(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057203
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】データ処理システム、データ収集装置、データ管理装置、データ処理方法、データ収集方法、及び、データ管理方法
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20240417BHJP
G08C 15/06 20060101ALI20240417BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20240417BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
H04Q9/00 311H
G08C15/06 F
G08C15/00 E
G05B23/02 301U
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163772
(22)【出願日】2022-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100214248
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 純
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【弁理士】
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】内田 拓馬
【テーマコード(参考)】
2F073
3C223
5K048
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AA02
2F073AA03
2F073AA11
2F073AA12
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2F073BB07
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2F073DD07
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2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073FG04
3C223AA02
3C223AA05
3C223AA06
3C223BA03
3C223BB09
3C223BB12
3C223CC02
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3C223EB03
3C223FF16
3C223GG01
3C223HH02
3C223HH22
5K048BA23
5K048BA30
5K048BA34
5K048DB01
5K048DC01
5K048EB01
5K048EB10
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA03
(57)【要約】
【課題】物理量計測装置が接続される際にソフトウェアの書き換えや開発をする必要がないデータ処理システム、データ収集装置、データ管理装置、データ処理方法、データ収集方法、及び、データ管理方法を提供する。
【解決手段】データ処理システム1は、 物理量を計測する物理量計測装置3が生成する処理データに関する情報を特定する特定情報を記憶する収集記憶部42、物理量計測装置3に接続する収集通信部41、及び、特定情報に基づいて物理量計測装置3毎の処理データを収集する収集制御部40を有するデータ収集装置4と、前記特定情報、及び、前記処理データ、を記憶する管理記憶部52、並びに、管理記憶部52が記憶した特定情報をデータ収集装置4に送信し、処理データをデータ収集装置4から受信する管理通信部51を有するデータ管理装置5と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量を計測する物理量計測装置が生成する処理データに関する情報を特定する特定情報を記憶する収集記憶部、前記物理量計測装置に接続する収集通信部、及び、前記特定情報に基づいて前記物理量計測装置毎の処理データを収集する収集制御部を有するデータ収集装置と、
前記特定情報、及び、前記処理データ、を記憶する管理記憶部、並びに、前記管理記憶部が記憶した前記特定情報を前記データ収集装置に送信し、前記処理データを前記データ収集装置から受信する管理通信部を有するデータ管理装置と、
を備える、
データ処理システム。
【請求項2】
前記物理量計測装置は、
物理量センサを内蔵し、ポンプ装置に取付可能な筐体をさらに備え、
前記物理量センサは、
前記物理量計測装置が取り付けられた前記ポンプ装置に起因する前記物理量を計測する、
請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項3】
物理量を計測する物理量計測装置が生成する処理データに関する情報を特定する特定情報を記憶する収集記憶部と、
前記物理量計測装置に接続する収集通信部と、
前記特定情報に基づいて前記物理量計測装置毎の前記処理データを収集する収集制御部と、
を備える、
データ収集装置。
【請求項4】
前記特定情報は、前記処理データの在処を特定するデータアドレスを含む、
請求項3に記載のデータ収集装置。
【請求項5】
前記特定情報は、前記処理データ毎のデータタイプを含む
請求項4に記載のデータ収集装置。
【請求項6】
物理量を計測する物理量計測装置が生成する処理データに関する情報を特定する特定情報、及び、前記物理量計測装置の前記処理データ、を記憶する管理記憶部と、
前記管理記憶部が記憶した前記特定情報をデータ収集装置に送信し、前記処理データを前記データ収集装置から受信する管理通信部と、
を備える、
データ管理装置。
【請求項7】
コンピュータを用いてデータを処理するデータ処理方法であって、
物理量を計測する物理量計測装置が生成する処理データに関する情報を特定する特定情報がデータ管理装置に登録される工程と、
前記データ管理装置が前記特定情報をデータ収集装置に送信する工程と、
前記データ収集装置が前記特定情報を記憶する工程と、
前記データ収集装置が前記特定情報に基づいて前記物理量計測装置毎の前記処理データを収集する工程と、
前記データ管理装置が前記処理データを前記データ収集装置から受信する工程と、
を備える、
データ処理方法。
【請求項8】
コンピュータを用いてデータを収集するデータ収集方法であって、
物理量を計測する物理量計測装置が生成する処理データに関する情報を特定する特定情報が登録されたデータ管理装置から前記特定情報が送信される工程と、
前記特定情報を記憶する工程と、
前記特定情報に基づいて前記物理量計測装置毎の前記処理データを収集する工程と、
前記データ管理装置へ前記処理データを送信する工程と、
を備える、
データ収集方法。
【請求項9】
コンピュータを用いてデータを管理するデータ管理方法であって、
物理量を計測する物理量計測装置が生成する処理データに関する情報を特定する特定情報が登録される工程と、
前記特定情報をデータ収集装置に送信する工程と、
前記特定情報に基づいて前記物理量計測装置毎に収集した前記処理データを前記データ収集装置から受信する工程と、
を備える、
データ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理システム、データ収集装置、データ管理装置、データ処理方法、データ収集方法、及び、データ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲートウェイに各種のセンサを接続し、ゲートウェイを介してセンサから取得したデータをクラウドに送信する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
センサは、振動センサ、電流センサ、漏水センサ等の様々なタイプが存在する。タイプの異なるセンサは、プロトコルが共通であったとしても、データ内容及びデータサイズ等が異なる。したがって、従来のゲートウェイは、センサ毎にソフトウェアを書き換えて、データをクラウドに送信していた。
【0005】
ソフトウェアの書き換えは、現地でサービスマンが実施する他に、遠隔で実施することが可能である。しかしながら、遠隔でソフトウェアの書き換えを行う場合、一定の技術力が必要であって、誰でも簡単にできることではない。また、新しく開発されたセンサを接続する場合には、新しいソフトウェアを開発しなければならなかった。そのため、ソフトウェアの書き換えや開発をする人材の育成が必要であった。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑み、物理量計測装置が接続される際にソフトウェアの書き換えや開発をする必要がないデータ処理システム、データ収集装置、データ管理装置、データ処理方法、データ収集方法、及び、データ管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るデータ処理システムは、
物理量を計測する物理量計測装置が生成する処理データに関する情報を特定する特定情報を記憶する収集記憶部、前記物理量計測装置に接続する収集通信部、及び、前記特定情報に基づいて前記物理量計測装置毎の処理データを収集する収集制御部を有するデータ収集装置と、
前記特定情報、及び、前記処理データ、を記憶する管理記憶部、並びに、前記管理記憶部が記憶した前記特定情報を前記データ収集装置に送信し、前記処理データを前記データ収集装置から受信する管理通信部を有するデータ管理装置と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るデータ処理システムによれば、物理量計測装置が接続される際にソフトウェアの書き換えや開発をする必要がない。
【0009】
上記以外の課題、構成及び効果は、後述する発明を実施するための形態にて明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態のデータ処理システム1の一例を示す全体構成図である。
【
図2】本実施形態の物理量計測装置3の一例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態のデータ収集装置4の一例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態のデータ管理装置5の一例を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態の各装置を構成するコンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。
【
図6】本実施形態のデータ収集装置4及びデータ管理装置5によるデータ処理方法の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本実施形態の物理量計測装置3、データ収集装置4及びデータ管理装置5によるデータ処理方法の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態の物理量計測装置3、データ収集装置4及びデータ管理装置5によるデータ処理方法の通信時のデータの流れの一例を示す。
【
図9】本実施形態で用いられるデータアドレスの一例のイメージを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明を実施するための実施形態について説明する。以下では、本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0012】
図1は、本実施形態のデータ処理システム1の一例を示す全体構成図である。データ処理システム1は、ポンプ装置2にて計測対象の物理量を計測したときの物理量データを処理し、ポンプ装置2を管理するためのシステムとして機能する。
【0013】
データ処理システム1は、その主要な構成として、監視対象のポンプ装置2と、ポンプ装置2に取付可能な物理量計測装置3と、物理量計測装置3と通信可能に構成されたデータ収集装置4と、データ収集装置4と通信可能に構成されたデータ管理装置5と、データ管理装置5と通信可能に構成された端末装置6とを備える。各装置2~6は、例えば、汎用又は専用のコンピュータ(後述の
図5参照)で構成されるとともに、ネットワーク7を介して各種のデータを相互に送受信可能に構成される。なお、各装置2~6の数は、
図1の例に限られず、1つでもよいし、複数でもよい。
【0014】
ポンプ装置2は、任意の流体を移送する装置であり、例えば、インフラ設備(上水道、下水道等)やプラント設備(石油精製、発電、製造、化学プロセス等)に設置されて使用される。ポンプ装置2は、ポンプ部20と、ポンプ装置2の駆動源となるモータ21と、モータ21が発生した駆動力をポンプ部20に伝達する継手部22と、ポンプ装置2の動作を制御するポンプ制御盤23とを備える。
【0015】
ポンプ部20は、例えば、羽根車、回転軸、軸受、メカニカルシール、グランドパッキン、ケーシング、配管等で構成される。モータ21は、例えば、インバータモータ等の任意の形式のモータで構成される。継手部22は、例えば、カップリング、継手、ジョイント、軸受等で構成される。ポンプ制御盤23は、例えば、組込型コンピュータで構成され、ユーザ(ポンプ装置2の設置作業者や管理者等)により運転条件が設定された設定値と、ポンプ部20及びモータ21の各部に設けられたセンサ類(不図示)の検出値とに基づいて、モータ21の回転動作を制御する。なお、ポンプ装置2は、各装置3~6と通信可能に構成されていてもよい。
【0016】
物理量計測装置3は、ポンプ装置2に起因する物理量を計測する装置であり、例えば、
ポンプ部20、モータ21又は継手部22の任意の位置に取り付けられる。物理量計測装置3は、計測対象の物理量を計測する物理量センサ30と、物理量センサ30により物理量を計測したときの物理量データを処理するデータ処理装置31と、物理量センサ30及びデータ処理装置31を内蔵し、ポンプ装置2に取付可能な筐体300とを備える。
【0017】
物理量センサ30による計測対象の物理量は、例えば、加速度(振動)、速度、変位、環境音等である。物理量センサ30は、例えば、加速度を計測可能な加速度センサ、速度を計測可能な速度センサ、変位を計測可能な変位センサ、環境音を計測可能なマイクロホン等で構成される。なお、計測対象の物理量は、上記の例に限られず、例えば、圧力、荷重、温度、電流値、電圧値等の物理量でもよく、その場合には、圧力センサ、荷重センサ、温度センサ、電流センサ、電圧センサ等の物理量センサ30が用いられる。また、物理量計測装置3は、複数の物理量をそれぞれ計測するための複数の物理量センサ30を含むものでもよい。
【0018】
データ処理装置31は、物理量センサ30により計測された物理量を示すアナログ信号がデジタル信号に変換された物理量データを処理するための装置である。なお、データ処理装置31は、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路を備えていてもよいし、物理量センサ30からデジタル信号に変換後の物理量データを取得するものでもよい。
【0019】
筐体300の取付位置は、計測対象の物理量に応じて決められる。なお、ポンプ装置2には、1つの物理量計測装置3が取り付けられてもよいし、
図1に示すように、複数の物理量計測装置3が取り付けられてもよい。複数の物理量計測装置3が取り付けられる場合には、共通の物理量を計測するものでもよいし、異なる物理量を計測するものでもよい。
【0020】
データ収集装置4は、物理量計測装置3(具体的には、データ処理装置31)から処理データを収集する装置であり、例えば、ゲートウェイ等の中継器、サーバ、スマートフォンやタブレット等の携帯型コンピュータ等で構成される。データ収集装置4は、物理量計測装置3との間で通信が確立されることで、物理量計測装置3から処理データを収集する。また、データ収集装置4は、アプリケーションやブラウザ等のプログラムがインストールされて、各種の入力操作を受け付けるとともに、処理データをデータ管理装置5に送信する。さらに、データ収集装置4は、異なるネットワークプロトコル技術を用いたネットワークに対して、プロトコルを変換することによって相互接続することもできる。
【0021】
データ管理装置5は、データ収集装置4により収集された処理データを管理するための管理制御部50を備え、例えば、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータで構成される。データ管理装置5は、データ収集装置4から受信した処理データを管理記憶部52に格納したり、その処理データが所定の通知条件を満たすときに、管理通信部51から通知情報を端末装置6に送信したり、管理記憶部52に格納した処理データの参照要求を端末装置6から受け付けたときに、管理記憶部52の参照情報を端末装置6に送信したりする。
【0022】
端末装置6は、ポンプ装置2の設置場所から離れた遠隔地に所在するユーザ(ポンプ装置2の管理者や点検・修理作業者等)により使用される装置であり、例えば、据置型コンピュータや携帯型コンピュータで構成される。端末装置6は、アプリケーションやブラウザ等のプログラムがインストールされて、各種の入力操作を受け付けるとともに、各種の情報(通知情報や管理記憶部52の参照情報)を表示画面に表示する。なお、端末装置6は、データ収集装置4を兼用するものでもよい。
【0023】
ネットワーク7は、任意の通信規格に従って有線通信又は無線通信、あるいは、有線通
信と無線通信の組合せにより構成される。具体的には、例えば、インターネット等の標準化された通信網、又はローカルネットワーク等の建物内で管理される通信網、あるいは、これらの通信網の組合せを利用することができる。また、無線通信の通信規格としては、典型的には国際規格が用いられる。国際規格の通信手段として、IEEE802.15.4、IEEE802.15.1、IEEE802.15.11a、11b、11g、11n、11ac、11ad、ISO/IEC14513-3-10、IEEE802.15.4g等の方式がある。また、Bluetooth(登録商標)、BluetoothLowEnergy、Wi-Fi、ZigBee(登録商標)、Sub-GHz、EnOcean(登録商標)、LTE等の方式を用いることもできる。
【0024】
図2は、本実施形態の物理量計測装置3の一例を示すブロック図である。物理量計測装置3は、その主要な構成要素として、上記の物理量センサ30の他に、データ処理装置31を構成する計測制御部32、計測通信部33、計測記憶部34及び電源35を備える。
【0025】
計測制御部32は、例えば、計測記憶部34に記憶されたデータ処理プログラム340を実行することにより、演算処理部320、及び、通信処理部321として機能する。計測通信部33は、ネットワーク7を介して、例えば、データ収集装置4との間で各種のデータを送受信する通信インターフェースとして機能する。計測記憶部34は、物理量計測装置3の動作で使用される各種のプログラム(データ処理プログラム340等)やデータ(計測設定情報341等)を記憶する。計測設定情報341には、例えば、物理量計測装置3が動作する際に計測制御部32により参照される設定パラメータ(データ点数、待機時間等)が記憶されるとともに、例えば、データ収集装置4を介して設定可能に構成される。電源35は、例えば、一次電池、二次電池、太陽電池、燃料電池等で構成され、物理量計測装置3の各部に電力を供給する。なお、電源35は、ポンプ装置2から電力供給を受けるものでもよい。
【0026】
演算処理部320は、物理量センサ30により計測された計測対象の物理量を物理量データとして繰り返し取得し、その取得した物理量データに対して所定の演算を行うことにより処理データを生成する。通信処理部321は、データ収集装置4からの通信に基づいて、 演算処理部320により生成された処理データをデータ収集装置4に送信する。
【0027】
通信処理部321により送信された処理データは、データ収集装置4により受信されると、データ収集装置4によりデータ管理装置5にさらに送信されることで、管理記憶部52に格納される。なお、処理データには、通信処理部321又はデータ収集装置4により、例えば、ポンプ装置2及び物理量計測装置3の少なくとも一方を識別するための識別情報(ポンプ装置2の装置ID、物理量計測装置3の装置ID等)が付加されてもよく、その場合には、処理データ及び識別情報が関連付けられた状態で管理記憶部52に格納されるようにしてもよい。
【0028】
図3は、本実施形態のデータ収集装置4の一例を示すブロック図である。データ収集装置4は、その主要な構成要素として、収集制御部40、収集通信部41、収集記憶部42、収集入力部43及び収集出力部44を備える。
【0029】
収集制御部40は、例えば、収集記憶部42に記憶されたデータ収集プログラム420を実行することにより、収集処理部400として機能する。収集通信部41は、ネットワーク7を介して、例えば、物理量計測装置3やデータ管理装置5との間で各種のデータを送受信する通信インターフェースとして機能する。収集記憶部42は、データ収集装置4の動作で使用される各種のプログラム(データ収集プログラム420等)及びデータタイプ(収集設定情報421等)等を記憶する。収集入力部43及び収集出力部44は、ユーザの入力操作を受け付けるとともに、各種の情報を表示画面や音声を介して出力すること
でユーザインターフェースとして機能する。
【0030】
収集設定情報421は、例えば、データ収集装置4が動作する際に収集制御部40により参照される設定パラメータ(監視周期等)を含む。また、データタイプは、監視周期、物理量計測装置3との接続時に使用される通信手段、及び、物理量計測装置3の処理データの記録形式等を含む。データタイプは、データ収集装置4がそれぞれの物理量計測装置3が生成する処理データの在処を特定し、接続するために割り振られた番号等のデータアドレス毎に記憶されると好ましい。本実施形態のデータアドレス等は、データ管理装置5によってダウンロードされてもよい。なお、物理量計測装置3が生成する処理データに関する情報を特定情報とする。特定情報は、データアドレス、及び、データタイプのうち、少なくとも1つを含む。データアドレスは、物理量計測装置3が生成する処理データの在処を特定して接続するために割り振られた番号等でよい。また、データタイプは、処理データを収集する監視動作を行う監視周期、データ収集装置4が処理データを取得するために物理量計測装置3に接続する時に使用される通信手段、又は、物理量計測装置3の処理データの記録形式等でよい。
【0031】
収集処理部400は、監視周期に基づいて、処理データを収集する監視動作を行う。例えば、収集処理部400は、物理量計測装置3との通信を開始し、物理量計測装置3から処理データを受信し、物理量計測装置3との通信を終了する監視処理を、監視周期に従って繰り返し実行することにより、処理データを収集する。監視周期は、例えば、監視処理に適した値として、秒単位、分単位、時間単位又は日単位で設定される。
【0032】
図4は、本実施形態のデータ管理装置5の一例を示すブロック図である。データ管理装置5は、その主要な構成要素として、管理制御部50、管理通信部51、管理記憶部52、管理入力部53及び管理出力部54を備える。
【0033】
管理制御部50は、例えば、管理記憶部52に記憶されたデータ管理プログラム520を実行することにより、管理処理部500として機能する。管理通信部51は、ネットワーク7を介して、例えば、データ収集装置4との間で各種のデータを送受信する通信インターフェースとして機能する。管理記憶部52は、処理データ、データ管理装置5の動作で使用される各種のプログラム(データ管理プログラム520等)及びデータタイプ(管理設定情報521等)等を記憶する。管理入力部53及び管理出力部54は、ユーザの入力操作を受け付けるとともに、各種の情報を表示画面や音声を介して出力することでユーザインターフェースとして機能する。
【0034】
管理設定情報521は、例えば、データ管理装置5が動作する際に管理制御部50により参照される設定パラメータを含む。また、データタイプは、データ収集装置4と同様の監視周期、通信手段、及び、処理データの記録形式等を含む。データタイプは、それぞれの物理量計測装置3 が生成する処理データの在処を特定し、接続するために割り振られ
た番号等のデータアドレス毎に記憶されると好ましい。
【0035】
管理処理部500は、端末又は管理入力部53等から登録された物理量計測装置3のデータアドレス及びデータタイプ等をデータ収集装置4にダウンロードする動作を行う。また、データ収集装置4が監視周期に基づいて収集した処理データを管理記憶部52で記憶する動作を行う。例えば、データ収集装置4の収集処理部400が、管理処理部500との通信を開始し、物理量計測装置3から取得した処理データを送信すると、管理処理部500は、処理データを管理記憶部52に記憶させる管理処理を実行する。管理処理は、監視周期に従って繰り返し実行することにより、管理データを記憶する。
【0036】
図5は、本実施形態の各装置を構成するコンピュータ900の一例を示すハードウエア
構成図である。ポンプ装置2(主にポンプ制御盤23)、物理量計測装置3(主にデータ処理装置31)、データ収集装置4、データ管理装置5、及び、端末装置6の各々は、汎用又は専用のコンピュータ900により構成される。
【0037】
コンピュータ900は、
図5に示すように、その主要な構成要素として、バス910、プロセッサ912、メモリ914、入力デバイス916、出力デバイス917、表示デバイス918、ストレージ装置920、通信I/F(インターフェース)部922、外部機器I/F部924、I/O(入出力)デバイスI/F部926、及び、メディア入出力部928を備える。なお、上記の構成要素は、コンピュータ900が使用される用途に応じて適宜省略されてもよい。
【0038】
プロセッサ912は、1つ又は複数の演算処理装置(CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、NPU(Neural Processing Unit)等)で構成され、コンピュータ900全体を統括する制御部として動作する。メモリ914は、各種のデータ及びプログラム930を記憶し、例えば、メインメモリとして機能する揮発性メモリ(DRAM、SRAM等)と、不揮発性メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等とで構成される。
【0039】
入力デバイス916は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、電子ペン等で構成され、入力部として機能する。出力デバイス917は、例えば、音(音声)出力装置、バイブレーション装置等で構成され、出力部として機能する。表示デバイス918は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、プロジェクタ等で構成され、出力部として機能する。入力デバイス916及び表示デバイス918は、タッチパネルディスプレイのように、一体的に構成されていてもよい。ストレージ装置920は、例えば、HDD、SSD等で構成され、記憶部として機能する。ストレージ装置920は、オペレーティングシステムやプログラム930の実行に必要な各種のデータを記憶する。
【0040】
通信I/F部922は、インターネットやイントラネット等のネットワーク940(
図1のネットワーク7と同じであってもよい)に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う通信部として機能する。外部機器I/F部924は、カメラ、プリンタ、スキャナ、リーダライタ等の外部機器950に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って外部機器950との間でデータの送受信を行う通信部として機能する。I/OデバイスI/F部926は、各種のセンサ、アクチュエータ等のI/Oデバイス960に接続され、I/Oデバイス960との間で、例えば、センサによる検出信号やアクチュエータへの制御信号等の各種の信号やデータの送受信を行う通信部として機能する。メディア入出力部928は、例えば、DVDドライブ、CDドライブ等のドライブ装置、メモリカードスロット、USBコネクタで構成され、DVD、CD、メモリカード、USBメモリ等のメディア(非一時的な記憶媒体)970に対してデータの読み書きを行う。
【0041】
上記構成を有するコンピュータ900において、プロセッサ912は、ストレージ装置920に記憶されたプログラム930をメモリ914に呼び出して実行し、バス910を介してコンピュータ900の各部を制御する。なお、プログラム930は、ストレージ装置920に代えて、メモリ914に記憶されていてもよい。プログラム930は、インストール可能なファイル形式又は実行可能なファイル形式でメディア970に記録され、メディア入出力部928を介してコンピュータ900に提供されてもよい。プログラム930は、通信I/F部922を介してネットワーク940経由でダウンロードすることによりコンピュータ900に提供されてもよい。また、コンピュータ900は、プロセッサ9
12がプログラム930を実行することで実現する各種の機能を、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウエアで実現するものでもよい。
【0042】
コンピュータ900は、例えば、据置型コンピュータや携帯型コンピュータで構成され、任意の形態の電子機器である。コンピュータ900は、クライアント型コンピュータでもよいし、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータでもよいし、例えば、制御盤、コントローラ(マイコン、プログラマブルロジックコントローラ、シーケンサを含む)等と呼ばれる組込型コンピュータでもよい。
【0043】
(データ処理方法、データ収集方法、及び、データ管理方法)
図6は、本実施形態のデータ収集装置4及びデータ管理装置5によるデータ処理方法の一例を示すフローチャートである。
図7は、本実施形態の物理量計測装置3、データ収集装置4及びデータ管理装置5によるデータ処理方法の一例を示すフローチャートである。
図8は、本実施形態の物理量計測装置3、データ収集装置4及びデータ管理装置5によるデータ処理方法の通信時のデータの流れのイメージを示す。
図9は、本実施形態で用いられるデータアドレスの一例のイメージを示す。
【0044】
(物理量計測装置3の特定情報を記憶)
以下では、データ収集装置4が、物理量計測装置3の特定情報を記憶する方法について、
図6及び
図8を参照して説明する。なお、物理量計測装置3が生成する処理データに関する情報を特定情報とする。特定情報は、データアドレス、及び、データタイプのうち、少なくとも1つを含む。データアドレスは、物理量計測装置3が生成する処理データの在処を特定して接続するために割り振られた番号等でよい。また、データタイプは、処理データを収集する監視動作を行う監視周期、データ収集装置4が処理データを取得するために物理量計測装置3に接続する時に使用される通信手段、又は、物理量計測装置3の処理データの記録形式等でよい。
【0045】
まず、
図6に示すように、ステップS401にて、データ収集装置4に物理量計測装置3及びデータ管理装置5への接続及びデータ収集等を行うプログラムを構築する。プログラムは、データ収集装置4の製作時に予め記憶させておいてもよい。
【0046】
次に、ステップS501にて、端末装置6等からデータ管理装置5の管理記憶部52に対して物理量計測装置3が生成する処理データの在処を特定して接続するために割り振られた番号等のデータアドレスを登録する。本実施形態では、物理量計測装置3として、第1物理量計測装置3a、第2物理量計測装置3b、及び、第3物理量計測装置3cを用いる。例えば、
図8及び
図9に示すように、本実施形態のデータアドレスとして、第1物理量計測装置3aのデータアドレス6aは1000番地、第2物理量計測装置3bのデータアドレス6bは2000番地、第3物理量計測装置3cのデータアドレス6cは3000番地を登録する。データアドレスは、データ管理装置5に直接入力し、登録してもよい。
【0047】
また、本実施形態の物理量計測装置3は、複数の計測対象に対応する複数の物理量センサ30を有してもよい。例えば、
図8に示すように、第1物理量計測装置3aのうち、加速度センサのアドレスを1001番地、速度センサのアドレスを1002番地、温度センサのアドレスを1003番地とする。同様に、第2物理量計測装置3bのうち、荷重センサのアドレスは2001番地、湿度センサのアドレスは2002番地とし、第3物理量計測装置3cのうち、電流センサのアドレスは3001番地とする。
【0048】
なお、データアドレスの番地は、数字だけでなく、文字を使用してもよい。例えば、ア
ルファベットと数字を用いて「A12」としたり、平仮名と数字を用いて「あ01」等を用いてもよい。
【0049】
次に、ステップS502にて、データ管理装置5は、物理量計測装置3が生成する処理データ毎にデータタイプを設定する。例えば、
図8に示すように、第1物理量計測装置3aのうち、加速度センサのデータタイプは、監視周期を1秒、データ形式を数値、通信手段をBluetooth等に設定する。同様に、荷重センサのデータタイプは、監視周期を1分、データ形式を数値、通信手段をWi-Fi等に設定する。データタイプは、監視周期、データ形式、通信手段に限らず、その他のデータを使用してもよい。なお、データタイプは、この例に限らず、他の使用を含めてもよい。
【0050】
次に、ステップS503にて、データ管理装置5は、物理量計測装置3毎にデータアドレスとデータタイプを紐付けて、物理量計測装置3の物理量センサ30を特定する特定情報を作成する。特定情報は、データアドレスとデータタイプに限らず、他の情報を含んでもよい。
【0051】
次に、ステップS504にて、データ管理装置5は、データ収集装置4へ物理量計測装置3毎特定情報をダウンロードする。続いて、ステップS402にて、データ収集装置4の収集記憶部42は、物理量計測装置3毎の特定情報を記憶する。
【0052】
(物理量計測装置3から計測データを取得)
以下では、データ収集装置4が、物理量計測装置3から処理データを取得する方法について、
図7及び
図8を参照して説明する。
【0053】
まず、
図7に示すように、ステップS411にて、データ収集装置4が、特定情報に基づいて物理量計測装置3の物理量センサ30に接続する。本ステップは、特定情報のうち監視周期に基づいて接続することが好ましい。監視周期は、物理量計測装置3の物理量センサ30毎に設定したデータタイプに含まれるものでよい。
【0054】
次に、ステップS311にて、接続した物理量計測装置3の物理量センサ30は、データ収集装置4へ処理データを送信する。続いて、ステップS412にて、データ収集装置4は、データ管理装置5へ処理データを送信する。続いて、ステップS511にて、データ管理装置5は、処理データを保存する。
【0055】
以上のように、本実施形態に係るデータ収集装置4によれば、物理量を計測する物理量計測装置3が生成する処理データに関する情報を特定する特定情報を記憶することによって、物理量計測装置3が接続される際にソフトウェアの書き換えや開発をする必要がなく、物理量計測装置3毎の処理データを収集することができる。また、本実施形態に係るデータ管理装置5によれば、物理量を計測する物理量計測装置3が生成する処理データに関する情報を特定する特定情報が登録され、その特定情報をデータ収集装置4に送信し、記憶させることによって、データ収集装置4から物理量計測装置3毎の処理データを受信し、記憶することができる。
【0056】
また、本実施形態に係るデータ処理システム1によれば、データ管理装置5に登録された物理量計測装置3が生成する処理データに関する情報を特定する特定情報を、データ収集装置4が記憶し、データ収集装置4が記憶した特定情報に基づいて物理量計測装置3毎の処理データを収集し、データ管理装置5がその処理データを受信し、記憶するので、物理量計測装置3が接続される際にソフトウェアの書き換えや開発をする必要がなく、物理量計測装置3毎の計測データを収集することができる。
【0057】
(他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に制約されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【0058】
上記実施形態では、データ処理装置31が、ポンプ装置2とは別体の装置である物理量計測装置3で実現される場合について説明したが、データ処理装置31の機能の一部又は全部(特に計測制御部32の機能)が、ポンプ装置2のポンプ制御盤23に組み込まれることによりポンプ装置2で実現されていてもよい。その場合には、物理量センサ30と、ポンプ制御盤23とを有線又は無線により接続し、各種のデータを送受信するようにすればよい。また、ポンプ装置2が、物理量センサ30を備えるようにしてもよい。
【0059】
上記実施形態では、物理量計測装置3により送信された処理データは、データ収集装置4を中継してデータ管理装置5に受信されて、記憶装置としての管理記憶部52に格納される場合について説明したが、処理データの送信先の装置や格納先の記憶装置は適宜変更されてもよい。例えば、処理データは、データ管理装置5や端末装置6に送信されてもよいし、データ収集装置4や端末装置6が備える記憶装置に格納されてもよい。
【0060】
上記実施形態では、物理量計測装置3、データ収集装置4及びデータ管理装置5が、
図6及び
図7に示すフローチャートに従って動作する場合について説明したが、各ステップの実行順序を適宜変更してもよいし、一部のステップを省略してもよい。
【0061】
上記実施形態では、物理量計測装置3は、ポンプ装置2に取り付けられる場合について説明したが、例えば、冷凍機、気体機械、工作機械、プレス機器、搬送機器、診断機器等の各種の装置に取り付けられてもよい。その場合には、物理量センサ30は、各種の装置に起因する物理量を計測するようにすればよい。
【符号の説明】
【0062】
1…データ処理システム、2…ポンプ装置、3…物理量計測装置、
4…データ収集装置、5…データ管理装置、6…端末装置、7…ネットワーク
20…ポンプ部、21…モータ、22…継手部、23…ポンプ制御盤、
30…物理量センサ、31…データ処理装置、32…計測制御部、33…計測通信部、
34…計測記憶部、35…電源、
40…収集制御部、41…収集通信部、42…収集記憶部、43…収集入力部、44…収集出力部、
50…管理制御部、51…管理通信部、52…管理記憶部、43…管理入力部、44…管理出力部