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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054582
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】シート排出装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/26 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
B65H31/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160893
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】大谷 遼平
【テーマコード(参考)】
3F054
【Fターム(参考)】
3F054AA01
3F054AC01
3F054BA04
3F054BB02
3F054BB13
3F054BG02
3F054BJ02
3F054CA02
3F054CA12
(57)【要約】
【課題】排出されたシートのスタック性を向上させる。
【解決手段】
シートを積載部に排出するシート排出装置であって、積載部に排出される排出シートが接触することにより回動する接触部材を有し、接触部材は、排出シートと接触する排出シート当接部と、排出シート当接部の反対側に形成され、積載部に積載された積載シートと接触する接触部位を含む積載シート当接部と、積載シートを押える押え部位と、を有し、接触部位と押え部位とは、シート排出方向に凸となる湾曲形状をなして接続されている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを積載部に排出するシート排出装置であって、
前記積載部に排出される排出シートが接触することにより回動する接触部材を有し、
前記接触部材は、
前記排出シートと接触する排出シート当接部と、
該排出シート当接部の反対側に形成され、前記積載部に積載された積載シートと接触する接触部位を含む積載シート当接部と、
前記積載シートを押える押え部位と、を有し、
前記接触部位と前記押え部位とは、シート排出方向に凸となる湾曲形状をなして接続されていることを特徴とするシート排出装置。
【請求項2】
前記接触部材は、前記積載シート当接部の前記押え部位とは反対側に位置する端部である頂上部位を有し、
前記接触部材の回動中心から前記頂上部位までの距離を、前記接触部材の回動中心から前記押え部位までの距離よりも長くしたことを特徴とする請求項1に記載のシート排出装置。
【請求項3】
前記積載シート当接部と前記積載シートとのなす角度が小さくなるように、前記湾曲形状が前記シート排出方向に膨らむ形状であることを特徴とする請求項1に記載のシート排出装置。
【請求項4】
前記接触部材は、前記接触部材を前記シート排出装置に支持するための支持部を有し、
前記支持部は、前記支持部を前記シート排出装置の前記接触部材を支持するための接触部材支持部に挿入するための挿入部を有することを特徴とする請求項1に記載のシート排出装置。
【請求項5】
前記挿入部は、円の一部が切り欠かれたような形状であり、
前記接触部材支持部に前記挿入部を挿入することで前記接触部材が支持されたときに、前記積載部側と反対側に位置するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のシート排出装置。
【請求項6】
前記シート排出装置は、前記接触部材と当接して前記接触部材の回動を止めるストッパ部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシート排出装置。
【請求項7】
前記接触部材は、排出される所定の大きさのシートの幅方向の端部に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシート排出装置。
【請求項8】
前記接触部材は、前記接触部材の回動を止めるためのストッパ部材と当接するストッパ部材当接部を有し、
前記ストッパ部材当接部は、前記接触部材の回動中心から前記積載シート当接部までストレート状に延在するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシート排出装置。
【請求項9】
前記積載シート当接部は、前記接触部材におけるシートの幅方向全体のうちの一部に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のシート排出装置。
【請求項10】
前記接触部材は、前記積載シート当接部の前記押え部位とは反対側に位置する端部である頂上部位と、前記前記接触部材の回動を止めるためのストッパ部材と当接するストッパ部材当接部とが湾曲形状をなすように接続する第2積載シート当接部を有することを特徴とする請求項1に記載のシート排出装置。
【請求項11】
前記積載シート当接部は、複数の部材を組み合わせることで形成されることを特徴とする請求項1に記載のシート排出装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載のシート排出装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
前記積載部の上部に原稿を読み取るための読取装置が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート排出装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の電子写真装置における画像形成装置は、機能の多様化、また小型化が求められている。そして、画像形成装置としては、一般的にプリンタや、プリンタと読取装置であるスキャナあるいはADF(自動原稿送付機構)等とが一体化したMFPと呼ばれるものが挙げられる。そして、用紙を排紙するための排紙機構が備えられている。
【0003】
排紙機構によって排出された用紙は、画像形成装置内に設けられている用紙に熱と圧力を付与する定着機構を通過していることから、バックカールやサイドカールが生じることがある。これらバックカールやサイドカールが生じた用紙により後続紙が引っ掛かり、先行紙を押し出すことがある。そこで、これを防止するために、排紙機構の排紙ローラと同一軸に積載された用紙のカールを押えるための押え部材によってカールを押えることで、後続紙の引っ掛かりを防止し、スタック性を向上させる技術が知られている。また、このような場合、押え部材が持ち上がる際に、スタックした用紙を押し出すことを防止し、スタック性を向上させる必要がある。
【0004】
例えば、特許文献1には、排紙ローラ、排紙ローラにそれぞれ対向する排紙従動ローラ、排紙ローラと同じ回転軸に回動可能に配置された排紙される用紙の側面部分を押さえるための少なくとも2個の端側押さえ部、及び排紙ローラと同じ回転軸に回動可能に配置された用紙の側面部分を押さえるための少なくとも2個の内側押さえ部を備え、内側押さえ部と端側押さえ部は、非退避時において、その先端が回転軸から排紙ローラと排紙従動ローラの共通接線を越えて延在し、端側押さえ部は内側押さえ部よりも長く、用紙積載部に堆積した用紙に載るように構成される排紙装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、ハウジングと、ハウジング内に設けられ、画像定着済みの用紙を排紙トレイに向けて排出する排出部と、ハウジングにおける排出部よりも排出方向下流側の位置に設けられ、用紙における排紙トレイとは反対側の面を押圧可能な押圧位置から、用紙への押圧を解除する方向への変位可能とされた押圧部材と、押圧部材による前記用紙への押圧力を変更可能な押圧力変更手段とを備えた画像形成装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、排出されたシートのスタック性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、シートを積載部に排出するシート排出装置であって、前記積載部に排出される排出シートが接触することにより回動する接触部材を有し、前記接触部材は、前記排出シートと接触する排出シート当接部と、該排出シート当接部の反対側に形成され、前記積載部に積載された積載シートと接触する接触部位を含む積載シート当接部と、前記積載シートを押える押え部位と、を有し、前記接触部位と前記押え部位とは、シート排出方向に凸となる湾曲形状をなして接続されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、排出されたシートのスタック性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る実施形態における画像形成装置の構成図。
図2】本発明に係る実施形態における排紙装置の側面図。
図3】本発明に係る実施形態における排紙装置の斜視図。
図4】本発明に係る実施形態における押え部材の動作の説明図。
図5】本発明に係る排紙装置における満杯検知機構の説明図。
図6】比較例における課題を説明するための図。
図7】本発明に係る押え部材の構成を示す図。
図8】ストッパ部材の構成を示した図。
図9】本発明に係る押え部材と比較例に係る押え部材との用紙の押し出される量の違いを示した図。
図10】用紙の押し出される量の違いが生じるメカニズムについて説明した図。
図11】用紙の押し出しをより防止するための構成についての説明図。
図12】用紙の押し出しをより防止するための別の構成についての説明図。
図13】本発明に係る押え部材の変形例1を示す図。
図14】本発明に係る押え部材の変形例2を示す図。
図15】本発明に係る押え部材の変形例3を示す図。
図16】変形例3における用紙の蹴り出しの様子を示した図。
図17】本発明に係る押え部材の変形例4を示す図。
図18】本発明に係る別の実施形態における画像形成装置の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る実施形態を、図面を用いて、以下に説明をする。
<本実施形態における画像形成装置について>
図1に、本発明に係る実施形態における画像形成装置を示す。
【0011】
図1は、本発明に係る実施形態における画像形成装置であるプリンタ100の構成を示す概略図である。プリンタ100は、給紙ローラ101、中継ローラ102、レジストローラ103、感光体104、帯電装置105、LED106、転写ローラ107、定着ローラ108、搬送ローラ109および排紙ローラ302を備えている。
【0012】
プリンタ100の下部には、給紙装置200が搭載されている。給紙装置200は、プリンタ100の内部に収納される。記録媒体である用紙P(シートの一例)は、給紙装置200が備える分離ローラ201と、プリンタ100に設置されている給紙ローラ101とによって、給紙装置200からプリンタ100に対して送り出される。
【0013】
また、分離ローラ201を含む給紙装置200がプリンタ100における給紙部を構成する。給紙装置200から送り出された用紙Pは、中継ローラ102によって、破線矢印で示されている搬送経路に搬送されて、レジストローラ103において一旦停止して弛みが形成される。そして、給紙ローラ101、中継ローラ102およびレジストローラ103によって、用紙Pを感光体104等により形成される画像形成部に搬送される。
【0014】
プリンタ100は、感光体104の周囲に、当該感光体104の表面を帯電する帯電装置105と、帯電された感光体104の表面を画像情報により露光して感光体104上に静電潜像を形成する光源としてのLED106とを備えている。これら画像形成部の動作によって、用紙Pに転写される画像が形成される。
【0015】
また、感光体104上に形成されたトナー像に対して、所定のタイミングで、レジストローラ103による搬送が開始される。これによって、感光体104と、感光体104の対面に設置されている転写ローラ107との間に用紙Pが搬送されて、感光体104上のトナー像が用紙Pに転写される。
【0016】
その後、用紙Pは、転写されたトナー像を定着させる定着ローラ108に搬送され、定排ローラ109と排紙ローラ302を経て、プリンタ100の筐体上面に設けられている排紙装置300に排出される。
【0017】
<本発明に係る実施形態における排紙装置について>
次に、本発明に係る実施形態における排紙装置について図2、3を用いて説明する。図2は、排紙装置300(シート排出装置の一例)の側面図を示す。本実施形態における排紙装置300は、回転軸301(接触部材支持部の一例)と排紙ローラ302と、それらを駆動させるための(図示しない)駆動源を有し、当該駆動源によって回転軸301と排紙ローラ302とが回転する。
【0018】
また、排紙装置300は、排紙ローラ302により従動回転して用紙を積載する排紙トレイ(積載部の一例、積載トレイともよぶ)303へと用紙Pを搬送する排紙従動ローラ305と、排紙ローラ302により従動回転し、搬送の途中で用紙Pを反転する反転従動ローラ306とを有する。なお、排紙トレイ303は、本実施形態においては、傾斜角が20°~24°に設定されている。
【0019】
排紙装置300は、排紙ローラ302と排紙従動ローラ305との当接部に用紙Pを搬送するガイド307と、排紙ローラ302および反転従動ローラ306とによって形成される当接部に用紙Pを搬送するガイド308とを有する。
【0020】
さらに、排紙装置300は、搬送されてきた用紙Pを排紙ローラ302および排紙従動ローラ305によって形成される当接部、あるいは排紙ローラ302および反転従動ローラ306によって形成される当接部に搬送経路を切り替えるための切り替えガイド310を備えている。なお、当該切り替えガイド310は、図示しない切り替え制御装置によって制御されている。
【0021】
図3に本発明に係る実施形態における排紙装置の斜視図を示す。排紙装置300は、用紙Pが排出される際に、用紙Pに発生したカールを押えるための押え部材311(接触部材の一例)を有している。この押え部材311は、排紙ローラ302の回転軸301に対して回動可能に支持され、且つ排紙ローラ302の回転動作には同期しないように固定されている。押え部材311は、回転軸301に設けられた溝に嵌めるか、もしくは止め輪部材を用いることで回転軸301上での軸方向の移動を規制するように構成している。
【0022】
押え部材311が配置されている位置は、用途に応じて決めてよい。例えば、所定サイズの用紙の端部の位置に配置することで、用紙の端部に発生したカールを抑えることができる。また、用紙の中央位置に設置することで、用紙の中央に発生したカールを抑えることができる。そして、配置の数も、用途に応じて決めてよい。なお、本実施形態では、一例として、カールが発生しやすいサイズであるB4サイズの縦、A4サイズの横、レターサイズ横を対象とし、これらの端部を押える位置に押え部材311を配置している。
【0023】
<本発明に係る実施形態における押え部材の動作について>
図4は、本発明に係る実施形態における押え部材の動作を説明するための図である。なお、本発明の特徴部である押え部材の詳細な構成の説明は、後述することとする。
【0024】
まず、定着装置の定着ローラ108から、排紙ローラ302と排紙従動ローラ305に挟持されて搬送されてきた用紙Pは、その用紙Pの先端で、非退避時の位置にある押え部材311の排出シート当接部322に接触する(図4(a)参照)。ここでいう非退避時とは、「押え部材311の回動軌跡内に、排紙トレイ303上に用紙Pが積載していない場合における押え部材311が自重により下がり、「押え部位323がガイド307に当接している」ときと、「押え部材311の回動軌跡内に、排紙トレイ303上に用紙Pが積載している場合における押え部材311が自重により下がり、押え部材311の押え部位323が排紙トレイ303上に積載した用紙Pに載っている」ときをいうものとする(図4(a)参照)。
【0025】
押え部材311は、図4(a)における回転軸301から排紙ローラ302と排紙従動ローラ305の共通接線309を越えて延在している。そのため、押え部材311は、排出された用紙Pのサイド部分と接触して自重により用紙Pに下向きの力を加えて腰を付ける。このことで、用紙Pの側面部分の上向きのサイドカールを押える。
【0026】
そして、用紙Pは、さらに用紙の排出方向(シート排出方向の一例)に搬送されるとする。この際、押え部材311の押え部位323は、押え部材311の凹形状当接部327がストッパ部材304に接触するときの退避時(最大退避時)において、共通接線309よりも排紙従動ローラ305側の距離L1の位置にある(図4(b)参照)。
【0027】
そのため、押え部材311は、排出された用紙Pの弾性力Fによって最大退避時の位置を維持し、排出された用紙Pは排紙トレイ303側へ屈曲して排出される。なお、当該排出方向は排出可能な範囲R内に予め設定している。このことから、排出された用紙Pが排紙トレイ303側に屈曲し過ぎることで、排出された用紙の先端が排紙トレイ303上に積載している用紙Pの後端を押すことはない。
【0028】
排出中の用紙Pの後端が排紙ローラ302と排紙従動ローラ305の間から抜けると、押え部材311は、再び非退避位置に戻る(図4(a)参照)。そして、押え部材311は自重により用紙Pの後端を、排紙トレイ303または積載している用紙に向かって押し下げる。なお、押え部材311における回転軸301の中心mから押え部位323までの長さJは、積載している用紙Pの後端から所定の距離に位置するよう設定してある。これにより、押え部位323は用紙Pに接触するようになる。
【0029】
このように、押え部位323は用紙Pに接触して用紙を押さえ付けることで、例えば、上向きにサイドカールが発生した用紙においても、排紙トレイ303上に積載している用紙Pの後端はカールによって嵩張ることがない。そのため、積載している用紙の高さが排紙ローラ302と排紙従動ローラ305の共通接線309を超えることはない。このことから、排出されてくる用紙の先端が排紙トレイ303上に積載されている用紙Pの後端を押して積載している用紙が落下することや、ページの順狂い等のスタック不良が発生するのを未然に防ぐことができる。
【0030】
<本発明に係る排紙装置における満杯検知機構について>
図5に、本発明に係る排紙装置における満杯検知機構の説明図を示す。これを用いて、満杯検知機構313について説明する。満杯検知機構313は、満杯検知フィラー314(接触部材の一例)と、図示しない満杯検知センサを有する。満杯検知フィラー314は、用紙の排出方向と直交する方向(図5の紙面に対して垂直に延びる方向)の両端部で回動可能に支持されている。
【0031】
満杯検知フィラー314は、図5(a)に示す位置から図中反時計方向に回動して図5(b)に示す位置に至る。図5(a)は、排紙ローラ302と排紙従動ローラ305とに挟持された用紙Pの先端が満杯検知フィラー314の中央検知部315に当たる直前の状態を示している。つまり、図5(a)は、中央検知部315の位置が変化する前、すなわち満杯検知センサがOFFの状態を示している。また、図5(b)は、用紙Pによって中央検知部315が押し上げられて中央検知部315の位置が変化した状態、すなわち満杯検知センサがONの状態を示している。
【0032】
満杯検知機構313は、満杯検知センサONの状態が所定時間以上継続すると、排紙トレイ303上に積載されている用紙の量が満杯状態であると画像形成装置内の制御装置が判断し、印刷を停止させる信号を発するようになっている。この満杯状態を、図5(c)に示す。図5(c)において、排紙トレイ303上の用紙の積載高さを符号Hで表してある。
【0033】
<本発明における特徴部について>
次に、本発明における特徴部について説明する。ここで、特徴部について説明する前に、比較対象となる構成(比較例)を挙げ、その課題について説明することにする。
【0034】
<比較例について>
図6は、比較例に係る構成における課題を説明するための図である。ここで、図6(a)に、比較例に係る構成における押え部材411の斜視図を示す。また、図6(b)~(d)では、用紙の後端がバックカールした用紙が排出されるときの状態を示している。ここで、排出される用紙をP1とし、排紙トレイ303上に積載されている用紙を用紙P2とする。
【0035】
比較例に係る構成における押え部材411は、排紙トレイ303に積載された用紙束Pと接触し、押え部材411の回転中心から所定の距離に位置する積載シート当接部424を有する。この積載シート当接部424は、簡単にいえば、図6(a)に示すように、まっすぐに延在したストレート形状をしている。
【0036】
次に、この構成において、排出される用紙を押える場合について、図6(b)~(d)を用いて説明する。まず、図6(b)において、用紙P1は押え部材411を押し上げながら排紙トレイ303の用紙P2に積載される。このとき、排出される用紙の勢いが強いと、用紙P1の後端が押え部材411を抜けてスタックされることがある。すると、図6(c)に示すように、排出された用紙P1は、排紙トレイ303が有する傾斜により、押え部材411の方に引き戻されるかたちとなる。このとき押え部材411もまた自重により落下するため、バックカールした用紙P1の後端が押え部材411に寄りかかるかたちで積載されることになる。
【0037】
そして、図6(c)に示す状態から図6(d)に示す状態のように、後続の用紙によって押え部材411は押し上げられるが、排紙トレイ303上にスタックされたバックカールした用紙P1は、押し上げられた押え部材411によって搬送方向下流側(排出方向側)に押し出される。これにより用紙のスタック乱れや、用紙の押し出しにつながるという課題が発生してしまう。特に、画像形成装置がMFPの場合は、排紙トレイの上には、スキャナ等の機器が設けられていることになる。また、近年は、わずかな設置スペースでの有効活用が求められ、これに応じるために画像形成装置全体の小型化が図られる。このような構成の場合、用紙を排出するためのスペースは限られていることになり、排紙トレイ303の傾斜角度は小さくなってしまう(浅くなってしまう)。その場合は、傾斜によって用紙が引き戻される効果が大きく期待できないため、上記課題がより顕著となる。
【0038】
<本発明に係る本実施形態における押え部材について>
そこで、上記課題が発生することを防止するため、本発明に係る実施形態における押え部材は、以下に述べる構成となっている。その詳細について説明する。図7に、本発明に係る押え部材の構成を示す。また、図7(a)は本発明に係る押え部材の斜視図、図7(b)は本発明に係る押え部材の側面図、そして、図7(c)は押え部材が回転軸に支持されている状態を示す図である。
【0039】
本発明の押え部材311は、本実施形態においては樹脂で形成されているが、本発明はこれに限られないものとする。また、押え部材311は、図7(a)に示すように押え部材311を排紙装置300に備えられた回転軸301で支持するための支持部320を有する。これにより、押え部材311は、排紙装置300に支持されるようになる。この支持部320は、図7(b)に示すように側面から見ると円の一部が切り欠かれてC字のような形状となっている。この切り欠かれている部分321(挿入部の一例)を回転軸301に挿入して支持部320を回転軸301に嵌め込むことで、図7(c)に示すように押え部材311が支持されるようなる。また、支持部320は、切り欠かれている部分321が上側(反転従動ローラ306が位置する側、または排紙トレイ303側と反対側ともいう)に位置するように回転軸301に挿入され、押え部材311を支持している。仮に、切り欠かれている部分321が下側(排紙トレイ303側)になるように押え部材311を支持するように構成したとする。この場合、カールが大きい用紙では、切り欠かれている部分321と回転軸301との間に用紙の先端が引っ掛かることがある。これを防止する観点から、上述したように、切り欠かれている部分321が上側になるようにしている。
【0040】
次に、押え部材311は、排出シート当接部322を有する。この排出シート当接部322は、排紙装置300の排出口から排出される用紙と接触する。また、排出された用紙の搬送をガイドして、その用紙を排紙トレイ303あるいは排紙トレイ303に積載された用紙束(シート束)の上部に積載させるような役割を担う。
【0041】
また、押え部材311は、押え部位323を有する。この押え部位323は、押え部材311の回動中心から所定の距離に位置し、排紙トレイ303上に積載された用紙を排紙トレイ303側に押える機能を果たす。また、押え部位323は、用紙に発生したカールを抑える機能も持つ。
【0042】
さらに、押え部材311は、積載シート当接部324を有する。この積載シート当接部324は、排出シート当接部322の反対側(反転従動ローラ306が位置する側)の部位であって排紙トレイ303に積載された用紙束と接触し、押え部材311の回動中心から所定の距離に位置する接触部位325を含む。また、押え部材311は、積載シート当接部324の一方の端部の押え部位323とは反対側に位置する端部である頂上部位329を有する。すなわち、積載シート当接部324は、押え部位323と頂上部位329との間の領域になる。ここで、接触部位325と押え部位323は、用紙の排出方向に凸状の湾曲形状になるように接続されている。なお、接触部位325が図7で示めす場所は、一例であり、用紙の排出状況や積載状況に応じて変化するものとする。そして、接触部位325と頂上部位329とについても用紙の排出方向に凸状の湾曲形状になるように接続されている。また、この湾曲形状の曲率は、接触部位325と押え部位323とが接続することで形成する湾曲形状の曲率とは異なるものとする。このようにして積載シート当接部324は、曲率が違う湾曲形状が複数組み合わさって形成されている。なお、積載シート当接部324は、同一の曲率の湾曲形状で形成されていてもよい。つまり、押え部位323から頂上部位329までの湾曲面を同一の曲率の湾曲形状としてもよい。
【0043】
また、排紙装置300には、ストッパ部材304(ストッパ部材の一例)が設けられている。そこで、次に、図8を用いて、ストッパ部材の詳細を説明する。図8(a)は、押え部材311が回転軸301に支持されているときの構成を示した図である。図8(b)は、押え部材311とストッパ部材304との位置関係を示した側面図である。
【0044】
押え部材311は、排出シート当接部322の反対側(反転従動ローラ306が位置する側)に、凹みのような凹形状326を有する。また、凹形状326は、ストッパ部材304と接触する凹形状当接部327(ストッパ部材当接部の一例)と、それと直交する凹形状直交部328と、凹形状直交部328と積載シート当接部324とが接続されている位置にある頂上部位329を有する。押え部材311は、用紙によって押し上げられることで回転軸301を軸にして回動した際に、凹形状当接部327とストッパ部材304とが接触すると回動が止まるようになる。これによって押え部材311の姿勢を定めることができる。
【0045】
<用紙の押し出される量の違いについて>
ここで、本発明に係る押え部材と比較例に係る押え部材との用紙の押し出される量の違いについて、図9を用いて説明する。図9(a)は、比較例に係る押え部材における押し上げられた際の押え部材の動きの回動軌跡と、その押え部材の動きによって押し出される用紙の軌跡を示した図である。また、図9(b)は、本発明に係る押え部材における押し上げられた際の押え部材の動きの回動軌跡と、その押え部材の動きによって押し出される用紙の軌跡を示した図である。なお、図9および図9に係る以下の説明では、便宜上、押え部材と用紙との接触部位を接点で示しているが、実際では、両者は線や面で接触していることになる。
【0046】
まず、図9(a)のように、比較例に係る押え部材411は、後続の用紙によって押し上げられて、411A、411B、411Cの順に回動する。また、この押え部材411の回動により、用紙との接点が点pa、点pb、点pcの順に搬送方向(排出方向)に対して大きく動くことになる。また、それに伴い、用紙は、用紙PA(実線)、用紙PB(破線)、用紙PC(一点鎖線)の順に移動することになる。なお、その用紙の移動量をK1とする。
【0047】
一方で、図9(b)に示すように、本発明に係る押え部材311は、後続の用紙によって押し上げられて、311A、311B、311Cの順に回動する。また、この押え部材311の回動により、用紙との接点が点sa、点sb、点scの順に搬送方向(排出方向)に対して動くことになる。また、それに伴い、用紙は、用紙SA(実線)、用紙SB(破線)、用紙SC(一点鎖線)の順に移動することになる。なお、その用紙の移動量をK2とする。ここで、移動量K1とK2との関係だが、K2<K1となる。すなわち、本発明に係る押え部材311の方が、用紙との接点の搬送方向(排出方向)の移動量を小さくすることができることがわかる。
【0048】
ここで、比較例に係る押え部材と本発明に係る押え部材との用紙の押し出される量の違いが生じるメカニズムについて、図10を用いて説明する。図10(a)は、比較例に係る押え部材によってカールした用紙を掬い上げる場合の説明図であり、図10(b)は、本発明に係る押え部材によってカールしたシートを掬い上げる場合の説明図である。なお、図10(a)、(b)ともに、下の図は、上の図において破線の丸で囲ったところを拡大した部分の概略図である。
【0049】
まず、比較例に係る押え部材411について、図10(a)に示すように押え部材411の積載シート当接部424は、カールした用紙(ここでは、説明のため用紙PDとする)と接触する。このとき両者は、面で接触することになる。これは、比較例に係る押え部材411の積載シート当接部424は、ストレート形状で構成されているためである。この状態で、押え部材411がカールした用紙PDを掬い上げると、積載シート当接部424とカールした用紙PDとの接触部は面であるため、用紙PDを押し出す力が大きくなる。その結果として、押え部材411によって用紙PDが大きく排出方向に押し出されてしまう。
【0050】
次に、本発明に係る押え部材311について、図10(b)に示すように押え部材311の積載シート当接部324は、カールした用紙(ここでは、説明のため用紙SDとする)と接触する場合を説明する。このとき両者は、線で接触することになる。これは、本発明に係る押え部材311の積載シート当接部324は、湾曲形状で構成されているためである。この状態で、押え部材311がカールした用紙SDを掬い上げると、カールした用紙SDと接触部は線であるため、用紙SDを押し出す力は、比較例に係る押え部材411に比べて小さくなる。その結果として、押え部材311によって用紙SBが押し出されてしまうことを抑制することができる。
【0051】
<用紙の押し出しをより防止するための構成について>
ここで、押え部材311が用紙の押し出しをより防止するための構成についての詳細を説明する。図11に、積載シート当接部が用紙の押し出しをより防止するための構成についての説明図を示す。まず、押え部材311の積載シート当接部324が、比較例に係る押え部材411の積載シート当接部424のようにストレート形状である場合を想定する。なお、このときの形状を、ここでは基準524とする。また、この場合に、基準524と接触する用紙を用紙PEとする。そして、このストレート形状を、単に湾曲をつけた湾曲形状にする場合の形状を湾曲形状525とする。また、図11の矢印Yで示す方向に湾曲形状を膨らませた場合の形状を湾曲形状526とする。また、基準524と用紙PEの上面との成す角度を角度θ1とする。また、湾曲形状526の接線と用紙PEの上部で成す角度を角度θ2とする。
【0052】
ここで、角度θ1を小さくしていくように、積載シート当接部を湾曲形状に形成する。すると、湾曲形状526の接線と用紙PEの上部で成す角度θ2のように小さくなっていく。そして、角度θ2が小さくなるほど、湾曲形状は、湾曲形状525から湾曲形状526のように用紙PEの排出方向に向かって凸になるように膨らむような形状になる。このような形状にしていくと、用紙の押し出し力は小さくなっていく。すなわち、「積載シート当接部と用紙の上面とのなす角度を小さくなるように湾曲形状を形成する」点が押し出しを抑制する効果に寄与することになる。なお、角度θ1は、90°未満であることが望ましい。
【0053】
また、図12に、積載シート当接部が用紙の押し出しをより防止するための別の構成についての説明するための図を示す。ここで、図12に示すように、押え部材311の頂上部位329は、積載した用紙のカールを抑える(用紙に載る)部位としてもよい。ここで、押え部材311の回動中心から押え部位323までの距離G1よりも、頂上部位329までの距離G2を長くする(回動の半径を大きくする)ことで、押え部材311が押し上げられるとカールの発生した積載している用紙と接する排出シート当接部322が用紙と離れることとなる。このことで、用紙を押し出すことをより抑えることができる。
【0054】
<変形例1>
次に、本発明に係る変形例について説明する。まず、図7で示す押え部材311の積載シート当接部324は、押え部位323から頂上部位329まで複数の湾曲形状が接続して形成されている。排紙トレイ303に積載される用紙の積載枚数が増加したときでも、用紙の端部と積載シート当接部324に形成された湾曲部が接触することで、押え部材311が持ち上がった際に、用紙の端部を蹴り上げることを防止することを考慮したからである。一方で、このような課題が顕著に発生しない場合は、以下に示すような構成をとることもできる。
【0055】
図13に示す押え部材311は、ストッパ部材304と当接するストッパ当接部627(ストッパ部材当接部の一例)が押え部材311の回動中心から積載シート当接部324まで用紙の排出方向に向かってストレート状に延在したような構成にしている。別の見方をすると、図7に示す押え部材311について、凹形状326の凹形状直交部328をなくし、凹形状当接部327の平坦部が、押え部材311の回動中心から積載シート当接部324まで用紙の排出方向に向かってストレート状に延在した構成にしている。そして、側面から見たときに半扇状にしたような形状となっている。変形例1においても、接触部位325と押え部位323は、用紙の排出方向に凸となる湾曲形状をなして接続されている。
【0056】
このような構成にすることでも、用紙の押し出し防止の効果を得ることができる。
【0057】
<変形例2>
本発明に係る別の変形例について説明する。図7に示す押え部材311は、積載シート当接部324の湾曲部が押え部材311の用紙幅方向全体にわたり形成されている。これに対して、図14に示すように積載シート当接部324の湾曲部を押え部材311の用紙幅方向の一部のみ線状に形成してリブ330のようにしてもよい。なお、このリブ330は、別の見方をすると、図6(a)で示すような比較例に係る押え部材411のストレート状である積載シート当接部424から突出したようになっているともいえる。変形例2においても、接触部位325と押え部位323は、用紙の排出方向に凸となる湾曲形状をなして接続されている。
【0058】
このような形状にすることで、押え部材311と用紙とは線接触になるため、両者で生じる摩擦力を低減することができる。
【0059】
<変形例3>
本発明に係るさらに別の変形例について説明する。図7に示す押え部材311について、図15に示すように頂上部位329から凹形状当接部327に至るまで湾曲形状で接続された第2積載シート当接部331を有する形状としたものである。そして、本変形例における用紙の蹴り出しの様子を図16に示す。第2積載シート当接部331は、積載シート当接部324の膨らみ方向とは反対側(排出方向の反対側)に膨らむように湾曲した凸形状をなす形状としている。
【0060】
このような構成にすることで、図16(a)に示すように積載シート当接部324を超えて用紙Pが積載されたときでも、図16(b)に示すように第2積載シート当接部331によって押え部材311が持ち上がった際に用紙Pの蹴り出しを防止するという効果を奏することができる。
【0061】
<変形例4>
また、本発明に係る押え部材は、比較例に係る押え部材411によって形成することもできる。例えば、比較例に係る押え部材411の積載シート当接部424に湾曲形状を有する別部材425を着脱可能に取り付けるようにする。すなわち、本発明に係る押え部材は、図17に示すように2つの部材の組み合わせによって形成されている構成にしてもよい。なお、別部材425を取り付けるときには、例えば、両面テープを使用することが挙げられる。変形例4おいても、別部材425に形成されている接触部位と押え部材411の押え部位は、用紙の排出方向に凸となる湾曲形状をなして接続されている。
【0062】
この場合は、例えば、既に使用していた部品の形状を大きく変更することなく、この部品を活用して用紙の押し出し防止の効果を得ることができることとなる。なお、ここでは、2つの部材の組み合わせを例に挙げたが、3つ以上の部材の組み合わせでもよい。また、取り付けは、両面テープ以外を用いてもよい。そして、支持部420の切り欠かれている部分421は、下側(排紙トレイ303側)に向いているが、上側(反転従動ローラ306が位置する側)に向くように構成するとなおよい。
【0063】
<本実施形態における別の実施形態の画像形成装置について>
図18に本発明に係る別の実施形態における画像形成装置を示す。一般的に、MFPの場合は、プリンタの上に電装ユニットや原稿を読み取るためのスキャナ等が搭載されていることがある。そして、図18に示す画像形成装置においては、プリンタ100の上に読取装置であるスキャナ110が搭載されているMFPであるとする。この場合は、排紙トレイ303の上には、スキャナ110が設けられていることになる。また、排紙トレイ303の下には、トナーを供給するためのトナーボトルが配置されている配置スペースが設けられている。さらに、近年は、わずかな設置スペースでの有効活用が求められ、これに応じるために画像形成装置全体の小型化が図られる。このような構成の場合、用紙を排出するためのスペースは限られていることになり、排紙トレイ303の傾斜角度を小さくする(傾斜角度を浅くする)必要がある。そこで、本実施形態では、このときの傾斜角度を12°とし、図1に示す画像形成装置の排紙トレイ303の傾斜角度に比べて小さくなっている。
【0064】
本発明に係る押え部材311は、このような排紙トレイ303の傾斜角度が小さい構成においても、用紙の押し出しを十分抑制し、用紙のスタック性を向上させることができる。なお、ここでは、プリンタ100の上にスキャナ110が搭載されている場合について例を挙げたが、例えば、電装ユニットや原稿を搬送するADF(自動原稿送付機構)等が搭載されている場合でも同様となる。
【0065】
なお、本発明においては、接触部材が用紙の押え部材である場合について説明したが、これに限らず、他の接触部材についても適用可能である。例えば、満杯検知フィラーの構成に適用させてもよい。
【0066】
以上説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
【0067】
[第1態様]
第1態様は、シート(例えば、用紙P)を積載部(例えば、排紙トレイ303)に排出するシート排出装置(例えば、排紙装置300)であって、前記積載部に排出される排出シートが接触することにより回動する接触部材(例えば、押え部材311,満杯検知フィラー314)を有し、前記接触部材は、前記排出シートと接触する排出シート当接部(例えば、排出シート当接部322)と、該排出シート当接部の反対側に形成され、前記積載部に積載された積載シートと接触する接触部位(例えば、接触部位325)を含む積載シート当接部(例えば、積載シート当接部324)と、前記積載シートを押える押え部位(例えば、押え部位323)と、を有し、前記接触部位と前記押え部位とは、シート排出方向に凸となる湾曲形状をなして接続されていることを特徴とするものである。
【0068】
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記接触部材は、前記積載シート当接部の前記押え部位とは反対側に位置する端部である頂上部位(例えば、頂上部位329)を有し、前記接触部材の回動中心から前記頂上部位までの距離(例えば、距離G2)を、前記接触部材の回動中心から前記押え部位までの距離(例えば、距離G1)よりも長くしたことを特徴とするものである。
【0069】
[第3態様]
第3態様は、第1態様または第2態様において、前記積載シート当接部と前記積載シートとのなす角度が小さくなるように、前記湾曲形状が前記シート排出方向に膨らむ形状であることを特徴とするものである。
【0070】
[第4態様]
第4態様は、第1態様乃至第3態様のいずれかにおいて、前記接触部材は、前記接触部材を前記シート排出装置に支持するための支持部(例えば、支持部320)を有し、前記支持部は、前記支持部を前記シート排出装置の前記接触部材を支持するための接触部材支持部(例えば、回転軸301)に挿入するための挿入部(例えば、切り欠かれた部分321)を有することを特徴とするものである。
【0071】
[第5態様]
第5態様は、第4態様において、前記挿入部は、円の一部が切り欠かれたような形状であり、前記接触部材支持部に前記挿入部を挿入することで前記接触部材が支持されたときに、前記積載部側と反対側に位置するように構成されていることを特徴とするものである。
【0072】
[第6態様]
第6態様は、第1態様乃至第5態様のいずれかにおいて、前記シート排出装置は、前記接触部材と当接して前記接触部材の回動を止めるストッパ部材(例えば、ストッパ部材304)が設けられていることを特徴とするものである。
【0073】
[第7態様]
第7態様は、第1態様乃至第6態様のいずれかにおいて、前記接触部材は、排出される所定の大きさのシートの幅方向の端部に位置するように設けられていることを特徴とするものである。
【0074】
[第8態様]
第8態様は、第1態様乃至第7態様のいずれかにおいて、前記接触部材は、前記接触部材の回動を止めるためのストッパ部材と当接するストッパ部材当接部(例えば、凹形状当接部327、ストッパ当接部627)を有し、前記ストッパ部材当接部は、前記接触部材の回動中心から前記積載シート当接部までストレート状に延在するように形成されていることを特徴とするものである。
【0075】
[第9態様]
第9態様は、第1態様乃至第8態様のいずれかにおいて、前記積載シート当接部は、前記接触部材におけるシートの幅方向全体のうちの一部に形成されたこと(例えば、リブ330)を特徴とするものである。
【0076】
[第10態様]
第10態様は、第1態様乃至第9態様のいずれかにおいて、前記接触部材は、前記積載シート当接部の前記押え部位とは反対側に位置する端部である頂上部位と、前記前記接触部材の回動を止めるためのストッパ部材と当接するストッパ部材当接部とが湾曲形状をなすように接続する第2積載シート当接部(例えば、第2積載シート当接部331)を有することを特徴とするものである。
【0077】
[第11態様]
第11態様は、第1態様乃至第10態様のいずれかにおいて、前記積載シート当接部は、複数の部材(例えば、別部材425)を組み合わせることで形成されることを特徴とするものである。
【0078】
[第12態様]
第12態様は、第1態様乃至第11態様のいずれかのシート排出装置を備えた画像形成装置(例えば、プリンタ100)であることを特徴とするものである。
【0079】
[第13態様]
第13態様は、第12態様において、前記積載部の上部に原稿を読み取るための読取装置(例えば、スキャナ110)が設けられていることを特徴とするものである。
【符号の説明】
【0080】
100 プリンタ
101 給紙ローラ
102 中継ローラ
103 レジストローラ
104 感光体
105 帯電装置
106 LED
107 転写ローラ
108 定着ローラ
109 定排ローラ
110 スキャナ
200 給紙装置
201 分離ローラ
300 排紙装置
301 回転軸
302 排紙ローラ
303 排紙トレイ(積載トレイ)
304 ストッパ部材
305 排紙従動ローラ
306 反転従動ローラ
307、308 ガイド
309 共通接線
310 切り替えガイド
311、411 押え部材
313 満杯検知機構
314 満杯検知フィラー
315 中央検知部
320、420 支持部
321、421 切り欠かれている部分
322 排出シート当接部
323 押え部位
324、424 積載シート当接部
325 接触部位
326 凹形状
327 凹形状当接部
328 凹形状直交部
329 頂上部位
330 リブ
331 第2積載シート当接部
425 別部材
524 基準
525、526 湾曲形状
627 ストッパ当接部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0081】
【特許文献1】特開2010-6599号公報
【特許文献2】実用新案登録第3164689号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18