずに塗り足し処理、又はクロッピング処理をしてから、写真部分27aはリサイズ処理してから合成することで、手書き文字の歪みを防止しつつ、再プリント26bに適した画像を生成することができる。
【0054】
[第3実施形態について]
まず、図1図6、及び図6Aを参照しつつ、本発明の画像処理方法、及びプリント方法の第3の実施形態について具体的に説明する。
【0055】
本第3実施形態においても、図6の左側に示すように、図4に示す元プリント24と同様に写真部分25aに2人の人物の写真画像が記録され、写真部分25aの周囲を囲むフレーム部分25bの全域に、図4とは異なる柄の画像が記録された元プリント24bが用意されている。
また、再プリント26bの画像が記録される再プリント用紙(記録媒体)28cも用意されている。図6に示す例では、記録媒体28cのサイズは、元プリント24bのサイズより大きい。
【0056】
この時、図1に示す本発明の画像処理方法の取得工程S10において、元プリント24bをスキャンして元プリント24bの画像データを取得する。
ここで、図6の中側に示すように、元プリント24bのスキャン画像の写真部分25aの画像の画像データを取得しておく。即ち、図6Aに示す工程S10cのように、元プリント24aの元プリント画像データとして、写真部分25aの画像データと、フレーム部分25bの画像データとをそれぞれ取得する。
また、元プリント24bのスキャン画像のフレーム部分25bの柄の画像25b1、及び元プリント24bとサイズと異なる再プリント用の記録媒体28cのフレーム部分29bの柄の画像29b1を認識しておく(図6Aの工程S10c1)。
【0057】
次に、決定工程S12において、取得工程S10において取得された元プリント画像データが表すスキャン画像のフレーム部分25bの柄の画像25b1と、記録媒体28cのフレーム部分29bの柄の画像29b1とが認識されており、認識された両者の柄の画像25b1と画像29b1との組み合わせに基づいて再プリント26bの写真画像において合成する新しい柄の画像を決定し、決定された柄の画像を再プリント26bの写真部分27aの2人の人物の写真画像の周囲に合成する画像処理を決定する(図6Aの工程S12c参照)。
なお、図6の中側に示すように、新しい柄の画像30は、再プリント26の写真部分27aとなる再プリント用画像32の2人の人物の写真画像の周囲に合成するために決定されることは言うまでもない。
【0058】
ここで、決定工程S12において決定される画像処理は、元プリント24bの写真部分25aの写真画像を、そのままサイズの大きい記録媒体28cの写真部分29aの中央に配置するリサイズ処理をして、その周囲に上述の決定された新しい柄の画像30を合成し、再プリント26bの再プリント用画像32とする画像処理と言える。即ち、新しい柄の画像30を合成する前の再プリント26bの写真部分27aの画像は、第2実施形態の再プリント26aの写真部分27aの画像と同様に、元プリント24bの写真部分25aの写真画像がリサイズ処理されたものであると言える。
なお、サイズの大きい記録媒体28cの写真部分29aの中央に配置される元プリント24bの写真部分25aの写真画像は、その周囲に新しい柄の画像30を合成することができれば、多少の拡縮処理を行っても良い。
【0059】
次に、生成工程S14において、元プリント24bの写真部分25aの画像の画像データにはリサイズ処理が行われ、次いで、写真部分25aの画像の周囲には新しい柄の画像30が合成されて、再プリント26bの写真部分27aの再プリント用画像32を記録するための再プリント用画像データが生成される。即ち、図6Aに示す工程S14cのように、元プリント24bの写真部分25aの画像データがリサイズ処理され、リサイズ処理された写真部分25aの人物の両側には新しい柄の画像が合成された再プリント26bの写真部分27aのみの再プリント用画像データを生成する。なお、この再プリント用画像データには、再プリント26bのフレーム部分27bの画像データは含まれていない。
こうして、本発明の画像処理方法が終了する。
【0060】
この後、本発明の画像処理方法で生成された再プリント用画像データに基づいて、図1に示す本発明のプリント方法の記録工程S16、及び出力工程S18が実施され、図6の中側に示すように、記録媒体28cの第1の領域(写真部分)29aに再プリント用画像32が記録されて写真部分27aとなった再プリント26bが出力される。即ち、図6Aの工程S16cのように、再プリント用画像データに基づいて再プリント用の記録媒体の写真部分に、リサイズ処理された写真部分の画像に対して、両側に新しい柄の画像が合成された写真部分のみの写真画像を記録する。続いて、図6Aの工程S18cのように、写真部分の画像に対して、両側に新しい柄の画像が合成された写真部分のみの写真画像が記録された再プリント26を出力する。
なお、本第3実施形態では、再プリント26bのフレーム部分27bは、記録媒体28cのフレーム部分29bである。
【0061】
本第3実施形態においては、再プリント26bを作製する再プリント時に、プリントされた元プリント24bの写真部分25aの周囲に、元プリント24b、及び再プリント用紙(記録媒体)28の両フレーム部分25b、及び29bの柄の画像の組合せに基づいて決定された新しい柄の画像30を合成するので、最適な画像とすることができる。
即ち、元プリント24bと再プリント26b(記録媒体28)の用紙サイズが異なる場合に、認識した元プリント24bのフレーム部分25bの柄の画像と再プリント26bのフレーム部分27b(記録媒体28cのフレーム部分29b)の柄の画像に合った新しい柄の画像30(枠)を元プリント24bの写真部分25aの画像に合成して再プリント26の隙間を埋めつつ全体を調和させることができる。
【0062】
以上の第1~3実施形態においては、元プリント24(24a、24b)のフレーム部分25bの柄、手書きテキスト、再プリント26(26a、26b)のフレーム部分27b(29b)の柄に基づいて、またこれらの組合せに基づいて再プリント用画像を加工するので、フレーム部分25b、27b(29b)の情報を利用することができ、また、写真部分25a、27a(29a)とフレーム部分25b、27b(29b)とで異なる処理をすることができるので、再プリント用画像を再プリント26(26a、26b)に最適な画像とすることができる。
【0063】
[第4実施形態について]
まず、図1図7、及び図7Aを参照しつつ、本発明の画像処理方法、及びプリント方法の第4の実施形態について具体的に説明する。
本第4実施形態においては、図7の左側に示すように、元プリント24cは、元画像(原画像)34をトリミングして、即ち、元画像34の4人の人物の内の内側の2人を含む元トリミング領域35内の画像を写真部分25aの写真画像としてプリントしたものである。
【0064】
この元プリント24cを、図1に示す本発明の画像処理方法の取得工程S10において、スキャンして元プリント24cの(デジタル)画像データを取得する。この画像データは、元プリント24cをスキャンした画像、即ちスキャン画像36を表す。
ここで、図7の中上側に示すように、元プリント24cのスキャン画像36の画像データを写真部分25aの画像の画像データと、スキャン画像36のフレーム部分25bの柄の画像の画像データとに分離しておく。即ち、図7Aに示す工程S10dのように、元プリント24aの元プリント画像データとして、写真部分25aの画像データと、フレーム部分25bの画像データとをそれぞれ分離して取得する。
【0065】
次に、決定工程S12において、取得工程S10において取得された画像データに適用する画像処理が決定される(図7AのS12d参照)。
決定工程S12において決定される画像処理には、まず、図7の中上側に示すように、元プリント24cの写真部分25aの画像の画像データから元画像34を決定し、元画像34の画像データを取得し、元画像34から元プリント24cの写真部分25aの画像とするための元画像34の元トリミング領域35を特定する画像処理1がある(図7AのS12d1参照)。ここで、元画像34の取得、及び元トリミング領域35の特定は、例えば、元プリント24cのQR(Quick Response)コード(登録商標)、各種マーカーを使用して行うことができる。
【0066】
また、この画像処理には、図7の右上側に示すように、元トリミング領域35内の画像に含まれる2人の人物の顔などを含む領域を注目領域37として特定する画像処理2が含まれる(図7AのS12d2参照)。
また、この画像処理には、図7の中側に示すように、再プリント26cとするために画像を記録する記録媒体28の写真部分29aのサイズである再プリントサイズ情報38を取得し、図7の右側に示すように、元トリミング領域35、注目領域37、及び再プリントサイズ情報38に基づいて元画像34の注目領域37を含む再プリント用トリミング領域39を決定して設定し、図7の右下側に示すように、元画像34の再プリント用トリミング領域39内の画像を再プリント用画像40として決定し、元画像34の画像データから再プリント用画像40の再プリント用画像データを生成する画像処理3が含まれる(図7AのS12d3参照)。
【0067】
次に、生成工程S14において、元プリント24bの写真部分25aの画像データに上記画像処理(画像処理1、2、3)を施し、再プリント用画像40の再プリント用画像データを生成する(図7AのS14d参照)。
生成工程S14において、まず、上記画像処理1を行い、元画像34を決定し、元画像34の画像データを取得し、元画像34の元トリミング領域35を特定する(図7AのS14d1参照)。
次に、上記画像処理2を行って、注目領域37を特定し(図7AのS14d2参照)、続いて上記画像処理3を行って、再プリントサイズ情報38を取得し、元画像34の注目領域37を含む再プリント用トリミング領域39を設定し、再プリント用トリミング領域39内の再プリント用画像40を決定し、元画像34の画像データから再プリント用画像40の再プリント用画像データ生成する(図7AのS14d3参照)。
こうして、本発明の画像処理方法が終了する。
【0068】
この後、本発明の画像処理方法で生成された再プリント用画像データに基づいて、図1に示す本発明のプリント方法の記録工程S16、及び出力工程S18が実施され、図7の下中側に示すように、フレーム部分27bに周囲が囲まれた写真部分27aに再プリント用画像40が記録された再プリント26cが出力される。即ち、図7Aの工程S16dのように、再プリント用画像データに基づいて再プリント用の記録媒体の写真部分に、再プリント用画像を記録する。続いて、図7Aの工程S18dのように、写真部分27aに再プリント用画像が記録された再プリント26を出力する。
なお、本第4実施形態では、再プリント26cのフレーム部分27bには、新たな画像が記録されず、記録媒体28、例えば記録媒体28cのフレーム部分29bそのものである。しかしながら、上記第1実施形態、及び第2実施形態のように、記録媒体28のフレーム部分29bに画像、及びテキスト等を記録するようにしても良い。
【0069】
本第4実施形態においては、元プリント24cの写真部分25aの画像に基づいて、元プリント24cの元画像34を取得し、元画像34に基づく再プリント用画像40を写真部分27aに有する再プリント26cを出力するので、再プリント用画像40を、元プリント24cの画像に新しい画像が追加された再プリント26cに最適な画像とすることができる。
また、元プリント24cの用紙サイズの制約を反映したトリミング領域(クロッピング領域)ではなく、再プリント26cの用紙サイズに最適化されたトリミング領域(クロッピング領域)で再プリント26cに適した再プリント画像を生成することができる。
【0070】
なお、特許文献2では、ズーム倍率、及び被写体の注目度に基づいてトリミングするが、本第4実施形態では、元画像と異なるサイズ用に指定された元プリントのトリミング領域をヒント情報としてさらに利用して再プリント用トリミング領域を決定する点で相違する。
ところで、本第4実施形態においても、上記第1~第3実施形態の画像処理方法を追加して行っても良い。
【0071】
[第5実施形態について]
まず、図1図8、及び図8Aを参照しつつ、本発明の画像処理方法、及びプリント方法の第5の実施形態について具体的に説明する。
本第5実施形態は、図8の右中側に示すように、元プリント24cのスキャン画像から抽出された元プリント24cの写真部分25aの画像内の人物、及び/又は場面42を認識し、認識結果を追加して画像処理3の再プリント用トリミング領域39を決定している点において、図7に示す上記第4の実施形態と異なるが、その他の点では上記第4の実施形態と同じである。このため、上記第4の実施形態と同じである部分の詳細な説明は、省略し、主に相違点について説明する。
【0072】
即ち、この第5実施形態は、上記第4の実施形態と同様に、図1に示す本発明の画像処理方法の取得工程S10が行われる。即ち、図8Aに示すように、図7Aに示す工程S10dと同じ工程S10eが実施される。
次に、決定工程S12において、取得工程S10において取得された画像データに適用する画像処理が決定される。
決定工程S12において決定される画像処理の内、元画像34の元トリミング領域35を特定する画像処理1、及び注目領域37を特定する画像処理2は、上記第4の実施形態と同様である。即ち、図8Aに示す工程S12eのように、図7Aに示す工程S12dの内の工程S12d1、及び工程S12d2と同じ工程S12e1、及び工程S12e2が実施される。
【0073】
しかしながら、再プリント用トリミング領域39を決定して設定し、再プリント用画像40を決定し、再プリント用画像データを生成する上記第4の実施形態の画像処理3において、再プリント用トリミング領域39を決定する処理が上記第4の実施形態と異なる。即ち、本第5の実施形態における画像処理は、上記第4の実施形態の画像処理3に類似するが、図8の右中側に示すように、更に、元プリント24cの写真部分25aの画像内の人物、及び/又は場面42を認識しておき、図8の右側に示すように、元トリミング領域35、注目領域37、及び再プリントサイズ情報38に、更に認識結果を追加して、これらの情報に基づいて元画像34の注目領域37を含む再プリント用トリミング領域39を決定して設定する新たな画像処理を含む画像処理4である。
【0074】
本第5の実施形態の画像処理4においても、再プリント用トリミング領域39が決定された後、図8の右下側に示すように、元画像34の再プリント用トリミング領域39内の画像を再プリント用画像40として決定し、元画像34の画像データから再プリント用画像40の再プリント用画像データを生成する点では、上記第4の実施形態の画像処理3と同様である。即ち、図8Aに示す工程S12e3のように、元プリント24cの写真部分の画像内の人物、及び/又は場面を認識しておき、元トリミング領域35、注目領域37、再プリントサイズ情報38、及び認識結果に基づいて再プリント用トリミング領域39を設定し、その領域内の再プリント用画像40を決定し、その画像データを再プリント用画像データとして生成する画像処理4を決定する。
なお、本第5の実施形態においては、画像処理2として注目領域37を特定する際に、認識された場面、及び人物のいずれか1つ以上に応じて注目領域37を決定しても良い。例えば、元プリント24cに含まれる人物の家族、及び/又は友人関係にある人物を含むように決定しても良い。また、認識された場面において重要、及び/又は象徴的な被写体を含むように決定しても良い。
【0075】
次に、生成工程S14において、上記第4の実施形態と同様に、上記画像処理1を行い、元画像34を決定し、元画像34の画像データを取得し、元画像34の元トリミング領域35を特定し、上記画像処理2を行って、注目領域37を特定する。即ち、図8Aに示す工程S14eのように、図7Aに示す工程S124の内の工程S14d1、及び工程S14d2と同じ上記画像処理1を行う工程S14e1、及び上記画像処理2を行う工程S14e2が実施される。
続いて上記画像処理4を行って、再プリントサイズ情報38を取得し、元画像34の注目領域37を含む再プリント用トリミング領域39を設定し、再プリント用トリミング領域39内の再プリント用画像40を決定し、元画像34の画像データから再プリント用画像40の再プリント用画像データ生成する。即ち、図8Aに示す工程S14e3が実施される。
こうして、本発明の画像処理方法が終了する。
【0076】
この後、上記第4の実施形態と同様に、本発明の画像処理方法で生成された再プリント用画像データに基づいて、図1に示す本発明のプリント方法の記録工程S16、及び出力工程S18が実施され、図7の下中側に示すように、フレーム部分27bに周囲が囲まれた写真部分27aに再プリント用画像40が記録された再プリント26cが出力される。即ち、図8Aの工程S16eのように、図7Aの工程S16dと同様に、再プリント用画像データに基づいて再プリント用の記録媒体の写真部分に、再プリント用画像を記録する。続いて、図8Aの工程S18eのように、図7Aの工程S18dと同様に、写真部分27aに再プリント用画像が記録された再プリント26を出力する。
【0077】
本第5実施形態においては、元プリント24cの写真部分25aの画像内の人物、及び/又は場面42を認識した結果を更に加えた上で、再プリント用トリミング領域39を決定し、再プリント用画像40を写真部分27aに有する再プリント26cを出力するので、再プリント26cの再プリント用画像40を、元プリント24cの画像内の人物、場面を考慮した最適な画像とすることができる。
本発明の画像処理方法、及びプリント方法の第1~第5実施形態は、以上のように構成される。
【0078】
本発明においては、元プリントのフレーム部分の画像処理結果に基づいて、別の印画領域に印画するための画像を生成することとしている。
また、フレーム部分の存在、位置、描画内容に基づいて、別の印画領域(写真部分)に印画するための画像を生成するため、フレーム部分を有する元プリントの画像をスキャンし別の印画領域に印画する際に、同一、又は別のアスペクト比の印画領域に対しても、最適な印画内容とすることができる。
【0079】
以上、本発明の画像処理方法、及びプリント方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良、及び変更をしてもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0080】
10 プリント出力システム
12 スマートデバイス
14コンピュータ
16 サーバ
18プリンタ
20 ネットワーク
22 プリンタ付きアナログカメラ
24、24a、24b、24c 第1のプリント(元プリント)
25a、29a 第1の領域(写真部分)
25b、29b 第2の領域(フレーム部分)
25b1、29b1、30 柄の画像
26、26a、26b、26c 第2のプリント(再プリント)
27a、27c 第3の領域(写真部分)
27b 第4の領域(フレーム部分)
27b1、27b2、27b3、27b4 領域
28、28a、28b、28c 記録媒体(プリント用紙)
32 再プリント用画像
34 元画像(原画像)
35 元トリミング領域
36 スキャン画像
37 注目領域
38 再プリントサイズ情報
39 再プリント用トリミング領域
40 再プリント用画像
42 人物、及び/又は場面
50 画像処理装置
52 プロセッサ
54 メモリ
56 ストレージ
58 通信用インタフェース
60 入力機器
62 ディスプレイ(表示装置)
S10 第1のプリント画像データの取得工程
S10a、S10a1、S10b、S10c、S10c1、S10d、S10e (取得)工程
S12 適用画像処理の決定工程
S12a、S12b、S12b1、S12b2、S12c、S12d、S12d1、S12d2、S12d3、S12e、S12e1、S12e2、S12e3 (決定)工程
S14 第2のプリント用画像データの生成工程
S14a、S14b、S14c、S14d、S14d1、S14d2、S14d3、S14e、S14e1、S14e2、S14e3 (生成)工程
S16 第2のプリント画像の記録工程
S16a、S16b、S16c、S16d、S16e (記録)工程
S18 第2のプリントの出力工程
S18a、S18b、S18c、S18d、S18e (出力)工程
図1
図2
図2A
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図4A
図5
図5A
図6
図6A
図7
図7A
図8
図8A