(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051850
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/58 20100101AFI20240404BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20240404BHJP
【FI】
H01L33/58
H01L33/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158213
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】東 伸悟
(72)【発明者】
【氏名】井村 俊文
(72)【発明者】
【氏名】竹内 基貴
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA13
5F142AA26
5F142BA32
5F142CB13
5F142CB14
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD17
5F142CD24
5F142CE06
5F142CE16
5F142CG03
5F142CG04
5F142CG05
5F142CG24
5F142CG26
5F142DA02
5F142DA12
5F142DA73
5F142DB16
5F142DB18
5F142DB20
(57)【要約】
【課題】輝度ムラを低減し得る発光装置を提供することを目的とする。
【解決手段】発光装置10は、光源11及び光源11と所定の間隔を介して、光源11からの出射光を入射する光調整部材21を備え、光調整部材21は、光源11側から、光調整層22及び着色層23がこの順に配置され、着色層23は、平面視において、光調整層22よりも面積が小さく、光源11の直上に配置されている。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源及び
前記光源と所定の間隔を介して、前記光源からの出射光を入射する光調整部材を備え、
前記光調整部材は、前記光源側から、光調整層及び着色層がこの順に配置され、
前記着色層は、平面視において、前記光調整層よりも面積が小さく、前記光源の直上に配置されている、発光装置。
【請求項2】
前記光調整部材の外縁は、平面視において、前記光源の外縁よりも外側に位置する請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記着色層は、平面視において、前記光源の面積の90%以上400%以下の面積を有する請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
平面視において、前記光源は矩形であり、前記着色層は前記矩形と相似の形状である請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
平面視において、前記光源は矩形であり、前記着色層は円又は楕円形である請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記光源は、発光素子と前記発光素子の少なくとも一部を覆い、蛍光体を含有する光源透光性部材を有する請求項1に記載の発光装置。
【請求項7】
前記着色層は、シート状である請求項1に記載の発光装置。
【請求項8】
前記着色層は、少なくとも有彩色の顔料又は染料を含有する請求項1に記載の発光装置。
【請求項9】
前記顔料又は前記染料は、前記発光素子の発光色と同系色である請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記発光素子の発光色は青色であり、
前記顔料又は前記染料は、青色である請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記着色層に含有される顔料又は染料は、前記着色層の全重量に対して0.001重量%以上1.0重量%以下である請求項8又は9に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード等の発光素子は、導光部材等と組み合わせて、例えば、液晶ディスプレイのバックライト等の面状光源に広く利用されている。特許文献1には、このような用途に用いられる照明装置において、色度ムラを防止するために、光源と、光源からの光を透過又は反射させるインク層とを備えたバックライト用の照明装置が開示されている。また、特許文献2には、輝度を均一にするために、透光性基板の少なくとも片面にパターン状に形成された白色拡散層を有するシートを、面光源装置と組み合わせることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-83103号公報
【特許文献2】特開2010-191169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明に係る実施形態は、輝度ムラを低減し得る発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、発光装置は、光源及び前記光源と所定の間隔を介して、前記光源からの出射光を入射する光調整部材を備え、前記光調整部材は、前記光源側から、光調整層及び着色層がこの順に配置され、前記着色層は、平面視において、前記光調整層よりも面積が小さく、前記光源の直上に配置されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態の発光装置によれば、輝度ムラを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本実施形態に係る発光装置の模式平面図である。
【
図2A】本実施形態に係る別の発光装置の模式断面図である。
【
図3】
図1Aの発光装置の変形例を示す模式平面図である。
【
図4A】本実施形態に係る発光装置の別の変形例を示す模式平面図である。
【
図4B】
図4AのIVb-IVb線における模式端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。各図面は、実施形態を模式的に示したものであるため、各部材の大きさ、間隔若しくは位置関係等が誇張、又は部材の一部の図示を省略する場合がある。以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は同じ符号で示し、説明を省略することがある。また、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を理解の容易のために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「平行」とは、2つの直線、辺、面等が延長しても交わらない場合だけでなく、2つの直線、辺、面等がなす角度が10°以内の範囲で交わる場合も含む。本明細書において「上」と表現する位置関係は、接している場合と、接していないが上方に位置している場合も含む。本明細書では、特定の方向又は位置を示すために、XYZによる3次元直交座標系を用いることがある。この場合、XY平面においてX方向から0°以上360°より小さい角度で傾く方向を横方向と称し、Z方向を上下方向と称することがある。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。また、「側方」はXY平面方向をいい、「上方」は+Z方向をいう。
【0009】
[実施形態1]
本実施形態に係る発光装置について、
図1Aから
図2Bを用いて説明する。
発光装置10は、光源11及び光源11と所定の間隔を介して、光源11からの出射光を入射する光調整部材21を備える。光調整部材21は、光源11側から、光調整層22及び着色層23がこの順に配置され、着色層23は、平面視において、光調整層22よりも面積が小さく、光源11の直上に配置されている。
このように、光調整層及び着色層の積層構造の光調整部材を備えることにより、光源の直上における強い光の出射を緩和させることができ、輝度ムラを低減させることができる。加えて、着色層の面積が、平面視において、光調整層よりも小さいため、光源直上では、着色層によって所定の色の光のみが吸収され又は通過することとなり、また、着色層の外周部分から、光源直上よりも弱い光が出射されるとともに、光源からの光が、着色層の側面にも一部照射されることによって、全体として、平面視における光源の発光時の色ムラを低減することができる。
【0010】
(光源11)
光源11は、光を発する源となるものである。光源11は、発光素子12を含む。光源11は、発光素子12の単体のみで構成することができるが、発光素子12と、発光素子12からの光が照射され、発光素子12からの光の少なくとも一部を波長変換する蛍光体を含有した光源透光性部材14とを配置したものを用いてもよい。ここでは光源透光性部材14は、発光素子12の少なくとも一部を覆っており、発光素子12の上面及び側面に配置されている。光源11は、発光素子12を複数含んでいてもよいが1つでもよい。
【0011】
平面視における光源11の形状は任意に設定することができる。平面視における光源11の形状は、例えば、三角形、四角形、六角形又は八角形等の多角形形状や円形、楕円形とすることができる。平面視における光源11の形状が四角形の場合には、光源11の一対の外縁がX方向と平行でもよく、X方向に対して傾斜していてもよい。
【0012】
(発光素子12)
発光素子12は、半導体積層体を含む。半導体積層体は、例えば、サファイア又は窒化ガリウム等の基板と、基板上に配置されるn型半導体層と、p型半導体層と、n型半導体層とp型半導体層とに挟まれた発光層とを含む。発光素子12は、電極13を含む。電極13は、n型半導体層と電気的に接続されたn側電極13nと、p型半導体層と電気的に接続されたp側電極13pとを含む。n側電極13n及びp側電極13pは、発光素子12の下面の一部を構成する。なお、半導体積層体は基板を備えていなくてもよい。このようにすることで、発光素子12の厚み方向、つまり、Z方向において光源11を小型化しやすくなる。
【0013】
発光素子12の平面視における形状は、適宜設定することができ、例えば、四角形の他、三角形、六角形又は八角形等の多角形形状や円形とすることができる。後述するように、発光素子12の平面視における形状は、着色層23や光調整層22と相似形としてもよい。
【0014】
発光層は、可視光又は紫外光を発光可能である。発光層は、可視光として、青色から赤色までを発光可能である。このような発光層を含む半導体積層体としては、例えばInxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)が挙げられる。半導体積層体は、上述した発光が可能な発光層を少なくとも1つ含むことができる。発光層が出射する光は、例えば、青色光のみならず、青緑光、近紫外光を出射するものであってもよい。具体的には、380nm以上540nm以下の波長ピークの光を出射させるものが挙げられる。半導体積層体が複数の発光層を含む場合、発光ピーク波長が異なる発光層を複数含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ発光層を複数含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じものと異なるものを何れか又はそれぞれ複数含んでいてもよい。発光ピーク波長が同じとは、例えば、±5nm程度のばらつきがあってもよい。このような発光層の組み合わせは、適宜選択することができる。例えば半導体積層体が2つの発光層を含む場合、青色光と青色光、緑色光と緑色光、赤色光と赤色光、紫外光と紫外光、青色光と緑色光、青色光と赤色光又は緑色光と赤色光などの組み合わせで発光層を選択することができる。
【0015】
光源11が2つの発光素子12を含む場合、例えば、青色光と緑色光、青色光と赤色光、紫外光と青色光、紫外光と緑色光、紫外光と赤色光又は緑色光と赤色光等の組み合わせで発光素子の発光ピーク波長を選択することができる。各光源11が3つの発光素子を含む場合、青色光と緑色光と赤色光、紫外光と緑色光と赤色光、紫外光と青色光と緑色光、紫外光と青色光と黄色光、紫外光と青色光と赤色光、紫外光と緑色光と赤色光等の組み合わせで発光素子の発光ピーク波長を選択することができる。
【0016】
(光源透光性部材14)
光源11は、光源透光性部材14を含んでいてもよい。光源透光性部材14は、発光素子12の上面及び側面を覆っている。光源透光性部材14によって発光素子12を保護することができる。
光源透光性部材14は、発光素子12が発する光に対する透光性を有する。具体的には、発光素子12のピーク波長に対する透過率が、50%以上が挙げられ、60%、70%又は80%以上が好ましい。光源透光性部材14は、透光性樹脂を含むことが好ましい。透光性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフタルアミド樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、シリコーン樹脂又はエポキシ樹脂等が好ましい。
【0017】
光源透光性部材14は、蛍光体を含んでいてもよい。蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12 Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12 Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12 Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(PO4)6Cl2 Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr4Al14O25 Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8MgSi4O16Cl2 Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4 Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4 Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16 Eu)等の酸窒化物系蛍光体、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)3Si6N11 Ce)、BSESN系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)2Si5N8 Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl3N4 Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3 Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3 Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6 Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2(Si1-xAlx)F6-x Mn、0<x<1)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2 Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する量子ドット(例えば、(Cs,FA,MA)(Pb,Sn)(F,Cl,Br,I)3、FAとMAは、それぞれホルムアミジニウムとメチルアンモニウムを表す。)、II-VI族量子ドット(例えば、CdSe)、III-V族量子ドット(例えば、InP)、又はカルコパイライト構造を有する量子ドット(例えば、(Ag,Cu)(In,Ga)(S,Se)2)等が挙げられ、これらは単独でもよいし、複数を組み合わせてもよい。光源透光性部材14が蛍光体を含有する場合、その含有率は、蛍光体の種類によって適宜設定することができ、例えば、光源透光性部材14の全重量に対して25重量%以上40重量%以下が挙げられる。
【0018】
光源透光性部材14が蛍光体を含むか否かにかかわらず、上述した蛍光体を含有する波長変換層を、発光素子12又は光源透光性部材14の上に配置してもよい。
例えば、青色の発光が可能な発光素子12と、黄色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換層及び/又は光源透光性部材14とを組み合わせて白色光を得ることができる。青色の発光が可能な発光素子12と、赤色発光の蛍光体及び緑色発光の蛍光体を含有する波長変換層及び/又は光源透光性部材14とを組み合わせてもよい。青色の発光が可能な発光素子12と、光源透光性部材14と、複数の波長変換層とを組み合わせてもよい。複数の波長変換層としては、例えば、赤色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換層と、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換層とを選択することができる。青色の発光が可能な発光素子12と、赤色の発光が可能な蛍光体を含有する光源透光性部材14とに加えて、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換層を組み合わせてもよい。このように、波長変換層を配置するか、光源透光性部材14が蛍光体を含む場合、その蛍光体によって、例えば、発光素子12からの青色光の一部を吸収して、黄色光、緑色光及び/又は赤色光を発し、白色光を出射する光源11とすることができる。また、わずかではあるが、発光素子12から出射された青色光のうち、着色層23で反射された青色光は、光源透光性部材14に含まれる蛍光体に照射され、一部が黄色光、緑色光、赤色光の少なくとも1種を発し、再び光調整層22に照射され、光拡散されたり、着色層23を透過されたりすることもある。これにより、色ムラを低減することができる。
光源11は、例えば、発光素子12の下面、つまり、一対のn側電極13n、p側電極13pの下面及び光源透光性部材14の下面によって、光源11の下面が構成されていてもよい。
【0019】
(被覆部材15)
光源11は、被覆部材15を含んでいてもよい。被覆部材15は、発光素子12の下面に配置される。被覆部材15は、光源11のn側電極13n、p側電極13pの下面が被覆部材15から露出するように配置される。被覆部材15は、発光素子12の側面を覆う光源透光性部材14の下面にも配置される。この場合、光源11は、例えば、発光素子12の下面、つまり、一対のn側電極13n、p側電極13pの下面及び被覆部材15の下面によって、光源11の下面を構成することができる。
【0020】
被覆部材15は、発光素子12が発する光に対する反射性を有する。ここでの反射性は、発光素子12のピーク波長において、被覆部材15の反射率が60%以上であり、70%、75%又は80%以上が好ましい。被覆部材15は、光散乱粒子を含む樹脂によって構成することができる。被覆部材15の樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフタルアミド樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。被覆部材15の光散乱粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、ガラス等の粒子が挙げられる。被覆部材15が、光散乱粒子を含む樹脂によって構成される場合、光散乱粒子の含有率は、その種類によって適宜設定することができ、例えば、被覆部材15の全重量に対して50重量%以上70重量%以下が挙げられる。
【0021】
(光源光調整部材16)
光源11は、光源光調整部材16を含んでもよい。光源光調整部材16は、光源11の上面の少なくとも一部を構成する。光源光調整部材16は、発光素子12の上側に配置される。つまり、平面視において、光源光調整部材16と発光素子12とが重なるように配置される。光源光調整部材16は、光源透光性部材14の上側に配置され、光源透光性部材14の上面から出射する光の量及び出射方向を調整することができる。光源光調整部材16は、発光素子12が発する光に対する反射性及び/又は透光性を有する。光源透光性部材14の上面から出射した光の一部は光源光調整部材16により反射し、他の一部は光源光調整部材16を透過する。発光素子12のピーク波長に対する光源光調整部材16の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下がより好ましい。光源11が光源光調整部材16を含むことにより、光源11の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。その結果、発光装置の輝度ムラを低減することができる。
【0022】
光源光調整部材16は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂によって構成することができる。光源光調整部材16の樹脂としては、被覆部材15の樹脂と同様の材料を用いることができる。光源光調整部材16の光散乱粒子としては、被覆部材15の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。光源光調整部材16は、例えば、アルミニウム、銀等の金属部材又は誘電体多層膜であってもよい。
【0023】
光源11Aは、発光素子12の上側に光源光調整部材16が配置されていなくてもよい。この場合、光源透光性部材14が、光源11の上面の少なくとも一部を構成し、発光素子12の上側に配置される光源光調整部材16を含む場合よりも、Z方向において光源11を小型化しやすくなる。また、光源11は、光源透光性部材14が発光素子12の上面の少なくとも一部を露出させるように配置されていてもよい。この場合には、Z方向において光源11を小型化しやすくなる。さらに、光源は、被覆部材15及び光源透光性部材14を含まず、発光素子12の上面に光源光調整部材16が配置されたものであってもよい。また、光源11は、光源透光性部材14を含まず、発光素子12の上面に光源光調整部材16が配置され、発光素子12の下面に被覆部材15が配置されたものであってもよい。
【0024】
(光調整部材21)
光調整部材21は、上述したように、光源11と所定の間隔を介して、光源11からの出射光を入射する位置に配置されている。光調整部材21及び光源11との間隔としては、光源11の上面から、例えば、10μm以上150μm以下の間隔が挙げられる。光源11からの出射光を入射する位置としては、平面視において光源11と光調整部材21とが重なる位置が挙げられ、その重なる部分において光源11からの出射光が、光調整部材21に入射する。言い換えると、平面視において、光調整部材21の外縁の一部が、光源11の外縁に一致するか又はその外側に配置される位置が挙げられる。なかでも、光調整部材21の外縁の全部が、光源11の外縁に一致するか又はその外側に配置される位置が好ましく、光調整部材21の外縁の全部が、光源11の外縁の外側に配置される位置がより好ましい。光調整部材21は、平面視において、光源11の中心又は重心と、光調整部材21の中心又は重心とが一致するように配置されていてもよい。
光調整部材21と光源11との間は、空気層が配置されていてもよいし、それらの間隔を保つために、例えば、後述するように、導光部材24等の透光性の材料を配置してもよい。
【0025】
(光調整層22)
光調整層22は、光源11から出射された光を拡散、透過又は吸収する部材である。光調整層22は、樹脂によって形成することができる。樹脂としては、被覆部材15と同様の樹脂が挙げられる。光調整層22は、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、ガラス等の粒子等の反射体を含有していてもよい。なかでも、酸化チタンが好ましい。光調整層22が、樹脂と反射体とを含んで構成される場合、反射体の含有率は、その種類によって適宜設定することができ、例えば、光調整層22の全重量に対して10重量%以上60重量%以下が挙げられ、10重量%以上50重量%以下が好ましい。このような範囲とすることにより、光調整層22に適度の遮光性又は反射性を付与することができるために、光源11から出射する光を、光調整層22で反射し、横方向へ光を拡げることができる。
【0026】
光調整層22は、平面視において、その外縁の一部が、光源11の外縁に一致するか又はその外側に配置される大きさとすることができる。なかでも、光調整層22の外縁の全部が、光源11の外縁に一致するか又はその外側に配置される大きさが好ましく、光調整層22の外縁の全部が、光源11の外縁の外側に配置される大きさがより好ましい。具体的には、光調整層22は、平面視において、光源の面積の120%以上2600%以下の面積、好ましくは200%以上1500%以下の面積を有するものが挙げられる。光調整層22の平面視における形状は、適宜設定することができ、例えば、円形、三角形、四角形、六角形又は八角形等の形状とすることができる。光調整層22は、いずれの大きさ又は形状であってもよく、平面視において、光源11の中心又は重心と、光調整層22の中心又は重心とが一致するように配置することが好ましい。光調整層22の厚みは、例えば、10μm以上40μm以下が挙げられる。
【0027】
(着色層23)
着色層23は、所定の色を有し、可視光を透過する部材をいう。着色層23は、光調整層22の上に配置されている。着色層23は、平面視において、光調整層22よりも面積が小さい。言い換えると、着色層23の外縁の一部が、光調整層22の外縁に一致するか又はその内側に配置される大きさとすることができる。なかでも、着色層23の外縁の全部が、光調整層22の内側に配置される大きさが好ましい。具体的には、着色層23は、平面視において、光調整層22の面積の5%以上90%以下の面積を有するものが挙げられ、6%以上50%以下、6%以上25%以下が好ましい。また、着色層23は、光源11の直上に配置されている。光源11の直上に配置されているとは、平面視において着色層23と光源11とが重なっていることをいう。言い換えると、着色層23の外縁の一部が、光源11の外縁に一致するか又はその内外側に配置されていればよく、なかでも、着色層23の外縁の全部が、光源11の外縁に一致するか又はその外側に配置されることが好ましい。具体的には、着色層23は、平面視において、光源11の面積の110%以上400%以下の面積を有するものが挙げられ、110%以上200%以下が好ましい。着色層23の平面視における形状は、適宜設定することができ、例えば、円形、三角形、四角形、六角形又は八角形等の形状とすることができる。着色層23の平面視における形状は、光調整層22と相似形としてもよい。光源11が矩形である場合には、平面視において、着色層23はその矩形と相似の形状であってもよいし、円又は楕円形であってもよい。
着色層23は、いずれの大きさ又は形状であっても、平面視において、光源11の中心又は重心と、着色層23の中心又は重心とが一致するように配置することができる。光調整層22の中心又は重心と、着色層23の中心又は重心とが一致するように配置することができる。
着色層23の厚みは、例えば、10μm以上40μm以下が挙げられる。着色層23は、全体にわたって同じ厚みであってもよいし、一部のみ厚膜又は薄膜化していてもよいし、徐々に厚膜又は薄膜化していてもよい。例えば、発光素子12の直上部分を厚くし、平面視において発光素子12と重ならない発光素子12の斜め上方向部分を薄くしてもよい。着色層23は、シート状であるものが挙げられる。または、光調整層22に凹みを設け、着色層23を滴下し、厚みの異なる着色層23を形成してもよい。
【0028】
着色層23は、樹脂と着色剤とによって形成することができる。着色層23に用いられる樹脂としては、被覆部材15と同じ材料の樹脂が挙げられ、なかでも、シリコーン樹脂が好ましい。着色剤は、有彩色であることが好ましい。有彩色とは、白、灰、黒以外の色を意味する。ただし、白色から灰色の顔料を含有していてもよい。着色剤としては、有彩色の顔料又は染料が挙げられ、なかでも、顔料又は染料は青色が好ましい。発光素子12に青色を発光するものを使用するためである。顔料又は染料が青色である場合、青色光を反射し、青色光以外の光、例えば、黄色光や赤色光を吸収する。青色顔料としては、銅フタロシアニン(Colour Index Generic Name、Pigment Blue15 3)、コバルト青(アルミン酸コバルト)、セルリアンブルー(錫酸コバルト)、コバルトクロム青、コバルト-アルミ-珪素酸化物 (Oxide Co-Al-Si)、酸化コバルト-亜鉛-珪素(Oxide Co-Zn-Si)、マンガン青、バナジウムジルコニウム青(トルコ青)、ウルトラマリン青、瑠璃(ラピスラズリ)、岩群青(Mountain Blue)、藍銅鉱、紺青 (Prussian Blue)、アルミ-コバルト酸化物、アルミ-亜鉛-コバルト酸化物、硅素-コバルト酸化物、硅素-亜鉛-コバルト酸化物、コバルト顔料、花紺青(Smalt)、インディゴ、インダンスレンブルー (Pigment Blue 60[10]、Pigment Blue 64)、アルカリブルー等が挙げられる。着色剤の含有率は、その種類によって適宜設定することができ、例えば、着色層23の全重量に対して0.0001重量%以上0.5重量%以下が挙げられ、0.001重量%以上0.1重量%以下が好ましく、0.001重量%以上0.01重量%以下がより好ましい。白色から灰色、特に白色顔料を含有する場合には、その含有率は、着色層23の全重量に対して70重量%以下であればよく、30重量%以下、10重量%以下が好ましい。白色顔料を多く含有することにより輝度ムラを低減することができる。白色から灰色の顔料としては、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム等が挙げられる。
【0029】
着色層23は、光調整層22に接触していてもよいし、透光性の接着剤層等を介して配置されていてもよい。つまり、光調整層22の上面と、着色層23の下面とが接触するように配置されていてもよいし、透光性の接着剤層等を介して間接的に配置されていてもよい。着色層23の配置方法は、例えば、光調整層22を構成するシートと、着色層23を構成するシートとを、接着剤層等を介して又は介さないで貼り付けてもよい。光調整層22を構成するシート上に、着色層23を構成する材料を印刷又はポッティング等することにより、あるいは、粘着性の材料で着色層23を形成して、光調整層22上に載置してもよい。着色層23及び光調整層22の材料層を仮硬化の状態で重ね合わせて本硬化して、一体的に形成してもよい。透光性の接着剤層としては、光源透光性部材14で例示した透光性樹脂等と同様の材料による接着剤層が挙げられる。
【0030】
ここで、光源11として、青色光を発する発光素子12と、黄色光を発する蛍光体を含有する光源透光性部材14とにより白色光を発し、光源11の直上に光調整層22のみを配置して、着色層23を配置しない場合について説明する。この場合、発光素子12の直上に配置された光調整層22は、570nm以上650nm以下の波長の光よりも、440nm以上500nm以下の波長の光を強く反射するため、やや黄色味を帯びた白色光が放出される。一方、発光素子12の斜め上方向においては、光源透光性部材14を透過する光路長の違いや波長の違いにより、青色光が強く放出されるが、発光素子12の直上より外縁の方は黄色光が強く放出されやすいため、白色光となる。そのため、輝度ムラが生じる場合がある。また、非発光時において、発光装置を上方から視認すると、光調整層22により光散乱されているが、蛍光体の体色である黄色が視認される。
一方、上述したような着色層23を光調整層22上に配置する場合について説明する。着色層23として青色顔料を含んだものとする。上記構成とすることにより、平面視において発光素子12の直上も外縁もともに白色光が放出される。つまり、光源11の直上に着色層23を配置することにより、着色層23は、光源11から出射され、光調整層22を透過した、やや黄色味を帯びた白色光のうちの、黄色光を吸収する。これにより白色光にすることができる。また、着色層23の面積が光調整層22よりも小さいため、着色層23の外周部分から弱い青色光を含む白色光が出射されるが、黄色光とも混ざるため、白色光にすることができる。場合により、着色層23の外周部分における光調整層22から出射される白色光が、着色層23の側面にも照射されるため、黄色成分を吸収するため、着色層23の外周部分においても白色光にすることができる。特に、着色層23の着色剤の含有率を上述した範囲とすることにより、着色層23を透過する光量を調整することができる。着色層23における着色剤の含有率が低いため、ほとんどの光を透過し、着色剤と異なる色である黄色光の一部のみを着色剤が吸収するため、白色に近い光とすることができる。その結果、全体として、平面視において、白色又は白色に近い光を出射でき、発光時の色ムラを低減することができる。
具体的には、光源11が青色の光を出射する場合、450nm以上480nm以下の光を着色層23で反射させ、蛍光体の発光である540nm以上の光を吸収させることができる。光源11が青緑色の光を出射する場合、450nm以上500nm以下の光を着色層23で反射し、540nm以上の光を吸収させることができる。光源が近紫外光を出射する場合、蛍光体として、近紫外光で励起される青色発光の蛍光体を用い、青色発光の蛍光体で励起する緑色から赤色光の蛍光体を用いることにより、450nm以上480nm以下の光を着色層23で反射させ、540nm以上の光を吸収させることができる。
非発光時において、発光装置を上方から視認すると、光調整層22により光散乱されていることと、青色の着色層23が配置されていることとにより、蛍光体の体色である黄色を視認し難くなる。
【0031】
(導光部材24)
上述したように、光調整部材21と光源11との間の間隔を保つために、例えば、導光部材24等を配置することができる。導光部材24は、光源11が発する光に対して透光性を有する部材であり、光源11のピーク波長の60%以上の光を透過するものが挙げられ、80%以上がより好ましい。
導光部材24は、発光装置の発光面となる上面と、上面の反対側に位置する下面とを有する。導光部材24は、上面から下面に貫通する収容部24aを有する。導光部材24の収容部24aに光源11が配置される。収容部24aは、例えば、平面視において円形、楕円又は三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形状等とすることができる。収容部24aの大きさは、平面視において、光源11よりも大きく、光調整部材21よりも小さいことが好ましい。言い換えると、平面視において、光調整部材21の外縁の少なくとも一部は、収容部24aの外縁よりも外側に位置することが好ましい。これにより、光調整部材21と光源11との間の間隔を保つことができる。また、収容部24aの外縁の近傍が明るくなりすぎることを抑制することができる。平面視において、光調整部材21の外縁の全てが、収容部24aの外縁よりも外側に位置していていることが好ましい。
【0032】
導光部材24は、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート若しくはポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂、又は、ガラスなどを用いて形成することができる。導光部材24の厚さは、例えば、150μm以上800μm以下が挙げられる。本明細書において、各部材の厚さとは、Z方向における、各部材の上面から下面までの最大値とする。導光部材24は、Z方向に単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。導光部材24が積層体で構成される場合、各層の間に透光性の接着剤層等を配置してもよい。積層体の各層は、同じ材料を用いて形成されていてもよいし、異なる材料を用いて形成されていてもよい。
【0033】
光源11を収容部24aに配置する場合、光源11と収容部24aの内壁との間は空気層であってもよいし、透光性の接着剤層25等が充填されていてもよい。接着剤層25は、光源11の側面と接することが好ましい。接着剤層25は、光源11の上面と接することが好ましい。接着剤層25は、導光部材24の収容部24aの内壁と接していることが好ましい。これによって、光源11からの光が接着剤層25及び導光部材24に入射しやすくなる。接着剤層25が、光源11の上面と接する場合、光源11の直上領域における輝度の調整が容易になる。例えば、光源11の上面の接着剤層25の厚さを変更することにより、光源11の直上領域における輝度を調整できる。これにより、発光装置の輝度ムラを低減させやすくなる。接着剤層25は、Z方向において、単層又は複数の層の積層体のいずれで構成されてもよい。接着剤層25は蛍光体又は光散乱粒子を含んでいてもよい。接着剤層25が積層体である場合には、各層が蛍光体及び/又は光散乱粒子を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
【0034】
光源光調整部材16が配置されていない光源11は、側方及び斜め上方向よりも直上の方に強い光を出射する。光源11の直上及び斜め上方向に、光調整層22を配置することにより輝度ムラを低減する。光源11の直上に、光源11側から光調整層22及び着色層23をこの順に配置した光調整部材21を配置することにより、光源11の直上に出射された強い光を緩和させることができる。これは、光調整層22又は着色層23により、光源11から出射される光の一部を反射又は吸収することによるものである。また、光調整層22の透過率が可視光の短波長側、例えば450nmよりも、可視光の長波長側、例えば580nmの方が高いため、この長波長側の光を着色層23が一部吸収する。これにより着色層23で覆われていない光調整層22から抜ける長波長側の光を抑えることができ、輝度ムラを低減する。加えて、着色層23の面積が、平面視において、光調整層22よりも小さいため、光源11から出射される斜め上方向への光を着色層23が遮らないため、高い光束を維持しつつ、輝度ムラを低減することができる。
【0035】
光源11の直上に着色層23を配置することにより、わずかではあるが、光源11から出射される光のうち所定の色の光が反射され、その他の色の光は透過されたり、透過されずに吸収されたりする。これにより、発光装置10の色ムラを低減することができる。特に、光源11に含まれる発光素子12の発光色と、着色層23に含有される顔料又は染料とが同系色であると、発光素子12から放出される直上の光を分散できるため、さらに色ムラを低減することができる。ここで、同系色とは、12色相環において、互いに隣り合う範囲の色を指す。
【0036】
[変形例1]
以下、変形例1について、
図3を用いて説明する。ただし、上記実施形態1と同じ箇所については説明を省略することもある。
導光部材24は、発光装置10を構成する光源11を複数並べて、複数の光源用の領域が一体的に又は互いに分離して配置されていてもよい。このような導光部材24を用いることにより、面光源を構成することができる。ここでの光源11の数は、適宜設定することができる。光源11を複数並べることにより、より面積の大きい面光源とすることができる。
導光部材24は、例えば、Y方向及びX方向に延びる区画溝24Bで、格子状の区画溝24Bを備えることができる。ここでは4つの光源用の領域が導光部材24に配置されている。この導光部材24は、区画溝24Bによって、1つの光源用の領域が区画されている。言い換えると、区画溝24Bで区画された1つの領域が発光装置10となる。
区画溝24Bは、導光部材24の上面から下面まで貫通するものであってもよいし、上面に開口を有する凹部形状であってもよい。このように区画溝24Bを有することにより、導光部材24と後述する支持部材との熱膨張係数の違いから生じる反りを低減することができる。
区画溝24Bによって区画された各発光装置が、ローカルディミングの駆動単位とすることができる。区画溝24B内には、光源11が発する光に対する反射性を有する部材が配置されていてもよい。これにより、発光状態の発光領域と非発光状態の発光領域とのコントラスト比を向上させることができる。
1つの導光部材24に配置される複数の光源、つまり発光素子は、それらの発光ピーク波長が同じでも異なっていてもよい。
【0037】
[変形例2]
以下、変形例2について、
図4A及び
図4Bを用いて説明する。ただし、上記実施形態1と同じ箇所については説明を省略することもある。
導光部材24は、導光部材24の上面側に開口する孔部24Cを有していてもよい。孔部24Cは、収容部24aと区画溝24Bとの間に位置する。平面視において、孔部24Cは、光調整部材21と重ならない位置に配置されていることが好ましい。孔部24Cは、上面側にのみ開口する凹部形状であるが、導光部材24の上面から下面まで貫通していてもよく、導光部材24の下面側のみ開口する凹部であってもよい。導光部材24が孔部24Cを含むことにより、導光部材24の表面積を大きくすることができる。それにより、導光部材24の表面から導光部材24の外部に取り出される光の量を増やすことができる。その結果、発光装置の輝度の調整が容易になり、全体としての輝度ムラを低減させやすくなる。孔部24Cの深さは、例えば、導光部材24の厚さの0.1倍以上とすることができる。
【0038】
孔部24Cは、平面視において、種々の形状、大きさとすることができ、複数配置することができる。例えば、孔部24Cは、1方向に延びたI字形状、2方向に延びたV字形、L字形、T字形状であってもよいし、湾曲した部分が含まれていてもよい。このような形状の孔部の幅及び長さは適宜設定することができ、また、孔部24Cは、平面視において、円形、楕円形又は三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形としてもよい。孔部24Cは、断面視において、正方形、長方形、ひし形、台形、V字状等とすることができる。孔部の数は、任意に設定することができる。孔部は、1つの光源に対する導光部材24において、ランダム又は規則的に配置することができ、例えば、光源を基準として、線対称、点対称等とすることができる。
【0039】
区画溝24Bによって区画された1つの領域において、光源の中心Cから最も遠い点をP1、最も近い点をP2とした場合、光源の中心Cと点P1とを結ぶ仮想直線上に1又は複数の孔部24Cが配置されている。このような配置によって、輝度ムラを低減することができる。光源の中心Cと点P2とを結ぶ仮想直線上には、孔部24Cがなくてもよい。また、平面視において、光源の中心Cに近い孔部24Cの端部から、光源から離れるようにX方向及びY方向に傾斜して延びていてもよい。このような配置によって、孔部24Cが延びる方向に光源からの光の一部を導くことができるため、輝度ムラを低減させることができる。
【0040】
(支持部材26)
本実施形態に係る発光装置において、光源11は、支持部材26の上に配置されていてもよい。支持部材26は、光源11、さらに導光部材24を支持する。導光部材24は、下面を支持部材26の上面に対向させて配置される。
支持部材26は、配線基板を有していてもよい。配線基板は、絶縁基材と、絶縁基材の少なくとも一方の面に配置された少なくとも1層の配線層とを有するものが挙げられる。絶縁基材は、リジッド基板であってもよく、フレキシブル基板であってもよい。発光装置の薄型化のため、絶縁基材はフレキシブル基板であることが好ましい。絶縁基材は、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。例えば、絶縁基材は、単層のフレキシブル基板で構成されていてもよく、複数のリジッド基板の積層体で構成されていてもよい。絶縁基材の材料として、例えば、ポリイミド等の樹脂を用いることができる。配線層は、銅等の金属膜である。
【0041】
支持部材26は、配線基板上に配置された反射部材を有していてもよい。反射部材は、接着剤によって配線基板上に固定することができる。接着層は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂によって構成することができる。樹脂及び光拡散粒子としては、例えば、被覆部材15の樹脂及び光拡散粒子と同様の材料を用いることができる。反射部材は、接着剤によって、導光部材24を固定することができる。
支持部材26は、導電部材をさらに有していてもよい。光源11の正負の一対のn側電極13n、p側電極13pに対応して、一対の導電部材が互いに離れて配置されている。一方の導電部材は、光源11の下方においてp側電極13pと接続され、他方の導電部材は、光源11の下方においてn側電極13nと接続されている。光源11のn側電極13n、p側電極13pは、導電部材と電気的に接続されている。
支持部材26は、絶縁層をさらに有していてもよい。絶縁層は、配線基板の下面に配置され、配線層を覆っている。絶縁層の材料として、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂又はアクリル樹脂を用いることができる。
【0042】
本明細書は、下記の実施形態を含む。
(1)光源及び前記光源と所定の間隔を介して、前記光源からの出射光を入射する光調整部材を備え、前記光調整部材は、前記光源側から、光調整層及び着色層がこの順に配置され、前記着色層は、平面視において、前記光調整層よりも面積が小さく、前記光源の直上に配置されている、発光装置。
(2)前記光調整部材の外縁は、平面視において、前記光源の外縁よりも外側に位置する(1)に記載の発光装置。
(3)前記着色層は、平面視において、前記光源の面積の90%以上400%以下の面積を有する(1)又は(2)に記載の発光装置。
(4)平面視において、前記光源は矩形であり、前記着色層は前記矩形と相似の形状である(1)~(3)のいずれかに記載の発光装置。
(5)平面視において、前記光源は矩形であり、前記着色層は円又は楕円形である(1)~(3)のいずれかに記載の発光装置。
(6)前記光源は、発光素子と前記発光素子の少なくとも一部を覆い、蛍光体を含有する光源透光性部材を有する(1)~(4)のいずれかに記載の発光装置。
(7)前記着色層は、シート状である(1)~(6)のいずれかに記載の発光装置。
(8)前記着色層は、少なくとも有彩色の顔料又は染料を含有する(1)~(7)のいずれかに記載の発光装置。
(9)前記顔料又は前記染料は、前記発光素子の発光色と同系色である(8)に記載の発光装置。
(10)前記発光素子の発光色は青色であり、
前記顔料又は前記染料は、青色である(8)又は(9)に記載の発光装置。
(11)前記着色層に含有される顔料又は染料は、前記着色層の全重量に対して0.001重量%以上1.0重量%以下である(8)~(10)に記載の発光装置。
【符号の説明】
【0043】
10、10A 発光装置
11、11A 光源
12 発光素子
13 電極
13n n側電極
13p p側電極
14 光源透光性部材
15 被覆部材
16 光源光調整部材
21 光調整部材
22 光調整層
23 着色層
24 導光部材
24a 収容部
24B 区画溝
24C 孔部
25 接着剤層
26 支持部材