(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005622
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】反射部材及び光源装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240110BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240110BHJP
【FI】
F21S2/00 484
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105887
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】山田 有一
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244BA08
3K244BA23
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA19
3K244FA13
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA03
3K244GA04
(57)【要約】
【課題】光源装置の面内の輝度ムラを低減することができる反射部材及び光源装置を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の光源からの光を反射可能な反射部材であって、前記反射部材は、前記光源をそれぞれ配置可能な複数の区画領域を有し、前記複数の区画領域のうち少なくとも1つの前記区画領域は、光源載置領域と、前記区画領域の境界を規定する複数の第1突起部と、前記第1突起部より内側に配置された複数の第2突起部とを有し、前記光源載置領域の中心から見て、前記複数の第2突起部は、前記複数の第1突起部のうち隣接する前記第1突起部間に配置されている反射部材。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源からの光を反射可能な反射部材であって、
前記反射部材は、前記光源をそれぞれ配置可能な複数の区画領域を有し、
前記複数の区画領域のうち少なくとも1つの前記区画領域は、光源載置領域と、前記区画領域の境界を規定する複数の第1突起部と、前記第1突起部より内側に配置された複数の第2突起部とを有し、
前記光源載置領域の中心から見て、前記複数の第2突起部は、前記複数の第1突起部のうち隣接する前記第1突起部間に配置されている反射部材。
【請求項2】
前記複数の第2突起部の上端は、前記複数の第1突起部の上端より低い位置にある請求項1に記載の反射部材。
【請求項3】
前記複数の第2突起部は、隣接する前記第2突起部間の距離が、隣接する前記第1突起部間の距離よりも小さくなるように配置されている請求項1に記載の反射部材。
【請求項4】
前記反射部材は、基部を有し、
前記複数の第1突起部及び前記複数の第2突起部は、前記基部上に配置されており、
前記光源載置領域は、前記基部に設けられた貫通孔である請求項1に記載の反射部材。
【請求項5】
前記第1突起部及び前記第2突起部は、断面視において傾斜面を有し、
前記傾斜面は、前記基部の上面に対して、20°以上である請求項1に記載の反射部材。
【請求項6】
前記複数の第2突起部より内側に、さらに、複数の第3突起部が配置される請求項1に記載の反射部材。
【請求項7】
前記複数の第3突起部の上端は、前記複数の第2突起部の上端と同じ位置、又はそれよりも低い位置にある請求項6に記載の反射部材。
【請求項8】
基板と、
前記基板上に配置された請求項1~7のいずれか一項に記載の反射部材と、
前記基板上に配置された複数の光源と、を備え、
前記複数の光源のそれぞれは、前記反射部材の複数の前記光源載置領域のそれぞれに配置される光源装置。
【請求項9】
前記複数の光源のそれぞれは、発光素子を備え、
前記複数の第1突起部及び前記複数の第2突起部の上端は、前記発光素子の上面よりも高い位置にある請求項8に記載の光源装置。
【請求項10】
前記複数の光源の上方に、拡散板を備える請求項8に記載の光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、反射部材及び光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶テレビ、車載用計器類等に用いられる直下方式のバックライトとして、基板上に配置された複数の光源を備えた面発光型の光源装置が種々提案されている。このような光源装置は、輝度ムラを低減するために、それぞれの光源を囲み、表面に反射膜等を有する凹凸部材を有している(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、より一層の輝度の向上及び輝度ムラの改善が要求されている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、輝度ムラを低減することができる反射部材を提供する。また、この反射部材を用いる光源装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る反射部材は、複数の光源からの光を反射可能な反射部材であって、前記反射部材は、前記光源をそれぞれ配置可能な複数の区画領域を有し、前記複数の区画領域のうち少なくとも1つの前記区画領域は、光源載置領域と、前記区画領域の境界を規定する複数の第1突起部と、前記第1突起部より内側に配置された複数の第2突起部とを有し、前記光源載置領域の中心から見て、前記複数の第2突起部は、前記複数の第1突起部のうち隣接する前記第1突起部間に配置されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態の反射部材及び光源装置によれば、輝度ムラを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本発明の一実施形態の反射部材の概略斜視図である。
【
図1B】
図1Aの反射部材の一区画領域を示す概略平面図である。
【
図1C】
図1BのIC-IC線断面側から見た概略側面図である。
【
図1D】
図1Cの反射部材の第1突起部の別例を示す概略側面図である。
【
図1E】
図1Aの反射部材の一区画領域の境界Aを示す平面図である。
【
図3B】
図3AのIIIB-IIIB線断面側から見た側面図である。
【
図4B】
図4Aの反射部材の一区画領域を示す概略平面図である。
【
図5B】
図5Aの反射部材の一区画領域を示す概略平面図である。
【
図6B】
図6Aの反射部材の一区画領域を示す概略平面図である。
【
図7A】本発明の一実施形態の光源装置の概略斜視図である。
【
図7B】
図7Aの光源装置の一区画領域を示すVIIB-VIIB線断面図である。
【
図8】
図7Aの光源装置の光源の配光特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施の形態について適宜図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する実施の形態は、本開示の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本開示を以下のものに限定しない。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態及び実施例にも適用可能である。各図面が示す部材の大きさ及び位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。各実施例において、同じ機能を有する構成部材を同じ符号で表すことがある。
本実施形態においては、光源装置の光源の光取り出し面側を上面又は上方ということがある。また、本明細書において「高い位置」とは、上方に位置することを意味し、「低い位置」とは上方と反対側に位置することを意味する。特に断りのない限り、上面から見た場合(平面視)において、反射部材、基板、光源装置の中心側を内側、中心とは反対側を外側ということがある。断面図は、切断面のみを示す端面図を用いることがある。
【0009】
本発明の一実施形態の光源装置は、反射部材と、複数の光源と、基板とを有する面状光源である。反射部材及び複数の光源が基板上に配置される。反射部材は、面状光源のリフレクタとして機能し、面状光源の一部を発光させることでローカルディミングを行う際に、発光領域を区画する区画領域を有する。
以下、反射部材を構成する各要素について説明する。その後、光源装置の詳細について説明する。
【0010】
〔反射部材〕
反射部材10は、後述する複数の光源からの光を反射可能な部材である。反射部材10は、
図1Aに示すように、複数の区画領域14を有する。複数の区画領域14のそれぞれに、光源を配置可能である。複数の区画領域14のうち少なくとも1つの区画領域14は、光源載置領域15と、複数の第1突起部11と、複数の第2突起部12とを有する。
反射部材10は、
図1Aに示す例では、基部10Aを有する。複数の第1突起部11及び複数の第2突起部12は、基部10A上に配置される。基部10Aは、区画領域の一部に配置され得る。
図1Aに示す例では、基部10Aは、区画領域14の中心部分を除く領域に配置され、区画領域14の中心部分には貫通孔10Bが配置されている。
区画領域14において、光源から離れた領域は、光源に近い領域に対して暗くなりやすい領域である。このため、光源から離れた領域に反射部材の突起部を配置することで、光源からの光が突起部によって上方に反射されるため、光源から離れた領域を明るくすることができ、区画領域14における輝度ムラを低減することができる。さらに、反射部材10であれば、複数の第1突起部11及び複数の第2突起部12が分散して配置されるため、光源装置の上方から見て、突起部によって上方に反射される光が線状に観測されることなく、分散されて観測される。これにより、区画領域14における輝度ムラを低減することができる。
【0011】
(区画領域14)
反射部材10において、区画領域14は、複数配列されている。複数の区画領域14のそれぞれは、後述する複数の第1突起部11によって、1つの区画領域14の境界Aが規定される。このため、複数の区画領域14のそれぞれの外形は、複数の第1突起部に配置に対応する。区画領域14は、得ようとする輝度等を考慮して、任意にその数を設定することができる。例えば、
図1Aにおいては、4つの区画領域を有する。
図1Aに示す例では、区画領域14は、第1方向F及び第1方向Fに直交する第2方向Sに隣接して、行列状に配列されている。ただし、これに限定されず、区画領域14は、第1方向Fに規則的に配列するとともに、第2方向Sには、第1方向Fに隣接する区画領域14間に配置するように区画領域14の半分の量(長さ)を第1方向Fにシフトして、規則的に並列しているものであってもよい。
【0012】
図1Aに示す例では、複数の区画領域14の全部が、光源載置領域15、第1突起部11及び第2突起部12を有する。ただし、これに限らず、光源載置領域15、第1突起部11又は第2突起部12を有さない区画領域が含まれていてもよい。
【0013】
平面視において、区画領域14の形状は、三角形、四角形、六角形等の多角形であってもよいし、円形、楕円形等であってもよい。区画領域14の形状のなかでも、平面充填形に配列可能な四角形(
図1A等)又は六角形(
図2A)が好ましい。1つの区画領域14の一辺は、例えば、1mm~50mmが挙げられ、5mm~20mmが好ましく、6mm~15mmがより好ましい。区画領域14は、
図1A及び
図2Aに示すように全てが同じ大きさ及び形状でもよいし、一部又は全部において、大きさ又は形状が異なっていてもよい。
【0014】
反射部材の基部10Aは、上面及び下面を有する。
図1Cに示す例では、側面視において、基部10Aの上面と下面は互いに平行である。ただし、これに限らず、基部10Aの上面は、側面視において、基部10Aの下面に対して、傾斜してもよい。ここでの傾斜とは、区画領域14の外縁から光源載置領域15に向かって漸次又は段階的に低くなることを意味する。基部10Aの上面に粗面が存在してもよい。粗面の算術平均粗さRaは、例えば、0.4μmである。
【0015】
基部10Aは、貫通孔10Bから離隔し、且つ第1突起部11及び第2突起部が配置されていない領域に、基部10Aの上面から下面まで貫通する一以上の貫通孔を備えることができる。
【0016】
図1A及び
図1Cに示す例では、基部10A上に配置された複数の第1突起部11において隣接する第1突起部11の側面同士は互いに離隔する。同様に、基部10A上に配置された複数の第2突起部12において隣接する第2突起部12の側面同士は互い離隔する。ただし、これに限らず、
図1Dに示すように、基部10A上に配置され、第1突起部11の側面同士を繋ぐ接続部10A1が配置されてもよい。なお、第2突起部12の側面同士を繋ぐ接続部が配置されてもよいし、配置されなくてもよい。
【0017】
(光源載置領域15)
光源載置領域15は、光源が載置可能な領域である。光源載置領域15は、
図1A及び
図1Bに示す例では、1つの区画領域14において、中心又は重心を含む領域に位置する。反射部材10が基部10Aを有する場合、つまり、
図1A、1B等に示した例では、光源載置領域15は、基部10Aに設けられた貫通孔10Bである。このような貫通孔10Bを設けることにより、光源を、後述する基板8の配線層4A、4Bと接続させることができる。平面視において、光源載置領域15(すなわち、貫通孔10B)の形状及び大きさは、用いる光源等の形状及び大きさによって設定することができ、用いる光源と同等又はそれよりも大きければよい。光源載置領域15の平面視形状は、
図1Bに示す例では、円形である。ただし、これに限らず、光源載置領域15の平面視形状は、楕円形、三角形、四角形等の多角形又はこれらに近似する平面視形状とすることができる。光源載置領域15の平面視形状は、光源の平面視形状と同じでもよいし、異なってもよい。
貫通孔10Bの平面視の大きさ(最大長さ)は、例えば、光源の一辺の1倍以上2倍以下である。例えば、光源9の平面視の大きさ(最大長さ)が0.5mm以上5mm以下の場合、貫通孔10Bの平面視の大きさは0.5mm以上10mm以下に設定することができる。貫通孔10Bを規定する側面が、光源の近傍に位置すること、すなわち、平面視において、貫通孔10Bと光源との間に生じる間隔は狭い方が好ましい。これによって、光源からの光を反射部材の基部10Aによって反射させることができ、光の取り出し効率を向上させることができる。
【0018】
反射部材10が基部10Aを有さない場合には、光源載置領域15は、反射部材10を配置する基板8上の、光源への給電のための配線層を含む領域とすることができる。
【0019】
複数の光源載置領域15において、すべての光源載置領域15に光源が配置されている必要はなく、一部の光源載置領域15に光源が配置されていなくてもよい。
【0020】
(第1突起部11)
第1突起部11は、光源からの光を反射可能な部材である。
図1Aに示すように、一つの区画領域14に複数の第1突起部11が配置される。複数の第1突起部11は、環状に配置され、区画領域14の境界Aを規定する。境界Aは、
図1Eの例で示すような、平面視において隣接する第1突起部11の中心同士を繋いだ線でもよいし、
図1Fの例で示すような、平面視において、隣接する第1突起部11の外側端部同士を繋いだ線でもよい。
第1突起部11は、
図1A及び
図2Aの例で示すように、隣接する区画領域14で、第1突起部11の一部が共有されていてもよい。あるいは、第1突起部11は、
図3Aに示すように、隣接する区画領域14で第1突起部11が共有されていなくてもよい。
【0021】
第1突起部11の形状は、
図1Aに示す例では、円錐である。ただし、第1突起部11の形状は、これに限定されず、柱状、錐台状、錐状、先端に丸みを帯びた錐状、半球状等の種々の形状でもよい。
平面視における第1突起部11の形状は、
図1Bに示す例では、円形である。ただし、これに限らず、平面視における第1突起部11の形状は、三角形、四角形、六角形等の多角形であってもよいし、楕円形であってもよい。
平面視における第1突起部11の形状が円形である場合、平面視において、光源からの光を第1突起部11から広範囲に分散させることができるため、区画領域14内の輝度ムラを低減することができる。
【0022】
第1突起部11は、
図1Cの例では、光源からの光を上方に反射させ得る傾斜面を有する。傾斜面は、
図1Cに示すような平面でもよいし、曲面又は放物面でもよい。傾斜角度(
図1C中、α)は、例えば、20°以上が挙げられ、20°以上80°以下が好ましい。ここでの傾斜角度αとは、第1突起部11の底面(又は、基部10Aの上面)に対する傾斜角度に相当する角度を意味する。第1突起部11の傾斜面が曲面の場合、傾斜角度は、第1突起部11の底面と、傾斜面の下端と上端とを結ぶ線との間の角度を意味する。後述する第2突起部12及び第3突起部13の傾斜角度も同様の意味である。
図1Cで示す例では、第1突起部11の傾斜角度αは76°である。
【0023】
第1突起部11の断面視において、光源載置領域15に配置される光源からの光が照射されない側の側面は、光源載置領域15に配置される光源からの光が照射される側の側面の形状と同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0024】
図1Aに示す例では、複数の第1突起部11は、平面視における大きさ、形状、高さ等が、全部同じである。ただし、これに限らず、一部又は全部において、大きさ、形状又は高さ等が異なっていてもよい。例えば、区画領域14が多角形である場合、その隅部に配置される第1突起部は隅部以外の第1突起部よりも平面視における大きさを大きくすることができる(
図4A及び4B参照)。この場合、区画領域14の隅部に配置される第1突起部の平面視における大きさを隅部以外の第1突起部11の平面視における大きさより大きくする代わりに、区画領域14の隅部に配置される第1突起部11の数を増やしてもよい。これによって、光源から遠い領域である隅部の輝度を向上させることができる。
【0025】
図1Bに示す例では、隣接する第1突起部11間の距離D1は、すべての隣接する第1突起部11間の距離が同じである。
図1Bに示す例では、隣接する第1突起部11間の距離D1は、3.9mmである。ここでの「隣接する第1突起部11間の距離」とは、平面視において、隣接する第1突起部11の中心間の距離を意味する。
ただし、これに限らず、全部又は一部の隣接する第1突起部11間の距離が異なっていてもよい。後述する第2突起部12及び第3突起部13も同様である。
【0026】
複数の第1突起部11の上端及び後述する複数の第2突起部12の上端は、後述する発光素子の上面よりも高い位置にあるのが好ましい。これにより、反射部材を光源装置に用いる場合、第1突起部11は、後述する第2突起部12とともに、光源からの光を上方に効率よく反射させることができる。
図1Cに示す例では、基部10Aの上面から第1突起部11の上端までの高さH1は、2mmである。
【0027】
(第2突起部12)
第2突起部12は、第1突起部11と同様に、光源からの光を反射可能な部材である。一つの区画領域14に複数の第2突起部12が配置される。第2突起部12は、第1突起部11より内側に配置される。ここでの内側とは、第1突起部11から光源載置領域15に向かう方向であることを意味する。あるいは、平面視において、隣接する第2突起部12の中心同士又は外側端部同士を繋いだ線が、第1突起部11のそれよりも内側であることを意味する。
複数の第2突起部12は、光源載置領域15の外周を取り囲むように、平面視において環を構成するように配置される。
図1Bの例では、第2突起部12は、略四角環を構成するように配置されている。ただし、これに限らず、第2突起部12は、円環を構成するように配置されてもよい。後述する第3突起部13も同様である。
【0028】
複数の第2突起部12は、光源載置領域15の中心から見て、それぞれ、隣接する第1突起部11間に配置されている。本明細書において、「光源載置領域15の中心から見て」とは、光源の光は放射状に進行することから、光源載置領域15の中心から放射状に沿った方向を見ることを意味する。また、「光源載置領域15の中心から見て第1突起部11間に配置される」とは、光源載置領域15の中心から見た場合、第2突起部12の中心が、その第2突起部12の放射状に沿った方向の外側に位置する第1突起部11の中心に一致していないことを意味する。具体的には、
図1Cに示すように、光源載置領域15の中心Qと第2突起部12の中心とを結ぶ直線aが、光源載置領域15の中心Qと第1突起部11の中心とを結ぶ直線b及び直線cのいずれにも一致しておらず、直線bと直線cとの間に直線aがあることを意味する。
【0029】
図1Bに示す例では、複数の第2突起部12のすべてが、光源載置領域15の中心から見て、隣接する第1突起部11間に配置されている。これにより、光源からの光が隣接する第1突起部11間から隣の区画領域に通過するのを抑制できる。
図1Bに示すように、複数の第2突起部12のすべてが、光源載置領域15の中心から見て、隣接する第1突起部11間に配置されている必要はない。例えば、隣接する第1突起部11間に配置されていない第2突起部があってもよいし、光源載置領域15の中心からみて、第1突起部11と重なるように配置される第2突起部12があってもよい。
図1Bに示す例では、隣接する第1突起部11間に1つの第2突起部12が配置される。ただし、これに限らず、隣接する第1突起部11間に2以上の第2突起部12が配置されてもよい。
【0030】
第2突起部12の形状や傾斜角度は、第1突起部11で記載した内容と同じである。第2突起部12の形状は、
図1Aに示す例では、第1突起部11と同様に、円錐である。
図1Cで示す例では、第2突起部12の傾斜角度βは、70°である。
【0031】
図1Cに示す例では、第2突起部12の上端は、第1突起部11の上端より低い位置にある。第2突起部12の上端が、第1突起部11の上端より低い位置にあることで、光源からの光が第1突起部11と第2突起部12の両方に届くなるため、区画領域14内の輝度ムラを低減することができる。
図1Cに示す例では、基部10Aの上面から第2突起部12の上端までの高さH2は、1.4mmである。
第2突起部12の上端は、第1突起部11の上端と同じ位置であってもよい。
【0032】
図1Bに示す例では、第2突起部12の平面視における大きさは、第1突起部11の平面視における大きさより小さい。ただし、これに限らず、第2突起部12の平面視における大きさは、第1突起部11の平面視における大きさと同じでもよい。
図1Bに示す例では、複数の第2突起部12は、平面視における大きさ、形状、高さ等が、全部同じである。ただし、これに限らず、複数の第2突起部12は、一部又は全部において、大きさ、形状又は高さ等が異なっていてもよい。
【0033】
図1Cの例では、隣接する第2突起部12間の距離D2は、すべての隣接する第2突起部12間の距離が同じである。
図1Cに示す例では、隣接する第2突起部12間の距離D1は、3.0mmである。ここでの「隣接する第2突起部12間の距離」とは、平面視において、隣接する第2突起部12の中心間の距離を指す。
【0034】
図1Cの例で示すように、隣接する第2突起部12間の距離D2は、隣接する第1突起部11間の距離D1よりも小さくなるように配置されていることが好ましい。これにより、隣接する第1突起部11間に第2突起部12が配置することができ、光源からの光が隣接する第1突起部11間から隣の区画領域に通過することを抑制できる。
第2突起部12は、
図1Bの例では、光源載置領域15の中心と第1突起部11との中心より第1突起部11側に配置される。
【0035】
(第3突起部13)
反射部材10は、
図5A及び
図5Bに示すように、複数の第2突起部12の内側に、さらに、複数の第3突起部13を配置することができる。ここでの内側とは、平面視において、隣接する第3突起部の中心同士又は外側端部同士を繋いだ線が、第2突起部12のそれよりも内側であることを意味する。
【0036】
第3突起部13は、第1突起部11及び第2突起部12と同様に、光源からの光を反射可能な部材である。一つの区画領域14に複数の第3突起部13が配置される。複数の第3突起部13が配置されることで、区画領域14内の輝度ムラを低減することができる。
【0037】
第3突起部13の形状や傾斜角度は、第1突起部11で記載した内容と同じである。
図5A及び
図5Bに示す例では、第3突起部13の上端は、第2突起部12よりも低く、第3突起部13の平面視の大きさは第2突起部12の平面視の大きさより小さい。ただし、これに限らず、第3突起部13の上端は、第2突起部12と同じ位置でもよいし、第3突起部13の平面視の大きさが第2突起部12の平面視の大きさと同じであってもよい。
図5A及び
図5Bに示す例では、複数の第3突起部13は、全部が同じ形状、大きさ及び高さである。ただし、これに限らず、複数の第3突起部13の全部又は一部において、形状、大きさ又は高さが異なっていてもよい。
【0038】
図5Bの例では、隣接する第3突起部13間の距離D3は、すべての隣接する第3突起部13間の距離が同じである。ここでの「隣接する第3突起部13間の距離」とは、平面視において、隣接する第3突起部13の中心間の距離を指す。
図5Bの例では、隣接する第3突起部13間の距離D3は、隣接する第2突起部12間の距離D2よりも小さい。
【0039】
第3突起部13は、光源載置領域15の中心から見て、隣接する第2突起部12間に配置されているものが含まれることが好ましい。これにより、光源から第2突起部12に向かう光が第3突起部13で遮断されないため、第2突起部12で光反射される光が少なくなることを抑制することができる。
図5Bに示す例では、第3突起部13のすべてが、光源載置領域15の中心から見て、隣接する第2突起部12間に配置されている。
【0040】
図5A及び
図5Bの例では、複数の第3突起部13は、1つの環状に配置されている。ただし、これに限らず、複数の環状に配置されてもよい。
図6A及び
図6Bに示す例では、複数の第3突起部13は、径が異なる5つの円環状に配置される。
【0041】
反射部材10は、金型を用いた成形、光造形による成形方法等によって形成して準備もよいし、購入により準備してもよい。金型を用いた成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形、真空成形、プレス成形等の成形方法が挙げられる。例えば、樹脂等で形成された光反射性シートを用いて真空成形又はプレス成形し、所定の形状に切断し、さらに貫通孔10Bを形成することにより、例えば、
図1Aに示すような基部10A、第1突起部11及び第2突起部12を有する反射部材10を形成することができる。これに限らず、反射部材10は、複数の第1突起部11及び複数の第2突起部12がそれぞれ個別に形成されたものでもよい。
【0042】
反射部材10の基部10Aの厚みは100μm以上500μm以下とすることができる。反射部材10が基部10Aを有することにより、複数の第1突起部11及び複数の第2突起部12を個別に基板8に固定する手間を省き、複数の第1突起部11及び複数の第2突起部12を一括して固定することができる。
【0043】
反射部材10は、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の粒子からなる反射材を含有するエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、変性ポリイミド樹脂、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネイト樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂等の樹脂を用いることができる。あるいは、反射部材10は、反射材を含有しない樹脂の表面に反射材又は反射膜等を配置させたものを用いることができる。
反射部材10は、剛性の部材であってもよいし、フレキシブルな部材であってもよいし、剛性及びフレキシブルな部分を部分的に備える部材であってもよい。
【0044】
反射部材10は、その平面視形状が、例えば、四角形等の多角形、円、楕円等であってもよいし、三角形、四角形等の多角形、円、楕円等、種々の大きさの2以上の形状を組み合わせた形状であってもよい。反射部材10が基部10Aを含む場合は、基部10Aの平面視形状が、反射部材10の平面視形状を規定することができる。
【0045】
反射部材10において、第1突起部11、第2突起部12、第3突起部13及び基部10Aは同じ材料でもよいし、反射部材10の一部において異なる材料を用いてもよい。例えば、第1突起部11、第2突起部12及び第3突起部13が基部10Aと異なる材料でもよい。
反射部材10の一部又は全部の表面に、光反射層を配置することができる。
第1突起部11、第2突起部12及び第3突起部13は、その内部が空洞になってもよいし、部材が充填されていてもよい。
【0046】
(仕切り板16)
反射部材10は、
図3A及び
図3Bに示すように、隣接する区画領域14間に、透光性の仕切り板16を配置することができる。
図3Aに示す例では、仕切り板16は、隣接する区画領域14間の全体に配置されている。ただし、これに限らず、隣接する区画領域14間の一部に配置させてもよい。
図3Aに示す例では、仕切り板の高さ(全長、
図3B中、HS)は、第1突起部11の高さH1よりも高い。ただし、これに限らず、仕切り板の高さは、第1突起部11の高さより低くてもよいし、同じでもよい。仕切り板16は、例えば、光源の光を80%以上透過させるものが挙げられる。仕切り板の16の材料としては、たとえば、樹脂やガラスが挙げられる。仕切り板16は、例えば、反射部材10の基部10Aに接着剤によって固定される。
仕切り板16は、後述する拡散板等の光学シートを支持するものとして配置することができる。この場合、光源と拡散板の距離を仕切り板16の高さで調整することができる。
【0047】
〔光源装置〕
本発明の一実施形態の光源装置20は、
図7Aに示すように、基板8と、上述した反射部材10と、光源9とを備える。光源装置20は、
図7Aに示す例では、1つの基板8上に1つの反射部材10及び複数の光源9を備える。
【0048】
(基板8)
基板8は、複数の光源9と反射部材10とを配置するための部材である。基板8は、
図7Bに示すように、母材8Aと、母材8Aの上面に配置され、発光素子7等の光源9に電力を供給するための配線層4A、4Bとを有する。
図7Bに示す例では、基板8は、配線層4A、4Bのうち、発光素子と電気的な接続を行わない領域の一部を被覆する被覆部材2を有する。
【0049】
母材8Aの材料としては、少なくとも一対の配線層4A、4Bを絶縁分離できるものであればよい。例えば、セラミックス、樹脂、複合材料等が挙げられる。樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。複合材料としては、上述した樹脂に、ガラス繊維、SiO2、TiO2、Al2O3等の無機フィラーを混合したもの、金属部材に絶縁層を形成した金属基板等が挙げられる。
母材8Aの厚さは適宜選択することができ、ロール・ツー・ロール方式で製造可能なフレキシブル基板又はリジット基板のいずれであってもよい。
【0050】
配線層4A、4Bは、導電性部材であればよく、例えば、銅を用いることができる。
被覆部材2は、絶縁性である。被覆部材2の材料は、基板8の材料として例示したものと同様のものが挙げられる。被覆部材2は、上述した樹脂に白色系のフィラー等を含有させたものを用いることができる。これにより、光源からの光が母材8Aに吸収されることを抑制することができる。
【0051】
(反射部材10)
光源装置において、反射部材10は基板8の上に、例えば、光反射性の接着部材を用いて固定される。接着部材は、例えば、貫通孔10Bの周囲に配置することが好ましく、貫通孔10Bの外縁に沿って環状に配置することがより好ましい。これによって、光源9からの光が、基板8と反射部材10との間に入射することを防止することができる。接着部材は、両面テープであってもよいし、ホットメルト型の接着シートであってもよいし、熱硬化樹脂及び熱可塑樹脂等の樹脂系の接着剤であってもよい。これらの接着部材は、高い難燃性を有することが好ましい。なお、反射部材10の基板8上への固定はネジ等を利用してもよい。
反射部材10は、基板8上に1つ配置してもよいし、複数並べて配置してもよい。
【0052】
(光源9)
光源9は、基板8上であって、反射部材10の各区画領域14の各光源載置領域15に配置されている。
図7A及び
図7Bに示す例では、基部10Aに設けられた貫通孔10B内に配置される。ただし、
図7A及び
図7Bに示すようにすべての貫通孔10Bに光源が配置されることに限らず、光源が配置されていない貫通孔10Bが存在してもよい。光源9は、
図7Aに示す例では、第1方向F及び第1方向Fに直交する第2方向Sに隣接して、行列状に配列されている。
【0053】
光源9は、光を発する部材であり、
図7Bに示す例では、発光素子7を透光性部材5で封止したものである。透光性部材5の断面視における形状は、例えば、略半球である。透光性部材5の材料は、例えば、シリコーン樹脂である。透光性部材5は、蛍光体及び/又は拡散材を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。光源9は、これに限らず、自ら光を発する発光素子そのものでもよいし、発光素子を樹脂成形体の凹部に収容し、発光素子を透光性部材で封止したものでもよい。あるいは、発光素子の側面を囲む光反射性材料を含む樹脂と、発光素子の上面及び光反射性材料を含む樹脂の上面を覆う透光性部材とを含む構成でもよい。また、発光素子の上面を覆う透光性部材と、発光素子の側面及び透光性部材の側面を囲む光反射性材料を含む樹脂と、を含む構成でもよい。この透光性部材は、蛍光体を含んでもよい。発光素子と透光性部材との間には、発光素子と透光性部材とを接着する透光性の接着部材を設けることができる。
蛍光体は、当該分野で公知のものを使用することができる。
【0054】
光源9は、輝度ムラを少なくするために、広配光であることが好ましい。特に、光源9のそれぞれが、バットウイング配光特性を有していることが好ましい。これにより発光素子7の直上方向に出射される光量を抑制して、各々の光源の配光を広げ、広げた光を反射部材10に照射させることによって、第1突起部11及び第2突起部12等の反射等を利用して、各区画領域における輝度ムラを低減することができる。
【0055】
ここでバットウイング配光特性とは、
図8に示すように、光軸Lを0度として、0度よりも配光角の絶対値が大きい角度において0度よりも発光強度が強い発光強度分布を有するものと定義される。光軸Lとは、光源9の中心を通り、後述する基板8の平面上の線と垂直に交わる線で定義されるものとする。
特に、バットウイング配光特性を有する光源9としては、例えば、
図7Bに示すように、上面に光反射膜6を有する発光素子7を用いたものが挙げられる。これにより、発光素子の上方向への光は光反射膜で反射され、発光素子の直上の光量が抑制され、バットウイング配光特性を得ることができる。バットウイング配光とするためにレンズを別途組み合わせてもよい。
【0056】
発光素子7の上面に形成される光反射膜は、銀、銅等の金属膜、誘電体多層膜(DBR膜)、白色樹脂又はこれらの組み合わせ等のいずれでもよい。光反射膜6は、発光素子7の発光波長に対して、入射角に対する反射率角度依存性を有していてもよい。具体的には、光反射膜6の反射率は、垂直入射よりも斜め入射の方が低くなるように設定することができる。これにより、発光素子直上における輝度の変化が緩やかになり、発光素子直上が暗点になる等、極端に暗くなることを抑制することができる。なお、光反射膜は、上述した透光性部材の上方に配置されてもよい。
【0057】
光源9は、平面視の大きさ(最大長さ)が、例えば、0.3mm以上5mm以下である。光源9の厚みは0.5mm~2.0mm程度とすることができる。また、光源9は、例えば、基板8に直接実装された発光素子7の高さが、100μm~500μmのものが挙げられる。光反射膜6の厚みは0.1μm~3.0μmのものが挙げられる。
複数の光源9は、互いに独立して駆動可能であり、光源ごとの調光制御(例えば、ローカルディミング又はHDR(High Dynamic Range))が可能となるように、基板上に配置されていることが好ましい。
【0058】
(発光素子7)
発光素子7としては、公知のものを利用することができる。例えば、発光素子7は、半導体構造体を含むものを用いることができる。半導体構造体は、n側半導体層と、p側半導体層と、n側半導体層とp側半導体層とに挟まれた活性層とを含む。 活性層は、単一量子井戸(SQW)構造としてもよいし、複数の井戸層を含む多重量子井戸(MQW)構造としてもよい。半導体構造体は、窒化物半導体からなる複数の半導体層を含む。窒化物半導体は、InxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)からなる化学式において組成比x及びyをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含む。活性層の発光ピーク波長は、目的に応じて適宜選択することができる。活性層は、例えば可視光または紫外光を発光可能に構成されている。
【0059】
半導体構造体は、n側半導体層と、活性層と、p側半導体層とを含む発光部を複数含んでいてもよい。半導体構造体が複数の発光部を含む場合、それぞれの発光部において、発光ピーク波長が異なる井戸層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ井戸層を含んでいてもよい。なお、発光ピーク波長が同じとは、数nm程度のばらつきがある場合も含む。複数の発光部の発光ピーク波長の組み合わせは、適宜選択することができる。例えば、半導体構造体が2つの発光部を含む場合、それぞれの発光部が発する光の組み合わせとして、青色光と青色光、緑色光と緑色光、赤色光と赤色光、紫外光と紫外光、青色光と緑色光、青色光と赤色光、または、緑色光と赤色光などの組み合わせが挙げられる。例えば、半導体構造体が3つの発光部を含む場合、それぞれの発光部が発する光の組み合わせとして、青色光、緑色光、及び赤色光とする組み合わせが挙げられる。各発光部は、他の井戸層と発光ピーク波長が異なる井戸層を1以上含んでいてもよい。
【0060】
発光素子7は、基板の配線層に固定することが好ましく、そのために、接合部材3を用いることができる。接合部材3としては、絶縁性の樹脂又は導電性の部材等が挙げられる。フリップチップ実装の場合は導電性の部材が用いられる。具体的にはAu含有合金、Ag含有合金、Pd含有合金、In含有合金、Pb-Pd含有合金、Au-Ga含有合金、Au-Sn含有合金、Sn含有合金、Sn-Cu含有合金、Sn-Cu-Ag含有合金、Au-Ge含有合金、Au-Si含有合金、Al含有合金、Cu-In含有合金、金属とフラックスの混合物等が挙げられる。
【0061】
(その他の部材)
本実施形態の光源装置は、さらに、複数の光源の上方に、拡散板、波長変換シート、プリズムシート、偏光シート、基板の外周を取り囲む反射壁を有する外装基板、反射部材の外周を取り囲む反射壁を有する被覆基板等を備えていることができる。また、これらの部材は、任意に、接着層及び/又は反射層等を介して、積層することができる。このような光源装置では、さらにその上に液晶パネル等を配置し、直下型バックライト用光源として用いる面発光型の光源装置とすることができる。これらの光学部材の積層の順序は任意に設定することができる。
【0062】
(拡散板)
拡散板は、入射する光を拡散させて透過させる部材である。拡散板は、複数の光源9の上方に1つ配置してもよいし、2以上積層させて配置してもよい。拡散板は、第1突起部11の上端に接触してもよいし、接触していなくてもよい。拡散板は、実質的に基板8に対して平行に配置されることが好ましい。拡散板は、例えば、ポリカーボネイト樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂等、可視光に対して光吸収の少ない材料から構成することができる。入射した光を拡散させるために、拡散板は、その上面及び/又は下面に凹凸を設けてもよいし、拡散板中に屈折率の異なる材料を分散させてもよい。
凹凸は、例えば、高低差が0.01mm以上0.1mm以下のものを用いることができる。
屈折率の異なる材料としては、例えば、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂等から選択して用いることができる。
拡散板の厚み、光拡散の程度は、適宜設定することができ、光拡散シート、ディフューザーフィルム等として市販されている部材を利用することができる。例えば、拡散板の厚みは、1mm以上2mm以下とすることができる。
拡散板は、基板8の上面からの距離が1.5mm以上5mm以下であることが好ましく、2mm以上3mm以下であることがより好ましい。
【0063】
(波長変換シート)
波長変換シートは、光源9から出射する光の一部を吸収し、光源9からの出射光の波長とは異なる波長の光を発する部材である。波長変換シートは、拡散板の上方に配置することができる。波長変換シートは、例えば、光源9からの青色光の一部を吸収して緑色光及び赤色光を発する。波長変換シートから発せられた緑色光及び赤色光と、波長変換シートを通過した青色光との混色によって、白色光が得られる。波長変換シートは、光源9の上方に位置し、発光素子から離隔しているため、発光素子の近傍では使用することが困難な、熱又は光強度に耐性の劣る蛍光体等を使用することができる。これにより、光源装置のバックライトとしての性能を向上させることが可能となる。
光源9から白色光が出射する場合は、波長変換シートを配置しなくてもよい。
【0064】
(プリズムシート)
プリズムシートは、種々の方向から入射する光を、光源装置に対向する表示パネルへ向かう方向に屈折させる部材である。プリズムシートは、拡散板及び波長変換部材の上方に配置することができる。プリズムシートはその表面に、所定の方向に延びる複数のプリズムが配列された形状を有する。プリズムシートは、例えば、シートの平面をX方向とX方向に直角のY方向との2次元に見て、Y方向に延びる複数のプリズムを有するもの、X方向に延びる複数のプリズムを有するものを積層させて用いることができる。これにより、光源装置の発光面から出射する光を、主として上面に垂直な方向に出射させ、光源装置を正面から見た場合の輝度を高めることができる。
【0065】
(偏光シート)
偏光シートは、例えば、表示パネルのバックライト側に配置された偏光板の偏光方向に一致する偏光方向の光を選択的に透過させ、その偏光方向に垂直な方向の偏光をプリズムシート側へ反射させる部材である。偏光シート、プリズムシート等は、バックライト用の光学部材として市販されているものを用いることができる。
【0066】
(被覆基板、外装基板、接着層、反射層)
被覆基板は、反射部材10の外周を取り囲む反射壁を有し、反射部材10及び上述した拡散板等の光学部材の上方の外縁を押さえて固定又は支持するように被覆する部材である。外装基板は、基板8の外周を取り囲む反射壁を有し、基板8の裏面側から被覆する部材である。被覆基板及び外装基板は、反射壁同士を当接又は噛み合わせることによって、光源から出射される光を、これらの反射壁の外側、つまり、光源装置の外側に漏れることを防止して、発光面における輝度の向上を図る部材である。被覆基板及び外装基板の部材の材料としては、光源から出射される光を反射するものを用いることができる。例えば、反射材を含む樹脂、金属、又は、セラミックスを用いることができる。
接着層及び反射層は、その上下の部材を接着させ、光源から出射される直接光及び間接光を反射させえる材料であればよい。例えば、両面テープ、ホットメルト型の接着シート、熱硬化樹脂及び熱可塑樹脂等の樹脂系の接着剤等種々のものが利用できる。
【0067】
本明細書は、以下の実施形態を含む。
1.複数の光源からの光を反射可能な反射部材であって、
前記反射部材は、前記光源をそれぞれ配置可能な複数の区画領域を有し、
前記複数の区画領域のうち少なくとも1つの前記区画領域は、光源載置領域と、前記区画領域の境界を規定する複数の第1突起部と、前記第1突起部より内側に配置された複数の第2突起部とを有し、
前記光源載置領域の中心から見て、前記複数の第2突起部は、前記複数の第1突起部のうち隣接する前記第1突起部間に配置されている反射部材。
2.前記複数の第2突起部の上端は、前記複数の第1突起部の上端より低い位置にある上記1に記載の反射部材。
3.前記複数の第2突起部は、隣接する前記第2突起部間の距離が、隣接する前記第1突起部間の距離よりも小さくなるように配置されている上記1又は2に記載の反射部材。
4.前記反射部材は、基部を有し、
前記複数の第1突起部及び前記複数の第2突起部は、前記基部上に配置されており、
前記光源載置領域は、前記基部に設けられた貫通孔である上記1から3のいずれかに記載の反射部材。
5.前記第1突起部及び前記第2突起部は、断面視において傾斜面を有し、
前記傾斜面は、前記基部の上面に対して、20°以上である上記1から4のいずれかに記載の反射部材。
6.前記複数の第2突起部の内側に、さらに、複数の第3突起部が配置される上記1から5のいずれかに記載の反射部材。
7.前記複数の第3突起部の上端は、前記複数の第2突起部の上端と同じ位置、又はそれよりも低い位置にある上記6に記載の反射部材。
8.基板と、
前記基板上に配置された上記1~7のいずれかに記載の反射部材と
前記基板上に配置された複数の光源と、を備え、
前記複数の光源のそれぞれは、前記反射部材の複数の前記光源載置領域のそれぞれに配置される光源装置。
9.前記複数の光源のそれぞれは、発光素子を備え、
前記複数の第1突起部及び前記複数の第2突起部の上端は、前記発光素子の上面よりも高い位置にある上記8に記載の光源装置。
10.前記複数の光源の上方に、さらに拡散板を備える上記8又は9に記載の光源装置。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の光源装置は、表示装置のバックライト用光源、照明装置、車載用計器類等の光源など、各種光源装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0069】
2 被覆部材
3 接合部材
4A、4B 配線層
5 透光性部材
5a アンダーフィル
6 光反射膜
7 発光素子
8 基板
8A 母材
9 光源
10 反射部材
10A 基部
10A1 接続部
10B 貫通孔
11、11A 第1突起部
12 第2突起部
13 第3突起部
14 区画領域
15 光源載置領域
16 仕切り板
20 光源装置