(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051779
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】データ処理システム、ネットワークシステム、データ処理方法及びデータ処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20230101AFI20240404BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158106
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】大村 洋平
(72)【発明者】
【氏名】人見 圭一郎
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA01
5L049AA01
(57)【要約】
【課題】Web会議等のリモート会議に参加する参加者が利用する空間の環境情報を、把握しやすくする仕組みを提供する。
【解決手段】データ処理システムは、リモートで行うリモート会議を管理する会議システムに登録された会議情報に基づいて、リモート会議の参加者が利用する空間を特定する特定部と、前記特定された空間に設置されたセンサにより測定される環境情報を監視する監視部と、前記環境情報に基づいて生成した表示情報を前記リモート会議において提供される表示領域に表示するために、前記表示領域を特定するための情報を前記会議情報に基づいて取得し、前記表示情報に含めて前記会議システムに送信する送信部とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモートで行うリモート会議を管理する会議システムに登録された会議情報に基づいて、リモート会議の参加者が利用する空間を特定する特定部と、
前記特定された空間に設置されたセンサにより測定される環境情報を監視する監視部と、
前記環境情報に基づいて生成した表示情報を前記リモート会議において提供される表示領域に表示するために、前記表示領域を特定するための情報を前記会議情報に基づいて取得し、前記表示情報に含めて前記会議システムに送信する送信部と
を有するデータ処理システム。
【請求項2】
前記会議情報は、
前記会議システムにおいて、前記リモート会議の予約に必要な情報として、前記リモート会議の参加者が利用する空間に関する情報が入力され、前記リモート会議を識別する情報が付与されることで登録される、請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項3】
前記会議システムには、前記表示情報に含まれる前記リモート会議を識別する情報に基づいて前記表示領域を特定し、特定した前記表示領域に前記表示情報を表示するために、前記送信部により送信された前記表示情報を前記リモート会議に振り分ける通知処理部が設けられており、
前記送信部は、
前記表示領域を特定するための情報として、前記リモート会議を識別する情報を前記会議情報に基づいて取得し、前記表示情報に含めて前記通知処理部に送信する、請求項2に記載のデータ処理システム。
【請求項4】
前記会議情報は、
前記会議システムにおいて、前記リモート会議の予約に必要な情報として、前記リモート会議の参加者が利用する空間に関する情報が入力され、前記表示領域を識別する情報が付与されることで登録される、請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項5】
前記送信部は、
前記表示領域を特定するための情報として、前記表示領域を識別する情報を前記会議情報に基づいて取得し、前記表示情報に含めて前記リモート会議に送信する、請求項4に記載のデータ処理システム。
【請求項6】
前記監視部は、
前記リモート会議の開始時刻と終了時刻とに応じた時間帯に、前記環境情報を監視する、請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項7】
前記監視部は、
前記リモート会議の参加者が利用する空間の利用開始時刻と利用終了時刻とに応じた時間帯に、前記環境情報を監視する、請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項8】
前記監視部は、
前記環境情報が基準値を上回ったか否か、及び、基準値を上回った前記環境情報が所定の条件を満たす状態にあるか否かを判定することで、前記表示情報の送信可否を判定する、請求項6に記載のデータ処理システム。
【請求項9】
センサに関する情報とセンサが設置された空間に関する情報とが対応付けられたセンサ情報を格納するセンサ情報格納部と、
環境情報を取得する環境情報取得部と、を有し、
前記監視部は、
前記取得された環境情報のうち、前記会議情報及び前記センサ情報に基づいて特定された、前記時間帯の前記空間の環境情報を監視する、請求項6に記載のデータ処理システム。
【請求項10】
環境情報を収集する環境情報収集システムと通信することで、前記会議情報に基づいて特定された、前記時間帯の前記空間の環境情報を前記環境情報収集システムから取得する取得部を有し、
前記監視部は、
前記取得された環境情報を監視する、請求項6に記載のデータ処理システム。
【請求項11】
前記送信部は、
時系列の前記環境情報、前記基準値、前記環境情報が基準値を上回ったことを示すメッセージを含む前記表示情報を生成する、請求項8に記載のデータ処理システム。
【請求項12】
会議室の予約に必要な情報に、前記リモート会議を識別する情報が対応付けられた予約情報を管理する会議室予約システムと通信することで、前記リモート会議の際に前記空間を利用する参加者が特定された場合において、前記送信部は、前記環境情報が基準値を上回った空間を利用する参加者を宛先とした前記表示情報を生成する、請求項11に記載のデータ処理システム。
【請求項13】
前記環境情報には、二酸化炭素濃度、気温、湿度、照度、震度のいずれかが含まれる、請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項14】
前記リモート会議には、Web会議、テレビ会議、電話会議のいずれかが含まれる請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれかの1項に記載のデータ処理システムと、
会議室の予約に必要な情報に、前記リモート会議を識別する情報が対応付けられた予約情報を管理する会議室予約システムと、
を有するネットワークシステム。
【請求項16】
データ処理システムのコンピュータが、
リモートで行うリモート会議を管理する会議システムに登録された会議情報に基づいて、リモート会議の参加者が利用する空間を特定する特定工程と、
前記特定された空間に設置されたセンサにより測定される環境情報を監視する監視工程と、
前記環境情報に基づいて生成した表示情報を前記リモート会議において提供される表示領域に表示するために、前記表示領域を特定するための情報を前記会議情報に基づいて取得し、前記表示情報に含めて前記会議システムに送信する送信工程と
を実行するデータ処理方法。
【請求項17】
データ処理システムのコンピュータに、
リモートで行うリモート会議を管理する会議システムに登録された会議情報に基づいて、リモート会議の参加者が利用する空間を特定する特定工程と、
前記特定された空間に設置されたセンサにより測定される環境情報を監視する監視工程と、
前記環境情報に基づいて生成した表示情報を前記リモート会議において提供される表示領域に表示するために、前記表示領域を特定するための情報を前記会議情報に基づいて取得し、前記表示情報に含めて前記会議システムに送信する送信工程と
を実行させるためのデータ処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データ処理システム、ネットワークシステム、データ処理方法及びデータ処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会議室等のように、多数の参加者が集まる空間に環境センサを設置し、会議中の当該空間の環境情報(二酸化炭素濃度等)を監視する監視システムが知られている。当該監視システムによれば、例えば、当該空間に設置した監視モニタに当該空間の環境情報を表示し、更に、基準値を超えた場合に警告メッセージ等を表示することができる。これにより、当該監視システムによれば、参加者に対して環境の改善を促すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方で、当該空間に集まった参加者がそれぞれ端末を持ち込み、他の空間に集まった他の参加者との間でWeb会議等のリモート会議を行うようなケースでは、リモート会議の間、参加者は、それぞれの端末の画面を注視し続けることになる。このため、仮に監視モニタに警告メッセージ等が表示されたとしても、気付かない場合が多い。
【0004】
本開示は、Web会議等のリモート会議に参加する参加者が利用する空間の環境情報を、把握しやすくする仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、データ処理システムは、
リモートで行うリモート会議を管理する会議システムに登録された会議情報に基づいて、リモート会議の参加者が利用する空間を特定する特定部と、
前記特定された空間に設置されたセンサにより測定される環境情報を監視する監視部と、
前記環境情報に基づいて生成した表示情報を前記リモート会議において提供される表示領域に表示するために、前記表示領域を特定するための情報を前記会議情報に基づいて取得し、前記表示情報に含めて前記会議システムに送信する送信部とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、Web会議等のリモート会議に参加する参加者が利用する空間の環境情報を、把握しやすくする仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】ネットワークシステムのシステム構成の一例を示す第1の図である。
【
図2】データ処理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】会議室予約システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図4】データ処理システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図5】表示情報送信部の機能構成の詳細の一例を示す図である。
【
図6】表示情報送信部による表示情報の送信タイミングの一例を示す図である。
【
図7】会議サービス提供部の機能構成の詳細の一例を示す第1の図である。
【
図8】ネットワークシステム全体の処理の流れを示す第1のシーケンス図である。
【
図9】表示情報送信処理の流れを示すフローチャートの一例である。
【
図10】会議サービス処理の流れを示すフローチャートの一例である。
【
図11】Web会議の会議中の画面の一例を示す図である。
【
図12】ネットワークシステムのシステム構成の一例を示す第2の図である。
【
図13】ネットワークシステム全体の処理の流れを示す第2のシーケンス図である。
【
図14】ネットワークシステムのシステム構成の一例を示す第3の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0009】
[第1の実施形態]
<ネットワークシステムのシステム構成>
はじめに、第1の実施形態に係るデータ処理システムを含むネットワークシステム全体のシステム構成について説明する。
図1は、ネットワークシステムのシステム構成の一例を示す第1の図である。
図1に示すように、ネットワークシステム100は、
・Web会議システム110と、
・Web会議(リモート会議の一例)の際にユーザ124、125(Web会議の参加者)が利用する空間である会議室120に、ユーザ124、125がそれぞれ持ち込むユーザ端末121、122と、
・会議室120に設置された環境センサ123と、
・Web会議の際にユーザ134、135(Web会議の参加者)が利用する空間である会議室130に、ユーザ134、135がそれぞれ持ち込むユーザ端末131、132と、
・会議室130に設置された環境センサ133と、
・会議室予約システム140と、
・データ処理システム150と、
を有する。なお、ネットワークシステム100において、Web会議システム110と、ユーザ端末121、122と、ユーザ端末131、132と、会議室予約システム140とは、ネットワーク160を介して通信可能に接続される。また、ネットワークシステム100において、Web会議システム110と、会議室予約システム140と、データ処理システム150とは、ネットワーク160を介して通信可能に接続される。更に、ネットワークシステム100において、環境センサ123、133とデータ処理システム150とは、ネットワーク160を介して通信可能に接続される。
【0010】
Web会議システム110には、会議サービス提供プログラムがインストールされており、当該プログラムが実行されることで、Web会議システム110は、会議サービス提供部111として機能する。
【0011】
会議サービス提供部111は、ユーザ端末121、122、131、132に双方向通信サービスを提供する。これにより、ユーザ124、125、134、135は、いわゆるWeb会議を行うことができる。会議サービス提供部111には、例えば、Teams(登録商標)、Googlemeet(登録商標)、Skype(登録商標)、Zoom(登録商標)等が含まれる。
【0012】
会議サービス提供部111が提供する双方向通信サービスには、更に通知処理機能が含まれている。当該通知処理機能は、例えば、チャットボットにより実現され、Web会議の会議中に、データ処理システム150から通知される表示情報を、当該Web会議のチャットルームに振り分ける。
【0013】
なお、Web会議を行うにあたり、Web会議の主催者であるユーザ(本実施形態では、ユーザ124)は、ユーザ端末121を介してWeb会議システム110にアクセスし、Web会議の予約を完了させているものとする。また、Web会議を行うにあたり、会議サービス提供部111は、Web会議の主催者であるユーザ124がWeb会議の予約の際に入力した情報に基づいて、会議情報を生成しているものとする。更に、会議サービス提供部111は、生成した会議情報を会議情報格納部112に格納しているものとする。
【0014】
ユーザ端末121、122は、ユーザ124、125によって携帯される。
図1の例は、Web会議の際にユーザ124、125が利用する会議室120に、ユーザ124、125がユーザ端末121、122を持ち込んだ様子を示している。ユーザ124は、ユーザ端末121を介して、Web会議システム110にWeb会議の開始を指示し、ユーザ125は、参加するWeb会議のURLに、ユーザ端末122を接続することで、Web会議に参加する。
【0015】
環境センサ123は、ユーザ124、125がWeb会議の際に利用する会議室120に設置されており、会議室120内の環境情報(本実施形態では、二酸化炭素濃度)を測定する。また、環境センサ123は、測定した環境情報を、ネットワーク160を介してデータ処理システム150に送信する。
【0016】
ユーザ端末131、132は、ユーザ134、135によって携帯される。
図1の例は、Web会議の際にユーザ134、135が利用する会議室130に、ユーザ134、135がユーザ端末131、132を持ち込んだ様子を示している。ユーザ134、135は、参加するWeb会議のURLに、ユーザ端末131、132を接続することで、Web会議に参加する。
【0017】
環境センサ133は、ユーザ134、135がWeb会議の際に利用する会議室130に設置されており、会議室130内の環境情報(本実施形態では、二酸化炭素濃度)を測定する。また、環境センサ133は、測定した環境情報を、ネットワーク160を介してデータ処理システム150に送信する。
【0018】
会議室予約システム140には、予約管理プログラムがインストールされており、当該プログラムが実行されることで、会議室予約システム140は、予約管理部141として機能する。
【0019】
予約管理部141は、会議室の予約を受け付けるとともに、ネットワーク160を介してWeb会議システム110と通信し、会議情報を取得する。また、予約管理部141は、Web会議の主催者であるユーザ124が、会議室の予約の際に入力した情報と、取得した会議情報とを対応付けることで予約情報を生成する。また、予約管理部141は、生成した予約情報を、予約情報格納部142に格納する。
【0020】
なお、Web会議を行うにあたり、Web会議の主催者であるユーザ124は、ユーザ端末121を介して会議室予約システム140にアクセスし、Web会議に参加するユーザ124~135が利用する会議室120、130の予約を完了させているものとする。
【0021】
データ処理システム150には、データ処理プログラムがインストールされており、当該プログラムが実行されることで、データ処理システム150は、データ処理部151として機能する。
【0022】
データ処理部151は、ネットワーク160を介して会議室予約システム140と通信し、予約情報を取得する。また、データ処理部151は、環境センサ(
図1の例では、環境センサ123、133)により測定された環境情報を受信し、測定情報格納部153に格納する。なお、データ処理部151は、いずれの会議室にいずれの環境センサが設置されているのかを、センサ情報格納部152を参照することで予め把握しているものとする。
【0023】
このため、データ処理部151では、環境センサにより測定された環境情報が、いずれの会議室を利用して行われている、いずれのWeb会議の会議中に測定された環境情報であるのかを特定することができる。
【0024】
また、データ処理部151は、測定情報格納部153に格納される環境情報を監視し、所定の基準値を超えた場合であって、所定の条件を満たす状態にある場合に、表示情報を生成する。更に、データ処理部151は、生成した表示情報を、ネットワーク160を介して、Web会議システム110に送信する。
【0025】
なお、上述したように、データ処理部151では、所定の基準値を超えた環境情報が、いずれのWeb会議の会議中に測定された環境情報であるのかを特定することができる。このため、データ処理部151では、生成した表示情報に、Web会議を識別する情報(会議ID)を含めて送信することができる。
【0026】
これにより、会議サービス提供部111では、生成した表示情報を、対応するWeb会議のチャットルームが提供するチャット領域(表示領域の一例)に表示させることができる。具体的には、会議サービス提供部111では、チャット領域を表示しているユーザ端末の画面に表示させることができる。
【0027】
この結果、従来は、警告メッセージ等が監視モニタ等に表示されていたため、Web会議に参加するユーザが気付かない場合も多かったところ、本実施形態によれば、Web会議に参加するユーザが注視するユーザ端末の画面に表示させることができる。このため、Web会議に参加するユーザにとっては、会議室に設置された監視モニタ等に表示される場合と比較して、環境情報が把握しやすくなるといった効果が得られる。
【0028】
つまり、本実施形態に係るデータ処理システム150は、Web会議に参加するユーザが利用する会議室の環境情報を、把握しやすくする仕組みを提供することができる。
【0029】
なお、データ処理部151では、表示情報を生成するにあたり、センサ情報格納部152に予め格納された基準値を参照する。同様に、データ処理部151では、表示情報を生成するにあたり、条件情報格納部154に予め格納された条件情報を参照する。
【0030】
<データ処理システムのハードウェア構成>
次に、データ処理システム150のハードウェア構成について説明する。
図2は、データ処理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0031】
図2に示すように、データ処理システム150は、プロセッサ201、メモリ202、補助記憶装置203、I/F(Interface)装置204、通信装置205、ドライブ装置206を有する。なお、データ処理システム150に含まれる各ハードウェアは、バス207を介して相互に接続されている。
【0032】
プロセッサ201は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の各種演算デバイスを有する。プロセッサ201は、各種プログラム(例えば、データ処理プログラム等)をメモリ202上に読み出して実行する。
【0033】
メモリ202は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の主記憶デバイスを有する。プロセッサ201とメモリ202とは、いわゆるコンピュータを形成し、プロセッサ201が、メモリ202上に読み出した各種プログラムを実行することで、当該コンピュータは各種機能部を実現する。
【0034】
補助記憶装置203は、各種プログラムや、各種プログラムがプロセッサ201によって実行される際に用いられる各種情報を格納する。例えば、センサ情報格納部152、測定情報格納部153、条件情報格納部154は、補助記憶装置203により実現される。
【0035】
I/F装置204は、外部装置210(操作装置、表示装置等)と接続する接続デバイスである。I/F装置204は、データ処理システム150の管理者(不図示)による操作を、操作装置を介して受け付ける。また、I/F装置204は、処理の結果を出力し、表示装置を介してデータ処理システム150の管理者に表示する。
【0036】
通信装置205は、ネットワーク160を介して外部装置220(ネットワークシステム100内の他の装置等)と通信するための通信デバイスである。具体的には、通信装置205は、ネットワーク160を介して、Web会議システム110、環境センサ123、133、会議室予約システム140等と通信する。
【0037】
ドライブ装置206は記録媒体230をセットするためのデバイスである。ここでいう記録媒体230には、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記録媒体230には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
【0038】
なお、補助記憶装置203にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記録媒体230がドライブ装置206にセットされ、該記録媒体230に記録された各種プログラムがドライブ装置206により読み出されることでインストールされる。あるいは、補助記憶装置203にインストールされる各種プログラムは、通信装置205を介してネットワーク160よりダウンロードされることで、インストールされてもよい。
【0039】
<会議室予約システムの機能構成>
次に、会議室予約システム140の機能構成について説明する。
図3は、会議室予約システムの機能構成の一例を示す図である。
図3に示すように、会議室予約システム140の予約管理部141は、更に、認証部301、利用内容登録部302、会議ID登録部303を有する。
【0040】
認証部301は、例えば、Web会議の主催者であるユーザ124が、会議室予約システム140にログインする際に、ユーザID及びパスワードの入力を受け付け、受け付けたユーザID及びパスワードを認証する。また、認証部301は、認証に成功した場合、当該ユーザIDを、予約情報310の"予約者ユーザID"に登録する。
【0041】
利用内容登録部302は、会議室の予約に必要な情報について入力を受け付け、予約情報310に登録する。会議室を予約するのに必要な情報には、
・利用する会議室を識別する"会議室ID"、
・会議室を利用する時間帯("利用開始時刻"、"利用終了時刻")、
・会議室を利用するユーザを識別する"利用者ユーザID"、
等が含まれる。
【0042】
会議ID登録部303は、Web会議システム110に定期的にアクセスし、会議情報格納部112に格納された会議情報を参照する。また、会議ID登録部303は、予約情報格納部142に格納された予約情報に対応する会議情報をWeb会議システム110より取得し、取得した会議情報に含まれる会議IDを、予約情報310の"会議ID"に登録する。
【0043】
なお、予約情報に対応する会議情報とは、予約情報に登録された時間帯に、予約情報に登録された会議室を利用して行われる予定のWeb会議についての会議情報を指す。予約情報に対応する会議情報であるか否かは、例えば、予約情報に登録された会議室ID、利用開始時刻、利用終了時刻と、会議情報に登録された会議室ID、開始時刻、終了時刻(詳細は後述)とを対比することで判定されるものとする。
【0044】
予約情報格納部142は、予約情報310を格納する。
図3に示すように、予約情報310は、情報の項目として、"会議ID"、"会議室ID"、"利用開始時刻"、"利用終了時刻"、"利用者ユーザID"、"予約者ユーザID"が含まれる。
【0045】
なお、上述したように、各情報の項目には、認証部301及び利用内容登録部302により入力を受け付けた各情報、または、会議ID登録部303が取得した情報が登録される。
【0046】
<データ処理システムの機能構成>
次に、データ処理システム150の機能構成について説明する。
図4は、データ処理システムの機能構成の一例を示す図である。
図4に示すように、データ処理システム150のデータ処理部151は、更に、センサ情報登録部401、予約情報取得部402、環境情報取得部403、表示情報送信部404、条件情報登録部405を有する。
【0047】
センサ情報登録部401は、環境センサ123、133に関する情報を、センサ情報410として、センサ情報格納部152に格納する。なお、環境センサ123、133に関する情報は、例えば、データ処理システム150の管理者によって予め入力されるものとする。
【0048】
センサ情報410には、情報の項目として、"会議室ID"、"測定機器ID"、"センサ種類"、"基準値"が含まれる。"会議室ID"には、環境センサ123、133が設置された会議室を識別する情報が登録される。"測定機器ID"には、環境センサ123、133を識別する情報が登録される。"センサ種類"には、環境センサ123、133が測定する測定対象の種類が登録される。"基準値"には、環境センサ123、133により測定された環境情報が、正常範囲内か、正常範囲を超えたかを判定するのに用いられる基準値が登録される。
【0049】
予約情報取得部402は特定部の一例であり、会議室予約システム140に定期的にアクセスし、予約情報格納部142に格納された予約情報310を取得し、測定情報420として、測定情報格納部153に格納する。予約情報取得部402が取得する予約情報310には、情報の項目として、"会議ID"、"会議室ID"、"利用開始時刻"、"利用終了時刻"、"利用者ユーザID"、"予約者ユーザID"が含まれる。
【0050】
なお、予約情報取得部402が取得した予約情報310のうち、"利用開始時刻"、"利用終了時刻"は、"監視開始時刻"、"監視終了時刻"として、測定情報420に登録される。本実施形態において、ユーザ124、125、134、135が、会議室の利用を開始する時刻は、データ処理部151が環境情報の監視を開始する時刻に相当するからである。また、本実施形態において、ユーザ124、125、134、135が、会議室の利用を終了する時刻は、データ処理部151が環境情報の監視を終了する時刻に相当するからである。
【0051】
環境情報取得部403は、環境センサ123、133より送信される環境情報を、環境センサ123、133が設置された会議室の会議室IDと対応付けて測定情報格納部153に格納する(不図示)。本実施形態において、環境情報取得部403は、Web会議の会議中であるか否か、あるいは、会議室が利用中であるか否かに関わらず、環境センサ123、133より送信される環境情報を受信し、会議室IDと対応付けて測定情報格納部153に格納する。
【0052】
また、環境情報取得部403は、測定情報420に含まれる監視開始時刻に到達すると、対応する会議室IDの会議室に設置された環境センサより送信される環境情報を、測定情報420の"環境情報"に登録する。環境情報取得部403では、測定情報420に含まれる監視終了時刻に到達するまでの間、対応する会議室IDの会議室に設置された環境センサより送信される環境情報を、順次、測定情報420の"環境情報"に登録する。
【0053】
図4に示すように、測定情報格納部153に格納される測定情報420には、情報の項目として、"会議ID"、"会議室ID"、"監視開始時刻"、"監視終了時刻"、"利用者ユーザID"、"予約者ユーザID"、"環境情報"が含まれる。なお、各情報の項目には、予約情報取得部402、環境情報取得部403が取得した各情報が登録される。
【0054】
表示情報送信部404は監視部及び送信部の一例であり、測定情報格納部153の測定情報420に登録された、"監視開始時刻"から"監視終了時刻"までの間、"環境情報"を監視し、所定の基準値を超えたか否かを判定する。表示情報送信部404が判定に用いる所定の基準値は、センサ情報格納部152においてセンサ情報410に登録された"基準値"である。
【0055】
また、表示情報送信部404は、所定の基準値を超えたと判定した場合に、当該所定の基準値を超えた環境情報を、表示情報としてWeb会議システム110に送信するための送信候補と判定する。
【0056】
また、表示情報送信部404は、送信候補が、所定の条件を満たす状態にあるか否かを判定する。表示情報送信部404が判定に用いる所定の条件は、条件情報格納部154の条件情報430に登録された"通知省略回数"である。なお、"通知省略回数"とは、送信候補が発生した測定回の直前の"m"回において表示情報が既に送信されていた場合には送信不可と判定し、直前の"m"回において表示情報が送信されていなければ送信可と判定する場合の"m"を指す。つまり、"m"の値が大きいほど間隔を空けて表示情報が送信されることになり、"m"の値が小さいほど間隔を狭めて表示情報が送信されることになる。
【0057】
また、表示情報送信部404は、送信候補が、所定の条件を満たす状態にあると判定した場合に、当該送信候補を含む時系列の環境情報を、表示情報として、Web会議システム110に送信する。一方、送信候補が、所定の条件を満たす状態にないと判定した場合には、表示情報送信部404は、当該送信候補を含む時系列の環境情報をWeb会議システム110に送信しない。
【0058】
なお、表示情報送信部404は、表示情報をWeb会議システム110に送信する際、測定情報420の"会議ID"を参照し、参照した会議IDを含めて表示情報を生成する。また、表示情報送信部404は、生成した表示情報を、Web会議システム110の通知処理部704(詳細は後述)に送信する。これにより、Web会議システム110の通知処理部704では、表示情報送信部404により送信された表示情報を、当該表示情報に含まれる会議IDにより特定されるチャットルームに振り分けることができる。つまり、会議IDは、チャットルーム(が提供するチャット領域)を特定するための情報として用いられる。
【0059】
条件情報登録部405は、表示情報送信部404が送信候補を表示情報としてWeb会議システム110に送信するか否かを判定する際に用いられる条件情報について入力を受け付け、条件情報430として条件情報格納部154に格納する。
【0060】
図4の例は、条件情報登録部405が、条件情報430として、通知省略回数="2"が登録された様子を示している。通知省略回数=2とは、環境情報が基準値を上回ることで送信候補と判定された際、直前の2回の測定回において、既に表示情報が送信されていた場合には、当該送信候補を表示情報として送信しないことを表している。
【0061】
<表示情報送信部の詳細>
次に、表示情報送信部404の詳細について説明する。
図5は、表示情報送信部の機能構成の詳細の一例を示す図である。
図5に示すように、表示情報送信部404は、更に、環境情報監視部501、送信タイミング判定部502、送信先特定部503、送信部504を有する。
【0062】
環境情報監視部501は、センサ情報格納部152に格納されたセンサ情報410の"基準値"を参照しながら、測定情報格納部153に格納された測定情報420の"環境情報"を監視する。また、環境情報監視部501は、基準値を超えた環境情報である送信候補を送信タイミング判定部502に通知する。
【0063】
更に、環境情報監視部501は、送信タイミング判定部502が送信可と判定した場合に、基準値を送信部504に通知するとともに、表示情報の生成に用いる環境情報(時系列の環境情報)を測定情報格納部153から読み出し、送信部504に通知する。
【0064】
送信タイミング判定部502は、条件情報格納部154に格納された条件情報430を参照し、表示情報を送信するか否か(送信可否)を判定する。送信タイミング判定部502では、送信候補が、条件情報430の"通知省略回数"に登録された条件を満たす状態にある場合には、送信可と判定し、送信先特定部503及び送信部504に送信可であることを通知する。一方、送信タイミング判定部502では、送信候補が条件情報430の"通知省略回数"に登録された条件を満たす状態にない場合には、送信不可と判定し、送信先特定部503及び送信部504に送信不可であることを通知する。
【0065】
送信先特定部503は、測定情報格納部153に格納された測定情報420の"会議ID"を参照することで、表示情報に含める会議IDを特定し、送信部504に通知する。また、送信先特定部503は、測定情報格納部153に格納された測定情報420の"利用者ユーザID"を参照することで、表示情報に含めるメンションユーザIDを特定し、送信部504に通知する。
【0066】
送信部504は、送信タイミング判定部502から送信可であることが通知された場合に、表示情報の生成に用いる環境情報(時系列の環境情報)及び基準値を、環境情報監視部501から取得する。また、送信部504は、会議ID及び利用者ユーザIDを、送信先特定部503から取得する。更に、送信部504は、取得した時系列の環境情報、基準値、会議ID、利用者ユーザIDに基づいて、表示情報を生成する。
【0067】
図5において、表示情報510は、送信部504により生成された表示情報の一例である。
図5に示すように、表示情報510には、
・会議ID、
・メンションユーザID(利用者ユーザID)、
が含まれる(符号511参照)。また、表示情報510には、
・チャット表示内容(例えば、「二酸化炭素の濃度が基準値の1000[ppm]を超えました」)、
が含まれる(符号512参照)。また、表示情報510には、
・時系列の環境情報及び基準値を含むグラフ及び警告メッセージ、
が含まれる(符号513参照)。
【0068】
また、送信部504は、生成した表示情報510を、Web会議システム110の通知処理部704(詳細は後述)に送信する。
【0069】
<表示情報の送信タイミング>
次に、表示情報送信部404による表示情報510の送信タイミングについて説明する。
図6は、表示情報送信部による表示情報の送信タイミングの一例を示す図である。
【0070】
図6の例では、測定回=「1回目」において、"環境情報"が"基準値"を上回っている。なお、測定回=「1回目」の場合、表示情報送信部404では、条件情報(通知省略回数)との対比を行わないため、"環境情報"が"基準値"を上回っている場合、直ちに送信可と判定する。この結果、表示情報送信部404では、表示情報を送信する。
【0071】
また、
図6の例では、測定回=「2回目」の場合、"環境情報"が"基準値"を上回っている。このとき、通知省略回数=0が登録されていた場合には(送信候補が発生した場合に、全て送信可と判定する場合には)、表示情報送信部404では、表示情報を送信する。一方、通知省略回数=1が登録されていた場合には(送信候補が発生しても、前回の測定回で表示情報を送信していた場合には送信不可と判定するケースでは)、表示情報送信部404は、表示情報を送信しない。また、通知省略回数=2が登録されていた場合には(送信候補が発生しても、前回または前々回の測定回で表示情報を送信していた場合には送信不可と判定するケースでは)、表示情報送信部404は、表示情報を送信しない。
【0072】
また、
図6の例では、測定回=「3回目」において、"環境情報"が"基準値"を下回っている。この場合、表示情報送信部404では、通知省略回数によらず、表示情報を送信しない。
【0073】
また、
図6の例では、測定回=「4回目」において、"環境情報"が"基準値"を上回っている。このとき、通知省略回数=0が登録されていた場合には(送信候補が発生した場合に、全て送信可と判定する場合には)、表示情報送信部404では、表示情報を送信する。また、通知省略回数=1が登録されていた場合には(送信候補が発生し、かつ、前回の測定回で表示情報を送信していなかった場合に送信可と判定するケースでは)、表示情報送信部404は、表示情報を送信する。一方、通知省略回数=2が登録されていた場合には(送信候補が発生しても、前回または前々回の測定回で表示情報を送信していた場合には送信不可と判定するケースでは)、表示情報送信部404は、表示情報を送信しない。
【0074】
また、
図6の例では、測定回=「5回目」において、"環境情報"が"基準値"を下回っている。この場合、表示情報送信部404では、通知省略回数によらず、表示情報を送信しない。
【0075】
また、
図6の例では、測定回=「6回目」において、"環境情報"が"基準値"を下回っている。この場合も、表示情報送信部404では、通知省略回数によらず、表示情報を送信しない。
【0076】
また、
図6の例では、測定回=「7回目」において、"環境情報"が"基準値"を上回っている。このとき、通知省略回数=0が登録されていた場合には(送信候補が発生した場合に、全て送信可と判定する場合には)、表示情報送信部404では、表示情報を送信する。また、通知省略回数=1が登録されていた場合には(送信候補が発生し、前回の測定回で表示情報を送信していなかった場合に送信可と判定するケースでは)、表示情報送信部404は、表示情報を送信する。更に、通知省略回数=2が登録されていた場合には(送信候補が発生し、前回及び前々回の測定回で表示情報を送信していなかった場合に送信可と判定するケースでは)、表示情報送信部404は、表示情報を送信する。
【0077】
<会議サービス提供部の機能構成>
次に、Web会議システム110の会議サービス提供部111の機能構成の詳細について説明する。
図7は、会議サービス提供部の機能構成の詳細の一例を示す第1の図である。
図7に示すように、会議サービス提供部111は、更に、認証部701、会議情報登録部702、会議管理部703、通知処理部704を有する。
【0078】
認証部701は、例えば、Web会議の主催者であるユーザ124が、Web会議システム110にログインする際に、ユーザID及びパスワードの入力を受け付け、受け付けたユーザID及びパスワードを認証する。また、認証部701は、認証に成功した場合、当該ユーザIDを、会議情報710の"予約者ユーザID"に登録する。
【0079】
会議情報登録部702は、Web会議の予約に必要な情報について入力を受け付け、会議情報710に登録する。Web会議の予約に必要な情報には、
・Web会議に参加するユーザが利用する会議室の"会議室ID"、
・Web会議の"開始時刻"、
・Web会議の"終了時刻"、
が含まれる。
【0080】
会議情報登録部702は、Web会議の予約に必要な情報について入力を受け付けると、入力を受け付けた情報に、会議IDとチャットルームIDとを付与する。また、会議情報登録部702は付与した会議ID及びチャットルームIDを、会議情報710の"会議ID"、"チャットルームID"に登録する。
【0081】
なお、会議情報登録部702が付与する会議IDとチャットルームIDとは、同一のIDであっても、異なるIDであってもよい。ただし、異なるIDを付与する場合、会議IDとチャットルームIDとは、1対1の関係が成立するように付与するものとする。
【0082】
会議管理部703は、Web会議の主催者であるユーザ124より、Web会議の開始指示が送信されると、対応する会議IDのセッションを開始する。
図7の例は、それぞれのWeb会議の開始指示に基づき、会議ID=1000~会議ID=Nのセッションが開始された様子を模式的に示したものである。
【0083】
通知処理部704は、上述したように、チャットボットにより実現される。通知処理部704は、Web会議の会議中にデータ処理システム150から送信される表示情報を受信し、受信した表示情報を、受信した表示情報に含まれる会議IDに対応するチャットルームIDを有するチャットルームに振り分ける。
【0084】
<ネットワークシステム全体の処理の流れ>
次に、ネットワークシステム100全体の処理の流れについて説明する。
図8は、ネットワークシステム全体の処理の流れを示す第1のシーケンス図である。
【0085】
ステップS801において、データ処理システム150は、不図示の管理者の入力を受け付けることで、センサ情報(
図4のセンサ情報410)及び条件情報(
図4の条件情報430)を登録する。
【0086】
ステップS802において、データ処理システム150は、センサ情報に登録されたセンサ(例えば、測定機器ID="sensor01"、"sensor2"の環境センサ123、133)により測定された環境情報の取得を開始する。
【0087】
ステップS803において、ユーザ124は、ユーザ端末121を介して、会議室予約システム140にログインし、会議室の予約に必要な情報を入力することで、会議室の予約を行う。
【0088】
ステップS804において、会議室予約システム140は、ユーザ端末121を介して入力された、会議室の予約に必要な情報に基づいて、予約情報(
図3の予約情報310の"会議室ID"から"予約者ユーザID"までの情報を含む予約情報)を生成する。
【0089】
ステップS805において、ユーザ124は、ユーザ端末121を介して、Web会議システム110にログインし、Web会議の予約に必要な情報を入力することで、Web会議の予約を行う。
【0090】
ステップS806において、Web会議システム110は、ユーザ端末121を介して入力された、Web会議の予約に必要な情報に対して、会議ID及びチャットルームIDを付与するとともに、会議情報(
図7の会議情報710)を生成する。また、Web会議システム110は、生成した会議情報をユーザ端末121及び会議室予約システム140に通知する。
【0091】
ステップS807において、会議室予約システム140は、Web会議システム110から通知された会議情報に含まれる、会議室ID、開始時刻、終了時刻、予約者ユーザIDに対応する予約情報に、会議情報に含まれる会議IDを対応付ける。
【0092】
ステップS809において、会議室予約システム140は、予約情報(会議IDが対応付けられた予約情報、例えば、
図3の予約情報310)をデータ処理システム150に送信する。
【0093】
ステップS810において、データ処理システム150は、会議室予約システム140から送信された予約情報を取得し、測定情報420を生成する(ただし、この時点では、"環境情報"は空欄)。また、データ処理システム150は、取得した予約情報に含まれる会議室IDが対応付けられた測定機器IDを、センサ情報410に基づいて特定する。更に、データ処理システム150は、特定した測定機器IDの環境センサにより測定された環境情報を特定する。
【0094】
ステップS812において、ユーザ124は、会議室120に移動することで、ユーザ端末121を会議室120に持ち込む。また、ユーザ124は、ユーザ端末121を介して、取得した会議情報に含まれる会議IDに基づいて、Web会議システム110に対してWeb会議の開始を指示する。
【0095】
ステップS813において、Web会議システム110は、会議サービスを提供する処理を実行する。具体的には、Web会議システム110は、Web会議の開始が指示された会議IDについて、セッションを開始することで、双方向通信サービスの提供を開始する。なお、
図8には、図示していないが、Web会議システム110により双方向通信サービスの提供が開始されることで、会議室120に持ち込まれたユーザ端末122及び会議室130に持ち込まれたユーザ端末131、132はWeb会議システム110に接続する。これにより、ユーザ125及びユーザ134、135はWeb会議に参加することができる。
【0096】
ステップS814において、データ処理システム150は、測定情報420の"監視開始時刻"に到達すると、ステップS810において特定した環境情報を、測定情報420の"環境情報"に登録することで、監視を開始する。また、データ処理システム150は、監視中の環境情報が基準値を超えたか否かを判定し、基準値を超えたと判定した場合には、送信候補が所定の条件を満たす状態にあるか否かを判定する。更に、データ処理システム150は、送信候補が所定の条件を満たす状態にあると判定した場合、対応する会議ID等を含む表示情報を生成し、Web会議システム110の通知処理部704に送信する。これにより、Web会議システム110は、会議IDに対応するチャットルームIDを有するチャットルームに、受信した表示情報を振り分け、チャット領域に表示情報を表示する。
【0097】
ステップS815において、ユーザ124は、ユーザ端末121を介して、会議IDに基づいて、Web会議システム110に対してWeb会議の終了を指示する。これにより、Web会議システム110では、Web会議の終了が指示された会議IDについて、セッションを終了することで、双方向通信サービスの提供を終了する。なお、データ処理システム150では、測定情報420の"監視終了時刻"に到達すると、環境情報の監視を終了する。
【0098】
<表示情報送信処理>
次に、
図8に示したシーケンス図のうち、ステップS814の表示情報送信処理の詳細について説明する。
図9は、表示情報送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0099】
ステップS901において、データ処理システム150は、測定情報(
図4の測定情報420)を参照し、監視開始時刻に到達したか否かを判定する。
【0100】
ステップS901において、監視開始時刻に到達していないと判定した場合には(ステップS901においてNOの場合には)、監視開始時刻に到達するまで待機する。
【0101】
一方、ステップS901において、監視開始時刻に到達したと判定した場合には(ステップS901においてYESの場合には)、ステップS902に進む。
【0102】
ステップS902において、データ処理システム150は、ステップS810において特定した環境情報を、測定情報420の"環境情報"に登録することで、監視を開始する。
【0103】
ステップS903において、データ処理システム150は、監視中の環境情報が、基準値を超えたか否かを判定する。ステップS903において、基準値を超えていないと判定した場合には(ステップS903においてNOの場合には)、ステップS908に進む。
【0104】
一方、ステップS903において、基準値を超えたと判定した場合には(ステップS903においてYESの場合には)、送信候補と判定し、ステップS904に進む。
【0105】
ステップS904において、データ処理システム150は、送信候補が、所定の条件を満たす状態にあるか否かを判定する。ステップS904において、所定の条件を満たす状態にないと判定した場合には(ステップS904においてNOの場合には)、ステップS908に進む。
【0106】
一方、ステップS904において、送信候補が所定の条件を満たす状態にあると判定した場合には(ステップS904においてYESの場合には)、ステップS905に進む。
【0107】
ステップS905において、データ処理システム150は、送信候補と判定した環境情報に対応付けられた"会議ID"を特定し、特定した"会議ID"のWeb会議に参加しているユーザの"利用者ユーザID"を特定する。
【0108】
ステップS906において、データ処理システム150は、
・ステップS905において特定した会議IDを含み、かつ、
・ステップS905において特定した利用者ユーザIDをメンションユーザIDとし、かつ、
・時系列の環境情報と基準値とを含むグラフを含み、かつ、
・現在の環境情報が基準値を超えていることを示す警告メッセージを含む、
表示情報を生成する。
【0109】
ステップS907において、データ処理システム150は、生成した表示情報をWeb会議システム110の通知処理部704に送信する。
【0110】
ステップS908において、データ処理システム150は、測定情報420を参照し、監視中の環境情報について、監視終了時刻に到達したか否かを判定する。
【0111】
ステップS908において、監視終了時刻に到達していないと判定した場合には(ステップS908においてNOの場合には)、ステップS904に戻る。一方、ステップS908において、監視終了時刻に到達したと判定した場合には(ステップS908においてYESの場合には)、表示情報送信処理を終了する。
【0112】
<会議サービス処理の流れ>
次に、
図8に示したシーケンス図のうち、ステップS813の会議サービス処理の詳細について説明する。
図10は、会議サービス処理の流れを示すフローチャートである。
【0113】
ステップS1001において、Web会議システム110は、Web会議の開始の指示を受信したか否かを判定する。ステップS1001において、Web会議の開始の指示を受信していないと判定した場合には(ステップS1001においてNOの場合には)、Web会議の開始の指示を受信するまで待機する。
【0114】
一方、ステップS1001においてWeb会議の開始の指示を受信したと判定した場合には(ステップS1001においてYESの場合には)、ステップS1002に進む。
【0115】
ステップS1002において、Web会議システム110は、Web会議の開始の指示に含まれる会議IDについてセッションを開始し、双方向通信サービスを提供する。これにより、開始したセッションに接続したユーザ端末間で双方向通信が開始され、ユーザ間でWeb会議が行われる。
【0116】
ステップS1003において、Web会議システム110は、データ処理システム150より表示情報を受信したか否かを判定する。ステップS1003において、表示情報を受信していないと判定した場合には(ステップS1003においてNOの場合には)、ステップS1007に進む。
【0117】
一方、ステップS1003において、表示情報を受信したと判定した場合には(ステップS1003においてYESの場合には)、ステップS1004に進む。
【0118】
ステップS1004において、Web会議システム110は、受信した表示情報に含まれる会議IDを特定する。
【0119】
ステップS1005において、Web会議システム110は、特定した会議IDに対応するチャットルームIDを有するチャットルームに、受信した表示情報を通知する。
【0120】
ステップS1006において、Web会議システム110は、通知した表示情報を、チャット領域に表示する。
【0121】
ステップS1007において、Web会議システム110は、Web会議の終了の指示を受信したか否かを判定する。Web会議の終了の指示を受信していない場合には(ステップS1007においてNOの場合には)、ステップS1003に戻る。
【0122】
一方、Web会議の終了の指示を受信したと判定した場合には(ステップS1007においてYESの場合には)、双方向通信サービスの提供を終了し、会議サービス処理を終了する。
【0123】
<ユーザ端末の画面>
次に、表示情報が表示されたユーザ端末の画面について説明する。
図11は、Web会議の会議中のユーザ端末の画面の一例を示す図である。なお、
図11の例では、
・Web会議の参加者:"太郎"、"二郎"、"三郎"、"四郎"、
・ユーザID:"太郎"="1"、"二郎"="2"、"三郎"="3"、"四郎"="4"、
・Web会議の主催者="太郎"、
・会議室120での参加者:"太郎"、"二郎"、
・会議室130での参加者:"三郎"、"四郎"、
とした場合の、"太郎"のユーザ端末の画面を示している。
【0124】
図11に示すように、"太郎"のユーザ端末の画面1100には、
・"太郎"以外のWeb会議の参加者のアイコンを表示する領域1110と、
・Web会議の会議名を表示する領域1120と、
・チャット領域1130と、
が含まれる。
【0125】
このうち、チャット領域1130には、"太郎"がチャット上で記載した内容(符号1131参照)のほか、データ処理システム150から送信された表示情報(符号1132)が表示される。
【0126】
符号1132の例は、会議室120の二酸化炭素濃度が基準値を超えたため、会議室120を利用してWeb会議に参加している"太郎"、"二郎"を宛先として、警告メッセージが表示された様子を示している。また、符号1132の例は、二酸化炭素濃度の時系列データと、基準値を示す線とを含むグラフが表示された様子を示している。
【0127】
このように、ユーザ端末の画面に環境情報を表示することで、Web会議の参加者は、Web会議の会議中にユーザ端末の画面を注視していた場合であっても、会議室の環境情報を、容易に把握することができる。
【0128】
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、第1の実施形態に係るデータ処理システム150は、
・Web会議システム110に登録された会議情報710に基づいて、Web会議の参加者が利用する会議室を特定する。
・特定された会議室に設置された環境センサ123、133により測定される環境情報を監視する。
・環境情報に基づいて生成した表示情報をWeb会議において提供されるチャット領域に表示するために、チャット領域を特定するための会議IDを会議情報710に基づいて取得し、表示情報に含めてWeb会議システムに送信する。
【0129】
これにより、第1の実施形態によれば、Web会議の参加者がWeb会議の会議中にユーザ端末の画面を注視していた場合であっても、Web会議の参加者は、会議室の環境情報を、容易に把握することができる。つまり、第1の実施形態によれば、Web会議に参加する参加者が利用する会議室の環境情報を、把握しやすくする仕組みを提供することができる。
【0130】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、Web会議システム110と、会議室予約システム140とを別々のシステムとして構築する場合について説明した。しかしながら、Web会議システム110と、会議室予約システム140とは、一体のシステムとして構築してもよい。例えば、Web会議システムがTeams(登録商標)であった場合、会議室予約システム140の機能はOutlook(登録商標)により実現することができる。このように、同じ提供者が提供するアプリケーションにより実現する場合にあっては、Web会議システム110と会議室予約システム140とは、一体のシステムとしてもよい。以下、第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0131】
<ネットワークシステムのシステム構成>
はじめに、第2の実施形態に係るデータ処理システムを含むネットワークシステム全体のシステム構成について説明する。
図12は、ネットワークシステムのシステム構成の一例を示す第2の図である。
図1に示したネットワークシステム100との相違点は、
図12に示すネットワークシステム1200の場合、会議室予約システム140を有していない点、Web会議システム1210の機能が、
図1のWeb会議システム110の機能と異なる点である。
【0132】
具体的には、
図12に示すように、Web会議システム1210は、会議サービス提供部1211として機能する。なお、会議サービス提供部1211は、第1の実施形態において
図1を用いて説明したWeb会議システム110が有する会議サービス提供部111と概ね同じである。ただし、会議サービス提供部1211の場合、会議情報に会議室IDが登録されることで、会議室の予約が完了したものとして取り扱う。
【0133】
<ネットワークシステム全体の処理の流れ>
次に、ネットワークシステム1200全体の処理の流れについて説明する。
図13は、ネットワークシステム全体の処理の流れを示す第2のシーケンス図である。
図8を用いて説明した第1のシーケンス図との相違点は、ステップS1301~ステップS1303である。
【0134】
ステップS1301において、ユーザ124は、ユーザ端末121を介して、Web会議システム110にログインし、会議室の予約に必要な情報、及び、Web会議の予約に必要な情報(本実施形態では、"会議室ID"、"開始時刻"、"終了時刻")を入力する。これにより、ユーザ124による会議室の予約及びWeb会議の予約が完了する。
【0135】
ステップS1302において、Web会議システム1210は、入力された情報に予約者のユーザIDを対応付けるとともに、会議ID及びチャットルームIDを付与し、会議情報(
図7の会議情報710)を生成する。また、Web会議システム110は、生成した会議情報を、ユーザ端末121及びデータ処理システム150に通知する。
【0136】
ステップS1303において、データ処理システム150は、Web会議システム1210から送信された会議情報を取得し、測定情報420を生成する(ただし、この時点では、"環境情報"は空欄)。また、データ処理システム150は、取得した会議情報に含まれる会議室IDが対応付けられた測定機器IDを、センサ情報410に基づいて特定する。更に、データ処理システム150は、特定した測定機器IDの環境センサにより測定された環境情報を特定する。
【0137】
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、第2の実施形態に係るデータ処理システム150は、上記第1の実施形態に係るデータ処理システム150と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。
【0138】
また、第2の実施形態に係るデータ処理システム150を有するネットワークシステム1200は、会議システムと会議室予約システムとが一体のシステムとして構築される。これにより、第2の実施形態によれば、会議システムと会議室予約システムとの間の情報の送受信を省略することができる。加えて、第2の実施形態によれば、Web会議の主催者であるユーザ124が、会議システムと会議室予約システムの両方にログインして、重複した情報を入力する必要がなくなり、Web会議の予約及び会議室の予約をする際の操作負荷を軽減させることができる。
【0139】
[第3の実施形態]
上記第2の実施形態では、Web会議システム1210の会議サービス提供部1211に含まれる通知処理機能が、チャットボットにより実現されるものとして説明した。しかしながら、Web会議システムが、例えば、Teams(登録商標)であった場合、通知処理機能として、チャットボットの代わりに、Teams(登録商標)が提供する、インカミングウェブフック機能を利用してもよい。
【0140】
インカミングウェブフック機能を利用することで、データ処理システム150は、Web会議システム1210に対して、Web会議の参加者として表示情報を送信することができる。
【0141】
なお、インカミングウェブフック機能は、Web会議が予約されると、予約されたWeb会議にURLを割り当てる。そして、インカミングウェブフック機能により割り当てられたURLは、会議情報に登録され、当該URLが登録された会議情報はデータ処理システム150に送信される。
【0142】
このため、データ処理システム150では、会議情報に含まれるチャットルームIDを抽出し、抽出したチャットルームIDを含めた表示情報を生成する。そして、データ処理システム150では、会議情報に含まれるURLを抽出し、抽出したURLを送信先として、表示情報を送信する。
【0143】
これにより、Web会議システム1210では、当該URLのWeb会議のチャットルームであって、表示情報に含まれるチャットルームIDを有するチャットルームに、表示情報を振り分けることができる。この結果、Web会議システム1210では、当該URLのWeb会議において提供されるチャット領域に表示情報を表示することができる。
【0144】
このように、インカミングウェブフック機能を利用することで、第3の実施形態によれば、チャットボットにより実現される通知処理機能を会議サービス提供部1211に新たに含めることなく、チャット領域に表示情報を表示することができる。
【0145】
[第4の実施形態]
上記各実施形態のネットワークシステムでは、会議室120、130に設置された環境センサ123、133により測定された環境情報を、データ処理システム150が直接取得する構成とした。しかしながら、環境情報の取得方法はこれに限定されず、例えば、環境センサ123、133を管理するシステムを介して環境情報を取得するように構成してもよい。以下、第4の実施形態に係るネットワークシステムについて、上記第2の実施形態に係るネットワークシステムとの相違点を中心に説明する。
【0146】
<ネットワークシステムのシステム構成>
図14は、ネットワークシステムのシステム構成の一例を示す第3の図である。
図12に示したネットワークシステム1200との相違点は、データ処理システム1410の構成が、データ処理システム150の構成と異なる点、及び、新たに環境情報収集システム1420を有する点である。
【0147】
データ処理システム1410のデータ処理部1411は、環境センサ123、133により測定された環境情報を、環境情報収集システム1420より取得する。なお、データ処理部1411は、常時、環境情報収集システム1420に接続し、環境情報を取得するように構成してもよい。あるいは、データ処理部1411は、監視開始時刻に到達した場合に、環境情報収集システム1420に接続し、対応する会議室IDを指定して環境情報を取得するように構成してもよい。
【0148】
図14の例は、データ処理部1411が、監視開始時刻に到達した場合に、環境情報収集システム1420に接続し、対応する会議室IDを指定して環境情報を取得するように構成した場合を示している。
【0149】
環境情報収集システム1420には、データ収集プログラムがインストールされており、当該プログラムが実行されることで、環境情報収集システム1420は、データ収集部1421として機能する。
【0150】
データ収集部1421は、環境センサ123、133により測定された環境情報を受信し、環境情報格納部1422に格納する。また、データ収集部1421は、データ処理システム1410のデータ処理部1411からの要求に応じて、環境情報格納部1422に格納した環境情報を、データ処理システム1410に送信する。
【0151】
なお、データ収集部1421は、いずれの会議室にいずれの環境センサが設置されているのかを、センサ情報格納部152を参照することで、予め把握しているものとする。
【0152】
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、第4の実施形態に係るデータ処理システム1410を有するネットワークシステム1400は、環境情報収集システム1420を有する。これにより、データ処理システム1410は、会議室IDを指定して環境情報収集システム1420にアクセスすることで、監視対象の環境情報を取得することができるようになる。
【0153】
[その他の実施形態]
上記各実施形態では、環境情報が二酸化炭素濃度であるとして説明したが、環境情報は二酸化炭素濃度に限定されない。
図15は、環境情報の一例を示す図である。
図15に示すように、会議室内で測定される環境情報には、二酸化炭素濃度のほか、気温、湿度、照度、震度等が含まれる。したがって、データ処理システム150は、環境情報として、二酸化炭素濃度に代えて、あるいは、二酸化炭素濃度に加えて、気温、湿度、照度、震度等を監視するように構成してもよい。
【0154】
また、上記各実施形態では、Web会議の予約に必要な情報が入力された際に、会議IDと会議室IDとを対応付けた会議情報を生成し、生成した会議情報の内容を、
・第1の実施形態では、データ処理システムが、会議室予約システムを介して予約情報として取得する構成とし、
・第2乃至第4の実施形態では、データ処理システムが、直接取得する構成とした。
【0155】
しかしながら、データ処理システムが会議情報の内容を取得する経路はこれらに限定されず、データ処理システムでは、会議IDと会議室IDとが対応付けられた会議情報を、何らかの形で取得できるように構成されていればよい。
【0156】
また、上記第1の実施形態では、会議室の利用開始時刻及び利用終了時刻を、環境情報の監視開始時刻及び監視終了時刻とし、上記第2乃至第4の実施形態では、Web会議の開始時刻及び終了時刻を、環境情報の監視開始時刻及び監視終了時刻とした。しかしながら、環境情報の監視開始時刻及び監視終了時刻は、ネットワークシステムのシステム構成の違いに関わらず、いずれの時刻を、環境情報の監視開始時刻及び監視終了時刻としてもよい。
【0157】
また、上記第1の実施形態では、表示情報に会議IDを含めて通知処理部704に送信し、通知処理部704にて、会議IDに対応するチャットルームIDを特定する構成とした。しかしながら、チャットルームIDの特定方法はこれに限定されず、直接、チャットルームIDを含めた表示情報を、通知処理部704に送信してもよい。ただし、この場合、データ処理システムでは、会議室IDとチャットルームIDとが対応付けられた会議情報を、会議室予約システムを介して予約情報として取得することになる。
【0158】
上記第1の実施形態では、表示情報に、チャットの宛先(メンション)を含める場合について説明したが、チャットの宛先(メンション)を含めなくてもよい。また、上記第1の実施形態では、環境情報が基準値を超えた会議室を利用しているユーザ全てを、チャットの宛先(メンション)としたが、チャットの宛先(メンション)は、これに限定されない。例えば、Web会議の主催者であるユーザ124を、チャットの宛先(メンション)としてもよい。
【0159】
また、上記各実施形態では、環境情報が基準値を超え、かつ、所定の条件を満たす状態にある場合に、表示情報を送信するものとして説明したが、表示情報の送信条件はこれに限定されない。例えば、環境情報は、定期的にチャット領域に表示するようにしてもよい。あるいは、環境情報は、基準値を超えた場合に、所定の条件を満たす状態にあるか否かに関わらず、チャット領域に表示してもよい。
【0160】
上記各実施形態では、環境情報や警告メッセージ等を含む表示情報を表示する場合について説明した。しかしながら、表示情報として表示する内容はこれらに限定されない。
【0161】
例えば、警告メッセージを含む表示情報を表示する場合にあっては、環境情報が基準値を下回るようにするためにユーザが講じるべき措置(環境情報を改善するための措置)を、ガイドとして表示してもよい。
【0162】
また、上記各実施形態では、表示情報として時系列の環境情報のグラフを表示する場合について説明した。しかしながら、表示情報として時系列の環境情報を表示する際の表示方法はこれに限定されない。
【0163】
例えば、表示情報として複数の時系列の環境情報を表示する場合には、複数の環境情報の統計値を提供してもよい。なお、ここでいう統計値には、過去所定時間内の最大値、または、最小値、過去所定時間内の平均値、分散値等が含まれる。
【0164】
また、上記各実施形態では、リモート会議の一例として、Web会議を挙げたが、Web会議以外のリモート会議(例えば、テレビ会議、電話会議等)であってもよい。
【0165】
また、上記各実施形態では、データ処理システム150が、単体でデータ処理プログラムを実行する場合について説明した。しかしながら、データ処理システム150は、例えば、複数台のコンピュータにより構成されてもよく、それぞれにデータ処理プログラムをインストールすることで、データ処理プログラムが、分散コンピューティングの形態で実行されてもよい。
【0166】
なお、開示の技術では、以下に記載する付記のような形態が考えられる。
(付記1)
リモートで行うリモート会議を管理する会議システムに登録された会議情報に基づいて、リモート会議の参加者が利用する空間を特定する特定部と、
前記特定された空間に設置されたセンサにより測定される環境情報を監視する監視部と、
前記環境情報に基づいて生成した表示情報を前記リモート会議において提供される表示領域に表示するために、前記表示領域を特定するための情報を前記会議情報に基づいて取得し、前記表示情報に含めて前記会議システムに送信する送信部と
を有するデータ処理システム。
(付記2)
前記会議情報は、
前記会議システムにおいて、前記リモート会議の予約に必要な情報として、前記リモート会議の参加者が利用する空間に関する情報が入力され、前記リモート会議を識別する情報が付与されることで登録される、付記1に記載のデータ処理システム。
(付記3)
前記会議システムには、前記表示情報に含まれる前記リモート会議を識別する情報に基づいて前記表示領域を特定し、特定した前記表示領域に前記表示情報を表示するために、前記送信部により送信された前記表示情報を前記リモート会議に振り分ける通知処理部が設けられており、
前記送信部は、
前記表示領域を特定するための情報として、前記リモート会議を識別する情報を前記会議情報に基づいて取得し、前記表示情報に含めて前記通知処理部に送信する、付記2に記載のデータ処理システム。
(付記4)
前記会議情報は、
前記会議システムにおいて、前記リモート会議の予約に必要な情報として、前記リモート会議の参加者が利用する空間に関する情報が入力され、前記表示領域を識別する情報が付与されることで登録される、付記1に記載のデータ処理システム。
(付記5)
前記送信部は、
前記表示領域を特定するための情報として、前記表示領域を識別する情報を前記会議情報に基づいて取得し、前記表示情報に含めて前記リモート会議に送信する、付記4に記載のデータ処理システム。
(付記6)
前記監視部は、
前記リモート会議の開始時刻と終了時刻とに応じた時間帯に、前記環境情報を監視する、付記1に記載のデータ処理システム。
(付記7)
前記監視部は、
前記リモート会議の参加者が利用する空間の利用開始時刻と利用終了時刻とに応じた時間帯に、前記環境情報を監視する、付記1に記載のデータ処理システム。
(付記8)
前記監視部は、
前記環境情報が基準値を上回ったか否か、及び、基準値を上回った前記環境情報が所定の条件を満たす状態にあるか否かを判定することで、前記表示情報の送信可否を判定する、付記6または7に記載のデータ処理システム。
(付記9)
センサに関する情報とセンサが設置された空間に関する情報とが対応付けられたセンサ情報を格納するセンサ情報格納部と、
環境情報を取得する環境情報取得部と、を有し、
前記監視部は、
前記取得された環境情報のうち、前記会議情報及び前記センサ情報に基づいて特定された、前記時間帯の前記空間の環境情報を監視する、付記6に記載のデータ処理システム。
(付記10)
環境情報を収集する環境情報収集システムと通信することで、前記会議情報に基づいて特定された、前記時間帯の前記空間の環境情報を前記環境情報収集システムから取得する取得部を有し、
前記監視部は、
前記取得された環境情報を監視する、付記6に記載のデータ処理システム。
(付記11)
前記送信部は、
時系列の前記環境情報、前記基準値、前記環境情報が基準値を上回ったことを示すメッセージを含む前記表示情報を生成する、付記8に記載のデータ処理システム。
(付記12)
会議室の予約に必要な情報に、前記リモート会議を識別する情報が対応付けられた予約情報を管理する会議室予約システムと通信することで、前記リモート会議の際に前記空間を利用する参加者が特定された場合において、前記送信部は、前記環境情報が基準値を上回った空間を利用する参加者を宛先とした前記表示情報を生成する、付記11に記載のデータ処理システム。
(付記13)
前記環境情報には、二酸化炭素濃度、気温、湿度、照度、震度のいずれかが含まれる、付記1乃至付記12のいずれかの付記に記載のデータ処理システム。
(付記14)
前記リモート会議には、Web会議、テレビ会議、電話会議のいずれかが含まれる付記1乃至付記13のいずれかの付記に記載のデータ処理システム。
(付記15)
付記1乃至14のいずれかの付記に記載のデータ処理システムと、
会議室の予約に必要な情報に、前記リモート会議を識別する情報が対応付けられた予約情報を管理する会議室予約システムと、
を有するネットワークシステム。
(付記16)
データ処理システムのコンピュータが、
リモートで行うリモート会議を管理する会議システムに登録された会議情報に基づいて、リモート会議の参加者が利用する空間を特定する特定工程と、
前記特定された空間に設置されたセンサにより測定される環境情報を監視する監視工程と、
前記環境情報に基づいて生成した表示情報を前記リモート会議において提供される表示領域に表示するために、前記表示領域を特定するための情報を前記会議情報に基づいて取得し、前記表示情報に含めて前記会議システムに送信する送信工程と
を実行するデータ処理方法。
(付記17)
データ処理システムのコンピュータに、
リモートで行うリモート会議を管理する会議システムに登録された会議情報に基づいて、リモート会議の参加者が利用する空間を特定する特定工程と、
前記特定された空間に設置されたセンサにより測定される環境情報を監視する監視工程と、
前記環境情報に基づいて生成した表示情報を前記リモート会議において提供される表示領域に表示するために、前記表示領域を特定するための情報を前記会議情報に基づいて取得し、前記表示情報に含めて前記会議システムに送信する送信工程と
を実行させるためのデータ処理プログラム。
【0167】
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせ等、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0168】
100 :ネットワークシステム
110 :Web会議システム
111 :会議サービス提供部
120 :会議室
121、122 :ユーザ端末
123 :環境センサ
130 :会議室
131、132 :ユーザ端末
133 :環境センサ
140 :会議室予約システム
141 :予約管理部
150 :データ処理システム
151 :データ処理部
301 :認証部
302 :利用内容登録部
303 :会議ID登録部
310 :予約情報
401 :センサ情報登録部
402 :予約情報取得部
403 :環境情報取得部
404 :表示情報送信部
405 :条件情報登録部
410 :センサ情報
420 :測定情報
430 :条件情報
501 :環境情報監視部
502 :送信タイミング判定部
503 :送信先特定部
504 :送信部
510 :表示情報
701 :認証部
702 :会議情報登録部
703 :会議管理部
704 :通知処理部
710 :会議情報
1100 :画面
1130 :チャット領域
1200 :ネットワークシステム
1210 :Web会議システム
1410 :データ処理システム
1411 :データ処理部
1420 :環境情報収集システム
1421 :データ収集部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0169】
【特許文献1】特開2013-61929号公報
【特許文献2】特開2014-137212号公報