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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055557
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
G03G21/16 133
G03G21/16 147
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162591
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】桑原 延雄
(72)【発明者】
【氏名】高木 広彰
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA01
2H171FA02
2H171FA03
2H171GA12
2H171HA09
2H171HA11
2H171HA13
2H171HA14
2H171HA23
2H171HA33
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA29
2H171JA31
2H171JA32
2H171JA40
2H171JA48
2H171JA49
2H171JA59
2H171KA02
2H171KA03
2H171KA04
2H171KA16
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA25
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB03
2H171QB15
2H171QB32
2H171QB52
2H171QC03
2H171QC22
2H171QC24
2H171SA11
2H171SA22
2H171SA28
(57)【要約】
【課題】開閉カバー閉じない原因を容易に特定することが可能となり、対処の時間の短縮化を図ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】装置本体に対して開閉自在に設けられた開閉カバーにより開かれた装置本体の開口部から着脱可能に構成された着脱ユニットたるベルトクリーニング装置100および潤滑剤塗布装置200の装置本体からの取り出し方向の下流側から対向する閉じ位置と、着脱経路を開く開位置との間を回動可能に構成された開閉部材たる転写小扉70を有している。この転写小扉70は、付勢部材たるトーションスプリング73によりを開く方向に付勢されている。また、転写小扉70には、転写小扉70を、閉じ位置でロックするロック部材75を有している。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に対して開閉自在に設けられた開閉カバーと、
前記開閉カバーにより開かれた前記装置本体の開口部から着脱可能に構成された着脱ユニットと、
前記着脱ユニットに対し、前記着脱ユニットの前記装置本体からの取り出し方向の下流側から対向し、前記着脱ユニットの着脱経路を塞ぐ経路閉じ位置と、前記着脱経路を開く経路開位置との間を回動可能に構成された開閉部材とを備え、
前記開閉部材が前記経路閉じ位置に位置していないときは、前記開閉部材が、前記開閉カバーに当接し前記開閉カバーの閉じ位置への移動を規制する画像形成装置において、
前記開閉部材を開く方向に付勢する付勢部材と、
前記開閉部材を、前記経路閉じ位置でロックするロック部材とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記装置本体の前記開口部から引き出し可能に構成された引き出しユニットを備え、
前記着脱ユニットおよび前記開閉部材は、前記引き出しユニットに設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記着脱ユニットが装着位置まで装着されていない場合、前記開閉部材の前記経路閉じ位置への移動が規制されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記着脱ユニットを装着位置でロックするロックレバーを有し、
前記開閉部材は、前記ロックレバーが、ロックを解除した状態のとき、前記ロックレバーに当接し、前記開閉部材の前記経路閉じ位置への移動を規制する規制部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記開閉部材の開き角度は、90°以上であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記付勢部材の付勢力により、前記開閉部材は、前記経路開位置まで開くように構成されており、
前記開閉カバーが前記経路開位置に位置する前記開閉部材に当接したときの前記開閉カバーと前記開閉部材とのなす角度が、70°以上、110°以下であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置において、
前記開閉部材の回動の支点が、前記開閉カバーの回動の支点側にあることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記開閉カバーが閉じられた状態で、ON状態となるインターロックスイッチを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記付勢部材の付勢力により、前記開閉部材は、前記経路開位置まで開くように構成されており、
前記経路開位置に位置する前記開閉部材と前記開閉カバーとの当接位置から、前記開閉カバーの回動の支点までの距離をL1、前記開閉カバーの回動支点から端部までの距離をLとしたとき、L1≧(L/2)であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記付勢部材の付勢力により、前記開閉部材は、前記経路開位置まで開くように構成されており、
前記開閉部材が前記経路開位置に位置するとき、前記開閉カバーは、弾性部材を介して前記開閉部材に当接することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記付勢部材の付勢力により、前記開閉部材は、前記経路開位置まで開くように構成されており、
前記開閉カバーと前記経路開位置に位置する前記開閉部材とが係合する係合手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記引き出しユニットが、無端状の中間転写ベルトを周方向に回転可能に具備した転写ユニットであり、
前記着脱ユニットが、前記中間転写ベルトの表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記引き出しユニットが、無端状の中間転写ベルトを周方向に回転可能に具備した転写ユニットであり、
前記着脱ユニットが、前記中間転写ベルトの表面をクリーニングするベルトクリーニング装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項13に記載の画像形成装置において、
前記ベルトクリーニング装置は、前記中間転写ベルトに当接するクリーニング部材を備え、
前記ベルトクリーニング装置を装着位置でロックするロックレバーを有し、
前記ロックレバーによりロックを解除したとき、前記中間転写ベルトが、前記クリーニング部材から離間することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、装置本体に対して開閉自在に設けられた開閉カバーと、開閉カバーにより開かれた装置本体の開口部から着脱可能に構成された着脱ユニットとを備えた画像形成装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記画像形成装置として、着脱ユニットたるプロセスカートリッジの装置本体からの取り出し方向の下流側から対向し、プロセスカートリッジの着脱経路を塞ぐ経路閉じ位置と、着脱経路を開く経路開位置との間を回動可能に構成された開閉部材たる開閉蓋を設けたものが記載されている。この開閉蓋は、プロセスカートリッジが所定の位置まで挿入されていないときは、プロセスカートリッジに当接して閉状態とならないように構成している。また、開閉蓋が開状態または開状態と閉状態の途中の状態では、開閉カバーたる前扉が開閉蓋に当接し前扉を完全に閉めることができないようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前扉等の開閉カバーを閉じるときの開閉蓋等の開閉部材の位置が、経路閉じ位置に近い位置にあるとき、目視では、開閉部材がきちんと閉じられているか否かの判別が困難となる場合がある。その結果、開閉カバーが閉じない原因が、開閉部材がきちんと閉じられていないことであることを容易に特定できず、対処に時間を要するおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、装置本体に対して開閉自在に設けられた開閉カバーと、前記開閉カバーにより開かれた前記装置本体の開口部から着脱可能に構成された着脱ユニットと、前記着脱ユニットに対し、前記着脱ユニットの前記装置本体からの取り出し方向の下流側から対向し、前記着脱ユニットの着脱経路を塞ぐ経路閉じ位置と、前記着脱経路を開く経路開位置との間を回動可能に構成された開閉部材とを備え、前記開閉部材が前記経路閉じ位置に位置していないときは、前記開閉部材が、前記開閉カバーに当接し前記開閉カバーの閉じ位置への移動を規制する画像形成装置において、前記開閉部材を開く方向に付勢する付勢部材と、前記開閉部材を、前記経路閉じ位置でロックするロック部材とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、開閉カバー閉じない原因を容易に特定することが可能となり、対処の時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係るプリンタの概略構成図。
図2】プリンタの外観正面図。
図3】一対の前扉を開いた状態のプリンタの外観正面図。
図4】インターロックスイッチによりON/OFFが行われる電気回路を示している。
図5】(a)は、転写小扉が閉じられた状態の転写ユニットを示す斜視図であり、(b)は、転写小扉が開かれた状態の転写ユニットを示す斜視図。
図6】(a)は、転写小扉が閉じられた状態の転写小扉の周辺の拡大正面図であり、(b)は、転写小扉が開かれた状態の転写小扉の周辺の拡大正面図。
図7】転写小扉が開かれた状態の転写小扉の周辺の拡大斜視図。
図8】接離機構の斜視図。
図9】接離機構の概略断面図。
図10】接離機構の要部を示す拡大斜視図。
図11】(a)は、3つのクリーニング対向ローラが、中間転写ベルトを介して対応するクリーニングブラシローラに接触している状態を示す図であり、(b)は、3つのクリーニング対向ローラが、対応するクリーニングブラシローラから離間した状態を示す図。
図12】ベルトクリーニング装置と潤滑剤塗布装置とを、装置本体に収納された転写ユニットから取り出す様子を示す図。
図13】(a)は、各ロックレバーがロック位置にあるときに、転写小扉を閉じたときの状態を示す図であり、(b)は、各ロックレバーが、ロック解除位置にあるときに、転写小扉を閉じたときの状態を示す図。
図14】転写小扉が、ロック部材により閉じ位置でロックされていない状態で、前扉を閉めようとした様子を説明する図。
図15】(a)は、転写小扉の開き角度θ1が90°以上の場合のベルトクリーニング装置の取り出しについて説明する図であり、(b)は、転写小扉の開き角度θ1が90°未満の場合のベルトクリーニング装置の取り出しについて説明する図
図16】前扉が転写小扉に突き当たったときの前扉と転写小扉とでなす角度θ2が、70°未満の場合の不具合について説明する図。
図17】前扉の回転支点から転写小扉との当接位置までの距離L1が、前扉の長さLの半分未満の場合の不具合について説明する図。
図18】前扉の転写小扉との当接箇所に弾性部材を設けた実施例を示す図。
図19】転写小扉の前扉との当接箇所に係合部を設け、前扉の転写小扉との当接箇所に被係合部を設けた実施例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態として、いわゆるタンデム型中間転写方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)について説明する。まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタ60の概略構成図である。本プリンタ60は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を生成するための4つのプロセスユニット6Y,M,C,Kを備えている。
【0009】
4つのプロセスユニット6Y,M,C,Kは、ドラム状の感光体1Y,M,C,Kをそれぞれ有している。感光体1Y,M,C,Kの回りにはそれぞれ帯電装置2Y,M,C,K、現像装置5Y,C,M,K、ドラムクリーニング装置4Y,M,C,K、除電装置等を有している。プロセスユニット6Y,M,C,Kは、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
【0010】
プロセスユニット6Y,M,C,Kの上方には、感光体1Y,M,C,Kの表面に対してレーザー光Lを照射して静電潜像を書き込むための光書込ユニット20が配設されている。プロセスユニット6Y,M,C,Kの下方には、ベルト部材たる無端状の中間転写ベルト8を具備する引き出しユニットとしての転写ユニット7が配設されている。転写ユニット7は、中間転写ベルト8の他、そのループ内側に配設された複数の張架ローラや、テンションローラ16、ベルトクリーニング装置100、潤滑剤塗布装置200などを有している。
【0011】
中間転写ベルト8のループ内側には、4つの一次転写ローラ9Y,M,C,Kと、従動ローラ10と、駆動ローラ11と、二次転写対向ローラ12と、3つのクリーニング対向ローラ13,14,15と、塗布ブラシ対向ローラ17とが配設されている。これらローラは何れも、自らの周面の一部に中間転写ベルト8を掛け回してベルト張架を行う張架ローラとして機能している。
【0012】
なお、クリーニング対向ローラ13,14,15としての必要条件として必ずしも一定の張力を付与する働きをもたなければならないということはなく、中間転写ベルト8の回転にともなって従動回転するものでもよい。中間転写ベルト8は、駆動手段によって図中時計回りに回転駆動される駆動ローラ11の回転により、図中時計回り方向に無端移動せしめられる。
【0013】
ベルトループ内側に配設された4つの一次転写ローラ9Y,M,C,Kは、感光体1Y,M,C,Kとの間に中間転写ベルト8を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト8のおもて面と、感光体1Y,M,C,Kとが当接するY,M,C,K用の一次転写ニップが形成されている。なお、一次転写ローラ9Y,M,C,Kには、それぞれ電源によってトナーとは逆極性の一次転写バイアスが印加される。
【0014】
また、ベルトループ内側に配設された二次転写対向ローラ12は、ベルトループ外側に配設された二次転写ローラ18との間に中間転写ベルト8を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト8のおもて面と、二次転写ローラ18とが当接する二次転写ニップが形成されている。
【0015】
なお、二次転写ローラ18には、電源によってトナーとは逆極性の二次転写バイアスが印加される。また、二次転写ローラと数本の支持ローラと駆動ローラにより紙搬送ベルトを架け渡し、二次転写ローラ18と、二次転写対向ローラ12との間に、中間転写ベルト8及び紙搬送ベルトを挟み込んだ構成としてもよい。
【0016】
また、ベルトループ外側に配設されたベルトクリーニング装置100は、中間転写ベルト8上の未転写トナー像を大まかに除去するためのプレクリーニング部100aを備えている。また、中間転写ベルト8上の正規帯電極性(負極性)とは逆極性(正極性)に帯電したトナーを除去する逆帯電トナークリーニング部100bを備えている。また、中間転写ベルト8上の正規帯電極性に帯電したトナーを除去する正規帯電トナークリーニング部100cとを備えている。なお、上記各クリーニング部100a,100b,100cの並び順は、一例であり、プレクリーニング部、正規帯電トナークリーニング部、逆帯電トナークリーニング部の順に配置してもよい。
【0017】
各クリーニング部100a,100b,100cは、クリーニングブラシローラ101、回収ローラ102、掻き取りブレード103を有している。回収ローラ102は、クリーニングブラシローラ101に付着したトナーを回収するものであり、掻き取りブレード103は、回収ローラ102に当接してローラ表面からトナーを掻き取るものである。
【0018】
プレクリーニング部100aと、正規帯電トナークリーニング部100cのクリーニングブラシローラ101には、トナー正規帯電極性(負極性)とは逆極性(正極性)の電圧が印加され、中間転写ベルト8上の正規帯電極性のトナーを静電的除去する。プレクリーニング部100aと、正規帯電トナークリーニング部100cの回収ローラ102には、クリーニングブラシローラ101よりも大きな正極性の電圧が印加され、クリーニングブラシローラ101に付着した正規帯電極性のトナーを静電的に回収する。
【0019】
逆帯電トナークリーニング部100bのクリーニングブラシローラ101には、トナー正規帯電極性(負極性)の電圧が印加され、中間転写ベルト8上の逆帯電極性のトナーを静電的除去する。逆帯電トナークリーニング部100bの回収ローラ102には、クリーニングブラシローラ101よりも大きな負極性の電圧が印加され、クリーニングブラシローラ101に付着した逆帯電極性のトナーを静電的に回収する。
【0020】
ベルトループ内側に配設された3つのクリーニング対向ローラ13,14,15は、各クリーニング部のクリーニングブラシローラ101との間に中間転写ベルト8を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト8のおもて面と、各クリーニング部のクリーニングブラシローラ101とが当接するクリーニングニップが形成されている。
【0021】
中間転写ベルト8の表面は、ベルト表面を保護するために、潤滑剤塗布装置200により潤滑剤が塗布されている。潤滑剤塗布装置200は、ステアリン酸亜鉛塊などの固形潤滑剤202と、固形潤滑剤202と当接し、回転によって固形潤滑剤202から掻き取って得た潤滑剤粉末を中間転写ベルト8表面に塗布する塗布部材たる塗布ブラシローラ201とを備えている。
【0022】
本実施形態のプリンタ60は、記録材たる記録紙Pを収容する給紙カセット31や、給紙カセット31から記録紙Pを給紙路に給紙する給紙ローラ32などを有する給紙部30を備えている。また、給紙部30から送られてきた記録紙Pを受け入れて二次転写ニップに向けて所定のタイミングで送り出すレジストローラ対33を、上述した二次転写ニップの図中右側方に備えている。
【0023】
また、二次転写ニップから送り出される記録紙Pを受け入れて、その記録紙Pに対してトナー像の定着処理を施す、加熱ローラ41と加圧ローラ42とを有する定着装置40を、上述した二次転写ニップの図中左側方に備えている。
【0024】
また、光書込ユニット20の図中右上方には、ボトル収納部50が配置されている。ボトル収納部50には、必要に応じて、現像装置5Y,M,C,Kに対してトナーを補給するためのトナーを収容するトナーボトル51Y,51M,51C,51Kが収納されている。
【0025】
パーソナルコンピュータ等から画像情報が送られてくると、本プリンタは、駆動ローラ11を回転駆動して、中間転写ベルト8を移動させる。駆動ローラ11以外の張架ローラについては、ベルトに従動回転させる。同時に、プロセスユニット6Y,M,C,Kの感光体1Y,M,C,Kを回転駆動する。また、感光体1Y,M,C,Kの表面を帯電装置2Y,M,C,Kによって一様に帯電させながら、帯電後の表面に対して光書込ユニット20によりレーザー光Lの照射によって静電潜像を形成する。
【0026】
そして、感光体1Y,M,C,Kの表面に形成した静電潜像を現像装置5Y,M,C,Kによって現像することで、感光体1Y,M,C,K上にY,M,C,Kトナー像を得る。Y,M,C,Kトナー像は、上述したY,M,C,K用の一次転写ニップにて、中間転写ベルト8のおもて面に重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト8のおもて面には4色重ね合わせトナー像が形成される。
【0027】
一方、給紙部30では、給紙ローラ32によって給紙カセット31から記録紙Pを1枚ずつ送り出してレジストローラ対33まで搬送する。そして、中間転写ベルト8上の4色重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで、レジストローラ対33を駆動して記録紙Pを二次転写ニップに送り込んで、ベルト上の4色重ね合わせトナー像を記録紙Pに一括二次転写する。これにより、記録紙Pの表面にフルカラー画像を形成する。フルカラー画像形成後の記録紙Pについては、二次転写ニップから定着装置40に搬送してトナー像の定着処理を施す。
【0028】
Y,M,C,Kトナー像を中間転写ベルト8に一次転写した後の感光体1Y,M,C,Kについては、ドラムクリーニング装置4Y,M,C,Kによって転写残トナーのクリーニング処理を施す。その後、除電ランプで除電した後、帯電装置2Y,M,C,Kで一様に帯電せしめて、次の画像形成に備える。また、記録紙Pに一次転写した後の中間転写ベルト8については、ベルトクリーニング装置100によって転写残トナーのクリーニング処理を施す。
【0029】
図2は、プリンタ60の外観正面図である。
図2に示すように、プリンタ60の正面には、装置本体の開口部60aを開閉する開閉カバーとしての一対の前扉61a,61bが設けられている。図中右側の前扉61aは、装置本体の図中右端にヒンジにより回動自在に取り付けられ、図中左側の前扉61bは、装置本体の図中右端にヒンジにより回動自在に取り付けられており、観音開き方式で装置本体の開口部60aが開閉される。
【0030】
図3は、一対の前扉61a,61bを開いた状態のプリンタ60の外観正面図である。
図3に示すように、一対の前扉61a,61bを開くことで、プロセスユニット6Y,M,C,K、転写ユニット7、定着装置40、用紙搬送部62および用紙排紙部63が露出する。用紙搬送部62は、給紙部30から送られてきた記録紙Pを二次転写ローラ18に向けて搬送するものであり、用紙排紙部63は、定着装置40を通過した記録紙を搬送し、プリンタ60の外に排出するものである。
【0031】
各プロセスユニット6Y,M,C,Kには、プロセスユニットを装置本体にロックするロック機構21Y,M,C,Kが設けられており、ロック機構によりロックを解除することで、装置の正面側から着脱可能となる。なお、各プロセスユニット6Y,M,C,Kを装置本体に対して引き出し可能に構成し、プロセスユニットを引き出した状態にしてプロセスユニットの構成品(感光体1、帯電装置2、現像装置5、ドラムクリーニング装置4等)を交換できるようにしてもよい。
【0032】
また、定着装置40にも定着装置40を装置本体にロックするロック機構43を備え、ロック機構43を解除することで、装置の正面側から着脱可能となる。なお、定着装置40を、用紙排紙部63に載置する構成とし、用紙排紙部63を装置本体から引き出し、定着装置40を持ち上げることで、定着装置40を着脱する構成でもよい。
また、引き出しユニットたる転写ユニット7は、装置本体に対して引き出し可能に構成されているが、メンテナンス時など、サービスマンによる作業以外では、引き出せないよう装置本体にネジ止めされている。
【0033】
用紙搬送部62および用紙排紙部63は、装置本体に対し引き出し可能に設けられている。用紙ジャムが発生したときに、ロック機構62a,63bによる装置本体に対するロックを解除して、装置本体から引き出すことで、ジャム紙を取り除くことができる。
【0034】
ベルトクリーニング装置100および潤滑剤塗布装置200は、転写ユニット7に対して独立して着脱可能となっている。また、転写ユニット7には、開閉部材たる転写小扉70が設けられており、図に示すように転写小扉70が閉じられた状態のときは、ベルトクリーニング装置100の上部と潤滑剤塗布装置200とを覆っている。
【0035】
装置本体の開口部60aの下端の図中左右方向の略中央には、インターロックスイッチ64a,64bが設けられている。各前扉61a,61bの下端には、インターロックスイッチ64a,64bをONにするための突起部65a,65bが設けられている。前扉61a,61bが閉じられると、突起部65a,65bがインターロックスイッチ64a,64bを押し込み、インターロックスイッチ64a,64bがONとなる。
【0036】
図4は、インターロックスイッチ64a,64bによりON/OFFが行われる電気回路を示している。
図4に示すように各インターロックスイッチ64a,64bは、リレースイッチ164a,164bに電力を供給する回路に設けられている。そして、両方の前扉61a,61bが閉じられ、2つのリレースイッチ164a,164bがONとなることで、リレースイッチ164a,164bに電力が供給され、リレースイッチ164a,164bがON状態となる。これにより、光書込ユニット20に電力が供給され、感光体1Y,M,C,Kの表面へのレーザー光Lの照射が可能となる。
【0037】
一方、2つの前扉61a,61bの一方が開かれ、一方のインターロックスイッチがOFFになると、リレースイッチ164a,164bへの通電が遮断され、リレースイッチ164a,164bがOFFとなり、光書込ユニット20への通電が遮断される。これにより、感光体1Y,M,C,Kの表面へのレーザー光Lの照射が不能となる。
【0038】
図5(a)は、転写小扉70が閉じられた状態の転写ユニット7を示す斜視図であり、図5(b)は、転写小扉70が開かれた状態の転写ユニット7を示す斜視図である。また、図6(a)は、転写小扉70が閉じられた状態の転写小扉70の周辺の拡大正面図であり、図6(b)は、転写小扉70が開かれた状態の転写小扉70の周辺の拡大正面図である。また、図7は、転写小扉70が開かれた状態の転写小扉70の周辺の拡大斜視図である。
【0039】
図7に示すように、転写ユニット7の前側フレーム170には、支持突起171と、支持軸172が設けられており、転写小扉70は、支持突起171と支持軸172により回転自在に支持されている。また、支持軸172には、付勢部材としてのトーションスプリング73が取り付けられており、転写小扉70を開く方向に付勢している。
【0040】
転写小扉70には、転写小扉70を図5(a)に示す閉じ位置でロックするロック部材75が設けられている。このロック部材75は、鉛直方向に所定範囲で移動可能に転写小扉70に取り付けられており、バネ等の付勢部材により鉛直上方に付勢されている。ロック部材75には、図6(a)に示すように、ユーザがロック部材75を操作するための内側に窪んだ操作部75bを有しており、操作部75bは、転写小扉70の開口部70aから露出している。
【0041】
また、図7に示すように、ロック部材75の上部には、爪部75aを有しており、爪部75aは、転写小扉70の上面から突き出でている。転写小扉70が閉じ位置にあるときは、ロック部材75の爪部75aが、転写小扉70の開き方向の上流側から転写ユニット7の前側フレーム170に対向している。これにより、転写小扉70が、閉じ位置でロックされる。
【0042】
転写小扉70を開くときは、ユーザーは、転写小扉70の開口部70aを介してロック部材75の操作部75bに指を入れて、ロック部材75をバネの付勢力に抗して下側に押し込む。これにより、ロック部材75が下側へ移動し、ロック部材75の爪部75aが転写小扉70の上面から引っ込む。これにより、転写ユニット7の前側フレーム170と対向しなくなり、転写小扉70のロックが解除される。転写小扉70のロックが解除されると、転写小扉70は、トーションスプリング73の付勢力により回動して、図5(b)、図6(b)および図7に示すように、開位置へと移動する。そして、トーションスプリング73の付勢力により開位置まで回動すると、転写小扉70は、転写ユニット7に設けられたストッパに当接し、トーションスプリング73の付勢力による回動が規制され、転写小扉70は開位置に留まる。
【0043】
図5(b)、図6(b)および図7に示すように、転写ユニット7には、着脱ユニットとしてのベルトクリーニング装置100を転写ユニット7にロックするためのクリーニングロックレバー90を有している。
【0044】
ベルトクリーニング装置100の前側クリーニングカバー部材110には、クリーニングロックレバー90を逃がす逃げ穴104が設けられている。この前側クリーニングカバー部材110の一部は、後述する3つのクリーニング対向ローラ13,14,15を対応するクリーニングブラシローラに対して接離させる接離機構120に対向している(図11参照)。
【0045】
図8は、接離機構120の斜視図であり、図9は、接離機構120の概略断面図であり、図10は、接離機構120の要部を示す拡大斜視図である。
図8に示すように、接離機構120は、3つのクリーニング対向ローラ13,14,15を回転自在に支持する支持フレーム121を有している。また、支持フレーム121は、一端にクリーニングロックレバー90が取り付けられた回転軸91が、回転自在に支持されている。この回転軸91には、図9図10に示すように断面Dカット形状のカム部91aを有しており、支持フレーム121には、このカム部91aが当接するカム当接部121aを有している。
【0046】
また、図9に示すように、支持フレーム121の両側板部には、図8に示す転写ユニット7の側面板124(図8では、装置前側の側面板124のみ図示している)に回転自在に支持される支軸121bが設けられている。
【0047】
図11(a)は、3つのクリーニング対向ローラ13,14,15が、中間転写ベルト8を介して対応するクリーニングブラシローラに接触している状態を示す図である。また、図11(b)は、3つのクリーニング対向ローラ13,14,15が、対応するクリーニングブラシローラから離間した状態を示している。
【0048】
図11(a)に示すように、クリーニングロックレバー90がロック位置にあり、ベルトクリーニング装置100が転写ユニット7にロックされているときは、回転軸91のカム部91aの円弧状の箇所がカム当接部121aに当接している。このときは、3つのクリーニング対向ローラ13,14,15が、中間転写ベルト8を介して対応するクリーニングブラシローラに接触して、クリーニングニップを形成している。
【0049】
クリーニングロックレバー90がロック位置にあるときは、クリーニングロックレバー90の先端側が、前側クリーニングカバー部材110に対向している(図5(b)、図6(b)も参照できる)。前側クリーニングカバー部材110がクリーニングロックレバー90の先端部分に突き当たることで、ベルトクリーニング装置100の転写ユニット7に対する引き出しが規制され、ベルトクリーニング装置100が、装着位置でロックされる。
【0050】
図11(b)に示すように、クリーニングロックレバー90を図中反時計回りに90°回転させてクリーニングロックレバー90をロック解除位置に位置させると、クリーニングロックレバー90が逃げ穴104に対向する。これにより、ベルトクリーニング装置100のロックが外れ、ベルトクリーニング装置100が取り出し可能となる。
【0051】
また、クリーニングロックレバー90をロック解除位置に位置させると、カム部91aの平面状の箇所がカム当接部121aに対向する。すると、接離機構120は、中間転写ベルト8の張力により支軸121bを支点にして図中矢印W方向に回転して、カム当接部121aがカム部91aの平面状の箇所に当接する。これにより、各クリーニング対向ローラ13,14,15が、対応するクリーニングブラシローラから離間し、中間転写ベルト8が、ベルトクリーニング装置100の3つのクリーニングブラシローラから離間する。よって、ベルトクリーニング装置100を転写ユニット7に対して着脱するときに、ベルトクリーニング装置100の3つのクリーニングブラシローラが中間転写ベルト8に摺擦するのを防止できる。これにより、ベルトクリーニング装置100の着脱時に中間転写ベルト8の表面が傷つくのを防止できる。
【0052】
クリーニングロックレバー90によるベルトクリーニング装置100のロック動作と、接離機構120の接離動作が連動していない場合は、以下の不具合がある。すなわち、ベルトクリーニング装置100のロックを解除した後に、接離機構120を回動させて各クリーニング対向ローラ13,14,15が、対応するクリーニングブラシローラから離間させる必要がある。そのため、ベルトクリーニング装置100の着脱時の作業が煩雑となるという不具合である。また、ベルトクリーニング装置100のロックを解除した後に、接離機構120の接離動作を忘れてしまうおそれがある。その結果、ベルトクリーニング装置100の着脱時に中間転写ベルト8の表面が傷つくおそれがあるという不具合もある。
【0053】
一方、本実施形態のように、クリーニングロックレバー90によるベルトクリーニング装置100のロック動作と、接離機構120の接離動作とを連動させることで、ルトクリーニング装置の着脱時の作業を簡素化することができる。また、ベルトクリーニング装置100の着脱時は、必ず各クリーニング対向ローラ13,14,15を離間位置に位置させることができ、ベルトクリーニング装置100の着脱時に中間転写ベルト8の表面が傷つくのを防止できる。
【0054】
また、図5(b)6(b)に示すように、着脱ユニットとしての潤滑剤塗布装置200には、潤滑剤塗布装置200を転写ユニット7にロックするための潤滑ロックレバー203を有している。潤滑ロックレバー203は、潤滑剤塗布装置200に回動自在に取り付けられた回転軸の先端に取り付けられている。この回転軸には、ロック爪が設けられている。潤滑ロックレバー203が、図5(b)、図6(b)に示す回転位置にあるときは、ロック爪が、転写ユニット7の前側フレーム170に潤滑剤塗布装置200の引き出し方向上流側から対向している。これにより、潤滑剤塗布装置200が転写ユニット7に対しロックされる。
【0055】
また、潤滑ロックレバー203のロック動作に連動して塗布ブラシ対向ローラ17の接離動作が行われるようにするのが好ましい。これにより、潤滑剤塗布装置200の着脱時に、塗布ブラシ対向ローラ17を離間位置に位置させ、中間転写ベルト8を塗布ブラシローラ201から離間させることができる。これにより、潤滑剤塗布装置200の着脱時に、塗布ブラシローラ201が中間転写ベルト8に摺擦し中間転写ベルト8の表面が傷つくのを防できる。
【0056】
また、図5(b)、図7に示すように、転写小扉70の内面には、クリーニングロックレバー90がロック位置にないとき、クリーニングロックレバー90に突き当たって、転写小扉70の閉位置への移動を規制する第一規制部71が設けられている。また、転写小扉70の内面には、潤滑ロックレバー203が図5(b)、図6(b)に示すロック位置にないとき、潤滑ロックレバー203に突き当たって、転写小扉70の閉位置への移動を規制する第二規制部72が設けられている。
【0057】
図12は、ベルトクリーニング装置100と潤滑剤塗布装置200とを、装置本体に収納された転写ユニット7から取り出す様子を示す図である。
本実施形態では、転写ユニット7に設けられているベルトクリーニング装置100および潤滑剤塗布装置200は、転写ユニット7に対して独立して着脱可能となっている。ベルトクリーニング装置100および潤滑剤塗布装置200を取り出すときは、転写小扉70を、開位置へ移動させ、ベルトクリーニング装置100および潤滑剤塗布装置200を露出させる。次に、クリーニングロックレバー90を図中反時計回りに90°回転させてロック解除位置へ移動させることで、クリーニングロックレバー90が逃がす逃げ穴104に対向する。これにより、ベルトクリーニング装置100のロックが外れ、ベルトクリーニング装置100が取り出し可能となる。
【0058】
ベルトクリーニング装置100を装置の手前へ引き出すことで、クリーニングロックレバー90が、前側クリーニングカバー部材110の逃げ穴104を通過する。ベルトクリーニング装置100は、図11に示すように、前側クリーニングカバー部材110以外は、クリーニングロックレバー90よりも図中左側に配置されている。そのため、前側クリーニングカバー部材110以外にクリーニングロックレバー90に対向するような部材はない。よって、クリーニングロックレバー90が、前側クリーニングカバー部材110の逃げ穴104を通過後、そのままベルトクリーニング装置100を引き出すことができる。これにより、ベルトクリーニング装置100を転写ユニット7に対して独立して装置本体から取り出すことができる。
【0059】
また、潤滑ロックレバー203を図中反時計回りに90°回転させてロック解除位置へ移動させることで、ロック爪が、転写ユニット7の前側フレーム170との引き出し方向の対向が解除されロックが外れる。これにより、潤滑剤塗布装置200を転写ユニット7に対して独立して装置本体から取り出すことができる。
【0060】
クリーニングロックレバー90は、ベルトクリーニング装置100が装着位置まで挿入されることで、逃げ穴104よりも前側に位置し、回転可能になりロック可能となる。このように、ベルトクリーニング装置100が装着位置まで挿入されていないときは、クリーニングロックレバー90のロック位置への回動を規制することで、ユーザーにベルトクリーニング装置100が正しく装着されていないことを知らしめることができる。
【0061】
潤滑剤塗布装置200が装着位置にきちんと装着されていないときは、ロック爪が転写ユニット7の前側フレーム170に突き当たり、潤滑ロックレバー203の回転が規制される。これにより、ユーザーに潤滑剤塗布装置200が正しく装着されていないことを知らしめることができる。
【0062】
図13(a)は、各ロックレバー90,203がロック位置にあるときに、転写小扉70を閉じたときの状態を示しており、図13(b)は、各ロックレバー90,203が、ロック解除位置にあるときに、転写小扉70を閉じたときの状態を示している。
図13(a)に示すように、各ロックレバーが、ロック位置に位置しているときは、各規制部71,72は、対応するロックレバー90,203に突き当たることはない。これにより、転写小扉70を閉めることができる。
【0063】
一方、図13(b)に示すように、クリーニングロックレバー90がロック解除位置にあるときは、転写小扉70の内面から突き出た第一規制部71がクリーニングロックレバー90に突き当たる。これにより、転写小扉70の閉じ位置への回動が規制され、転写小扉70が閉じない。また、潤滑ロックレバー203がロック解除位置にあるときは、転写小扉70の内面から突き出た第二規制部72が潤滑ロックレバー203に突き当たり、転写小扉70の閉じ位置への回動が規制され、転写小扉70が閉じない。これにより、ベルトクリーニング装置100および潤滑剤塗布装置200の少なくとも一方が、転写ユニット7に対してロックされていないことをユーザーに知らせることができる。
【0064】
また、前扉61a,61bに上記の第一規制部、第二規制部を設けて、転写小扉70を無くした場合は、以下の不具合が発生するおそれがある。すなわち、商用印刷等で使用される大型の画像形成装置においては、前扉61a,61bも大きくなる。その結果、前扉61a,61bの回動の距離が長くなり、閉めるときのスピードが増すおそれがある。また、前扉61a,61bの重量も増す。その結果、このような大きな前扉61a,61bに設けた第一規制部、第二規制部がロックレバーに突き当り、前扉61a,61bが閉じないようにした場合、突き当たったときの衝撃が大きくなる。これにより、ロックレバーの破損や変形が生じたり、ロックレバーが設けられているユニットに変形や破損が生じたりするおそれがあるという不具合である。
【0065】
一方、本実施形態のように、転写小扉70を設け、装置が正しく装着されていない等によりロックレバーがロックされていないときに、転写小扉70がロックレバーに突き当たり、転写小扉70が閉じないようにし、転写小扉70に前扉61aを突き当てるようにすることで、前扉61aがロックレバーに突き当たるようにした場合に比べて、ロックレバーやユニットの破損や変形を抑制することができる。
【0066】
図14は、転写小扉70が、ロック部材75により閉じ位置でロックされていない状態で、前扉61a,61bを閉めようとした様子を説明する図である。
上述したように、転写小扉70は、トーションスプリング73により開位置に付勢されており、ロック部材75により閉じ位置でロックされていない限り、転写小扉70は、開位置にしている。
図14に示すように、転写小扉70がロック部材75により閉じ位置でロックされておらず、開位置に位置している状態で、前扉61aを閉じようとすると、前扉61aが転写小扉70に突き当たり、前扉61aが閉じられないようになっている。
【0067】
上述したように、転写小扉70は、ベルトクリーニング装置100および潤滑剤塗布装置200が正しく装着され、各ロックレバーがロック位置することで、閉じることができるようになっている。そのため、転写小扉70が閉じられていないときは、ベルトクリーニング装置100および潤滑剤塗布装置200が装着位置でロックされていないおそれがある。この状態で前扉61aが閉められ、インターロックスイッチ64aがONとなり、装置が稼働可能な状態となり、画像形成が開始されると、装置が正しく動作せず、画像不良などが発生するおそれがある。
【0068】
一方、本実施形態のように、転写小扉70が閉じられていないときは、前扉61aを閉じられないようにすることで、インターロックスイッチ64aがONとならず、装置が稼働可能な状態とならない。これにより、ベルトクリーニング装置100および潤滑剤塗布装置200が装着位置でロックされていない状態で、画像形成が行われるのを防止することができる。
【0069】
転写小扉70が、トーションスプリング73により開位置に付勢されていない場合は、転写小扉70が、閉位置と開位置との間に位置することができ、転写小扉70が、閉位置に近い位置に位置することが可能となる。このように、転写小扉70が、閉位置に近い位置に位置する場合は、転写小扉70が閉じられているか否かを目視で判別し難くなる。従って、転写小扉70が閉じられておらず、前扉61aが転写小扉70に突き当たって閉じられなかったときの転写小扉70の位置が、閉位置に近い位置に位置している場合、その原因が、転写小扉70にあることを容易には特定できない。その結果、対処に時間を要し、ダウンタイムが生じるおそれがある。
【0070】
これに対し、本実施形態では、転写小扉70が閉じられていなときは、トーションスプリング73の付勢力により転写小扉70は、開位置にしている。従って前扉61aが閉じられなかったとき、転写小扉70が開位置に位置しているか否かを目視で確認することで、前扉61aが閉じられなかった原因が、転写小扉70にあるか否かを判断することができる。これにより、前扉61aが閉じられない原因が、転写小扉70が閉じられていないことが原因であるのか、それ以外にあるのかを容易に特定でき、対処時間の短縮化を図ることができる。
【0071】
本実施形態では、転写小扉70の開き角度θ1は、90°以上としている。
転写小扉70の開き角度θ1が90°未満の場合は、図15(b)に示すように、転写小扉70の回動の支点に近い位置に配置されたベルトクリーニング装置100を着脱する際に、転写小扉70にベルトクリーニング装置100がぶつかる。その結果、ベルトクリーニング装置100を着脱できない。一方、図15(a)に示すように、転写小扉70の開き角度θ1を90°以上とすることで、転写小扉70にベルトクリーニング装置100がぶつかることなく、ベルトクリーニング装置100を転写ユニット7に対して着脱することができる。また、ベルトクリーニング装置100や潤滑剤塗布装置200の視認性がよく、ベルトクリーニング装置100や潤滑剤塗布装置200の着脱作業性を高めることができる。
【0072】
また、図14に示すように、前扉61aが転写小扉70に突き当たったときの前扉61aと転写小扉70とでなす角度のうち、前扉61aの回転側の角度θ2は、70°以上、110°以下が好ましい。図16に示すように、角度θ2が、70°未満の場合は、前扉61aを閉めようとする力によって、転写小扉70がトーションスプリング73の付勢力に抗して、閉位置へ回動するおそれがある。その結果、転写小扉70を介して、前扉61aがロックレバーに突き当たり、その衝撃でロックレバーやユニットに破損や変形が生じるおそれがある。
【0073】
また、角度θ2が、110°を越えると、前扉61aが転写小扉70にぶつかったときに、転写位置よりもさらに、転写小扉70を開かせようとする力が強くなる。その結果、転写小扉70が反り返る形で変形したり、破損したりするおそれがある。
【0074】
一方で、角度θ2を70°以上、110°以下とすることで、前扉61aが転写小扉70にぶつかったときに、転写小扉70に係る力は、軸力が支配的となり、転写小扉70の変形や破損や、転写小扉70が閉じ位置へ回動するのを抑制することができる。
【0075】
本実施形態では、図14に示すように、転写小扉70の回転支点O1を、転写小扉70に突き当たる前扉61aの回転支点O2側にしている。これにより、開き角度θ1を、90°以上にし、かつ、角度θ2を、70°以上、110°以下にすることができる。
【0076】
また、図14に示すように、前扉61aの回転支点O2から転写小扉70との当接位置までの距離L1が、前扉61aの長さLの半分以上(L1≦L/2)にしている。図17に示すように、前扉61aの回転支点O2から転写小扉70との当接位置までの距離L1が、前扉61aの長さLの半分未満の場合、前扉61aに変形や破損が発生するおそれがある。具体的には、前扉61aが転写小扉70に突き当たった後に、前扉61aをさらに閉めようとしたきの転写小扉70を支点とした前扉61aにかかる曲げモーメントが大きくなる。その結果、前扉61aが、図中破線に示すように変形するおそれがある。また、前扉61aの転写小扉70との当接位置で、割れなどが発生し、前扉61aが破損するおそれがある。
【0077】
一方、図14に示すように、前扉61aの回転支点O2から転写小扉70との当接位置までの距離L1を、前扉61aの長さLの半分以上にすることで、前扉61aが転写小扉70に突き当たった後に前扉61aにかかる曲げモーメントを抑えることができる。これにより、前扉61aの変形や破損を抑制することができる。
【0078】
また、図18に示すように、前扉61aの転写小扉70との当接箇所に弾性部材160を設けて、前扉61aが転写小扉70に突き当たったときの衝撃を弾性部材160により吸収するようにしてもよい。また、転写小扉70が弾性部材160に食い込むことで、前扉61aが転写小扉70に突き当たったときに転写小扉70が回動し難くなる。その結果、上記角度θ2の許容範囲を広げることができ、角度θ2を、60°以上、120°以下にすることができる。なお、図18では、前扉61aに弾性部材を設けているが、転写小扉70の前扉61aとの当接箇所に弾性部材を設けてもよい。
【0079】
また、図19に示すように、転写小扉70の前扉61aとの当接箇所に係合部181を設け、前扉61aの転写小扉70との当接箇所に上記係合部181が係合する被係合部182を設けてもよい。図19に示す構成とすることで、前扉61aが転写小扉70に突き当たったときに転写小扉70の係合部181が前扉61aの被係合部182に係合する。これにより、前扉61aが転写小扉70に突き当たったときに転写小扉70の回動を防止できる。これにより、上記角度θ2の許容範囲を広げることができる。
【0080】
なお、本実施形態では、転写小扉70は、ロックレバーに突き当たることで、閉じない構成としているが、正しく装着されていないベルトクリーニング装置100や潤滑剤塗布装置200に突き当たることで、閉じない構成としてもよい。
【0081】
なお、本実施形態では、転写小扉70は、トーションスプリング73の付勢力で開位置まで開くように構成されているが、トーションスプリング73の付勢力で転写小扉70が開く位置は、転写小扉70が目視で閉じられていないことが容易に確認できる位置でよい。かかる構成でも、開閉カバーを閉じることができなかったときに、その原因が、開閉部材が閉じられていないことが原因であるか否かを容易に確認でき、対処の時間の短縮化を図ることができる。
【0082】
また、ベルトクリーニング装置100、潤滑剤塗布装置200に限らず、装置の正面側から着脱可能な着脱ユニットに対して小扉を設けることができる。例えば、プロセスユニット6Y,M,C,Kが装置の正面側から装置本体に対して着脱可能な場合は、プロセスユニット6Y,M,C,Kを覆う開閉部材としての小扉を設け、プロセスユニットが正しく装着されていないときは、この小扉が閉められないようにする。そして、この小扉が閉じていないときは、前扉61a,61bがこの小扉に当接し、閉められないようにしてもよい。これにより、プロセスユニットが正しく装着されていないときに、前扉61a,61bがプロセスユニットにぶつかって、プロセスユニットの変形や破損が生じることがないようにできる。また、この小扉を、バネなどの付勢部材により開位置に付勢することで、目視により小扉が、開位置に位置しているか否かを目視で確認することで、前扉61a,61bが閉じない原因が、小扉が閉じられていないことであるのか否かを容易に確認できる。
また、定着装置40が装置の正面側から着脱可能な場合は、定着装置40を覆う小扉を設け、この小扉を、転写小扉70と同様な構成としてもよい。
【0083】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0084】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
装置本体に対して開閉自在に設けられた前扉61a,61bなどの開閉カバーと、開閉カバーにより開かれた装置本体の開口部60aから着脱可能に構成されたベルトクリーニング装置100や潤滑剤塗布装置200などの着脱ユニットと、着脱ユニットに対し、着脱ユニットの装置本体からの取り出し方向の下流側から対向し、着脱ユニットの着脱経路を塞ぐ経路閉じ位置と、着脱経路を開く経路開位置との間を回動可能に構成された転写小扉70などの開閉部材とを備え、開閉部材が経路閉じ位置に位置していないときは、開閉部材が、開閉カバーに当接し開閉カバーの閉じ位置への移動を規制するプリンタ60などの画像形成装置において、開閉部材を開く方向に付勢するトーションスプリング73などの付勢部材と、開閉部材を、経路閉じ位置でロックするロック部材75とを備える。
これによれば、ロック部材により開閉部材が経路閉じ位置でロックされていないときは、付勢部材の付勢力で、開閉部材が目視で閉じられていないことが確認できる位置まで開閉部材を開かせることが可能となる。これにより、開閉カバーを閉じるときに、経路閉じ位置の近傍の開閉部材が閉じているのか否かが目視では判断し難い位置に開閉部材が位置するのを防止することが可能となる。よって、開閉カバーを閉じることができなかったときに、その原因が、開閉部材が閉じられていないことにあるのかそれ以外にあるのかを、容易に特定でき、対処の時間の短縮化を図ることができる。
【0085】
(態様2)
態様1において、装置本体の開口部60aから引き出し可能に構成された転写ユニット7などの引き出しユニットを備え、ベルトクリーニング装置100や潤滑剤塗布装置200などの着脱ユニットおよび転写小扉70などの開閉部材は、引き出しユニットに設けられている。
これによれば、実施形態で説明したように、ベルトクリーニング装置100や潤滑剤塗布装置200などの着脱ユニットを、転写ユニット7などの引き出しユニットに対して独立して装置本体から取り出すことができる。
【0086】
(態様3)
態様1または2において、ベルトクリーニング装置100や潤滑剤塗布装置200などの着脱ユニットが装着位置まで装着されていない場合は、転写小扉70などの開閉部材は、着脱ユニットに当接し経路閉じ位置への移動が規制される。
これによれば、実施形態で説明したように、転写小扉70など開閉部材が閉じられないときは、ベルトクリーニング装置100や潤滑剤塗布装置200などの着脱ユニットが正しく装着されていないことをユーザーに知らしめることができる。また、開閉部材が閉じられないことで、前扉61aが閉じられず、装置が稼働可能な状態になることを防ぐことができ、着脱ユニットが正しく装着されていない状態で、装置が稼働されるのを防ぐこともできる。
【0087】
(態様4)
態様1乃至3いずれかにおいて、ベルトクリーニング装置100や潤滑剤塗布装置200などの着脱ユニットを装着位置でロックするロックレバー90,203を有し、転写小扉70などの開閉部材は、ロックレバーが、ロックを解除した状態のとき、ロックレバーに当接し、開閉部材の経路閉じ位置への移動を規制する第一規制部71や第二規制部72などの規制部を有する。
これによれば、実施形態で説明したように、ベルトクリーニング装置100や潤滑剤塗布装置200などの着脱ユニットが装着位置でロックされていない状態のときは、転写小扉70など開閉部材が閉じられない。これにより、ベルトクリーニング装置100や潤滑剤塗布装置200などの着脱ユニットが正しく装着されていないことをユーザーに知らしめることができる。また、開閉部材が閉じられないことで、前扉61aが閉じられず、装置が稼働可能な状態になることを防ぐことができ、着脱ユニットが正しく装着されていない状態で、装置が稼働されるのを防ぐこともできる。
【0088】
(態様5)
態様1乃至4いずれかにおいて、転写小扉70などの開閉部材の開き角度θ1は、90°以上である。
これによれば、図15を用いて説明したように、転写小扉70などの開閉部材の回動支点の近くに配置されたベルトクリーニング装置100などの着脱ユニットの着脱が可能となる。また、開閉部材が開位置に位置しているときの着脱ユニットの視認性が良くなり、着脱ユニットの着脱作業性を高めることができる。
【0089】
(態様6)
態様1乃至5いずれかにおいて、トーションスプリング73などの付勢部材の付勢力により、転写小扉70などの開閉部材は、経路開位置まで開くように構成されており、前扉61aなどの開閉カバーが経路開位置に位置する転写小扉70などの開閉部材に当接したときの開閉カバーと開閉部材とのなす角度が、70°以上、110°以下である。
これによれば、実施形態で説明したように、前扉61aなどの開閉カバーが転写小扉70などの開閉部材にぶつかったときに、開閉部材に係る力は、軸力が支配的となり、開閉部材の変形や破損や、開閉部材が経路閉じ位置へ回動するのを抑制することができる。
【0090】
(態様7)
態様6において、転写小扉70などの開閉部材の回動の支点が、前扉61aなどの開閉カバーの回動の支点側にある。
これによれば、実施形態で説明したように、前扉61aなどの開閉カバーが経路開位置に位置する転写小扉70などの開閉部材に当接したときの開閉カバーと開閉部材とのなす角度を70°以上、110°以下にして、転写小扉70などの開閉部材の開き角度θ1を90°以上にできる。
【0091】
(態様8)
態様1乃至7いずれかにおいて、前扉61aなどの開閉カバーが閉じられた状態で、ON状態となるインターロックスイッチ64a,64bを有する。
これによれば、実施形態で説明したように、前扉61aなどの開閉カバーが閉じられることで、インターロックスイッチがONとなり、装置が稼働可能な状態にすることができる。これにより、着脱ユニットが正しく装着されていない状態で、装置が稼働されるのを防ぐことができる。
【0092】
(態様9)
態様1乃至8いずれかにおいて、トーションスプリング73などの付勢部材の付勢力により、転写小扉70などの開閉部材は、経路開位置まで開くように構成されており、経路開位置に位置する転写小扉70などの開閉部材と前扉61aなどの開閉カバーとの当接位置から、開閉カバーの回動の支点までの距離をL1、開閉カバーの回動支点から端部までの距離をLとしたとき、L1≧(L/2)である。
これによれば、実施形態で説明したように、前扉61aなどの開閉カバーが転写小扉70などの開閉部材に突き当たり後に、開閉カバーを閉じようとしたときに開閉カバーにかかる曲げモーメントを抑えることができる。これにより、開閉カバーの変形や破損を抑制することができる。
【0093】
(態様10)
態様1乃至9いずれかにおいて、トーションスプリング73などの付勢部材の付勢力により、転写小扉70などの開閉部材は、経路開位置まで開くように構成されており、転写小扉70などの開閉部材が経路開位置に位置するとき、前扉61aなどの開閉カバーは、弾性部材160を介して開閉部材に当接する。
これによれば、図18を用いて説明したように、前扉61aなどの開閉カバーが経路開位置に位置する転写小扉70などの開閉部材に突き当たったときの衝撃を弾性部材160により吸収することができ、開閉カバーや開閉部材の破損や変形を抑制することができる。
【0094】
(態様11)
態様1乃至12いずれかにおいて、トーションスプリング73などの付勢部材の付勢力により、転写小扉70などの開閉部材は、経路開位置まで開くように構成されており、前扉61a開閉カバーと経路開位置に位置する転写小扉70などの開閉部材とが係合する係合手段(係合部181と被係合部182とで構成)を設けた。
これによれば、図19を用いて説明したように、前扉61aなどの開閉カバーが経路開位置に位置する転写小扉70などの開閉部材に突き当たったときに開閉部材が回動するのを防止できる。
【0095】
(態様12)
態様2において、引き出しユニットが、無端状の中間転写ベルト8を周方向に回転可能に具備した転写ユニット7であり、着脱ユニットが、中間転写ベルト8の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置200である。
これによれば、実施形態で説明したように、転写ユニット7を装置本体に残した状態で、潤滑剤塗布装置200の着脱を行うことができる。これにより、潤滑剤塗布装置200の定期的なメンテナンスや交換を容易に行うことができる。また、潤滑剤塗布装置200が正しく装着されていない状態で装置が動作されるのを防止することができる。
【0096】
(態様13)
態様2において、引き出しユニットが、無端状の中間転写ベルト8を周方向に回転可能に具備した転写ユニット7であり、着脱ユニットが、中間転写ベルト8の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置100である。
これによれば、実施形態で説明したように、転写ユニット7を装置本体に残した状態で、ベルトクリーニング装置100の着脱を行うことができる。これにより、ベルトクリーニング装置100の定期的なメンテナンスや交換を容易に行うことができる。また、ベルトクリーニング装置100が正しく装着されていない状態で装置が動作されるのを防止することができる。
【0097】
(態様14)
態様13において、ベルトクリーニング装置100は、中間転写ベルト8に当接するクリーニングブラシローラ101などのクリーニング部材を備え、ベルトクリーニング装置100を装着位置でロックするクリーニングロックレバー90などのロックレバーを有し、ロックレバーによりロックを解除したとき、中間転写ベルト8が、クリーニング部材から離間する。
これによれば、実施形態で説明したように、ベルトクリーニング装置100のロックが解除され、着脱可能な状態のときに、中間転写ベルト8をクリーニングブラシローラなどのクリーニング部材から離間させることができる。これにより、ベルトクリーニング装置100を着脱するときにクリーニング部材が中間転写ベルト8の表面に摺擦するの防止でき、中間転写ベルト8の表面が傷つくのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0098】
6Y :プロセスユニット
7 :転写ユニット
8 :中間転写ベルト
13 :クリーニング対向ローラ
14 :クリーニング対向ローラ
15 :クリーニング対向ローラ
17 :塗布ブラシ対向ローラ
60 :プリンタ
60a :開口部
61a :前扉
61b :前扉
62 :用紙搬送部
62a :ロック機構
63 :用紙排紙部
63b :ロック機構
64a :インターロックスイッチ
64b :インターロックスイッチ
65a :突起部
65b :突起部
70 :転写小扉
70a :開口部
71 :第一規制部
72 :第二規制部
73 :トーションスプリング
75 :ロック部材
75a :爪部
75b :操作部
90 :クリーニングロックレバー
91 :回転軸
91a :カム部
100 :ベルトクリーニング装置
104 :逃げ穴
110 :前側クリーニングカバー部材
120 :接離機構
121 :支持フレーム
121a :カム当接部
121b :支軸
124 :側面板
160 :弾性部材
164a :リレースイッチ
164b :リレースイッチ
170 :前側フレーム
171 :支持突起
172 :支持軸
181 :係合部
182 :被係合部
200 :潤滑剤塗布装置
203 :潤滑ロックレバー
L :前扉の長さ
L1 :前扉の回転支点から転写小扉との当接位置までの距離
O1 :転写小扉の回転支点
O2 :前扉の回転支点
θ1 :開き角度
θ2 :前扉が転写小扉に突き当たったときの前扉と転写小扉とでなす角度
【先行技術文献】
【特許文献】
【0099】
【特許文献1】特開2002-318480号公報
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