(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052169
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】ゲームシステム、プログラム及びゲーム提供方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/54 20140101AFI20240404BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240404BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20240404BHJP
H04S 7/00 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A63F13/54
A63F13/35
A63F13/55
H04S7/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158705
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】矢部 健太
【テーマコード(参考)】
5D162
【Fターム(参考)】
5D162CC08
5D162CD01
5D162EG02
(57)【要約】
【課題】音響処理の対象となる音又は音成分を絞ることによって、ゲーム音として出力する際の音響処理全体の負荷を大幅に削減することが可能なゲームシステムなどを提供すること。
【解決手段】サーバ装置10は、不必要な音源などの音響処理の対象から除外すべき音源がある場合に、又は、効果音を生成する際の音響処理が煩雑になった場合に、音響制御用仮想オブジェクトを、例えば、基準位置と除外すべき音源を有するオブジェクトとの間に配置するなど、仮想空間内の適切な位置に配置させ、当該配置された音響制御用仮想オブジェクトに基づく音響処理を実行する構成を有している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内の音響制御を含むゲーム関する制御を実行するゲームシステムであって、
前記仮想空間に、音源情報が対応付けられた所与の音源情報対応オブジェクトを配置する配置制御手段と、
ゲーム状況を検出する検出手段と、
前記仮想空間内に設定される領域であって、検出されたゲーム状況に応じて、前記音源情報の音源に起因する効果音に対して、所与の音響処理を実行するための領域を、特別領域として、設定する特別領域設定手段と、
前記仮想空間に前記特別領域が設定された場合に、前記配置された音源情報対応オブジェクトと当該特別領域との所与の関係性に応じて、前記音源情報対応オブジェクトに対応付けられた音源情報の音源に起因する効果音に対して、当該特別領域における音響処理を実行し、効果音を生成する効果音生成手段と、
前記生成された効果音をプレーヤに提供する提供処理を実行する出力制御手段と、
を備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
前記仮想空間内に所与の基準位置を設定する基準位置設定手段を更に備え、
前記検出手段が、
前記仮想空間内において、前記基準位置から所与の位置範囲内における仮想空間に配置されたオブジェクトに関する情報を示すオブジェクト配置関連情報を、ゲーム状況として、検出するオブジェクト配置関連情報検出処理を実行し、
前記特別領域設定手段が、
前記検出されたオブジェクト配置関連情報に基づいて前記特別領域を設定する、ゲームシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のゲームシステムにおいて、
前記特別領域設定手段が、
前記検出されたオブジェクト配置関連情報に基づいて、前記特別領域の前記仮想空間内の位置を決定する、ゲームシステム。
【請求項4】
請求項2に記載のゲームシステムにおいて、
前記検出されたオブジェクト配置関連情報に基づいて、前記基準位置を基準として生成すべき効果音の音響シミュレーションを実行するシミュレーション手段を更に備え、
前記特別領域設定手段が、
前記音響シミュレーションによって所与の条件を具備した場合には、前記特別領域を設定する、ゲームシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
前記特別領域設定手段が、
前記音源情報の音源に起因する効果音に対して、適用する音響処理の種別が異なる複数の選択可能な特別領域の中から、前記検出されたゲーム状況に応じて、少なくとも1の特別領域を設定する、ゲームシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のゲームシステムにおいて、
前記ゲーム状況には、前記音源情報対応オブジェクトの配置状況が含まれる、ゲームシステム。
【請求項7】
請求項5に記載のゲームシステムにおいて、
前記異なる複数の選択可能な特別領域には、形状が異なる領域、サイズが異なる領域、
及び、前記音源情報の音源に起因する効果音に対して、適用する音響処理が異なる音響パラメータが規定されている領域うち、少なくともいずれか1の領域が含まれる、ゲームシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
前記仮想空間にキャラクタを配置するキャラクタ配置制御手段と、
仮想空間を画像化するために用いる仮想カメラを当該仮想空間内に配置する仮想カメラ制御手段と、
を更に備え、
前記特別領域設定手段が、
前記配置されたキャラクタの仮想空間内の位置、当該キャラクタの数、前記配置された仮想カメラの仮想空間内の位置、及び、当該仮想カメラの数のうち、少なくともいずれか1の要素に基づいて、前記配置する特別領域の種別、仮想空間内の当該特別領域の配置位置、及び、当該特別領域の数の少なくともいずれか1の要素を決定する、ゲームシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
前記特別領域設定手段が、
前記検出されたゲーム状況とともに前記仮想空間内を移動するキャラクタに応じて、既に配置されている前記特定領域の移動を制御する移動制御処理を実行する、ゲームシステム。
【請求項10】
仮想空間内の音響制御を含むゲーム関する制御を実行するゲームシステムであって、
前記仮想空間に、音源情報が対応付けられた所与の音源情報対応オブジェクトを配置する配置制御手段と、
ゲーム状況を検出する検出手段と、
前記検出されたゲーム状況と、前記配置された音源対象オブジェクトに対応付けられている音源情報と、に基づいて、前記仮想空間内に、音源対象オブジェクトの前記音源情報の音源に起因する効果音に対して音響処理された音を音源とする音源オブジェクトを設定する音源オブジェクト設定手段と、
前記音源情報の音源と、前記仮想空間に設定された音源オブジェクトと、に基づいて、効果音を生成する効果音生成手段と、
前記生成された効果音をプレーヤに提供する提供処理を実行する出力制御手段と、
を備えることを特徴するゲームシステム。
【請求項11】
仮想空間内の音響制御を含むゲーム関する制御を実行するプログラムであって、
前記仮想空間に、音源情報が対応付けられた所与の音源情報対応オブジェクトを配置する配置制御手段、
ゲーム状況を検出する検出手段、
前記仮想空間内に設定される領域であって、検出されたゲーム状況に応じて、前記音源情報の音源に起因する効果音に対して、所与の音響処理を実行するための領域を、特別領域として、設定する特別領域設定手段、
前記仮想空間に前記特別領域が設定された場合に、前記配置された音源情報対応オブジェクトと当該特別領域との所与の関係性に応じて、前記音源情報対応オブジェクトに対応付けられた音源情報の音源に起因する効果音に対して、当該特別領域における音響処理を実行し、効果音を生成する効果音生成手段、及び、
前記生成された効果音をプレーヤに提供する提供処理を実行する出力制御手段、
をコンピュータとして機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
仮想空間内の音響制御を含むゲーム関する制御を実行するプログラムであって、
前記仮想空間に、音源情報が対応付けられた所与の音源情報対応オブジェクトを配置する配置制御手段、
ゲーム状況を検出する検出手段、
前記検出されたゲーム状況と、前記配置された音源対象オブジェクトに対応付けられている音源情報と、に基づいて、前記仮想空間内に、音源対象オブジェクトの前記音源情報の音源に起因する効果音に対して音響処理された音を音源とする音源オブジェクトを設定する音源オブジェクト設定手段、
前記音源情報の音源と、前記仮想空間に設定された音源オブジェクトと、に基づいて、効果音を生成する効果音生成手段、及び、
前記生成された効果音をプレーヤに提供する提供処理を実行する出力制御手段、
コンピュータを機能させることを特徴するプログラム。
【請求項13】
仮想空間内の音響制御を含むゲーム関する制御を実行するサーバ装置から、ネットワークを介して接続され、かつ、プレーヤによって操作される端末装置に、ゲームに関する情報を提供するためのゲーム提供方法であって、
前記サーバ装置が、
前記仮想空間に、音源情報が対応付けられた所与の音源情報対応オブジェクトを配置する配置制御手段と、
ゲーム状況を検出する検出手段と、
前記仮想空間内に設定される領域であって、検出されたゲーム状況に応じて、前記音源情報の音源に起因する効果音に対して、所与の音響処理を実行するための領域を、特別領域として、設定する特別領域設定手段と、
前記仮想空間に前記特別領域が設定された場合に、前記配置された音源情報対応オブジェクトと当該特別領域との所与の関係性に応じて、前記音源情報対応オブジェクトに対応付けられた音源情報の音源に起因する効果音に対して、当該特別領域における音響処理を実行し、効果音を生成する効果音生成手段と、
前記生成された効果音をプレーヤに提供する提供処理を実行する出力制御手段と、を備える場合において、
前記端末装置によって受け付けられた前記プレーヤの操作に関する情報をサーバ装置に送信し、
前記ゲームに関する処理を実行するサーバ装置からゲームに関する情報を受信することを特徴とするゲーム提供方法。
【請求項14】
仮想空間内の音響制御を含むゲーム関する制御を実行するサーバ装置から、ネットワークを介して接続され、かつ、プレーヤによって操作される端末装置に、ゲームに関する情報を提供するためのゲーム提供方法であって、
前記サーバ装置が、
前記仮想空間に、音源情報が対応付けられた所与の音源情報対応オブジェクトを配置する配置制御手段と、
ゲーム状況を検出する検出手段と、
前記検出されたゲーム状況と、前記配置された音源対象オブジェクトに対応付けられている音源情報と、に基づいて、前記仮想空間内に、音源対象オブジェクトの前記音源情報の音源に起因する効果音に対して音響処理された音を音源とする音源オブジェクトを設定する音源オブジェクト設定手段と、
前記音源情報の音源と、前記仮想空間に設定された音源オブジェクトと、に基づいて、効果音を生成する効果音生成手段と、
前記生成された効果音をプレーヤに提供する提供処理を実行する出力制御手段と、
を備える場合において、
前記端末装置によって受け付けられた前記プレーヤの操作に関する情報をサーバ装置に送信し、
前記ゲームに関する処理を実行するサーバ装置からゲームに関する情報を受信することを特徴とするゲーム提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、プログラム及びゲーム提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲーム装置又は情報通信端末装置などの端末装置の発展、又は、ネットワークなどの通信技術の発達に伴い、高精度の画像を提供するゲームだけでなく、VRなどの仮想3次元空間の構築又は体験を組み込んだゲームも一般化してきている。
【0003】
また、このような仮想3次元空間においては、画像だけでなく、臨場感のある音処理も行う必要があり、最近では、仮想三次元空間に形成される音場空間をシミュレーションして臨場感のある音を提供するものも知られている。
【0004】
例えば、このような臨場感のある音処理を実行するゲームシステムにおいては、仮想3次元空間の音場を解析する際に、所定の音響パラメータを有し、音場空間を単純にモデル化した仮想的な空間オブジェクトを配置し、当該空間オブジェクトによって形成される音場空間について音響シミュレーションを実行し、ゲームにおける音響信号を生成する際の負荷を低減させたものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載のゲームシステムにあっては、イベントの数が多くなった場合、又は、地形の表面に凹凸が多いなど仮想空間内の地形が複雑になった場合など残響音を含めて多くの音が発生した場合には、音響信号を生成するための処理負荷の低減についても限界がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、音響処理の対象となる音又は音成分を絞ることによって、ゲーム音として出力する際の音響処理全体の負荷を大幅に削減することが可能なゲームシステムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するため、本発明は、
仮想空間内の音響制御を含むゲーム関する制御を実行するゲームシステムであって、
前記仮想空間に、音源情報が対応付けられた所与の音源情報対応オブジェクトを配置する配置制御手段と、
ゲーム状況を検出する検出手段と、
前記仮想空間内に設定される領域であって、検出されたゲーム状況に応じて、前記音源情報の音源に起因する効果音に対して、所与の音響処理を実行するための領域を、特別領域として、設定する特別領域設定手段と、
前記仮想空間に前記特別領域が設定された場合に、前記配置された音源情報対応オブジェクトと当該特別領域との所与の関係性に応じて、前記音源情報対応オブジェクトに対応付けられた音源情報の音源に起因する効果音に対して、当該特別領域における音響処理を実行し、効果音を生成する効果音生成手段と、
前記生成された効果音をプレーヤに提供する提供処理を実行する出力制御手段と、
を備える、構成を有している。
【0009】
この構成により、本発明は、例えば、ゲームイベントの数、プレーヤの数又はゲーム進度などのゲーム状況に応じて、(A1)音源の数や音源を構成する音成分が多くなった場合、(A2)遅延が長い若しくはレベルが大きい残響音が発生した場合、又は、(A3)仮想カメラの配置位置などの効果音の生成の基準となる位置から遠い位置で音量の大きな音が発生した場合など、音響処理の対象となる音源が多く存在する場合に、又は、音響処理が複雑化した場合に、特別領域を設定することによって、音源や音成分の所与パート若しくは再生内容の一部を除去し、又は、低減させることができる。
【0010】
したがって、本発明は、音響処理の対象となる音又は音成分を絞ることによって、効果音として出力する際の音響処理全体の負荷を大幅に削減することができる。
【0011】
なお、「仮想空間」とは、例えば、2次元又は3次元のキャラクタなどの音源情報対応オブジェクト又はその他のオブジェクトが配置され、又は、移動するゲーム空間である。
【0012】
そして、「所与の音源情報対応オブジェクト」とは、例えば、効果音を発生させるための音源情報が規定されているオブジェクトであること、又は、効果音を反響させ、若しくは、当該音を吸収するオブジェクトであることなどを示す。
【0013】
また、「所与の音源情報対応オブジェクト」には、例えば、キャラクタなどの動的オブジェクト、及び、施設又は地形を形成する木や岩などの静的オブジェクトが含まれる。
【0014】
そして、「ゲーム状況」には、音源の数、プレーヤキャラクタ又は敵キャラクタの数若しくは位置、プレーヤキャラクタが位置する地形又は地域環境、個人又はチームのゲームスコア、クリアした又は挑戦中のゲームステージ、プレーヤキャラクタが有している武器などの装備の種類、プレーヤキャラクタ又は敵キャラクタのレベル、プレーヤキャラクタ又は敵キャラクタが有する能力又は当該能力のレベル、タスクのクリア状況、及び、ゲームイベントの状況が含まれる。
【0015】
特に、「ゲームイベント」には、例えば、敵キャラクタと戦うイベント、所定エリアを探索するイベント、敵キャラクタなどが登場(誕生)するイベント、戦闘に勝利した若しくは敗退した際のイベント、タスクを達成したときに実行されるイベント、キャラクタと壁などの配置オブジェクトとが衝突するイベント、天候が変化するイベント、及び、ミニゲームを実行するイベントなどが含まれる。
【0016】
さらに、「音源に起因する効果音」とは、例えば、音源から発生された効果音だけでなく、音源から出力された効果音であって音源情報対応オブジェクトによって反射された残響音などを含む。
【0017】
上記に加えて、「所与の音響処理」には、例えば、残響処理を含む音場空間に合わせた音成分の加工処理、及び、一部の周波数帯域の音成分を除去し、若しくは、当該音成分を増大させるフィルタ処理などが含まれる。ただし、「音響処理」は、上記に限らず、音源となる音に対して、効果音の音色、音程(音の高さ)、再生時間、音量、可聴範囲(可聴周波数範囲)又はこれらの2以上の組み合わせを制御する処理であってもよい。
【0018】
特に、「前記配置された音源情報対応オブジェクトと当該特別領域との所与の関係性に応じて」とは、例えば、仮想カメラ又はプレーヤキャラクタなどの基準位置と、該当する音源情報対応オブジェクトと、の間に特別領域が配置される場合など仮想空間内における位置関係に応じること、又は、音源情報対応オブジェクトの音源の属性(高音域を発する
属性)と特別領域の属性(高音域をカットする属性)との関係性に応じることなどを示す。
【0019】
また、「効果音」とは、例えば、プレーヤキャラクタ又は敵キャラクタの動作若しくは行動に伴って発生する行動音、ゲームイベント若しくはゲームシーンに割り当てられた効果音、又は、プレーヤキャラクタ若しくは敵キャラクタの音声などの仮想空間内で発生する音(仮想空間内に配置される音源によって発生する音)を示す。
【0020】
さらに、「特別領域」とは、例えば、仮想空間内で発生している不必要な効果音、又は、不必要な効果音の成分を、小さくするための領域、又は、除去するための領域である。
【0021】
例えば、「特別領域」とは、音又は音の一部の成分を透過しない透明(画像化されない)な静的なオブジェクトによって形成されることが好ましい。
【0022】
そして、「提供処理」とは、例えば、ゲームシステムがサーバ装置として機能する場合には、ネットワークを介して端末装置における効果音の出力を制御する出力制御処理を示し、スタンドアローン型のゲームシステムとして機能する場合には、効果音をスピーカなどによって外部に出力する出力制御処理を示す。
【0023】
(2)また、本発明は、
前記仮想空間内に所与の基準位置を設定する基準位置設定手段を更に備え、
前記検出手段が、
前記仮想空間内において、前記基準位置から所与の位置範囲内における仮想空間に配置されたオブジェクトに関する情報を示すオブジェクト配置関連情報を、ゲーム状況として、検出するオブジェクト配置関連情報検出処理を実行し、
前記特別領域設定手段が、
前記検出されたオブジェクト配置関連情報に基づいて前記特別領域を設定する、構成を有している。
【0024】
この構成により、本発明は、基準位置の周囲に不必要な音源などの音響処理の対象から除外すべき音源がある場合には、例えば、基準位置と、除外対象の音源が配置された位置(音源情報対応オブジェクトの位置)と、の間に、音又は音の一部の成分を遮断する特別領域を形成することができる。
【0025】
また、本発明は、基準位置の近傍に、例えば、音源を有する多くの音源情報対応オブジェクトが配置されている場合、又は、表面が凹凸で音をよく反射するオブジェクトで形成されている場合など、基準位置の周囲に音響処理を複雑化する音源がある場合には、上記と同様に、その音源情報対応オブジェクトと基準位置との間に特別領域を形成することができる。
【0026】
すなわち、本発明は、不必要な音源などの音響処理の対象から除外すべき音源がある場合に、又は、効果音を生成する際の音響処理が煩雑になった場合に、ゲーム進行に寄与しない音の一部若しくは当該音の成分の一部、又は、大勢に影響の無い音の一部若しくは当該音の成分の一部を除去すること、及び、当該音の一部若しくは当該音の成分の一部のレベルを軽減又は残響音の処理を簡素化することができる。
【0027】
なお、「基準位置」とは、例えば、仮想空間内を画像化する仮想カメラの当該仮想空間内の配置位置、又は、プレーヤキャラクが配置された仮想空間内の位置などを示す。
【0028】
また、「所与の位置範囲内」とは、仮想空間における基準位置を基準とした前後左右方
向及び上下方向などに延伸し、所定の距離を有する範囲を示す。
【0029】
そして、「オブジェクト配置関連情報」とは、例えば、
(B1)基準位置から所与の範囲内の音源情報対応オブジェクトの配置状況を示す情報
(B2)音源情報対応オブジェクトに対応付けられている音源の種別(例えば、残響音及びその特徴(残響音の遅延時間や音量))を示す情報、
(B3)当該音源情報対応オブジェクトにおけるプレーヤキャラクタとの関係性を示す情報、及び、
(B4)周囲の気象状況又は他の音源情報対応オブジェクトとの関係を含む、周囲の音場の種別を示す情報、
を含む。
【0030】
特に、「音源情報対応オブジェクトの配置状況」には、例えば、
(C1)音源情報対応オブジェクトの位置、
(C2)プレーヤキャラクタ又は仮想カメラなどの基準位置から当該音源情報対応オブジェクトまでの距離(深度)、
(C3)当該基準位置から当該音源情報対応オブジェクトが配置されている方向、及び、(C4)密集度などの周囲に配置される、又は、既に配置された他の音源情報対応オブジェクトの位置、数、種別、又は、その組み合わせ、
が含まれる。
【0031】
さらに、「オブジェクト配置関連情報検出処理」には、例えば、基準位置から光線(レイ)を飛ばして当該光線が当たった音源情報対応オブジェクトの位置及び音響的な性質を含む各種の情報を検出して取得するレイキャストの技術を用いる。
【0032】
(3)また、本発明は、
前記特別領域設定手段が、
前記検出されたオブジェクト配置関連情報に基づいて、前記特別領域の前記仮想空間内の位置を決定する、構成を有している。
【0033】
この構成により、本発明は、基準位置の周囲に不必要な音源などの音響処理の対象から除外すべき音源が存在する場合には、又は、反響音の音量が大きく遅延時間も長いなどの基準位置において不自然な音が聴取される可能性がある音源が存在する場合には、例えば、基準位置と除外対象の音源が配置された位置の間に、音又は音の一部の成分を透過させない特別領域を形成することができる。
【0034】
(4)また、本発明は、
前記検出されたオブジェクト配置関連情報に基づいて、前記基準位置を基準として生成すべき効果音の音響シミュレーションを実行するシミュレーション手段を更に備え、
前記特別領域設定手段が、
前記音響シミュレーションによって所与の条件を具備した場合には、前記特別領域を設定する、構成を有している。
【0035】
この構成により、本発明は、音源情報対応オブジェクトの配置のみでは不必要な音源などの効果音の対象から除外すべき又は低減すべき音源の有無が不明な場合であっても、不執拗な効果音の除去またはその音量の低減などの音響処理の簡素化を行うことができる。
【0036】
なお、「基準位置を基準として」とは、例えば、基準位置を効果音の集音位置(プレーヤが聴取する位置)に設定することを示す。
【0037】
また、「音響シミュレーション」とは、仮想空間内又は仮想空間の一部の空間におけるシミュレーションであって、当該空間に存在する音又はその成分について解析するためのシミュレーションである。
【0038】
さらに、「所与の条件」には、例えば、音源情報の数が所定数以上であること、所定の時間経過後に所定の振幅以上の反響音成分があること、及び、CPUのパフォーマンスが所定値以上であることなど処理負荷が所定の基準を具備していることなどを含む。
【0039】
(5)また、本発明は、
前記特別領域設定手段が、
前記音源情報の音源に起因する効果音に対して、適用する音響処理の種別が異なる複数の選択可能な特別領域の中から、前記検出されたゲーム状況に応じて、少なくとも1の特別領域を設定する、構成を有している。
【0040】
この構成により、本発明は、音響処理の対象となる音源の位置、距離若しくは範囲、又は、残響音の特徴(遅延時間若しくは音量)などに応じて、領域サイズ、領域形状、又は、提供する音響処理の種別を選択することができる。
【0041】
したがって、本発明は、簡易な手法によって、音響処理全体の負荷を大幅に削減しつつ、ゲーム状況に適した音響処理を行うことができる。
【0042】
なお、「音響処理の種別が異なる複数の選択可能な特別領域」とは、例えば、音響処理を行う仮想空間上の範囲が異なるサイズ(領域サイズ)又は異なる形状(領域形状)を有している特別領域、又は、音響処理を実行する際に用いるパラメータであって特別領域に設定されている音響パラメータが異なる特別領域などが含まれる。
【0043】
(6)また、本発明は、
前記ゲーム状況には、前記音源情報対応オブジェクトの配置状況が含まれる、構成を有している。
【0044】
この構成により、本発明は、音源情報対応オブジェクトの位置、プレーヤキャラクタ又は仮想カメラから当該音源情報対応オブジェクトまでの距離、又は、音源の種別(例えば、音源として残響音を出力する場合には、その遅延時間若しくは音量)などに応じて、特別領域の領域サイズ、領域形状、又は、提供する音響処理の種別を選択することができる。
【0045】
(7)また、本発明は、
前記異なる複数の選択可能な特別領域には、形状が異なる領域、サイズが異なる領域、及び、前記音源情報の音源に起因する効果音に対して、適用する音響処理が異なる音響パラメータが規定されている領域うち、少なくともいずれか1の領域が含まれる、構成を有している。
【0046】
この構成により、本発明は、音響処理の対象となる音源の位置、距離若しくは範囲、又は、残響音の特徴(遅延時間若しくは音量)などに応じて、領域サイズ、領域形状、又は、提供する音響処理の種別を選択することができる。
【0047】
なお、「音響パラメータ」には、例えば、音量の制御又はフィルタ処理(一部の音成分の除去又は低減)を行うための音成分の振幅を制御するためのパラメータ、及び、残響の付加又は除去を行うためのパラメータなどが含まれる。
【0048】
(8)また、本発明は、
前記仮想空間にキャラクタを配置するキャラクタ配置制御手段と、
仮想空間を画像化するために用いる仮想カメラを当該仮想空間内に配置する仮想カメラ制御手段と、
を更に備え、
前記特別領域設定手段が、
前記配置されたキャラクタの仮想空間内の位置、当該キャラクタの数、前記配置された仮想カメラの仮想空間内の位置、及び、当該仮想カメラの数のうち、少なくともいずれか1の要素に基づいて、前記配置する特別領域の種別、仮想空間内の当該特別領域の配置位置、及び、当該特別領域の数の少なくともいずれか1の要素を決定する、構成を有している。
【0049】
この構成により、本発明は、例えば、大規模多人数同時参加型オンライン(MMO)ゲームなどの1つの仮想空間に多くのプレーヤキャラクタが存在するゲームにも適用することができる。
【0050】
特に、本発明は、個々のプレーヤ又は仮想カメラ毎に音源情報対応オブジェクトを配置して音響処理を実行してもよいし、複数のプレーヤ若しくは複数の仮想カメラ毎、又は、全プレーヤ共通若しくは全仮想カメラ共通で音源情報対応オブジェクトを配置し、かつ、音響処理を実行してもよい。
【0051】
(9)また、本発明は、
前記特別領域設定手段が、
前記検出されたゲーム状況とともに前記仮想空間内を移動するキャラクタに応じて、既に配置されている前記特定領域の移動を制御する移動制御処理を実行する、構成を有している。
【0052】
この構成により、本発明は、プレーヤキャラクタが移動オブジェクトであっても、音響処理の対象となる音又は音成分を絞ることができるので、効果音として出力する際の音響処理全体の負荷を大幅に削減することができる。
【0053】
(10)また、本発明は、
仮想空間内の音響制御を含むゲーム関する制御を実行するゲームシステムであって、
前記仮想空間に、音源情報が対応付けられた所与の音源情報対応オブジェクトを配置する配置制御手段と、
ゲーム状況を検出する検出手段と、
前記検出されたゲーム状況と、前記配置された音源対象オブジェクトに対応付けられている音源情報と、に基づいて、前記仮想空間内に、音源対象オブジェクトの前記音源情報の音源に起因する効果音に対して音響処理された音を音源とする音源オブジェクトを設定する音源オブジェクト設定手段と、
前記音源情報の音源と、前記仮想空間に設定された音源オブジェクトと、に基づいて、効果音を生成する効果音生成手段と、
前記生成された効果音をプレーヤに提供する提供処理を実行する出力制御手段と、
を備える、構成を有している。
【0054】
この構成により、本発明は、音響処理の対象となる音源が存在する場合に、又は、音響処理が複雑化した場合に、単に音響処理が簡素化させた音源を有するオブジェクトを配置することができる。
【0055】
したがって、本発明は、音響処理の対象となる音又は音成分を絞ることによって、効果
音として出力する際の音響処理全体の負荷を大幅に削減することができる。
【0056】
(11)また、本発明は、
仮想空間内の音響制御を含むゲーム関する制御を実行するプログラムであって、
前記仮想空間に、音源情報が対応付けられた所与の音源情報対応オブジェクトを配置する配置制御手段、
ゲーム状況を検出する検出手段、
前記仮想空間内に設定される領域であって、検出されたゲーム状況に応じて、前記音源情報の音源に起因する効果音に対して、所与の音響処理を実行するための領域を、特別領域として、設定する特別領域設定手段、
前記仮想空間に前記特別領域が設定された場合に、前記配置された音源情報対応オブジェクトと所与の関係性に応じて、前記音源情報対応オブジェクトに対応付けられた音源情報の音源に起因する効果音に対して、当該特別領域における音響処理を実行し、効果音を生成する効果音生成手段、及び、
前記生成された効果音をプレーヤに提供する提供処理を実行する出力制御手段、
をコンピュータとして機能させる、構成を有している。
【0057】
この構成により、本発明は、音響処理の対象となる音源が存在する場合に、又は、音響処理が複雑化した場合に、特別領域を設定することによって、音源や音成分の所与パート若しくは再生内容の一部を除去し、又は、低減させることができる。
【0058】
したがって、本発明は、音響処理の対象となる音又は音成分を絞ることによって、効果音として出力する際の音響処理全体の負荷を大幅に削減することができる。
【0059】
(12)また、本発明は、
仮想空間内の音響制御を含むゲーム関する制御を実行するプログラムであって、
前記仮想空間に、音源情報が対応付けられた所与の音源情報対応オブジェクトを配置する配置制御手段、
ゲーム状況を検出する検出手段、
前記検出されたゲーム状況と、前記配置された音源対象オブジェクトに対応付けられている音源情報と、に基づいて、前記仮想空間内に、音源対象オブジェクトの前記音源情報の音源に起因する効果音に対して音響処理された音を音源とする音源オブジェクトを設定する音源オブジェクト設定手段、
前記音源情報の音源と、前記仮想空間に設定された音源オブジェクトと、に基づいて、効果音を生成する効果音生成手段、及び、
前記生成された効果音をプレーヤに提供する提供処理を実行する出力制御手段、
コンピュータを機能させる、構成を有している。
【0060】
この構成により、本発明は、音響処理の対象となる音源が存在する場合に、又は、音響処理が複雑化した場合に、単に音響処理が簡素化させた音源を有するオブジェクトを配置することができる。
【0061】
したがって、本発明は、音響処理の対象となる音又は音成分を絞ることによって、効果音として出力する際の音響処理全体の負荷を大幅に削減することができる。
【0062】
(13)また、本発明は、
仮想空間内の音響制御を含むゲーム関する制御を実行するサーバ装置から、ネットワークを介して接続され、かつ、プレーヤによって操作される端末装置に、ゲームに関する情報を提供するためのゲーム提供方法であって、
前記サーバ装置が、
前記仮想空間に、音源情報が対応付けられた所与の音源情報対応オブジェクトを配置する配置制御手段と、
ゲーム状況を検出する検出手段と、
前記仮想空間内に設定される領域であって、検出されたゲーム状況に応じて、前記音源情報の音源に起因する効果音に対して、所与の音響処理を実行するための領域を、特別領域として、設定する特別領域設定手段と、
前記仮想空間に前記特別領域が設定された場合に、前記配置された音源情報対応オブジェクトと所与の関係性に応じて、前記音源情報対応オブジェクトに対応付けられた音源情報の音源に起因する効果音に対して、当該特別領域における音響処理を実行し、効果音を生成する効果音生成手段と、
前記生成された効果音をプレーヤに提供する提供処理を実行する出力制御手段と、を備える場合において、
前記端末装置によって受け付けられた前記プレーヤの操作に関する情報をサーバ装置に送信し、
前記ゲームに関する処理を実行するサーバ装置からゲームに関する情報を受信する、構成を有している。
【0063】
この構成により、本発明は、音響処理の対象となる音源が存在する場合に、又は、音響処理が複雑化した場合に、特別領域を設定することによって、音源や音成分の所与パート若しくは再生内容の一部を除去し、又は、低減させることができる。
【0064】
したがって、本発明は、音響処理の対象となる音又は音成分を絞ることによって、効果音として出力する際の音響処理全体の負荷を大幅に削減することができる。
【0065】
(14)また、本発明は、
仮想空間内の音響制御を含むゲーム関する制御を実行するサーバ装置から、ネットワークを介して接続され、かつ、プレーヤによって操作される端末装置に、ゲームに関する情報を提供するためのゲーム提供方法であって、
前記サーバ装置が、
前記仮想空間に、音源情報が対応付けられた所与の音源情報対応オブジェクトを配置する配置制御手段と、
ゲーム状況を検出する検出手段と、
前記検出されたゲーム状況と、前記配置された音源対象オブジェクトに対応付けられている音源情報と、に基づいて、前記仮想空間内に、音源対象オブジェクトの前記音源情報の音源に起因する効果音に対して音響処理された音を音源とする音源オブジェクトを設定する音源オブジェクト設定手段と、
前記音源情報の音源と、前記仮想空間に設定された音源オブジェクトと、に基づいて、効果音を生成する効果音生成手段と、
前記生成された効果音をプレーヤに提供する提供処理を実行する出力制御手段と、
を備える場合において、
前記端末装置によって受け付けられた前記プレーヤの操作に関する情報をサーバ装置に送信し、
前記ゲームに関する処理を実行するサーバ装置からゲームに関する情報を受信する構成を有している。
【0066】
この構成により、本発明は、音響処理の対象となる音源が存在する場合に、又は、音響処理が複雑化した場合に、単に音響処理が簡素化させた音源を有するオブジェクトを配置することができる。
【0067】
したがって、本発明は、音響処理の対象となる音又は音成分を絞ることによって、効果
音として出力する際の音響処理全体の負荷を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1】本発明に係る一実施形態のゲームシステムのネットワーク図の一例を示す図である。
【
図2】一実施形態のサーバ装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図3】一実施形態の端末装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図4】一実施形態のサーバ装置によって実行される音響制御用仮想オブジェクトの仮想空間内の設定(配置)に伴う効果音制御処理を説明するための図である。
【
図5】一実施形態のサーバ装置によって実行される音響制御用仮想オブジェクトを配置するための音響制御用仮想オブジェクト設定処理について説明するための図である。
【
図6】一実施形態のサーバ装置によって実行される音響制御用仮想オブジェクトを配置するための音響制御用仮想オブジェクト設定処理について説明するための図である。
【
図7】一実施形態のサーバ装置によって実行される音響制御用仮想オブジェクトを配置するための音響制御用仮想オブジェクト設定処理について説明するための図である。
【
図8】一実施形態のサーバ装置によって実行される音響制御用仮想オブジェクトの仮想空間内の設定(配置)に伴う効果音制御処理の動作を示すフローチャートである。
【
図9】一実施形態の変形例であって、音源オブジェクトを設定する場合の効果音制御処理について説明するための図である。
【
図10】一実施形態の変形例であって、移動キャラクタに基づく音響制御用仮想オブジェクト設定について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0070】
[1]ゲームシステム
まず、
図1を用いて本実施形態のゲームシステムSの概要及び概要構成について説明する。なお、
図1は、本実施形態のゲームシステムSの構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【0071】
本実施形態のゲームシステムSは、
図1に示すように、ゲームサービスを提供するサーバ装置10と、端末装置20(例えば、端末装置20A、20B、20C)とが、インターネット(ネットワークの一例)に接続可能に構成されている。
【0072】
ユーザは、端末装置20からサーバ装置10にアクセスすることにより、インターネットを介してサーバ装置10から送信されてくるゲームをプレイすることができる。さらに、ユーザは端末装置20からサーバ装置10にアクセスすることにより、他のユーザとの間でコミュニケーションを図ることができるようになっている。
【0073】
サーバ装置10は、インターネットを介して通信接続された端末装置20を用いて、ユーザにゲームをプレイさせるサービスを提供することが可能な情報処理装置である。また、サーバ装置10は、コミュニケーション型のサービスを提供するSNSサーバとして機能してもよい。ここで、SNSサーバとは、複数のユーザ間でコミュニケーションを提供することが可能なサービスを提供する情報処理装置であってもよい。
【0074】
また、サーバ装置10は、例えば、SNSサーバとして機能する場合には、提供するSNSの動作環境(API(アプリケーションプログラミングインタフェース)、プラットフォーム等)を利用して実行されるソーシャルゲーム(Social Game)と呼ば
れるゲームを提供することができるようになっている。
【0075】
特に、サーバ装置10は、端末装置20のWebブラウザ上で提供されるゲーム、例えばHTML、FLASH(登録商標)、CGI、PHP、shockwave、Java(登録商標)アプレット、JavaScript(登録商標)など様々な言語で作られたブラウザゲーム(Webブラウザで設置サイトを開くだけで起動するゲーム)を提供することができるようになっている。
【0076】
なお、ソーシャルゲームとは、既存のオンラインゲームとは違い、専用のクライアントソフトウェアを必要とせず、WebブラウザとSNSのアカウントのみで利用可能なゲームが含まれる。また、サーバ装置10は、ネットワークを介して他のユーザの端末(スマートフォン、パソコン、ゲーム機など)と接続し、オンラインで同時に同じゲーム進行を共有することができるオンラインゲームを提供することが可能な構成を有している。
【0077】
一方、サーバ装置10は、1つの(装置、プロセッサ)で構成されていてもよいし、複数の(装置、プロセッサ)で構成されていてもよい。
【0078】
そして、サーバ装置10の記憶領域(後述する記憶部140)に記憶される課金情報、ゲーム情報等の情報を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよいし、SNSサーバとして機能する場合には、記憶領域に記憶されるプレーヤ情報記憶部146等の情報を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよい。
【0079】
具体的には、本実施形態のサーバ装置10は、端末装置20のユーザ(すなわち、ゲームを実行するプレーヤ)の操作に基づく入力情報を受信し、受信した入力情報に基づいてゲーム処理を行うようになっている。そして、サーバ装置10は、ゲーム処理結果を端末装置20に送信し、端末装置20は、サーバ装置10から受信したゲーム処理結果を端末装置20にユーザに閲覧可能に提供する各種の処理を行うようになっている。
【0080】
端末装置20は、スマートフォン、携帯電話、コンピュータ、ゲーム装置、PDA、タブレット、携帯型ゲーム機等、画像生成装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ装置10に接続可能な装置である。なお、端末装置20とサーバ装置10との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0081】
また、端末装置20は、Webページ(HTML形式のデータ)を閲覧可能なWebブラウザを備えている。すなわち、端末装置20は、サーバ装置10との通信を行うための通信制御機能、及びサーバ装置10から受信したデータ(Webデータ、HTML形式で作成されたデータなど)を用いて表示制御を行うとともに、ユーザ操作のデータをサーバ装置10に送信するWebブラウザ機能などを備え、ゲーム画面をユーザに提供する各種の処理を実行し、ユーザによってゲームを実行させるようになっている。ただし、端末装置20は、サーバ装置10から提供されたゲーム制御情報を取得して所定のゲーム処理を実行し、ゲーム処理に基づくゲームを実行してもよい。
【0082】
具体的には、端末装置20は、所定ゲームを行う旨の要求をサーバ装置10に対して行うと、サーバ装置10のゲームサイトに接続され、ゲームが開始される。特に、端末装置20は、必要に応じてAPIを用いることにより、SNSサーバとして機能するサーバ装置10に所定の処理を行わせ、又は、SNSサーバとして機能するサーバ装置10が管理するプレーヤ情報記憶部146を取得させてゲームを実行する構成を有している。
【0083】
[2]サーバ装置
次に、
図2を用いて本実施形態のサーバ装置10について説明する。
【0084】
なお、
図2は、本実施形態のサーバ装置10の機能ブロックを示す図である。また、本実施形態のサーバ装置10は、
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0085】
サーバ装置10は、管理者やその他の入力に用いるための入力部120、所定の表示を行う表示部130、所定の情報が記憶された情報記憶媒体180、端末装置20やその他と通信を行う通信部196、主に提供するゲームに関する処理を実行する処理部100、及び、主にゲームに用いる各種のデータを記憶する記憶部140を含む。
【0086】
入力部120は、システム管理者等がゲームに関する設定やその他の必要な設定、データの入力に用いるものである。例えば、本実施形態の入力部120は、マウスやキーボード等によって構成される。
【0087】
表示部130は、システム管理者用の操作画面を表示するものである。例えば、本実施形態の表示部130は、液晶ディスプレイ等によって構成される。
【0088】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などによって構成される。
【0089】
通信部196は、外部(例えば、端末、他のサーバや他のネットワークシステム)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどによって構成される。
【0090】
記憶部140は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、RAM(VRAM)などによって構成される。なお、記憶部140に記憶される情報は、データベースで管理してもよい。また、記憶部140は、本発明の記憶手段を構成する。
【0091】
また、本実施形態の記憶部140は、主記憶部142の他に、ゲームに関する情報を示すゲーム情報が記憶されるゲームデータ記憶部144、各プレーヤに関する情報を示すプレーヤ情報及びプレーヤのゲームに関する情報(以下、「プレーヤ関連情報」という。)記憶されるプレーヤ情報記憶部146、及び、オブジェクト毎に記憶された音源情報が記憶されるオブジェクト音源情報記憶部148を有している。
【0092】
ゲームデータ記憶部144には、ゲームマップ、ゲームに用いられる各オブジェクトの情報、各種のテーブル情報、各プレーヤのプレーヤキャラクタに関する情報、及び、各種の判定に用いる条件情報などゲームを実行する上で必要な各種の情報が記憶される。
【0093】
特に、ゲームデータ記憶部144には、オブジェクトの情報として、仮想空間に配置されるとの所与の関係性を有する音源に対して音響制御を行うためのオブジェクト(以下、「音響制御用仮想オブジェクト」という。)の情報(以下、「音響制御用仮想オブジェクト情報」という。)が記憶される。
【0094】
プレーヤ情報記憶部146には、プレーヤ毎に、プレーヤのニックネームやプレーヤIDなどの識別情報及びチームに属している場合には、所属チーム名やそのID(以下、「
所属情報」という。)に対応付けて、プレーヤに関する情報、及び、プレーヤキャラクタに関する情報など、プレーヤ関連情報が記憶される。
【0095】
オブジェクト音源情報記憶部148には、各オブジェクトが仮想空間に配置された際にゲームに関する効果音が音源として規定された音源情報が記憶される。
【0096】
すなわち、オブジェクト音源情報記憶部148には、音源情報対応オブジェクトの種別毎に、種々の音源が規定された音源情報(以下、「オブジェクト音源情報」という。)が記憶されている。
【0097】
特に、オブジェクト音源情報は、効果音として音色(周波数の波形)、音程(周波数)又はその双方などの効果音を規定する情報であり、例えば、wav形式の波形ファイルなどの所与のフォーマットで形成された音源の情報である。
【0098】
なお、本実施形態の効果音とは、例えば、プレーヤキャラクタ又は敵キャラクタの動作若しくは行動に伴って発生する行動音、ゲームイベント若しくはゲームシーンに割り当てられた効果音、又は、プレーヤキャラクタ若しくは敵キャラクタの音声などの仮想空間内で発生する音(仮想空間内に配置される音源によって発生する音)を示す。
【0099】
処理部100は、記憶部140内の主記憶部142をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0100】
処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0101】
例えば、処理部100(プロセッサ)は、情報記憶媒体に記憶されているプログラムに基づいて、サーバ装置10全体の制御を行うとともに、各部間におけるデータ等の受け渡しの制御などの各種の処理を行う。さらに、端末装置20からの要求に応じた各種サービスを提供する処理を行う。
【0102】
具体的には、本実施形態の処理部100は、通信制御部101、Web処理部102、ゲーム管理部103、オブジェクト配置制御部104、入力受付処理部105、ゲーム演算部106、仮想カメラ制御部107、画像生成部108、効果音生成処理部109、タイマ管理部110、及び、情報提供部111を少なくとも有している。
【0103】
通信制御部101は、端末装置20とネットワークを介してデータを送受信する処理を行う。すなわち、サーバ装置10は、通信制御部101によって端末装置20等から受信した情報に基づいて各種処理を行う。特に、本実施形態の通信制御部101は、プレーヤの端末装置20からの要求に基づいて、ゲーム画面を、当該プレーヤの端末装置20に送信する処理を行う。
【0104】
特に、通信制御部101は、端末装置20に送信するパケットを生成する処理、パケット送信先の端末装置のIPアドレスやポート番号を指定する処理、受信したパケットに含まれるデータをプレーヤ情報記憶部146に保存する処理、受信したパケットを解析する処理、その他のパケットの送受信に関する制御処理等を行う。
【0105】
Web処理部102は、Webサーバとして機能する。例えば、Web処理部102は
、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルを通じて、端末装置20にインストールされているWebブラウザ211の要求に応じてデータを送信する処理、及び、端末装置20のWebブラウザ211によって送信されるデータを受信する処理を行う。
【0106】
なお、本実施形態では、サーバ装置10がSNSサーバとしての機能も備えていている場合を例に説明するが、サーバ装置10を、ゲーム用のサーバと、SNS用のサーバと別々に形成してもよい。また、本実施形態のゲームの処理は、サーバ装置10が一部又は全部を行ってもよいし、端末装置20が一部を行ってもよい。
【0107】
ゲーム管理部103は、端末装置20と連動し、仮想空間としてのゲーム空間を構築し、当該端末装置20を介して入力されたプレーヤの操作に基づいて、各プレーヤにおいてシューティングゲーム、対戦ゲーム(アクションゲームやスポーツゲーム)、音ゲーム、パズルゲーム、レースゲーム、シミュレーションゲーム、及び、RPGに関する各種のゲーム処理を実行する。
【0108】
特に、ゲーム管理部103は、MMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)などの多人数同時参加型のオンラインゲームにあっては、プレーヤ毎に、該当するプレーヤの操作に基づいて、当該プレーヤが実行するゲームの進行に係る処理を実行する。
【0109】
例えば、ゲーム管理部103は、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理(以下、「ゲーム開始処理」ともいう。)、プレーヤの操作入力に応じて、プレーヤキャラクタを制御して各種のゲームの進行を制御するゲーム制御処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理(以下、「ゲーム終了処理」ともいう。)、最終ステージをクリアした場合にはエンディングを進行させる処理、ゲーム終了処理の実行時に終了したゲーム(ゲームオーバーとなったゲーム)に対して所与の条件が具備された場合に当該終了したゲームを再開(コンティニュー)させるための処理などがある。
【0110】
また、ゲーム管理部103は、記憶部140を管理し、例えば、オブジェクトの種別毎に、ゲームに関する効果音が音源として規定されている音源情報を管理する。
【0111】
さらに、ゲーム管理部103は、プレーヤ毎に又はゲーム全体として実行される所与のゲームイベントの開始時などの予め定められたタイミングに、ゲーム状況を検出する。
【0112】
特に、ゲーム管理部103は、音響制御用仮想オブジェクトを設定(配置)する際に、ゲーム状況を検出する。
【0113】
オブジェクト配置制御部104は、オブジェクト(プレーヤオブジェクト、移動体、敵オブジェクト)、移動経路、建物(施設や店舗など)、樹木、岩、柱、壁、マップ(地形)などの表示物を表す動的オブジェクト及び静的オブジェクトの各種オブジェクト(スプライト、ビルボード、ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブ面で構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置する処理を行う。
【0114】
具体的には、オブジェクト配置制御部104は、オブジェクト(モデルオブジェクト)の位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y)或いは(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y軸回りでの回転角度)或いは(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
【0115】
また、オブジェクト配置制御部104は、炎又は爆弾などの効果音が音源情報として対
応付けられたオブジェクト(以下、「音源情報対応オブジェクト」という。)をオブジェクト空間に配置するための処理を実行する。
【0116】
なお、オブジェクト空間(ゲーム空間)とは、いわゆる仮想2次元空間、及び、仮想3次元空間の両方の仮想空間を含む。
【0117】
特に、2次元空間とは、例えば2次元座標(X,Y)においてオブジェクトが配置される空間であり、3次元空間とは、例えば3次元座標(X,Y,Z)においてオブジェクトが配置される空間である。
【0118】
そして、オブジェクト空間を2次元空間とした場合には、複数のオブジェクトそれぞれについて設定された優先順位に基づいてオブジェクトを配置する。例えば、奥側にあるように見せたいオブジェクト(スプライト)から順にオブジェクトを配置し、手前側にあるように見せたいオブジェクトを重ねて配置する処理を行うことができる。
【0119】
また、描画サイズが大きなオブジェクトを画像の下方に配置し、描画サイズが小さなオブジェクトを画像の上方に配置すれば、画面の上方に対応するオブジェクト空間が奥側にあるように見せることができ、画面の下方に対応するオブジェクト空間が手前側にあるように見せることができる。
【0120】
また、オブジェクト空間を3次元空間とした場合には、ワールド座標系にオブジェクトを配置する。
【0121】
入力受付処理部105は、各端末装置20によって入力されたそれぞれのプレーヤの入力指示を受け付けるとともに、受け付けた入力指示をゲーム演算部106に出力する。
【0122】
ゲーム演算部106は、オブジェクト空間内における移動体オブジェクト(特に、プレーヤキャラクタや敵キャラクタなどのキャラクタオブジェクト)等の操作対象のキャラクタオブジェクトの移動演算を行う。
【0123】
すなわち、ゲーム演算部106は、端末装置20によりプレーヤが入力した入力データ又はプログラム(移動アルゴリズム)や各種データ(モーションデータ)などに基づいて、移動体オブジェクトをオブジェクト空間内で移動させ、又は、移動体オブジェクトの動作(モーション、アニメーション)を制御するための処理を行う。
【0124】
仮想カメラ制御部107は、プレーヤ毎に、所与の視点から見えるゲーム空間の画像であって、奥行きがあるように見える画像を生成する。
【0125】
そして、仮想カメラ制御部107が、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点)の制御処理を行う。具体的には、仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)を制御する処理(視点位置や視線方向を制御する処理)を行う。
【0126】
例えば、仮想カメラによりオブジェクト(例えば、キャラクタ、ボール、車)を後方から撮影する場合には、オブジェクトの位置又は回転の変化に仮想カメラが追従するように、仮想カメラの位置又は回転角度(仮想カメラの向き)を制御する。
【0127】
この場合には、ゲーム演算部106で得られたオブジェクトの位置、回転角度又は速度などの情報に基づいて、各仮想カメラを制御できる。或いは、各仮想カメラを、予め決められた回転角度で回転させたり、予め決められた移動経路で移動させる制御を行ってもよ
い。また、この場合には、各仮想カメラの位置(移動経路)又は回転角度を特定するための仮想カメラデータに基づいて各仮想カメラを制御する。
【0128】
なお、各仮想カメラをそれぞれ各プレーヤが操作する操作対象のプレーヤキャラクタの視点として設定してもよい。
【0129】
画像生成部108は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、各端末装置20の表示部(ディスプレイ)で表示可能なデータを生成する。
【0130】
画像生成部108が生成する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、いわゆる3次元画像であってもよい。特に、画像生成部108は、オブジェクト空間における各仮想カメラから見える画像であって、画面上に表示する画像を生成する。
【0131】
ここで2次元画像を生成する場合には、画像生成部108は、設定された優先度が低いオブジェクトから順に描画して、オブジェクト同士が重なる場合には、優先度の高いオブジェクトを上書きして描画する。
【0132】
また、3次元画像を生成する場合には、本実施形態の画像生成部108は、まずオブジェクト(モデル)の各頂点の頂点データ(頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)を含むオブジェクトデータ(モデルデータ)が入力され、入力されたオブジェクトデータに含まれる頂点データに基づいて、頂点処理が行われる。なお、頂点処理を行うに際して、必要に応じてポリゴンを再分割するための頂点生成処理(テッセレーション、曲面分割、ポリゴン分割)を行うようにしてもよい。
【0133】
また、頂点処理では、頂点の移動処理や、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、透視変換、あるいは光源処理等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、オブジェクトを構成する頂点群について与えられた頂点データを変更(更新、調整)する。そして、頂点処理後の頂点データに基づいてラスタライズ(走査変換)が行われ、ポリゴン(プリミティブ)の面とピクセルとが対応づけられる。そしてラスタライズに続いて、画像を構成するピクセル(表示画面を構成するフラグメント)を描画するピクセル処理(フラグメント処理)が行われる。
【0134】
ピクセル処理では、テクスチャの読出し(テクスチャマッピング)、色データの設定/変更、半透明合成、アンチエイリアス等の各種処理を行って、画像を構成するピクセルの最終的な描画色を決定し、透視変換されたオブジェクトの描画色を画像バッファ272(フレームバッファ、ピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ。VRAM、レンダリングターゲット)に出力(描画)する。すなわち、ピクセル処理では、画像情報(色、法線、輝度、α値等)をピクセル単位で設定あるいは変更するパーピクセル処理を行う。
【0135】
これにより、オブジェクト空間内に設定された仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラから見える画像を分割画像として1画面に表示できるように画像を生成することができる。
【0136】
なお、画像生成部108が行う頂点処理やピクセル処理は、シェーディング言語によって記述されたシェーダプログラムによって、ポリゴン(プリミティブ)の描画処理をプログラム可能にするハードウェア、いわゆるプログラマブルシェーダ(頂点シェーダやピクセルシェーダ)により実現されてもよい。プログラマブルシェーダでは、頂点単位の処理やピクセル単位の処理がプログラム可能になることで描画処理内容の自由度が高く、ハー
ドウェアによる固定的な描画処理に比べて表現力を大幅に向上させることができる。
【0137】
効果音生成処理部109は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成する。
【0138】
特に、効果音生成処理部109は、仮想空間内に音響制御用仮想オブジェクトが設定された場合に、配置された音源情報対応オブジェクと当該音響制御用仮想オブジェクトとの仮想空間内における位置関係に応じて、当該音源情報対応オブジェクトに対応付けられている音源情報の音源に対して、音響処理を実行し、ゲーム音を生成する。
【0139】
タイマ管理部110は、タイマ機能を有し、ゲームの進行状況を管理するために用いる。特に、タイマ管理部110は、ゲーム管理部103及びゲーム演算部106と連動し、現在時刻や予め設定された時刻を各部に出力する。また、タイマ管理部110は、各端末装置と同期を取るために用いられる。
【0140】
情報提供部111は、端末装置20によってゲームを処理させるため各種のゲーム情報を生成して該当する端末装置20に提供する。
【0141】
具体的には、情報提供部111は、各プレーヤの対象プレーヤキャラクタを該当する端末装置20によって制御するための情報(すなわち、ゲーム情報)を生成し、生成したゲーム情報を該当する端末装置20を介してプレーヤに提供する。
【0142】
特に、情報提供部111は、生成されたゲーム音をゲーム情報としてゲーム画像とともに該当する端末装置20に出力する出力制御処理を実行する。
【0143】
[3]端末装置
次に、
図3を用いて本実施形態の端末装置20について説明する。なお、
図3は、本実施形態における端末装置の構成を示す機能ブロック図の一例である。また、本実施形態の端末装置20は
図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0144】
入力部260は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、その機能は、タッチパネル又はタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。すなわち、入力部260は、画像が表示される画面上における2次元の指示位置座標(x,y)を検出可能な検出部262を備えている。例えば、入力部260は、接触検出領域(タッチパネル)における、2次元の接触位置座標(x,y)を検出可能な検出部262を備えている。
【0145】
なお、表示画面(以下、特別な場合を除き「タッチパネル」という。)12への接触操作は、指先を用いて行うようにしてもよいし、タッチペンなどの入力機器を用いて行うようにしてもよい。
【0146】
また、入力部260は、指示位置以外の操作情報(操作信号)を入力可能なボタンやレバー、キーボード、ステアリング、マイク、加速度センサなどを備えていてもよい。
【0147】
記憶部270は、処理部200や通信部296などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。そして、本実施形態の記憶部270は、ワーク領域として使用される主記憶部271と、最終的な表示画像等が記憶される画像バッファ272と、を含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよいし、サーバ装置10の記憶部140がその一部を構成してもよい。
【0148】
情報記憶媒体280(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデー
タなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0149】
また、情報記憶媒体280には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。なお、処理部200は、後述するように、情報記憶媒体280に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。
【0150】
表示部290は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。
【0151】
特に、本実施形態では表示部290は、タッチパネルディスプレイを用いることによりプレーヤがゲーム操作を行う入力部260としても機能する。ここでタッチパネルとして、例えば抵抗膜方式(4線式、5線式)、静電容量方式、電磁誘導方式、超音波表面弾性波方式、赤外線走査方式などのタッチパネルを用いることができる。
【0152】
音出力部292は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0153】
通信部296は、外部(例えばホスト装置や他の端末装置)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0154】
なお、端末装置20は、サーバ装置10が有する情報記憶媒体や記憶部270に記憶されている本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムやデータを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを情報記憶媒体280や記憶部270に記憶してもよい。このようにプログラムやデータを受信して端末装置20を機能させる場合も本発明の範囲内に含めることができる。
【0155】
処理部200(プロセッサ)は、入力部260からの入力データやプログラムなどに基づいて、サーバ装置10と連動して、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。
【0156】
特に、本実施形態においては、ゲーム処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、プレーヤオブジェクト、敵オブジェクトなどのオブジェクトを配置する処理、オブジェクトを表示する処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などが含まれる。
【0157】
また、処理部200は、記憶部270をワーク領域として各種処理を行う。処理部200の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0158】
特に、本実施形態の処理部200は、入力受付部201と、ゲーム処理部202と、Webブラウザ211と、描画部220と、音処理部230とを含む。また、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0159】
入力受付部201は、入力部260によって入力されたプレーヤの入力指示を受け付け
るとともに、受け付けた入力指示を、ゲーム処理部202の制御の下、サーバ装置10に提供する。
【0160】
ゲーム処理部202は、入力受付部201によって受け付けたコマンドをサーバ装置10に提供する。
【0161】
また、ゲーム処理部202は、サーバ装置10から提供されたゲームデータ、表示制御データ及び効果音制御データを受信し、当該受信したゲームデータ、表示制御データ、又は、効果音制御データに基づいて、入力受付部201、描画部220及び音処理部230を制御する。
【0162】
さらに、ゲーム処理部202は、入力部260を介して入力されたプレーヤの操作に基づいて、各プレーヤにおいて対戦ゲーム等のゲームに使用するプレーヤキャラクタ及び各種のアイテムを設定し、サーバ装置10に提供する。
【0163】
Webブラウザ211は、Webページ(ゲーム画面やゲーム実況プレイ画面)を閲覧するためのアプリケーションプログラムであって、Webサーバ(サーバ装置10)から、HTMLファイルや画像ファイル等をダウンロードし、レイアウトを解析して表示制御する。また、Webブラウザ211は、入力フォーム(リンクやボタンやテキストボックス等)を用いてデータをWebサーバ(サーバ装置10)に送信する。
【0164】
本実施形態のWebブラウザ211は、ブラウザゲーム、又は、ゲーム実況の視聴を実現することができる。例えば、Webブラウザ211は、Webサーバから受信したJavaScript(登録商標)、FLASH(登録商標)、Java(登録商標)等で記述されたプログラムを実行するものであってもよい。
【0165】
端末装置20は、Webブラウザ211によって、インターネットを介してURLによって指定されたWebサーバからの情報を表示させることができる。例えば、端末装置20は、サーバ装置10から受信したゲーム画面(HTML等のデータ)をWebブラウザ211によって表示させることができる。
【0166】
描画部220は、処理部200で行われる種々の処理(ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部(ディスプレイ)290に出力する。
【0167】
音処理部230は、処理部200で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部292に出力する。
【0168】
[4]本実施形態の手法
[4.1]概要
次に、
図4を用いて本実施形態のサーバ装置10によって実行される音響制御用仮想オブジェクトの仮想空間内の設定(配置)に伴う効果音制御処理の概要について説明する。
【0169】
なお、
図4は、本実施形態のサーバ装置10によって実行される音響制御用仮想オブジェクトの仮想空間内の設定(配置)に伴う効果音制御処理を説明するための図である。
【0170】
本実施形態のサーバ装置10は、複数のプレーヤによって同一のゲーム空間において、RPG、戦闘ゲーム、シューティングゲーム、シミュレーションゲーム、対戦ゲーム及び街づくりゲームなどの所与のゲームを実行させるための構成を有している。
【0171】
そして、本実施形態のサーバ装置10は、複数のプレーヤによってそれぞれ操作される
複数のプレーヤキャラクタが行動可能なゲーム空間において、所与のゲームを実行させるための構成を有している。
【0172】
特に、本実施形態のサーバ装置10は、炎、爆弾又はプレーヤキャラクタによって使用される武器(機関銃又は剣)などの、音源を有するオブジェクト(音源情報対応オブジェクト)から当該音源に関する効果音を出力する構成を有している。
【0173】
また、本実施形態のサーバ装置10は、
(A1)音源の数や音源を構成する音成分が多くなった場合、
(A2)遅延が長い若しくはレベルが大きい残響音が発生した場合、又は、
(A3)仮想カメラの配置位置などの効果音の生成の基準となる位置から遠い位置で音量の大きな音が発生した場合など、音響処理の対象となる音源が多く存在する場合に、又は、音響処理が複雑化した場合に、
例えば、ゲームイベントの数、プレーヤの数又はゲーム進度などのゲーム状況に応じて、音響制御用仮想オブジェクトを設定することによって、音源や音成分の所与パート若しくは再生内容の一部を除去し、又は、低減させる、構成を有している。
【0174】
すなわち、本実施形態のサーバ装置10は、不必要な音源などの音響処理の対象から除外すべき音源がある場合に、又は、効果音を生成する際の音響処理が煩雑になった場合に、音響制御用仮想オブジェクトを仮想空間内の適切な位置に配置させ、当該配置された音響制御用仮想オブジェクトに基づく音響処理を実行する構成を有している。
【0175】
具体的には、本実施形態のサーバ装置10は、
図4に示すように、
(B1)仮想空間に、音源情報が対応付けられた所与の音源情報対応オブジェクトを配置するオブジェクト配置処理、
(B2)ゲーム状況を検出するゲーム状況検出処理、
(B3)仮想空間内に設定される領域であって、検出されたゲーム状況に応じて、音源情報の音源に起因する効果音に対して所与の音響処理を実行するための特別領域として機能する音響制御用仮想オブジェクトを設定する音響制御用仮想オブジェクト設定処理、
(B4)仮想空間に音響制御用仮想オブジェクトが設定された場合に、配置された音源情報対応オブジェクトと所与の関係性に応じて、当該音源情報対応オブジェクトに対応付けられている音源情報の音源に対して、当該音響制御用仮想オブジェクトにおける音響処理を実行し、効果音を生成する効果音生成処理、
及び、
(B5)生成された効果音(具体的には、効果音制御データ)をプレーヤに提供する提供処理、
を実行する構成を有している。
【0176】
そして、本実施形態のサーバ装置10は、仮想空間内に仮想カメラ又はプレーヤキャラクタの配置位置(以下、「基準位置」という。)を設定し、かつ、当該基準位置から所定の位置範囲内における仮想空間に配置されたオブジェクトに関する情報(以下、「オブジェクト配置関連情報」という。)をゲーム状況として検出し、検出したオブジェクト配置関連情報に基づいて、音響制御用仮想オブジェクトを設定する、構成を有している。
【0177】
なお、
図4には、プレーヤキャラクタP1と敵キャラクタEOとが対戦している場合であって、爆音付きの炎オブジェクトOBが多数配置されつつ、一部の炎オブジェクトOBとプレーヤキャラクタP1の配置位置(基準位置)との間に効果音を遮断する音響制御用仮想オブジェクトが配置された例が示されている。
【0178】
特に、
図4には、プレーヤキャラクタP1の背後にある炎オブジェクトOBの効果音を
遮断するための音響制御用仮想オブジェクトが、当該炎オブジェクトOBと、基準位置と、の間に配置されている例が示されている。
【0179】
このような構成を有することによって、本実施形態のサーバ装置10は、音響処理の対象となる音源が多く存在する場合に、又は、音響処理が複雑化した場合に、音響制御用仮想オブジェクトを設定することによって、音源や音成分の所与パート若しくは再生内容の一部を除去し、又は、低減させることができるようになっている。
【0180】
そして、本実施形態のサーバ装置10は、音響処理の対象となる音又は音成分を絞ることによって、効果音として出力する際の音響処理全体の負荷を大幅に削減することができるようになっている。
【0181】
[4.2]各種の特殊なオブジェクト
次に、本実施形態の特殊なオブジェクトとして音源情報対応オブジェクト及び音響制御用仮想オブジェクトについて説明する。
【0182】
(音源情報対応オブジェクト)
音源情報対応オブジェクトは、ゲーム空間に配置されるオブジェクトの一種であって、パーティクル画像の演出効果を有し、動きのある複数の粒子から構成されたパーティクルオブジェクト、及び、乗り物(例えば、船や自動車)又は武器(例えば、機関銃、手榴弾や対応)などの自ら音(すなわち、効果音)を発するオブジェクトである。
【0183】
特に、音源情報対応オブジェクトは、予め音源が規定された音源情報に対応付けて記憶されており、仮想空間に配置された場合に、所与のタイミングに、音源情報に規定された効果音を再生する。
【0184】
(音響制御用仮想オブジェクト)
音響制御用仮想オブジェクトは、音源情報対応オブジェクトと同様に、仮想空間内に配置されるオブジェクトの一種であって、例えば、仮想空間内で発生している不必要な効果音、又は、不必要な効果音の成分を、小さくするため、又は、除去するためのオブジェクトである。
【0185】
特に、音響制御用仮想オブジェクトは、音源情報対応オブジェクトから効果音としての音又は音成分が出力された場合において、当該音響制御用仮想オブジェクトを通過する効果音の一部又はその一部の成分に対して、当該音響制御用仮想オブジェクトに規定された音響処理を実行するオブジェクトである。
【0186】
例えば、音響制御用仮想オブジェクトは、効果音又は当該効果音の一部の成分を透過しない透明(画像化されない)な静的なオブジェクトである。ただし、音響制御用仮想オブジェクトは、施設オブジェクトなどの画像化されるオブジェクトであってもよいし、音源が移動する場合には、動的なオブジェクトであってもよい。
【0187】
また、音響制御用仮想オブジェクトは、例えば、音響処理を行う仮想空間上の範囲が異なるサイズ若しくは異なる形状、音響処理を実行する際に用いるパラメータ(以下、「音響パラメータ」という。)、又は、その双方を有している。
【0188】
すなわち、音響制御用仮想オブジェクトは、サイズ、形状、音響パラメータ又はこれらの組み合わせが異なることによって、異なる音響処理を実行させる機能を有している。
【0189】
[4.3]オブジェクト配置処理
次に、本実施形態のサーバ装置10によって実行される音源情報対応オブジェクトを配置するためのオブジェクト配置処理について説明する。
【0190】
オブジェクト配置制御部104は、他の動的オブジェクト及び静的オブジェクトと同様に、オブジェクト空間に、効果音を発生させるための音源情報が規定されているオブジェクト、又は、効果音を反響させ、若しくは、当該音を吸収するオブジェクトを、音源情報対応オブジェクトとして、設定する。
【0191】
特に、オブジェクト配置制御部104は、音源情報対応オブジェクトとして、効果音を発生させるための音源情報が規定されているオブジェクト、又は、効果音を反響させ、若しくは、当該効果音を吸収するオブジェクト(効果音を吸収する表面を有するオブジェクト)を配置する。
【0192】
具体的には、オブジェクト配置制御部104は、例えば、効果音を発するオブジェクト(爆弾又は飛行機や自動車などの乗り物)など、オブジェクト音源情報記憶部148に記憶されているオブジェクト音源情報に対応付けられている音源情報対応オブジェクトをオブジェクト空間に設定する。
【0193】
[4.4]ゲーム状況検出処理(オブジェクト配置関連情報検出処理)
次に、本実施形態のサーバ装置10によって実行されるゲーム状況検出処理について説明する。
【0194】
ゲーム管理部103は、プレーヤ毎に、又は、ゲーム全体として実行される所与のゲームイベントの開始時などの予め定められたタイミングに、ゲーム状況を検出するゲーム状況検出処理を実行する。
【0195】
また、ゲーム管理部103は、ゲーム状況として、音源情報対応オブジェクトの配置状況を含む、仮想空間に仮想カメラが配置された位置又はプレーヤキャラクタが配置された位置(すなわち、基準位置)から所定の位置範囲内における仮想空間に配置されたオブジェクトに関するオブジェクト配置関連情報を検出する処理(以下、「オブジェクト配置関連情報検出処理」という。)を実行する。
【0196】
具体的には、ゲーム管理部103は、仮想空間における基準位置を基準とした前後左右方向及び上下方向などに延伸し、画像化されている範囲、山又は壁などの特定のオブジェクトに囲われている範囲、又は、仮想空間における所定の距離で規定された範囲を、所定の範囲内として検出する。
【0197】
また、ゲーム管理部103は、オブジェクト配置関連情報としては、
(A1)基準位置から所与の範囲内の音源情報対応オブジェクトの配置状況の情報、
(A2)音源情報対応オブジェクトに対応付けられている音源の種別(例えば、残響音及びその特徴(残響音の遅延時間や音量)又はオブジェクトの音響効果に影響を与える表面の凹凸に基づく音響効果)の情報、
(A3)当該音源情報対応オブジェクトにおけるプレーヤキャラクタとの関係性の情報、及び、
(A4)周囲の気象状況又は他の音源情報対応オブジェクトとの関係を含む、周囲の音場の種別の情報、
を検出する。
【0198】
特に、ゲーム管理部103は、音源情報対応オブジェクトの配置状況としては、例えば、
(A1-1)音源情報対応オブジェクトの位置、
(A1-2)プレーヤキャラクタ又は仮想カメラなどの基準位置から当該音源情報対応オブジェクトまでの距離(深度)、
(A1-3)当該基準位置から当該音源情報対応オブジェクトが配置されている方向、及び、
(A1-4)密集度などの周囲に配置される、又は、既に配置された他の音源情報対応オブジェクトの位置、数、種別、又は、その組み合わせ、
を検出する。
【0199】
一方、ゲーム管理部103は、オブジェクト配置関連情報検出処理としては、仮想カメラのゲーム空間内の配置位置を基準位置とし、当該仮想カメラの配置位置から、当該仮想カメラの見える範囲の地形又は遮蔽物などを構成する各種のオブジェクトの種別及び特性を認識しつつ、当該オブジェクトまでの深度を計測する。
【0200】
このとき、ゲーム管理部103は、視点を上下左右に振ることによって(例えば、360度回転させることによって)、仮想カメラの位置を基準とした周囲に配置された各種のオブジェクトまでの深度を計測する。
【0201】
そして、ゲーム管理部103は、各オブジェクトまでの深度を計測する過程で、各種のオブジェクトの種別及び特性などの各種の情報を取得する。
【0202】
具体的には、本実施形態のゲーム管理部103は、オブジェクト配置関連情報検出処理としては、一方の参照点(すなわち、仮想カメラの視点としての位置)からもう一方の参照点(すなわち、オブジェクトの配置位置)に向かって仮想の光線を出力し、当該光線と交わるオブジェクトが存在するか否かを調べ、ゲーム空間におけるオブジェクト同士の位置関係及びその属性を調べるレイキャスト処理を実行する。
【0203】
なお、オブジェクト配置関連情報検出処理の基準位置としては、仮想カメラの配置位置を用いたが、仮想カメラの配置位置に代えて、プレーヤキャラクタの位置、プレーヤキャラクタに関連する位置、又は、複数のプレーヤキャラクタが配置されている場合には、その中心位置などであってもよい。
【0204】
他方、ゲーム管理部103は、ゲーム状況として、上記の他に、
(B1)クリアした又は挑戦中のゲームステージ、
(B2)プレーヤキャラクタが有している武器などの装備の種類、
(B3)プレーヤキャラクタ又は敵キャラクタのレベル、
(B4)プレーヤキャラクタ又は敵キャラクタが有する能力又は当該能力のレベル、
(B5)タスクのクリア状況、
(B6)個人又はチームのゲームスコア、及び、
(B7)ゲームイベントの状況、
などを検出してもよい。
【0205】
例えば、ゲームイベントとしては、
(C1)敵キャラクタと戦うイベント、
(C2)所定エリアを探索するイベント、
(C3)敵キャラクタなどが登場(誕生)するイベント、
(C4)戦闘に勝利した若しくは敗退した際のイベント、
(C5)タスクを達成したときに実行されるイベント、
(C6)キャラクタと壁などの配置オブジェクトとが衝突するイベント、
(C7)天候が変化するイベント、又は、
(C8)ミニゲームを実行するイベント、
が含まれる。
【0206】
[4.5]音響制御用仮想オブジェクト設定処理
次に、
図5~
図7を用いて本実施形態のサーバ装置10によって実行される音響制御用仮想オブジェクトを配置するための音響制御用仮想オブジェクト設定処理について説明する。
【0207】
なお、
図5~
図7は、本実施形態のサーバ装置10によって実行される音響制御用仮想オブジェクトを配置するための音響制御用仮想オブジェクト設定処理について説明するための図である。
【0208】
(基本原理)
オブジェクト配置制御部104は、仮想空間内に、上記のようにオブジェクト配置関連情報検出処理などのゲーム検出処理によって検出されたゲーム状況に応じて、音源情報対応オブジェクトの音源情報の音源に起因する効果音に対して、所与の音響処理を実行するための音響制御用仮想オブジェクトを設定する。
【0209】
すなわち、オブジェクト配置制御部104は、音源情報対応オブジェクトの位置(音源)から発生した効果音だけでなく、音源情報対応オブジェクトから発生し、かつ、山などの反響を生じさせるオブジェクトなどによって反射された残響音などの効果音に対して、所与の音響処理を行う音響制御用仮想オブジェクトを設定する。
【0210】
具体的には、オブジェクト配置制御部104は、ゲーム状況として検出したオブジェクト配置関連情報に基づいて、音響制御用仮想オブジェクトを設定する。
【0211】
特に、オブジェクト配置制御部104は、ゲーム状況として検出したオブジェクト配置関連情報に基づいて、音響制御用仮想オブジェクトの仮想空間内の位置を決定する。
【0212】
また、オブジェクト配置制御部104は、音源情報対応オブジェクトの音源情報の音源に起因する効果音に対して、適用する音響処理の種別が異なる複数の選択可能な音響制御用仮想オブジェクトの中から、検出されたゲーム状況に応じて、少なくとも1の音響制御用仮想オブジェクトを設定する。
【0213】
(オブジェクト配置関連情報に基づく音響制御用仮想オブジェクトの設定)
オブジェクト配置制御部104は、オブジェクト配置関連情報として、基準位置の周囲に、音響処理の対象から除外すべき音源情報対応オブジェクトが配置されていることを検出した場合には、例えば、基準位置と、当該音源情報対応オブジェクトが配置された位置(音源情報対応オブジェクトの位置)と、の間に、音又は音の一部の成分を遮断する音響制御用仮想オブジェクトを設定する。
【0214】
例えば、
図5に示すように、自プレーヤキャラクタP1と他のプレーヤキャラクタP2とがそれぞれ同一種別の敵キャラクタEOと近接したエリアで対戦しており、かつ、他のプレーヤキャラクタP2の対戦によって生じる効果音が自プレーヤキャラクタP1の対戦に害を及ぼす場合を想定する。
【0215】
この場合には、オブジェクト配置制御部104は、
図5に示すように、自プレーヤキャラクタP1と他のプレーヤキャラクタP2が敵キャラクタEOと対戦しているエリアとの間に、他のプレーヤキャラクタP2の対戦によってオブジェクトOBを音源として発生する効果音を遮断する音響制御用仮想オブジェクトを設定する。
【0216】
また、オブジェクト配置制御部104は、オブジェクト配置関連情報として、基準位置の近傍に、基準位置の周囲に音響処理を複雑化する音源があることを取得した場合には、その音源情報対応オブジェクトと基準位置との間に、当該音源における効果音を簡素化するための音響制御用仮想オブジェクトを設定する。
【0217】
例えば、
図6に示すように、自プレーヤキャラクタP1が倉庫などの暗い建物の空間に存在し、敵キャラクタ(図示せず)と対戦する場合であって、そのままの状態(すなわち、初期設定)では反射音が大きくなるとともに、残響音の音量が大きく、かつ、その遅延時間も長くなり、効果音が複雑化して聴取に問題が発生する場合を想定する。
【0218】
この場合において、オブジェクト配置制御部104は、
図6に示すように、自プレーヤキャラクタP1の周囲(具体的には空間を構成するオブジェクトとの間であって
図6の場合には、プレーヤキャラクタP1の背後)に、高次反射音(例えば、3次反射音以降)の音成分を削除し、直接音及び1次反射音のみ透過する音響処理を実行する音響制御用仮想オブジェクトを設定する。
【0219】
(複数の音響制御用仮想オブジェクトの中からの選択)
オブジェクト配置制御部104は、
(A1)形状(すなわち、仮想空間における外形状)が異なるオブジェクト、
(A2)サイズが異なるオブジェクト、又は、
(A3)音源情報の音源に起因する効果音に対して適用する音響処理が異なる音響パラメータが異なる規定されているオブジェクト、
など、複数の選択可能な音響制御用仮想オブジェクトの中から、適した音響制御用仮想オブジェクトを設定する。
【0220】
すなわち、オブジェクト配置制御部104は、音響処理の対象となる音源の位置(音源情報対応オブジェクトの位置)、距離若しくは範囲、又は、残響音の特徴(遅延時間若しくは音量)などに応じて、領域サイズ、領域形状、又は、提供すべき音響処理の種別を特定する。
【0221】
そして、オブジェクト配置制御部104は、特定した種別の音響制御用仮想オブジェクトを選択する構成を有している。
【0222】
特に、本実施形態の音響パラメータとしては、例えば、音量の制御又はフィルタ処理(一部の音成分の除去又は低減)を行うための音成分の振幅を制御するためのパラメータ、及び、残響の付加又は除去を行うためなどの音の吸収率又は反射率を規定するパラメータなどが含まれる。
【0223】
例えば、オブジェクト配置制御部104は、音源情報対応オブジェクトOB1が大きいサイズの場合には、
図7に示すように、当該音源情報対応オブジェクトOB1を覆う大きさを有する音響制御用仮想オブジェクトAO1であって、当該音源情報対応オブジェクトOBの音源から発生した効果音を除去する音響パラメータを有する音響制御用仮想オブジェクトAO1を、プレーヤキャラクタP1と音源情報対応オブジェクトOB1の間に設定する。
【0224】
一方、オブジェクト配置制御部104は、音源情報対応オブジェクトOB2が小さいサイズの場合には、
図7に示すように、当該音源情報対応オブジェクトOB2を覆う大きさを有する音響制御用仮想オブジェクトAO2であって、当該音源情報対応オブジェクトOB2の音源から発生した効果音を除去する音響パラメータを有する音響制御用仮想オブジ
ェクトAO2を、プレーヤキャラクタP1と音源情報対応オブジェクトOB2の間に設定する。
【0225】
(音響シミュレーションに基づく音響制御用仮想オブジェクトの設定)
オブジェクト配置制御部104は、ゲーム状況として検出したオブジェクト配置関連情報に基づいて、基準位置を基準として生成すべき効果音の音響シミュレーションを実行し、当該音響シミュレーションによって所与の条件を具備した場合には、音響制御用仮想オブジェクトを設定してもよい。
【0226】
すなわち、オブジェクト配置制御部104は、音源情報対応オブジェクトの配置のみでは不必要な音源の対象から除外すべき又は低減すべき音源の有無が不明な場合であっても、不必要な効果音の除去またはその音量の低減などの音響処理の簡素化を行う構成を有している。
【0227】
具体的には、オブジェクト配置制御部104は、音響シミュレーションとして、仮想空間内又は仮想空間の一部の空間におけるシミュレーションであって、ゲームの状況に基づいて、当該空間に存在する音又はその成分について解析するためのシミュレーションを実行する。
【0228】
また、オブジェクト配置制御部104は、基準位置を効果音の集音位置(プレーヤが聴取する位置)に設定し、音響シミュレーションを実行する。
【0229】
そして、オブジェクト配置制御部104は、例えば、音源情報の数が所定数以上であること、所定の時間経過後に所定の振幅以上の反響音成分があること、又は、CPUのパフォーマンスが所定値以上であることなど処理負荷が所定の基準を具備しことを、所与の条件として、効果音の除外や低減を行う音響制御用仮想オブジェクトを適した位置に設定する。
【0230】
[4.6]効果音生成処理
次に、本実施形態のサーバ装置10によって実行される効果音生成処理について説明する。
【0231】
効果音生成処理部109は、上記のように仮想空間に音響制御用仮想オブジェクトが設定された場合に、音源情報対応オブジェクトに対応付けられた音源情報の音源に起因する効果音に対して、音響制御用仮想オブジェクトにおける音響処理を実行し、効果音を生成する効果音生成処理を実行する。
【0232】
特に、効果音生成処理部109は、配置された音源情報対応オブジェクトと音響制御用仮想オブジェクトとの仮想空間内の位置関係に応じて、又は、音源情報対応オブジェクトが高音域の音源を有する属性であって音響制御用仮想オブジェクトが高音域をカットする属性を有するなどのこれらの属性の関係に応じて、音響制御用仮想オブジェクトにおける音響処理を実行し、効果音を生成する効果音生成処理を実行する。
【0233】
そして、効果音生成処理部109は、音響処理としては、音響制御用仮想オブジェクトの形状、サイズ及び音響パラメータに基づいて、実行する。
【0234】
具体的には、効果音生成処理部109は、上述のように、サイズ又は形状に基づく音響制御用仮想オブジェクトによって音源から発生した効果音が遮られた部分については、当該音響制御用仮想オブジェクトに規定された音響パラメータに基づく音響処理を実行し、当該範囲外に伝搬された効果音については、音響処理を実行しない。
【0235】
[4.7]提供処理
次に、本実施形態の効果音の提供処理について説明する。
【0236】
情報提供部111は、端末装置20によってゲームを処理させるため各種のゲーム情報(ゲーム進行に関する情報)を生成して該当する端末装置20に提供する。
【0237】
すなわち、情報提供部111は、ゲーム中に、ゲームの制御及び画像に関する各種のゲーム情報とともに、該当する端末装置20に、効果音を出力するための効果音制御データを該当する端末装置20に提供する。
【0238】
特に、情報提供部111は、各端末装置20において出力する効果音がプレーヤ毎に設定されている場合には、各端末装置20にそれぞれ対応する効果音出力データを提供する。
【0239】
なお、端末装置20は、効果音出力制御データを受信すると、当該効果音出力制御データに基づいて、効果音を出力する。
【0240】
[5]本実施形態における動作(効果音制御処理)
次に、
図8を用いて本実施形態のサーバ装置10によって実行される音響制御用仮想オブジェクトの仮想空間内の設定(配置)に伴う効果音制御処理の動作について説明する。
【0241】
なお、
図8は、本実施形態のサーバ装置10によって実行される音響制御用仮想オブジェクトの仮想空間内の設定(配置)に伴う効果音制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0242】
本動作は、所与のゲームが開始されている状態であって、所与のゲームイベントの開始指示を受け付けた際の動作であって、プレーヤ毎に実行される動作である。
【0243】
なお、本動作は、地形を含む物体オブジェクト、及び、プレーヤキャラクタを含むキャラクタオブジェクトなどのその他のオブジェクトについては、既に形成され、又は、別途形成するための処理が実行されているものとする。
【0244】
まず、ゲーム管理部103は、音源情報対応オブジェクトが仮想空間に設置されたことを検出すると(ステップS101)、仮想カメラの位置又はプレーヤキャラクタの位置などの基準位置に基づくオブジェクト配置関連情報などのゲーム状況を検出する(ステップS102)。
【0245】
次いで、オブジェクト配置制御部104は、検出されたゲーム状況に応じて、仮想空間に音響制御用仮想オブジェクトを配置する位置及び種別を決定し(ステップS103)、決定した種類の音響制御用仮想オブジェクトを該当する仮想空間内の位置に設定する(ステップS104)。
【0246】
次いで、効果音生成処理部109は、音源情報対応オブジェクトに対応付けられた音源情報の音源に起因する効果音の出力を開始すると(ステップS105)、当該効果音に対して、音響制御用仮想オブジェクトにおける音響処理を実行し、基準位置を基準とした効果音を生成する効果音生成処理の実行を開始する(ステップS106)。
【0247】
最後に、情報提供部111は、生成された効果音制御データを他のゲーム情報とともに、該当する端末装置20に提供する提供処理の実行を開始して(ステップS107)本動
作を終了させる。
【0248】
なお、効果音生成処理部109は、効果音生成処理の終了が指示されるまで効果音生成処理を実行し、情報提供部111は、提供処理の終了が指示されるまで提供処理を実行する。
【0249】
[6]変形例
[6.1]変形例1(音源オブジェクトの設定)
次に、
図9を用いて、本実施形態の変形例であって、音源オブジェクトを設定する場合の効果音制御処理について説明する。
【0250】
なお、
図9は、本実施形態の変形例であって、音源オブジェクトを設定する場合の効果音制御処理について説明するための図である。
【0251】
本変形例は、上記の実施形態において、音源対象オブジェクトの前記音源情報の音源に起因する効果音に対して、所与の音響処理を行うための音響制御用仮想オブジェクトを設定する点に代えて、当該効果音に対して音響処理された音を音源とする音源オブジェクトを設定する点に特徴がある。
【0252】
具体的には、本変形例のサーバ装置10は、
(A1)仮想空間に、音源情報が対応付けられた所与の音源情報対応オブジェクトを配置するオブジェクト配置処理、
(A2)ゲーム状況を検出するゲーム状況検出処理、
(A3)検出されたゲーム状況と、配置された音源対象オブジェクトに対応付けられている音源情報と、に基づいて、仮想空間内に、音源対象オブジェクトの音源情報の音源に起因する効果音に対して音響処理された音を音源とする音源オブジェクトを設定する音源オブジェクト設定処理、
(A4)仮想空間に設定された音源オブジェクトに基づいて、効果音を生成する効果音生成処理、及び、
(A5)生成された効果音をプレーヤに提供する提供処理、
を実行してもよい。
【0253】
特に、この場合には、サーバ装置10は、本実施形態と同様に、仮想空間内に仮想カメラ又はプレーヤキャラクタの配置位置である基準位置を設定し、かつ、仮想空間内において、当該基準位置から所定の位置範囲内における仮想空間に配置されたオブジェクトに関するオブジェクト配置関連情報をゲーム状況として検出し、検出したオブジェクト配置関連情報に基づいて、音響制御用仮想オブジェクトを設定する、構成を有している。
【0254】
具体的には、本変形例のオブジェクト配置制御部104は、
図9に示すように、音響制御用仮想オブジェクトとして、オブジェクトが形成された空間的な範囲内に伝搬された効果音に対して所与の音響処理を行うオブジェクトに代えて、音源対象オブジェクトの音源情報の音源に起因する効果音に対して音響処理された音を音源とする音源オブジェクトを所定の位置に配置する。
【0255】
なお、
図9には、壁オブジェクトである音源情報対応オブジェクトが音源情報を有さない音源情報無しオブジェクトになり、音響制御用仮想オブジェクトに代えて音源オブジェクトが配置されている例を示す図である。
【0256】
[6.2]変形例2(大規模多人数同時参加型オンライン(MMO)の場合)
次に、本実施形態の変形例であって、大規模多人数同時参加型オンライン(MMO)の
場合の効果音制御処理について説明する。
【0257】
本変形例のサーバ装置10は、
(A1)仮想空間に各プレーヤに対応するプレーヤキャラクタを配置し、
(A2)仮想空間を画像化するために用いる仮想カメラを当該仮想空間内に配置し、
(A3)配置されたプレーヤキャラクタの仮想空間内の位置、当該キャラクタの数、前記配置された仮想カメラの仮想空間内の位置、及び、当該仮想カメラの数のうち、少なくともいずれか1の要素に基づいて、配置する音響制御用仮想オブジェクトの種別、仮想空間内の当該音響制御用仮想オブジェクトの配置位置、及び、当該音響制御用仮想オブジェクトの数の少なくともいずれか1の要素を決定する、
構成を有している。
【0258】
すなわち、本変形例のサーバ装置10は、プレーヤ毎に、仮想カメラを割り当てつつ、該当するプレーヤキャラクタ又は仮想カメラを基準に、音響制御用仮想オブジェクトを設定し、各プレーヤに対して効果音生成処理を個別に実行する構成を有している。
【0259】
[6.3]変形例3(移動キャラクタに基づく音響制御用仮想オブジェクトの設定)
次に、
図10を用いて、本実施形態の変形例であって、移動キャラクタに基づく音響制御用仮想オブジェクト設定について説明する。
【0260】
なお、
図10は、本実施形態の変形例であって、移動キャラクタに基づく音響制御用仮想オブジェクト設定について説明するための図である。
【0261】
本変形例のオブジェクト配置制御部104は、検出されたゲーム状況とともに仮想空間内を移動するプレーヤキャラクタに応じて、既に配置されている音響制御用仮想オブジェクトの移動を制御する移動制御処理を実行する。
【0262】
例えば、オブジェクト配置制御部104は、
図10に示すように、例えば、プレーヤキャラクタPとしての自動車の側面に沿って、当該自動車の周囲に配置された複数の音源情報対応オブジェクト(炎)OBが配置されている場合において、当該自動車が移動した場合には、当該自動車とともに、既に配置されている音響制御用仮想オブジェクトを移動させる。
【0263】
特に、オブジェクト配置制御部104は、このような場合において、音源情報対応オブジェクトが固定されている場合には、自動車に対する音源情報対応オブジェクトの仮想空間内における相対的な位置関係の変化に応じて、既に配置されている音響制御用仮想オブジェクトを移動させもよいし、当該移動に加えて、又は、代えて、音響制御用仮想オブジェクトの形状、サイズ、又は、その双方を変化させてもよい。
【0264】
なお、この場合に、オブジェクト配置制御部104は、このような場合において、形状又はサイズに代えて、又は、加えて、音響パラメータを変更してもよい。
【0265】
例えば、オブジェクト配置制御部104は、基準位置と音源情報対応オブジェクトとの距離が離れれば、音響処理の対象となる音源の効果音について音量を小さくし、又は、高音域の周波数成分の振幅を小さくしてもよい。
【0266】
[6.4]変形例4(スタンドアローン)
次に、本実施形態の変形例であって、スタンドアローンのゲームシステムにおける効果音制御処理について説明する。
【0267】
本実施形態の効果音制御処理においては、端末装置20にゲームを提供するサーバ装置10によって実現されているが、サーバ装置10の機能を備えた単一のゲーム装置、すなわち、サーバ装置などの他の機器に依存せず単独で動作する装置(スタンドアローン)によって実現してもよい。
【0268】
この場合には、複数のプレーヤにゲームを興趣させるためには、複数の入力端末装置を用意すればよい。
【0269】
また、このようなスタンドアローン型の複数のゲーム装置を有線又は無線によって連結させ、1のゲーム装置がサーバ装置10として機能して、複数のゲーム装置によって実現することも可能である。
【0270】
また、本実施形態においては、ネットワークを通じて端末装置20と連動して実行するサーバ装置10に本実施形態のパーティクルオブジェクトの配置に伴う効果音制御処理を実行させているが、タブレット型情報端末装置やパーソナルコンピュータ、又は、アミューズメントパークに設置されるゲーム装置としても適用することも可能である。
【0271】
[7]その他
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0272】
本実施形態では、RPGのゲームの操作入力として説明しているが、対戦型ゲーム又はシミュレーションゲームなどの他のゲームにおいても用いることがきる。
【0273】
また、本実施形態は、一のサーバ装置10によって各ゲームを端末装置20に提供してもよいし、複数のサーバ装置10を連動させてサーバシステムを構築し、各ゲームを端末装置に提供してもよい。
【0274】
さらに、本実施形態においては、サーバ装置10によって提供されたゲームを端末装置20によって実行されているが、上記のサーバ装置10の処理部100の各機能及びゲームプログラムの実行を端末装置20で実行してもよい。
【0275】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0276】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0277】
S :ゲームシステム
10 :サーバ装置
20 :端末装置
100 :処理部
101 :通信制御部
102 :Web処理部
103 :ゲーム管理部
104 :オブジェクト配置制御部
105 :入力受付処理部
106 :ゲーム演算部
107 :仮想カメラ制御部
108 :画像生成部
109 :効果音生成処理部
110 :タイマ管理部
111 :情報提供部
120 :入力部
130 :表示部
140 :記憶部
142 :主記憶部
144 :ゲームデータ記憶部
146 :プレーヤ情報記憶部
148 :オブジェクト音源情報記憶部
180 :情報記憶媒体
196 :通信部
200 :処理部
201 :入力受付部
202 :ゲーム処理部
211 :Webブラウザ
214 :ゲーム制御部
220 :描画部
230 :音処理部
260 :入力部
262 :検出部
270 :記憶部
271 :主記憶部
272 :画像バッファ
280 :情報記憶媒体
290 :表示部
292 :音出力部
296 :通信部