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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052795
(43)【公開日】2024-04-12
(54)【発明の名称】操作モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20240405BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20240405BHJP
   H04N 23/69 20230101ALI20240405BHJP
   H04N 23/75 20230101ALI20240405BHJP
   G02B 7/08 20210101ALI20240405BHJP
【FI】
G02B7/02 E
H04N23/50
H04N23/69
H04N23/75
G02B7/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024023569
(22)【出願日】2024-02-20
(62)【分割の表示】P 2023502479の分割
【原出願日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】P 2021030645
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001988
【氏名又は名称】弁理士法人小林国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 信之
(57)【要約】
【課題】動画撮像の際、光学機能の調節についてユーザが任意の調節速度に容易に変更することが可能な操作モジュールを提供する。
【解決手段】操作モジュール73は、光学系の光学機能を調節する第1操作部材23と、第1操作部材23による光学機能の調節度合を可変する第2操作部材24と、を備える。操作モジュール73は、光学系を保持するレンズ鏡筒に着脱自在に設けられている。操作モジュール73には、第1操作部材23及び第2操作部材24が少なくとも含まれている。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系の光学機能を調節する第1操作部材と、
前記第1操作部材による前記光学機能の調節度合を可変する第2操作部材と、を備え、
前記光学系を保持するレンズ鏡筒に着脱自在に設けられている操作モジュール。
【請求項2】
前記第2操作部材は、前記第1操作部材の近傍に設けられる請求項1に記載の操作モジュール。
【請求項3】
前記第2操作部材は、前記第1操作部材に対して前記レンズ鏡筒の光軸方向に配される請求項1又は2に記載の操作モジュール。
【請求項4】
前記第2操作部材は、前記レンズ鏡筒の光軸方向と交差する回動軸を中心に回動可能に支持された第1回動部材である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の操作モジュール。
【請求項5】
前記第2操作部材に設けられ、前記第2操作部材の回動を規制する規制状態にする規制機構を備える請求項4に記載の操作モジュール。
【請求項6】
前記規制機構は、前記規制状態と、前記規制状態を解除した解除状態とを切り替える請求項5に記載の操作モジュール。
【請求項7】
前記第2操作部材は、前記第1操作部材に対して前記レンズ鏡筒の前記光軸方向におけるカメラ本体側に位置し、かつ前記レンズ鏡筒の周方向において前記第1操作部材と重なる位置に配されている請求項3ないし6のいずれか1項に記載の操作モジュール。
【請求項8】
前記レンズ鏡筒は、前記第1及び前記第2操作部材を含む操作部材エリアを有し、前記操作部材エリアは、前記レンズ鏡筒の周囲における鉛直方向上方の位置を基準位置とし、かつ前記光軸方向における前記レンズ鏡筒の前記カメラ本体側を背面側、前記カメラ本体側とは反対側の被写体側を前面側とした場合、前記基準位置を基点として前記レンズ鏡筒の周囲における左側面側に設けられる請求項7に記載の操作モジュール。
【請求項9】
前記操作部材エリアは、前記基準位置を基点として0°~90°の範囲内に配されている請求項8に記載の操作モジュール。
【請求項10】
前記第2操作部材は、前記レンズ鏡筒の径方向における位置が、前記レンズ鏡筒のレンズ鏡筒本体の最大外径よりも内径側に位置する請求項1ないし9のいずれか1項に記載の操作モジュール。
【請求項11】
前記レンズ鏡筒はプロセッサを有し、
前記プロセッサは、
前記第1操作部材が操作された場合、前記第1操作部材の操作量と前記操作量に応じた前記光学機能の調整量との関係を示す設定パターンに従って、前記光学機能を調節する第1モードを実行する制御を行い、
前記設定パターンは、前記操作の立ち上がりにおける調整速度の増加量が大きく、前記第1操作部材の操作量としての押圧時間が経過するにつれて前記調整速度の増加量が小さくなる請求項1ないし10いずれか1項記載の操作モジュール。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記設定パターンを予め記憶している請求項11に記載の操作モジュール。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記第1モード、及び第2モードのうちいずれか1つに切り替える制御を行い、
前記第2モードでは、前記光学機能を調節する際の調節速度を、前記操作量に応じて加速又は減速させる制御を行う請求項11または12に記載の操作モジュール。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記第1モード、前記第2モード、及び第3モードのうちいずれか1つに切り替える制御を行い、
前記第3モードでは、前記光学機能を調節する際の前記調節速度を、前記操作量に関わらず一定に保持する制御を行う請求項13記載の操作モジュール。
【請求項15】
第3操作部材を備え、
前記プロセッサは、前記第3操作部材の操作により、前記第1モード、前記第2モード、及び前記第3モードのいずれか1つに切り替える制御を行う請求項14に記載の操作モジュール。
【請求項16】
前記プロセッサは、
前記第1モードにおいて、前記第2操作部材による光学機能の調節指示を受け付けない制御を行う請求項11に記載の操作モジュール。
【請求項17】
前記プロセッサは、
前記第2モードにおいて、前記第2操作部材の操作により前記調節速度を加速又は減速させる制御を行う請求項13に記載の操作モジュール。
【請求項18】
前記プロセッサは、
前記第3モードにおいて、前記第2操作部材の操作により複数の前記調節速度のうちいずれか1つを選択する制御を行う請求項14に記載の操作モジュール。
【請求項19】
前記第1操作部材の前記操作量に応じて調節される前記光学機能は、前記光学系の画角、絞り、及び手振れ補正量のいずれか1つである請求項11ないし18のいずれか1項に記載の操作モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、回転操作される操作リングの回転力によって動作されると共に操作リングの回転力を光学素子に伝達して光学素子を動作させる連動体を備えた光学素子駆動装置が記載され、少なくとも連動体に操作リングの回転方向に対する光学素子の動作方向を切り換える切換機構によって操作リングの回転方向に対する光学素子の動作方向が切り換えられると共に連動体により伝達される操作リングの回転力によって光学素子が動作されるため、操作リングに対する操作に対して光学素子が追従して動作され光学素子の動作遅延が生じ難く、機能性の低下を来たすことなく、操作リングに関する高い操作性を確保することが記載されている。
【0003】
特許文献2には、レンズ鏡胴に配置される駆動ユニットの開口部を有する筐体枠の周壁にアイリスモード切替スイッチ等の操作部の回路基板をネジ止めする場合に、ネジ穴を開口部の方向に形成し、且つ、ネジの頭部と回路基板との間にカラーを挟み込むことによって、回路基板の配置位置と対向する位置の周壁によってドライバの挿入が阻害されることなく容易かつ迅速にネジ止め作業を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2018/047460号
【特許文献2】特開2011-107394号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の技術に係る一つの実施形態は、動画撮像の際、光学機能の調節についてユーザが任意の調節速度に容易に変更することが可能な操作モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の操作モジュールは、光学系の光学機能を調節する第1操作部材と、第1操作部材による光学機能の調節度合を可変する第2操作部材と、を備え、光学系を保持するレンズ鏡筒に着脱自在に設けられている。
【0007】
第2操作部材は、第1操作部材の近傍に設けられることが好ましい。第2操作部材は、第1操作部材に対してレンズ鏡筒の光軸方向に配されることが好ましい。第2操作部材は、レンズ鏡筒の光軸方向と交差する回動軸を中心に回動可能に支持された第1回動部材であることが好ましい。第2操作部材に設けられ、第2操作部材の回動を規制する規制状態にする規制機構を備えることが好ましい。規制機構は、規制状態と、規制状態を解除した解除状態とを切り替えることが好ましい。
【0008】
第2操作部材は、第1操作部材に対してレンズ鏡筒の光軸方向におけるカメラ本体側に位置し、かつレンズ鏡筒の周方向において第1操作部材と重なる位置に配されていることが好ましい。レンズ鏡筒は、第1及び第2操作部材を含む操作部材エリアを有し、操作部材エリアは、レンズ鏡筒の周囲における鉛直方向上方の位置を基準位置とし、かつ光軸方向におけるレンズ鏡筒のカメラ本体側を背面側、カメラ本体側とは反対側の被写体側を前面側とした場合、基準位置を基点としてレンズ鏡筒の周囲における左側面側に設けられることが好ましい。操作部材エリアは、基準位置を基点として0°~90°の範囲内に配されていることが好ましい。第2操作部材は、レンズ鏡筒の径方向における位置が、レンズ鏡筒のレンズ鏡筒本体の最大外径よりも内径側に位置することが好ましい。
【0009】
レンズ鏡筒はプロセッサを有し、プロセッサは、第1操作部材が操作された場合、第1操作部材の操作量と操作量に応じた光学機能の調整量との関係を示す設定パターンに従って、光学機能を調節する第1モードを実行する制御を行い、設定パターンは、操作の立ち上がりにおける調整速度の増加量が大きく、第1操作部材の操作量としての押圧時間が経過するにつれて調整速度の増加量が小さくなることが好ましい。
【0010】
プロセッサは、設定パターンを予め記憶していることが好ましい。プロセッサは、第1モード、及び第2モードのうちいずれか1つに切り替える制御を行い、第2モードでは、光学機能を調節する際の調節速度を、操作量に応じて加速又は減速させる制御を行うことが好ましい。プロセッサは、第1モード、第2モード、及び第3モードのうちいずれか1つに切り替える制御を行い、第3モードでは、光学機能を調節する際の調節速度を、操作量に関わらず一定に保持する制御を行うことが好ましい。
【0011】
第3操作部材を備え、プロセッサは、第3操作部材の操作により、第1モード、第2モード、及び第3モードのいずれか1つに切り替える制御を行うことが好ましい。プロセッサは、第1モードにおいて、第2操作部材による光学機能の調節指示を受け付けない制御を行うことが好ましい。プロセッサは、第2モードにおいて、第2操作部材の操作により調節速度を加速又は減速させる制御を行うことが好ましい。プロセッサは、第3モードにおいて、第2操作部材の操作により複数の調節速度のうちいずれか1つを選択する制御を行うことが好ましい。第1操作部材の操作量に応じて調節される光学機能は、光学系の画角、絞り、及び手振れ補正量のいずれか1つであることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】デジタルカメラの分解斜視図である。
図2】デジタルカメラの側面図である。
図3】デジタルカメラの正面図である。
図4】レンズ鏡筒の側面図である。
図5】操作部材エリアの位置を説明する説明図である。
図6】デジタルカメラの概略構成を示すブロック図である。
図7】プログラムモードにおける操作量と調節速度の関係を示すグラフである。
図8】可変速度モードにおける操作量と調節速度の関係を示すグラフである。
図9】等速度モードにおける操作量と調節速度の関係を示すグラフである。
図10】プログラムモードにおけるデジタルカメラの動作を説明するフローチャートである。
図11】可変速度モードにおけるデジタルカメラの動作を説明するフローチャートである。
図12】等速度モードにおけるデジタルカメラの動作を説明するフローチャートである。
図13】第2実施形態におけるデジタルカメラの側面図である。
図14】第3実施形態におけるデジタルカメラの側面図である。
図15】第3実施形態におけるレンズ鏡筒の背面図である。
図16】第4実施形態におけるデジタルカメラの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1実施形態]
図1に示すように、デジタルカメラ10は、カメラボディ11、交換式のレンズ鏡筒12を備える。カメラボディ11は特許請求の範囲におけるカメラ本体に相当する。カメラボディ11の前面にはレンズマウント13、及びレリーズスイッチ14、電源スイッチ(図示せず)等が設けられている。レンズマウント13は円形状の撮像開口13Aを有する。レンズマウント13には、レンズ鏡筒12が着脱可能に装着される。デジタルカメラ10は、本発明に係る撮像装置の一例である。
【0014】
カメラボディ11には撮像素子16が内蔵されている。撮像素子16は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、又は、有機薄膜撮像素子等である。レンズマウント13は、撮像開口13Aの内側にレンズ鏡筒12と電気的に接続して通信を行うためのボディ側信号接点17(図4参照)が設けられている。
【0015】
レンズ鏡筒12は、レンズ鏡筒本体21と、撮像光学系22と、第1操作部材23と、第2操作部材24と、第3操作部材25とを備える。レンズ鏡筒本体21は、円筒形状で内部に撮像光学系22を保持し、後端にレンズマウント26及びレンズ側信号接点27(図4参照)が設けられている。撮像光学系22は、レンズ鏡筒12がカメラボディ11に装着された場合、撮像素子16に被写体光を結像する。
【0016】
図2に示すように、第1操作部材23は、レンズ鏡筒本体21の周囲に設けられており、具体的には、レンズ鏡筒本体21の外周面に設けられている。第1操作部材23は、光軸方向OAと直交する周方向R(図1参照)に沿って配された操作部材であり、具体的には、周知のシーソースイッチである。第1操作部材23は、撮像光学系22の後述する画角変倍のスピードを調節する際に使用する。
【0017】
図3に示すように、第2操作部材24は、レンズ鏡筒本体21の周囲に設けられており、具体的には、レンズ鏡筒本体21の外周面に設けられている。また、第2操作部材24は、第1操作部材23に対してレンズ鏡筒本体21の光軸方向OAに配される。
【0018】
第2操作部材24は、第1操作部材23の近傍に設けられる。ここでいう「近傍」とは、第1操作部材23と第2操作部材24とが、ともにユーザの左手で操作可能な範囲内に配置されていることをいう。また、この場合、ユーザの右手でカメラボディ11を把持し、ユーザの左手でレンズ鏡筒12を把持することを想定している。これにより、ユーザは、左手の指(例えば、親指)だけを用いて、撮像光学系22のズーム(画角変倍)の調節についてユーザが任意の調節速度にする操作を容易に行うことができる。
【0019】
第2操作部材24は、第1操作部材23に対して光軸方向OAにおけるカメラボディ11側に位置し、かつレンズ鏡筒本体21の周方向において第1操作部材23と重なる位置に配されている。第2操作部材24は、レンズ鏡筒本体21の光軸方向OAと交差する回動軸CL1(図1及び図2参照)を中心に回動可能に支持されている。なお、回動軸CL1は、光軸方向OAと直交することが好ましい。第2操作部材24は、特許請求の範囲における第1回動部材に相当する。第2操作部材24は、第1操作部材23による撮像光学系22のズーム(画角変倍)の調節度合を可変する。ズームを含む光学機能の調節度合を可変する具体例については後述する。
【0020】
また、第2操作部材24は、ロック摘み28が設けられている。ロック摘み28は、特許請求の範囲における規制機構を構成する。この規制機構は、カメラのモードダイヤルなどの回動を規制する規制機構と同様の構成である。ロック摘み28は、例えば、第2操作部材24の回動軸CL1を中心に規制位置(図4の実線で示す位置)と解除位置(図4の2点鎖線で示す位置)との間で回動自在に設けられている。ロック摘み28を回動させることにより、第2操作部材24の回動を規制する規制状態と、規制状態を解除した解除状態とを切り替えることができる。すなわち、ロック摘み28が規制位置にある場合、規制機構が第2操作部材24の回動を規制する規制状態となり、ロック摘み28が解除位置にある場合、規制機構が規制状態を解除し、第2操作部材24の回動を許容する解除状態となる。
【0021】
図4に示すように、レンズ鏡筒12は、第1及び第2操作部材23、24を含む操作部材エリア29(一点鎖線で囲む範囲)を有する。図5に示すように、操作部材エリア29は、レンズ鏡筒本体21の周囲における鉛直方向上方の位置を基準位置P0とし、かつ光軸方向OAにおけるレンズ鏡筒本体21のカメラボディ11側を背面側、カメラボディ11側とは反対側の被写体側を前面側とした場合、基準位置P0を基点としてレンズ鏡筒本体21の周囲における左側面側の範囲E1(図3参照)内に設けられる。なお、操作部材エリア29は、基準位置P0を基点として0°~90°の範囲E2(図3参照)内に配されていることがさらに好ましい。
【0022】
第3操作部材25は、レンズ鏡筒本体21の周囲に設けられており、具体的には、レンズ鏡筒本体21の外周面に設けられている。第3操作部材25は、上述した操作部材エリア29の範囲内に配されている。第3操作部材25は、第1操作部材23に対して光軸方向OAにおけるカメラボディ11側に位置し、かつ光軸方向OAにおいて第2操作部材24と重なる位置に配されている。
【0023】
第3操作部材25は、光軸方向OAに沿って延在するスライドスイッチであり、プログラムモード、可変速度モード、及び等速度モードのいずれか1つにモードを切り替えるモード切り替えスイッチである。
【0024】
図6に示すように、レンズ鏡筒12は、撮像光学系22、第1~第3操作部材23~25等の他、レンズ制御部31、モータドライバ32、手振れ検出センサ33、モータ34~37などを備える。
【0025】
レンズ制御部31は、CPU(Central Processing Unit)と、このCPUで使用されるプログラムやパラメータを記憶したROM(Read Only Memory)と、CPUのワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)(いずれも図示せず)などを備えたマイクロコンピュータからなり、レンズ鏡筒12の各部を制御する。レンズ制御部31には、第1~第3操作部材23~25、モータドライバ32、手振れ検出センサ33が接続されている。
【0026】
レンズ制御部31は、第1~第3操作部材23~25の操作による信号、及び後述するカメラボディ制御部41からの制御信号に基づき、絞りユニット38、フォーカスレンズ22a、ズームレンズ22b、及び手振れ補正レンズ22cを制御する。
【0027】
撮像光学系22は、フォーカスレンズ22a、ズームレンズ22bを含む複数のレンズ、絞りユニット38などを備える。フォーカスレンズ22aは、モータ34の駆動により光軸方向OAに移動し、撮像光学系22の撮像距離を調節する。
【0028】
ズームレンズ22bは、モータ35の駆動により、光軸方向OAに移動し、撮像光学系22の画角を変倍する電動のズーム機構を構成する。このズーム機構は、第1操作部材23の操作量としての押圧時間に応じてズームレンズ22bの移動量、移動方向が決定される。上述したように、第1操作部材23としてはシーソースイッチが使用され、図3に示す第1操作部材23の一端側(符号T側)を押圧した場合、ズームレンズ22bは、望遠端側に移動し、第1操作部材23の他端側(符号W側)を押圧した場合、ズームレンズ22bは広角端側に移動する。このようにして、撮像光学系22の画角を変倍することができる。
【0029】
絞りユニット38は、モータ36の駆動により複数枚の絞り羽根38aを移動させ、撮像素子16への入射光量を変化させる。手振れ検出センサ33は、レンズ鏡筒12の手振れ方向及び手振れ量を検出する。手振れ検出センサ33で検出された手振れ方向及び手振れ量は、手振れ検出信号としてレンズ制御部31に出力される。レンズ制御部31は、手振れ検出信号に基づいてモータ37の駆動を制御し、手振れ補正レンズ22cを移動させることによって手振れを補正する。モータドライバ32は、レンズ制御部31の制御に基づき、モータ34~37の駆動を制御する。
【0030】
カメラボディ制御部41は、CPUと、このCPUで使用されるプログラムやパラメータを記憶したROMと、CPUのワークメモリとして使用されるRAM(いずれも図示せず)などを備えている。カメラボディ制御部41は、カメラボディ11と、カメラボディ11に接続されたレンズ鏡筒12の各部を制御する。カメラボディ制御部41には、レリーズスイッチ14からレリーズ信号が入力される。また、カメラボディ制御部41には、ボディ側信号接点17が接続されている。
【0031】
レンズ側信号接点27は、レンズ鏡筒12のレンズマウント26がカメラボディ11のレンズマウント13に装着された際にボディ側信号接点17と接触し、レンズ鏡筒12とカメラボディ11とを電気的に接続する。
【0032】
シャッタユニット42は、いわゆるフォーカルプレーンシャッターであり、レンズマウント13と撮像素子16との間に配置されている。シャッタユニット42は、撮像光学系22と撮像素子16との間の光路を遮断可能に設けられており、開口状態と閉口状態との間で変化する。シャッタユニット42は、ライブビュー画像及び動画撮影時に開口状態とされる。シャッタユニット42は、静止画撮影時には、開口状態から一時的に閉口状態になる。このシャッタユニット42は、シャッタモータ53により駆動される。モータドライバ43は、シャッタモータ53の駆動を制御する。
【0033】
撮像素子16は、カメラボディ制御部41により駆動制御される。撮像素子16は、2次元マトリクス状に配列された複数の画素(図示せず)により構成された受光面を有している。各画素は、光電変換素子を含んでおり、レンズ鏡筒12により受光面に結像された被写体像を光電変換して撮像信号を生成する。
【0034】
また、撮像素子16は、ノイズ除去回路、オートゲインコントローラ、A/D変換回路等の信号処理回路(いずれも図示せず)を備える。ノイズ除去回路は、撮像信号にノイズ除去処理を施す。オートゲインコントローラは、撮像信号のレベルを最適な値に増幅する。A/D変換回路は、撮像信号をデジタル信号に変換して撮像素子16からバスライン45に出力する。撮像素子16の出力信号は、画素ごとに1つの色信号を有する画像データ(いわゆるRAWデータ)である。
【0035】
画像メモリ44は、バスライン45に出力された1フレーム分の画像データを格納する。画像データ処理部46は、画像メモリ44から1フレーム分の画像データを読み出し、マトリクス演算、デモザイク処理、γ補正、輝度・色差変換、リサイズ処理などの公知の画像処理を施す。
【0036】
LCDドライバ47は、画像データ処理部46で画像処理された1フレーム分の画像データを順次に画像表示部48に入力する。画像表示部48は、例えば、カメラボディ11の背面に設けられ、ライブビュー画像を一定の周期で順次に表示する。カードI/F(Interface)49は、カメラボディ11に設けられたカードスロット(図示せず)内に組み込まれており、カードスロットに挿入されたメモリカード51と電気的に接続する。カードI/F49は、画像データ処理部46で画像処理された画像データをメモリカード51に格納する。また、メモリカード51に格納されている画像データを再生表示する際には、カードI/F49は、メモリカード51から画像データを読み出す。
【0037】
カメラボディ制御部41は、図示しないフォーカスリングの回転方向及び回転量の情報、又はオートフォーカス機能により計測した被写体距離の情報に応じてフォーカスレンズ22aを移動させる制御をレンズ制御部31に対して行う。
【0038】
カメラボディ制御部41は、後述するAE(Automatic Exposure;自動露出)処理部52により算出した露出情報に応じて絞りユニット38を動作させ、絞り径を変更するための制御信号をレンズ制御部31に送信する。レンズ制御部31は、制御信号に基づいてモータドライバ32を制御し、絞り径を変更する。レンズ制御部31は、制御信号に基づいてモータドライバ32を制御し、AE処理部52により算出した絞り値が得られるように絞りユニット38の絞り径を制御する。
【0039】
AE処理部52は、1フレーム分の画像データから、各色信号の積算値を算出する。カメラボディ制御部41は、1フレーム分の画像ごとに算出される積算値に基づき露出値を算出し、この露出値から所定のプログラム線図に従って、シャッタ速度及び絞り値を決定する。そして、カメラボディ制御部41は、決定したシャッタ速度が得られるようにシャッタモータ53の駆動を制御すると共に、制御信号をレンズ制御部31に送信する。レンズ制御部31は、制御信号に基づいてモータドライバ32を制御し、決定した絞り値が得られる絞り径に絞りユニット38を動作させる。
【0040】
レンズ鏡筒12では、撮像光学系22のズーム(画角変倍)の調節速度を、主に第1及び第2操作部材23、24で調節する。レンズ制御部31は、第3操作部材25の操作によりズーム操作についての複数のモードのうちいずれか1つに切り替える制御を行う。第3操作部材25の操作により切り替えるズーム操作についての複数のモードは、プログラムモード、可変速度モード、等速度モードである。
【0041】
プログラムモードは、特許請求の範囲における第1モードに相当する。レンズ制御部31は、第1操作部材23の操作量と、操作量に応じた画角変倍の調節量との関係を示す複数の設定パターンを予め記憶している。第3操作部材25によりプログラムモードが選択された場合、第2操作部材24により、あるいは、カメラボディ11からの入力操作により、複数の設定パターンのうちいずれか1つを選択することができる。なお、カメラボディ11で設定パターンの入力操作を行う場合、例えば、画像表示部48に複数の設定パターンを表示し、ユーザは、画像表示部48を参照して設定パターンのいずれか1つを選択することができる。そして、レンズ制御部31は、第1操作部材23が操作された場合、選択された設定パターンに従って、画角変倍を調節するプログラムモードを実行する制御を行う。
【0042】
上述したように、撮像光学系22におけるズーム操作では、第1操作部材23の操作量に応じてズームレンズ22bが移動する。図7は、レンズ制御部31が予め記憶し、プログラムモードにおいて実行する設定パターンの一例であり、操作量としての押圧時間TPと、押圧時間TPに応じた画角変倍速度Sとの関係を示す。画角変倍速度は特許請求の範囲における調節速度に相当する。
【0043】
図7(A)に示すパターンでは、立ち上がり(押圧開始時間T0)では、画角変倍速度Sの増加量が最も大きく(加速度が大きい)、押圧時間TPが経過するにつれて徐々に画角変倍速度Sの増加量が小さく(加速度が小さい)なり、ズームレンズ22bが広角端又は望遠端の付近では一定の画角変倍速度Sになっている。すなわち、立ち上がりの加速度を重視するパターンである。
【0044】
一方、図7(B)に示すパターンでは、立ち上がり(押圧開始時間T0)では、画角変倍速度Sの増加量が最も小さく(加速度が小さい)、押圧時間TPが経過するにつれて徐々に画角変倍速度Sの増加量が大きく(加速度が大きい)なり、ズームレンズ22bが広角端又は望遠端の付近(立ち下がり)では、画角変倍速度Sが最大になっている。すなわち、立ち下がりの加速度を重視するパターンである。なお、レンズ制御部31が予め記憶し、プログラムモードにおいて実行する設定パターンとしてはこれらに限らず、画角変倍速度、又は加速度が一定のパターン、あるいは、立ち上がりと立ち下がりの加速度を両方重視したパターンなど、ユーザの要望に応じて様々な設定パターンを設けることができる。
【0045】
また、レンズ制御部31は、プログラムモードにおいて、動画撮像の際又は第1操作部材23による画角変倍速度の調節を行っている際、第2操作部材24による画角変倍速度の調節指示(設定パターンの変更指示)を受け付けない。すなわち、動画撮像の際、又は撮像光学系22の画角変倍を行っている際、レンズ制御部31は、第2操作部材24の操作を無効とする制御を行う。
【0046】
可変速度モードは、特許請求の範囲における第2モードに相当する。レンズ制御部31は、第3操作部材25により可変速度モードが選択された場合、撮像光学系22の画角変倍速度を、第1操作部材23の操作量に応じて加速又は減速させる制御を行う。レンズ制御部31は、第1操作部材23の操作量としての押圧時間TPに応じた撮像光学系22の画角変倍速度Sの増加率又は減少率を予め記憶している。
【0047】
図8(A)は、第1操作部材23の押圧時間TPに応じて撮像光学系22の画角変倍速度Sが加速する場合の一例であり、図8(B)は、第1操作部材23の押圧時間TPに応じて撮像光学系22の画角変倍速度Sが減速する場合の一例である。そして、レンズ制御部31は、第3操作部材25により可変速度モードが選択された場合、第2操作部材24により、あるいは、カメラボディ11からの入力操作により、押圧時間TPに応じて撮像光学系22の画角変倍速度Sを加速又は減速する制御のいずれか1つを選択することができる。なお、押圧時間TPに応じて撮像光学系22の画角変倍速度Sを加速又は減速する制御はこれに限るものではなく、画角変倍速度Sの増加率、又は減少率が異なる複数段階のうちから1つを選択するものでもよい。
【0048】
等速度モードは、特許請求の範囲における第3モードに相当する。レンズ制御部31は、第3操作部材25により等速度モードが選択された場合、撮像光学系22の画角変倍を調節する際の画角変倍速度を、操作量に関わらず一定に保持する制御を行う。図9は、第1操作部材23の操作量としての押圧時間TPに関わらず画角変倍速度Sを一定に保持する場合の一例である。なお、押圧時間TPに関わらず画角変倍速度Sを一定に保持する制御はこれに限るものではなく、第2操作部材24の操作により複数の画角変倍速度Sのうちいずれか1つを選択するものでもよい。
【0049】
本実施形態のデジタルカメラ10の動作について図9図11のフローチャートを参照して説明する。ユーザにより電源スイッチ(図示せず)が操作されて電源がオン状態になるとデジタルカメラ10の各部に電源電圧が供給される。動画撮像を行う前、ユーザは、第3操作部材25を操作して第1~第3モードのいずれか1つを選択する。
【0050】
図10に示すように、プログラムモードが選択された場合、予め記憶された設定パターンのいずれか1つをユーザが選択する操作が行われる(S11)。そして撮像モードとして動画撮像を選択する操作が行われ、動画撮像を開始すると(S12)、レンズ制御部31は、ユーザが選択した設定パターンを読み出す(S13)。
【0051】
そして、レンズ制御部31は、第1操作部材23が押圧操作された場合(S14でY)、ユーザが選択した設定パターンに従って撮像光学系22の画角変倍速度を調節する制御を行う(S15)。レンズ制御部31は、撮像光学系22の画角変倍を行っている際、第2操作部材24による画角変倍速度の調節指示を受け付けない。すなわち、第2操作部材24の操作を無効とする制御を行う(S16)。なお、第1操作部材23が押圧操作されていない場合(S14でN)、レンズ制御部31は、撮像光学系22の画角変倍を行わない。
【0052】
第1操作部材23の押圧操作を終了した場合(S17でY)、レンズ制御部は、ズームレンズ22bの移動を停止させて撮像光学系22の画角変倍を終了する(S18)。なお、第1操作部材23の押圧操作を続行する場合(S17でN)、レンズ制御部31は、ユーザが選択した設定パターンに従って撮像光学系22の画角変倍速度を調節する制御を続行する(S15)。
【0053】
図11に示すように、可変速度モードが選択された場合、可変速度(画角変倍速度を加速又は減速する制御)のいずれか1つをユーザが選択する操作が行われる(S21)。そして撮像モードとして動画撮像を選択する操作が行われ、動画撮像を開始すると(S22)、レンズ制御部31は、ユーザが選択した可変速度を読み出す(S23)。
【0054】
そして、レンズ制御部31は、第1操作部材23が押圧操作された場合(S24でY)、ユーザが選択した可変速度に従って撮像光学系22の画角変倍速度を加速又は減速する制御を行う(S25)。なお、第1操作部材23が押圧操作されていない場合(S24でN)、レンズ制御部31は、撮像光学系22の画角変倍を行わない。また、レンズ制御部31は、撮像光学系22の画角変倍を行っている際、第2操作部材24による可変速度の変更指示を受け付けてもよい。この場合、レンズ制御部31は、変更後の可変速度に従って撮像光学系22の画角変倍速度を加速又は減速する制御を行う。
【0055】
第1操作部材23の押圧操作を終了した場合(S26でY)、レンズ制御部は、ズームレンズ22bの移動を停止させて撮像光学系22の画角変倍を終了する(S18)。なお、第1操作部材23の押圧操作を続行する場合(S17でN)、レンズ制御部31は、ユーザが選択した設定パターンに従って撮像光学系22の画角変倍速度を調節する制御を続行する(S25)。
【0056】
図12に示すように、等速度モードが選択された場合、撮像モードとして動画撮像を選択する操作が行われ、動画撮像を開始する(S31)。そして、レンズ制御部31は、第1操作部材23が押圧操作された場合(S32でY)、押圧時間に関わらず画角変倍速度を一定に保持する制御を行う(S33)。なお、第1操作部材23が押圧操作されていない場合(S32でN)、レンズ制御部31は、撮像光学系22の画角変倍を行わない。また、レンズ制御部31は、撮像光学系22の画角変倍を行っている際、第2操作部材24による画像変倍速度の変更指示を受け付けてもよい。この場合、レンズ制御部31は、変更後の画角変倍速度に従って、押圧時間に関わらず画角変倍速度を一定に保持する制御を行う。
【0057】
第1操作部材23の押圧操作を終了した場合(S34でY)、レンズ制御部は、ズームレンズ22bの移動を停止させて撮像光学系22の画角変倍を終了する(S35)。なお、第1操作部材23の押圧操作を続行する場合(S34でN)、レンズ制御部31は、押圧時間に関わらず画角変倍速度を一定に保持する制御を続行する(S35)。
【0058】
以上のように、動画撮像の際、第2操作部材24を用いて画角変倍の調節度合(可変速度、又は速度等)を変更することにより、ユーザが任意の画角変倍速度に容易に変更することができる。
【0059】
また、第2操作部材24は、第1操作部材23の近傍に設けられている。これにより、ユーザは、左手の指を僅かに動かすだけで、第1操作部材23と第2操作部材24との間で操作の対象を切り替えることができる。すなわち、画角変倍速度を調節する操作をさらに容易に行うことができる。また、第2操作部材24は、第1操作部材23に対してレンズ鏡筒本体21の光軸方向OAに配されているため、画角変倍速度を調節する操作をさらに容易に行うことができる。また、第2操作部材24は、第1操作部材23に対してレンズ鏡筒本体21の光軸方向OAにおけるカメラボディ11側に位置し、かつレンズ鏡筒本体21の周方向Rにおいて第1操作部材23と重なる位置に配されていることも、画角変倍速度を調節する際の操作性向上において効果的である。
【0060】
また、プログラムモードにおいて、レンズ制御部31は、撮像光学系22の画角変倍を行っている際、第2操作部材24による画角変倍速度の調節指示を受け付けない制御を行っているため、ユーザが意図せずに第2操作部材24を動かしてしまった場合でも、設定パターンが変更することなく、ユーザが選択した設定パターンに従って撮像光学系22の画角変倍速度を調節する制御を続行することができる。
【0061】
また、第2操作部材24の回動を規制状態にする規制機構を備えているため、ユーザが所望する調節度合(画角変倍速度、又は加速度)に変更した後、調節度合をこれ以降変更したくない場合は、ロック摘み28を操作して第2操作部材の回動を規制状態にすればよい。これにより、ユーザが意図せずに第2操作部材24に触れてしまった場合でも、調節度合が変更することがない。
【0062】
また、第1~第3操作部材23~25を1箇所の操作部材エリア29内に配置したので、操作部材の実装スペースを少なくすることができ、レンズ鏡筒12全体の小型化及び軽量化を図ることができる。これにより、ユーザがレンズ鏡筒12を把持する際の負担が少なく、長時間撮影でも疲れにくいという利点がある。また、本実施形態では、第1~第3操作部材23~25は、回転操作環ではなく、シーソースイッチ等の操作スイッチであることから、容易に防水構造とすることができる。
【0063】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、第3操作部材25としてスライドスイッチを適用する例を上げているが、本発明はこれに限らず、図13に示すレンズ鏡筒61のように、第3操作部材62を回動部材にしてもよい。なお、第3操作部材62以外の構成は上記第1実施形態のレンズ鏡筒12と同様であり、同様の部品については同符号を付して説明を省略する。
【0064】
第3操作部材62は、レンズ鏡筒本体21の周囲に設けられており、具体的には、レンズ鏡筒本体21の外周面に設けられている。第3操作部材62は、上述した操作部材エリア29の範囲内に配されている。第3操作部材62は、第1操作部材23に対して光軸方向OAにおけるカメラボディ11側に位置し、かつ光軸方向OAにおいて第2操作部材24と重なる位置に配されている。
【0065】
第3操作部材62は、レンズ鏡筒本体21の光軸方向OAと交差する回動軸CL2を中心に回動可能に支持されている第2回動部材である。なお、回動軸CL2は、光軸方向OAと直交することが好ましい。第3操作部材62は、プログラムモード、第2モード、及び第3モードのいずれか1つにモードを切り替えるモード切り替えスイッチである。
【0066】
上記第1実施形態と同様に、第1~第3操作部材23、24、62を1箇所の操作部材エリア29内に配置したので、操作部材の実装スペースを少なくすることができ、レンズ鏡筒61全体の小型化及び軽量化を図ることができる。これにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、上記第1実施形態と同様に、第1~第3操作部材23、24、62は、回転操作環ではなく、シーソースイッチ等の操作スイッチであることから、容易に防水構造とすることができる。
【0067】
[第3実施形態]
上記第1及び第2実施形態では、レンズ鏡筒本体21がほぼ一定の外径を有する円筒形状であるが、これに限らず、図14に示すように、段差部を有する円筒形状であるレンズ鏡筒本体67から構成されるレンズ鏡筒66に本発明を適用してもよい。なお、上記第1及び第2実施形態と同様の部品については同符号を付して説明を省略する。
【0068】
レンズ鏡筒本体67は、カメラボディ11側から被写体側へ向けて徐々に外径が大きくなる小径部67A、中径部67B、及び大径部67Cから構成される。大径部67Cの外径RMは、すなわち、レンズ鏡筒本体67の最大外径である。本実施形態では、第1操作部材23は中径部67Bに、第2及び第3操作部材24、25は小径部67Aに配されている。なお、本実施形態においても第1~第3操作部材23~25を上記第1実施形態で述べた操作部材エリア29内に配置することが好ましい。
【0069】
図15に示すように、第2操作部材24は、レンズ鏡筒本体67の径方向における位置が、レンズ鏡筒本体67の最大外径である外径RMよりも内径側に位置している。これにより、第2操作部材24による操作性を向上させると共に、レンズ鏡筒66全体の小型化を図ることができる。
【0070】
[第4実施形態]
上記第1~第3実施形態では、第1~第3操作部材をレンズ鏡筒本体に設けているが、本発明はこれに限らず、図16に示すレンズ鏡筒71のように、第1及び第2操作部材23、24を含む操作モジュール73がレンズ鏡筒本体72に対して着脱自在に設けられていてもよい。なお、上記第1及び第2実施形態と同様の部品については同符号を付して説明を省略する。
【0071】
操作モジュール73は、例えば、レンズ鏡筒本体72の外周面の一部を構成する。レンズ鏡筒本体72は、外周面に凹部72Aを有する。操作モジュール73及びレンズ鏡筒本体72は、例えば磁性体などの吸着部材がそれぞれ設けられている。操作モジュール73は、凹部72Aに嵌合させると共に、吸着部材が吸着することによりレンズ鏡筒本体72に対して着脱自在に取り付けられる。操作モジュール73は、無線等を介してレンズ制御部31と通信し、第1及び第2操作部材23、24の操作による信号を送信することが好ましい。
【0072】
なお、図16においては、操作モジュール73には、第1~第3操作部材23~25の全てが含まれているが、これに限らず、第1及び第2操作部材23、24が少なくとも含まれていればよい。また、操作モジュール73は、上記第1実施形態で述べた操作部材エリア29内に取り付けられることが好ましい。
【0073】
上記各実施形態では、動画撮像の際、第1~第3操作部材により調節を行う光学機能としては、撮像光学系22の画角変倍を例示しているが、本発明は、これに限らず、レンズ鏡筒において調節を行うことができる光学機能であればよく、例えば、撮像光学系22の絞り、手振れ補正量のいずれか1つでもよい。動画撮像の際、撮像光学系22の絞りを第1~第3操作部材により調節する場合、第1操作部材の操作量に応じて、最大絞り側又は最小絞り側に絞り羽根を移動させることが好ましく、上記各実施形態と同様に、第3操作部材により第1~第3モードのいずれか1つを選択し、絞り羽根の調節度合(移動速度、又は加速度)を第2操作部材により変更することが好ましい。
【0074】
また、動画撮像の際、撮像光学系22の手振れ補正量を第1~第3操作部材により調節する場合、第1操作部材の操作量に応じて、手振れ補正レンズの移動について調節することが好ましく、上記各実施形態と同様に、第3操作部材により第1~第3モードのいずれか1つを選択し、手振れ補正レンズの調節度合(移動速度、又は加速度)を第2操作部材により変更することが好ましい。
【0075】
また、上記各実施形態では、第1操作部材としてはシーソースイッチを、第2操作部材としてはスライドスイッチを主として用いているが、本発明はこれに限らず、第1操作部材としては、スライドスイッチ、押しボタン、スライドレバー、ガルバノレバー、ガルバノスイッチ、レンズ鏡筒本体に対して揺動可能に設けられた揺動材、及びレンズ鏡筒本体に対してスライド又は回動可能に設けられた可動材など操作量に応じた入力可能な操作部材であればよい。また、第1操作部材を押しボタンとする場合、1つのレンズ鏡筒本体に対して2つの押しボタンを設けることが好ましい。一方、第2操作部材としては、操作ダイヤル、ボリューム、ジョグダイヤル、ガルバノダイヤル、揺動ダイヤル、つまみ、調整ノブ、回転突起、コマンドダイヤル、回転子など、回動により入力可能な操作部材であればよい。
【0076】
上記各実施形態において、レンズ制御部31、カメラボディ制御部41のような各種の処理を実行する処理部のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサである。各種のプロセッサには、ソフトウエア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるPLD(Programmable Logic Device)、各種の処理を実行するために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
【0077】
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合せ(例えば、複数のFPGAや、CPUとFPGAの組み合わせ、又はCPUとGPUの組み合わせ等)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウエアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、SoC(System On Chip)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
【0078】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた形態の電気回路(circuitry)である。
【0079】
なお、本発明は、デジタルカメラ以外に、スマートフォン、ビデオカメラ等の撮像装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0080】
10 デジタルカメラ
11 カメラボディ
12 レンズ鏡筒
13 レンズマウント
14 レリーズスイッチ
16 撮像素子
17 ボディ側信号接点
21 レンズ鏡筒本体
22 撮像光学系
22a フォーカスレンズ
22b ズームレンズ
22c 手振れ補正レンズ
23 第1操作部材
24 第2操作部材
25 第3操作部材
26 レンズマウント
27 レンズ側信号接点
28 ロック摘み
29 操作部材エリア
31 レンズ制御部
32 モータドライバ
33 手振れ検出センサ
34~37 モータ
38 絞りユニット
38a 絞り羽根
41 カメラボディ制御部
42 シャッタユニット
43 モータドライバ
44 画像メモリ
45 バスライン
46 画像データ処理部
47 LCDドライバ
48 画像表示部
49 I/F(Interface)
51 メモリカード
52 AE(Automatic Exposure;自動露出)処理部
53 シャッタモータ
61 レンズ鏡筒
62 第3操作部材
66 レンズ鏡筒
67 レンズ鏡筒本体
67A 小径部
67B 中径部
67C 大径部
71 レンズ鏡筒
72 レンズ鏡筒本体
72A 凹部
73 操作モジュール
CL1 回動軸
CL2 回動軸
E1 範囲
E2 範囲
OA 光軸方向
P0 基準位置
R 周方向
RM 外径
S 画角変倍速度
TP 押圧時間
T0 押圧開始時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16