(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049537
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/60 20100101AFI20240403BHJP
H01L 33/38 20100101ALI20240403BHJP
【FI】
H01L33/60
H01L33/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155817
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】粟飯原 善之
【テーマコード(参考)】
5F142
5F241
【Fターム(参考)】
5F142AA04
5F142BA02
5F142BA32
5F142CA11
5F142CD02
5F142CD44
5F142CD47
5F142CG03
5F142CG04
5F142CG05
5F142CG24
5F142CG32
5F142DA14
5F142FA24
5F241CA05
5F241CA40
5F241CA93
5F241CB15
(57)【要約】
【課題】光取り出し効率を向上できる発光装置を提供すること。
【解決手段】発光装置は、発光素子と光反射性部材とを備える。発光素子は、半導体構造体と、半導体構造体の側面を少なくとも覆い、n側露出面を露出させる第1開口部と、p側層の上面の上方に位置する第2開口部とを有する絶縁膜と、p側層の上面の上方に絶縁膜を介して位置する第1部分と、第1開口部においてn側露出面と電気的に接続されると共に、半導体構造体の側面を覆う絶縁膜に配置され第1部分と電気的に接続された第2部分と、半導体構造体の側面を覆う絶縁膜を露出させる第3開口部とを有するn側電極と、第2開口部においてp側層と電気的に接続されたp側電極とを有する。光反射性部材は、第3開口部において絶縁膜と接している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、光反射性部材とを備え、
前記発光素子は、
n側層と、p側層と、前記n側層と前記p側層との間に位置する活性層とを有する半導体構造体であって、平面視において前記n側層は前記活性層及び前記p側層から露出するn側露出面を有し、前記半導体構造体は、前記n側露出面と前記p側層の上面とを接続する側面を有する前記半導体構造体と、
前記半導体構造体の前記側面を少なくとも覆い、前記n側露出面を露出させる第1開口部と、前記p側層の前記上面の上方に位置する第2開口部と、を有する絶縁膜と、
前記p側層の前記上面の上方に前記絶縁膜を介して位置する第1部分と、前記第1開口部において前記n側露出面と電気的に接続されると共に、前記半導体構造体の前記側面を覆う前記絶縁膜に配置され前記第1部分と電気的に接続された第2部分と、前記半導体構造体の前記側面を覆う前記絶縁膜を露出させる第3開口部と、を有するn側電極と、
前記第2開口部において前記p側層と電気的に接続されたp側電極と、
を有し、
前記光反射性部材は、前記第3開口部において前記絶縁膜と接している発光装置。
【請求項2】
前記p側層の前記上面と、前記p側電極との間に配置され、前記p側層及び前記p側電極と電気的に接続された光反射性電極をさらに備える請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記光反射性電極は、前記n側露出面を露出させる第4開口部を有し、
平面視において、前記第3開口部の外縁の一部は、前記第4開口部の外縁よりも外側に位置する請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
平面視において、前記第2部分は、前記第3開口部と、前記p側電極と、の間に位置している請求項1~3のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項5】
前記n側層は、複数の前記n側露出面を有し、
前記n側電極は、1つの前記n側露出面に平面視において隣り合う前記半導体構造体の前記側面の上方に位置する複数の前記第3開口部を有している、請求項1~3のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項6】
前記p側電極は、平面視において第1方向に延びて配置され、
平面視において、前記第2部分は、前記複数の前記第3開口部のうち、前記第1方向において隣り合う2つの前記第3開口部間に位置している請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
平面視において、前記第2部分は、前記複数の前記第3開口部のうち、前記第1方向に直交する第2方向において隣り合う2つの前記第3開口部間に位置している請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記p側電極は、平面視において第1方向に延びて配置され、
前記n側層は、前記第1方向に直交する第2方向において隣り合う第1n側露出面と第2n側露出面とを含む複数の前記n側露出面を有し、
前記第2n側露出面は、前記第2方向において前記第1n側露出面よりも前記p側電極に近い位置にあり、
前記n側電極は、前記第2n側露出面に隣り合う前記半導体構造体の前記側面の上方に位置し、前記第1方向において離隔した第3A開口及び第3B開口を含む複数の前記第3開口部を有し、
前記第2n側露出面に接続される前記第2部分は、平面視において、前記第3A開口と前記第3B開口と、の間に位置しており、
前記第1n側露出面に接続される前記第2部分は、平面視において、前記第2n側露出面と、前記第1n側露出面に隣り合う前記半導体構造体の前記側面の上方に位置する前記第3開口部と、の間に位置している請求項1~3のいずれか1つに記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
n側層における、活性層及びp側層から露出し、n側電極が接続するn側露出面の反対側に位置する面側から光を取り出す構造の発光装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に係る実施形態は、光取り出し効率を向上できる発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、発光装置は、発光素子と、光反射性部材とを備え、前記発光素子は、n側層と、p側層と、前記n側層と前記p側層との間に位置する活性層とを有する半導体構造体であって、平面視において前記n側層は前記活性層及び前記p側層から露出するn側露出面を有し、前記半導体構造体は、前記n側露出面と前記p側層の上面とを接続する側面を有する前記半導体構造体と、前記半導体構造体の前記側面を少なくとも覆い、前記n側露出面を露出させる第1開口部と、前記p側層の前記上面の上方に位置する第2開口部と、を有する絶縁膜と、前記p側層の前記上面の上方に前記絶縁膜を介して位置する第1部分と、前記第1開口部において前記n側露出面と電気的に接続されると共に、前記半導体構造体の前記側面を覆う前記絶縁膜に配置され前記第1部分と電気的に接続された第2部分と、前記半導体構造体の前記側面を覆う前記絶縁膜を露出させる第3開口部と、を有するn側電極と、前記第2開口部において前記p側層と電気的に接続されたp側電極と、を有し、前記光反射性部材は、前記第3開口部において前記絶縁膜と接している。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る実施形態によれば、光取り出し効率を向上できる発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】実施形態の発光装置の一部分の模式拡大断面図である。
【
図5】実施形態の発光素子における1つのn側露出面が位置する部分の模式平面図である。
【
図6】
図5と同様の部分の他の例を示す模式平面図である。
【
図7】
図5と同様の部分のさらに他の例を示す模式平面図である。
【
図8】実施形態の発光素子の他の例を示す模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態の発光装置について説明する。実施形態に記載されている構成部の寸法、材料、形状、相対的配置などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係などは、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については、同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。
【0009】
以下の説明において、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を分かり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「上(又は下)」と表現する位置関係は、例えば、2つの部材があると仮定した場合に、2つの部材が接している場合と、2つの部材が接しておらず一方の部材が他方の部材の上方(又は下方)に位置している場合を含む。また、特定的な記載がない限り、部材が被覆対象を覆うとは、部材が被覆対象に接して被覆対象を直接覆う場合と、部材が被覆対象に非接触で被覆対象を間接的に覆う場合を含む。
【0010】
以下に示す図でX軸、Y軸、及びZ軸により方向を示す場合がある。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。例えば、本明細書において、X軸に沿う方向を第1方向X、Y軸に沿う方向を第2方向Y、Z軸に沿う方向を第3方向Zとする。
【0011】
実施形態の発光装置1は、発光素子100と、光反射性部材200とを備えている。発光素子100は、半導体構造体10と、絶縁膜20と、n側電極30と、p側電極40と、を有する。n側層11と、p側層13と、n側層11とp側層13との間に位置する活性層12とを有する半導体構造体10である。平面視においてn側層11は活性層12及びp側層13から露出するn側露出面11aを有する。半導体構造体10は、n側露出面11aとp側層13の上面13aとを接続する側面10aを有する。絶縁膜20は、第1開口部21と、第2開口部22と、を有する。第1開口部21は、半導体構造体10の側面を少なくとも覆い、n側露出面11aを露出させる。第2開口部22は、p側層13の上面13aの上方に位置する。n側電極30は、第1部分31と、第2部分32と、第3開口部33と、を有する。第1部分31は、p側層13の上面13aの上方に絶縁膜20を介して位置する。第2部分32は、第1開口部21においてn側露出面11aと電気的に接続されると共に、半導体構造体10の側面10aを覆う絶縁膜20に配置され第1部分31と電気的に接続される。第3開口部33は、半導体構造体10の側面10aを覆う絶縁膜20を露出させる。p側電極40は、第2開口部22においてp側層13と電気的に接続される。光反射性部材200は、第3開口部33において絶縁膜20と接している。
【0012】
以下、
図1~
図5を参照して、実施形態の発光装置1について説明する。
図1は、実施形態の発光装置1の模式斜視図である。
図2は、実施形態の発光装置1の模式断面図である。
図3は、発光素子100の模式平面図である。
図4は、発光素子100の詳細な断面構造を含む発光装置1の一部分の模式拡大断面図である。
図4における発光素子100の断面は、
図3のIV-IV線における断面に対応する。
図5は、発光素子100における1つのn側露出面11aが位置する部分の模式平面図である。
【0013】
図1及び
図2に示すように、実施形態の発光装置1は、発光素子100と、光反射性部材200と、を備えている。実施形態の発光装置1は、配線基板300と、透光性部材400と、接着部材500と、外部端子600とをさらに備えることができる。以下、各構成について詳説する。
【0014】
[発光素子]
発光素子100は、半導体構造体10と、絶縁膜20と、n側電極30と、p側電極40とを有する。
【0015】
<半導体構造体>
半導体構造体10は、窒化物半導体からなる。本明細書において「窒化物半導体」とは、例えば、InxAlyGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,x+y≦1)なる化学式において組成比x及びyをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。また、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むもの、導電型などの各種の物性を制御するために添加される各種の元素をさらに含むものも「窒化物半導体」に含まれるものとする。
【0016】
半導体構造体10は、n側層11と、p側層13と、活性層12とを有する。活性層12は、第3方向Zにおいて、n側層11とp側層13との間に位置する。活性層12は、光を発する発光層であり、例えば複数の障壁層と、複数の井戸層を含むMQW(Multiple Quantum well)構造を有する。活性層12は、例えば、発光ピーク波長が210nm以上580nm以下の光を発する。n側層11は、n型不純物を含む半導体層を有する。p側層13は、p型不純物を含む半導体層を有する。
【0017】
半導体構造体10は、基板80上に配置される。基板80上に、n側層11、活性層12、及びp側層13が順に形成される。基板80として、例えば、サファイア基板を用いることができる。発光素子100は、基板80を有さなくてもよい。
【0018】
図3に示すように、平面視において、n側層11は、活性層12及びp側層13から露出するn側露出面11aを有する。n側層11は、例えば、複数のn側露出面11aを有する。半導体構造体10は、光取り出し面10bを有する。
図4に示すように、光取り出し面10bは、第3方向Zにおいてn側露出面11aの反対側に位置するn側層11の面である。活性層12が発する光は、主に光取り出し面10bから半導体構造体10の外部に取り出される。p側層13は、第3方向Zにおいて光取り出し面10bの反対側に位置する上面13aを有する。半導体構造体10は、n側露出面11aとp側層13の上面13aとを接続する側面10aを有する。半導体構造体10の側面10aは、p側層13の側面及び活性層12の側面を含む。また、半導体構造体10の側面10aは、n側露出面11aと接続されるn側層11の側面を含む。
【0019】
<絶縁膜>
図4に示すように、絶縁膜20は、半導体構造体10の側面10aを少なくとも覆う。絶縁膜20は、例えば、半導体構造体10の側面10aの全面を覆っている。すなわち、絶縁膜20は、p側層13の側面、活性層12の側面、及びn側露出面11aと接続しているn側層11の側面を覆っている。絶縁膜20は、半導体構造体10の側面10aを直接的または間接的に覆っている。例えば、絶縁膜20は、半導体構造体10の側面10aに接している。
【0020】
絶縁膜20は、さらにn側露出面11aの一部を覆っていてよい。例えば、絶縁膜20は、上面視において、n側露出面11aの外周部に配置されている。絶縁膜20は、n側露出面11aを露出させる第1開口部21を有する。
【0021】
絶縁膜20は、p側層13の上面13aの上方にも配置されている。絶縁膜20は、p側層13の上面13aの上方に位置する第2開口部22を有する。
【0022】
絶縁膜20として、例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜を用いることができる。絶縁膜20は、単層膜または積層膜である。
【0023】
<n側電極>
n側電極30は、n側層11と電気的に接続されている。n側電極30は、第1部分31と第2部分32とを有する。
【0024】
図4に示すように、第1部分31は、p側層13の上面13aの上方に、絶縁膜20を介して位置する。第1部分31をp側層13の上面13aの上方に配置することで、後述するn側外部接続電極92を、第1部分31に配置することができる。第1部分31の面積は、n側露出面11aの面積(複数のn側露出面11aがある場合には、複数のn側露出面11aの全面積)よりも大きい。これにより、n側外部接続電極92を第1部分31に容易に配置することができる。
【0025】
図4に示すように、第2部分32は、絶縁膜20の第1開口部21においてn側露出面11aに接し、n側露出面11aと電気的に接続されると共に、半導体構造体10の側面10aを覆う絶縁膜20に配置され第1部分31と電気的に接続されている。n側層11は、n側露出面11aと接続される第2部分32を介して、第1部分31と電気的に接続している。
【0026】
n側電極30とp側層13の上面13aとの間、n側電極30とp側層13の側面との間、及びn側電極30と活性層12の側面との間には絶縁膜20が位置し、n側電極30はp側層13及び活性層12とは接続されていない。
【0027】
図4に示すように、n側電極30は、第3開口部33をさらに有する。第3開口部33は、半導体構造体10の側面10aを覆う絶縁膜20を露出させる。半導体構造体10の側面10aを覆う絶縁膜20の一部はn側電極30の第2部分32で覆われている。半導体構造体10の側面10aを覆う絶縁膜20において、n側電極30の第2部分32で覆われていない部分に第3開口部33が位置する。
【0028】
図3に示すように、n側露出面11aの数は、第3開口部33の数と同じである。n側電極30は、1つのn側露出面11aに対して、1つの第3開口部33を有している。なお、複数のn側露出面11aのうち第3開口部33が配置されていないn側露出面11aを有していてもよい。
【0029】
図5において、絶縁膜20の第1開口部21の外縁21o及びn側露出面11aの外縁11oを、円形状の破線で表す。なお、平面視において、第1開口部21の外縁21o及びn側露出面11aの外縁11oは円形状に限らず、多角形状であってもよい。また、円形状は、真円に限らず、連続した閉曲線からなる形状も含む。
【0030】
図5において、n側電極30の第3開口部33の外縁33oを実線で表す。平面視において、第3開口部33の外縁33oは、例えば、連続する閉曲線からなる。
図5に示すように、第3開口部33の外縁33oは、例えば、円の一部に円の中心に向かって凸となる曲線を有する形状である。または、平面視において、第3開口部33の外縁33oは、多角形状であってもよい。
【0031】
図5において、第3開口部33の外縁33oは、第1開口部21の外縁21oと重ならず離隔している。また、第3開口部33の外縁33oの一部は、n側露出面11aの一部と重なっている。絶縁膜20は、第3開口部33の外縁33oの内側の領域において露出している。n側電極30の第1部分31及び第2部分32は、第3開口部33の外縁33oの外側の領域に連続して配置されている。
【0032】
<p側電極>
p側電極40は、p側層13と電気的に接続されている。
図4に示すように、p側電極40は、絶縁膜20の第2開口部22においてp側層13と電気的に接続されている。
図3に示すように、p側電極40は、平面視において第1方向Xに延びて配置されている。第2開口部22も平面視において第1方向Xに延びている。
【0033】
p側電極40は、p側層13の上面13aの上方に配置された絶縁膜20上に配置される。上面視において、p側電極40は、n側電極30と離れて配置される。
図4に示すように、例えば、絶縁膜20上のp側電極40とn側電極30との間には、光反射性部材200が配置される。
【0034】
n側電極30及びp側電極40の材料として、例えば、銀、アルミニウム、ニッケル、ロジウム、金、銅、チタン、プラチナ、パラジウム、モリブデン、クロム、タングステン、またはそれらの金属を主成分とする合金を好適に用いることができる。n側電極30の材料とp側電極40の材料とは、同じとしてもよいし、異なっていてもよい。また、n側電極30及びp側電極40は、上記の金属材料の単層としてもよいし、複数の金属層を有する積層構造としてもよい。
【0035】
<光反射性電極>
発光素子100は、光反射性電極50をさらに有することができる。
図4に示すように、光反射性電極50は、p側層13の上面13aとp側電極40との間に配置され、p側層13及びp側電極40と電気的に接続されている。また、光反射性電極50は、p側電極40から供給される電流を、p側層13の面方向(XY面に平行な方向)に拡散させる機能を有する。
【0036】
p側層13の上面13aの上方に配置された絶縁膜20は、光反射性電極50の上面、光反射性電極50の側面、及びp側層13の上面13aを覆っている。
【0037】
光反射性電極50は、例えば、活性層12が発する光に対して高い反射性を有する。ここで、光反射性電極50が高い反射性を有するとは、活性層12が発する光の発光ピーク波長に対して、50%以上、好ましくは60%以上の反射率を有することである。光反射性電極50は、例えば、銀またはアルミニウムを含む金属層を用いることができる。
【0038】
光反射性電極50は、n側露出面11aを露出させる第4開口部51を有する。
図5において、第4開口部51の外縁51oを、円形状の破線で表す。なお、平面視において、第4開口部51の外縁51oは、円形状に限らず、多角形状であってもよい。
【0039】
平面視において、光反射性電極50の第4開口部51の外縁51oの内側に、n側露出面11a、及び絶縁膜20の第1開口部21が位置する。
【0040】
<外部接続電極>
発光素子100は、p側外部接続電極91及びn側外部接続電極92をさらに有することができる。
図4に示すように、p側外部接続電極91は、p側電極40上に配置されている。p側外部接続電極91は、p側電極40を介して、p側層13と電気的に接続される。
図3に示すように、複数のp側外部接続電極91が、p側電極40が延びる方向(第1方向X)に並んで配置されている。
【0041】
n側外部接続電極92は、第1部分31上に配置されている。n側外部接続電極92は、n側電極30を介して、n側層11と電気的に接続されている。
図3に示す平面視において、発光素子100は、第1方向Xに延びるp側電極40を挟んで第2方向Yに分かれた2つの領域を有する。発光素子100の2つの領域のうちの一方を第1領域A1、他方を第2領域A2とする。第1領域A1及び第2領域A2のそれぞれに、複数のn側外部接続電極92が配置されている。n側電極30の第1部分31は、第1領域A1及び第2領域A2に配置されている。
図3に示すように、複数のn側外部接続電極92を第1部分31に配置することで、配線基板300とn側外部接続電極92との接触面積を大きくできるので放熱性を向上することができる。また、第1領域A1及び第2領域A2のそれぞれに、複数のn側露出面11aが配置されている。
【0042】
p側外部接続電極91及びn側外部接続電極92の材料として、例えば、銅、金、ニッケルを用いることができる。p側外部接続電極91及びn側外部接続電極92は、上記の金属材料の単層としてもよいし、複数の金属層を有する積層構造としてもよい。
【0043】
[光反射性部材]
光反射性部材200は、n側電極30の第3開口部33において絶縁膜20と接している。光反射性部材200は、発光素子100の周囲に配置されている。光反射性部材200は、少なくとも、発光素子100の側面及び下面を覆っている。
図2において、光反射性部材200は、配線基板300上に配置されている。また、光反射性部材200は、配線基板300と発光素子100との間に配置されている。光反射性部材200は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
【0044】
光反射性部材200は、活性層12が発する光に対して高い反射性を有する。ここで、光反射性部材200が高い反射性を有するとは、活性層12が発する光の発光ピーク波長に対して、60%以上、好ましくは70%以上の反射率を有することである。活性層12が発する光に対する光反射性部材200の吸収率は、活性層12が発する光に対するn側電極30の吸収率よりも低い。
【0045】
光反射性部材200は、母材の樹脂と、樹脂中に含まれる光反射性物質の粒子とを含む。光反射性部材200の樹脂としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂の1種以上を含む樹脂が挙げられる。光反射性部材200の光反射性物質としては、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。光反射性物質の平均粒子径は、例えば0.05μm以上30μm以下が挙げられる。
【0046】
光反射性部材200は、絶縁膜20、n側電極30、p側電極40、p側外部接続電極91の側面、及びn側外部接続電極92の側面を覆っている。p側外部接続電極91におけるp側電極40と接続する面の反対側の面91a、及びn側外部接続電極92におけるn側電極30と接続する面の反対側の面92aは、光反射性部材200から露出している。
【0047】
[配線基板]
発光素子100は、配線基板300上に配置される。配線基板300は、絶縁基材301と、絶縁基材301上に配置された導電部材302と、を有する。導電部材302は、絶縁基材301の内部に位置する貫通孔内に配置された導電部を介して、後述する外部端子600と電気的に接続されている。
図2に示すように、発光素子100におけるp側外部接続電極91の面91a、及びn側外部接続電極92の面92aを含む面が、配線基板300に対向する実装面となる。p側外部接続電極91の面91a、及びn側外部接続電極92の面92aが、例えば、はんだ等の接合部材を介して、導電部材302と接合される。発光素子100が配線基板300上に配置された状態において、半導体構造体10の光取り出し面10bは、発光素子100の配線基板300に実装される面の反対側に位置している。なお、p側外部接続電極91及びn側外部接続電極92は、配線基板300上に配置されていてもよい。この場合、p側外部接続電極91及びn側外部接続電極92を備える配線基板300と、発光素子100のn側電極30、p側電極40と、が接合される。
【0048】
絶縁基材301の材料として、例えば、窒化アルミニウムを用いることができる。また、導電部材302の材料は、n側外部接続電極92及びp側外部接続電極91と同様の材料を用いることができる。
【0049】
[外部端子]
配線基板300は、外部端子600を有していてよい。
図2に示すように、外部端子600は、配線基板300における発光素子100が配置された面の反対側の面に配置されている。発光素子100のp側外部接続電極91及びn側外部接続電極92は、配線基板300の導電部材302、貫通孔内に位置する導電部を介して、外部端子600と電気的に接続されている。外部端子600、配線基板300の導電部材302、p側外部接続電極91、及びn側外部接続電極92を介して、外部回路から発光素子100に電力が供給される。外部端子600の材料は、n側外部接続電極92及びp側外部接続電極91と同様の材料を用いることができる。
【0050】
活性層12が発する光は、主に光取り出し面10bを介して、発光装置1の外部に取り出される。活性層12から光取り出し面10bに直接向かわない光は、光反射性部材200で主に反射させて光取り出し面10bに向かわせることができる。
【0051】
図4に示すように、半導体構造体10のn側露出面11aに接続する側面10aにおいて、n側電極30は、第2部分32と第3開口部33とを有する。第2部分32は、n側露出面11aと第1部分31とを電気的に接続する。また、第3開口部33において、絶縁膜20は、光反射性部材200と接している。これにより、第2部分32によってn側露出面11aと第1部分31との電気的接続を確保しつつ、第3開口部33においてはn側電極30による光吸収を低減し、n側電極30よりも光吸収の少ない光反射性部材200によって反射率を高めることができる。この結果、光取り出し面10bからの光取り出し効率を向上させることができる。また、p側層13の上面13a上に光反射性電極50を配置した場合には、光反射性電極50による反射によって、光取り出し面10bからの光取り出し効率を向上させることができる。
【0052】
図5に示すように、平面視において、第3開口部33の外縁33oの一部(第2部分32に隣接する部分)は、n側露出面11aの外縁11oより内側に位置することが好ましい。これにより、n側露出面11aにおけるn側層11とn側電極30との接触面積を確保することができる。
【0053】
図5に示すように、平面視において、第3開口部33の外縁33oの一部(第2部分32に隣接しない部分)は、光反射性電極50の第4開口部51の外縁51oよりも外側に位置することが好ましい。これにより、第3開口部33の外縁33oの一部が、光反射性電極50の第4開口部51の外縁51oよりも内側に位置する場合に比べて、半導体構造体10の側面10aにおけるn側電極30による光吸収を低減できる。また、平面視において、第3開口部33の外縁33oと光反射性電極50の第4開口部51の外縁51oとが重なる部分を低減でき、検査工程において第3開口部33と第4開口部51との区別が容易になる。
【0054】
図3に示すように、複数の第3開口部33は、平面視において、互いに離隔している。また、第2部分32はそれぞれのn側露出面11aに接続されている。それぞれのn側露出面11aに接続されるそれぞれの第2部分32は、第1領域A1及び第2領域A2に配置された第1部分31と接続している。
【0055】
平面視において、複数のn側露出面11aのうちの少なくとも1つについて、n側露出面11aと接続された第2部分32は、第2方向Yにおいて第3開口部33とp側電極40との間に位置している。第1領域A1に配置された第2部分32は、平面視においてn側露出面11aの中心からp側電極40に向かってY軸のマイナス方向に延びている。第2領域A2に配置された第2部分32は、平面視においてn側露出面11aの中心からp側電極40に向かってY軸のプラス方向に延びている。平面視において、第2部分32は、n側露出面11aの中心と、p側電極40とを最短距離で結ぶ仮想直線を含む領域に位置する。これにより、p側電極40とn側露出面11aとの間の経路における電流損失を低減し、発光装置1の順方向電圧を低減できる。
【0056】
図6及び
図7は、
図5と同様の部分の他の例を示す模式平面図である。
図6及び
図7に示す例では、n側電極30は、1つのn側露出面11aに平面視において隣り合う半導体構造体10の側面10aの上方に位置する複数の第3開口部33を有している。
【0057】
図6に示す例では、平面視において、2つの第3開口部33が、第1方向Xにおいて1つのn側露出面11aの中心を挟んで離れて位置する。平面視において、第2部分32は、第1方向Xにおいて隣り合う2つの第3開口部33の間に位置している。第2部分32は第2方向Yの両端側の2箇所において第1部分31と接続されている。これにより、1つのn側露出面11aにおいて、第1部分31と第2部分32とが接続されている箇所が1つである場合と比べて、第2部分32への電流集中を低減することができる。
図6において、第3開口部33の外縁33oは、第2方向Yに延びる略楕円形状を有している。
【0058】
また、
図7に示すように、平面視において、第1方向X及び第2方向Yにおいて互いに離隔する4つの第3開口部33が、1つのn側露出面11aの中心に対して点対称の位置に位置している。平面視において、第2部分32は、4つの第3開口部33のうち、第1方向Xにおいて隣り合う2つの第3開口部33の間、及び第2方向Yにおいて隣り合う2つの第3開口部33の間に位置している。この場合、1つのn側露出面11aにおいて、第1部分31と第2部分32とが接続されている箇所は、4つである。これにより、第2部分32への電流集中を低減することができる。上面視において、第3開口部33は、扇形の形状を有している。なお、4つの第3開口部33の外縁33oの形状は、同一でもよいし、異なっていてもよい。また、第3開口部33は、n側露出面11aの外縁11oより外側に位置している。これにより、n側層11とn側電極30との接触面積を確保することができる。
【0059】
n側電極30は、1つのn側露出面11aに平面視において隣り合う半導体構造体10の側面10aの上方に位置する3つ又は5以上の第3開口部33を有していてもよい。
【0060】
図8は、実施形態の発光素子100の他の例を示す模式平面図である。
【0061】
p側電極40を第2方向Yにおいて挟んで位置する第1領域A1と第2領域A2のそれぞれにおいて、n側層11は、第2方向Yにおいて隣り合う第1n側露出面11a1と第2n側露出面11a2とを含む複数のn側露出面11aを有する。第2n側露出面11a2は、第2方向Yにおいて第1n側露出面11a1よりもp側電極40に近い位置にある。
【0062】
n側電極30は、第2n側露出面11a2に隣り合う半導体構造体10の側面10aの上方に位置し、第1方向Xにおいて離隔した第3A開口33A及び第3B開口33Bを含む複数の第3開口部33を有する。第3A開口33Aと第3B開口33Bは、第1方向Xにおいて第2n側露出面11a2の中心を挟んで位置する。すなわち、1つの第2n側露出面11a2に隣り合う半導体構造体10の側面10aの上方に、前述した
図6に示す2つの第3開口部33が位置している。第2n側露出面11a2に接続されるn側電極30の第2部分32は、平面視において、第3A開口33Aと第3B開口33Bとの間に位置している。第2部分32は、第2方向Yにおける2箇所の端部において第1部分31と接続されている。第1n側露出面11a1に接続される第2部分32は、平面視において、第2n側露出面11a2と、第1n側露出面11a1に隣り合う半導体構造体10の側面10aの上方に位置する第3開口部33との間に位置している。
【0063】
図8において、p側電極40に近い位置にある第2n側露出面11a2に接続される第2部分32は、第2方向Yにおける2箇所の端部において第1部分31と接続されている。また、第2方向Yにおいて、第2n側露出面11a2よりもp側電極40から遠い位置にある第1n側露出面11a1に接続される第2部分32は、第2方向Yにおいてp側電極40に近い側で第1部分31と接続されている。これにより、p側電極40と第1n側露出面11a1との間の経路における電流損失を低減し、発光装置1の順方向電圧を低減できる。
【0064】
図8では、第3A開口33Aと第3B開口33Bとは、
図6に示す2つの第3開口部33と同様の形状を有している。
図8では、1つの第1n側露出面11a1に隣り合う半導体構造体10の側面10aの上方に位置する1つの第3開口部33は、
図5に示す第3開口部33と同様の形状を有している。
【0065】
[透光性部材]
発光装置1は、発光素子100の発光面100aの上方に透光性部材400を配置していてよい。発光素子100の発光面100aは、半導体構造体10の光取り出し面10b側の面であり、発光素子100が基板80を含む場合には、基板80における半導体構造体10が配置された面の反対側に位置する面である。
図1に示すように、透光性部材400の上面400aは、光反射性部材200から露出する。発光装置1において、活性層12の発する光は、主に、透光性部材400の上面400aから外部に取り出される。
図2に示すように、透光性部材400の側面は、光反射性部材200によって覆われている。
【0066】
透光性部材400として、例えば、透光性樹脂、ガラス、セラミックス等を用いることできる。透光性樹脂の材料としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂の1種以上を含む樹脂を用いることができる。
【0067】
また、透光性部材400は、入射された光の少なくとも一部を波長変換可能な蛍光体を含むことができる。蛍光体として、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(PO4)6Cl2:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr4Al14O25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)3Si6N11:Ce)、BSESN系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)2Si5N8:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl3N4:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2(Si1-xAlx)F6-x:Mn ここで、xは、0<x<1を満たす。)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する量子ドット(例えば、(Cs,FA,MA)(Pb,Sn)(F,Cl,Br,I)3 ここで、FAとMAは、それぞれホルムアミジニウムとメチルアンモニウムを表す。)、II-VI族量子ドット(例えば、CdSe)、III-V族量子ドット(例えば、InP)、又はカルコパイライト構造を有する量子ドット(例えば、(Ag,Cu)(In,Ga)(S,Se)2)等を用いることができる。透光性部材400は、単一種の蛍光体を含んでいてもよいし、複数の種類の蛍光体を含んでいてもよい。
【0068】
蛍光体を含有する透光性部材400としては、透光性樹脂、ガラス、セラミックス等の成形体である透光層の表面に蛍光体を含有する樹脂層等の蛍光体含有層を配置させたものでもよい。また、蛍光体の焼結体や、透光性樹脂、ガラス、セラミックス等に蛍光体粉末を含有させたものでもよい。蛍光体を含有する透光性部材400は、例えば、蛍光体と酸化アルミニウム等の透光性材料とを焼結させたものを用いてもよい。透光性材料を用いずに蛍光体の粉末を焼結させることにより形成される実質的に蛍光体のみかなるものを用いてもよい。蛍光体を含有する透光性部材400は、イットリウム・アルミニウム・ガーネットの焼結体であることが好ましい。
【0069】
[接着部材]
透光性部材400は、接着部材500によって、発光素子100に接合することができる。接着部材500として、透光性部材400に用いられる樹脂と同様の樹脂を用いることができる。なお、透光性部材400は、発光素子100と直接接合していてもよい。
図2に示すように、接着部材500は、光反射性部材200によって覆われている。
【0070】
発光装置1が接着部材500を備える場合、光反射性部材200は接着部材500を覆う。なお、透光性部材400の側面は、発光素子100の側面を覆う光反射性部材200とは別の被覆部材によって覆われてもよい。
【0071】
本発明の実施形態は、以下の発光装置を含む。
【0072】
[項1]
発光素子と、光反射性部材とを備え、
前記発光素子は、
n側層と、p側層と、前記n側層と前記p側層との間に位置する活性層とを有する半導体構造体であって、平面視において前記n側層は前記活性層及び前記p側層から露出するn側露出面を有し、前記半導体構造体は、前記n側露出面と前記p側層の上面とを接続する側面を有する前記半導体構造体と、
前記半導体構造体の前記側面を少なくとも覆い、前記n側露出面を露出させる第1開口部と、前記p側層の前記上面の上方に位置する第2開口部と、を有する絶縁膜と、
前記p側層の前記上面の上方に前記絶縁膜を介して位置する第1部分と、前記第1開口部において前記n側露出面と電気的に接続されると共に、前記半導体構造体の前記側面を覆う前記絶縁膜に配置され前記第1部分と電気的に接続された第2部分と、前記半導体構造体の前記側面を覆う前記絶縁膜を露出させる第3開口部と、を有するn側電極と、
前記第2開口部において前記p側層と電気的に接続されたp側電極と、
を有し、
前記光反射性部材は、前記第3開口部において前記絶縁膜と接している発光装置。
[項2]
前記p側層の前記上面と、前記p側電極との間に配置され、前記p側層及び前記p側電極と電気的に接続された光反射性電極をさらに備える上記項1に記載の発光装置。
[項3]
前記光反射性電極は、前記n側露出面を露出させる第4開口部を有し、
平面視において、前記第3開口部の外縁の一部は、前記第4開口部の外縁よりも外側に位置する上記項2に記載の発光装置。
[項4]
平面視において、前記第2部分は、前記第3開口部と、前記p側電極と、の間に位置している上記項1~3のいずれか1つに記載の発光装置。
[項5]
前記n側層は、複数の前記n側露出面を有し、
前記n側電極は、1つの前記n側露出面に平面視において隣り合う前記半導体構造体の前記側面の上方に位置する複数の前記第3開口部を有している上記項1~4のいずれか1つに記載の発光装置。
[項6]
前記p側電極は、平面視において第1方向に延びて配置され、
平面視において、前記第2部分は、前記複数の前記第3開口部のうち、前記第1方向において隣り合う2つの前記第3開口部間に位置している上記項5に記載の発光装置。
[項7]
平面視において、前記第2部分は、前記複数の前記第3開口部のうち、前記第1方向に直交する第2方向において隣り合う2つの前記第3開口部間に位置している上記項6に記載の発光装置。
[項8]
前記p側電極は、平面視において第1方向に延びて配置され、
前記n側層は、前記第1方向に直交する第2方向において隣り合う第1n側露出面と第2n側露出面とを含む複数の前記n側露出面を有し、
前記第2n側露出面は、前記第2方向において前記第1n側露出面よりも前記p側電極に近い位置にあり、
前記n側電極は、前記第2n側露出面に隣り合う前記半導体構造体の前記側面の上方に位置し、前記第1方向において離隔した第3A開口及び第3B開口を含む複数の前記第3開口部を有し、
前記第2n側露出面に接続される前記第2部分は、平面視において、前記第3A開口と前記第3B開口と、の間に位置しており、
前記第1n側露出面に接続される前記第2部分は、平面視において、前記第2n側露出面と、前記第1n側露出面に隣り合う前記半導体構造体の前記側面の上方に位置する前記第3開口部と、の間に位置している上記項1~3のいずれか1つに記載の発光装置。
【0073】
以上、具体例を参照しつつ、本開示の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。本開示の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0074】
1…発光装置、10…半導体構造体、10a…側面、10b…光取り出し面、11…n側層、11a…n側露出面、11a1…第1n側露出面、11a2…第2n側露出面、12…活性層、13…p側層、20…絶縁膜、21…第1開口部、22…第2開口部、30…n側電極、31…第1部分、32…第2部分、33…第3開口部、33A…第3A開口、33B…第3B開口、40…p側電極、50…光反射性電極、51…第4開口部、80…基板、91…p側外部接続電極、92…n側外部接続電極、100…発光素子、200…光反射性部材、300…配線基板、400…透光性部材、500…接着部材、600…外部端子