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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051363
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】ダイヤル及び操作機構
(51)【国際特許分類】
   H01H 19/00 20060101AFI20240404BHJP
   H01H 19/58 20060101ALI20240404BHJP
   H01H 25/06 20060101ALI20240404BHJP
   G05G 1/10 20060101ALI20240404BHJP
   G05G 25/00 20060101ALI20240404BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20240404BHJP
【FI】
H01H19/00 F
H01H19/58 R
H01H25/06 E
G05G1/10 B
G05G25/00 C
G03B17/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157494
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001988
【氏名又は名称】弁理士法人小林国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池 洋培
(72)【発明者】
【氏名】清水 孝之
【テーマコード(参考)】
2H100
3J070
5G031
5G219
【Fターム(参考)】
2H100AA23
2H100AA31
2H100AA41
2H100BB11
2H100CC07
3J070AA15
3J070BA51
3J070BA71
3J070CB01
3J070CC71
3J070DA34
5G031AS10H
5G031AS10J
5G031GS11
5G031HU23
5G031KS03
5G031KS06
5G219GS11
5G219HT10
5G219HU01
5G219HU92
(57)【要約】
【課題】軸方向における省スペース化を可能とし、部品配置の効率を向上させることが可能なダイヤル及び操作機構を提供する。
【解決手段】 第1ダイヤル13は、軸部36を有する回転可能なダイヤル部材31と、ダイヤル部材31をZ1方向へ移動させる移動機構32と、ダイヤル部材31の回転を検出する第1センサと、移動機構32により移動されたダイヤル部材31の位置を検出する第2センサ65とを有するフレキシブルプリント基板34と、を備え、フレキシブルプリント基板34は、軸部36に対してZ1方向側に配置される、
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部を有する回転可能なダイヤル部材と、
前記ダイヤル部材を第1方向へ移動させる移動機構と、
前記ダイヤル部材の回転を検出する第1センサと、前記移動機構により移動された前記ダイヤル部材の位置を検出する第2センサとを有する電子部材と、を備え、
前記電子部材は、
前記軸部に対して前記第1方向側に配置される、ダイヤル。
【請求項2】
前記第1センサは、前記軸部の端部に対して前記ダイヤル部材から離反する方向に配置される、請求項1記載のダイヤル。
【請求項3】
前記ダイヤルは撮像装置に配置された操作ダイヤルである、請求項1記載のダイヤル。
【請求項4】
軸部を有する回転可能なダイヤル部材と、
前記ダイヤル部材を第1方向へ移動させる移動機構と、
前記ダイヤル部材の回転を検出する第1センサと、前記移動機構により移動された前記ダイヤル部材の位置を検出する第2センサとを有する電子部材と、を備え、
前記第1センサは、
前記軸部の端部に対して前記ダイヤル部材から離反する方向に配置される、ダイヤル。
【請求項5】
前記ダイヤル部材の回転範囲内に前記電子部材が入り込むことを防止する防止部を備える、請求項1又は4記載のダイヤル。
【請求項6】
前記防止部は、前記移動機構に含まれる、請求項5記載のダイヤル。
【請求項7】
前記電子部材は、
前記第1センサが実装される第1実装部と、
前記第2センサが実装される第2実装部と、
前記第1実装部と前記第2実装部との間を繋ぐ第1中継部と、を備える、
請求項1又は4に記載のダイヤル。
【請求項8】
前記移動機構は、
前記ダイヤル部材を前記第1方向と反対側の第2方向に付勢する2つの付勢部材を有し、
前記第1中継部は前記2つの付勢部材の間に配置される、
請求項7記載のダイヤル。
【請求項9】
請求項8記載のダイヤルと、
操作部とを備え、
前記電子部材は、
前記操作部との接続部を有する第3実装部と、
前記第2実装部と前記第3実装部との間を繋ぐ第2中継部と、を備え、
前記操作部は、
前記ダイヤルと近接する第2方向に移動する可動部であって、前記ダイヤル側へ突出する第1凸部と第2凸部とを有する可動部を備え、
前記第2中継部は前記第1凸部と前記第2凸部との間に配置される、
操作機構。
【請求項10】
前記ダイヤル部材を回転させる回転機構を備え、
前記回転機構に含まれ、前記ダイヤル部材を回転可能に支持する支持部材と、
前記電子部材を前記支持部材にネジ締結する締結部材とを備える請求項1又は4に記載のダイヤル。
【請求項11】
前記締結部材は、前記支持部材に対して前記ダイヤル部材から離反する方向に配置される、請求項10記載のダイヤル。
【請求項12】
前記第1方向は、前記軸部の軸方向と交差する方向である請求項1又は4に記載のダイヤル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に使用されるダイヤル及び操作機構に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1記載のプッシュスイッチ付き回転型エンコーダは、操作つまみ(ダイヤル部材)を有する回転接点板と、この回転接点板に弾接して電気信号を発生させる弾性脚を備えた取付基板と、回転接点板を回転可能に保持すると共に、取付基板の側部に取付基板面と平行に揺動自在に結合された駆動体と、取付基板に植設した固定接点上にドーム状可動接点を載せたスイッチ部と、駆動体の一端に当接した取付基板面に垂直なアームおよびアームからスイッチ部の方向に伸ばされ先端がドーム状可動接点に当接したアームからなるL形に形成され、両アームの交差部を支軸として回動自在に取付基板に保持されたL形アクチュエータとを備える。ドーム状可動接点の弾性動作力に抗して操作つまみに力を加えると、回転接点板および駆動体全体が揺動し、駆動体がL形アクチュエータを押して回転させ、L形アクチュエータのアーム先端がドーム状可動接点を下方に押すことによって反転動作し、スイッチ端子間を短絡させる。
【0003】
特許文献2記載の複合操作型電気部品は、回転つまみ(ダイヤル部材)と、回転つまみと一体的に回転する摺動子と、摺動子が摺動する摺動パターンと、回転つまみをその軸線と略直交する方向へ押圧操作することにより、回転つまみをスライド移動させる可動部品部と、ドーム状のクリックばねを有し、可動部品部に設けられた押圧突起により押し込まれて作動する押釦スイッチとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-265860号公報
【特許文献2】特許第3920567号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の技術にかかる一つの実施形態は、軸方向における省スペース化を可能とし、部品配置の効率を向上させることが可能なダイヤル及び操作機構を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の技術に係る一つの態様のダイヤルは、ダイヤル部材と、移動機構と、電子部材と、を備え、電子部材は、軸部に対して第1方向側に配置される。ダイヤル部材は、軸部を有し、回転可能である。移動機構は、ダイヤル部材を第1方向へ移動させる。電子部材は、第1センサと、第2センサとを有する。第1センサは、ダイヤル部材の回転を検出する。第2センサは、移動機構により移動されたダイヤル部材の位置を検出する。
【0007】
第1センサは、軸部の端部に対してダイヤル部材から離反する方向に配置されることが好ましい。ダイヤルは、撮像装置に配置された操作ダイヤルであることが好ましい。
【0008】
本開示の技術に係る別の態様のダイヤルは、ダイヤル部材と、移動機構と、電子部材と、を備え、第1センサは、軸部の端部に対してダイヤル部材から離反する方向に配置される。
【0009】
ダイヤル部材の回転範囲内に電子部材が入り込むことを防止する防止部を備えることが好ましい。防止部は、移動機構に含まれることが好ましい。
【0010】
電子部材は、第1センサが実装される第1実装部と、第2センサが実装される第2実装部と、第1実装部と第2実装部との間を繋ぐ第1中継部と、を備えることが好ましい。
【0011】
移動機構は、ダイヤル部材を第1方向と反対側の第2方向に付勢する2つの付勢部材を有し、第1中継部は2つの付勢部材の間に配置される、ことが好ましい。
【0012】
本開示の技術に係る一つの態様の操作機構は、ダイヤルと、操作部とを備え、電子部材は、操作部との接続部を有する第3実装部と、第2実装部と第3実装部との間を繋ぐ第2中継部と、を備え、操作部は、ダイヤルと近接する第2方向に移動する可動部であって、ダイヤル側へ突出する第1凸部と第2凸部とを有する可動部を備え、第2中継部は第1凸部と第2凸部との間に配置される。
【0013】
ダイヤル部材を回転させる回転機構を備え、回転機構に含まれ、ダイヤル部材を回転可能に支持する支持部材と、電子部材を支持部材にネジ締結する締結部材とを備えることが好ましい。
【0014】
締結部材は、支持部材に対してダイヤル部材から離反する方向に配置されることが好ましい。第1方向は、軸部の軸方向と交差する方向であることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】撮像装置の背面側斜視図である。
図2】撮像装置の正面側斜視図である。
図3】撮像装置の要部断面図である。
図4】本発明のダイヤルの分解斜視図である。
図5】底面側から視たダイヤルの分解斜視図である。
図6】本発明のダイヤルからフレキシブルプリント基板を外した状態の斜視図である。
図7】ダイヤルを底面側から視た要部断面図である。
図8】第2実施形態における操作機構の斜視図である。
図9】操作機構の分解斜視図である。
図10】操作部の分解斜視図である。
図11】操作機構を底面側から視た要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
図1に示すように、デジタルカメラ10は、カメラボディ11、交換式のレンズ鏡筒12を備える。カメラボディ11の背面には、第1ダイヤル13、表示ディスプレイ14、操作ボタン15などを備える。第1ダイヤル13は、特許請求の範囲における「ダイヤル」に相当する。表示ディスプレイ14は、LCD(液晶ディスプレイ;Liquid Crystal Display)又はOELD(有機ELディスプレイ;Organic Electroluminescent Display)等である。表示ディスプレイ14は、ライブビュー画像の表示、撮影画像の表示、および設定メニューの表示などに用いられる。
【0017】
図2に示すように、カメラボディ11の正面にはレンズマウント16、及び第2ダイヤル17が設けられている。レンズマウント16は円形状の撮像開口16Aを有する。レンズマウント16には、レンズ鏡筒12が着脱可能に装着される。また、カメラボディ11の上面には、レリーズスイッチ18、操作ダイヤル19等を有する。
【0018】
カメラボディ11には撮像素子21が内蔵されている。撮像素子21は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、又は、有機薄膜撮像素子等である。
【0019】
レンズ鏡筒12は、レンズ鏡筒本体22、及び撮像光学系23等を備える。レンズ鏡筒本体22は、円筒形状で内部に撮像光学系23を保持し、後端にレンズマウント及びレンズ側信号接点(図示せず)が設けられている。撮像光学系23は、レンズ鏡筒12がカメラボディ11に装着された場合、撮像素子21に被写体光を結像する。
【0020】
カメラボディ11は、フロントケース11Aと、リアケース11Bと、トップ(天面)ケース11C、ボトム(底面)ケース11Dとを有する。フロントケース11A、リアケース11B、トップケース11C、及びボトム(底面)ケース11Dとが結合することにより、カメラボディ11の外装ケースを構成する。
【0021】
図3に示すように、第1ダイヤル13は、ダイヤル部材31と、移動機構32と、回転機構33と、フレキシブルプリント基板34と、回転板35を備える。第1ダイヤル13は、カメラボディ11の背面側上部に組み込まれている。
【0022】
ダイヤル部材31は、円盤状に形成され、軸部36を有する。ダイヤル部材31の外周面には、ローレットが形成されている。トップケース11Cの背面には、貫通孔11Eが形成されており、ダイヤル部材31の一部が貫通孔11Eを通ってカメラボディ11の外部に突出している。
【0023】
ダイヤル部材31は、後述するように、移動機構32により、Z1、Z2方向に移動可能であり、回転機構33により、Y1、Y2方向と平行な回転軸CLの回りを回転可能となっている。なお、本実施形態では、Z1、Z2方向は、デジタルカメラ10の前後方向と平行な方向である。Z2方向は、Z1方向とは反対側の方向である。
【0024】
また、Y1、Y2方向は、Z1、Z2方向と直交する方向である。Y2方向は、Y1方向とは反対側の方向である。また、X1、X2方向は、Z1、Z2方向及びY1、Y2方向と直交する方向であり、本実施形態では、デジタルカメラ10の左右方向(図4参照)である。X2方向は、X1方向とは反対側の方向である。なお、本明細書において、「直交」という文言には、完全な直交の意味の他に、設計上および製造上において許容される誤差を含む略直交の意味も含まれる。また、「平行」という文言には、完全な平行の意味の他に、設計上および製造上において許容される誤差を含む略平行の意味も含まれる。
【0025】
また、本実施形態では、Z1、Z2方向は、ダイヤル部材31の回転軸CLと直交する方向であるが、これに限らず、Z1、Z2方向は、回転軸CLと交差する方向であればよい。
【0026】
図4に示すように、回転機構33は、支持部材41を備える。支持部材41は、嵌合部42と、板状部43とが設けられている。なお、支持部材41は、後述するように、移動機構32にも含まれる。
【0027】
嵌合部42は、角丸長方形、すなわち、2つの半円形を平行な直線で繋いだ断面を有する筒状に形成されている。嵌合部42は、ダイヤル部材31の軸部36と嵌合する嵌合孔42Aを有する。支持部材41は、嵌合孔42Aと軸部36とが嵌合することにより、ダイヤル部材31を回転可能に支持する。
【0028】
回転板35は、軸部36の端部36Aに配置される。回転板35を貫通するネジ部材37と、軸部36とが螺合することにより、回転板35が軸部36にネジ締結されている。上述したように、軸部36は、嵌合部42を貫通する。このため、軸部36の端部36Aに配置される回転板35は、板状部43のY2方向側に位置する。回転板35は、外周に凹凸を有し、後述する第1センサ64によって回転が検出される。
【0029】
図5に示すように、移動機構32は、固定部材51と、2つのバネ部材52と、支持部材41とを備える。バネ部材52は、特許請求の範囲における「付勢部材」に相当する。固定部材51は、支持部材41より1回り大きい板状に形成されている。固定部材51は、移動用孔部51Aと、カメラボディ取付部51Bと、位置決めピン51Cと、締結部51Dと、2つのバネ部材収納部51Eとを有する。
【0030】
移動用孔部51Aは、Z1、Z2方向に沿って配された角丸長方形の貫通孔であり、支持部材41の嵌合部42と嵌合する。移動用孔部51Aは、Z1、Z2方向における寸法が、嵌合部42よりも長く形成されている。これにより、嵌合部42、すなわち支持部材41は、移動用孔部51Aに沿ってZ1、Z2方向に移動可能となっている。嵌合部42が移動用孔部51Aと嵌合した場合、板状部43は、固定部材51のY2方向側に位置する。
【0031】
カメラボディ取付部51Bは、X1、X2方向に延在し、ネジ部材55が貫通する貫通孔を有する。固定部材51は、カメラボディ取付部51Bを貫通するネジ部材55がトップケース11Cに螺合することにより、トップケース11C、すなわち、カメラボディ11の外装内部に固定される。
【0032】
位置決めピン51C、及び締結部51Dは、後述する第2実装部62が取り付けられる。バネ部材収納部51Eは、固定部材51の底面側(Y2方向側)に形成され、バネ部材52が収納されるU字状の枠部である。
【0033】
支持部材41の板状部43は、バネ部材取付部43Aと、進入防止部43Bと、位置決めピン43Cと、締結部43Dと、押圧突起部43Eとを有する。バネ部材取付部43Aは、板状部43の端部からZ1方向に沿って突出する一対の突出部であり、Z1、Z2方向と平行にバネ部材52が取り付けられる。
【0034】
図6に示すように、支持部材41の嵌合部42が移動用孔部51Aと嵌合した場合、バネ部材取付部43Aに取り付けられたバネ部材52が、固定部材51のバネ部材収納部51Eに収納される。よって、バネ部材52が固定部材51と支持部材41との間に挟まれて配置される。これにより、バネ部材52は、支持部材41及びダイヤル部材31をZ2方向に付勢する。移動機構32は、ダイヤル部材31がZ1方向に押圧を受けた場合、移動用孔部51Aが嵌合部42をガイドし、バネ部材52の付勢に抗してダイヤル部材をZ1方向へ移動させることができる(図3の2点鎖線で示す状態)。また、移動機構32は、ダイヤル部材31に対する押圧が解除された場合、バネ部材52によりZ2方向にダイヤル部材31を付勢して初期位置に復帰させることができる(図3の実線で示す状態)。
【0035】
位置決めピン43C、及び締結部43Dは、後述する第1実装部61が取り付けられる。押圧突起部43Eは、バネ部材取付部43Aの間に位置し、板状部43の端縁からZ1方向に突出する突起部である。進入防止部43Bは、板状部43の底面からY2方向に突出する突起部である(図3参照)。
【0036】
フレキシブルプリント基板34は、第1実装部61と、第2実装部62と、第1中継部63と、第1センサ64と、第2センサ65とを備える。第1実装部61は、矩形板状であり、締結孔61Aと、位置決め孔61Bとを有する。第1実装部61の上面には、第1センサ64が実装される。2つの第1センサ64は、回転軸CLを中心とする同一円周上に位置する。
【0037】
位置決め孔61Bは、支持部材41の位置決めピン43Cと嵌合する。これにより、支持部材41に対する第1実装部61の位置決めが行われる。締結孔61Aは、支持部材41の締結部43Dに合わせた位置に設けられている。第1実装部61は、締結孔61Aを貫通するネジ部材66が締結部43Dに螺合することにより、支持部材41にネジ締結される。ネジ部材66は、特許請求の「締結部材」に相当する。ネジ部材66は、支持部材41に対してダイヤル部材31から離反する方向、すなわち、Y2方向に配置される。
【0038】
Y1、Y2方向において、第1実装部61は、板状部43に対して一定の間隔を置いて取り付けられる。この一定の間隔は、回転板35が通過可能な隙間である。上述したように、回転板35は、支持部材41の板状部43のY2方向側に位置する。よって、回転板35は、板状部43と、板状部43と一定の間隔を置いた第1実装部61との間を通過する。
【0039】
第1センサ64は、光センサであり、例えば、フォトリフレクタを用いる。上述したように、第1センサ64は、第1実装部61に実装される。よって、第1センサ64は、軸部36の端部36Aに位置する回転板35に対してダイヤル部材31から離反する方向、すなわちY2方向に配置される。
【0040】
第1センサ64は、発光部及び受光部を有する。第1センサ64の発光部は、回転板35の凸部35Aに向けて光を照射し、受光部は、回転板35の凸部35Aにより反射した光を受光する。第1センサ64の出力により、ダイヤル部材31の回転、具体的には、ダイヤル部材31の回転量及び回転方向を検出することができる。
【0041】
第2実装部62は、矩形板状であり、第1実装部61に対してZ1方向に配置される。第2実装部62は、締結孔62Aと、位置決め孔62Bとを有する。第2実装部62の上面には、第2センサ65が実装される。なお、これに限らず、第1実装部61及び/第2実装部62には、プロセッサ機能を有する制御部を実装してもよい。
【0042】
位置決め孔62Bは、固定部材51の位置決め51Cと嵌合する。これにより、固定部材51に対する第2実装部62の位置決めが行われる。締結孔62Aは、固定部材51の締結部51Dに合わせた位置に設けられている。第2実装部62は、締結孔62Aを貫通するネジ部材67が締結部51Dに螺合することにより、固定部材51にネジ締結される。また、第2実装部62は、支持部材41をY1方向側へ支持する。Y1、Y2方向において、第2実装部62は、固定部材51の底面51Fに対して一定の間隔を置いて取り付けられる。この一定の間隔は、支持部材41の板状部43が通過可能な隙間である。
【0043】
上述したように、板状部43は、固定部材51のY2方向側に位置する。よって、板状部43は、固定部材51と、固定部材51と一定の間隔を置いた第2実装部62との間を通過する。これにより、支持部材41は、Z1、Z2方向に移動可能となっている。
【0044】
第2センサ65は、メカスイッチである。第2センサ65は、支持部材41の押圧突起部43Eと対面する位置に配されている。支持部材41がZ1方向に移動した場合、第2センサ65は、押圧突起部43Eからの押圧を受けて被押圧部65Aがケース65Bの内部に押し込まれる(図3参照)。被押圧部65Aが押し込まれることによりケース65B内部の接点(図示せず)がオン状態となる。このため、第2センサ65は、移動機構32により移動されたダイヤル部材31の位置を検出することができる。また、ダイヤル部材31に対する押圧が解除された場合、押圧突起部43Eによる被押圧部65Aの押圧も解除される。被押圧部65Aへの押圧が解除されると、ケース65B内部の付勢部材(図示せず)により付勢され、被押圧部65Aが初期位置に復帰する。
【0045】
第1中継部63は、第1実装部61と第2実装部62との間を繋ぐ。上述したように、第1実装部61は、支持部材41に固定され、第2実装部62は、固定部材51に固定され、支持部材41は、固定部材51に対してZ1、Z2方向に移動可能となっている。このため、第1中継部63は、支持部材41の移動を妨げないように、Z1、Z2方向に余裕を持った長さに形成されている。
【0046】
第1中継部63は、上述したように、長さに余裕を持って形成されているため、もし仮に、ダイヤル部材31が回転する範囲に入り込んだ場合、ダイヤル部材31の回転を妨げる。本実施形態では、第1中継部63の位置に合わせて、進入防止部43Bが設けられている。進入防止部43Bは、支持部材41とともにZ1、Z2方向に移動するため、第1中継部63と当接し、第1中継部63がZ2方向側に移動することを防止する。すなわち、進入防止部43Bは、第1中継部63が、ダイヤル部材31が回転する範囲内に入り込むことを防止する。
【0047】
図7に示すように、第1中継部63は、支持部材41及びダイヤル部材31を付勢する2つのバネ部材52の間に配置される。第1中継部63は、フレキシブルプリント基板34の一部であり、反力が大きい。すなわち、第1中継部63が支持部材41から押圧を受けたときに、支持部材41及びダイヤル部材31を押し返す力が大きい。もし仮に2つのバネ部材52の外側に第1中継部63が位置した場合、第1中継部63が位置する側の反力が大きくなり、操作性が悪くなる。これに対して、本実施形態では、第1中継部63が、2つのバネ部材52の間に配置されるため、支持部材41及びダイヤル部材31を押し返す力が偏ることを防ぎ、操作性が向上する。また、2つのバネ部材52の間は、部品配置に余裕があるため、この位置に第1中継部63を配置することにより部品配置の効率を向上させることができる。
【0048】
次に、本実施形態のデジタルカメラ10による作用を説明する。第1ダイヤル13を操作する場合、上述したように移動機構32及び回転機構33を備えているため、ダイヤル部材31を回転及び押圧操作することが可能であり、ユーザは、各種操作を行うことができる。そして、第1ダイヤル13では、フレキシブルプリント基板34が、ダイヤル部材31の軸部36に対してZ1方向側に配置される。これにより、軸部36のZ2方向側(図の点線で囲んだ範囲E)は、部品配置に余裕ができる。ひいては、第1ダイヤル13の軸方向であるY1、Y2方向における省スペース化を可能とし、部品配置の効率を向上させることができる。
【0049】
また、第1ダイヤル13では、回転を検出する第1センサ64は、軸部36の端部36Aに対してダイヤル部材31から離反する方向、すなわちY2方向に配置されているため、Y1、Y2方向における省スペース化を可能とし、部品配置の効率を向上させることができる。もし仮に、従来のダイヤルのように、回転を検出する第1センサが、軸部の端部よりもダイヤル部材に近接する方向に配置された場合、ダイヤルの軸部が長くなり、軸部の端部まで部品が配置される構成になるため、省スペース化の妨げとなる。これに対して、本実施形態では、軸部36の端部36Aに対してダイヤル部材31から離反する方向に、第1センサ64を配置しているため、軸部36を従来よりも短くすることができ、部品配置の自由度を向上させることが可能となる。これにより、省スペース化を可能とする。
【0050】
上記第1実施形態では、第1ダイヤル13は、フレキシブルプリント基板34が、ダイヤル部材31の軸部36に対してZ1方向側に配置され、かつ第1センサ64が、軸部36の端部36Aに対してダイヤル部材31から離反する方向に配置されているが、これに限らず、一部の構成を省略してもよい。例えば、上記第1実施形態の構成からフレキシブルプリント基板34が、ダイヤル部材31の軸部36に対してZ1方向側に配置されるという限定を無くしてもよい。この場合でも、第1センサ64が、軸部36の端部36Aに対してダイヤル部材31から離反する方向に配置されているため、省スペース化、及び部品配置の効率化を図ることができる。
【0051】
また、上記第1実施形態の構成から第1センサ64が、軸部36の端部36Aに対してダイヤル部材31から離反する方向に配置されているという限定を無くしてもよい。この場合でも、フレキシブルプリント基板34が、ダイヤル部材31の軸部36に対してZ1方向側に配置されているため、軸部36のZ2方向側のスペースに余裕があり、省スペース化を可能とし、部品配置の効率を向上させることができる。
【0052】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、本発明のダイヤルを適用する構成を例示しているが、これに限らず、以下で説明する第2実施形態では、ダイヤルと他の操作部を含む操作機構に適用する。
【0053】
図8に示すように、本実施形態の操作機構70は、第1ダイヤル71と、第2ダイヤル72とを備える。操作機構70は、上記第1実施形態と同様に、デジタルカメラ10のカメラボディ11に組み込まれている。第1ダイヤル71は、フレキシブルプリント基板73の構成以外は、上記第1実施形態の第1ダイヤル13と同様の構成である。第2ダイヤル72は、特許請求の範囲における「操作部」に相当する。なお、上記第1実施形態と同様の部品、部材については、同符号を付して説明を省略する。
【0054】
第1ダイヤル71は、ダイヤル部材31と、移動機構32と、回転機構33と、フレキシブルプリント基板73と、回転板35を備える。フレキシブルプリント基板73は、上記第1実施形態におけるフレキシブルプリント基板34の構成に加えて、第3実装部74と、第2中継部75とを有する。フレキシブルプリント基板73を構成する第1実装部61、第2実装部62、第1中継部63、第1センサ64、及び第2センサ65は、上記第1実施形態におけるフレキシブルプリント基板34と同様である。
【0055】
第3実装部74は、コネクタ76が設けられている。コネクタ76は、第2ダイヤル72との接続部である。第3実装部74は、移動機構32及び回転機構33の動作を妨げない位置に配置される。例えば、第3実装部74は、第1実装部61及び第2実装部62に対して、Y1方向又はY2方向の位置に配置される。
【0056】
第2中継部75は、第2実装部62と第3実装部74との間を繋ぐ。上述した第2実装部62と、第3実装部74との位置関係から、第2中継部75は、第2実装部62からY2方向に延び、さらに第3実装部74のY2方向側に回り込む位置に配置されている。
【0057】
図10に示すように、第2ダイヤル72は、ダイヤル部材81と、可動部82と、固定部83と、フレキシブルプリント基板84とを少なくとも含む。第2ダイヤル72は、例えば、カメラボディ11に対して、上記第1実施形態における第2ダイヤル17と同じ位置に配置されている。フレキシブルプリント基板84は、端部84Aに接続端子が設けられ、第1ダイヤル71のコネクタ76と接続する。フレキシブルプリント基板84は、ダイヤル部材81の位置を検出するセンサ及び/又は制御部などが実装されている。
【0058】
可動部82は、ダイヤル部材81とともに、Z1、Z2方向に移動する移動機構を構成する。ダイヤル部材81は、ダイヤル部材31と同様に、軸部を有し、回転可能なダイヤル部材である。固定部83は、カメラボディ11の外装内部に固定される部材である。
【0059】
可動部82は、本実施形態では、Z2方向、すなわち、第1ダイヤル71と近接する方向に移動する。可動部82は、第1ダイヤル71側へ突出する第1凸部82Aと、第2凸部82Bとを有する。第1凸部82A及び第2凸部82Bは、可動部82を固定部83と連結するための連結部であり、例えば、締結部材であるネジ部材85と締結又は嵌合する。なお、可動部82は、上記第1実施形態の支持部材41と同様に、回転機構と移動機構を兼ねる部材でもよく、単にスイッチを押圧するために移動する部材でもよい。
【0060】
図11に示すように、第2中継部75は、第1凸部82Aと第2凸部82Bとの間に配置される。第1凸部82Aと第2凸部82Bとの間の位置には、例えば、センサなどが配置されているが、第1ダイヤル71側に突出する位置では、スペースに余裕がある。よって、本実施形態では、上記第1実施形態の効果に加えて、第1凸部82Aと第2凸部82Bとの間に第2中継部75を配置することで、部品配置の効率を向上させることができる。
【0061】
上記各実施形態では、第2センサ65は、メカスイッチを用いているが、本発明はこれに限らず、移動機構によるダイヤル部材31の移動に応じてオン/オフが切り替えられるセンサであればよく、例えば光センサで、ダイヤル及び/又はダイヤルとともに移動する部材の位置を検出してもよく、電気接点式のスイッチを構成する接点同士を接触及び/又は非接触状態にすることにより、電気的に検出してよい。
【0062】
なお、本発明のダイヤルは、デジタルカメラの操作ダイヤルに限定するものではなく、、スマートフォン、ビデオカメラ等の撮像装置の操作ダイヤルにも適用可能である。
【0063】
[付記項1]
軸部を有する回転可能なダイヤル部材と、
前記ダイヤル部材の回転を検出する第1センサを有する電子部材と、を備え、
前記第1センサは、
前記軸部の端部に対して前記ダイヤル部材から離反する方向に配置される、ダイヤル。
[付記項2]
軸部を有する回転可能なダイヤル部材と、
前記ダイヤル部材を第1方向へ移動させる移動機構と、
前記移動機構により移動された位置を検出する第2センサを有する電子部材と、を備え、
前記電子部材は、
前記軸部に対して前記第1方向側に配置される、ダイヤル。
【符号の説明】
【0064】
10 デジタルカメラ
11 カメラボディ
11A フロントケース
11B リアケース
11C トップケース
11D ボトムケース
11E 貫通孔
12 レンズ鏡筒
13 第1ダイヤル
14 表示ディスプレイ
15 操作ボタン
16 レンズマウント
16A 撮像開口
17 第2ダイヤル
18 レリーズスイッチ
19 操作ダイヤル
21 撮像素子
22 レンズ鏡筒本体
23 撮像光学系
31 ダイヤル部材
32 移動機構
33 回転機構
34 フレキシブルプリント基板
35 回転板
35A 凸部
36 軸部
36A 端部
37 ネジ部材
41 支持部材
42 嵌合部
42A 嵌合孔
43 板状部
43A バネ部材取付部
43B 進入防止部
43C 位置決めピン
43D 締結部
43E 押圧突起部
51 固定部材
51A 移動用孔部
51B カメラボディ取付部
51C 位置決めピン
51D 締結部
51E バネ部材収納部
51F 底面
52 バネ部材
55 ネジ部材
61 第1実装部
61A 締結孔
61B 位置決め孔
62 第2実装部
62A 締結孔
62B 位置決め孔
63 第1中継部
64 第1センサ
65 第2センサ
65A 被押圧部
65B ケース
66 ネジ部材
67 ネジ部材
70 操作機構
71 第1ダイヤル
72 第2ダイヤル
73 フレキシブルプリント基板
74 第3実装部
75 第2中継部
76 コネクタ
81 ダイヤル部材
82 可動部
82A 第1凸部
82B 第2凸部
83 固定部
84 フレキシブルプリント基板
84A 端部
85 ネジ部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11