IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニ・チャーム株式会社の特許一覧

特開2024-542吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法
<>
  • 特開-吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法 図1
  • 特開-吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法 図2
  • 特開-吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法 図3
  • 特開-吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法 図4
  • 特開-吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法 図5
  • 特開-吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法 図6
  • 特開-吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法 図7
  • 特開-吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法 図8
  • 特開-吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法 図9
  • 特開-吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法 図10
  • 特開-吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法 図11
  • 特開-吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法 図12
  • 特開-吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法 図13
  • 特開-吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法 図14
  • 特開-吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法 図15
  • 特開-吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000542
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
A61F13/15 352
A61F13/15 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100540
(22)【出願日】2023-06-20
(31)【優先権主張番号】P 2022099252
(32)【優先日】2022-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕一
(72)【発明者】
【氏名】森実 夕里子
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BA14
3B200CA02
3B200CA11
3B200DB05
3B200EA02
(57)【要約】
【課題】凸部の側部と凹部の側部とで吸収体の基材を圧搾することで圧搾溝を形成する場合に、吸収体の品質を安定化できる吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法を提供する。
【解決手段】吸収体(30)の製造方法は、互いに対向する一対のロールの一方のロールに設けられた前記凸部と他方のロールに設けられた前記凹部とにより、前記基材に前記圧搾溝を形成する圧搾工程(S20)を有する。前記圧搾形成部は、前記凸部の側部と前記凹部の側部とのうち前記基材を圧搾する部分であるサイド圧搾形成部を有する。前記圧搾工程では、少なくとも前記サイド圧搾形成部で前記基材を圧搾しながら搬送方向に前記基材を送り出す。前記垂直方向における前記サイド圧搾形成部の一方側の前記基材の送り出し速度と他方側との前記基材の送り出し速度の差が5%以内である。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する凸部と凹部とにより構成される圧搾形成部により圧搾された圧搾溝を有する吸収体の製造方法であって、
互いに対向する一対のロールの一方のロールに設けられた前記凸部と他方のロールに設けられた前記凹部とにより、前記基材に前記圧搾溝を形成する圧搾工程を有し、
前記圧搾形成部は、前記凸部の側部と前記凹部の側部とのうち前記吸収体の基材を圧搾する部分であるサイド圧搾形成部を有し、
前記圧搾工程では、少なくとも前記サイド圧搾形成部で前記基材を圧搾しながら搬送方向に前記基材を送り出し、
前記垂直方向における前記サイド圧搾形成部の一方側の前記基材の送り出し速度と他方側との前記基材の送り出し速度の差が5%以内である、吸収体の製造方法。
【請求項2】
前記凸部の頂部から前記凹部の底部までの最短距離は、前記凸部の側部から前記凹部の底部までの最短距離よりも長い、請求項1に記載の吸収体の製造方法。
【請求項3】
前記圧搾形成部が交差方向に間隔を空けて複数配置されており、
前記複数の圧搾形成部は、第1圧搾形成部と、前記交差方向において前記第1圧搾形成部の隣りに配置されている第2圧搾形成部とを有し、
前記第1圧搾形成部の前記基材の送り出し速度と前記第2圧搾形成部の前記基材の送り出し速度との最大差が5%以内である、請求項1又は2に記載の吸収体の製造方法。
【請求項4】
前記一対のロールのうち前記基材が載せられる載置面を有する下ロールは、前記交差方向に平行な前記載置面であって、前記基材の前記交差方向の端部が載置される端部平行面を有し、
前記複数の圧搾形成部のそれぞれの前記サイド圧搾形成部の前記端部平行面を基準とした前記垂直方向の最大距離は、前記下ロールの回転軸から前記端部平行面までの半径距離の5%以下である、請求項3に記載の吸収体の製造方法。
【請求項5】
前記交差方向において前記複数の圧搾形成部の間隔は、前記垂直方向における前記凸部の高さ以上である、請求項3に記載の吸収体の製造方法。
【請求項6】
前記一対のロールのうちの下ロールは、前記基材が載せられる載置面を有し、
前記交差方向に前記載置面を5等分した場合の中央に位置する中央領域が設けられており、
前記圧搾工程では、前記複数の圧搾形成部のいずれかが、前記中央領域において前記基材を圧搾する、請求項3に記載の吸収体の製造方法。
【請求項7】
前記一対のロールのうちの下ロールは、前記基材が載せられる載置面を有し、
前記交差方向に前記載置面を5等分した場合の中央に位置する中央領域と、前記交差方向において当該中央領域の両側に位置するサイド領域と、が設けられており、
前記圧搾工程では、前記複数の圧搾形成部が、前記中央領域において前記基材を圧搾せずに、前記サイド領域において前記基材を圧搾する、請求項3に記載の吸収体の製造方法。
【請求項8】
前記一方のロールは、前記第1圧搾形成部の前記凸部と前記第2圧搾形成部の前記凹部とを有し、
前記他方のロールは、前記第1圧搾形成部の前記凹部と前記第2圧搾形成部の前記凸部とを有する、請求項3に記載の吸収体の製造方法。
【請求項9】
前記一対のロールのうち前記基材が載せられる載置面を有する下ロールにおいて、前記第1圧搾形成部と前記第2圧搾形成部との間に載置され、前記基材に対向する中間面は、前記交差方向に対して傾斜している傾斜載置面を有する、請求項3に記載の吸収体の製造方法。
【請求項10】
前記圧搾形成部の交差方向の両側には、前記基材を圧搾せずに搬送する非圧搾形成部が設けられており、
前記一対のロールのうち前記基材が載せられる載置面を有する下ロールにおいて、前記非圧搾形成部は、前記交差方向における前記圧搾形成部の端部から前記交差方向に平行に延びる平行延出面を有する、請求項1又は2に記載の吸収体の製造方法。
【請求項11】
前記圧搾形成部が交差方向に間隔を空けて複数配置されており、
前記複数の圧搾形成部は、第1圧搾形成部と、前記交差方向において前記第1圧搾形成部の隣りに配置されている第2圧搾形成部と、を有し、
前記第1圧搾形成部と前記第2圧搾形成部との間には、前記非圧搾形成部が設けられており、
前記下ロールにおいて、前記非圧搾形成部は、前記第1圧搾形成部と前記第2圧搾形成部との間に配置され、前記基材に対向する中間面を有し、
前記下ロールにおいて前記中間面は、前記平行延出面と、前記平行延出面よりも前記下ロールの回転軸に近くかつ前記交差方向に延びる軸側平行面を有し、
前記軸側平行面から前記一対のロールのうち上ロールまでの前記垂直方向の平均距離は、前記平行延出面から前記上ロールまでの前記垂直方向の平均距離よりも長い、請求項10に記載の吸収体の製造方法。
【請求項12】
前記凸部の頂部には、前記垂直方向において突出する複数の小突起部が前記搬送方向に間隔を空けて配置されており、
前記小突起部は、前記搬送方向に対して傾斜しながら交差方向に延びており、
前記小突起部は、前記小突起部に隣接する前記小突起部と前記交差方向において重なっている、請求項1又は2に記載の吸収体の製造方法。
【請求項13】
前記圧搾工程の後、前記基材を前記搬送方向に分割するように前記基材を切断する切断工程を有する、請求項1又は2に記載の吸収体の製造方法。
【請求項14】
前記基材を前記搬送方向に分割するように前記基材を切断する切断工程を有し、
前記圧搾工程では、前記切断された基材に前記圧搾溝を形成する、請求項1又は2に記載の吸収体の製造方法。
【請求項15】
前記一対のロールのそれぞれは、交差方向に分割された複数のロール部を有し、
前記複数のロール部のそれぞれには、少なくとも1つの前記圧搾形成部が配置されており、
前記圧搾工程では、前記基材の送り出し速度の差が5%以内となるように、前記複数のロール部のそれぞれの回転速度を制御する、請求項1又は2に記載の吸収体の製造方法。
【請求項16】
前記複数のロール部間には隙間がある、請求項15に記載の吸収体の製造方法。
【請求項17】
圧搾溝を有する吸収体の製造装置であって、
互いに対向する一対のロールと、
互いに対向する凸部と凹部とにより構成され、前記吸収体の基材を圧搾する圧搾形成部と、を有し、
前記圧搾形成部は、前記一対のロールの一方のロールに設けられた前記凸部と他方のロールに設けられた前記凹部とにより、前記基材に前記圧搾溝を形成し、
前記圧搾形成部は、前記凸部の側部と前記凹部の側部とのうち前記基材を圧搾する部分であるサイド圧搾形成部を有し、
少なくとも前記サイド圧搾形成部で前記基材を圧搾しながら搬送方向に前記基材を送り出し、
前記垂直方向における前記サイド圧搾形成部の一方側の前記基材の送り出し速度と他方側との前記基材の送り出し速度の差が5%以内である、吸収体の製造装置。
【請求項18】
互いに対向する凸部と凹部とにより構成される圧搾形成部により圧搾された圧搾溝を有する吸収体を備えた吸収性物品の製造方法であって、
互いに対向する一対のロールの一方のロールに設けられた前記凸部と他方のロールに設けられた前記凹部とにより、前記吸収体の基材に前記圧搾溝を形成する圧搾工程を有し、
前記圧搾形成部は、前記凸部の側部と前記凹部の側部とのうち前記基材を圧搾する部分であるサイド圧搾形成部を有し、
前記圧搾工程では、少なくとも前記サイド圧搾形成部で前記基材を圧搾しながら搬送方向に前記基材を送り出し、
前記垂直方向における前記サイド圧搾形成部の一方側の前記基材の送り出し速度と他方側との前記基材の送り出し速度の差が5%以内である、吸収性物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、互いに対向する凸部と凹部とにより構成される圧搾形成部により圧搾された吸収体の製造方法が開示されている。当該製造方法では、まず、吸収コア材と当該吸収コア材を被覆シートにより垂直方向に覆うことで、吸収体の基材を形成する。次に、互いに対向する一対のロールの一方のロールに設けられた凸部と他方のロールに設けられた凹部とにより、吸収体の基材に圧搾溝を形成する。具体的には、凸部の頂部と凹部の底部とで吸収体の基材を圧搾するだけでなく、凸部の側部と凹部の側部とで吸収体の基材を圧搾することで、圧搾溝を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6171118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の製造方法では、平行面に対向する凸部で吸収体の基材を圧搾する一般的な製造方法と比べると圧搾溝が強く形成される。これにより、圧搾溝を形成する際に、吸収体の基材が破損することがあった。その結果、吸収体の品質が安定しない懸念があった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、凸部の側部と凹部の側部とで吸収体の基材を圧搾することで圧搾溝を形成する場合に、吸収体の品質を安定化できる吸収体の製造方法、吸収体の製造装置、及び吸収性物品の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る吸収体の製造方法は、互いに対向する凸部と凹部とにより構成される圧搾形成部により圧搾された圧搾溝を有する吸収体の製造方法である。当該製造方法は、互いに対向する一対のロールの一方のロールに設けられた前記凸部と他方のロールに設けられた前記凹部とにより、前記吸収体の基材に前記圧搾溝を形成する圧搾工程を有する。前記圧搾形成部は、前記凸部の側部と前記凹部の側部とのうち前記基材を圧搾する部分であるサイド圧搾形成部を有する。前記圧搾工程では、少なくとも前記サイド圧搾形成部で前記基材を圧搾しながら搬送方向に前記基材を送り出す。前記垂直方向における前記サイド圧搾形成部の一方側の前記基材の送り出し速度と他方側との前記基材の送り出し速度の差が5%以内である。
【0007】
他の態様に係る吸収体の製造装置は、圧搾溝を有する吸収体の製造装置である。当該製造装置は、互いに対向する一対のロールと、互いに対向する凸部と凹部とにより構成され、前記吸収体の基材を圧搾する圧搾形成部と、を有する。前記圧搾形成部は、前記一対のロールの一方のロールに設けられた前記凸部と他方のロールに設けられた前記凹部とにより、前記基材に前記圧搾溝を形成する。前記圧搾形成部は、前記凸部の側部と前記凹部の側部とのうち前記基材を圧搾する部分であるサイド圧搾形成部を有する。少なくとも前記サイド圧搾形成部で前記基材を圧搾しながら搬送方向に前記基材を送り出す。前記垂直方向における前記サイド圧搾形成部の一方側の前記基材の送り出し速度と他方側との前記基材の送り出し速度の差が5%以内である。
【0008】
他の態様に係る吸収性物品の製造方法は、互いに対向する凸部と凹部とにより構成される圧搾形成部により圧搾された圧搾溝を有する吸収体を備えた吸収性物品の製造方法である。当該製造方法は、互いに対向する一対のロールの一方のロールに設けられた前記凸部と他方のロールに設けられた前記凹部とにより、前記吸収体の基材に前記圧搾溝を形成する圧搾工程を有する。前記圧搾形成部は、前記凸部の側部と前記凹部の側部とのうち前記基材を圧搾する部分であるサイド圧搾形成部を有する。前記圧搾工程では、少なくとも前記サイド圧搾形成部で前記基材を圧搾しながら搬送方向に前記基材を送り出す。前記垂直方向における前記サイド圧搾形成部の一方側の前記基材の送り出し速度と他方側との前記基材の送り出し速度の差が5%以内である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る吸収性物品の肌面側から見た平面図である。
図2図2は、実施形態に係る吸収性物品1の非肌面側から見た平面図である。
図3図3は、図1に示すA-A線に沿った吸収性物品の概略断面図である。
図4図4は、図3においてF4で示される範囲の吸収性物品1の模式的な断面図である。
図5図5は、実施形態に係る吸収体の肌面側T1から見た平面図である。
図6図6は、実施形態に係る吸収コアが幅方向内側へ向かう力を受けた場合を説明するための概略断面図である。
図7図7は、着用者が実施形態に係る吸収性物品を着用する際の吸収コアの動きを説明するための概略図である。
図8図8は、変更例に係る吸収体30の肌面側T1から見た平面図である。
図9図9は、実施形態に係る吸収性物品1の製造ラインの一部の概略側面図である。
図10図10は、実施形態に係る第1圧搾装置121の概略正面図である。
図11図11は、実施形態に係る第1圧搾装置121の一部拡大断面図である。
図12図12は、基材30Bの送り出し速度を説明するための図である。
図13図13は、変更例1に係る第1圧搾装置121の一部拡大断面図である。
図14図14は、変更例2及び3に係る第1圧搾装置121の一部拡大断面図である。
図15図15は、変更例4に係る凸部Cを説明するための図である。
図16図16は、変更例5に係る第1圧搾装置121の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
態様1に係る吸収体の製造方法は、互いに対向する凸部と凹部とにより構成される圧搾形成部により圧搾された圧搾溝を有する吸収体の製造方法である。当該製造方法は、互いに対向する一対のロールの一方のロールに設けられた前記凸部と他方のロールに設けられた前記凹部とにより、前記吸収体の基材に前記圧搾溝を形成する圧搾工程を有する。前記圧搾形成部は、前記凸部の側部と前記凹部の側部とのうち前記基材を圧搾する部分であるサイド圧搾形成部を有する。前記圧搾工程では、少なくとも前記サイド圧搾形成部で前記基材を圧搾しながら搬送方向に前記基材を送り出す。前記垂直方向における前記サイド圧搾形成部の一方側の前記基材の送り出し速度と他方側との前記基材の送り出し速度の差が5%以内である。
【0011】
発明者が鋭意検討した結果、サイド圧搾形成部で吸収体の基材を圧搾する際に、基材のうち相対的に速く搬送される部分と、相対的に遅く搬送される部分とが生じることが分かった。例えば、基材が、一対のロールうち一方のロールに載せられて搬送されるケースを想定する。サイド圧搾形成部のうち一方のロール側の部分(例えば、垂直方向におけるサイド圧搾形成部の一方側)は、サイド圧搾形成部のうち他方のロール側の部分(例えば、垂直方向におけるサイド圧搾形成部の他方側)と比べると、一方のロールの回転軸に近いため、基材の送り出し速度が相対的に遅くなる。従って、サイド圧搾形成部の一方側で送り出される基材の部分は相対的に遅く搬送され、サイド圧搾形成部の他方側で送り出される基材の部分は相対的に速く搬送される。相対的な速度差によって基材内で搬送方向のずれが生じる。圧搾された部分は剛性が高いため、搬送方向のずれに起因して破損(特に切れ)が発生し易い。ここで、サイド圧搾形成部の一方側と他方側との基材の送り出し速度の差を5%以内とすることで、相対的に速く搬送される部分と、相対的に遅く搬送される部分との搬送方向のずれを低減できる。その結果、基材内での搬送方向のずれに起因した基材の破損(特に、サイド圧搾形成部にて圧搾された部分と未圧搾部分との境界での切れ)を抑制でき、破損のない吸収体を形成し易くなる。
【0012】
好ましい態様によれば、態様2に係る発明は、態様1に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記凸部の頂部から前記凹部の底部までの最短距離は、前記凸部の側部から前記凹部の底部までの最短距離よりも長い。基材が凸部の頂部と凹部の底部とにより受ける力が、サイド圧搾形成部から受ける力と比較して相対的に弱くなる。これにより、サイド圧搾形成部により圧搾された力が、凸部の頂部と凹部の底部との間で逃げ易くなり、基材の破損を抑制し易くなる。また、サイド圧搾形成部で圧搾される部分と比較して、凸部の頂部と凹部の底部との間の剛性を低くでき、凸部の頂部と凹部の底部との間の部分に対する着用者の肌触りの悪化を低減できる。
【0013】
好ましい態様によれば、態様3に係る発明は、態様1又は2に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記圧搾形成部が交差方向に間隔を空けて複数配置されている。前記複数の圧搾形成部は、第1圧搾形成部と、前記交差方向において前記第1圧搾形成部の隣りに配置されている第2圧搾形成部とを有する。前記第1圧搾形成部の前記基材の送り出し速度と前記第2圧搾形成部の前記基材の送り出し速度との最大差が5%以内である。これにより、基材のうち、第1圧搾形成部と第2圧搾形成部とのうち相対的に速く搬送される部分と、相対的に遅く搬送される部分と、の搬送方向のずれを低減できる。その結果、基材内での搬送方向のずれに起因した基材の破損を抑制できる。
【0014】
好ましい態様によれば、態様4に係る発明は、態様3に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記一対のロールのうち前記基材が載せられる載置面を有する下ロールは、前記交差方向に平行な前記載置面であって、前記基材の前記交差方向の端部が載置される端部平行面を有する。前記複数の圧搾形成部のそれぞれの前記サイド圧搾形成部の前記端部平行面を基準とした前記垂直方向の最大距離は、前記下ロールの回転軸から前記端部平行面までの半径距離の5%以下である。垂直方向においてサイド圧搾形成部が端部平行面から離れるほど、サイド圧搾形成部での基材の送り出し速度と端部平行面での基材の送り出し速度との差が大きくなる。サイド圧搾形成部の最大距離が上述の半径距離の5%以下とすることで、各サイド圧搾形成部の基材の送り出し速度の差を小さくすることができる。その結果、基材内での搬送方向のずれに起因した基材の破損を抑制できる。
【0015】
好ましい態様によれば、態様5に係る発明は、態様3又は4に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記交差方向において前記複数の圧搾形成部の間隔は、前記垂直方向における前記凸部の高さ以上である。複数の圧搾形成部の間に掛かる力が、基材の局所的な部分に集中せずに、交差方向の広い範囲に分散されるため、複数の圧搾形成部の間の交差方向の単位長さ当たりの搬送方向のずれを低減できる。複数の圧搾形成部間に位置する基材の局所的な部分に負荷が集中することを低減でき、複数の圧搾形成部の間で生じる基材の破損を抑制できる。
【0016】
好ましい態様によれば、態様6に係る発明は、態様3から5のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記一対のロールのうちの下ロールは、前記基材が載せられる載置面を有する。前記交差方向に前記載置面を5等分した場合の中央に位置する中央領域が設けられている。前記圧搾工程では、前記複数の圧搾形成部のいずれかが、前記中央領域において前記基材を圧搾する。圧搾工程において、中央領域において基材を圧搾する圧搾形成部が、中央領域で基材を押さえることができ、交差方向における基材の中央の位置ずれを抑制できる。その結果、基材の位置ずれに起因して狙いと異なる位置で圧搾されることを抑制できる。
【0017】
好ましい態様によれば、態様7に係る発明は、態様3から5のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記一対のロールのうちの下ロールは、前記基材が載せられる載置面を有する。前記交差方向に前記載置面を5等分した場合の中央に位置する中央領域と、前記交差方向において当該中央領域の両側に位置するサイド領域と、が設けられている。前記圧搾工程では、前記複数の圧搾形成部が、前記中央領域において前記基材を圧搾せずに、前記サイド領域において前記基材を圧搾する。サイド領域に位置する基材部分は中央領域から遠い方の端部が自由端であるため、当該端部側で圧搾による力が逃がし易い。一方で、中央領域に位置する基材部分の両側の端部は、サイド領域に位置する基材部分とつながっているため、圧搾による力が逃げにくい。複数の圧搾形成部が中央領域を圧搾せずにサイド領域にて基材を圧搾することで、基材の破損を抑制できる。
【0018】
好ましい態様によれば、態様8に係る発明は、態様3から7のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記一方のロールは、前記第1圧搾形成部の前記凸部と前記第2圧搾形成部の前記凹部とを有する。前記他方のロールは、前記第1圧搾形成部の前記凹部と前記第2圧搾形成部の前記凸部とを有する。一方のロールの第1圧搾形成部の凸部によって垂直方向の一方側から基材を圧搾すると共に、他方のロールの第2圧搾形成部の凸部によって、垂直方向の他方側から基材を圧搾する。これにより、基材が垂直方向の両側から押されるため、搬送時の位置ずれを抑制できる。その結果、基材の位置ずれに起因して狙いと異なる位置で圧搾されることを抑制できる。
【0019】
好ましい態様によれば、態様9に係る発明は、態様3から8のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記一対のロールのうち前記基材が載せられる載置面を有する下ロールにおいて、前記第1圧搾形成部と前記第2圧搾形成部との間に載置され、前記基材に対向する中間面は、前記交差方向に対して傾斜している傾斜載置面を有する。中間面が交差方向に対して常に平行である場合と比較すると、傾斜による高さの分だけ中間面の長さを長くできる。これにより、第1圧搾形成部と第2圧搾形成部との間に掛かる力が、基材の局所的な部分に集中せずに、交差方向の広い範囲に分散される。これにより、第1圧搾形成部と第2圧搾形成部との間の交差方向の単位長さ当たりの搬送方向のずれを低減できる。その結果、第1圧搾形成部と第2圧搾形成部との間に位置する基材の局所的な部分に負荷が集中することを低減でき、第1圧搾形成部と第2圧搾形成部との間で生じる基材の破損を抑制できる。
【0020】
好ましい態様によれば、態様10に係る発明は、態様3から9のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記圧搾形成部の交差方向の両側には、前記基材を圧搾せずに搬送する非圧搾形成部が設けられている。前記一対のロールのうち前記基材が載せられる載置面を有する下ロールにおいて、前記非圧搾形成部は、前記交差方向における前記圧搾形成部の端部から前記交差方向に平行に延びる平行延出面を有する。平行延出面上の基材部分は、下ロールの回転軸からの距離が一定であるため、当該基材部分の送り出し速度が一定である。従って、当該基材部分には、基材内で搬送方向のずれが生じない。そのため、サイド圧搾形成部の一方側と他方側との基材の送り出し速度の差によって生じた搬送方向のずれを、平行延出面上の基材部分で吸収することができる。その結果、基材内での搬送方向のずれに起因した基材の破損を抑制できる。
【0021】
好ましい態様によれば、態様11に係る発明は、態様10に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記圧搾形成部が交差方向に間隔を空けて複数配置されている。前記複数の圧搾形成部は、第1圧搾形成部と、前記交差方向において前記第1圧搾形成部の隣りに配置されている第2圧搾形成部と、を有する。前記第1圧搾形成部と前記第2圧搾形成部との間には、前記非圧搾形成部が設けられている。前記下ロールにおいて、前記非圧搾形成部は、前記第1圧搾形成部と前記第2圧搾形成部との間に配置され、前記基材に対向する中間面を有する。前記下ロールにおいて前記中間面は、前記平行延出面と、前記平行延出面よりも前記下ロールの回転軸に近くかつ前記交差方向に延びる軸側平行面を有する。前記軸側平行面から前記一対のロールのうち上ロールまでの前記垂直方向の平均距離は、前記平行延出面から前記上ロールまでの前記垂直方向の平均距離よりも長い。これにより、軸側平行面では、平行延出面と比べて上ロールと下ロールとの距離が離れており、基材が中間面上で垂直方向に動き易くなる。従って、第1圧搾形成部と第2圧搾形成部とのうち相対的に速く搬送される部分と、相対的に遅く搬送される部分と、の搬送方向のずれに起因して生じる力を逃がし易くなる。その結果、基材内での搬送方向のずれに起因した基材の破損を抑制できる。
【0022】
好ましい態様によれば、態様12に係る発明は、態様1から11のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。吸収体の製造方法は、前記凸部の頂部には、前記垂直方向において突出する複数の小突起部が前記搬送方向に間隔を空けて配置されている。前記小突起部は、前記搬送方向に対して傾斜しながら前記交差方向に延びている。前記小突起部は、前記小突起部に隣接する前記小突起部と前記交差方向において重なっている。これにより、小突起部が基材を圧搾している間に、隣接する小突起部が基材の圧搾を開始するため、圧搾溝が形成されている間、小突起部により掛かる力と複数の小突起部間に掛かる力との差を低減できる。当該力の差による基材の破損を抑制できる。
【0023】
好ましい態様によれば、態様13に係る発明は、態様1から12のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。吸収体の製造方法は、前記圧搾工程の後、前記基材を前記搬送方向に分割するように前記基材を切断する切断工程を有する。分割する前の基材は、切断された基材に比べて、圧搾溝を形成する際に基材が動きにくい。従って、狙った位置に圧搾溝を形成し易くすることができ、吸収体の品質の安定化を図ることができる。
【0024】
好ましい態様によれば、態様14に係る発明は、態様1から13のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。吸収体の製造方法は、前記基材を前記搬送方向に分割するように前記基材を切断する切断工程を有する。前記圧搾工程では、前記切断された基材に前記圧搾溝を形成する。一般的に、切断工程では、基材を切断する際に基材に力が加えられることで基材が伸縮してしまう。基材の伸縮によって、基材に形成された圧搾の程度が弱くなり易い。ここで、切断された基材に圧搾溝を形成することで、切断工程により圧搾の程度が弱くなることを防ぐことができる。意図した圧搾を実現でき、吸収体の品質の安定化を図ることができる。
【0025】
好ましい態様によれば、態様15に係る発明は、態様1から14のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記一対のロールのそれぞれは、交差方向に分割された複数のロール部を有する。前記複数のロール部のそれぞれには、少なくとも1つの前記圧搾形成部が配置されている。前記圧搾工程では、前記基材の送り出し速度の差が5%以内となるように、前記複数のロール部のそれぞれの回転速度を制御する。複数のロール部の回転速度が一定である場合、複数の圧搾形成部の凸部の頂部の高さによって基材の送り出し速度が変わるため、凸部の高さが制限される。一方で、複数のロール部のそれぞれの回転速度を制御することで、凸部の高さが制限されずに、基材の送り出し速度の差を1%以内にでき、搬送方向のずれに起因した基材の破損を抑制できる。
【0026】
好ましい態様によれば、態様16に係る発明は、態様15のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記複数のロール部間には隙間がある。これにより、ロール部に配置されている圧搾形成部と、当該ロール部に隣接する別のロール部に配置されている圧搾形成部との間には存在する隙間では、垂直方向の両側から基材が押さえつけられなくなり、これらの圧搾形成部間で基材に掛かる力が逃げ易くなる。これにより、これらの圧搾形成部間での基材の破損を抑制できる。
【0027】
好ましい態様によれば、態様17に係る発明は、以下の特徴を有してよい。態様17に係る吸収体の製造装置は、圧搾溝を有する吸収体の製造装置である。当該製造装置は、互いに対向する一対のロールと、互いに対向する凸部と凹部とにより構成され、前記吸収体の基材を圧搾する圧搾形成部と、を有する。前記圧搾形成部は、前記一対のロールの一方のロールに設けられた前記凸部と他方のロールに設けられた前記凹部とにより、前記基材に前記圧搾溝を形成する。前記圧搾形成部は、前記凸部の側部と前記凹部の側部とのうち前記基材を圧搾する部分であるサイド圧搾形成部を有する。少なくとも前記サイド圧搾形成部で前記基材を圧搾しながら搬送方向に前記基材を送り出す。前記垂直方向における前記サイド圧搾形成部の一方側の前記基材の送り出し速度と他方側との前記基材の送り出し速度の差が5%以内である。
【0028】
好ましい態様によれば、態様18に係る発明は、以下の特徴を有してよい。態様18に係る吸収性物品の製造方法は、互いに対向する凸部と凹部とにより構成される圧搾形成部により圧搾された圧搾溝を有する吸収体を備えた吸収性物品の製造方法である。当該製造方法は、互いに対向する一対のロールの一方のロールに設けられた前記凸部と他方のロールに設けられた前記凹部とにより、前記吸収体の基材に前記圧搾溝を形成する圧搾工程と、を有する。前記圧搾形成部は、前記凸部の側部と前記凹部の側部とのうち前記基材を圧搾する部分であるサイド圧搾形成部を有する。前記圧搾工程では、少なくとも前記サイド圧搾形成部で前記基材を圧搾しながら搬送方向に前記基材を送り出す。前記垂直方向における前記サイド圧搾形成部の一方側の前記基材の送り出し速度と他方側との前記基材の送り出し速度の差が5%以内である。
【0029】
(2)吸収性物品の概要
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品1について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。吸収性物品1は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、糞便パッドのような吸収性物品であってよい。吸収性物品は、下着のような着用物品の内側に取り付けられて使用される物品であってよい。実施の形態の吸収性物品1は、昼用の生理用ナプキンである。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合がある。
【0030】
図1は、吸収性物品1の肌面側T1から見た平面図である。図2は、吸収性物品1の非肌面側T2から見た平面図である。図3は、図1に示すA-A線に沿った概略断面図である。ここで、「肌面側」は、使用中に着用者の肌に面する側に相当する。「非肌面側」は、使用中に着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。吸収性物品1は、互いに直交する前後方向L、幅方向W、及び厚さ方向Tを有する。吸収性物品1の前後方向Lにおいて、着用者の下腹部に当接する側を「前側」といい、着用者の臀部に当接する側を「後側」という。
【0031】
吸収性物品1は、前側域、中央域、及び後側域を有する。中央域S2は、前側域S1と後側域S3との間に配置されている。中央域S2は、着用者の排泄口、例えば膣口に対向する領域を含む領域であってよい。吸収性物品1が着用物品に装着されたときに、中央域S2は着用物品の股下に配置され、着用者の両脚の間に配置される領域であってよい。中央域S2は、吸収性物品1が後述するウイング7を有する場合、ウイング7の最も前側の前端縁(具体的には、前側の付け根)から最も後側の後端縁(具体的には、後側の付け根)までの領域であってもよい。中央域S2は、吸収性物品1がウイング7を有さない場合であって、製造後の吸収性物品1が前後方向Lに3つ折り又は4つ折りされた状態である場合、前から1つ目の折り目と2つ目の折り目の間の領域であってよい。中央域S2は、それ以外の状態であって、吸収性物品1がウイング7を有さない場合、吸収性物品1を前後方向Lに3等分したうちの中央の領域であってよい。前側域S1は、中央域S2よりも前側に位置する。前側域S1の前端縁は、吸収性物品1の前端縁を規定する。後側域S3は、中央域S2よりも後方に位置する。後側域S3の後端縁は、吸収性物品1の後端縁を規定する。
【0032】
吸収性物品1は、吸収コア31、トップシート10及びバックシート20を少なくとも有する。吸収性物品1は、縦長の形状である。トップシート10は、吸収コア31よりも肌面側T1に配置され、着用者に当接するシートである。トップシート10は、吸収コア31の幅方向Wの中央を覆うセンターシート11と、センターシート11よりも幅方向Wの外側に配置され、後述するウイング7に少なくとも配置されるサイドシート12と、を有してよい。サイドシート12は、センターシート11よりも幅方向Wに配置された部分を有していればよく、センターシート11の外側部と重なってよい。サイドシート12は、吸収コア31よりも幅方向Wの外側に配置される部分を有しており、本実施の形態では、吸収コア31と幅方向Wに離間している。センターシート11は、不織布、織布、有孔プラスチックシート、メッシュシート等、液体を透過する構造を有する任意のシート状の材料から構成される。サイドシート12は、疎水性を有してよい。サイドシート12の資材は、センターシート11と同様であってよい。センターシート11とサイドシート12は、シート接合部によって接合されてよい。シート接合部は、センターシート11とサイドシート12を圧搾した圧搾部によって構成されてよく、吸収性物品1の肌面側T1から視認可能に構成されてよい。シート接合部は、点状の圧搾部の集合体によって構成されてよく、より詳細には、点状の圧搾部が菱形に配置され、当該菱形が前後方向Lに並んだ集合体によって構成されてよい。シート接合部は、前後方向Lに延びてよい。
【0033】
バックシート20は、吸収コア31及び繊維シート50よりも非肌面側T2に配置され、着用物品に当接するシートである。バックシート20は、液不透過性のシートである。バックシート20は、例えば、非通気性の樹脂フィルムなどを用いることができる。
【0034】
吸収コア31は、吸収体30を構成する。吸収コア31は、液体を吸収する吸収材料によって構成されてよい。吸収コア31を構成する吸収材料は、例えば、親水性繊維、パルプ及び高吸水性高分子(SAP)から形成できる。吸収体30は、吸収コア31を覆うコアラップシート32を有してよい。コアラップシート32は、例えば不織布やティッシュから構成することができる。変更例として、吸収コア31は、コアラップシート32によって覆われていなくてもよい。
【0035】
吸収性物品1は、ウイング7を有する。ウイング7は、着用時に着用物品の非肌面側T2に向けてウイング折り目FLを基点に折り返される。ウイング7には、少なくともトップシート10とバックシート20が配置されてよい。ウイング折り目FLは、ウイング7の付け根によって規定されており、幅方向Wの内側に窪んだ2つの部分のうち、前側に位置する部分と後側に位置する部分とを繋ぐラインである。ウイング7は、ウイング折り目FLを基点に、使用前にトップシート10側に折り畳まれており、使用時に着用物品の非肌面側T2に折り返されていてもよい。ウイング7には、トップシート10とバックシート20の間に配置された補強シート15が配置されてよい。なお、本明細書において、「前後方向Lに沿って」という用語は、前後方向Lに対して45°未満の角度を持った方向を意味し、「幅方向Wに沿って」という用語は、幅方向Wに対して45°未満の角度を持った方向を意味する。
【0036】
図2等に示すように、吸収性物品1は、吸収性物品1を下着等の着用物品に止着するための粘着部を有する。粘着部は、バックシート20の非肌面側T2に設けられ、吸収性物品1を下着等の着用物品に止着するための止着手段が設けられた領域である。粘着部は、少なくとも吸収コア31と重なる領域を着用物品に止着するための本体粘着部61を有する。本体粘着部61は、吸収性物品1の厚さ方向Tにおいて、吸収コア31と重なる領域に設けられている。粘着部は、ウイング7を着用物品に止着するためのウイング粘着部62を有してよい。ウイング粘着部62は、ウイング7の非肌面に付されており、着用時にウイング7が着用物品の非肌面側T2に折り返された状態で、着用物品の非肌面に止着する。
【0037】
(3)吸収体及び圧搾溝の詳細
実施形態に係る吸収体30及び圧搾溝40の詳細について説明する。図4は、図3においてF4で示される範囲の吸収性物品1の模式的な断面図である。なお、図4において、トップシート10及びバックシート20は、吸収体30の形状に沿うように接合されている。図5は、吸収体30の肌面側T1から見た平面図である。なお、図5では、後述する第1圧搾溝41、第2圧搾溝42、及び第3圧搾溝43を図示しており、吸収体30の他の圧搾箇所の図示を省略している。図6は、吸収コア31が幅方向内側へ向かう力を受けた場合を説明するための概略断面図である。図7は、着用者WAが吸収性物品1を着用する際の吸収コア31の動きを説明するための概略図である。吸収コア31Aは、吸収性物品1が着用物品(不図示)に取り付けられた際の吸収コア31の状態の一例を示し、吸収コア31Bは、着用物品に取り付けられた吸収性物品1を股下側へ少し引き上げられた吸収コア31の状態の一例を示し、吸収コア31Cは、着用物品に取り付けられた吸収性物品1を股下側へ更に引き上げられて股下の直下に位置する吸収コア31の状態の一例を示す。
【0038】
図4及び図6に示すように、吸収コア31は、第1吸収コア部311、第2吸収コア部312、及び第3吸収コア部313を有する。第1吸収コア部311は、後述する第1圧搾溝41の非肌面側T2に位置する部分である。第1吸収コア部311は、第1圧搾溝41から厚さ方向Tに重なっている部分である。第1吸収コア部311は、少なくとも第1圧搾溝41の底面41bと厚さ方向Tに重なっている。第1吸収コア部311は、例えば第1圧搾溝41の側部が厚さ方向Tに対して傾斜している場合、第1圧搾溝41の側部と厚さ方向Tに重なっている。
【0039】
第2吸収コア部312は、後述する第2圧搾溝42の非肌面側T2に位置する部分である。第2吸収コア部312は、第2圧搾溝42から厚さ方向Tに重なっている部分である。第2吸収コア部312は、少なくとも第2圧搾溝42の底面42bと厚さ方向Tに重なっている。第2吸収コア部312は、例えば第2圧搾溝42の側部が厚さ方向Tに対して傾斜している場合、第2圧搾溝42の側部と厚さ方向Tに重なっている。
【0040】
第3吸収コア部313は、後述する第3圧搾溝43の肌面側T1に位置する部分である。第3吸収コア部313は、第3圧搾溝43から厚さ方向Tに重なっている部分である。第3吸収コア部313は、少なくとも第3圧搾溝43の底面43bと厚さ方向Tに重なっている。第3吸収コア部313は、例えば第3圧搾溝43の側部が厚さ方向Tに対して傾斜している場合、第3圧搾溝43の側部と厚さ方向Tに重なっている。
【0041】
また、吸収コア31は、吸収コア31の一部であって圧搾溝40から幅方向Wに離れた非圧搾部分35を有する。非圧搾部分35は、吸収コア31のうち圧搾されていない部分により構成されている。なお、圧搾溝40を形成する際に、幅方向Wにおける圧搾溝40の側壁を構成する側部(特に、圧搾溝40の底面側の側部)も圧搾の影響を受けて当該側部の厚みが変化するため、非圧搾部分35は、圧搾溝40から幅方向Wから少なくとも3mm以上離れた部分により構成される。
【0042】
図1及び図5に示すように、吸収コア31は、少なくとも後述する中央前領域に配置されている高坪量領域HWRと、高坪量領域HWRよりも坪量が低くかつ高坪量領域HWRの前後方向Lの外側に配置されている低坪量領域LWRと、を有してよい。高坪量領域HWRは、中央域S2に配置されていてよい。高坪量領域HWRは、幅方向Wにおいて一対の第1圧搾溝41に挟まれている領域であってよい。低坪量領域LWRは、前側域S1と後側域S3とに配置されていてよい。低坪量領域LWRは、幅方向Wにおいて一対の第1圧搾溝41よりも外側の領域であってよい。従って、高坪量領域HWRは、幅方向Wにおいて低坪量領域LWRに挟まれていてもよい。
【0043】
中央域S2は、中央域S2の前後方向Lの中心よりも前側の領域を含む中央前領域を有してよい。中央前領域は、中央域S2を前後方向Lに3分割したうちの前から1つ目と2つ目との領域により構成されてよい。中央前領域は、吸収コア31を幅方向Wに3分割したうちの中央の領域により構成されてよい。中央前領域は、着用者の膣口に対向する領域であってよい。高坪量領域HWRは、少なくとも中央前領域に配置されていてよい。
【0044】
図1、4、5に示すように、吸収性物品1は、圧搾溝40を有する。圧搾溝40は、少なくとも吸収コア31が厚さ方向Tへ圧搾されかつ前後方向Lに延びる。圧搾溝40は、少なくとも中央域S2に配置されている。実施形態では、圧搾溝40は、一対の第1圧搾溝41、一対の第2圧搾溝42、及び第3圧搾溝43を有する。
【0045】
一対の第1圧搾溝41は、少なくとも吸収コア31が肌面側T1から非肌面側T2へ圧搾されかつ吸収コア31の幅方向Wの中心を挟むように配置されている。一対の第2圧搾溝42は、少なくとも吸収コア31が肌面側T1から非肌面側T2へ圧搾されかつ一対の第1圧搾溝41よりも吸収性物品1の幅方向の外側に配置されている。第3圧搾溝43は、少なくとも吸収コア31が肌面側T1から非肌面側T2へ圧搾されかつ幅方向Wにおいて一対の第1圧搾溝41の間に配置されている。
【0046】
図4及び図6に示すように、第1吸収コア部311の非肌面311nは、非圧搾部分35の非肌面35nよりも非肌面側T2に位置し、かつ第2吸収コア部312の非肌面312nよりも非肌面側T2に位置する。従って、第1吸収コア部311が一対の第1圧搾溝41間の吸収コア31である内側吸収コア部IACの非肌面側T2に位置する。なお、第1吸収コア部311の非肌面311nは、少なくとも幅方向Wにおいて一方の非圧搾部分35の非肌面35nよりも非肌面側T2に位置すればよい。同様に、第1吸収コア部311の非肌面311nは、幅方向Wの外側の第2吸収コア部312の非肌面312nよりも非肌面側T2に位置すればよい。
【0047】
なお、例えば、以下の方法によって、各非肌面の位置を比較することができる。サンプルとなる吸収性物品1を液体窒素に含浸させて凍結させた後、剃刀で当該吸収性物品1を厚さ方向T及び幅方向Wに沿った断面が得られるようにカットし、吸収性物品1の平面視において、断面を得る。次いで、当該サンプルを常温に戻し、電子顕微鏡(例えば、キーエンス社VE7800)を用いて、50倍の倍率の断面画像を得る。そして当該断面画像において、第1吸収コア部311の非肌面311n、非圧搾部分35の非肌面35n、及び第2吸収コア部312の非肌面312nの位置を目視により評価する。なお、第1吸収コア部311の非肌面311nと比較される非圧搾部分35の非肌面35nは、例えば第1圧搾溝41から幅方向Wから3mm以上10mm以下の範囲に位置する部分であって圧搾されていない部分の非肌面35nであってよい。第2吸収コア部312の非肌面312nと比較される非圧搾部分35の非肌面35nは、例えば第2圧搾溝42から幅方向Wから3mm以上10mm以下の範囲に位置する部分であって圧搾されていない部分の非肌面35nであってよい。
【0048】
図6Aに示すように、吸収コア31が幅方向内側へ向かう力Fを受けるケースを想定する。図6Bに示すように、第1吸収コア部311は、幅方向外側の非圧搾部分35よりも非肌面側T2に位置するため、幅方向内側の成分と非肌面側T2方向の成分とを有する力f1を非圧搾部分35から受ける。これにより、第1吸収コア部311は、非肌面側T2方向へ動かされながら、幅方向内側に動かされる。次に、第1吸収コア部311は、幅方向内側の非圧搾部分35へ力f2を与える。具体的には、第1吸収コア部311は、幅方向内側の非圧搾部分35の非肌面35nよりも非肌面側T2に位置するため、当該非圧搾部分35に対して、幅方向内側の成分と肌面側T1方向の成分とを有する力f2を与える。従って、図6Cに示すように、第1吸収コア部311は、幅方向内側の非圧搾部分35、すなわち、内側吸収コア部IACを非肌面側T2から肌面側T1へ押し上げ易い(図7における吸収コア31A及び吸収コア31B参照)。その結果、図7に示すように、内側吸収コア部IACを肌面側T1へ隆起し易くでき、吸収性物品1の幅方向Wの中央を着用者WAの排泄口Eにフィットさせることができる(図7における吸収コア31C参照)。
【0049】
ここで、第1吸収コア部311の非肌面311nが第2吸収コア部312の非肌面312nよりも非肌面側T2に位置するため、第1吸収コア部311の少なくとも一部(具体的には、第1吸収コア部311のうち非肌面312nよりも非肌面側T2に位置する部分)は、第2吸収コア部312と比較して、より非肌面側T2へ位置する。従って、吸収コア31が幅方向内側へ向かう力Fを受けた場合に、第2吸収コア部312と比較して、第1吸収コア部311は、幅方向内側の吸収コア31をより押し上げ易い。その結果、吸収コア31が、第2圧搾溝42よりも第1圧搾溝41を基点として変形し易くなり、意図した吸収コア31の変形を実現できる。
【0050】
また、第1圧搾溝41よりも幅方向Wの外側に第2圧搾溝42が配置されている。従って、吸収コア31が幅方向内側に向かう力Fを受けた場合に、第1圧搾溝41と第2圧搾溝42との間の吸収コア31の幅入りを抑制できる。その結果、変形基点となる第1圧搾溝41よりも幅方向外側の吸収コア31の幅入りを発生し難くでき、排泄物の横漏れを抑制できる。このように、吸収性物品1の幅方向中央のフィットと、排泄物の横漏れの抑制とを両立できる。
【0051】
図5に示すように、第1圧搾溝41は、前後方向Lに沿って直線状に延びてよい。第1圧搾溝41のうち少なくとも中央域S2に配置されている部分は、前後方向Lに沿って直線状に延びてよい。これにより、少なくとも中央域S2では第1圧搾溝41の幅方向Wの位置が同じであるため、中央域S2において、吸収コア31が幅方向内側に向かう力Fを受けた場合に、第1圧搾溝41の局所に力が集中するのではなく、第1圧搾溝41の全体へ力が加わり易い。その結果、中央域S2において、広い範囲で内側吸収コア部IACを肌面側T1へ隆起し易くでき、意図した吸収コア31の変形を実現できる。
【0052】
また、第1圧搾溝41は、吸収コア31の前端縁から後端縁まで連続的又は間欠的に延びてよい。実施形態では、第1圧搾溝41は、吸収コア31の前端縁から後端縁まで連続的に延びている。第1圧搾溝41が吸収コア31の前端縁から後端縁まで延びていない場合と比較して、吸収コア31が幅方向内側に向かう力Fを受けた場合に、第1吸収コア部311が、幅方向内側へ向かう力Fを受け易くなる。その結果、内側吸収コア部IACを肌面側T1へ隆起し易くでき、意図した吸収コア31の変形を実現できる。
【0053】
第1圧搾溝41は、高坪量領域HWRから低坪量領域LWRまで延びていてよい。実施形態では、第1圧搾溝41は、高坪量領域HWRから前側域S1の低坪量領域LWRまで延びている。また、第1圧搾溝41は、高坪量領域HWRから後側域S3の低坪量領域LWRまで延びている。なお、第1圧搾溝41を形成するために吸収コア31を圧搾する際に、第1圧搾溝41を前後方向Lに連続的に設けることで、第1圧搾溝41が高坪量領域HWRから後側域S3の低坪量領域LWRまで延びるように設けることができる。吸収コア31が圧搾され続けるため、吸収コア31の位置が安定して第1圧搾溝41を安定的に設けることができ、品質の低下を抑制できる。
【0054】
前後方向Lにおいて、第1圧搾溝41の長さは、ウイング7の長さよりも長くてよい。また、前後方向Lにおいて、第1圧搾溝41の長さは、第2圧搾溝42の長さよりも長くてよい。前後方向Lにおいて、第2圧搾溝42に比べて、第1圧搾溝41が広い範囲で配置される。また、第1圧搾溝41のうち第2圧搾溝42が幅方向Wの外側にない部分は、幅方向内側へ向かう力Fをより受け易くなる。従って、広い範囲で内側吸収コア部IACを肌面側T1へ隆起し易くでき、意図した吸収コア31の変形を実現できる。
【0055】
第1圧搾溝41は、厚さ方向Tにおいて本体粘着部61と重なってよい。第1吸収コア部311の非肌面側T2に位置する本体粘着部61によって、第1吸収コア部311が非肌面側T2へ動き難くなるので、その分だけ内側吸収コア部IACを肌面側T1へ隆起し易くできる。
【0056】
図5に示すように、吸収性物品1の平面視において、幅方向Wに吸収コア31を4等分した場合に、幅方向Wの外側に位置する一対の外側領域ORと、一対の外側領域ORの間に位置する内側領域IRと、が設けられてよい。ここで、第1圧搾溝41は、内側領域IRに位置してよい。内側領域IRは、幅方向Wに4等分された吸収コア31の2つ分に対応する。第1圧搾溝41が内側領域IRに位置するため、第1圧搾溝41間の吸収コア31である内側吸収コア部IACの幅は、吸収コア31の幅の半分未満である。従って、内側吸収コア部IACの幅が吸収コア31の幅の半分以上である場合と比較すると、肌面側T1へ隆起する内側吸収コア部IACを小さくでき、第1圧搾溝41を基点とした吸収コア31が変形する範囲が大きくならない。吸収コア31の過剰な変形を防止でき、着用者に違和感を与え難くすることができる。また、内側吸収コア部IACが小さいため、着用者の股下へ入り込み易くなる。その結果、内側吸収コア部IACを着用者の排泄口により近づけることができる。さらに、変形基点となる第1圧搾溝41よりも幅方向外側の領域を広く確保することができる。その結果、排泄物の横漏れを抑制できる。
【0057】
図4に示すように、吸収性物品1の幅方向W及び厚さ方向Tに沿った断面において、第1圧搾溝41の幅W1は、非圧搾部分35の厚さT5よりも広くてよい。これにより、吸収コア31が第1圧搾溝41を基点として変形する際に、幅方向Wにおいて第1圧搾溝41の一方側の吸収コア部分と第1圧搾溝41の他方側の吸収コア部分とが当たらずに、吸収コア31の変形が阻害され難くすることができる。その結果、内側吸収コア部IACを肌面側T1へ隆起し易くでき、意図した吸収コア31の変形を実現できる。
【0058】
実施形態では、第1圧搾溝41の底面41bは、コアラップシート32により構成されている。第1圧搾溝41の底面41bは、吸収コア31により構成されていてもよい。なお、第1圧搾溝41では、トップシート10が非圧搾である。従って、トップシート10が圧搾されていないため、第1圧搾溝41の底面41bは、トップシート10により構成されない。トップシート10の非圧搾部分の剛性は、圧搾されている部分の剛性と比較すると低いため、第1圧搾溝41上のトップシート10が排泄口(例えば、膣口)に触れたとしても、着用者に違和感を与え難くすることができる。
【0059】
高坪量領域HWRにおける第1圧搾溝41の底面41bの深さD1は、低坪量領域LWRにおける第1圧搾溝41の底面41bの深さD1よりも深くてよい。これにより、中央前領域に配置されている高坪量領域HWRでは、第1圧搾溝41の底面41bが相対的に深いため内側吸収コア部IACを肌面側へ隆起し易くしつつも、低坪量領域LWRでは第1圧搾溝41の底面41bが相対的に浅いため内側吸収コア部IACを高坪量領域HWRよりも隆起し難くできる。その結果、高坪量領域HWR以外の領域では、内側吸収コア部IACを局所的に当たり難くでき、着用者に違和感を与え難くすることができる。なお、第1圧搾溝41の底面41bの深さD1は、図4に示すように、第1圧搾溝41の開口縁から底面41b(実施形態では、吸収コア31の肌面側T1のコアラップシート32の肌面)までの厚さ方向Tの距離である。
【0060】
なお、幅方向Wにおいて、高坪量領域HWRと低坪量領域LWRとの境界に第1圧搾溝41が配置されていてよい。一般的に、高坪量領域HWRの吸収コア31の方が低坪量領域LWRの吸収コア31よりも剛性が高いため、第1圧搾溝41を境界として剛性差が生じ、第1圧搾溝41を基点として変形し易くできる。
【0061】
第1圧搾溝41の底面41bは、非圧搾部分35の非肌面35nよりも非肌面側T2に位置してよい。これにより、第1吸収コア部311の全体が非圧搾部分35の内側吸収コア部IACの非肌面側T2に位置する。従って、第1吸収コア部311は、幅方向内側へ向かう力Fを受けて幅方向内側に動く場合に、内側吸収コア部IACを非肌面側T2から肌面側T1へさらに押し上げ易くなる。その結果、内側吸収コア部IACを肌面側T1へ隆起し易くできる。なお、第1圧搾溝41の底面41bは、厚さ方向Tに非圧搾部分35の非肌面35nに接するコアラップシート32部分の非肌面よりも非肌面側T2に位置してよい。
【0062】
図5に示すように、第2圧搾溝42は、複数の点状の圧搾部の集合体によって構成されてもよい。具体的には、第2圧搾溝42は、複数の点状の圧搾部どうしが隣接して(例えば、3mm以内)に配置されていてよい。これにより、吸収性物品1の平面視において、肌面側から非肌面側へ凹んでいる部分が、第2圧搾溝42として前後方向Lに線状に延びていてよい。変更例として第2圧搾溝42は、連続的に延びる圧搾部によって構成されてもよい。具体的には、第2圧搾溝42は、前後方向Lに延びている連続的に圧搾されている部分によって構成されてもよい。
【0063】
吸収性物品1の平面視において、第2圧搾溝42は、曲線状に延びてよい。これにより、第2圧搾溝42が前後方向Lに沿って直線状に延びている場合と比較して、幅方向Wにおいて第2圧搾溝42の最も内側の内側縁の位置と、最も外端の外側縁の位置との幅方向距離が長くなる。従って、第2圧搾溝42の幅方向長さを確保することができ、直線状の第2圧搾溝42と比べて幅方向長さの分だけ吸収コア31の幅入りを抑制できる。なお、実施形態では、吸収性物品1の平面視において、第2圧搾溝42は、環状である。従って、一対の第2圧搾溝42の前端部どうしがつながっており、一対の第2圧搾溝42の後端部どうしが繋がっている。一対の第2圧搾溝42のそれぞれは、円弧状である。変更例として第2圧搾溝42は、直線状であってもよい。
【0064】
なお、吸収性物品1の平面視において、前後方向Lの中央側で第1圧搾溝41と第2圧搾溝42との幅方向Wの距離が相対的に遠く、前後方向Lの外側で第1圧搾溝41と第2圧搾溝42との幅方向Wの距離が相対的に近くなっている。前後方向Lの中央側は、幅方向Wの内側に向かう力が強いため、吸収コア31が幅入りし易いものの、変形基点となる第1圧搾溝41よりもさらに遠い位置で吸収コア31の幅入りを抑制できる。なお、中央域S2において、環状の第2圧搾溝42の内側に一対の第1圧搾溝41が配置されることで、一対の第1圧搾溝41よりも幅方向Wの外側に第2圧搾溝42が配置されている。
【0065】
また、第2圧搾溝42のうち少なくとも中央前領域と幅方向Wに重なる部分は、一対の外側領域ORのそれぞれに位置してよい。すなわち、第2圧搾溝42は、外側領域ORでは、中央前領域よりも幅方向Wの外側に位置してよい。第2圧搾溝42のうち外側領域ORに配置された部分によって、外側領域ORで吸収コア31の幅入りの発生を抑制できる。外側領域ORは内側領域IRよりも幅方向外側に位置するため、変形基点となる第1圧搾溝41よりも幅方向外側の吸収コア31の幅入りを発生し難くできる。排泄物が漏れ易い中央前領域の幅方向外側において排泄物の吸収面積を広く確保できる。なお、中央前領域よりも前後方向Lの外側では、第2圧搾溝42は、外側領域ORに配置されていてもよいし、内側領域IRに配置されていてもよい。
【0066】
図4に示すように、実施形態では、第2圧搾溝42の底面42bは、トップシート10により構成されている。なお、第2圧搾溝42の底面42bは、圧搾によりトップシート10が破れることで吸収コア31又はコアラップシート32により構成されていてもよい。図4に示すように、第2圧搾溝42の底面42bは、非圧搾部分35の非肌面35nよりも肌面側T1に位置してよい。これにより、第2吸収コア部312の少なくとも一部は、非圧搾部分35よりも肌面側T1に位置する。ここで、上述の通り、第1吸収コア部311の非肌面311nが、第2吸収コア部312の非肌面32nよりも非肌面側T2に位置するため、第2吸収コア部312が幅方向内側へ向かう力Fを受けた場合に、第1圧搾溝41と第2圧搾溝42との間の吸収コア31を肌面側T1から非肌面側T2へ向かう方向へ移動させ易くなる。その結果、第1吸収コア部311が肌面側T1から非肌面側T2へ向かう方向の力f1を受け易くなり、吸収コア31が、第2圧搾溝42よりも、第1圧搾溝41を基点として変形し易くなり、意図した吸収コア31の変形を実現できる。
【0067】
第3圧搾溝43は、実施形態では、少なくとも吸収コア31が非肌面側T2から肌面側T1へ圧搾されている。また、第3圧搾溝43は、幅方向Wにおいて一対の第1圧搾溝41の間に配置されている。これにより、第3吸収コア部313が、幅方向内側へ向かう力を受けた場合に、非圧搾部分35よりも肌面側T1の方へ動き易く、第3圧搾溝43を頂点として内側吸収コア部IACを肌面側T1へ隆起し易くできる(図7参照)。その結果、内側吸収コア部IACを排泄口Eにフィットさせ易くなる。
【0068】
図4に示すように、第3吸収コア部313の肌面313sは、非圧搾部分35の肌面35sよりも肌面側T1に位置してよい。これにより、第3吸収コア部313のうち非圧搾部分35の肌面35sよりも肌面側T1に位置する部分は、第3吸収コア部313に隣接する非圧搾部分35から非肌面側T2から肌面側T1へ押し上げる方向の力を受けるため、第3吸収コア部313が肌面側T1へ動き易くなる。これにより、第3圧搾溝43を頂点として内側吸収コア部IACを肌面側T1へ隆起し易くでき、意図した吸収コア31の変形を実現できる。なお、第3吸収コア部313の肌面313sと非圧搾部分35の肌面35sとの位置関係は、上述と同様に、電子顕微鏡(例えば、キーエンス社VE7800)を用いて、目視により評価できる。なお、非圧搾部分35の非肌面35nは、第3圧搾溝から幅方向Wから少なくとも3mm以上10mm以下の範囲に位置する部分であって圧搾されていない部分の非肌面35nである。
【0069】
図4に示すように、第3圧搾溝43の底面43bの深さD3は、第1圧搾溝41の底面41bの深さD1よりも深くてよい。これにより、第1圧搾溝41よりも第3圧搾溝43において吸収コア31がさらに変形し易くなる。その結果、第3圧搾溝43を頂点として内側吸収コア部IACを肌面側T1へ隆起し易くでき、内側吸収コア部IACを排泄口Eにフィットさせ易くなる。なお、第3圧搾溝43の底面43bの深さD3は、図4に示すように、第3圧搾溝43の開口縁から底面43b(実施形態では、吸収コア31の非肌面側T2のコアラップシート32の非肌面)までの厚さ方向Tの距離である。
【0070】
第3圧搾溝43は、厚さ方向Tにおいて本体粘着部61と重ならなくてよい。これにより、第3吸収コア部313が肌面側T1へ動くことを本体粘着部61によって阻害されず、第3吸収コア部313が肌面側T1へ動き易くなる。その結果、第3圧搾溝43を頂点として内側吸収コア部IACを肌面側T1へ隆起し易くできる。
【0071】
図4に示すように、実施形態では、第1圧搾溝41及び第3圧搾溝43では、吸収コア31とコアラップシート32とが圧搾されている。第1圧搾溝41及び第3圧搾溝43では、トップシート10が圧搾されていない。従って、第1圧搾溝41及び第3圧搾溝43では、トップシート10が圧搾されずに少なくとも吸収コア31が圧搾されている。第1吸収コア部311の非肌面311nが非圧搾部分35の非肌面35nよりも非肌面側T2に位置するように第1圧搾溝41を形成する場合、そうでない場合と比較すると、強く圧搾する必要がある。しかし、第1圧搾溝41を形成する際に、トップシート10が圧搾されないため、トップシート10が破れる虞がない。その結果、内側吸収コア部IACが肌面側T1へ隆起することでトップシート10が排泄口Eに接触しても、第1圧搾溝41の形成に起因したトップシート10の破れが存在せず、着用者に違和感を与え難くすることができる。また、使用者がトップシート10を視認した際に、吸収性物品1が不良品と思わず、吸収性物品1の品質の低下を抑制できる。
【0072】
一方で、第2圧搾溝42では、吸収コア31とコアラップシート32とに加えて、トップシート10が圧搾されている。第1圧搾溝41及び第3圧搾溝43では、トップシート10と共に吸収コア31が圧搾されている。
【0073】
幅方向Wにおけるトップシート10の引張強度は、10N/25mm以下であってよい。トップシート10の引張強度を低くすることで、トップシート10の柔らかさを確保することができる。その結果、内側吸収コア部IACが肌面側T1へ隆起することで、トップシート10が排泄口Eに接触しても、着用者に違和感を与え難くすることができる。
【0074】
引張強度は、以下の方法にて測定することができる。例えば、トップシート10を吸収性物品1から取り外す。トップシート10の前後方向Lの長さ25mmとなるようにトップシート10を切り出す。引張試験機(オートグラフAGS-1kNG:島津製作所株式会社製)に切り出したトップシート10をセットして、100mmのチャック間距離となるように設定する。切り出したトップシート10の幅方向Wの一方側を固定した状態で、トップシート10の幅方向Wの他方側へ引っ張る。引張速度は、100mm/分である。トップシート10が破断した際の、引張力の最大値を引張強度として測定する。5つの試料で同様の測定を行い、それらの平均値を引張強度(N/25mm)とする。長さ25mm分のトップシート10の引張強度を評価している。トップシート10の長さとして25mmを基準としているので、単位の分母が25mmとなっている。
【0075】
第2圧搾溝42の幅は、第1圧搾溝41の幅よりも広くてよい。また、第2圧搾溝42の幅は、第3圧搾溝43の幅よりも広くてよい。これにより、第2圧搾溝42の幅が広い分だけ吸収コアの幅入りを抑制できる。なお、圧搾溝40の幅は、吸収性物品1の平面視において、圧搾溝40が延びる延在方向に対して直行する方向の圧搾溝40の一方の側壁から他方の側壁までの距離である。なお、第1圧搾溝41の幅は、第3圧搾溝43の幅よりも広くてよい。これにより、第3圧搾溝43と比較して、第1圧搾溝41において吸収コア31どうしが当たり難くなる。第1圧搾溝41において、吸収コア31の変形が阻害され難くでき、内側吸収コア部IACを肌面側T1へ隆起し易くできる。また、第3圧搾溝43の幅は、第1圧搾溝41の幅よりも広くてよい。これにより、第1圧搾溝41と比較して、第3圧搾溝43において吸収コア31どうしが当たり難くなる。吸収コア31の変形が阻害され難くでき、第3圧搾溝43を頂点として内側吸収コア部を肌面側へ隆起し易くできる。
【0076】
第1吸収コア部311は、前後方向Lにおいて、相対的に剛性が高い部分と相対的に剛性が低い部分と交互に配置されていてよい。これにより、剛性が低い部分を基点として前後方向Lに吸収コア折れ曲がり易くなるため、前後方向Lにおいて着用者の身体に吸収性物品1を沿い易くすることができる。なお、第3吸収コア部313の剛性も、第1吸収コア部311と同様であってよい。
【0077】
なお、図1に示すように、吸収性物品1では、圧搾溝40以外の位置が圧搾されていてもよい。例えば、吸収性物品1の平面視において、環状の第2圧搾溝42の内側に点状に圧搾されていてもよい。また、第2圧搾溝42よりも前後方向Lの外側に点状の圧搾部がライン上に複数配置されていてよい。これらの圧搾部は、第2圧搾溝42と同様に、吸収コア31とコアラップシート32とに加えて、トップシート10が圧搾されている。
【0078】
(4)変更例に係る吸収体
変更例に係る吸収体30について説明する。上述の実施形態との相違点を主として説明する。図8は、変更例に係る吸収体30の肌面側T1から見た平面図である。図8では、第1圧搾溝41及び第3圧搾溝43を図示しており、第2圧搾溝42が図示されていない。
【0079】
図8に示すように、吸収体30(吸収性物品1)では、第1圧搾溝41が前後方向Lに間欠的に延びている。これにより、前後方向Lにおいて第1圧搾溝41の間(後述する第1間欠部分41i)の剛性が低くなるため、前後方向Lの第1圧搾溝41の間で吸収コア31が前後方向Lに曲がり易くなる。その結果、前後方向Lにおいて着用者の身体に沿って吸収コア31が曲がり易く、吸収コア31が着用者の身体にフィットし易くできる。
【0080】
第3圧搾溝43も、第1圧搾溝41と同様に、前後方向Lに間欠的に延びている。従って、第1圧搾溝41と同様に、前後方向Lにおいて着用者の身体に沿って吸収コア31が曲がり易く、吸収コア31が着用者の身体にフィットし易くできる。
【0081】
第1圧搾溝41及び第3圧搾溝43のそれぞれは、中央前領域よりも前後方向Lの外側において、前後方向Lにおいて間欠的に延びてよい。変更例では、第1圧搾溝41は、中央前領域と幅方向W(又は厚さ方向T)に重なる領域には、配置されていない。一方で、第3圧搾溝43は、中央前領域と幅方向W(又は厚さ方向T)に重なる領域に配置されている。また、第1圧搾溝41は、高坪量領域HWRと厚さ方向Tに重ならない位置にのみ配置されていてもよい。一方で、第1圧搾溝41は、高坪量領域HWRと厚さ方向Tに重なる位置に配置されていてもよい。なお、変更例では、高坪量領域HWR以外の領域は、低坪量領域LWRである。
【0082】
また、吸収性物品1(吸収体30)は、第1圧搾溝41を構成する複数の圧搾溝部分(以下、第1圧搾溝部分41pと称する)と、複数の第1圧搾溝部分41pの間の1以上の間欠部分(以下、第1間欠部分41iと称する)とを有してよい。前後方向Lにおいて、複数の第1圧搾溝部分41pの合計長さは、1以上の第1間欠部分41iの合計長さよりも長くてよい。これにより、前後方向Lにおいて着用者の身体に沿って吸収コア31が曲がり易くしつつも、第1圧搾溝41を基点とした吸収コア31の変形し易さを確保することができ、意図した吸収コア31の変形を実現できる。なお、1以上の第1間欠部分41iの合計長さには、1つの第1圧搾溝部分41pの前後方向Lの長さよりも長い第1間欠部分41iの長さは含めなくてよい。例えば、1以上の第1間欠部分41iの合計長さに、高坪量領域HWRと厚さ方向Tに重なる第1間欠部分41iの長さを含めなくてもよい。
【0083】
また、吸収性物品1(吸収体30)は、第3圧搾溝43を構成する複数の圧搾溝部分(以下、第3圧搾溝部分43pと称する)と、複数の第3圧搾溝部分43pの間の1以上の間欠部分(以下、第3間欠部分43iと称する)とを有してよい。前後方向Lにおいて、複数の第3圧搾溝部分43pの合計長さは、1以上の第3間欠部分43iの合計長さよりも長くてよい。
【0084】
前後方向Lにおいて、第1間欠部分41iの位置は、第3間欠部分43iの位置からずれていてよい。従って、第1間欠部分41iと第3間欠部分43iとは、幅方向Wにおいて重ならなくてもよいし、第1間欠部分41iの一部のみが第3間欠部分43iと幅方向Wにおいて重なっていてもよい。
【0085】
本変更例では、第1間欠部分41iは、第3間欠部分43iよりも前側に位置している。ここで、第1間欠部分41iの剛性は第1圧搾溝41の剛性よりも低く、第3間欠部分43iの剛性は第3圧搾溝43の剛性よりも低い。従って、中央前領域よりも後方において、第1間欠部分41iと第3間欠部分43iとを通る線(すなわち、前後方向Lの前側に向かうにつれて幅方向Wの外側へ向かう線L13)に沿って吸収コア31が曲がり易くなる。その結果、吸収コア31が臀部に沿って曲がり易くなり、着用者の後方への排泄物の漏れをさらに抑制できる。
【0086】
他の変更例において、第1間欠部分41iは、第3間欠部分43iよりも後側に位置してもよい。この場合、中央前領域よりも前方において、第1間欠部分41iと第3間欠部分43iとを通る線(すなわち、前後方向の前側に向かうにつれて幅方向の内側へ向かう線)に沿って吸収コア31が曲がり易くなる。その結果、吸収コア31が腹部に沿って曲がり易くなり、着用者の前方への排泄物の漏れをさらに抑制できる。
【0087】
第1間欠部分41iの前後方向Lの長さは、第2間欠部分42iの前後方向Lの長さよりも長くてよい。これにより、第2圧搾溝42よりも第1圧搾溝41において幅方向Wの内側に向かう力を受け易くなり、第1圧搾溝41を基点として変形し易くなる。また、第3間欠部分43iの前後方向Lの長さは、第2間欠部分42iの前後方向Lの長さよりも長くてよい。これにより、第2圧搾溝42よりも第3圧搾溝43において幅方向Wの内側に向かう力を受け易くなり、第3圧搾溝43を基点として変形し易くなる。
【0088】
なお、複数の第1間欠部分41iが存在する場合、第1間欠部分41iと第3間欠部分43iとの前後方向Lの位置関係は、当該第3間欠部分43iに最も近い第1間欠部分41iが対象となる。同様に、複数の第3間欠部分43iが存在する場合、第1間欠部分41iと第3間欠部分43iとの前後方向Lの位置関係は、当該第1間欠部分41iに最も近い第3間欠部分43iが対象となる。
【0089】
(5)吸収体の製造装置
実施形態に係る吸収体30の製造装置100について説明する。図9は、実施形態に係る吸収性物品1の製造ラインの一部の概略側面図である。図10は、実施形態に係る第1圧搾装置121の概略正面図である。図11は、実施形態に係る第1圧搾装置121の一部拡大断面図である。図12は、吸収体の基材30Bの送り出し速度を説明するための図である。
【0090】
図9に示すように、本実施形態では、吸収体30の製造装置100は、圧搾装置120を有する。製造装置100は、基材形成装置110、及び切断装置130を更に有してよい。基材形成装置110は、吸収体の基材を形成する。例えば、基材形成装置110は、吸収コア材31Mと吸収コア材31Mを被覆シートにより垂直方向TDに覆うことで、吸収体30の基材30Bを形成してよい。または、他の形態において、製造装置100は、基材形成装置を備えず、予め成形された吸収体の基材(例えば、エアレイドパルプシート)に、圧搾装置120等で圧搾工程を施してもよい。基材形成装置110は、回転ドラム111と、回転ドラム111の外周面上に吸収コア材31Mを供給する供給部112とを有する。圧搾装置120は、吸収体30の基材に圧搾溝40を形成する。切断装置130は、吸収体30の基材30Bを搬送方向MDに分割するように、基材30Bを切断する。切断装置130は、基材30Bを切断するためのカッター刃を有する回転ドラムにより構成されている。回転ドラムの外周面にカッター刃が取り付けられている。なお、製造装置100は、搬送方向MD(Machine Direction)と、搬送方向MDに直交する交差方向CD(Cross Direction)と、搬送方向MD及び交差方向CDに対して直交する垂直方向TD(Transverse Direction)と、を有する。
【0091】
図9に示すように、実施形態では、圧搾装置120は、第1圧搾装置121と、第2圧搾装置122とを有する。第1圧搾装置121は、第1圧搾溝41及び第3圧搾溝43を形成する。第2圧搾装置122は、第2圧搾溝42を形成する。
【0092】
第1圧搾装置121は、上ロール121Uと下ロール121Lとにより構成される一対のロールを有する。図10に示すように、上ロール121Uと下ロール121Lとは互いに対向する。上ロール121Uは、交差方向CDに平行な回転軸CUを中心に回転する。下ロール121Lは、交差方向CDに平行な回転軸CLを中心に回転する。下ロール121Lは、基材30Bが載せられる載置面PSを有する。載置面PSは、下ロール121Lの外周面の少なくとも一部である。
【0093】
第1圧搾装置121は、互いに対向する凸部Cと凹部Rとに構成される圧搾形成部PFを有する。凸部Cは、頂部Ctと、頂部Ctの交差方向CDの両側に位置する側部Csとを有する。凹部Rは、底部Rbと、底部Rbの交差方向CDの両側に位置する側部Rsとを有する。
【0094】
本実施形態では、圧搾形成部PFは、サイド圧搾形成部PFsとセンター圧搾形成部PFcとを有する。サイド圧搾形成部PFsは、凸部Cの側部Csと、凹部Rの側部Rsとのうち基材30Bを圧搾する部分である。センター圧搾形成部PFcは、凸部Cの頂部Ctと、凹部Rの底部Rbとで基材30Bを圧搾する部分である。
【0095】
実施形態では、圧搾形成部PFが、交差方向CDに間隔を空けて複数配置されている。図10に示すように、複数の圧搾形成部PFは、第1圧搾形成部PF1、第2圧搾形成部PF2、及び第3圧搾形成部PF3を有する。第2圧搾形成部PF2は、交差方向CDの一方側において第1圧搾形成部PF1の隣に配置されるとともに、交差方向CDの他方側において第3圧搾形成部PF3の隣に配置されている。第1圧搾形成部PF1及び第3圧搾形成部PF3は、交差方向CDにおける上ロール121U及び下ロール121Lの中心から交差方向CDにずれた位置に設けられている。第2圧搾形成部PF2は、交差方向CDにおける上ロール121U及び下ロール121Lの中心に設けられている。上ロール121Uには、第1圧搾形成部PF1の凸部C1と、第2圧搾形成部PF2の凹部R2と、第3圧搾形成部PF3の凸部C3と、が設けられている。下ロール121Lには、第1圧搾形成部PF1の凹部R1と、第2圧搾形成部PF2の凸部C2と、第3圧搾形成部PF3の凹部R3と、が設けられている。垂直方向TDにおいて、凸部C1と凹部R1とが対向し、凸部C2と凹部R2とが対向し、凸部C3と凹部R3とが対抗している。
【0096】
また、第1圧搾装置121には、圧搾形成部PFの交差方向CDの両側には、基材30Bを圧搾せずに搬送する非圧搾形成部NPが設けられる。実施形態では、非圧搾形成部NPは、第1圧搾形成部PF1と第2圧搾形成部PF2の間、及び、第2圧搾形成部PF2と第3圧搾形成部PF3の間に設けられている。また、非圧搾形成部NPは、第1圧搾形成部PF1よりも交差方向CDの外側に設けられると共に、第3圧搾形成部PF3よりも交差方向CDの外側に設けられている。
【0097】
図11を参照して、凸部C及び凹部Rの構成について説明する。第1圧搾形成部PF1の凸部C1は、頂部C1tと、頂部C1tの交差方向CDの両側に位置する側部C1sと有する。第1圧搾形成部PF1の凹部R1は、底部R1bと、底部R1bの交差方向CDの両側に位置する側部R1sと有する。
【0098】
第1圧搾形成部PF1は、第1サイド圧搾形成部PF1sと、第1センター圧搾形成部PF1cとを有する。第1サイド圧搾形成部PF1sは、凸部C1の側部C1sと凹部R1の側部R1sとのうち基材30Bを圧搾する部分である。第1サイド圧搾形成部PF1sは、垂直方向TDにおける一方側の端部PF1saと他方側の端部PF1sbとを有する。凸部C1において、端部PF1saは頂部C1t側の端部であり、端部PF1sbは頂部C1tから離れる側の端部である。凹部R1において、端部PF1saは底部R1b側の端部であり、端部PF1sbは底部R1bから離れる側の端部である。一方で、第1センター圧搾形成部PF1cは、凸部C1の頂部C1tと凹部R1の底部R1bとで基材30Bを圧搾する部分である。凸部C1において、第1センター圧搾形成部PF1cの交差方向CDの両端部のそれぞれが、第1サイド圧搾形成部PF1sの端部PF1saと連なっている。なお、第2圧搾形成部PF2及び第3圧搾形成部PF3は、第1圧搾形成部PF1と同様である。
【0099】
後述するように、圧搾工程では、少なくともサイド圧搾形成部PFsで基材30Bを圧搾しながら搬送方向MDに基材30Bを送り出す。ここで、垂直方向TDにおけるサイド圧搾形成部PFsの一方側の基材の送り出し速度と他方側との基材の送り出し速度の差が5%以内である。発明者が鋭意検討した結果、サイド圧搾形成部PFsで基材30Bを圧搾する際に、基材30Bのうち相対的に速く搬送される部分と、相対的に遅く搬送される部分とが生じることが分かった。
【0100】
例えば、基材30Bが、一対のロールうち一方のロール(以下、下ロール121L)に載せられて搬送されるケースを想定する。図12に示すように、第1サイド圧搾形成部PF1sの一方側の端部PF1saは、他方側の端部PF1sbと比べると、下ロール121Lの回転軸CLに近いため、端部PF1saでの基材30Bの送り出し速度V1aが相対的に遅くなり、端部PF1sbでの基材30Bの送り出し速度V1bが相対的に速くなる。具体的には、端部PF1saから回転軸CLまでの距離r1aとし、端部PF1sbから回転軸CLまでの距離r1bとし、端部PF1sbと端部PF1saとの差D1とする。送り出し速度Vは、回転軸CLからロールの所定位置までの距離(半径)とロールの角速度と積で表され、差D1に応じた相対的な速度差ΔV1が生じる。従って、第1サイド圧搾形成部PF1sの端部PF1saで送り出される基材30Bの部分は相対的に遅く搬送され、第1サイド圧搾形成部PF1sの端部PF1sbで送り出される基材30Bの部分は相対的に速く搬送される。相対的な速度差ΔV1によって基材30B内で搬送方向MDのずれが生じる。圧搾された部分は剛性が高いため、搬送方向MDのずれに起因して破損(特に切れ)が発生し易い。
【0101】
ここで、吸収体30の製造方法では、サイド圧搾形成部PFsの一方側(例えば、端部PF1sa)と他方側(例えば、端部PF1sb)との基材30Bの送り出し速度の差ΔVを5%以内とする。具体的には、第1サイド圧搾形成部PF1sにおいて基材30Bの送り出し速度の差ΔV1を5%以内する。また、第2サイド圧搾形成部PF2sにおいて、端部PF2saでの基材30Bの送り出し速度V2aと、端部PF2sbでの基材30Bの送り出し速度V2bとの差ΔV2を5%以内とする。これにより、相対的に速く搬送される部分と、相対的に遅く搬送される部分との搬送方向MDのずれを低減できる。その結果、基材30B内での搬送方向MDのずれに起因した基材30Bの破損(特に、サイド圧搾形成部PFsにて圧搾された部分と未圧搾部分との境界での切れ)を抑制でき、破損のない吸収体30を形成し易くなる。なお、基材30Bが搬送方向MDに撚れないようにするために、サイド圧搾形成部PFsの一方側と他方側との基材30Bの送り出し速度の差ΔVを4%以内とすることが好ましい。サイド圧搾形成部PFsの一方側と他方側との基材30Bの送り出し速度の差ΔVを1.5%以内とすることが更に好ましい。例えば、基材30Bの送り出し速度の差ΔVが1.01%であってよい。
【0102】
また、図11に示すように、凸部Cの頂部Ct(例えば、頂部C2t)から凹部Rの底部Rb(例えば、底部R2b)までの最短距離Lcは、凸部Cの側部Cs(例えば、側部C2s)から凹部Rの側部Rs(例えば、側部R2s)までの最短距離Lsよりも長くてよい。基材30Bが頂部Ctと底部Rbとによりが受ける力が、サイド圧搾形成部PFsから受ける力と比較して相対的に弱くなる。これにより、頂部Ctと底部Rbとにより圧搾される部分の剛性を低くでき、当該部分に対する着用者の肌触りの悪化を低減できる。
【0103】
また、第1圧搾形成部PF1の基材30Bの送り出し速度と第2圧搾形成部PF2の基材30Bの送り出し速度との最大差が、5%以内であってよい。具体的には、第1圧搾形成部PF1の端部PF1saと第2圧搾形成部PF2の端部PF2sbとの差が5%以内であってよい。これにより、基材30Bのうち、第1圧搾形成部と第2圧搾形成部とのうち相対的に速く搬送される部分と、相対的に遅く搬送される部分と、の搬送方向のずれを低減できる。その結果、基材30B内での搬送方向MDのずれに起因した基材30Bの破損を抑制できる。なお、基材30Bが搬送方向MDに撚れないようにするために、第1圧搾形成部PF1の基材30Bの送り出し速度と第2圧搾形成部PF2の基材30Bの送り出し速度との最大差が4%以内であってよく、好ましくは1.5%以内であってよい。例えば、これらの速度の最大差が1.01%であってよい。また、第2圧搾形成部PF2の基材30Bの送り出し速度と第3圧搾形成部PF3の基材30Bの送り出し速度との最大差も同様であってよい。5%以内であってよい。また、複数の圧搾形成部PFの基材30Bの送り出し最高速度と送り出し最低速度との差が、同様であってよい。
【0104】
図10及び11に示すように、下ロール121Lにおいて、非圧搾形成部NPは、交差方向CDに平行な載置面PSであって、基材30Bの交差方向CDの端部が載置される端部平行面EPSを有する。また、本実施形態では、下ロール121Lにおいて、複数の圧搾形成部PFの間に位置する非圧搾形成部NPのそれぞれの載置面PSは、交差方向CDに平行である。
【0105】
複数の圧搾形成部PFのそれぞれのサイド圧搾形成部PFsの端部平行面EPSを基準BLとして垂直方向TDの最大距離Mdは、下ロール121Lの回転軸CLから端部平行面EPSまでの半径距離rの5%以下であってよい。最大距離Mdは、半径距離rの2.5%以下であることが好ましく、半径距離rの1.1%以下であることが更に好ましい。垂直方向TDにおいてサイド圧搾形成部PFsが端部平行面EPSから離れるほど、サイド圧搾形成部PFsでの基材30Bの送り出し速度と端部平行面EPSでの基材30Bの送り出し速度との差が大きくなる。サイド圧搾形成部PFsの最大距離Mdを半径距離rの5%以下とすることで、各サイド圧搾形成部PFsの基材30Bの送り出し速度の差を小さくすることができる。その結果、基材30B内での搬送方向MDのずれに起因した基材30Bの破損を抑制できる。なお、図11に示すように、例えば、垂直方向TDにおいて第1サイド圧搾形成部PFs1の端部のうち基準BLから最も離れている端部は端部PF1saであるため、第1サイド圧搾形成部PFs1の最大距離Md1は、基準BLから凹部R1における第1サイド圧搾形成部PF1sの端部PF1saまでの距離である。同様に、第2サイド圧搾形成部PFs2の最大距離Md2は、基準BLから凹部R2における第2サイド圧搾形成部PF2sの端部PF2saまでの距離である。従って、最大距離Md1及びMd2は、半径距離rの5%以下であってよい。
【0106】
また、交差方向CDにおいて複数の圧搾形成部PFの間隔は、垂直方向TDにおける凸部Cの高さ以上であってよい。これにより、複数の圧搾形成部PFの間に掛かる力が、基材30Bの局所的な部分に集中せずに、交差方向CDの広い範囲に分散されるため、複数の圧搾形成部PFの間の交差方向CDの単位長さ当たりの搬送方向MDのずれを低減できる。複数の圧搾形成部PF間に位置する基材30Bの局所的な部分に負荷が集中することを低減でき、複数の圧搾形成部PFの間で生じる基材30Bの破損を抑制できる。なお、基材30Bが搬送方向MDに撚れないようにするために、複数の圧搾形成部PFの間隔は、凸部Cの高さの2倍以上であることが好ましく、5倍以上であることが更に好ましい。
【0107】
図10に示すように、交差方向CDにおいて載置面PSを5等分した場合の中央に位置する中央領域と、交差方向CDにおいて中央領域CRの両側に位置するサイド領域SRと、が設けられてよい。複数の圧搾形成部PFのいずれかが、中央領域CRに位置してよい。これにより、複数の圧搾形成部PFのいずれかが、中央領域CRにおいて基材30Bを圧搾してよい。後述する圧搾工程において、中央領域CRにおいて基材30Bを圧搾する圧搾形成部PFが、基材30Bの交差方向CDの中心を押さえることができ、基材30Bの中心の位置ずれを抑制できる。その結果、基材30Bの位置ずれに起因して狙いと異なる位置で圧搾されることを抑制できる。実施形態では、第2圧搾形成部PF2が中央領域CRに位置しており、第1圧搾形成部PF1及び第3圧搾形成部PF3がサイド領域SRに位置している。
【0108】
なお、変更例において、複数の圧搾形成部PFのいずれも、中央領域CRにおいて基材30Bを圧搾しなくてよい。複数の圧搾形成部PFが、中央領域CRにおいて基材30Bを圧搾せずに、中央領域CRのサイド領域SRにおいて基材30Bを圧搾してよい。サイド領域SRに位置する基材部分は中央領域CRから遠い方の端部が自由端であるため、当該端部側で圧搾による力が逃がし易い。一方で、中央領域CRに位置する基材部分の両側の端部は、サイド領域に位置する基材部分とつながっているため、圧搾による力が逃げにくい。複数の圧搾形成部PFが中央領域CRを圧搾せずにサイド領域SRにて基材30Bを圧搾することで、基材30Bの破損を抑制できる。また、複数の圧搾形成部PFが、一方のサイド領域SRのみにて基材30Bを圧搾せずに、両方のサイド領域SRにて基材30Bを圧搾してよい。複数の圧搾形成部PFが、交差方向CDの両側から基材30Bを押さえるため、交差方向CDの一方側に力が集中しにくくなる。これにより、基材30Bの搬送時にバランスを取り易く、搬送時の位置ずれを抑制できる。その結果、基材30Bの位置ずれに起因して狙いと異なる位置で圧搾されることを抑制できる。
【0109】
また、一方のロールである上ロール121Uは、第1圧搾形成部PF1の凸部C1と第2圧搾形成部PF2の凹部R2とを有してよい。他方のロールである下ロール121Lは、第1圧搾形成部PF1の凹部R1と第2圧搾形成部PF2の凸部C2とを有してよい。これにより、第1圧搾形成部PF1の凸部C1によって垂直方向TDの一方側から基材30Bを圧搾すると共に、第2圧搾形成部PF2の凸部C2によって、垂直方向TDの他方側から基材30Bを圧搾する。これにより、基材30Bが垂直方向TDの両側から押されるため、搬送時の位置ずれを抑制できる。その結果、基材30Bの位置ずれに起因して狙いと異なる位置で圧搾されることを抑制できる。
【0110】
なお、吸収体30の製造装置100では、上ロール121U及び下ロール121Lの回転速度が設定された最高値である場合には、垂直方向TDにおけるサイド圧搾形成部PFsの一方側の基材30Bの送り出し速度と他方側との基材の送り出し速度の差が5%以上であってもよい。製造者は、製造する吸収体30の種類によって、上記送り出し速度の差が5%以内となるように、上ロール121U及び下ロール121Lの回転速度を制御してよい。
【0111】
第2圧搾装置122は、互いに対向する上ロール122Uと下ロール122Lとにより構成される一対のロールを有する。上ロール122Uは、交差方向CDに平行な回転軸CUを中心に回転する。下ロール121Lは、交差方向CDに平行な回転軸CLを中心に回転する。第2圧搾装置122は、平行面に対向する凸部(不図示)で基材30Bを圧搾する。上ロール122Uには凸部が設けられており、下ロール121Lには平行面が設けられている。
【0112】
(6)吸収体の製造方法
吸収体30の製造方法について説明する。本実施形態では、吸収体30の製造方法は、第1圧搾工程S20を有する。製造方法は、基材形成工程S10と、切断工程S30と、トップシート配置工程S40と、第2圧搾工程S50と、を更に有してもよい。本実施形態において、第1圧搾工程S20と第2圧搾工程S50とは、圧搾工程に含まれる。他の形態において、製造方法は、基材形成工程を備えていなくてもよい。
【0113】
基材形成工程S10では、吸収体30の基材30Bを形成する。より詳細には、基材形成工程S10は、体液を吸収する吸収材料である吸収コア材31Mを積層して吸収体30の基材30Bを形成してもよいし、吸収材料をシート状に成形して吸収体30の基材30Bを形成してもよいし、吸収コア材31Mの垂直方向の一面側を被覆シートによって覆うことで吸収体30の基材30Bを形成してもよいし、吸収コア材の垂直方向の両面側を被覆シートによって覆うことで吸収体30の基材30Bを形成してもよい。好適には、基材形成工程S10は、被覆シートの基材(例えば、コアラップシート32の基材32B)により垂直方向TDに覆ってよい。図11に示すように、非肌面側T2に配置されるコアラップシート32の基材32B1がベルトコンベアなどの搬送部により搬送される。搬送されている基材32B1上に、回転ドラム111から吸収コア材31Mが載せられる。次に、吸収コア材31M上に、肌面側T1に配置されるコアラップシート32の基材32B2が載せられる。これにより、吸収コア材31Mの垂直方向の両面側が被覆シートに相当するコアラップシート32の基材32Bに垂直方向TDに覆われる。その結果、吸収体30の基材30Bが形成される。
【0114】
第1圧搾工程S20では、一対のロールの一方のロールに設けられた凸部Cと他方のロールに設けられた凹部Rとにより、基材30Bに圧搾溝40を形成する。本実施形態では、図11に示すように、上ロール121U及び下ロール121Lが回転することによって、第1圧搾形成部PF1では凸部C1と凹部R1とにより基材30Bが圧搾される。具体的には、第1圧搾形成部PF1において、サイド圧搾形成部PFsとセンター圧搾形成部PFcとにより基材30Bが圧搾される。これにより、基材30Bに第1圧搾溝41が形成される。同様に、第3圧搾形成部PF3では凸部C3と凹部R3とにより基材30Bが圧搾される。これにより、基材30Bに第1圧搾溝41が形成される。なお、第1圧搾工程では、第2圧搾溝42が形成されない。
【0115】
第1圧搾工程S20では、少なくともサイド圧搾形成部PFsで基材30Bを圧搾しながら搬送方向MDに基材30Bを送り出す。また、本実施形態では、サイド圧搾形成部PFsだけでなく、センター圧搾形成部PFcで基材30Bを圧搾しながら搬送方向MDに基材30Bを送り出している。サイド圧搾形成部PFsの一方側の基材30Bの送り出し速度と他方側との基材30Bの送り出し速度の差が5%以内である。
【0116】
切断工程S30では、基材30Bを搬送方向MDに分割するように基材30Bを切断する。具体的には、回転ドラムが回転することによってカッター刃が基材30Bを切断する。本実施形態では、第1圧搾工程S20の後、基材30Bを切断する。分割する前の基材30Bは、切断された基材30Bに比べて、圧搾溝40を形成する際に基材30Bが動きにくい。従って、狙った位置に圧搾溝40を形成し易くすることができ、吸収体30の品質の安定化を図ることができる。
【0117】
トップシート配置工程S40では、吸収体30の基材30B上にトップシート10の基材10Bを配置する。図9に示すように、本実施形態では、吸収体30の基材30B(基材32B1)をトップシート10の基材10Bにより垂直方向TDに覆う。従って、トップシート10の基材10Bは、基材30Bの上側に配置されている。
【0118】
第2圧搾工程S50では、一対のロールの一方のロールに設けられた凸部Cと他方のロールに設けられた凹部Rとにより、基材30Bに加えてトップシート10の基材10Bを圧搾して圧搾溝40を形成する。本実施形態では、図11に示すように、上ロール122U及び下ロール122Lが回転することによって、基材30Bと基材10Bとが圧搾される。上ロール122Uに設けられた凸部(不図示)が下ロール122Lの平坦な外周面に押し付けられることで、第2圧搾溝42が形成される。なお、上ロール122Uの凸部と下ロール122Lの平坦な外周面とで圧搾するため、第1圧搾工程S20と比較すると、吸収体30の破損が発生し難い。従って、上ロール122Uに設けられた凸部の頂部での基材30Bの送り出し速度と、当該凸部の側部での基材30Bの送り出し速度との差が5%以上であってよい。
【0119】
その後、第2圧搾溝42が形成された基材30Bに、他の構成部材(例えば、補強シート15、バックシート20の基材など)が配置され、他の構成部材が配置された中間製品を切断することによって、吸収性物品1が製造される。なお、上述の工程間に他の工程が実行されてもよい。例えば、基材32B1に点状の圧搾部を形成する工程が、基材形成工程S10と第1圧搾工程S20との間で実行されてもよいし、第1圧搾工程S20と切断工程S30との間で実行されてもよい。トップシート10の基材10Bと吸収体30の基材30Bとを圧搾するための工程が、トップシート配置工程S40と第2圧搾工程S50との間に配置されてもよいし、第2圧搾工程S50の後で実行されてもよい。
【0120】
なお、変更例として、切断工程S30の後に、第1圧搾工程S20が実行されてもよい。従って、切断された基材30Bに第1圧搾溝41が形成されてもよいし、第3圧搾溝43が形成されてもよい。一般的に、切断工程S30では、基材30Bを切断する際に基材に力が加えられることで基材が伸縮してしまう。基材30Bの伸縮によって、基材30Bに形成された圧搾の程度が弱くなり易い。ここで、切断された基材30Bに圧搾溝を形成することで、切断工程S30により圧搾の程度が弱くなることを防ぐことができる。意図した圧搾を実現でき、吸収体30の品質の安定化を図ることができる。
【0121】
(7)変更例に係る吸収体の製造装置
変更例に係る吸収体30の製造装置100について説明する。なお、上述の実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様の部分の説明は省略する。図13は、変更例1に係る第1圧搾装置121の一部拡大断面図である。図13は、図11と同様の断面図である。図14は、変更例2及び3に係る第1圧搾装置121の一部拡大断面図である。図14Aは、変更例2に係る第1圧搾装置121の一部拡大断面図である。図14Bは、変更例3に係る第1圧搾装置121の一部拡大断面図である。図15は、変更例4に係る凸部Cを説明するための図である。図15Aは、凸部Cを説明するための図である。図15Bは、図15Aに示すF15B-F15B線に沿った概略断面図である。図16は、変更例5に係る第1圧搾装置121の概略正面図である。
【0122】
図13に示すように、圧搾形成部PFは、センター圧搾形成部PFcを有さず、サイド圧搾形成部PFsのみを有していてもよい。従って、凸部Cの頂部Ctから凹部Rの底部Rbまでの最短距離Lcは、吸収体30の基材30Bの厚さ(すなわち、垂直方向TDの長さ)よりも長くてよい。これにより、圧搾溝40の幅方向Wの中心側が圧搾されなくなるため、サイド圧搾形成部PFsにより圧搾された力が逃げ易くなり、基材30Bの破損を抑制できる。
【0123】
図14Aに示すように、第1圧搾装置121では、下ロール121Lにおいて、非圧搾形成部NPは、第1圧搾形成部PF1と第2圧搾形成部PF2との間に配置され、基材30Bに対向する中間面ISを有してよい。中間面ISは、下ロール121Lの外周面の一部である。中間面ISは、平行延出面EXSと、軸側平行面ASとを有してよい。中間面ISは、例えば、第1圧搾形成部PF1の凹部R1の端部(凹部R1の開口縁)から第2圧搾形成部PF2の凸部C2の端部(凸部C2の付け根)までの面であってよい。なお、図14Aに示すように、平行延出面EXSと軸側平行面ASとをつなぐ面は、交差方向CDに平行に延びる面であって、平行延出面EXSと軸側平行面ASとに直交してもよい。
【0124】
平行延出面EXSは、交差方向CDにおける圧搾形成部PFの端部から交差方向CDに平行に延びる面である。なお、交差方向CDにおける圧搾形成部PFの端部は、圧搾形成部PFが凹部Rである場合、凹部の開孔縁(例えば、第1サイド圧搾形成部PF1sの端部PF1sb)であってよく、圧搾形成部PFが凸部Cである場合、凸部Cの付け根であってよい。例えば、平行延出面EXSは、下ロール121Lの第1圧搾形成部PF1の一方の端部(図14Aでは、第1サイド圧搾形成部PF1sの端部PF1sb)から第2圧搾形成部PF2の方へ平行に延びてよい。平行延出面EXSの交差方向CDの長さLeは、凹部Rの深さ(すなわち、当該平行延出面EXSから底部Rbまでの垂直方向TDの高さ)よりも長くてよく、好ましくは、凹部Rの深さの2倍以上であってよい。
【0125】
軸側平行面ASは、平行延出面EXSよりも下ロール121Lの回転軸CLに近くかつ交差方向CDに減口に延びる面である。なお、図14Aに示すように、軸側平行面ASは、下ロール121Lにおいて交差方向CDにおける第2圧搾形成部PF2の端部から交差方向CDに平行に延びる面である場合、第2圧搾形成部PF2から延びる平行延出面EXSと一致してもよい。
【0126】
軸側平行面ASから上ロール121Uまでの垂直方向TDの平均距離は、平行延出面EXSから上ロール121Uまでの垂直方向TDの平均距離よりも長くてよい。従って、図14Aにおいて、軸側平行面ASから上ロール121Uまでの垂直方向TDの距離Diの平均値は、平行延出面EXSから上ロール121Uまでの垂直方向TDの距離Deの平均値が大きくてよい。従って、非圧搾形成部NPにおいて、基材30Bが垂直方向TDにある程度自由に動けるような空間が設けられていてよい。これにより、軸側平行面ASでは、平行延出面EXSと比べて上ロール121Uと下ロール121Lとの距離が離れており、基材30Bが中間面IS上で垂直方向TDに動き易くなる。従って、第1圧搾形成部PF1と第2圧搾形成部PF2とのうち相対的に速く搬送される部分と、相対的に遅く搬送される部分との搬送方向MDのずれに起因して生じる力を逃がし易くなる。その結果、基材30B内での搬送方向のずれに起因した基材30Bの破損を抑制できる。
【0127】
また、図14Aに示すように、端部平行面EPSを基準BLとして、下ロール121Lに設けられた底部Rbの垂直方向TDの高さが、下ロール121Lの回転軸CLから端部平行面EPSまでの半径距離rの5%以下であってよい。端部平行面EPSを基準BLとした底部Rbの高さは、半径距離rの2.5%以下であることが好ましく、半径距離rの1.1%以下であることが更に好ましい。図14Aでは、底部R1b及び底部R3bの高さは、平行延出面EXSと一致しており、半径距離rの0%である。同様に、端部平行面EPSを基準BLとして、下ロール121Lに設けられた頂部Ctの垂直方向TDの高さが半径距離rの5%以下であってよい。端部平行面EPSを基準BLとした頂部Ctの高さは、半径距離rの2.5%以下であることが好ましく、半径距離rの1.1%以下であることが更に好ましい。図14Aでは、頂部Ctの高さは、平行延出面EXSと一致しており、半径距離rの0%である。端部平行面EPSを基準BLとして、下ロール121Lに設けられた底部Rbと頂部Ctが半径距離rの5%以内に位置してもよい。これにより、第1圧搾工程S20において圧搾溝40を形成する際に、交差方向CDにおける基材30Bの一方側から他方側まで、基材30Bが垂直方向TDに大きく変位せず、基材30Bの破損を抑制できる。
【0128】
なお、図14Aに示すように、下ロール121Lにおいて凹部Rが凸部Cよりも回転軸CLから垂直方向TDに離れていてもよい。従って、垂直方向TDにおいて凹部Rが凸部よりも高い位置に配置されていてよい。このような場合に、交差方向CDにおける凹部Rの両端部から平行延出面EXSが延びていてよい。
【0129】
また、図14Bに示すように、下ロール121Lにおいて、中間面ISは、交差方向CDに対して傾斜している傾斜載置面INSを有してよい。中間面ISが交差方向CDに対して常に平行である場合と比較すると、傾斜による高さの分だけ中間面ISの長さを長くできる。例えば、図11の実施形態と図14Bの変更例とで、第1圧搾形成部PF1と第2圧搾形成部PF2との間の交差方向CDの長さが同じとする。図11において、第1圧搾形成部PF1と第2圧搾形成部PF2との間に配置された交差方向CDに常に平行な中間面(平行延出面EXS)の長さは、第1圧搾形成部PF1と第2圧搾形成部PF2との間の交差方向CDの長さに等しい。一方で、図14Bにおいて中間面ISの長さは、第1圧搾形成部PF1側の平行延出面EXSの交差方向CDの長さ(Le)と、傾斜載置面INSの長さと、第2圧搾形成部PF2側の平行延出面EXSの交差方向CDの長さとの合計である。ここで、傾斜載置面INSの交差方向CDの長さをaとし、傾斜載置面INSの垂直方向TDの長さをbとした場合、傾斜載置面INSの長さは、(a+b1/2で表され、傾斜載置面INSの交差方向CDの長さaよりも大きくなる。従って、図14Bにおける中間面ISの長さは、図11における中間面(平行延出面EXS)の長さよりも、傾斜による高さの分だけ長くなる。これにより、第1圧搾形成部PF1と第2圧搾形成部PF2との間に掛かる力が、基材30Bの局所的な部分に集中せずに、交差方向の広い範囲に分散される。これにより、第1圧搾形成部PF1と第2圧搾形成部PF2との間の交差方向CDの単位長さ当たりの搬送方向MDのずれを低減できる。その結果、第1圧搾形成部PF1と第2圧搾形成部PF2との間に位置する基材の局所的な部分に負荷が集中することを低減でき、第1圧搾形成部PF1と第2圧搾形成部PF2との間で生じる基材の破損を抑制できる。さらに、基材30Bが傾斜載置面INSに支えられながら搬送される場合には、基材30Bの搬送時の位置ずれを抑制できる。なお、交差方向CDに対する傾斜載置面INSの角度は、10度から30度であることが好ましい。
【0130】
また、図15に示すように、凸部Cの頂部Ctには、垂直方向TDにおいて突出する複数の小突起部SCが搬送方向MDに間隔を空けて配置されていてよい。小突起部SCは、搬送方向MDに対して傾斜しながら交差方向CDに延びていてよい。小突起部SCは、小突起部SCに隣接する小突起部SCと交差方向CDにおいて重なっていてよい。具体的には、図15Aに示すように、小突起部SCは、第1小突起部SC1と第2小突起部SC2とを有してよい。第2小突起部SC2は、搬送方向MDに対して隣接している。ここで、搬送方向MDにおいて、第1小突起部SC1の後端縁SC1bは、第2小突起部SC2の前端縁SC1aよりも後方に位置してよい。これにより、小突起部SCが基材30Bを圧搾している間に、隣接する小突起部SCが基材30Bの圧搾を開始するため、圧搾溝40が形成されている間、小突起部SCにより掛かる力と、小突起部SCと小突起部SCとの間に掛かる力との差を低減できる。当該力の差による基材30Bの破損を抑制できる。なお、図15Aに示すように、搬送方向MDに対する小突起部SCの傾斜角αは、30度から60度であってよい。
【0131】
また、図15Bに示すように、搬送方向MDにおける小突起部SCの後方の側面SCrは、交差方向CDに対して傾斜していてよい。後方の側面SCrと凸部Cの頂部Ctとの傾斜角度βは、90度以上であってよい。従って、小突起部SCの後側面SCrは、交差方向CDにおいて小突起部SCの頂部から回転軸CLへ近づくほどほど後方に位置するように傾斜していてよい。これにより、基材30Bを圧搾した小突起部SCが基材30Bから抜け易くなり、基材30Bの微小な破損を更に抑制できる。なお、搬送方向MDにおける小突起部SCの前方の側面も同様に、交差方向CDに対して傾斜していてよい。前方の側面と凸部Cの頂部Ctとの傾斜角度は、90度以上であってよい。これにより、基材30Bを圧搾した小突起部SCが基材30Bから抜け易くできる。
【0132】
また、図16に示すように、一対のロールのそれぞれは、交差方向CDに分割された複数のロール部を有してよい。例えば、上ロール121Uは、第1上ロール部121U1、第2上ロール部121U2、第3上ロール部121U3を有してよい。下ロール121Lは、第1下ロール部121L1、第2下ロール部121L2、第3下ロール部121L3を有してよい。複数のロール部のそれぞれには、少なくとも1つの圧搾形成部PFが配置されていてよい。各ロール部は、互いに異なる回転速度で回転できるように制御されていてよい。これにより、圧搾工程では、複数の圧搾形成部PF間での基材30Bの送り出し速度の差が5%以内となるように、複数のロール部のそれぞれの回転速度を制御してよい。
【0133】
具体的には、凸部C2を有する第2下ロール部121L2が所定速度で回転する場合、凹部R1を有する第1下ロール部121L1及び凹部R3を有する第3下ロール部121L3の回転速度を所定速度よりも速くしてよい。各上ロール部は、対抗する下ロール部と同じ回転速度であってよい。各下ロール部の回転速度が一定にしか制御できない場合、複数の圧搾形成部PFの凸部Cの頂部Ct(具体的には、凸部C1、凸部C2、凸部C3)の高さによって基材の送り出し速度が変わる。凸部C2では基材30Bが相対的に速く送り出され、凹部R1に対向する凸部C1及び凹部R3に対向する凸部C3では相対的に基材30Bが遅く送り出される。従って、基材30Bの送り出し速度の差が小さくなるように、凸部Cの高さが制限される。ここで、複数のロール部のそれぞれの回転速度を制御することで、凸部Cの高さが制限されずに、基材30Bの送り出し速度の差を1%以内にでき、搬送方向MDのずれに起因した基材30Bの破損を抑制できる。
【0134】
また、図16に示すように、複数のロール部間には隙間Gがあってよい。これにより、ロール部に配置されている圧搾形成部PFと、当該ロール部に隣接する別のロール部に配置されている圧搾形成部PFとの間には存在する隙間Gでは、垂直方向TDの両側から基材が押さえつけられなくなり、これらの圧搾形成部PF間で基材30Bに掛かる力が逃げ易くなる。これにより、これらの圧搾形成部PF間での基材30Bの破損を抑制できる。
【0135】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0136】
1 :吸収性物品
30 :吸収体
40 :圧搾溝
41 :第1圧搾溝
42 :第2圧搾溝
43 :第3圧搾溝
100 :製造装置
C :凸部
R :凹部
PF :圧搾形成部
PFs :サイド圧搾形成部
MD :搬送方向
CD :交差方向
TD :垂直方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16