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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056807
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】一本鎖オリゴヌクレオチド
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20240416BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240416BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240416BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240416BHJP
   A61K 31/7105 20060101ALI20240416BHJP
   A61K 31/711 20060101ALI20240416BHJP
   A61K 31/712 20060101ALI20240416BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20240416BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20240416BHJP
   A61K 47/62 20170101ALI20240416BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20240416BHJP
【FI】
C12N15/113 Z ZNA
A61K48/00
A61P43/00 105
A61K31/7088
A61K31/7105
A61K31/711
A61K31/712
A61K31/7125
A61K47/54
A61K47/62
A61K47/68
【審査請求】有
【請求項の数】40
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024017718
(22)【出願日】2024-02-08
(62)【分割の表示】P 2021195231の分割
【原出願日】2017-01-26
(31)【優先権主張番号】P 2016012804
(32)【優先日】2016-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2016158833
(32)【優先日】2016-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】入山 友輔
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 宏之
(72)【発明者】
【氏名】金木 達朗
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高効率に標的遺伝子を制御し、容易に製造できる一本鎖オリゴヌクレオチドの提供。
【解決手段】式X-L-Yで表され、XとYとが第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とでハイブリダイズする一本鎖オリゴヌクレオチド。Xは、7~100個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含み、第二オリゴヌクレオチドとのハイブリダイズを可能とし、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む第一ヌクレオチド配列を有する。Yは、4~100個のヌクレオチドからなり、第一オリゴヌクレオチドとのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第二ヌクレオチド配列を有する。ヌクレオチド配列X及びYの少なくとも一方が、標的RNAとのハイブリダイズを可能とするアンチセンス配列を有する。Lは、生理的条件で分解される第三オリゴヌクレオチドに由来する基。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】

X-L-Y
(式中、Xは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択され、糖部、塩基部及びリン酸部の少なくとも1つが修飾されたヌクレオチドの少なくとも1個を含む7~100個のヌクレオチドからなる第一オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Yは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択され、4~100個のヌクレオチドからなる第二オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、その両端で前記第一オリゴヌクレオチド及び第二オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、生理的条件で分解される第三オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
前記第一オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Xを有し、前記第二オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Yを有し、
前記ヌクレオチド配列Xは、第二オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む第一ヌクレオチド配列を含み、
前記ヌクレオチド配列Yは第一オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第二ヌクレオチド配列を含み、
前記ヌクレオチド配列X及びヌクレオチド配列Yの少なくとも一方が、標的RNAとのハイブリダイズを可能にする少なくとも1つのアンチセンス配列を含み、
前記アンチセンス配列を2以上有する場合、それぞれのアンチセンス配列部分がハイブリダイズする標的RNAは同一でも異なっていてもよい。)
で表され、XとYとが第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とでハイブリダイズする一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項2】
Xが、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、前記第一ヌクレオチド配列が、前記アンチセンス配列であり、前記標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、請求項1に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項3】
Xが3’側でLに結合し、Yが5’側でLに結合する、請求項1又は2に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項4】
Xが5’側でLに結合し、Yが3’側でLに結合する、請求項1又は2に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項5】
第三オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホジエステル結合で互いに連結されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項6】
第三オリゴヌクレオチドが、DNA又はRNAである、請求項1から5のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項7】
第一オリゴヌクレオチドは、第一ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項8】
第一オリゴヌクレオチドは、第一ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項9】
第一オリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項10】
第一ヌクレオチド配列が、少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドを含む4~20個のヌクレオチドからなる配列である、請求項1から9のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項11】
第二ヌクレオチド配列は、RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、請求項1から10のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項12】
第二オリゴヌクレオチドが、第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項11に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項13】
第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されている、請求項11又は12に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項14】
前記ヌクレオチド配列Yが、少なくとも1つのアンチセンス配列を含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項15】
前記Yは、前記第二ヌクレオチド配列部分を前記アンチセンス配列部分とLとの間に有する、請求項14に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項16】
前記ヌクレオチド配列Yが含むアンチセンス配列が、標的RNAとハイブリダイズした際に、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、請求項14又は15に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項17】
前記Yが含むアンチセンス配列部分は、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない、請求項14又は15に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項18】
前記ヌクレオチド配列Xが、前記Yが含むアンチセンス配列部分の少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列を含む、請求項16又は17に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項19】
Xが、5’末端又は3’末端を含む、請求項1から18のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項20】

X’-L’-
(式中、X’は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択され、糖部、塩基部及びリン酸部の少なくとも1つが修飾されたヌクレオチドの少なくとも1個を含む7~100個のヌクレオチドからなる第四オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
L’は、その両端で前記第一オリゴヌクレオチド及び第四オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、生理的条件で分解される第五オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
前記第四オリゴヌクレオチドは、標的RNAとのハイブリダイズを可能にするアンチセンス配列を有する。)
で表される基をさらに含む、請求項1から18のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項21】
X’が、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、
前記第四オリゴヌクレオチドが有するアンチセンス配列は、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、請求項20に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項22】
前記第四オリゴヌクレオチドが含むアンチセンス配列部分は、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない、請求項20に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項23】
前記第四オリゴヌクレオチドが含むアンチセンス配列部分は、前記第二オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とハイブリダイズする、請求項21又は22に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項24】
第五オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホジエステル結合で互いに連結されている、請求項20から23のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項25】
第五オリゴヌクレオチドが、DNA又はRNAである、請求項20から24のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項26】
前記アンチセンス配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項1から25のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項27】
前記アンチセンス配列部分の5’側及び3’側に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項1から26のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項28】
前記アンチセンス配列が、少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドを含む4~20個のヌクレオチドからなる配列である、請求項1から27のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項29】
前記アンチセンス配列部分が、ホスホロチオエート結合を含む、請求項1から28のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項30】
Yが、5’末端又は3’末端を含む、請求項1から29のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項31】
標識機能、精製機能及び標的部位への送達機能からなる群から選択される少なくとも1種の機能を有する機能性分子に由来する基をさらに含む、請求項1から30のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項32】
前記機能性分子が、糖、脂質、ペプチド及びタンパク質並びにそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項31に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項33】
前記機能性分子が、コレステロール、トコフェロール及びトコトリエノールからなる群から選択される脂質である、請求項31又は32に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項34】
前記機能性分子が、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用する糖誘導体である、請求項31又は32に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項35】
前記機能性分子が、受容体のリガンド及び抗体からなる群から選択される、ペプチド又はタンパク質である、請求項31又は32に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項36】
請求項1から35のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドと、薬理学上許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項37】
請求項1から35のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドと細胞とを接触させる工程を含む、標的RNAの機能を制御する方法。
【請求項38】
請求項1から35のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を、哺乳動物に投与する工程を含む、該哺乳動物における標的RNAの機能を制御する方法。
【請求項39】
哺乳動物において、標的RNAの機能を制御するための、請求項1から35のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの使用。
【請求項40】
請求項1から35のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの製造方法であって、X、L及びYの少なくとも1つを含むオリゴヌクレオチドの3’末端又は5’末端でヌクレオチド鎖を伸長する工程を含む、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一本鎖オリゴヌクレオチドに関する。
【背景技術】
【0002】
アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)は、標的遺伝子のmRNA、mRNA前駆体又はリボソームRNA、転移RNA、miRNA等のncRNA(ノンコーディングRNA)に対して相補的なオリゴヌクレオチドであり、約8~30塩基からなる1本鎖のDNA、RNA及び/又はそれらの構造類似体である。ASOは、該アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的とするmRNA、mRNA前駆体、又はncRNAと二本鎖を形成することによりmRNA、mRNA前駆体又はncRNAの働きを抑制する。
【0003】
しかし、ASOは、生体内のヌクレアーゼにより分解されやすく、また標的細胞への取り込み効率が低いため、実用化は難しい。これら2つの大きな問題点を克服するために、有効成分であるオリゴヌクレオチド自体の化学修飾と、オリゴヌクレオチドを標的細胞内へ送達させるドラッグデリバリーシステム(DDS)の研究が長年行われている。
【0004】
ASO自体の化学修飾の例としては、リン酸部分が修飾されているS-オリゴ(ホスホロチオエート)、糖部分が修飾されている2’,4’-BNA(bridged nucleic acid)/LNA(locked nucleic acid)(特許文献1~5参照)等が知られている。
【0005】
DDSの例としては、カチオン性リポソームや高分子ミセル等のキャリアを利用する方法等が知られている。また、特許文献6にはアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体であるGalNac(N-アセチルガラクトサミン)誘導体がリンカーを介して結合しているASOが記載されており、該ASOを投与すると、肝臓での標的遺伝子の発現が抑制されたことが記載されている。
【0006】
特許文献7及び非特許文献1には、ASOと相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含む二本鎖オリゴヌクレオチド(HDO)にトコフェロール(Toc)を結合させることにより、マウスにおいて、ASOと比較して、効率よく肝臓に送達、集積され、肝臓での標的遺伝子の発現が抑制されたことが記載されている。特許文献8には、HDOにGalNac誘導体がリンカーを介して結合しているASOが記載されており、該アンチセンスオリゴヌクレオチドを皮下投与すると、トコフェロール(Toc)修飾体より効率的に発現が抑制されたことが記載されている。
【0007】
特許文献9には、DNAとRNAの二本鎖オリゴヌクレオチドユニットのRNA鎖末端にASOが結合したオリゴヌクレオチド(HCDO)が、ASOと比較して効率よく標的RNAを抑制することが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】ネイチャー コミュニケーションズ、6巻、アーティクル ナンバー 7969(2015年)
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第98/39352号
【特許文献2】国際公開第2005/021570号
【特許文献3】国際公開第2003/068795号
【特許文献4】国際公開第2011/052436号
【特許文献5】国際公開第2011/156202号
【特許文献6】国際公開第2014/179620号
【特許文献7】国際公開第2013/089283号
【特許文献8】国際公開第2015/105083号
【特許文献9】国際公開第2014/192310号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
医薬品として臨床現場にてヒトを含む哺乳動物に適応する場合においては、効率的に標的遺伝子の発現を制御できる新たなる核酸医薬品が望まれていた。また、二本鎖オリゴヌクレオチド(例えば、前記HDO、HCDO)を製造する場合、アンチセンス鎖と相補的なRNA鎖を別々に合成した上で、最後にこれらの鎖をハイブリダイズする工程が必要となる。さらに動物や細胞に投与する際には、一本鎖への解離を抑制した状態とする必要があり、その取扱い条件の設定にも労力を要する場合が想定される。
【0011】
本発明の目的は、高効率に標的遺伝子の発現を制御できる新たなるオリゴヌクレオチドを提供することを目的とする。また、二本鎖オリゴヌクレオチドよりも容易に製造することが可能なオリゴヌクレオチドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、オリゴデオキシリボヌクレオチドとそれに対するRNAを含む相補鎖とを、DNA、RNAなど生理的条件で分解されるリンカーで連結させ、分子内で部分的にハイブリダイズする構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドとし、該一本鎖オリゴヌクレオチドが、標的遺伝子の発現を制御可能なアンチセンス配列を有することで、二本鎖オリゴヌクレオチドと同等以上のアンチセンス効果を示すことを見出した。また、当該一本鎖オリゴヌクレオチドは、一本鎖であるため、二本鎖を形成させるハイブリダイズ工程がなく、効率よく製造可能である。本発明は以下の様態を包含する。
1. 式
X-L-Y
(式中、Xは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択され、糖部、塩基部及びリン酸部の少なくとも1つが修飾されたヌクレオチドの少なくとも1個を含む7~100個のヌクレオチドからなる第一オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Yは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択され、4~100個のヌクレオチドからなる第二オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、その両端で前記第一オリゴヌクレオチド及び第二オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、生理的条件で分解される第三オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
前記第一オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Xを有し、前記第二オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Yを有し、
前記ヌクレオチド配列Xは、第二オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む第一ヌクレオチド配列を含み、
前記ヌクレオチド配列Yは、第一オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第二ヌクレオチド配列を含み、
前記ヌクレオチド配列X及びヌクレオチド配列Yの少なくとも一方が、標的RNAとのハイブリダイズを可能にする少なくとも1つのアンチセンス配列を含み、
前記アンチセンス配列を2以上有する場合、それぞれのアンチセンス配列部分がハイブリダイズする標的RNAは同一でも異なっていてもよい。)
で表され、XとYとが第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とでハイブリダイズする一本鎖オリゴヌクレオチド。
2. Xが、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、前記第一ヌクレオチド配列が、前記アンチセンス配列であり、前記標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、1.に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
3. Xが3’側でLに結合し、Yが5’側でLに結合する、1.又は2.に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
4. Xが5’側でLに結合し、Yが3’側でLに結合する、1.又は2.に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
5. 第三オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホジエステル結合で互いに連結されている、1.から4.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
6. 第三オリゴヌクレオチドが、DNA又はRNAである、1.から5.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
7. 第一オリゴヌクレオチドは、第一ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、1.から6.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
8. 第一オリゴヌクレオチドは、第一ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、1.から7.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
9. 第一オリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合を含む、1.から8.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
10. 第一ヌクレオチド配列が、少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドを含む4~20個のヌクレオチドからなる配列である、1.から9.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
11. 第二ヌクレオチド配列は、RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、1.から10.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
12. 第二オリゴヌクレオチドが、第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、11.に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
13. 第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されている、11.又は12.に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
14. 前記ヌクレオチド配列Yが、少なくとも1つのアンチセンス配列を含む、1.から13.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
15. 前記Yは、前記第二ヌクレオチド配列部分を前記アンチセンス配列部分とLとの間に有する、14.に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
16. 前記ヌクレオチド配列Yが含むアンチセンス配列が、標的RNAとハイブリダイズした際に、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、14.又は15.に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
17. 前記Yが含むアンチセンス配列部分は、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない、14.又は15.に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
18. 前記ヌクレオチド配列Xが、前記Yが含むアンチセンス配列部分の少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列を含む、16.又は17.に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
19. Xが、5’末端又は3’末端を含む、1.から18.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
20. 式
X’-L’-
(式中、X’は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択され、糖部、塩基部及びリン酸部の少なくとも1つが修飾されたヌクレオチドの少なくとも1個を含む7~100個のヌクレオチドからなる第四オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
L’は、その両端で前記第一オリゴヌクレオチド及び第四オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、生理的条件で分解される第五オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
前記第四オリゴヌクレオチドは、標的RNAとのハイブリダイズを可能にするアンチセンス配列を有する。)
で表される基をさらに含む、1.から18.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
21. X’が、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、
前記第四オリゴヌクレオチドが有するアンチセンス配列は、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、20.に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
22. 前記第四オリゴヌクレオチドが含むアンチセンス配列部分は、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない、20.に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
23. 前記第四オリゴヌクレオチドが含むアンチセンス配列部分は、前記第二オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とハイブリダイズする、21.又は22.に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
24. 第五オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホジエステル結合で互いに連結されている、20.から23.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
25. 第五オリゴヌクレオチドが、DNA又はRNAである、20.から24.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
26. 前記アンチセンス配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、1.から25.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
27. 前記アンチセンス配列部分の5’側及び3’側に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、1.から26.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
28. 前記アンチセンス配列が、少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドを含む4~20個のヌクレオチドからなる配列である、1.から27.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
29. 前記アンチセンス配列部分が、ホスホロチオエート結合を含む、1.から28.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
30. Yが、5’末端又は3’末端を含む、1.から29.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
31. 標識機能、精製機能及び標的部位への送達機能からなる群から選択される少なくとも1種の機能を有する機能性分子に由来する基をさらに含む、1.から30.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
32. 前記機能性分子が、糖、脂質、ペプチド及びタンパク質並びにそれらの誘導体からなる群から選択される、31.に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
33. 前記機能性分子が、コレステロール、トコフェロール及びトコトリエノールからなる群から選択される脂質である、31.又は32.に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
34. 前記機能性分子が、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用する糖誘導体である、31.又は32.に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
35. 前記機能性分子が、受容体のリガンド及び抗体からなる群から選択される、ペプチド又はタンパク質である、31.又は32.に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
36. 1.から35.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドと、薬理学上許容される担体とを含む、医薬組成物。
37. 1.から35.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドと細胞とを接触させる工程を含む、標的RNAの機能を制御する方法。
38. 1.から35.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を、哺乳動物に投与する工程を含む、該哺乳動物における標的RNAの機能を制御する方法。
39. 哺乳動物において、標的RNAの機能を制御するための、1.から35.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの使用。
40. 1.から35.のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの製造方法であって、X、L及びYの少なくとも1つを含むオリゴヌクレオチドの3’末端又は5’末端でヌクレオチド鎖を伸長する工程を含む、製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高効率で標的遺伝子の発現を制御できるオリゴヌクレオチドを提供することができる。また、二本鎖オリゴヌクレオチド(例えば、HDO、HCDO)よりも容易に製造することが可能なオリゴヌクレオチドを提供することができる。
【0014】
本発明の一本鎖オリゴヌクレオチドは、その構成要素であるアンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的遺伝子の発現を効果的に制御することが可能であり、核酸医薬品として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態の一例である一本鎖オリゴヌクレオチドの第一ヌクレオチド配列部分Xと第二ヌクレオチド配列部分Yとが分子内でハイブリダイズする一様態を表す概念図である。
図2】本実施形態の一例である一本鎖オリゴヌクレオチドの第一ヌクレオチド配列部分Xと第二ヌクレオチド配列部分Yとが分子内でハイブリダイズする一様態を表す概念図である。
図3】本実施形態の一例である一本鎖オリゴヌクレオチドの第一ヌクレオチド配列部分Xと第二ヌクレオチド配列部分Yとが分子内でハイブリダイズする一様態を表す概念図である。
図4】本実施形態の一例である一本鎖オリゴヌクレオチドの第一ヌクレオチド配列部分Xと第二ヌクレオチド配列部分Yとが分子内でハイブリダイズする一様態を表す概念図である。
図5】本実施形態の一例である一本鎖オリゴヌクレオチドの第一ヌクレオチド配列部分X及びX’が含むアンチセンス配列部分X’がそれぞれ、第二ヌクレオチド配列部分及び第六ヌクレオチド配列部分を含むYと分子内でハイブリダイズする一様態を表す概念図である。
図6】本実施形態の一例である一本鎖オリゴヌクレオチドの第一ヌクレオチド配列部分X及びX’が含むアンチセンス配列部分X’がそれぞれ、第二ヌクレオチド配列部分及び第六ヌクレオチド配列部分を含むYと分子内でハイブリダイズする一様態を表す概念図である。
図7】本実施形態の一例である一本鎖オリゴヌクレオチドの第一ヌクレオチド配列部分Xと第二ヌクレオチド配列部分Yとが分子内でハイブリダイズする一様態を表す概念図である。
図8】本実施形態の一例である一本鎖オリゴヌクレオチドの第一ヌクレオチド配列部分Xと第二ヌクレオチド配列部分Yとが分子内でハイブリダイズする一様態を表す概念図である。
図9】本実施形態の一例である一本鎖オリゴヌクレオチドの第一ヌクレオチド配列部分Xと第二ヌクレオチド配列部分Yとが分子内でハイブリダイズする一様態を表す概念図である。
図10】本実施形態の一例である一本鎖オリゴヌクレオチドの第一ヌクレオチド配列部分Xと第二ヌクレオチド配列部分Yとが分子内でハイブリダイズし、Yが含むアンチセンス配列部分Y とXが含むヌクレオチド配列部分Xとが分子内でハイブリダイズする一様態を表す概念図である。
図11】本実施形態の一例である一本鎖オリゴヌクレオチドの第一ヌクレオチド配列部分Xと第二ヌクレオチド配列部分Yとが分子内でハイブリダイズし、Yが含むアンチセンス配列部分Y とXが含むヌクレオチド配列部分Xとが分子内でハイブリダイズする一様態を表す概念図である。
図12】本実施形態の一例である一本鎖オリゴヌクレオチドの第一ヌクレオチド配列部分Xと第二ヌクレオチド配列部分Yとが分子内でハイブリダイズし、Yが含むアンチセンス配列部分Y とXが含むヌクレオチド配列部分Xとが分子内でハイブリダイズする一様態を表す概念図である。
図13】本実施形態の一例である一本鎖オリゴヌクレオチドの第一ヌクレオチド配列部分Xと第二ヌクレオチド配列部分Yとが分子内でハイブリダイズし、Yが含むアンチセンス配列部分Y とXが含むヌクレオチド配列部分Xとが分子内でハイブリダイズする一様態を表す概念図である。
図14】本実施形態の一例である一本鎖オリゴヌクレオチドの第一ヌクレオチド配列部分Xと第二ヌクレオチド配列部分Yとが分子内でハイブリダイズする一様態を表す概念図である。
図15】本実施形態の一例である一本鎖オリゴヌクレオチドの第一ヌクレオチド配列部分Xと第二ヌクレオチド配列部分Yとが分子内でハイブリダイズする一様態を表す概念図である。
図16】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドのマウス脳内皮細胞におけるPTENの発現レベルへの影響を示すグラフである。
図17】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドのヒト肝癌由来細胞におけるPTENの発現レベルへの影響を示すグラフである。
図18】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドのヒト肝癌由来細胞におけるApoBの発現レベルへの影響を示すグラフである。
図19】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドのマウス脳内皮細胞におけるPTENの発現レベルへの影響を示すグラフである。
図20】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドのヒト肝癌由来細胞におけるPTENの発現レベルへの影響を示すグラフである。
図21】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドのヒト肝癌由来細胞におけるApoBの発現レベルへの影響を示すグラフである。
図22】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドのマウス脳内皮細胞におけるPTENの発現レベルへの影響を示すグラフである。
図23】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション処理前後のゲル電気泳動結果である。
図24】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション処理前後のゲル電気泳動結果である。
図25】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドのヒト肝癌由来細胞におけるPTENの発現レベルへの影響を示すグラフである。
図26】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドのヒト肝癌由来細胞におけるApoBの発現レベルへの影響を示すグラフである。
図27】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドのヒト肝癌由来細胞におけるPTENの発現レベルへの影響を示すグラフである。
図28】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドのマウスにおけるApoBの発現レベルへの影響を示すグラフである。
図29】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドのマウスにおける血漿総コレステロール値への影響を示すグラフである。
図30】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドのヒト肝癌由来細胞におけるAldolase Aの発現レベルへの影響を示すグラフである。
図31】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドを投与したC57BL/6Jマウスの肝臓におけるApoBの発現レベルへの影響を示すグラフである。
図32】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドを投与したC57BL/6Jマウスの血漿における総コレステロール値への影響を示すグラフである。
図33】本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション処理前後のゲル電気泳動結果である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書において使用される用語は、特に言及する場合を除いて、当該分野で通常用いられる意味で用いられる。以下に、本明細書中で使用する各用語を説明する。なお、本明細書中、各用語は単独で使用されている場合も、又は他の用語と一緒になって使用されている場合も、特に記載の無い限り、同一の意義を有する。
【0017】
「アンチセンス効果」とは、標的遺伝子に対応して選択される標的RNAと、例えば、その部分配列に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドとがハイブリダイズすることによって、標的RNAの機能が制御されることを意味する。例えば、標的RNAがmRNAの場合、ハイブリダイゼーションにより前記標的RNAの翻訳が阻害されること、エキソンスキッピング等のスプライシング機能変換効果、ハイブリダイズした部分が認識されることにより前記標的RNAが分解されること等を意味する。前記アンチセンス効果が生じるオリゴヌクレオチドとしては、例えば、DNA及びオリゴデオキシリボヌクレオチド等が挙げられるが、アンチセンス効果が生じるオリゴヌクレオチドは、これらに限定されず、RNA、オリゴリボヌクレオチド又はアンチセンス効果が通常生じるように設計されたオリゴヌクレオチド等でもよい。
【0018】
「標的RNA」は、mRNA、mRNA前駆体又はncRNAを意味し、標的遺伝子をコードするゲノムDNAから転写されたmRNA、塩基の修飾を受けていないmRNA、スプライシングを受けていないmRNA前駆体及びncRNA等を含む。アンチセンス効果によって機能が制御される「標的RNA」としては、特に制限はなく、各種疾患において発現が亢進する遺伝子に関連するRNAが挙げられる。「標的RNA」は、DNA依存性RNAポリメラーゼによって合成されるいかなるRNAでもよく、好ましくはmRNA又はmRNA前駆体である。より好ましくは、哺乳動物のmRNA又はmRNA前駆体であり、更に好ましくは、ヒトのmRNA又はmRNA前駆体である。
【0019】
「ハイブリダイズ」とは、相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドに由来する基同士で二重鎖を形成させる行為、及び相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドに由来する基同士が二重鎖を形成する現象を意味する。
【0020】
「相補的」とは、2つの核酸塩基が、水素結合を介して、ワトソン-クリック型塩基対(天然型塩基対)又は非ワトソン-クリック型塩基対(フーグスティーン型塩基対等)を形成できることを意味する。2つのオリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドに由来する基は、それらの配列が相補的である場合に「ハイブリダイズ」し得る。2つのオリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドに由来する基がハイブリダイズするために、それらが完全に相補的である必要はないが、2つのオリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドに由来する基がハイブリダイズするための相補性は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上(例えば、95%、96%、97%、98%、又は99%以上)である。配列の相補性は、オリゴヌクレオチドの部分配列を自動的に同定するコンピュータープログラムを利用することにより決定することができる。例えば、OligoAnalyzerは、そのようなソフトウエアの1つであり、Integrated DNA Technologies社が提供している。このプログラムは、ウェブサイトでも利用することができる。当業者は、2つのオリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドに由来する基がハイブリダイズできる条件(温度、塩濃度等)を容易に決定することができる。また、当業者は、例えば、標的RNAのヌクレオチド配列の情報に基づいて、BLASTプログラム等を利用することにより、標的RNAに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを容易に設計することができる。BLASTプログラムについては、プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスィズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(1990年、87巻、2264~68頁;1993年、90巻、5873~77頁)、及びジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(1990年、215巻、403頁)等を参照できる。
【0021】
「オリゴヌクレオチドに由来する基」は、オリゴヌクレオチドの3’末端及び5’末端の少なくとも一方から水素原子、ヒドロキシ基等を取り除いて形成される、オリゴヌクレオチドの部分構造を意味し、オリゴヌクレオチドの3’末端及び5’末端の少なくとも一方が他の基(例えば、オリゴヌクレオチドに由来する基等)に共有結合する。
【0022】
「ヌクレオチド配列」は、オリゴヌクレオチドを構成するヌクレオチドの塩基配列を意味する。
「ヌクレオチド配列部分」は、オリゴヌクレオチド鎖のうち、前記ヌクレオチド配列を有する領域の部分構造を意味する。
【0023】
なお、本明細書において、「ヌクレオチド配列」が、ヌクレオチド若しくはオリゴヌクレオチド鎖を含む又は含まないこと等は、対応する「ヌクレオチド配列部分」が、該ヌクレオチド若しくは該オリゴヌクレオチド鎖を含む又は含まないこと等と同様の意味を有する。また、該「ヌクレオチド配列」は、該ヌクレオチド若しくは該オリゴヌクレオチド鎖等を含む又は含まない「ヌクレオチド配列部分」の塩基配列と同様の意味を有する。
【0024】
「配列部分」は、オリゴヌクレオチド鎖の部分構造を意味する。例えば、ヌクレオチドを含む配列部分は、オリゴヌクレオチド鎖のうち、該ヌクレオチドを含む領域の部分構造である。
ヌクレオチド配列が、ヌクレオチドから選ばれる配列、ヌクレオチドが連続する配列等であることは、対応するヌクレオチド配列部分が、それぞれ、該ヌクレオチドから選ばれる配列部分、該ヌクレオチドが連続する配列部分等であることと、同様の意味を有する。
【0025】
「RNaseH」は、一般的には、DNAとRNAとがハイブリダイズした二重鎖を認識して、そのRNAを切断し一本鎖DNAを生じさせるリボヌクレアーゼとして知られている。RNaseHは、DNAとRNAがハイブリダイズした二重鎖に限らず、DNA及びRNAの少なくとも一方の、塩基部分、ホスホジエステル結合部分及び糖部分の少なくとも1つが修飾された二重鎖をも認識し得る。例えば、オリゴデオキシリボヌクレオチドとオリゴリボヌクレオチドがハイブリダイズした二重鎖をも認識し得る。
よって、DNAは、RNAとハイブリダイズした際に、RNaseHによって認識され得る。DNA及びRNAの少なくとも一方において、塩基部分、ホスホジエステル結合部分及び糖部分の少なくとも1つが修飾された場合も、同様である。例えば、代表的なものとして、DNAのホスホジエステル結合部分が、ホスホロチオエートに修飾されたオリゴヌクレオチド等が挙げられる。
RNAは、DNAとハイブリダイズした際に、RNaseHによって切断され得る。DNA及びRNAの少なくとも一方において、塩基部分、ホスホジエステル結合部分及び糖部分の少なくとも1つが修飾された場合も、同様である。
RNaseHによって認識され得るDNA及び/又はRNAの修飾例は、例えば、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(2014年、42巻、8号、5378~89頁)、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(2008年、18巻、2296~2300頁)、モレキュラー・バイオシステムズ(2009年、5巻、838~843頁)、ヌクレイック・アシッド・セラピューティクス(2015年、25巻、5号、266~274頁)、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(2004年、279巻、35号、36317~36326頁)等に記載されている。
本発明に用いられるRNaseHは、好ましくは哺乳動物のRNaseHであり、より好ましくはヒトのRNaseHであり、特に好ましくはヒトRNaseH1である。
【0026】
「デオキシリボヌクレオチド」は、2’-デオキシリボースの1’位の炭素原子に塩基が結合し、3’位又は5’位にリン酸基を有する分子である。本発明におけるデオキシリボヌクレオチドは、天然に存在するデオキシリボヌクレオチドであっても、天然に存在するデオキシリボヌクレオチドの塩基部分若しくはホスホジエステル結合部分が修飾されたデオキシリボヌクレオチドであってもよい。塩基部分の修飾やホスホジエステル結合部位の修飾は1つのデオキシリボヌクレオチドに対して、複数種組み合わせて施されてもよい。前記修飾されたデオキシリボヌクレオチドは、例えばジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(2016年、59巻、21号、9645-9667頁)、メディシナル・ケミストリー・コミュニケーションズ(2014年、5巻、1454-1471頁)、フューチャー・メディシナル・ケミストリー(2011年、3巻、3号、339-365頁)等に記載されている。本発明における「デオキシリボヌクレオチド」は、「糖部デオキシリボヌクレオチド」又は「糖部デオキシリボースヌクレオチド」等とも言うことができる。
【0027】
前記「デオキシリボヌクレオチド」が本発明の一本鎖オリゴヌクレオチド分子を構成する際、通常、デオキシリボヌクレオチドの3’位がホスホジエステル結合又は修飾されたホスホジエステル結合で他のヌクレオチドと連結され、デオキシリボヌクレオチドの5’位がホスホジエステル結合又は修飾されたホスホジエステル結合で別のヌクレオチドと連結されている。本発明の一本鎖オリゴヌクレオチド分子の3’末端のデオキシリボヌクレオチドは、その3’位に、好ましくはヒドロキシ基又はリン酸基を有し、5’位は前述の通りである。一本鎖オリゴヌクレオチド分子の5’末端のデオキシリボヌクレオチドは、その5’位に、好ましくはヒドロキシ基又はリン酸基を有し、3’位は前述の通りである。
【0028】
「オリゴデオキシリボヌクレオチド」は、前記デオキシリボヌクレオチドにより構成されるオリゴヌクレオチドを意味する。オリゴデオキシリボヌクレオチドを構成するデオキシリボヌクレオチドは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0029】
「DNA」は、天然のデオキシリボヌクレオチドにより構成されるオリゴヌクレオチドを意味する。DNAを構成する天然のデオキシリボヌクレオチドは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0030】
「リボヌクレオチド」は、リボースの1’位の炭素原子に塩基が結合し、2’位、3’位又は5’位にリン酸基を有する分子である。本発明におけるリボヌクレオチドは、天然に存在するリボヌクレオチドであっても、天然に存在するリボヌクレオチドの塩基部分若しくはホスホジエステル結合部分が修飾されたリボヌクレオチドであってもよい。塩基部分の修飾やホスホジエステル結合部位の修飾は1つのリボヌクレオチドに対して、複数種組み合わせて施されてもよい。前記修飾されたリボヌクレオチドは、例えばジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(2016年、59巻、21号、9645-9667頁)、メディシナル・ケミストリー・コミュニケーションズ(2014年、5巻、1454-1471頁)、フューチャー・メディシナル・ケミストリー(2011年、3巻、3号、339-365頁)等に記載されている。本発明における「リボヌクレオチド」は、「糖部リボヌクレオチド」又は「糖部リボースヌクレオチド」等とも言うことができる。
【0031】
前記「リボヌクレオチド」が本発明の一本鎖オリゴヌクレオチド分子を構成する際、典型的には、リボヌクレオチドの3’位がホスホジエステル結合又は修飾されたホスホジエステル結合で他のヌクレオチドと連結され、リボヌクレオチドの5’位がホスホジエステル結合又は修飾されたホスホジエステル結合で別のヌクレオチドと連結されている。本発明の一本鎖オリゴヌクレオチド分子の3’末端のリボヌクレオチドは、その3’位に、好ましくはヒドロキシ基又はリン酸基を有し、5’位は前述の通りである。一本鎖オリゴヌクレオチド分子の5’末端のリボヌクレオチドは、その5’位に、好ましくはヒドロキシ基又はリン酸基を有し、3’位は前述の通りである。
【0032】
「オリゴリボヌクレオチド」は、前記リボヌクレオチドにより構成されるオリゴヌクレオチドを意味する。オリゴリボヌクレオチドを構成するリボヌクレオチドは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0033】
「RNA」は、天然のリボヌクレオチドにより構成されるオリゴヌクレオチドを意味する。RNAを構成する天然のリボヌクレオチドは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0034】
「糖部修飾ヌクレオチド」は、前記デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドの糖部分が、部分的に1つ以上の置換基によって置換されているか、又はその糖骨格全体がリボース及び2’-デオキシリボースとは異なる糖骨格(例えば、ヘキシトール、トレオース等の5から6員の糖骨格)に置き換えられているか、又はその糖骨格全体が5から6員の飽和若しくは不飽和環(例えば、シクロヘキサン、シクロヘキセン、モルホリン等)又は5から6員の環を水素結合によって形成し得る部分構造(例えば、ペプチド構造)に置き換えられているヌクレオチドを意味する。「糖部修飾ヌクレオチド」の塩基部分は、天然に存在する塩基であっても修飾された塩基であってもよい。また、「糖部修飾ヌクレオチド」のホスホジエステル結合部分は、ホスホジエステル結合であっても修飾されたホスホジエステル結合であってもよい。塩基部分の修飾やホスホジエステル結合部位の修飾は1つの糖部修飾ヌクレオチドに対して、複数種組み合わせて施されてもよい。
【0035】
「糖部修飾ヌクレオチド」は、架橋化ヌクレオチドであっても、非架橋化ヌクレオチドであってもよい。糖部修飾ヌクレオチドとしては、例えば、特開平10-304889号公報、国際公開第2005/021570号、特開平10-195098号公報、特表2002-521310号公報、国際公開第2007/143315号、国際公開第2008/043753号、国際公開第2008/029619号及び国際公開第2008/049085号(以下、これら文献を「アンチセンス法に関する文献」と称する)等において、アンチセンス法に好適に用いられるとして開示されているヌクレオチド等が挙げられる。前記文献には、ヘキシトールヌクレオチド(HNA)、シクロヘキセンヌクレオチド(CeNA)、ペプチド核酸(PNA)、グリコール核酸(GNA)、トレオヌクレオチド(TNA)、モルホリノ核酸、トリシクロ-DNA(tcDNA)、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-MOE(2’-O-メトキシエチル)化ヌクレオチド、2’-AP(2’-O-アミノプロピル)化ヌクレオチド、2’-フルオロ化ヌクレオチド、2’-F-アラビノヌクレオチド(2’-F-ANA)、架橋化ヌクレオチド(BNA(Bridged Nucleic Acid))、2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチド(MCE)等のヌクレオチドが開示されている。また、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(2016年、59巻、21号、9645-9667頁)、メディシナル・ケミストリー・コミュニケーションズ(2014年、5巻、1454-1471頁)、フューチャー・メディシナル・ケミストリー(2011年、3巻、3号、339-365頁)等にも、糖部修飾ヌクレオチドが開示されている。
【0036】
前記「糖部修飾ヌクレオチド」が本発明の一本鎖オリゴヌクレオチド分子を構成する際、例えば、該糖部修飾ヌクレオチドの3’位がホスホジエステル結合又は修飾されたホスホジエステル結合で他のヌクレオチドと連結され、該糖部修飾ヌクレオチドの5’位がホスホジエステル結合又は修飾されたホスホジエステル結合で別のヌクレオチドと連結されている。本発明の一本鎖オリゴヌクレオチド分子の3’末端の糖部修飾ヌクレオチドは、例えば、その3’位に、好ましくはヒドロキシ基又はリン酸基を有し、5’位は前述の通りである。一本鎖オリゴヌクレオチド分子の5’末端の糖部修飾ヌクレオチドは、例えば、その5’位に、好ましくはヒドロキシ基又はリン酸基を有し、3’位は前述の通りである。
【0037】
デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドにおける塩基部分は、好ましくは、アデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)、シトシン(C)、ウラシル(U)及び5-メチルシトシン(5-me-C)からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
【0038】
デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドにおける塩基部分の修飾の例としては、ハロゲン化、メチル化、エチル化、n-プロピル化、イソプロピル化、シクロプロピル化、n-ブチル化、イソブチル化、s-ブチル化、t-ブチル化、シクロブチル化、水酸化、アミノ化、チオ化及びデメチル化等が挙げられる。より具体的には、シトシンの5-メチル化、5-フルオロ化、5-ブロモ化、5-ヨード化及びN4-メチル化;チミンの2-チオ化、5-デメチル化、5-フルオロ化、5-ブロモ化及び5-ヨード化;ウラシルの2-チオ化、5-フルオロ化、5-ブロモ化及び5-ヨード化;アデニンのN6-メチル化及び8-ブロモ化;グアニンのN2-メチル化及び8-ブロモ化等が挙げられる。また、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(2016年、59巻、21号、9645-9667頁)、メディシナル・ケミストリー・コミュニケーションズ(2014年、5巻、1454-1471頁)、フューチャー・メディシナル・ケミストリー(2011年、3巻、3号、339-365頁)に、ヌクレオチドにおける塩基部分の修飾の例が開示されており、これらをデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドにおける塩基部分に用いることができる。
【0039】
デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドにおけるホスホジエステル結合部分の修飾の例としては、例えば、ホスホロチオエート化、メチルホスホネート化(キラル-メチルホスホネート化を含む)、メチルチオホスホネート化、ホスホロジチオエート化、ホスホロアミデート化、ホスホロジアミデート化、ホスホロアミドチオエート化及びボラノホスフェート化等が挙げられる。
【0040】
デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドの糖部分が、部分的に1個の置換基によって置換されている修飾の例としては、例えば、2’-O-メチル化、2’-O-メトキシエチル(MOE)化、2’-O-アミノプロピル(AP)化、2’-フルオロ化及び2’-O-メチルカルバモイルエチル(MCE)化等が挙げられる。
【0041】
「架橋化ヌクレオチド」とは、糖部分における2箇所の置換によって架橋ユニットが置換された糖部修飾ヌクレオチドであり、例えば、2’位と4’位が架橋したヌクレオチドが挙げられる。
【0042】
2’位と4’位が架橋したヌクレオチド(2’,4’-BNA)としては、2’位の炭素原子と4’位の炭素原子とが、2以上の原子によって架橋されている糖部分を有するヌクレオチドであればよく、例えば、C2-6アルキレン基(該アルキレン基は無置換であるか、又はハロゲン原子、オキソ基又はチオキソ基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されている。また、該アルキレン基の1若しくは2つのメチレン基は、置き換えられていないか、又は独立して-O-、-NR-(Rは水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基を示す)及び-S-からなる群から選択される基で置き換えられている)で架橋された糖部分を有するヌクレオチドが挙げられる。
前記置換と置き換えを組み合わせて、2’,4’-BNAの2’位と4’位を架橋する基は、-C(O)-O-、-O-C(O)-NR-(Rは水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基を示す)、-C(O)-NR-(Rは水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基を示す)、-C(S)-NR-(Rは水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基を示す)等で表される基を含んでいてもよい。ここで、-C(S)-NR-を含む糖部修飾ヌクレオチドは、-C(O)-NR-を含む糖部修飾ヌクレオチド又はその中間体から、チオカルボニル化試薬(例えばローソン試薬等)を用いて、必要に応じて保護反応及び脱保護反応を行って、合成することができる。
【0043】
このようなBNAとしては、例えば、LNAとも称されるロックド核酸(Locked Nucleic Acid(登録商標)、α-L-メチレンオキシ(4’-CH-O-2’)BNA又はβ-D-メチレンオキシ(4’-CH-O-2’)BNA、ENAとも称されるエチレンオキシ(4’-(CH-O-2’)BNA)、β-D-チオ(4’-CH-S-2’)BNA、アミノオキシ(4’-CH-O-N(R11)-2’)BNA(R11は、H又はCH)、2’,4’-BNANCとも称されるオキシアミノ(4’-CH-N(R12)-O-2’)BNA(R12は、H又はCH)、2’,4’-BNACOC、3’-アミノ-2’,4’-BNA、5’-メチルBNA、cEt-BNAとも称される(4’-CH(CH)-O-2’)BNA、cMOE-BNAとも称される(4’-CH(CHOCH)-O-2’)BNA、AmNAとも称されるアミド型BNA(4’-C(O)-N(R13)-2’)BNA(R13は、H又はCH)、当業者に知られた他のBNA等が挙げられる。
【0044】
「オリゴヌクレオチド」は、1つ以上のヌクレオチドが重合した構造を有する分子である。「オリゴヌクレオチド」が1つのヌクレオチドからなるとき、そのオリゴヌクレオチドは、「ヌクレオチド」と言うことができる。
【0045】
「ヌクレオチド」は、核酸(オリゴヌクレオチド)の構成単位となりうる分子を意味し、通常、構成要素として塩基を有する。ヌクレオチドは、例えば、糖、塩基及びリン酸から構成される。ヌクレオチドは、前記デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドを含む。本発明の一本鎖オリゴヌクレオチド分子が含むヌクレオチドは、それぞれ独立して、互いにホスホジエステル結合又は前記修飾されたホスホジエステル結合で連結されている。本発明の一本鎖オリゴヌクレオチド分子の3’末端のヌクレオチドは、その3’位に、好ましくはヒドロキシ基又はリン酸基を有し、より好ましくはヒドロキシ基を有し、通常はヒドロキシ基を有する。一本鎖オリゴヌクレオチド分子の5’末端のヌクレオチドは、その5’位に、好ましくはヒドロキシ基又はリン酸基を有し、より好ましくはヒドロキシ基を有し、通常はヒドロキシ基を有する。
【0046】
「糖部、塩基部及びリン酸部の少なくとも1つが修飾されたヌクレオチド」は、天然に存在するデオキシリボヌクレオチドの塩基部及びリン酸部の少なくとも1つが修飾されたデオキシリボヌクレオチド、天然に存在するリボヌクレオチドの塩基部及びリン酸部の少なくとも1つが修飾されたリボヌクレオチド又は糖部修飾ヌクレオチドを意味する。
【0047】
「RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」は、4個以上の連続するヌクレオチドを含み、RNaseHによって認識される限り特に限定されないが、連続するヌクレオチドは、好ましくはデオキシリボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選ばれ、より好ましくは、デオキシリボヌクレオチドから独立して選ばれる。この連続するヌクレオチドは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
【0048】
「RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」は、4個の連続するヌクレオチドを含み、RNaseHによって切断される限り特に限定されないが、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む。また、オリゴリボヌクレオチドを含むことが好ましく、RNAを含むことがより好ましい。該連続するヌクレオチドは、リボヌクレオチドから独立して選ばれることがさらに好ましい。また、該連続するヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されていることがさらに好ましい。この連続するヌクレオチドは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
【0049】
「C1-6アルキル基」とは、炭素数が1から6の直鎖又は分枝状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基及びイソヘキシル基等が挙げられる。
【0050】
「C1-6アルキレン基」とは、前記「C1-6アルキル基」から任意の位置の水素原子を1個取り除いた2価の置換基を意味し、例えば、メチレン基、エチレン(エタンジイル)基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、2,2-ジメチル-プロパン-1,3-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基及び3-メチルブタン-1,2-ジイル基等が挙げられる。
【0051】
「C2-6アルキレン基」とは、前記「C1-6アルキレン基」のうち、炭素数が2から6の直鎖又は分枝状の2価の置換基を意味し、例えば、エチレン(エタンジイル)基、プロパン-1,3-ジイル基、2,2-ジメチル-プロパン-1,3-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基及び3-メチルブタン-1,2-ジイル基等が挙げられる。
【0052】
「n-」はノルマル、「s-」はセカンダリー、「t-」はターシャリーを意味する。
【0053】
「C2-20アルキレン基」とは、炭素数が2から20の直鎖又は分枝状の飽和炭化水素基から任意の位置の水素原子を1個取り除いた2価の置換基を意味する。
【0054】
「C8-12アルキレン基」とは、炭素数が8から12の直鎖又は分枝状の飽和炭化水素基から任意の位置の水素原子を1個取り除いた2価の置換基を意味する。
【0055】
「C2-20アルケニレン基」とは、炭素数が2から20の直鎖又は分枝状の不飽和炭化水素基から任意の位置の水素原子を1個取り除いた2価の置換基を意味する。
【0056】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
【0057】
「ハロC1-6アルキル基」とは、前記「C1-6アルキル基」の任意の位置の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる置換基群より独立して選択される1個以上のハロゲン原子で置換された置換基を意味する。
【0058】
「オキソ基」とは、酸素原子が二重結合を介して置換する置換基(=O)を示す。オキソ基が炭素原子に置換した場合は当該炭素原子と一緒となってカルボニル基を形成する。
【0059】
「チオキソ基」とは、酸素原子が二重結合を介して置換する置換基(=S)を示す。チオキソ基が炭素原子に置換した場合は当該炭素原子と一緒となってチオカルボニル基を形成する。
【0060】
糖部修飾ヌクレオチドは、ここで例示されたものに限定されるわけではない。多数の糖部修飾ヌクレオチドが当該分野では知られており、例えば、Tachasらの米国特許第8299039号明細書(特に17から22欄)、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(2016年、59巻、21号、9645-9667頁)、メディシナル・ケミストリー・コミュニケーションズ(2014年、5巻、1454-1471頁)又はフューチャー・メディシナル・ケミストリー(2011年、3巻、3号、339-365頁)等に記載の糖部修飾ヌクレオチドを、本発明の実施態様として利用することもできる。
【0061】
当業者であれば、このような糖部修飾ヌクレオチドの中から、アンチセンス効果、標的RNAの部分配列に対する親和性、核酸分解酵素に対する耐性等の観点を考慮し、適宜糖部修飾ヌクレオチドを選択して利用することができる。
【0062】
次に本発明におけるアンチセンス配列、アンチセンス配列部分、アンチセンス配列と分子内でハイブリダイズするヌクレオチド配列部分について説明する。
【0063】
「アンチセンス配列」とは、標的RNAとのハイブリダイズを可能にするオリゴヌクレオチドを構成するヌクレオチドの塩基配列を意味する。
【0064】
「アンチセンス配列部分」は、オリゴヌクレオチド鎖のうち、前記アンチセンス配列を有する領域の部分構造を意味する。
【0065】
なお、本明細書において、「アンチセンス配列」が、ヌクレオチド若しくはオリゴヌクレオチド鎖を含む又は含まないこと等は、対応する「アンチセンス配列部分」が、該ヌクレオチド若しくは該オリゴヌクレオチド鎖を含む又は含まないこと等と同様の意味を有する。また、該「アンチセンス配列」は、該ヌクレオチド若しくは該オリゴヌクレオチド鎖等を含む又は含まない「アンチセンス配列部分」の塩基配列と同様の意味を有する。
【0066】
前記アンチセンス配列部分は、標的RNAの全体とハイブリダイズする必要はなく、標的RNAの少なくとも一部とハイブリダイズすればよいが、通常は、標的RNAの少なくとも一部とハイブリダイズする。例えば、標的RNAの部分配列に相補的なアンチセンス配列を有するオリゴヌクレオチド(DNA、オリゴデオキシリボヌクレオチド又は通常アンチセンス効果が生じるように設計されたオリゴヌクレオチド等)と標的RNAの少なくとも一部がハイブリダイズすることによって、標的遺伝子の発現が制御される。また、アンチセンス配列部分の全体がハイブリダイズする必要はなく、一部がハイブリダイズしなくてもよいが、アンチセンス配列部分の全体がハイブリダイズすることが、好ましい。
【0067】
前記アンチセンス配列と標的RNAの部分配列との相補性は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上(例えば、95%、96%、97%、98%、99%以上)である。アンチセンス配列部分と標的RNAの少なくとも一部とがハイブリダイズするために、それらの配列が完全に相補的である必要はないが、完全に相補的であることがさらにより好ましい。
【0068】
前記アンチセンス配列は、「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含む配列であるか、又は「少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない」配列であることが好ましい。
【0069】
当業者は、「標的RNAとのハイブリダイズを可能にする」アンチセンス配列に適合する塩基配列を、BLASTプログラム等を利用することにより容易に決定することができる。「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」に適合するヌクレオチド配列も同様である。
【0070】
「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」は、通常、4~30の連続するヌクレオチドであるが、好ましくは4~20の連続するヌクレオチドであり、より好ましくは5~16の連続するヌクレオチドであり、さらに好ましくは6~12の連続するヌクレオチドであり、特に好ましくは8~10の連続するヌクレオチドである。前記連続するヌクレオチドは、好ましくは、デオキシリボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選ばれ、より好ましくは、デオキシリボヌクレオチドから独立して選ばれる。特に好ましくは、8~10個の連続するデオキシリボヌクレオチドである。この連続するヌクレオチドは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
【0071】
また、体内動態に優れているという観点から、この連続したヌクレオチドのうち、少なくとも1個のヌクレオチドがホスホロチオエート化されていることが好ましい。この連続するヌクレオチドのうち、3’末端及び5’末端のヌクレオチドのうち少なくとも一方がホスホロチオエート化されていることがより好ましい。この連続するヌクレオチドのうち、80%のヌクレオチドがホスホロチオエート化されていることが更に好ましく、90%のヌクレオチドがホスホロチオエート化されていることが更により好ましい。この連続するヌクレオチドの全てがホスホロチオエート化されていることが特に好ましい。
【0072】
アンチセンス配列が、「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含む配列である場合、標的RNAの部分配列に対する親和性又は核酸分解酵素に対する耐性が増大するという観点から、「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」(アンチセンス配列部分)の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して1~10個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることが好ましく、該3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して1~7個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることがより好ましく、該3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して2~3個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることが更に好ましい。ここで、該3’側及び5’側の少なくとも一方における複数の糖部修飾ヌクレオチドの間に、一又は複数のデオキシリボヌクレオチド若しくはリボヌクレオチド又はその両方が含まれていてもよいが、該複数の糖部修飾ヌクレオチドは、連続していることが好ましい。また、該一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドは、前記アンチセンス配列部分の3’側及び5’側の両方に隣接して結合していることが好ましい。該アンチセンス配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合している場合、「隣接して複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合している」とは、該複数の糖部修飾ヌクレオチド及び、該複数の糖部修飾ヌクレオチドの間に含まれるデオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖が隣接して結合していることを意味する。該3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合している場合、それぞれの糖部修飾ヌクレオチドは同一であっても、異なっていてもよい。
【0073】
前記「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して結合している糖部修飾ヌクレオチド部分は、標的RNAにハイブリダイズしてもよく、しなくてもよいが、標的RNAにハイブリダイズすることが前記と同様の観点から好ましい。
【0074】
また、体内動態に優れているという観点から、前記「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」の3’側及び5’側に位置する糖部修飾ヌクレオチドの少なくとも1個が、ホスホロチオエート化されていることが好ましく、3’側に位置する糖部修飾ヌクレオチドの少なくとも1個及び5’側に位置する糖部修飾ヌクレオチドの少なくとも1個がホスホロチオエート化されていることがより好ましく、50%がホスホロチオエート化されていることがさらに好ましく、80%がホスホロチオエート化されていることがさらにより好ましい。また、全てがホスホロチオエート化されていることが好ましい。該3’側に複数の糖部修飾ヌクレオチドが位置する場合、該ヌクレオチドの間の結合はホスホロチオエート化されていることが好ましく、該5’側に複数の糖部修飾ヌクレオチドが位置する場合も同様である。
【0075】
「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」の少なくとも一部は、分子内でハイブリダイズしてもよく、しなくてもよい。「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して結合している糖部修飾ヌクレオチドも、分子内でハイブリダイズしてもよく、しなくてもよい。
【0076】
アンチセンス配列が、「少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない」配列である場合、該アンチセンス配列部分(ミックスマー)は、リボヌクレオチドを含んでも含まなくてもよく、デオキシリボヌクレオチドを含んでも含まなくてもよいが、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない。該アンチセンス配列部分は、好ましくは、デオキシリボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選ばれるヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドの部分構造であり、糖部修飾ヌクレオチドの含有率は、例えば25%以上である。糖部修飾ヌクレオチドの含有率は、標的RNAの部分配列に対する親和性又は核酸分解酵素に対する耐性が増大するという観点から、好ましくは30%以上であり、より好ましくは50%以上である。同様の観点から、このアンチセンス配列部分の3’側のヌクレオチド及び5’側のヌクレオチドの少なくとも一方が、糖部修飾ヌクレオチドであることが好ましく、前記3’側のヌクレオチド及び5’側のヌクレオチドが糖部修飾ヌクレオチドであることがより好ましい。
その他の態様として、前記アンチセンス配列部分の糖部修飾ヌクレオチドの含有率は、好ましくは100%である。
【0077】
「少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない」アンチセンス配列部分は、連続する3個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まないことがより好ましい。
【0078】
「少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない」アンチセンス配列部分(ミックスマー)は、通常、4~30の連続するヌクレオチドであるが、好ましくは8~25の連続するヌクレオチドであり、より好ましくは10~20の連続するヌクレオチドであり、さらに好ましくは、14~16の連続するヌクレオチドであり、特に好ましくは、15の連続するヌクレオチドである。この連続するヌクレオチドは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
【0079】
また、体内動態に優れているという観点から、該「少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない」アンチセンス配列部分(ミックスマー)を構成するヌクレオチドのうち、少なくとも1個のヌクレオチドがホスホロチオエート化されていることが好ましい。該アンチセンス配列部分の3’末端及び5’末端のヌクレオチドのうち少なくとも一方がホスホロチオエート化されていることがより好ましい。該アンチセンス配列部分が含むヌクレオチドの間の結合のうち、80%がホスホロチオエート化されていることが更に好ましく、90%がホスホロチオエート化されていることが更により好ましく、全てがホスホロチオエート化されていることが特に好ましい。
【0080】
「少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない」アンチセンス配列部分(ミックスマー)の少なくとも一部は、分子内でハイブリダイズしてもよいが、分子内でハイブリダイズしないことが好ましい。よって、一本鎖オリゴヌクレオチド分子は、該アンチセンス配列部分(ミックスマー)、第一ヌクレオチド配列部分、L、第二ヌクレオチド配列部分の順に、該アンチセンス配列部分を有し、前記アンチセンス配列部分が分子内でハイブリダイズしないように、Yが含むヌクレオチドの数が設定されるか、又は第一ヌクレオチド配列部分、L、第二ヌクレオチド配列部分、該アンチセンス配列部分(ミックスマー)の順にアンチセンス配列部分を有し、前記アンチセンス配列部分が分子内でハイブリダイズしないように、X(及びX’)が含むヌクレオチドの数が設定されることが好ましい。Lの5’末端から一本鎖オリゴヌクレオチド分子の5’末端までの間に一本鎖オリゴヌクレオチド分子が含むヌクレオチドの数と、Lの3’末端から一本鎖オリゴヌクレオチド分子の3’末端までの間に一本鎖オリゴヌクレオチド分子が含むヌクレオチドの数との差が、前記アンチセンス配列部分が含むヌクレオチドの数に近いことが好ましく、前記差は、通常、6~30であり、好ましくは8~25であり、より好ましくは10~20であり、さらに好ましくは、14~16の連続するヌクレオチドであり、特に好ましくは、15の連続するヌクレオチドである。
【0081】
「少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない」アンチセンス配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して1~10個の糖部修飾ヌクレオチドが結合している必要はないが、結合していてもよい。この場合、該一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドは、前記「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含む配列の場合と同様であり、分子内でハイブリダイズしてもよく、しなくてもよいが、分子内でハイブリダイズしないことが好ましい。
【0082】
アンチセンス配列部分に含まれる「糖部修飾ヌクレオチド」は、置換等により、標的RNAの部分配列に対する親和性が増大したヌクレオチド又は核酸分解酵素に対する耐性が増大したヌクレオチドであればよいが、好ましくは、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-MOE(2’-O-メトキシエチル)化ヌクレオチド、2’-AP(2’-O-アミノプロピル)化ヌクレオチド、2’-フルオロ化ヌクレオチド、2’-F-アラビノヌクレオチド(2’-F-ANA)、架橋化ヌクレオチド(BNA(Bridged Nucleic Acid))又は2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチド(MCE)であり、より好ましくは、BNA又は2’-O-メチル化ヌクレオチドであり、さらにより好ましくは、下記式(I)で表わされる部分構造を含むLNA、又は2’-O-メチル化ヌクレオチドであり、特に好ましくは、LNAである。アンチセンス配列部分の3’側に隣接して結合している一又は複数の糖部修飾ヌクレオチド及びアンチセンス配列部分の5’側に隣接して結合している一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドについても同様である。
【0083】
【化1】
【0084】
式中、Baseは、塩基部分を表し、プリン-9-イル基又は2-オキソ-ピリミジン-1-イル基であり、該プリン-9-イル基及び2-オキソ-ピリミジン-1-イル基は、修飾されていないか、修飾されている。ここで2-オキソ-ピリミジン-1-イル基は、2-オキソ-1H-ピリミジン-1-イル基と同義である。また、プリン-9-イル基及び2-オキソ-ピリミジン-1-イル基は、それぞれの互変異性体をも包含する。
【0085】
アンチセンス配列部分における糖部修飾ヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドの種類、数及び位置は、ここで開示する一本鎖オリゴヌクレオチドが奏するアンチセンス効果等に影響を与えうる。その種類、数及び位置は、標的RNAの配列等によっても異なるため、一概には言えないが、当業者は、前記アンチセンス法に関する文献の記載を参酌しながら、好ましい態様を決定することができる。また、塩基部分、糖部分又はホスホジエステル結合部分の修飾後の一本鎖オリゴヌクレオチドが有するアンチセンス効果を測定し、得られた測定値が、修飾前の一本鎖オリゴヌクレオチドのそれよりも有意に低下していなければ(例えば、修飾後一本鎖オリゴヌクレオチドの測定値が修飾前の一本鎖オリゴヌクレオチドの測定値の30%以上であれば)、当該修飾が好ましい態様であると評価することができる。アンチセンス効果の測定は、例えば、後述の実施例において示されているように、細胞等に被検オリゴヌクレオチドを導入し、該被検オリゴヌクレオチドが奏するアンチセンス効果によって制御された標的RNAの発現量、標的RNAに関連しているcDNAの発現量、標的RNAに関連しているタンパク質の量等を、ノザンブロッティング、定量的PCR、ウェスタンブロッティング等の公知の手法を適宜利用することによって行うことができる。アンチセンス配列部分の3’側に隣接して結合している一又は複数の糖部修飾ヌクレオチド、該複数の糖部修飾ヌクレオチドの間に含まれるデオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチド、アンチセンス配列部分の5’側に隣接して結合している一又は複数の糖部修飾ヌクレオチド、及び該複数の糖部修飾ヌクレオチドの間に含まれるデオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドについても同様である。
【0086】
「少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない」アンチセンス配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方の側の2個のヌクレオチドは、糖部修飾ヌクレオチドであることが好ましく、該糖部修飾ヌクレオチドは好ましくは架橋化ヌクレオチドであり、特に好ましくはLNAである。該アンチセンス配列部分の3’側の2個のヌクレオチドが、糖部修飾ヌクレオチドであるとき、5’側の3個のヌクレオチドの2個以上が糖部修飾ヌクレオチドであり、該アンチセンス配列部分の末端側から順に、以下の順のいずれかで連結されていることが好ましい。該アンチセンス配列部分の5’側の2個のヌクレオチドが、糖部修飾ヌクレオチドであるとき、3’側の3個のヌクレオチドの2個以上が糖部修飾ヌクレオチドであり、該アンチセンス配列部分の末端側から順に、以下の順のいずれかで連結されていることが好ましい。なお、これらの順において、左側がアンチセンス配列部分の末端側であり、右側がアンチセンス配列部分の内側である。該糖部修飾ヌクレオチドは、好ましくは架橋化ヌクレオチドであり、特に好ましくはLNAである。
糖部修飾ヌクレオチド-糖部修飾ヌクレオチド-糖部修飾ヌクレオチド
糖部修飾ヌクレオチド-糖部修飾ヌクレオチド-デオキシリボヌクレオチド
糖部修飾ヌクレオチド-デオキシリボヌクレオチド-糖部修飾ヌクレオチド
【0087】
前記アンチセンス配列部分と分子内でハイブリダイズするヌクレオチド配列部分を一本鎖オリゴヌクレオチドが含む場合、前記「アンチセンス配列部分と分子内でハイブリダイズするヌクレオチド配列部分」における糖部修飾ヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドの種類、数及び修飾の位置は、一本鎖オリゴヌクレオチドが奏するアンチセンス効果等に影響を与える場合がある。その好ましい態様は、修飾対象となるヌクレオチドの種類、配列等によっても異なるため、一概には言えないが、前述のアンチセンス配列部分と同様に、修飾後の一本鎖オリゴヌクレオチドが有するアンチセンス効果を測定することにより特定することができる。特定の細胞内においてRNaseH等のヌクレアーゼにより該「アンチセンス配列部分と分子内でハイブリダイズするヌクレオチド配列部分」が分解されることにより、アンチセンス配列部分を含むオリゴヌクレオチドが生成しアンチセンス効果を発揮し易いという観点から、該「アンチセンス配列部分と分子内でハイブリダイズするヌクレオチド配列部分」は、「RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含むことが好ましく、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含むことが好ましい。また、オリゴリボヌクレオチドを含むことが好ましく、RNAを含むことがより好ましい。該連続するヌクレオチドは、リボヌクレオチドから独立して選ばれることがさらに好ましい。また、該連続するヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されていることがさらに好ましい。この連続するヌクレオチドは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
【0088】
前記アンチセンス配列部分と前記「アンチセンス配列部分と分子内でハイブリダイズするヌクレオチド配列部分」との相補性は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上(例えば、95%、96%、97%、98%、又は99%以上)である。アンチセンス配列部分と「アンチセンス配列部分と分子内でハイブリダイズするヌクレオチド配列部分」とがハイブリダイズするために、それらの配列が完全に相補的である必要はないが、完全に相補的であってもよい。また、前記「アンチセンス配列部分と分子内でハイブリダイズするヌクレオチド配列部分」の全体がアンチセンス配列部分にハイブリダイズする必要はなく、一部がハイブリダイズしなくてもよいが、全体がハイブリダイズしてもよい。
「アンチセンス配列部分と分子内でハイブリダイズするヌクレオチド配列部分」は、アンチセンス配列部分と部分的にハイブリダイズしてもよく、部分的にハイブリダイズするヌクレオチドの数は、通常、分子内でハイブリダイズした構造の安定性、前記標的RNAに対するアンチセンス効果の強さや、費用、合成収率等の他の要素に応じて選択される。
【0089】
次に本発明におけるX、X’及びYについて説明する。本発明には幾つかの実施態様があるが、まず、共通点を説明する。
【0090】
Xは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される7~100個のヌクレオチドからなる第一オリゴヌクレオチドに由来する基であり、該デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドは、それぞれ独立して修飾されていないか、糖部、塩基部及びリン酸部の少なくとも1つが修飾されている。第一オリゴヌクレオチドは、糖部、塩基部及びリン酸部の少なくとも1つが修飾されたヌクレオチドの少なくとも1個を含む。第一オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド配列Xを有し、ヌクレオチド配列Xは、第二オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む第一ヌクレオチド配列を含む。
【0091】
ヌクレオチド配列Xは、第一オリゴヌクレオチドを構成するヌクレオチドの塩基配列であり、第一ヌクレオチド配列を含む。第一ヌクレオチド配列は、第一ヌクレオチド配列部分を構成するヌクレオチドの塩基配列である。
【0092】
Xに含まれるヌクレオチドの数は、7~100であり、好ましくは7~50である。Xに含まれるヌクレオチドの数は、通常、前記標的RNAに対するアンチセンス効果の強さ、分子内でハイブリダイズした構造の安定性、費用、合成収率等の他の要素に応じて選択される。詳細は後述する。
【0093】
Yは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される4~100個のヌクレオチドからなる第二オリゴヌクレオチドに由来する基であり、該デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドは、それぞれ独立して修飾されていないか、糖部、塩基部及びリン酸部の少なくとも1つが修飾されている。第二オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド配列Yを有し、ヌクレオチド配列Yは前記第一オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第二ヌクレオチド配列を含む。
【0094】
ヌクレオチド配列Yは、第二オリゴヌクレオチドを構成するヌクレオチドの塩基配列であり、第二ヌクレオチド配列を含む。第二ヌクレオチド配列は、第二ヌクレオチド配列部分を構成するヌクレオチドの塩基配列である。
【0095】
Yに含まれるヌクレオチドの数は、4~100であり、好ましくは4~50である。Yに含まれるヌクレオチドの数は、Xに含まれるヌクレオチドの数と同一であってもよく、異なっていてもよい。Yに含まれるヌクレオチドの数は、通常、前記標的RNAに対するアンチセンス効果の強さ、分子内でハイブリダイズした構造の安定性、費用、合成収率等の他の要素に応じて選択される。詳細は後述する。
【0096】
XとYとは、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とで分子内でハイブリダイズする。
【0097】
第一ヌクレオチド配列と第二ヌクレオチド配列とは、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とがハイブリダイズするために完全に相補的である必要はないが、相補性は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上(例えば、95%、96%、97%、98%、99%以上)である。第一ヌクレオチド配列と第二ヌクレオチド配列とは、完全に相補的であってもよい。
【0098】
ヌクレオチド配列Xとヌクレオチド配列Yとは、XとYとがハイブリダイズするために完全に相補的である必要はないが、相補性は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上(例えば、95%、96%、97%、98%、99%以上)である。ヌクレオチド配列Xとヌクレオチド配列Yとは、完全に相補的であってもよい。
【0099】
第一ヌクレオチド配列は、4~25個の連続するヌクレオチドを含むことが好ましく、8~20個の連続するヌクレオチドを含むことがより好ましい。一本鎖オリゴヌクレオチドが細胞内のRNaseHによって認識されるために、第一ヌクレオチド配列は、好ましくはデオキシリボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選ばれる配列であり、より好ましくは、デオキシリボヌクレオチドが連続する配列である。この連続するヌクレオチドは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
【0100】
また、体内動態に優れているという観点から、第一ヌクレオチド配列部分のうち、少なくとも1個のヌクレオチドがホスホロチオエート化されていることが好ましい。第一ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側のヌクレオチドのうち少なくとも一方がホスホロチオエート化されていることがより好ましい。第一ヌクレオチド配列部分のうち、80%のヌクレオチドがホスホロチオエート化されていることが更に好ましく、90%のヌクレオチドがホスホロチオエート化されていることが更により好ましい。第一ヌクレオチド配列部分が含むヌクレオチドが、互いにホスホロチオエート結合で連結されていることが特に好ましい。さらに詳細は、後述する。
【0101】
第二ヌクレオチド配列は、RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含むことが好ましく、4~25個の連続するヌクレオチドを含むことがより好ましく、8~22個の連続するヌクレオチドを含むことがさらに好ましい。この連続するヌクレオチドは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。第二ヌクレオチド配列部分が細胞内のRNaseHによって切断されるために、第二ヌクレオチド配列部分は、オリゴリボヌクレオチドを含むことが好ましく、RNAを含むことがより好ましい。第二ヌクレオチド配列部分が含むヌクレオチドが、互いにホスホジエステル結合で連結されていることが特に好ましい。さらに詳細は、後述する。
【0102】
ヌクレオチド配列X及びヌクレオチド配列Yの少なくとも一方は、標的RNAの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能にするアンチセンス配列を含む。
【0103】
X’は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される7~100個のヌクレオチドからなる第四オリゴヌクレオチドに由来する基であり、該デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドは、それぞれ独立して修飾されていないか、糖部、塩基部及びリン酸部の少なくとも1つが修飾されている。第四オリゴヌクレオチドは、糖部、塩基部及びリン酸部の少なくとも1つが修飾されたヌクレオチドの少なくとも1個を含む。第四オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド配列X’を有し、ヌクレオチド配列X’は標的RNAとのハイブリダイズを可能にするアンチセンス配列である第四ヌクレオチド配列を含む。
【0104】
ヌクレオチド配列X’は、第四オリゴヌクレオチドを構成するヌクレオチドの塩基配列であり、第四ヌクレオチド配列を含む。第四ヌクレオチド配列は、第四クレオチド配列部分を構成するヌクレオチドの塩基配列である。
【0105】
X’に含まれるヌクレオチドの数は、7~100であり、下限は好ましくは8であり、より好ましくは10であり、更に好ましくは12であり、更により好ましくは13である。X’に含まれるヌクレオチドの数の上限は、好ましくは50であり、より好ましくは35であり、更に好ましくは25であり、更により好ましくは20である。X’に含まれるヌクレオチドの数は、好ましくは10~50であり、より好ましくは10~35であり、さらに好ましくは12~25塩基であり、さらにより好ましくは13~20塩基であり、特に好ましくは、14~15である。X’に含まれるヌクレオチドの数は、通常、前記標的RNAに対するアンチセンス効果の強さ、分子内でハイブリダイズした構造の安定性、費用、合成収率等の他の要素に応じて選択される。
【0106】
Xにおける糖部修飾ヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドの種類、数及び修飾の位置は、一本鎖オリゴヌクレオチドが奏するアンチセンス効果等に影響を与える場合がある。その好ましい態様は、修飾対象となるヌクレオチドの種類、配列等によっても異なるため、一概には言えないが、前述のアンチセンス配列部分と同様に、修飾後の一本鎖オリゴヌクレオチドが有するアンチセンス効果を測定することにより特定することができる。Y及びX’も、Xと同様である。
【0107】
X’、Y及びXの2つ以上が、同一の標的RNAにハイブリダイズする場合、それらが有するアンチセンス配列はそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。X’、Y及びXは、それぞれ別の標的RNAにハイブリダイズしてもよい。
【0108】
ヌクレオチド配列Xが、アンチセンス配列を有する場合、該アンチセンス配列は、「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含むか、又は「少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない」ことが好ましく、「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含むことがより好ましい。第一ヌクレオチド配列がアンチセンス配列である場合、該アンチセンス配列は、「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含む配列である。
【0109】
ヌクレオチド配列Yが、アンチセンス配列を有する場合、該アンチセンス配列は、「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含むか、又は「少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない」ことが好ましく、「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含むことがより好ましい。ヌクレオチド配列X’がアンチセンス配列を含む場合も同様である。
【0110】
前記アンチセンス配列部分が、以下に述べる様に分子内でハイブリダイズする場合、特定の細胞内においてRNaseH等のヌクレアーゼにより該アンチセンス配列部分が認識され、「アンチセンス配列部分と分子内でハイブリダイズするヌクレオチド配列部分」が分解されることにより、アンチセンス配列部分を含むオリゴヌクレオチドが生成しアンチセンス効果を発揮し易いという観点から、前記アンチセンス配列部分は「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含むことが、好ましい。
【0111】
ヌクレオチド配列Xがアンチセンス配列を有する場合、Yが、該「アンチセンス配列部分と分子内でハイブリダイズするヌクレオチド配列部分」(第八ヌクレオチド配列部分)を含んでもよい。第一ヌクレオチド配列がアンチセンス配列である場合は、該アンチセンス配列部分(第一ヌクレオチド配列部分)は第二ヌクレオチド配列部分とハイブリダイズする。
【0112】
ヌクレオチド配列X’がアンチセンス配列を有する場合、Yが、該「アンチセンス配列部分と分子内でハイブリダイズするヌクレオチド配列部分」(第六ヌクレオチド配列部分)を含んでもよい。
【0113】
ヌクレオチド配列Yが、アンチセンス配列を有する場合、Xが、該「アンチセンス配列部分と分子内でハイブリダイズするヌクレオチド配列部分」(第七ヌクレオチド配列部分)を含んでもよい。
【0114】
次に、[A]ヌクレオチド配列Xがアンチセンス配列を含む場合と、[B]ヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含む場合のそれぞれの態様について順に説明する。
【0115】
[A]ヌクレオチド配列Xがアンチセンス配列を含む場合
ヌクレオチド配列Xがアンチセンス配列を含む場合、第一ヌクレオチド配列がアンチセンス配列であることが好ましい。また、その他の態様として、前記Xは、第一ヌクレオチド配列部分を前記アンチセンス配列部分とLとの間に有することが好ましい。以下、順に説明するが、本発明の実施形態はそれらに限定されず、例えば、第一ヌクレオチド配列は、前記アンチセンス配列と部分的に重複していてもよい。
【0116】
[A-1]第一ヌクレオチド配列がアンチセンス配列である場合
第一ヌクレオチド配列がアンチセンス配列である場合、前記アンチセンス配列である第一ヌクレオチド配列は、「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含む配列である。前記第一ヌクレオチド配列及び第一ヌクレオチド配列部分の好ましい態様等は、アンチセンス配列及びアンチセンス配列部分で述べた「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含む配列等と同様である。また、第一ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して1~10個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることが好ましく、これら一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドは、「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」(アンチセンス配列部分)の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接している一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドと同様である。
【0117】
また、一本鎖オリゴヌクレオチドがX’-L’-Xなる部分構造を含む場合、ヌクレオチド配列X’が含むアンチセンス配列である前記第四ヌクレオチド配列は、「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含む配列か、又は「少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない」配列が好ましく、「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含む配列であることがより好ましい。前記ヌクレオチド配列X’が含むアンチセンス配列の好ましい形態等は、前記アンチセンス配列、前記アンチセンス配列部分の説明と同様であり、アンチセンス配列部分の3’側に隣接して結合している一又は複数の糖部修飾ヌクレオチド及びアンチセンス配列部分の5’側に隣接して結合している一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドについても前記と同様である。
【0118】
第一ヌクレオチド配列は、前記共通点で述べた特徴に加え、4~20の連続するヌクレオチドを含むことが好ましく、5~16の連続するヌクレオチドを含むことがより好ましく、6~12の連続するヌクレオチドを含むことがさらに好ましく、8~10の連続するヌクレオチドを含むことがさらにより好ましく、8~10の連続したデオキシリボヌクレオチドを含むことが特に好ましい。
【0119】
ある実施形態において、Xに含まれるヌクレオチドの数の下限は好ましくは8であり、より好ましくは10であり、更に好ましくは12であり、更により好ましくは13である。Xに含まれるヌクレオチドの数の上限は、好ましくは50であり、より好ましくは35であり、更に好ましくは25であり、更により好ましくは20である。Xに含まれるヌクレオチドの数は、好ましくは10~50であり、より好ましくは10~35であり、さらに好ましくは12~25であり、さらにより好ましくは13~20であり、特に好ましくは、13~15である。
【0120】
ある実施形態において、Yに含まれるヌクレオチドの数とXに含まれるヌクレオチドの数の差は、好ましくは10以内であり、より好ましくは5以内であり、さらに好ましくは4以内であり、さらにより好ましくは2以内であり、特に好ましくは0である。
【0121】
また、一本鎖オリゴヌクレオチドがX’-L’-Xなる部分構造を含む場合、ある実施形態において、Yに含まれるヌクレオチドの数とXに含まれるヌクレオチドの数の差は、好ましくは10以内であり、より好ましくは5以内であり、さらに好ましくは4以内であり、さらにより好ましくは2以内であり、特に好ましくは0である。X’に含まれるヌクレオチドの数は、共通点として前述した通りである。
【0122】
一本鎖オリゴヌクレオチドがX’-L’-Xなる部分構造を含む場合、別の実施形態において、X’-L’-Xに含まれるヌクレオチドの数とYに含まれるヌクレオチドの数の差は、好ましくは10以内であり、より好ましくは5以内であり、さらに好ましくは4以内であり、さらにより好ましくは2以内であり、特に好ましくは0である。X’に含まれるヌクレオチドの数は、共通点として前述した通りである。
【0123】
またこの場合、Yは第二ヌクレオチド配列に加えて、第四ヌクレオチド配列部分とのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第六ヌクレオチド配列をさらに含んでいてもよく、第五オリゴヌクレオチドに由来する基であるL’とのハイブリダイズを可能とする第十ヌクレオチド配列をさらに含んでいてもよい。すなわち、Yは、第二ヌクレオチド配列部分と第六ヌクレオチド配列部分とがこの順に連結したものであってもよく、第二ヌクレオチド配列部分と第十ヌクレオチド配列部分と第六ヌクレオチド配列部分とがこの順に連結したものであってもよい。第六ヌクレオチド配列の好ましい態様は、以下に述べる第二ヌクレオチド配列と同様である。第十ヌクレオチド配列部分の好ましい態様は、以下に述べるL’と同様である。
【0124】
またこの場合、以下に述べるように、第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されていてもよいが、この場合にはホスホジエステル結合で連結されていることが好ましい。第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合していてもよいが、この場合には結合していないことが好ましい。第六ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方は、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されていることが好ましく、その態様は、以下に述べる第二ヌクレオチド配列の場合と同様である。第六ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることが好ましく、その態様は以下に述べる第二ヌクレオチド配列の場合と同様である。
【0125】
第二ヌクレオチド配列は、前述の共通点に加え、4~20の連続するヌクレオチドを含むことが好ましく、5~16の連続するヌクレオチドを含むことがより好ましく、6~12の連続するヌクレオチドを含むことがさらにより好ましく、8~12の連続するヌクレオチドを含むことがさらにより好ましく、10~12の連続するヌクレオチドを含むことが特に好ましい。
【0126】
該一本鎖オリゴヌクレオチドが特定の細胞の核内に送達されるまで、RNaseA等のRNA分解酵素による分解が抑制されるとともに、特定の細胞内においてはRNaseH等のヌクレアーゼにより該第二オリゴヌクレオチドに由来する基が分解されることにより、第一オリゴヌクレオチドの少なくとも一部であって前記アンチセンス配列部分を含むオリゴヌクレオチドが生成しアンチセンス効果を発揮し易いという観点から、第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されていることが好ましい。Yが5’側でLに結合する場合、第二ヌクレオチド配列部分の3’側が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されていることがより好ましく、Yが3’側でLに結合する場合、第二ヌクレオチド配列部分の5’側が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されていることがより好ましい。また、RNA分解酵素等の酵素による分解を抑制するという観点から、第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して1~10個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることが好ましい。Yが5’側でLに結合する場合、第二ヌクレオチド配列部分の3’側に隣接して1~7個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることがより好ましく、2又は3個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることがさらに好ましい。Yが3’側でLに結合する場合、第二ヌクレオチド配列部分の5’側に隣接して1~7個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることがより好ましく、2又は3個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることがさらに好ましい。ここで、該3’側及び5’側の少なくとも一方における複数の糖部修飾ヌクレオチドの間に、複数のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド又はその両方が含まれていてもよいが、該複数の糖部修飾ヌクレオチドは、連続していることが好ましい。第二ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合している場合、「隣接して複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合している」とは、該複数の糖部修飾ヌクレオチド及び、該複数の糖部修飾ヌクレオチドの間に含まれるデオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖が隣接して結合していることを意味する。第二ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合している場合、それぞれの糖部修飾ヌクレオチドは同一であっても、異なっていてもよい。
【0127】
前記第二ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して結合している糖部修飾ヌクレオチド部分は、第一オリゴヌクレオチドの一部にハイブリダイズしてもよく、しなくてもよいが、第一オリゴヌクレオチドの一部にハイブリダイズすることが好ましい。
【0128】
前記第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合している糖部修飾ヌクレオチドは、好ましくは、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-MOE(2’-O-メトキシエチル)化ヌクレオチド、2’-AP(2’-O-アミノプロピル)化ヌクレオチド、2’-フルオロ化ヌクレオチド、2’-F-アラビノヌクレオチド(2’-F-ANA)、架橋化ヌクレオチド(BNA(Bridged Nucleic Acid))又は2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチド(MCE)であり、より好ましくは、BNA又は2’-O-メチル化ヌクレオチドであり、さらにより好ましくは、下記式(I)で表わされる部分構造を含むLNA、又は2’-O-メチル化ヌクレオチドであり、特に好ましくは、2’-O-メチル化ヌクレオチドである。
【0129】
【化2】
【0130】
式中、Baseは、塩基部分を表し、プリン-9-イル基又は2-オキソ-ピリミジン-1-イル基であり、該プリン-9-イル基及び2-オキソ-ピリミジン-1-イル基は、修飾されていないか、修飾されている。
【0131】
第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接するオリゴヌクレオチドのヌクレオチド数は、第一ヌクレオチド配列部分(例えば、第二ヌクレオチド配列部分がハイブリダイズするアンチセンス配列部分)の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接するオリゴヌクレオチドのヌクレオチド数と同一でも異なっていてもよいが、その差は、3以内であることが好ましく、1以内であることがより好ましく、同一であることが特に好ましい。第二ヌクレオチド配列部分の3’側に隣接して前記一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド鎖が結合する場合、そのオリゴヌクレオチド鎖のヌクレオチド数は、第一ヌクレオチド配列部分の5’側に隣接して結合する一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド鎖のヌクレオチド数と同一でも異なっていてもよいが、その差は、3以内であることが好ましく、1以内であることがより好ましく、同一であることが特に好ましい。第二ヌクレオチド配列部分の5’側に隣接して前記一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド鎖が結合する場合、そのオリゴヌクレオチド鎖のヌクレオチド数は、第一ヌクレオチド配列部分の3’側に隣接して結合する1又は複数の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド鎖のヌクレオチド数と同一でも異なっていてもよいが、その差は、3以内であることが好ましく、1以内であることがより好ましく、同一であることが特に好ましい。
【0132】
その他の態様として、さらにヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含む場合、前記Yは、第二ヌクレオチド配列部分を前記アンチセンス配列部分とLとの間に有することが好ましい。前記アンチセンス配列部分の配列は、後述する[B]ヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含む場合のヌクレオチド配列Yが含むアンチセンス配列と同様である。
【0133】
ヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含む場合、第二ヌクレオチド配列は、前記共通点で述べた第二ヌクレオチド配列に加え、後述する[B]ヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含む場合の第二ヌクレオチド配列と同様である。第一ヌクレオチド配列がアンチセンス配列であってヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含む場合には、第二ヌクレオチド配列は、4~25の連続するヌクレオチドを含むことが好ましく、10~25の連続するヌクレオチドを含むことがより好ましく、12~22の連続するヌクレオチドを含むことがさらにより好ましく、12~18の連続するヌクレオチドを含むことが特に好ましい。
【0134】
第二ヌクレオチド配列部分に隣接して結合するヌクレオチドの態様、該ヌクレオチドとの結合は、後述する[B]ヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含む場合と同様である。
【0135】
ヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含む場合、ある実施形態において、Xに含まれるヌクレオチドの数は、好ましくは10~35であり、より好ましくは12~25であり、さらにより好ましくは12~16であり、特に好ましくは14~15である。
Yに含まれるヌクレオチドの数は、Xに含まれるヌクレオチドの数よりも、「Yが含むアンチセンス配列部分」に含まれるヌクレオチドの数と同程度大きいことが好ましい。Yに含まれるヌクレオチドの数とXに含まれるヌクレオチドの数との差は、好ましくは6~30であり、より好ましくは8~25であり、さらに好ましくは、10~20であり、さらにより好ましくは、13~15である。
【0136】
ヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含む場合、別の実施形態において、Xに含まれるヌクレオチドの数は、好ましくは20~40であり、より好ましくは、24~38であり、さらに好ましくは、26~38であり、さらにより好ましくは、28~33であり、さらにより好ましくは、30~32である。
【0137】
この場合、Yに含まれるヌクレオチドの数とXに含まれるヌクレオチドの数の差は、好ましくは10以内であり、より好ましくは5以内であり、さらに好ましくは4以内であり、さらにより好ましくは2以内であり、特に好ましくは0である。
【0138】
この場合、ヌクレオチド配列Xは、Yが含むアンチセンス配列部分とのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第七ヌクレオチド配列をさらに含んでいてもよい。ヌクレオチド配列Xが第七ヌクレオチド配列を含む場合、前記式X-L-Yで表される一本鎖オリゴヌクレオチドは、第七ヌクレオチド配列部分、第一ヌクレオチド配列部分、L、第二ヌクレオチド配列部分、Yが含むアンチセンス配列部分をこの順に有する。
【0139】
前記第七ヌクレオチド配列部分の好ましい態様は、前記「アンチセンス配列部分と分子内でハイブリダイズするヌクレオチド配列部分」と同様である。中でも、第七ヌクレオチド配列は、10~20のヌクレオチドを含むことが好ましく、12~19のヌクレオチドを含むことがより好ましく、13~15のリボヌクレオチドを含むことが更に好ましい。
【0140】
該一本鎖オリゴヌクレオチドが特定の細胞の核内に送達されるまで、RNaseA等のRNA分解酵素による分解が抑制されるとともに、特定の細胞内においてはRNaseH等のヌクレアーゼにより該第二オリゴヌクレオチドに由来する基が分解されることにより、第一オリゴヌクレオチドの少なくとも一部であって前記アンチセンス配列部分を含むオリゴヌクレオチドが生成し、さらに、第二オリゴヌクレオチドの少なくとも一部であって、前記Yが含むアンチセンス配列部分を含むオリゴヌクレオチドが生成し、アンチセンス効果を発揮し易いという観点から、第七ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されていることが好ましい。Xが5’側でLに結合する場合、第七ヌクレオチド配列部分の3’側が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されていることがより好ましく、Xが3’側でLに結合する場合、第七ヌクレオチド配列部分の5’側が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されていることがより好ましい。また、RNA分解酵素等の酵素による分解を抑制するという観点から、第七ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して1~10個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることが好ましい。Xが5’側でLに結合する場合、第七ヌクレオチド配列部分の3’側に隣接して1~7個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることがより好ましく、2又は3個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることがさらに好ましい。Xが3’側でLに結合する場合、第七ヌクレオチド配列部分の5’側に隣接して1~7個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることがより好ましく、2又は3個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることがさらに好ましい。ここで、該3’側及び5’側の少なくとも一方における複数の糖部修飾ヌクレオチドの間に、複数のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド又はその両方が含まれていてもよいが、該複数の糖部修飾ヌクレオチドは、連続していることが好ましい。第七ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合している場合、「隣接して複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合している」とは、該複数の糖部修飾ヌクレオチド及び、該複数の糖部修飾ヌクレオチドの間に含まれるデオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖が隣接して結合していることを意味する。第七ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合している場合、それぞれの糖部修飾ヌクレオチドは同一であっても、異なっていてもよい。
【0141】
前記第七ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して結合している糖部修飾ヌクレオチド部分は、第二オリゴヌクレオチドの一部にハイブリダイズしてもよく、しなくてもよいが、第二オリゴヌクレオチドの一部にハイブリダイズすることが好ましい。
第七ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接するオリゴヌクレオチドのヌクレオチド数は、前記Yが含むアンチセンス配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接するオリゴヌクレオチドのヌクレオチド数と同一でも異なっていてもよいが、その差は、3以内であることが好ましく、1以内であることがより好ましく、同一であることが特に好ましい。第七ヌクレオチド配列部分の3’側に隣接して前記一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド鎖が結合する場合、そのヌクレオチド数は、Yが含むアンチセンス配列部分の5’側に隣接して結合する一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド鎖のヌクレオチド数と同一でも異なっていてもよいが、その差は、3以内であることが好ましく、1以内であることがより好ましく、同一であることが特に好ましい。第七ヌクレオチド配列部分の5’側に隣接して前記一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド鎖が結合する場合、そのオリゴヌクレオチド鎖のヌクレオチド数は、Yが含むアンチセンス配列部分の3’側に隣接して結合する1又は複数の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド鎖のヌクレオチド数と同一でも異なっていてもよいが、その差は、3以内であることが好ましく、1以内であることがより好ましく、同一であることが特に好ましい。
【0142】
前記第七ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して結合している糖部修飾ヌクレオチド部分の態様は、前記第二ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して結合している糖部修飾ヌクレオチド部分と同様である。
【0143】
[A-2]Xが、第一ヌクレオチド配列部分を前記アンチセンス配列部分とLとの間に有する場合
第一ヌクレオチド配列部分と前記アンチセンス配列部分とは、直接結合しても、それらの間にオリゴヌクレオチドを介して間接的に結合してもよいが、オリゴヌクレオチドを含んで間接的に結合していることが好ましい。
【0144】
該アンチセンス配列は、「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含む配列であっても、「少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない」配列であってもよいが、該アンチセンス配列は「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含む配列が好ましい。該配列の好ましい形態等は、前記アンチセンス配列及びアンチセンス配列部分の説明と同様であり、アンチセンス配列部分の3’側に隣接して結合している一又は複数の糖部修飾ヌクレオチド及びアンチセンス配列部分の5’側に隣接して結合している一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドについても同様である。
【0145】
アンチセンス配列が「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含む配列であり、第一ヌクレオチド配列部分と前記アンチセンス配列部分とがオリゴヌクレオチドを介して間接的に結合している場合、該オリゴヌクレオチドは、前記アンチセンス配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して結合している一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドを含むことが好ましい。糖部修飾ヌクレオチドの態様は前述の通りである。また、該オリゴヌクレオチドは、生理的条件で分解されるオリゴヌクレオチドをさらに含むことが好ましい。生理的条件で分解されるオリゴヌクレオチドの態様は、後述するL’と同様である。よって、第一オリゴヌクレオチドは、第一ヌクレオチド配列部分、前記生理的条件で分解されるオリゴヌクレオチドに由来する基、前記一又は複数の糖部修飾ヌクレオチド、前記Xが含むアンチセンス配列部分、前記一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドの順にこれらを有することが好ましい。
【0146】
アンチセンス配列が「少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない」配列であり、第一ヌクレオチド配列部分と前記Xが含むアンチセンス配列部分とがオリゴヌクレオチドを介して間接的に結合している場合、該オリゴヌクレオチドは、生理的条件で分解されるオリゴヌクレオチドが好ましい。生理的条件で分解されるオリゴヌクレオチドの態様は、後述するL’と同様である。
【0147】
また、一本鎖オリゴヌクレオチドがX’-L’-Xなる部分構造を含む場合、ヌクレオチド配列X’が含むアンチセンス配列である第四ヌクレオチド配列は、[A-1]で述べた第四ヌクレオチド配列と同様である。
【0148】
第一ヌクレオチド配列は、前述の共通点に加え、中でも8~17の連続するヌクレオチドを含むことが好ましく、8~10の連続するヌクレオチドを含むことがより好ましい。
【0149】
第二ヌクレオチド配列は、前述の共通点に加え、中でも4~20の連続するヌクレオチドを含むことが好ましく、8~19の連続するヌクレオチドを含むことがより好ましく、9~11の連続するヌクレオチドを含むことがより好ましい。
【0150】
前記第二ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して結合している糖部修飾ヌクレオチド部分は、前記[A-1]で詳細に述べた第二ヌクレオチド配列の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して結合している糖部修飾ヌクレオチド部分と同様である。
【0151】
Xに含まれるヌクレオチドの数は、好ましくは10~50であり、より好ましくは20~40であり、さらに好ましくは20~30であり、さらにより好ましくは22~28であり、特に好ましくは25~28である。
【0152】
ある実施形態において、Yに含まれるヌクレオチドの数は、好ましくは、4~25であり、より好ましくは8~20であり、さらに好ましくは10~20であり、特に好ましくは10~16である。
この場合、Xに含まれるヌクレオチドの数はYに含まれるヌクレオチドの数よりも大きく、その差は前記アンチセンス配列部分が含むヌクレオチドの数に近いことが好ましく、好ましくは6~30であり、より好ましくは、8~25であり、さらに好ましくは、10~20であり、さらにより好ましくは、12~15である。
【0153】
また、別の実施形態において、Yに含まれるヌクレオチドの数は、好ましくは、10~50であり、より好ましくは20~40であり、さらに好ましくは20~30であり、さらにより好ましくは22~28であり、特に好ましくは25~28である。
【0154】
この場合、Yに含まれるヌクレオチドの数とXに含まれるヌクレオチドの数の差は、好ましくは10以内であり、より好ましくは5以内であり、さらに好ましくは4以内であり、さらにより好ましくは2以内であり、特に好ましくは0である。
【0155】
この場合、Yは第二ヌクレオチド配列部分に加えて、前記Xが有するアンチセンス配列部分とのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第八ヌクレオチド配列部分をさらに含んでいてもよく、第一ヌクレオチド配列部分と前記Xが有するアンチセンス配列部分とを連結するオリゴヌクレオチドとのハイブリダイズを可能とする第九ヌクレオチド配列部分を更に含んでいてもよい。すなわち、Yは、第二ヌクレオチド配列部分と第八ヌクレオチド配列部分とがこの順に連結したものであってもよく、第二ヌクレオチド配列部分と第九ヌクレオチド配列部分と第八ヌクレオチド配列部分とがこの順に連結したものであってもよい。
【0156】
前記第八ヌクレオチド配列部分の好ましい態様は、前記「アンチセンス配列部分と分子内でハイブリダイズするヌクレオチド配列部分」と同様であり、前記第二ヌクレオチド配列部分と同様である。
前記第八ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して結合している糖部修飾ヌクレオチド部分の態様も、第二ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して結合している糖部修飾ヌクレオチド部分と同様である。第八ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して結合している糖部修飾ヌクレオチド部分は、第一オリゴヌクレオチドの一部にハイブリダイズしてもよく、しなくてもよいが、第一オリゴヌクレオチドの一部にハイブリダイズすることが好ましい。第八ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接する1又は複数の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド鎖のヌクレオチド数は、前記Xが含むアンチセンス配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接する1又は複数の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド鎖のヌクレオチド数と同一でも異なっていてもよいが、その差は、3以内であることが好ましく、1以内であることがより好ましく、同一であることが特に好ましい。第八ヌクレオチド配列部分の3’側に隣接して前記一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド鎖が結合する場合、そのヌクレオチド数は、前記Xが含むアンチセンス配列部分の5’側に隣接して結合する一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド鎖のヌクレオチド数と同一でも異なっていてもよいが、その差は、3以内であることが好ましく、1以内であることがより好ましく、同一であることが特に好ましい。第八ヌクレオチド配列部分の5’側に隣接して前記一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド鎖が結合する場合、そのヌクレオチド数は、前記Xが含むアンチセンス配列部分の3’側に隣接して結合する1又は複数の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド鎖のヌクレオチド数と同一でも異なっていてもよいが、その差は、3以内であることが好ましく、1以内であることがより好ましく、同一であることが特に好ましい。
【0157】
この場合には、第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されていてもよいが、ホスホジエステル結合で連結されていることが好ましい。また、第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合していてもよいが、結合していないことが好ましい。
第九ヌクレオチド配列部分の好ましい態様は、以下に述べるL’と同様である。
【0158】
また、一本鎖オリゴヌクレオチドがX’-L’-Xなる部分構造を含む場合、ある実施形態において、Yに含まれるヌクレオチドの数とXに含まれるヌクレオチドの数の差は、好ましくは10以内であり、より好ましくは5以内であり、さらに好ましくは4以内であり、さらにより好ましくは2以内であり、特に好ましくは0である。
一本鎖オリゴヌクレオチドがX’-L’-Xなる部分構造を含む場合、別の実施形態において、X’-L’-Xに含まれるヌクレオチドの数とYに含まれるヌクレオチドの数の差は、好ましくは10以内であり、より好ましくは5以内であり、さらに好ましくは4以内であり、さらにより好ましくは2以内であり、特に好ましくは0である。
またこの場合、Yは第二ヌクレオチド配列部分に加えて、第四ヌクレオチド配列部分とのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第六ヌクレオチド配列部分をさらに含んでいてもよく、第五オリゴヌクレオチドに由来する基であるL’とのハイブリダイズを可能とする第十ヌクレオチド配列部分をさらに含んでいてもよい。すなわち、Yは、第二ヌクレオチド配列部分と第八ヌクレオチド配列部分と第六ヌクレオチド配列部分とがこの順に連結したものであってもよく、第二ヌクレオチド配列部分、第八ヌクレオチド配列部分、第十ヌクレオチド配列部分及び第六ヌクレオチド配列部分がこの順に連結したものであってもよく、第二ヌクレオチド配列部分、第九ヌクレオチド配列部分、第八ヌクレオチド配列部分及び第六ヌクレオチド配列部分がこの順に連結したものであってもよく、第二ヌクレオチド配列部分、第九ヌクレオチド配列部分、第八ヌクレオチド配列部分、第十ヌクレオチド配列部分及び第六ヌクレオチド配列部分がこの順に連結したものであってもよい。第六ヌクレオチド配列は、前記[A-1]で述べた第六ヌクレオチド配列と同様である。第八ヌクレオチド配列及び第九ヌクレオチド配列は、前記の通りである。
【0159】
またこの場合、第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されていてもよいが、この場合にはホスホジエステル結合で連結されていることが好ましい。第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合していてもよいが、この場合には結合していないことが好ましい。同様に、第八ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されていてもよいが、この場合にはホスホジエステル結合で連結されていることが好ましい。第八ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合していてもよいが、この場合には結合していないことが好ましい。第六ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方は、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されていることが好ましく、その態様は、前記[A-1]で詳細に述べた第二ヌクレオチド配列の場合と同様である。第六ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して1又は複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることが好ましく、その態様は前記前記[A-1]で詳細に述べた第二ヌクレオチド配列の場合と同様である。
【0160】
さらに、ヌクレオチド配列Yが、アンチセンス配列を含む場合、前記Yは、第二ヌクレオチド配列部分を前記アンチセンス配列部分とLとの間に有することが好ましく、前記アンチセンス配列部分は、後述する[B]ヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含む場合と同様である。
【0161】
この場合、第二ヌクレオチド配列部分の態様は、[A-1]で述べた、さらにヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含む場合の第二ヌクレオチド配列部分の態様と同様である。第二ヌクレオチド配列部分に隣接して結合するヌクレオチドの態様、該ヌクレオチドとの結合は、後述する[B]ヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含む場合と同様である。
【0162】
この場合、ヌクレオチド配列Xは、Yが含むアンチセンス配列部分とのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第七ヌクレオチド配列をさらに含んでいてもよい。
【0163】
この場合、ある実施態様では、式X-L-Yで表される一本鎖オリゴヌクレオチドは、Xが含むアンチセンス配列部分、第七ヌクレオチド配列部分、第一ヌクレオチド配列部分、L、第二ヌクレオチド配列部分及びYが含むアンチセンス配列部分をこの順に有し、さらに前記第九ヌクレオチド配列部分及び前記第八ヌクレオチド配列部分をこの順に有してもよい。
【0164】
別の実施態様では、式X-L-Yで表される一本鎖オリゴヌクレオチドは、第七ヌクレオチド配列部分、Xが含むアンチセンス配列部分、第一ヌクレオチド配列部分、L、第二ヌクレオチド配列部分、前記第九ヌクレオチド配列部分、前記第八ヌクレオチド配列部分及びYが含むアンチセンス配列部分をこの順に有する。
【0165】
[B]ヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含む場合
前記Yは、第二ヌクレオチド配列部分を前記アンチセンス配列部分とLとの間に有することが好ましい。第二ヌクレオチド配列部分と前記アンチセンス配列部分とは、直接結合しても、それらの間にオリゴヌクレオチドを介して間接的に結合してもよい。
【0166】
該アンチセンス配列は、「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含む配列か、又は「少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない」配列であることが好ましく、該アンチセンス配列は「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含む配列がより好ましい。該配列の好ましい形態等は、前記アンチセンス配列、アンチセンス配列部分の説明と同様であり、アンチセンス配列部分の3’側に隣接して結合している一又は複数の糖部修飾ヌクレオチド及びアンチセンス配列部分の5’側に隣接して結合している一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドについても同様である。
【0167】
アンチセンス配列が「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含む配列である場合、第二ヌクレオチド配列部分と前記アンチセンス配列部分とがオリゴヌクレオチドを介して間接的に結合していることが好ましい。該オリゴヌクレオチドは、前記アンチセンス配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して結合している一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドであることが好ましく、その態様は前述の通りである。
【0168】
アンチセンス配列が「少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない」配列である場合、第二ヌクレオチド配列部分と前記アンチセンス配列部分とは、直接結合しても、それらの間にオリゴヌクレオチドを介して間接的に結合してもよいが、直接結合することが好ましい。オリゴヌクレオチドを介して間接的に結合する場合は、該オリゴヌクレオチドは、後述するL’と同様である。
【0169】
該一本鎖オリゴヌクレオチドが特定の細胞の核内に送達されるまで、RNaseA等のRNA分解酵素による分解が抑制されるとともに、特定の細胞内においてはRNaseHにより該第二ヌクレオチド配列部分が分解されることにより、第二オリゴヌクレオチドの一部分であって前記アンチセンス配列部分を含むオリゴヌクレオチドが生成し、アンチセンス効果を発揮し易いという観点から、第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側が、隣接するヌクレオチドとホスホジエステル結合で連結されていることが好ましい。
【0170】
また、第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることが好ましい。Yが5’側でLに結合する場合、第二ヌクレオチド配列部分の3’側に隣接して少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることがより好ましく、Yが3’側でLに結合する場合、第二ヌクレオチド配列部分の5’側に隣接して少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることがより好ましい。
【0171】
該糖部修飾ヌクレオチドは、アンチセンス配列が「標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチド」を含む場合、該アンチセンス配列部分の3’側及び5’側の一方に隣接して結合している一又は複数の糖部修飾ヌクレオチドであることが好ましく、その態様は前述と同様である。
該糖部修飾ヌクレオチドは、アンチセンス配列が「少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない」場合、該アンチセンス配列部分の3’側及び5’側の一方の糖部修飾ヌクレオチドであることが好ましく、その態様は前述と同様である。
【0172】
第二ヌクレオチド配列は、前記の共通点で述べた第二ヌクレオチド配列の態様に加え、4~25の連続するヌクレオチドを含むことが好ましく、10~22の連続するヌクレオチドを含むことがより好ましく、10~16の連続するヌクレオチドを含むことがさらに好ましく、12~14の連続するリボヌクレオチドを含むことがさらにより好ましく、12~13の連続するリボヌクレオチドを含むことが特に好ましい。
【0173】
前記同様、該一本鎖オリゴヌクレオチドが特定の細胞の核内に送達されるまで、RNaseA等のRNA分解酵素による分解が抑制されるとともに、特定の細胞内においてはRNaseH等のヌクレアーゼにより該第二オリゴヌクレオチドに由来する基が分解されることにより、第二オリゴヌクレオチドの少なくとも一部であって前記アンチセンス配列部分を含むオリゴヌクレオチドが生成しアンチセンス効果を発揮し易いという観点から、第一ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されていることが好ましい。Xが5’側でLに結合する場合、第一ヌクレオチド配列部分の3’側 が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されていることがより好ましく、Xが3’側でLに結合する場合、第一ヌクレオチド配列部分の5’側 が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されていることがより好ましい。 ある実施態様においては、第一オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合で互いに連結されていることが好ましい。
【0174】
また、RNA分解酵素等の酵素による分解を抑制するという観点から、第一ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して1~10個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることが好ましい。Xが5’側でLに結合する場合、第一ヌクレオチド配列部分の3’側に隣接して1~7個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることがより好ましく、2又は3個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることがさらに好ましい。Xが3’側でLに結合する場合、第一ヌクレオチド配列部分の5’側に隣接して1~7個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることがより好ましく、2又は3個の糖部修飾ヌクレオチドが結合していることがさらに好ましい。ここで、該3’側及び5’側の少なくとも一方における複数の糖部修飾ヌクレオチドの間に、複数のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド又はその両方が含まれていてもよいが、該複数の糖部修飾ヌクレオチドは、連続していることが好ましい。第一ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合している場合、「隣接して複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合している」とは、該複数の糖部修飾ヌクレオチド及び、該複数の糖部修飾ヌクレオチドの間に含まれるデオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖が隣接して結合していることを意味する。第一ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して複数の糖部修飾ヌクレオチドが結合している場合、それぞれの糖部修飾ヌクレオチドは同一であっても、異なっていてもよい。
【0175】
前記第一ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して結合している糖部修飾ヌクレオチド部分は、第二オリゴヌクレオチドの一部にハイブリダイズしてもよく、しなくてもよいが、第二オリゴヌクレオチドの一部にハイブリダイズすることが好ましい。
【0176】
前記第一ヌクレオチド配列部分の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して結合している糖部修飾ヌクレオチド部分は、前記[A-1]で詳細に述べた第二ヌクレオチド配列の3’側及び5’側の少なくとも一方に隣接して結合している糖部修飾ヌクレオチド部分と同様である。
【0177】
第一ヌクレオチド配列の態様は、前記共通点で述べた第一ヌクレオチド配列と同様であり、中でも4~20の連続するヌクレオチドであり、好ましくは6~16の連続するヌクレオチドであり、より好ましくは8~12の連続するヌクレオチドであり、特に好ましくは9~11の連続するデオキシリボヌクレオチドである。
【0178】
ある実施態様において、Xに含まれるヌクレオチドの数は、好ましくは7~50であり、より好ましくは8~30であり、さらにより好ましくは10~20であり、特に好ましくは10~16である。
この場合、Xに含まれるヌクレオチドの数はYに含まれるヌクレオチドの数よりも小さく、その差は好ましくは6~30であり、より好ましくは、8~25であり、さらに好ましくは、10~20であり、特に好ましくは13~15である。
【0179】
ヌクレオチド配列Xは、Yが含むアンチセンス配列部分とのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第七ヌクレオチド配列をさらに含んでいてもよい。この場合、ある実施態様では、式X-L-Yで表される一本鎖オリゴヌクレオチドは、第七ヌクレオチド配列部分、第一ヌクレオチド配列部分、L、第二ヌクレオチド配列部分及びYが含むアンチセンス配列部分をこの順に有する。第七ヌクレオチド配列の態様は、[A-1]で前述した通りである。
【0180】
この場合、Xに含まれるヌクレオチドの数は、好ましくは10~50であり、より好ましくは20~45であり、さらに好ましくは25~40であり、さらにより好ましくは、26~38であり、特に好ましくは、28~33である。
Yに含まれるヌクレオチドの数とXに含まれるヌクレオチドの数の差は、好ましくは10以内であり、より好ましくは5以内であり、さらに好ましくは4以内であり、さらにより好ましくは2以内であり、特に好ましくは0である。
【0181】
さらにヌクレオチド配列Xが、アンチセンス配列を含んでもよく、その場合の態様については、[A-1]及び[A-2]で説明した通りである。
【0182】
また、一本鎖オリゴヌクレオチドがX’-L’-Xなる部分構造を含む場合、ヌクレオチド配列X’が含む前記第四ヌクレオチド配列は、[A-1]で述べた第四ヌクレオチド配列と同様である。
【0183】
次に、L,L’及び機能性分子について説明する。以下は、前記の幾つかの態様に共通する。
【0184】
Lは、生理的条件で分解されるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、前述のXとYとを連結するリンカーである。Lは前述のXとYとを、X-L-Yの順番で連結する。
【0185】
L’は、生理的条件で分解されるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、前述のXとX’とを連結するリンカーである。L’は前述のXとX’とを、X’-L’-Xの順に連結する。
【0186】
LとXとは共有結合で連結され、例えば、LとXのそれぞれの末端ヌクレオチドの糖部分(糖部修飾ヌクレオチドにおいては、糖骨格から置き換わった部分構造を含む)がホスホジエステル結合で連結されていることが好ましい。LとYとは共有結合で連結され、例えば、LとYのそれぞれの末端ヌクレオチドの糖部分(糖部修飾ヌクレオチドにおいては、糖骨格から置き換わった部分構造を含む)がホスホジエステル結合で連結されていることが好ましい。また同様に、Yにおける第二ヌクレオチド配列部分とLとは、ホスホジエステル結合で連結されていることが好ましい。同様にL’とX’とは、ホスホジエステル結合で連結されていることが好ましく、L’とXとは、ホスホジエステル結合で連結されていることが好ましい。
【0187】
ここで、「生理的条件で分解されるオリゴヌクレオチドに由来する基」とは、生理的条件にて各種DNase(デオキシリボヌクレアーゼ)及びRNase(リボヌクレアーゼ)等の酵素によって分解されるオリゴヌクレオチドに由来する基であればよく、該オリゴヌクレオチドを構成するヌクレオチドは、その一部あるいは全部において、塩基、糖若しくはリン酸塩結合に化学修飾がされていてもよく、されていなくてもよい。
【0188】
Lは、前述のアンチセンス配列部分より速やかに分解されることが望ましい。Lは、好ましくはホスホジエステル結合で連結されたオリゴヌクレオチドに由来する基であり、さらに好ましくは、オリゴデオキシリボヌクレオチド又はオリゴリボヌクレオチドに由来する基であり、さらにより好ましくはDNA又はRNAに由来する基である。L’は、Lと同様である。
【0189】
Lは、Lのオリゴヌクレオチドに由来する基内において部分的に相補的な配列を含んでいてもよく、含んでいなくてもよいが、Lは、好ましくは、Lのオリゴヌクレオチドに由来する基内において部分的に相補的な配列を含んでいないオリゴヌクレオチドに由来する基である。そのようなオリゴヌクレオチドに由来する基の例として、ホスホジエステル結合で連結された(N)n(Nは、それぞれ独立してアデノシン、ウリジン、シチジン、グアノシン、2’-デオキシアデノシン、チミジン、2’-デオキシシチジン、又は2’-デオキシグアノシンであり、nは1~40の整数(繰り返し数)である。)を挙げることができる。中でも、nは好ましくは3~20であり、より好ましくは4~10であり、さらに好ましくは4~7であり、さらにより好ましくは、4又は5であり、特に好ましくは4である。L’についても、Lと同様である。L’については、その他の態様として、nは好ましくは、2~5であり、より好ましくは2~4である。
L’はLと同一の配列であってもよく、別の配列であってもよい。
【0190】
第一オリゴヌクレオチド、第二オリゴヌクレオチド、第三オリゴヌクレオチド、第四オリゴヌクレオチド又は第五オリゴヌクレオチドには、直接的に又は間接的に機能性分子が結合していてもよい。第一オリゴヌクレオチドがアンチセンス配列部分を含む場合、機能性分子は、第二オリゴヌクレオチドに結合していることが好ましい。機能性分子と第二オリゴヌクレオチドとの結合は、直接的でも、他の物質を介して間接的でもよいが、共有結合、イオン結合又は水素結合で第二オリゴヌクレオチドと機能性分子とが結合していることが好ましい。その結合の安定性が高いという観点から、共有結合で直接的に結合していること、又は共有結合でリンカー(連結基)を介して結合していることがより好ましい。第二オリゴヌクレオチドがアンチセンス配列部分を含む場合、機能性分子は、第一オリゴヌクレオチドに結合していることが好ましい。機能性分子と第一オリゴヌクレオチドとの結合は、機能性分子と第二オリゴヌクレオチドとの結合と同様である。第一オリゴヌクレオチド及び第二オリゴヌクレオチドが、それぞれアンチセンス配列部分を有する場合であって、Lから最も離れたアンチセンス配列部分を第二オリゴヌクレオチドが含むときは、機能性分子は、第一オリゴヌクレオチドに結合していることが好ましく、Lから最も離れたアンチセンス配列部分を第一オリゴヌクレオチドが含むときは、機能性分子は、第二オリゴヌクレオチドに結合していることが好ましい。機能性分子と第一オリゴヌクレオチド又は第二オリゴヌクレオチドとの結合は、前記と同様である。第四オリゴヌクレオチドがアンチセンス配列部分を有する場合、機能性分子は、第二オリゴヌクレオチドに結合していることが好ましい。機能性分子と第二オリゴヌクレオチドとの結合は、前記と同様である。
【0191】
前記機能性分子が共有結合で、一本鎖オリゴヌクレオチドに結合する場合、前記機能性分子は、一本鎖オリゴヌクレオチド分子の3’末端又は5’末端に、直接的に又は間接的に結合していることが好ましい。前記リンカー又は機能性分子と、一本鎖オリゴヌクレオチド分子の末端ヌクレオチドとの結合は、機能性分子に応じて選択される。
前記リンカー又は機能性分子と、一本鎖オリゴヌクレオチド分子の末端ヌクレオチドとは、ホスホジエステル結合又は修飾されたホスホジエステル結合で連結されていることが好ましく、ホスホジエステル結合で連結されていることがより好ましい。ある実施態様では、第二オリゴヌクレオチドの末端ヌクレオチドと、前記リンカー又は機能性分子とが、ホスホジエステル結合又は修飾されたホスホジエステル結合で連結されていることが好ましく、ホスホジエステル結合で連結されていることがより好ましい。ある実施態様では、第一オリゴヌクレオチドの末端ヌクレオチドと、前記リンカー又は機能性分子とが、ホスホジエステル結合又は修飾されたホスホジエステル結合で連結されていることが好ましく、ホスホジエステル結合で連結されていることがより好ましい。
前記リンカー又は機能性分子は、一本鎖オリゴヌクレオチド分子の3’末端のヌクレオチドが有する3’位の酸素原子又は5’末端のヌクレオチドが有する5’位の酸素原子に直接連結されていてもよい。
【0192】
「機能性分子」の構造は、特に制限はなく、それが結合することにより一本鎖オリゴヌクレオチドに所望の機能が付与される。所望の機能としては、標識機能、精製機能及び標的部位への送達機能が挙げられる。標識機能を付与する分子の例としては、蛍光タンパク質、ルシフェラーゼ等の化合物が挙げられる。精製機能を付与する分子の例としては、ビオチン、アビジン、Hisタグペプチド、GSTタグペプチド、FLAGタグペプチド等の化合物が挙げられる。
【0193】
また、一本鎖オリゴヌクレオチドを特異性高く効率的に標的部位(例えば、標的細胞)に送達し、かつ当該一本鎖オリゴヌクレオチドによって標的遺伝子の発現を非常に効果的に制御するという観点から、機能性分子として、一本鎖オリゴヌクレオチドを標的部位に送達させる機能を有する分子が結合していることが好ましい。該送達機能を有する分子は、例えば、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマシューティカルズ・アンド・バイオファーマシューティクス、107巻、321~340頁(2016年)、アドバンスト・ドラッグ・デリバリー・レビューズ、104巻、78~92頁(2016年)、エキスパート・オピニオン・オン・ドラッグ・デリバリー、11巻、791~822頁(2014年)等を参照できる。
【0194】
標的RNAへの送達機能を付与する分子として、例えば、肝臓等に特異性高く効率的に一本鎖オリゴヌクレオチドを送達できるという観点から、脂質、糖が挙げられる。このような脂質としては、コレステロール;脂肪酸;ビタミンE(トコフェロール類、トコトリエノール類)、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンK等の脂溶性ビタミン;アシルカルニチン、アシルCoA等の中間代謝物;糖脂質;グリセリド;それらの誘導体等が挙げられる。これらの中では、より安全性が高いという観点から、コレステロール、ビタミンE(トコフェロール類、トコトリエノール類)が好ましい。中でも、トコフェロール類がより好ましく、トコフェロールが更に好ましく、α-トコフェロールが特に好ましい。糖としては、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体が挙げられる。
【0195】
「アシアロ糖タンパク質受容体」は肝臓細胞表面に存在し、アシアロ糖タンパク質のガラクトース残基を認識して、その分子を細胞内に取り込み分解する作用を持つ。「アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用する糖誘導体」は、ガラクトース残基と類似した構造を持ち、アシアロ糖タンパク質受容体との相互作用により細胞内に取り込まれる化合物が好ましく、例えば、GalNac(N-アセチルガラクトサミン)誘導体、ガラクトース誘導体及びラクトース誘導体が挙げられる。また、脳に特異性高く効率的に本発明の一本鎖オリゴヌクレオチドを送達できるという観点では、「機能性分子」として、糖(例えば、グルコース、スクロース等)が挙げられる。また、各臓器の細胞表面にある各種タンパク質に相互作用することにより、当該臓器に特異性高く効率的に一本鎖オリゴヌクレオチドを送達できるという観点では、「機能性分子」として、受容体のリガンド、抗体、それらの断片のペプチド又はタンパク質が挙げられる。
【0196】
機能性分子と、第一オリゴヌクレオチド、第二オリゴヌクレオチド、第三オリゴヌクレオチド、第四オリゴヌクレオチド又は第五オリゴヌクレオチドとの結合を介するリンカーは、一本鎖オリゴヌクレオチド分子として機能性分子が有する機能を発揮できればよいため、該機能性分子と該オリゴヌクレオチドとを、安定して結合させるリンカーであれば特に限定されない。該リンカーとしては、例えば、ヌクレオチド数が2~20のオリゴヌクレオチドに由来する基、アミノ酸数が2~20のポリペプチドに由来する基、炭素数が2~20のアルキレン基及び炭素数が2~20のアルケニレン基等が挙げられるが、好ましくは、C2-20アルキレン基又はC2-20アルケニレン基(該アルキレン基及びアルケニレン基に含まれるメチレン基は、それぞれ独立して、無置換であるか、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、オキソ基及びチオキソ基からなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されている。また、該アルキレン基及びアルケニレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-、-NR-(Rは、水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基である。)、-S-、-S(O)-又は-S(O)-により置き換えられている。)である。ここで、前記置換と置き換えを組み合わせて、リンカーは、-C(O)-O-、-O-C(O)-NR-(Rは水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基を示す)、-C(O)-NR-(Rは水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基を示す)、-C(S)-NR-(Rは水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基を示す)、-NR-C(O)-NR-(Rはそれぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基を示す)等で表される基を含んでいてもよい。
【0197】
リンカーは、より好ましくは、C2-20アルキレン基(該アルキレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-により置き換えられている。置き換えられていないメチレン基は、それぞれ独立して無置換であるか、又はヒドロキシ基又は保護されたヒドロキシ基に置換されている。)であり、さらに好ましくはC8-12アルキレン基(該アルキレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-により置き換えられている。置き換えられていないメチレン基は、それぞれ独立して無置換であるか、又はヒドロキシ基に置換されている。)であり、特に好ましくは、1,8-オクチレン基である。またその他の態様として、リンカーは特に好ましくは、下記式(III)で表される基である。
【0198】
【化3】
【0199】
式中、一つの*は、オリゴヌクレオチドに由来する基との結合位置(ヌクレオチドを構成する原子)を表し、他方の*は、機能性分子に由来する基との結合位置(機能性分子に由来する基を構成する原子)を表す。
【0200】
その他の態様として、リンカーは、より好ましくは、C2-20アルキレン基(該アルキレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-若しくは-NR-(Rは、水素原子又はC1-6アルキル基である。)により置き換えられている。置き換えられていないメチレン基は、それぞれ独立して無置換であるか、又は無置換であるか、オキソ基により置換されている。)であり、さらに好ましくは、式 -N(H)C(O)-(CH-N(H)C(O)-(CH-C(O)- (式中eは、それぞれ独立して1から6の整数である。)で表される基であり、特に好ましくは、-N(H)C(O)-(CH-N(H)C(O)-(CH-C(O)-で表される基である。
【0201】
前記「保護されたヒドロキシ基」の保護基は、機能性分子とオリゴヌクレオチドとを結合させる際に安定であればよいため、特に限定されない。例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS)、第3版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(JOHN WILLY&SONS)出版(1999年)等に記載されている任意の保護基を挙げることができる。具体的には、メチル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、tert-ブチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、2-テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、シアノエチル基、シアノエトキシメチル基、フェニルカルバモイル基、1,1-ジオキソチオモルホリン-4-チオカルバモイル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル(Tom)基、1-(4-クロロフェニル)-4-エトキシピペリジン-4-イル(Cpep)基、トリフェニルメチル(トリチル)基、モノメトキシトリチル基、ジメトキシトリチル(DMTr)基、トリメトキシトリチル基、9-フェニルキサンテン-9-イル(Pixyl)基、9-(p-メトキシフェニル)キサンテン-9-イル(MOX)基等を挙げることができる。「保護されたヒドロキシ基」の保護基は、好ましくは、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリフェニルメチル(トリチル)基、モノメトキシトリチル基、ジメトキシトリチル基、トリメトキシトリチル基、9-フェニルキサンテン-9-イル基又は9-(p-メトキシフェニル)キサンテン-9-イル基であり、より好ましくは、モノメトキシトリチル基、ジメトキシトリチル基又はトリメトキシトリチル基であり、さらにより好ましくはジメトキシトリチル基である。
【0202】
核酸医薬品に用いる好ましい一本鎖オリゴヌクレオチドとしては以下に示すものが挙げられる。
1) 式
X-L-Y
(式中、Xは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択され、糖部、塩基部及びリン酸部の少なくとも1つが修飾されたヌクレオチドの少なくとも1個を含む7~100個のヌクレオチドからなる第一オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Yは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択され、4~100個のヌクレオチドからなる第二オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、その両端で前記第一オリゴヌクレオチド及び第二オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、生理的条件で分解される第三オリゴヌクレオチドに由来する基であり、第三オリゴヌクレオチドはホスホジエステル結合を含み、
前記第一オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Xを有し、前記第二オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Yを有し、
前記ヌクレオチド配列Xは、第二オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む第一ヌクレオチド配列を含み、
前記ヌクレオチド配列Yは、第一オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第二ヌクレオチド配列を含み、
前記ヌクレオチド配列X及びヌクレオチド配列Yの少なくとも一方が、標的RNAとのハイブリダイズを可能にする少なくとも1つのアンチセンス配列を含み、
前記アンチセンス配列を2以上有する場合、それぞれのアンチセンス配列部分がハイブリダイズする標的RNAは同一でも異なっていてもよい。)
で表され、XとYとが第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とでハイブリダイズする一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0203】
2) Xが3’側でLに結合し、Yが5’側でLに結合する、1)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
3) Xが5’側でLに結合し、Yが3’側でLに結合する、1)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0204】
4) 前記アンチセンス配列と標的RNAの配列との相補性が70%以上である、1)から3)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
5) 第一ヌクレオチド配列と第二ヌクレオチド配列との相補性が70%以上である、1)から4)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0205】
6) 前記式 X-L-Yで表される一本鎖オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホジエステル結合、ホスホロチオエート結合、メチルホスホネート結合、メチルチオホスホネート結合、ホスホロジチオエート結合及びホスホロアミデート結合からなる群からそれぞれ独立して選ばれる少なくとも一種で互いに連結されている、1)から5)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
7) 式 X-L-Yで表される一本鎖オリゴヌクレオチドに含まれる各ヌクレオチドが、ホスホジエステル結合及びホスホロチオエート結合からそれぞれ独立して選ばれる少なくとも一種で互いに連結されている、1)から6)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0206】
8) 第三オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホジエステル結合で互いに連結されている、1)から8)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
9) 第三オリゴヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドからなる群から独立して選択される3~10個のヌクレオチドからなる、1)から8)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
10) 第三オリゴヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドからなる群から独立して選択される4~7個のヌクレオチドからなる、1)から9)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
11) 第三オリゴヌクレオチドが、オリゴデオキシリボヌクレオチド又はオリゴリボヌクレオチドである、1)から10)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
12) 第三オリゴヌクレオチドが、DNA又はRNAである、1)から11)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
13) 第三オリゴヌクレオチドが、RNAである、1)から12)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0207】
14) 第一オリゴヌクレオチドは、第一ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、1)から13)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
15) 第一オリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合を含む、1)から14)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
16) 第一ヌクレオチド配列が、互いにホスホロチオエート結合で連結されたヌクレオチドを含む配列である、1)から15)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
17) 第一ヌクレオチド配列が、少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドを含む4~20個のヌクレオチドからなる配列である、1)から16)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
18) 第一ヌクレオチド配列が、4~20個のデオキシリボヌクレオチドからなる配列である、1)から17)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0208】
19) 第二ヌクレオチド配列は、RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、1)から18)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
20) 第二ヌクレオチド配列が、4~25個のリボヌクレオチドからなる配列である、1)から19)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
21) 第二オリゴヌクレオチドが、第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、1)から20)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
22) 第二オリゴヌクレオチドが、ホスホジエステル結合を含む、1)から21)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
23) 第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方が、隣接するヌクレオチドとホスホジエステル結合で連結されている、1)から22)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
24) 第二ヌクレオチド配列が、互いにホスホジエステル結合で連結されたヌクレオチドを含む配列である、1)から23)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0209】
25) Xが、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、前記ヌクレオチド配列Xが、少なくとも1つのアンチセンス配列を含む、1)から24)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
26) 前記第一ヌクレオチド配列が、前記アンチセンス配列である、25)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
27) 前記第一ヌクレオチド配列が、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、25)又は26)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
28) 第一オリゴヌクレオチドは、前記第一ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、25)から27)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
29) 前記第一オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合で互いに連結されている、25)から28)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
30) 第二ヌクレオチド配列が、4~20個のリボヌクレオチドからなる配列である、25)から29)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
31) 第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されている、25)から30)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0210】
32) 前記Xが、前記第一ヌクレオチド配列部分を前記アンチセンス配列部分とLとの間に有する、25)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
33) 前記Xが、前記第一ヌクレオチド配列部分と前記アンチセンス配列部分との間に、生理的条件で分解されるオリゴヌクレオチドを含む、32)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
34) 前記Xが含む生理的条件で分解されるオリゴヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドからなる群から独立して選択される2~10個のヌクレオチドからなる、33)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
35) 前記Xが含む生理的条件で分解されるオリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホジエステル結合で互いに連結されている、33)又は34)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
36) 前記Xが含む生理的条件で分解されるオリゴヌクレオチドが、2~7個のヌクレオチドからなるDNA又はRNAである、33)から35)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0211】
37) 前記Xが含むアンチセンス配列部分が、ホスホロチオエート結合を含む、32)から36)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
38) 前記ヌクレオチド配列Xが含むアンチセンス配列が、互いにホスホロチオエート結合で連結されたヌクレオチドを含む配列である、32)から37)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0212】
39) 第一オリゴヌクレオチドは、前記Xが含むアンチセンス配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、32)から38)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
40) 第一オリゴヌクレオチドは、前記Xが含むアンチセンス配列部分の5’側及び3’側に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、32)から39)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
41) 前記Xが含むアンチセンス配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドは、前記Xが含むアンチセンス配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方と、ホスホロチオエート結合で連結されている、39)又は40)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0213】
42) 前記ヌクレオチド配列Xが含むアンチセンス配列が、糖部修飾ヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~30個のヌクレオチドからなる配列である、32)から41)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
43) 前記ヌクレオチド配列Xが含むアンチセンス配列が、少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドを含む4~20個のヌクレオチドからなる配列である、32)から42)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0214】
44) 前記ヌクレオチド配列Xが含むアンチセンス配列が、標的RNAとハイブリダイズした際に、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、32)から43)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
45) 前記ヌクレオチド配列Xが含むアンチセンス配列が、4~20個のデオキシリボヌクレオチドからなる配列である、32)から44)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0215】
46) 前記Xが含むアンチセンス配列部分は、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない、32)から43)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
47) 前記Xが含むアンチセンス配列部分の3’側のヌクレオチド及び5’側のヌクレオチドの少なくとも一方が、糖部修飾ヌクレオチドである、46)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
48) 前記Xが含むアンチセンス配列部分の3’側のヌクレオチド及び5’側のヌクレオチドが、糖部修飾ヌクレオチドである、46)又は47)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
49) 前記ヌクレオチド配列Xが含むアンチセンス配列が、4~30個の糖部修飾ヌクレオチドからなる配列である、32)から42)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0216】
50) ヌクレオチド配列Yが、前記Xが含むアンチセンス配列部分の少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列を含む、32)から49)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
51) 前記RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列が、4~20個のリボヌクレオチドからなる配列である、50)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
52) 第二オリゴヌクレオチドが、前記RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、50)又は51)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
53) 前記RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されている、50)から52)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0217】
54) 第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されている、32)から53)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0218】
55) 前記ヌクレオチド配列Yが、少なくとも1つのアンチセンス配列を含む、1)から28)及び32)から53)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
56) 前記Yは、前記第二ヌクレオチド配列部分を前記アンチセンス配列部分とLとの間に有する、55)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0219】
57) 第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側が、隣接するヌクレオチドとホスホジエステル結合で連結されている、55)又は56)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0220】
58) 前記Yが含むアンチセンス配列部分が、ホスホロチオエート結合を含む、55)から57)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
59) 前記Yが含むアンチセンス配列が、互いにホスホロチオエート結合で連結されたヌクレオチドを含む配列である、55)から58)のいずれか1つのいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0221】
60) 第二オリゴヌクレオチドは、前記Yが含むアンチセンス配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、55)から59)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
61) 第二オリゴヌクレオチドは、前記Yが含むアンチセンス配列部分の5’側及び3’側に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、55)から60)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
62) 前記Yが含むアンチセンス配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドは、前記Yが含むアンチセンス配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方と、ホスホロチオエート結合で連結されている、60)又は61)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0222】
63) 前記ヌクレオチド配列Yが含むアンチセンス配列が、糖部修飾ヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~30個のヌクレオチドからなる配列である、55)から62)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
64) 前記Yが含むアンチセンス配列が、少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドを含む4~20個のヌクレオチドからなる配列である、55)から63)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0223】
65) 前記ヌクレオチド配列Yが含むアンチセンス配列が、標的RNAとハイブリダイズした際に、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、55)から64)のいずれか一つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
66) 前記Yが含むアンチセンス配列が、4~20個のデオキシリボヌクレオチドからなる配列である、55)から65)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0224】
67) 前記Yが含むアンチセンス配列部分は、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない、55)から63)のいずれか一つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
68) 前記Yが含むアンチセンス配列部分の3’側のヌクレオチド及び5’側のヌクレオチドの少なくとも一方が、糖部修飾ヌクレオチドである、67)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
69) 前記Yが含むアンチセンス配列部分の3’側のヌクレオチド及び5’側のヌクレオチドが、糖部修飾ヌクレオチドである、67)又は68)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
70) 前記ヌクレオチド配列Yが含むアンチセンス配列が、4~30個の糖部修飾ヌクレオチドからなる配列である、55)から63)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0225】
71) 前記ヌクレオチド配列Xが、前記Yが含むアンチセンス配列部分の少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列を含む、55)から70)のいずれか一つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
72) 前記RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列が、4~20個のリボヌクレオチドからなる配列である、71)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
73) 第一オリゴヌクレオチドが、前記RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、71)又は72)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
74) 前記RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されている、71)から73)のいずれか一つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0226】
75) 式
X’-L’-
(式中、X’は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択され、糖部、塩基部及びリン酸部の少なくとも1つが修飾されたヌクレオチドの少なくとも1個を含む7~100個のヌクレオチドからなる第四オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
L’は、その両端で前記第一オリゴヌクレオチド及び第四オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、生理的条件で分解される第五オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
前記第四オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド配列X’を有し、ヌクレオチド配列X’は、標的RNAとのハイブリダイズを可能にするアンチセンス配列を含む。)
で表される基をさらに含む、1)から74)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
76) X’が、5’末端又は3’末端を含む、75)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
77) ヌクレオチド配列X’が含むアンチセンス配列と標的RNAの配列との相補性が70%以上である、75)又は76)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
78) 式 X’-L’-X-L-Yで表される一本鎖オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、それぞれ独立して、ホスホジエステル結合、ホスホロチオエート結合、メチルホスホネート結合、メチルチオホスホネート結合、ホスホロジチオエート結合及びホスホロアミデート結合からなる群から選ばれる少なくとも一種で互いに連結されている、75)から77)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
79) 式 X’-L’-X-L-Yで表される一本鎖オリゴヌクレオチドに含まれる各ヌクレオチドが、それぞれ独立して、ホスホジエステル結合及びホスホロチオエート結合から選ばれる少なくとも一種で互いに連結されている、75)から78)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0227】
80) 第五オリゴヌクレオチドはホスホジエステル結合を含む、75)から79)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
81) 第五オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホジエステル結合で互いに連結されている、75)から80)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
82) 第五オリゴヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドからなる群から独立して選択される3~10個のヌクレオチドからなる、75)から81)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
83) 第五オリゴヌクレオチドが、3~7個のヌクレオチドからなるオリゴデオキシリボヌクレオチド又はオリゴリボヌクレオチドである、75)から82)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
84) 第五オリゴヌクレオチドが、4又は5個のヌクレオチドからなるオリゴデオキシリボヌクレオチド又はオリゴリボヌクレオチドである、75)から83)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
85) 第五オリゴヌクレオチドが、DNA又はRNAである、75)から84)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
86) 第五オリゴヌクレオチドが、RNAである、75)から85)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0228】
87) 第四オリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合を含む、75)から86)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
88) 前記ヌクレオチド配列X’が含むアンチセンス配列が、互いにホスホロチオエート結合で連結されたヌクレオチドを含む配列である、75)から87)のいずれか1つのいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
89) 第四オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合で互いに連結されている、75)から88)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0229】
90) 第四オリゴヌクレオチドは、前記X’が含むアンチセンス配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、75)から89)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
91) 第四オリゴヌクレオチドは、前記X’が含むアンチセンス配列部分の5’側及び3’側に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、75)から90)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0230】
92) 前記ヌクレオチド配列X’が含むアンチセンス配列が、糖部修飾ヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~30個のヌクレオチドからなる配列である、75)から91)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
93) 前記ヌクレオチド配列X’が含むアンチセンス配列が、少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドを含む4~20個のヌクレオチドからなる配列である、75)から92)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0231】
94) X’が少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、ヌクレオチド配列X’が含むアンチセンス配列が、標的RNAとハイブリダイズした際に、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、75)から93)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
95) 前記ヌクレオチド配列X’が含むアンチセンス配列が、4~20個のデオキシリボヌクレオチドからなる配列である、75)から94)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0232】
96) 前記X’が含むアンチセンス配列部分は、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない、75)から93)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
97) 前記X’が含むアンチセンス配列部分の3’側のヌクレオチド及び5’側のヌクレオチドの少なくとも一方が、糖部修飾ヌクレオチドである、96)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
98) 前記X’が含むアンチセンス配列部分の3’側のヌクレオチド及び5’側のヌクレオチドが、糖部修飾ヌクレオチドである、96)又は97)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
99) 前記ヌクレオチド配列X’が含むアンチセンス配列が、4~30個の糖部修飾ヌクレオチドからなる配列である、75)から92)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0233】
100) ヌクレオチド配列Yが、前記X’が含むアンチセンス配列部分の少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列を含む、75)から99)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
101) 前記RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列が、4~20個のリボヌクレオチドからなる配列である、100)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
102) 第二オリゴヌクレオチドが、前記RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、100)又は101)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
103) 前記RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されている、100)から102)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0234】
104) Xが、5’末端又は3’末端を含む、1)から74)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
105) Yが、5’末端又は3’末端を含む、1)から103)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
106) 標識機能、精製機能及び標的RNAへの送達機能からなる群から選択される少なくとも1種の機能を有する機能性分子に由来する基をさらに含む、1)から103)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
107) 前記機能性分子に由来する基が、第二オリゴヌクレオチドに直接的又は間接的に結合している、1)から103)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
108) 前記機能性分子に由来する基が、第一オリゴヌクレオチドに直接的又は間接的に結合している、1)から103)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0235】
109) 前記機能性分子に由来する基が、C2-20アルキレン基又はC2-20アルケニレン基(該アルキレン基及びアルケニレン基に含まれるメチレン基は、それぞれ独立して、無置換であるか、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、オキソ基及びチオキソ基からなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されている。また、該アルキレン基及びアルケニレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-、-NR-(Rは、水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基である。)、-S-、-S(O)-又は-S(O)-により置き換えられている。)を介して、又は直接共有結合により第一オリゴヌクレオチド又は第二オリゴヌクレオチドと結合している、106)から108)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
110) 前記機能性分子に由来する基が連結したC2-20アルキレン基又はC2-20アルケニレン基と、第一オリゴヌクレオチド又は第二オリゴヌクレオチドとが、ホスホジエステル結合又は修飾されたホスホジエステル結合で連結されている、106)から109)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
111) 前記機能性分子に由来する基が連結したC2-20アルキレン基又はC2-20アルケニレン基と、第一オリゴヌクレオチド又は第二オリゴヌクレオチドとが、ホスホジエステル結合で連結されている、106)から110)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
112) 前記機能性分子が、糖、脂質、ペプチド及びタンパク質及びそれらの誘導体からなる群から選択される、106)から111)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
113) 前記機能性分子が、コレステロール、脂肪酸、脂溶性ビタミン、糖脂質及びグリセリドからなる群から選択される脂質である、106)から112)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
114) 前記機能性分子が、コレステロール、トコフェロール及びトコトリエノールからなる群から選択される脂質である、106)から113)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
115) 前記機能性分子がトコフェロールであり、トコフェロールのヒドロキシ基が、C2-20アルキレン基(該アルキレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-により置き換えられている。置き換えられていないメチレン基は、それぞれ独立して無置換であるか、又はヒドロキシ基に置換されている。)を介して、第一オリゴヌクレオチド又は第二オリゴヌクレオチドと結合している、106)から114)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
116) トコフェロールのヒドロキシ基が、1,8-オクチレン基を介して第一オリゴヌクレオチド又は第二オリゴヌクレオチドと結合している、115)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
117) 前記機能性分子が、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用する糖誘導体である、106)から112)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
118) 前記機能性分子が、受容体のリガンド及び抗体からなる群から選択される、ペプチド又はタンパク質である、106)から112)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0236】
119) 糖部修飾ヌクレオチドが、それぞれ独立して、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド、2’-O-アミノプロピル化ヌクレオチド、2’-フルオロ化ヌクレオチド、2’-F-アラビノヌクレオチド、架橋化ヌクレオチド又は2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドである、1)から118)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
120) 糖部修飾ヌクレオチドが、それぞれ独立して、2’-O-メチル化ヌクレオチド又はLNAである、1)から119)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0237】
121) 式X’-L’-X-で表される部分構造を含み、当該部分構造は、式
X’-X’-X’-L’-X-X-X
(式中、X’は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、X’が含むアンチセンス配列部分であって、
X’は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、該オリゴヌクレオチドが第五オリゴヌクレオチドと共有結合し、
L’は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる2~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、前記第一ヌクレオチド配列は、アンチセンス配列であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、
は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、該オリゴヌクレオチドが第三オリゴヌクレオチドと共有結合している。)で表される、75)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
122) X’は、糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、X’は、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、X’は、糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、121)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
123) X’は、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、X’は、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、121)又は122)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
124) X’は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、X’は、LNAから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、121)から123)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0238】
125) 式X’-L’-X-で表される部分構造を含み、当該部分構造は、式
X’-L’-X-X-X
(式中、X’は、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まないアンチセンス配列部分であり、第五オリゴヌクレオチドと共有結合し、
L’は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる2~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、前記第一ヌクレオチド配列は、アンチセンス配列であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、
は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、該オリゴヌクレオチドが第三オリゴヌクレオチドと共有結合している。)で表される、75)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
126) X’は、デオキシリボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される6から30個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、L’は、デオキシリボヌクレオチドから独立して選択される2から5個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、125)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
127) X’は、デオキシリボヌクレオチド、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される6から30個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、125)又は126)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
128) X’は、デオキシリボヌクレオチド及びLNAから独立して選択される6から30個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、125)又は126)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0239】
129) Xは、糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、121)から128)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
130) Xは、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、121)から129)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
131) Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、LNAから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、121)から130)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0240】
132) 式X-で表される部分構造は、式
-X-X-X-X
(式中、Xは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される4~20個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、前記第一ヌクレオチド配列は、アンチセンス配列であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、
は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、該オリゴヌクレオチドが第三オリゴヌクレオチドと共有結合している。)で表される、1)から24)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
133) Xは、糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、10~19個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、132)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
134) Xは、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、132)又は133)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
135) Xは、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、132)から134)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0241】
136) 式X-で表される部分構造は、式
-X-X
(式中、Xは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、前記第一ヌクレオチド配列は、アンチセンス配列であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、
は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、該オリゴヌクレオチドが第三オリゴヌクレオチドと共有結合している。)で表される、1)から24)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
137) Xは、糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のオリゴヌクレオチドに由来する基である、136)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
138) Xは、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、136)又は137)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
139) Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、136)から138)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0242】
140) 式X-で表される部分構造は、式
-X -X -X-X
(式中、X は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、Xが含むアンチセンス配列部分であって、
は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選択される2から7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、第三オリゴヌクレオチドと共有結合している。)で表される、1)から24)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
141) X は、糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、X は、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、X は、糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、8~17個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、140)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
142) X は、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、X は、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、140)又は141)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
143) X は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、X は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、140)から142)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0243】
144)式X-で表される部分構造は、式
-X-X
(式中、Xは、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まないアンチセンス配列部分であり、
は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選択される2から7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、第三オリゴヌクレオチドと共有結合している。)で表される、1)から24)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
145) Xは、デオキシリボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される6から30個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、デオキシリボヌクレオチドから独立して選択される2から5個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、8~17個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、144)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
146) Xは、デオキシリボヌクレオチド、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される6から30個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、144)又は145)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
147) Xは、デオキシリボヌクレオチド及びLNAから独立して選択される6から30個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、144)又は145)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0244】
148) 式X-で表される部分構造は、式
-X
(式中、Xは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、第三オリゴヌクレオチドと共有結合している。)で表される、1)から24)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
149) Xは、糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、8~12個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、148)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
150) Xは、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、148)又は149)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
151) Xは、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、148)から150)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0245】
152) 式-Yで表される部分構造は、式
-Y-Y
(式中、Yは、第二ヌクレオチド配列部分であり、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される4~20個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、該オリゴヌクレオチドが第三オリゴヌクレオチドと共有結合し、
は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基である。)で表される、1)から24)及び121)から147)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
153) Yは、10~13個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Yは、糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、152)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
154) Yは、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、152)又は153)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
155) Yは、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、152)から154)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0246】
156) 式-Yで表される部分構造は、式
-Y-Y
(式中、Yは、第二ヌクレオチド配列部分を含み、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される4~40個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、該オリゴヌクレオチドが第三オリゴヌクレオチドと共有結合し、
は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基である。)で表される、1)から24)及び121)から147)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
157) Yは、25~36個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Yは、糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、156)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
158) Yは、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、156)又は157)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
159) Yは、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、156)から158)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0247】
160) 式-Yで表される部分構造は、式
-Y-Y -Y -Y
(式中、Yは、第二ヌクレオチド配列部分であって、第三オリゴヌクレオチドと共有結合し、
は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、Yが含むアンチセンス配列部分であり、
は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基である。)で表される、1)から24)及び121)から151)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
161) Yは、10~22個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Y は、糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Y は、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Y は、糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、160)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
162) Y は、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Y は、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、160)又は161)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
163) Y は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Y は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、160)から162)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0248】
164) 式-Yで表される部分構造は、式
-Y-Y
(式中、Yは、第二ヌクレオチド配列部分であって、第三オリゴヌクレオチドと共有結合し、
は、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まないアンチセンス配列部分である。)で表される、1)から24)及び121)から151)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
165) Yは、10~22個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Yは、デオキシリボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される6から30個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、164)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
166) Yは、デオキシリボヌクレオチド、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される6から30個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、164)又は165)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
167) Yは、デオキシリボヌクレオチド及びLNAから独立して選択される6から30個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、164)又は165)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0249】
B-1) 式
X-L-Y
(式中、Xは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される7~100個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含む第一オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
第一オリゴヌクレオチドは、標的RNAとのハイブリダイズを可能にする第一ヌクレオチド配列を有し、第一ヌクレオチド配列は、前記標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、
Yは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される4~100個のヌクレオチドからなる第二オリゴヌクレオチドに由来する基であり、第二オリゴヌクレオチドは、前記第一オリゴヌクレオチドとのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第二ヌクレオチド配列を有し、
Lは、その両端で前記第一オリゴヌクレオチド及び第二オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、生理的条件で分解される第三オリゴヌクレオチドに由来する基であり、第三オリゴヌクレオチドはホスホジエステル結合を含む。)で表され、
XとYとが、前記第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とで、分子内でハイブリダイズする一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-2) Xが3’側でLに結合し、Yが5’側でLに結合する、B-1)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-3) Xが5’側でLに結合し、Yが3’側でLに結合する、B-1)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-4) 第一ヌクレオチド配列と標的RNAの配列との相補性が70%以上である、B-1)からB-3)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-5) 第一ヌクレオチド配列と第二ヌクレオチド配列との相補性が70%以上である、B-1)からB-4)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0250】
B-6) 第三オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホジエステル結合で互いに連結されている、B-1)からB-5)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-7) 第三オリゴヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドからなる群から独立して選択される3~10個のヌクレオチドからなる、B-1)からB-6)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-8) 第三オリゴヌクレオチドが、オリゴデオキシリボヌクレオチド又はオリゴリボヌクレオチドである、B-1)からB-7)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-9) 第三オリゴヌクレオチドが、DNA又はRNAである、B-1)からB-8)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-10) 第三オリゴヌクレオチドが、RNAである、B-1)からB-9)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-11) 第三オリゴヌクレオチドが、4又は5個のアデノシンからなるオリゴヌクレオチドである、B-1)からB-10)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0251】
B-12) 第一オリゴヌクレオチドは、第一ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、B-1)からB-11)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-13) 第一オリゴヌクレオチドは、第一ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、B-1)からB-12)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-14) 第一オリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合を含む、B-1)からB-13)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-15) 第一ヌクレオチド配列が、互いにホスホロチオエート結合で連結されたヌクレオチドを含む配列である、B-1)からB-14)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-16) 第一オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合で互いに連結されている、B-1)からB-15)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-17) 第一ヌクレオチド配列が、少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドを含む4~20個のヌクレオチドからなる配列である、B-1)からB-16)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-18) 第一ヌクレオチド配列が、4~20個のデオキシリボヌクレオチドからなる配列である、B-1)からB-17)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0252】
B-19) 第二ヌクレオチド配列は、RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、B-1)からB-18)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-20) 第二ヌクレオチド配列が、4~20個のリボヌクレオチドからなる配列である、B-1)からB-19)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-21) 第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されている、B-19)又はB-20)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-22) 第二オリゴヌクレオチドが、第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、B-19)からB-21)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-23) Yが、5’末端又は3’末端を含む、B-1)からB-22)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0253】
B-24) 標識機能、精製機能及び標的RNAへの送達機能からなる群から選択される少なくとも1種の機能を有する機能性分子に由来する基をさらに含む、B-1)からB-22)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-25) 前記機能性分子に由来する基が、第二オリゴヌクレオチドに直接的又は間接的に結合している、B-24)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-26) 前記機能性分子に由来する基が、C2-20アルキレン基又はC2-20アルケニレン基(該アルキレン基及びアルケニレン基に含まれるメチレン基は、それぞれ独立して、無置換であるか、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、オキソ基及びチオキソ基からなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されている。また、該アルキレン基及びアルケニレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-、-NR-(Rは、水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基である。)、-S-、-S(O)-又は-S(O)-により置き換えられている。)を介して、又は直接共有結合により第二オリゴヌクレオチドに結合している、B-24)又はB-25)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-27) 前記機能性分子が、糖、脂質、ペプチド及びタンパク質及びそれらの誘導体からなる群から選択される、B-24)からB-26)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-28) 前記機能性分子が、コレステロール、脂肪酸、脂溶性ビタミン、糖脂質及びグリセリドからなる群から選択される脂質である、B-24)からB-27)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-29) 前記機能性分子が、コレステロール、トコフェロール及びトコトリエノールからなる群から選択される脂質である、B-24)からB-28)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-30) 前記機能性分子が、トコフェロールを含み、トコフェロールのヒドロキシ基が、C2-20アルキレン基(該アルキレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-により置き換えられている。置き換えられていないメチレン基は、それぞれ独立して無置換であるか、又はヒドロキシ基に置換されている。)を介して第二オリゴヌクレオチドと結合している、B-24)からB-29)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-31) 前記機能性分子が、トコフェロールを含み、トコフェロールのヒドロキシ基が、1,8-オクチレン基又は下記式(II)
【化4】

(式中、一つの*は、第二オリゴヌクレオチドとの結合位置を表し、他方の*は、トコフェロールとの結合位置を表す。)で表される基を介して第二オリゴヌクレオチドと結合している、B-24)からB-30)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-32) 前記機能性分子が、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用する糖誘導体である、B-24)からB-27)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-33) 前記機能性分子が、受容体のリガンド及び抗体からなる群から選択される、ペプチド又はタンパク質である、B-24)からB-27)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0254】
B-34) Xが、5’末端又は3’末端を含む、B-1)からB-33)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-35) 式
X’-L’-
(式中X’は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される7~100個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含む第四オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
第四オリゴヌクレオチドは、標的RNAとのハイブリダイズを可能にする第四ヌクレオチド配列を有し、
第四ヌクレオチド配列は、前記標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、
L’は、その両端で前記第一オリゴヌクレオチド及び第四オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、生理的条件で分解される第五オリゴヌクレオチドに由来する基である。ここで、第一ヌクレオチド配列部分がハイブリダイズする標的RNAと第四ヌクレオチド配列部分がハイブリダイズする標的RNAは、同一であるか又は異なっている。)
で表される基をさらに含む、B-1)からB-33)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-36) X’が、5’末端又は3’末端を含む、B-35)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-37) 第四ヌクレオチド配列と標的RNAの配列との相補性が70%以上である、B-35)又はB-36)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0255】
B-38) 第五オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホジエステル結合で互いに連結されている、B-35)からB-37)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-39) 第五オリゴヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドからなる群から独立して選択される3~10個のヌクレオチドからなる、B-35)からB-38)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-40) 第五オリゴヌクレオチドが、DNA又はRNAである、B-35)からB-39)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-41) 第五オリゴヌクレオチドが、3~7個のヌクレオチドからなるRNAである、B-35)からB-40)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0256】
B-42) 第四オリゴヌクレオチドは、第四ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、B-35)からB-41)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-43) 第四オリゴヌクレオチドは、第四ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、B-35)からB-42)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-44) 第四オリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合を含む、B-35)からB-43)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-45) 第四ヌクレオチド配列が、互いにホスホロチオエート結合で連結されたヌクレオチドを含む配列である、B-35)からB-44)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-46) 第四オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合で互いに連結されている、B-35)からB-45)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-47) 第四ヌクレオチド配列が、少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドを含む4~20個のヌクレオチドからなる配列である、B-35)からB-46)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-48) 第四ヌクレオチド配列が、4~20個のデオキシリボヌクレオチドからなる配列である、B-35)からB-47)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0257】
B-49) 糖部修飾ヌクレオチドが、それぞれ独立して、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド、2’-O-アミノプロピル化ヌクレオチド、2’-フルオロ化ヌクレオチド、2’-F-アラビノヌクレオチド、架橋化ヌクレオチド又は2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドである、B-1)からB-48)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-50) 糖部修飾ヌクレオチドが、それぞれ独立して、2’-O-メチル化ヌクレオチド又はLNAである、B-1)からB-49)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-51) デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドにおける塩基部分が、アデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)、シトシン(C)、ウラシル(U)及び5-メチルシトシン(5-me-C)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、B-1)からB-50)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0258】
B-52) 式X-で表される部分構造は、式
-X-X
(式中、Xは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分のオリゴヌクレオチドに由来する基であって、
は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、該オリゴヌクレオチドが第三オリゴヌクレオチドと共有結合している。)で表される、B-1)からB-51)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-53) Xは、2個又は3個の糖部修飾ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、2個又は3個の糖部修飾ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、B-52)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-54) Xは、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、B-52)又はB-53)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-55) Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、B-52)からB-54)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0259】
B-56) 式-Yで表される部分構造は、式
-Y-Y
(式中、Yは、第二ヌクレオチド配列部分のオリゴヌクレオチドに由来する基であり、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される4~20個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基であり、該オリゴヌクレオチドが第三オリゴヌクレオチドと共有結合し、
は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1から10個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに由来する基である。)で表される、B-1)からB-55)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-57) Yは、10~13個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、Yは、2個又は3個の糖部修飾ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、B-56)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-58) Yは、LNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドから独立して選択される2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、B-56)又はB-57)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-59) Yは、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、B-56)からB-58)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0260】
B-60) 式
-X-X-L-Y-Y
(式中、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分のオリゴヌクレオチドに由来する基であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分のオリゴヌクレオチドに由来する基であって、10~13個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
、X、X及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホロチオエート結合で連結され、L及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されている。)で表される、B-1)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0261】
B-61) 式
-X-X-L-Y-Y-B-A
(式中、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分のオリゴヌクレオチドに由来する基であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分のオリゴヌクレオチドに由来する基であって、10~13個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Bは、C2-20アルキレン基又はC2-20アルケニレン基(該アルキレン基及びアルケニレン基に含まれるメチレン基は、それぞれ独立して、無置換であるか、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、オキソ基及びチオキソ基からなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されている。また、該アルキレン基及びアルケニレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-、-NR-(Rは、水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基である。)、-S-、-S(O)-又は-S(O)-により置き換えられている。)であり、
Aは、機能性分子に由来する基であり、
、X、X及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホロチオエート結合で連結され、L及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されている。)で表される、B-24)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-62) Bは、C2-20アルキレン基(該アルキレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-により置き換えられている。置き換えられていないメチレン基は、それぞれ独立して無置換であるか、又はヒドロキシ基に置換されている。)であり、Aは、トコフェロールに由来する基である、B-61)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-63) XとX、XとX及びYとYのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合で連結され、XとL及びLとYのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホジエステル結合で連結されている、B-60)からB-62)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0262】
B-64) 式
X’-X’-X’-L’-X-X-X-L-Y-Y
(式中、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分のオリゴヌクレオチドに由来する基であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、第四ヌクレオチド配列部分のオリゴヌクレオチドに由来する基であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
L’は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる3~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分のオリゴヌクレオチドに由来する基であって、10~13個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
、X、X、X’、X’、X’及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホロチオエート結合で連結され、L、L’及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されている。)で表される、B-35)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0263】
B-65) 式
X’-X’-X’-L’-X-X-X-L-Y-Y-B-A
(式中、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分のオリゴヌクレオチドに由来する基であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、第四ヌクレオチド配列部分のオリゴヌクレオチドに由来する基であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
L’は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる3~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分のオリゴヌクレオチドに由来する基であって、10~13個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Bは、C2-20アルキレン基又はC2-20アルケニレン基(該アルキレン基及びアルケニレン基に含まれるメチレン基は、それぞれ独立して、無置換であるか、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、オキソ基及びチオキソ基からなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されている。また、該アルキレン基及びアルケニレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-、-NR-(Rは、水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基である。)、-S-、-S(O)-又は-S(O)-により置き換えられている。)であり、
Aは、機能性分子に由来する基であり、
、X、X、X’、X’、X’及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホロチオエート結合で連結され、L、L’及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されている。)で表されるB-35)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-66) Bは、C2-20アルキレン基(該アルキレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-により置き換えられている。置き換えられていないメチレン基は、それぞれ独立して無置換であるか、又はヒドロキシ基に置換されている。)であり、Aは、トコフェロールに由来する基である、B-65)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-67) XとX、XとX、X’とX’、X’とX’及びYとYのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合で連結され、XとL、LとY、X’とL’及びL’とXのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホジエステル結合で連結されている、B-64)からB-66)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-68) XとYとが分子内でハイブリダイズする、B-60)からB-67)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-69) Xを構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、B-60)からB-68)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-70) XとYとが分子内でハイブリダイズする、B-60)からB-69)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-71) X-Xを構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、B-60)からB-70)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0264】
B-72) 式
X’-X’-X’-L’ -X-X-X-L-Y-Y
(式中、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分のオリゴヌクレオチドに由来する基であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、第四ヌクレオチド配列部分のオリゴヌクレオチドに由来する基であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
L’は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる3~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分を含むオリゴヌクレオチドに由来する基であって、25~36個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
、X、X、X’、X’、X’及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホロチオエート結合で連結され、L、L’及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されている。)で表される、B-35)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0265】
B-73) 式
X’-X’-X’-L’-X-X-X-L-Y-Y-B-A
(式中、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分のオリゴヌクレオチドに由来する基であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、第四ヌクレオチド配列部分のオリゴヌクレオチドに由来する基であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
L’は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる3~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分を含むオリゴヌクレオチドに由来する基であって、25~36個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Bは、C2-20アルキレン基又はC2-20アルケニレン基(該アルキレン基及びアルケニレン基に含まれるメチレン基は、それぞれ独立して、無置換であるか、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、オキソ基及びチオキソ基からなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されている。また、該アルキレン基及びアルケニレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-、-NR-(Rは、水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基である。)、-S-、-S(O)-又は-S(O)-により置き換えられている。)であり、
Aは、機能性分子に由来する基であり、
、X、X、X’、X’、X’及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホロチオエート結合で連結され、L、L’及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されている。)で表される、B-35)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-74) Bは、C2-20アルキレン基(該アルキレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-により置き換えられている。置き換えられていないメチレン基は、それぞれ独立して無置換であるか、又はヒドロキシ基に置換されている。)であり、Aは、トコフェロールに由来する基である、B-73)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-75) XとX、XとX、X’とX’、X’とX’及びYとYのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合で連結され、XとL、LとY、X’とL’及びL’とXのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホジエステル結合で連結されている、B-72)からB-74)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-76) X’とYとが分子内でハイブリダイズする、B-72)からB-75)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-77) X’を構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、B-72)からB-76)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-78) X’-X’-L’-XとYとが分子内でハイブリダイズする、B-72)からB-77)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-79) X’-X’-L’-X-X-Xを構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、B-72)からB-78)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0266】
B-80) Yは、RNAに由来する基である、B-56)からB-79)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-81) Yは、10~13個のリボヌクレオチドからなるRNAに由来する基である、B-56)からB-71)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
B-82) Lは、4~7個のヌクレオチドからなるDNA又はRNAに由来する基である、B-1)からB-81)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0267】
C-1) 式
-X-X-L-Y-Y
(式中、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、アンチセンス配列である第一ヌクレオチド配列を有し、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分であって、10~13個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である。)で表される、1)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0268】
C-2) 式
-X-X-L-Y-Y-B-A
(式中、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、アンチセンス配列である第一ヌクレオチド配列を有し、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分であって、10~13個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Bは、C2-20アルキレン基又はC2-20アルケニレン基(該アルキレン基及びアルケニレン基に含まれるメチレン基は、それぞれ独立して、無置換であるか、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、オキソ基及びチオキソ基からなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されている。また、該アルキレン基及びアルケニレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-、-NR-(Rは、水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基である。)、-S-、-S(O)-又は-S(O)-により置き換えられている。)であり、
Aは、機能性分子に由来する基である。)で表される、106)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-3) Bは、C2-20アルキレン基(該アルキレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-により置き換えられている。置き換えられていないメチレン基は、それぞれ独立して無置換であるか、又はヒドロキシ基に置換されている。)であり、Aは、トコフェロールに由来する基である、C-2)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-4) Bは、Yの末端ヌクレオチドとホスホジエステル結合で連結されている、C-2)又はC-3)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0269】
C-5) X、X、X及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホロチオエート結合で連結され、L及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されている。)で表される、C-1)からC-4)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-6) XとX、XとX及びYとYのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合で連結され、XとL及びLとYのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホジエステル結合で連結されている、C-1)からC-5)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0270】
C-7) 式
X’-L’-X-X-X-L-Y-Y
(式中、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、アンチセンス配列である第一ヌクレオチド配列を有し、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、アンチセンス配列部分を含み、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAの少なくとも一方を有し、デオキシリボヌクレオチド、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれる10~20個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
L’は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる2~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分であって、10~13個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である。)で表される、75)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0271】
C-8) 式
X’-L’-X-X-X-L-Y-Y-B-A
(式中、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、アンチセンス配列である第一ヌクレオチド配列を有し、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、アンチセンス配列部分を含み、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAの少なくとも一方を有し、デオキシリボヌクレオチド、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれる10~20個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
L’は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる2~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分であって、10~13個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Bは、C2-20アルキレン基又はC2-20アルケニレン基(該アルキレン基及びアルケニレン基に含まれるメチレン基は、それぞれ独立して、無置換であるか、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、オキソ基及びチオキソ基からなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されている。また、該アルキレン基及びアルケニレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-、-NR-(Rは、水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基である。)、-S-、-S(O)-又は-S(O)-により置き換えられている。)であり、
Aは、機能性分子に由来する基である。)で表される、106)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-9) Bは、C2-20アルキレン基(該アルキレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-により置き換えられている。置き換えられていないメチレン基は、それぞれ独立して無置換であるか、又はヒドロキシ基に置換されている。)であり、Aは、トコフェロールに由来する基であり、C-8)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-10) Bは、Yの末端ヌクレオチドとホスホジエステル結合で連結されている、C-8)又はC-9)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0272】
C-11) X、X、X、X’及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホロチオエート結合で連結され、L、L’及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されている、C-7)からC-10)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-12) XとX、XとX及びYとYのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合で連結され、XとL、LとY、X’とL’及びL’とXのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホジエステル結合で連結されている、C-7)からC-11)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0273】
C-13) Xが、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない、C-7)からC-12)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-14) Xの3’側及び5’側の少なくとも一方のヌクレオチドが、独立して2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから選ばれるヌクレオチドである、C-13)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-15) Xの3’側及び5’側のヌクレオチドが、独立して2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから選ばれるヌクレオチドである、C-13)又はC-14)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-16) Xが、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれるヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、C-13)からC-15)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0274】
C-17) XとYとが分子内でハイブリダイズする、C-1)からC-16)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-18) Xを構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-1)からC-17)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-19) XとYとが分子内でハイブリダイズする、C-1)からC-18)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-20) 式X-Xで表される部分構造を構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-1)からC-19)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0275】
C-21) 式
X’-X’-X’-L’-X-X-X-L-Y-Y
(式中、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、アンチセンス配列である第一ヌクレオチド配列を有し、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、X’が含むアンチセンス配列部分である第四ヌクレオチド配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、アンチセンス配列である第四ヌクレオチド配列を有し、
X’は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
L’は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる3~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分であって、10~13個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である。)で表される、75)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0276】
C-22) 式
X’-X’-X’-L’-X-X-X-L-Y-Y-B-A
(式中、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、アンチセンス配列である第一ヌクレオチド配列を有し、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、X’が含むアンチセンス配列部分である第四ヌクレオチド配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、アンチセンス配列である第四ヌクレオチド配列を有し、
X’は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
L’は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる3~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分であって、10~13個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Bは、C2-20アルキレン基又はC2-20アルケニレン基(該アルキレン基及びアルケニレン基に含まれるメチレン基は、それぞれ独立して、無置換であるか、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、オキソ基及びチオキソ基からなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されている。また、該アルキレン基及びアルケニレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-、-NR-(Rは、水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基である。)、-S-、-S(O)-又は-S(O)-により置き換えられている。)であり、
Aは、機能性分子に由来する基である。)で表される、106)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-23) Bは、C2-20アルキレン基(該アルキレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-により置き換えられている。置き換えられていないメチレン基は、それぞれ独立して無置換であるか、又はヒドロキシ基に置換されている。)であり、Aは、トコフェロールに由来する基である、C-22)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-24) Bは、Yの末端ヌクレオチドとホスホジエステル結合で連結されている、C-22)又はC-23)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0277】
C-25) X、X、X、X’、X’、X’及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホロチオエート結合で連結され、L、L’及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されている、C-21)からC-24)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-26) XとX、XとX、X’とX’、X’とX’及びYとYのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合で連結され、XとL、LとY、X’とL’及びL’とXのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホジエステル結合で連結されている、C-21)からC-25)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-27) XとYとが分子内でハイブリダイズする、C-21)からC-26)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-28) Xを構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-21)からC-27)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-29) XとYとが分子内でハイブリダイズする、C-21)からC-28)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-30) 式X-Xで表される部分構造を構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-21)からC-29)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0278】
C-31) 式
X’-X’-X’-L’-X-X-X-L-Y-Y
(式中、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、アンチセンス配列である第一ヌクレオチド配列を有し、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、X’が含むアンチセンス配列部分である第四ヌクレオチド配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、アンチセンス配列である第四ヌクレオチド配列を有し、
X’は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
L’は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる3~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分を含み、25~36個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である。)で表される、75)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0279】
C-32) 式
X’-X’-X’-L’-X-X-X-L-Y-Y-B-A
(式中、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、アンチセンス配列である第一ヌクレオチド配列を有し、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
X’は、X’が含むアンチセンス配列部分である第四ヌクレオチド配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、アンチセンス配列である第四ヌクレオチド配列を有し、
X’は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
L’は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる3~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分を含み、25~36個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Bは、C2-20アルキレン基又はC2-20アルケニレン基(該アルキレン基及びアルケニレン基に含まれるメチレン基は、それぞれ独立して、無置換であるか、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、オキソ基及びチオキソ基からなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されている。また、該アルキレン基及びアルケニレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-、-NR-(Rは、水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基である。)、-S-、-S(O)-又は-S(O)-により置き換えられている。)であり、
Aは、機能性分子に由来する基である。)で表される、106)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-33) Bは、C2-20アルキレン基(該アルキレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-により置き換えられている。置き換えられていないメチレン基は、それぞれ独立して無置換であるか、又はヒドロキシ基に置換されている。)であり、Aは、トコフェロールに由来する基である、C-32)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-34) Bは、Yの末端ヌクレオチドとホスホジエステル結合で連結されている、C-32)又はC-33)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0280】
C-35) X、X、X、X’、X’、X’及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホロチオエート結合で連結され、L、L’及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されている、C-31)からC-34)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-36) XとX、XとX、X’とX’、X’とX’及びYとYのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合で連結され、XとL、LとY、X’とL’及びL’とXのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホジエステル結合で連結されている、C-31)からC-35)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-37) X’とYとが分子内でハイブリダイズする、C-31)からC-36)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-38) X’を構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-31)からC-37)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-39) 式X’-X’-L’-X-Xで表される部分構造とYとが分子内でハイブリダイズする、C-31)からC-38)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-40) 式X’-X’-L’-X-X-Xで表される部分構造を構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-31)からC-39)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0281】
C-41) Yは、10~13個のリボヌクレオチドからなるRNAに由来する基である、C-1)からC-30)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-42) Yは、25~36個のリボヌクレオチドからなるRNAに由来する基である、C-31)からC-40)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0282】
C-43) 式
-X-L-Y-Y
(式中、Xは、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれる2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、8~12個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分であって、10~15個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、アンチセンス配列部分を含み、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAの少なくとも一方を有し、デオキシリボヌクレオチド、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれる10~20個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である。)で表される、1)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0283】
C-44) 式
A-B-X-X-L-Y-Y
(式中、Aは、機能性分子に由来する基であり、
Bは、C2-20アルキレン基又はC2-20アルケニレン基(該アルキレン基及びアルケニレン基に含まれるメチレン基は、それぞれ独立して、無置換であるか、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、オキソ基及びチオキソ基からなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されている。また、該アルキレン基及びアルケニレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-、-NR-(Rは、水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基である。)、-S-、-S(O)-又は-S(O)-により置き換えられている。)であり、
は、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれる2個又は3個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、8~12個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分であって、10~15個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、アンチセンス配列部分を含み、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAの少なくとも一方を有し、デオキシリボヌクレオチド、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれる10~20個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である。)で表される、106)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-45) Bは、C2-20アルキレン基(該アルキレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-により置き換えられている。置き換えられていないメチレン基は、それぞれ独立して無置換であるか、又はヒドロキシ基に置換されている。)であり、Aは、トコフェロールに由来する基である、C-44)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-46) Bは、Xの末端ヌクレオチドとホスホジエステル結合で連結されている、C-44)又はC-45)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0284】
C-47) X、X、Yに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホロチオエート結合で連結され、L及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されている、C-43)からC-46)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-48) XとXのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合で連結され、XとL、LとY及びYとYのそれぞれの末端ヌクレオチドが、ホスホジエステル結合で連結されている、C-43)からC-47)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-49) XとYとが分子内でハイブリダイズする、C-43)からC-48)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-50) 式X-Xで表される部分構造を構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-43)からC-49)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-51) Yは、10~15個のリボヌクレオチドからなるRNAに由来する基である、C-43)からC-50)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0285】
C-52) 式
-X-X-L-Y-Y
(式中、Xは、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個の
ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分であって、12~16個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、アンチセンス配列部分を含み、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAの少なくとも一方を有し、デオキシリボヌクレオチド、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれる10~20個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である。)で表される、1)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0286】
C-53) 第一ヌクレオチド配列はアンチセンス配列であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、C-52)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0287】
C-54) X、X、X及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホロチオエート結合で連結され、L及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されている、C-52)又はC-53)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-55) XとX及びXとXのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合で連結され、XとL、LとY及びYとYのそれぞれの末端ヌクレオチドが、ホスホジエステル結合で連結されている、C-52)からC-54)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-56) XとYとが分子内でハイブリダイズする、C-52)からC-55)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-57) 式X-X-Xで表される部分構造を構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-52)からC-56)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-58) Yは、12~16個のリボヌクレオチドからなるRNAに由来する基である、C-52)からC-57)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0288】
C-59) 式-Yで表される部分構造が、式-Y -Y -Y で表され、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、Yが含むアンチセンス配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、C-43)からC-58)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-60) Yが、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない、C-43)からC-58)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-61) Yの3’側及び5’側の少なくとも一方のヌクレオチドが、独立して2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから選ばれるヌクレオチドである、C-60)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-62) Yの3’側及び5’側のヌクレオチドが、独立して2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから選ばれるヌクレオチドである、C-60)又はC-61)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-63) Yが、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれるヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、C-60)からC-62)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0289】
C-64) 式
-X-X-X-X-L-Y-Y -Y -Y
(式中、Xは、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、10~13個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分であって、12~16個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、Yが含むアンチセンス配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である。)で表される、1)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-65) 第一ヌクレオチド配列はアンチセンス配列であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、C-64)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0290】
C-66) 式
A-B-X-X-X-X-X-L-Y-Y -Y -Y
(式中、Aは、機能性分子に由来する基であり、
Bは、C2-20アルキレン基又はC2-20アルケニレン基(該アルキレン基及びアルケニレン基に含まれるメチレン基は、それぞれ独立して、無置換であるか、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、オキソ基及びチオキソ基からなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されている。また、該アルキレン基及びアルケニレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-、-NR-(Rは、水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基である。)、-S-、-S(O)-又は-S(O)-により置き換えられている。)であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、10~13個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分であって、12~16個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、Yが含むアンチセンス配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である。)で表される、106)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-67) 第一ヌクレオチド配列はアンチセンス配列であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、C-66)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-68) Bは、C2-20アルキレン基(該アルキレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-により置き換えられている。置き換えられていないメチレン基は、それぞれ独立して無置換であるか、又はヒドロキシ基に置換されている。)であり、Aは、トコフェロールに由来する基である、C-66)又はC-67)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-69) Bは、Xの末端ヌクレオチドとホスホジエステル結合で連結されている、C-66)からC-68)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0291】
C-70) X、X、X、X、Y 、Y 及びY に含まれるヌクレオチドは、互いにホスホロチオエート結合で連結され、X、L及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されている、C-64)からC-69)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-71) XとX、XとX、XとXのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合で連結され、XとX、XとL、LとY及びYとY のそれぞれの末端ヌクレオチドが、ホスホジエステル結合で連結されている、C-64)からC-70)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-72) XとYとが分子内でハイブリダイズする、C-64)からC-71)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-73) 式X-X-Xで表される部分構造を構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-64)からC-72)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-74) XとY とが分子内でハイブリダイズする、C-64)からC-73)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-75) Xを構成するヌクレオチドの塩基配列と、式Y -Y で表される部分構造を構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-64)からC-74)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-76) XとY とが分子内でハイブリダイズする、C-64)からC-75)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-77) Xを構成するヌクレオチドの塩基配列と、Y を構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-64)からC-76)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0292】
C-78) Xは、10~13個のリボヌクレオチドからなるRNAに由来する基である、C-64)からC-77)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-79) Yは、12~16個のリボヌクレオチドからなるRNAに由来する基である、C-52)からC-78)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0293】
C-80) 式
-X-X-X-X-L-Y-Y -Y -Y
(式中、Xは、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、12~19個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分であって、14~22個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、Yが含むアンチセンス配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である。)で表される、1)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-81) 第一ヌクレオチド配列はアンチセンス配列であり、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、C-74)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0294】
C-82) 式
A-B-X-X-X-X-X-L-Y-Y -Y -Y
(式中、Aは、機能性分子に由来する基であり、
Bは、C2-20アルキレン基又はC2-20アルケニレン基(該アルキレン基及びアルケニレン基に含まれるメチレン基は、それぞれ独立して、無置換であるか、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、オキソ基及びチオキソ基からなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されている。また、該アルキレン基及びアルケニレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-、-NR-(Rは、水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基である。)、-S-、-S(O)-又は-S(O)-により置き換えられている。)であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、12~19個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分であって、14~22個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、Yが含むアンチセンス配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である。)で表される、106)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-83) 第一ヌクレオチド配列はアンチセンス配列であり、前記アンチセンス配列は、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、C-82)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-84) Bは、C2-20アルキレン基(該アルキレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-により置き換えられている。置き換えられていないメチレン基は、それぞれ独立して無置換であるか、又はヒドロキシ基に置換されている。)であり、Aは、トコフェロールに由来する基である、C-82)又はC-83)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-85) Bは、Xの末端ヌクレオチドとホスホジエステル結合で連結されている、C-82)からC-84)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0295】
C-86) X、X、X、X、Y 、Y 及びY に含まれるヌクレオチドは、互いにホスホロチオエート結合で連結され、X、L及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されている、C-80)からC-85)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-87) XとX、XとX、XとXのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合で連結され、XとX、XとL、LとY及びYとY のそれぞれの末端ヌクレオチドが、ホスホジエステル結合で連結されている、C-80)からC-86)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0296】
C-88) XとYとが分子内でハイブリダイズする、C-80)からC-87)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-89) 式X-X-Xで表される部分構造を構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-80)からC-88)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-90) XとY とが分子内でハイブリダイズする、C-80)からC-89)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-91) Xを構成するヌクレオチドの塩基配列と、式Y -Y で表される部分構造を構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-80)からC-90)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-92) Xの一部分とYの一部分とが分子内でハイブリダイズする、C-80)からC-91)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-93) Xの一部分を構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yの一部分を構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-80)からC-92)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-94) XとY とが分子内でハイブリダイズする、C-80)からC-93)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-95) Xを構成するヌクレオチドの塩基配列と、Y を構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-80)からC-94)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0297】
C-96) Xは、12~19個のリボヌクレオチドからなるRNAに由来する基である、C-80)からC-95)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-97) Yは、14~22個のリボヌクレオチドからなるRNAに由来する基である、C-80)からC-96)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0298】
C-98) 式
-X-X-L-Y-Y
(式中、Xは、アンチセンス配列部分を含み、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAの少なくとも一方を有し、デオキシリボヌクレオチド、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれる10~20個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる2~5個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、8~17個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分であって、8~19個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である。)で表される、1)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-99) 式
-X-X-L-Y-Y-B-A
(式中、Xは、アンチセンス配列部分を含み、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAの少なくとも一方を有し、デオキシリボヌクレオチド、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれる10~20個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる2~5個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、8~17個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分であって、8~19個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Bは、C2-20アルキレン基又はC2-20アルケニレン基(該アルキレン基及びアルケニレン基に含まれるメチレン基は、それぞれ独立して、無置換であるか、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、オキソ基及びチオキソ基からなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されている。また、該アルキレン基及びアルケニレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-、-NR-(Rは、水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基である。)、-S-、-S(O)-又は-S(O)-により置き換えられている。)であり、
Aは、機能性分子に由来する基である。)で表される、106)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-100) Bは、C2-20アルキレン基(該アルキレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-により置き換えられている。置き換えられていないメチレン基は、それぞれ独立して無置換であるか、又はヒドロキシ基に置換されている。)であり、Aは、トコフェロールに由来する基である、C-99)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-101) Bは、Yの末端ヌクレオチドとホスホジエステル結合で連結されている、C-99)又はC-100)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0299】
C-102) X、X及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホロチオエート結合で連結され、X、L及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されている、C-98)からC-101)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-103) YとYのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合で連結され、XとX、XとX、XとL及びLとYのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホジエステル結合で連結されている、C-98)からC-102)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-104) XとYとが分子内でハイブリダイズする、C-98)からC-103)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-105) Xを構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-98)からC-104)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-106) XとYとが分子内でハイブリダイズする、C-98)からC-105)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-107) Xを構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-98)からC-106)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0300】
C-108) Xが、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない、C-98)からC-107)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-109) Xの3’末端及び5’末端の少なくとも一方のヌクレオチドが、独立して2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから選ばれるヌクレオチドである、C-98)からC-108)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-110) Xの3’末端及び5’末端のヌクレオチドが、独立して2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから選ばれるヌクレオチドである、C-98)からC-109)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-111) 式X-で表される部分構造が、式X -X -X -で表され、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、アンチセンス配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、C-98)からC-107)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-112) Xが、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれるヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、C-98)からC-107)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0301】
C-113) Yは、8~19個のリボヌクレオチドからなるRNAに由来する基である、C-98)からC-112)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0302】
C-114) 式
-X-X-L-Y-Y-Y
(式中、Xは、アンチセンス配列部分を含み、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAの少なくとも一方を有し、デオキシリボヌクレオチド、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれる10~20個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、リボヌクレオチドから独立して選ばれる4~8個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、4~8個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分であって、4~8個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、4~8個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である。)で表される、1)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-115) 式
-X-X-L-Y-Y-Y-B-A
(式中、Xは、アンチセンス配列部分を含み、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAの少なくとも一方を有し、デオキシリボヌクレオチド、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれる10~20個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、リボヌクレオチドから独立して選ばれる4~8個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第一ヌクレオチド配列部分であって、4~8個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、第二ヌクレオチド配列部分であって、4~8個のリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、4~8個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Bは、C2-20アルキレン基又はC2-20アルケニレン基(該アルキレン基及びアルケニレン基に含まれるメチレン基は、それぞれ独立して、無置換であるか、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、オキソ基及びチオキソ基からなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されている。また、該アルキレン基及びアルケニレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-、-NR-(Rは、水素原子、C1-6アルキル基又はハロC1-6アルキル基である。)、-S-、-S(O)-又は-S(O)-により置き換えられている。)であり、
Aは、機能性分子に由来する基である。)で表される、106)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-116) Bは、C2-20アルキレン基(該アルキレン基のメチレン基は、それぞれ独立して、置き換えられていないか、又は-O-により置き換えられている。置き換えられていないメチレン基は、それぞれ独立して無置換であるか、又はヒドロキシ基に置換されている。)であり、Aは、トコフェロールに由来する基である、C-99)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-117) Bは、Yの末端ヌクレオチドとホスホジエステル結合で連結されている、C-115)又はC-116)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0303】
C-118) X、X、Y及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホロチオエート結合で連結され、X、L及びYに含まれるヌクレオチドは、互いにホスホジエステル結合で連結されている、C-114)からC-117)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-119) YとY、YとY及びXとXのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合で連結され、XとX、XとL及びLとYのそれぞれの末端ヌクレオチドは、ホスホジエステル結合で連結されている、C-114)からC-118)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-120) XとYとが分子内でハイブリダイズし、XとYとが分子内でハイブリダイズする、C-114)からC-119)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-121) Xを構成するヌクレオチドの塩基配列とYを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上であり、Xを構成するヌクレオチドの塩基配列とYを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-114)からC-120)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-122) XとYとが分子内でハイブリダイズする、C-114)からC-121)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-123) Xを構成するヌクレオチドの塩基配列と、Yを構成するヌクレオチドの塩基配列との相補性が、70%以上である、C-114)からC-122)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0304】
C-124) Xが、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない、C-114)からC-123)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-125) Xの3’末端及び5’末端の少なくとも一方のヌクレオチドが、独立して2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから選ばれるヌクレオチドである、C-114)からC-124)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-126) Xの3’末端及び5’末端のヌクレオチドが、独立して2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから選ばれるヌクレオチドである、C-114)からC-125に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-127) 式X-で表される部分構造が、式X -X -X -で表され、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、アンチセンス配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、C-114)からC-123)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-128) Xが、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれるヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、C-114)からC-123)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0305】
C-129) デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドにおける塩基部分が、アデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)、シトシン(C)、ウラシル(U)及び5-メチルシトシン(5-me-C)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、1)から167)及びC-1)からC-128)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0306】
C-130) Lは、4~7個のヌクレオチドからなるDNA又はRNAに由来する基である、1)から167)及びC-1)からC-129)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-131) 第三オリゴヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選択される4又は5個のヌクレオチドからなる、1)から167)及びC-1)からC-130)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-132) 第三オリゴヌクレオチドが、アデノシンからなるオリゴヌクレオチドである、1)から167)及びC-1)からC-131)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【0307】
D-1) 1)から167)及びC-1)からC-132)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを有効成分として含有する医薬。
D-2) B-1)からB-82)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを有効成分として含有する医薬。
【0308】
第一ヌクレオチド配列がアンチセンス配列であり、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とが、分子内でハイブリダイズするB-60)又はC-1)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの概念図を図1に示す。図1に示される一本鎖オリゴヌクレオチドでは、2又は3個のLNAからなるXと、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなり、第一ヌクレオチド配列を有するXと、2又は3個のLNAからなるXと、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるLと、10~13個のリボヌクレオチドからなり、第二ヌクレオチド配列を有するYと、2又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるYとが、この順に結合している。XからYへの結合方向は、5’から3’方向であっても、3’から5’方向であってもよい。図1では、第一ヌクレオチド配列を有するXと、第二ヌクレオチド配列を有するYとが二重鎖を形成している。XとYとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。XとYとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。
【0309】
第一ヌクレオチド配列がアンチセンス配列であり、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とで分子内でハイブリダイズするB-61)又はC-2)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの概念図を図2に示す。図2に示される一本鎖オリゴヌクレオチドでは、2又は3個のLNAからなるXと、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなり、第一ヌクレオチド配列を有するXと、2又は3個のLNAからなるXと、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるLと、10~13個のリボヌクレオチドからなり、第二ヌクレオチド配列を有するYと、2又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるYと、C2-20アルキレン基等であるBと、機能性分子に由来する基であるAとが、この順に結合している。XからYへの結合方向は、5’から3’方向であっても、3’から5’方向であってもよい。図2では、第一ヌクレオチド配列を有するXと、第二ヌクレオチド配列を有するYとが二重鎖を形成している。XとYとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。XとYとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。
【0310】
第一ヌクレオチド配列がアンチセンス配列であり、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とで分子内でハイブリダイズするB-64)又はC-21)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの概念図を図3に示す。図3に示される一本鎖オリゴヌクレオチドでは、2又は3個のLNAからなるX’と、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなり、第四ヌクレオチド配列を有するX’と、2又は3個のLNAからなるX’と、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる3~7個のヌクレオチドからなるL’と、2又は3個のLNAからなるXと、8~10個のデオキシヌクレオチドからなり、第一ヌクレオチド配列を有するXと、2又は3個のLNAからなるXと、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるLと、10~13個のリボヌクレオチドからなり、第二ヌクレオチド配列を有するYと、2又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるYとが、この順に結合している。X’からYへの結合方向は、5’から3’方向であっても、3’から5’方向であってもよい。図3では、第一ヌクレオチド配列を有するXと、第二ヌクレオチド配列を有するYとが二重鎖を形成している。XとYとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。XとYとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。
【0311】
第一ヌクレオチド配列がアンチセンス配列であり、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とで分子内でハイブリダイズするB-65)又はC-22)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの概念図を図4に示す。図4に示される一本鎖オリゴヌクレオチドでは、2又は3個のLNAからなるX’と、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなり、第四ヌクレオチド配列を有するX’と、2又は3個のLNAからなるX’と、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる3~7個のヌクレオチドからなるL’と、2又は3個のLNAからなるXと、8~10個のデオキシヌクレオチドからなり、第一ヌクレオチド配列を有するXと、2又は3個のLNAからなるXと、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるLと、10~13個のリボヌクレオチドからなり、第二ヌクレオチド配列を有するYと、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるYと、C2-20アルキレン基等であるBと、機能性分子に由来する基であるAとが、この順に結合している。X’からYへの結合方向は、5’から3’方向であっても、3’から5’方向であってもよい。図4では、第一ヌクレオチド配列を有するXと、第二ヌクレオチド配列を有するYとが二重鎖を形成している。XとYとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。XとYとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。
【0312】
第一ヌクレオチド配列がアンチセンス配列であり、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とが分子内でハイブリダイズし、第四ヌクレオチド配列部分と第六ヌクレオチド配列部分とが分子内でハイブリダイズするB-72)又はC-31)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの概念図を図5に示す。図5に示される一本鎖オリゴヌクレオチドでは、2又は3個のLNAからなるX’と、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなり、第四ヌクレオチド配列を有するX’と、2又は3個のLNAからなるX’と、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる3~7個のヌクレオチドからなるL’と、2又は3個のLNAからなるXと、8~10個のデオキシヌクレオチドからなり、第一ヌクレオチド配列を有するXと、2又は3個のLNAからなるXと、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるLと、25~36個のリボヌクレオチドからなり、第二ヌクレオチド配列及び第六ヌクレオチド配列を有するYと、2又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるYとが、この順に結合している。X’からYへの結合方向は、5’から3’方向であっても、3’から5’方向であってもよい。図5では、第一ヌクレオチド配列を有するXと、Yの第二ヌクレオチド配列を有する部分とが二重鎖を形成し、第四ヌクレオチド配列を有するX’と、Yの第六ヌクレオチド配列を有する部分とが二重鎖を形成している。X’とYとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。X’、X、L’及びXは、それぞれ独立して、Yと二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。また第二ヌクレオチド配列と第六ヌクレオチド配列とは同じであっても、異なっていてもよい。
【0313】
第一ヌクレオチド配列がアンチセンス配列であり、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とが分子内でハイブリダイズし、第四ヌクレオチド配列部分と第六ヌクレオチド配列部分とが分子内でハイブリダイズするB-73)又はC-32)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの概念図を図6に示す。図6に示される一本鎖オリゴヌクレオチドでは、2又は3個のLNAからなるX’と、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなり、第四ヌクレオチド配列を有するX’と、2又は3個のLNAからなるX’と、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる3~7個のヌクレオチドからなるL’と、2又は3個のLNAからなるXと、8~10個のデオキシヌクレオチドからなり、第一ヌクレオチド配列を有するXと、2又は3個のLNAからなるXと、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるLと、25~36個のリボヌクレオチドからなり、第二ヌクレオチド配列及び第六ヌクレオチド配列を有するYと、2又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるYと、C2-20アルキレン基等であるBと、機能性分子に由来する基であるAとが、この順に結合している。X’からYへの結合方向は、5’から3’方向であっても、3’から5’方向であってもよい。図6では、第一ヌクレオチド配列を有するXと、Yの第二ヌクレオチド配列を有する部分とが二重鎖を形成し、第四ヌクレオチド配列を有するX’と、Yの第六ヌクレオチド配列を有する部分とが二重鎖を形成している。X’とYとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。X’、X、L’及びXは、それぞれ独立して、Yと二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。また第二ヌクレオチド配列と第六ヌクレオチド配列とは同じであっても、異なっていてもよい。
【0314】
ヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含み、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とが、分子内でハイブリダイズするC-43)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの概念図を図7に示す。図7に示される一本鎖オリゴヌクレオチドでは、2又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから選ばれるヌクレオチドからなるXと、8~12個のデオキシリボヌクレオチドからなり、第一ヌクレオチド配列を有するXと、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるLと、10~15個のリボヌクレオチドからなり、第二ヌクレオチド配列を有するYと、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAの少なくとも一方を有し、デオキシリボヌクレオチド、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれる10~20個のヌクレオチドからなり、アンチセンス配列を有するYとが、この順に結合している。XからYへの結合方向は、5’から3’方向であっても、3’から5’方向であってもよい。図7では、第一ヌクレオチド配列を有するXと、第二ヌクレオチド配列を有するYとが二重鎖を形成している。XとYとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。
【0315】
ヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含み、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とが、分子内でハイブリダイズするC-44)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの概念図を図8に示す。図8に示される一本鎖オリゴヌクレオチドでは、機能性分子に由来する基であるAと、C2-20アルキレン基等であるBと、2又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから選ばれるヌクレオチドからなるXと、8~12個のデオキシリボヌクレオチドからなり、第一ヌクレオチド配列を有するXと、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるLと、10~15個のリボヌクレオチドからなり、第二ヌクレオチド配列を有するYと、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAの少なくとも一方を有し、10~20個のデオキシリボヌクレオチド、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれるヌクレオチドからなり、アンチセンス配列を有するYとが、この順に結合している。XからYへの結合方向は、5’から3’方向であっても、3’から5’方向であってもよい。図8では、第一ヌクレオチド配列を有するXと、Yの第二ヌクレオチド配列を有する部分とが二重鎖を形成している。XとYとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。
【0316】
ヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含み、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とが、分子内でハイブリダイズするC-52)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの概念図を図9に示す。第一ヌクレオチド配列は、アンチセンス配列であってもよい。図9に示される一本鎖オリゴヌクレオチドでは、2又は3個のLNAからなるXと、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなり、第一ヌクレオチド配列を有するXと、2又は3個のLNAからなるXと、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるLと、12~16個のリボヌクレオチドからなり、第二ヌクレオチド配列を有するYと、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAの少なくとも一方を有し、デオキシリボヌクレオチド、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれる10~20個のヌクレオチドからなり、アンチセンス配列を有するYとが、この順に結合している。XからYへの結合方向は、5’から3’方向であっても、3’から5’方向であってもよい。図9では、第一ヌクレオチド配列を有するXと、第二ヌクレオチド配列を有するYとが二重鎖を形成している。X及びXは、それぞれ独立して、Yとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。
【0317】
ヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含み、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とが、分子内でハイブリダイズするC-64)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの概念図を図10に示す。図10に示される一本鎖オリゴヌクレオチドでは、2又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるXと、10~13個のリボヌクレオチドからなり、第七ヌクレオチド配列を有するXと、2又は3個のLNAからなるXと、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなり、第一ヌクレオチド配列を有するXと、2又は3個のLNAからなるXと、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるLと、12~16個のリボヌクレオチドからなり、第二ヌクレオチド配列を有するYと、2又は3個のLNAからなるY と、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなり、Yが含むアンチセンス配列部分を有するY と、2又は3個のLNAからなるY とが、この順に結合している。XからY への結合方向は、5’から3’方向であっても、3’から5’方向であってもよい。第一ヌクレオチド配列は、アンチセンス配列であってもよい。図10では、第一ヌクレオチド配列を有するXと、第二ヌクレオチド配列を有するYとが二重鎖を形成し、Yが含むアンチセンス配列部分を有するY と、第七ヌクレオチド配列を有するXとが二重鎖を形成している。X及びXは、それぞれ独立して、Yとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。XとY とは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。XとY とは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。
【0318】
ヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含み、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とが、分子内でハイブリダイズするC-66)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの概念図を図11に示す。図11に示される一本鎖オリゴヌクレオチドでは、機能性分子に由来する基であるAと、C2-20アルキレン基等であるBと、2又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるXと、10~13個のリボヌクレオチドからなり、第七ヌクレオチド配列を有するXと、2又は3個のLNAからなるXと、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなり、第一ヌクレオチド配列を有するXと、2又は3個のLNAからなるXと、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるLと、12~16個のリボヌクレオチドからなり、第二ヌクレオチド配列を有するYと、2又は3個のLNAからなるY と、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなり、Yが含むアンチセンス配列部分を有するY と、2又は3個のLNAからなるY とが、この順に結合している。AからY への結合方向は、5’から3’方向であっても、3’から5’方向であってもよい。第一ヌクレオチド配列は、アンチセンス配列であってもよい。図11では、第一ヌクレオチド配列を有するXと、第二ヌクレオチド配列を有するYとが二重鎖を形成し、Yが含むアンチセンス配列部分を有するY と、第七ヌクレオチド配列を有するXとが二重鎖を形成している。X及びXは、それぞれ独立して、Yとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。XとY とは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。XとY とは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。
【0319】
ヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含み、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とが、分子内でハイブリダイズするC-80)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの概念図を図12に示す。図12に示される一本鎖オリゴヌクレオチドでは、2又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるXと、11~19個のリボヌクレオチドからなり、第七ヌクレオチド配列を有するXと、2又は3個のLNAからなるXと、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなり、第一ヌクレオチド配列を有するXと、2又は3個のLNAからなるXと、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるLと、14~22個のリボヌクレオチドからなり、第二ヌクレオチド配列を有するYと、2又は3個のLNAからなるY と、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなり、Yが含むアンチセンス配列部分を有するY と、2又は3個のLNAからなるY とが、この順に結合している。XからY への結合方向は、5’から3’方向であっても、3’から5’方向であってもよい。第一ヌクレオチド配列は、アンチセンス配列であってもよい。図12では、第一ヌクレオチド配列を有するXと、Yの第二ヌクレオチド配列を有する部分とが二重鎖を形成し、Yが含むアンチセンス配列部分を有するY と、第七ヌクレオチド配列を有するXとが二重鎖を形成し、YとXとが部分的に二重鎖を形成している。X及びXは、それぞれ独立して、Yとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。XとY とは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。XとY とは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。
【0320】
ヌクレオチド配列Yがアンチセンス配列を含み、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とが、分子内でハイブリダイズするC-82)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの概念図を図13に示す。図13に示される一本鎖オリゴヌクレオチドでは、機能性分子に由来する基であるAと、C2-20アルキレン基等であるBと、2又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるXと、11~19個のリボヌクレオチドからなり、第七ヌクレオチド配列を有するXと、2又は3個のLNAからなるXと、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなり、第一ヌクレオチド配列を有するXと、2又は3個のLNAからなるXと、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるLと、14~22個のリボヌクレオチドからなり、第二ヌクレオチド配列を有するYと、2又は3個のLNAからなるY と、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなり、Yが含むアンチセンス配列部分を有するY と、2又は3個のLNAからなるY とが、この順に結合している。AからY への結合方向は、5’から3’方向であっても、3’から5’方向であってもよい。第一ヌクレオチド配列は、アンチセンス配列であってもよい。図13では、第一ヌクレオチド配列を有するXと、Yの第二ヌクレオチド配列を有する部分とが二重鎖を形成し、Yが含むアンチセンス配列部分を有するY と、第七ヌクレオチド配列を有するXとが二重鎖を形成し、YとXとが部分的に二重鎖を形成している。X及びXは、それぞれ独立して、Yとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。XとY とは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。XとY とは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。
【0321】
ヌクレオチド配列Xがアンチセンス配列を含み、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とで分子内でハイブリダイズするC-98)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの概念図を図14に示す。図14に示される一本鎖オリゴヌクレオチドでは、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAの少なくとも一方を有し、10~20個のデオキシリボヌクレオチド、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれるヌクレオチドからなり、アンチセンス配列を有するXと、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる2~5個のヌクレオチドからなるXと、8~17個のデオキシリボヌクレオチドからなり、第一ヌクレオチド配列を有するXと、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるLと、8~19個のリボヌクレオチドからなり、第二ヌクレオチド配列を有するYと、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるYとが、この順に結合している。XからYへの結合方向は、5’から3’方向であっても、3’から5’方向であってもよい。図14では、第一ヌクレオチド配列を有するXと、第二ヌクレオチド配列を有するYとが二重鎖を形成している。XとYとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。
【0322】
ヌクレオチド配列Xがアンチセンス配列を含み、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とで分子内でハイブリダイズするC-99)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの概念図を図15に示す。図15に示される一本鎖オリゴヌクレオチドでは、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAの少なくとも一方を有し、10~20個のデオキシリボヌクレオチド、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれるヌクレオチドからなり、アンチセンス配列を有するXと、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる2~5個のヌクレオチドからなるXと、8~17個のデオキシリボヌクレオチドからなり、第一ヌクレオチド配列を有するXと、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドから独立して選ばれる4~7個のヌクレオチドからなるLと、8~19個のリボヌクレオチドからなり、第二ヌクレオチド配列を有するYと、2個又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるYと、C2-20アルキレン基等であるBと、機能性分子に由来する基であるAとが、この順に結合している。XからAへの結合方向は、5’から3’方向であっても、3’から5’方向であってもよい。図15では、第一ヌクレオチド配列を有するXと、第二ヌクレオチド配列を有するYとが二重鎖を形成している。XとYとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。
【0323】
本発明の一本鎖オリゴヌクレオチドを使用する好ましい方法としては以下に示すものが挙げられる。
E-1) 1)から167)及びC-1)からC-132)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドと細胞を接触させる工程を含む、標的RNAの機能を制御する方法。
E-2) 1)から167)及びC-1)からC-132)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を、哺乳動物に投与する工程を含む、該哺乳動物おける標的RNAの機能を制御する方法。
E-3) 哺乳動物がヒトである、E-2)に記載の方法。
E-4) 投与経路が経腸管的である、E-2)又はE-3)に記載の方法。
E-5) 投与経路が非経腸管的である、E-2)又はE-3)に記載の方法。
E-6) 哺乳動物において、標的RNAの機能を制御するための、1)から167)及びC-1)からC-132)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの使用。
E-7) 哺乳動物において、標的RNAの機能を制御するための薬剤を製造するための、1)から167)及びC-1)からC-132)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの使用。
E-8) 哺乳動物がヒトである、E-6)又はE-7)に記載の使用。
【0324】
E-9) B-1)からB-82)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドと細胞を接触させる工程を含む、標的RNAの機能を制御する方法。
E-10) B-1)からB-82)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を、哺乳動物に投与する工程を含む、該哺乳動物おける標的RNAの機能の発現を低減する方法。
E-11) 哺乳動物がヒトである、E-10)に記載の方法。
E-12) 投与経路が経腸管的である、E-10)又はE-11)に記載の方法。
E-13) 投与経路が非経腸管的である、E-10)又はE-11)に記載の方法。
E-14) 哺乳動物において、標的RNAの機能を制御するための、B-1)からB-82)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの使用。
E-15) 哺乳動物において、標的RNAの機能を制御するための薬剤を製造するための、B-1)からB-82)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの使用。
E-16) 哺乳動物がヒトである、E-14)又はE-15)に記載の使用。
【0325】
本発明における標的RNAの機能の制御は、アンチセンス配列部分がハイブリダイゼーションにより標的RNAの一部を被覆することによって生じる、翻訳の阻害又はエキソンスキッピング等のスプライシング機能が調節若しくは変換されること、又は、アンチセンス配列部分と標的RNAの一部とがハイブリダイズした部分が認識されることにより生じ得る前記標的RNAの分解によって、標的RNAの機能が抑制されること等を意味する。
【0326】
E-17) 1)から167)及びC-1)からC-132)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドと細胞を接触させる工程を含む、標的遺伝子の発現を制御する方法。
E-18) 1)から167)及びC-1)からC-132)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を、哺乳動物に投与する工程を含む、該哺乳動物おける標的遺伝子の発現を制御する方法。
E-19) 哺乳動物がヒトである、E-18)に記載の方法。
E-20) 投与経路が経腸管的である、E-18)又はE-19)に記載の方法。
E-21) 投与経路が非経腸管的である、E-18)又はE-19)に記載の方法。
E-22) 哺乳動物において、標的遺伝子の発現を制御するための、1)から167)及びC-1)からC-117)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの使用。
E-23) 哺乳動物において、標的遺伝子の発現を制御するための薬剤を製造するための、1)から167)及びC-1)からC-132)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの使用。
E-24) 哺乳動物がヒトである、E-22)又はE-23)に記載の使用。
【0327】
E-25) B-1)からB-82)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドと細胞を接触させる工程を含む、標的遺伝子の発現を制御する方法。
E-26) B-1)からB-82)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を、哺乳動物に投与する工程を含む、該哺乳動物おける標的遺伝子の発現を制御する方法。
E-27) 哺乳動物がヒトである、E-26)に記載の方法。
E-28) 投与経路が経腸管的である、E-26)又はE-27)に記載の方法。
E-29) 投与経路が非経腸管的である、E-26)又はE-27)に記載の方法。
E-30) 哺乳動物において、標的遺伝子の発現を制御するための、B-1)からB-82)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの使用。
E-31) 哺乳動物において、標的遺伝子の発現を制御するための薬剤を製造するための、B-1)からB-82)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの使用。
E-32) 哺乳動物がヒトである、E-30)又はE-31)に記載の使用。
【0328】
以上、一本鎖オリゴヌクレオチドの好適な態様について説明したが、本発明の一本鎖オリゴヌクレオチドは上記態様に限定されるものではない。一本鎖オリゴヌクレオチドは、例えばそれに含まれる、環内、環外を問わずそれらの互変異性、幾何異性を経由して存在することに加えて、その混合物或いはそれぞれの異性体の混合物として存在するものも含む。又、不斉中心が存在する場合、或いは異性化の結果、不斉中心が生じる場合はそれぞれの光学異性体及び任意の比率の混合物として存在するものも含む。また、不斉中心を2個以上持つ化合物の場合には、さらにそれぞれの光学異性によるジアステレオマーも存在する。本発明は、これらすべての型を、任意の割合で含んだものも含む。
【0329】
本発明には、式(I)で表される一本鎖オリゴヌクレオチドの医薬的に許容され得る塩も含む。
式(I)で表される一本鎖オリゴヌクレオチドは、必要に応じて医薬的に許容され得る塩に変換することも、又は生成した塩から遊離させることもできる。式(I)で表される一本鎖オリゴヌクレオチドの医薬的に許容され得る塩としては、例えば、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウムなど)、アンモニウム、有機塩基(トリエチルアミン、トリメチルアミンなど)、アミノ酸(グリシン、リシン、グルタミン酸など)、無機酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸など)又は有機酸(酢酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸など)との塩が挙げられる。
特に、-P(=O)(OH)-で表される部分構造が、-P(=O)(O)-で表されるアニオン性の部分構造へ変換されて、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウムなど)又はアンモニウム等と塩を形成してもよい。また、ホスホロチオエート結合を形成する、-P(=O)(SH)-で表される部分構造が、-P(=O)(S)-で表されるアニオン性の部分構造へ変換されて、同様に、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム等と塩を形成してもよい。
【0330】
本発明には、式(I)で表される一本鎖オリゴヌクレオチドのプロドラッグも含む。
プロドラッグとは、化学的又は代謝的に分解できる基を有する医薬品化合物の誘導体であり、加溶媒分解により又は生理的条件下のインビボ(in vivo)において分解され薬理学的に活性な医薬品化合物へと誘導される化合物である。適当なプロドラッグ誘導体を選択する方法及び製造する方法は、例えば デザイン オブ プロドラッグス(エルゼビア、アムステルダム 1985)(Design of Prodrugs (Elsevier, Amsterdam 1985))に記載されている。本発明の場合、水酸基を有する場合は、その化合物と適当なアシルハライド、適当な酸無水物又は適当なハロゲン化アルキルオキシカルボニル化合物とを反応させることによって製造されるアシルオキシ誘導体のようなプロドラッグが例示される。プロドラッグとして特に好ましい構造としては-O-COC、-O-CO(t-Bu)、-O-COC1531、-O-CO(m-CONa-Ph)、-O-COCHCHCONa-OCOCH(NH)CH、-O-COCHN(CH又は-O-CHOC(=O)CHなどがあげられる。本発明を形成する一本鎖オリゴヌクレオチドがアミノ基を有する場合は、アミノ基を有する化合物と適当な酸ハロゲン化物、適当な混合酸無水物又は適当なハロゲン化アルキルオキシカルボニル化合物とを反応させることにより製造されるプロドラッグが例示される。プロドラッグとして特に好ましい構造としては、-NH-CO(CH)20OCH、-NH-COCH(NH)CH、-NH-CHOC(=O)CH等があげられる。
【0331】
本発明の式(I)で示される一本鎖オリゴヌクレオチド又はその医薬的に許容される塩は、製造条件により任意の結晶形として存在することができ、任意の水和物として存在することができるが、これら結晶形や水和物及びそれらの混合物も本発明の範囲に含有される。またアセトン、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノールなどの有機溶媒を含む溶媒和物として存在することもあるが、これらの形態はいずれも本発明の範囲に含有される。
【0332】
一本鎖オリゴヌクレオチドは、当業者であれば公知の方法を適宜選択することにより調製することができる。例えば、当業者は、標的RNAのヌクレオチド配列の情報に基づいて、一本鎖オリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列を設計し、市販の核酸自動合成機(アプライドバイオシステムズ社製、ベックマン社製、ジーンデザイン社等)を用いて合成することができる。また、酵素を用いた反応によって合成することもできる。前記酵素としては、ポリメラ―ゼ、ライゲース及び制限酵素等が挙げられるが、これらに限定されない。すなわち、本実施形態に係る一本鎖オリゴヌクレオチドの製造方法は、X、L及びYの少なくとも1つを含むオリゴヌクレオチドの3’末端又は5’末端でヌクレオチド鎖を伸長する工程を含むことができる。
【0333】
機能性分子と該オリゴヌクレオチドとを結合させるための多くの方法は、当該分野においてよく知られており、例えば、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマシューティカルズ・アンド・バイオファーマシューティクス、107巻、321~340頁(2016年)、アドバンスト・ドラッグ・デリバリー・レビューズ、104巻、78~92頁(2016年)、エキスパート・オピニオン・オン・ドラッグ・デリバリー、11巻、791~822頁(2014年)等を参照できる。例えば、機能性分子とリンカーとを公知の方法により結合させた後に、それをアミダイト化試薬によりアミダイト体へ、又はH-ホスホネート試薬によりH-ホスホネート体へと誘導し、オリゴヌクレオチドと結合させることができる。
【0334】
得られるオリゴヌクレオチドを逆相カラムクロマトグラフィー等により精製することにより、一本鎖オリゴヌクレオチドを調製することができる。そして、調製された一本鎖オリゴヌクレオチドを適当な緩衝液中にて混合し、90~98℃にて数分間(例えば、5分間)かけて変性させた後、30~70℃にて1~8時間かけてハイブリダイズさせることにより、分子内でハイブリダイズした一本鎖オリゴヌクレオチドを調製することができる。当該分子内でハイブリダイズさせる工程を省略することができる場合がある。
【0335】
一本鎖オリゴヌクレオチドは、標的遺伝子の発現を効果的に制御することができる。従って、一本鎖オリゴヌクレオチドを有効成分として含有する、例えば、標的遺伝子の発現をアンチセンス効果によって制御するための組成物を、本発明は提供することができる。特に、一本鎖オリゴヌクレオチドは、低濃度の投与により高い薬効を得ることができ、代謝性疾患、腫瘍、感染症といった標的遺伝子の発現亢進に伴う疾患を治療、予防、改善するための医薬組成物も、いくつかの実施形態において提供することができる。
【0336】
一本鎖オリゴヌクレオチドを含む組成物は、公知の製剤学的方法により製剤化することができる。例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、液剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、フィルムコーティング剤、ペレット剤、トローチ剤、舌下剤、咀嚼剤、バッカル剤、ペースト剤、シロップ剤、懸濁剤、エリキシル剤、乳剤、塗布剤、軟膏剤、硬膏剤、パップ剤、経皮吸収型製剤、ローション剤、吸引剤、エアゾール剤、注射剤、坐剤等として、経腸管的(経口的等)又は非経腸管的に使用することができる。
【0337】
これら製剤化においては、薬理学上もしくは飲食品として許容される担体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、溶剤、基剤、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、pH調節剤、安定剤、香味剤、芳香剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤、希釈剤、等張化剤、無痛化剤、増量剤、崩壊剤、緩衝剤、コーティング剤、滑沢剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤あるいはその他の添加剤等と適宜組み合わせることができる。
【0338】
一本鎖オリゴヌクレオチドを含む組成物の投与形態としては特に制限はないが、経腸管的(経口的等)又は非経腸管的投与が挙げられる。より好ましくは、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、皮内投与、気道内投与、直腸投与、筋肉内投与、輸液による投与、髄腔内投与、脳室内投与、経鼻投与及び硝子体内投与等が挙げられる。
【0339】
一本鎖オリゴヌクレオチドを利用した核酸医薬品が治療、予防、改善できる疾患は、特に制限されず、例えば、代謝性疾患、循環器疾患、腫瘍、感染症、眼疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、遺伝性希少疾患等、遺伝子の発現が原因となる疾患等が挙げられる。より具体的には、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脊髄性筋委縮症、筋ジストロフィー(デュシェンヌ型筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィー、先天性筋ジストロフィー(福山型先天性筋ジストロフィー、ウールリッヒ型先天性筋ジストロフィー、メロシン欠損型先天性筋ジストロフィー、インテグリン欠損症、ウォーカーワールブルグ症候群等)、ベッカー型筋ジストロフィー、肢帯型筋ジストロフィー、三好型筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー等)、ハンチントン病、アルツハイマー症、トランスサイレイチン型アミロイドーシス、家族性アミロイド性心筋症、多発性硬化症、クローン病、炎症性大腸疾患、先端巨大症、2型糖尿病、慢性腎症、RSウイルス感染症、エボラ出血熱、マールブルグ熱、HIV、インフルエンザ、B型肝炎、C型肝炎、肝硬変、慢性心不全、心筋線維化、心房細動、前立腺がん、メラノーマ、乳がん、膵臓癌、大腸癌、腎細胞癌、胆管癌、子宮頸癌、肝癌、肺癌、白血病、非ホジキンリンパ腫、アトピー性皮膚炎、緑内障、加齢性黄斑変性症等が挙げられる。前記疾患の種類に応じて、その疾患の原因となる遺伝子を前記標的遺伝子に設定し、さらに、前記標的遺伝子の配列に応じて、前記発現制御配列(例えば、アンチセンス配列)を適宜設定することができる。
【0340】
ヒトなどの霊長類に加えて、様々な他の哺乳類の疾患を、一本鎖オリゴヌクレオチドを含む組成物により治療、予防、改善することができる。例えば、それだけに限らないが、ウシ(cow)、ヒツジ(sheep)、ヤギ、ウマ(horse)、イヌ(dog)、ネコ(cat)、テンジクネズミ、又は他のウシ(bovine)、ヒツジ(ovine)、ウマ(equine)、イヌ(canine)、ネコ(feline)、マウスなどの齧歯類の種を含めた哺乳類の種の疾患を治療することができる。また、一本鎖オリゴヌクレオチドを含む組成物は、鳥類(例えば、ニワトリ)などの他の種においても適用することができる。
【0341】
一本鎖オリゴヌクレオチドを含む組成物を、ヒトを含む動物に投与又は摂取する場合、その投与量又は摂取量は、対象の年齢、体重、症状、健康状態、組成物の種類(医薬品、飲食品など)等に応じて、適宜選択されるが、その投与量又は摂取量は、一本鎖オリゴヌクレオチド換算で0.0001mg/kg/日~100mg/kg/日であることが好ましい。
【0342】
一本鎖オリゴヌクレオチドは、標的遺伝子の発現を非常に効果的に制御することができる。従って、ヒトを含む動物に一本鎖オリゴヌクレオチドを投与し、標的遺伝子の発現をアンチセンス効果によって制御する方法を提供することができる。また、一本鎖オリゴヌクレオチドを含む組成物を、ヒトを含む動物に投与することを含む、標的遺伝子の発現亢進等を伴う各種疾患を治療、予防、改善するための方法をも提供することができる。
【実施例0343】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
【0344】
(実施例1から4、比較例1から5)
表1に記載されたオリゴヌクレオチドを、核酸自動合成機nS-8II(ジーンデザイン社製)を使用して調製した。標的遺伝子は、マウスPhosphatase and Tensin Homolog Deleted from Chromosome 10(PTEN)である。なお、表1中の配列表記において、「(L)」はLNAを意味し、「(M)」は2’-O-メチル化ヌクレオチドを意味し、小文字のアルファベットはデオキシリボヌクレオチドを意味し、大文字のアルファベット(前記(L)及び(M)付のアルファベットは除く)はリボヌクレオチドを意味し、「^」はホスホロチオエート結合を意味し、「5」は、そのヌクレオチドの塩基が5-メチルシトシンであることを意味し、「C8Toc-」は、5’末端のリン酸基の1つの酸素原子に、1,8-オクチレン基を介して、下記式(IV)で表されるトコフェロールのヒドロキシ基から水素原子を取り除いた部分が結合していることを意味する。また、表1に記載されたオリゴヌクレオチドの3’末端は、ヒドロキシ基であり、5’末端は、ヒドロキシ基である。
【0345】
【化5】
【0346】
【表1】
【0347】
実施例1~4における分子内ハイブリダイゼーション及び、比較例1~3における2つのオリゴヌクレオチドの分子間ハイブリダイゼーションは、95℃にて5分間加熱した後、37℃にて1時間、定温にて放置することで行った。ハイブリダイゼーションの確認は、非変性ポリアクリドアミドゲル電気泳動により確認した。
【0348】
[評価例1]
マウス脳内皮細胞株b.ENDの細胞を2000細胞/ウェルとなるように96ウェルプレートに播き、5%CO下37℃にて24時間培養した。表1の各オリゴヌクレオチドを、その最終濃度が1nM又は10nMとなるようにLipofectamine(登録商標) RNAiMax(Thermo Fisher Scientific社製)を用いて各ウェルに添加した(トランスフェクション)。4時間後に培地を交換し、さらに20時間後に細胞を回収し、細胞からRNeasy mini kit (QIAGEN社製)を用いてTotal RNAを抽出した。
Total RNAからPrimeScript RT Master Mix(タカラバイオ株式会社製)を用いてcDNAを得た。得られたcDNA及びTaqMan(登録商標)Gene Expression ID(Applied Biosystems社製)を用いて7500 Real-Time PCR System(Applied Biosystems社製)によりリアルタイムPCRを行い、PTENのmRNA量を定量した。リアルタイムPCRでは、ハウスキーピング遺伝子のcyclophilinのmRNA量も同時に定量し、cyclophilinのmRNA量に対するPTENのmRNA量をPTEN発現レベルとして評価した。トランスフェクション操作を行わなかった細胞をコントロールとして用いた。結果を図16に示す。
なお、用いたプライマーは、TaqMan Gene Expression Assay(Applied Biosystems社製)であり、Assay IDは、以下のとおりであった:
マウスPTEN定量用: Mm00477208_m1
マウスcyclophilin定量用:Mm0234230_g1
【0349】
図16から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例1~4)はHDO(比較例1~3)及びASO(比較例4、5)に比較して、高いアンチセンス効果を示すことが確認された。
【0350】
(実施例5及び6、比較例4、6及び7)
表2に記載されたオリゴヌクレオチドを、核酸自動合成機nS-8II(ジーンデザイン社製)を使用して調製した。標的遺伝子は、ヒトPhosphatase and Tensin Homolog Deleted from Chromosome 10(PTEN)及びヒトapolipoprotein B(ApoB)である。なお、表2中の配列表記は、表1と同じである。
【0351】
【表2】
【0352】
実施例5~6における分子内ハイブリダイゼーション及び、比較例6における2つのオリゴヌクレオチドの分子間ハイブリダイゼーションは、95℃にて5分間加熱した後、37℃にて1時間、定温にて放置することで行った。ハイブリダイゼーションの確認は、非変性ポリアクリドアミドゲル電気泳動により確認した。
【0353】
[評価例2]
ヒト肝癌由来細胞株HuH-7の細胞を3000細胞/ウェルとなるように96ウェルプレートに播き、5%CO下37℃にて24時間培養した。表2の各オリゴヌクレオチドを、その最終濃度が設定の濃度となるようにLipofectamine(登録商標) RNAiMax(Thermo Fisher Scientific社製)を用いて各ウェルに添加した(トランスフェクション)。4時間後に培地を交換し、さらに20時間後に細胞を回収し、細胞からRNeasy mini kit (QIAGEN社製)を用いてTotal RNAを抽出した。
Total RNAからPrimeScript RT Master Mix(タカラバイオ株式会社製)を用いてcDNAを得た。得られたcDNA及びTaqMan(登録商標)Gene Expression ID(Applied Biosystems社製)を用いて7500 Real-Time PCR System(Applied Biosystems社製)によりリアルタイムPCRを行い、PTEN及びApoBのmRNA量を定量した。リアルタイムPCRでは、ハウスキーピング遺伝子のGAPDH(Glyceraldehyde-3-Phosphate Dehydrogenase)のmRNA量も同時に定量し、GAPDHのmRNA量に対するPTEN及びApoBのmRNA量を、それぞれPTEN及びApoBの発現レベルとして評価した。トランスフェクション操作を行わなかった細胞をコントロールとして用いた。結果を図17及び図18に示す。
なお、用いたプライマーは、TaqMan Gene Expression Assay(Applied Biosystems社製)であり、Assay IDは、以下のとおりであった:
ヒトPTEN定量用: Hs02621230
ヒトApoB定量用: Hs00181142
ヒトGAPDH定量用: Hs99999905_m1
【0354】
図17及び図18から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例5~6)はHDO(比較例6)及びASO(比較例4、7)に比較して、高いアンチセンス効果を示すことが確認された。
【0355】
(実施例2及び7、比較例1及び4)
表3に記載されたオリゴヌクレオチドを、核酸自動合成機nS-8II(ジーンデザイン社製)を使用して調製した。標的遺伝子は、マウスPhosphatase and Tensin Homolog Deleted from Chromosome 10(PTEN)である。なお、表3中の配列表記は、表1と同じである。
【0356】
【表3】
【0357】
実施例2及び7における分子内ハイブリダイゼーション及び、比較例1における2つのオリゴヌクレオチドの分子間ハイブリダイゼーションは、95℃にて5分間加熱した後、37℃にて1時間、定温にて放置することで行った。ハイブリダイゼーションの確認は、非変性ポリアクリドアミドゲル電気泳動により確認した。
【0358】
[評価例3]
評価例1と同じ評価方法を用いて、表3の各オリゴヌクレオチドの最終濃度が設定の濃度となるようにし、cyclophilinのmRNA量に対するPTENのmRNA量をPTEN発現レベルとして評価した。結果を図19に示す。
【0359】
図19から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例7)はHDO(比較例1)及びASO(比較例4)に比較して、高いアンチセンス効果を示すことが確認された。
【0360】
(実施例5、6、8及び9、比較例6)
表4に記載されたオリゴヌクレオチドを、核酸自動合成機nS-8II(ジーンデザイン社製)を使用して調製した。標的遺伝子は、ヒトPhosphatase and Tensin Homolog Deleted from Chromosome 10(PTEN)及びヒトapolipoprotein B(ApoB)である。なお、表4中の配列表記は、表1と同じである。
【0361】
【表4】
【0362】
実施例5、6、8及び9における分子内ハイブリダイゼーション及び、比較例6における2つのオリゴヌクレオチドの分子間ハイブリダイゼーションは、95℃にて5分間加熱した後、37℃にて1時間、定温にて放置することで行った。ハイブリダイゼーションの確認は、非変性ポリアクリドアミドゲル電気泳動により確認した。
【0363】
[評価例4]
評価例2と同じ評価方法を用いて、表4の各オリゴヌクレオチドの最終濃度が1nM又は10nMとなるようにし、GAPDHのmRNA量に対するPTEN及びApoBのmRNA量を、それぞれPTEN及びApoBの発現レベルとして評価した。トランスフェクション操作を行わなかった細胞をコントロールとして用いた。結果を図20及び図21に示す。
【0364】
図20及び図21から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例5、6、8及び9)はHDO(比較例6)に比較して、高いアンチセンス効果を示すことが確認された。
【0365】
(実施例10及び11、比較例4、8及び9)
表5に記載されたオリゴヌクレオチドを、核酸自動合成機nS-8II(ジーンデザイン社製)を使用して調製した。標的遺伝子は、マウスPhosphatase and Tensin Homolog Deleted from Chromosome 10(PTEN)である。なお、表5中の配列表記は、表1と同じである。
【0366】
【表5】
【0367】
実施例10及び11における分子内ハイブリダイゼーション及び、比較例8,9における2つのオリゴヌクレオチドの分子間ハイブリダイゼーションは、95℃にて5分間加熱した後、37℃にて1時間、定温にて放置することで行った。ハイブリダイゼーションの確認は、非変性ポリアクリドアミドゲル電気泳動により確認した。
【0368】
[評価例5]
評価例1と同じ評価方法を用いて、表5の各オリゴヌクレオチドの最終濃度が設定の1nM又は10nMとなるようにし、cyclophilinのmRNA量に対するPTENのmRNA量をPTEN発現レベルとして評価した。結果を図22に示す。
【0369】
図22から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例10及び11)はHCDO(比較例8,9)と同程度のアンチセンス効果を示し、ASO(比較例4、7)に比較して、高いアンチセンス効果を示すことが確認された。
【0370】
[評価例6]
実施例4及び実施例10における、前記分子内ハイブリダイゼーション処理前後の非変性ポリアクリドアミドゲル電気泳動結果を図23及び図24に示す。一本鎖DNAのサイズマーカーとして、ジーンデザイン社製電気泳動用一本鎖DNAサイズマーカーを用いた。これは、ヌクレオチド数が15、20、30、40、50、60及び80の一本鎖のDNAを含む。二本鎖RNAのサイズマーカーとして、ジーンデザイン社製電気泳動用2本鎖RNAサイズマーカー用いた。これは、塩基対の数が17、21、25及び29の二本鎖のRNAを含む。なお、図23及び図24中、「Lane No.」は前記電気泳動試験におけるレーン番号を、「Example No.」は実施例番号を、「before」は上記ハイブリダイゼーション処理前を、「after」は上記ハイブリダイゼーション処理後を、「ss-DNA size marker」は、一本鎖DNAのサイズマーカーを、「ds-RNA size marker」は、二本鎖RNAのサイズマーカーを、「mer」は塩基数を、「bp」は塩基対の数を意味する。
【0371】
図23及び図24から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチドは、特別なハイブリダイゼーション工程を経ることなく、分子内ハイブリダイゼーションの構造をとることが確認された。
【0372】
(実施例5及び12、比較例10)
表6に記載されたオリゴヌクレオチドを、核酸自動合成機nS-8II(ジーンデザイン社製)を使用して調製した。標的遺伝子は、ヒトPhosphatase and Tensin Homolog Deleted from Chromosome 10(PTEN)及びヒトapolipoprotein B(ApoB)である。なお、表6中の配列表記は、表1と同じである。
【0373】
【表6】
【0374】
実施例5及び12における分子内ハイブリダイゼーション及び、比較例10における2つのオリゴヌクレオチドの分子間ハイブリダイゼーションは、95℃にて5分間加熱した後、37℃にて1時間、定温にて放置することで行った。ハイブリダイゼーションの確認は、非変性ポリアクリドアミドゲル電気泳動により確認した。
【0375】
[評価例7]
評価例2と同じ評価方法を用いて、表6の各オリゴヌクレオチドの最終濃度が1nM又は10nMとなるようにし、GAPDHのmRNA量に対するPTEN及びApoBのmRNA量を、それぞれPTEN及びApoBの発現レベルとして評価した。トランスフェクション操作を行わなかった細胞をコントロールとして用いた。結果を図25及び図26に示す。
【0376】
図25及び図26から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例5及び12)はHDO(比較例10)に比較して、高いアンチセンス効果を示すことが確認された。
【0377】
(実施例13及び14、比較例6)
表7に記載されたオリゴヌクレオチドを、核酸自動合成機nS-8II(ジーンデザイン社製)を使用して調製した。標的遺伝子は、ヒトPhosphatase and Tensin Homolog Deleted from Chromosome 10(PTEN)である。なお、表7中の配列表記は、表1と同じである。
【0378】
【表7】
【0379】
実施例13及び14における分子内ハイブリダイゼーション及び、比較例6における2つのオリゴヌクレオチドの分子間ハイブリダイゼーションは、95℃にて5分間加熱した後、37℃にて1時間、定温にて放置することで行った。ハイブリダイゼーションの確認は、非変性ポリアクリドアミドゲル電気泳動により確認した。
【0380】
[評価例8]
評価例2と同じ評価方法を用いて、表6の各オリゴヌクレオチドの最終濃度が1nM又は10nMとなるようにし、GAPDHのmRNA量に対するPTENのmRNA量を、PTENの発現レベルとして評価した。トランスフェクション操作を行わなかった細胞をコントロールとして用いた。結果を図27に示す。
【0381】
図27から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例13及び14)はHDO(比較例6)と同程度のアンチセンス効果を示すことが確認された。
【0382】
(実施例15、比較例11)
表8に記載されたオリゴヌクレオチドを、核酸自動合成機nS-8II(ジーンデザイン社製)を使用して調製した。標的遺伝子は、マウスapolipoprotein B(ApoB)である。表8中の配列表記の、「Toc-TEG-」は、5’末端のリン酸基の1つの酸素原子に、下記式(III-2)
【化6】

(式中、*は、第二オリゴヌクレオチドとの結合位置を表し、**は、トコフェロールとの結合位置を表す。)で表される基を介して、下記式(IV)で表されるトコフェロールのヒドロキシ基から水素原子を取り除いた部分が結合していることを意味する。
【化7】

その他の表記は表1と同じである。
【0383】
【表8】
【0384】
実施例15における分子内ハイブリダイゼーション及び、比較例11における2つのオリゴヌクレオチドの分子間ハイブリダイゼーションは、95℃にて5分間加熱した後、37℃にて1時間、定温にて放置することで行った。ハイブリダイゼーションの確認は、非変性ポリアクリドアミドゲル電気泳動により確認した。
【0385】
[評価例9]
C57BL/6Jマウス(オス5週齢、日本チャールス・リバー社)へ、生理食塩水(大塚生食注、大塚製薬工場)に溶解した実施例15及び比較例11を、マウス個体あたりの投与量がアンチセンスオリゴヌクレオチド量換算で8.1nmol/kg又は81nmol/kgとなるように静脈投与した。コントロールとして、生理食塩水(大塚生食注、大塚製薬工場)のみを投与した。投与3日後に眼窩静脈叢から採血した後、イソフルラン麻酔下で肝臓組織を採取した。肝臓からのRNA抽出はRNeasy Mini Kit(Qiagen社製)を用いてQiagen社の推奨プロトコル通りに行った。 Total RNAからPrimeScript RT Master Mix(タカラバイオ株式会社製)を用いてcDNAを得た。得られたcDNA及びTaqMan(登録商標)Gene Expression ID(Applied Biosystems社製)を用いて7500 Real-Time PCR System(Applied Biosystems社製)によりリアルタイムPCRを行い、ApoBのmRNA量を定量した。リアルタイムPCRでは、ハウスキーピング遺伝子のCyclophilinのmRNA量も同時に定量し、CyclophilinのmRNA量に対するApoBのmRNA量を、ApoBの発現レベルとして評価した。結果を図28に示す。
なお、用いたプライマーは、TaqMan Gene Expression Assay(Applied Biosystems社製)であり、Assay IDは、以下のとおりであった:
マウスApoB定量用: Mm01545150_m1
マウスcyclophilin定量用:Mm0234230_g1
【0386】
また採取した血液を、室温にて20分間静置した後、5000rpm、4℃にて15分間遠心して血漿を分離した。それぞれの血漿について、デタミナーL TC(協和メデックス社製)を用いて血漿総コレステロール値を定量した。血漿3.2μLに試薬R-1を240μL加えて37℃にて5分間加温し、続いて試薬R-2を80μL加えて37℃にて5分間加温し、分光光度計を用いて600nmの吸光度を測定した。標準試薬による検量線を用いて値を算出した。結果を図29に示す。なお図中、total cholesterolは、前記血漿総コレステロール値を意味する。
【0387】
図28及び図29から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例15)はHDO(比較例11)に比較して、高いアンチセンス効果を示すことが確認された。
【0388】
(実施例16、17及び18、比較例12及び13)
表9に記載されたオリゴヌクレオチドを、核酸自動合成機nS-8II(ジーンデザイン社製)を使用して調製した。標的RNAは、miRNA-122である。なお、表9中の配列表記は、表1と同じである。
【0389】
【表9】
【0390】
実施例16、17及び18における分子内ハイブリダイゼーション及び、比較例13における2つのオリゴヌクレオチドの分子間ハイブリダイゼーションは、95℃にて5分間加熱した後、37℃にて1時間、定温にて放置することで行った。ハイブリダイゼーションの確認は、非変性ポリアクリドアミドゲル電気泳動により確認した。
【0391】
[評価例10]
ヒト肝癌由来細胞株HuH-7の細胞を2000細胞/ウェルとなるように96ウェルプレートに播き、5%CO下37℃にて24時間培養した。表9の各オリゴヌクレオチドを、その最終濃度が0.4nMとなるようにLipofectamine(登録商標) RNAiMax(Thermo Fisher Scientific社製)を用いて各ウェルに添加した(トランスフェクション)。4時間後に培地を交換し、さらに20時間後に細胞を回収し、細胞からRNeasy mini kit(QIAGEN社製)を用いてTotal RNAを抽出した。
Total RNAからPrimeScript RT Master Mix(タカラバイオ株式会社製)を用いてcDNAを得た。得られたcDNA及びTaqMan(登録商標)Gene Expression ID(Applied Biosystems社製)を用いて7500 Real-Time PCR System(Applied Biosystems社製)によりリアルタイムPCRを行い、miRNA-122の標的遺伝子であるAldolase AのmRNA量を定量した。リアルタイムPCRでは、ハウスキーピング遺伝子のGAPDH(Glyceraldehyde-3-Phosphate Dehydrogenase)のmRNA量も同時に定量し、GAPDHのmRNA量に対するAldolase AのmRNA量を、Aldolase Aの発現レベルとして評価した。トランスフェクション操作を行わなかった細胞をコントロールとして用いた。結果を図30に示す。この際、Aldolase Aの発現量が高いほど、アンチセンス効果が高いことになる。
なお、用いたプライマーは、TaqMan Gene Expression Assay(Applied Biosystems社製)であり、Assay IDは、以下のとおりであった:
ヒトAldolase A定量用: Hs00605108_g1
ヒトGAPDH定量用: Hs99999905_m1
【0392】
図30から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例16~18)はASO(比較例12)より高いアンチセンス効果を示し、HDO(比較例13)と同程度あるいは高いアンチセンス効果を示すことが示された。
【0393】
(実施例15、比較例7及び11)
表10に記載されたオリゴヌクレオチドを、核酸自動合成機nS-8II(ジーンデザイン社製)を使用して調製した。標的遺伝子は、マウスapolipoprotein B(ApoB)である。表10中の配列表記は表1及び表8と同じである。
【0394】
【表10】
【0395】
実施例15における分子内ハイブリダイゼーション及び、比較例11における2つのオリゴヌクレオチドの分子間ハイブリダイゼーションは、95℃にて5分間加熱した後、37℃にて1時間、定温にて放置することで行った。ハイブリダイゼーションの確認は、非変性ポリアクリドアミドゲル電気泳動により確認した。
【0396】
[評価例11]
C57BL/6Jマウス(オス5週齢、日本チャールス・リバー社)へ、生理食塩水(大塚生食注、大塚製薬工場)に溶解した実施例15、比較例11及び比較例7を、マウス個体あたりの投与量がアンチセンスオリゴヌクレオチド量換算で81nmol/kgとなるように静脈投与した。コントロールとして、生理食塩水(大塚生食注、大塚製薬工場)のみを投与した。投与3日後に眼窩静脈叢から採血した後、イソフルラン麻酔下で肝臓組織を採取した。肝臓からのRNA抽出はRNeasy Mini Kit(Qiagen社製)を用いてQiagen社の推奨プロトコル通りに行った。 Total RNAからPrimeScript RT Master Mix(タカラバイオ株式会社製)を用いてcDNAを得た。得られたcDNA及びTaqMan(登録商標)Gene Expression ID(Applied Biosystems社製)を用いて7500 Real-Time PCR System(Applied Biosystems社製)によりリアルタイムPCRを行い、ApoBのmRNA量を定量した。リアルタイムPCRでは、ハウスキーピング遺伝子のCyclophilinのmRNA量も同時に定量し、CyclophilinのmRNA量に対するApoBのmRNA量を、ApoBの発現レベルとして評価した。結果を図31に示す。
なお、用いたプライマーは、TaqMan Gene Expression Assay(Applied Biosystems社製)であり、Assay IDは、以下のとおりであった:
マウスApoB定量用: Mm01545150_m1
マウスcyclophilin定量用:Mm0234230_g1
【0397】
また採取した血液を、室温にて20分間静置した後、5000rpm、4℃にて15分間遠心して血漿を分離した。それぞれの血漿について、デタミナーL TC(協和メデックス社製)を用いて血漿総コレステロール値を定量した。血漿3.2μLに試薬R-1を240μL加えて37℃にて5分間加温し、続いて試薬R-2を80μL加えて37℃にて5分間加温し、分光光度計を用いて600nmの吸光度を測定した。標準試薬による検量線を用いて値を算出した。結果を図32に示す。なお図中、total cholesterolは、前記血漿総コレステロール値を意味する。
【0398】
図31及び図32から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例15)はHDO(比較例11)及びASO(比較例7)に比較して、高いアンチセンス効果を示すことが確認された。
【0399】
[評価例12]
実施例5における、前記分子内ハイブリダイゼーション処理前後の非変性ポリアクリドアミドゲル電気泳動結果を図33に示す。一本鎖DNAのサイズマーカーとして、ジーンデザイン社製電気泳動用一本鎖DNAサイズマーカーを用いた。これは、ヌクレオチド数が15、20、30、40、50、60及び80の一本鎖のDNAを含む。二本鎖RNAのサイズマーカーとして、ジーンデザイン社製電気泳動用2本鎖RNAサイズマーカー用いた。これは、塩基対の数が17、21、25及び29の二本鎖のRNAを含む。なお、図33中の記号は図23及び図24に同じである。
【0400】
図33から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチドは、特別なハイブリダイゼーション工程を経ることなく、分子内ハイブリダイゼーションの構造をとることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0401】
本発明の一本鎖オリゴヌクレオチドを用いることによって、いくつかの実施形態においては、アンチセンス核酸を特異性高く効率的に特定の臓器(細胞)に送達し、かつ当該核酸によって、標的RNAの機能を効果的に制御すること、及び/又は標的遺伝子の発現を効果的に抑制することが可能となる。また、いくつかの実施形態における一本鎖オリゴヌクレオチドには、特定の臓器に送達させるための機能性分子として、脂質(例えば、トコフェロール、コレステロール)、糖(例えば、グルコース、スクロース)、タンパク質、ペプチド、抗体等の多種多様な分子を適用できるため、いくつかの実施形態における一本鎖オリゴヌクレオチドは、様々な臓器、組織、細胞を標的とすることができる。さらには、いくつかの実施形態における一本鎖オリゴヌクレオチドに、RNase等に対する耐性を付与するための修飾を施しても、そのアンチセンス効果は低減することはないため、いくつかの実施形態における一本鎖オリゴヌクレオチドは、経腸投与の態様でも利用できる。
したがって、いくつかの実施形態における一本鎖オリゴヌクレオチドは、低濃度の投与により高い薬効を得ることができ、かつアンチセンス核酸の標的以外の臓器における分布を抑制することにより、副作用も低減できるという点に優れているため、代謝性疾患、腫瘍、感染症等の、標的RNAの機能及び/又は標的遺伝子の発現亢進に伴う疾患を治療、予防するための医薬組成物等として、一本鎖オリゴヌクレオチドは有用である。
【0402】
日本国特許出願2016-012804号(出願日:2016年1月26日)及び日本国特許出願2016-158833(出願日:2016年8月12日)の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
【配列表】
2024056807000001.app
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0288
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0288】
C-59) 式-Yで表される部分構造が、式-Y -Y -Y で表され、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、Yが含むアンチセンス配列部分であって、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であり、
は、2個又は3個のLNAからなるオリゴヌクレオチドに由来する基である、C-43)からC-58)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-60) Yが、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない、C-43)からC-58)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-61) Yの3’側及び5’側の少なくとも一方のヌクレオチドが、独立して2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから選ばれるヌクレオチドである、C-60)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-62) Yの3’側及び5’側のヌクレオチドが、独立して2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから選ばれるヌクレオチドである、C-60)又はC-61)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
C-63) Yが、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれるヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドに由来する基であ、C-60)からC-62)のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0378
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0378】
【表7】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0380
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0380】
[評価例8]
評価例2と同じ評価方法を用いて、表の各オリゴヌクレオチドの最終濃度が1nM又は10nMとなるようにし、GAPDHのmRNA量に対するPTENのmRNA量を、PTENの発現レベルとして評価した。トランスフェクション操作を行わなかった細胞をコントロールとして用いた。結果を図27に示す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】

X-L-Y
(式中、Xは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択され、糖部、塩基部及びリン酸部の少なくとも1つが修飾されたヌクレオチドの少なくとも1個を含む7~100個のヌクレオチドからなる第一オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Yは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択され、4~100個のヌクレオチドからなる第二オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、その両端で前記第一オリゴヌクレオチド及び第二オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、生理的条件で分解される第三オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
前記第一オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Xを有し、前記第二オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Yを有し、
前記ヌクレオチド配列Xは、第二オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む第一ヌクレオチド配列を含み、
前記ヌクレオチド配列Yは第一オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第二ヌクレオチド配列を含み、
前記ヌクレオチド配列Xが、標的RNAとのハイブリダイズを可能にする少なくとも1つのアンチセンス配列を含み、
前記Xが、前記第一ヌクレオチド配列部分を前記アンチセンス配列部分とLとの間に有し、
前記アンチセンス配列を2以上有する場合、それぞれのアンチセンス配列部分がハイブリダイズする標的RNAは同一でも異なっていてもよい。)
で表され、XとYとが第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とでハイブリダイズする一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項2】
Xが、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項1に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項3】
Xが3’側でLに結合し、Yが5’側でLに結合する、請求項1又は2に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項4】
Xが5’側でLに結合し、Yが3’側でLに結合する、請求項1又は2に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項5】
第三オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホジエステル結合で互いに連結されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項6】
第三オリゴヌクレオチドが、DNA又はRNAである、請求項1から5のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項7】
第一オリゴヌクレオチドは、第一ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項8】
第一オリゴヌクレオチドは、第一ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項9】
第一オリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項10】
第一ヌクレオチド配列が、少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドを含む4~20個のヌクレオチドからなる配列である、請求項1から9のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項11】
第二ヌクレオチド配列は、RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、請求項1から10のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項12】
第二オリゴヌクレオチドが、第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項11に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項13】
第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方が、隣接するヌクレオチドとホスホロチオエート結合で連結されている、請求項11又は12に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項14】
第一オリゴヌクレオチドは、前記Xが含むアンチセンス配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項15】
第一オリゴヌクレオチドは、前記Xが含むアンチセンス配列部分の5’側及び3’側に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項16】
前記ヌクレオチド配列が含むアンチセンス配列が、標的RNAとハイブリダイズした際に、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、請求項1から15のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項17】
前記が含むアンチセンス配列部分は、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない、請求項1から16のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項18】
Xが、5’末端又は3’末端を含む、請求項1から17のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項19】

X’-L’-
(式中、X’は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択され、糖部、塩基部及びリン酸部の少なくとも1つが修飾されたヌクレオチドの少なくとも1個を含む7~100個のヌクレオチドからなる第四オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
L’は、その両端で前記第一オリゴヌクレオチド及び第四オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、生理的条件で分解される第五オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
前記第四オリゴヌクレオチドは、標的RNAとのハイブリダイズを可能にするアンチセンス配列を有する。)
で表される基をさらに含む、請求項1から17のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項20】
X’が、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、
前記第四オリゴヌクレオチドが有するアンチセンス配列は、標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される、少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、請求項19に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項21】
前記第四オリゴヌクレオチドが含むアンチセンス配列部分は、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない、請求項19に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項22】
前記第四オリゴヌクレオチドが含むアンチセンス配列部分は、前記第二オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とハイブリダイズする、請求項20又は21に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項23】
第五オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホジエステル結合で互いに連結されている、請求項19から22のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項24】
第五オリゴヌクレオチドが、DNA又はRNAである、請求項19から23のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項25】
前記アンチセンス配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項1から24のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項26】
前記アンチセンス配列部分の5’側及び3’側に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項1から25のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項27】
前記アンチセンス配列が、少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドを含む4~20個のヌクレオチドからなる配列である、請求項1から26のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項28】
前記アンチセンス配列部分が、ホスホロチオエート結合を含む、請求項1から27のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項29】
前記糖部修飾ヌクレオチドが、ヘキシトールヌクレオチド、シクロヘキセンヌクレオチド、ペプチド核酸、グリコール核酸、トレオヌクレオチド、モルホリノ核酸、トリシクロ-DNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド、2’-O-アミノプロピル化ヌクレオチド、2’-フルオロ化ヌクレオチド、2’-F-アラビノヌクレオチド、架橋化ヌクレオチド及び2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1から28のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド
【請求項30】
Yが、5’末端又は3’末端を含む、請求項1から29のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項31】
標識機能、精製機能及び標的部位への送達機能からなる群から選択される少なくとも1種の機能を有する機能性分子に由来する基をさらに含む、請求項1から30のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項32】
前記機能性分子が、糖、脂質、ペプチド及びタンパク質並びにそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項31に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項33】
前記機能性分子が、コレステロール、トコフェロール及びトコトリエノールからなる群から選択される脂質である、請求項31又は32に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項34】
前記機能性分子が、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用する糖誘導体である、請求項31又は32に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項35】
前記機能性分子が、受容体のリガンド及び抗体からなる群から選択される、ペプチド又はタンパク質である、請求項31又は32に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項36】
請求項1から35のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドと、薬理学上許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項37】
請求項1から35のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドと細胞(ヒトの細胞を除く)とを接触させる工程を含む、標的RNAの機能を制御する方法。
【請求項38】
請求項1から35のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を、哺乳動物(ヒトを除く)に投与する工程を含む、該哺乳動物における標的RNAの機能を制御する方法。
【請求項39】
哺乳動物(ヒトを除く)において、標的RNAの機能を制御するための、請求項1から35のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの使用。
【請求項40】
請求項1から35のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの製造方法であって、X、L及びYの少なくとも1つを含むオリゴヌクレオチドの3’末端又は5’末端でヌクレオチド鎖を伸長する工程を含む、製造方法。