(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051422
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】頭用の保護具
(51)【国際特許分類】
A42B 3/28 20060101AFI20240404BHJP
A42B 1/04 20210101ALI20240404BHJP
A42B 1/24 20210101ALI20240404BHJP
A42B 1/008 20210101ALI20240404BHJP
A62B 18/04 20060101ALI20240404BHJP
A62B 7/12 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A42B3/28
A42B1/04 C
A42B1/04 B
A42B1/24 Z
A42B1/008 K
A62B18/04
A62B7/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157580
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大野 真武
(72)【発明者】
【氏名】佐々井 茂
(72)【発明者】
【氏名】牧野 大河
【テーマコード(参考)】
2E185
3B107
【Fターム(参考)】
2E185AA04
2E185BA02
2E185BA08
2E185CC32
3B107AA01
3B107BA08
3B107CA02
3B107EA02
3B107EA03
3B107EA04
(57)【要約】
【課題】着用者の頭部へ加わる衝撃や薬液の付着を抑制し、快適に取り扱うことができる保護具を提供する。
【解決手段】耐薬品性頭巾と、後頭部に開口を有するヘルメットと、開口からヘルメット内へ気体を引き込む送風用ホースとを有することを特徴とする頭用の保護具。さらにヘルメットと送風用ホースとが着脱可能な態様で接続されていることを特徴とする頭用の保護具。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐薬品性頭巾と、後頭部に開口を有するヘルメットと、前記開口から前記ヘルメット内へ気体を引き込む送風用ホースとを有することを特徴とする頭用の保護具。
【請求項2】
前記ヘルメットと前記送風用ホースとが着脱可能な態様で接続されていることを特徴とする請求項1に記載の頭用の保護具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液取扱作業時に耐薬品性および頭部への耐衝撃性を備える保護具に関する。
【背景技術】
【0002】
硫酸製造などを行う化学工場では濃硫酸や苛性ソーダ等薬液の取扱作業が多く存在する。濃硫酸等の薬液取り扱い作業時には薬液を被液する可能性があるため、隙間なく顔面全体を覆う耐薬品性頭巾を装着する事が好ましい。耐酸頭巾を装着すると自身の吐息等により作業中にシールド部が曇るため、それを防止するために市販品でも頭巾内部に空気を送風する事ができる電動ファン付頭巾は存在する。耐酸頭巾の他に、薬液取扱作業時に頭部を意図していない万一の衝撃から守るため、ヘルメットを装着する事が好ましい。しかしながら、ヘルメット、電動ファン、送風用ホース、耐薬品性頭巾を組み合わせると取り扱いにくく、作業がしにくいという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、着用者の頭部へ加わる衝撃や薬液の付着を抑制し、快適に取り扱うことができる保護具の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明の頭用の保護具は、耐薬品性頭巾と、後頭部に開口を有するヘルメットと、前記開口から前記ヘルメット内へ気体を引き込む送風用ホースとを有することを特徴とする
第2発明の頭用の保護具は、第1発明において、前記ヘルメットと前記送風用ホースとが着脱可能な態様で接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、着用者の頭部へ加わる衝撃や薬液の付着を抑制し、快適に取り扱うことができる保護具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の頭用の保護具の一実施形態の正面図である。
【
図2】本発明の頭用の保護具の一実施形態の背面図である。
【
図3】本発明の頭用の保護具の一実施形態の右側面図である。
【
図4】本発明の頭用の保護具の一実施形態の左側面図である。
【
図5】本発明の頭用の保護具の一実施形態の概略を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の頭用の保護具を、
図5を例に詳細に説明する。耐薬品性全面フード内にヘルメットが組み込まれてあり、接続された送風用ホースを介して電動ファンから空気を送ることができる。薬液取扱作業時には保護具を被り、電動ファンを稼働させるのみで良く、送風用ホースはヘルメットの後頭部に位置するため、視界を遮らず、手の可動域を外れているため作業性が良い。また、ヘルメット後頭部に装着する送風用ホースはねじ込み式やソケット式などの機構で着脱可能であり、送風用ホースとしては所望の長さものを取り付ける事ができる。耐薬品性のフードにより薬液の浸透が防止でき、ヘルメットがあるため万一の衝撃から頭部を保護できる。また夏場の作業等で頭巾内に熱が籠りやすい環境であっても、
図5の保護具はノズルの位置が高く、頭頂部を冷却できる事や風がヘルメット内の半球殻状の領域を流れるため、頭部を満遍なく効率的に冷却する事が可能であり、作業性の向上や熱中症リスク低減が可能である。
【実施例0009】
本発明の頭用の保護具を着用して酸欠環境下にない屋外で、濃硫酸を取り扱う作業である、濃硫酸配管のフランジ割り作業を行った。
【0010】
着用者の頭部へは特段の衝撃なく、頭部への薬液の付着もなかった。送風用ホースが視界を遮ることもなく、本発明の頭用の保護具やゴーグルへの結露等もなく快適に取り扱うことができた。また、作業前後に本発明の保護具の着脱、電動ファンの稼働・停止のみを行えばよく簡便に取り扱うことができた。
上記したように本発明の保護具を使用する事により、作業性の向上や耐薬品性を有するだけでなく、頭部への耐衝撃性を備える事により災害リスクを低減できるため、薬液取扱作業時の保護具として好適である。