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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055918
(43)【公開日】2024-04-19
(54)【発明の名称】光源装置及び導光アレイ部
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240412BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20240412BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20240412BHJP
   G03B 15/05 20210101ALI20240412BHJP
   H04N 23/56 20230101ALI20240412BHJP
   F21Y 105/14 20160101ALN20240412BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240412BHJP
【FI】
F21S2/00 340
F21V5/00 510
F21V5/00 530
F21V5/04 350
G03B15/05
H04N23/56
F21Y105:14
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024025996
(22)【出願日】2024-02-22
(62)【分割の表示】P 2022553917の分割
【原出願日】2021-09-24
(31)【優先権主張番号】P 2020168014
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021015305
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021096777
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】岡久 強志
(57)【要約】
【課題】光源部の配列にかかわらず、その配列と異なる配列に光を照射できる光源装置及び導光アレイ部を提供する。
【解決手段】光源装置は、光を照射する複数の光源部を有する光源装置であって、前記光源部は、発光素子と、導光部材と、を有し、前記複数の光源部は、円形平面状の配置領域内で、少なくとも矩形格子状及び三角格子状を組み合わせて配置されるか、又は同心円状に配置され、前記複数の光源部のそれぞれが照射する前記光は、被照射領域で行列に配列する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射する複数の光源部を有する光源装置であって、
前記光源部は、発光素子と、導光部材と、を有し、
前記複数の光源部は、円形平面状の配置領域内で、少なくとも矩形格子状及び三角格子状を組み合わせて配置されるか、又は同心円状に配置され、
前記複数の光源部のそれぞれが照射する前記光は、被照射領域で行列に配列する
光源装置。
【請求項2】
光を照射する複数の光源部を有する光源装置であって、
前記光源部は、発光素子と、導光部材と、を有し、
前記複数の光源部のそれぞれが照射する前記光は、被照射領域で行列に配列し、
前記複数の光源部の少なくとも一部は、配置領域内で前記被照射領域における前記光の配列とは異なる状態に配列する
光源装置。
【請求項3】
前記複数の光源部のうち、一部の前記光源部は、前記配置領域の平面に直交する軸に向かって照射する方向に光軸を有し、
前記複数の光源部のうち、一部の前記光源部は、前記配置領域の平面に直交する軸に対してねじれの位置で照射する方向に光軸を有する
請求項1、又は2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記被照射領域は、矩形状の領域である
請求項1乃至3の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項5】
前記複数の光源部の少なくとも一部は、前記配置領域の中心軸に向かって照射する方向に光軸を有する
請求項1乃至4の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項6】
前記複数の光源部のうち、前記配置領域における中央部に配置される前記光源部は、矩形格子状に配置され、
前記複数の光源部のうち、前記配置領域における周縁部に配置される前記光源部の少なくとも一部は、三角格子状に配置されている
請求項1乃至5の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項7】
前記中央部に配置される前記光源部は、前記配置領域の中心軸に向かって照射する方向に光軸を有し、
前記周縁部に配置される前記光源部の少なくとも一部は、前記配置領域の中心軸に対してねじれの位置で照射する方向に光軸を有する
請求項6に記載の光源装置。
【請求項8】
前記複数の光源部が有する前記導光部材は、前記光を全反射する全反射面を含む第1の導光部材と、前記光を全反射する全反射面を含む第2の導光部材と、を含み、
前記第1の導光部材の形状と前記第2の導光部材の形状とが異なる
請求項1乃至7の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項9】
前記複数の光源部は、隣り合う前記導光部材が前記光を出射する面側で繋がっている
請求項1乃至8の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項10】
前記複数の光源部のそれぞれは、独立して前記光を照射可能である
請求項1乃至9の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項11】
前記光源装置はフラッシュライトである
請求項1乃至10の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項12】
複数の導光部材を備え、
前記複数の導光部材のそれぞれは、発光素子から入射した光を導光した後に出射させて被照射領域を照射し、
前記複数の導光部材は、円形平面状の配置領域内で、少なくとも矩形格子状及び三角格子状を組み合わせて配置されるか、又は同心円状に配置され、
前記複数の導光部材のそれぞれが照射する前記光は、前記被照射領域で行列に配列する
導光アレイ部。
【請求項13】
複数の導光部材を備え、
前記複数の導光部材のそれぞれは、発光素子から入射した光を導光した後に出射させて被照射領域を照射し、
前記複数の導光部材のそれぞれが照射する前記光は、前記被照射領域で行列に配列し、
前記複数の導光部材の少なくとも一部は、配置領域内で前記被照射領域における前記光の配列とは異なる状態に配列する
導光アレイ部。
【請求項14】
前記複数の導光部材のうち、一部の前記導光部材が照射する前記光は、前記配置領域の平面に直交する軸に向かって照射する方向に光軸を有し、
前記複数の導光部材のうち、一部の前記導光部材が照射する前記光は、前記配置領域の平面に直交する軸に対してねじれの位置で照射する方向に光軸を有する
請求項12、又は13に記載の導光アレイ部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光源装置及び導光アレイ部に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の平面領域に等間隔に2次元配列された複数の発光ダイオードにそれぞれレンズキャップが取り付けられ、レンズキャップから出射される出射光の指向角が、平面領域の中心から外周側に向かって狭くなっている光照射装置が開示されている。この光照射装置において、光源の配列は、光源が照射する光の配列と同じである(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-167512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、光源部の配列にかかわらず、その配列と異なる配列に光を照射できる光源装置及び導光アレイ部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態に係る光源装置は、光を照射する複数の光源部を有する光源装置であって、前記光源部は、発光素子と、導光部材と、を有し、前記複数の光源部は、円形平面状の配置領域内で、少なくとも矩形格子状及び三角格子状を組み合わせて配置されるか、又は同心円状に配置され、前記複数の光源部のそれぞれが照射する前記光は、被照射領域で行列に配列する。
【0006】
本開示の一実施形態に係る光源装置は、光を照射する複数の光源部を有する光源装置であって、前記光源部は、発光素子と、導光部材と、を有し、前記複数の光源部のそれぞれが照射する前記光は、被照射領域で行列に配列し、前記複数の光源部の少なくとも一部は、配置領域内で前記被照射領域における前記光の配列とは異なる状態に配列する。
【0007】
本開示の一実施形態に係る導光アレイ部は、複数の導光部材を備え、前記複数の導光部材のそれぞれは、発光素子から入射した光を導光した後に出射させて被照射領域を照射し、前記複数の導光部材は、円形平面状の配置領域内で、少なくとも矩形格子状及び三角格子状を組み合わせて配置されるか、又は同心円状に配置され、前記導光部材のそれぞれが照射する前記光は、前記被照射領域で行列に配列する。
【0008】
本開示の一実施形態に係る導光アレイ部は、複数の導光部材を備え、前記複数の導光部材のそれぞれは、発光素子から入射した光を導光した後に出射させて被照射領域を照射し、前記複数の導光部材のそれぞれが照射する前記光は、前記被照射領域で行列に配列し、前記複数の導光部材の少なくとも一部は、配置領域内で前記被照射領域における前記光の配列とは異なる状態に配列する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、光源部の配列にかかわらず、その配列と異なる配列に光を照射できる光源装置及び導光アレイ部を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る光源装置による照明の様子の一例を示す図である。
図2A図2Aは、実施形態に係る光源装置の外観例を示す平面図である。
図2B図2Bは、実施形態に係る光源装置の外観例を示す側面図である。
図3A図3Aは、実施形態に係る光源装置の構成例を示す透視図である。
図3B図3Bは、図3AのIII-III矢視断面の拡大図である。
図4図4は、図3Bにおける領域Bの部分拡大図である。
図5図5は、LEDの構成例を示す図である。
図6図6は、各種の光源部の配置例を示す図である。
図7図7は、複数の光源部のそれぞれの光軸の向きの一例を示す図である。
図8図8は、配置領域の中心軸と光源部の光軸の向きとの関係例を示す図である。
図9図9は、各光源部による照射光の被照射領域内での配列例の図である。
図10A図10Aは、変形例に係る複数の光源部の配置の第1例を示す図である。
図10B図10Bは、変形例に係る複数の光源部の配置の第2例を示す図である。
図10C図10Cは、変形例に係る複数の光源部の配置の第3例を示す図である。
図10D図10Dは、変形例に係る複数の光源部の配置の第4例を示す図である。
図10E図10Eは、変形例に係る複数の光源部の配置の第5例を示す図である。
図11図11は、実施例に係る光源装置と参考例に係る光源装置の比較の図である。
図12図12は、照度の均一性を説明する図である。
図13A図13Aは、実施例に係る光源装置による照射光の照度分布の図である。
図13B図13Bは、参考例に係る光源装置による照射光の照度分布の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、以下の説明では、複数の図面に表れる同一符号の部分は、同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
【0012】
また以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための光源装置を例示するものであって、本発明を以下に示す実施形態に限定するものではない。以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。
【0013】
以下に示す図でX軸、Y軸及びZ軸により方向を示す場合があるが、X軸に沿うX方向は、実施形態に係る光源装置が備える複数の光源部が配列する配列平面内での所定方向を示し、Y軸に沿うY方向は、配列平面内でX方向に直交する方向を示し、Z軸に沿うZ方向は、配列平面に直交する方向を示すものとする。
【0014】
またX方向で矢印が向いている方向を+X方向、+X方向の反対方向を-X方向と表記し、Y方向で矢印が向いている方向を+Y方向、+Y方向の反対方向を-Y方向と表記し、Z方向で矢印が向いている方向を+Z方向、+Z方向の反対方向を-Z方向と表記する。実施形態では、複数の光源部は一例として+Z方向側に光を照射するものとする。但し、このことは、光源装置の使用時における向きを制限するわけではなく、光源装置の向きは任意である。
【0015】
以下では、実施形態に係る光源装置を有するスマートフォンを一例として、実施形態を説明する。
【0016】
[実施形態]
<光源装置1による照明例>
まず図1を参照して、本実施形態に係る光源装置1による照明について説明する。図1は光源装置1による照明の様子の一例を説明する図である。
【0017】
図1に示すように、スマートフォン100は、背面パネル101と、光源装置1とを有する。背面パネル101は、スマートフォン100の筐体の一部を構成し、タッチパネル等のスマートフォン100の操作部が設けられた前面部とは反対側に設けられた板状部材である。背面パネル101には略円形の貫通孔102が形成されている。
【0018】
光源装置1は、上記の貫通孔102を通して光を照射可能にスマートフォン100の筐体内に設けられている。光源装置1は、例えば、懐中電灯等の携帯用の照明器具、又は写真撮影用のフラッシュ(閃光)を発する照明器具等の用途で利用されるフラッシュライトである。
【0019】
光源装置1は、貫通孔102の中心軸に沿う方向(+Z方向)に照射光2を照射し、照射方向に存在する人物や物体等の対象物を照明する。また図1に示すように、光源装置1は、矩形状の領域である被照射領域3を照明可能に構成されている。被照射領域3は、一例としてX方向に沿う長手方向の長さとY方向に沿う短手方向の長さの比が4対3になる長方形状の領域である。
【0020】
なお、被照射領域3は壁面又はスクリーン等の平面状の対象物の表面領域に限定されるものではなく、凹凸を有する対象物の表面領域であってもよいし、対象物が存在しない空間領域であってもよい。
【0021】
<光源装置1の構成例>
次に図2A乃至図8を参照して、光源装置1の構成について説明する。まず図2A及び図2Bは光源装置1の外観の一例を示す図である。図2Aは平面図、図2Bは側面図である。
【0022】
図2A及び図2Bに示すように、光源装置1は、基板10と、基板10の+Z方向側の面上に設けられた導光アレイ部11とを有する。基板10は、略正方形状の板状部材であり、LED(Light Emitting Diode)及びLD(Laser Diode)等の発光素子や各種電気素子を実装可能な、配線を備える基板である。基板10には、金属基板、紙フェノール基板、紙エポキシ基板、又はガラスエポキシ基板等の各種材質の基板を適用できる。
【0023】
導光アレイ部11は、アレイ状に配列する複数の導光部材が一体に形成された部材である。図2Aに示すように導光アレイ部11は、平面視が略円形に形成された円形平面状の配置領域12と、平面視が略正方形に形成され、配置領域12を包囲する周囲領域13とを含んで構成されている。配置領域12の円形平面は、上述した配列平面と平行な平面である。また周囲領域13の外形形状は基板10の外形形状と略一致している。そのため、図2Aでは、基板10は導光アレイ部11により隠れて見えていない。
【0024】
導光アレイ部11の配置領域12における+Z方向側は、平面状(言い換えると、略平坦な面)に形成されている。また導光アレイ部11の配置領域12の-Z方向側には複数の導光部材が形成されている。周囲領域13の-Z方向側の面は基板10の+Z方向側の面に接触している。この接触する面同士を接着剤により接着すること等により、導光アレイ部11は基板10の+Z方向側の面に固定されている。
【0025】
なお、図2Aでは、光源装置1の外観を説明する便宜のために、導光アレイ部11が不透明な部材であるかのように示しているが、本実施形態に係る導光アレイ部11は、少なくとも配置領域12が透明な部材である。ここで、透明とは可視光又は非可視光の少なくとも一方に対して透過性を有することをいう。一例として、導光アレイ部11は可視光に対して透過性を有する。
【0026】
導光アレイ部11は、ポリカーボネート樹脂材料を射出成形により加工することで製作可能である。但し、これに限定されるものではなく、アクリル樹脂等の各種の樹脂材料、又はガラス材料等でも導光アレイ部11を製作できる。切削加工等の他の加工法を適用してもよい。また、着色樹脂で導光アレイ部11を構成したり、光学的なバンドパスフィルタを設けたりして、導光アレイ部11を透過させる光の波長を制限することもできる。
【0027】
光源装置1における長さLは30mm以上40mm以下が好ましく、配置領域12の直径Dは27mm以上37mm以下が好ましい。導光アレイ部11の高さ(Z軸方向に沿う長さ)hは2mm以上3mm以下が好ましい。光源装置1がスマートフォンに取り付けられた際には、スマートフォンのユーザは配置領域12を外部から視認できる。周囲領域13はスマートフォンの背面パネルに隠れてユーザに視認されない状態になる。
【0028】
次に、図3A及び図3Bは光源装置1の構成の一例を説明する図である。図3Aは透視図、図3B図3AのIII-III矢視断面の拡大図である。図3Aは、導光アレイ部11における配置領域12の+Z方向側の面を透視し、配置領域12の-Z方向側の構成を示している。
【0029】
図3Aに示すように、配置領域12の-Z方向側には、配列平面内で配列する複数のTIR(Total Internal Reflection)レンズ41が形成されている。このTIRレンズ41は、光を全反射する全反射面411を含む導光部材の一例である。詳細には、TIRレンズ41の内部に光を全反射する全反射面411を有する。光源装置1は、合計63個のTIRレンズ41を備えている。
【0030】
なお、TIRレンズ41は図3BにおけるTIRレンズ41a、41b、41c及び41d等の複数のTIRレンズの総称である。また全反射面411は、図3Bにおける全反射面411a、411b、411c及び411d等の複数の全反射面の総称である。なお、TIRレンズ41は、配置領域12の奥側(-Z方向側)に形成された構成部であるが、見やすさの便宜のために図3Aでは実線で表示している。この点は、以降で配置領域12を透視してTIRレンズ41を表示する図においても同様とする。
【0031】
図3Bに示すように、全反射面411は、-Z方向に向かうにつれて先細りするテーパ状に形成された面である。但し、全反射面411の形状はテーパ状に限定されるものではなく、曲面を含む椀状の形状であってもよい。またZ軸と平行な軸に対して必ずしも軸対称に形成されていなくてもよい。例えば、TIRレンズは、TIRレンズの中心線に対して略線対称に形成されてもよい。ここで、TIRレンズの中心線とは、配列平面と平行な平面内においてTIRレンズの略中心を通る線をいう。例えば図3Aに示す中心線410はTIRレンズ41の中心線を表している。
【0032】
また図3Bに示すように、複数のTIRレンズ41のうちの隣り合うTIRレンズ41は、光を出射する出射面111側で繋がっている。具体的には、例えばTIRレンズ41a、41b、41c及び41dは出射面111側で繋がっている。
【0033】
また複数のTIRレンズ41は、形状が異なるものを含んでいる。例えば図3Bに示すように、TIRレンズ41aは、TIRレンズ41aの中心軸41acに対して略軸対称な形状を有する。具体的には、TIRレンズ41aは全反射面411aと、略円錐台状に形成された面である円錐台面412aとを含む。全反射面411a及び円錐台面412aのそれぞれは、TIRレンズ41aの中心軸41acに対して略軸対称に形成されている。なお、TIRレンズの中心軸とは、TIRレンズの略中心を通り、Z軸に略平行な軸をいい、また平面視においてTIRレンズの最大径の中点をいう。
【0034】
一方、TIRレンズ41bは、TIRレンズ41bの中心軸41bcに対して軸対称な形状には形成されていない。具体的には、TIRレンズ41bは全反射面411bと、円錐台面412bとを含む。全反射面411b及び円錐台面412bのそれぞれは、TIRレンズ41bの中心線(上述した中心線410参照)に対して略線対称に形成されており、軸対称にはなっていない。
【0035】
同様に、TIRレンズ41cにおける全反射面411c及び円錐台面412cのそれぞれは、TIRレンズ41cの中心線(上述した中心線410参照)に対して略線対称に形成されており、TIRレンズ41cの中心軸41ccに対して軸対称にはなっていない。またTIRレンズ41dにおける全反射面411d及び円錐台面412dのそれぞれは、TIRレンズ41dの中心線(上述した中心線410参照)に対して略線対称に形成されており、TIRレンズ41dの中心軸41dcに対して軸対称にはなっていない。後述する円錐台面412は、円錐台面412a、412b、412c及び412dの総称である。
【0036】
ここでTIRレンズ41aは第1の導光部材の一例であり、TIRレンズ41bは第2の導光部材の一例である。TIRレンズ41aの形状とTIRレンズ41bの形状とは異なっている。なお、第2の導光部材としてTIRレンズ41bを例示したが、配置領域12内の中央以外に配置された複数のTIRレンズが何れも第2の導光部材に該当する。つまり、複数のTIRレンズ41のうちのTIRレンズ41a以外のTIRレンズは何れも第2の導光部材に該当する。
【0037】
一方、図3Bに示すように、基板10において、複数のTIRレンズ41のそれぞれに対向する位置には、TIRレンズ41と1対1で対応するようにしてLED42が設けられている。
【0038】
より具体的には、例えばTIRレンズ41aに対向してLED42aが設けられ、TIRレンズ41bに対向してLED42bが設けられている。またTIRレンズ41cに対向してLED42cが設けられ、TIRレンズ41dに対向してLED42dが設けられている。
【0039】
ここで、LED42は発光素子の一例である。またLED42はLED42a、42b、42c及び42d等の複数のLEDの総称である。光源装置1は、合計63個のTIRレンズ41に対応して合計63個のLED42を備えている。
【0040】
複数のLED42のそれぞれは、基板10を介して駆動回路20に電気的に接続され、駆動回路20から印加される駆動電圧に応答して発光する。また複数のLED42のそれぞれは、駆動回路20に入力される制御信号に応答して、発光又は非発光の切り替え、又は発光の光強度等を独立して制御可能に構成されている。
【0041】
本実施形態では、LED42は例えば白色の光を発光する。但し、LED42が射出する光は白色光に限定されるものではなく、単色光であってもよいし、また白色光の中でも電球色や昼白色、昼光色等の各種を選択可能である。
【0042】
LED42が発光した光は、TIRレンズ41により導光され、出射面111を通って出射する。光源装置1は、この出射光により被照射領域を照明できる。また導光アレイ部11が含む複数のTIRレンズ41のそれぞれは、LED42から入射した光を導光した後に出射面111を通って出射させて被照射領域を照射できる。
【0043】
図3Bに示すように、TIRレンズ41aとLED42aの組は光源部4aを構成し、TIRレンズ41bとLED42bの組は光源部4bを構成している。またTIRレンズ41cとLED42cの組は光源部4cを構成し、TIRレンズ41dとLED42dの組は光源部4dを構成している。なお、光源部4は光源部4a、4b、4c及び4d等の複数の光源部の総称である。光源装置1は、TIRレンズ41とLED42の組により合計63個の光源部4を備えている。
【0044】
但し、全てのTIRレンズ41とLED42が必ずしも1対1で対応して設けられる必要はなく、一部のTIRレンズ41又はLED42の何れか一方が、組ではなく単独で設けられていてもよい。
【0045】
光源部4におけるTIRレンズ41とLED42との位置関係は、配置領域12内での光源部4の位置に応じて異なる。具体的には、配置領域12の中心軸14から離れて配置された光源部4ほど、LED42の中心とTIRレンズ41の中心軸との距離が大きくなる。すなわち、光源部4a、4b、4c、4dの順に、LED42の中心とTIRレンズ41の中心軸41ac、41bc、41cc、42dcのそれぞれとの距離が大きくなる。ここで、配置領域12の中心軸14とは、配置領域12の略中心を貫く軸であって、配置領域12と略直交する軸(Z軸と略平行な軸)をいう。
【0046】
図3Bに示すように、LED42aの中心はTIRレンズ41aの中心軸41acと略一致している。LED42bの中心はTIRレンズ41bの中心軸41bcに対して+X方向にずれている。LED42cの中心はTIRレンズ41cの中心軸41ccに対してさらに+X方向にずれ、TIRレンズ41bの中心軸41bcに対するLED42bのずれより、ずれが大きくなっている。LED42dの中心はTIRレンズ41dの中心軸41dcに対してさらに+X方向にずれ、TIRレンズ41cの中心軸41ccに対するLED42cのずれより、ずれが大きくなっている。
【0047】
また、図3Aに示すように、二点鎖線の四角で示す三角格子領域5内に配置される光源部4nは三角格子状に配列している。また配置領域12内で光源部4a、4b、4c及び4dは、矩形格子状に配列している。ここで、光源部4dは、三角格子領域5内にも配置され、三角格子状に配列した光源部のうちの1つでもある。
【0048】
光源部4nが含むTIRレンズ41nは、三角格子状に配列している。また配置領域12内で、TIRレンズ41a、41b、41c及び41dは矩形格子状に配列している。ここで、TIRレンズ41dは、三角格子領域5内にも配置され、三角格子状に配列したTIRレンズのうちの1つでもある。
【0049】
三角格子状の配列と矩形格子状の配列について詳述する。説明の便宜上、光源装置1を平面視した場合に、ある光源部を第1の光源部とし、第1の方向に沿って第1の光源部に隣接する光源部を第2の光源部とする。また第1の方向と直交する第2の方向に沿って第1の光源部に隣接する光源部を第3の光源部とする。また第1の方向に沿って第3の光源部と隣接し、第2の方向に沿って第2の光源部と隣接する光源部を第4の光源部とする。図3A及び図3Bでは、Y方向が第1の方向に対応し、X方向が第2の方向に対応する。なお、「隣接」とは隣り合っていることをいう。
【0050】
三角格子状の配列とは、第1の光源部と第2の光源部との間の第1の方向に沿う中央位置と、第3の光源部の中心と、が第2の方向に沿うように配置されていることをいう。
【0051】
本実施形態では、第1の光源部の中心と第3の光源部の中心が第2の方向に沿うように第1の光源部と第3の光源部が配置された場合と比較して、第2の方向に沿う第1の光源部の中心と第3の光源部の中心との間の距離が短くなるように配置されていることが特に好ましい。このような三角格子状の配列により、第1乃至第3の光源部をより高密度に配置できる。
【0052】
なお、三角格子状の配列における三角形は、正三角形、二等辺三角形等の各種の三角形を含む。特に正三角形、又は第1の光源部の中心と第2の光源部の中心とを結ぶ線を底辺とする二等辺三角形は、第1乃至第3の光源部をより高密度に配置する点で好ましい。
【0053】
一方、矩形格子状の配列とは、第1の光源部の中心と、第3の光源部の中心が第2の方向に沿うように配置され、第2の光源部の中心と、第4の光源部の中心が第2の方向に沿うように配置されていることをいう。なお、矩形格子状の配列における矩形は、正方形又は長方形の少なくとも一方を含む。
【0054】
例えば図3Aにおいて、光源部4pは第1の光源部に対応する。光源部4pはY方向に沿って光源部4pに隣接しているため、第2の光源部に対応する。光源部4qは、X方向に沿って光源部4pに隣接しているため、第3の光源部に対応する。光源部4pの中心4pcと光源部4pの中心4pcの間の中央位置Mと、光源部4qの中心4qcは、X方向に沿うように配置されている。従って、光源部4p、光源部4p及び光源部4qは、三角格子状に配列している。
【0055】
また、図3Aにおいて、光源部4sは第1の光源部に対応する。光源部4uは、Y方向に沿って光源部4sに隣接しているため、第2の光源部に対応する。光源部4tは、X方向に沿って光源部4sに隣接しているため、第3の光源部に対応する。光源部4vは、X方向に沿って光源部4uに隣接し、Y方向に沿って光源部4tに隣接しているため、第4の光源部に対応する。
【0056】
光源部4sの中心4scと光源部4tの中心4tcは、X方向に沿うように配置され、光源部4uの中心4ucと光源部4vの中心4vcは、X方向に沿うように配置されている。従って、光源部4s、4t、4u及び4vは、矩形格子状に配列している。
【0057】
なお、光源部の中心は、該光源部に含まれる導光部材の中心軸上(本実施形態ではTIRレンズの中心軸上)に位置する。また、光源部の中心位置は、厳密に光源部の中心位置でなくてもよく、光源部の略中心位置でよい。ここで、「略」は、一般に誤差と認められる程度の差異は許容されることを意味する。一般に誤差と認められる程度の差異は、例えば設計値の1/5以下のばらつきである。
【0058】
第1の光源部と第2の光源部との間の中央位置は、厳密に中央位置でなくてもよく、略中央位置でよい。また中央位置と中心、又は中心同士の第2の方向に沿う配置も、第2の方向に厳密に平行な配置を求めるものではなく、およそ第2の方向に沿っていればよい。
【0059】
別の観点では、第1の光源部の中心と、第2の光源部の中心との間のY方向に沿う距離をDとした場合に、第1の光源部の中心と、第3の光源部の中心との間のY方向に沿う距離がD/5以下であり、第2の光源部の中心と、第4の光源部の中心との間のY方向に沿う距離がD/5以下であれば、第1乃至第4の光源部は矩形格子状に配列している。
【0060】
一方、第1の光源部の中心と、第2の光源部の中心との間の中央位置Mと、第3の光源部の中心との間のY方向に沿う距離がD/5以下であれば、第1乃至第3の光源部は三角格子状に配列している。そして、第1の光源部の中心と第3の光源部の中心との間の最短距離、及び第2の光源部の中心と、第3の光源部の中心との間の最短距離がそれぞれD/2以上で2×D以下であることが好ましい。
【0061】
なお、三角格子領域5内に含まれる光源部4p、4p及び4qの位置関係を一例として説明したが、三角格子領域5内に含まれる他の何れの光源部においても同様である。
【0062】
また第2の光源部が第1の光源部の-Y方向側に配置され、第3の光源部が第1の光源部の+X方向側に配置された場合の位置関係を一例として説明したが、第1乃至第4の光源部の位置関係はこれに限定されるものではない。例えば、第2の光源部が第1の光源部の+Y方向側に配置され、第3の光源部が第1の光源部の-X方向側に配置された位置関係であっても同様である。
【0063】
光源部4nは、配置領域12における周縁部に配置される光源部の一例である。また光源部4nにおけるTIRレンズ41nの中心線410nは、光源部4a、4b、4c及び4d等の矩形格子状の配列方向(例えばX方向)に対して所定角度だけ傾いて配置されている。所定角度は例えば45度である。本実施形態では、配置領域12の周縁部に配置される光源部に含まれるTIRレンズは上面視が略楕円状になるが、この場合にも、中心線410nを配列方向に対して所定角度だけ傾けることで、略楕円状のTIRレンズをより高密度に配置可能になる。
【0064】
光源部4a、4b、4c及び4dのそれぞれは、配置領域12における中央部に配置される光源部の一例である。
【0065】
次に、LED42が発光する光のTIRレンズ41による導光について説明する。図4は、図3Bにおける破線の四角で囲った領域Bの部分拡大図であり、LED42が発する光のTIRレンズ41による導光の様子の一例を説明する図である。
【0066】
図4に示すように、LED42aから+Z方向側に向けて発せられた発散光は、円錐台面412aを通ってTIRレンズ41aの内部に入射する。円錐台面412aの斜面部を通って入射する入射光413a(破線の矢印で示す)は、全反射面411aで全反射した後、出射面111を通って出射する。
【0067】
なお、円錐台面412aを通ってTIRレンズ41aの内部に入射した光が全反射条件を満足して全反射面411aに入射するように、円錐台面412aの斜面部及び全反射面411aの形状及び角度が決定されている。LED42aが発する発散光のうち、全反射面411aで全反射した後に出射面111から出射する光は、TIRレンズ41aの第1の中心光と称される。
【0068】
一方、円錐台面412aの上底部を通ってTIRレンズ41aの内部に入射する入射光414aは、全反射面411aには到達することなく出射面111に到達し、出射面111を通って出射する。LED42aが発する発散光のうち、全反射面411aを介さずに直接出射面111から出射する光は、TIRレンズ41aの第2の中心光と称される。
【0069】
全反射面411a及び円錐台面412aの角度又は形状等を決定することで、第1の中心光及び第2中心光の光強度又は広がり角等を所望の状態にすることができる。なお、ここではTIRレンズ41aを一例にして、LEDが発光する光のTIRレンズによる導光を説明したが、他のTIRレンズにおいても導光機能は同様である。
【0070】
次に図5は、LED42の構成の一例を説明する図である。図5は複数のLED42のうちの1つを代表例として示したものである。複数のLED42は、全て同じ構成を有するが、これに限定されるものではなく、異なる構成のLEDを一部に含んでもよい。
【0071】
LED42は平面視が略正方形のブロック状の形状を有する。LED42の中央には、発光部421が設けられている。LED41は発光部421から白色光を射出することができる。
【0072】
LED42の中心を通る断面視で、LED42はTIRレンズ41の円錐台面412のX方向又はY方向における2つの下端の間にあり、LED42のX方向及びY方向のそれぞれに沿う長さSは480μm以上620μm以下が好ましい。また発光部421のX方向及びY方向のそれぞれに沿う長さCは280μm以上420μm以下が好ましい。光源部ごとで、TIRレンズの中心線に対して略線対称になるように、LED42は配置される。なお、LED42の寸法及び発光部421の寸法は適宜調整することができる。
【0073】
LED42は、発光素子と、発光素子上に配置され、波長変換物質を含有する波長変換部材と、発光素子の側面及び波長変換部材の側面を少なくとも覆う光反射性の被覆部材と、を少なくとも備える。図5において、発光部421は発光素子と波長変換部材とを含み、発光部421の外周422は被覆部材を含む。
【0074】
発光素子は、電圧を印加することで自ら発光する半導体素子である。発光素子は、少なくとも半導体積層体を備え、極性の異なる電極、例えばp側電極及びn側電極を有する。半導体の材料としては、波長変換部材が含有する波長変換物質を効率良く励起できる短波長の光を発光可能な材料である、窒化物半導体を用いることが好ましい。窒化物半導体は、主として一般式InAlGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)で表される。発光素子の発光ピーク波長は、発光効率、並びに波長変換物質の励起及びその発光との混色関係等の観点から、400nm以上530nm以下が好ましく、420nm以上490nm以下がより好ましく、450nm以上475nm以下がよりいっそう好ましい。また、半導体の材料は、InAlGaAs系半導体、InAlGaP系半導体などを用いることもできる。
【0075】
波長変換部材は、シリコーン等の樹脂を母材として波長変換物質を含有する部材である。波長変換物質は、発光素子が発する一次光の少なくとも一部を吸収して、一次光とは異なる波長の二次光を発する部材である。波長変換物質としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、βサイアロン蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)、αサイアロン蛍光体(例えば、M(Si,Al)12(O,N)16(但し、0<z≦2であり、MはLi、Mg、Ca、Y、及びLaとCeを除くランタノイド元素))、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等のフッ化物系蛍光体、CCA系蛍光体(例えば、(Ca,Sr)10(POCl:Eu)、又は、量子ドット蛍光体等を用いることができる。また、波長変換物質は、これらの蛍光体のうちの1種を単体で、又はこれらの蛍光体のうち2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0076】
被覆部材は、発光素子からの光を上面側(+Z方向)側に取り出すために光反射性を有することが好ましく、平面視において発光部421の外周422の幅((長さS-長さC)/2)が100μm以上であることが好ましい。被覆部材は、例えば、発光素子の発光ピーク波長に対する光反射率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらにより好ましい。また、被覆部材は、白色であることが好ましく、被覆部材の母材中に、例えば酸化チタン、酸化マグネシウムなどの白色顔料を含有してなることが好ましい。被覆部材40の母材は、例えばシリコーン、エポキシ、フェノール、ポリカーボネート、アクリルなどの樹脂又はこれらの変性樹脂が挙げられる。
【0077】
次に図6を参照して、各種類の光源部の配置について説明する。ここで光源部の種類とは、光源部の性質又は形態が共通するものを分類し、それぞれのまとまりとしたものをいう。本実施形態では、光源部が配置される位置に応じて光源部を分類している。より具体的には、配置領域12の中心軸14からの距離が等しい光源部を同じ種類の光源部としている。
【0078】
図6は、各種の光源部4の配置の一例を説明する図である。図6図3Aと同様に、導光アレイ部11における配置領域12の+Z方向側の面を透視し、配置領域12の-Z方向側の構成を示している。本実施形態では合計63個の光源部4を光源部4a乃至4nの14種類に分類している。図6では、光源部4a乃至4nをハッチングの種類により分類表示している。
【0079】
例えば、63個の光源部4の中心に配置された1つの光源部は、光源部4aに対応する。また光源部4aの+X方向側、-X方向側、+Y方向側及び-Y方向側のそれぞれに隣接配置された4つの光源部はそれぞれ光源部4bに対応する。光源部4bに分類される4つの光源部は、配置領域12の中心軸14からの距離が等しい位置に配置されている。
【0080】
光源部4a乃至4nは、それぞれ配置される位置に応じて種類が異なっている。また位置に応じて配置可能な光源部の個数が異なるため、種類ごとで光源部の個数も異なっている。表1は、光源部4a乃至4nの種類ごとでの個数を示す一覧表である。
【0081】
【表1】
【0082】
次に図7は、複数の光源部4のそれぞれの光軸の向きの一例を説明する図である。図7は、導光アレイ部11における配置領域12の+Z方向側の面を透視し、配置領域12の-Z方向側におけるTIRレンズ及びLEDを含む光源部を示している。
【0083】
ここで光源部における光軸とは、光源部が照射する光束の中心軸をいう。光源部が照射する光束は、換言すると光源部による照射光であり、発散光、集束光又は平行光等である。光軸の向きは、光源部に含まれるTIRレンズの形状、又はTIRレンズとLEDとの位置関係等に応じて決定される。TIRレンズの形状は、例えばTIRレンズの中心線の向きに応じた形状である。光源部は光軸の向きに沿う方向に光を照射できる。
【0084】
複数の光源部4のうちの光源部4cを一例とすると、光源部4cは、TIRレンズ41cと、LED42cとを有する。矢印で示した光軸43cは光源部4cの光軸を示し、光軸43cの矢印は光軸の向きを表している。光軸43cは配置領域12の中心軸14に向かっている。
【0085】
図7に示すように、光源装置1では、63個の光源部4のうち、4個の光源部4m及び4個の光源部4nは光軸が配置領域12の中心軸14に向かわず、他の55個の光源部4は光軸が配置領域12の中心軸14に向かうように構成されている。
【0086】
換言すると、複数の光源部4の少なくとも一部は、配置領域12の中心軸14に向かって照射する方向に光軸43を有している。ここで、配置領域12の中心軸14に向かって照射する方向とは、配置領域12の中心軸と交差することを目的とした方向を意味する。なお光軸43は、光軸43c、43m及び43n等の複数の光源部がそれぞれ有する光軸の総称である。
【0087】
図8は、配置領域12の中心軸14と、光源部4における光軸43の向きとの関係の一例をより詳しく説明する図である。図8の見方は図7と同様であるが、図8では、複数の光源部4のうち、4つの光源部4cのうちの1つと、4つの光源部4mのうちの1つと、4つの光源部4nのうちの1つとを表示し、見易さの便宜のため、他の光源部は表示を省略している。
【0088】
また図8では、光源部4cの光軸43c、光源部4mの光軸43m、及び光源部4nの光軸43nのそれぞれと、配置領域12の中心軸14との関係を分かりやすくする便宜のために、光軸の向きを示す方向に光軸を示す矢印を長く伸ばして表示している。
【0089】
図8に示すように、光軸43cは配置領域12の中心軸14に交差している。換言すると、配置領域12の中央部に配置される光源部4cは、配置領域12の中心軸14に向かって照射する方向に光軸43cを有する。
【0090】
ここで、光源装置1は、光軸43cと配置領域12の中心軸14とが交差することを狙って製作されるが、製造上の誤差により、厳密には光軸43cと配置領域12の中心軸14とが交差せず、両者がねじれの位置になる場合がある。ねじれの位置とは、平行でなく交わらない2つの直線の位置関係を意味する。
【0091】
このような一般に製造上の誤差と認められる程度の僅かなねじれがあっても、本実施形態に係る光源装置1の作用効果(後述)は得られる。そのため、本実施形態における「光軸43cと配置領域12の中心軸14との交差」は、このような一般に製造上の誤差と認められる程度のねじれを含むものとする。ここでは光源部4cを一例として示すが、複数の光源部4のうちの光源部4m及び4n以外の他の光源部においても同様である。
【0092】
一方、これに対し、光軸43m及び光軸43nのそれぞれは配置領域12の中心軸14に交差していない。換言すると、配置領域12の周縁部に配置される光源部4mは、配置領域12の中心軸14に対してねじれの位置で照射する方向に光軸43mを有する。同様に配置領域12の周縁部に配置される光源部4nは、配置領域12の中心軸14に対してねじれの位置で照射する方向に光軸43nを有する。すなわち、配置領域12の周縁部に配置される光源部の少なくとも一部は、配置領域12の中心軸14に対してねじれの位置で照射する方向に光軸43を有する。
【0093】
換言すると、光源装置1において、複数の光源部4のうち、一部の光源部4である光源部4cは、配置領域12の平面に直交する軸である中心軸14に向かって照射する方向に光軸43cを有する。また複数の光源部4のうち、一部の光源部4である光源部4mは、配置領域12の平面に直交する軸である中心軸14に対してねじれの位置で照射する方向に光軸43mを有する。複数の光源部4のうち、一部の光源部4である光源部4nは、配置領域12の平面に直交する軸である中心軸14に対してねじれの位置で照射する方向に光軸43nを有する。
【0094】
導光アレイ部11において、複数の光源部4に1対1で対応して含まれている複数のTIRレンズ41のうち、一部のTIRレンズ41が照射する光は、配置領域12の平面に直交する軸である中心軸14に向かって照射する方向に光軸を有する。また複数のTIRレンズ41のうち、一部のTIRレンズ41が照射する光は、配置領域12の平面に直交する軸である中心軸14に対してねじれの位置で照射する方向に光軸を有する。なお、図7及び図8において、TIRレンズ41が照射する光の光軸は、光源部4が有する光軸43と一致する。
【0095】
<各光源部による照射光の被照射領域内での配列例>
次に図9を参照して、複数の光源部のそれぞれによる照射光の被照射領域内での配列を説明する。図9は、各光源部による照射光の被照射領域内での配列の一例を説明する図である。
【0096】
図9に示すように、光源装置1は照射光2を被照射領域3に照射する。図9で被照射領域3内に表示した行列の図は、複数の光源部のそれぞれによる照射光が照明する部分領域を表している。各光源部の種類に対応して、各部分領域におけるハッチングの種類を変えて表示している。被照射領域3は、複数の部分領域が集合して形成される。なお、図9では複数の光源部4のそれぞれによる照射光が照明する部分領域を1対1の関係で示しているが、これは、光源部4から出射された光が、実際に対応する部分領域のみを照明することに限定されるものではない。それぞれの光源部4に対応する部分領域は、光源部4が照射目標とする領域である。従って、実際には、1つの光源部4から出射された光は、隣接する部分領域(又は近傍の部分領域)の少なくとも一部をも照明し得る。
【0097】
複数の光源部4のうち、光源部4m及び4n以外の光源部は、配置領域12の中心軸14に向かって照射する方向に光軸43を有する。そのため、光源部4m及び4n以外の各光源部による照射光は、被照射領域3内で、配置領域12の中心軸14を挟んで対称となる位置の部分領域31を照明する。
【0098】
例えば、光源部4jによる照射光2jは、配置領域12の中心軸14を挟んで光源部4jと対称な位置にある部分領域31jを照明している。また光源部4jによる照射光2jは、配置領域12の中心軸14を挟んで光源部4jと対称な位置にある部分領域31jを照明している。
【0099】
複数の光源部4のうち、光源部4m及び4n以外の他の光源部においても光源部4jと同様である。なお、部分領域31は、部分領域31j及び31j等の複数の部分領域の総称である。
【0100】
ここで、本実施形態では、複数の光源部4を円形平面状の配置領域12内に配置し、且つ配置領域12内にできるだけ多くの光源部4を配置するため、複数の光源部4は、配置領域12の外形形状に応じて、全体の外形形状が円形状になるように配置されている。
【0101】
従って、仮に複数の光源部4の全てが配置領域12の中心軸14に向かって光を照射すると、複数の光源部4による照射光が配列する被照射領域3は、複数の光源部4の配置に応じて円形状の領域になる。
【0102】
これに対し、本実施形態では、複数の光源部4のうちの光源部4m及び4nが配置領域12の中心軸14に対してねじれの位置で光を照射することで、被照射領域3が矩形状の領域になるようにしている。
【0103】
例えば、光源部4mは、配置領域12の中心軸14に対してねじれの位置で光を照射することで部分領域31mを照明し、光源部4mは、配置領域12の中心軸14に対してねじれの位置で光を照射することで部分領域31mを照明する。また光源部4nは、配置領域12の中心軸14に対してねじれの位置で光を照射することで部分領域31nを照明し、光源部4nは、配置領域12の中心軸14に対してねじれの位置で光を照射することで部分領域31nを照明する。このようにすることで、被照射領域3は矩形状の領域になる。
【0104】
また複数の光源部のそれぞれが照射する光は、矩形状の被照射領域3で行列に配列する。複数の光源部4は、円形平面状の配置領域12内で、矩形格子状及び三角格子状を組み合わせて配置されているため、複数の光源部4の少なくとも一部は、被照射領域3における照射光の配列とは異なる状態に配列している。
【0105】
また複数の光源部が含むTIRレンズのそれぞれが照射する光は、矩形状の被照射領域3で行列に配列する。複数の光源部4が含むTIRレンズは、円形平面状の配置領域12内で、矩形格子状及び三角格子状を組み合わせて配置されているため、複数の光源部4が含むTIRレンズの少なくとも一部は、被照射領域3における照射光の配列とは異なる状態に配列している。
【0106】
なお図9では、複数の部分領域31のそれぞれが矩形状の領域である例を示したが、これに限定されるものではなく、円形状又は楕円形状等の領域であってもよい。また複数の光源部のそれぞれが照射する光は、隣接する光源部が照射する光同士で一部が重なり合った状態で、被照射領域3で行列に配列してもよい。さらに複数の光源部のそれぞれが照射する光は、隣接する光源部が照射する光同士の間の一部に隙間が空いた状態で、被照射領域3で行列に配列してもよい。
【0107】
<光源装置1及び導光アレイ部11の作用効果>
以上説明したように、本実施形態では、光源装置1が有する複数の光源部を、円形平面状の配置領域内で、少なくとも矩形格子状及び三角格子状を組み合わせて配置する。円形平面状の配置領域に光源部を配置し、配置領域のみが外部から視認されるようにスマートフォン等の機器に光源装置1を取り付けることで、ユーザに視認される部分が円形状で、すっきりとした美しい外観の光源装置1及び導光アレイ部11を提供できる。
【0108】
また本実施形態では、合計63個の光源部4のうち55個を矩形格子状(すなわち行列状)に配置し、残りのわずか8個の光源部4を配置領域12の周縁部で三角格子状に詰めて配置しており、複数の光源部のそれぞれが照射する光は、被照射領域で行列状に配列する。これにより、例えば複数の光源部を独立に制御して様々なパターンで光を照射する場合等に、どの光源部がどの部分領域を照明するのか、つまり照射パターンを理解しやすくすることができる。
【0109】
また、例えば、円形平面状の配置領域に複数の光源部を矩形格子状に配置する場合、照射光量の確保等のために光源部の個数を増やすと、配置領域の面積を大きくする必要が生じ、これにより光源装置が大型化する場合がある。これに対し、本実施形態では、少なくとも矩形格子状及び三角格子状を組み合わせて配置する。この構成により、配置領域12の面積を大きくすることなく光源部4の個数を増やすことができ、円形平面状の配置領域12に複数の光源部4を矩形格子状に配置する場合と比較して、光源装置1及び導光アレイ部11を小型化することができる。
【0110】
また本実施形態では、複数の光源部4のそれぞれが照射する光は、被照射領域3で行列に配列し、複数の光源部4の少なくとも一部は、被照射領域3における照射光の配列とは異なる状態に配列する。これにより、被照射領域3における照射パターンを理解しやすくするとともに、複数の光源部4及びTIRレンズ41を円形平面状の配置領域12内に収めることができる。
【0111】
また、一般に看板や掲示板等の情報表示手段では、文字や写真、画像等を矩形領域内に配置することが多い。被照射領域が円形状の領域であると、情報表示手段の矩形領域内に含まれる情報全体を効率的に照明できない場合がある。例えば、情報がない領域を照明する無駄な光が多くなる。これに対し、本実施形態では被照射領域を矩形状の領域にすることで、円形状で、すっきりとした美しい外観の光源装置1及び導光アレイ部11を提供しつつ、情報表示手段等における矩形領域を効率的に照明できる。
【0112】
また本実施形態では、複数の光源部4の少なくとも一部は、配置領域12の中心軸14に向かって照射する方向に光軸を有する。例えば、光源部4が配置領域12の中心軸14と平行な方向に光を照射すると、配置領域12の周囲に存在するスマートフォンの筐体等により照射光の一部がけられる(遮られる)場合がある。光源部4の位置が配置領域12の周縁に近づくにつれ、このようなケラレは大きくなる。配置領域12の中心軸14に向かって照射する方向に光軸を有することで、配置領域12の周縁部から遠ざかる方向に光を照射できるため、配置領域12の周囲に存在する部材による照射光のケラレを低減でき、広角に光を照射できる。
【0113】
また本実施形態では、複数の光源部4のうち、配置領域12における中央部に配置される光源部4は矩形格子状に配置され、複数の光源部4のうち、配置領域12における周縁部に配置される光源部4の少なくとも一部は三角格子状に配置されている。
【0114】
光源部4を矩形格子状に配置することで照射パターンを理解しやすくなり、また光源部4を三角格子状に配置することで、光源部4を円形平面状の配置領域12内に収めることができる。これらにより矩形状の被照射領域3を形成でき、情報表示手段等における矩形領域を効率的に照明できる。
【0115】
また本実施形態では、中央部に配置される光源部4は、配置領域12の中心軸14に向かって照射する方向に光軸を有し、周縁部に配置される光源部4の少なくとも一部は、配置領域12の中心軸14に対してねじれの位置で照射する方向に光軸を有する。
【0116】
これにより、複数の光源部4を円形平面状の配置領域12内に配置し、且つ配置領域12内にできるだけ多くの光源部4を配置する場合にも、被照射領域3を矩形状の領域にすることができる。そして、情報表示手段等における矩形領域を効率的に照明できる。
【0117】
また本実施形態では、複数の光源部4が有する導光部材は、光を全反射する全反射面を含む第1の導光部材と、光を全反射する全反射面を含む第2の導光部材と、を含み、第1の導光部材の形状と第2の導光部材の形状とが異なる。これにより、配置位置に応じて光源部による照射光の照射方向を所望の方向に設定できる。
【0118】
また本実施形態では、複数の光源部4は、隣り合う導光部材が光を出射する面側で繋がっている。この構成により、複数のTIRレンズを有する導光部材を一体に形成でき、複数の導光部材を組み付ける作業等を削減し、光源装置1の製作における手間及び時間を削減できる。
【0119】
また本実施形態では、複数の光源部4のそれぞれは、独立して光を照射可能である。これにより、様々なパターンでの照明が可能になる。また光源装置1を動かすことなく、照明位置、照明方向又は照明範囲等を自在に切り替えることが可能になる。
【0120】
<変形例>
次に実施形態に係る光源装置の変形例について説明する。上述した実施形態では、複数の光源部4は、円形平面状の配置領域12内で、少なくとも矩形格子状及び三角格子状を組み合わせて配置される構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、円形平面状の配置領域12内で、複数の光源部を同心円状に配置することもできる。また複数の光源部が含むTIRレンズを同心円状に配置することができる。
【0121】
図10Aは、変形例に係る複数の光源部の配置の第1例を説明する図である。図10Aに示すように、光源装置1aは、導光アレイ部11aを有する。また導光アレイ部11aに含まれるTIRレンズ41aaと、LED42とにより構成される複数の光源部4aaは、同心円状に配置されている。
【0122】
ここで、同心円状の配置とは、配置領域12の中心軸14を中心にした、半径が異なる複数の円103上に、各光源部4aaの略中心が配置されることをいう。なお、図10Aに一点鎖線で示した円103は、同心円状の配置を説明する便宜のために示したものであり、光源装置1aに含まれる構成部ではない。
【0123】
導光アレイ部11aにおける配置領域12は可視光に対して透過性を有するため、光源装置1aを搭載するスマートフォン等のユーザは、配置領域12内に配置される光源部4aaを外部から視認できる。光源部4aaを同心円状に配置することで、複数の光源部4aa全体における配置の規則性を確保できるため、光源装置1aを視認した際の外観をより良好にすることができる。
【0124】
上述した実施形態では、63個の光源部4又は63個の導光部材(例えばTIRレンズ41)が配置された構成を例示したが、光源部4の個数は63個以外であってもよく、導光部材の個数も63個以外であってもよい。ここで、図10B及び図10Cは、63個以外の個数の光源部を示す図であり、図10Bは複数の光源部の配置の第2例、図10Cは複数の光源部の配置の第3例をそれぞれ示す図である。
【0125】
図10Bに示すように、光源装置1bは、矩形格子状に配置されている4個の光源部4Abと、三角格子状に配置されている4個の光源部4Bb(詳細には、それぞれの三角格子のうちの1個にあたる、4個の光源部4Bb)と、を配置領域12内に有する。なお、光源部4Abは矩形格子状に配置された光源部の総称表記であり、光源部4Bbは三角格子状に配置された光源部の総称表記である。光源部4Abは斜線ハッチングで表示され、光源部4Bbはドットハッチングで表示されている。三角格子状に配置されている3個の光源部4の組合せは任意である。例えば、光源装置1bの4個の光源部4Bbは、それぞれ任意の3個の光源部4の組合せの一部である。
【0126】
図10Cに示すように、光源装置1cでは、矩形格子状に配置されている9個の光源部4Acと、三角格子状に配置されている8個の光源部4Bc(詳細には、それぞれの三角格子のうちの1個にあたる、8個の光源部4Bc)と、を配置領域12内に有する。なお、光源部4Acは矩形格子状に配置された光源部の総称表記であり、光源部4Bcは三角格子状に配置された光源部の総称表記である。光源部4Acは斜線ハッチングで表示されており、光源部4Bcはドットハッチングで表示されている。
【0127】
9個の光源部4Acのうち、矩形格子状に配置されている4個以上の光源部4Acの組合せは任意である。また、三角格子状に配置されている3個以上の光源部4の組合せは任意である。例えば、光源装置1cの8個の光源部4Bcは、それぞれ任意の3個の光源部4の組合せの一部である。
【0128】
複数の光源部を略円形に配置するためには、最低8個の光源部4が必要となる。
【0129】
また、上述した実施形態では、光源部4が円形配置された構成を例示したが、光源部4は円形配置以外で配置されていてもよい。ここで、図10D及び図10Eは、円形配置以外に配置された光源部を示す図であり、図10Dは複数の光源部の配置の第4例、図10Eは複数の光源部の配置の第5例をそれぞれ示す図である。
【0130】
図10Dは、光源装置1dにおいて、任意の平面視形状を有する配置領域12dに設けられている複数の光源部のうちの少なくとも一部を示している。光源装置1dは、矩形格子状に配置されている6個の光源部4Adと、三角格子状に配置されている6個の光源部4Bdと、を有する。なお、光源部4Adは矩形格子状に配置された光源部の総称表記であり、光源部4Bdは三角格子状に配置された光源部の総称表記である。光源部4Adは斜線ハッチングで表示されており、光源部4Bdはドットハッチングで表示されている。
【0131】
6個の光源部4Adのうち、矩形格子状に配置されている4個以上の光源部4Adの組合せは任意である。また、三角格子状に配置されている3個以上の光源部4の組合せは任意である。例えば、光源装置1dの6個の光源部4Bdは、それぞれ任意の3個以上の光源部4の組合せの一部である。矩形格子領域6Adは、光源部4Adが矩形格子状に配置されている領域を示し、三角格子領域6Bd、6Bd及び6Bdは、それぞれ光源部4Bdが三角格子状に配置されている領域を示している。
【0132】
図10Eは、光源装置1eにおいて、任意の平面視形状を有する配置領域12eに設けられている複数の光源部のうちの少なくとも一部を示している。光源装置1eは、矩形格子状に配置されている13個の光源部4Aeと、三角格子状に配置されている4個の光源部4Be(詳細には、三角格子状に配置された光源部4のうちの1個にあたる、4個の光源部4Be)と、を有する。光源部4Aeは矩形格子状に配置された光源部の総称表記であり、光源部4Beは三角格子状に配置された光源部の総称表記である。光源部4Aeは斜線ハッチングで表示されており、光源部4Beはドットハッチングで表示されている。
【0133】
13個の光源部4Aeのうち、矩形格子状に配置されている4個以上の光源部4Aeの組合せは任意である。また、三角格子状に配置されている3個以上の光源部4の組合せは任意である。例えば、光源装置1eの4個の光源部4Beは、それぞれ任意の3個以上の光源部4の組合せの一部である。矩形格子領域6Ae及び6Aeは、それぞれ光源部4Aeが矩形格子状に配置されている領域を示し、三角格子領域6Be、6Be及び6Beは、それぞれ光源部4Beが三角格子状に配置されている領域を示している。三角格子領域6Be、6Be及び6Beに示すように、矩形格子領域6Ae又は6Aeに配置される光源部4の一部は、三角格子状の配置の一部にもなり得る。光源装置1b、1c及び1dにおいても同様である。
【0134】
実施形態における複数の光源部4の配置は、矩形格子状の配置及び三角格子状の配置が必須ではないが、少なくとも矩形格子配置と三角格子配置とが混在していれば、光源装置における配置領域を小型化できる。また複数の光源部4の配置は対称配置でなくてもよい。つまり、任意の平面視形状の配置領域に複数の光源部4を配置可能である。なお、上述の変形例では光源部4の配置を例に説明したが、導光アレイ部における導光部材の配置もこれと同様である。
【0135】
[実施例]
次に、上述した実施形態をさらに具体化した実施例について説明する。図11は、実施例に係る光源装置1と、参考例に係る光源装置1Xの比較を示す図である。図11は、左側の列に項目、中央の列に光源装置1、右側の列に光源装置1Xをそれぞれ示している。
【0136】
図11は、光源装置1の3通りの発光パターンごとでの最大照度、照度の均一性及び照度分布の各実験データを示し、また光源装置1Xの最大照度、照度の均一性及び照度分布の各実験データを示している。但し、光源装置1における照度の均一性の実験データは、光源装置1が備える複数の光源部の全てが点灯した発光パターンによる実験結果のみを示している。
【0137】
なお、本実施例では、照度の均一性は、被照射領域の4隅の領域における各照度のうち、最小となる照度を被照射領域の中心領域の照度で除算した値を意味する。図12は、照度の均一性を説明するための図であり、被照射領域3における中心領域30と、4隅の領域に対応する隅領域3a、3b、3c及び3dとを示す図である。
【0138】
照度の均一性評価では、光源装置から300[mm]離れた位置に設けた拡散板に光源装置から光を照射し、拡散板を挟んで光源装置とは反対側から拡散板上の被照射領域3をカメラで撮影した。カメラによる撮影画像内で、被照射領域3の中心領域30及び隅領域3a乃至3dのそれぞれに対応する画像領域の画素輝度を各領域の照度とした。被照射領域3における中心領域30及び隅領域3a乃至3dのそれぞれの大きさは、直径が略10mmの円形状の領域である。被照射領域3の中心領域30及び隅領域3a乃至3dのそれぞれに対応する画像領域の画素輝度には、各画像領域を構成する複数の画素の輝度値の平均値を用いた。
【0139】
被照射領域3上での隅領域3a乃至3dの各位置は、光源装置による照射画角の90%となる角度に対応する位置である。具体的には、中心領域30の位置を座標(0,0)[mm]とすると、隅領域3aの位置は座標(126.0,166.5)[mm]、隅領域3bの位置は座標(-126.0,166.5)[mm]、隅領域3cの位置は座標(126.0,-166.5)[mm]、隅領域3dの位置は座標(-126.0,-166.5)[mm]である。
【0140】
ここで、図11に戻り、図11の説明を続ける。発光パターンは、光源装置1及び光源装置1Xのそれぞれにおいて、光を発する光源部の位置を表す。図11の発光パターンの行に示した四角の1つ1つは、発光素子(LED)と導光部材とを含む光源部を模式的に表したものである。図11に示すように、光源装置1は複数の光源部を円形状に配置し、光源装置1Xは1つの光源部を配置している。
【0141】
光源装置1は複数(ここでは63個)の光源部を有するため、光源部の個数に応じて複数通りの発光パターンで光を発することができ、図11では、そのうちの3つの発光パターンを表示している。光源装置1Xは1つの光源部のみを有するため、1通りの発光パターンを表示している。また図11では、光を発する(点灯する)光源部をドットハッチングで示し、光を発しない(消灯する)光源部をハッチングなしで表示している。
【0142】
照度分布は、被照射領域の一部で得られる照射光の照度分布を示し、照射パターンに対応する。図11に示す照度分布は、例えば光源装置から所定距離だけ離れた位置に設けられたスクリーンへの照射光をカメラで撮影して取得したものである。
【0143】
光源装置1及び光源装置1Xのそれぞれの主な仕様は以下の通りである。なお、以下に示す[wt%]は重量パーセントを表し、母材である樹脂と含有物質とを含む全重量に対する含有物質の重量の比率を意味する。
【0144】
(光源装置1の主な仕様)
・LED個数:63[個]
・LED外形サイズ(図5の長さS):520[μm]
・発光部サイズ(図5の長さC):330[μm]、発光素子は平面視で一辺が220[μm]の正方形状
・発光素子の光の波長λd:457[nm]
・波長変換部材:LuAl12:Ce及びCaAlSiN:Eu含有シリコーン樹脂
・被覆部材:酸化チタン含有シリコーン樹脂
・被覆部材の酸化チタン含有量:60[wt%]
・被覆部材の酸化チタンの屈折率:2.54
・被覆部材のシリコーン樹脂の屈折率:1.51
・波長変換部材上の光拡散部材:酸化チタン含有シリコーン樹脂
・波長変換部材上の光拡散部材の酸化チタン含有量:0.93[wt%]
・導光部材:63個のTIRレンズを含むTIRレンズアレイ
・導光部材の材質:ポリカーボネート(屈折率1.58)
・導光部材の平面視サイズ(図2Aの長さL):35[mm]
・配置領域の直径(図2Bの直径D):32.4[mm]
・導光アレイ部の高さ(図2BのZ軸方向に沿う長さh)2.59[mm]
【0145】
(光源装置1Xの主な仕様)
・LED個数:1個
・LED外形サイズ(図5の長さSに対応するサイズ):1720[μm]
・発光部サイズ(図5の長さCに対応するサイズ):1484[μm]、発光素子は平面視で一辺が1400[μm]の正方形状
・波長変換部材上の光拡散部材:酸化チタン及びガラスフィラー含有シリコーン樹脂
・波長変換部材上の光拡散部材の酸化チタン含有量:4.17[wt%]
・波長変換部材上の光拡散部材のガラスフィラー含有量:44.61[wt%]
・導光部材:上面が平坦で下面が凹凸に形成された1個のフレネルレンズ
・導光部材の材質:ポリカーボネート(屈折率1.58)
・導光部材の平面視サイズ:6.56×6.56[mm]
・導光部材のフレネル径(直径):5.41[mm]
・導光部材の高さ(Z軸方向に沿う長さ)1.65[mm]
【0146】
なお、LEDにおける上記以外の項目の仕様は、光源装置1と光源装置1Xで同じである。
【0147】
図11に示すように、光源装置1における63個の光源部が全て発光した発光パターンの場合には、最大照度は2676[lux]で、均一性は41.5[%]であった。被照射領域では、全ての光源部の照射光により、広い範囲で照度分布が得られた。
【0148】
光源装置1における63個の光源部のうち、中央部の1個が発光した発光パターンの場合には、最大照度は1250[lux]であった。被照射領域では、中央部の1個の光源部による照射光に対応する部分のみで局所的な照度分布が得られた。
【0149】
光源装置1における63個の光源部のうち、周縁部の1個が発光した発光パターンの場合には、最大照度は454[lux]であった。被照射領域では、周縁部の1個の光源部による照射光に対応する部分のみで局所的な照度分布が得られた。
【0150】
一方、光源装置1Xにおける1個の光源部が発光した場合には、最大照度は1500[lux]で、均一性は41.0[%]であった。被照射領域では、1個の光源部の照射光により、広い範囲で照度分布が得られた。
【0151】
図11から、光源装置1は、光源装置1Xと比較して最大照度が1.78倍高く、1.78倍明るい照射光が得られることが分かった。また被照射領域における広い範囲だけでなく、一部のみの局所的な照射も可能であることが分かった。
【0152】
次に、図13A及び図13Bは、光源装置1による照射光の照度分布の一例を示す図である。図13Aは光源装置1による照射光の照度分布を示し、図13Bは光源装置1Xによる照射光の照度分布を示している。
【0153】
図13A及び図13Bに示す照度分布は、500[mm]離れた距離に設けられたスクリーンに光源装置1及び光源装置1Xのそれぞれが光を照射した際に、スクリーン上で得られる照度分布である。
【0154】
図13Bに示すように、光源装置1Xでは、1通りの発光パターンにより1通りの照度分布のみが得られた。これに対し、図13Aに示すように光源装置1では、63個の光源部のうち、光を照射する光源部を変更することで7通りの照度分布が得られた。但し、7通りに限定されるものではなく、63個の光源部のうち、光を照射する光源部の個数及び位置を選択することにより、それに応じた照度分布を得ることができる。
【0155】
図13Aに示すように、光源装置1では、発光パターンを変化させることで様々な照度分布(照射パターン)が得られた。このように光源装置1を動かすことなく、照明位置、照明方向又は照明範囲等を自在に切り替えることができる。
【0156】
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0157】
例えば、上述した実施形態では、TIRレンズを含む導光部材の構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、導光管、屈折型レンズ、回折型レンズ、又は屈折率分布型レンズ等を含んで導光部材を構成することもできる。
【0158】
本発明の光源装置は、所望の被照射領域に光を照射できるので、照明、カメラのフラッシュ、車載のヘッドライト、ヘッドアップディスプレイのバックライト等に好適に利用できる。但し、本発明の光源装置はこれら用途に限定されるものではない。
【0159】
この出願は、2020年10月2日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2020-168014号、2021年2月2日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2021-015305号、並びに2021年6月9日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2021-096777号に基づいて、その優先権を主張するものであり、これら日本国特許出願の全内容を含む。
【符号の説明】
【0160】
1 光源装置
10 基板
11 導光アレイ部
111 出射面
12 配置領域
13 周囲領域
14 配置領域の中心軸
2 照射光
20 駆動回路
3 被照射領域
31 部分領域
4 光源部
4p、4s 光源部(第1の光源部の一例)
4pc、4pc、4qc、4sc、4tc、4uc、4vc 光源部の中心
4p、4u 光源部(第2の光源部の一例)
4q、4t 光源部(第3の光源部の一例)
4v 光源部(第4の光源部の一例)
41 TIRレンズ(導光部材の一例)
410 中心線
411 全反射面
412 円錐台面
42 LED(発光素子の一例)
43 光軸
421 発光部
422 発光部の外周
5 三角格子領域
100 スマートフォン
101 背面パネル
102 貫通孔
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
図12
図13A
図13B