IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

特開2024-5709情報処理装置、閲覧履歴表示方法、プログラム、情報処理システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005709
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、閲覧履歴表示方法、プログラム、情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/1396 20220101AFI20240110BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20240110BHJP
   H04L 51/07 20220101ALI20240110BHJP
【FI】
H04L67/1396
G06Q30/02 470
H04L51/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106023
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】田代 和也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA02
5L049BB05
(57)【要約】
【課題】電子データの送信方法に応じて閲覧履歴の表示方法を変更できる情報処理装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、第一のユーザーが操作する端末装置と通信する情報処理装置であって、前記端末装置からの要求に応じて第二のユーザーが電子データを閲覧するためのメッセージを前記第二のユーザーに送信するメッセージ送信部と、前記端末装置から送信された前記メッセージの送信方法を前記電子データと対応付けて記録する送信履歴管理部と、前記第二のユーザーによる前記電子データの閲覧履歴を記録する閲覧情報更新部と、前記端末装置からの要求に応じて、前記送信方法に対応した前記電子データの閲覧履歴画面を生成する画面生成部と、前記画面生成部が生成した前記閲覧履歴画面の画面情報を前記端末装置に送信する通信部と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のユーザーが操作する端末装置と通信する情報処理装置であって、
前記端末装置からの要求に応じて第二のユーザーが電子データを閲覧するためのメッセージを前記第二のユーザーに送信するメッセージ送信部と、
前記端末装置から送信された前記メッセージの送信方法を前記電子データと対応付けて記録する送信履歴管理部と、
前記第二のユーザーによる前記電子データの閲覧履歴を記録する閲覧情報更新部と、
前記端末装置からの要求に応じて、前記送信方法に対応した前記電子データの閲覧履歴画面を生成する画面生成部と、
前記画面生成部が生成した前記閲覧履歴画面の画面情報を前記端末装置に送信する通信部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記画面生成部は、前記送信方法の選択を受け付ける前記電子データの送信画面を生成し、
前記通信部は、前記画面生成部が生成した前記電子データの送信画面の画面情報を前記端末装置に送信し、
前記メッセージ送信部は、前記端末装置が受け付けた前記送信方法を前記電子データと対応付けて記録することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画面生成部は、前記送信方法に対応した前記閲覧履歴画面に切り替えるための入力部品を有する閲覧履歴画面を生成し、
前記通信部は、前記入力部品を有する前記閲覧履歴画面の画面情報を前記端末装置に送信し、
前記通信部が、第一の送信方法に対応する前記入力部品が押下された旨を受信するか、第二の送信方法に対応する前記入力部品が押下された旨を受信するかに応じて、前記画面生成部は、異なる前記電子データの閲覧履歴画面を生成し、
前記通信部が、押下された前記入力部品に応じた前記閲覧履歴画面の画面情報を前記端末装置に送信することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第一の送信方法は、宛先を一人のみとする送信方法であり、
前記通信部が、前記第一の送信方法に対応する前記入力部品が押下された旨を受信した場合、
前記画面生成部は、前記第一の送信方法により前記電子データが送信された個人ごとの第一の閲覧履歴画面を生成し、
前記通信部が前記第一の閲覧履歴画面の画面情報を前記端末装置に送信することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第二の送信方法は、宛先を複数とする送信方法であり、
前記通信部が、前記第二の送信方法に対応する前記入力部品が押下された旨を受信した場合、
前記画面生成部は、前記第二の送信方法により前記電子データが送信された複数の宛先に関する第二の閲覧履歴画面を生成し、
前記通信部が前記第二の閲覧履歴画面の画面情報を前記端末装置に送信することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記画面生成部は、前記複数の宛先である前記第二のユーザーのうち前記電子データを閲覧した人数、又は、前記複数の宛先の数に対する前記閲覧した人数の閲覧率を含む前記閲覧履歴画面を生成することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記端末装置から前記電子データの識別情報を指定して該電子データの閲覧状況を要求する旨を受信した場合、
前記画面生成部は、前記複数の宛先に含まれる複数の第二のユーザーによる前記電子データの閲覧回数を含む詳細画面を生成し、
前記通信部が、複数の第二のユーザーによる前記電子データの閲覧回数を含む前記詳細画面の画面情報を前記端末装置に送信することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第二の送信方法は、CC又はBCCにより複数の宛先を受け付けることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記電子データの送信画面は、前記第一の送信方法の選択を受け付けた場合、宛先欄を1つのみ表示し、前記第二の送信方法の選択を受け付けた場合、前記宛先欄に加えCC欄及びBCC欄を表示することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
第一のユーザーが操作する端末装置と通信する情報処理装置が行う閲覧履歴表示方法であって、
メッセージ送信部が、前記端末装置からの要求に応じて第二のユーザーが電子データを閲覧するためのメッセージを送信するステップと、
送信履歴管理部が、前記端末装置から送信された前記メッセージの送信方法を前記電子データと対応付けて記録するステップと、
閲覧情報更新部が、前記第二のユーザーによる前記電子データの閲覧履歴を記録するステップと、
画面生成部が、前記端末装置からの要求に応じて、前記送信方法に対応した前記電子データの閲覧履歴画面を生成するステップと、
通信部が、前記画面生成部が生成した前記閲覧履歴画面の画面情報を前記端末装置に送信するステップと、
を有することを特徴とする閲覧履歴表示方法。
【請求項11】
第一のユーザーが操作する端末装置と通信する情報処理装置を、
前記端末装置からの要求に応じて第二のユーザーが電子データを閲覧するためのメッセージを前記第二のユーザーに送信するメッセージ送信部と、
前記端末装置から送信された前記メッセージの送信方法を前記電子データと対応付けて記録する送信履歴管理部と、
前記第二のユーザーによる前記電子データの閲覧履歴を記録する閲覧情報更新部と、
前記端末装置からの要求に応じて、前記送信方法に対応した前記電子データの閲覧履歴画面を生成する画面生成部と、
前記画面生成部が生成した前記閲覧履歴画面の画面情報を前記端末装置に送信する通信部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
第一のユーザーが操作する端末装置と通信する情報処理装置と、前記端末装置とを有する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記端末装置からの要求に応じて第二のユーザーが電子データを閲覧するためのメッセージを前記第二のユーザーに送信するメッセージ送信部と、
前記端末装置から送信された前記メッセージの送信方法を前記電子データと対応付けて記録する送信履歴管理部と、
前記第二のユーザーによる前記電子データの閲覧履歴を記録する閲覧情報更新部と、
前記端末装置からの要求に応じて、前記送信方法に対応した前記電子データの閲覧履歴画面を生成する画面生成部と、
前記画面生成部が生成した前記閲覧履歴画面の画面情報を前記端末装置に送信する通信部と、を有し、
前記端末装置は、
前記情報処理装置から受信した前記閲覧履歴画面の画面情報に基づいて前記閲覧履歴画面を表示することを特徴とする情報処理システム。
【請求項13】
第一のユーザーが操作する端末装置と通信する情報処理装置と、前記端末装置とを有する情報処理システムが行う閲覧履歴表示方法であって、
前記情報処理装置は、
前記端末装置からの要求に応じて第二のユーザーが電子データを閲覧するためのメッセージを前記第二のユーザーに送信するステップと、
前記端末装置から送信された前記メッセージの送信方法を前記電子データと対応付けて記録するステップと、
前記第二のユーザーによる前記電子データの閲覧履歴を記録するステップと、
前記端末装置からの要求に応じて、前記送信方法に対応した前記電子データの閲覧履歴画面を生成するステップと、
生成された前記閲覧履歴画面の画面情報を前記端末装置に送信するステップと、を有し、
前記端末装置は、
前記情報処理装置から受信した前記閲覧履歴画面の画面情報に基づいて前記閲覧履歴画面を表示することを特徴とする閲覧履歴表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、閲覧履歴表示方法、プログラム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
新規顧客(見込み客)獲得に際し、主催者が説明会やオンラインセミナーを開催し、新商品やサービスをオンラインセミナー中に紹介する。また、オンラインセミナー後に、主催者が参加者に対して説明資料やカタログ等の追加資料をメールやSNS(Social Networking Service)等で参加者に提供する場合ある。
【0003】
メール等で提供した資料の閲覧履歴を記録することにより、各見込み客の関心度を把握する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、見込み客がメールに記載のURLへアクセスした場合に、アクセスログを取り、アクセスログに基づいた見込み客に対する情報の管理を行うことが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、電子データを共有するためのメッセージの送信方法に応じて閲覧履歴の表示方法を変更できないという問題がある。例えば、メッセージの送信方法には見込み客のみを宛先として一斉に送信する方法と、メール等で見込み客を宛先とし、見込み客の関係者をCC(カーボンコピー)やBCC(ブラインドカーボンコピー)等に含めて送信する方法がある。したがって、主催者等の閲覧者が閲覧履歴を参照する場合も、メッセージの送信方法(宛先が一人のみ又は宛先が複数)に応じて適切な態様で閲覧履歴を参照したい場合がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、メッセージの送信方法に応じて閲覧履歴の表示方法を変更できる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、第一のユーザーが操作する端末装置と通信する情報処理装置であって、前記端末装置からの要求に応じて第二のユーザーが電子データを閲覧するためのメッセージを前記第二のユーザーに送信するメッセージ送信部と、前記端末装置から送信された前記メッセージの送信方法を前記電子データと対応付けて記録する送信履歴管理部と、前記第二のユーザーによる前記電子データの閲覧履歴を記録する閲覧情報更新部と、前記端末装置からの要求に応じて、前記送信方法に対応した前記電子データの閲覧履歴画面を生成する画面生成部と、前記画面生成部が生成した前記閲覧履歴画面の画面情報を前記端末装置に送信する通信部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
メッセージの送信方法に応じて閲覧履歴の表示方法を変更できる情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】閲覧履歴の表示例を説明する図である。
図2】情報処理システムの動作を概略的に説明する図である。
図3】情報処理システムのシステム構成例を示した図である。
図4】コンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図5】サーバー側資料共有アプリ、チャット/ビデオ会議システム、主催者端末、及び、参加者端末の機能構成例を示す図である。
図6】ファイル記憶部に記憶されているファイル情報の一例を示す図である。
図7】送信先記憶部に記憶されている送信先情報の一例を示す図である。
図8】送信履歴記憶部に記憶されている送信履歴情報の一例を示す図である。
図9】閲覧履歴記憶部に記憶されている閲覧履歴情報の一例を示す図である。
図10】転送情報記憶部に記憶される転送情報の一例を示す図である。
図11】転送先情報記憶部に記憶されている転送先情報の一例を示す図である。
図12】資料共有サーバーの機能を説明する機能ブロック図の一例である。
図13】共有電子データ記憶部に記憶されている共有電子データに関する情報の一例を示す図である。
図14】会議の開催と電子データの共有の処理を説明するシーケンス図の一例である。
図15】主催者端末が表示する会議中画面の一例を示す図である。
図16】主催者端末が表示する資料共有ポップアップ画面の一例を示す図である。
図17】送信ボタンの押下後に、主催者端末が表示する会議中画面の一例を示す図である。
図18】参加者がファイル名を押下した場合に参加者端末が表示するメールアドレス入力画面の一例を示す図である。
図19】メールアドレスによる認証が成功した場合に表示される電子データ表示画面の一例を示す図である。
図20】主催者端末が表示する電子データ送信画面の一例を示す図である。
図21】送信方法設定ボタンがオフ状態に設定された場合に表示されるCC欄とBCC欄を示す図の一例である。
図22】主催者端末が表示する送信先選択画面の一例を示す図である。
図23】テレビ会議の終了後に主催者が参加者と電子データを共有し、参加者が電子データを閲覧する処理を説明するシーケンス図の一例である。
図24】主催者端末が表示する個人用閲覧履歴画面の一例を示す図である。
図25】主催者端末が表示する企業用閲覧履歴画面の一例を示す図である。
図26】主催者が主催者端末に送信履歴画面を表示する処理を説明するシーケンス図の一例である。
図27】詳細ボタンの押下により主催者端末が表示する閲覧履歴詳細画面の一例を示す図である。
図28】主催者端末が閲覧履歴詳細画面を表示する処理を説明するシーケンス図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、情報処理装置と情報処理装置が行う閲覧履歴表示方法について図面を参照しながら説明する。
【0010】
<閲覧履歴の表示例>
新商品やサービスを紹介したオンラインセミナーの後に、主催者(第一のユーザーの一例)が参加者(第二のユーザーの一例)に対して説明資料やカタログ等の追加資料(以下、電子データという)を電子メール(以下、単にメールという)やSNS(Social Networking Service)等で参加者に提供することで、成約率が向上する。特に、電子データを閲覧した参加者の場合、有望度が高い。
【0011】
そこで、電子データに対する閲覧履歴を見込み客毎に記録することにより、各見込み客の関心度を把握することが行われている。主催者は閲覧履歴を利用して、各見込み客の有望度に対応した営業活動を行うことができる。
【0012】
ここで、電子データの送信の際、宛先に設定したメールアドレスが他の参加者にわからないように、主催者は1つの宛先のみを設定する。この場合、閲覧履歴も一人の参加者(個人)ごとに管理される。
【0013】
一方、主催者が、個別の参加者単位ではなく、参加者が所属する企業単位で営業活動する場合、参加者の関係者を含めて宛先に設定する。例えば、メールの送信画面が有するCCやBCCが使用される。参加者に無関係(社外の)なメンバーが宛先に含まれることがないため、メールアドレスの漏洩にならない。
【0014】
しかし、この場合、個人毎に閲覧履歴を管理する従来の方法では、企業単位の閲覧状況を主催者が簡単には把握できない。例えば、主催者が宛先に企業Aの顧客を10名(ユーザー001~ユーザー010)設定してメールを送信した場合、企業Aの閲覧状況を確認するにはユーザー001~ユーザー010の閲覧状況を個別に確認する必要がある。営業活動は一人の営業担当者が何社も担当することが考えられるため、大量の閲覧履歴から対象のユーザーの閲覧状況を取得するには手間と時間がかかる。
【0015】
そこで、本実施形態では、後述するサーバー側資料共有アプリが参加者(見込み客)に対して連絡する送信方法を管理しておく。送信方法とは、例えば宛先が一人のみか、CC又はBCCを利用したことにより宛先が複数かをいう。これにより、宛先が一人のみの場合、主催者は、個人単位で閲覧履歴を確認でき、宛先が複数の場合、企業などの組織単位(詳細にはメール単位)で閲覧履歴をまとめて確認できる。
【0016】
図1は、閲覧履歴の表示例を説明する図である。図1(a)は宛先が一人のみの場合の宛先欄282を示し、図1(b)は宛先が複数の場合の一例として、宛先欄282、CC欄285,BCC欄286を示す。
【0017】
図1(c)は宛先が一人のみの場合の閲覧履歴の表示例を示す。図1(c)では、参加者別に閲覧の有無などが表示される。これにより、営業担当者は個人別の閲覧状況を簡単に把握することができ、営業を行うべき参加者を絞りやすくなる。
【0018】
図1(d)は宛先が複数の場合の閲覧履歴を示す。図1(d)では、共有したファイル名、送信時のメールの件名、宛先の人数、ファイルを閲覧した人数、閲覧率が表示されている。これにより、営業担当者は1回のメールで複数の宛先に送信した電子データの閲覧状況を簡単に把握することができるようになるため、次の営業活動をスムーズに行うことができる。
【0019】
このように、本実施形態では、電子データの送信方法が管理されるため、電子データの閲覧履歴を送信方法に応じた態様で表示できる。送信方法に応じて閲覧状況の好ましい把握方法が異なっても、営業担当者が閲覧状況を把握しやすい。
【0020】
<用語について>
遠隔コミュニケーションとは、物理的に離れた拠点にいる相手と、ソフトウェアや端末装置を活用することによって音声や映像を通じたコミュニケーションを取ることをいう。遠隔コミュニケーションの一例に会議があり、会議は、会合、ミーティング、打ち合わせ、集会、寄り合い、集まり、セミナーは、講習会、勉強会、ゼミ、研修会等と呼ばれてもよい。
【0021】
拠点とは、活動のよりどころとする場所をいう。拠点の例として会議室がある。会議室は、主に会議に使用することを目的に設置された部屋のことである。
【0022】
共有とは、一方のユーザーが得た情報を、他方のユーザーが少なくとも閲覧できる状態にすることをいう。情報のオリジナルを閲覧することまでは必要ない。本実施形態では、電子データが資料共有サーバー80に送信されることで共有が可能になる。参加者又は関係者が実際に閲覧したかどうかまでは問わない。
【0023】
電子データは、パソコン等の電子計算機の処理に使われるデータであり、電磁的記録媒体に保存される「電磁的記録」である。電子データは、電子ファイルといってもよい。本実施形態では、資料を電子データという。資料は、チャット/ビデオ会議システム、その後のコミュニケーションにおいてユーザーにより閲覧されるデータである。
【0024】
閲覧履歴とは、参加者又は関係者が電子データを閲覧したか否か、閲覧した場合は成約に見込みがある閲覧の仕方であったかの指標とする情報である。閲覧履歴は、例えば、どの資料を何回、閲覧したか、資料のどのページを何回又はどのくらいの時間閲覧したかを含んでよい。
【0025】
送信方法とは、例えば宛先が一人のみか、宛先が複数かをいう。送信方法は、1回の送信操作(メールであれば1つのメール)で1つの宛先にだけ電子データが送信されるか、複数の宛先に電子データが送信されるかをいう。
【0026】
メッセージとは、言語その他の記号により伝達される情報である。本実施形態では、メッセージはメールやSNSにより伝達される。
【0027】
<情報処理システムの動作の概略>
図2は、情報処理システム100の動作を概略的に説明する図である。図2では、営業担当者を主催者、顧客を参加者と置き換えて説明する。主催者はオンラインセミナーなどのWebマーケティングを顧客に対し行っており、資料となる電子データを顧客に送信できる。
【0028】
主催者の端末装置(以下、主催者端末11という)と参加者の端末装置(以下、参加者端末12a、12bといい、区別しない場合、参加者端末12という)はチャット/ビデオ会議システム50を使って、遠隔コミュニケーションを行っている。
【0029】
チャット/ビデオ会議システム50は、ビデオ会議、チャット、及び、電子データの共有等を行うことができる。チャット/ビデオ会議システム50は、遠隔コミュニケーションシステムの開催中、チャット/ビデオ会議システム50の機能で参加者全員に電子データ(又はリンク先)を送信できる。
【0030】
また、主催者端末11では端末側資料共有アプリ10が動作している。端末側資料共有アプリ10は、後述するチャット/ビデオ会議システムクライアントアプリ16に対しアドインプログラムとして動作し、主催者は端末側資料共有アプリ10をチャット/ビデオ会議システムクライアントアプリ16から起動することができる。
【0031】
また、チャット/ビデオ会議システム50では、サーバー側資料共有アプリ70(プログラムの一例)が動作する。チャット/ビデオ会議システム50と、サーバー側資料共有アプリ70(サーバー側資料共有アプリ70が実現する資料共有システム)とは独立したシステムである。独立とは、提供する企業や開発プロセスが異なることをいう。
【0032】
サーバー側資料共有アプリ70はチャット/ビデオ会議システム50と連携し、会議の参加者のメールアドレス等を取得できる。端末側資料共有アプリ10とサーバー側資料共有アプリ70を区別しない場合、単に資料共有アプリという場合がある。
【0033】
サーバー側資料共有アプリ70は、メール等で電子データを参加者と共有することができる。サーバー側資料共有アプリ70は、電子データの送信履歴を管理している。電子データはリンク形式で共有され、サーバー側資料共有アプリ70が参加者に送信するメールにリンクが添付される。参加者はメールに添付されたリンクをクリックすることで、参加者端末12のWebブラウザが電子データを表示することができる。
【0034】
参加者は、サーバー側資料共有アプリ70を使用して、電子データを関係者に転送できる。関係者は、参加者と同じ社内の同僚や上司など電子データに興味がありそうな参加者の関係者である。参加者が電子データを関係者に転送することは、参加者が電子データに興味がある行動の1つである。サーバー側資料共有アプリ70は、参加者からの要求に応じて、メール等で電子データを関係者と共有する。共有の方法は主催者が参加者と共有する場合と同様でよい。関係者は、関係者の端末装置(以下、関係者端末13という)を使用して電子データを閲覧する。
【0035】
サーバー側資料共有アプリ70が送信した電子データを受信者である参加者や関係者が閲覧すると、サーバー側資料共有アプリ70が閲覧履歴情報を記録する。主催者は、いつ誰が電子データを閲覧したのかを確認することができる。なお、主催者であっても、端末側資料共有アプリ10では電子データのダウンロードはできない。
【0036】
また、主催者が意識する必要はないが、実際のメール送信はメールシステム8により行われている。
【0037】
<システム構成例>
図3は、情報処理システム100のシステム構成例を示した図である。情報処理システム100では、チャット/ビデオ会議システム50を介して、通信ネットワークNに接続している主催者端末11と1つ以上の参加者端末12とが通信する。関係者端末13はチャット/ビデオ会議システム50と通信しないでよいが、通信することも可能である。通信ネットワークNには資料受信側メールシステム90と資料共有サーバー80が接続されている。
【0038】
通信ネットワークNは、例えば、主催者端末11、参加者端末12が存在する施設内のLANを有し、更にプロバイダネットワーク等で構築されるインターネットを有していてよい。通信ネットワークNが電話回線網を含む場合もある。
【0039】
チャット/ビデオ会議システム50は一台以上の情報処理装置である。チャット/ビデオ会議システム50ではサーバー側資料共有アプリ70が動作する。サーバー側資料共有アプリ70は、チャット/ビデオ会議システム50とは別に、主催者が用意する電子データを参加者にメール等で送信する。また、サーバー側資料共有アプリ70は、参加者への電子データの送信履歴や、参加者による電子データの閲覧履歴情報を管理する。サーバー側資料共有アプリ70は、これらを主催者に提供する情報提供サービスを提供する。
【0040】
資料共有サーバー80は、主に、電子データの共有のために使用される一台以上の情報処理装置である。また、本実施形態では、サーバー側資料共有アプリ70がメールを使用して資料である電子データを共有するため、資料共有サーバー80はメールシステム8を有している。サーバー側資料共有アプリ70と資料共有サーバー80は機能的には一体とみなしてよい。サーバー側資料共有アプリ70がチャット/ビデオ会議システム50に存在するのは、主催者等はチャット/ビデオ会議システム50の中でサーバー側資料共有アプリ70を使用するためである。サーバー側資料共有アプリ70に対する操作をサーバー側資料共有アプリ70がチャット/ビデオ会議システム50から取得する場合がある。サーバー側資料共有アプリ70が動作する装置は情報処理装置であればよい。
【0041】
また、参加者はメールを受信する際、参加者端末12を資料受信側メールシステム90に接続させる。資料受信側メールシステム90は、主催者から見て顧客側のいわゆるメール受信サーバーでよい。
【0042】
チャット/ビデオ会議システム50は、複数の拠点間でユーザー同士の遠隔コミュニケーションを実施する。チャット/ビデオ会議システム50は、拠点にある主催者端末11と参加者端末12の間でいわゆるオンラインセミナーやテレビ会議のための遠隔コミュニケーションサービスを提供する。オンラインセミナーでは参加者の発言が制限される場合があるが、オンラインセミナー及び遠隔コミュニケーションの仕組みはほぼ同じでよい。チャット/ビデオ会議システム50は、通信ネットワークNを介して、遠隔地の拠点との間で映像や音声を送受信する。主催者がいる拠点において、主催者端末11が画像の撮像及び発言などの音声の収集を行い、これらをデジタル信号に変換してチャット/ビデオ会議システム50に送信する。チャット/ビデオ会議システム50は、同一のセッションで通信している参加者端末12に画像や発言のデジタル信号を送信する。参加者端末12はディスプレイへの画像表示及びスピーカからの音声出力を行う。参加者端末12からも同様のデジタル信号の送信が行われるので、主催者と参加者が双方向にコミュニケーションすることができる。なお、主催者は参加者端末12からの発言を制限したり、任意の参加者端末12にのみ発言を許可したりすることも可能である。
【0043】
遠隔コミュニケーションサービスの開始前、主催者は、チャット/ビデオ会議システム50が発行したオンラインセミナーへの招待状を電子メール等で参加者に送信しておく。電子メールにはセッションへのリンクが記載されているので、主催者端末11と参加者端末12が同一のセッションに参加できる。
【0044】
なお、図3では、資料共有サービス、及び、遠隔コミュニケーションサービスの機能に対応して、別体の資料共有サーバー80とチャット/ビデオ会議システム50とが用意されているが、資料共有サービス、遠隔コミュニケーションサービスは一台の情報処理装置で提供されてもよい。
【0045】
また、資料共有サーバー80又はチャット/ビデオ会議システム50の1つ以上はその機能を複数の情報処理装置に分散して配置されてもよい。
【0046】
資料共有サーバー80及びチャット/ビデオ会議システム50は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよいし、単一の情報処理装置によって実現されてもよい。クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される形態をいう。チャット/ビデオ会議システム50は、インターネット上に存在しても、オンプレミスに存在してもよい。
【0047】
図3では、主催者端末11、参加者端末12、及び関係者端末13はPC(Personal Computer)8、又は、スマートデバイス9である。スマートデバイス9とは、明確な定義はないが、PCやサーバーなどの既存のコンピュータを含まないスマートフォンやタブレット端末等をいう。PC8及びスマートデバイス9のいずれも、Webブラウザ15又はチャット/ビデオ会議システムクライアントアプリ16の両方で、チャット/ビデオ会議システム50に接続できる。チャット/ビデオ会議システムクライアントアプリ16にはアドインプログラムとして端末側資料共有アプリ10がインストールされる。端末側資料共有アプリ10はサーバー側資料共有アプリ70と通信して、電子データを共有する。
【0048】
PC8又はスマートデバイス9でWebブラウザ15が実行される場合、PC8又はスマートデバイス9は、チャット/ビデオ会議システム50が提供するWebアプリを実行する。このWebアプリには、サーバー側資料共有アプリ70の機能が含まれる。したがって、主催者端末11又は参加者端末12は、Webアプリによりチャット/ビデオ会議を行い、更に、サーバー側資料共有アプリ70により電子データを共有する。
【0049】
主催者端末11、参加者端末12又は関係者端末13は、PC8又はスマートデバイス9に限られず、Webブラウザ15やチャット/ビデオ会議システムクライアントアプリ16、端末側資料共有アプリ10が動作する端末装置であればよい。主催者端末11、参加者端末12、又は関係者端末13は、それぞれ通信機能を備え、通信ネットワークNに接続することができる機器であればいかなる機器であってもよい。主催者端末11、参加者端末12、又は関係者端末13は、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC、MFP(Multi-Function Peripheral)、PJ(Projector:プロジェクタ)、電子黒板(電子式の黒板機能を有する白板)等であってよい。また、主催者端末11、参加者端末12及び関係者端末13は、それぞれ複数、存在してよい。
【0050】
主催者端末11は主催者が操作する端末装置であり、参加者端末12は参加者が操作する端末装置である。関係者端末13は関係者が操作する端末装置である。主催者とは、例えば企業間コミュニケーションやオンラインセミナーを開催する者であり、本実施形態では、電子データを配信する者である。主催者は営業担当者でもよいし、主催者と営業担当者とが異なっていてもよい。電子データはWebサイト上で提供され、電子データには主催者が扱う商品やサービス等の説明が記載されている。電子データの配信や転送は主に電子メールやチャットで行われる。電子メールやチャットに電子データへのリンクが記載されているものとする。ただし、電子データ又はチャット自体が電子メールに添付されてもよい。
【0051】
参加者は、例えばオンラインセミナーに招待されたオンラインセミナーの参加者である。参加者はオンラインセミナーに事前に参加を申し込んでいる。参加者は、主催者からは、商品等の購入を期待される見込み顧客(以下単に顧客という)の社員である。本実施形態の参加者は企業などの組織に所属する社員が想定されている。社員とは、組織と雇用関係があればよく、正規社員、パートやアルバイト、派遣社員、契約社員等を含んでよい。関係者は、オンラインセミナーには参加していないが、電子データの共有先となる例えば参加者の知り合いである。参加者と関係者は勤務先が同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0052】
本実施形態ではオンラインセミナーを例に説明するが、オンラインセミナーはあくまで一形態であって、オンライン商談を含むオンラインミーティングにも適用可能である。
【0053】
<ハードウェア構成例>
図3のチャット/ビデオ会議システム50、資料共有サーバー80、主催者端末11、及び、参加者端末12は例えば図4に示すハードウェア構成のコンピュータにより実現される。図4はコンピュータの一例のハードウェア構成図である。コンピュータ500は、図4に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDDコントローラ505(Hard Disk Drive)、ディスプレイ506、外部機器接続I/F508(Interface)、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、光学ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0054】
これらのうち、CPU501は、コンピュータ全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図4に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0055】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。光学ドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としての光記憶媒体513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。光学ドライブ514はCD、DVD、Blu-Ray(登録商標)等である。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0056】
<機能ブロック図>
続いて、図5を参照して、サーバー側資料共有アプリ70等の機能について説明する。図5は、サーバー側資料共有アプリ70、チャット/ビデオ会議システム50、主催者端末11、参加者端末12、及び関係者端末13の機能構成例を示す図である。
【0057】
<<サーバー側資料共有アプリ>>
サーバー側資料共有アプリ70は、通信部71、画面生成部72、送信先情報管理部73、閲覧情報更新部74、送信履歴管理部75、メッセージ送信部76、共有要求部77、連携部78、電子データ保存部79、転送情報作成部83、転送先情報作成部84、及び転送部85、を有する。これら各機能部は、チャット/ビデオ会議システム50にインストールされたサーバー側資料共有アプリ70に含まれる命令を図4に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。
【0058】
また、記憶部7000は、図4に示したHD504、RAM503等により実現され、ファイル記憶部7001、送信先記憶部7002、送信履歴記憶部7003、閲覧履歴記憶部7004、転送情報記憶部7006、及び、転送先情報記憶部7007を有している。
【0059】
なお、サーバー側資料共有アプリ70と資料共有サーバー80は機能的には一体とみなしてよいので、図5に示すサーバー側資料共有アプリ70の機能の一部又は全部を資料共有サーバー80が有していてもよい。
【0060】
通信部71は、主催者端末11や参加者端末12と電子データの共有に関する各種の情報を送受信する。
【0061】
画面生成部72は、主催者端末11及び参加者端末12が表示する画面を生成する。主催者端末11又は参加者端末12がWebアプリを実行する場合は、画面情報は、HTML、XML、CSS(Cascade Style Sheet)、及びJavaScript(登録商標)等により作成される。主催者端末11又は参加者端末12が端末側資料共有アプリ10を実行する場合は、画面情報は主催者端末11又は参加者端末12が保持しており、表示される情報がXML等で送信される。
【0062】
送信先情報管理部73は、電子データの共有等に使用されるメール等、送信先のユーザー(例えば参加者)に関する情報(送信先情報)を送信先記憶部7002において管理する。送信先情報は、主催者が設定できるほか、チャット/ビデオ会議システム50から取得できる。
【0063】
閲覧情報更新部74は、チャット/ビデオ会議システム50又はサーバー側資料共有アプリ70が共有した電子データを参加者又は転送先の関係者が閲覧した場合に、資料共有サーバー80から通知を受け、閲覧履歴記憶部7004の閲覧履歴情報を更新する。
【0064】
送信履歴管理部75は、送信履歴記憶部7003に、チャット/ビデオ会議システム50又はサーバー側資料共有アプリ70により共有された電子データの送信履歴を保存する。
【0065】
メッセージ送信部76は、主催者が選択した送信先に、共有対象の資料(電子データ)のURLをメールに設定して、資料共有サーバー80(メールシステム)に送信する。メッセージ送信部76は、主催者の操作に応じて、1つの宛先のみ又は複数の宛先の設定を受け付けることができる。メッセージ送信部76は、チャットシステムを介してメッセージを送信してもよい。
【0066】
共有要求部77は、チャット/ビデオ会議システム50による会議中に電子データの共有をチャット/ビデオ会議システム50に対し要求する。チャット/ビデオ会議システム50との通信は連携部78を介して行われる。
【0067】
連携部78は、チャット/ビデオ会議システム50と連携する。連携部78は、例えばチャット/ビデオ会議システム50のAPI(Application Interface)やHTTP通信を使用して各種の情報を送受信する。
【0068】
電子データ保存部79は、チャット/ビデオ会議システム50又はサーバー側資料共有アプリ70により共有された電子データを資料共有サーバー80に保存し、URLを発行する。メッセージ送信部76が送信するメールには、このURLが記載される。
【0069】
転送情報作成部83は、参加者端末12から電子データの転送が要求された場合、参加者端末12から転送内容を取得し、転送内容に基づいて後述する転送情報を作成する(図10参照)。
【0070】
転送先情報作成部84は、転送情報に基づいて、後述する転送先情報を作成する(図11参照)。
【0071】
転送部85は、参加者端末12から転送内容を受信することで電子データの転送が要求された場合、電子データを閲覧できるリンクを有する電子メールを関係者に送信する。転送部85は、電子メールによる送信の他、共有フォルダやSNS(Social Network System)、社内ネットワークなどを使用して資料のリンク先を送信してもよい。
【0072】
<<チャット/ビデオ会議システム>>
チャット/ビデオ会議システム50はチャット/ビデオ会議処理部51と参加者管理部52を有している。なお、図5では、チャット/ビデオ会議システム50に一般的な呼制御等の機能は省略した。
【0073】
チャット/ビデオ会議処理部51は、主催者端末11と参加者端末12の間でチャット/ビデオ会議を行う。つまり、チャット/ビデオ会議処理部51は、主催者端末11から送信された映像、音声、チャットデータを参加者端末12に送信し、参加者端末12から送信された映像、音声、チャットデータを主催者端末11に送信する。
【0074】
参加者管理部52は、会議に対する全参加者(主催者を含む)を管理している。参加者管理部52は、各参加者の、例えばメールアドレス、企業名、部署、氏名等を管理しており、サーバー側資料共有アプリ70に提供する。
【0075】
<<ファイル情報>>
続いて、記憶部7000について説明する。
【0076】
図6は、ファイル記憶部7001に記憶されているファイル情報の一例である。ファイル記憶部7001には、主催者と参加者の間で共有される電子データに関する情報が記憶されている。主催者は共有用のファイルをサーバー側資料共有アプリ70に登録することができる。
【0077】
・ファイル名の項目は、コンピュータのファイルシステム中に保存されたファイルを特定するためにつける名前が設定される。
【0078】
・ファイルIDの項目は、ファイルを識別するための識別情報が設定される。サーバー側資料共有アプリ70がファイルの登録時に採番するファイルIDを採番する。
【0079】
・送信日時の項目は、ファイルがサーバー側資料共有アプリ70に登録された日時が設定される。
【0080】
・各ページのポイントの項目は、ファイルが有するページに有望度を算出するためのポイントが対応付けられた情報が設定される。
【0081】
<<送信先情報>>
図7は、送信先記憶部7002に記憶されている送信先情報の一例である。送信先情報は、メールによる送信先のリストである。送信先情報により、チャット/ビデオ会議の終了後に、主催者がメールで電子データを参加者と共有できる。
【0082】
・IDの項目は、メールの送信先となる参加者に個別に設定される一意の識別情報が設定される。
【0083】
・メールアドレスの項目は、参加者のメールアドレスが設定される。送信先情報はメールアドレスに限らず、URL等を含む電子データにアクセスするための情報をユーザーに送信する際に、ユーザーに関連付けられた送信先を特定できる情報であればよい。
【0084】
・お客様名の項目は、例えば参加者の氏名が設定される。
【0085】
・お客様会社名の項目は、例えば参加者が所属する企業や自治体の名称が設定される。
【0086】
・お客様部署名の項目は、例えば参加者が所属する部署名が設定される。
【0087】
・追加情報の項目は、チャット/ビデオ会議システム50での利用者情報を追加で保存しておく項目である。チャット/ビデオ会議システム50におけるID、住所、電話番号などを資料共有アプリで表示する場合に、追加登録を不要とするため、追加情報は、各種の情報を保持する。サーバー側資料共有アプリ70は、追加情報を直接、利用できない。
【0088】
<<送信履歴情報>>
図8は、送信履歴記憶部7003に記憶されている送信履歴情報の一例である。送信履歴情報は、チャット/ビデオ会議システム50又はサーバー側資料共有アプリ70により共有された電子データの送信履歴である。送信履歴情報には、チャット/ビデオ会議中か否かに関係なく履歴が追加される。送信履歴は、メールに複数の電子データが添付されても、1つの電子データごとに1レコードが登録される。
【0089】
・送信者IDの項目は、電子データを送信した主催者の識別情報が設定される。
【0090】
・送信メールIDの項目は、メールの送信処理の識別情報が設定される。1つのメールに複数の電子データが添付されていた場合、異なる電子データに同じ送信メールIDが付与される。例えば、図8の1番目のレコード(1行分)と2番目のレコードは1つのメールに複数の電子データが添付されており、3番目のレコードと4番目のレコードは1つのメールに1つの電子データのみが添付されていた。
【0091】
・送信ファイルIDの項目は、電子データに設定された一意の識別情報が設定される。
【0092】
・送信ファイル名の項目は、送信された電子データのファイル名が設定される。
【0093】
・宛先人数の項目は、主催者が電子データを送信した宛先の数である。宛先人数の項目に、送信先である参加者のメールアドレスや氏名が紐付いている。宛先人数が複数の場合、メール送信時に複数の宛先が設定されたことが分かり、宛先人数が一人の場合、メール送信時に宛先が1つだけ設定されたことが分かる(後述する「送信方法設定ボタン287」の状態が分かる)。例えば、図8の1番目と2番目のレコードは1回のメールで複数の宛先が設定されており、3番目のレコードは1回のメールで1つの宛先のみが設定されている。
【0094】
・閲覧人数の項目は、電子データが送信された宛先のうち電子データを閲覧した人数である。閲覧人数の項目には、閲覧した参加者のメールアドレスや氏名が紐付いている。
【0095】
・メール件名の項目は、電子データの共有時に設定されたメールの件名である。チャット/ビデオ会議システム50が電子データを送信した場合は、メール件名が存在しないため(メールでは送信されない)、開催時の会議名が記録される。
【0096】
・メール本文の項目は、電子データの共有時に設定されたメールの本文である。チャット/ビデオ会議システム50が電子データを送信した場合は、メール本文が存在しないため、送信元のシステム名が記録される。
【0097】
・送信方法の項目は、「送信方法設定ボタン287」の状態である。「複」は送信方法設定ボタン287がオフで、「単」は送信方法設定ボタン287がオンでメールが送信されたことを示す。
【0098】
<<閲覧履歴情報>>
図9は、閲覧履歴記憶部7004に記憶されている閲覧履歴情報の一例である。閲覧履歴情報は、チャット/ビデオ会議システム50又はサーバー側資料共有アプリ70により共有された電子データの、参加者又は関係者による閲覧履歴である。
【0099】
・送信メールIDの項目は、閲覧された電子データが送信された際のメールを識別する識別情報が設定される。送信メールIDは、電子データの保存先を示すURLに含まれる。図9では、「050yyy…」の送信メールIDが対応付けられた6つのレコードがあり、1回のメールで2つの電子データが3人の宛先に送信されている。3人の参加者がそれぞれ各電子データを閲覧した回数が分かる。また、図9では、「060yyy…」の送信メールIDが対応付けられた1つのレコードがあり、1回のメールで1つの電子データが1人の宛先に送信されている。1人の参加者が電子データを閲覧した回数が分かる。「070yyy…」の送信メールIDのレコードについても同様である。
【0100】
・送信ファイルIDの項目は、参加者に共有された電子データの識別情報が設定される。
【0101】
・送信先の項目は、電子データが送信された参加者又は関係者のメールアドレスが設定される。
【0102】
・閲覧回数の項目は、参加者又は関係者が電子データを閲覧した回数の累計が、送信ファイルIDと送信先の組ごとに設定される。閲覧回数は例えば、最後の閲覧から一定時間の経過後に、参加者が再度、閲覧した場合に1つ増大する。
【0103】
・閲覧日時の項目は、参加者又は関係者が電子データを閲覧した日時である。日時は、最後の者でもよいし、全ての閲覧のリストでもよい。
【0104】
<<転送情報>>
図10は、転送情報記憶部7006に記憶される転送情報の一例である。転送情報は、参加者が資料を関係者に転送した際の転送内容に基づいて生成される情報である。以下、転送情報の各項目を説明する。
【0105】
・セミナー参加者のユーザーIDは、オンラインセミナーに参加した参加者の識別情報である。サーバー側資料共有アプリ70が重複しないように採番する。
【0106】
・セミナー参加者のメールアドレスは、オンラインセミナーに参加した参加者のメールアドレスである。参加者のメールアドレスはセミナーの申込時に登録されている。
【0107】
・関係者のメールアドレスは、参加者が転送画面で入力した資料の転送先である関係者のメールアドレスである。
【0108】
・日時は、関係者端末13から資料の転送要求をサーバー側資料共有アプリ70が受信した日時である。
【0109】
・転送時のメール情報は、参加者が転送画面で入力し、転送部85が関係者宛の電子メールに転載した電子メールの件名や本文である。
【0110】
・同一企業転送先数は、参加者のメールアドレスとドメインが一致する、関係者のメールアドレスの数である。図10の例では参加者と関係者のメールアドレスの「exapmle.com」というドメインが一致するので1となる。
【0111】
・他企業転送先数は、参加者のメールアドレスとドメインが一致しない、関係者のメールアドレスの数である。図10の例では、他企業転送先数は0となる。
【0112】
<<転送先情報>>
図11は、転送先情報記憶部7007に記憶されている転送先情報の一例である。転送先情報は、資料を転送した参加者と転送先の関係者に関する情報である。以下、転送先情報の各項目を説明する。
【0113】
・セミナー参加者のユーザーIDとセミナー参加者のメールアドレスは、図10と同様でよい。
【0114】
・関係者のメールアドレスは、資料が転送された関係者のメールアドレスである。関係者のメールアドレスは、転送情報から転記される。
【0115】
・同一ドメインチェックは、参加者のメールアドレスと関係者のメールアドレスのドメインが一致する場合にTrue,一致しない場合にFalseとなる。
【0116】
・ファイルIDは、参加者が資料のリンク先を関係者に転送した場合に、該資料のファイルIDである。
【0117】
<<主催者端末、参加者端末>>
図5に戻って説明する。主催者端末11、参加者端末12は、それぞれ、通信部21a、21bと、表示制御部22a、22bと、操作受付部23a、23bと、チャット/ビデオ会議処理部24a、24bを有する。これら各機能部は、主催者端末11、参加者端末12にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を図4に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。なお、このプログラムはWebブラウザ15でもよいし、専用のアプリケーションでもよい。例えば、主催者端末11又は参加者端末12でWebブラウザ15が使用される場合、プログラムはWebブラウザ15であり、サーバー側資料共有アプリ70をWebブラウザ15が実行する。主催者端末11又は参加者端末12でチャット/ビデオ会議システムクライアントアプリ16が使用される場合、プログラムはチャット/ビデオ会議システムクライアントアプリ16及び端末側資料共有アプリ10である。
【0118】
通信部21a、21bは、サーバー側資料共有アプリ70との間で各種の情報を送受信する。本実施形態では、通信部21a、21bは、各種の画面情報等をサーバー側資料共有アプリ70から受信し、主催者、参加者の入力内容をサーバー側資料共有アプリ70に送信する。
【0119】
表示制御部22a、22bは、各種の画面の画面情報を解釈してディスプレイ506に表示する。操作受付部23a、23bは、ディスプレイ506に表示された各種画面における主催者、及び参加者の各種操作を受け付ける。
【0120】
チャット/ビデオ会議処理部24a、24bは、チャット/ビデオ会議システム50との間で映像や音声を送受信する。チャット/ビデオ会議処理部24a、24bは、チャット/ビデオ会議システム50から受信した映像をディスプレイ506に表示したり、音声をスピーカからしたり出力する。また、チャット/ビデオ会議処理部24a、24bは、カメラが撮像する映像やマイクが集音する音声をチャット/ビデオ会議システム50に送信する。同様に、チャット/ビデオ会議処理部24a、24bはチャットデータを送受信する。
【0121】
<<関係者端末>>
関係者端末13は、通信部21cと、表示制御部22cと、操作受付部23cと、を有する。これら各機能部は、主催者端末11、参加者端末12と同様でよい。ただし、関係者端末13は、URLが記載されたメールを受信し、資料共有サーバー80と通信するので、サーバー側資料共有アプリ70と直接通信しなくてよい(通信することもできる)。
【0122】
<<資料共有サーバー>>
図12は、資料共有サーバー80の機能を説明する機能ブロック図である。資料共有サーバー80は、通信部91、閲覧状況監視部92、及び、認証部93を有している。資料共有サーバー80が有する各機能部は、資料共有サーバー80にインストールされたプログラムに含まれる命令を図4に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。
【0123】
また、記憶部8000は、図4に示したHD504、RAM503等により実現され、記憶部8000は共有電子データ記憶部8001を有している。
【0124】
通信部91は、主催者と参加者で共有される電子データを受信し、共有電子データ記憶部8001に保存する。また、通信部91は、参加者端末12又は関係者端末13からURLにより特定される電子データの閲覧要求に応じて、電子データの各ページの画面を参加者端末12又は関係者端末13に送信する。
【0125】
認証部93は、共有電子データ記憶部8001に記憶されている電子データの共有先(参加者)又は転送先(関係者)のメールアドレスが、閲覧要求に含まれるメールアドレスと一致する場合に、電子データの閲覧を許可する。セミナー参加者又は関係者以外の不特定の者が電子データを閲覧できないようにするためである。認証部93はメールアドレスだけでなくパスワードとメールアドレスの整合で認証してもよい。
【0126】
閲覧状況監視部92は、参加者又は関係者による閲覧状況を監視する。閲覧状況は、閲覧履歴情報として閲覧履歴記憶部7004に保存される。
【0127】
図13は、共有電子データ記憶部8001に記憶されている共有電子データに関する情報を示す。共有電子データは、共有された電子データの、送信ファイルID、ファイル名、送信元である主催者又は参加者のメールアドレス、送信先の参加者又は関係者のメールアドレス、及び、閲覧期限の各項目を有している。図13では、主催者が2つの電子データを三人の参加者に送信したことが記録されている。主催者又は参加者のメールアドレス、転送先の参加者又は関係者のメールアドレスにより、誰が電子データを閲覧したかを認証部93が認証できる。閲覧期限は、主催者が設定した閲覧の期限である。
【0128】
<電子データの共有処理の概略>
次に、図14を参照して、情報処理システム100の全体的な処理の流れを説明する。図14は、会議の開催と電子データの共有の処理を説明するシーケンス図の一例である。図14では、前提として、X社のユーザーXAさんとY社のユーザーであるYAさん、YBさんが、チャット/ビデオ会議システム50で遠隔会議を実施する。チャット/ビデオ会議システム50はX社が契約しているものであり、YAさん、YBさんはゲストとして参加している。したがってXAさんが主催者、YAさん、YBさんが参加者である。YAさん、YBさんの情報はX社には登録されていない。
【0129】
S1:主催者が主催者端末11をチャット/ビデオ会議システム50に接続させ、会議を開催する。開催方法はどのような方法でもよいが、例えばチャット/ビデオ会議システム50が発行したURLに主催者端末11が接続する。
【0130】
S2,S3:同様に、参加者YA、YBが参加者端末12をチャット/ビデオ会議システム50に接続させ、会議に参加する。参加者端末12は、主催者からメール等で受け取った、チャット/ビデオ会議システム50が発行したURLに接続する。主催者端末11及び参加者端末12のチャット/ビデオ会議処理部24a、24bが遠隔会議を実施する。
【0131】
S4:主催者は電子データを共有するため、後述の会議中画面230で資料共有アプリ起動ボタン235を押下する。操作受付部23aが押下を受け付ける。この操作に応じて、主催者端末11でチャット/ビデオ会議システムクライアントアプリ16が実行されている場合、端末側資料共有アプリ10が起動し、サーバー側資料共有アプリ70と通信を開始する。主催者端末11でWebブラウザ15が実行されている場合、Webブラウザ15がサーバー側資料共有アプリ70と通信を開始する。
【0132】
サーバー側資料共有アプリ70の連携部78は、チャット/ビデオ会議システム50から全参加者(主催者を含む)に関する情報を取得し、画面生成部72が予め既知である主催者を除いて、後述の資料共有ポップアップ画面240を生成する。通信部71が資料共有ポップアップ画面240の画面情報を主催者端末11に送信する。主催者端末11の通信部21aが資料共有ポップアップ画面240の画面情報を受信し、表示制御部22aが表示する。主催者は、資料共有ポップアップ画面240に電子データのファイル名等、必要事項を入力する。
【0133】
主催者が送信ボタン244を押下すると、操作受付部23aが押下を受け付ける。主催者端末11の通信部21aは電子データの、送信先、閲覧期限等をサーバー側資料共有アプリ70に送信する。送信される電子データは、ファイル記憶部7001に登録されている電子データであることが好ましい。電子データのページごとにポイントが設定されているためである。ただし、ファイル記憶部7001に登録されていない電子データが転送された場合、各ページごとのポイントは有望度の算出に使用されなくてよいので、送信される電子データは、ファイル記憶部7001に登録されているものに限られない。
【0134】
S5:サーバー側資料共有アプリ70の通信部71はこれらを受信し、電子データ保存部79が電子データにファイルIDを採番し、ファイルIDと共に資料共有サーバー80に送信する。電子データ保存部79は保存先のURL(保存先情報の一例)を取得する(発行する)。なお、電子データ保存部79は、閲覧者の確認(認証)のため、参加者YA,YBのメールアドレスを資料共有サーバー80に設定する。資料共有サーバー80は参加者YA,YBのメールアドレスを共有電子データ記憶部8001に保存する。
【0135】
S6:また、共有要求部77は、連携部78を介して保存先であるURLが埋め込まれた電子データのファイル名のチャット表示をチャット/ビデオ会議システム50に要求する。
【0136】
S7~S9:これにより、チャット/ビデオ会議処理部51がファイル名等を主催者端末11と参加者端末12に送信する。主催者端末11と参加者端末12のチャット/ビデオ会議処理部24a、24bは、ファイル名等を受信し、チャット欄234にファイル名等を表示する。なお、電子データを共有したサーバー側資料共有アプリ70は送信先情報と送信履歴情報を更新する。
【0137】
S10:参加者は、参加者端末12に表示されている会議中画面230のファイル名を押下する。操作受付部23bが押下を受け付ける。
【0138】
S11:参加者端末12の通信部21bがファイル名に埋め込まれたURL(資料共有サーバー80)に接続し、電子データを要求する。
【0139】
S12:資料共有サーバー80の認証部93は参加者にメールアドレスの入力を求め、共有電子データ記憶部8001に登録済みのメールアドレスが入力されると、認証成功と判断する。通信部91は、電子データのページごとに画面情報を作成し、参加者端末12に送信する。参加者端末12の通信部21bが電子データの画面情報を受信して、表示制御部22bが表示する。閲覧状況監視部92は、閲覧状況(どのページが閲覧されたか、閲覧されたページの閲覧時間)を監視する。
【0140】
なお、資料共有サーバー80は、電子データ自体をダウンロードさせず、閲覧画面を参加者端末12のアプリケーションやWebブラウザ等のビューワーに表示させてもよいし、ファイル自体をダウンロード可能なように構成してもよい。資料共有サーバー80が、ファイル自体をダウンロード可能とする場合にはオフラインでも閲覧させることができる。
【0141】
S13:資料共有サーバー80の通信部91は、閲覧した参加者のメールアドレスと閲覧された電子データのファイルID、及び、閲覧状況を指定して閲覧通知をサーバー側資料共有アプリ70に送信する。
【0142】
S14:サーバー側資料共有アプリ70の通信部71は、閲覧した参加者のメールアドレスと閲覧された電子データのファイルID、及び、閲覧状況を受信し、閲覧情報更新部74は、閲覧履歴記憶部7004に閲覧履歴情報を追加する。
【0143】
以上で、チャット/ビデオ会議システム50による会議が終了した。終了後に、主催者が別の電子データを共有したい場合、送信先情報を使用してメールで電子データを共有できる。例えば、主催者は参加者が電子データを閲覧したことを閲覧履歴情報で認識し、追加の詳細な電子データをY社に送信しようとする。
【0144】
S15:主催者が後述の電子データ送信画面280で送信方法を選択し、後述の送信先選択画面220を主催者端末11に表示させる。主催者は、送信先リスト214からチャット/ビデオ会議中に追加された送信先を選択して、電子データをメールに添付して送信する操作を入力する。主催者端末11の通信部21aは電子データ、送信先等を指定してメールによる送信要求をサーバー側資料共有アプリ70に送信する。
【0145】
S16:サーバー側資料共有アプリ70の通信部71は送信要求を受信し、電子データ保存部79が電子データとファイルIDを資料共有サーバー80に送信し、保存先のURLを取得する。メッセージ送信部76はURLやファイル名等を本文に設定し、メールシステム(資料共有サーバー80)に送信する。
【0146】
このように、主催者は、送信先を手動で送信先選択画面220に登録せずに、電子データを送信することができる。
【0147】
なお、電子メールによる共有方法はあくまで一例であって、電子メールアドレスによる共有方法の他にもSMSを含むメッセージサービス、SNS(Twitter(登録商標)、Instagram(登録商標)、Facebook(登録商標)等)、特定のコミュニケーションサービス(Teams(登録商標)、Slack(登録商標)、LINE(登録商標))等で転送先に転送することでリンク先を共有できてもよい。このような場合に、各種サービスにおいて、予め転送元と転送先を特定する電子メールアドレスがそれぞれサービスのユーザーのアカウント情報として登録されていれば共有方法が変わったとしても同じユーザーとして判別することができる。
【0148】
<画面例>
図15は、主催者端末11が表示する会議中画面230の一例である(チャット/ビデオ会議システム50が表示)。会議中画面230は、各拠点の映像欄231~233、チャット欄234を有する。映像欄231~233には、主催者端末11や参加者端末12が送信した映像がリアルタイムに表示される。チャット欄234には、主催者又は参加者が入力したチャットデータ(テキストデータ、画像データ、音声データ等)が時系列に表示される。
【0149】
チャット欄234の下方には資料共有アプリ起動ボタン235が表示される。資料共有アプリはX社が購入したため、X社のユーザーのみ資料共有アプリ起動ボタン235を操作できる。つまり、主催者がサーバー側資料共有アプリ70を使用するライセンスを有するのに対し、参加者はライセンスを有さない。参加者は自分が持っている電子データを主催者と共有することはできない。
【0150】
主催者がサーバー側資料共有アプリ70にログインすることで主催者であることが分かるため、サーバー側資料共有アプリ70が主催者端末11のみに資料共有アプリ起動ボタン235の表示を許可する。あるいは、参加者端末12も資料共有アプリ起動ボタン235を表示できてよいが、サーバー側資料共有アプリ70が操作を受け付けない。
【0151】
チャット/ビデオ会議システム50による会議中に、主催者が共有したい電子データがある場合、資料共有アプリ起動ボタン235を押下する。これにより、資料共有ポップアップ画面240が表示される。
【0152】
図16は、主催者端末11が表示する資料共有ポップアップ画面240の一例である(資料共有アプリが表示)。資料共有ポップアップ画面240は、ファイル入力欄241、送信先欄242、閲覧期限設定欄243、及び、送信ボタン244を有する。
【0153】
・ファイル入力欄241は、主催者が主催者端末11から送信する電子データを選択し、ファイル名を表示するための欄である。
【0154】
・送信先欄242には、現在、会議に参加している主催者と参加者のうち、主催者以外が表示される。サーバー側資料共有アプリ70は、主催者のメールアドレス等が分かっているので、チャット/ビデオ会議システム50から取得した会議の全参加者のうち、主催者以外を特定する。
【0155】
・閲覧期限設定欄243は、電子データを参加者又は関係者が閲覧できる期限が設定される。
【0156】
・送信ボタン244は、サーバー側資料共有アプリ70が電子データの共有をチャット/ビデオ会議システム50に要求するためのボタンである。
【0157】
このように、チャット/ビデオ会議システム50が電子データを共有する前に、サーバー側資料共有アプリ70が起動して送信先を取得するので、送信先記憶部7002に送信先を保存できる。
【0158】
図17は、送信ボタン244の押下後に、主催者端末11が表示する会議中画面230の一例である(チャット/ビデオ会議システム50が表示)。図17では主に図15との相違点を説明する。図17では、チャット欄234に、共有された電子データのファイル名237と「資料が共有されました」というメッセージ236が表示される。ファイル名237には、電子データが保存されているURL(リンク)が埋め込まれている。このURLはサーバー側資料共有アプリ70が発行したものである。このように、電子データが共有されると、送信先情報と送信履歴情報が更新される。なお、URLはファイルパスでもよい。このURLは、資料共有アプリによって管理される電子データへアクセスするための情報の一例であって、アクセス先を特定可能な情報であればよい。
【0159】
図18は、参加者がファイル名237を押下した場合に参加者端末12が表示するメールアドレス入力画面110の一例である。メールアドレス入力画面110は、メールアドレス入力欄111を有する。参加者がメールアドレスを入力するので、資料共有サーバー80の認証部93が、電子データを閲覧した参加者のメールアドレスに基づいて参加者を認証(特定)できる。
【0160】
図19は、メールアドレスによる認証が成功した場合に表示される電子データ表示画面250を示す(資料共有アプリが表示)。電子データ表示画面250は、URLに保存された電子データを表示する。資料共有サーバー80の閲覧状況監視部92は、ページごとに閲覧の有無、閲覧時間等を監視できる。閲覧時間は、例えば、画面生成部72があるページの電子データ表示画面250を送信してから次のページの電子データ表示画面250を送信するまでの時間でよい。ページの切り替えが主催者端末11側で行われる場合は、主催者端末11が各ページの閲覧時間をページが切り替わるごとにサーバー側資料共有アプリ70に通知する。
【0161】
<電子データの送信>
次に、図20図23を参照して、テレビ会議の後にメール等で共有される電子データの送信方法について説明する。まず、図20は、主催者端末11が表示する電子データ送信画面280を示す(資料共有アプリが表示)。電子データ送信画面280は、例えば会議の終了後等に、主催者が追加で電子データを送信する場合に表示される。電子データ送信画面280の構成について説明する。
【0162】
・電子データ選択欄281は、主催者が参加者に送信するために選択した電子データのファイル名が表示される欄である。
【0163】
・送信方法設定ボタン287は、第一の送信方法と第二の送信方法を切り替えるための部品である。送信方法設定ボタン287は、宛先が一人のみか(第一の送信方法)、宛先が複数か(第二の送信方法)を主催者が設定するボタンである。「ダイレクトメールとして送信」がオン状態の場合、宛先が一人のみに設定され、「ダイレクトメールとして送信」がオフ状態の場合、宛先が複数に設定される。図20はオン状態である。
【0164】
・宛先欄282は、電子データの宛先のメールアドレスが設定される欄である。メールアドレスは次述する送信先選択画面220から選択可能である。宛先欄282に複数のメールアドレスが設定可能な場合、本実施形態の送信方法は、「宛先が複数」と扱われる。あるいは、宛先欄282には1つのメールアドレスのみしか設定できないように制限されていてよい。
【0165】
・件名欄283はメールの件名が設定される欄であり、本文欄284はメール本文が設定される欄である。
【0166】
図21は、送信方法設定ボタン287がオフ状態に設定された場合に表示されるCC欄285とBCC欄286を示す。すなわち、主催者が送信方法設定ボタン287をオフ状態に設定すると、CC欄285、BCC欄286が追加で表示される。主催者は、1通のメールの中に、CC欄285、BCC欄286に設定された複数のメールアドレスを宛先として含めることができる。受信者(ここでは参加者)にはCC欄285のメールアドレスが開示されるので、主に企業単位での営業活動に利用される。
【0167】
なお、送信方法設定ボタン287のオン、オフにより、CC欄285、BCC欄286が追加で表示されるのでなく、宛先欄282、CC欄285及びBCC欄286が常に表示されていてもよい。この場合、送信方法設定ボタン287がオン状態では、宛先欄282のみが入力可能であり、CC欄285及びBCC欄286は低輝度で表示される。送信方法設定ボタン287がオフ状態では、CC欄285及びBCC欄286が通常の輝度になり、宛先欄282、CC欄285及びBCC欄286が入力可能になる。アドレス管理ボタン288は図22の送信先選択画面220を主催者が表示させるためのボタンである。
【0168】
また、図21のようにCC欄285及びBCC欄286が表示された場合、サーバー側資料共有アプリ70が宛先欄282、CC欄285及びBCC欄286の全体について、同じドメインのメールアドレスのみ入力を許可又は受け付けてもよい。あるいは、サーバー側資料共有アプリ70は、宛先欄282、CC欄285及びBCC欄286のいずれかに異なるドメインのメールアドレスが入力された場合、エラーメッセージを表示し、主催者による確認後に、異なるドメインのメールアドレスの入力を許可又は受け付けてもよい。
【0169】
図22は、主催者端末11が表示する送信先選択画面220の一例である(資料共有アプリが表示)。送信先選択画面220は、例えば、主催者が図20又は図21の電子データ送信画面280でアドレス管理ボタン288を押下すると表示される。送信先選択画面220には、主催者が参加者のメールアドレスなどを手動で登録できる。また、送信先選択画面220には、チャット/ビデオ会議システム50による会議中に、電子データが共有された参加者(例えばYA,YB)が送信先リスト214に追加される。主催者は送信先選択画面220から電子データを送信したい宛先を選択できる。
【0170】
このように、チャット/ビデオ会議システム50により共有された電子データの送信先が送信先記憶部7002に自動で追加されるので、主催者が会議後に電子データを追加で送信する際に、メールアドレスを手動で入力する必要がない。
【0171】
図23は、テレビ会議の終了後に主催者が参加者と電子データを共有し、参加者が電子データを閲覧する処理を説明するシーケンス図である。
【0172】
S21:主催者が図20図23の画面を操作し、電子データを添付したメールをサーバー側資料共有アプリ70に送信する。
【0173】
S22:サーバー側資料共有アプリ70の通信部71が電子データを添付したメールを受信し、送信履歴管理部75が送信履歴記憶部7003に保存する情報(図8参照)をメールから抽出する。送信履歴管理部75は、宛先が一人のみか複数か(「送信方法設定ボタン287」の状態)を抽出できる。
【0174】
S23:送信履歴管理部75が送信履歴記憶部7003にメールから抽出した情報を保存する。
【0175】
S24:メッセージ送信部76がメールを関係者に送信する。すなわち、電子データ保存部79が資料共有サーバー80に電子データを保存し、URLを発行する。このURLには送信メールIDが対応付けられており、参加者端末12がURLに接続すると送信メールIDが特定される。電子データ保存部79はファイル記憶部7001に電子データを保存しておく。メッセージ送信部76は、メールシステム8を利用してURLが記載されたメールを送信するが、図23では詳細を省略した。
【0176】
S25:参加者端末12の通信部21bがメールを受信し、参加者がURLを押下する。これにより、参加者端末12の通信部21bが資料共有サーバー80に接続し、参加者が電子データを閲覧できる。なお、参加者は閲覧前に自分のメールアドレスを資料共有サーバー80に入力して認証を受ける。これにより、メールの宛先(電子データの共有先)の参加者のうち閲覧した参加者が特定される。
【0177】
S26:資料共有サーバー80の閲覧状況監視部92が関係者による閲覧状況(送信メールID、参加者のメールアドレス)をサーバー側資料共有アプリ70に送信する。
【0178】
S27:サーバー側資料共有アプリ70の通信部71は閲覧状況を受信し、閲覧情報更新部74は、閲覧履歴情報を閲覧履歴記憶部7004に保存する。
【0179】
S28:サーバー側資料共有アプリ70の通信部71は、閲覧履歴情報が更新されたので、メッセージ送信部76が、閲覧履歴情報の送信メールIDに基づいて送信元である送信者ID(主催者)を送信履歴記憶部7003で特定し、電子データが閲覧された旨と閲覧した参加者の情報をメール等で送信する。
【0180】
<閲覧履歴の表示>
次に、図24図28を参照して送信履歴情報の表示例を説明する。本実施形態では、サーバー側資料共有アプリ70が、宛先が一人のみか、宛先が複数かにより、送信履歴の表示方法を変更できる。
【0181】
<<宛先が一人のみの表示例>
図24は、主催者端末11が表示する個人用閲覧履歴画面260の一例である(資料共有アプリが表示)。個人用閲覧履歴画面260(第一の閲覧履歴画面の一例)は、主催者が「送信したファイルタブ」261を選択し、個人単位ボタン263(入力部品の一例)を押下すると表示される。個人用閲覧履歴画面260では、企業名ごとに共有された電子データが表示されている。個人用閲覧履歴画面260は、主催者が過去に、宛先を一人のみ設定して送信した電子データの一覧を表示する。図24では、お客様名が「DE」、「YA」に電子データが共有されていた。
【0182】
個人用閲覧履歴画面260には送信履歴記憶部7003に記憶されている送信履歴情報に基づいて、ファイル名267、お客様名268、メールアドレス269、件名270、送信日時271、閲覧有無272等が表示される。閲覧ありの場合、主催者は、閲覧履歴記憶部7004から取得される詳細な閲覧状況(閲覧日時、閲覧回数等)を表示可能である。
【0183】
図24では、個人用閲覧履歴画面260に宛先が一人のみのメールで送信された電子データの閲覧履歴が表示されている。しかし、個人用閲覧履歴画面260が、宛先が複数のメールで送信された電子データの閲覧履歴を個人ごとに表示してもよい。
【0184】
図25は、主催者端末11が表示する企業用閲覧履歴画面290の一例である(資料共有アプリが表示)。企業用閲覧履歴画面290(第二の閲覧履歴画面の一例)は、主催者が「送信したファイルタブ」261を選択し、送信単位ボタン262(入力部品の一例)を押下すると表示される。企業用閲覧履歴画面290は、1回のメールで同じ組織内の複数の参加者と電子データが共有された場合に表示されるので、送信日時ごとに共有された電子データが表示されている。
【0185】
ファイル名267、件名270については、図24と同様であるが、図25の企業用閲覧履歴画面290には、宛先人数、閲覧人数、閲覧率の項目が表示される。主催者は閲覧人数や閲覧率を見ることで、企業全体としてどの程度、見込みがあるかを判断しやすくなる。
【0186】
また、電子データごとに詳細ボタン294が表示されている。詳細ボタン294は、当該送信日時に送信された電子データを各個人が閲覧した回数などを表示するためのボタンである。
【0187】
図26は、主催者が主催者端末11に個人用閲覧履歴画面260又は企業用閲覧履歴画面290を表示する処理を説明するシーケンス図である。
【0188】
S31:主催者が個人単位ボタン263又は送信単位ボタン262を押下する。主催者端末11の操作受付部23aが操作を受け付ける。通信部21aが個人単位ボタン263又は送信単位ボタン262が押下された旨をサーバー側資料共有アプリ70に送信する。
【0189】
S32:サーバー側資料共有アプリ70の通信部71が個人単位ボタン263又は送信単位ボタン262が押下された旨を受信する。これにより、画面生成部72が送信履歴記憶部7003から送信履歴情報を、閲覧履歴記憶部7004から閲覧履歴を取得する。
【0190】
S33:個人単位ボタン263が押下された場合、画面生成部72は、宛先が一人の送信履歴のみを抽出する。すなわち、画面生成部72は、送信履歴情報から宛先が一人のみのレコード(例えば送信方法の項目が「単」)の送信メールIDを特定し、この送信メールIDを有するレコードを送信履歴情報から抽出する。あるいは、画面生成部72は、送信履歴記憶部7003の全てのレコードを、一人のみの宛先として送信されたかを考慮せずに単に抽出してよい。
【0191】
S34:画面生成部72は、宛先が一人の送信履歴のみを用いて、例えば同一の企業名でグループ化して、個人ごとに閲覧の有無などが分かる個人用閲覧履歴画面を生成する。
【0192】
S35:サーバー側資料共有アプリ70の通信部71は、個人用閲覧履歴画面260の画面情報を主催者端末11に送信する。主催者端末11の通信部21aが個人用閲覧履歴画面260の画面情報を受信し、表示制御部22aが個人用閲覧履歴画面260を表示する。
【0193】
S36:送信単位ボタン262が押下された場合、画面生成部72は、宛先が複数の送信履歴のみを抽出する。すなわち、画面生成部72は、送信履歴情報から宛先が複数のレコード(例えば送信方法の項目が「複」)を特定し、宛先人数と閲覧人数を抽出する。
【0194】
S37:画面生成部72は、閲覧人数を宛先人数で割ることで、閲覧率を算出する。
【0195】
S38:画面生成部72は、宛先が複数の送信履歴、及び閲覧率を用いて、企業用閲覧履歴画面290を生成する。
【0196】
S39:サーバー側資料共有アプリ70の通信部71は、企業用閲覧履歴画面290の画面情報を主催者端末11に送信する。主催者端末11の通信部21aが企業用閲覧履歴画面290の画面情報を受信し、表示制御部22aが企業用閲覧履歴画面290を表示する。
【0197】
<詳細情報の表示>
主催者は詳細ボタン294を押下することで、宛先に設定した参加者の閲覧有無や閲覧回数等の詳細情報を表示することもできる。
【0198】
図27は、詳細ボタン294の押下により主催者端末11が表示する閲覧履歴詳細画面310を示す。図27では企業用閲覧履歴画面290に閲覧履歴詳細画面310がポップアップ表示されている。閲覧履歴詳細画面310は、1つの電子データが複数の宛先に送信された場合に、複数の宛先に含まれる各参加者の閲覧履歴である。図27では、「○△の最新事例.pdf」という電子データが1回のメールで送信された5人の宛先311のそれぞれについて、閲覧有無312と閲覧回数313が表示されている。
【0199】
主催者は、企業内でどの参加者の閲覧回数が多いかを把握し、今後の営業活動に活かすことができる。
【0200】
図28は、主催者端末11が閲覧履歴詳細画面310を表示する処理を説明するシーケンス図である。
【0201】
S41:主催者が詳細ボタン294を押下する。主催者端末11の操作受付部23aが操作を受け付ける。通信部21aが、詳細ボタン294が押下された旨をサーバー側資料共有アプリ70に送信する。例えば、押下された詳細ボタン294が表示されていた送信ファイルIDなど、電子データを特定するための情報が送信される。
【0202】
S42:サーバー側資料共有アプリ70の通信部71が、詳細ボタン294が押下された旨を受信する。個人単位ボタン263が押下された場合、画面生成部72は、詳細ボタン294が押下された電子データの送信ファイルIDに対応付けられた参加者の閲覧履歴を表示すると判断する。
【0203】
S43:画面生成部72が閲覧履歴記憶部7004から送信ファイルIDに対応付けられた送信先と閲覧回数を取得する。
【0204】
S44:画面生成部72は、送信先を参加者名に変換するなどして、閲覧履歴詳細画面310を生成する。
【0205】
S45:サーバー側資料共有アプリ70の通信部71は、閲覧履歴詳細画面310の画面情報を主催者端末11に送信する。主催者端末11の通信部21aが閲覧履歴詳細画面310の画面情報を受信し、表示制御部22aが閲覧履歴詳細画面310を表示する。
【0206】
<主な効果>
以上説明したように、本実施形態では、電子データの送信方法が管理されるため、電子データの閲覧履歴を送信方法に応じた態様で表示できる。送信方法に応じて閲覧状況の好ましい把握方法が異なっても、営業担当者が閲覧状況を把握しやすい。
【0207】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0208】
例えば、本実施形態では、メールで電子データのURLが送信される旨を説明したが、電子データのURLはSNSなどで送信されてもよい。SNSの場合、送信方法設定ボタン287に相当するボタンのオフ状態により、ユーザーが複数存在するグループの選択が可能になる。送信方法設定ボタン287に相当するボタンのオン状態により、ユーザーが一人しか存在しないグループのみ選択が可能になる。また、電子データのURLはSMS(Short Message Service)で送信されてよい。
【0209】
また、本実施形態では、電子データとして資料のリンク先が転送される例を説明したが、転送されるリンク先にある電子データは資料に限られない。電子データは、例えば、商品券、クーポン、電子マネー、ネット上で利用できる各種のポイント、次回のセミナーの案内や申込書、参加の割引券等でもよい。
【0210】
また、共有される電子データは、例えば、セミナーで使用されたものと同じもの、セミナーの内容の補足資料等であるが、セミナーとは直接関係のない電子データでもよい。また、電子データは、動画、静止画、音声データ等、どのような形式でもよい。
【0211】
また、本実施形態では、電子データのリンク先が共有される例を説明したが、電子データそのものが共有されてもよい。
【0212】
また、図5などの構成例は、サーバー側資料共有アプリ70、主催者端末11、参加者端末12による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。サーバー側資料共有アプリ70、主催者端末11、及び、参加者端末12の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0213】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、サーバー側資料共有アプリ70を実行する装置は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0214】
更に、サーバー側資料共有アプリ70は、本実施形態で開示された処理ステップ、例えば図23等を様々な組み合わせで共有するように構成できる。サーバー側資料共有アプリ70は、1つのサーバー装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0215】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0216】
11 主催者端末
12 参加者端末
13 関係者端末
50 チャット/ビデオ会議システム
70 サーバー側資料共有アプリ
80 資料共有サーバー
100 情報処理システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0217】
【特許文献1】特開2004-78291号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28