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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050308
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】レンズ装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20240403BHJP
   G03B 5/06 20210101ALI20240403BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20240403BHJP
【FI】
G02B7/02 E
G03B5/06
G03B5/00 C
G02B7/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157110
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 信之
(72)【発明者】
【氏名】岡 光彦
(72)【発明者】
【氏名】江澤 利明
(72)【発明者】
【氏名】神尾 啓仁
【テーマコード(参考)】
2H044
【Fターム(参考)】
2H044AE01
2H044AJ07
(57)【要約】
【課題】例えば、本体部から1つの延出部が延出する構造に比して、径方向に小型化できるレンズ装置を提供する。
【解決手段】レンズ装置は、レンズ機構に固定された固定部と、固定部に回動可能に連結された回動部とを備える。固定部及び回動部の一方は、検出部材を有し、固定部及び回動部の他方は、被検出部材と、基板とを有する。被検出部材は、回動の指標を有する本体部と、本体部から延出する複数の延出部とを有する。複数の延出部は、基板と接続されている。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ機構に固定された固定部と、
前記固定部に回動可能に連結された回動部と、
を備え、
前記固定部及び前記回動部の一方は、検出部材を有し、
前記固定部及び前記回動部の他方は、被検出部材と、基板とを有し、
前記被検出部材は、回動の指標を有する本体部と、前記本体部から延出する複数の延出部とを有し、
前記複数の延出部は、前記基板と接続されている
レンズ装置。
【請求項2】
前記検出部材は、接点ブラシを含み、
前記被検出部材は、フレキシブルフラットケーブルを含み、
前記指標は、前記接点ブラシと摺接する導体パターンを含み、
各前記延出部は、前記導体パターンを前記基板に接続する接続部を含む
請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項3】
前記導体パターンは、グレイコードに基づくパターンである
請求項2に記載のレンズ装置。
【請求項4】
前記導体パターンは、グランド線と、複数の信号線とを含む
請求項2に記載のレンズ装置。
【請求項5】
前記固定部は、前記検出部材を有し、
前記回動部は、前記被検出部材と、前記基板とを有する
請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項6】
前記複数の延出部は、前記回動に関連する信号を出力する一対の延出部を含む
請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項7】
前記一対の延出部のうちの第1延出部は、前記本体部の第1端部から延出し、
前記一対の延出部のうちの第2延出部は、前記本体部の第2端部から延出する
請求項6に記載のレンズ装置。
【請求項8】
前記本体部は、前記回動部の回動方向に延びており、
前記複数の延出部は、前記本体部から前記回動部の中心側へ延出する
請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項9】
前記検出部材は、光軸方向から正面視した場合に前記回動部が回動する範囲内で前記基板と重なる位置に配置されている
請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項10】
前記基板は、前記回動部の回動方向に延びており、
前記基板の中心角は、180°以下である
請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項11】
前記被検出部材は、第1領域と、第2領域とを有し、
前記複数の延出部は、前記第1領域に対応する第1延出部と、前記第2領域に対応する第2延出部とを含む
請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項12】
前記第1領域と前記第2領域とは、前記指標の分割数に基づいて定まる
請求項11に記載のレンズ装置。
【請求項13】
前記分割数は、30以上62以下である
請求項12に記載のレンズ装置。
【請求項14】
前記回動部の回動可能な角度は、45°以上135°以下である
請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項15】
前記回動部の回動可能な角度は、90°である
請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項16】
前記導体パターンは、グランド線と、複数の信号線とを含み、
前記グランド線又は前記信号線は、第1線及び第2線に分割されている
請求項2に記載のレンズ装置。
【請求項17】
前記第1線の一部と前記第2線の一部とは、前記回動部の回動方向にオーバーラップしている
請求項16に記載のレンズ装置。
【請求項18】
前記レンズ機構と、
前記レンズ機構をチルトさせるチルト機構と、
前記レンズ機構をシフトさせるシフト機構と、
前記チルト機構及び前記シフト機構の少なくとも一方を光軸方向の周りに回転させる回転機構と、を備える
請求項1に記載のレンズ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、レンズ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、レンズを光軸と直交する方向にシフトさせる機能を有するレンズ鏡筒が開示されている。レンズ鏡筒は、第1の部材と、第2の部材と、レンズ内第一の電気回路基板と、レンズ内第2の電気回路基板とを有する。第1の部材は、レンズを光軸と直交する方向にシフトさせた際にもカメラに対して不動である。第2の部材は、シフト作動時に第1の部材に対して相対移動する。レンズ内第一の電気回路基板は、カメラ側回路と接続されている。レンズ内第2の電気回路基板は、第1の電気回路基板と接続されている。第2の部材には被写体光線を通過させるための開口部が設けられている。第1、第2の電気回路基板は光軸に対して直交する面内で第2の部材に取り付けられており、且つ、シフト作動方向で開口部を挟んで対向位置に配置される。
【0003】
特許文献2には、レンズと、第1ベース部材と、レンズを保持し、レンズの光軸と交差するフランジ面を有する保持枠と、を有するレンズ装置が開示されている。第1ベース部材には、フランジ面に対する角度が鋭角である第1斜面が設けられており、保持枠は、第1斜面とフランジ面との間に設けられた接着剤により、第1ベース部材に固定されている。
【0004】
特許文献3には、絞開口を可変する絞りユニットと、絞りユニットを設定絞り値にプリセットする絞りプリセット部と、絞りユニットの開放-絞り込み動作を操作する絞り操作部とを備えた絞り装置が開示されている。絞り操作部は、第1の押し込み操作によって、絞り込み動作及びロック動作を行い、第2の押し込み操作によって、ロック解除動作及び絞り開放動作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-266574号公報
【特許文献2】特開2019-032417号公報
【特許文献3】特開2000-352735号公報
【発明の概要】
【0006】
本開示の技術に係る一つの実施形態は、例えば、本体部から1つの延出部が延出する構造に比して、径方向に小型化できるレンズ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の技術に係る第1の態様は、レンズ機構に固定された固定部と、固定部に回動可能に連結された回動部と、を備え、固定部及び回動部の一方は、検出部材を有し、固定部及び回動部の他方は、被検出部材と、基板とを有し、被検出部材は、回動の指標を有する本体部と、本体部から延出する複数の延出部とを有し、複数の延出部は、基板と接続されている。
【0008】
本開示の技術に係る第2の態様は、第1の態様に係るレンズ装置において、検出部材は、接点ブラシを含み、被検出部材は、フレキシブルフラットケーブルを含み、指標は、接点ブラシと摺接する導体パターンを含み、各延出部は、導体パターンを基板に接続する接続部を含むレンズ装置である。
【0009】
本開示の技術に係る第3の態様は、第2の態様に係るレンズ装置において、導体パターンは、グレイコードに基づくパターンであるレンズ装置である。
【0010】
本開示の技術に係る第4の態様は、第2の態様に係るレンズ装置において、導体パターンは、グランド線と、複数の信号線とを含むレンズ装置である。
【0011】
本開示の技術に係る第5の態様は、第1の態様に係るレンズ装置において、固定部は、検出部材を有し、回動部は、被検出部材と、基板とを有するレンズ装置である。
【0012】
本開示の技術に係る第6の態様は、第1の態様に係るレンズ装置において、複数の延出部は、回動に関連する信号を出力する一対の延出部を含むレンズ装置である。
【0013】
本開示の技術に係る第7の態様は、第6の態様に係るレンズ装置において、一対の延出部のうちの第1延出部は、本体部の第1端部から延出し、一対の延出部のうちの第2延出部は、本体部の第2端部から延出するレンズ装置である。
【0014】
本開示の技術に係る第8の態様は、第1の態様に係るレンズ装置において、本体部は、回動部の回動方向に延びており、複数の延出部は、本体部から回動部の中心側へ延出するレンズ装置である。
【0015】
本開示の技術に係る第9の態様は、第1の態様に係るレンズ装置において、検出部材は、光軸方向から正面視した場合に回動部が回動する範囲内で基板と重なる位置に配置されているレンズ装置である。
【0016】
本開示の技術に係る第10の態様は、第1の態様に係るレンズ装置において、基板は、回動部の回動方向に延びており、基板の中心角は、180°以下であるレンズ装置である。
【0017】
本開示の技術に係る第11の態様は、第1の態様に係るレンズ装置において、被検出部材は、第1領域と、第2領域とを有し、複数の延出部は、第1領域に対応する第1延出部と、第2領域に対応する第2延出部とを含むレンズ装置である。
【0018】
本開示の技術に係る第12の態様は、第11の態様に係るレンズ装置において、第1領域と第2領域とは、指標の分割数に基づいて定まるレンズ装置である。
【0019】
本開示の技術に係る第13の態様は、第12の態様に係るレンズ装置において、分割数は、30以上62以下であるレンズ装置である。
【0020】
本開示の技術に係る第14の態様は、第1の態様に係るレンズ装置において、回動部の回動可能な角度は、45°以上135°以下であるレンズ装置である。
【0021】
本開示の技術に係る第15の態様は、第1の態様に係るレンズ装置において、回動部の回動可能な角度は、90°であるレンズ装置である。
【0022】
本開示の技術に係る第16の態様は、第2の態様に係るレンズ装置において、導体パターンは、グランド線と、複数の信号線とを含み、グランド線又は信号線は、第1線及び第2線に分割されているレンズ装置である。
【0023】
本開示の技術に係る第17の態様は、第16の態様に係るレンズ装置において、第1線の一部と第2線の一部とは、回動部の回動方向にオーバーラップしているレンズ装置である。
【0024】
本開示の技術に係る第18の態様は、第1の態様に係るレンズ装置において、レンズ機構と、レンズ機構をチルトさせるチルト機構と、レンズ機構をシフトさせるシフト機構と、チルト機構及びシフト機構の少なくとも一方を光軸方向の周りに回転させる回転機構と、を備えるレンズ装置である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】撮像装置の一例を示す斜視図である。
図2】レンズ装置の一例を示す平面図である。
図3】レンズ装置の一例を示す側面図である。
図4】レンズ装置の一例を示す断面図である。
図5】レンズ機構の一例を示す断面図である。
図6】シフト機構及びレボルビング機構の一例を示す断面図である。
図7】回動部の一例を示す正面図である。
図8】回動部の一例を示す背面図である。
図9】フレキシブル基板の一例を示す正面図である。
図10】基板の一例を示す背面図である。
図11】固定部及び回動部の一例を示す分解斜視図である。
図12】固定部及び回動部の一例を示す分解斜視図である。
図13】接点ブラシとフレキシブル基板との接触状態の一例を示す模式図である。
図14】フレキシブル基板の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書の説明において、「直交」とは、完全な直交の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの直交を指す。本明細書の説明において、「平行」とは、完全な平行の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの平行を指す。本明細書の説明において、「等間隔」とは、完全な等間隔の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの等間隔を指す。
【0027】
はじめに、本開示の一実施形態に係る撮像装置10の構成について説明する。
【0028】
図1には、本実施形態に係る撮像装置10が斜視図にて示されている。一例として図1に示されるように、撮像装置10は、レンズ装置12と、撮像装置ボディ14とを備える。レンズ装置12は、撮像装置ボディ14の前部に設けられている。図1では、レンズ装置12及び撮像装置ボディ14が模式的に示されている。撮像装置ボディ14には、イメージセンサ(図示省略)及びコンピュータ(図示省略)等が内蔵されている。レンズ装置12に関して、矢印A側は、対物側を示しており、矢印B側は、結像側を示している。光軸OAは、レンズ装置12の光軸である。以下、光軸OAの軸方向を「光軸方向」と称する。
【0029】
図2には、レンズ装置12が平面図にて示されており、図3には、レンズ装置12が側面図にて示されている。また、図4には、レンズ装置12が図2のF4-F4線断面図にて示されている。一例として図2から図4に示されるように、レンズ装置12は、レンズ機構16と、チルト機構18と、シフト機構20と、レボルビング機構22と、マウント24とを備える。
【0030】
レンズ機構16は、フォーカスリング26を有する。フォーカスリング26は、光軸方向の周りにリング状に形成されている。フォーカスリング26は、光軸方向の周りに回転することが可能である。
【0031】
チルト機構18は、レンズ機構16をチルトさせる機構である。チルト機構18は、チルトベース28と、チルトステージ30と、チルトロック32と、チルトつまみ34とを有する。境界36は、チルトベース28とチルトステージ30との間の境界である。境界36は、光軸OAと直交するチルト軸(図示省略)を中心に円弧状に形成されている。チルト機構18は、境界36を起点に作動する。
【0032】
チルトステージ30は、チルトベース28よりも対物側に配置されている。チルトステージ30は、レンズ機構16に対して固定されている。チルトベース28は、チルトステージ30をチルト可能に支持している。チルトとは、チルト軸を中心に回動する動作を指す。チルトステージ30は、レンズ機構16と一体にチルトする。
【0033】
チルトロック32及びチルトつまみ34は、軸状の部材である。チルトロック32は、チルトロック32の軸方向がチルト軸の軸方向と平行に配置されている。同様に、チルトつまみ34は、チルトつまみ34の軸方向がチルト軸の軸方向と平行に配置されている。チルトロック32及びチルトつまみ34は、チルトベース28に設けられている。
【0034】
チルトロック32は、チルトベース28に対してチルトステージ30を固定するロック状態と、チルトステージ30のチルトを許容するアンロック状態とを取り得る部材である。チルトつまみ34は、チルトステージ30をチルトさせる部材である。チルトつまみ34とチルトステージ30との間には、例えばラックアンドピニオン機構(図示省略)が設けられており、チルトステージ30は、チルトつまみ34の回転量に応じた移動量でチルトする。
【0035】
レボルビング機構22は、レンズ機構16、チルト機構18、及びシフト機構20を回転させる機構である。レボルビング機構22は、レボルビングステージ38と、レボルビングベース40とを有する。境界42は、レボルビングベース40と後述するシフトベース44との間の境界である。境界42は、光軸OAと直交する面に沿って形成されている。レボルビング機構22は、境界42を起点に作動する。
【0036】
レボルビングステージ38は、チルトベース28よりも結像側に配置されている。レボルビングステージ38は、チルトベース28に対して固定されている。レボルビングベース40は、シフトベース44よりも結像側に配置されている。レボルビングベース40は、シフトベース44を光軸方向の周りに回転可能に支持している。レンズ機構16、チルト機構18、レボルビングステージ38、及びシフト機構20は、光軸方向の周りに一体に回転する。レンズ機構16、チルト機構18、レボルビングステージ38、及びシフト機構20は、ユーザ等によって回転方向に力が加えられることにより回転する。レボルビング機構22は、本開示の技術に係る「回転機構」の一例である。
【0037】
シフト機構20は、レンズ機構16及びチルト機構18をシフトさせる機構である。シフト機構20は、シフトベース44と、シフトステージ46と、シフトロック48と、シフトつまみ50とを有する。境界52は、シフトベース44とシフトステージ46との間の境界である。境界52は、光軸OAと直交する面に沿って形成されている。シフト機構20は、境界52を起点に作動する。
【0038】
シフトステージ46は、レボルビングステージ38よりも結像側に配置されている。シフトステージ46は、レボルビングステージ38に対して固定されている。シフトベース44は、シフトステージ46よりも結像側に配置されている。シフトベース44は、シフトステージ46をシフト可能に支持している。シフトとは、光軸方向と直交する方向にスライドする動作を指す。シフトステージ46は、レンズ機構16、チルト機構18、及びレボルビングステージ38と一体にシフトする。一例として、シフトステージ46がシフトする方向(以下、「シフト方向」と称する)は、撮像装置10(図1参照)の上下方向に設定されている。
【0039】
シフトロック48及びシフトつまみ50は、軸状の部材である。シフトロック48は、シフトロック48の軸方向が光軸方向及びシフト方向と直交する方向と平行に配置されている。同様に、シフトつまみ50は、シフトつまみ50の軸方向が光軸方向及びシフト方向と直交する方向と平行に配置されている。シフトロック48及びシフトつまみ50は、シフトステージ46に設けられている。
【0040】
シフトロック48は、シフトベース44に対してシフトステージ46を固定するロック状態と、シフトステージ46のシフトを許容するアンロック状態とを取り得る部材である。シフトつまみ50は、シフトステージ46をシフトさせる部材である。シフトつまみ50とシフトベース44との間には、例えばラックアンドピニオン機構(図示省略)が設けられており、シフトステージ46は、シフトつまみ50の回転量に応じた移動量でシフトする。
【0041】
マウント24は、レンズ機構16の結像側の端部に設けられている。マウント24は、レボルビングベース40に対して固定されている。マウント24は、撮像装置ボディ14(図1参照)に設けられたマウント(図示省略)に取り付けられる。マウント24が撮像装置ボディ14に設けられたマウントに取り付けられることにより、レンズ装置12が撮像装置ボディ14の前部に固定される。
【0042】
図5には、レンズ機構16が縦断面図にて示されている。一例として図5に示されるように、レンズ機構16は、第1レンズ60と、第2レンズ62と、第3レンズ64と、第1レンズ枠66と、第2レンズ枠68と、第3レンズ枠70と、移動枠72と、固定部材74と、カム筒76と、回転筒78と、フォーカスリング26とを有する。
【0043】
一例として、第1レンズ60は、対物レンズであり、第2レンズ62は、フォーカスレンズであり、第3レンズ64は、単焦点レンズである。第1レンズ60は、第2レンズ62よりも対物側に配置されており、第3レンズ64は、第2レンズ62よりも結像側に配置されている。
【0044】
第1レンズ60は、第1レンズ枠66の内側に配置されており、第2レンズ62は、第2レンズ枠68の内側に配置されており、第3レンズ64は、第3レンズ枠70の内側に配置されている。本明細書において、「内側」とは、方向を特定する説明がない限り、「径方向の内側」を指す。第1レンズ枠66は、第1レンズ60を保持しており、第2レンズ枠68は、第2レンズ62を保持しており、第3レンズ枠70は、第3レンズ64を保持している。
【0045】
第1レンズ枠66は、第1枠80と、第2枠82とを有する。第1枠80は、第2枠82の対物側に設けられている。第1枠80の内側には、第1レンズ60のうちの対物側に位置するレンズ60Aが配置されており、第2枠82の内側には、第1レンズ60のうちの結像側に位置するレンズ60Bが配置されている。
【0046】
第2レンズ枠68は、第3枠84と、第4枠86とを有する。第3枠84は、第4枠86の対物側に設けられている。第4枠86の内側には、第2レンズ62が配置されている。第2レンズ62及び第4枠86は、チルト機構18、シフト機構20、及びレボルビング機構22の内側に配置されている(図4参照)。
【0047】
第3枠84は、第2レンズ62よりも対物側に配置されている。また、第3枠84は、第1レンズ枠66のうちの第2枠82の外側に配置されている。本明細書において、「外側」とは、方向を特定する説明がない限り、「径方向の外側」を指す。第1レンズ60のうちの結像側に位置するレンズ60Bは、第3枠84の内側に配置されている。
【0048】
移動枠72は、第3枠84の外側に連結されている。移動枠72は、例えば、樹脂によって形成される。固定部材74は、固定枠88と、連結枠90とを有する。固定枠88は、連結枠90の対物側に設けられている。固定枠88は、移動枠72の外側に配置されている。連結枠90の結像側の端部には、第3レンズ枠70が固定されている。連結枠90の内側には、第4枠86及び第2レンズ62が配置されている。固定部材74は、第1レンズ枠66に対して固定されている。
【0049】
カム筒76は、移動枠72及び固定枠88の外側に配置されている。回転筒78は、カム筒76の外側に連結されており、フォーカスリング26は、回転筒78の外側に連結されている。
【0050】
フォーカスリング26、回転筒78、及びカム筒76は、固定部材74に対して光軸方向の周りに回転可能に支持されている。また、移動枠72及び第2レンズ枠68は、固定部材74に対して光軸方向に移動可能に支持されている。
【0051】
移動枠72には、カム軸92が設けられている。カム軸92は、移動枠72からカム筒76に向けて延びる軸状の部材である。固定枠88は、移動枠72とカム筒76との間に設けられている。カム軸92は、固定枠88を貫通しており、固定枠88に対してカム筒76の側に突出している。カム筒76の固定枠88側の面(すなわち、内周面)には、カム溝94が形成されている。カム溝94は、光軸方向の周りに延びる螺旋に沿って形成されている。カム溝94には、カム軸92が係合されている。
【0052】
カム軸92及びカム溝94は、光軸方向の周りに作用する力を光軸方向への力に変換するカム機構96を形成している。フォーカスリング26がユーザ等によって回転方向に操作された場合、フォーカスリング26及びカム筒76の回転に応じてカム軸92がカム溝94に沿って移動することにより、移動枠72及び第2レンズ枠68が光軸方向に移動する。
【0053】
なお、図5には、1つのカム機構96が図示されているが、レンズ装置12には、3つのカム機構96が設けられている。すなわち、複数のカム軸92の個数は、3つである。3つのカム軸92は、光軸方向の周りに等間隔に配置されている。なお、3つのカム機構96のカム溝94は、独立していてもよいし、繋がっていてもよい。
【0054】
図6には、シフト機構20及びレボルビング機構22が図3のF6-F6線断面図にて示されている。一例として図6に示すように、レボルビングステージ38、シフトベース44、及びシフトステージ46は、固定部150を形成している。固定部150は、上述のレンズ機構16(図2から図4参照)に固定されている。レボルビングベース40は、固定部150に回動可能に連結された回動部152を形成している。固定部150は、本開示の技術に係る「固定部」の一例である。回動部152は、本開示の技術に係る「回動部」の一例である。
【0055】
図7は、回動部152を対物側から見た正面図であり、図8は、回動部152を結像側から見た背面図である。一例として図7及び図8に示すように、レボルビングベース40は、光軸方向の周りに環状に形成された環状部54を有する。環状部54は、光軸方向を板厚方向とする板状に形成されている。
【0056】
固定部150は、接点ブラシ154を有する。接点ブラシ154は、シフトベース44(図6参照)に固定されている。回動部152は、フレキシブル基板156及び基板158を有する。以下、フレキシブル基板156を「FPC156」と称する。FPCは、「Flexible Printed Circuit」の略語である。
【0057】
FPC156は、環状部54の対物側に設けられており、基板158は、環状部54の結像側に設けられている。FPC156及び基板158は、レボルビングベース40に対して固定されている。接点ブラシ154は、FPC156よりも対物側に配置されている。接点ブラシ154、FPC156、及び基板158は、固定部150に対する回動部152の回動角度を検出する回動角度検出機構160を形成している。接点ブラシ154は、本開示の技術に係る「検出部材」の一例である。FPC156は、本開示の技術に係る「被検出部材」の一例である。基板158は、本開示の技術に係る「基板」の一例である。
【0058】
図9は、FPC156を対物側から見た正面図である。FPC156は、本体部162と、第1延出部164と、第2延出部166とを有する。本体部162は、回動部152(図7参照)の回動方向に延びる円弧状に形成されている。矢印R方向は、回動部152の回動方向を示している。第1延出部164は、本体部162の第1端部162Aから延出しており、第2延出部166は、本体部162の第2端部162Bから延出している。
【0059】
第1端部162Aは、本体部162の周方向の一端部であり、第2端部162Bは、本体部162の周方向の他端部である。本体部162の周方向は、回動部152の回動方向と一致する方向である。第1延出部164及び第2延出部166は、より具体的には、本体部162から回動部152の中心側(すなわち、回動部152の径方向の内側)へ延出する。本体部162は、本開示の技術に係る「本体部」の一例であり、第1延出部164及び第2延出部166は、本開示の技術に係る「複数の延出部」及び「一対の延出部」の一例である。
【0060】
図10は、基板158を結像側から見た背面図である。基板158は、回動部152(図7参照)の回動方向に延びる円弧状に形成されている。基板158の中心角θは、180°以下に設定されている。一例として、基板158は、プリント基板である。
【0061】
基板158には、第1延出部164及び第2延出部166が接続されている。具体的には、基板158は、第1コネクタ168及び第2コネクタ170を有する。第1コネクタ168及び第2コネクタ170は、基板158の結像側の面に実装されている。第1コネクタ168は、第1延出部164と対応する位置に配置されており、第2コネクタ170は、第2延出部166と対応する位置に配置されている。第1コネクタ168には、第1延出部164が接続されており、第2コネクタ170には、第2延出部166が接続されている。
【0062】
図11及び図12には、固定部150及び回動部152が分解斜視図にて示されている。一例として図11には、固定部150に対する回動部152の回動角度が0°である場合が示されており、図12には、固定部150に対する回動部152の回動角度が90°である場合が示されている。
【0063】
回動部152の回動可能な角度は、例えば、45°以上135°以下に設定される。図11及び図12には、回動部152の回動可能な角度が90°に設定された例が示されている。接点ブラシ154は、光軸方向にFPC156と対向する位置に配置されている。また、接点ブラシ154は、光軸方向から正面視した場合に回動部152が回動する範囲内で基板158と重なる位置に配置されている。すなわち、接点ブラシ154は、回動部152がどの回動角度に回動した状態でも、光軸方向から正面視した場合に基板158と重なる位置に配置されている。
【0064】
図13は、接点ブラシ154とFPC156との接触状態の一例を模式的に示す図である。図13では、円弧状に形成された本体部162が直線状に示されている。また、図13では、本体部162から延出する第1延出部164及び第2延出部166が模式的に示されている。矢印R方向は、回動部152の回動方向を示している。
【0065】
本体部162は、回動部152の回動の指標を示す導体パターン172を有する。導体パターン172は、本体部162の対物側の面に形成されている。導体パターン172は、グランド線174と、複数の信号線176とを含む。グランド線174は、矢印R方向に直線状に延びている。複数の信号線176は、第1延出部164に接続される複数の信号線176と、第2延出部166に接続される複数の信号線176とを含む。
【0066】
第1延出部164に接続される複数の信号線176の本数は、例えば、6本以上である。同様に、第2延出部166に接続される複数の信号線176の本数も、例えば、6本以上である。図13に示す例では、第1延出部164に接続される複数の信号線176の本数は、8本であり、第2延出部166に接続される複数の信号線176の本数は、6本である。導体パターン172は、グレイコードに基づくパターンである。すなわち、グランド線174及び複数の信号線176は、グレイコードに対応する形状を有する。導体パターン172は、本開示の技術に係る「指標」の一例である。
【0067】
第1延出部164は、複数の信号線176を基板158に接続する複数の第1接続部178を有しており、第2延出部166は、複数の信号線176を基板158に接続する複数の第2接続部180を有している。一例として、複数の第1接続部178の個数は、8つであり、複数の第2接続部180の個数は、6つである。また、第1延出部164は、グランド線174を基板158に接続する接続部179を有する。グランド線174は、グランド(図示省略)に接続されており、各信号線176は、プルアップ抵抗器(図示省略)を介して電源(図示省略)に接続されている。
【0068】
本体部162は、第1領域182と、第2領域184とを有する。第1領域182は、本体部162に設定された境界186から第1端部162Aまでの領域であり、第2領域184は、境界186から第2端部162Bまでの領域である。境界186は、一例として、円弧状に形成された本体部162の周方向の中央部に位置する。第1延出部164は、第1領域182に対応しており、第2延出部166は、第2領域184に対応している。
【0069】
第1領域182と第2領域184とは、導体パターン172の分割数に基づいて定まる領域である。分割数とは、回動部152の回動方向(すなわち、矢印R方向)に導体パターン172が分割された数のことを指す。図13に示される破線Lは、導体パターン172が複数の分割領域に分割される位置を表している。
【0070】
各分割領域では、グランド線174と、複数の信号線176とによってグレイコードに対応するパターンが形成される。導体パターン172の分割数は、例えば、30以上62以下に設定される。なお、分割数は最大で135まで設定することが可能である。図13には、導体パターン172の分割数が61に設定されることにより、第1領域182では、導体パターン172が30個の分割領域を有し、第2領域184では、導体パターン172が31個の分割領域を有する例が示されている。
【0071】
接点ブラシ154は、複数の接触子190を有する。複数の接触子190は、互いに電気的に接続されている。一例として、複数の接触子190の個数は、4つである。複数の接触子190は、導体パターン172と摺接する位置に配置されている。具体的には、複数の接触子190のうちの第1接触子190Aは、グランド線174と摺接する位置に配置されており、複数の接触子190のうちの第2接触子190B、第3接触子190C、及び第4接触子190Dは、複数の信号線176と摺接する位置に配置されている。
【0072】
そして、以上の構成である回動角度検出機構160は、次のように動作する。すなわち、複数の接触子190が第1領域182に位置している状態では、回動部152の回動角度に応じて、第2接触子190B、第3接触子190C、及び第4接触子190Dと複数の信号線176との接触状態が変化することにより、接触状態に応じた信号(すなわち、角度検出信号)が第1延出部164の複数の第1接続部178から出力される。
【0073】
また、複数の接触子190が第2領域184に位置している状態では、回動部152の回動角度に応じて、第2接触子190B、第3接触子190C、及び第4接触子190Dと複数の信号線176との接触状態が変化することにより、接触状態に応じた信号が第2延出部166の複数の第2接続部180及び一部の第1接続部178から出力される。
【0074】
一例として、複数の第1接続部178の個数は、8つであるため、第1延出部164からは、8bitの角度検出信号が出力される。また、一例として、複数の第2接続部180の個数は、6つであるため、第2延出部166からは、6bitの角度検出信号が出力される。
【0075】
具体的には、複数の信号線176のうちの接点ブラシ154を介してグランド線174に接続された信号線176に対応する第1接続部178又は第2接続部180からは、Lレベルの信号が出力される。一方、複数の信号線176のうちのグランド線174から離れている信号線176(すなわち、接点ブラシ154を介してグランド線174に接続されていない信号線176)に対応する第1接続部178又は第2接続部180からは、Hレベルの信号が出力される。角度検出信号は、本開示の技術に係る「回動に関連する信号」の一例である。
【0076】
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0077】
本実施形態に係るレンズ装置12は、チルト機構18及びシフト機構20を光軸方向の周りに回転させるレボルビング機構22を備える。したがって、レボルビング機構22によってチルト機構18を回転させることにより、レンズ機構16をチルトさせる方向を変更することができる。また、レボルビング機構22によってシフト機構20を回転させることにより、レンズ機構16をシフトさせる方向を変更することができる。
【0078】
また、レンズ装置12は、レンズ機構16に固定された固定部150と、固定部150に回動可能に連結された回動部152とを備える。固定部150は、接点ブラシ154を有し、回動部152は、FPC156と、基板158とを有する。FPC156は、導体パターン172を有する本体部162と、本体部162の第1端部162Aから延出する第1延出部164と、本体部162の第2端部162Bから延出する第2延出部166とを有する。第1延出部164及び第2延出部166は、基板158と接続されている。したがって、例えば、本体部162から1つの延出部が延出する構造に比して、導体パターン172の幅寸法、ひいては、本体部162の幅寸法を小さくすることができる。これにより、レンズ装置12を径方向に小型化することができる。
【0079】
また、第1延出部164は、複数の第1接続部178を有し、第2延出部166は、複数の第2接続部180を有する。したがって、第1延出部164からは、複数の第1接続部178の個数に対応するビット数の角度検出信号を出力することができ、第2延出部166からは、複数の第2接続部180の個数に対応するビット数の角度検出信号を出力することができる。
【0080】
また、導体パターン172は、グレイコードに基づくパターンである。したがって、回動部152の回動角度に応じて、接点ブラシ154と導体パターン172の接触状態が変化することにより、グレイコードに対応する角度検出信号を出力することができる。
【0081】
また、接点ブラシ154は、複数の接触子190を有する。複数の接触子190は、互いに電気的に接続されている。一方、導体パターン172は、グランド線174と、複数の信号線176とを有する。グランド線174は、グランド(図示省略)に接続されており、各信号線176は、プルアップ抵抗器(図示省略)を介して電源(図示省略)に接続されている。したがって、複数の信号線176のうちの接点ブラシ154を介してグランド線174に接続された信号線176に対応する第1接続部178又は第2接続部180からは、Lレベルの信号を出力することができる。一方、複数の信号線176のうちのグランド線174から離れている信号線176(すなわち、接点ブラシ154を介してグランド線174に接続されていない信号線176)に対応する第1接続部178又は第2接続部180からは、Hレベルの信号を出力することができる。
【0082】
また、接点ブラシ154は、固定部150に設けられており、FPC156及び基板158は、回動部152に設けられている。ここで、固定部150は、レボルビングステージ38、シフトベース44、及びシフトステージ46を有しており、回動部152よりも複雑な構造である。したがって、固定部150よりも簡単な構造である回動部152にFPC156及び基板158が設けられることにより、例えば、FPC156及び基板158が固定部150に設けられた場合に比して、レンズ装置12を小型化することができる。
【0083】
また、第1延出部164及び第2延出部166からは、角度検出信号が出力される。したがって、撮像装置ボディ14(図1参照)において、角度検出信号に基づく各種処理を実行することができる。
【0084】
また、第1延出部164は、本体部162の第1端部162Aから延出し、第2延出部166は、本体部162の第2端部162Bから延出する。したがって、例えば、本体部162における第1端部162Aと第2端部162Bとの間から第1延出部164及び第2延出部166が延出する構造に比して、導体パターン172と複数の第1接続部178との接続構造、及び、導体パターン172と複数の第2接続部180との接続構造を簡素化することができる。これにより、FPC156を小型化、ひいては、レンズ装置12を小型化することができる。
【0085】
また、本体部162は、回動部152の回動方向に延びており、第1延出部164及び第2延出部166は、本体部162から回動部152の中心側(すなわち、回動部152の径方向の内側)へ延出する。したがって、例えば、第1延出部164及び第2延出部166が本体部162から回動部152の中心側とは反対側へ延出する構造に比して、FPC156が回動部152の径方向の外側へ張り出すことを抑制することができる。これにより、レンズ装置12を径方向に小型化することができる。
【0086】
また、接点ブラシ154は、光軸方向から正面視した場合に回動部152が回動する範囲内で基板158と重なる位置に配置されている。したがって、例えば、接点ブラシ154が、光軸方向から正面視した場合に基板158に対してずれた位置に配置されている構造に比して、FPC156を基板158に近づけて配置することができる。これにより、導体パターン172と基板158とを接続する第1延出部164及び第2延出部166の長さを短くすることができるので、ノイズに対する耐性を向上させることができる。
【0087】
また、基板158は、回動部152の回動方向に延びており、基板158の中心角θは、180°以下である。したがって、例えば、基板158の中心角θが180°よりも大きい場合に比して、レンズ装置12を小型化することができる。
【0088】
また、本体部162は、第1領域182と、第2領域184とを有している。第1延出部164は、第1領域182に対応しており、第2延出部166は、第2領域184に対応している。したがって、接点ブラシ154が第1領域182に位置している状態では、回動部152の回動角度に応じた角度検出信号を第1延出部164の複数の第1接続部178から出力することができる。一方、接点ブラシ154が第2領域184に位置している状態では、回動部152の回動角度に応じた検出信号を第2延出部166の複数の第2接続部180から出力することができる。
【0089】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0090】
図14には、導体パターン172の変形例が示されている。図14に示す変形例では、グランド線174が第1グランド線174A及び第2グランド線174Bに分割されている。このように、グランド線174が第1グランド線174A及び第2グランド線174Bに分割されていると、例えば、図13に示す例のように、直線状に延びる1本のグランド線174を導体パターン172が有する場合に比して、導体パターン172の分割数を増加させることができる。これにより、回動部152の回動角度を検出する場合の分解能を高めることができる。
【0091】
また、図14に示す例では、第1グランド線174Aの一部174A1と第2グランド線174Bの一部174B1とは、矢印R方向にオーバーラップしている。なお、グランド線174と同様に、複数の信号線176のうちのいずれかの信号線176が第1信号線及び第2信号線に分割され、第1信号線の一部と第2信号線の一部とが矢印R方向にオーバーラップしていてもよい。
【0092】
このように第1信号線の一部と第2信号線の一部とが矢印R方向にオーバーラップしていると、接点ブラシ154が第1信号線の一部と第2信号線の一部とに接触した場合には、接点ブラシ154がグランド線174に接触した状態と同様に、第1信号線に対応する第1接続部178又は第2信号線に対応する第2接続部180からLレベルの信号を出力することができる。
【0093】
第1グランド線174Aは、本開示の技術に係る「第1線」の一例であり、第2グランド線174Bは、本開示の技術に係る「第2線」の一例である。第1信号線は、本開示の技術に係る「第1線」の一例であり、第2信号線は、本開示の技術に係る「第2線」の一例である。
【0094】
また、上記実施形態では、固定部150が接点ブラシ154を有し、回動部152がFPC156及び基板158を有するが、固定部150がFPC156及び基板158を有し、回動部152が接点ブラシ154を有していてもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、接点ブラシ154が用いられているが、接点ブラシ154と同様の機能を有する部材が用いられてもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、導体パターン172がFPC156に設けられているが、導体パターン172は、FPC156以外の構成の部材に設けられてもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、FPC156が用いられているが、FPC156と同様の機能を有する部材が用いられてもよい。
【0098】
また、上記実施形態において、FPC156は、第1延出部164及び第2延出部166を有するが、FPC156が有する延出部の個数は、3つ以上でもよい。
【0099】
また、上記実施形態において、第1延出部164は、本体部162の第1端部162Aから延出するが、第1延出部164は、本体部162の第1端部162A以外の部位から延出してもよい。同様に、第2延出部166は、本体部162の第2端部162Bから延出するが、第2延出部166は、本体部162の第2端部162B以外の部位から延出してもよい。
【0100】
また、上記実施形態において、第1延出部164及び第2延出部166は、本体部162から回動部152の中心側へ延出するが、本体部162から回動部152の中心側とは異なる側へ延出してもよい。
【0101】
また、上記実施形態において、接点ブラシ154は、光軸方向から正面視した場合に回動部152が回動する範囲内で基板158と重なる位置に配置されているが、光軸方向から正面視した場合に基板158に対してずれた位置に配置されていてもよい。
【0102】
また、上記実施形態において、レボルビング機構22は、チルト機構18及びシフト機構20を光軸方向の周りに回転させる機構であるが、チルト機構18及びシフト機構20のどちらか一方を光軸方向の周りに回転させる機構でもよい。
【0103】
また、上記実施形態において、レンズ装置12は、チルト機構18、シフト機構20、及びレボルビング機構22を有するが、チルト機構18、シフト機構20、及びレボルビング機構22の少なくとも一つは、省かれてもよい。
【0104】
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0105】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【符号の説明】
【0106】
10 撮像装置
12 レンズ装置
14 撮像装置ボディ
16 レンズ機構
18 チルト機構
20 シフト機構
22 レボルビング機構
24 マウント
26 フォーカスリング
28 チルトベース
30 チルトステージ
32 チルトロック
34 チルトつまみ
36 境界
38 レボルビングステージ
40 レボルビングベース
42 境界
44 シフトベース
46 シフトステージ
48 シフトロック
50 シフトつまみ
52 境界
54 環状部
60 第1レンズ
62 第2レンズ
64 第3レンズ
66 第1レンズ枠
68 第2レンズ枠
70 第3レンズ枠
72 移動枠
74 固定部材
76 カム筒
78 回転筒
80 第1枠
82 第2枠
84 第3枠
86 第4枠
88 固定枠
90 連結枠
92 カム軸
94 カム溝
96 カム機構
150 固定部
152 回動部
154 接点ブラシ
156 フレキシブル基板
158 基板
160 回動角度検出機構
162 本体部
162A 第1端部
162B 第2端部
164 第1延出部
166 第2延出部
168 第1コネクタ
170 第2コネクタ
172 導体パターン
174 グランド線
174A 第1グランド線
174B 第2グランド線
176 信号線
178 第1接続部
179 接続部
180 第2接続部
182 第1領域
184 第2領域
186 境界
190 接触子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14