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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052407
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】膜の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/26 20060101AFI20240404BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20240404BHJP
   B05D 1/36 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
B05D1/26 Z
B05D3/00 D
B05D1/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159102
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】國安 諭司
(72)【発明者】
【氏名】齋川 保
【テーマコード(参考)】
4D075
【Fターム(参考)】
4D075AA01
4D075AA02
4D075AA81
4D075AA83
4D075AA84
4D075AC02
4D075AC05
4D075AC80
4D075AC88
4D075AC91
4D075AC92
4D075AE03
4D075CA02
4D075CA22
4D075CA47
4D075CA48
4D075DA04
4D075DB06
4D075DC19
4D075EA05
4D075EA06
4D075EA10
4D075EB07
4D075EB12
4D075EB14
4D075EB22
4D075EB24
4D075EC01
4D075EC03
4D075EC07
4D075EC30
4D075EC33
(57)【要約】
【課題】下層表面に、1つ当たりの面積が1mm以下の島部が点在し、固着している膜を製造しうる、膜の製造方法の提供。
【解決手段】下層表面に、1つ当たりの面積が0.0001mm~1mmである島部が、面積率20%~80%で点在し、固着している膜を製造する方法であって、少なくともポリマーを含む第1液を、スロットダイコータを用いて基材上に塗布し、基材の表面に第1液膜を形成する工程Aと、第1液膜上に第2液の液滴を重ねて付与し、第1液膜の表面に第2液の液塊を点在させる工程Bと、第1液膜と第2液の液塊とを乾燥させる工程Cと、を含む、膜の製造方法。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下層表面に、1つ当たりの面積が0.0001mm~1mmである島部が、面積率20%~80%で点在し、固着している膜を製造する方法であって、
少なくともポリマーを含む第1液を、スロットダイコータを用いて基材上に塗布し、基材の表面に第1液膜を形成する工程Aと、
第1液膜上に第2液の液滴を重ねて付与し、第1液膜の表面に第2液の液塊を点在させる工程Bと、
第1液膜と第2液の液塊とを乾燥させる工程Cと、
を含む、膜の製造方法。
【請求項2】
第2液が粒子を含む、請求項1に記載の膜の製造方法。
【請求項3】
工程Bは、スプレーコータを用いて、第1液膜上に第2液の液滴を重ねて付与する、請求項1又は請求項2に記載の膜の製造方法。
【請求項4】
スプレーコータにおける第2液の流量が5mL/m~50mL/mである、請求項3に記載の膜の製造方法。
【請求項5】
スプレーコータにおけるノズル口径が0.1mm~0.5mmである、請求項3に記載の膜の製造方法。
【請求項6】
スプレーコータにおける空気圧が0.05MPa~0.5MPaである、請求項3に記載の膜の製造方法。
【請求項7】
工程Bにて、第1液膜の表面に、1つ当たりの面積が0.0001mm~1mmである液塊を、面積率20%~80%で点在させる、請求項1又は請求項2に記載の膜の製造方法。
【請求項8】
島部から構成される保護部を表面に有する電極膜を製造する、請求項1又は請求項2に記載の膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、膜の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下層となる塗工液膜上に、塗工液膜が乾燥する前に、上層となる塗工液を塗工する手法(重層塗布法とも呼ばれる)が知られている。また、この手法において、2種の塗布手段を用い、2層以上の積層膜を形成する方法も知られている。
例えば、特許文献1には、グラビアコート法にて第1層の前駆体である第1塗工部を形成し、ダイコート法にて、第1塗工部の表面に、第2層の前駆体である第2塗工部を形成する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-115577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表面に1つ当たりの面積が1mm以下の小さな島部が点在し、下層とで海島構造が形成されてなる膜がある。この膜では、島部は、例えば、下層表面に対して微小な突起を形成することができる。この島部には、下層の他の部材への接着を抑制する機能、下層又は下層と隣接して使用される他の部材を保護する機能等を付与することができる。なお、島部は、上記の機能を付与するため、下層に対し固着していることが望ましい。
上述した特許文献1のように、下層となる塗工液膜上に、上層となる塗工液を塗工する手法(すなわち、重層塗布法)が知られているが、下層表面に、1つ当たりの面積が0.0001mm~1mmである島部が、面積率20%~80%で点在し、固着している膜(以下、特定海島構造膜ともいう)について、現実的な製造方法は未だ確立していないのが現状である。
【0005】
そこで、本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、下層表面に、1つ当たりの面積が1mm以下である島部が点在し、固着している膜を製造しうる、膜の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段は、以下の実施形態を含む。
<1> 下層表面に、1つ当たりの面積が0.0001mm~1mmである島部が、面積率20%~80%で点在し、固着している膜を製造する方法であって、
少なくともポリマーを含む第1液を、スロットダイコータを用いて基材上に塗布し、基材の表面に第1液膜を形成する工程Aと、
第1液膜上に第2液の液滴を重ねて付与し、第1液膜の表面に第2液の液塊を点在させる工程Bと、
第1液膜と第2液の液塊とを乾燥させる工程Cと、
を含む、膜の製造方法。
<2> 第2液が粒子を含む、<1>に記載の膜の製造方法。
<3> 工程Bは、スプレーコータを用いて、第1液膜上に第2液の液滴を重ねて付与する、<1>又は<2>に記載の膜の製造方法。
<4> スプレーコータにおける第2液の流量が5mL/m~50mL/mである、<3>に記載の膜の製造方法。
<5> スプレーコータにおけるノズル口径が0.1mm~0.5mmである、<3>に記載の膜の製造方法。
<6> スプレーコータにおける空気圧が0.05MPa~0.5MPaである、<3>に記載の膜の製造方法。
<7> 工程Bにて、第1液膜の表面に、1つ当たりの面積が0.0001mm~1mmである液塊を、面積率20%~80%で点在させる、<1>~<6>のいずれか1つに記載の膜の製造方法。
<8> 島部から構成される保護部を表面に有する電極膜を製造する、<1>~<7>のいずれか1つに記載の膜の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施形態によれば、下層表面に、1つ当たりの面積が1mm以下である島部が点在し、固着している膜を製造しうる、膜の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、特定海島構造膜の一例を、島部形成面側から上面視した際の概略模式図である。
図2図2は、特定海島構造膜の一例を、側面視した際の概略模式図である。
図3図3は、一実施形態の膜の製造方法の各工程の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、膜の製造方法の実施形態について説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
【0010】
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示にて示す各図面における各要素は必ずしも正確な縮尺ではなく、本開示の原理を明確に示すことに主眼が置かれており、強調がなされている箇所もある。
また、各図面において、同一機能を有する構成要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
本開示おいて「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
【0012】
本開示において、「第1液膜」とは、乾燥が完了するまで(例えば、固形分濃度が100質量%になるまで)の膜を指し、単なる「膜」とは乾燥が完了した後の膜を指す。
本開示において、「幅方向」とは、長尺の基材、第1液膜、及び膜のいずれかの長手方向と直交する方向を指す。
【0013】
本開示において、2以上の好ましい形態又は態様の組み合わせは、より好ましい形態又は態様である。
【0014】
≪膜の製造方法≫
本実施形態に係る膜の製造方法は、下層表面に、1つ当たりの面積が0.0001mm~1mmである島部が、面積率20%~80%で点在し、固着している膜(すなわち、特定海島構造膜)を製造する方法であって、少なくともポリマーを含む第1液を、スロットダイを用いて基材上に塗布し、基材の表面に第1液膜を形成する工程Aと、第1液膜上に第2液の液滴を重ねて付与し、第1液膜の表面に第2液の液塊を点在させる工程Bと、第1液膜と第2液の液塊とを乾燥させる工程Cと、を含む。
【0015】
本発明者らが上述の特定海島構造膜を製造する方法を検討した結果、少なくともポリマーを含む第1液を用い、下層となる第1液膜を形成し、第1液膜が乾燥する前に、第1液膜上に島部を形成するための第2液の細かな液滴を重ねて付与し、第1液膜の表面に第2液の液塊を点在させ、これらを乾燥させる方法を見出し、発明をなすに至った。
第1液膜が乾燥する前に、第1液膜上に第2液の液塊を点在させることで、第1液膜に含まれるポリマーが第2液の液塊を混在化し、その後、第1液膜と第2液の液塊とを乾燥させることで、第2液の液塊による島部が下層に固着した状態が形成される。なお、第2液の液滴の付与面積、及び、第2液の液滴の重ね方をそれぞれ調整することで、島部の1つ当たりの面積を0.0001mm~1mmの範囲へと制御することができ、また、面積率を20%~80%へと制御することができる。
このように、本実施形態に係る膜の製造方法によれば、上述の特定海島構造膜を製造することができる。
【0016】
本開示において、下層と島部との固着は、以下のようにして確認される。
JIS K 5600-5-6(クロスカット法)に準じ、島部の上から、粘着テープ(セロテープ(登録商標)No.405、24mm幅、ニチバン(株)製)を貼り、その後、粘着テープを垂直(90°)方向にすばやく引っ張って剥離する。このとき、一部又は全部が剥離した島部の割合が20個数%以下であった際に、下層と島部とが固着していると判断する。
【0017】
本実施形態に係る膜の製造方法で製造される特定海島構造膜について、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1は、特定海島構造膜の島部形成面を上面視した際の概略模式図であり、図2は、特定海島構造膜を側面視した際の概略模式図である。
特定海島構造膜は、図1に示すように、下層22と、下層22に点在し、固着している島部32と、で構成されている。このとき、島部32以外の領域、すなわち、下層22の表面の露出領域が、海島構造における海部に該当する。図2に示すように、島部32は、特定海島構造膜を側面視した際、下層22の表面に対し、凸部(すなわち、突起部)として形成されていることが望ましい。
【0018】
なお、図1及び図2において、島部の説明のため、強調して記載しているが、本実施形態に係る膜の製造方法によれば、1つ当たりの面積が0.0001mm~1mmである島部が形成される。特定海島構造膜における島部の1つ当たりの面積が上記範囲であることは、非常に小さな面積を有する島部であることを意味する。島部の1つ当たりの面積は、特定海島構造膜の用途に応じて、適宜、選択すればよい。なお、島部の1つ当たりの面積は、形成のし易さの観点から、0.001mm~0.1mmであることが好ましい。
【0019】
また、島部の面積率は、20%~80%である。つまり、特定海島構造膜における小さな面積(すなわち、0.0001mm~1mm)を有する島部は、上記範囲の面積率になるよう、下層上に多数点在していることを意味する。なお、島部の面積率は、下層の表面積に対し島部が占める割合である。
特定海島構造膜において、例えば、島部の面積率が30%であれば、下層の表面の露出領域(すなわち、海部)が70%であることを意味する。島部の面積率は、特定海島構造膜の用途に応じて、適宜、選択すればよい。
【0020】
島部の1つ当たりの面積及び面積率は、以下の方法で求める。
まず、測定対象の特定海島構造膜の島部形成面を上面視したときの画像を、例えば、光学顕微鏡にて得る。この画像を、画像処理ソフトを用いて二値化処理し、島部の1つ当たりの面積、特定海島構造膜の面積(すなわち、島部の占める面積+下層の露出領域の面積との和)、島部が占める面積、を求める。
島部の1つ当たりの面積は、画像中の任意の10か所の島部の面積を算術平均することで得られる。
また、上述のようにして求められた2つの面積を、下記式1に代入することで、面積率が得られる。
式1:島部が占める面積/特定海島構造膜の面積×100
【0021】
以下、本実施形態の膜の製造方法の各工程について説明する。
【0022】
まず、膜の製造方法の一例について、図3を参照して説明する。図3は、一実施形態の膜の製造方法の各工程の一例を示す概略図である。
図3に示すように、長尺の基材10は、ロール状に巻回されたロールR1からその先端が送り出され、X方向への連続搬送が開始される。連続搬送されている基材10が、スロットダイコータ20の設置位置まで到達したとき、基材10上にスロットダイコータ20により少なくともポリマーを含む第1液が塗布される。これにより、長尺の基材10の表面上に、第1液による第1液膜が形成される(工程A)。
続いて、長尺の基材10上に形成された第1液膜上に、付与手段30を用いて、第2液の液滴を重ねて付与する。これにより、第1液膜の表面に第2液の液塊を点在させる(工程B)。
さらに続いて、乾燥ゾーン40の中を、第1液膜と第2液の液塊とが形成された基材10を連続搬送して、第1液膜と第2液の液塊とを乾燥させる(工程C)。これにより、基材10上に、特定海島構造膜が得られる。
続いて、特定海島構造膜が形成された基材10はロール状に巻き取られ、特定海島構造膜と基材10との積層体によるロールR2が得られる。
【0023】
[工程A]
工程Aでは、少なくともポリマーを含む第1液を、スロットダイを用いて基材上に塗布し、基材の表面に第1液膜を形成する。
【0024】
-基材-
本工程に用いる基材は、特定海島構造膜の用途に応じて選択すればよく、また、連続搬送への適用性(好ましくは、ロールトゥロール方式への適用性)を考慮して選択すればよい。
基材は、形成される特定海島構造膜とともに、目的とする用途に適用されてもよいし、特定海島構造膜を形成するための仮支持体であってもよい。
基材としては、例えば、樹脂フィルム、金属箔、金属箔と樹脂フィルムとの積層体等が挙げられる。
【0025】
樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよいし、二層以上の樹脂フィルムを積層した積層フィルムであってもよい。
樹脂フィルムは、市販品として入手してもよいし、公知の製膜方法により製造した樹脂フィルムであってもよい。
樹脂フィルムとしては、例えば、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等を挙げることができる。その他、公知の樹脂フィルムを用いることもできる。
樹脂フィルムの表面には、任意に、コロナ放電処理等の易接着処理を公知の方法により施してもよい。
【0026】
金属箔としては、例えば、銅、アルミニウム、銀、金、及びこれらの合金による金属箔が挙げられる。その他、金属箔としては、ステンレス、ニッケル、チタン、又はインバー合金による金属箔であってもよい。
【0027】
基材としては、上述した、樹脂フィルムと金属箔との積層体であってもよい。
【0028】
なお、後述するように、特定海島構造膜が電極膜であり、下層が電極層である場合、基材としては、銅箔、アルミニウム箔などの金属材(すなわち、集電箔)が好ましく用いられる。
【0029】
基材の厚みは、用途、さらには、連続搬送への適用性(好ましくはロールトゥロール方式への適用性)の観点から、適宜、設定すればよい。
基材の厚みは、例えば、5μm~100μmで設定されればよい。
また、基材の幅及び長さは、ロールトゥロール方式に適用する観点、目的とする特定海島構造膜の幅及び長さから、適宜、設定すればよい。
【0030】
基材の厚みは、以下のようにして測定する。
即ち、接触式の厚み測定機を用い、基材の幅方向の3箇所(即ち、幅方向の両縁部から5mmの位置と幅方向中央部)の厚みを、長手方向に500mmの間隔を開けて3点測定する。
測定された計9つの測定値の算術平均値を求め、これを基材の厚みとする。
接触式の厚み測定機としては、例えば、(株)フジワークのS-2270が用いられる。
【0031】
本工程において、連続搬送されている基材の搬送速度としては、特に制限はない。
基材の搬送速度としては、例えば、0.1m/分~100m/分を選択することができ、0.2m/分~20m/分を選択することができる。
【0032】
-第1液-
本工程で用いる第1液としては、少なくともポリマーを含む以外、目的とする下層を形成しうる、固形分と、溶媒(又は分散媒)と、を含む液状物であれば、特に制限されない。
本開示において、固形分とは、溶媒又は分散媒以外の成分を意味する。
【0033】
第1液に含まれるポリマーとしては、バインダーポリマー、結着剤等と呼ばれる、公知のポリマーを用いることができる。
第1液に含まれるポリマーは、特定海島構造膜の用途における下層の組成に応じて、適宜、決定されればよい。
第1液に含まれるポリマーの含有量は、第1液における全固形分に対して、0.5質量%以上であることが好ましく、0.5質量%~10質量%であることが好ましく、1質量%~5質量%であることがより好ましい。
【0034】
第1液は、少なくともポリマーを溶解する溶媒、又は、少なくともポリマーを分散する分散媒を含むことが好ましい。溶媒又は分散媒は、有機溶剤であってもよいし、水であってもよいし、これらの混合物であってもよい。
溶剤としては、公知の有機溶剤が挙げられる。
また、水としては、天然水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水(例えば、Milli-Q水)等が挙げられる。なお、Milli-Q水とは、メルク(株)のMilli-Q水製造装置により得られる超純水である。
【0035】
第1液に含まれるポリマー以外の固形分としては、目的とする下層を得るための成分の他、塗布適性を向上させるための成分等が含まれる。
【0036】
第1液は、固形分の1つとして、粒子を含んでいてもよい。
粒子は、粒状物であれば特に制限はなく、無機粒子であってもよいし、有機粒子であってもよいし、無機物質と有機物質との複合粒子であってもよい。
【0037】
無機粒子としては、目的とする下層に適用しうる公知の無機粒子を用いることができる。
無機粒子としては、例えば、金属(アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、又はこれらの金属の合金)の粒子、半金属(ケイ素等)の粒子、又は金属又は半金属の化合物(酸化物、水酸化物、窒化物等)の粒子、カーボンブラック等を含む顔料の粒子等が挙げられる。
無機粒子としては、その他、雲母等の鉱物の粒子、無機顔料粒子等も挙げられる。
【0038】
有機粒子としては、目的とする下層に適用しうる公知の有機粒子を用いることができる。
有機粒子としては、樹脂粒子及び有機顔料粒子をはじめ、固体有機物の粒子であれば、特に制限はされない。
【0039】
無機物質と有機物質との複合粒子としては、有機物質によるマトリックス中に無機粒子が分散した複合粒子、有機粒子の周囲を無機物質にて被覆した複合粒子、無機粒子の周囲を有機物質にて被覆した複合粒子等が挙げられる。
【0040】
粒子は、分散性の付与等の目的から、表面処理が施されていてもよい。
なお、表面処理が施されることで、上記の複合粒子となっていてもよい。
【0041】
粒子の粒径、比重、使用形態(例えば、併用の有無等)等には、特に制限はなく、目的とする下層に応じて、又は、下層を製造するに適する条件(例えば、スロットダイコータへの適用性等を含む)に応じて、適宜、選択すればよい。
【0042】
第1液に含まれる固形分の例としては、上述のポリマー、粒子の他、粒子の分散性に寄与する成分、重合性化合物、重合開始剤等の反応性成分、界面活性剤等の塗布性能を高めるための成分、その他の添加剤等が挙げられる。
【0043】
第1液における固形分濃度は、スロットダイコータに適用しうる粘度であればよく、例えば、第1液の全質量に対して、30質量%~70質量%の範囲で設定することができる。
また、また、第1液の粘度としては、25℃において0.1Pa・s~1000Pa・sが好ましく、1Pa・s~100Pa・sがより好ましい。
第1液の粘度は、回転式粘度計(せん断速度:1s-1)により測定される値である。
【0044】
本工程において用いられる第1液は、電極活物質及び導電助剤を含むスラリー(以下、電極層用スラリーともいう)であることも好ましい。電極活物質及び導電助剤を含むスラリーを用いることで、下層として、電極層が得られる。
電極層用スラリーは、電極活物質及び導電助剤の他、バインダー、増粘剤等をさらに含む。
【0045】
スラリーに含まれる電極活物質としては、負極活物質と、正極活物質が挙げられる。
負極活物質及び正極活物質としては、公知のリチウムイオン二次電池における負極活物質及び正極活物質が挙げられる。
負極活物質として、具体的には、グラファイト(黒鉛)、ハードカーボン(難黒鉛化炭素)、ソフトカーボン(易黒鉛化炭素)等の炭素材料;酸化ケイ素、酸化チタン、酸化バナジウム、リチウムチタン複合酸化物等の金属酸化物材料;窒化リチウム、リチウムコバルト複合窒化物、リチウムニッケル複合窒化物等の金属窒化物材料;等が挙げられる。
正極活物質として、具体的には、リチウム元素と遷移金属元素とを含むリチウム遷移金属複合酸化物が用いられる。このリチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば、リチウムニッケル複合酸化物(例えば、LiNiO)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3)などが挙げられる。
【0046】
スラリーに含まれる導電助剤としては、公知のリチウムイオン二次電池における導電助剤が挙げられる。
導電助剤として、具体的には、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック等)、活性炭、黒鉛、炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。
【0047】
スラリーに含まれるバインダーとしては、公知のリチウムイオン二次電池におけるバインダーが挙げられる。
バインダーとして、具体的には、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が用いられる。
【0048】
スラリーには、さらに、カルボキシルメチルセルロース(CMC)等の増粘剤、分散剤等の公知のリチウムイオン二次電池に用いられる各種添加物が添加されていてもよい。
また、スラリーに含まれる溶剤としては、電極活物質及び導電助剤を分散しうる分散媒であればよく、具体的には、水、及び有機溶剤が挙げられる。
【0049】
電極層用スラリーの固形分濃度としては、例えば、40質量%~80質量%が好ましく、50質量%~70質量%がより好ましい。
【0050】
-第1液膜の膜厚-
本工程において形成される第1液膜の膜厚は特に制限はなく、目的とする下層に応じて、適宜、決定すればよい。
第1液膜の厚みは、例えば、50μm~350μmを選択することができる。
【0051】
下層として電極層を形成するための第1液を用いた場合、第1液膜の厚みは、30μm~100μmが好ましく、50μm~80μmがより好ましい。
【0052】
第1液膜の厚みは、以下のようにして測定する。
即ち、第1液膜について、幅方向に沿って3箇所(具体的には、幅方向の両縁部から5mmの位置と幅方向中央部)、光干渉式の厚み測定機(例えば、キーエンス社の赤外分光干渉式膜厚計SI-T80)にて測定する。3点の測定値の算術平均値を求め、これを第1液膜の厚みとする。
【0053】
-スロットダイコータによる塗布-
本工程における第1液の塗布には、スロットダイコータ(エクストルージョンコータとも呼ばれる)が用いられる。
スロットダイコータは、前計量方式のコータの1つである。
スロットコータは、他のコータと比較して、高速で、且つ、薄膜の塗布が可能であることから、上述の厚みの第1液膜を高速で形成することができる。
【0054】
[工程B]
工程Bでは、第1液膜上に第2液の液滴を重ねて付与し、第1液膜の表面に第2液の液塊を点在させる。
第1液膜の表面に点在する第2液の液塊は、第1液膜上に第2液の液滴を重ねて付与することで形成される。
【0055】
-第2液-
本工程で用いる第2液としては、目的とする島部を形成しうる固形分と、溶媒又は分散媒と、を含む液状物であれば、特に制限されない。
なお、第2液は、第1液膜の表面に第2液の液塊が形成され易い観点、また、所望の形状の島部を形成し易い観点から、固形分として、粒子を含むことが好ましい。
【0056】
第2液に含まれる粒子としては、第1液に含まれる粒子と同様の、無機粒子、有機粒子、複合粒子等が挙げられる。
第2液に含まれる粒子の粒径、比重、使用形態(例えば、併用の有無等)等には、特に制限はなく、目的とする島部に応じて、適宜、選択すればよい。
【0057】
第2液に含まれる粒子以外の固形分としては、目的とする島部を得るための成分の他、塗布適性を向上させるための成分等が含まれる。
第2液に含まれる固形分の例としては、粒子の他、粒子の分散性に寄与する成分、島部の形状を決定するポリマー、重合性化合物、重合開始剤等の反応性成分、界面活性剤等の塗布性能を高めるための成分、その他の添加剤等が挙げられる。
【0058】
第2液に含まれる溶媒又は分散媒としては、第1液に含まれる溶媒又は分散媒と同様の、公知の有機溶剤、水等が挙げられる。
【0059】
第2液における固形分濃度は、後述する付与手段に適用しうる粘度であればよく、例えば、第2液の全質量に対して、1質量%~50質量%の範囲で設定することができる。
また、第2液の粘度としては、付与手段への適用性の観点から、25℃において0.001Pa・s~0.1Pa・sが好ましく、0.01Pa・s~0.05Pa・sがより好ましい。
【0060】
-第2液の付与-
本工程において、第2液の液滴を重ねて付与することで得られる第2液の液塊の大きさは、島部の1つ当たりの面積に近似する。このため、第2液の液滴を重ねて付与する際、1つ当たりの面積が0.0001mm~1mmである液塊を形成するようにすればよい。
また、第2液の液塊の面積率が島部の面積率に近似することから、第2液の液滴を重ねて付与する際、面積率が20%~80%となるよう、第2液の液塊の形成するようにすればよい。
つまり、工程Bでは、第1液膜上に第2液の液滴を重ねて付与することで、第1液膜の表面に、1つ当たりの面積が0.0001mm~1mmである液塊を、面積率20%~80%で点在させることが好ましい。
【0061】
また、本工程にて、第1液膜上に第2液を付与するタイミングとしては、島部の下層への固着状態を形成する観点から、第1液膜に溶媒又は分散媒がある程度残っている状態であることが望ましい。具体的には、第1液膜の固形分濃度が第1液の固形分濃度~90質量%(好ましくは、例えば、40質量%~80質量%)であるときに、第1液膜上に第2液を付与することが好ましい。
【0062】
-付与手段-
第1液膜上に第2液の液滴を付与する付与手段としては、第2液の液滴を重ねて付与することができれば、特に制限はない。
第2液の付与手段としては、小さな液滴を第1液膜上に分散して付与することが可能な、例えば、スプレーコータ、インクジェット印刷法等が挙げられる。特に、連続搬送される第1液膜への適用性の観点、及び、粒子を含む第2液の適用が容易である観点から、付与手段としては、スプレーコータを用いることが好ましい。つまり、本工程では、スプレーコータを用いて、第1液膜上に第2液の液滴を重ねて付与することが好ましい。スプレーコータとして、スプレーの方式に特に制限はないが、島部の作りやすさの観点から、エアスプレー方式のスプレーコータが好ましい。
【0063】
以下、スプレーコータを用いた、第2液の付与方法について説明する。
第1液膜の表面に、1つ当たりの面積が0.0001mm~1mmである液塊を、面積率20%~80%で点在させるよう、スプレーコータの諸条件を以下のようにすることが好ましい。
【0064】
スプレーコータにおける第2液の流量は、5mL/m~50mL/mで設定されることが好ましい。
【0065】
また、スプレーコータにおけるノズル口径は、0.1mm~0.5mmで設定されることが好ましい。
【0066】
さらに、スプレーコータにおける空気圧は、0.05MPa0.5MPaで設定されることが好ましい。
【0067】
スプレーコータにおける第2液の液量、ノズル口径、及び空気圧は、それぞれ、以下のようにして測定される。
スプレーコータにおける第2液の液量は、ノズルに供給する第2液の液量について、コリオリ式質量流量計を用いることで測定される。
スプレーコータにおけるノズル口径は、ノズルの先端の開口部を光学顕微鏡により観察することで測定される。
スプレーコータにおける空気圧は、ノズルに入れる直前の空気の空気圧について、気体用圧力センサーにて測定される。
【0068】
[工程C]
工程Cでは、第1液膜と第2液の液塊とを乾燥させる。
本工程にて、第1液膜と第2液の液塊とが乾燥することで、第1液膜から下層が形成さ、また、第2液の液塊から島部が形成されて、特定海島構造膜が得られる。
【0069】
-乾燥手段-
第1液膜と第2液の液塊との乾燥手段は、目的とする下層及び島部が形成されれば、特に制限はない。
第1液膜と第2液の液塊との乾燥手段としては、例えば、オーブン、温風機、赤外線(IR)ヒーター等が挙げられる。
【0070】
-乾燥条件-
第1液膜と第2液の液塊とを乾燥する際の乾燥条件は、目的とする、下層及び島部が形成されれば、特に制限はない。
【0071】
以上のようにして、各工程を経ることで、基材上に特定海島構造膜が形成される。
【0072】
[その他の工程]
工程Aの前、及び、工程Cの後の少なくとも一方において、必要に応じて、その他の工程を有していてもよい。
その他の工程として、工程Aにて基材上に第1液を塗布する前に行われる前処理工程、特定海島構造膜の用途に応じ、形成された特定海島構造膜に対して行う後処理工程等が挙げられる。
その他の工程としては、具体的には、例えば、基材を表面処理する工程、特定海島構造膜を硬化させる工程、特定海島構造膜を圧縮する工程、特定海島構造膜から基材を剥離する工程等が挙げられる。
【0073】
[用途]
特定海島構造膜の用途としては、島部から構成される保護部を表面に有する電極膜、島部から構成される接着防止部を表面に有する光学フィルム、島部から構成される光散乱部を表面に有する農業用フィルム等が挙げられる。
【0074】
島部から構成される保護部を表面に有する電極膜は、島部から構成される保護部と、保護部が固着してなる電極層と、から構成される。かかる電極膜は、島部から構成される保護部を介してセパレータに積層される。この保護部は、電極層の表面を全て覆うものではないため、イオン伝導性は保持しつつも、電極層からセパレータへと移行してほしくない成分(例えば、導電助剤等)の移行を抑制することができる。
また、保護部は、その面積率を、20%~80%の範囲で設定することができる。このため、セパレータの開口率、開口径に合わせて、保護部の面積率、1つ当たりの面積をそれぞれ調整してもよい。
【実施例0075】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、各工程の詳細等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
なお、「部」はいずれも質量基準である。
【0076】
<基材の準備>
・幅200mm、厚み12μm、長さ300mの銅基材(熱伝導率:400W/m・K、ヤング率:129.8GPa)を用意した。
【0077】
<第1液の準備>
[電極層用スラリーの調製]
負極活物質としての天然黒鉛(C)と、バインダーとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシルメチルセルロース(CMC)と、をこれら材料の質量比がC:SBR:CMC=98:1:1となるように秤量し、溶媒としてのイオン交換水と混合して、負極電極層用スラリーを調製した。
電極層用スラリーの固形分濃度は、50質量%であり、25℃での粘度は12Pa・sであった。
【0078】
[ハードコート層形成用第1液の調製]
メチルエチルケトン900質量部に対して、シクロヘキサノン100質量部、部分カプロラクトン変性の多官能アクリレート(DPCA-20、日本化薬(株)製)750質量部、シリカゾル(MIBK-ST、日産化学工業(株)製)200質量部、光重合開始剤(イルガキュア184、BASF製)50質量部を添加して攪拌した。そして、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層形成用第1液(光硬化性塗布液)を調製した。
ハードコート層形成用第1液の固形分濃度は、50質量%であり、25℃での粘度は0.01Pa・sであった。
【0079】
<第2液の調製>
[保護部形成用第2液の調製]
シリカ粒子(シーホスターKE-P50、平均粒子径0.5μm、(株)日本触媒製)9質量部と、カルボキシメチルセルロース(CMC)1質量部と、を純水90質量部に添加して、保護部形成用第2液を調製した。
保護部形成用第2液の固形分濃度は、10質量%であり、25℃での粘度は0.03Pa・sであった。
【0080】
[アンチブロッキング層形成用第2液の調製]
架橋アクリル粒子(MX-80H3wT、平均粒子径0.8μm、綜研化学(株)製)9質量部と、セルロースアセテートブチル(CAB)1質量部と、をメチルエチルケトン90質量部に添加して、アンチブロッキング層形成用第2液を調製した。
アンチブロッキング層形成用第2液の固形分濃度は、10質量%であり、25℃での粘度は0.005Pa・sであった。
【0081】
[実施例A1]
図3に示すように構成された装置にて、保護部を表面に有する電極膜を得た。
具体的には、電極層用スラリーを、スロットダイコータを用いて、連続搬送されている基材(上述の銅基材)上に塗布し、厚み50μmの第1液膜を得た(工程A)。
続いて、第1液膜の固形分濃度が50質量%であるときに、スプレーコータを用いて、保護部形成用第2液の液滴を重ねて付与した(工程B)。これにより、第1液膜の表面に、1つ当たりの面積が0.01mmである液塊を、面積率50%で点在させた。なお、スプレーコータにおける諸条件は、下記表1にまとめて示す。
ついで、第1液膜と第2液の液塊とを乾燥ゾーンにて、乾燥させた。
以上のような各工程を経て、基材上に、下層である電極層と島部である保護部とから構成された電極膜を形成した。
【0082】
[実施例A2~A8]
実施例A1において、工程Bのスプレーコータにおける諸条件を、下記表1に示すように適宜変更し、第2の液塊の1つ当たりの面積及び面積率を適宜変更した以外は、実施例A1と同様にして、基材上に、下層である電極層と島部である保護部とから構成された電極膜を形成した。
【0083】
[島部の1つ当たりの面積及び面積率の測定]
得られた電極膜について、既述の方法にて、島部の1つ当たりの面積及び面積率を測定した。結果を表1に示す。
【0084】
【表1】
【0085】
表1に明らかなように、第1液として電極層用スラリーを用い、第2液として保護部形成用第2液を用いた実施例の膜の製造方法によれば、下層(電極層)表面に、1つ当たり1mm以下の島部(保護部)が点在し、固着している膜が得られることが分かった。
【0086】
[実施例B1]
実施例A1において、電極層用スラリーをハードコート層形成用第1液に、保護部形成用第2液をアンチブロッキング層形成用第2液にそれぞれに変えた以外は、実施例A1と同様にして、基材上に、下層であるハードコート層と島部であるアンチブロッキング層とから構成された光学フィルムを形成した。
実施例B1における光学フィルムは、下層表面に、1つ当たりの面積が0.01mmである島部が、面積率60%で点在し、固着している膜であった。
【符号の説明】
【0087】
10 長尺の基材
20 スロットダイコータ
22 下層
30 付与手段
32 島部
40 乾燥ゾーン
R1 ロール
R2 ロール
X 基材の搬送方向
図1
図2
図3