(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055884
(43)【公開日】2024-04-19
(54)【発明の名称】基板処理モジュールおよびワークピースを移動させる方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024000515
(22)【出願日】2024-01-05
(62)【分割の表示】P 2023501062の分割
【原出願日】2021-04-09
(31)【優先権主張番号】16/923,792
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】サヴァンダイア キランクマール ニーラサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】イエドラ スリニヴァーサ ラオ
(72)【発明者】
【氏名】ブレゾツキー トーマス
(57)【要約】
【課題】基板処理モジュールと、ワークピースを移動させる方法とを提供する。
【解決手段】基板処理モジュールは、シャッタスタックおよび2つのプロセスステーションを含む。シャッタスタックは、プロセスステーション間に配置されている。ワークピースを移動させる方法は、支持部分を第1の場所からシャッタスタックまで第1の方向に移動させること、シャッタスタックからワークピースを取り出すこと、および支持部分を第2の場所まで移動させることを含む。この移送チャンバアセンブリおよび方法は、ワークピースをシャッタスタックまで移動させること、およびワークピースをシャッタスタックから2つのプロセスステーションまで移動させることを可能にする。基板処理モジュールの中心移送ロボットは、基板とシャッタディスクの両方を把持するように構成されており、通常は2つのロボットが必要とされるであろうときに1つのロボットで済ますことを可能にする。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のワークピースを格納するように構成されたシャッタスタックであり、前記1つまたは複数のワークピースが、基板またはシャッタディスクの1つまたは複数を含み、前記シャッタスタックが、
シャッタベース、
前記シャッタベースに結合された1つまたは複数のシャッタディスク支持体であり、前記1つまたは複数のシャッタディスク支持体の各々がシャッタディスクを支持するように構成された、前記1つまたは複数のシャッタディスク支持体、および
前記シャッタベースに結合された基板支持体であり、前記基板支持体が基板を支持するように構成された、前記基板支持体
を備える、前記シャッタスタックと、
2つのプロセスステーションであり、前記処理ステーション間に前記シャッタスタックが配置された、前記2つのプロセスステーションと
を備える基板処理モジュール。
【請求項2】
前記シャッタスタックが、
前記シャッタベースに結合されたシャッタアクチュエータであり、前記シャッタアクチュエータが前記シャッタベースを移動させるように構成された、前記シャッタアクチュエータ
をさらに備える、請求項1に記載の基板処理モジュール。
【請求項3】
前記プロセスステーションの各々が源アセンブリを備える、請求項1に記載の基板処理モジュール。
【請求項4】
前記源アセンブリが、ターゲット、マグネトロンアセンブリ、リッドおよびスパッタリング電力供給源を備える、請求項3に記載の基板処理モジュール。
【請求項5】
1つまたは複数のワークピースを格納するように構成されたシャッタスタックであり、前記1つまたは複数のワークピースが、基板またはシャッタディスクの1つまたは複数を含み、前記シャッタスタックが、
シャッタベース、
前記シャッタベースに結合された1つまたは複数のシャッタディスク支持体であり、前記1つまたは複数のシャッタディスク支持体の各々がシャッタディスクを支持するように構成された、前記1つまたは複数のシャッタディスク支持体、および
前記シャッタベースに結合された基板支持体であり、前記基板支持体が基板を支持するように構成された前記基板支持体、
を備える、前記シャッタスタックと、
2つのプロセスステーションであり、前記プロセスステーション間に前記シャッタスタックが配置された、前記2つのプロセスステーションと、
前記1つまたは複数のワークピースの少なくとも1つを前記シャッタスタックから前記プロセスステーションの1つに移送するように構成された1つまたは複数の支持部分を備える中心移送ロボットと
を備える基板処理モジュール。
【請求項6】
前記シャッタスタックが、
前記シャッタベースに結合されたシャッタアクチュエータであり、前記シャッタアクチュエータが前記シャッタベースを移動させるように構成された、前記シャッタアクチュエータ
をさらに備える、請求項5に記載の基板処理モジュール。
【請求項7】
前記プロセスステーションの各々が源アセンブリを備える、請求項5に記載の基板処理モジュール。
【請求項8】
前記源アセンブリが、ターゲット、マグネトロンアセンブリ、リッドおよびスパッタリング電力供給源を備える、請求項7に記載の基板処理モジュール。
【請求項9】
前記1つまたは複数の支持部分の各々が、前記基板および前記シャッタディスクを掴持するように構成されている、請求項5に記載の基板処理モジュール。
【請求項10】
前記支持部分の各々が、前記支持部分を前記中心移送ロボットに対して移動させるように構成された支持部分アクチュエータを備える、請求項9に記載の移送チャンバアセンブリ。
【請求項11】
ワークピースを移動させる方法であって、
支持部分を第1の場所からシャッタスタックまで第1の方向に移動させること、
前記シャッタスタックから、基板またはシャッタディスクである前記ワークピースを取り出すこと、および
前記支持部分を第2の場所まで移動させること
を含む方法。
【請求項12】
前記支持部分が、前記基板および前記シャッタディスクを掴持するように構成されている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の場所がプロセスステーションを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記プロセスステーションが、
頂部装置、および
上チャンバ
を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記支持部分が支持部分アクチュエータを備え、前記ワークピースを取り出すことが、
前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に前記支持部分を移動させること
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記シャッタスタックから前記ワークピースを取り出すことが、
(1)前記シャッタスタックから前記シャッタディスクを取り出すこと、または
(2)前記シャッタスタックから前記基板を取り出すこと
のいずれかを含み、前記シャッタディスクを取り出すことと前記基板を取り出すことが、前記第2の方向の異なる高さで実行される、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記シャッタスタックが、
シャッタベースと、
前記シャッタベースに結合されたシャッタアクチュエータであり、前記シャッタアクチュエータが、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に前記シャッタベースを移動させるように構成された、前記シャッタアクチュエータと
を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記シャッタスタックが、
前記シャッタベースに結合された1つまたは複数のシャッタディスク支持体であり、前記1つまたは複数のシャッタディスク支持体の各々がシャッタディスクを支持するように構成された、前記1つまたは複数のシャッタディスク支持体と、
前記シャッタベースに結合された基板支持体であり、前記基板支持体が基板を支持するように構成された、前記基板支持体と
をさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記シャッタスタックから前記ワークピースを取り出すことが、
(1)前記シャッタスタックから前記シャッタディスクを取り出すこと、または
(2)前記シャッタスタックから前記基板を取り出すこと
のいずれかを含み、前記シャッタディスクを取り出すことと前記基板を取り出すことが、前記第2の方向の異なる高さで実行される、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記支持部分が、
第1の掴持器、および
第2の掴持器
を備える、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は一般に装置および方法に関し、より詳細には、基板処理モジュールと、ワークピースを移動させる方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のクラスタツールは、基板処理中に1つまたは複数プロセスを実行するように構成されている。例えば、クラスタツールは、基板に対して物理的気相堆積(PVD)プロセスを実行するためのPVDチャンバ、基板に対して原子層堆積(ALD)プロセスを実行するためのALDチャンバ、基板に対して化学気相堆積(CVD)プロセスを実行するためのCVDチャンバ、および/または他の1つもしくは複数の処理チャンバを含みうる。
【0003】
上述のクラスタツールは、システム内のさまざまな処理チャンバに基板およびシャッタディスクなどのワークピースを移動させるため、ならびにシステム内のさまざまな処理チャンバとの間で基板およびシャッタディスクなどのワークピースを移動させるための移送システムを含む。例えば、基板またはシャッタディスクのいずれかを掴持するために、多数のアームを有するカルーセルシステムが使用される。カルーセルシステムを回転させると、ワークピースは、クラスタツール内のさまざまな処理チャンバに移動したり、クラスタツール内のさまざまな処理チャンバから移動したりする。カルーセルは通常、掴持する所望のワークピースに応じて、異なる形態および機能を有する異なる掴持アームを有する。
【0004】
この技術の1つの欠点は、カルーセルは通常、基板またはシャッタディスクのいずれかを掴持するように設計されており、このことが、多数のタイプのカルーセルまたは把持アームの使用につながることである。さらに、ワークピースを格納するシャッタガレージはしばしばクラスタツールの非高真空部分に位置し、ワークピースをスタックからツールの他の部分に移送するときには真空をポンプダウンする必要がある。
【0005】
したがって、求められているのは、単一の移送システムを使用して基板とシャッタディスクの両方を移送することができる基板処理モジュールである。
【発明の概要】
【0006】
本明細書に開示された実施形態は、基板処理モジュールと、ワークピースを移動させる方法とを含む。この基板処理モジュールおよび方法は、同じ移送システムを使用してシャッタディスクおよび基板を移動させることを可能にする。
【0007】
一実施形態では、移送チャンバアセンブリが提供される。移送チャンバアセンブリは、シャッタスタックおよび2つの処理領域を含む。シャッタスタックは、処理領域間に配置されている。シャッタスタックは、1つまたは複数のワークピースを格納するように構成されている。1つまたは複数のワークピースは基板またはシャッタディスクを含む。シャッタスタックは、シャッタベース、1つまたは複数のシャッタディスク支持体および基板支持体を含む。1つまたは複数のシャッタディスク支持体はシャッタベースに結合されている。1つまたは複数のシャッタディスク支持体は、シャッタディスクを支持するように構成されている。基板支持体はシャッタベースに結合されている。基板支持体は、基板を支持するように構成されている。
【0008】
別の実施形態では、移送チャンバアセンブリが提供される。移送チャンバアセンブリは、シャッタスタック、2つの処理領域および中心移送デバイスを含む。シャッタスタックは、処理領域間に配置されている。シャッタスタックは、1つまたは複数のワークピースを格納するように構成されている。1つまたは複数のワークピースは基板またはシャッタディスクを含む。シャッタスタックは、シャッタベース、1つまたは複数のシャッタディスク支持体および基板支持体を含む。1つまたは複数のシャッタディスク支持体はシャッタベースに結合されている。1つまたは複数のシャッタディスク支持体は、シャッタディスクを支持するように構成されている。基板支持体はシャッタベースに結合されている。基板支持体は、基板を支持するように構成されている。中心移送デバイスは1つまたは複数の移送アームを含む。移送アームは、1つまたは複数のワークピースの少なくとも1つをシャッタスタックから処理領域の1つに移送するように構成されている。
【0009】
さらに別の実施形態では、ワークピースを移動させる方法が提供される。この方法は、外側端部を第1の場所からシャッタスタックまで第1の方向に移動させること、シャッタスタックからワークピースを取り出すこと、および外側端部を第2の場所まで移動させることを含む。ワークピースは基板またはシャッタディスクである。
【0010】
上に挙げた本開示の特徴を詳細に理解することができるように、そのうちのいくつかが添付図面に示されている実施形態を参照することによって、上に概要を簡単に示した開示がより具体的に説明されていることがある。しかしながら、添付図面は、例示的な実施形態だけを示しており、したがって、添付図面を、本開示の範囲を限定するものとみなすべきではなく、添付図面は、等しく有効な他の実施形態を受け入れる可能性があることに留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】本明細書に開示された方法および/または装置の使用によって形成および/または処理された複数の膜層がその上に堆積した基板の部分断面図である。
【
図1B】本明細書に開示された方法および/または装置の使用によって形成および/または処理された堆積材料層で覆われ、内張りされ、埋められた特徴がその上に形成された基板の部分断面図である。
【
図2A】1つまたは複数の実施形態による、基板を処理するためのプロセスステーションをその中に含む処理モジュールを含む処理システムの平面図である。
【
図2B】1つまたは複数の実施形態による、基板を処理するためのプロセスステーションを各々がその中に含む複数の処理モジュールを含む処理システムの代替形態の平面図である。
【
図3A】1つまたは複数の実施形態による、
図2Aの処理モジュールの等角図である。
【
図3B】1つまたは複数の実施形態による、
図2Aの処理モジュールの平面図である。
【
図4A】1つまたは複数の実施形態による、処理モジュールのプロセスステーションの下方の移送位置にある基板支持体を示す、
図2Aの処理モジュールの部分の部分断面図である。
【
図4B】1つまたは複数の実施形態による、密閉された基板プロセスボリュームをそれによって形成するためにプロセス位置まで持ち上げられた基板支持体を示す、
図2Aの処理モジュールの部分断面図である。
【
図4C】1つまたは複数の実施形態による、処理モジュールのプロセスステーションの下方の移送位置にある基板支持体の代替構成を示す、
図2Aの処理モジュールの部分の部分断面図である。
【
図4D】1つまたは複数の実施形態による、密閉された基板プロセスボリュームをそれによって形成するためにプロセス位置まで持ち上げられた
図4Cに示された基板支持体の代替構成を示す、
図2Aの処理モジュールの部分断面図である。
【
図5A】1つまたは複数の実施形態による、
図2Aの処理モジュール内のプロセスステーション間で基板を移動させるのに役立つロボットの概略平面図である。
【
図5B】1つまたは複数の実施形態による、
図5Aのロボットの一実施態様の等角図である。
【
図5C】1つまたは複数の実施形態による、
図5Aおよび5Bのロボット構成の代替ロボット構成の平面図である。
【
図6】1つまたは複数の実施形態による、
図4Bの処理モジュールのプロセスステーションの部分断面図である。
【
図7A】1つまたは複数の実施形態による、源アセンブリの処理面と処理モジュール内に配置された基板支持面との共平面性(co-planarity)を維持するのに役立つ構造支持アセンブリを含む処理モジュールの等角図である。
【
図7B】1つまたは複数の実施形態による、
図7Aに示された処理モジュールのチャンバ上壁に配置された構造支持アセンブリの拡大等角図である。
【
図8】1つまたは複数の実施形態による、
図7Aに示された切断線8-8に沿って形成された処理モジュールの側断面図である。
【
図9A】1つまたは複数の実施形態による、
図2Aの処理モジュールの代替構成の平面図である。
【
図9B】1つまたは複数の実施形態による、処理モジュール内でのパドルロボットの運動経路を示す、
図9Aの処理モジュールの本体下部の平面図である。
【
図10A】いくつかの実施形態による、スカートおよび静電チャック(ESC)の上に配置されたシャッタディスクの側面図である。
【
図10B】いくつかの実施形態による、スカートおよび静電チャック(ESC)の上に配置されたシャッタディスクの側面図である。
【
図10C】いくつかの実施形態による、スカートおよび静電チャック(ESC)の上に配置されたシャッタディスクの側面図である。
【
図10D】一実施形態による、シャッタディスクの上面図である。
【
図11A】一実施形態による、支持部分の上面図である。
【
図11B】一実施形態による、支持部分の側面図である。
【
図11C】いくつかの実施形態による、支持部分の運動を示す図である。
【
図11D】いくつかの実施形態による、支持部分の運動を示す図である。
【
図12A】一実施形態による、第1の位置にあるシャッタスタックを示す図である。
【
図12B】一実施形態による、第2の位置にあるシャッタスタックを示す図である。
【
図12C】いくつかの実施形態による、第1の位置にあるシャッタスタックを示す図である。
【
図12D】いくつかの実施形態による、第1の位置にあるシャッタスタックを示す図である。
【
図13】一実施形態による、ワークピースを移動させるための方法の操作の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
理解を容易にするため、可能な場合には、図に共通する同一の要素を示すために、同一の参照符号を使用した。特段の言及がなくとも、1つの実施形態の要素および特徴を、別の実施形態に有益に組み込むことができることが企図される。
【0013】
本明細書に開示された実施形態は、基板処理モジュールと、ワークピースを移動させる方法とを含む。基板処理モジュールは、シャッタスタックおよび2つの処理領域を含む。シャッタスタックは、処理領域間に配置されている。ワークピースを移動させる方法は、支持部分を第1の場所からシャッタスタックまで第1の方向に移動させること、シャッタスタックからワークピースを取り出すこと、および支持部分を第2の場所まで移動させることを含む。この基板処理モジュールおよび方法は、ワークピースをシャッタスタックまで移動させること、およびワークピースをシャッタスタックから2つの処理領域まで移動させることを可能にする。基板処理モジュールの中心移送ロボットは、基板とシャッタディスクの両方を把持するように構成されており、通常は2つのロボットが必要とされるであろうときに1つのロボットで済ますことを可能にする。シャッタスタックを高真空環境に置くことは、基板をシャッタスタックから処理領域まで移送するときに真空をポンプアップおよびポンプダウンする必要性を低下させる。本開示の実施形態は、限定はされないが、基板およびシャッタディスクを同じ装置で移送するのに役立ちうる。
【0014】
本明細書に記載された開示の一実施形態では、
図2Aに示された基板処理システムが、フロントエンド220としても知られている大気圧または周囲圧力インプットおよびアウトプットハンドリングステーション、多数のプロセスステーション260がその上に配置された基板処理モジュール250、ならびに少なくとも1つの中間セクション202を含む。フロントエンド220もしくは処理モジュール250から中間セクション202に基板が移送され、または中間セクション202からフロントエンド220もしくは処理モジュール250に基板が移送される。本明細書に記載された開示は一般に、6つのプロセスステーションを含む処理モジュールを示しているが、この構成が、本明細書に記載された発明の範囲を限定することは意図されていない。これは、代替として、処理モジュール250が、2つ以上のプロセスステーション260、例えば4つ以上のプロセスステーション260(例えば
図9A~9B)、8つ以上のプロセスステーション260、10個以上のプロセスステーション260またはさらには12個以上のプロセスステーション260を含むことがありうるためである。しかしながら、オンチップインダクタ(On chip Inductor)用途、光学膜スタック用途、ハードマスク用途、パターン形成用途およびメモリ用途などの多層膜スタックを含む次世代デバイスを形成するのに使用されるプロセスシーケンスでは、形成される層の数、およびそれぞれの層を形成するのに使用される同様の処理時間のために、6つまたは12個のプロセスステーションを含む処理モジュール250の構成が、当技術分野で知られているより従来的な設計に比べて基板スループット、システムフットプリントおよびCoOを向上させると考えられる。
【0015】
図2Aおよび2Bの処理システム200などの処理システムは、基板Sの表面に1つまたは複数の薄膜を形成するため、および/または基板S上の以前に形成もしくは処理された層上に1つまたは複数の薄膜を形成するために使用される。
図1Aは、複数の薄膜層102および103がその上に形成された基板Sの部分101を示しており、
図1Bは、基板Sの導電層121上に形成された以前に形成された層122の上に広がる複数の膜層を示している。
【0016】
図1Aには、基板Sの部分101上に、または基板S上に以前に形成された層上に順番に積層された複数の膜層104が示されている。例えば、基板処理モジュール250内の6つのプロセスステーション260A~260Fにアクセスすることが可能な
図2Aの処理システムを使用して、基板上に複数の第1の薄膜層102および複数の第2の薄膜層103を順番に堆積させることができるような態様で、基板を、それぞれのプロセスステーション260の中心場所を通る想像上の円252(
図3B)の円周に沿って順番に移動させることができる。それぞれのプロセスステーション260A~260Fは、堆積プロセス、例えばPVD、CVD、ALD(原子層堆積)もしくは他のタイプの堆積プロセスまたはエッチングプロセスを可能にするように独立してまたは同じように構成されたものとすることができる。例えば、基板上に金属層102A~102Cを堆積させることができ、金属層102A~102Cは金属からなるものとすることができ、基板上に反応性金属層103A~103Cを堆積させることができ、反応性金属層103A~103Cは反応性金属(例えば金属窒化物)からなるものとすることができ、反応性金属層103A~103Cの金属は金属層102A~102Cの金属と同じ金属である。この例では、処理モジュール250で実行される基板処理シーケンス中に、そのプロセスシーケンスが、金属層を形成し、続いて反応性金属層を形成することを可能にするような態様で、プロセスステーション260B、260Dおよび260Fが、反応性PVD堆積プロセスを使用することによって、基板の露出した表面に反応性金属層103A~103C(例えばTaN、TiN、AlNまたはSiN層)を形成するために使用され、プロセスステーション260A、260Cおよび260Eが、非反応性PVD堆積プロセスを使用することによって、純金属層102A~102C(例えばTa、Ti、Al、Co、Si層)を形成するために使用される。プロセスステーション260A~260Fの全てのプロセスステーションで基板を順番に移動させ、処理することによって、純金属/反応性金属/純金属/反応性金属/純金属/反応性金属の多層膜スタックを形成することができる。あるいは、薄膜層102および103の基材を異なる材料とすることもでき、その場合には、第1のタイプの材料と第2のタイプの材料の互層を形成するために、プロセスステーション260A、260Cおよび260Eで第1の材料タイプのスパッタリングターゲットがスパッタリングされ、プロセスステーション260B、260Dおよび260Fで第2のタイプのターゲットがスパッタリングされる。ここでは、例えば、金属層102A~102Cと誘電体層103A~103Cの互層、または金属層102A~102Cと半導体層103A~103Cの互層、例えばモリブデンとケイ素の互層を形成することができる。同様に、同じ材料の多層膜を形成することもでき、その場合には、層102A~102Cおよび103A~103Cの全てが同じ材料であり、それぞれのプロセスステーションに基板を順番に移動させて、それぞれのプロセスステーション260で基板上に同じ材料を堆積させる。スパッタターゲット材料および処理パラメータ(例えば処理圧力)の選択、ならびにプロセスステーション260内でプラズマを形成するのに使用するガスの性質を不活性にするのかまたは反応性にするのかの選択は、その上に形成される膜スタック内の膜の材料および材料特性を制御する柔軟性を処理システム200のユーザまたはオペレータに与えるような形で、ユーザが選択可能である。スタック層堆積プロセス(例えば薄膜層102および103を形成するためのプロセス)が同様のチャンバ処理時間を有する
図1Aに示されているような反復スタック層の構成を形成するために使用される基板処理シーケンスでは、本明細書に開示された1つまたは複数のシステム構成および方法を使用したときに、スループットのかなりの増大およびCoOの改善が観察されることが分かった。一例では、90秒未満の処理時間、例えば5秒から90秒の間の処理時間を有するスタック層堆積プロセスを含む基板処理シーケンスは、後にさらに論じる、本明細書に記載されたアーキテクチャを使用して達成されるより短い基板移送オーバヘッド時間の追加と組み合わせたときに、現在の従来の処理システム設計よりもかなり有利になることが分かった。
【0017】
処理モジュール250にロードされた基板がそれぞれのプロセスステーション260A~260Fで処理される必要はない。例えば、プロセスステーション260A~260Fのそれぞれのプロセスステーションは同じスパッタターゲット材料を使用することができ、プロセスステーション260の数に等しい数の基板が処理モジュール250にロードされ、それぞれの基板は、基板上に同じ材料膜層を堆積させるために異なる1つのプロセスステーション260で処理される。その後、これらの基板は全て処理モジュール250から取り出され、処理モジュール250に等しい数の基板が再びロードされ、これらのそれぞれの基板の処理は、プロセスステーションの異なる単一の1つによって実行される。あるいは、想像上の円の円周に沿って配列された隣り合うそれぞれのプロセスステーションで異なるプロセスが実行される。例えば、第1のタイプの膜層を堆積させる第1の堆積プロセスがプロセスステーション260A、260Cおよび260Eで実行され、第2のタイプの膜層を堆積させる第2の堆積プロセスがプロセスステーション260A、260Cおよび260Eで実行される。しかしながら、このケースでは、個々の基板が2つのプロセスステーション260だけにさらされる。例えば、第1の基板はプロセスステーション260Aおよび260Bだけにさらされ、第2の基板はプロセスステーション260Cおよび260Dだけにさらされ、第3の基板はプロセスステーション260Eおよび260Fだけにさらされる。次いで基板は取り出される。同様に、システム内でのそれぞれの基板プロセスを、最高で全てのプロセスステーション260で処理することもでき、それぞれのプロセスステーション260で実行されるプロセスは、同じプロセスとすることができ、または残りのプロセスステーション260の1つもしくは全てのプロセスステーションとは異なるプロセスとすることができる。
【0018】
図1Bを参照すると、誘電体層122の内側に延びる特徴126が示されている。ここで、この特徴、例えばトレンチ、コンタクトまたはビアは、パターン形成されたマスク(図示せず)を通して誘電体層122をパターンエッチングするなどによって、誘電体層122内に誘電体層122を貫いて形成されたものである。
図1Bでは、特徴126が、ビア開口128の中に配置された導電性ビアであり、ビア開口128は、基板(図示せず)上に以前に形成されたその下の導電層121、例えば集積回路デバイスで使用される銅層まで下方に延びている。ビア開口128の中に特徴126を形成するために、最初に、誘電体層122の上面またはフィールド127の上、ビア開口128の側壁の上、および導電層121のビア開口128の底に露出した部分の上に、バリア層123が形成される。バリア層123は、単一の材料層、または積み重なった2種類以上の異なる材料を含むことができる。例えば、タンタル膜層とそれに続く窒化タンタル膜層の2重層を使用することができ、2重層のそれぞれの副層は、
図2Aのプロセスステーション260A~260Fの1つまたは複数で形成することができる。次いで、以前に堆積させたバリア層123の上にシード層124、例えば銅の薄層が形成される。シード層124は、処理システム200とは別の銅めっきツールでシード層124の上に銅層125をめっきするのを促進するために使用される。ここで、処理システム200を使用して、プロセスステーション260A、260Bで、同じ基板上にタンタルターゲットからタンタル2重層をスパッタリングすることができ、次いで、プロセスステーション260C、260Dで、不活性ガス-窒素ガスプラズマ中でのタンタルターゲットの反応性スパッタリングによってタンタル層上に窒化タンタル層を堆積させて、タンタル層上に窒化タンタル層を形成することができ、プロセスステーション260E、260Fで、不活性ガスプラズマ中で銅ターゲットをスパッタリングすることによって、窒化タンタル層の上に銅シード層が形成される。あるいは、プロセスステーション260Aまたは260Dで基板上にタンタル層を堆積させること、プロセスステーション260Bまたは260Eで基板上に窒化タンタル層を堆積させること、およびプロセスステーション260Cまたは260Fで基板上に銅シード層を堆積させられることもできる。この構成では、プロセスステーション260A~260Cで第1の基板が順番に処理され、プロセスステーション260D~260Fで第2の基板が順番に処理される。後にさらに論じるが、一群の処理シーケンスで材料を堆積させる目的に使用される、
図1Bに示されているような基板処理シーケンスは、本明細書に開示されたシステム設計および方法の1つまたは複数を使用したときに、スループットのかなりの増大を達成すると考えられる。
【0019】
図2Aを再び参照すると、処理システム200は一般に、処理モジュール250、処理モジュール250とフロントエンド220との間に結合された中間セクション202、およびシステムコントローラ299を含む。
図2Aに示されているとおり、中間セクション202は、一対のロードロックチャンバ230A、230Bおよび一対の中間ロボットチャンバ280A、280Bを含む。ロードロックチャンバ230A、230Bはそれぞれ別々に、ロードロックチャンバの1つの側面の対応するそれぞれの第1のバルブ225A、225Bを通してフロントエンド220に接続されており、対応するそれぞれの第2のバルブ235A、235Bを通してそれぞれ中間ロボットチャンバ280A、280Bの1つに接続されている。動作中に、フロントエンド220のフロントエンドロボット(図示せず)が、フロントエンド220からロードロックチャンバ230Aもしくは230Bに基板を移動させ、またはロードロックチャンバ230A、230Bから基板を取り出す。次いで、ロードロックチャンバ230A、230Bのうちの1つの関連ロードロックチャンバに接続された関連中間ロボットチャンバ280A、280Bのうちの1つの中間ロボットチャンバ内の中間ロボット285A、285Bが、ロードロックチャンバ230Aまたはロードロックチャンバ230Bから対応する中間ロボットチャンバ280A、280Bに基板を移動させる。一実施形態では、中間セクション202がさらに、中間ロボットチャンバ280に接続された前洗浄/ガス抜きチャンバ292、例えば、中間ロボットチャンバ280Aに接続された前洗浄/ガス抜きチャンバ292Aおよび中間ロボットチャンバ280Bに接続された前洗浄/ガス抜きチャンバ292Bを含む。フロントエンド220からロードロックチャンバ230A、230Bの1つにロードされた基板は、関連中間ロボット285Aまたは285Bによって、ロードロックチャンバ230Aまたは230Bから前洗浄/ガス抜きチャンバ292Aまたは292B内に移動する。前洗浄/ガス抜きチャンバ292A、292B内で、基板は、吸着した水分または揮発可能な他の材料を基板から揮発させるために加熱され、基板上の残留汚染物材料を除去するプラズマエッチングプロセスにかけられる。その後、基板は、適切な関連中間ロボット285Aまたは285Bによって、対応する中間ロボットチャンバ280Aまたは280Bに戻され、次いで、基板処理モジュール250のプロセスステーション260、ここではプロセスステーション260Aまたは260Fの基板支持体672(
図4A、B)上に移動する。いくつかの実施形態では、
図4Aおよび4Bに示されているように、一旦、基板支持体672上に置かれると、基板Sは、処理モジュール250でのその全ての処理が完了するまで基板支持体672上に留まる。
【0020】
ここで、ロードロックチャンバ230A、230B内の圧力を大気圧よりも低い約10-3トル程度の圧力に低下させるため、ロードロックチャンバ230Aおよびロードロックチャンバ230Bはそれぞれ真空ポンプ(図示せず)、例えば荒引きポンプ(roughing pump)に接続されており、ポンプの出力は排気ダクト(図示せず)に接続されている。ロードロックチャンバ内の圧力を低下させるため、それぞれのロードロックチャンバ230Aまたは230Bを、それ専用の真空ポンプ、または処理システム200内の1つもしくは複数の構成要素と共用の真空ポンプ、または真空ポンプ以外のハウスイグゾースト(house exhaust)に接続することができる。それぞれの場合に、第1のバルブ225Aまたは225Bがそれぞれ開いており、ロードロックチャンバ230A、230Bの内部が大気圧または周囲圧力条件にさらされているときに、真空ポンプまたはハウスイグゾーストに接続されたロードロックチャンバ230A、230Bのポンピング出口を、ロードロックチャンバ230A、230Bの内部ボリュームから分離する、または実質的に分離するため、ポンプまたはハウスイグゾーストへのロードロックチャンバ230A、230Bの排気管上にバルブ(図示せず)を提供することができる。
【0021】
例えば前洗浄/ガス抜きチャンバ292B内で基板が処理された後、中間ロボット285Bが前洗浄/ガス抜きチャンバ292Bから基板を取り出す。処理モジュール250の壁に形成された開口504B(
図3Aおよび4A)を露出させるために、中間ロボットチャンバ280Bと処理モジュール250の間に配置されたプロセスチャンババルブ244Bが開かれ、中間ロボット285Bが、開口504Bを通して処理モジュール250のプロセスステーション260Fに基板を移動させ、プロセスステーション260Fで基板が受け取られて、処理モジュール250のプロセスステーションのうちの1つまたは複数のプロセスステーション内で処理される。同様に、フロントエンド220からロードロックチャンバ230Aを通して前洗浄/ガス抜きチャンバ292Aに基板を移動させ、次いで、プロセスチャンババルブ244A(
図2A)および処理モジュール250の壁の開口504Aを通して処理モジュール250に基板を移動させて、プロセスステーション260Aで受け取られるようにすることもできる。あるいは、プロセスチャンババルブ244A、244Bをなくし、中間ロボットチャンバ280A、280Bを処理モジュール250の内部と遮断なしに直接に流体連結することもできる。
【0022】
ロードロックチャンバ230A、230Bおよび中間ロボットチャンバ280A、280Bはそれぞれ、フロントエンド220から処理モジュール250内へ、および処理モジュール250からフロントエンド220内へ基板を渡すように構成されている。したがって、第1の中間ロボットチャンバ280Aについて言うと、処理モジュール250のプロセスステーション260Aに配置された基板を取り出すために、プロセスチャンババルブ244Aが開かれ、中間ロボット285Aがプロセスステーション260Aから基板を取り出し、中間ロボットチャンバ280Aとロードロックチャンバ230Aとの間に接続された開いた第2のバルブ235Aを通して基板を移動させて、ロードロックチャンバ230Aに入れる。基板を載せて移動させた中間ロボット285Aのエンドエフェクタはロードロックチャンバ230Aから退き、ロードロックチャンバ230Aの第2のバルブ235Aが閉じられ、任意選択で、ロードロックチャンバ230Aの内部ボリュームが、ロードロックチャンバ230Aに接続された真空ポンプから分離される。次いで、ロードロックチャンバ230Aに接続された第1のバルブ225Aが開かれ、フロントエンド220のロボットが、ロードロックチャンバ230A内の基板をピックアップし、基板を、格納場所、例えば、フロントエンド220内に位置するまたはフロントエンド220の側壁に接続されたカセットまたはフロントオープニングユニフィイドポッド(front-opening unified pod)(FOUP)210に移動させる。同様に、中間ロボットチャンバ280B、中間ロボット285B、ロードロックチャンバ230Bならびにロードロックチャンバ230Bの関連バルブ235Bおよび225Bを使用して、基板を、プロセスステーション260Fの場所からフロントエンド220に移動させることもできる。処理モジュール250からフロントエンド220へ基板を移動させる間、フロントエンド220へ移動中の基板が通過する中間ロボットチャンバ280A、280Bに接続された前洗浄/ガス抜きチャンバ292A、292B内に異なる基板を置いておくことができる。それぞれの前洗浄/ガス抜きチャンバ292A、292Bは、その前洗浄/ガス抜きチャンバが取り付けられた中間ロボットチャンバ280A、280Bからバルブによって分離されているため、対応するそれぞれの前洗浄/ガス抜きチャンバ292A、292B内での基板の処理を妨げることのない、処理モジュール250からフロントエンド220への異なる基板の通過を保証することができる。
【0023】
システムコントローラ299は、処理システム200内にある自動化された構成要素の動作および操作パラメータを制御する。一般に、この処理システムによる基板の移動の大部分は、システムコントローラ299によって送られたコマンドの使用により、本明細書に開示された自動化されたさまざまなデバイスを使用して実行される。システムコントローラ299は、処理システム200内にある1つまたは複数の構成要素を制御するために使用される汎用コンピュータである。システムコントローラ299は一般に、本明細書に開示された処理シーケンスのうちの1つまたは複数の処理シーケンスの制御および自動化を容易にするように設計されており、通常は、中央処理ユニット(CPU)(図示せず)、メモリ(図示せず)および支援回路(またはI/O)(図示せず)を含む。CPUに命令するために、ソフトウェア命令およびデータを符号化し、メモリ(例えば非一過性コンピュータ可読媒体)に記憶することができる。システムコントローラ内の処理ユニットが読むことができるプログラム(またはコンピュータ命令)が、処理システム内でどのタスクが実行可能かを判定する。例えば、非一過性コンピュータ可読媒体は、処理ユニットによって実行されたときに本明細書に記載された方法の1つまたは複数を実行するように構成されたプログラムを含む。このプログラムは、基板の移動、支持および/または位置決めならびに実行中のさまざまなプロセス方策タスクおよびさまざまな処理モジュールプロセス方策ステップの監視、実行および制御に関するタスクを実行するための符号を含むことが好ましい。
【0024】
図2Bを参照すると、処理システム200Aの代替構造が示されており、この構造では、ロードロックチャンバ230A、230Bと1つまたは複数の処理モジュール250との間に移送チャンバ240が置かれている。本明細書の開示の範囲を限定することは意図されていないが、
図2Bに示された処理システム200Aは、別個の中間ロボットチャンバ280A、280Bまたは前洗浄/ガス抜きチャンバ292A、292Bを含んでいない。ここで、移送チャンバロボット242がその中に位置する中間移送チャンバ240を使用することによって、単一のフロントエンド220に多数の処理モジュール250を接続することが可能である。ここで、平面図で見たときに移送チャンバ240は全体に矩形であり、全体に平面の4つの垂直壁246を含み、そのうちの3つの壁には処理モジュール250が取り付けられており、第4の壁には、それぞれ第2のバルブ235A、235Bおよびプロセスチャンババルブ244A、244Bを通してロードロックチャンバ230A、230Bが接続されている。ここで、ロードロックチャンバ230A、230Bのそれぞれの第2のバルブ235A、235Bが閉じられている間に、フロントエンドロボットが、ロードロックチャンバ230A、230Bの1つに基板を入れた後、次いで、ロードロックチャンバ230A、230Bのそれぞれの第1のバルブ225A、225Bが閉じられ、ロードロックチャンバ230A、230Bの第2のバルブ235A、235Bが開かれ、移送チャンバロボット242(
図2Bでは概略的に示されている)が、ロードロックチャンバ230Aまたは230Bから基板を取り出し、処理システムバルブ248を通して、基板を、処理モジュール250の第1のプロセスステーション260Aの1つに入れる。処理システムバルブ248は、ステーション260Aでその処理モジュール内に基板を移動させたり、その処理モジュールから基板を移動させたりするために選択的に開くことができ、処理モジュール250の内部ボリューム(例えば移送領域401)から移送チャンバ240の内部ボリュームを分離するために閉じることができる。
【0025】
処理システム200A内には、
図2Aの処理システム200の場合のような中間ロボットチャンバ280A、280Bおよび/または前洗浄/ガス抜きチャンバ292A、292Bがないため、基板上に膜層を堆積させる前に前洗浄プロセスを実行することを可能にするため、基板の前洗浄は、プロセスステーション260Aなど、処理モジュール250の1つまたは複数で実行される。
【0026】
図2A、3A~3B、4A~4B、5および8を参照すると、処理モジュール250内の構成要素および処理モジュール250の内部領域の追加の詳細が示されている。
図4Aおよび4Bに示されているように、処理モジュール250の上壁616の中心開口713(
図2A、3Bおよび8)の上には、取外し可能な中心カバー690が広がっている。中心カバー690が取外し可能であるのは、処理モジュール250の中心移送ロボット245のサービス作業を実行するために処理モジュール250の内部移送領域401にアクセスすることを可能にするためである。少なくとも1つの基板移送開口、ならびに
図3Aおよび4A~4Bの処理モジュール250の場合には2つの基板移送開口504A、504Bが、周囲壁619の外面から内側に処理モジュール250の移送領域401内へ延びている。移送開口504A、504Bは、中間ロボット285A、285Bまたは中心移送ロボット245が、処理モジュール250の外側に配置された基板を、中心移送ロボット245の支持アーム308上に配置された基板支持体672上の位置に移送することを可能にする。あるいは、移送開口504A、504Bは、中間ロボット285A、285Bまたは中心移送ロボット245が、中心移送ロボット245の支持アーム308上に配置された基板支持体672から基板を除去することを可能にする。
【0027】
図4Aおよび4Bには、
図2Aおよび3A~3Bのプロセスステーション260Fが示されており、処理モジュール250のプロセスステーション260F内へ開口504Bが開いている。この例では、開口504Aの場所が、プロセスステーション260Aに隣接する場所に対応する。処理モジュール250は、中心移送ロボット245(
図3A、3B)を含むように構成されており、中心移送ロボット245から半径方向に複数の支持アーム308が延びている。いくつかの実施形態では、
図5Aに示されているように、支持アーム308の数が、処理モジュール250のプロセスステーション260の数に等しい。しかしながら、中心移送ロボット245の支持アーム308の数を、処理モジュール250のプロセスステーション260の数よりも少なくすること、またはプロセスステーション260の数よりも多くすることもできる。一実施形態では、移送領域内で一度により多くの基板を移送することを可能にするため、ならびに/または一部の支持アーム308が、追加のハードウェア構成要素、例えばPVDターゲットの表面から汚染を除去するためのPVDペースティング操作を実行するために使用されるペースティングディスク(pasting disc)および/もしくはシャッタディスク(図示せず)を支持することを可能にするために、支持アーム308の数がプロセスステーション260の数よりも多い。PVDペースティング操作は通常、プロセスステーション260内で、同じ基板プロセスステーション260で実行される2つの基板PVD堆積プロセス間に実行される。
【0028】
プロセスステーション260は、中心軸253(すなわちZ方向に平行な軸)を中心とする、その中心が中心軸253と一致するような態様の想像上の円252(
図3B)に沿って配列されており、円周方向に互いから等間隔に配置されている。例えば、プロセスステーション260FがPVDタイプのプロセスステーション260であある場合、PVDターゲットの中心は想像上の円252の部分上にあり、残りのプロセスステーション260A~260Eのターゲットの中心は、想像上の円252に沿って円周方向に互いから等間隔に配置される。想像上の円252に沿って測定した隣り合う2つのプロセスステーション260の中心間の円周方向の間隔は、約700mm~約1000mmの間、例えば800mm~900mmの間とすることができる。いくつかの実施形態では、想像上の円252に沿って測定した隣り合う2つのプロセスステーション260の中心間の円周方向の間隔を、基板の直径(例えば直径150mm、200mm、300mmまたは450mmの基板)の約1倍~約2倍の間など、処理システム内で処理している基板の直径の約0.5倍超、処理システム内で処理している基板の直径の約3倍未満とすることができる。
【0029】
図3A~3B、4A~4Bおよび5A~5Bを参照すると、中心移送ロボット245は、中心支持体305を含むカルーセル型のロボットアセンブリ501であり、中心支持体305には、ねじファスナ(図示せず)などによって支持アーム308の近位端561が固定されている。中心支持体305は、処理モジュール250の下方に配置されたカルーセルモータ457(
図4A~4Bおよび8)によって回転し、下壁618(
図4A)に結合されたステッパモータまたはサーボモータを含むことができる。カルーセルモータ457はドライブシャフト457Aを含むことができる。カルーセルモータ457のドライブシャフトが回転したときに、中心支持体305およびそれぞれの支持アーム308を、中心軸253を中心とする弧に沿って回転させるように、ドライブシャフト457Aは中心支持体305に結合されており、中心軸253と一致している。本明細書では、カルーセルモータ457によって支持アーム308および基板支持体672が回転したときに支持アーム308および基板支持体672が通る回転ボリュームの最上位面を一般に移送平面と呼び、移送平面は
図4AのX-Y平面に対して平行である。中心支持体305およびそれぞれの支持アーム308は、真空ポンプ454によって別々に排気される移送領域401内に配置されており、真空ポンプ454は、処理モジュール250の移送領域401内の圧力を所望の圧力に維持することができるターボポンプ、クライオポンプ、荒引きポンプまたは他の有用なデバイスとすることができる。中心支持体305は一般に、下モノリス(lower monolith)720の下壁618に形成された中心開口723(
図8)の上に配置されている。後にさらに論じるが、プロセスステーション260で実行中のプロセスを移送領域401とは異なる真空圧力で制御および実行することができ、プロセスステーション260で実行中のプロセスが、移送領域401または隣接して配置された他のプロセスステーション260を汚染する懸念なしに異なるさまざまな処理ガスを使用することができるように、プロセスステーション260の移送領域401および処理領域460を別々に分離することが可能である。
【0030】
いくつかの実施形態では、支持アーム308が、プロセスステーション260の処理領域で処理する基板を支持するように構成された基板支持体672を支持するように構成されている。支持アーム308上に配置された基板支持体672上に配置された基板は、想像上の円252の部分の上に基板の中心が、その上への基板の配置の許容限界の範囲内で配置されるように配置される。同様に、それぞれの支持アーム308の基板支持体が置かれた領域または支持部分560(
図4A)も、中心支持体305を中心軸253の周りで回転させたときに支持部分560が中心軸253の周りを旋回した際に支持部分560の中心が想像上の円252の上を移動することを可能にするために、想像上の円252(
図3Bおよび5A)と整列している。
【0031】
プロセスステーション260、真空ポンプ265および中心移送ロボット245に加えて、
図3Bはさらに、基板処理モジュール250内に配置された1つまたは複数のシャッタスタック310を開示している。シャッタスタック310は、いずれかのプロセスステーション260と隣り合うプロセスステーション260との間に配置することができる。いくつかの実施形態では、シャッタスタック310の数が基板処理モジュール250内のプロセスステーション260の数と等しくなるように、基板処理モジュール250内に多数のシャッタスタック310が配置されている。いくつかの実施形態では、6つのプロセスステーション260の各々の間に1つのシャッタスタック310が配置されるような態様で、6つのシャッタスタック310が配置される。シャッタスタック310は、中心移送ロボット245の半径方向外側に配置することができる。いくつかの実施形態では、中心移送ロボット245の複数の支持部分560がさらに、基板をシャッタスタック310に移送するように、および基板をシャッタスタック310から移送するように構成されている。複数の支持部分560は、中心移送ロボット245から少なくとも部分的にシャッタスタック310の上方または下方まで半径方向外側に延びることができる。
【0032】
シャッタスタック310は、基板処理モジュール250にシャッタディスクを提供することができる。シャッタディスクは、プロセスステーション260を構成しているチャンバの初期バーニング中にプロセスステーション260のプリコンディショニングを実行する目的に利用することができ、またはターゲットもしくはプロセスキット洗浄のためにインシトゥ(その場)で使用することができる。シャッタディスクを、プロセスステーション260内のペーストプロセスに対して使用することができるようにすることもできる。ペーストプロセスは、欠陥または存続期間に起因する他の性能上の影響を低減させるために、存在する材料(ターゲットもしくはガス)を使用してまたは新たな材料(例えばガス)を追加して、プロセスステーション260内の全てのプロセス環境表面の上にブランクカバー(blank cover)膜を形成するインシトゥ(その場)コンディショニングプロセスステップである。シャッタディスクは、シャッタディスクがなければ普通はそのプロセスにさらされないであろう表面を保護するために使用される。
【0033】
プロセスステーション260内での処理操作と処理操作の間に、シャッタスタック310を使用して基板を格納することもできる。この実施形態では、第2のプロセスステーション260に移動させる前または基板処理モジュール250の外へ移送する前に、基板を、プロセスステーション260の1つからシャッタスタック310に移動させる。この実施形態は、1つもしくは複数の処理操作が他のプロセスよりも完了により多くの時間をとるときに基板処理モジュール250内での渋滞を防ぐ際に、または後続の処理操作の前に基板を休ませることが有益である場合に有益である。いくつかの実施形態では、シャッタスタック310の1つまたは複数がシャッタディスクを提供するために使用され、一方で、残りのシャッタスタックが、処理操作と処理操作の間に基板を格納する目的に使用される。いくつかの実施形態では、シャッタスタック310が、プロセスステーション260間で基板が冷却またはアニール化されるような態様の冷却またはアニールチャンバである。いくつかの実施形態では、基板処理モジュール250に存在するシャッタスタック310の数だけ支持部分560の数が増やされる。
【0034】
プロセスステーション260の外側にシャッタスタック330を配置すると、シャッタスタックの中に含まれるシャッタディスクおよび/または基板を、基板処理モジュール250の真空を中断することなく輸送することが可能になる。真空を中断する必要性が低下すると、基板処理モジュール250の処理時間が短縮し、ユーザのコストが低減する。シャッタスタック310の追加の詳細が下の
図12A~12Dに関する議論に示されている。
【0035】
図5Bを参照すると、
図2Aおよび2Bのプロセスステーション260A~260F間で基板支持体672を移送するのに有用な中心移送ロボットの一構成が示されている。ここで、中心支持体305は、中心に位置する貫通開口500を含み、貫通開口500は中心軸253を中心にして広がっており、中心支持体305を中心軸253の周りで回転させるために、貫通開口500の中に、処理モジュール250の下方に配置されたカルーセルモータ457(
図4A)のドライブシャフト457Aが接続されている。それぞれの支持アーム308は、支持部分560と近位端561との間に配置された延長アーム部分506を含む。延長アーム部分506は、中心軸253から延びる半径の両側に全体に平行に延びる重量低減および熱伝導低減用の少なくとも1つ、ここでは2つの切抜き領域510を有する。いくつかの構成では、延長アーム部分506が、平面図で見たときにc字形の端部領域508で終わり、支持部分560の部分を形成する。いくつかの構成では、c字形の端部領域508が、c字形の端部領域508が部分的に取り囲む貫通開口518の直径520よりも小さな距離だけ離隔した対向する端部514、516を含む。レイアウトが全体に円形である基板支持体672の周囲フランジ670(
図4A)は内径および外径を有し、周囲フランジ670は、プロセスステーション260間の基板支持体672の移動中に、およびプロセスステーション260で基板支持体672が支持部分560から持ち上げられる前に、支持部分560の上に載るように構成されている。
【0036】
図4A~4Bを参照すると、いくつかの実施形態では、支持アーム308が、支持アーム308の上面および支持部分560内に配置された複数の電気コンタクト453(
図4B)を含む。電気コンタクト453は、基板支持体672が支持アーム308上に支持されている間、基板支持体672の本体643(
図6)内に形成された1つまたは複数の電気要素に電力を供給する目的に使用される。したがって、本体623と電気コンタクト673との組合せを静電チャック(ESC)と考えることができる。基板支持体672内に形成された1つまたは複数の電気要素は、基板支持体672の下面に形成された2つ以上の電気コンタクト673(
図4A)に結合された抵抗加熱要素642(
図6)、および/または基板支持体672の下面に形成された2つ以上の追加の電気コンタクト673に別々に結合された1つもしくは複数のチャッキング電極641(
図6)を含むことができる。
図4A~4Bに概略的に示されているとおり、カルーセルモータ457によって支持アーム308が回転している間、電気コンタクト453への電気接続がなされることを可能にするように適合されたスリップリング456の使用によって、電気コンタクト453は、DCチャッキング電力供給源458および/またはヒータ電力供給源459などの1つまたは複数の電源に電気的に結合されている。これらの1つまたは複数の電源を電気コンタクト453に接続するために多数の導体またはワイヤ455が使用される。導体またはワイヤ455は、ドライブシャフト457A、中心支持体305、および処理モジュール250の移送領域401内に配置された支持アーム308を通して配線される。例えば、電力供給源458に結合された3本のワイヤおよび電力供給源459に結合された2本のワイヤが、それらのワイヤをそれぞれ電気コンタクト453に別々に接続することができるようにそれぞれの支持アーム308を通して提供される。したがって、移送領域401内で基板Sおよび基板支持体672が移送されている間、基板を基板支持体672にチャックされたままにすることができ、所望の温度を維持することができるように、基板支持体672が支持部分560上に配置されているときには、基板支持体672の電気コンタクト673が支持アーム308の電気コンタクト453に電気的に結合される。移送プロセス中に基板Sをチャックおよび加熱することができる能力は、移送プロセス中に、基板を失う懸念なしに、カルーセルモータ457によってより大きな回転速度を達成することを可能にし、それぞれのプロセスステーション260で実行されるプロセスとプロセスの間、基板の温度を一貫して維持することを可能にする。
【0037】
図5Cは、2つのエンドエフェクタ530、532を含むデュアルアームロボット540である代替ロボット構造を含む中心移送ロボット245の平面図である。デュアルアームロボット540を含む中心移送ロボット245は、処理モジュール250で実行される基板処理シーケンスが、想像上の円252に沿って延びる経路に沿って基板を両方向に順番に移送することを含まない場合、または想像上の円252に沿って延びる経路に沿って基板を両方向に順番に移送することを必要としない場合に有用となりうる。処理モジュール250のこの構成では、基板支持体672が、それぞれの基板支持体672がプロセスステーション260の下のX-Y平面内の1つの位置に維持されるような態様で、横方向平面(すなわちX-Y平面)内で移動可能である必要はなく、処理中に、基板は、デュアルアームロボット540によって、横方向に固定された基板支持体672間で移送される。
【0038】
いくつかの実施形態では、デュアルアームロボット540の2つのエンドエフェクタ530、532が独立して動作可能であり、エンドエフェクタ530、532は中心軸505から延びており、中心軸505の周りを円弧状にスイング運動する。中心軸505は、Z方向に(例えば
図5Cの平面に対して垂直に)延びており、通常は処理モジュール250の中心軸253と一致する。それぞれのエンドエフェクタ530、532は中心ハブ536に動作可能に結合されており、中心ハブ536は、中心軸505の周りをそれぞれ独立して回転することができる回転可能な上ハブおよび回転可能な下ハブ(図示せず)からなる。エンドエフェクタ530は、第1のフォーク537aおよび第1のアーム538を含む。第1のハブアーム542は、第1の端部が中心ハブ536に結合されており、エンドエフェクタ536aから遠い端部が、第1のリスト接続544のところで第1のアーム538に結合されている。第1のリスト接続544によって、第1のアームは、第1のエンドエフェクタ530が第1のリスト軸Ω
1の周りを回転することを可能にするために、第1のリスト軸Ω
1の周りをピボット回転することが可能である。同様に、第1のハブアームが中心軸505の周りを円弧状に運動することによって、第1のリスト接続544、したがって第1のリスト軸Ω
1も中心軸505の周りを旋回することができる。エンドエフェクタ532は、第2のフォーク537bおよび第2のアーム546を含む。第2のハブアーム548は、第1の端部が回転可能な上ハブに結合されており、第2のエンドエフェクタ532から遠い端部が、第2のリスト接続550のところで第2のアーム546に結合されている。第2のリスト接続550によって、第2のアーム546は、第2のエンドエフェクタ532が第2のリスト軸Ω
2の周りを回転することを可能にするために、第2のリスト軸Ω
2の周りをピボット回転することが可能である。同様に、第2のハブアーム548が中心軸505の周りを円弧状に運動することによって、第2のリスト接続550、したがって第2のリスト軸Ω
2も中心軸505の周りを旋回することができる。さらに、第1および第2のエンドエフェクタ530、532は、それぞれ回転可能な上ハブおよび回転可能な下ハブを通して中心ハブ536に動作可能に接続されているため、エンドエフェクタ530、532のフォーク537a、537bは、例えば、フォーク537aまたは537bの一方が基板支持体672から基板を受け取り、後退させ、その間に、フォーク537aまたは537bのもう一方が、第1の基板が基板支持体672から取り外された後に基板支持体672上に基板を置くために、異なる基板を、処理モジュール250の内側に移動させるために、互いに垂直方向に重なることができる。
【0039】
第1および第2のエンドエフェクタ530、532のフォーク537a、537bはそれぞれ、アーム(第1のアーム538および第1のハブアーム542または第2のアーム546および第2のハブアーム548)がともに整列したときに、すなわちアームが一緒に直線経路を形成したときに、中心軸505から最大距離だけ延びることができる。アームのこの向きでは、第1および第2のフォーク537aまたは537bの一方が、基板支持体672に対して基板を受け取りまたは残すためのロードまたはアンロード位置にある。この位置から、中心軸505の周りの上または下ハブの円弧状の運動、および対応する第1のリスト軸Ω1または第2のリスト軸Ω2の周りの第1または第2のアーム538、546の一方の円弧状の運動によって、対応するフォーク537aまたは537bは中心ハブ536に向かって後退する。処理モジュール250内にデュアルアームロボット540を置き、中心軸253の場所に中心軸505を置くことにより、フォーク537a、537bは、互いに独立して、プロセスステーション260A~Fのうちの任意のプロセスステーションの任意の基板支持体672にアクセスするように動作することが可能である。したがって、デュアルアームロボット540の構造のロボットを使用すると、想像上の円252に沿った中間のどのプロセスステーション260A~260Fも通過することなく、プロセスステーション260A~Fのうちの任意のプロセスステーションからプロセスステーション260A~260Fのうちの他の任意のプロセスステーションに基板を移動させることができる。
【0040】
図4A~4Bおよび6は、プロセスステーション260Fおよび処理モジュール250の部分の断面図を含んでおり、これらの図は、処理モジュール250内に配置することができるプロセスステーションのさまざまな構成要素および属性を全般的に示すことが意図されている。これらの図に示されたプロセスステーション260Fの構成はPVD堆積プロセスを実行するように適合されているが、このプロセスステーション構成が、本明細書に記載された開示の範囲を限定することは意図されていない。これは、上記のとおり、処理モジュール250内のプロセスステーション260の1つまたは複数を、CVD、PECVD、ALD、PEALD、エッチング、熱プロセス(例えばRTP、アニール、冷却、熱管理制御)または他の有用な半導体もしくは平面ディスプレイパネル基板処理ステップを実行するように適合させることができるためである。しかしながら、PVD堆積プロセスを実行するように構成されたプロセスステーションを主に含む処理モジュール250、またはPVD堆積プロセスを実行するように構成されたプロセスステーションだけを含む処理モジュール250は、プロセス相互汚染の低い可能性(例えば残留ガス相互汚染の低い可能性)およびPVDプロセスによって一般的に達成されるより高い堆積速度のため、いくつかの半導体デバイス形成用途において、他の堆積およびエッチングプロセスを利用する他の処理モジュール構成よりも有利であると考えられる。
【0041】
プロセスステーション260は一般に、源アセンブリ470、プロセスキットアセンブリ480および基板支持体作動アセンブリ490を含み、これらは、一緒に使用されたときに、プロセスステーション260の処理領域460内で所望のプロセスを実行することを可能にする。本明細書に記載された開示のさまざまな実施形態において、それぞれのプロセスステーション260内の処理領域460は、処理モジュール250の移送領域401から別々に分離可能であるように構成されており、したがって、電磁エネルギー、蒸気、ガスまたは他の望ましくない汚染物が、基板、および隣り合うプロセスステーションでまたは移送領域401内で実行されているプロセスに悪影響を与えることを実質的に防ぐ。移送領域401から分離されているとき、処理領域460は一般に、プロセスステーション260内で実行される基板処理ステップの間、源アセンブリ470の1つまたは複数の処理面、プロセスキットアセンブリ480内の1つまたは複数の処理領域構成要素685および基板支持体672によって囲われる。
【0042】
上で論じ、
図4Aに示したとおり、プロセスステーション260Fの源アセンブリ470は、PVD堆積プロセスを実行するように構成されている。この構成では、源アセンブリ470が、ターゲット472、マグネトロンアセンブリ471、源アセンブリ壁473、リッド474およびスパッタリング電力供給源475を含む。この構成では、PVDターゲット472の処理面472Aが一般に、処理領域460の上部の少なくとも一部分を画定する。マグネトロンアセンブリ471は、処理中にマグネトロン回転モータ476の使用によってマグネトロン471Aが回転するマグネトロン領域479を含む。ターゲット472およびマグネトロンアセンブリ471は通常、流体再循環デバイス(図示せず)からマグネトロン領域479に冷却流体(例えばDI水)を供給することによって冷却される。PVD堆積プロセス中に処理領域460で実行されるスパッタリングプロセスを促進するため、マグネトロン471Aは、ターゲット472の処理面472Aの下方に広がる磁場を発生させるように構成された複数の磁石471Bを含む。
【0043】
CVD、PECVD、ALD、PEALD、エッチングまたは熱プロセスを実行するように適合されたプロセスステーション260の代替構成では、源アセンブリ470が一般に、異なるハードウェア構成要素を含む。一例において、PECVD堆積プロセスまたはエッチングプロセスを実行するように適合されたプロセスステーションの源アセンブリ470は通常、処理中に前駆体ガスまたはエッチングガスを処理領域460内に、プロセスステーション260内に配置された基板の表面にわたって供給するように構成されたガス分配プレートまたはシャワーヘッドを含む。この構成では、処理領域460の少なくとも一部分を画定する1つまたは複数の処理面が、ガス分配プレートまたはシャワーヘッドの下面(例えば処理領域と接する面)である。この構成では、マグネトロンアセンブリ471およびターゲットが使用されず、スパッタリング電力供給源475の代わりに、ガス分配プレートをバイアスするように構成されたRF電力供給源を使用することができる。
【0044】
基板支持体作動アセンブリ490は、ペデスタルリフトアセンブリ491およびペデスタルアセンブリ492を含む。ペデスタルリフトアセンブリ491は、リフトアクチュエータアセンブリ768およびリフト装着アセンブリ766を含み、リフト装着アセンブリ766は処理モジュール250の下壁618に結合されている。リフトアクチュエータアセンブリ768は、ステッパまたはサーボモータ作動の親ねじアセンブリ、リニアモータアセンブリ、空気圧シリンダ作動のアセンブリ、または他の従来の機械式直線的作動機構を含むことができる。動作中、リフトアクチュエータアセンブリ768およびリフト装着アセンブリ766は、リフトアクチュエータアセンブリ768内にある1つまたは複数の機械式アクチュエータ(例えばサーボモータ、ステッパモータ、リニアモータ)の使用によって、ペデスタルアセンブリ492を、支持アーム308の垂直方向(Z方向)下方に配置された移送位置(
図4A)(すなわち移送平面)、および支持アーム308の垂直方向上方の処理位置(
図4B)に配置するように構成されている。リフトアクチュエータアセンブリ768は、ペデスタルシャフト492Aに結合されており、ペデスタルシャフト492Aは、リフトアクチュエータアセンブリ768によってペデスタルシャフト492Aが平行移動するときにペデスタルシャフト492Aを案内するために下壁618に結合された軸受(図示せず)によって支持されている。真空ポンプ454の使用によって移送領域401内に生み出された真空環境が通常動作の間維持されるような態様のシールを、ペデスタルシャフト492Aの外径と下壁618の部分との間に形成するために、ベローズアセンブリ(図示せず)が使用される。それぞれのプロセスステーション260内の望ましい処理位置に基板Sおよび基板支持体672を正確に配置するように構成された別個の専用ペデスタルリフトアセンブリ491であって、さらに、プロセスステーション260内の源アセンブリ470(例えばターゲット472)内の構成要素と別々に望ましく整列することができる別個の専用ペデスタルリフトアセンブリ491の使用は、別々にアライメントおよび調整することができない単一の支持構造体上に多数の基板を配置する従来の設計よりもかなり有利であると考えられる。源アセンブリ470の構成要素に対する基板Sの位置決めおよびアライメントに関する重要性および問題の一例が後に
図7Aおよび7Bに関してさらに論じられる。
【0045】
ペデスタルアセンブリ492は、ペデスタルシャフト492Aに結合されたプレート支持要素493に結合された支持プレートアセンブリ494を含む。ペデスタルアセンブリ492は、ヒータ電源498、静電チャック電源499および裏側ガス源497を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、支持プレートアセンブリ494が、支持プレート494Aの上面に配置された複数の電気コンタクト496(
図4A)を含む。ヒータ電源498および静電チャック電源499はそれぞれ、電気コンタクト496のうちの2つ以上の電気コンタクトに電気的に結合されている。電気コンタクト496は、支持プレート494Aによって基板支持体672が支持アーム308の支持部分560から持ち上げられたときに、基板支持体672内に形成された1つまたは複数の電気要素に電力を供給するために使用される。電気コンタクト496は、基板支持体672の下面に形成された電気コンタクト673と対合するように構成されている。いくつかの実施形態では、基板支持体672の下面に形成された別個の一組の電気コンタクト673が、支持プレート494Aの電気コンタクト496と対合するように構成されている。一実施形態では、この別個の一組の電気コンタクト673が、支持アーム308の電気コンタクト453と対合するように構成された電気コンタクト673から物理的に分離されている。この構成では、基板支持体672が、基板支持体672に埋め込まれた電気要素(例えば抵抗加熱要素、チャッキング電極)と同様の電気接続を生成するようにそれぞれが適合された別個の2組のコンタクトを含む。基板支持体672内に配置された抵抗加熱要素は、ヒータ電源498の出力に結合された支持プレート494Aの2つ以上の電気コンタクト496と基板支持体672が処理位置(
図4B)に配置されたときに電気的に連結する2つ以上の電気コンタクト673に結合されている。基板支持体672内に配置された1つまたは複数のチャッキング電極は、支持プレート494Aの2つ以上の電気コンタクト496と電気的に連結する2つ以上の電気コンタクト673に結合されている。一例では、ヒータ電源498の出力に結合された3本のワイヤおよび静電チャック電源499に結合された2本のワイヤが、それらのワイヤをそれらの対応するそれぞれの対合電気コンタクト496に別々に接続することができるようにペデスタルシャフト492Aを通して提供される。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に、基板支持体672がプロセスステーション260内の処理位置に配置されたときに電気コンタクト673の表面がそれぞれの電気コンタクト496の対合面を押すことを基板支持体672の重量の一部が可能にすることによって、電気コンタクト496とそれらの対応するそれぞれの対合電気コンタクト673との間に信頼性の高い分離可能な電気接続が形成される。したがって、処理中に基板支持体672が支持プレート494A上に配置されている間、基板支持体672によって基板をチャックおよび加熱することを可能にすること。
【0047】
いくつかの実施形態では、支持プレートアセンブリ494が、基板支持体672の裏側に形成された裏側ガスポート671の周囲に形成された裏側ガス受取り面と対合するように構成された分離可能な裏側ガス接続495を含む。裏側ガス接続495は裏側ガス源497に結合されており、裏側ガス源497は、処理中に、基板支持体672に形成された裏側ガスポート671に裏側ガス(例えばN2、He、Ar)を供給するように構成されており、裏側ガスポート671は、基板支持体672に形成されたガス通路と、基板支持体672の基板受取り面に配置された基板と基板支持体672との間に形成された空間とに接続されている。したがって、分離可能な裏側ガス接続495は、基板支持体672が支持プレート494A上に配置されたときに基板支持体672の裏側ガス受取り面に密封可能に繰り返し接続されるように、および支持プレート494Aが移送位置(すなわち支持アーム308の下方)にあるときに基板支持体672から分離されるように構成されている。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に、基板支持体672がプロセスステーション260内の処理位置に配置されたときに基板支持体672の重量の一部が分離可能な裏側ガス接続495の表面を押すことによって形成された再現可能な気密シールを形成するために、分離可能な裏側ガス接続495が、裏側ガス受取り面の研摩された対合面と対合するように構成された機械加工された金属シール面またはコンプライアントな(compliant)シール面を含む。
【0048】
図4A~4Bおよび6に示されているように、プロセスキットアセンブリ480は一般に、処理モジュール250のチャンバ上壁616のプロセスステーション上開口734の上および/またはプロセスステーション上開口734内に配置された複数の処理領域構成要素685およびシーリングアセンブリ485を含む。
図4A~4Bおよび6に開示されたプロセスステーション260の構成例では、処理領域構成要素685が、ベースプレート481、プロセス領域シールド482、分離リング483、ステーション壁484、カバーリング486、堆積リング488および内側シールド489を含み、これらの構成要素は一緒に、プロセスステーション260の処理領域460を少なくとも部分的に画定する。ベースプレート481は、プロセス領域シールド482、分離リング483、ステーション壁484、シーリングアセンブリ485、カバーリング486、堆積リング488および内側シールド489を支持するように構成されており、ベースプレート481は、これらの構成要素が、1つのアセンブリとして、配置されること、および処理モジュール250の上壁616に形成された中心開口713から除去されることを可能にする。誘電体材料から形成された分離リング483は、ターゲット472を支持するように、およびベースプレート481上に配置されたステーション壁484上に配置されるように構成されている。分離リング483は、ターゲット472がスパッタリング電力供給源475によってバイアスされたときに、ターゲット472を、接地されたステーション壁484から電気的に分離するために使用される。
【0049】
プロセスキットアセンブリ480はさらに、通常の処理中に大気ガスが処理領域460に入ることを防ぐために使用される複数のシーリング要素1001(例えばOリング)を含む。さらに、処理の間、処理領域460を外部環境から分離することを可能にするために、源アセンブリ470は、シーリング要素1001を使用することによってプロセスキットアセンブリ480の一部分とシールを形成するように構成されており、プロセスキットアセンブリ480は、同様にシーリング要素1001を使用することによってチャンバ上壁616の上面とシールを形成するように構成されている。
【0050】
ステーション壁484は、真空ポンプ265に結合された第1のポート484Aを含み、第1のポート484Aは、シールド489の上部、ターゲット472の下面ならびに分離リング483およびステーション壁484の部分間に形成された周囲間隙を通して処理中に処理領域460から排気するように構成されている。ステーション壁484はさらに、ガス源699に結合された第2のポート484Bを含み、第2のポート484Bは、処理中に周囲プレナム484Cを通して処理領域460に1種または数種のプロセスガス(例えばAr、N2)を供給するように構成されている。
【0051】
プロセス領域シールド482はステーション壁484の下部に配置されている。プロセス領域シールド482は通常、ターゲット472からスパッタリングされた堆積物を集めるため、処理領域460の一部分を囲うため、およびいくつかの構成では、
図6に示されているように、シーリングアセンブリ485を支持するために使用される。この構成では、プロセス領域シールド482が、その上にプロセス領域シールド482が支持されているステーション壁484の表面484Dにシールを形成するように適合されており、同様に、シーリングアセンブリ485の下プレート485Bの表面485Dとプロセス領域シールド482の下面482Aとの間にシールを形成するように適合されている。プロセス領域シールド482とステーション壁484の部分との間に形成されたシール、およびプロセス領域シールド482と下プレート485Bの部分との間に形成されたシールはそれぞれ、Oリング(図示せず)、溶接または従来の他のシーリング方法を使用することによって形成することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、シーリングアセンブリ485が、上プレート485A、下プレート485B、および上プレート485Aと下プレート485Bの間に配置されたコンプライアントな部材485Cを含む。いくつかの実施形態では、
図6に示されているように、コンプライアントな部材485Cが、垂直方向(すなわちZ方向)などの少なくとも1つの方向にコンプライアントであるように構成され、処理中にガスがそれを通り抜けることを防ぐように構成されたフレキシブルなベローズアセンブリを含む。このフレキシブルなベローズアセンブリは、反対端が上プレート485Aおよび下プレート485Bに密封可能に溶接されたステンレス鋼またはインコネルベローズアセンブリとすることができる。
【0053】
処理中、基板および基板支持体672が
図4Bおよび6に示されているように源アセンブリ470の下方の処理位置に配置されているときに、本明細書ではともに基板支持体672の「シーリング部分」と呼ぶ、基板支持体672または基板支持体672に取り付けられた構成要素の一部分は、シーリングアセンブリ485の一部分と「シール」を形成して、処理領域460を移送領域410から実質的に流体分離するように適合されている。したがって、
図4A~4Bおよび6に開示されたプロセスステーション260の構成例では、基板支持体672、ターゲット472、シーリングアセンブリ485、ならびにプロセス領域シールド482、ステーション壁484および分離リング483を含む複数の処理領域構成要素685が、処理領域460を実質的に囲い、処理領域460を画定する。いくつかの実施形態では、基板支持体672のシーリング部分とシーリングアセンブリ485の上プレート485Aとの間に形成されるこの「シール」が、基板支持体672のシーリング部分の表面とシーリングアセンブリ485のこの部分の表面との間の物理的接触によって形成されたシーリング領域487に形成される。いくつかの低温用途では、このシールが、基板支持体672のシーリング部分の表面とシーリングアセンブリ485のこの部分の表面との間の境界面に配置されたワイパシール、uカップシールまたはOリング(図示せず)を使用することによって形成される。200℃よりも高い温度での用途などのいくつかの高温用途では、このシールが、基板支持体672のシーリング部分とシーリングアセンブリ485のこの部分との間の境界面に形成された金属-金属または金属-セラミック接触によって形成される。いくつかの実施形態では、基板支持体作動アセンブリ490のリフトアクチュエータアセンブリ768を使用することによって基板支持体672のシーリング部分がシーリングアセンブリ485のこの部分の表面と接触して置かれたときに垂直方向に伸ばされるように、シーリングアセンブリ485のフレキシブルなベローズアセンブリが構成されている。フレキシブルなベローズアセンブリのコンプライアントな性質は、基板支持体672のシーリング部分の表面とシーリングアセンブリ485のこの部分の表面との間のミスアライメントまたは平面性の差を小さくして、シーリング領域487のところに信頼性の高い再現可能なシールを多くのサイクルにわたって形成することができるようにすることを可能にする。
図4A~4Dおよび6に示されているように、基板支持体672のシーリング部分、シーリングアセンブリ485のシーリング部分、基板の処理面および源アセンブリ470の下面(例えばターゲット472の下面)の実質的に平行な向き/アライメントはさらに、信頼性の高い再現可能なシールを形成することを可能にし、その一方でさらに、処理中に、基板の処理面と源アセンブリ470の下面との間の角アライメント(angular alignment)が容易に形成されかつ/または維持されることを可能にする。基板の処理面と源アセンブリ470の下面との間の角ミスアライメント(angular misalignment)に関する問題は、後に
図7A~7Bおよび8に関してさらに論じられる。
【0054】
しかしながら、いくつかの代替実施形態では、シーリングアセンブリ485が単純に、基板支持体672が処理位置に配置されたときに基板支持体672のシーリング面とプロセス領域シールド482の下面482Aとの間にシールを形成するためにそれらの間の境界面に配置されたワイパシール、uカップシールまたはOリング(図示せず)を備える。この構成では、処理ステップ中に基板支持体が処理位置に配置されている間、シーリング面と下面482Aとの間にシールを形成することができるように、シーリング面が形成された部分の基板支持体672の直径がプロセス領域シールド482の内径よりも大きい。
【0055】
第1のプロセスステーション260で基板処理ステップを実行した後、基板Sおよび基板支持体672は、基板Sおよび基板支持体672が支持アーム308上に位置するように下げられる。次いで、中心移送ロボット245が、中心支持体305を、中心支持体305を貫いて延びる中心軸253の周りで回転させて、支持アーム308、基板Sおよび基板支持体672を弧に沿ってスイング運動させ、それによって基板支持体672および基板Sを第2のプロセスステーション260の下方の位置に移動させる。この位置で、基板Sは、同じ基板支持体672上で、その第2のプロセスステーション260専用のペデスタルリフトアセンブリ491によって処理位置まで再び持ち上げられる。基板Sの処理が完了した後、基板Sおよび基板支持体672は、支持アーム308の端部に戻され、次のプロセスステーション260に移送される。次いで、基板Sおよび基板支持体672を持ち上げ、基板Sを処理し、基板Sおよび基板支持体672を下げ、基板支持体672および基板Sを移送するこの処理サイクルを複数回、繰り返すことができる。
【0056】
処理モジュール250内での基板Sおよび基板支持体672の移送シーケンス中、それぞれのプロセスステーション260の処理領域460は移送領域401と直接に連結している。この構造設計は、より従来的な設計に見られる、移送領域からそれぞれのプロセスステーションを分離する専用のスリットバルブの必要性を排除することによりシステムコストを低減させ、したがって、さらに、基板を移送するのに必要なステップの数を減らすことにより基板移送オーバヘッド時間を短縮する(すなわちスループットを増大させる)と同時に、処理領域460の圧力と移送領域401の圧力とを平衡させること、および処理モジュール250の全体にわたって所望のベース圧力をより容易にかつより速く達成することも可能にする。本明細書に開示されたシステム設計はさらに、従来の処理システム設計では必要な別個の処理チャンバ構造体(例えば溶接された別個の区画)および支持ハードウェア(例えば個々の支持フレーム、スリットバルブなど)の必要性を排除することによって、複雑さおよびコストを低減させる。さらに、それぞれのプロセスステーション260に配置された基板支持体作動アセンブリ490によって、基板支持体672の移動および位置を、システムコントローラ299(
図2A)から送られたコマンドに基づいて制御することによって、それぞれのプロセスステーション260の処理領域460を別々にかつ選択的に分離することができるため、この設計および移送シーケンスは追加の利点をさらに提供する。例えば、プロセスステーション260Aおよび260B内の処理位置に基板Sおよび基板支持体672を配置することによって、これらのプロセスステーションで基板を別々に処理し、その間、プロセスステーション260C、260D、260Eおよび260Fは、これらの位置にある基板支持体672が移送位置にあり続けることによって非分離状態を維持し、したがって、これらのプロセスステーションにおいて処理領域460と移送領域401との間の流体連結を可能にすることが望ましいことがある。
【0057】
図4C~4Dは、一実施形態による、プロセスステーション260Fの代替構成を含む処理モジュール250の概略断面図である。この構成では、処理モジュール250が、支持チャックアセンブリ590の基板支持面591Aに1つまたは複数の基板を移送し置くように構成された複数の支持アーム309を含む代替構成の中心移送ロボット245を含む。基板支持面591Aは、ペデスタルリフトアセンブリ491に取り付けられた支持チャックアセンブリ590上に形成されている。
【0058】
図4Cは、基板受取り位置ないし基板移送位置に配置された支持チャックアセンブリ590を示している。
図4Dは、基板処理位置に配置されている間の支持チャックアセンブリ590を示している。
図4C~4Dに示された支持チャックアセンブリ590の構成は、支持チャックアセンブリ590の基板支持要素591が単一のプロセスステーション260の専用基板支持要素であるような態様で、基板支持要素591が、ペデスタルリフトアセンブリ491の構成要素に取り付けられた状態を維持する設計であって、支持チャックアセンブリ590の基板支持要素591が、基板受取り位置と処理位置の間で基板を移動させるなど基板を垂直に移動させることだけに制限された設計を示している。
【0059】
支持チャックアセンブリ590はプレート支持体594を含み、プレート支持体594は、基板支持要素591を支持および保持するように構成されており、ペデスタルシャフト592Aに結合されている。支持チャックアセンブリ590は、ヒータ電源498、静電チャック電源499および裏側ガス源497を含む。ヒータ電源498および/または静電チャック電源499はそれぞれ、基板支持要素591内に形成された1つまたは複数の電気要素に電気的に結合されている。この構成では、基板支持要素591の本体が、その中に埋め込まれた1つまたは複数の抵抗加熱要素を含む。この抵抗加熱要素は、基板支持要素591の本体内に配置されており、ヒータ電源498の出力接続に電気的に連結されている。基板支持要素591の本体内に配置された1つまたは複数のチャッキング電極は電源499に電気的に連結されている。一例では、ヒータ電源498の出力に結合された3本のワイヤおよび電源499に結合された2本のワイヤが、それらのワイヤをそれらの対応するそれぞれの電機要素に別々に接続することができるようにペデスタルシャフト592Aを通して提供される。
【0060】
支持チャックアセンブリ590は、基板支持要素591内に形成された裏側ガスポート595を含む。裏側ガスポート595は裏側ガス源497に結合されており、裏側ガス源497は、処理中に、基板支持要素591に形成されたガス通路と、基板と基板支持要素591の表面との間に形成された空間とに裏側ガス(例えばN2、He、Ar)を供給するように構成されている。
【0061】
上で同様に論じたとおり、処理中、基板および支持チャックアセンブリ590が源アセンブリ470の下方の処理位置に配置されているときに(
図4D)、支持チャックアセンブリ590または支持チャックアセンブリ590に取り付けられた構成要素の一部分は、シーリングアセンブリ485の一部分と「シール」を形成して、処理領域460を移送領域410から実質的に流体分離するように適合されたシーリング面596を含む。いくつかの実施形態では、シーリング面596とシーリングアセンブリ485の上プレート485Aとの間に形成されるこの「シール」が、シーリング面596の表面とシーリングアセンブリ485のこの部分の表面との間でなされた物理的接触によってシーリング領域487内に形成される。上で同様に論じたとおり、いくつかの低温用途では、このシールが、支持チャックアセンブリ590のシーリング面596とシーリングアセンブリ485のこの部分の表面との間の境界面に配置されたワイパシール、uカップシールまたはOリング(図示せず)の使用によって形成される。さらに、200℃よりも高い温度での用途などのいくつかの高温用途では、このシールが、支持チャックアセンブリ590のシーリング面596のこの部分とシーリングアセンブリ485のこの部分との間の境界面に形成された金属-金属または金属-セラミック接触によって形成される。
【0062】
図4Cを参照すると、中心移送ロボット245は、1つまたは複数の基板をピックアップし、支持チャックアセンブリ590の基板支持面591Aに置くように構成された複数の支持アーム309を含む。一実施形態では、中心移送ロボット245が、中心支持体305および中心支持体305に取り付けられた複数の支持アーム309を、少なくとも、移送位置から移送位置の下方の基板ドロップオフ位置までZ方向に上げ下げするように構成されたリフトアクチュエータ599を含む。支持アーム309は、プロセスステーション260間で基板および基板支持体672を移送するように構成されているのではなく、プロセスステーション260間で基板を移送するように構成されている点を除いて、上で説明した支持アーム308と同じように装着、成形および構成されている。一実施形態では、それぞれの支持アーム309が、支持アーム309の下面に配置された複数の基板支持要素309Aを含み、そのため、基板支持要素309Aの支持面309C上に支持された基板を、基板支持要素591の支持面591A上にじかに配置することができる。支持アーム309が可能な全ての基板を受け取り移送することができることを保証するために、対向する基板支持要素309Aの内縁309Bは、基板の可能な最小外寸法よりも短い距離だけ隔てて配置されている。基板が支持面591A上に配置された後に基板支持要素309Aが基板支持要素591と接触したりまたは基板支持要素591を妨げたりしないように、および支持アームを中心軸253の周りで回転させて、支持アーム309を、支持チャックアセンブリ590の上ではない位置まで移動させることができるように、基板支持要素591の上面および上部の切抜き部(図示せず)が、基板支持要素309Aの向きと一致するように構成されている。
【0063】
支持アーム309の基板支持要素309Aの部分と同様のロボットアーム構成またはロボットアームの端部を、中間ロボット285A、285Bのエンドエフェクタの部分として利用して、基板支持要素591の支持面591Aでまたはその代わりに基板支持体672の本体643の支持面674で基板をピックアップおよびドロップオフすることもできる。同様に、上で論じたとおり、一実施形態では、中間ロボット285A、285Bが、移送位置および移送位置の下方の基板ドロップオフ位置まで、ならびに移送位置および移送位置の下方の基板ドロップオフ位置から中間ロボット285A、285Bのエンドエフェクタ(図示せず)を少なくとも上げ下げするように構成されたリフト機構(図示せず)を含む。基板が基板支持要素591または基板支持体672上に配置された後に基板支持要素309Aが基板支持要素591または基板支持体672と接触したりまたは基板支持要素591または基板支持体672を妨げたりしないように、および支持チャックアセンブリ590の上または基板支持体672の上ではない位置からエンドエフェクタが後退するように、基板支持要素591または基板支持体672の上面および上部の1つまたは複数の切抜き部(図示せず)は、中間ロボット285A、285Bのエンドエフェクタ(図示せず)上に配置された基板支持要素309Aの向きと一致するように構成されている。
【0064】
図4Cに示された支持要素309Aのような支持要素を有するロボットエンドエフェクタの使用を含む処理システム200は、基板交換操作中に基板を基板支持面から分離する目的に当技術分野で一般的に使用されている別個の基板リフトアセンブリ(例えばリフトピン、リフトフープ(lift hoop)およびリフトアクチュエータ)を使用する必要なしに、基板支持体672または支持体チャックアセンブリ590の基板支持面に基板を配置することを可能にするため、有用であることが分かっている。プロセスステーション260のコストおよび複雑さを低減させると同時に、このタイプのロボットエンドエフェクタの使用はさらに、基板受取り面に配置された基板にリフトアセンブリ構成要素(例えばリフトピン)がアクセスすることを可能にするために必要な穴を基板支持体672または支持チャックアセンブリ590に形成する必要性を排除し、さらに、処理中に処理領域460を移送領域401から流体分離するために、基板支持体672または支持チャックアセンブリ590に形成された穴を密閉する必要性も排除する。したがって、本明細書に記載された実施形態の1つまたは複数では、基板支持体672または支持チャックアセンブリ590が、基板リフト構成要素を受け入れるために使用される貫通穴(例えばリフトピン穴)を含んでおらず、いくつかのケースでは、基板支持体672または支持チャックアセンブリ590が、処理中に基板に裏側ガスを供給するために使用される単一の貫通穴、例えば裏側ガスポート671または裏側ガスポート595だけを含むことができる。
【0065】
図4C~4Dに示された代替プロセスステーション構成は、基板と一緒に基板支持体を移動させることを含まない基板移送シーケンスを含むが、それにもかかわらず、このケースの処理モジュール250は、移送領域401および処理領域460の上述の構造構成および利点と同じ基本的な構造構成および利点を含む。例えば、それぞれのプロセスステーション260の基板支持体作動アセンブリ490によって、支持チャックアセンブリ590の移動および位置を、システムコントローラ299(
図2A)から送られたコマンドに基づいて制御することによって、それぞれのプロセスステーション260の処理領域460を別々にかつ選択的に分離することができる。
【0066】
図1Aおよび1Bに関して上で論じたとおり、それぞれのプロセスステーション260A~260Fは、基板上で所望のプロセスを別々に実行するように構成されている。一例では、処理モジュール250内の複数のプロセスステーションで堆積プロセスが別々に実行される。この別々に実行される堆積プロセスは、プロセスステーション260A~260Fで基板を順番に処理するときにPVDプロセスによって基板上に順番に層を堆積させることを含むことがある。PVD堆積プロセスまたはスパッタプロセス中に、電力供給源475によってターゲット472にバイアスが印加される。ターゲットにバイアスを印加すると、ガス源699から供給されたスパッタリングガスに供給された印加バイアスによって形成されたイオン化されたガス原子がターゲットの表面に衝突することによって、ターゲット472の面からターゲット材料の一部が放出される。放出またはスパッタリングされた材料の束は、形成された処理領域460の下部ならびに基板Sおよびプロセスキットアセンブリ480のシールド(例えば内側シールド489、プロセス領域シールド482)の表面に向かって一般に進む、ターゲット材料のイオン化された原子および中性原子を含む。ターゲット472の表面から放出されたイオン化されたターゲット原子の束の方向は、接地することによって、あるいは基板支持体672に形成された電極の1つに直流(DC)または高周波(RF)バイアスを印加することによって変化させることができる。したがって、いくつかの実施形態では、ヒータ電源498および静電チャック電源499が、基板支持体672内に配置された1つまたは複数のチャッキング電極または加熱要素にバイアスを印加するように構成されたDCまたはRF電力供給源を含む。基板支持要素591内に配置されたチャッキング電極は一般に、基板支持体672の基板支持面に配置された誘電体材料のすぐ下(例えば0.1mm~1mm)に配置される。しかしながら、処理中にスパッタリングされた原子の全てをイオン化することはできないため、およびPVDチャンバの構造構成のために、PVDプロセスは見通し線(line-of-sight)堆積プロセスであると考えられる。見通し線堆積プロセスは、ウエハ内(within-wafer)(WIW)堆積均一性の観点から、PVD堆積プロセス中に、ターゲットの形状および基板の表面に対するターゲット472の平行度の影響を受ける堆積プロセスである。一例では、基板の一縁のターゲット-基板間隔が基板の反対縁に比べて小さいと、角ミスアライメントのために基板にわたって厚さが変動する。したがって、
図7A~7Bに関して後に論じるとおり、外部周囲圧力領域403(
図4A)と移送領域401および処理領域460との間に生じた圧力差に起因するチャンバ上壁616および下壁618の歪みによって、処理中に、ターゲット472の表面は、保守作業中など起こる移送領域401および処理領域460内に真空圧が提供されていないときに比べて撓み、基板支持体672の表面に対してある角度をなすようになる傾向がある。それぞれのプロセスステーション260内のターゲット472のこの撓みは、基板サイズが増大したとき(例えば≧300mm)に、基板を移送領域401内に配置しプロセスステーション260間で移送することを可能にするためにチャンバ上壁616および下壁618がX-Y平面内で広がる必要がある大きな全体スパン(例えば直径>3m)によって、処理モジュール250のサイズが増大したときにも増大する。チャンバ上壁616および下壁618の歪みの影響を最小化するため、処理モジュール250が真空下(例えば10トル~10
-8トル)にあるのかまたは周囲圧力(例えば760トル)にあるのかにかかわらず、チャンバ上壁616および下壁618の歪みを最小化し、プロセスステーション260A~260Fの源アセンブリ470の互いに対する平行度を改善するために、構造支持アセンブリ710が使用される。
【0067】
プロセスステーション260でPVD処理ステップを実行した後、ターゲット472上のバイアス電圧はゼロに戻され、発生させたプラズマは消滅し、
図4Aおよび4Bに示された実施形態に関して上で論じたとおり、基板Sおよび基板支持体672は下げられて、支持アーム308上に戻される。
【0068】
堆積プロセスに加えて、プロセスステーション内で、1つまたは複数のターゲットペースティングプロセス(例えば、酸化物層または反応性スパッタリングによって形成された層をターゲットの表面から洗浄すること)および/またはチャンバ洗浄プロセスを追加的に実行することができる。一例では、基板の代わりにペースティングディスクおよび/またはシャッタディスク(例えば基板サイズの金属ディスク)上でPVD堆積プロセスを実行してターゲット472の表面を洗浄することを可能にするために、ペースティングプロセス中に、ペースティングディスクおよび/またはシャッタディスクをペデスタルリフトアセンブリ491上に配置し、ペデスタルリフトアセンブリ491によって処理位置まで移動させる。
【0069】
次に
図7A、7Bおよび8を参照すると、処理モジュール250の追加の構造および詳細が示されている。ここで、
図7Aに示されているように、処理モジュール250は、処理モジュール250の下部または基部を形成する下モノリス720、および下モノリス720に対して密封され、下モノリス720上に支持された上モノリス722を含む。いくつかの実施形態では、下モノリス720と上モノリス722の間の境界面に真空気密接合を形成するために、下モノリス720と上モノリス722が、ある望ましい手段によって一緒に溶接、ろう付けまたは融着されている。いくつかの実施形態では、下モノリス720が、7つの小側面(side facet)(
図2A)を有する全体にプレート状の構造を有し、下壁618を含み、下壁618が、中心領域内に配置された中心凹み724(
図8)内に配置された中心開口723、および複数のプロセスステーション下開口725(
図8には2つのプロセスステーション下開口が示されている)を含み、複数のプロセスステーション下開口725はそれぞれプロセスステーション260の場所に対応する。下壁618を貫いて下壁618から下方へ複数のペデスタルアセンブリ492が延びており、
図8にはそのうちの2つが示されている。下モノリス720および上モノリス722を支持し、床(図示せず)の上方の所望の垂直位置に処理モジュール250を配置するために、支持フレーム728を含む下支持構造体727が使用されている。
【0070】
いくつかの実施形態では、上モノリス722が、下モノリス720の小側面と整合する8つの小側面(
図2A)を有する全体にプレート状の構造を有する。チャンバ上壁616を含む上主要部711は、中心領域内に配置された中心開口713(
図8)、および複数のプロセスステーション上開口734(
図4A~4D、7Bおよび8)を含み、複数のプロセスステーション上開口734はそれぞれ、プロセスステーション260のプロセスキットアセンブリ480および源アセンブリ470が配置された場所に対応する。直径が約0.5よりも小さく、0.3よりも大きい直径比(diameter ratio)の範囲に収まるような態様の中心開口713をチャンバ上壁616に形成することは、中心開口713を通した処理モジュール250の中心領域へのユーザアクセス可能性を可能にすること、および、驚くべきことに、チャンバ上壁616の中心から材料が除去されることにより、処理中の(例えば真空下での)チャンバ上壁616の歪みを不都合に増大させないことが分かった。直径比は、中心開口の直径と周囲領域721の内面721Aにおける移送領域401の外周の直径(すなわちチャンバ上壁616の支持されていない長さ)との比によって定義される。この構成では、取外し可能な中心カバー690が中心開口713の上に広がっているが、取外し可能な中心カバー690は一般にチャンバ上壁616に結合されておらず、またはチャンバ上壁616に追加の構造支持を提供する目的に使用されない。取外し可能な中心カバー690は、真空ポンプ454によって移送領域401が真空状態に維持されているときに外部環境ガスが移送領域401に漏入することを防ぐシール(図示せず)を含む。下モノリス720および上モノリス722の周囲領域721の内面721Aは移送領域401の外縁を形成する。アクセス開口504A、504Bは、内面721Aの一部分を貫き、上モノリス722の壁の一部分(
図4A~4D)または下モノリス720の壁の一部分(図示せず)のいずれかを貫いて延びている。
【0071】
上で論じたとおり、周囲圧力領域403と移送領域401および処理領域460との間に生じた圧力差に起因するチャンバ上壁616および下壁618の歪みによって、処理中に、源アセンブリ470の部分(例えばターゲット472の表面)は撓み、基板支持体672の表面に対してある角度をなすようになる傾向がある。チャンバ上壁616および下壁618の歪みを最小化するため、処理モジュール250が真空下にあるのかまたは周囲圧力にあるのかにかかわらず、チャンバ上壁616および/または下壁618の歪みを最小化し、源アセンブリ470の平行度を改善するために、構造支持アセンブリ710が使用される。製造上の限界、コストの限界、ならびに組み立てられた上モノリス722および下モノリス720の輸送に関する限界のため、チャンバ上壁616は通常、50ミリメートル(mm)~100mmの間の平均壁厚(Z方向)を有し、さらに下壁618は、75mm~150mmの間の平均壁厚(Z方向)を有する。ここで、この平行度の保証に役立てるため、上モノリス722は、上支持要素701と複数の装着要素702とを含む構造支持アセンブリ710を含み、複数の装着要素702はそれぞれ、チャンバ上壁616に結合された第1の端部を有する。いくつかの実施形態では、装着要素702をボルト締めすることによって、装着要素702を溶接することによって、またはさらには装着要素702をチャンバ上壁616の部分として一体的に形成することによって、装着要素702の第1の端部がチャンバ上壁616に結合されている。この装着要素702のアレイは、チャンバ上壁616上のプロセスステーション260の各々の間に配置されており、プロセスステーション260の各々の間でチャンバ上壁616に結合されている。いくつかの実施形態では、この装着要素のアレイがそれぞれ、隣り合う2つのプロセスステーション開口間に延びる半径方向735に配置された半径方向位置で第1の壁に結合された第1の端部を有する。一例では、
図7Bに示されているように、それぞれの装着要素の半径方向位置が、プロセスステーション開口のそれぞれの対間に延びる半径方向735に沿って配置されており、プロセスステーション上開口734よりも中心に近い半径方向位置(例えば中心軸253から延びるより小さな半径のところ)に配置されている。いくつかの構成では、装着要素702が垂直セクション714A(
図8)を含み、さらに、中心軸253から半径方向に延びる半径方向セクション714B(
図7B)を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、チャンバ上壁616の撓みを最小化するために、上支持要素701が一般に、それぞれの装着要素702の第2の端部に結合されたトロイド形の構造要素を含む。
図7A~7Bに示されているように、いくつかの構成では、このトロイド形が完全なトロイドではなく、1つまたは複数の小面(例えば6つの小面が示されている)ならびに1つまたは複数の平らな装着面(例えば頂面および底面)を含むことができる。上支持要素701は、装着要素702をボルト(すなわちボルト703)で締めることによって、装着要素702を溶接することによって、またはさらには装着要素702を上支持要素701の部分として一体的に形成することによって、装着要素702の各々に結合されている。装着要素702の垂直セクション714Aは、チャンバ上壁616の装着面(例えば露出した頂面)から約150mm~約450mmの間の距離808のところに上支持要素701を配置するように構成されている。チャンバ上壁616を支持し、適用された真空圧(例えば約14.7psig)によって誘起された荷重を打ち消してチャンバ上壁616の歪みを最小化するため、上支持要素701の断面は、
図8に示されているように、少なくともその面積慣性モーメント(area moment of inertia)によって所望の追加の剛性をチャンバ上壁616に提供するように構成された断面高さ806および断面幅807を含む。一例では、移送領域401が例えば1トルよりも低い圧力、例えば10
-3トル~10
-8トルの間の圧力に維持されていることにより処理中に適用された真空圧によって、直径3メートルのチャンバ上壁616が、合計約716,000N(161,000ポンド)の力を受ける。いくつかの実施形態では、上支持要素701および装着要素702が、上モノリス722および下モノリス720の構成要素(例えばチャンバ上壁616および下壁618)を形成するために使用される材料と同じ材料、例えばアルミニウム材料(例えば6061Al)から形成されている。いくつかの実施形態では、上支持要素701および装着要素702が、上モノリス722および下モノリス720の構成要素を形成するために使用される材料より大きな弾性率(E)を有する材料、例えばステンレス鋼材料(例えば304SST、316SST)から形成されており、上モノリス722および下モノリス720の構成要素がアルミニウム材料から形成されている。一例では、上支持要素701が、約50mm~約125mmの間の断面高さ806、約75mm~約200mmの間の断面幅807を有し、約750mm~約900mmの間の内径を有する中心開口805を有する。この構成では、上支持要素701が、中心開口805の内径よりも小さな直径を有する中心開口713、例えば中心開口805の内径の85%未満または中心開口805の内径の95%未満の直径を有する中心開口713をチャンバ上壁616内に含むチャンバ上壁616に加えられた、真空によって誘起された荷重に耐えるように構成されている。いくつかの実施形態では、構造支持アセンブリ710とチャンバ上壁616の構造との組合せが、X-Y平面に対して平行な横方向平面801(
図8)に対するターゲット472の処理面472Aの角撓み(angular deflection)または角ミスアライメントを、ターゲット472の中心を中心とする300mmの直径(例えばラン(run))を横切って縁-縁間(ライズ(rise))で測定された約0.1mm~約0.25mmの間の傾斜角(例えば約0.02から0.05度の間の角度)まで最小化するように構成されている。いくつかの実施形態では、構造支持アセンブリ710とチャンバ上壁616の構造との組合せが、基板支持体672上に配置された基板Sの露出した表面に対するターゲット472の処理面472Aの角ミスアライメントを、基板Sの300mmの直径(例えばラン)を横切って縁-縁間(例えばライズ)で測定された約0.1mm~約1mmの間の傾斜角(例えば約0.02から0.2度の間の角度)まで最小化するように構成されている。本明細書に記載された開示の範囲を限定することを意図してはいないが、いくつかのケースでは、処理面472Aと横方向平面801との間の角ミスアライメントが、チャンバ上壁616の撓み(例えば1次曲げモード形状(1
st bending mode shape))により、中心軸から延びる半径方向に沿って最大となりうる。
【0073】
図8には示されていないが、いくつかの実施形態では、チャンバ上壁616に構造支持アセンブリ710が結合されているのと同様に、下壁618に第2の構造支持アセンブリ710が結合されている。したがって、いくつかの実施形態では、処理モジュール250内の移送領域401が真空下にあるのかまたは周囲圧力にあるのかにかかわらず、全てのプロセスステーション260の源アセンブリ470の平行度を改善するために、処理モジュール250が、チャンバ上壁616上の第1の構造支持アセンブリ710および下壁618上の第2の構造支持アセンブリ710を含むことができる。
【0074】
図9Aおよび9Bは、上で主に説明した6プロセスステーション構成とは異なる、4つのプロセスステーションを含む処理モジュール250の代替構成の例を示している。したがって、
図9Aおよび9Bは、パドルロボット処理モジュール900である、追加の処理モジュール構想を示している。この構成では、本明細書の
図2A~8のプロセスステーション260と同じ全体構成をそれぞれが有する4つのプロセスステーション260が提供されるが、それらとは対照的に、これらの4つのプロセスステーションは矩形の筺体902の四隅に位置しており、
図4C~4Dに関する説明と同様に、基板支持体672A~672Dは、1つのプロセスステーション260から別のプロセスステーション260へ移動しない。矩形の筺体902は、上で説明した上モノリス722および下モノリス720と同様に構成された上本体904および下本体906を含む。
図9Aは、パドルロボット処理モジュール900の上本体904および下本体906を含み、
図9Bは、パドルロボット処理モジュール900の下本体906部分だけを含む。上本体904は、それぞれのプロセスステーション260A~260Dの源アセンブリ470およびプロセスキットアセンブリ480を支持するように構成されたチャンバ上壁を含む。下本体906も同様に、それぞれのプロセスステーション260A~260D内の支持チャックアセンブリ590を支持するように構成された下壁を含む。
【0075】
パドルロボット処理モジュール900の4つの壁のうちの共通する1つの壁に、第1および第2のプロセスチャンババルブ244A、244Bが、
図2Aの中間ロボット285などのロボットを使用することによってそれらのバルブを通して第1の基板支持体672A上に基板をロードすることができるような態様で位置する。次いで、第1のプロセスステーション260A内の処理位置まで基板支持体672Aが持ち上げられ、スパッタリングされた膜層を基板上に堆積させることなどによって基板が処理される。次いで、次のプロセスステーション260Bでの処理のために、第1のパドルロボット908Aによって基板支持体672Aから基板支持体672Bに基板を移動させることができる。あるいは、第1の基板支持体672A上に第1の基板をロードし、次いで、第1の基板支持体672A上で処理することなく、この第1の基板を、第1のパドルロボット908Aによって第2の基板支持体672Bに移動させることもでき、次いで、第1の基板支持体672A上で処理するために第2の基板が第1の基板支持体672A上にロードされる。同様に、第2のパドルロボット908Bが、第4の基板支持体672Dと第3の基板支持体672Cとの間で追加の2つの基板を移動させることもできる。対応するそれぞれのプロセスステーションにおいて第1および第2の基板上で実行される処理、および、場合によっては、対応するそれぞれのプロセスステーションにおいて追加の基板上で追加的に実行される処理を、同時にまたは実質的に同時に実行することができる。
【0076】
それぞれのパドルロボット908A、908Bは回転可能なベース910A、910Bを含み、回転可能なベース910A、910Bからは、パドルエンドエフェクタ914A、914Bで終わるパドルアーム912A、912Bが延びている。回転可能なベース910A、Bは、矩形の筺体の下方のモータ(図示せず)に接続されており、それぞれの基板支持体672A~Dのうちの1つの基板支持体上にパドルエンドエフェクタ914A、914Bを配置するように回転可能である。さらに、そこを通ってパドルエンドエフェクタ914A、914Bがスイング運動する円弧状の経路995に沿って、レストステーション(rest station)916A~Dが、プロセスステーション260での処理と処理の間にまたはプロセスステーション260間で直接に基板をレストステーション916A~Dに格納することができるような態様で配置されている。
【0077】
図10A~Cは、いくつかの実施形態による、スカート680および静電チャック(ESC)622の上に配置されたシャッタディスク1300a、1300b、1300cの側面図を示している。例えば、スカート680は、
図6に関して上で説明したカバーリング486とすることができる。スカート680はスカート特徴680a~cを含む。例えば、ESCは、
図6に関して上で説明した本体643を含むことができる。
【0078】
シャッタディスク1300a、1300b、1300cは、その下の構成要素(例えば本体643)を不必要な堆積から保護するように構成されている。示されているとおり、シャッタディスク1300a、1300b、1300cは、ディスク本体1301および1つまたは複数のディスク特徴1310a~cを含む。ディスク本体1301は、チタン(Ti)、アルミニウム-ケイ素-炭素(AlSiC)、ステンレス鋼(SST)、アルミニウム(Al)およびこれらの任意の組合せなど、シャッタディスクに対して当技術分野で使用されている任意の材料を含むことができる。ディスク特徴1310a(
図10A)は、シャッタディスク1300aの底面1330において、本体1301が、シャッタディスクの頂面1331よりもシャッタディスクの中心からさらに突き出るような態様の丸みのある部分を含む。ディスク特徴1310b(
図10B)は、シャッタディスク1300bの底面1330において、本体1301が、シャッタディスクの頂面1331とだいたい同じ距離だけシャッタディスクの中心から突き出るような態様の丸みのある部分を含む。ディスク特徴1310c(
図10C)は、シャッタディスク1300aの底面1330において、本体1301が、シャッタディスクの頂面1331よりもシャッタディスクの中心からさらに突き出るような態様の丸みのある部分を含む。さらに、ディスク特徴1310cは底面1330の下方に延びるリップを含む。ディスク特徴1310a、1310b、1310cは、ディスク本体1301の縁の周りに均一に配置することができ、または縁のいくつかの部分にだけに配置することができる。一実施形態によれば、シャッタディスクが、ディスク特徴1310a、1310bの2つ以上を含む。
【0079】
ディスク特徴1310a~cは、高温処理中のディスク本体1301の応力低減を可能にする。例えば、ディスク特徴1310a~cは、シャッタディスク1300a~cが反り(bowing)を経験した場合にディスク本体1301の応力を低減させる。シャッタディスク1300a~cは、シャッタディスクが反りを経験した場合でもシャッタディスクがなおもESCおよびスカートを保護するような態様でESCおよびスカート上に置かれるようなサイズを有する。いくつかのケースでは、反りが、温度の急速な上昇および/または低下によって起こる。例えば、シャッタディスク1300~cは、約1mmまでまたはそれ以上の反りに耐えるように構成されている。この反りは、頂面1331に向かう方向の反りまたは頂面から遠ざかる方向の反りとすることができる。さらに、シャッタディスク1300a~cは、本体1301の少なくとも1つのポートの約0.5mmまでまたはそれ以上の横向きの(sideways)(すなわち底面1330および頂面1331に対して垂直な)膨張またはシフトに耐えるように構成されている。
【0080】
図10Dは、いくつかの実施形態による、シャッタディスク1300a~cのうちの1つのシャッタディスクの上面図を示している。シャッタディスク1300a~cは、本体1301の側面から本体の中心Cまで延びる複数の長い溝1320を含む。シャッタディスク1300a~cは、本体1301の側面から本体の中心Cまで延びる複数の短い溝1321を含む。長い溝1320の長さは、短い溝1321の長さに等しいかまたは短い溝1321の長さよりも長い。長い溝1320および短い溝1321は、まっすぐな経路など、任意の経路をたどることができる。
図10Dに示されているように、長い溝1320および短い溝1321は弧曲線を有する。この弧曲線は、約10°など任意の角度を有することができる。長い溝1320および短い溝1321は約0.25mm~約0.50mmの深さを有することができる。
【0081】
長い溝1320および短い溝1321は、長い溝および短い溝自体の中に材料を堆積させることなく堆積材料を導いて下方の構成要素から遠ざけ、それらの構成要素をさらに保護する。長い溝1320および短い溝1321は、堆積材料を運んで下方の構成要素から遠ざけ、それらの構成要素をさらに保護する。長い溝1320および短い溝1321は堆積平面に対して傾斜角を有する。
【0082】
シャッタディスク1300a~cは、約300mmまたはそれ以上の直径を有することができる。この大きな直径は、たとえシャッタディスク1300a~cがそりを経験した場合であってもその下の構成要素を保護することを可能にする。このことは、特に約5000nmまたはそれ以上の厚い膜厚の堆積に関して、サービス寿命を延長し、保護された構成要素の交換を先延ばしにすることによって所有コストを低減させる。
【0083】
図11Aは、一実施形態による、支持部分(あるいは移送システムとも呼ぶ)560の側面図を示している。
図11Bは、一実施形態による、支持部分560の上面図を示している。示されているとおり、支持部分560は、支持部分本体1405、第1の掴持器(grasper)1401、第2の掴持器1402および支持部分アクチュエータ1410を含む。第1および第2の掴持器1401、1402はそれぞれ支持部分本体1405に結合されている。第1の掴持器1401および第2の掴持器1402は、ワークピース(例えば基板Sまたはシャッタディスク1300a~cの1つ)を掴持するように構成されている。支持部分560は、移送中、ワークピースの回転向きを一定に保つように構成されている。基板上のある部分にだけ堆積させた層を有する基板についてはワークピースの一定で一貫した回転向きが望ましい。
【0084】
いくつかの実施形態では、第1の掴持器1401および第2の掴持器1402が、第1の掴持器および第2の掴持器上にワークピースがしっかりと着座するような態様の水平な表面を含む。他の実施形態では、第1の掴持器1401および第2の掴持器1402が、ワークピースを支持部分560に固定するための留め具または他の機構(図示せず)を含む。支持部分アクチュエータ1410は、支持部分560を中心支持体305(
図5B)に対してZ方向に移動させるように構成されている。支持部分アクチュエータ1410は、空気圧アクチュエータ、電気モータ、液圧アクチュエータ、ステップモータ、ブラシモータまたは他の適当なアクチュエータなど、当技術分野で使用されている任意のアクチュエータを含むことができる。いくつかの実施形態では、中心支持体305の全体がZ方向に移動し、したがって支持部分560がZ方向に移動する。
【0085】
図11Cは、一実施形態による、支持部分560の運動を示している。支持部分560は第1の位置1420から始まる。第1の位置1420において、支持部分560は、シャッタディスクまたは基板を掴持していない。
【0086】
次いで、支持部分560を第2の位置1421まで移動させる。例えば、カルーセルモータ457によって中心移送ロボット245(
図5B)を回転させて、支持部分560が第2の位置1421まで回転するようにする。第2の位置1421は、支持部分560がシャッタディスク(例えば
図10A~Dのシャッタディスク1300a~cの1つ)を掴持することができるように位置している。いくつかの実施形態では、このシャッタディスクがシャッタスタック310の中に配置されている。支持部分アクチュエータ1410は、シャッタディスクを掴持するために支持部分560をZ方向に移動させるように構成されている。いくつかの実施形態では、リフトアクチュエータ599によって中心支持体305の全体がZ方向に移動し、したがって支持部分560が、シャッタディスクを掴持するためにZ方向に移動する。
【0087】
次いで、支持部分560を第3の位置1422まで移動させる。例えば、カルーセルモータ457によって中心移送ロボット245(
図5B)を回転させて、支持部分560が第3の位置1422まで回転するようにする。例えば、第3の位置1422は処理エリア(例えばプロセスステーション260)内に位置している。支持部分アクチュエータ1410は、シャッタディスクを処理エリアに置くために支持部分560をZ方向に移動させるように構成されている。いくつかの実施形態では、リフトアクチュエータ599によって中心支持体305の全体がZ方向に移動し、したがって支持部分560が、シャッタディスクを置くためにZ方向に移動する。
【0088】
図11Dは、一実施形態による、支持部分560の運動を示している。支持部分560は第1の位置1420から始まる。第1の位置1420において、支持部分560は、シャッタディスクまたは基板を掴持していない。
【0089】
次いで、支持部分560を第2の位置1421まで移動させる。例えば、カルーセルモータ457によって中心移送ロボット245(
図5B)を回転させて、支持部分560が第2の位置1421まで回転するようにする。第2の位置1421は、支持部分560が基板(例えば基板S)を掴持することができるように位置している。いくつかの実施形態では、この基板がシャッタスタック310の中に配置されている。支持部分アクチュエータ1410は、基板を掴持するために支持部分560をZ方向に移動させるように構成されている。いくつかの実施形態では、リフトアクチュエータ599によって中心支持体305の全体がZ方向に移動し、したがって支持部分560が、基板を掴持するためにZ方向に移動する。
【0090】
次いで、支持部分560を第3の位置1422まで移動させる。例えば、中心移送ロボット245(
図5B)を回転させて、支持部分560が第3の位置1422まで回転するようにする。例えば、第3の位置1422は処理エリア(例えばプロセスステーション260)内に位置している。支持部分アクチュエータ1410は、基板を処理エリアに置くために支持部分560をZ方向に移動させるように構成されている。いくつかの実施形態では、リフトアクチュエータ599によって中心支持体305の全体がZ方向に移動し、したがって支持部分560が、基板を置くためにZ方向に移動する。
【0091】
図11Cおよび11Dに示されたどちらの例でも他の位置を含めることができる。例えば4つ、5つまたはさらには6つ以上の位置に支持部分560を移動させる。それぞれの位置は、約0°から約360°までの任意の角度の刻みで配置することができる。支持部分560は、1つの位置から別の位置まで一様に移動することができ、またはこの外側端部は段階的に移動することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、第1の位置1420が2次処理領域(例えば別のプロセスステーション260)に位置する。これらの実施形態では、第2の位置1421を迂回することができ、したがって、基板Sは、2次処理領域から第2の位置1421の処理領域に移動する。これらの実施形態は、最初に2次処理領域で処理し、次に処理領域で処理する基板の2段階処理を可能にする。
【0093】
図12Aは、一実施形態による、第1の位置1591にあるシャッタスタック1500Aを示している。シャッタスタック1500Aは、1つまたは複数のシャッタディスク1300および1つまたは複数の基板Sを保持するように構成されている。いくつかの実施形態では、シャッタスタック1500Aが基板Sだけを含む。いくつかの実施形態では、シャッタスタック1500Aが、1つまたは複数シャッタディスク1300a~cだけを含む。このシャッタスタック1500Aを、上で説明したシャッタスタック330の代わりに使用することができる。
【0094】
示されているとおり、シャッタスタック1500Aは、スタックベース1502、1つまたは複数シャッタディスク支持体1505、基板支持体1501およびスタックアクチュエータ1503を含む。1つまたは複数のシャッタディスク支持体1505および基板支持体1501はスタックベース1502に結合されている。1つまたは複数のシャッタディスク支持体1505は、シャッタディスク1300a~cを支持するように構成されている。基板支持体1501は、基板Sを支持するように構成されている。スタックアクチュエータ1503はスタックベース1502に結合されている。スタックアクチュエータ1503は、スタックベース1502を所望の方向に移動させるように構成されている。例えば、スタックアクチュエータ1503は、スタックベース1502をZ方向に移動させるように構成されている。スタックアクチュエータ1503は、空気圧アクチュエータ、電気モータ、液圧アクチュエータ、ステップモータ、ブラシモータまたは他の適当なアクチュエータなど、当技術分野で使用されている任意のアクチュエータを含むことができる。
【0095】
一組のシャッタディスク支持体1505および対応するシャッタディスク1300だけが示されているが、シャッタスタック1500Aは、任意の組数のシャッタディスク支持体1505および同じ数の対応するシャッタディスク1300a~cを含むことができることが理解される。同様に、1つの基板支持体1501および対応する基板Sだけが示されているが、シャッタスタック1500Aは、任意の組数の基板支持体1501および同じ数の対応する基板Sを含むことができることが理解される。
【0096】
図12Aに示された第1の位置1591では、支持部分560がシャッタディスク1300a~cを掴持している。基板支持体1501の上部1501Tとシャッタディスク支持体1505との間の間隔は、スタックベース1502と上部との間に支持部分560が収まるような間隔である。
【0097】
図12Bは、一実施形態による、第2の位置1592にあるシャッタスタック1500Aを示している。第2の位置1592は、第1の位置1591に比べて低い高さにある。
図12Bに示された第2の位置1592では支持部分560が基板Sを掴持している。したがって、シャッタスタック1500Aは、支持部分560が基板Sまたはシャッタディスク1300のいずれかを掴持することができるように構成されている。
【0098】
図12AおよびBには2つの位置1591、1592だけが示されているが、任意の数のシャッタスタック1500Aの位置が可能であることを理解すべきである。例えば、多数の基板支持体1501を含むシャッタスタック1500Aの構成では、それぞれの位置がスタックベース1502を異なる高さに含むシャッタスタックの多数の位置が可能である。さらに、シャッタスタック1500Aは、ワークピースのZ方向の移動の増強された制御を可能にするリフトピン(図示せず)を含むこともできる。
【0099】
図12Cは、一実施形態による、第1の位置1593にあるシャッタスタック1500Bを示している。このシャッタスタック1500Bを、上で説明したシャッタスタック330の代わりに使用することができる。シャッタスタック1500Bはシャッタスタック1500Bと同様であるが、シャッタスタック1500Bはスタックアクチュエータを含まない。すなわち、シャッタスタック1500Bは単一の位置1593にセットされている。その代わりに、
図12Dに示されているように、支持部分560が、シャッタスタック1500Bに対してZ方向に移動する。例えば、支持部分アクチュエータ1410(
図11AおよびB)を使用して支持部分560を移動させる。いくつかの実施形態では、リフトアクチュエータ599によって中心支持体305の全体がZ方向に移動し、したがって支持部分560がZ方向に移動する。いくつかの実施形態では、
図15Cおよび15Dのアクチュエータがシャッタスタック1500Aとともに使用され、したがって、シャッタスタックおよび外側端部1032がそれぞれ、シャッタディスク1300a~cおよび/または基板Sを掴持するために協調して機能する。
【0100】
シャッタスタック1500A、1500Bはそれぞれ、真空を中断することなくワークピース(すなわち基板およびシャッタディスク)を取り出すことを可能にする。真空を中断し回復させるのに費やされる時間を短縮すると、クラスタツールのスループットが増大する。さらに、いくつかの実施形態によれば、シャッタスタック1500A、1500Bが、放射冷却システムなどの冷却システムを含む。この冷却システムは、シャッタディスク1300a~cの温度を下げ、シャッタディスクの耐用寿命を延ばし、ユーザの所有コストを低減させる。シャッタスタック1500A、1500Bはさらに1つまたは複数センサ(図示せず)を含むことができる。これらのセンサは、支持部分560がシャッタスタックに配置されたときに支持部分に通知する。
【0101】
図13は、一実施形態による、ワークピースを移動させるための方法1600の操作の流れ図である。方法1600の操作は、
図11A~D、12A~Dおよび13に関して説明されるが、この方法の操作をいかなる順序であれ実行するように構成されたシステムは、本明細書に記載された実施形態の範囲に含まれることを当業者は理解するであろう。方法1600の実施形態は、
図2Aおよび2Bの基板処理モジュール250などの本明細書に記載されたシステムおよびシステム動作の1つまたは複数と組み合わせて使用することができる。方法1600は、システムコントローラのプロセッサによって実行されたときに移送チャンバアセンブリにこの方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体として、基板処理モジュール250のシステムコントローラ299に格納することができ、または基板処理モジュール250のシステムコントローラ299からアクセス可能とすることができる。方法1600の全体を、超高真空(ultrahigh vacuum)(UHV)環境などの真空環境で実行することができる。
【0102】
方法1600は操作1610から始まり、操作1610で、支持部分(例えば支持部分560)を第1の場所(例えば第1の位置1420)からシャッタスタック(例えば第2の位置1421に配置されたシャッタスタック310、1500Aまたは1500B)まで第1の方向に移動させる。第1の方向は直線とすることができ、または円弧状の経路に沿った方向とすることができる。一実施形態によれば、支持部分は、シャッタディスクおよび基板を掴持するように構成されている。一実施形態によれば、支持部分は、中心移送ロボット(例えば中心移送ロボット245)の部分である。
【0103】
操作1620で、支持部分が、シャッタスタックからワークピース(例えばシャッタディスク1300または基板S)を取り出す。いくつかの実施形態によれば、操作1620は、第1の方向に対して垂直な第2の方向に支持部分を移動させることを含む。例えば、(
図12CおよびDに示されているように)シャッタスタックに対して支持部分を移動させる。一実施形態によれば、ワークピースを取り出すことは、シャッタスタックからシャッタディスクを取り出すこと、またはシャッタスタックから基板を取り出すことのいずれかを含み、シャッタディスクを取り出すことと基板を取り出すことは、第2の方向の異なる高さで実行される。
【0104】
いくつかの実施形態によれば、操作1620は、シャッタスタックを第2の方向に移動させることを含む。例えば、(
図12Aおよび12Bに示されているように)支持部分に対してシャッタスタックを移動させる。一実施形態によれば、ワークピースを取り出すことは、シャッタスタックからシャッタディスクを取り出すこと、またはシャッタスタックから基板を取り出すことのいずれかを含み、シャッタディスクを取り出すことと基板を取り出すことは、第2の方向の異なる高さで実行される。
【0105】
いくつかの実施形態では、操作1620が、支持部分を第2の方向に移動させることと、シャッタスタックを第2の方向に移動させることの両方を含む。
【0106】
操作1630で、支持部分が第2の場所(例えば第3の位置1422)に移動する。第2の場所は処理領域(例えばプロセスステーション260)を含む。
【0107】
複数のワークピースを用いて方法1600を実行することができることを理解すべきである。例えば、中心移送ロボットは多数の支持部分を含み、したがって多数のワークピースを同時に移動させることができる。さらに、方法1600は、支持部分を以前の位置(例えば第1の位置1420、第2の位置1421)に戻すことを含むことができる。例えば、操作1630の後、基板が処理領域に置かれているときに、支持部分は、第2の位置に戻ってシャッタディスクを取り出し、そのシャッタディスクを処理領域に置く。
【0108】
上で説明したとおり、基板処理モジュールと、ワークピースを移動させる方法とが提供される。基板処理モジュールは、シャッタスタックおよび2つの処理領域を含む。シャッタスタックは、処理領域間に配置されている。ワークピースを移動させる方法は、支持部分を第1の場所からシャッタスタックまで第1の方向に移動させること、シャッタスタックからワークピースを取り出すこと、および支持部分を第2の場所まで移動させることを含む。この基板処理モジュールおよび方法は、ワークピースをシャッタスタックまで移動させること、およびワークピースをシャッタスタックから2つの処理領域まで移動させることを可能にする。
【0109】
基板処理モジュールの中心移送ロボットは、基板とシャッタディスクの両方を把持するように構成されており、通常は2つのロボットが必要とされるであろうときに1つのロボットで済ますことを可能にする。シャッタスタックを高真空環境に置くことは、基板をシャッタスタックから処理領域まで移送するときに真空をポンプアップおよびポンプダウンする必要性を低下させる。
【0110】
以上の説明は、本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的範囲を逸脱しない範囲で、本開示の他の実施形態および追加の実施形態が考案される可能性があり、本開示の範囲は、添付の特許請求項によって決定される。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移送領域を少なくとも部分的に画定する複数の壁を含む処理モジュールであり、前記複数の壁が、
第1の中心開口と、前記第1の中心開口を取り囲むプロセスステーション上開口のアレイとを含む第1の壁、および
第2の中心開口と、前記第2の中心開口を取り囲むプロセスステーション下開口のアレイとを含み、前記処理モジュールの前記第1の壁とは反対側に配置された第2の壁、
を備える、処理モジュールと、
前記第2の中心開口を覆って前記移送領域内に配置された中心支持体、
前記中心支持体に結合されて、前記中心支持体から、中心軸から広がる半径方向に延びる複数の支持アーム、および
前記中心支持体および前記複数の支持アームを前記中心軸の周りで回転させるように構成されたアクチュエータ、
を備える中心ロボットと、
前記第1の壁に配置された2つ以上のプロセスステーションであり、各プロセスステーションが、前記プロセスステーション上開口の1つの上に配置されて、
源アセンブリ、および
複数の処理領域構成要素およびシーリングアセンブリを含むプロセスキットアセンブリ、および
前記第2の壁に結合されたアクチュエータを含む基板支持体作動アセンブリ、
を備える、2つ以上のプロセスステーションと、
基板受取り面と、前記基板受取り面内に配置された1つまたは複数の電気要素とを有する本体を含む基板支持体であり、前記基板支持体作動アセンブリの前記アクチュエータを使用することによって、移送位置から処理位置へ移送されるように構成され、前記移送位置が前記複数の支持アームの下方に配置され、前記処理位置が前記複数の支持アームの上方に配置されている、基板支持体と
を備える基板処理システム。
【請求項2】
前記2つ以上のプロセスステーションにおける前記源アセンブリの少なくとも1つが物理的気相堆積(PVD)ターゲットを備える、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記2つ以上のプロセスステーションの1つにおける源アセンブリがシャワーヘッドを備える、請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記基板支持体上に形成されたシーリング面が、前記基板支持体が前記処理位置に配置されたときに前記シーリングアセンブリとシールを形成するように構成され、前記形成されたシールが、処理領域を前記移送領域から流体分離するように構成される、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記基板支持体が、第1のプレートと、第2のプレートと、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートに結合されたコンプライアントな部材と、をさらに備え、
前記第1のプレートの表面が、前記基板支持体が前記処理位置に配置されたときに、前記基板支持体上に形成されたシーリング面と接触するように構成され、前記第2のプレートの表面が、前記複数の処理領域構成要素の1つに結合されて、前記複数の処理領域構成要素の前記1つとシールを形成する、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記第1のプレートの前記表面が前記シーリング面と接触したときに、前記第1のプレートの前記表面が、前記源アセンブリの下面と実質的に平行である、請求項5に記載の基板処理システム。
【請求項7】
前記中心ロボットが、電源に電気的に結合されるように構成された複数の支持アーム電気コンタクトをさらに含む各支持アームの支持領域をさらに備え、
前記基板支持体が、前記1つまたは複数の電気要素に電気的に結合された複数の基板支持体電気コンタクトをさらに含み、
前記基板支持体が前記複数の支持アームのうちのある支持アームの支持領域上に配置されたときに、前記複数の支持アーム電気コンタクトが、それぞれ前記基板支持体電気コンタクトの異なる電気コンタクトと接触するように構成される、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項8】
基板またはシャッタディスクの1つまたは複数を含む1つまたは複数のワークピースを格納するように構成されたシャッタスタックをさらに備え、前記シャッタスタックが、
シャッタベースと、
前記シャッタベースに結合された1つまたは複数のシャッタディスク支持体であり、前記1つまたは複数のシャッタディスク支持体の各々がシャッタディスクを支持するように構成された、1つまたは複数のシャッタディスク支持体と
を含み、
前記基板支持体が、前記シャッタベースに結合されて、前記基板受取り面上に基板を支持するように構成され、
前記シャッタスタックが、前記2つ以上のプロセスステーションのうちの2つの間に配置される、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項9】
移送領域を少なくとも部分的に画定する複数の壁を含む処理モジュールであり、前記複数の壁が、
第1の中心開口と、前記第1の中心開口を取り囲むプロセスステーション開口のアレイとを含む第1の壁、および
第2の中心開口を含み、前記処理モジュールの前記第1の壁とは反対側に配置された第2の壁、
を備える、処理モジュールと、
前記第1の壁に配置された2つ以上のプロセスステーションであり、前記2つ以上のプロセスステーションの各プロセスステーションが、前記プロセスステーション開口の1つの上に別々に配置されて、
前記プロセスステーションの処理領域に隣接して水平面と平行関係で配置された処理面を含む源アセンブリ、
を備える、2つ以上のプロセスステーションと、
トロイド形および装着面を有する支持要素、および
前記支持要素と前記処理モジュールの前記第1の壁との間に配置された装着要素のアレイ、
を備えた構造支持アセンブリであり、各装着要素が、
前記プロセスステーション開口のアレイの2つの隣接するプロセスステーション開口間に延びる半径方向線上の半径方向位置において前記第1の壁に結合された第1の端部、および
前記支持要素の前記装着面に結合された第2の端部、
を含む、構造支持アセンブリと、
を備え、
前記移送領域において真空圧力が発生したときに、前記構造支持アセンブリが、前記第1の壁の撓み、および前記水平面に対する前記処理面の角ミスアライメントを低減する、基板処理システム。
【請求項10】
前記源アセンブリが物理的気相堆積(PVD)ターゲットをさらに含み、前記処理面が前記物理的気相堆積(PVD)ターゲットの表面によって画定される、請求項9に記載の基板処理システム。
【請求項11】
前記源アセンブリがシャワーヘッドをさらに含み、前記処理面が前記シャワーヘッドの表面によって画定される、請求項9に記載の基板処理システム。
【請求項12】
前記処理モジュールの前記複数の壁がアルミニウム材料を含み、前記支持要素および装着要素のアレイが、前記アルミニウム材料よりも高い弾性率を有する、請求項9に記載の基板処理システム。
【請求項13】
前記支持要素が、前記第1の中心開口の直径よりも大きな内径を有する、請求項9に記載の基板処理システム。
【請求項14】
前記2つ以上のプロセスステーションが、
複数の処理領域構成要素およびシーリングアセンブリを含むプロセスキットアセンブリ、および
前記第2の壁に結合されたアクチュエータによって位置決め可能な支持プレートアセンブリを含む基板支持体作動アセンブリ、
をさらに備え、前記基板処理システムが、
シーリング面と、基板受取り面および前記基板受取り面内に配置された1つまたは複数の電気要素を有する本体とをそれぞれが含む複数の基板支持体であり、前記シーリング面が、前記基板支持体が処理位置に配置されたときに前記シーリングアセンブリとシールを形成するように構成され、前記形成されたシールが、処理領域を前記移送領域から流体分離するように構成される、基板支持体
をさらに備える、請求項9に記載の基板処理システム。
【請求項15】
前記基板支持体の前記シーリング面が、前記源アセンブリの前記処理面および前記水平面と実質的に平行である、請求項14に記載の基板処理システム。
【請求項16】
移送領域を少なくとも部分的に画定する複数の壁を含む処理モジュールであり、前記複数の壁が、
中心軸を取り囲むプロセスステーション開口のアレイを含む第1の壁、および
中心開口を含み、前記処理モジュールの前記第1の壁とは反対側に配置された第2の壁、
を備える、処理モジュールと、
前記第1の壁に配置された2つ以上のプロセスステーションであり、前記2つ以上のプロセスステーションの各プロセスステーションが、前記プロセスステーション開口の1つの上に別々に配置されて、
源アセンブリ、
複数の処理領域構成要素およびシーリングアセンブリを含むプロセスキットアセンブリ、および
前記第2の壁に結合されたアクチュエータによって位置決め可能な支持プレートアセンブリを含む基板支持体作動アセンブリ、
を備える、2つ以上のプロセスステーションと、
前記移送領域内の基板を移送するように構成された中心ロボットであり、
第1の端部が中心支持体に結合され、第2の端部に支持領域を含む複数の支持アーム、および
前記中心支持体および前記複数の支持アームを前記中心軸の周りで回転させるように構成されたアクチュエータ、
を備え、前記支持アームが前記中心軸の周りで回転するときに、各支持アームの前記支持領域がプロセスステーション開口の下方に位置決め可能である、中心ロボットと、
シーリング面と、基板受取り面および前記基板受取り面内に配置された1つまたは複数の電気要素を有する本体とをそれぞれが含む複数の基板支持体であり、
前記中心ロボットによって前記移送領域内で基板が移送されているときに、前記支持アームのそれぞれの支持領域上に基板支持体が配置され、
前記アクチュエータによって前記2つ以上のプロセスステーションのうちのあるプロセスステーション内の処理位置に基板が配置されたときに、前記基板支持体が前記支持プレートアセンブリ上に配置されて前記支持アームの前記支持領域から分離される、複数の基板支持体と、
を備える基板処理システム。
【請求項17】
前記複数の基板支持体が前記アクチュエータによって前記複数の支持アームのうちのある支持アームの前記支持領域から前記処理位置に移送されるときに、前記複数の基板支持体の前記基板支持体が、前記アクチュエータに結合された支持プレート上に配置され、
前記基板支持体が、前記1つまたは複数の電気要素に電気的に結合された複数の基板支持体電気コンタクトをさらに含み、
前記支持プレートが、前記基板支持体が前記支持プレート上に配置されたときに前記基板支持体電気コンタクトの異なる電気コンタクトに接触するようにそれぞれ構成された複数の支持プレート電気コンタクトを含む、請求項16に記載の基板処理システム。
【請求項18】
前記複数の基板支持体のうちのある基板支持体の表面上に配置された受取り面と実質的な流体密封シールを形成するように構成されたシーリング面を含む分離可能なガス接続をさらに備え、前記分離可能なガス接続は、ガス源に結合されるように構成される、請求項17に記載の基板処理システム。
【請求項19】
前記源アセンブリが物理的気相堆積(PVD)ターゲットをさらに含み、前記処理面が前記物理的気相堆積(PVD)ターゲットの表面によって画定される、請求項17に記載の基板処理システム。
【請求項20】
前記源アセンブリがシャワーヘッドをさらに含み、前記処理面が前記シャワーヘッドの表面によって画定される、請求項19に記載の基板処理システム。
【外国語明細書】