(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005580
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ラジカル重合性組成物
(51)【国際特許分類】
C08F 290/06 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
C08F290/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105816
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100214673
【弁理士】
【氏名又は名称】菅谷 英史
(74)【代理人】
【識別番号】100186646
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】入江 博美
【テーマコード(参考)】
4J127
【Fターム(参考)】
4J127AA03
4J127BA051
4J127BB031
4J127BB091
4J127BB221
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4J127DA42
4J127EA05
4J127EA07
4J127FA49
(57)【要約】
【課題】低粘度であり、可使時間が長く、低温硬化性に優れ、低温柔軟性に優れる塗膜が得られるラジカル重合性組成物を提供する。
【解決手段】両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル(メタ)アクリレート(A)、(メタ)アクリル単量体(B)、重合禁止剤(C)、及びワックス(D)を含有するラジカル重合性組成物であって、前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)の重合性二重結合濃度が0.1~1mol/kgであり、芳香環濃度が3mol/kg以下であることを特徴とするラジカル重合性組成物を用いる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル(メタ)アクリレート(A)、(メタ)アクリル単量体(B)、重合禁止剤(C)、及びワックス(D)を含有するラジカル重合性組成物であって、前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)の重合性二重結合濃度が0.1~1mol/kgであり、芳香環濃度が3mol/kg以下であることを特徴とするラジカル重合性組成物。
【請求項2】
前記重合禁止剤(C)が、前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)及び前記(メタ)アクリル単量体(B)の合計100質量部に対し、0.01~5質量部である請求項1記載のラジカル重合性組成物。
【請求項3】
前記ワックス(D)が、前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)及び前記(メタ)アクリル単量体(B)の合計100質量部に対し、0.01~3質量部である請求項1記載のラジカル重合性樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジカル重合性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、増加する交通荷重や凍結防止剤の散布によって、高速道路をはじめとする道路橋床版の早期劣化が顕著となってきている。この早期劣化のメカニズムとしては、アスファルト舗装と鉄筋コンクリート床版に生じたひび割れを通じて、雨水、凍結防止剤などが構造物に侵入し鉄筋を腐食させ、構造物の耐久性を低下させていることが考えられている。
【0003】
そこで、そこで、これらの道路構造物の長寿命化を目的として、表層、基層、路盤、路床の4層で構成する構造物の各層の高耐久性化が検討されている。
【0004】
樹脂材料には、低温条件下においても短時間で施工を完了できる速硬化性が要求され、例えば、ポリエーテルアクリルウレタン樹脂、空乾性付与型重合体、及びエチレン性不飽和単量体を含有する樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この樹脂組成物は塗膜柔軟性が不十分であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、低粘度であり、可使時間が長く、低温硬化性に優れ、低温柔軟性に優れる塗膜が得られるラジカル重合性組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のポリエステル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル単量体、重合禁止剤、及びワックスを含有するラジカル重合性組成物が、低粘度であり、可使時間が長く、低温硬化性に優れ、低温柔軟性に優れる塗膜が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル(メタ)アクリレート(A)、(メタ)アクリル単量体(B)、重合禁止剤(C)、及びワックス(D)を含有するラジカル重合性組成物であって、前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)の重合性二重結合濃度が0.1~1mol/kgであり、芳香環濃度が3mol/kg以下であることを特徴とするラジカル重合性組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のラジカル重合性組成物は、低粘度であり、可使時間が長く、低温硬化性に優れ、低温柔軟性に優れる塗膜が得られることから、コンクリート保護材料、モルタル用バインダー、ひび割れ補修材等の各種土木建築材料用途に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のラジカル重合性組成物は、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル(メタ)アクリレート(A)、(メタ)アクリル単量体(B)、重合禁止剤(C)、及びワックス(D)を含有するラジカル重合性組成物であって、前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)の重合性二重結合濃度が0.1~1mol/kg以下であり、芳香環濃度が3mol/kg以下であるものである。
【0011】
なお、本発明において、「(メタ)アクリルロイル基」とは、アクリロイル基とメタクリロイル基の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリル単量体」とは、アクリル単量体とメタクリル単量体の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリル化合物」とは、アクリル化合物とメタクリル化合物の一方又は両方をいう。
【0012】
前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)は、例えば、飽和ポリエステル又は不飽和ポリエステルと、グリシジル(メタ)アクリレートとの反応により得られるが、塗膜柔軟性がより向上することから、飽和ポリエステルを用いたものが好ましい。
【0013】
ポリエステルは、二塩基酸と多価アルコールとのエステル化反応により得られるが、前記飽和ポリエステルは、二塩基酸として飽和二塩基酸のみを使用したものであり、前記不飽和ポリエステルは、二塩基酸の一部又は全部にα,β-不飽和二塩基酸を使用したものである。
【0014】
前記飽和二塩基酸としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フランジカルボン酸、1,12-ドデカン2酸,2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’-ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジアルキルエステル等を用いることができる。これらの二塩基酸は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0015】
前記α,β-不飽和二塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等を用いることができる。これらの二塩基酸は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0016】
前記二塩基酸としては、前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)の芳香環濃度を低減し、より優れた塗膜柔軟性が得られることから、脂肪族系二塩基酸が好ましい。
【0017】
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコ-ル、ジエチレングリコ-ル、トリエチレングリコ-ル、ポリエチレングリコ-ル、プロピレングリコ-ル、ジプロピレングリコ-ル、ポリプロピレングリコ-ル、2-メチル-1,3-プロパンジオ-ル、1,3-ブタンジオ-ル、ネオペンチルグリコ-ル、水素化ビスフェノ-ルA、1,4-ブタンジオ-ル、ビスフェノ-ルAのアルキレンオキサイド付加物、1,2,3,4-テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロ-ルプロパン、1,3-プロパンジオ-ル、1,2-シクロヘキサングリコ-ル、1,3-シクロヘキサングリコ-ル、1,4-シクロヘキサングリコ-ル、1,4-シクロヘキサンジメタノ-ル、パラキシレングリコ-ル、ビシクロヘキシル-4,4’-ジオ-ル、2,6-デカリングリコ-ル、2,7-デカリングリコ-ル等を用いることができる。これらの多価アルコールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0018】
前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)の重合性二重結合濃度は、0.1~1mol/kgであるが、低温硬化性と塗膜柔軟性のバランスがより向上することから、0.2~0.8mol/kgがより好ましい。ここで、前記重合性二重結合濃度は、下記式により求められる値である。
重合性二重結合濃度=(「不飽和二塩基酸由来の重合性二重結合のモル数」+「グリシジル(メタ)アクリレート由来の重合性二重結合のモル数」)/ポリエステル(メタ)アクリレートの質量
【0019】
前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)の芳香環濃度は、3mol/kg以下であるが、塗膜柔軟性がより向上することから、2.5mol/kg以下がより好ましい。ここで、前記芳香環濃度は、下記式により求められる値である。
芳香環濃度=「芳香族化合物由来の芳香環のモル数」/「ポリエステルメタクリレートの質量」
【0020】
また、前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)の(メタ)アクリロイル基当量としては、低粘度、可使時間、低温硬化性、及び塗膜柔軟性のバランスがより向上することから、200~8,000g/eqが好ましく、250~4,000g/eqがより好ましい。ここで、前記(メタ)アクリロイル基当量は、数平均分子量から計算により求められる値である。
【0021】
前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)の数平均分子量は、低粘度、可使時間、低温硬化性、及び塗膜柔軟性のバランスをより向上できることから、400~16,000が好ましく、500~8,000がより好ましい。
【0022】
本発明における平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を示す。
【0023】
本発明のラジカル重合性組成物は、前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)を必須成分とすることで低温柔軟性に優れた塗膜が得られるが、低温柔軟性を損なわない範囲において、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等を併用してもよい。
【0024】
前記(メタ)アクリル単量体(B)としては、樹脂粘度を希釈し得るものであれば特に限定されないが、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する(メタ)アクリル単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、3-メチルブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリル単量体;3-メトキシブチル(メタ)アクリレート)、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシブチル(メタ)アクリレート、オキシエチレンの付加モル数が1~15の範囲のメトキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシ-ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート等のエーテル基を有する(メタ)アクリル単量体;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル単量体;ベンジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリル単量体;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド等の窒素原子を有する(メタ)アクリル単量体などを用いることができる。これらの中でも、硬化性に優れることから、分子量300以下の(メタ)アクリレート化合物が好ましく、メチル(メタ)アクリレートを含むことがより好ましい。また、これらの(メタ)アクリル単量体は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0025】
前記(メタ)アクリル単量体(B)の使用量は、低粘度で、硬化性に優れ、柔軟性に優れる塗膜が得られることから、前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)100質量部に対して、10~300質量部が好ましく、20~200質量部がより好ましい。
【0026】
前記重合禁止剤(C)としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、4-t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、トルハイドロキノン、p-ベンゾキノン、ナフトキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ナフテン酸銅、塩化銅等が挙げられるが、可使時間及び硬化性のバランスがより向上することから、ジブチルヒドロキシトルエンが好ましい。なお、これらの重合禁止剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
【0027】
前記重合禁止剤(C)の含有量は、可使時間及び低温硬化性のバランスがより向上することから、前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)及び前記(メタ)アクリル単量体(B)の合計100質量部に対して、0.01~5質量部が好ましく、0.1~1質量部がより好ましい。
【0028】
前記ワックス(D)は、酸素による硬化阻害を防止するものであり、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等が挙げられ、前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)や前記(メタ)アクリル単量体(B)との相溶性や低温乾燥性の観点からパラフィンワックスを用いることが好ましい。
【0029】
前記ワックス(D)の融点としては、前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)や前記(メタ)アクリル単量体(B)との相溶性や低温乾燥性の観点から、40~75℃が好ましく、45~60℃がより好ましい。なお、前記ワックス(D)の融点は、JIS K2235に基づいて測定される融点を示す。
【0030】
前記ワックス(D)の使用量は、低温乾燥性やリコート性の観点から、前記ポリエステル(メタ)アクリレートA)と前記(メタ)アクリル単量体(B)との合計100質量部に対して、0.01~3質量部が好ましく、0.1~2質量部がより好ましい。
【0031】
本発明のラジカル重合性組成物は、ポリエステル(メタ)アクリレート(A)、(メタ)アクリル単量体(B)、重合禁止剤(C)、及びワックス(D)を含有するものであるが、必要に応じてその他の添加剤等を含有していてもよい。
【0032】
前記その他の添加剤としては、例えば、有機過酸化物、硬化促進剤、石油ワックス、顔料、チキソ性付与剤、酸化防止剤、溶剤、充填剤、補強材、骨材、難燃剤等を用いることができるが、硬化性がより優れることから、有機過酸化物及び硬化促進剤を用いることが好ましい。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0033】
前記有機過酸化物としては、例えば、ジアシルパーオキサイド化合物、パーオキシエステル化合物、ハイドロパーオキサイド化合物、ジアルキルパーオキサイド化合物、ケトンパーオキサイド化合物、パーオキシケタール化合物、アルキルパーエステル化合物、パーカーボネート化合物等を用いることができるが、これらの中でも、塗膜硬化性の優位性から、ジアシルパーオキサイド化合物、ハイドロパーオキサイド化合物、ケトンパーオキサイド化合物を用いることが好ましく、ジアシルパーオキサイド化合物、ハイドロパーオキサイド化合物を用いることがより好ましい。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0034】
前記ジアシルパーオキサイド化合物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化トルイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル等を用いることができるが、これらの中でも、過酸化ベンゾイルを用いることが好ましい。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0035】
前記ハイドロパーオキサイド化合物としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、p-メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t-ヘキシルハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド等を用いることができるが、これらの中でも、塗膜硬化性の優位性から、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドを用いることが好ましく、クメンハイドロパーオキサイドを用いることがより好ましい。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0036】
前記有機過酸化物の使用量としては、低温硬化性の点から、前記ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂(A)及び前記(メタ)アクリル単量体(B)の合計100質量部に対して、0.5~10質量部が好ましく、1~6質量部がより好ましい。
【0037】
前記硬化促進剤は、前記有機過酸化物をレドックス反応によって分解し、活性ラジカルの発生を容易にする作用のある物質であることが好ましく、例えば、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト等の有機酸のコバルト塩;オクチル酸亜鉛、オクチル酸バナジウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム等の有機酸塩;バナジウムアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセトネート等の金属キレート化合物;アニリン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4-[N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4-(N-メチル-N-ヒドロキシエチルアミノ)ベンズアルデヒド、N-エチル-m-トルイジン、トリエタノールアミン、m-トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニリモルホリン、ピペリジン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノールアニリン等のN,N-置換アニリン、N,N-置換-p-トルイジン、4-(N,N-置換アミノ)ベンズアルデヒド、p-トルイジン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-p-トルイジンのエチレンオキサイド付加物、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-p-トルイジン、N-エチル-m-トルイジン等のアミン化合物などを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。塗膜硬化性に優位なことから、有機酸のコバルト塩、アミン化合物を用いることが好ましく、これらを併用することがより好ましい。有機酸のコバルト塩としては、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルトが好ましく、アミン化合物としては、トルイジン化合物が好ましい。
【0038】
前記硬化促進剤の使用量としては、低温硬化性の点から、前記(メタ)アクリレート樹脂(A)及び前記(メタ)アクリル単量体(B)の合計100質量部に対して、0.1~5質量部が好ましく、0.2~2質量部がより好ましい。
【0039】
本発明のラジカル重合性組成物は、低粘度であり、可使時間が長く、低温硬化性に優れ、低温柔軟性に優れる塗膜が得られることから、コンクリート保護材料、モルタル用バインダー、ひび割れ補修材等の各種土木建築材料用途に好適に用いることができる。
【実施例0040】
以下に本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。なお、平均分子量は、下記のGPC測定条件で測定したものである。
【0041】
[GPC測定条件]
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC-8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度4mg/mLのテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
【0042】
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
【0043】
(合成例1:ポリエステル(メタ)アクリレート(A-1)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた反応容器に、エチレングリコール47質量部、トリエチレングリコール150質量部、1,6-ヘキサンジオール59質量部、コハク酸59質量部、セバシン酸405質量部を仕込み、220℃で4時間反応させた。100℃まで冷却し、グリシジルメタクリレート71質量部を仕込み、130℃条件下で4時間反応させ、数平均分子量3000、酸価0.1、重合性二重結合濃度0.71mol/kg、芳香環濃度0.00mol/kgのポリエステルメタアクリレート(A-1)を得た。
【0044】
(合成例2:ポリエステル(メタ)アクリレート(A-2)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた反応容器に、ジエチレングリコール318質量部、1,5-ペンタンジオール156質量部、ネオペンチルグリコール26質量部、コハク酸472質量部、アジピン酸146質量部、ジブチル錫オキサイド0.3質量部、メチルハイドロキノン0.2質量部を仕込み、220℃で4時間反応させた。100℃まで冷却し、グリシジルメタクリレート71質量部を仕込み、130℃条件下で4時間反応させ、数平均分子量4419、酸価0.1、重合性二重結合濃度0.45mol/kg、芳香環濃度0.00mol/kgのポリエステルメタアクリレート(A-2)を得た。
【0045】
(合成例3:ポリエステル(メタ)アクリレート(A-3)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた反応容器に、1,4-ブタンジオール225質量部、ネオペンチルグリコールを234質量部、1,6-ヘキサンジオール295質量部、コハク酸295質量部、アジピン酸265質量部、セバシン酸505質量部、ジブチル錫オキサイド0.3質量部、メチルハイドロキノン0.2質量部を仕込み、220℃で4時間反応させた。100℃まで冷却し、グリシジルメタクリレート71質量部を仕込み、130℃条件下で4時間反応させ、数平均分子量7447、酸価0.1、重合性二重結合濃度0.27mol/kg、芳香環濃度0.00mol/kgのポリエステルメタアクリレート(A-3)を得た。
【0046】
(合成例4:ポリエステル(メタ)アクリレート(A-4)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた反応容器に、トリエチレングリコール414質量部、プロピレングリコール190質量部、ネオペンチルグリコール260質量部、1,6-ヘキサンジオール354質量部、無水フタル酸74質量部、テトラヒドロ無水フタル酸76質量部、イタコン酸65質量部、アジピン酸1388質量部、ジブチル錫オキサイドを0.3質量部、メチルハイドロキノン0.1質量部を仕込み、220℃で4時間反応させた。130℃まで冷却し、グリシジルメタクリレート71質量部を仕込み、130℃条件下で4時間反応させ、数平均分子量10797、酸価0.1、重合性二重結合濃度0.56mol/kg、芳香環濃度0.74mol/kgのポリエステルメタアクリレート(A-4)を得た。
【0047】
(合成例5:ポリエステル(メタ)アクリレート(A-5)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた反応容器に、1,4-ブタンジオール225質量部、1,5-ペンタンジオール234質量部、フマル酸29質量部、コハク酸177質量部、アジピン酸438質量部、セバシン酸51質量部、ジブチル錫オキサイド0.3質量部、メチルハイドロキノン0.2質量部を仕込み、220℃で4時間反応させた。100℃まで冷却し、グリシジルメタクリレート124質量部を仕込み、130℃条件下で4時間反応させ、数平均分子量4561、酸価0.1、重合性二重結合濃度0.44mol/kg、芳香環濃度0.00mol/kgのポリエステルメタアクリレート(A-5)を得た。
【0048】
(合成例6:ポリエステル(メタ)アクリレート(A-6)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた反応容器に、ジエチレングリコール159質量部、トリエチレングリコール150質量部、1,4-ブタンジオール45質量部、1,6-ヘキサンジオール207質量部、無水フタル酸222質量部、アジピン酸146質量部、セバシン酸506質量部、ジブチル錫オキサイド0.3質量部、メチルハイドロキノン0.1質量部を仕込み、220℃で4時間反応させた。130℃まで冷却し、グリシジルメタクリレート50質量部を仕込み、130℃条件下で4時間反応させ、数平均分子量5683、酸価0.1、重合性二重結合濃度0.40mol/kg、芳香環濃度2.11mol/kgのポリエステルメタアクリレート(A-6)を得た。
【0049】
(合成例7:ポリエステル(メタ)アクリレート(A-7)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた反応容器に、エチレングリコール62質量部、トリエチレングリコール375質量部、1,4-ブタンジオール113質量部、テトラヒドロ無水フタル酸76質量部、コハク酸295質量部、アジピン酸292質量部、ジブチル錫オキサイド0.3質量部、メチルハイドロキノン0.1質量部を仕込み、220℃で4時間反応させた。130℃まで冷却し、グリシジルメタアクリレート190質量部を仕込み、130℃条件下で4時間反応させ、数平均分子量4797、酸価0.1、重合性二重結合濃度0.15mol/kg、芳香環濃度0.00mol/kgのポリエステルメタアクリレート(A-7)を得た。
【0050】
(合成例8:ポリエステル(メタ)アクリレート(A-8)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた反応容器に、エチレングリコール47質量部、プロピレングリコール57質量部、1,5-ペンタンジオール260質量部、1,9-ノナンジオール120質量部、無水フタル酸74質量部、コハク酸177質量部、セバシン酸607質量部、ジブチル錫オキサイド0.3質量部、メチルハイドロキノン0.1質量部を仕込み、220℃で4時間反応させた。130℃まで冷却し、グリシジルメタアクリレート190質量部を仕込み、130℃条件下で4時間反応させ、数平均分子量5311、酸価0.1、重合性二重結合濃度0.39mol/kg、芳香環濃度0.75mol/kgのポリエステルメタアクリレート(A-8)を得た。
【0051】
(合成例9:ポリエステル(メタ)アクリレート(RA-1)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた反応容器に、プロピレングリコール400質量部、ネオペンチルグリコール573質量部、無水マレイン酸245質量部、アジピン酸1242質量部、ジブチル鎮オキサイドを0.3質量部、メチルハイドロキノンを0.1質量部仕込み、220℃で4時間反応させた。130℃まで冷却し、グリシジルメタアクリレートを190質量部仕込み、130℃条件下で4時間反応させ、数平均分子量9349、酸価0.1、重合性二重結合濃度2.35mol/kg、芳香環濃度0.00mol/kgのポリエステルメタアクリレート(RA-1)を得た。
【0052】
(合成例10:ポリエステル(メタ)アクリレート(RA-2)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた反応容器に、ジエチレングリコール106質量部、コハク酸148質量部、ジブチル鎮オキサイドを0.3質量部、メチルハイドロキノンを0.1質量部仕込み、220℃で4時間反応させた。130℃まで冷却し、グリシジルメタアクリレートを190質量部仕込み、130℃条件下で4時間反応させ、数平均分子量1227、酸価0.1、重合性二重結合濃度1.63mol/kg、芳香環濃度0.00mol/kgのポリエステルメタアクリレート(RA-2)を得た。
【0053】
(合成例11:ポリエステル(メタ)アクリレート(RA-3)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた反応容器に、ジエチレングリコール175質量部、トリエチレングリコール466質量部、無水フタル酸741質量部、ジブチル鎮オキサイドを0.3質量部、メチルハイドロキノンを0.1質量部仕込み、220℃で4時間反応させた。130℃まで冷却し、グリシジルメタアクリレートを190質量部仕込み、130℃条件下で4時間反応させ、数平均分子量5467、酸価が0.1、重合性二重結合濃度0.73mol/kg、芳香環濃度7.31mol/kgポリエステルメタアクリレート(RA-3)を得た。
【0054】
(合成例12:ウレタンメタクリレート(1)の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び環流冷却器を備えた反応容器に数平均分子量1000のポリプロピレングリコール500質量部とトリレンジイソシアネート172質量部を仕込み、窒素気流下80℃で2時間反応させた。NCO当量が600とほぼ理論当量値となったので、50℃まで冷却した。空気気流下、ハイドロキノン0.07質量部を加え、2-ヒドロキシエチルメタクリレート67質量部、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルを135質量部、を加え、90℃で4時間反応させた。NCO%が0.1%以下となった時点で、ターシャリーブチルカテコール0.07質量部添加し、数平均分子量1775ウレタンメタクリレート(1)を得た。
【0055】
(合成例13:エポキシアクリレート(1)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコにエポキシ樹脂(DIC株式会社製「エピクロン850」1850質量部、アクリル酸860質量部、ハイドロキノン1.36質量部およびトリエチルアミン10.8質量部を仕込み、120℃まで昇温させ、同時間で10時間反応させ、数平均分子量512、酸価3.5のエポキシアクリレート(1)を得た。
【0056】
(実施例1:ラジカル重合性組成物(1)の調製及び評価)
攪拌機、還流冷却管、温度計を備えた遮光容器に、前記ポリエステルメタアクリレート(A-1)75質量部、メチルメタクリレート(B-1)20質量部、2-エチルヘキシルメタクリレート5質量部、パラフィンワックス130°F 0.2質量部、p-トルイジンのエチレンオキサイド2モル付加物(PTD-2EO)0.4質量部、オクチル酸コバルト(DIC株式会社製「DICNATE208V」)0.5質量部、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.3質量部、及び有機過酸化物(日油株式会社製「ナイパーNS」、過酸化ベンゾイル)2質量部を添加調合し、ラジカル重合性組成物(1)を得た。
【0057】
[作業性(粘度)の評価]
合成例1で得たポリエステル(メタ)アクリレート(A-1)75質量部、メチルメタクリレート20質量部、2-エチルヘキシルメタクリレート5質量部を混合溶解させて得た樹脂組成物を、JISK6901:2008の「5.5.1ブルックフィールド形粘度計法を用いる場合」に準拠して、表7のタイプi、BM粘度計により25℃における粘度を測定し、下記基準により評価した。
○:250mPa・s未満
×:250mPa・s以上
【0058】
[作業性(可使時間)の評価]
上記で得たラジカル重合性組成物(1)が5℃条件下で流動性を失う迄に要した時間を測定し、下記の基準により評価した。
○:15分以上
×:15分未満
【0059】
[低温硬化性の評価]
上記で得たラジカル重合性樹脂組成物(1)をスレート板上に0.2kg/m2の量で刷毛にて塗り広げた。5℃条件下で、指触にてタックフリーとなる時間(分)を測定し、下記の基準により評価した。
〇:60分未満
×:60分以上
【0060】
[柔軟性の評価]
上記で得たラジカル重合性樹脂組成物(1)を使用し、JIS K 6251に準拠して作製した試験体を用い、次の測定条件で引張物性を測定した。
なお、引張強度が、5N/mm2以上の場合を○とし、5N/mm2未満の場合を×とした。
また、引張伸び率が、100%以上の場合を○とし、100%未満の場合を×とした。
使用機器:株式会社島津製作所製「オートグラフ AG-I」
試験速度(H,S):500mm/min
標線間:20mm
測定温度:23℃、または-10℃
【0061】
(実施例2~8:ラジカル重合性組成物(2)~(8)の調製及び評価)
実施例1で用いたポリエステルメタクリレート及び(メタ)アクリル単量体を、表1又は表2の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、ラジカル重合性組成物(2)~(8)を調製し、各物性を評価した。
【0062】
(比較例1~5:ラジカル重合性組成物(R1)~(R5)の調製及び評価)
実施例1で用いたポリエステルメタクリレート及び(メタ)アクリル単量体を、表3の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、ラジカル重合性組成物(R1)~(R5)を調製し、各物性を評価した。
【0063】
上記で得たラジカル重合性組成物(1)~(8)及び(R1)~(R4)の組成及び評価結果を表1~2に示す。
【0064】
【0065】
【0066】
表中の略号は下記の通りである。
MMA:メチルメタクリレート
2-EHA:2-エチルヘキシルアクリレート
IBXA:イソボルニルアクリレート
DCPDOEMA:ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート
1,9NDDA:1,9-ノナンジオールジアクリレート
n-BA:n-ブチルアクリレート
ACMO:アクリロイルモルホリン
【0067】
実施例1~8の本発明のラジカル重合性組成物は、低粘度であり、可使時間が長く、低温硬化性に優れ、低温柔軟性に優れる塗膜が得られることが確認された。
【0068】
比較例1及び2は、ポリエステル(メタ)アクリレート(A)の重合性二重結合濃度が上限である1mol/kgを超える例であるが、低温における塗膜柔軟性が不十分であることが確認された。
【0069】
比較例3は、ポリエステル(メタ)アクリレート(A)の芳香環濃度が上限である3mol/kgを超える例であるが、低温における塗膜柔軟性が不十分であることが確認された。
【0070】
比較例4は、ポリエステル(メタ)アクリレート(A)の代わりに、ウレタンアクリレートを使用した例であるが、低温における塗膜柔軟性が不十分であることが確認された。