(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049917
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】二次冷媒冷凍システム及び二次冷媒の圧力調整方法
(51)【国際特許分類】
F25B 7/00 20060101AFI20240403BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
F25B7/00 D
F25B1/00 399Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156433
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 毅
(57)【要約】
【課題】負荷側二次冷媒回路における負荷側蒸発器の圧力を調節する。
【解決手段】本開示の少なくとも一実施形態に係る二次冷媒冷凍システムは、一次冷媒が循環し、一次冷媒圧縮機、一次冷媒凝縮器、及び一次冷媒蒸発器が配置された一次冷媒回路と、負荷側蒸発器を含み、負荷側蒸発器及び一次冷媒蒸発器に負荷側二次冷媒を循環させる負荷側二次冷媒回路と、凝縮側凝縮器を含み、凝縮側凝縮器及び一次冷媒凝縮器に負荷側二次冷媒と同じ冷媒である凝縮側二次冷媒を循環させる凝縮側二次冷媒回路と、負荷側二次冷媒回路の気相部と凝縮側二次冷媒回路の気相部とを接続する気相部接続流路と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次冷媒が循環し、一次冷媒圧縮機、一次冷媒凝縮器、及び一次冷媒蒸発器が配置された一次冷媒回路と、
負荷側蒸発器を含み、前記負荷側蒸発器及び前記一次冷媒蒸発器に負荷側二次冷媒を循環させる負荷側二次冷媒回路と、
凝縮側凝縮器を含み、前記凝縮側凝縮器及び前記一次冷媒凝縮器に前記負荷側二次冷媒と同じ冷媒である凝縮側二次冷媒を循環させる凝縮側二次冷媒回路と、
前記負荷側二次冷媒回路の気相部と前記凝縮側二次冷媒回路の気相部とを接続する気相部接続流路と、
を備える二次冷媒冷凍システム。
【請求項2】
前記負荷側蒸発器の入口に接続された入口側冷媒流路を閉止可能な入口側閉止弁と、
前記負荷側蒸発器の出口に接続された出口側冷媒流路を閉止可能な出口側閉止弁と、
を備える、
請求項1に記載の二次冷媒冷凍システム。
【請求項3】
前記負荷側二次冷媒回路における前記気相部接続流路の接続位置は、前記入口側閉止弁よりも下流、且つ、前記出口側閉止弁よりも上流である、
請求項2に記載の二次冷媒冷凍システム。
【請求項4】
前記気相部接続流路を閉止可能な接続流路閉止弁、
を備える、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の二次冷媒冷凍システム。
【請求項5】
前記負荷側二次冷媒回路の液相部と前記凝縮側二次冷媒回路の液相部とを接続する液相部接続流路、
を備える、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の二次冷媒冷凍システム。
【請求項6】
前記負荷側二次冷媒回路に設けられた負荷側二次冷媒タンクと、
前記凝縮側二次冷媒回路に設けられた凝縮側二次冷媒タンクと、
前記液相部接続流路の途中に設けられた中間冷媒タンクと、
を備え、
前記負荷側二次冷媒タンクの高さ位置は、前記中間冷媒タンクの高さ位置よりも高く、
前記凝縮側二次冷媒タンクの高さ位置は、前記中間冷媒タンクの高さ位置よりも低い、
請求項5に記載の二次冷媒冷凍システム。
【請求項7】
前記負荷側蒸発器は、空気を冷却するためのエアクーラーである、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の二次冷媒冷凍システム。
【請求項8】
二次冷媒冷凍システムにおける、二次冷媒の圧力調整方法であって、
前記二次冷媒冷凍システムは、
一次冷媒が循環し、一次冷媒圧縮機、一次冷媒凝縮器、及び一次冷媒蒸発器が配置された一次冷媒回路と、
負荷側蒸発器を含み、前記負荷側蒸発器及び前記一次冷媒蒸発器に負荷側二次冷媒を循環させる負荷側二次冷媒回路と、
凝縮側凝縮器を含み、前記凝縮側凝縮器及び前記一次冷媒凝縮器に前記負荷側二次冷媒と同じ冷媒である凝縮側二次冷媒を循環させる凝縮側二次冷媒回路と、
前記負荷側二次冷媒回路の気相部と前記凝縮側二次冷媒回路の気相部とを接続する気相部接続流路と、
を備え、
前記負荷側二次冷媒回路、又は、前記凝縮側二次冷媒回路の何れか一方の二次冷媒回路の二次冷媒を何れか他方の二次冷媒回路へ前記気相部接続流路を介して供給することで、前記負荷側蒸発器の圧力を調節する、
二次冷媒の圧力調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、二次冷媒冷凍システム及び二次冷媒の圧力調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸発器を含み一次冷媒が循環する一次冷媒回路と、該蒸発器で一次冷媒によって冷却された二次冷媒を冷却負荷に供給するための二次冷媒回路と、を備える二次冷媒冷凍システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1に記載の二次冷媒冷凍システムのように二次冷媒の潜熱を主として冷却に利用する蒸発器内において、二次冷媒の圧力を制御することが望まれている。例えば該蒸発器においてデフロストを行うために、該蒸発器における二次冷媒の圧力を上昇させて0℃以上の温度で二次冷媒を該蒸発器内で凝縮させることが考えられる。
また、意図しない冷却負荷の増大などによって該蒸発器における二次冷媒の圧力が上昇した場合には、該蒸発器における二次冷媒の圧力を下げることが求められる。
【0005】
本開示の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みて、負荷側二次冷媒回路における負荷側蒸発器の圧力を調節することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る二次冷媒冷凍システムは、
一次冷媒が循環し、一次冷媒圧縮機、一次冷媒凝縮器、及び一次冷媒蒸発器が配置された一次冷媒回路と、
負荷側蒸発器を含み、前記負荷側蒸発器及び前記一次冷媒蒸発器に負荷側二次冷媒を循環させる負荷側二次冷媒回路と、
凝縮側凝縮器を含み、前記凝縮側凝縮器及び前記一次冷媒凝縮器に前記負荷側二次冷媒と同じ冷媒である凝縮側二次冷媒を循環させる凝縮側二次冷媒回路と、
前記負荷側二次冷媒回路の気相部と前記凝縮側二次冷媒回路の気相部とを接続する気相部接続流路と、
を備える。
【0007】
(2)本開示の少なくとも一実施形態に係る二次冷媒の圧力調整方法は、
二次冷媒冷凍システムにおける、二次冷媒の圧力調整方法であって、
前記二次冷媒冷凍システムは、
一次冷媒が循環し、一次冷媒圧縮機、一次冷媒凝縮器、及び一次冷媒蒸発器が配置された一次冷媒回路と、
負荷側蒸発器を含み、前記負荷側蒸発器及び前記一次冷媒蒸発器に負荷側二次冷媒を循環させる負荷側二次冷媒回路と、
凝縮側凝縮器を含み、前記凝縮側凝縮器及び前記一次冷媒凝縮器に前記負荷側二次冷媒と同じ冷媒である凝縮側二次冷媒を循環させる凝縮側二次冷媒回路と、
前記負荷側二次冷媒回路の気相部と前記凝縮側二次冷媒回路の気相部とを接続する気相部接続流路と、
を備え、
前記負荷側二次冷媒回路、又は、前記凝縮側二次冷媒回路の何れか一方の二次冷媒回路の二次冷媒を何れか他方の二次冷媒回路へ前記気相部接続流路を介して供給することで、前記負荷側蒸発器の圧力を調節する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、負荷側二次冷媒回路における負荷側蒸発器の圧力を調節できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システムの系統図である。
【
図2】中間冷媒タンクを利用した二次冷媒液の移送について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0011】
図1は、幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システムの系統図である。幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1は、一次冷媒回路10と、負荷側二次冷媒回路30と、凝縮側二次冷媒回路50とを備えている。
【0012】
(一次冷媒回路10)
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、一次冷媒回路10は、一次冷媒圧縮機11、一次冷媒凝縮器13、膨張弁15、及び一次冷媒蒸発器17が配置され、一次冷媒が循環する、冷凍サイクルを構成する冷媒回路である。一次冷媒回路10では、一次冷媒圧縮機11で圧縮された一次冷媒は、一次冷媒回路10の凝縮器として機能する一次冷媒凝縮器13に送られる。一次冷媒凝縮器13において一次冷媒は、凝縮側二次冷媒回路50の凝縮側二次冷媒で冷却されて凝縮する。凝縮した一次冷媒液は、膨張弁15を経て減圧され、一次冷媒回路10の蒸発器として機能する一次冷媒蒸発器17に送られる。一次冷媒蒸発器17において一次冷媒液は、負荷側二次冷媒回路30の負荷側二次冷媒から吸熱して気化する。気化した一次冷媒は、一次冷媒圧縮機11で再度圧縮される。
【0013】
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、一次冷媒に任意の成分の冷媒を使用できる。
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、一次冷媒回路10は、例えば冷凍機3内に配置されている。
【0014】
(負荷側二次冷媒回路30)
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、負荷側二次冷媒回路30は、負荷側二次冷媒タンク31と、冷媒ポンプ33と、負荷側蒸発器35とが配置され、負荷側二次冷媒が循環し、負荷側蒸発器35において潜熱熱交換を行う冷媒回路である。負荷側二次冷媒回路30では、負荷側二次冷媒タンク31からの負荷側二次冷媒液は、冷媒ポンプ33によって負荷側二次冷媒回路30の蒸発器として機能する負荷側蒸発器35に送られる。なお、
図1に示す二次冷媒冷凍システム1では、負荷側二次冷媒回路30において並列に配置された負荷側蒸発器35の数は3基であるが、2基以下であってもよく、4基以上であってもよい。
説明の便宜上、3つの負荷側蒸発器35は、一つが第1負荷側蒸発器35A、他の一つが第2負荷側蒸発器35B、さらに他の一つが第3負荷側蒸発器35Cであるものとする。
【0015】
負荷側蒸発器35において負荷側二次冷媒液は、冷却対象物との潜熱熱交換によって少なくとも一部が気化し、気液混合状態となって負荷側蒸発器35から流出する。
図1に示す二次冷媒冷凍システム1では、負荷側蒸発器35が例えば冷凍倉庫内の空気を冷却するための物である場合、負荷側蒸発器35は、エアクーラーである。
気液混合状態となって負荷側蒸発器35から流出した負荷側二次冷媒は、負荷側二次冷媒タンク31に送られる。負荷側二次冷媒タンク31内で負荷側二次冷媒は気液分離し、気相の負荷側二次冷媒は一次冷媒蒸発器17において一次冷媒回路10の一次冷媒で冷却されて液化し負荷側二次冷媒タンク31に戻る。液化した負荷側二次冷媒は、冷媒ポンプ33によって負荷側蒸発器35に送られる。
なお、本発明における負荷側二次冷媒回路30には、負荷側二次冷媒タンク31から負荷側二次冷媒液を冷媒ポンプ33によって負荷側蒸発器35に送り、一部が気化し気液混合状態となって負荷側二次冷媒タンク31に戻るラインと、負荷側二次冷媒タンク31から気相の負荷側二次冷媒を一次冷媒回路10の一次冷媒で冷却されて液化し、負荷側二次冷媒タンク31に戻るラインとを含むものとする。
【0016】
幾つかの実施形態に係る負荷側二次冷媒回路30では、負荷側二次冷媒タンク31には負荷側二次冷媒タンク31内の負荷側二次冷媒の液面高さを検出するためのレベルセンサ61が設けられている。また、幾つかの実施形態に係る負荷側二次冷媒回路30では、各々の負荷側蒸発器35において、負荷側蒸発器35の入口に接続された入口側冷媒流路37iを閉止可能な入口側閉止弁71と、負荷側蒸発器35の出口に接続された出口側冷媒流路37oを閉止可能な出口側閉止弁72とが設けられている。
負荷側二次冷媒回路30の通常の運転動作時には、各入口側閉止弁71、及び、各出口側閉止弁72は、それぞれ開いている。
【0017】
幾つかの実施形態に係る負荷側二次冷媒回路30には、各出口側閉止弁72よりも下流側、且つ、負荷側二次冷媒タンク31よりも上流側の冷媒流路38において負荷側二次冷媒の圧力を検出するための圧力センサ62が設けられている。
【0018】
(凝縮側二次冷媒回路50)
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、凝縮側二次冷媒回路50は、凝縮側二次冷媒タンク51と、冷媒ポンプ53と、凝縮側凝縮器55とが配置され、凝縮側二次冷媒が循環し、凝縮側凝縮器55において潜熱熱交換を行う冷媒回路である。凝縮側二次冷媒回路50では、凝縮側二次冷媒タンク51からの凝縮側二次冷媒液は、冷媒ポンプ53によって一次冷媒凝縮器13に送られる。一次冷媒凝縮器13において凝縮側二次冷媒液は、一次冷媒回路10の一次冷媒から吸熱して気化する。気化した凝縮側二次冷媒は、凝縮側凝縮器55に送られる。凝縮側凝縮器55において凝縮側二次冷媒は、冷却ファン57で送風された外気で冷却されて液化する。液化した凝縮側二次冷媒は、凝縮側二次冷媒タンク51に戻る。
【0019】
幾つかの実施形態に係る凝縮側二次冷媒回路50では、凝縮側二次冷媒タンク51には凝縮側二次冷媒タンク51内の凝縮側二次冷媒の液面高さを検出するためのレベルセンサ63が設けられている。
【0020】
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、負荷側二次冷媒と凝縮側二次冷媒とは、同じ冷媒である。すなわち、負荷側二次冷媒の成分は、凝縮側二次冷媒の成分と同じである。例えば負荷側二次冷媒がCO2冷媒であれば、凝縮側二次冷媒はCO2冷媒であり、例えば負荷側二次冷媒がNH3冷媒であれば、凝縮側二次冷媒はNH3冷媒であり、例えば負荷側二次冷媒がR134aであれば、凝縮側二次冷媒はR134aである。
なお、以下の説明では、負荷側二次冷媒及び凝縮側二次冷媒について、負荷側二次冷媒と凝縮側二次冷媒とを特に区別する必要がない場合には、単に二次冷媒とも称する。
【0021】
(気相部接続流路81)
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1には、負荷側二次冷媒回路30の気液混合状態を含む気相部32(以下、単に「気相部32」ともいう。)と凝縮側二次冷媒回路50の気相部52とを接続する気相部接続流路81が設けられている。
気相部接続流路81は、負荷側二次冷媒回路30に対しては、例えば各々の負荷側蒸発器35に対して、第1開閉弁73を介して負荷側蒸発器35の出口と出口側閉止弁72との間の出口側冷媒流路37oに接続されている。
気相部接続流路81は、負荷側二次冷媒回路30に対しては、第2開閉弁74を介して各出口側閉止弁72よりも下流側、且つ、負荷側二次冷媒タンク31よりも上流側の冷媒流路38に接続されていることが好ましいが、負荷側二次冷媒回路30の気相部39、すなわち負荷側二次冷媒タンク31の気相部と一次冷媒蒸発器17とを接続する冷媒流路40に接続されていてもよい。
気相部接続流路81は、凝縮側二次冷媒回路50に対しては、例えば一次冷媒凝縮器13よりも下流側、且つ、凝縮側凝縮器55よりも上流側の冷媒流路56に接続されている。
負荷側二次冷媒回路30の通常の運転動作時には、各第1開閉弁73、及び、第2開閉弁74は、それぞれ閉じている。
気相部接続流路81が果たす機能については、後で詳述する。
【0022】
(液相部接続流路83)
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1には、負荷側二次冷媒回路30の液相部34と凝縮側二次冷媒回路50の液相部54とを接続する液相部接続流路83が設けられている。
図1に示す二次冷媒冷凍システム1では、液相部接続流路83は、例えば第1液相部接続流路83Aと、第2液相部接続流路83Bとを含む。
第1液相部接続流路83A、及び第2液相部接続流路83Bは、負荷側二次冷媒回路30に対しては、負荷側二次冷媒タンク31に接続されている。
また、第1液相部接続流路83A、及び第2液相部接続流路83Bは、凝縮側二次冷媒回路50に対しては、凝縮側二次冷媒タンク51に接続されている。
第1液相部接続流路83Aには、負荷側二次冷媒タンク31から凝縮側二次冷媒タンク51に二次冷媒液を送液するための液戻しポンプ84と、第1ポンプバルブ75と、第2ポンプバルブ79とが設けられている。第1ポンプバルブ75は液戻しポンプ84の吐出側に設けられ、第2ポンプバルブ79は液戻しポンプ84の吸入側に設けられている。
第2液相部接続流路83Bには、凝縮側二次冷媒タンク51から負荷側二次冷媒タンク31に二次冷媒液を戻すための液戻りバルブ76が設けられている。
【0023】
また、
図1に示す二次冷媒冷凍システム1では、第1液相部接続流路83Aと第2液相部接続流路83Bとを接続する接続流路85と、液戻しポンプ84よりも下流側の第1液相部接続流路83Aと負荷側二次冷媒タンク31とを接続する吐出流路86とが設けられている。
接続流路85は、凝縮側二次冷媒タンク51と液戻りバルブ76との間の第2液相部接続流路83Bと、第2ポンプバルブ79と液戻しポンプ84との間の第1液相部接続流路83Aとを接続している。接続流路85には、接続バルブ77が設けられている。
【0024】
吐出流路86は、液戻しポンプ84と第1ポンプバルブ75との間の第1液相部接続流路83Aと、負荷側二次冷媒タンク31とを接続している。吐出流路86には、第3ポンプバルブ78が設けられている。
【0025】
二次冷媒冷凍システム1の通常の運転動作時には、第1ポンプバルブ75、第2ポンプバルブ79、第3ポンプバルブ78、接続バルブ77、及び液戻りバルブ76は、それぞれ閉じており、液戻しポンプ84は停止している。
【0026】
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1は、二次冷媒冷凍システム1の各部を制御するための制御装置90を備えている。制御装置90は、各種演算処理を実行するプロセッサ91と、プロセッサ91によって処理される各種データを非一時的または一時的に記憶するメモリ93とを備える。プロセッサ91は、CPU、GPU、MPU、DSP、これら以外の各種演算装置、又はこれらの組み合わせなどによって実現される。メモリ93は、ROM、RAM、フラッシュメモリ、またはこれらの組み合わせなどによって実現される。
以下の説明では、制御装置90の制御内容について、主に負荷側蒸発器35のデフロストを行う際の動作、及び、負荷側二次冷媒回路30における圧力上昇時の動作に関して説明する。なお、制御装置90の制御内容については、後で詳述する。
【0027】
(負荷側蒸発器35のデフロストについて)
負荷側蒸発器35が例えばエアクーラーである場合、負荷側蒸発器35の表面には霜が付着して熱交換効率が徐々に低下してしまう。そこで、定期的にデフロストを行う必要がある。幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、次のようにして凝縮側二次冷媒回路50の凝縮側二次冷媒を負荷側蒸発器35に導くことで負荷側蒸発器35のデフロストを行うことができる。以下、第1負荷側蒸発器35Aのデフロストを行う場合を例に挙げて説明する。
【0028】
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、第1負荷側蒸発器35Aのデフロストを行う場合、まず、第1負荷側蒸発器35Aの入口に接続された入口側冷媒流路37iに設けられた入口側閉止弁71を閉じて、第1負荷側蒸発器35A内に残存する負荷側二次冷媒液を蒸発させる。そして、第1負荷側蒸発器35Aの出口に接続された出口側冷媒流路37oに設けられた出口側閉止弁72を閉じる。
その後、第1開閉弁73を開き、気相部接続流路81を介して凝縮側二次冷媒ガスを第1負荷側蒸発器35Aに導く。
【0029】
負荷側二次冷媒回路30、及び、凝縮側二次冷媒回路50の通常運転時には、凝縮側二次冷媒回路50内の気相部52の圧力は、負荷側二次冷媒回路30内の気相部32の圧力よりも高い。そのため、第1開閉弁73を開くことで、気相部接続流路81を介して凝縮側二次冷媒ガスが第1負荷側蒸発器35Aに供給される。
そして、負荷側二次冷媒回路30内の気相部32の圧力よりも高い圧力の凝縮側二次冷媒ガスを第1負荷側蒸発器35A内で凝縮させることで、第1負荷側蒸発器35Aの内部で発生する凝縮熱でデフロストを行うことができる。
これにより、第1負荷側蒸発器35A内で凝縮側二次冷媒ガスが凝縮することで、比較的高い熱伝達係数を有する凝縮伝熱によって比較的短い時間でデフロストを行うことができる。また、比較的高い温度(30℃程度)の凝縮側二次冷媒ガスが第1負荷側蒸発器35A内に供給されることで凝縮側二次冷媒ガスの顕熱によって霜を融解することができるので、デフロストに要する時間の短縮化に寄与する。
また、幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、第1負荷側蒸発器35A内に導入した凝縮側二次冷媒ガスによってデフロストを行うようにしているので、第1負荷側蒸発器35Aの内部から第1負荷側蒸発器35Aの全体を比較的均一に加熱でき、デフロストの際の溶け残りが少なくなるので、デフロスト完了までの時間、すなわちデフロストに要する時間を短縮できる。
【0030】
その際、凝縮側二次冷媒ガスが第1負荷側蒸発器35Aに供給されることで凝縮側二次冷媒回路50内の気相部52の圧力が低下するため、凝縮側凝縮器55の負荷が下がり、冷却ファン57のファン動力が低下する。
このように、幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、第1負荷側蒸発器35Aを加熱するための顕熱と霜の融解熱とを冷却ファン57のファン動力削減という形で回収できる。
なお、第2負荷側蒸発器35Bや第3負荷側蒸発器35Cのデフロストを行う場合も、上述した第1負荷側蒸発器35Aのデフロストを行う場合と同様のバルブ操作を行えばよい。
【0031】
上述したように凝縮側二次冷媒回路50の凝縮側二次冷媒を負荷側蒸発器35に導くことで凝縮側二次冷媒と負荷側二次冷媒とが混合されるが、凝縮側二次冷媒の成分と負荷側二次冷媒の成分とは同じであるので問題はない。
【0032】
なお、負荷側蒸発器35のデフロストを行う際、上述したように入口側冷媒流路37iが入口側閉止弁71を閉じることから、負荷側蒸発器35内で凝縮した冷媒液が負荷側蒸発器35内に溜まってしまい、この液溜まりした部分の負荷側蒸発器35の表面のデフロストがし難くなるおそれがある。
そのため、負荷側蒸発器35には、デフロストの際に凝縮した冷媒液を貯留可能な貯留部が設けられているとよい。
【0033】
上述した負荷側蒸発器35のデフロストに際し、上述したバルブの開閉動作を手動で行ってもよく、自動で行うようにしてもよい。
上述した負荷側蒸発器35のデフロストに際し、上述したバルブの開閉動作を自動で行う場合には、制御装置90は、次のようにして各バルブの開閉を制御する。以下、第1負荷側蒸発器35Aのデフロストを行う場合を例に挙げて説明する。
【0034】
例えば、制御装置90は、第1負荷側蒸発器35Aのデフロストの開始を指示する信号が入力されると、第1負荷側蒸発器35Aの入口に接続された入口側冷媒流路37iに設けられた入口側閉止弁71を閉じるための制御信号を該入口側閉止弁71に出力する。これにより、該入口側閉止弁71が閉となる。
なお、第1負荷側蒸発器35Aのデフロストの開始を指示する信号は、例えば作業員の操作によって入力される信号、すなわち作業員がデフロストの開始を指示する操作を行うことで出力される信号であってもよい。または、第1負荷側蒸発器35Aのデフロストの開始を指示する信号は、例えば通常運転が一定の時間行われた後に自動的に出力される信号であってもよい。
【0035】
次いで制御装置90は、第1負荷側蒸発器35A内に残存する負荷側二次冷媒液の蒸発に必要な時間だけ待機した後、第1負荷側蒸発器35Aの出口に接続された出口側冷媒流路37oに設けられた出口側閉止弁72を閉じるための制御信号を該出口側閉止弁72に出力する。これにより、該出口側閉止弁72が閉となる。
【0036】
その後制御装置90は、第1開閉弁73を開くための制御信号を第1開閉弁73に出力する。これにより、第1開閉弁73が開かれて、気相部接続流路81を介して凝縮側二次冷媒ガスが第1負荷側蒸発器35Aに流入する。
【0037】
なお、デフロストが終了したか否かは、例えば、第1開閉弁73を閉じることで第1負荷側蒸発器35Aへの凝縮側二次冷媒ガスの供給を停止しても、第1負荷側蒸発器35A内の圧力が氷点に対応する圧力以下とならないことを確認することで判断可能である。
この場合、例えば制御装置90は、上述したように第1開閉弁73を開くための制御信号を第1開閉弁73に出力した後、例えばデフロストに要する時間としてあらかじめ設定された時間の経過後に第1開閉弁73を閉じる制御信号を出力する。
デフロストが終了していなければ、第1開閉弁73を閉じた後、第1負荷側蒸発器35A内の圧力は徐々に低下して、氷点に対応する圧力以下となる。また、デフロストが終了していれば、第1開閉弁73を閉じた後、第1負荷側蒸発器35A内の圧力は徐々に低下したとしても、氷点に対応する圧力以下とはならない。
すなわち、制御装置90は、第1開閉弁73を閉じる制御信号を出力した後、あらかじめ定められた待機時間の経過後、不図示の圧力センサによる第1負荷側蒸発器35A内の圧力の検出値が氷点に対応する圧力以下であれば、デフロストが終了していないと判断し、該検出値が氷点に対応する圧力を超えていれば、デフロストが終了したと判断するようにしてもよい。
【0038】
また、第1負荷側蒸発器35Aの表面の内、デフロスト時に最も加熱されにくい場所に温度センサを取り付けておき、この温度センサの検出値に基づいて、制御装置90がデフロストの終了を判断するようにしてもよい。すなわち、制御装置90は、上述したように第1開閉弁73を開くための制御信号を第1開閉弁73に出力した後、例えばデフロストに要する時間としてあらかじめ設定された時間の経過後に第1開閉弁73を閉じる制御信号を出力する。
デフロストが終了していなければ、第1開閉弁73を閉じた後、第1負荷側蒸発器35Aの表面の温度は徐々に低下して、氷点以下となる。また、デフロストが終了していれば、第1開閉弁73を閉じた後、第1負荷側蒸発器35Aの表面の温度は氷点以下とはならない。
すなわち、制御装置90は、第1開閉弁73を閉じる制御信号を出力した後、あらかじめ定められた待機時間の経過後、且つ、上記温度センサで検出した第1負荷側蒸発器35Aの表面の温度が氷点を超えていると判断すると、デフロストが終了したと判断するようにしてもよい。
【0039】
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、負荷側蒸発器35は、上述したように空気を冷却するためのエアクーラーであってもよい。これにより、負荷側蒸発器35を空気を冷却するためのエアクーラーとして利用できるとともに、エアクーラーの霜取りが容易となる。
【0040】
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、上述したように、負荷側蒸発器35におけるデフロストに際し、凝縮側二次冷媒ガスを負荷側蒸発器35に導いて負荷側蒸発器35の圧力を調節する(上昇させる)ことで、デフロストを実施できる。そして、凝縮側二次冷媒ガスを負荷側蒸発器35に導くことで、負荷側蒸発器35の内部からの加熱が可能であり、負荷側蒸発器35の表面の全体にわたって均一かつ比較的短時間でデフロストを実施できる。よって、幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、デフロストのための電気ヒーター等が不要である。
【0041】
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1における二次冷媒の圧力調整方法では、負荷側二次冷媒回路30、又は、凝縮側二次冷媒回路50の何れか一方の二次冷媒回路の二次冷媒を何れか他方の二次冷媒回路へ気相部接続流路81を介して供給することで、負荷側蒸発器35の圧力を調節する。これにより、負荷側蒸発器35の圧力を調節できる。
【0042】
(負荷側二次冷媒回路30の圧力上昇時)
意図しない冷却負荷の増大などによって負荷側二次冷媒回路30の圧力が過剰に上昇した場合には、負荷側二次冷媒回路30の圧力を下げることが求められる。従来の二次冷媒回路では、二次冷媒回路に設けられた安全弁から二次冷媒を大気へ放出することで二次冷媒回路の圧力を維持するようにしている。しかし、その後、意図しない冷却負荷の増大が解消される等した場合には、負荷側二次冷媒回路30の通常運転に際して二次冷媒回路における二次冷媒量が不足するおそれがある。
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、次のようにして負荷側二次冷媒回路30の負荷側二次冷媒ガスを凝縮側二次冷媒回路50に逃がすことで、負荷側二次冷媒回路30の圧力を維持するようにしている。
【0043】
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、制御装置90は、圧力センサ62で検出した負荷側二次冷媒の圧力があらかじめ設定された閾値を超えたと判断すると、第2開閉弁74を開くための制御信号を第2開閉弁74に出力する。これにより、第2開閉弁74が開かれて、気相部接続流路81を介して負荷側二次冷媒ガスが凝縮側二次冷媒回路50に流入する。よって、負荷側二次冷媒回路30の圧力を下げることができる。
凝縮側二次冷媒回路50では、冷却ファン57を運転することで負荷側二次冷媒回路30からの負荷側二次冷媒ガスを凝縮側凝縮器55で凝縮することで、凝縮側二次冷媒回路50の圧力上昇が抑制される。
【0044】
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、上述したように、負荷側二次冷媒ガスを凝縮側二次冷媒回路50に逃がすことで、負荷側蒸発器35の圧力を調節する(低下させる)ことができる。幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、負荷側二次冷媒ガスが大気へ放出されない。これにより、負荷側二次冷媒の冷媒量が減少するが、後述するように凝縮側二次冷媒回路50から負荷側二次冷媒回路30への二次冷媒液の移送することで負荷側二次冷媒回路30における二次冷媒の不足を解消できるため、負荷側二次冷媒回路30に二次冷媒を新たに追加する必要がない。
【0045】
上述したように負荷側二次冷媒を凝縮側二次冷媒回路50に導くことで凝縮側二次冷媒と負荷側二次冷媒とが混合されるが、凝縮側二次冷媒の成分と負荷側二次冷媒の成分とは同じであるので問題はない。
【0046】
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1によれば、負荷側二次冷媒回路30、又は、凝縮側二次冷媒回路50の何れか一方の二次冷媒回路の二次冷媒を何れか他方の二次冷媒回路へ気相部接続流路81を介して供給することで、負荷側蒸発器35の圧力を調節できる。
【0047】
また、幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1によれば、例えば負荷側蒸発器35のデフロストを行う場合に、入口側閉止弁71と出口側閉止弁72を閉止することで、比較的少ない凝縮側二次冷媒の供給で負荷側蒸発器35の内部の圧力を上昇させることができるので、デフロストを効率的に行うことができる。
【0048】
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、負荷側二次冷媒回路30における気相部接続流路81の接続位置は、入口側閉止弁71よりも下流、且つ、出口側閉止弁72よりも上流である。これにより、例えば負荷側蒸発器35のデフロストを行う場合に、入口側閉止弁71と出口側閉止弁72を閉止することで、比較的少ない凝縮側二次冷媒の供給で負荷側蒸発器35の内部の圧力を上昇させることができるので、デフロストを効率的に行うことができる。
【0049】
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1は、気相部接続流路81を閉止可能な接続流路閉止弁としての第1開閉弁73と第2開閉弁74とを備える。これにより、負荷側二次冷媒回路30、又は、凝縮側二次冷媒回路50の何れか一方の二次冷媒回路の二次冷媒を何れか他方の二次冷媒回路へ気相部接続流路81を介して供給する必要がない場合には、接続流路閉止弁としての第1開閉弁73と第2開閉弁74とを閉止することで負荷側二次冷媒回路30と凝縮側二次冷媒回路50と間での二次冷媒の流通を遮断できる。
【0050】
(負荷側二次冷媒回路30から凝縮側二次冷媒回路50への二次冷媒液の移送)
上述したようにデフロストを行った場合には、凝縮側二次冷媒が負荷側二次冷媒回路30に流入するので、凝縮側二次冷媒回路50内の二次冷媒が減り、負荷側二次冷媒回路30内の二次冷媒が増える。そのため、負荷側二次冷媒回路30の二次冷媒を凝縮側二次冷媒回路50に戻す必要がある。
【0051】
負荷側二次冷媒回路30、及び、凝縮側二次冷媒回路50の通常運転時には、凝縮側二次冷媒回路50内の圧力は負荷側二次冷媒回路30内の圧力よりも高い。したがって、負荷側二次冷媒回路30の二次冷媒を凝縮側二次冷媒回路50に戻すためには、例えば液戻しポンプ84を用いる必要がある。
【0052】
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、制御装置90は、例えばレベルセンサ61で検出した負荷側二次冷媒タンク31内の二次冷媒の液面高さがあらかじめ設定した閾値を超えたと判断するか、レベルセンサ63で検出した凝縮側二次冷媒タンク51内の二次冷媒の液面高さがあらかじめ設定した閾値を下回ったと判断すると、液戻しポンプ84の駆動信号を液戻しポンプ84に出力するとともに、第1ポンプバルブ75、及び第2ポンプバルブ79を開くための制御信号を第1ポンプバルブ75、及び第2ポンプバルブ79に出力する。これにより、液戻しポンプ84が運転を開始し、第1ポンプバルブ75、及び第2ポンプバルブ79が開かれる。よって、負荷側二次冷媒タンク31内の負荷側二次冷媒液は、第1液相部接続流路83Aを介して凝縮側二次冷媒タンク51に流入する。よって、凝縮側二次冷媒回路50内の二次冷媒の不足が解消される。
【0053】
なお、液戻しポンプ84の運転や第1ポンプバルブ75、及び第2ポンプバルブ79の操作は、上述したように自動で行われるようにしてもよいし、手動で行うようにしてもよい。
【0054】
(凝縮側二次冷媒回路50から負荷側二次冷媒回路30への二次冷媒液の移送)
上述したように負荷側二次冷媒回路30の圧力上昇時に負荷側二次冷媒を凝縮側二次冷媒回路50へ逃がした場合には、負荷側二次冷媒が凝縮側二次冷媒回路50に流入するので、負荷側二次冷媒回路30内の二次冷媒が減り、凝縮側二次冷媒回路50内の二次冷媒が増える。そのため、凝縮側二次冷媒回路50の二次冷媒を負荷側二次冷媒回路30に戻す必要がある。
【0055】
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、制御装置90は、例えばレベルセンサ63で検出した凝縮側二次冷媒タンク51内の二次冷媒の液面高さがあらかじめ設定した閾値を超えたと判断するか、レベルセンサ61で検出した負荷側二次冷媒タンク31内の二次冷媒の液面高さがあらかじめ設定した閾値を下回ったと判断すると、液戻りバルブ76を開くための制御信号を液戻りバルブ76に出力する。これにより、液戻りバルブ76が開かれる。
上述したように、負荷側二次冷媒回路30、及び、凝縮側二次冷媒回路50の通常運転時には、凝縮側二次冷媒回路50内の圧力は負荷側二次冷媒回路30内の圧力よりも高い。したがって、液戻りバルブ76が開くことで、凝縮側二次冷媒タンク51内の凝縮側二次冷媒液は、第2液相部接続流路83Bを介して負荷側二次冷媒タンク31に流入する。よって、負荷側二次冷媒回路30内の二次冷媒の不足が解消される。
【0056】
なお、液戻りバルブ76の操作は、上述したように自動で行われるようにしてもよいし、手動で行うようにしてもよい。
【0057】
また、何らかの理由によって、凝縮側二次冷媒回路50内の圧力が負荷側二次冷媒回路30内の圧力よりも低くなっているときに凝縮側二次冷媒回路50から負荷側二次冷媒回路30への二次冷媒液の移送する必要がある場合には、以下のように液戻しポンプ84を利用して凝縮側二次冷媒回路50から負荷側二次冷媒回路30へ二次冷媒液を移送してもよい。
【0058】
幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1では、制御装置90は、例えばレベルセンサ63で検出した凝縮側二次冷媒タンク51内の二次冷媒の液面高さがあらかじめ設定した閾値を超えたと判断するか、レベルセンサ61で検出した負荷側二次冷媒タンク31内の二次冷媒の液面高さがあらかじめ設定した閾値を下回ったと判断すると、液戻しポンプ84の駆動信号を液戻しポンプ84に出力するとともに、接続バルブ77、及び第3ポンプバルブ78を開くための制御信号を接続バルブ77、及び第3ポンプバルブ78に出力する。これにより、液戻しポンプ84が運転を開始し、接続バルブ77、及び第3ポンプバルブ78が開かれる。これにより、凝縮側二次冷媒タンク51内の負荷側二次冷媒液は、第2液相部接続流路83B、接続流路85、液戻しポンプ84、及び吐出流路86を経由して負荷側二次冷媒タンク31に流入する。
【0059】
なお、液戻しポンプ84の運転や接続バルブ77、及び第3ポンプバルブ78の操作は、上述したように自動で行われるようにしてもよいし、手動で行うようにしてもよい。
【0060】
なお、
図1に示す二次冷媒冷凍システム1において、接続流路85や吐出流路86を設けることに代えて、第2液相部接続流路83Bにポンプを設け、このポンプによって凝縮側二次冷媒タンク51内の二次冷媒を負荷側二次冷媒回路30に圧送するようにしてもよい。
【0061】
(中間冷媒タンクを利用した二次冷媒液の移送)
上述したようにデフロストを行った後、負荷側二次冷媒回路30の二次冷媒を凝縮側二次冷媒回路50に戻す必要がある。負荷側二次冷媒回路30、及び、凝縮側二次冷媒回路50の通常運転時には、凝縮側二次冷媒回路50内の圧力は負荷側二次冷媒回路30内の圧力よりも高いため、上述した実施形態では液戻しポンプ84を用いて二次冷媒液を凝縮側二次冷媒回路50に戻した。
以下で説明する実施形態では、液戻しポンプ84を用いなくても負荷側二次冷媒回路30の二次冷媒を凝縮側二次冷媒回路50に戻すことができる。
【0062】
図2は、中間冷媒タンクを利用した二次冷媒液の移送について説明するための図である。
図2では、幾つかの実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1の内、中間冷媒タンク41を利用して負荷側二次冷媒タンク31から凝縮側二次冷媒タンク51へ二次冷媒液を移送するのに必要な構成だけを表している。
図2に示す実施形態では、二次冷媒冷凍システム1は、中間冷媒タンク41を備えている。
図2に示す実施形態では、負荷側二次冷媒タンク31の高さ位置は、中間冷媒タンク41の高さ位置よりも高くなるように設定され、凝縮側二次冷媒タンク51の高さ位置は、中間冷媒タンク41の高さ位置よりも低くなるように設定されている。
【0063】
図2に示す実施形態では、二次冷媒冷凍システム1には、負荷側二次冷媒タンク31の気相部分と中間冷媒タンク41の気相部分とを接続する気相側第1接続流路42と、気相側第1接続流路42に設けられた気相側第1開閉弁46と、負荷側二次冷媒タンク31の液相部分と中間冷媒タンク41の液相部分とを接続する液相側第1接続流路43と、液相側第1接続流路43に設けられた液相側第1開閉弁47とが設けられている。
【0064】
図2に示す実施形態では、二次冷媒冷凍システム1には、凝縮側二次冷媒タンク51の気相部分と中間冷媒タンク41の気相部分とを接続する気相側第2接続流路44と、気相側第2接続流路44に設けられた気相側第2開閉弁48と、凝縮側二次冷媒タンク51の液相部分と中間冷媒タンク41の液相部分とを接続する液相側第2接続流路45と、液相側第2接続流路45に設けられた液相側第2開閉弁49とが設けられている。
【0065】
図2に示す二次冷媒冷凍システム1の通常運転時には、気相側第1開閉弁46、液相側第1開閉弁47、気相側第2開閉弁48、及び液相側第2開閉弁49は閉じている。
【0066】
図2に示す二次冷媒冷凍システム1では、制御装置90は、例えばレベルセンサ63で検出した凝縮側二次冷媒タンク51内の二次冷媒の液面高さがあらかじめ設定した閾値を下回ったと判断するか、レベルセンサ61で検出した負荷側二次冷媒タンク31内の二次冷媒の液面高さがあらかじめ設定した閾値を超えたと判断すると、気相側第1開閉弁46を開くための制御信号を気相側第1開閉弁46に出力する。これにより、気相側第1開閉弁46が開かれて、気相側第1接続流路42を介して二次冷媒ガスが流通することで負荷側二次冷媒タンク31の気相部分と中間冷媒タンク41の気相部分との圧力が等しくなる。
【0067】
制御装置90は、負荷側二次冷媒タンク31の気相部分と中間冷媒タンク41の気相部分との圧力が等しくなるのに要する、あらかじめ設定された時間だけ待機した後、液相側第1開閉弁47を開くための制御信号を液相側第1開閉弁47に出力する。これにより、液相側第1開閉弁47が開かれて、負荷側二次冷媒タンク31と中間冷媒タンク41との二次冷媒液のヘッド差によって、液相側第1接続流路43を介して負荷側二次冷媒タンク31内の二次冷媒液が中間冷媒タンク41に流入する。
【0068】
制御装置90は、レベルセンサ61で検出した負荷側二次冷媒タンク31内の二次冷媒の液面高さが二次冷媒液の移送に関してあらかじめ設定した閾値を下回ったと判断すると、気相側第1開閉弁46及び液相側第1開閉弁47を閉じるための制御信号を気相側第1開閉弁46及び液相側第1開閉弁47に出力する。これにより、気相側第1開閉弁46及び液相側第1開閉弁47が閉じられる。
【0069】
次いで制御装置90は、気相側第2開閉弁48を開くための制御信号を気相側第2開閉弁48に出力する。これにより、気相側第2開閉弁48が開かれて、気相側第2接続流路44を介して二次冷媒ガスが流通することで凝縮側二次冷媒タンク51の気相部分と中間冷媒タンク41の気相部分との圧力が等しくなる。
【0070】
制御装置90は、凝縮側二次冷媒タンク51の気相部分と中間冷媒タンク41の気相部分との圧力が等しくなるのに要する、あらかじめ設定された時間だけ待機した後、液相側第2開閉弁49を開くための制御信号を液相側第2開閉弁49に出力する。これにより、液相側第2開閉弁49が開かれて、中間冷媒タンク41と凝縮側二次冷媒タンク51との二次冷媒液のヘッド差によって、液相側第2接続流路45を介して中間冷媒タンク41内の二次冷媒液が凝縮側二次冷媒タンク51に流入する。
【0071】
制御装置90は、レベルセンサ63で検出した凝縮側二次冷媒タンク51内の二次冷媒の液面高さが二次冷媒液の移送に関してあらかじめ設定した閾値を超えたと判断すると、気相側第2開閉弁48及び液相側第2開閉弁49を閉じるための制御信号を気相側第2開閉弁48及び液相側第2開閉弁49に出力する。これにより、気相側第2開閉弁48及び液相側第2開閉弁49が閉じられて、中間冷媒タンク41を利用した二次冷媒液の移送が完了する。
【0072】
なお、気相側第1開閉弁46、液相側第1開閉弁47、気相側第2開閉弁48、及び液相側第2開閉弁49の操作は、上述したように自動で行われるようにしてもよいし、手動で行うようにしてもよい。
【0073】
また、何らかの理由によって、凝縮側二次冷媒回路50内の圧力が負荷側二次冷媒回路30内の圧力よりも低くなっているときに凝縮側二次冷媒回路50から負荷側二次冷媒回路30への二次冷媒液の移送する必要がある場合であっても、中間冷媒タンク41を利用して二次冷媒液を移送できる。ただし、この場合には、負荷側二次冷媒タンク31の高さ位置は、中間冷媒タンク41の高さ位置よりも低くなるように設定され、凝縮側二次冷媒タンク51の高さ位置は、中間冷媒タンク41の高さ位置よりも高くなるように設定されていなければならないため、負荷側二次冷媒タンク31、中間冷媒タンク41及び凝縮側二次冷媒タンク51の高さ位置関係については本システムが適用される設備において適宜選択することが好ましい。
【0074】
図1に示す二次冷媒冷凍システム1は、負荷側二次冷媒回路30の液相部34と凝縮側二次冷媒回路50の液相部54とを接続する液相部接続流路83を備える。
図2に示す二次冷媒冷凍システム1は、さらに液相部接続流路83として、第1液相部接続流路83Aに代えて液相側第1接続流路43と液相側第2接続流路45とを備える。
これにより、負荷側二次冷媒回路30、又は、凝縮側二次冷媒回路50の何れか一方の二次冷媒回路の二次冷媒を何れか他方の二次冷媒回路へ気相部接続流路81を介して供給した後、供給した二次冷媒を冷媒液の形態で何れか他方の二次冷媒回路から何れか一方の二次冷媒回路に戻すことができる。
【0075】
図2に示す二次冷媒冷凍システム1では、負荷側二次冷媒タンク31の高さ位置、中間冷媒タンク41の高さ位置、及び凝縮側二次冷媒タンク51の高さ位置が上述したように設定されているので、ポンプを用いなくても中間冷媒タンク41を介することで負荷側二次冷媒タンク31から凝縮側二次冷媒タンク51に冷媒液を戻すことができる。
【0076】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0077】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1は、一次冷媒が循環し、一次冷媒圧縮機11、一次冷媒凝縮器13、及び一次冷媒蒸発器17が配置された一次冷媒回路10を備える。本開示の少なくとも一実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1は、負荷側蒸発器35を含み、負荷側蒸発器35及び一次冷媒蒸発器17に負荷側二次冷媒を循環させる負荷側二次冷媒回路30を備える。本開示の少なくとも一実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1は、凝縮側凝縮器55を含み、凝縮側凝縮器55及び一次冷媒凝縮器13に負荷側二次冷媒と同じ冷媒である凝縮側二次冷媒を循環させる凝縮側二次冷媒回路50を備える。本開示の少なくとも一実施形態に係る二次冷媒冷凍システム1は、負荷側二次冷媒回路30の気相部32と凝縮側二次冷媒回路50の気相部52とを接続する気相部接続流路81を備える。
【0078】
上記(1)の構成によれば、負荷側二次冷媒回路30、又は、凝縮側二次冷媒回路50の何れか一方の二次冷媒回路の二次冷媒を何れか他方の二次冷媒回路へ気相部接続流路81を介して供給することで、負荷側蒸発器35の圧力を調節できる。
【0079】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、負荷側蒸発器35の入口に接続された入口側冷媒流路37iを閉止可能な入口側閉止弁71と、負荷側蒸発器35の出口に接続された出口側冷媒流路37oを閉止可能な出口側閉止弁72と、を備えるとよい。
【0080】
上記(2)の構成によれば、例えば負荷側蒸発器35のデフロストを行う場合に、入口側閉止弁71と出口側閉止弁72を閉止することで、比較的少ない凝縮側二次冷媒の供給で負荷側蒸発器35の内部の圧力を上昇させることができるので、デフロストを効率的に行うことができる。
【0081】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、負荷側二次冷媒回路30における気相部接続流路81の接続位置は、入口側閉止弁71よりも下流、且つ、出口側閉止弁72よりも上流であるとよい。
【0082】
上記(3)の構成によれば、例えば負荷側蒸発器35のデフロストを行う場合に、入口側閉止弁71と出口側閉止弁72を閉止することで、比較的少ない凝縮側二次冷媒の供給で負荷側蒸発器35の内部の圧力を上昇させることができるので、デフロストを効率的に行うことができる。
【0083】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、気相部接続流路81を閉止可能な接続流路閉止弁(第1開閉弁73、第2開閉弁74)を備えるとよい。
【0084】
上記(4)の構成によれば、負荷側二次冷媒回路30、又は、凝縮側二次冷媒回路50の何れか一方の二次冷媒回路の二次冷媒を何れか他方の二次冷媒回路へ気相部接続流路81を介して供給する必要がない場合には、接続流路閉止弁(第1開閉弁73、第2開閉弁74)を閉止することで負荷側二次冷媒回路30と凝縮側二次冷媒回路50と間での二次冷媒の流通を遮断できる。
【0085】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、負荷側二次冷媒回路30の液相部34と凝縮側二次冷媒回路50の液相部54とを接続する液相部接続流路83を備えるとよい。
【0086】
上記(5)の構成によれば、負荷側二次冷媒回路30、又は、凝縮側二次冷媒回路50の何れか一方の二次冷媒回路の二次冷媒を何れか他方の二次冷媒回路へ気相部接続流路81を介して供給した後、供給した二次冷媒を冷媒液の形態で何れか他方の二次冷媒回路から何れか一方の二次冷媒回路に戻すことができる。
【0087】
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、負荷側二次冷媒回路30に設けられた負荷側二次冷媒タンク31と、凝縮側二次冷媒回路50に設けられた凝縮側二次冷媒タンク51と、液相部接続流路(液相側第1接続流路43、液相側第2接続流路45)の途中に設けられた中間冷媒タンク41と、を備えていてもよい。負荷側二次冷媒タンク31の高さ位置は、中間冷媒タンク41の高さ位置よりも高く、凝縮側二次冷媒タンク51の高さ位置は、中間冷媒タンク41の高さ位置よりも低いとよい。
【0088】
上記(6)の構成によれば、ポンプを用いなくても中間冷媒タンク41を介することで負荷側二次冷媒タンク31から凝縮側二次冷媒タンク51に冷媒液を戻すことができる。
【0089】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、負荷側蒸発器35は、空気を冷却するためのエアクーラーであってもよい。
【0090】
上記(7)の構成によれば、負荷側蒸発器35を空気を冷却するためのエアクーラーとして利用できる。また、上記(7)の構成によれば、エアクーラーの霜取りが容易となる。
【0091】
(8)本開示の少なくとも一実施形態に係る二次冷媒の圧力調整方法は、二次冷媒冷凍システム1における、二次冷媒の圧力調整方法である。二次冷媒冷凍システム1は、一次冷媒が循環し、一次冷媒圧縮機11、一次冷媒凝縮器13、及び一次冷媒蒸発器17が配置された一次冷媒回路10を備える。二次冷媒冷凍システム1は、負荷側蒸発器35を含み、負荷側蒸発器35及び一次冷媒蒸発器17に負荷側二次冷媒を循環させる負荷側二次冷媒回路30を備える。二次冷媒冷凍システム1は、凝縮側凝縮器55を含み、凝縮側凝縮器55及び一次冷媒凝縮器13に負荷側二次冷媒と同じ冷媒である凝縮側二次冷媒を循環させる凝縮側二次冷媒回路50を備える。二次冷媒冷凍システム1は、負荷側二次冷媒回路30の気相部32と凝縮側二次冷媒回路50の気相部52とを接続する気相部接続流路81を備える。本開示の少なくとも一実施形態に係る二次冷媒の圧力調整方法では、負荷側二次冷媒回路30、又は、凝縮側二次冷媒回路50の何れか一方の二次冷媒回路の二次冷媒を何れか他方の二次冷媒回路へ気相部接続流路81を介して供給することで、負荷側蒸発器35の圧力を調節する。
【0092】
上記(8)の方法によれば、負荷側二次冷媒回路30、又は、凝縮側二次冷媒回路50の何れか一方の二次冷媒回路の二次冷媒を何れか他方の二次冷媒回路へ気相部接続流路81を介して供給することで、負荷側蒸発器35の圧力を調節できる。
【符号の説明】
【0093】
1 二次冷媒冷凍システム
10 一次冷媒回路
11 一次冷媒圧縮機
13 一次冷媒凝縮器
17 一次冷媒蒸発器
30 負荷側二次冷媒回路
31 負荷側二次冷媒タンク
32、33 気相部
34 液相部
35 負荷側蒸発器
41 中間冷媒タンク
50 凝縮側二次冷媒回路
51 凝縮側二次冷媒タンク
52 気相部
54 液相部
55 凝縮側凝縮器
71 入口側閉止弁
72 出口側閉止弁
81 気相部接続流路
83 液相部接続流路