(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050511
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】チャットボット制御システム、チャットボット制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 51/02 20220101AFI20240403BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240403BHJP
H04L 51/226 20220101ALI20240403BHJP
H04L 51/216 20220101ALI20240403BHJP
H04L 51/046 20220101ALI20240403BHJP
【FI】
H04L51/02
G06Q50/10
H04L51/226
H04L51/216
H04L51/046
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023168730
(22)【出願日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】P 2022156845
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】森 剛史
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】作業効率の向上を図る。
【解決手段】実施形態に係るチャットボット制御システムが、ユーザとチャットボットとの間の対話を示したチャットダイアログを構成するメッセージの、送信及び受信のうちいずれか一つ以上を、前記ユーザが利用する通信端末との間で行う通信制御部と、前記通信端末に対する第1のチャットダイアログの開始の要求を示した通知を受け付ける受付部と、前記通信端末で第2のチャットダイアログが実行されている場合に、前記受付部が受け付けた前記通知に対応する前記第1のチャットダイアログを待機させる制御を行う待機制御部と、を備え、前記通信制御部は、複数の前記第1のチャットダイアログを待機させた状態で前記第2のチャットダイアログが実行されていないと判定された場合に、予め定められた優先情報に基づいて、前記複数の第1のチャットダイアログのうちいずれかを構成するメッセージを前記通信端末に送信する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザとチャットボットとの間の対話を示したチャットダイアログを構成するメッセージの、送信及び受信のうちいずれか一つ以上を、前記ユーザが利用する通信端末との間で行う通信制御部と、
前記通信端末に対する第1のチャットダイアログの開始の要求を示した通知を受け付ける受付部と、
前記通信端末で第2のチャットダイアログが実行されている場合に、前記受付部が受け付けた前記通知に対応する前記第1のチャットダイアログを待機させる制御を行う待機制御部と、を備え、
前記通信制御部は、複数の前記第1のチャットダイアログを待機させた状態で前記第2のチャットダイアログが実行されていないと判定された場合に、予め定められた優先情報に基づいて、前記複数の第1のチャットダイアログのうちいずれかを構成する前記メッセージを前記通信端末に送信する、
チャットボット制御システム。
【請求項2】
前記チャットダイアログの開始となる開始メッセージと、前記チャットダイアログの終了となる終了メッセージと、を対応付けたチャットダイアログ記憶部をさらに有し、
前記通信制御部が、前記通信端末との間で、前記開始メッセージを送信又は受信した後、当該開始メッセージに対応する前記終了メッセージを送信又は受信し、
前記待機制御部は、前記第2のチャットダイアログである、前記開始メッセージを送信又は受信してから、前記開始メッセージに対応する前記終了メッセージを送信又は受信するまでの間、複数の前記第1のチャットダイアログを待機させる制御を行う、
請求項1に記載のチャットボット制御システム。
【請求項3】
前記通信制御部は、前記通信端末に表示された画面から選択されたボタンに対応付けられた前記メッセージを、前記開始メッセージとして受信する、
請求項2に記載のチャットボット制御システム。
【請求項4】
前記通信制御部が送信又は受信する前記メッセージに基づいて、前記通信端末において前記第2のチャットダイアログが実行されているか否かを判定する実行判定部をさらに備え、
前記実行判定部は、前記第2のチャットダイアログが実行されていると判定した場合、所定時間経過した後、前記第2のチャットダイアログが実行されているか否かを判定し、 前記待機制御部は、前記実行判定部によって、前記第2のチャットダイアログが実行されていないと判定されるまで、複数の前記第1のチャットダイアログを待機させる制御を行う、
請求項1に記載のチャットボット制御システム。
【請求項5】
前記チャットボット制御システムは、前記チャットダイアログを制御するチャット制御システムと、外部システムと連携する外部連携システムと、を有し、
前記チャット制御システムは、
前記受付部と、前記通信制御部と、を有し、
前記通信制御部は、さらに、前記第2のチャットダイアログ又は前記優先情報に基づいて、前記通知を待機させる旨を示した情報を、前記外部連携システムに送信し、
前記外部連携システムは、
前記待機制御部と、前記外部システムからの要求に基づいて前記チャット制御システムに対して前記通知を送信する外部側通信制御部と、を有し、
前記待機制御部は、前記チャット制御システムから受信した、前記通知を待機させる旨を示した情報に基づいて、前記通知を、前記チャット制御システムに送信することを待機させる制御を行う、
請求項1に記載のチャットボット制御システム。
【請求項6】
前記チャットボット制御システムは、前記チャットダイアログを制御するチャット制御システムと、外部システムと連携する外部連携システムと、を有し、
前記外部連携システムは、
前記外部システムからの要求に基づいて、前記チャット制御システムに対して、前記通知を送信する外部側通信制御部を有し、
前記チャット制御システムは、
前記通信制御部と、前記受付部と、前記待機制御部と、を有し、
前記受付部は、前記外部システムから、前記外部連携システムを介して前記通知を受け付ける、
請求項1に記載のチャットボット制御システム。
【請求項7】
前記チャットダイアログの状況を示したパラメータと当該状況で前記ユーザにより入力された前記メッセージとの組み合わせに基づいて学習された学習済モデルを参照して、前記チャットダイアログの現在の状況を示したパラメータに基づいて、前記現在の状況に対応する前記メッセージを生成するモデル制御部を、さらに備え、
前記通信制御部は、前記モデル制御部により生成された前記メッセージを選択可能な態様で送信する、
請求項1に記載のチャットボット制御システム。
【請求項8】
ユーザとチャットボットとの間の対話を示したチャットダイアログを構成するメッセージの、送信及び受信のうちいずれか一つ以上を、前記ユーザが利用する通信端末との間で行う通信ステップと、
前記通信端末に対する第1のチャットダイアログの開始の要求を示した通知を受け付ける受付ステップと、
前記通信端末で第2のチャットダイアログが実行されている場合に、前記受付ステップで受け付けた前記通知に対応する前記第1のチャットダイアログを待機させる制御を行う待機ステップと、
複数の前記第1のチャットダイアログを待機させた状態で前記第2のチャットダイアログが実行されていないと判定された場合に、予め定められた優先情報に基づいて、前記複数の第1のチャットダイアログのうちいずれかを構成する前記メッセージを前記通信端末に送信する送信ステップと、
を有するチャットボット制御方法。
【請求項9】
ユーザとチャットボットとの間の対話を示したチャットダイアログを構成するメッセージの、送信及び受信のうちいずれか一つ以上を、前記ユーザが利用する通信端末との間で行う通信ステップと、
前記通信端末に対する第1のチャットダイアログの開始の要求を示した通知を受け付ける受付ステップと、
前記通信端末で第2のチャットダイアログが実行されている場合に、前記受付ステップで受け付けた前記通知に対応する前記第1のチャットダイアログを待機させる制御を行う待機ステップと、
複数の前記第1のチャットダイアログを待機させた状態で前記第2のチャットダイアログが実行されていないと判定された場合に、予め定められた優先情報に基づいて、前記複数の第1のチャットダイアログのうちいずれかを構成する前記メッセージを前記通信端末に送信する送信ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャットボット制御システム、チャットボット制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等においては、ユーザ間でメッセージの送受信を行うメッセージサービスが普及する傾向にある。当該メッセージサービスによるメッセージの送受信は、ユーザ間で行われる手法に制限するものではなく、テキスト又は音声によって対話を自動的に行うプログラムであるチャットボットを相手としたサービスも普及する傾向にある。
【0003】
例えば、外部システムと連携を行うために、チャットボットを用いてユーザに対話(ダイアログ)を促す技術が提案されている。具体的な例としては、特許文献1に記載されているような、チャットボットが、外部システムから取得したデータに基づいて、ユーザと対話するためのメッセージを生成し、出力する技術が提案されている。チャットボットがメッセージを出力して、ユーザに対話を促すことで、外部システムに送信する情報を収集することを容易にしている。
【0004】
このようなチャットボットを用いた対話(以下、チャットダイアログとも称する)は、ユーザからのメッセージの入力に従って開始される手法の他に、外部システムからの要求に従って開始される手法も存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、外部システムからの要求に従ってチャットダイアログが開始されるプッシュ通知が行われた時、プッシュ通知の対象となるユーザが既にチャットダイアログを実行中の状況も存在する。チャットダイアログの実行中に別のチャットダイアログを開始するためのメッセージが新たに差し込まれる可能性がある。さらには、差し込まれるメッセージは複数存在する可能性がある。このような状況が生じた場合に、複数のメッセージについて、ユーザが効率的に作業を行えるよう制御する必要がある。
【0006】
本発明の実施形態は、上記課題に鑑み、チャットダイアログの実行中に、別のチャットダイアログが複数通知された場合に、チャットダイアログの優先度を考慮して制御を行うことで、作業効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明は、チャットボット制御システムが、ユーザとチャットボットとの間の対話を示したチャットダイアログを構成するメッセージの、送信及び受信のうちいずれか一つ以上を、前記ユーザが利用する通信端末との間で行う通信制御部と、前記通信端末に対する第1のチャットダイアログの開始の要求を示した通知を受け付ける受付部と、前記通信端末で第2のチャットダイアログが実行されている場合に、前記受付部が受け付けた前記通知に対応する前記第1のチャットダイアログを待機させる制御を行う待機制御部と、を備え、前記通信制御部は、複数の前記第1のチャットダイアログを待機させた状態で前記第2のチャットダイアログが実行されていないと判定された場合に、予め定められた優先情報に基づいて、前記複数の第1のチャットダイアログのうちいずれかを構成するメッセージを前記通信端末に送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、チャットダイアログの優先度を考慮して制御を行うことで、作業効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る業務処理システムの一例を示した図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係るチャットクラウドサービス、業務管理連携クラウドサービス、日程管理連携クラウドサービス、及びアンケート連携クラウドサービスのハードウェア構成図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係るスマートフォンのハードウェア構成図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る業務処理システムに含まれる各構成の機能ブロックを例示した図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係るチャットシナリオ記憶部が記憶するチャットシナリオの一部を示した図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係るスマートフォンにおいて表示される表示画面を例示した図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る業務処理システムにおけるチャットボット制御を概念的に示した図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る業務処理システムで行われる処理を示したシーケンス図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係るスマートフォンに表示されている、業務報告に対応するチャットダイアログの画面例である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係るスマートフォンに表示されている、プッシュ通知に基づいた日程調整結果に対応するチャットダイアログの画面例である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態に係る業務処理システムに含まれる各構成の機能ブロックを例示した図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態に係る業務処理システムで行われる処理を示したシーケンス図である。
【
図13】
図13は、第2の実施形態に係る外部システムとチャットクラウドサービス10との間で行われる処理を概念的に示した図である。
【
図14】
図14は、第3の実施形態に係る、AI制御システムが追加された業務処理システムに含まれる各構成の機能ブロックを例示した図である。
【
図15】
図15は、第3の実施形態に係るAI制御システムにおける学習済モデルを生成する際の処理手順を示したフローチャートである。
【
図16】
図16は、第3の実施形態に係る業務処理システムで行われる処理を示したシーケンス図である。
【
図17】
図17は、第4の実施形態に係る業務処理システムで行われる処理を示したシーケンス図である。
【
図18】
図18は、第5の実施形態に係る、音声変換システムを含んだ業務処理システムの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係るチャットボット制御システム、チャットボット制御方法、及びプログラムを、業務処理システム適用した実施形態について詳細に説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る業務処理システム1の一例を示した図である。
図1に示される例では、本実施形態に係る業務処理システム1として、チャットクラウドサービス10と、業務管理連携クラウドサービス20と、業務管理システム25と、日程管理連携クラウドサービス30と、日程管理システム35と、アンケート連携クラウドサービス40と、アンケートシステム45と、スマートフォン60と、を備えている。
【0012】
スマートフォン60は、通信ネットワーク100を介して、チャットクラウドサービス10などの外部のシステム環境との間で通信可能な通信端末である。本実施形態は、ユーザが利用する通信端末の一例として、スマートフォン60を用いる場合について説明する。なお、本実施形態は、ユーザが利用する通信端末を、スマートフォン60に制限するものではない。通信端末は、通信ネットワーク100に接続するための通信インターフェースを備える端末であればよく、例えば、タブレット端末、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルPC(サングラス型、腕時計型など)であってもよい。
【0013】
スマートフォン60は、ブラウザソフトウェア、又は、チャットを行うためのアプリケーションソフトウェアが動作すればよい。例えば、カーナビ、ゲーム機、テレビ受像器などもユーザが利用する通信端末となりうる。
【0014】
チャットクラウドサービス10と、業務管理連携クラウドサービス20と、業務管理システム25と、日程管理連携クラウドサービス30と、日程管理システム35と、アンケート連携クラウドサービス40と、アンケートシステム45と、スマートフォン60と、は通信ネットワーク100を介して接続されている。
【0015】
なお、業務管理連携クラウドサービス20と業務管理システム25との間、日程管理連携クラウドサービス30と日程管理システム35との間、及び、アンケート連携クラウドサービス40とアンケートシステム45との間は、通信ネットワーク100を介して接続される態様に制限するものではなく、例えば、LAN(Local Area Network)を介して接続されてもよい。
【0016】
通信ネットワーク100は、外部の装置が接続可能な広域ネットワークであって、例えば、複数のコンピュータネットワークを相互接続したInternetでもよい。さらには、通信ネットワーク100には、基地局を末端とする移動体通信ネットワークが含まれてよい。
【0017】
チャットクラウドサービス10、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、及び、アンケート連携クラウドサービス40は、通信ネットワーク100を経由したクラウドサービスとして、後述する業務サービスを利用者に提供するために設けられたシステム環境(外部連携システムの一例)である。本実施形態に係るチャットクラウドサービス10、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、及び、アンケート連携クラウドサービス40が提供する業務サービスは、クラウドサービスに制限するものではなく、例えばASP(Application Service Provider)によって提供されるサービスであってもよい。
【0018】
チャットクラウドサービス10、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、及び、アンケート連携クラウドサービス40は、例えば、コンピュータの構成を有する情報処理装置、又は複数のコンピュータで構成されるシステムで実現されるサービスであって、具体的なコンピュータのハードウェアの構成については後述する。
【0019】
また、チャットクラウドサービス10、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、及び、アンケート連携クラウドサービス40は、業務サービスを提供する事業者と、コンピュータで構成されるシステムを提供する事業者と、を異ならせたシステム環境に制限するものではなく、オンプレミス環境として提供してもよい。
【0020】
業務管理システム25、日程管理システム35、及びアンケートシステム45は、業務サービスを提供するために、設けられた1つ又は複数の情報処理装置である。業務管理システム25、日程管理システム35、及びアンケートシステム45は、外部からの要求に応じて、業務サービスを、通信ネットワーク100を介して外部の装置(例えば、各種の連携クラウドサービス)に対して提供する。本実施形態では、業務管理システム25、日程管理システム35、及びアンケートシステム45をオンプレミス環境で運用する例として示しているが、クラウドサービスとして提供されてもよい。
【0021】
業務管理システム25は、業務を管理するためのシステムである。例えば、業務管理システム25は、業務報告文書の管理サービスを提供する。
【0022】
業務報告文書の管理サービスは、ユーザによって作成された業務報告文書を管理するためのサービスである。業務報告文書の管理サービスは、ユーザによって作成された業務報告文書を受け取ると共に、必要に応じてユーザに関連する担当者(例えば上司)に、当該業務報告文書による報告を行ってもよい。
【0023】
本実施形態に係る業務報告文書の管理サービスは、業務管理連携クラウドサービス20及びチャットクラウドサービス10を用いることで、業務報告文書を作成する際に、チャットボットからの質問形式で、業務作成文書の各項目の内容をユーザに入力させることができる。
【0024】
日程管理システム35は、日程管理サービスを提供するためのシステムである。日程管理サービスは、様々な日程を管理する。例えば、任意の企業において、ユーザ及び会議室のスケジュール管理を行う。
【0025】
さらに、日程管理サービスは、1人又は複数のユーザとの間で打合せなどの日程を調整するための機能を有する。例えば、日程を調整する機能としては、一人のユーザから打合せの設定依頼を受け付けた場合に、打合せに参加する複数のユーザに空いている日程の問い合わせを行うことで、複数のユーザが参加可能な打合せの日程を調整可能な機能とする。さらに、日程管理サービスは、会議室のスケジュール管理機能によって、当該日程における会議室の確保等を行ってもよい。
【0026】
さらに、日程管理サービスは、以下の機能を有してもよい。
・同じグループの人とカレンダーを共有する
・登録された会議などのスケジュールについて、予約者が確認できる
・予定の30分前など、設定した日時にリマインドを行う
【0027】
本実施形態に係る日程管理サービスは、日程管理連携クラウドサービス30及びチャットクラウドサービス10を用いることで、チャットボットからの質問形式で、打合せの設定依頼、空いている日程の問い合わせ、スケジュールの確認、及び日時のリマインドに関するチャットダイアログを実行できる。
【0028】
アンケートシステム45は、アンケートサービスを提供するためのシステムである。アンケートサービスは、ユーザに対して様々なアンケートを行う。
【0029】
本実施形態に係るアンケートサービスは、アンケート連携クラウドサービス40及びチャットクラウドサービス10を用いることで、チャットボットからの質問形式で、アンケートの入力に関するチャットダイアログを実行できる。
【0030】
本実施形態は、業務管理、日程管理、アンケートの業務サービスを各々のシステムで行う例について説明するが、これらの業務サービスを一つのシステムで行ってもよい。
【0031】
このように、業務管理システム25、日程管理システム35、及びアンケートシステム45は、連携クラウドサービス(例えば、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、アンケート連携クラウドサービス40)を介することで、チャットクラウドサービス10に対して、チャットボットによるチャットダイアログの実行を要求できる。本実施形態では、チャットダイアログの実行によって、様々な業務サービスの提供を実現できる。
【0032】
チャットダイアログの実行を実行するために、業務管理システム25、日程管理システム35、及びアンケートシステム45は、連携クラウドサービス(例えば、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、及びアンケート連携クラウドサービス40)に対して、チャットダイアログを実行するために必要なデータを送信する。
【0033】
<チャットボット制御システム>
本実施形態においては、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、又はアンケート連携クラウドサービス40と、チャットクラウドサービス10と、の組み合わせたチャットボット制御システムによって、業務システム(例えば、業務管理システム25、日程管理システム35、又はアンケートシステム45)からの要求に応じたチャットボットによるユーザとの対話(以下、チャットダイアログと称する)を実行する。なお、本実施形態は、チャットボット制御システムを、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、又はアンケート連携クラウドサービス40と、チャットクラウドサービス10と、の組み合わせた態様に制限するものではなく、様々なシステムの組み合わせで実現してもよい。
【0034】
業務管理連携クラウドサービス20は、業務管理システム25からの提供される業務サービス(例えば、業務報告文書の管理サービス)と連携するために設けられたシステム環境(クラウドサービス)とする。本実施形態に係る業務管理連携クラウドサービス20は、業務管理システム25からの要求に応じて、当該要求に対応するシナリオでチャットダイアログを実行するプッシュ通知を、チャットクラウドサービス10に送信する。
【0035】
日程管理連携クラウドサービス30は、日程管理システム35からの提供される日程管理サービスと連携するために設けられたシステム環境(クラウドサービス)とする。本実施形態に係る日程管理連携クラウドサービス30は、日程管理システム35からの要求に応じて、当該要求に対応するシナリオでチャットダイアログを実行するプッシュ通知を、チャットクラウドサービス10に送信する。
【0036】
アンケート連携クラウドサービス40は、アンケートシステム45からの提供されるアンケートサービスと連携するために設けられたシステム環境(クラウドサービス)とする。本実施形態に係るアンケート連携クラウドサービス40は、アンケートシステム45からの要求に応じて、当該要求に対応するシナリオでチャットダイアログを実行するためのプッシュ通知を、チャットクラウドサービス10に送信する。
【0037】
チャットクラウドサービス(チャット制御システムの一例)10は、複数のユーザにおけるテキスト、音声、映像などの情報をリアルタイムに共有するためのチャットシステムを用いて、様々なサービスを提供する。共有される情報は、画像や音声等もありテキストに限られないが、本実施形態では説明の便宜上、通知には主にテキストが用いられる場合について説明する。例えば、チャットシステムは、グループ間の音声通話機能を提供してよい。音声通話は1対1でも1対N(≧2)でもよい。
【0038】
なお、チャットシステムとしてはLINE(登録商標)、slack、Microsoft Teams(登録商標)等が知られているが、チャットボット(事前に決められている処理を実行するプログラム)から1又は複数のユーザに対して通知が可能なチャットシステムであればよい。
【0039】
チャットクラウドサービス10は、ユーザが使用する通信端末(例えばスマートフォン60)との間で、チャットボットによるチャットダイアログを実行する。本実施形態に係るチャットクラウドサービス10は、連携クラウドサービス(業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、又はアンケート連携クラウドサービス40)を介することで、チャットダイアログの結果を業務システム(業務管理システム25、日程管理システム35、又はアンケートシステム45)に提供できる。
【0040】
チャットクラウドサービス10がチャットダイアログを開始する条件は、どのような条件であってもよく、例えば、ユーザが使用する通信端末(例えばスマートフォン60)から所定のキーワードを含むメッセージを受信した場合でもよいし、連携クラウドサービス(業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、又はアンケート連携クラウドサービス40)からプッシュ通知の依頼を受信した場合でもよい。
【0041】
次に、チャットクラウドサービス10、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、及びアンケート連携クラウドサービス40のハードウェア構成について説明する。チャットクラウドサービス10、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、及びアンケート連携クラウドサービス40のハードウェア構成は、1つ又は複数の情報処理装置であればよい。
【0042】
<<チャットクラウドサービス、業務管理連携クラウドサービス、日程管理連携クラウドサービス、及びアンケート連携クラウドサービスのハードウェア構成>>
図2は、本実施形態に係るチャットクラウドサービス10、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、及びアンケート連携クラウドサービス40のハードウェア構成図である。
図2に示されるハードウェア構成は、一例として示したものである。チャットクラウドサービス10、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、及びアンケート連携クラウドサービス40は、
図2に示されるハードウェア構成に、一般的なサーバOSが実行されることで実現される。
【0043】
特に、チャットクラウドサービス10、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、及びアンケート連携クラウドサービス40は、任意の事業者から提供されるプラットフォーム上に構築されるサービスであるため、
図2に示されるハードウェア構成に制限するものではなく、任意のハードウェア構成でよい。業務サービスの提供者は、当該プラットフォームを利用することで、ハードウェア構成を認識することなく、任意のサービスを提供することができる。
【0044】
図2に示されているように、チャットクラウドサービス10、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、及びアンケート連携クラウドサービス40を実現するための情報処理装置は、1つ又は複数のコンピュータによって構築されており、
図2に示されているように、CPU201、ROM202、RAM203、HD204、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ205、ディスプレイ206、外部機器接続I/F(Interface)208、ネットワークI/F209、データバス210、キーボード211、ポインティングデバイス212、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ214、メディアI/F216を備えている。
【0045】
CPU201は、チャットクラウドサービス10、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、及びアンケート連携クラウドサービス40の各々について、全体の動作を制御する。ROM202は、IPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HD204は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ205は、CPU201の制御に従って、HD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ206は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F208は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F209は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。データバス210は、
図2に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0046】
また、キーボード211は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス212は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ214は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW213に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F216は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0047】
また、
図2に示されるハードウェア構成は、様々なシステムに適用してもよい。例えば、
図2に示されるハードウェア構成を、業務管理システム25、日程管理システム35、及びアンケートシステム45の各々に適用してもよい。
【0048】
<<スマートフォンのハードウェア構成>>
図3は、第1の実施形態に係るスマートフォン60のハードウェア構成図である。
図3に示されているように、スマートフォン60は、CPU301、ROM302、RAM303、EEPROM304、CMOSセンサ305、撮像素子I/F306、加速度・方位センサ307、メディアI/F309、GPS受信部311を備えている。
【0049】
これらのうち、CPU301は、スマートフォン60全体の動作を制御する。ROM302は、CPU301やIPL等のCPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。EEPROM304は、CPU301の制御に従って、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みが行われる。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ305は、CPU301の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F306は、CMOSセンサ305の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ307は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F309は、フラッシュメモリ等の記録メディア308に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部311は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0050】
また、スマートフォン60は、遠距離通信回路312、CMOSセンサ313、撮像素子I/F314、マイク315、スピーカ316、音入出力I/F317、ディスプレイ318、外部機器接続I/F(Interface)319、近距離通信回路320、近距離通信回路320のアンテナ320a、及びタッチパネル321を備えている。
【0051】
これらのうち、遠距離通信回路312は、通信ネットワーク100を介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ313は、CPU301の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F314は、CMOSセンサ313の駆動を制御する回路である。マイク315は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ316は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F317は、CPU301の制御に従ってマイク315及びスピーカ316との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ318は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F319は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路320は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル321は、利用者がディスプレイ318を押下することで、スマートフォン60を操作する入力手段の一種である。
【0052】
また、スマートフォン60は、バスライン310を備えている。バスライン310は、
図3に示されているCPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0053】
<<ソフトウェア構成>>
図4は、本実施形態に係る業務処理システム1に含まれる各構成の機能ブロックを例示した図である。
【0054】
本実施形態においては、業務管理システム25で提供される業務管理サービスは、チャットクラウドサービス10、及び業務管理連携クラウドサービス20を介することで、ユーザのスマートフォン60に対して、業務管理に関するチャットダイアログとして提供される。
【0055】
また、日程管理システム35で提供される日程管理サービスは、チャットクラウドサービス10、及び日程管理連携クラウドサービス30を介することで、ユーザのスマートフォン60に対して、日程管理に関するチャットダイアログとして提供される。
【0056】
また、アンケートシステム45で提供されるアンケートサービスは、チャットクラウドサービス10、及びアンケート連携クラウドサービス40を介することで、ユーザのスマートフォン60に対して、アンケートに関するチャットダイアログとして提供される。
【0057】
本実施形態では、様々な業務サービス(例えば、業務管理サービス、日程管理サービス、及びアンケートサービス)が、チャットボットからの質問形式等によるチャットダイアログとして提供される。この場合、複数の業務サービスの各々に対応するチャットダイアログの開始要求が、ユーザに対して差し込まれる可能性がある。換言すれば、ユーザが一つのチャットボットと対話している時に他のチャットボットによる対話が差し込まれる可能性がある。このような場合に、ユーザは、どちらに対して応答すべきか混乱する可能性がある。
【0058】
そこで、本実施形態では、チャットクラウドサービス10、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、及びアンケート連携クラウドサービス40の制御によって、ユーザが一つのチャットボットと対話している時に、他のチャットボットとの対話を待機されるように制御を行う。
【0059】
さらに、ユーザが一つのチャットボットと対話している時に、チャットボットによる対話の要求を示したプッシュ通知が複数回行われる可能性がある。このような状況が生じた場合、一つのチャットボットとの対話が終了した後に、プッシュ通知を受け付けた順序に従ってチャットボットとの対話が行われるのが一般的である。
【0060】
しかしながら、チャットボットによる対話には、優先すべき度合いがある。このため、プッシュ通知を受け付けた順序に従ってチャットボットとの対話が行われた場合、すぐに対応が必要なチャットダイアログにすぐにユーザが取り掛かれないことが懸念される。
【0061】
そこで、本実施形態においては、チャットダイアログ毎の優先度を管理する。これにより、複数のチャットダイアログを待機させた場合に、優先度に従って、ユーザに対してチャットダイアログの実行を実現できる。優先度に基づいたチャットダイアログの実行手法については後述する。本実施形態では、2つのチャットダイアログを待機させる場合について説明するが、3つ以上のチャットダイアログを待機させてもよい。3つ以上のチャットダイアログを待機させた場合でも、同様の制御が行われる。
【0062】
日程管理連携クラウドサービス30は、日程管理サービスをチャットダイアログとして提供するために、通信ネットワーク100に接続された日程管理システム35との間でデータの送受信を行う。
【0063】
日程管理連携クラウドサービス30は、通信制御部31と、業務連携制御部32と、プッシュ通知待機部33と、プッシュ通知制御部34と、を有する。日程管理連携クラウドサービス30が有するこれら各機能部は、
図2に示されたCPU201がHD204に記憶されたプログラムを読み込み、RAM203を作業領域として用いることで実現される。
【0064】
本実施形態に係る日程管理連携クラウドサービス30は、日程管理システム35から提供される日程管理サービスに対応するチャットダイアログを実行するように制御する。例えば、本実施形態に係る日程管理連携クラウドサービス30は、日程管理システム35から業務サービスに関するデータを受信した場合に、当該日程管理サービスに対応するシナリオでチャットダイアログを実行するように、チャットクラウドサービス10に要求する。
【0065】
通信制御部(外部側通信制御部の一例)31は、ネットワークI/F209を介して、通信ネットワーク100に接続された外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0066】
例えば、通信制御部31は、日程管理システム35から、日程管理サービスに関するデータを送受信する。さらには、通信制御部31は、チャットクラウドサービス10との間で日程管理サービスに基づいたチャットダイアログに関するデータを送受信する。
【0067】
業務連携制御部32は、日程管理システム35と連携して、日程管理に関する業務サービスをユーザに提供するための制御を行う。さらに、業務連携制御部32は、日程管理システム35から業務サービスに関するデータを受信した場合に、当該業務サービスに対応するシナリオの識別情報を特定し、当該シナリオの識別情報と共に、チャットを開始させるプッシュ通知の問い合わせの依頼を、プッシュ通知待機部33に行う。
【0068】
プッシュ通知待機部33は、プッシュ通知してよいか否かを、チャットクラウドサービス10に問い合わせる。プッシュ通知待機部33は、チャットクラウドサービス10からプッシュ通知を許可する旨の結果を受け付けた場合には、プッシュ通知制御部34にプッシュ通知を依頼する。一方、プッシュ通知待機部33は、チャットクラウドサービス10Aからプッシュ通知が許可されない旨の結果を受け付けた場合には、所定時間経過(例えば5分)後に、再び問い合わせを行う。当該問い合わせは、プッシュ通知が許可されるまで繰り返される。
【0069】
このように、プッシュ通知待機部33は、チャットクラウドサービス10から受信した、チャットクラウドサービス10からプッシュ通知を許可するか否かを示した情報(換言すれば、チャットダイアログが実行されているか否かを示した情報)に基づいて、プッシュ通知を、チャットクラウドサービス10に送信することを待機させる制御を行う。
【0070】
プッシュ通知制御部34は、待機させる制御が終了した後、プッシュ通知待機部33からの依頼に従って、通信制御部21を介して、シナリオの識別情報及び業務サービス(例えば、日程管理サービス)に関するデータと共に、チャットダイアログのプッシュ通知を、チャットクラウドサービス10に送信する。なお、送信するプッシュ通知には、チャットダイアログの要求先のスマートフォン60の識別情報が含まれている。
【0071】
このように、日程管理連携クラウドサービス30の通信制御部31は、プッシュ通知制御部34の制御によって、チャットクラウドサービス10に対して、プッシュ通知を送信する。
【0072】
アンケート連携クラウドサービス40は、アンケートサービスをチャットダイアログとして提供するために、通信ネットワーク100に接続されたアンケートシステム45との間でデータの送受信を行う。
【0073】
アンケート連携クラウドサービス40は、通信制御部41と、業務連携制御部42と、プッシュ通知待機部43と、プッシュ通知制御部44と、を有する。通信制御部41、業務連携制御部42、プッシュ通知待機部43、及びプッシュ通知制御部44は、日程管理連携クラウドサービス30が有する各構成と同様の機能を有するものとして説明を省略する。
【0074】
業務管理連携クラウドサービス20は、通信制御部21と、業務連携制御部22と、プッシュ通知待機部23と、プッシュ通知制御部24と、を有する。通信制御部21、業務連携制御部22、プッシュ通知待機部23、及びプッシュ通知制御部24は、日程管理連携クラウドサービス30が有する各構成と同様の機能を有するものとして説明を省略する。
【0075】
チャットクラウドサービス10は、通信制御部11と、チャットフロントエンド12と、チャットシナリオ制御部13と、チャット実行判定部14と、プッシュ通知受付部15と、プッシュ通知優先度判定部16と、を有する。チャットクラウドサービス10が有するこれら各機能部は、
図2に示されたCPU201がHD204に記憶されたプログラムを読み込み、RAM203を作業領域として用いることで実現される。また、チャットシナリオ記憶部17、及び優先度記憶部18は、HD204に設けられている。
【0076】
本実施形態に係るチャットクラウドサービス10は、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30及びアンケート連携クラウドサービス40の各々からのプッシュ通知に従って、業務サービスに対応するシナリオでチャットダイアログを、要求先のスマートフォン60に対して行うことができる。
【0077】
チャットシナリオ記憶部17(チャットダイアログ記憶部の一例)は、業務サービスに対応するチャットシナリオを記憶する。
図5は、本実施形態に係るチャットシナリオ記憶部17が記憶するチャットシナリオの一部を示した図である。
図5に示される例では、識別情報で示されるチャットシナリオに含まれる、チャットボットが出力するメッセージと、当該メッセージに対応してユーザが入力可能なアクションオブジェクトと、を示している。
【0078】
本実施形態に係るメッセージとは、チャットダイアログ(対話)として、チャットボット及びユーザの各々が入出力可能な、言語その他の記号によって伝達される情報である。本実施形態では、主に言語を用いた文字列情報をメッセージとして用いた例について説明する。本実施形態に係るメッセージは、言語による文字列情報に制限するものではなく、例えば、記号、スタンプ(アイコン)、数字、アルファベット、暗号等であってもよい。アクションオブジェクトとは、ユーザが入力可能なメッセージとする。
【0079】
図5に示されるチャット情報510は、チャットダイアログが開始されるためのアクションオブジェクトとして、「商談入力する」511と、「日程調整する」512と、が示されている。ユーザによる、「商談入力する」511、又は「日程調整する」512の入力は、テキスト入力でもよいし、表示されたボタンの押下であってもよい。
【0080】
ユーザによって、「商談入力する」511(開始メッセージの一例)、又は「日程調整する」512(開始メッセージの一例)が入力された場合に、チャットダイアログが開始される。
図5では「商談入力する」511が入力された場合を示している。「日程調整する」512が入力された場合については説明を省略する。
【0081】
チャット情報520は、ユーザによって「商談入力する」511が入力された場合に行われるシナリオである。チャットボットは、チャット情報520で示されたシナリオに従って「誰と打合せしましたか?」521と出力する。そして、ユーザは、「誰と打合せしましたか?」521との問い合わせに対して、打合せ相手522をテキスト入力する。
【0082】
チャット情報530は、ユーザによって打合せ相手522が入力された場合に行われるシナリオである。チャットボットは、チャット情報530で示されたシナリオに従って「何を話しましたか?」531と出力する。そして、ユーザは、「何を話しましたか?」531との問い合わせに対して、打合せ内容532をテキスト入力する。
【0083】
チャット情報540は、ユーザによって打合せ内容532が入力された場合に行われるシナリオである。チャットボットは、チャット情報540で示されたシナリオに従って「お疲れ様でした。上司に報告しますか?」541と出力する。そして、ユーザは、「お疲れ様でした。上司に報告しますか?」541との問い合わせに対して、「はい」542、又は「いいえ」543を入力する。「はい」542が入力された場合には、チャットダイアログが継続する。「いいえ」543(終了メッセージの一例)が入力された場合には、チャットシナリオが終了する。
【0084】
図5に示されるように、チャットシナリオ記憶部17は、チャットダイアログの開始となる開始メッセージから、チャットダイアログの終了となる終了メッセージまでに、入力又は出力される一連のメッセージを対応付けて記憶している。
【0085】
さらには、チャットシナリオ記憶部17に記憶されるシナリオに従ってチャットダイアログが行われることで、ユーザは業務をチャット形式で処理することができる。
図5で示される例では、ユーザは、チャットボットからの質問に答え続けることで、商談相手と商談内容とを対応付けた商談の業務報告書の作成、及び報告を行うことができる。
【0086】
図4に戻り、優先度記憶部18は、業務サービスと、当該業務サービスによるチャットダイアログの優先度と、を対応付けて記憶している。優先度は、実施態様に応じて定められる。例えば、優先度記憶部18は、日程調整(業務サービスの一例)と、優先度:高と対応付け、アンケート依頼(業務サービスの一例)と、優先度:低と対応付けて記憶する。優先度記憶部18が記憶する優先度(優先情報の一例)は、業務サービスのチャットダイアログの優先度合いを判定する基準となる情報であれば、どのような情報でもよく、高、低等の文字でもよいし、優先順位を示す数値でもよい。本実施形態では、優先度が、プッシュ通知を行う業務サービス毎に設定されている例について説明するが、業務サービス毎に設定される手法に制限するものではなく、業務サービスを提供する事業者毎に設定してもよい。このように優先度は、複数のプッシュ通知を受け付けた際に実行するチャットダイアログ毎に優先度に基づいた判定ができればよい。優先度記憶部18が記憶する対応関係を用いた制御については後述する。
【0087】
通信制御部11は、ネットワークI/F209を介して、通信ネットワーク100に接続された外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0088】
例えば、通信制御部11は、連携クラウドサービス(業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、又はアンケート連携クラウドサービス40)から、チャットダイアログを開始するためのプッシュ通知をしてよいか否かの問い合わせを受信する。プッシュ通知をしてもよい場合には、通信制御部11は、連携クラウドサービス(業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、又はアンケート連携クラウドサービス40)からプッシュ通知を受信する。
【0089】
プッシュ通知受付部15は、通信制御部11を介して、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、及びアンケート連携クラウドサービス40の各々から、チャットダイアログの開始要求を示したプッシュ通知を受け付ける。
【0090】
さらに通信制御部11は、ユーザとチャットボットとの間の対話を示したチャットダイアログを構成するメッセージの送信及び受信のうちいずれか一つ以上を、当該ユーザが利用するスマートフォン60との間で行う。
【0091】
通信制御部11は、開始メッセージの送信又は受信によってチャットダイアログが開始された後、当該開始メッセージに対応する終了メッセージを送信又は受信するまで、メッセージの送信及び受信を行う。
【0092】
開始メッセージ及び終了メッセージは、チャットクラウドサービス10からスマートフォン60に送信されるメッセージでもよいし、スマートフォン60からチャットクラウドサービス10に送信されるメッセージでもよい。さらに、開始メッセージ及び終了メッセージは、テキスト入力された文字列情報でもよいし、表示画面から選択されたボタンに対応する文字列情報でもよい。
【0093】
チャット実行判定部14は、通信制御部11を介して、プッシュ通知の問い合わせを受け付けた場合に、プッシュ通知先のスマートフォン60と、チャットボットと、の間で、チャットダイアログが実行されているか否かを判定する。そして、チャット実行判定部14は、判定結果を、連携クラウドサービス(業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、又はアンケート連携クラウドサービス40)に送信する。
【0094】
例えば、チャット実行判定部14は、スマートフォン60と、チャットボットと、の間で、チャットダイアログが実行されている(実行中)と判定した場合に、チャット実行判定部14は、連携クラウドサービス(業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、又はアンケート連携クラウドサービス40)に対してプッシュ通知に対応するチャットダイアログを待機させる旨を通知する。
【0095】
これにより、連携クラウドサービス(業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、又はアンケート連携クラウドサービス40)は、プッシュ通知の待機制御を行う。具体的には、連携クラウドサービスは、所定時間(例えば5分)経過した後に、再びプッシュ通知を行う。
【0096】
チャット実行判定部14によるチャットダイアログが実行されているか否かの判断手法は、どのような手法を用いてもよい。例えば、チャット実行判定部14は、ダイアログ開始ステータスに基づいて、チャットダイアログが実行されているか否かを判定してもよい。ダイアログ開始ステータスは、対話中であるか否かを保持するステータスであって、後述するチャットシナリオ制御部13によって切り替えられる。つまり、チャット実行判定部14は、後述するチャットシナリオ制御部13によって制御されるダイアログ開始ステータスがオンであるか否かに応じて、チャットダイアログが実行されているか否かを判定する。
【0097】
本実施形態においては、チャットシナリオ制御部13は、ユーザとダイアログを開始する時、ダイアログ開始ステータスをオンに設定する。チャットシナリオ制御部13は、ダイアログを終了する時、ダイアログ開始ステータスをオフに設定する。これにより、プッシュ通知受付の状態となる。当該状態でプッシュ通知依頼を受け付けた場合に、プッシュ通知に対応するダイアログを実行できる。なお、プッシュ通知に対応するチャットダイアログにおいても、開始時にダイアログ開始ステータスがオンに設定され、プッシュ通知に対応するチャットダイアログが開始される。
【0098】
ところで、ユーザとのチャットダイアログが実行されている間に、プッシュ通知依頼を複数受け付ける場合がある。このような場合、現在のチャットダイアログが終了した後、複数のプッシュ通知に対応するチャットダイアログのうち、いずれを行うべきか制御する必要がある。一般的には、先に受け付けたプッシュ通知に対応するチャットダイアログを出力する傾向にある。
【0099】
しかしながら、業務には優先順序が存在する。このため、先に受け付けたプッシュ通知に対応するチャットダイアログを実行する場合、優先すべき業務に対応するチャットダイアログの実行が遅くなる可能性がある。
【0100】
そこで、本実施形態に係るプッシュ通知優先度判定部16は、プッシュ通知依頼を複数受け付けた場合に、優先度記憶部18に記憶された業務サービス毎の優先度に基づいて、複数のプッシュ通知に対応するチャットダイアログの各々について実行可能か否かを判定する。
【0101】
例えば、チャットダイアログが実行されている間に、複数のプッシュ通知依頼を受け付ける。チャットダイアログが実行中のため、複数のプッシュ通知に対応するチャットダイアログが待機される。そして、実行されているチャットダイアログが完了した後、再びプッシュ通知依頼を受け付けた場合に、プッシュ通知優先度判定部16は、優先度記憶部18に記憶されている業務サービス毎の優先度に基づいて、受け付けたプッシュ通知で示される、業務サービスのチャットダイアログについて実行可能か否かを判定する。例えば、プッシュ通知優先度判定部16は、待機させている複数のプッシュ通知のうち、最も優先度が高い業務サービスからのプッシュ通知依頼を受け付けた場合に、チャットダイアログを実行可能と判定する。チャットクラウドサービス10は、当該判定を行うことで、優先度に応じたチャットダイアログを実行できる。
【0102】
プッシュ通知受付部15は、チャット実行判定部14によってチャットダイアログを実行してもよいと判定された場合に、連携クラウドサービス(業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、又はアンケート連携クラウドサービス40)から出力された、チャットダイアログの開始要求を示したプッシュ通知を受け付ける。
【0103】
複数のプッシュ通知を待機させる制御を行っている場合、チャット実行判定部14によってチャットダイアログを実行してもよいと判定された後、プッシュ通知優先度判定部16が、プッシュ通知依頼を受け付ける毎に、業務サービス毎の優先度に基づいて、プッシュ通知に対応するチャットダイアログについて実行可能か否かを判定する。当該判定を、プッシュ通知依頼を受け付ける毎に行うことで、実行するチャットダイアログに対応するプッシュ通知が特定される。これにより、プッシュ通知受付部15は、特定されたプッシュ通知を受け付けることができる。
【0104】
チャットシナリオ制御部13は、チャットシナリオ記憶部17に記憶されたチャットシナリオを参照して、プッシュ通知に基づいたチャットダイアログを行うためシナリオ制御を行う。
【0105】
本実施形態に係るチャットシナリオ制御部13は、プッシュ通知受付部15が受け付けたプッシュ通知に基づいたチャットダイアログを行うためのシナリオ制御を行う。
【0106】
また、チャットダイアログの実行中に複数のプッシュ通知の問い合わせを受け付けていた場合、チャットシナリオ制御部13は、チャット実行判定部14によって優先度が高いと判定された順に、プッシュ通知に基づいたチャットダイアログを行うためのシナリオ制御を行う。
【0107】
チャットフロントエンド12は、チャットシナリオ制御部13による制御に基づいて、チャットボットとして、スマートフォン60等の通信端末との間でメッセージの送受信を制御する。
【0108】
本実施形態に係るチャットボットとは、ユーザとの間でチャットによる対話(ダイアログ)を行うために、自動化されたタスクを実行するアプリケーション(プログラム)である。ユーザがテキストや音声を入力した場合に、内容を解析して、チャットシナリオ制御部13によるシナリオ制御に従って、情報を提示する。また、ユーザが入力したテキストや音声を受け付け、タスクを実行する。実行するタスクは、現在のチャットダイアログに対応する業務サービスによって異なる。
【0109】
通信制御部11は、複数のプッシュ通知(に対応するチャットダイアログ)を待機された状態で、チャット実行判定部14によってチャットダイアログが実行されていないと判定された場合、予め定められた優先度に基づいて、待機制御されていた複数のプッシュ通知のうちいずれかが特定された後、特定されたプッシュ通知に対応するチャットダイアログを構成する開始メッセージを、スマートフォン60に送信する。
【0110】
つまり、本実施形態に係るチャットクラウドサービス10は、上述した制御によって、スマートフォン60との間でチャットダイアログを開始するタイミングを調整できる。
【0111】
スマートフォン60は、通信制御部61と、チャット用アプリケーション62と、を有する。スマートフォン60が有するこれら各機能部は、
図3に示されたCPU301がEEPROM304に記憶されたプログラムを読み込み、RAM303を作業領域として用いることで実現される。
【0112】
通信制御部61は、遠距離通信回路312を介して、通信ネットワーク100に接続された外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0113】
例えば、通信制御部61は、後述するチャット用アプリケーション62による制御に従って、メッセージの送受信を行う。
【0114】
チャット用アプリケーション62は、チャットクラウドサービス10との間でチャットを行うためのアプリケーションである。チャット用アプリケーション62は、チャットクラウドサービス10との間でメッセージの送受信が可能であれば、周知のアプリケーションを用いてもよい。
【0115】
表示制御部63は、チャット用アプリケーション62を利用するための表示画面を、ディスプレイ318に表示するための制御を行う。
【0116】
図6は、本実施形態に係るスマートフォン60において表示される表示画面を例示した図である。
図6に示される表示画面においては、メッセージの表示欄611と、テキストによるメッセージの入力欄601と、が表されている。
【0117】
図6に示されるように、メッセージの表示欄611には、任意のチャットダイアログが終了した後、次のチャットダイアログを開始するメッセージを入力するためのボタン(「商談入力する」ボタン602、及び「日程調整する」ボタン603)が表示されてもよい。
【0118】
「商談入力する」ボタン602が押下された場合には、商談に関する業務報告を行うためのチャットシナリオに従ったチャットダイアログが表示される。
【0119】
また、「日程調整する」ボタン603が押下された場合には、打合せの日程調整を行うためのチャットシナリオに従ったチャットダイアログが表示される。
【0120】
本実施形態においては、表示画面に表示されたボタンの押下を受け付けることで、業務サービスによるチャットダイアログを実行できる。このように、ユーザの操作によって容易に業務サービスを利用することができる。
【0121】
図7は、本実施形態に係る業務処理システム1におけるチャットボット制御を概念的に示した図である。
図7に示される例では、業務管理システム25が、業務システムカレンダーを提供する。
【0122】
業務システムカレンダーでは、本日、第1ユーザに「16:00-17:00 A社様と打合せ」とスケジュールが設定されている場合に、業務管理システム25は、17時を経過した時点で、業務報告書の提出の要求を、業務管理連携クラウドサービス20に行う。
【0123】
これにより、業務管理連携クラウドサービス20の業務連携制御部22は、業務報告書の提出の要求に対応するシナリオ(例えば第1シナリオ)を特定し、第1シナリオに必要なパラメータ(例えば17:00)と共にプッシュ通知の依頼を、プッシュ通知制御部24に行う。これにより、プッシュ通知制御部24が、第1シナリオ要求を示したプッシュ通知を、チャットクラウドサービス10に送信する。なお、当該プッシュ通知には、第1シナリオに必要なパラメータ(例えば17:00)が含まれている。
【0124】
そして、チャットクラウドサービス10のチャットシナリオ制御部13は、チャットシナリオ記憶部17を参照して、プッシュ通知で示された第1シナリオを読み出す。そして、読み出した第1シナリオに、プッシュ通知に含まれていたパラメータ(例えば17:00)を割り当てることで、メッセージを生成する。
【0125】
そして、チャットフロントエンド12は、チャットシナリオ制御部13によるシナリオに従って生成されたメッセージを、第1ユーザが使用しているスマートフォン60に送信する。
【0126】
これにより、業務サービスに対応したメッセージが、スマートフォン60に表示される。第1ユーザは、画面に表示されたメッセージに従って、様々な文字列を入力することで、商談に関する業務報告書が生成される。生成された業務報告書は、業務連携制御部22から、通信制御部21を介して業務管理システム25に提供される。さらには、生成された業務報告書は、業務連携制御部22から、通信制御部21を介して、第1ユーザの上司が使用しているスマートフォン60Aに送信されてもよい。これにより、打合せに関する上司報告を実現できる。
【0127】
次に、プッシュ通知が行われた際に、チャットダイアログが行われているため、プッシュ通知に対応するチャットダイアログを待機させる手法について説明する。
【0128】
図8は、本実施形態に係る業務処理システム1で行われる処理を示したシーケンス図である。
【0129】
まず、ユーザは、チャット用アプリケーション62から、業務サービスに関するチャットボットに対して、日程調整依頼を示したメッセージ(開始メッセージの一例)を入力する。日程調整依頼を示したメッセージは、テキスト入力されてもよいし、「日程調整する」ボタン603の押下でもよい。
【0130】
これにより、チャットクラウドサービス10のチャットフロントエンド12が、スマートフォン60(の通信制御部61)からの、日程調整依頼を示したメッセージ(開始メッセージの一例)を受け付ける(S801)。
【0131】
チャットクラウドサービス10は、ダイアログ開始ステータスをオンにする制御を行う(S802)。具体的には、チャットクラウドサービス10のチャットフロントエンド12は、日程調整のチャットダイアログを開始する旨を、チャットシナリオ制御部13に出力する。そして、チャットシナリオ制御部13は、開始する旨の入力を受け付けた際に、ダイアログ開始ステータスがオンに設定する指示をチャット実行判定部14に出力する。チャット実行判定部14は、チャットシナリオ制御部13からの設定(ダイアログ開始ステータスがオン)によって、スマートフォン60でチャットダイアログが実行されていると判定できる。
【0132】
チャットシナリオ制御部13は、ダイアログ開始ステータスの設定と共に、日程調整に対応するチャットダイアログを実行するためのシナリオ制御を行う。これにより、チャットフロントエンド12と、スマートフォン60との間で、日程調整するためのチャットダイアログが実行される。
【0133】
チャットシナリオ制御部13は、スマートフォン60との間のチャットダイアログによって日程調整に必要な情報の入力を受け付ける。そして、チャットクラウドサービス10(のチャットシナリオ制御部13)が、入力された情報と共に日程調整依頼を、通信制御部11を介して、日程管理連携クラウドサービス30に送信する(S803)。
【0134】
日程管理連携クラウドサービス30の業務連携制御部32は、通信制御部31を介して、日程調整依頼を受信した場合に、通信制御部31を介して、受信した情報に基づいた日程調整を、日程管理システム35に送信する(S804)。
【0135】
その後、日程管理システム35が、受信した条件に基づいた日程調整の処理を行う(S805)。当該処理においては、必要に応じて複数のユーザに対する空いている時間の問い合わせ、及び会議室の確保等が開始される。
【0136】
一方、チャットクラウドサービス10のチャットシナリオ制御部13は、日程調整依頼を、日程管理連携クラウドサービス30に送信した後、日程調整のチャットダイアログの終了させるよう、日程調整の依頼完了メッセージ(終了メッセージの一例)の出力を、チャットフロントエンド12に指示する。
【0137】
チャットフロントエンド12は、当該指示に従って、スマートフォン60に、日程調整の依頼完了メッセージ(終了メッセージの一例)の出力する(S806)。これにより、スマートフォン60のユーザは、日程調整の依頼が完了したことを認識できる。
【0138】
そして、チャットクラウドサービス10は、ダイアログ開始ステータスをオフにする制御を行う(S807)。具体的には、チャットシナリオ制御部13は、ダイアログ開始ステータスをオフに設定する指示をチャット実行判定部14に出力する。これにより、チャット実行判定部14は、スマートフォン60との間でチャットダイアログが完了したことを認識できる。
【0139】
次に、ユーザが、チャット用アプリケーション62から、チャットボットに対して、業務報告依頼を示したメッセージ(開始メッセージの一例)を入力する。業務報告依頼を示したメッセージは、テキスト入力されてもよいし、「商談入力する」ボタン602の押下でもよい。
【0140】
これにより、チャットフロントエンド12が、スマートフォン60(の通信制御部61から)の、業務報告依頼を示したメッセージ(開始メッセージの一例)を受け付ける(S808)。
【0141】
そして、チャットクラウドサービス10は、ダイアログ開始ステータスをオンにする制御を行う(S809)。具体的には、チャットシナリオ制御部13は、ダイアログ開始ステータスがオンに設定する指示をチャット実行判定部14に出力する。これにより、チャット実行判定部14は、スマートフォン60との間でチャットダイアログが実行されていると認識する。
【0142】
チャットシナリオ制御部13は、ダイアログ開始ステータスの設定と共に、業務報告に対応するチャットダイアログを実行するためのシナリオ制御を行う。これにより、チャットフロントエンド12と、スマートフォン60との間で、業務報告するためのチャットダイアログが実行される。
【0143】
一方、アンケート連携クラウドサービス40(のプッシュ通知待機部43)が、プッシュ通知をしてよいか否かの問い合わせを、チャットクラウドサービス10(のチャット実行判定部14)に対して行う(S810)。
【0144】
チャットクラウドサービス10(のチャット実行判定部14)は、ダイアログ開始ステータスに基づいて、S810で受け付けたプッシュ通知に対応するチャットダイアログが実行できるか否かを確認する(S811)。
図8で示されるシーケンス図では、チャット実行判定部14は、ダイアログ開始ステータスがオンのため、実行できないと判定する。
【0145】
図9は、スマートフォン60に表示されている、業務報告に対応するチャットダイアログの画面例である。
図9に示される画面例では、チャットボットからの質問に応じて、業務報告するための情報をユーザが入力している。つまり、ユーザによる「商談入力する」ボタン602の押下に従って、チャットボットによるチャットダイアログが開始されている。そして、チャットボットによる質問902、904に従って、ユーザが、質問に対応する情報903、911をテキスト入力する。このような状態で、プッシュ通知に基づいてアンケートに関するメッセージが表示されると、ユーザはどう対応すべきか分からなくなる可能性がある。そこで、本実施形態では、チャットダイアログ中において、プッシュ通知に対応するチャットダイアログの実行が抑制される。
【0146】
図8に戻り、チャットクラウドサービス10(のチャット実行判定部14)は、通信制御部11を介して、プッシュ通知を待機させる旨(プッシュ通知NG)を、アンケート連携クラウドサービス40に送信する(S812)。問い合わせを受け付けたプッシュ通知に対して受付番号を付与して管理してもよい。S810の問い合わせを受付番号1として管理する。
【0147】
これにより、アンケート連携クラウドサービス40のプッシュ通知待機部43は、所定時間経過するまで、プッシュ通知の出力を待機させる制御を行う(S813)。
【0148】
一方、日程管理システム35が、日程調整の処理を終了した後、日程管理連携クラウドサービス30に、日程調整結果を示した情報を出力する(S814)。
【0149】
日程管理連携クラウドサービス30(の業務連携制御部32)は、日程調整結果を示した情報を受け付けた場合、日程管理連携クラウドサービス30(のプッシュ通知待機部33)が、プッシュ通知をしてよいか否かの問い合わせを、チャットクラウドサービス10(のチャット実行判定部14)に対して行う(S815)。
【0150】
チャットクラウドサービス10(のチャット実行判定部14)は、ダイアログ開始ステータスに基づいて、S815で受け付けたプッシュ通知に対応するチャットダイアログが実行できるか否かを確認する(S816)。
図8で示されるシーケンス図では、チャット実行判定部14は、ダイアログ開始ステータスがオンのため、実行できないと判定する。
【0151】
チャットクラウドサービス10(のチャット実行判定部14)は、通信制御部11を介して、プッシュ通知を待機させる旨(プッシュ通知NG)を、日程管理連携クラウドサービス30に送信する(S817)。問い合わせを受け付けたプッシュ通知に対して受付番号を付与して管理してもよい。S815の問い合わせを受付番号2として管理する。
【0152】
これにより、日程管理連携クラウドサービス30のプッシュ通知待機部33は、所定時間経過するまで、プッシュ通知の出力を待機させる制御を行う(S818)。
【0153】
チャットクラウドサービス10(のチャットシナリオ制御部13)は、スマートフォン60との間のチャットダイアログによって業務報告に必要な情報の入力を受け付けた後、入力された情報と共に業務報告依頼を、通信制御部11を介して、業務管理連携クラウドサービス20に送信する(S819)。業務管理連携クラウドサービス20が、受信した依頼に基づいて、業務管理システム25に業務報告を出力する。これにより、業務管理システム25が、業務報告を管理できる。
【0154】
一方、チャットフロントエンド12は、スマートフォン60に、業務報告完了メッセージ(終了メッセージの一例)の出力する(S820)。これにより、スマートフォン60のユーザは、業務報告完了したことを認識できる。
【0155】
そして、チャットクラウドサービス10は、ダイアログ開始ステータスをオフにする制御を行う(S821)。
【0156】
所定の時間の経過に伴って、アンケート連携クラウドサービス40(のプッシュ通知待機部43)が、再び、プッシュ通知をしてよいか否かの問い合わせを、チャットクラウドサービス10(のチャット実行判定部14)に対して行う(S822)。S822は、受付番号1の再問い合わせである。
【0157】
チャットクラウドサービス10(のチャット実行判定部14)は、ダイアログ開始ステータスに基づいて、S822で問い合わせを受け付けたプッシュ通知に対応するチャットダイアログが実行できるか否かを確認する。さらに、プッシュ通知優先度判定部16は、ダイアログ開始ステータスがオフの場合でも、業務サービス毎の優先度に基づいて、S822で問い合わせを受け付けたプッシュ通知に対応するチャットダイアログが実行できるか否かを判定する(S823)。
【0158】
図8に示される例では、受付番号1のアンケートに関するプッシュ通知と、受付番号2の日程調整に関するプッシュ通知とを待機させている。そして、受付番号2の日程調整に関するプッシュ通知が、受付番号1のアンケートに関するプッシュ通知と比べて優先度が高く設定されている。
【0159】
このため、プッシュ通知優先度判定部16は、業務サービス毎の優先度に基づいて、S822で受け付けた、受付番号1のプッシュ通知に対応するチャットダイアログを実行できないと判定する。
【0160】
チャットクラウドサービス10(のチャット実行判定部14)は、通信制御部11を介して、プッシュ通知に対応するチャットダイアログを待機させる旨(プッシュ通知NG)を、アンケート連携クラウドサービス40に送信する(S824)。
【0161】
これにより、アンケート連携クラウドサービス40のプッシュ通知待機部43は、所定時間経過するまで、プッシュ通知の出力を待機させる制御行う(S825)。
【0162】
所定の時間の経過に伴って、日程管理連携クラウドサービス30(のプッシュ通知待機部33)が、プッシュ通知をしてよいか否かの問い合わせを、チャットクラウドサービス10(のチャット実行判定部14)に対して行う(S826)。S826は、受付番号2の再問い合わせである。
【0163】
チャットクラウドサービス10(のチャット実行判定部14)は、ダイアログ開始ステータスに基づいて、S826で受け付けた(受付番号2の)プッシュ通知に対応するチャットダイアログが実行できるか否かを確認する。さらに、ダイアログ開始ステータスがオフの場合(チャットダイアログが実行できる場合)に、さらに、プッシュ通知優先度判定部16が、業務サービス毎の優先度に基づいて、S826で問い合わせを受け付けたプッシュ通知に対応するチャットダイアログが実行できるか否かを判定する(S827)。
【0164】
図8に示される例では、受付番号2の日程調整に関するプッシュ通知が、受付番号1のアンケートに関するプッシュ通知と比べて優先度が高く設定されている。このため、プッシュ通知優先度判定部16は、業務サービス毎の優先度に基づいて、S826で受け付けたプッシュ通知に対応するチャットダイアログを実行できると判定する。
【0165】
そして、チャット実行判定部14は、プッシュ通知を許可する旨(プッシュ通知OK)を、日程管理連携クラウドサービス30に送信する(S828)。
【0166】
そして、日程管理連携クラウドサービス30のプッシュ通知制御部34は、(日程調整結果を示した情報)と、シナリオの識別情報と、を含むプッシュ通知の依頼を、チャットクラウドサービス10に出力する(S829)。
【0167】
そして、チャットクラウドサービス10は、ダイアログ開始ステータスをオンにする制御を行う(S830)。
【0168】
チャットクラウドサービス10のチャットフロントエンド12は、S829のプッシュ通知に対応するチャットダイアログを実行する。具体的には、チャットクラウドサービス10のプッシュ通知受付部15が、プッシュ通知の依頼を受け付けた場合に、チャットシナリオ制御部13が、プッシュ通知で示されたパラメータ(日程調整結果を示した情報)と、シナリオの識別情報と、に基づいて、日程調整結果を表示するためのチャットダイアログのメッセージを生成する。
【0169】
そして、チャットフロントエンド12が、生成された開始メッセージの出力と共に、チャットダイアログを開始する(S831)。
【0170】
図10は、スマートフォン60に表示されている、プッシュ通知に基づいた日程調整結果に対応するチャットダイアログの画面例である。
図10に示される画面例では、業務報告のダイアログが、終了メッセージ1001によって終了した後に、日程調整結果の開始メッセージ1002が表示されている。
図10に示される例では、業務報告が完了した後に、日程調整結果のチャットダイアログが実行されているため、ユーザは混乱することなく対応できる。
【0171】
図8に戻り、チャットフロントエンド12は、日程調整結果を出力した後、チャットシナリオ制御部13の指示に従って、日程調整結果のチャットダイアログを終了させるための終了メッセージ(終了メッセージの一例)の出力する(S832)。
【0172】
そして、チャットクラウドサービス10は、ダイアログ開始ステータスをオフにする制御を行う(S833)。
【0173】
所定の時間の経過に伴って、アンケート連携クラウドサービス40(のプッシュ通知待機部43)が、プッシュ通知をしてよいか否かの問い合わせを、チャットクラウドサービス10(のチャット実行判定部14)に対して行う(S834)。S834は、受付番号1の再々問い合わせである。
【0174】
チャットクラウドサービス10(のチャット実行判定部14)が、ダイアログ開始ステータスに基づいて、S834で受け付けたプッシュ通知に対応するチャットダイアログが実行できるか否かを確認する(S835)。ダイアログ開始ステータスは、オフのために実行できると判定される。そして、待機制御されているプッシュ通知は、受付番号1のみであるため、プッシュ通知優先度判定部16は、S834で受け付けたプッシュ通知に対応するチャットダイアログが実行できると判定する。
【0175】
そして、チャット実行判定部14は、プッシュ通知を許可する旨(プッシュ通知OK)を、アンケート連携クラウドサービス40に送信する(S836)。
【0176】
そして、アンケート連携クラウドサービス40のプッシュ通知制御部44は、(日程調整結果を示した情報)と、シナリオの識別情報と、を含むプッシュ通知の依頼を、チャットクラウドサービス10に出力する(S837)。
【0177】
そして、チャットクラウドサービス10は、ダイアログ開始ステータスをオンにする制御を行う(S838)。
【0178】
チャットクラウドサービス10のチャットフロントエンド12は、S839のプッシュ通知に対応するチャットダイアログを実行する。
【0179】
そして、チャットフロントエンド12が、生成された開始メッセージの出力と共に、チャットダイアログを開始する(S839)。
【0180】
チャットフロントエンド12は、アンケート依頼を出力した後、チャットシナリオ制御部13の指示に従って、アンケート依頼のチャットダイアログを終了させるための終了メッセージ(終了メッセージの一例)の出力する(S840)。
【0181】
そして、チャットクラウドサービス10は、ダイアログ開始ステータスをオフにする制御を行う(S841)。
【0182】
本実施形態では、業務処理システム1が、上述した構成を備えることで、ユーザに対してチャッダイアログを適切なタイミングで行うことができる。上述した実施形態では、所定間隔毎の問い合わせる例について説明した。しかしながら、所定間隔毎に問い合わせる手法に制限するものではなく、連携クラウドサービスが、チャットクラウドサービス10のダイアログ開始ステータスがオフになったか否かを検知し、オフになったタイミングで問い合わせてもよい。その際に、優先度が一番高い連携クラウドサービスが、再度プッシュ通知を行えるように制御してもよい。
【0183】
(第2の実施形態)
上述した実施形態においては、連携クラウドサービス(業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、及びアンケート連携クラウドサービス40)の各々が、プッシュ通知に対応するチャットダイアログを待機させる例について説明した。しかしながら、プッシュ通知に対応するチャットダイアログの待機を、連携クラウドサービス側で行う例に制限するものではない。そこで第2の実施形態では、プッシュ通知に対応するチャットダイアログの待機を、チャットクラウドサービス側で行う場合について説明する。
【0184】
<<ソフトウェア構成>>
図11は、本実施形態に係る業務処理システム1Aに含まれる各構成の機能ブロックを例示した図である。
図11に示される業務処理システム1Aの例では、第1の実施形態と同様の構成について、同一の符号を割り当て、説明を省略する。
【0185】
業務管理連携クラウドサービス20Aは、通信制御部21と、業務連携制御部22Aと、プッシュ通知制御部24Aと、を有する。
【0186】
業務連携制御部22Aは、業務管理システム25と連携して、業務管理サービスなどの業務サービスをユーザに提供するための制御を行う。例えば、業務連携制御部22Aは、日程管理システム35から業務サービス(例えば、日程管理サービス)に関するデータを受信した場合に、当該業務サービスに対応するシナリオの識別情報を特定し、当該シナリオの識別情報と共に、チャットを開始させるプッシュ通知の依頼を、プッシュ通知制御部24に対して行う。
【0187】
プッシュ通知制御部24Aは、業務連携制御部22Aからの依頼に従って、通信制御部21を介して、シナリオの識別情報及び業務サービス(例えば、日程管理サービス)に関するデータと共に、チャットダイアログの開始の要求を示したプッシュ通知を、チャットクラウドサービス10に送信する。なお、送信するプッシュ通知には、チャットダイアログの要求先のスマートフォン60の識別情報が含まれている。
【0188】
日程管理連携クラウドサービス30Aは、通信制御部31と、業務連携制御部32と、プッシュ通知制御部34Aと、を有する。日程管理連携クラウドサービス30Aが有するこれら各機能部は、業務管理連携クラウドサービス20Aが有する各構成と同様の機能を有するものとして説明を省略する。
【0189】
アンケート連携クラウドサービス40Aは、通信制御部41と、業務連携制御部42と、プッシュ通知制御部44Aと、を有する。アンケート連携クラウドサービス40Aが有するこれら各機能部は、業務管理連携クラウドサービス20Aが有する各構成と同様の機能を有するものとして説明を省略する。
【0190】
このように、本実施形態においては、業務管理連携クラウドサービス20A、日程管理連携クラウドサービス30A、及びアンケート連携クラウドサービス40Aは、プッシュ通知を送信する。そして、プッシュ通知に対応するチャットダイアログの待機制御は、チャットクラウドサービス10側で行われる。
【0191】
チャットクラウドサービス10Aは、通信制御部11と、チャットフロントエンド12と、チャットシナリオ制御部13と、チャット実行判定部14Aと、プッシュ通知受付部15Aと、プッシュ通知優先度判定部16Aと、プッシュ通知待機部19Aと、を有する。また、チャットシナリオ記憶部17、及び優先度記憶部18は、HD204に設けられている。
【0192】
本実施形態に係るチャットクラウドサービス10Aは、業務管理連携クラウドサービス20A、日程管理連携クラウドサービス30A、及びアンケート連携クラウドサービス40Aの各々からのプッシュ通知に従って、業務サービスに対応するシナリオでチャットボットによるチャットダイアログを、要求先のスマートフォン60に対して行う。
【0193】
プッシュ通知受付部15Aは、通信制御部11を介して、業務管理連携クラウドサービス20A、日程管理連携クラウドサービス30A、及びアンケート連携クラウドサービス40Aの各々から、チャットダイアログの開始要求を示したプッシュ通知を受け付ける。
【0194】
チャット実行判定部14Aは、プッシュ通知を受け付けた場合に、プッシュ通知でチャットの対象となっているユーザが利用するスマートフォン60と、チャットボットと、の間で、チャットダイアログが実行されているか否かを判定する。
【0195】
プッシュ通知受付部15Aがプッシュ通知を受け付けた後、チャット実行判定部14Aがスマートフォン60とチャットボットとの間でチャットダイアログが実行されている(実行中)と判定された場合に、プッシュ通知待機部19Aが、プッシュ通知に基づいたチャットダイアログを待機させる制御を行う。
【0196】
本実施形態に係るプッシュ通知待機部19Aは、チャットダイアログが実行されている間、換言すれば、スマートフォン60との間で、開始メッセージを送信又は受信してから、終了メッセージを送信又は受信するまでの間、当該スマートフォン60に対するプッシュ通知に基づいたチャットダイアログを待機させる制御を行う。
【0197】
チャットダイアログが実行されている間に、プッシュ通知受付部15Aが、複数のプッシュ通知を受け付ける場合も存在する。この場合、プッシュ通知待機部19Aが、複数のプッシュ通知に対応するチャットダイアログが待機させる制御を行う。
【0198】
プッシュ通知優先度判定部16Aは、優先度記憶部18に記憶された業務サービス毎の優先度に基づいて、複数のプッシュ通知に対応するチャットダイアログの各々について実行可能か否かを判定する。
【0199】
実行されているチャットダイアログが完了した後、チャット実行判定部14Aが、チャットダイアログが実行されていないと判定する。当該判定が行われた場合、プッシュ通知優先度判定部16Aが、業務サービス毎の優先度に基づいて、待機させている複数のプッシュ通知の各々について、チャットダイアログとして実行可能か否かを判定する。これにより、実行可能なチャットダイアログに対応するプッシュ通知が特定される。
【0200】
そして、チャットシナリオ制御部13は、特定されたプッシュ通知に基づいたチャットダイアログを実行するためシナリオ制御を行う。
【0201】
次に、プッシュ通知が行われた際に、チャットダイアログが実行されているため、プッシュ通知に対応するチャットダイアログを待機させる手法について説明する。
【0202】
図12は、本実施形態に係る業務処理システム1Aで行われる処理を示したシーケンス図である。
【0203】
本実施形態においては、第1の実施形態の
図8のS801~S806で示した処理手順と同様の処理で、日程調整の依頼が行われる(S1201~S1206)。
【0204】
次に、ユーザによる業務報告依頼が開始される。これにより、第1の実施形態の
図8のS808~S809で示した処理手順と同様の処理で、業務報告依頼に関する処理が開始される(S1208~S1209)。
【0205】
一方、アンケート連携クラウドサービス40(のプッシュ通知制御部34A)が、アンケートを依頼するためのシナリオの識別情報を含むプッシュ通知を、チャットクラウドサービス10(のプッシュ通知受付部15A)に対して行う(S1210)。
【0206】
チャット実行判定部14Aは、プッシュ通知を受け付けた場合に、プッシュ通知でチャットの対象となっているユーザが利用するスマートフォン60と、チャットボットと、の間で、チャットダイアログが実行されているか否かを確認する(S1211)。
図12に示されるシーケンス図では、スマートフォン60とチャットボットとの間でチャットダイアログが実行されている(実行中)と判定される。
【0207】
そして、プッシュ通知待機部19Aが、S1210で受け付けたプッシュ通知に基づいたチャットダイアログを待機させる制御を行う(S1212)。
【0208】
一方、日程管理システム35が、日程調整の処理を終了した後、日程管理連携クラウドサービス30Aに、日程調整結果を示した情報を出力する(S1213)。
【0209】
日程管理連携クラウドサービス30(の業務連携制御部32A)は、日程調整結果を示した情報を受け付けた場合、プッシュ通知制御部34Aが、日程調整結果を表示するためのプッシュ通知を、チャットクラウドサービス10(のプッシュ通知受付部15A)に対して行う(S1214)。
【0210】
チャット実行判定部14Aは、プッシュ通知を受け付けた場合に、プッシュ通知でチャットの対象となっているユーザが利用するスマートフォン60と、チャットボットと、の間で、チャットダイアログが実行されているか否かを確認する(S1215)。
図12に示されるシーケンス図では、スマートフォン60とチャットボットとの間でチャットダイアログが実行されている(実行中)と判定される。
【0211】
そして、プッシュ通知待機部19Aが、S1213で受け付けたプッシュ通知に基づいたチャットダイアログを待機させる制御を行う(S1216)。
【0212】
チャットクラウドサービス10(のチャットシナリオ制御部13)は、スマートフォン60との間のチャットダイアログによって業務報告に必要な情報の入力を受け付けた後、入力された情報と共に業務報告依頼を、通信制御部11を介して、業務管理連携クラウドサービス20に送信する(S1217)。業務管理連携クラウドサービス20が、業務管理システム25に業務報告を出力する。これにより、業務管理システム25が、業務報告を管理できる。
【0213】
一方、チャットフロントエンド12は、スマートフォン60に、業務報告完了メッセージ(終了メッセージの一例)の出力する(S1218)。これにより、スマートフォン60のユーザは、業務報告完了したことを認識できる。
【0214】
そして、チャットクラウドサービス10は、ダイアログ開始ステータスをオフにする制御を行う(S1219)。
【0215】
その後、チャットクラウドサービス10(のチャット実行判定部14A)は、ダイアログ開始ステータスに基づいて、プッシュ通知に対応するチャットダイアログが実行できると判定する。そこで、プッシュ通知優先度判定部16Aは、業務サービス毎の優先度に基づいて、待機させているプッシュ通知の各々について、当該複数のプッシュ通知の中で優先度が最も高い業務サービスのプッシュ通知であるか否かを判定する(S1220)。本実施形態においては、日程調整結果を表示するためのプッシュ通知が、アンケートを依頼するためプッシュ通知より優先度が最も高いと判定する。
【0216】
そして、チャットクラウドサービス10は、ダイアログ開始ステータスをオンにする制御を行う(S1221)。
【0217】
チャットクラウドサービス10のチャットフロントエンド12は、S1214のプッシュ通知に対応するチャットダイアログを実行する。具体的には、チャットシナリオ制御部13が、S1214のプッシュ通知で示されたパラメータ(日程調整結果を示した情報)と、シナリオの識別情報と、に基づいて、日程調整結果を表示するためのチャットダイアログのメッセージを生成する。
【0218】
そして、チャットフロントエンド12が、生成された開始メッセージの出力と共に、チャットダイアログを開始する(S1222)。
【0219】
チャットフロントエンド12は、日程調整結果を出力した後、チャットシナリオ制御部13の指示に従って、日程調整結果のチャットダイアログを終了させるための終了メッセージ(終了メッセージの一例)の出力する(S1223)。
【0220】
そして、チャットクラウドサービス10は、ダイアログ開始ステータスをオフにする制御を行う(S1224)。
【0221】
その後、チャットクラウドサービス10(のチャット実行判定部14A)は、ダイアログ開始ステータスに基づいて、プッシュ通知に対応するチャットダイアログが実行できると判定する。そこで、プッシュ通知優先度判定部16Aは、業務サービス毎の優先度に基づいて、待機させているプッシュ通知の各々について、当該複数のプッシュ通知の中で優先度が最も高い業務サービスからのプッシュ通知であるか否かを判定する(S1225)。本実施形態においては、待機させているプッシュ通知が一つしかないため、アンケートを依頼するためのプッシュ通知の優先度が最も高いと判定する。
【0222】
そして、チャットクラウドサービス10は、ダイアログ開始ステータスをオンにする制御を行う(S1226)。
【0223】
チャットクラウドサービス10のチャットフロントエンド12は、S1210のプッシュ通知に対応するチャットダイアログを実行する。具体的には、チャットシナリオ制御部13が、S1210のプッシュ通知で示されたシナリオの識別情報に基づいて、アンケート依頼を表示するためのチャットダイアログのメッセージを生成する。
【0224】
そして、チャットフロントエンド12が、生成された開始メッセージの出力と共に、チャットダイアログを開始する(S1227)。
【0225】
チャットフロントエンド12は、日程調整結果を出力した後、チャットシナリオ制御部13の指示に従って、日程調整結果のチャットダイアログを終了させるための終了メッセージ(終了メッセージの一例)の出力する(S1228)。
【0226】
そして、チャットクラウドサービス10は、ダイアログ開始ステータスをオフにする制御を行う(S1229)。
【0227】
図13は、第2の実施形態に係る外部システムとチャットクラウドサービス10との間で行われる処理を概念的に示した図である。
【0228】
図13で示される例では、外部システムとして、業務管理システム25と、日程管理システム35と、アンケートシステム45と、を示している。
【0229】
業務管理システム25とチャットクラウドサービス10との間には、業務管理連携クラウドサービス20が設けられ、日程管理システム35とチャットクラウドサービス10との間には、日程管理連携クラウドサービス30が設けられ、アンケートシステム45とチャットクラウドサービス10との間には、アンケート連携クラウドサービス40が設けられている。業務管理システム、日程管理システム、及びアンケートシステム45は、上述したように、連携クラウドサービスが間に設けられているので、業務サービスに対応するチャットダイアログのプッシュ通知を、チャットクラウドサービス10に出力できる。なお、
図13に示される例では、説明を容易にするために、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、及びアンケート連携クラウドサービス40を省略する。
【0230】
まず、スマートフォン60は、ユーザからの操作に基づいて、チャットフロントエンド12を介して、チャットシナリオ制御部13に、日程調整の依頼を出力する(A1)。これにより、チャットシナリオ制御部13は、日程調整ダイアログ1351を実行する。
【0231】
そして、チャットシナリオ制御部13は、日程調整ダイアログ1351に基づいた日程調整に関する入力が完了した後、日程管理連携クラウドサービス30Aを介して、日程管理システム35に日程調整を依頼する(A2)。
【0232】
日程管理システム35は、日程調整して予定確保するための制御を開始する(A3)。
【0233】
次に、スマートフォン60は、ユーザからの操作に基づいて、チャットフロントエンド12を介して、チャットシナリオ制御部13に、業務報告の依頼を出力する(B1)。これにより、チャットシナリオ制御部13は、業務報告ダイアログ1352を実行する。
【0234】
一方、アンケートシステム45は、アンケートが登録される(C1)。そして、アンケートシステム45は、アンケート連携クラウドサービス40を介して、アンケートのプッシュ通知の依頼を、チャットクラウドサービス10のプッシュ通知受付部15Aに出力する(C2)。
【0235】
チャット実行判定部14Aは、アンケートのプッシュ通知が可能か否か、換言すればチャットダイアログが実行中か否かを判定する(C3)。チャットダイアログが実行中のため、プッシュ通知待機部19Aが、アンケートのプッシュ通知を、チャットダイアログ終了まで待機させる制御を行う(C4)。
【0236】
日程管理システム35は、日程調整が完了した後に、日程調整結果のプッシュ通知の依頼を、チャットクラウドサービス10のプッシュ通知受付部15Aに出力する(A4)。
【0237】
チャット実行判定部14Aは、日程調整結果のプッシュ通知が可能か否か、換言すればチャットダイアログが実行中か否かを判定する(A5)。チャットダイアログが実行中のため、プッシュ通知待機部19Aが、日程調整結果のプッシュ通知を、チャットダイアログ終了まで待機させる制御を行う(A6)。
【0238】
そして、チャットシナリオ制御部13は、業務報告ダイアログ1352に基づいた業務報告の入力が完了した後、業務管理連携クラウドサービス20Aを介して、業務管理システム25に業務報告を依頼する(B2)。そして、業務管理システム25は、業務報告の内容をCRMに登録する(B3)。
【0239】
プッシュ通知優先度判定部16Aは、チャットダイアログが完了したので、待機させているプッシュ通知の各々について、業務サービス毎の優先度に基づいて実行するか否かを判定する(A7)。これにより、プッシュ通知待機部19Aは、日程調整結果のプッシュ通知の優先度が高いと判定する。
【0240】
チャットシナリオ制御部13は、日程調整結果のプッシュ通知の日程調整結果ダイアログ1353を実行する(A8)。日程調整結果ダイアログ1353が、スマートフォン60に対して、日程調整結果をプッシュ通知する(A9)。
【0241】
プッシュ通知優先度判定部16Aは、日程調整結果のチャットダイアログが完了したので、待機させているプッシュ通知について、業務サービス毎の優先度に基づいて実行するか否かを判定する(C5)。プッシュ通知優先度判定部16Aは、アンケートのプッシュ通知の優先度が高いと判定する。
【0242】
チャットシナリオ制御部13は、アンケートのプッシュ通知のアンケートダイアログ1354を実行する(C6)。アンケートダイアログ1354が、スマートフォン60に対して、アンケートをプッシュ通知する(C7)。
【0243】
そして、スマートフォン60は、アンケートダイアログ1354に対してアンケートの回答を入力する(C8)。
【0244】
そして、チャットシナリオ制御部13は、アンケートダイアログ1354に基づいたアンケートの回答の入力が完了した後、アンケート連携クラウドサービス40Aを介して、アンケートシステム45に回答結果を送信する(C9)。
【0245】
本実施形態においては、上述した制御を行うことで、チャットダイアログを用いた外部システムとの連携を実現できる。
【0246】
本実施形態に係る業務処理システム1Aは、上述した構成を備えることで、優先度に基づいてチャットダイアログの実行を行うことで、ユーザに対してチャッダイアログを適切なタイミングで行うことができる。
【0247】
(第3の実施形態)
上述した実施形態においては、チャットボットがスマートフォン60に出力されるメッセージは、予めチャットシナリオ記憶部に記憶されている例について説明した。しかしながら、チャットボットが出力するメッセージは、予めシナリオとして設定された情報に制限するものではなく、AI学習によって学習された学習済モデルによって出力された情報を含んでもよい。そこで、第3の実施形態では、学習済モデルを適用した場合について説明する。本実施形態においては、第2の実施形態で示した業務処理システム1に、AI制御システム70が追加された例とする。
【0248】
図14は、本実施形態に係る、AI制御システム70が追加された業務処理システム1Bに含まれる各構成の機能ブロックを例示した図である。本実施形態に係る業務処理システム1Bでは、チャットボット制御システムが、チャットクラウドサービス10B、業務管理連携クラウドサービス20A、日程管理連携クラウドサービス30A、アンケート連携クラウドサービス40A、及びAI制御システム70の組み合わせで構成されている。なお、第2の実施形態と同一の構成については、同一の符号を割り当て、説明を省略する。
【0249】
チャットクラウドサービス10Bは、第2の実施形態のチャットクラウドサービス10Aと比べて、チャットシナリオ制御部13の代わりに、チャットシナリオ制御部13Bを備えている点で異なる。
【0250】
チャットシナリオ制御部13Bは、チャットシナリオ制御部13と同様の機能を有する共に、AI制御システム70に対して、チャットダイアログに関する問い合わせを行う機能が追加されている。なお、問い合わせについては後述する。
【0251】
AI(Artificial Intelligence)制御システム70は、任意の事業者から提供されるプラットフォーム上に構築されるサービスであってもよく、例えば、
図2に示されるハードウェア構成を備えるものとする。なお、本実施形態は、AI制御システム70のハードウェア構成を制限するものではなく、任意のハードウェア構成でよい。
【0252】
AI制御システム70は、通信制御部71と、モデル生成部72と、AIシナリオ制御部78と、を有する。AI制御システム70が有するこれら各機能部は、
図2に示されたCPU201がHD204に記憶されたプログラムを読み込み、RAM203を作業領域として用いることで実現される。また、モデル生成部72が備えるデータレイク74は、HD204に設けられている。AI制御システム70は、機械学習の学習をモデル生成部72で実現し、機械学習の推論をAIシナリオ制御部78で実現する。
【0253】
通信制御部71は、ネットワークI/F209を介して、通信ネットワーク100に接続された外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0254】
例えば、通信制御部71は、チャットクラウドサービス10から、スマートフォン60とチャットボットとの間で行われたチャットダイアログのログ情報を受信する。さらに、通信制御部71は、チャットクラウドサービス10からチャットダイアログの現在の状況に基づいた問い合わせを受信し、当該受信した問い合わせに対応して、チャットボットとして出力するメッセージの候補を、チャットクラウドサービス10に送信する。
【0255】
モデル生成部72は、データ取得部73と、データレイク74と、学習用データ生成部75と、学習部76と、モデル出力部77と、を備え、学習済モデル79を生成し、生成した学習済モデル79を、AIシナリオ制御部78に出力する。
【0256】
データ取得部73は、チャットクラウドサービス10とスマートフォン60との間で対話として行われた時系列順に入出力された1連のメッセージを含むチャットダイアログの履歴を示したログ情報を、通信制御部71を介して、チャットシナリオ制御部13Bから取得する。
【0257】
データレイク74は、データ取得部73により取得された、時系列順に入出力された1連のメッセージを含むチャットダイアログのログ情報を記憶する。データレイク74へのチャットダイアログの保存は、チャットダイアログの終了時点で行われる。データレイク74には、少なくともユーザ及びチャットボットから入力されたメッセージが含まれている。さらには、データレイク74には、チャットダイアログが行われた時刻、ユーザが押下したボタン、ユーザの識別情報、チャットダイアログ(に関連する業務サービス)の種類、チャットダイアログのシナリオの識別情報等が含まれてもよい。
【0258】
学習用データ生成部75は、データレイク74に記憶された、チャットダイアログのログ情報に基づいて、予め設定された条件(特徴量、使用するアルゴリズム等)に従って、学習済モデルを生成するための学習用データ(教師データとも称する)を生成する。
【0259】
学習用データは、チャットダイアログの現在の状況で、ユーザがメッセージとして回答する可能性がある候補を出力できるよう、学習するためのデータとする。つまり、学習用データは、入力データとしてチャットダイアログの状況を示すパラメータ(例えばチャットボットが行った質問のメッセージを含む)と、出力データとして、当該状況に対応してユーザにより入力されたメッセージ(例えば、質問に対応してユーザが入力したメッセージ)と、が対応付けたデータセットとして生成される。
【0260】
本実施形態に係る学習用データとして含まれる、チャットダイアログの状況を示すパラメータとしては、例えば、チャットダイアログの種類(例えば、日程調整、業務報告などの業務サービス)、当該状況でチャットボットが次に出力したメッセージ(例えば質問のメッセージ)、チャットダイアログを実行中のユーザの識別情報等を含む。
【0261】
学習部76は、学習用データ生成部75により生成された学習用データを用いた機械学習を行うことで、学習済モデルを生成する。機械学習としては、例えばディープラーニングを用いてもよい。本実施形態に係る学習部76は、ニューラルネットワークを用いた推論として、例えばバックプロパゲーションによる学習を行う。
【0262】
学習済モデル79は、少なくとも一つのニューラルネットワークで構成されている。当該ニューラルネットワークは、入力層と、中間層と、出力層と、を備え、各々の層が複数のニューロンで構成されている。学習済モデル79は、各層のニューロン間は接続されると共に、各ニューロンには学習用データによって学習された重みづけ係数が定められている。
【0263】
そして、学習済モデル79は、上述した学習用データで学習することで、入力層にチャットダイアログの現在の状況を示すパラメータ(例えば、ユーザ、チャットボットが次に出力するメッセージ)が入力された場合に、チャットボットが次に出力するメッセージに対応して、ユーザが回答する可能性がある候補が出力層から出力されるよう、コンピュータに機能させる。
【0264】
モデル出力部77は、生成された学習済モデル79を、AIシナリオ制御部78に出力する。
【0265】
AIシナリオ制御部(モデル制御部の一例)78は、入力された学習済モデル79に基づいて、チャットシナリオ制御部13Bから入力された、チャットダイアログの現在の状況を示したパラメータに基づいて、現在の状況に応じてユーザが回答する可能性を有するメッセージの候補を生成する。回答する可能性を有するメッセージの候補は、チャットシナリオ制御部13Bに出力される。
【0266】
これにより、チャットクラウドサービス10Bにおいて、通信制御部11が、チャットフロントエンド12からの指示に応じて、入力されたメッセージを選択可能な態様で、スマートフォン60に送信する。
【0267】
これにより、例えば、チャットフロントエンド12は、チャットボットとして、スマートフォン60に質問のメッセージを表示する際に、当該質問のメッセージに対応してユーザが選択可能な回答の候補を同時に表示する。
【0268】
例えば、データレイク74に記憶された日程調整のチャットダイアログは、ユーザAとの対話で、チャットボットが「誰と日程調整しますか?」と質問メッセージを出力した場合に、「ユーザB」及び「ユーザC」と回答するメッセージが多く含まれている。そして、学習用データ生成部75が、当該日程調整のダイアログから、学習用データを生成し、学習部76が、当該学習用データで学習した学習済モデル79を生成する。このように生成された学習済モデル79は、チャット相手"ユーザA"と「誰と日程調整しますか?」とが入力層に入力された場合、回答する候補として、「ユーザB」、及び「ユーザC」を出力層から出力できる。
【0269】
当該学習済モデル79が利用される状況について説明する。チャットクラウドサービス10のチャットシナリオ制御部13Bは、「誰と日程調整しますか?」をスマートフォン60に出力する段階で、当該出力を行う前に、チャットの相手(ユーザA)と、次に「誰と日程調整しますか?」と出力する旨と、を含めて、AIシナリオ制御部78に問い合わせを行う。
【0270】
AIシナリオ制御部78は、日程調整を学習した学習済モデル79を有する場合、問い合わせと共に入力されたパラメータ(チャット相手(ユーザA)、及び「誰と日程調整しますか?」)を学習済モデル79の入力層に入力する。AIシナリオ制御部78は、学習済モデル79から出力された「ユーザB」及び「ユーザC」を、チャットクラウドサービス10のチャットシナリオ制御部13Bに送信する。
【0271】
これにより、チャットフロントエンド12が、チャットシナリオ制御部13Bのシナリオ制御に従って、ユーザAのスマートフォン60に「誰と日程調整しますか?」と表示する際に、選択可能な候補(例えば押下可能なボタン)として、「ユーザB」、及び「ユーザC」を表示する。
【0272】
上述した日程調整に関する学習済モデル79は、一例として示したものであって、他の状況に対応する学習済モデル79を用意してもよい。
【0273】
例えば、業務報告に関する学習済モデル79を用意してもよい。この場合、学習部76は、データレイク74に記憶されたチャットダイアログから生成された学習用データに従って、"X社"の"担当"が"担当Y"であることを学習した学習済モデル79を生成する。
【0274】
チャットシナリオ制御部13Bが、スマートフォン60に「X社の誰と面談したか」と出力する段階で、業務報告のチャットダイアログを実行中であることと、次に「X社の誰と面談したか」と出力する旨と、を含めて、AIシナリオ制御部78に問い合わせを行う。この場合、AIシナリオ制御部78は、問い合わせと共に受信したパラメータを、学習済モデル79に入力し、学習済モデル79から出力された"担当Y"をチャットシナリオ制御部13Bに送信する。
【0275】
これにより、チャットフロントエンド12が、チャットシナリオ制御部13Bのシナリオ制御に従って、「X社の誰と面談したか」と表示する際に、「担当Y」を(例えばボタンとして)選択可能に表示する。
【0276】
本実施形態に係る業務処理システム1Bでは、上述した構成を備えることで、チャットボットからの質問に対して、ユーザが回答する際の操作負担を軽減できる。
【0277】
次に、本実施形態に係るAI制御システム70における学習済モデル79を生成する際の処理手順について説明する。
【0278】
図15は、本実施形態に係るAI制御システム70における学習済モデル79を生成する際の処理手順を示したフローチャートである。
【0279】
まず、データ取得部73は、チャットクラウドサービス10でチャットダイアログが終了する毎に、チャットダイアログのログ情報を取得する(S1401)。
【0280】
次に、データ取得部73は、取得したチャットダイアログのログ情報を、データレイク74に保存する(S1402)。
【0281】
学習用データ生成部75は、データレイク74に保存されたログ情報に基づいて、学習用データを生成する(S1403)。学習用データ生成部75は、予め設定された条件(特徴量、使用するアルゴリズム等)に従うことで、学習済モデル79の入力データと出力データとの対応関係を明確にした学習用データを生成する。予め設定された条件は、例えば日程調整など、ダイアログの種類に応じて定められてもよい。
【0282】
学習部76は、学習用データ生成部75により生成された学習用データによって、学習済モデル79の生成又は修正を行う(S1404)。
【0283】
モデル出力部77は、生成又は修正された学習済モデル79を、AIシナリオ制御部78に出力する(S1405)。
【0284】
本実施形態に係るAI制御システム70は、上述した処理を行うことで、チャットダイアログに基づいた学習済モデル79を生成できる。
【0285】
図16は、本実施形態に係る業務処理システム1Bで行われる処理を示したシーケンス図である。本実施形態の業務処理システム1Bで行われる処理は、第2の実施形態の業務処理システム1Aに行われる
図12のS1201~S1229に加えて、S1601~S1612の処理が行われる。
図12で示した処理については省略する。
【0286】
図16に示される例では、スマートフォン60からの日程調整依頼を示したメッセージ(開始メッセージの一例)の受付に応じて、チャットクラウドサービス10B(のチャットシナリオ制御部13B)が、ダイアログ開始ステータスをオンにする制御を行う(S1201~S1202)。
【0287】
これにより、チャットシナリオ制御部13Bは、日程調整に対応するチャットダイアログを行うためのシナリオ制御を行う。
【0288】
チャットシナリオ制御部13Bが、シナリオ制御を行う際に、現在の状況を示したパラメータと共に、AI制御システム70に問い合わせを行う(S1601)。
【0289】
AI制御システム70のAIシナリオ制御部78は、問い合わせを受け付けた場合に、現在の状況を示したパラメータを学習済モデル79に入力することで、ユーザが回答するメッセージの候補を生成し、生成したメッセージの候補(機械学習の結果)を、チャットクラウドサービス10に出力する(S1602)。そして、チャットシナリオ制御部13Bは、入力されたメッセージの候補を用いたシナリオ制御を行う。
【0290】
これにより、チャットフロントエンド12は、チャットシナリオ制御部13Bによるシナリオ制御によって、機械学習の結果として生成されたメッセージの候補を選択可能に表示できる。
【0291】
そして、S1203~S1207までの処理が終了した後、チャットシナリオ制御部13Bが、チャットダイアログのログ情報を、AI制御システム70に出力する(S1603)。
【0292】
AI制御システム70(のデータ取得部73)は、入力されたチャットダイアログのログ情報を、データレイク74に保存する(S1604)。
【0293】
さらに、スマートフォン60からの業務報告依頼を示したメッセージ(開始メッセージの一例)の受付(S1208)に応じて、チャットクラウドサービス10B(のチャットシナリオ制御部13B)が、ダイアログ開始ステータスをオンにする制御を行う(S1209)。
【0294】
これにより、チャットシナリオ制御部13Bは、日程調整に対応するチャットダイアログを行うためのシナリオ制御を行う。
【0295】
チャットシナリオ制御部13Bが、シナリオ制御を行う際に、現在の状況を示したパラメータと共に、AI制御システム70に問い合わせを行う(S1605)。
【0296】
AI制御システム70のAIシナリオ制御部78は、問い合わせを受け付けた場合に、現在の状況を示したパラメータを学習済モデル79に入力することで、ユーザが回答するメッセージの候補を生成し、生成したメッセージの候補(機械学習の結果)を、チャットクラウドサービス10に出力する(S1606)。そして、チャットシナリオ制御部13Bは、入力されたメッセージの候補を用いたシナリオ制御を行う。
【0297】
そして、S1210~S1219までの処理が終了した後、チャットシナリオ制御部13Bが、チャットダイアログのログ情報を、AI制御システム70に出力する(S1607)。
【0298】
AI制御システム70(のデータ取得部73)は、入力されたチャットダイアログのログ情報を、データレイク74に保存する(S1608)。
【0299】
以降についても同様とする。つまり、S1220~S1224までの処理が終了した後、チャットシナリオ制御部13が、チャットダイアログのログ情報を、AI制御システム70に出力する(S1609)。そして、AI制御システム70のデータ取得部73は、入力されたチャットダイアログのログ情報を、データレイク74に保存する(S1610)。
【0300】
S1225~S1229までの処理が終了した後、チャットシナリオ制御部13が、チャットダイアログのログ情報を、AI制御システム70に出力する(S1611)。そして、AI制御システム70のデータ取得部73は、入力されたチャットダイアログのログ情報を、データレイク74に保存する(S1612)。
【0301】
本実施形態に係る業務処理システム1Bにおいては、上述した処理を行うことで、学習済モデル79によって生成されたメッセージの候補を表示できる。さらに、チャットダイアログが行われる毎に、チャットダイアログのログ情報を保存する。AI制御システム70においては、当該ログ情報を用いて学習済モデル79を修正することでより適切なメッセージの候補を表示できる。これにより、ユーザが回答を入力する際の負担を軽減できる。
【0302】
(第4の実施形態)
第3の実施形態では、第2の実施形態で示した業務処理システムに、AI制御システムが追加された例について説明した。しかしながら、AI制御システムの追加は、第2の実施形態の業務処理システムに制限するものではなく、例えば、第1の実施形態の業務処理システムに追加してもよい。そこで、第4の実施形態では、第1の実施形態の業務処理システムに、AI制御システムを追加する例について説明する。
【0303】
第4の実施形態の業務処理システムは、第1の実施形態の業務処理システム1と比べて、AI制御システム70が追加されると共に、チャットクラウドサービス内の構成が一部変更されている。
【0304】
第4の実施形態のチャットクラウドサービスは、第1の実施形態のチャットクラウドサービス10と比べて、チャットシナリオ制御部13の代わりに、チャットシナリオ制御部13Bを備えている点で異なる。
【0305】
チャットシナリオ制御部13Bは、チャットシナリオ制御部13と同様の機能を有する共に、第3の実施形態と同様に、AI制御システム70に対して、チャットダイアログに関する問い合わせを行う機能が追加されている。
【0306】
AI制御システム70は、第3の実施形態と同様の構成を備えている。つまり、AI制御システム70は、第3の実施形態と同様の処理によって、学習済モデル79を生成すると共に、学習済モデル79を用いたメッセージの候補の生成が行われる。
【0307】
図17は、本実施形態に係る業務処理システムで行われる処理を示したシーケンス図である。本実施形態の業務処理システムで行われる処理は、第1の実施形態の業務処理システム1に行われる
図8のS801~S841に加えて、S1701~S1710の処理が行われる。
図17でも示されているS801~S841による処理は、
図8を用いて上述した通りであるので説明を省略する。
【0308】
また、
図17で示されているS1701~S1702による処理は、
図15のS1601~S1602と同様とする。つまり、チャットシナリオ制御部13Bが、シナリオ制御を行う際に、現在の状況を示したパラメータと共に、AI制御システム70に問い合わせを行う(S1701)。AI制御システム70のAIシナリオ制御部78は、問い合わせを受け付けた場合に、現在の状況を示したパラメータを学習済モデル79に入力することで、ユーザが回答するメッセージの候補を生成し、生成したメッセージの候補(機械学習の結果)を、チャットクラウドサービス10に出力する(S1702)。
【0309】
S1703~S1710による処理は、
図15のS1605~S1612と同様とする。つまり、チャットシナリオ制御部13Bがチャットダイアログのログ情報をAI制御システム70に出力する処理と、AI制御システム70(のデータ取得部73)が入力されたチャットダイアログのログ情報をデータレイク74に保存する処理と、が繰り返し行われる。
【0310】
本実施形態に係る業務処理システムにおいては、上述した処理を行うことで、学習済モデル79によって生成されたメッセージの候補を表示できる。さらに、チャットダイアログが行われる毎に、チャットダイアログのログ情報を保存する。AI制御システム70においては、当該ログ情報を用いて学習済モデル79を修正することでより適切なメッセージの候補を表示できる。
【0311】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0312】
(第5の実施形態)
上述した実施形態では、スマートフォン60が、チャットダイアログ(対話)を行うために文字列情報等によるメッセージの入力を受け付ける場合について説明した。しかしながら、上述した実施形態は、チャットダイアログ(対話)を文字列情報等によるメッセージの入力に制限するものでない。そこで、本実施形態においては、ユーザからの音声でチャットダイアログを行う場合について説明する。
【0313】
図18は、第5の実施形態に係る、音声変換システムを含んだ業務処理システム1Cの一例を示した図である。
図18に示される例では、本実施形態に係る業務処理システム1Cとして、音声変換システムと、チャットボット制御システムと、が含まれている。
【0314】
チャットボット制御システムは、チャットクラウドサービス10の他に、上述した実施形態と同様の構成を備えている。例えば、チャットボット制御システムは、第1の実施形態と同様に、業務管理連携クラウドサービス20、日程管理連携クラウドサービス30、又はアンケート連携クラウドサービス40とを含む。さらには、チャットボット制御システムは、上述した実施形態と同様に、業務システム(例えば、業務管理システム25、日程管理システム35、又はアンケートシステム45)と通信可能に接続し、業務システムから提供される各種サービスに関するシナリオでチャットダイアログを実行する。なお、本実施形態に係るチャットボット制御システムは、第1の実施形態と同様の構成を備えている例に制限するものではなく、第2の実施形態乃至第4の実施形態のうちいずれかと同様の構成を備えていてもよい。
【0315】
音声変換システムは、音声キャプチャ装置81と、音声認識装置82と、音声変換装置83と、を備えている。
【0316】
音声キャプチャ装置81は、ユーザがスマートフォン60のマイク315に向けて発した音声をキャプチャする装置であり、インターネット等の通信網を介して該音声をキャプチャする。なお、音声キャプチャ装置81は、ユーザの発話をキャプチャできるデバイスであればよく、スマートフォン60に内蔵された装置でもよいし、スマートフォン60と有線または無線で通信可能に接続されたデバイス等でもよい。
【0317】
音声キャプチャ装置81は、キャプチャした音声を示した音声データを、音声認識装置82に出力する。
【0318】
音声認識装置82は、音声キャプチャ装置81でキャプチャされた音声を、公知の音声認識技術により(例えば、音響モデルと言語モデルとに基づいて)、音声認識を行い、キャプチャされた音声をテキストに変換した後、テキストによるメッセージとしてチャットクラウドサービス10に送信する。以降の処理は上述した実施形態と同様として説明を省略する。
【0319】
その後、チャットクラウドサービス10は、業務システム(例えば、業務管理システム25、日程管理システム35、又はアンケートシステム45)から提供される各種サービスに関するシナリオに従って生成された、テキストによるメッセージを、音声変換装置83に出力する。
【0320】
音声変換装置83は、チャットクラウドサービス10から入力されたテキストによるメッセージを、音声に変換した後、音声データによるメッセージをスマートフォン60に出力する。
【0321】
スマートフォン60は、音声データによるメッセージを、スピーカ316から出力する。
【0322】
このように本実施形態に係る業務処理システム1Cにおいては、音声によってチャットダイアログを実行できる。したがって、利便性の向上を実現できる。
【0323】
<作用>
上述した実施形態においては、プッシュ通知を行う際に、チャットダイアログが行われている場合、プッシュ通知に対応するチャットダイアログが待機される。これにより、ユーザがチャットボットとの間でチャットダイアログが行われている時に、プッシュ通知によって他のチャットダイアログが差し込まれることを抑制できる。これにより、ユーザが複数種類のチャットダイアログを同時に行うことが抑制される。したがって、ユーザがチャットダイアログにおいて、どのように対応すればよいのか混乱が生じることを抑制できる。したがって、上述した実施形態においては、ユーザがチャットダイアログによって快適な入力が可能となるので、操作性を向上させることができる。さらには、上述した実施形態においては、実行中のチャットダイアログの中断を抑制するので、操作の快適性の向上を図ることができる。
【0324】
さらに、上述した実施形態においては、チャットダイアログが行われている間に、複数のプッシュ通知が行われた場合に、当該複数のプッシュ通知に対応するチャットダイアログが待機される。そして、チャットダイアログが終了した後に、優先度に基づいて、複数のプッシュ通知に対応するチャットダイアログのうちいずれかが実行される。上述した実施形態においては、優先度に応じてチャットダイアログが実行されるので、優先度の高いチャットダイアログから取り掛かることができる。したがって、上述した実施形態は、ユーザが優先度の高い作業から取り掛かることができるので、作業効率の向上を実現できる。
【0325】
以上、本発明を実施するための幾つかの形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0326】
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1>
ユーザとチャットボットとの間の対話を示したチャットダイアログを構成するメッセージの、送信及び受信のうちいずれか一つ以上を、前記ユーザが利用する通信端末との間で行う通信制御部と、
前記通信端末に対する第1のチャットダイアログの開始の要求を示した通知を受け付ける受付部と、
前記通信端末で第2のチャットダイアログが実行されている場合に、前記受付部が受け付けた前記通知に対応する前記第1のチャットダイアログを待機させる制御を行う待機制御部と、を備え、
前記通信制御部は、複数の前記第1のチャットダイアログを待機させた状態で前記第2のチャットダイアログが実行されていないと判定された場合に、予め定められた優先情報に基づいて、前記複数の第1のチャットダイアログのうちいずれかを構成する前記メッセージを前記通信端末に送信する、
チャットボット制御システム。
<2>
前記チャットダイアログの開始となる開始メッセージと、前記チャットダイアログの終了となる終了メッセージと、を対応付けたチャットダイアログ記憶部をさらに有し、
前記通信制御部が、前記通信端末との間で、前記開始メッセージを送信又は受信した後、当該開始メッセージに対応する前記終了メッセージを送信又は受信し、
前記待機制御部は、前記第2のチャットダイアログである、前記開始メッセージを送信又は受信してから、前記開始メッセージに対応する前記終了メッセージを送信又は受信するまでの間、複数の前記第1のチャットダイアログを待機させる制御を行う、
<1>に記載のチャットボット制御システム。
<3>
前記通信制御部は、前記通信端末に表示された画面から選択されたボタンに対応付けられた前記メッセージを、前記開始メッセージとして受信する、
<2>に記載のチャットボット制御システム。
<4>
前記通信制御部が送信又は受信する前記メッセージに基づいて、前記通信端末において前記第2のチャットダイアログが実行されているか否かを判定する実行判定部をさらに備え、
前記実行判定部は、前記第2のチャットダイアログが実行されていると判定した場合、所定時間経過した後、前記第2のチャットダイアログが実行されているか否かを判定し、 前記待機制御部は、前記実行判定部によって、前記第2のチャットダイアログが実行されていないと判定されるまで、複数の前記第1のチャットダイアログを待機させる制御を行う、
<1>乃至<3>のいずれか一つに記載のチャットボット制御システム。
<5>
前記チャットボット制御システムは、前記チャットダイアログを制御するチャット制御システムと、前記外部システムと連携する外部連携システムと、を有し、
前記チャット制御システムは、
前記受付部と、前記通信制御部と、を有し、
前記通信制御部は、さらに、前記第3のチャットダイアログ又は前記優先情報に基づいて、前記通知を待機させる旨を示した情報を、前記外部連携システムに送信し、
前記外部連携システムは、
前記待機制御部と、前記外部システムからの要求に基づいて前記チャット制御システムに対して前記通知を送信する外部側通信制御部と、を有し、
前記待機制御部は、前記チャット制御システムから受信した、前記通知を待機させる旨を示した情報に基づいて、前記通知を、前記チャット制御システムに送信することを待機させる制御を行う、
<1>乃至<4>のいずれか一つに記載のチャットボット制御システム。
<6>
前記チャットボット制御システムは、前記チャットダイアログを制御するチャット制御システムと、外部システムと連携する外部連携システムと、を有し、
前記外部連携システムは、
前記外部システムからの要求に基づいて、前記チャット制御システムに対して、前記通知を送信する外部側通信制御部を有し、
前記チャット制御システムは、
前記通信制御部と、前記受付部と、前記待機制御部と、を有し、
前記受付部は、前記外部システムから、前記外部連携システムを介して前記通知を受け付ける、
<1>乃至<4>のいずれか一つに記載のチャットボット制御システム。
<7>
前記チャットダイアログの状況を示したパラメータと当該状況で前記ユーザにより入力された前記メッセージとの組み合わせに基づいて学習された学習済モデルを参照して、前記チャットダイアログの現在の状況を示したパラメータに基づいて、前記現在の状況に対応する前記メッセージを生成するモデル制御部を、さらに備え、
前記通信制御部は、前記モデル制御部により生成された前記メッセージを選択可能な態様で送信する、
請求項1に記載のチャットボット制御システム。
<1>乃至<6>のいずれか一つに記載のチャットボット制御システム。
<8>
ユーザとチャットボットとの間の対話を示したチャットダイアログを構成するメッセージの、送信及び受信のうちいずれか一つ以上を、前記ユーザが利用する通信端末との間で行う通信ステップと、
前記通信端末に対する第1のチャットダイアログの開始の要求を示した通知を受け付ける受付ステップと、
前記通信端末で第2のチャットダイアログが実行されている場合に、前記受付ステップで受け付けた前記通知に対応する前記第1のチャットダイアログを待機させる制御を行う待機ステップと、
複数の前記第1のチャットダイアログを待機させた状態で前記第2のチャットダイアログが実行されていないと判定された場合に、予め定められた優先情報に基づいて、前記複数の第1のチャットダイアログのうちいずれかを構成する前記メッセージを前記通信端末に送信する送信ステップと、
を有するチャットボット制御方法。
<9>
ユーザとチャットボットとの間の対話を示したチャットダイアログを構成するメッセージの、送信及び受信のうちいずれか一つ以上を、前記ユーザが利用する通信端末との間で行う通信ステップと、
前記通信端末に対する第1のチャットダイアログの開始の要求を示した通知を受け付ける受付ステップと、
前記通信端末で第2のチャットダイアログが実行されている場合に、前記受付ステップで受け付けた前記通知に対応する前記第1のチャットダイアログを待機させる制御を行う待機ステップと、
複数の前記第1のチャットダイアログを待機させた状態で前記第2のチャットダイアログが実行されていないと判定された場合に、予め定められた優先情報に基づいて、前記複数の第1のチャットダイアログのうちいずれかを構成する前記メッセージを前記通信端末に送信する送信ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0327】
1、1A、1B、1C 業務処理システム
10、10A、10B チャットクラウドサービス
11 通信制御部
12 チャットフロントエンド
13、13B チャットシナリオ制御部
14、14A チャット実行判定部
15、15A プッシュ通知受付部
16、16A プッシュ通知優先度判定部
17 チャットシナリオ記憶部
18 優先度記憶部
19A プッシュ通知待機部(待機制御部の一例)
20、20A 業務管理連携クラウドサービス
30、30A 日程管理連携クラウドサービス
40、40A アンケート連携クラウドサービス
21、31、41 通信制御部
22、22A、32、32A、42、42A 業務連携制御部
23、33、43 プッシュ通知待機部
24、24A、34、34A、44、44A プッシュ通知制御部
25 業務管理システム
35 日程管理システム
45 アンケートシステム
60 スマートフォン
61 通信制御部
62 チャット用アプリケーション
63 表示制御部
64 操作受付部
70 AI制御システム
71 通信制御部
72 モデル生成部
73 データ取得部
74 データレイク
75 学習用データ生成部
76 学習部
77 モデル出力部
78 AIシナリオ制御部
79 学習済モデル
81 音声キャプチャ装置
82 音声認識装置
83 音声変換装置
100 通信ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0328】