(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057301
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/60 20060101AFI20240417BHJP
B41J 2/525 20060101ALI20240417BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
H04N1/60
B41J2/525
G06F3/12 305
G06F3/12 344
G06F3/12 353
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163941
(22)【出願日】2022-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】沢田 拓朗
【テーマコード(参考)】
2C262
5C079
【Fターム(参考)】
2C262AA02
2C262AA04
2C262AA24
2C262AA26
2C262AA27
2C262AB20
2C262BA14
2C262EA02
5C079HB03
5C079HB12
5C079KA15
5C079LA02
5C079LA10
5C079LA31
5C079LB01
5C079MA05
5C079MA20
5C079NA27
5C079PA03
(57)【要約】
【課題】非プロセスカラーを使用したいユーザの負担を軽減する。
【解決手段】画像処理装置は、プロセスカラーの各色材と、前記プロセスカラーのいずれの色とも異なる非プロセスカラーの色材と、を用いる画像形成装置に通信可能に接続する。画像処理装置は、画像データの特定色に合った非プロセスカラー用色変換プロファイルをユーザに選択させる選択部と、前記非プロセスカラーが適用される前記特定色を前記画像データ上でユーザに指定させる指定部と、のうちの少なくとも一方を含むユーザインタフェース画面を表示する指令を行う表示制御部と、前記ユーザにより選択された前記非プロセスカラー用色変換プロファイルと、前記ユーザにより指定された前記特定色の色値と、のうちのいずれか一方に基づき、前記画像データを、前記非プロセスカラーが少なくとも前記特定色に適用された印刷画像データへ変換して出力する色変換部と、を有する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスカラーの各色材と、前記プロセスカラーのいずれの色とも異なる非プロセスカラーの色材と、を用いる画像形成装置に通信可能に接続する画像処理装置であって、
画像データの特定色に合った非プロセスカラー用色変換プロファイルをユーザに選択させる選択部と、前記非プロセスカラーが適用される前記特定色を前記画像データ上でユーザに指定させる指定部と、のうちの少なくとも一方を含むユーザインタフェース画面を表示する指令を行う表示制御部と、
前記ユーザにより選択された前記非プロセスカラー用色変換プロファイルと、前記ユーザにより指定された前記特定色の色値と、のうちのいずれか一方に基づき、前記画像データを、前記非プロセスカラーが少なくとも前記特定色に適用された印刷画像データへ変換して出力する色変換部と、
を有する、画像処理装置。
【請求項2】
前記印刷画像データは、前記非プロセスカラーが前記特定色の周辺色にさらに適用されたデータである、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記非プロセスカラー用色変換プロファイルの前記選択部には、前記色変換プロファイルの利用方法と、前記非プロセスカラーの説明と、のうちの少なくとも一方が含まれている、請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記非プロセスカラー用色変換プロファイルは、印刷ジョブの詳細設定画面と、プリンタドライバの印刷設定画面と、のうちのいずれか一方の前記ユーザインタフェース画面上で前記ユーザにより選択される、請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記非プロセスカラーと前記プロセスカラーとの間の関係性と、前記ユーザにより指定された前記特定色の前記色値と、に基づき、前記非プロセスカラー用色変換プロファイルを生成する色変換プロファイル生成部をさらに有する、請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記色変換プロファイル生成部は、前記非プロセスカラーのベクトル成分を前記プロセスカラーの各ベクトルから算出し、前記非プロセスカラーの分配率を前記ユーザにより指定された前記特定色の前記色値から算出する、請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記色変換プロファイル生成部は、前記プロセスカラーと前記非プロセスカラーとの比率を変更する前の前記色変換プロファイルを用いて前記画像データを構成する画素の色値をデバイス値に変換し、前記デバイス値が前記特定色の前記色値に近い程、前記非プロセスカラーの前記分配率を上昇させ、前記デバイス値が前記特定色の前記色値から遠い程、前記非プロセスカラーの前記分配率を低下させる、請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
請求項1または2に記載の画像処理装置を有する、画像形成装置。
【請求項9】
プロセスカラーの各色材と、前記プロセスカラーのいずれの色とも異なる非プロセスカラーの色材と、を用いる画像形成装置に通信可能に接続する画像処理装置による画像処理方法であって、前記画像処理装置が、
画像データの特定色に合った非プロセスカラー用色変換プロファイルをユーザに選択させる選択部と、前記非プロセスカラーを適用する前記特定色を前記画像データ上でユーザに指定させる指定部と、のうちの少なくとも一方を含むユーザインタフェース画面を表示する指令を行うステップと、
前記ユーザにより選択された前記非プロセスカラー用色変換プロファイルと、前記ユーザにより指定された前記特定色の色値と、のうちのいずれか一方に基づき、前記画像データを、前記非プロセスカラーが少なくとも前記特定色に適用された印刷画像データへ変換して出力するステップと、
を実行する、画像処理方法。
【請求項10】
プロセスカラーの各色材と、前記プロセスカラーのいずれの色とも異なる非プロセスカラーの色材と、を用いる画像形成装置に通信可能に接続する画像処理装置のコンピュータに、
画像データの特定色に合った非プロセスカラー用色変換プロファイルをユーザに選択させる選択部と、前記非プロセスカラーが適用される前記特定色を前記画像データ上でユーザに指定させる指定部と、のうちの少なくとも一方を含むユーザインタフェース画面を表示する指令を行うステップと、
前記ユーザにより選択された前記非プロセスカラー用色変換プロファイルと、前記ユーザにより指定された前記特定色の色値と、のうちのいずれか一方に基づき、前記画像データを、前記非プロセスカラーが少なくとも前記特定色に適用された印刷画像データへ変換して出力するステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像データを印刷画像データに変換する画像処理装置が知られている。またプロセスカラーの各色材と、プロセスカラーのいずれの色とも異なる非プロセスカラーの色材と、を用いて印刷画像データに基づき、印刷する画像形成装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、同じ色彩値で異なる複数の記録材値のそれぞれに対応するパッチを含むカラーチャートを印刷することにより、同じ色彩値であっても記録材の使用量に応じて発色特性が異なる場合に所望の発色特性の色を選択できる画像処理装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1においては、ユーザが蛍光色材等の非プロセスカラーの色材の使用量を変化させたカラーチャートを直接目視して色再現性が良いと判断するものを選定する必要がある。また選定のためには色を判断するスキルがユーザに必要になる。
【0005】
開示の技術は、非プロセスカラーを使用したいユーザの負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、プロセスカラーの各色材と、前記プロセスカラーのいずれの色とも異なる非プロセスカラーの色材と、を用いる画像形成装置に通信可能に接続する画像処理装置であって、画像データの特定色に合った非プロセスカラー用色変換プロファイルをユーザに選択させる選択部と、前記非プロセスカラーが適用される前記特定色を前記画像データ上でユーザに指定させる指定部と、のうちの少なくとも一方を含むユーザインタフェース画面を表示する指令を行う表示制御部と、前記ユーザにより選択された前記非プロセスカラー用色変換プロファイルと、前記ユーザにより指定された前記特定色の色値と、のうちのいずれか一方に基づき、前記画像データを、前記非プロセスカラーが少なくとも前記特定色に適用された印刷画像データへ変換して出力する色変換部と、を有する、画像処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、非プロセスカラーを使用したいユーザの負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態の画像処理システムの構成を示す図である。
【
図2】第1実施形態の画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】第1実施形態の画像形成装置のコントローラの機能構成を示す図である。
【
図4】第1実施形態の色変換部の詳細構成を示す図である。
【
図5】第1実施形態のプロセスカラーと非プロセスカラーの関係を示す図である。
【
図6】第1実施形態のプロセスカラーと非プロセスカラーの関係を示す図である。
【
図7】第1実施形態のプロセスカラーと非プロセスカラーの関係を示す図である。
【
図8】第1実施形態の非プロセスカラーの分配率を示す図である。
【
図9】第1実施形態の非プロセスカラーの分配率を示す図である。
【
図10】第1実施形態の色変換プロファイルの生成処理手順を示す図である。
【
図11】第1実施形態の画像形成装置の印刷処理手順を示す図である。
【
図12】第1実施形態の画像形成装置の色変換処理手順を示す図である。
【
図13】第1実施形態の画像形成装置のユーザインタフェース画面を示す図である。
【
図14】第2実施形態の画像処理システムの構成を示す図である。
【
図15】第2実施形態の画像処理装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について詳細に説明する。各図面において、同一構成要素には同一符号を付与し、重複した説明を適宜省略する。
【0010】
[第1実施形態]
デジタル印刷機においてもオフセット印刷機と同じように、プロセスカラーのいずれの色とも異なる非プロセスカラー(分光反射特性が異なる蛍光カラー、色相の異なるレッド、グリーン、ブルー、バイオレットおよびオレンジ等)が用いられる。これにより、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)といったプロセスカラーの減法混色では再現できない高彩度色を表現することが可能である。但し、ユーザはCMYK版に加えて非プロセスカラー版まで用意しなければならない。なお、ユーザには、装置の使用者だけではなく、装置の管理者およびサービスマン等が含まれる。
【0011】
この手間をなくす手法として、特許文献2のような自動でプロセスカラー版から非プロセスカラー版を生成する自動分版のシステムがある。本システムでは低彩度領域において非プロセスカラー版を入れないことによりC,M,Yの混色の比率を変えない工夫が施されている。しかしながら、非プロセスカラーの色をワンポイントで使用したい(例えば、車の特徴的な外装カラーリングを表現したい)ユーザにとって、ワンポイント以外において非プロセスカラーが混色することは色再現が不安定となるため望ましくない。
【0012】
非プロセスカラーが混色した際の色再現について特許文献1において触れているが、この技術はチャートの目視をせねばならない他、色再現のための知識を必要とする。この技術は自動化により手間をなくすという観点からするとユーザの目視が必要となるため、不都合が大きい。
【0013】
本実施形態では、例えばCMYK4色の画像データにおいて新たに非プロセスカラーを使用する場合を例示して説明する。本実施形態では、非プロセスカラーとプロセスカラーとの間の関係性と、ユーザにより指定された特定色(ワンポイント)の色値Xと、に基づき、非プロセスカラー用色変換プロファイルを生成する。比率変更前の色変換プロファイルを用いて画像データを構成する画素の色値を変換したデバイス値がユーザにより指定された特定色の色値Xに近い程、非プロセスカラーの混色の比率を高める。つまりデバイス値が特定色の色値Xから遠い程、非プロセスカラーを使用しないようにすれば、非プロセスカラーの色をワンポイントで使用したいというユーザの希望を叶えることができる。
【0014】
なお、デバイス値とは、インクまたはトナー等の色材、紙またはフィルム等の記録媒体、および画像形成装置等のデバイスに依存する色値である。
【0015】
本実施形態では、非プロセスカラーとして1色あるいは2色を使用する場合を例示するが、理論上はユーザにより指定された特定色に対応する非プロセスカラーの数だけ使用することができる。実際の色変換処理は、ICC(International Color Consortium)により規定されるICCプロファイルに基づいて行われる。なお、印刷物の色管理手段としての、色変換プロファイルの作成方法および色の調整方法等の様々なカラーマッチング技術が多数開示されている。これらカラーマッチング技術は、電子写真方式の印刷機に限られず、インクジェットおよび感熱方式等を含むデジタルプリンタ全般、およびその周辺機器に横断的に適用することができる。本実施形態では、色変換プロファイルを用いた色変換処理の一例を詳細に説明する。
【0016】
本実施形態の概要としては、非プロセスカラーとプロセスカラーとの間の関係性と、ユーザにより指定された特定色の色値Xとに基づき、非プロセスカラーのデバイス値をプロセスカラーから算出する。これにより、使用する色変換プロファイルを、ワンポイント(特定色)の色値の分版を含む色変換プロファイルに変更する。ここで、使用する色変換プロファイルは、ソースプロファイルおよびプリンタプロファイルにより構成される。ソースプロファイルは、入力となるCMYK(+非プロセスカラーSが入っていてもよい)の格子点に対応するLab値の対応関係が規定されている。プリンタプロファイルは、入力となるエルスター(L*)、エースター(a*)およびビースター(b*)の格子点に対応するCMYKSのデバイス値の対応関係が規定されている。ここで、Lab値とは、L*a*b*の色空間における色値である。本実施形態の画像形成装置のコントローラは、CMYK(+非プロセスカラーS)の画像データを、デバイス値が異なるC′M′Y′K′Sの印刷画像データに色変換する。
【0017】
具体的には、プロセスカラーをCMYKとし、非プロセスカラーをSとしたとき、色変換プロファイル(変換行列)は次式により表される。ここで、左辺が変更後の値であり、右辺が変更前の値である。
【0018】
【0019】
右辺第一項に登場するプロセスカラーの係数(a,b,c,d,a′
1,b′
1,c′
1,d′
1)は、プロセスカラーと非プロセスカラーの比率である。4色から5色への変換のときは、一般的にa+a′
1=1の関係式で与えられ、例えばa′
1=0.4であるが、インク等の色材の特性によっては比率の合計が1を超えてもよい。
【0020】
入力に6色の色変換プロファイルを使用する場合は、次式のようにプロセスカラーから2色分の非プロセスカラーを再計算する。なお、異なる色相または異なる階調特性の非プロセスカラーはS1,S2と区別する。
【0021】
【0022】
右辺第一項に登場するプロセスカラーの係数(a,b,c,d,a′
1,b′
1,c′
1,d′
1,a′
2,b′
2,c′
2,d′
2)は、プロセスカラーと2色の非プセスカラーの比率である。一般的にはa+(a′
1+a′
2)=1の関係式で与えられるが、インク等の色材の特性によっては比率の合計が1を超えてもよい。
【0023】
比率aは定数ではなく、ユーザにより指定される特定色の色値Xに応じて変化する値である。例えば、デバイス値がユーザにより指定される特定色の色値Xに近い程、比率aは0に近づき、遠い程、比率aは1に近づく。
【0024】
以下では、プロセスカラーであるCMYK4色の画像データから非プロセスカラーSを含むC′M′Y′K′S5色の印刷画像データに変換する処理を例にして実施形態の説明を行う。
【0025】
(画像処理システムの構成)
図1は、第1実施形態の画像処理システム1の構成を示す図である。
図1を参照しながら、本実施形態の画像処理システム1の構成について説明する。
【0026】
図1に示す画像処理システム1は、画像形成装置10を含むシステムである。画像処理システム1は、PC(Personal Computer)20と、を含む。画像形成装置10およびPC20は、ネットワークN等を介して互いに通信可能に接続される。
【0027】
画像形成装置10は、PC20等の外部装置から受信した画像データと、自身の記憶装置に記憶された画像データと、のうちのいずれか一つに基づき、画像処理および画像形成(印刷)を行う。画像形成装置10は、例えばMFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer)である。
【0028】
PC20は、ユーザの操作に従って、作成または選択された画像データに関する印刷命令を含む画像データを画像形成装置10へ送信する情報処理装置である。なお、PC20は、PCに限定されず、例えばスマートフォン、タブレット端末またはスキャナ装置等の他の種類の情報処理装置により構成されてもよい。
【0029】
図1に示す画像処理システム1の構成は一例であり、本システムには、例えばPC20から出力された画像データ等の印刷ジョブの管理を行うプリントサーバ等が含まれてもよい。
【0030】
(画像形成装置のハードウェア構成)
図2は、第1実施形態の画像形成装置10のハードウェア構成を示す図である。
図2を参照しながら、本実施形態の画像形成装置10のハードウェア構成について説明する。
【0031】
画像形成装置10は、コントローラ200と、操作表示部210(表示部の一例)と、FCU(Facsimile Control Unit)220と、プリンタ(プロッタ)231と、を有する。また画像形成装置10は、スキャナ232と、測色器233と、有する。コントローラ200と、操作表示部210と、FCU220と、プリンタ231と、スキャナ232と、測色器233とは、PCI(Peripheral Component Interface)バスで接続される。
【0032】
コントローラ200は、画像形成装置10全体の制御、描画、通信および操作表示部210からの入力等を制御する装置である。
【0033】
操作表示部210は、例えばタッチパネル等であり、コントローラ200に対する入力を受付ける入力機能と、画像形成装置10の状態等を表示する表示機能と、を有する。操作表示部210は、後述するASIC(Application Specific Integrated Circuit)206に直接接続されている。
【0034】
FCU220は、ファックス機能を実現する装置であり、例えばPCIバスによってASIC206に接続されている。
【0035】
プリンタ(プロッタ)231は、印刷機能を実現する印刷装置であり、例えばPCIバスによってASIC206に接続されている。スキャナ232は、スキャナ機能を実現する機能であり、例えば、PCIバスによってASIC206に接続されている。測色器233は、記録媒体に印字された画像に対して測色を行い、測色値としてデバイス非依存の色空間(例えばL*a*b*の色空間)における色値を取得する装置であり、例えばPCIバスによってASIC206に接続されている。
【0036】
コントローラ200は、CPU(Central Processing Unit)201と、システムメモリ(MEM-P)202と、ノースブリッジ(NB)203と、サウスブリッジ(SB)204aと、ネットワークI/F204bと、を有する。またコントローラ200は、USB(Universal Serial Bus)I/F204cと、セントロニクスI/F204dと、ASIC206と、ローカルメモリ(MEM-C)207と、補助記憶装置208と、を有する。
【0037】
CPU201は、画像形成装置10の全体制御を行うものであり、システムメモリ202、ノースブリッジ203およびサウスブリッジ204aにより構成されるチップセットに接続され、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0038】
システムメモリ202は、プログラムおよびデータの格納用メモリ、プログラムおよびデータの展開用メモリ、ならびにプリンタの描画用メモリ等として用いるメモリである。システムメモリ202は、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を有する。このうち、ROMは、プログラムおよびデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAMは、プログラムおよびデータの展開用メモリ、ならびにプリンタの描画用メモリ等として用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0039】
ノースブリッジ203は、CPU201と、システムメモリ202、サウスブリッジ204aおよびAGP(Accelerated Graphics Port)バス205とを接続するためのブリッジである。ノースブリッジ203は、システムメモリ202に対する読み書き等を制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットと、を有する。
【0040】
サウスブリッジ204aは、ノースブリッジ203と、PCIデバイスおよび周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。サウスブリッジ204aは、PCIバスを介してノースブリッジ203と接続されており、PCIバスには、ネットワークI/F204b、USBI/F204cおよびセントロニクスI/F204d等が接続されている。
【0041】
AGPバス205は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインターフェースである。AGPバス205は、システムメモリ202に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にするバスである。
【0042】
ASIC206は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス205、PCIバス、補助記憶装置208およびローカルメモリ207をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。ASIC206は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC206の中核をなすアービタ(ARB)と、ローカルメモリ207を制御するメモリコントローラと、を有する。
【0043】
またASIC206は、PCIユニットと、を有する。PCIユニットは、ハードウェアロジック等により画像データの回転等を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、プリンタ231およびスキャナ232との間でPCIバスを介したデータ転送を行う。ASIC206には、例えばPCIバスを介してFCU220、プリンタ231、スキャナ232および測色器233が接続される。またASIC206は、図示しないホストPC(Personal Computer)およびネットワーク等にも接続されている。
【0044】
ローカルメモリ207は、コピー用画像バッファおよび符号バッファとして用いるメモリである。
【0045】
補助記憶装置208は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、SD(Secure Digital)カードまたはフラッシュメモリ等の記憶装置である。補助記憶装置208は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、およびフォームの蓄積等を行うためのストレージである。
【0046】
なお、上述の画像形成装置10のプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルにより、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(補助記憶装置208等)に記録されて流通されるようにしてもよい。
【0047】
また測色器233は、PCIバス経由でコントローラ200とデータ通信を行うが、これに限定されるものではなく、ネットワークI/F204bを介したネットワーク経由により、コントローラ200とデータ通信が可能であってもよい。
【0048】
また
図2に示す画像形成装置10のハードウェア構成は一例であり、すべての構成機器を備えている必要はなく、また、他の構成機器を備えているものとしてもよい。
【0049】
(画像形成装置の機能構成および動作)
図3は、第1実施形態の画像形成装置10のコントローラ200の機能構成を示す図である。
図4は、第1実施形態の色変換部305の詳細構成を示す図である。
【0050】
図5は、第1実施形態のプロセスカラーと非プロセスカラーの関係を示す図である。
図5に示すプロセスカラーと非プロセスカラーの各ベクトルの始点は、紙等の記録媒体の地色の色値である。また各ベクトルの先端は各色の階調値100%を示す。各ベクトルは、色材、記録媒体および画像形成装置10等のデバイスの特性を表している。
【0051】
図6および
図7は、第1実施形態のプロセスカラーと非プロセスカラーの関係を示す図である。
図6では説明のため0~100%の階調値が線形のベクトルにより簡易的に表されているが、デバイスの特性に応じて色空間における各階調値に対して非線形のベクトルも存在する。この場合、非線形のベクトルを分解して領域ごとに処理することも可能である。
図7では色空間の原点を中心に非線形のベクトルを同心円状に3つの領域に分解し、デバイスの特性を近似した例が示されている。以降の説明では領域が一つのみであるものとして説明するが、必要に応じて繰り返し処理により領域ごとに算出すると補足的に説明する。
【0052】
図3~
図7を参照しながら、本実施形態の画像形成装置10のコントローラ200の機能ブロックの構成および動作について説明する。
【0053】
図3に示すように、画像形成装置10のコントローラ200は、記憶部301と、データ入出力部302と、色変換プロファイル生成部303と、画像データ取得部304と、色変換部305と、画像出力部306と、表示制御部307と、を有する。
【0054】
記憶部301は、例えば4色のICCプロファイル(比率変更前の色変換プロファイル)と、色変換プロファイル生成部303により生成される非プロセスカラー用の5色のICCプロファイル(比率変更後の色変換プロファイル)と、を記憶する。記憶部301は、
図2に示す補助記憶装置208等により実現される。
【0055】
データ入出力部302は、記憶部301からのデータの読み出しと、記憶部301へのデータの書き込みと、を行う。データ入出力部302は、例えば
図2に示すCPU201等のプロセッサで実行されるプログラム等により実現される。
【0056】
色変換プロファイル生成部303は、記憶部301からデータ入出力部302を介して比率変更前4色の色変換プロファイルを受け取る。そして色変換プロファイル生成部303は、プロセスカラーと非プロセスカラーのデバイス値の比率を算出することにより、プロセスカラーと非プロセスカラーのデバイス値を算出して、比率変更後5色の色変換プロファイルを生成する。なお、この計算プロセスはLab値に対して実行せず、網点面積率や彩度に適用することもできる。
【0057】
色変換プロファイルのLab値を操作する場合を考える。以降の説明では、「BtoA」はLab値からCMYKSのデバイス値への変換を意味し、後述する「AtoB」はCMYK値からLab値への変換を意味するものとする。
【0058】
色変換プロファイル生成部303は、比率変更後5色の色変換プロファイルを生成するために、ユーザにより指定された特定色の色値Xに基づいて非プロセスカラーの分配率γを算出する。そして色変換プロファイル生成部303は、非プロセスカラーの分配率γに基づいて比率変更前4色の色変換プロファイルにおけるプロセスカラーと非プロセスカラーの比率を変更する。
【0059】
図5および
図6に示すように色変換プロファイル生成部303は、プロセスカラーと非プロセスカラーの色空間上のベクトル関係を事前に算出しておく。色変換プロファイル生成部303は、プリンタプロファイルとしての比率変更前4色の色変換プロファイルからBtoAテーブルを取得する。色変換プロファイル生成部303は、BtoAテーブルにおけるLab値(Lab格子点)に対応するCMYKのデバイス値を、式1に従ってC′M′Y′K′S′のデバイス値に変換する。
【0060】
式1の右辺第一項目5行目の各ベクトル成分(v
C1,v
M1,v
Y1,v
K1)については、
図6から説明することができる。これらベクトル成分は、非プロセスカラーの各ベクトル成分をプロセスカラーにより表したものである。非プロセスカラーの各ベクトル成分は、プロセスカラーの各色材と非プロセスカラーの色材との間の関係を記録媒体の種類ごとに計測することにより、事前に算出しておく。色鮮やかな印刷が目的であって、混色による色合わせが目的ではない場合は、色相方向で近似的にベクトル成分を算出してもよい。なお、非プロセスカラーの各ベクトル成分の算出は、前述のユーザが行うものではなく、装置の提供者が事前に行ってパラメータとして装置に保存しておく。
【0061】
近似的に求めず厳密に非プロセスカラーの各ベクトル成分を算出する場合は、非プロセスカラーの各ベクトル成分を記録媒体の地色から繰り返し処理により算出することが好ましい。繰り返し処理とは、
図7に示すようにプロセスカラーの非線形のベクトルを色空間上で複数の領域に分割し、分割した領域ごとに非プロセスカラーの各ベクトル成分をプロセスカラーの線形のベクトル成分により算出する処理を指す。
【0062】
この領域の分割は、測色器233による測色により非プロセスカラーとプロセスカラーの関係性を算出した際の精度に応じて行われることが望ましい。つまり例えば21階調のパッチを用いて測色したのであれば、プロセスカラーの非線形のベクトルを21段階の領域に分割することが精度の観点からすると良い。
【0063】
また、非プロセスカラーの分配率γは0≦γ≦1であり、分配率γはユーザにより指定された特定色の色値Xに基づき決定される。特定色の色値Xが画像データ40上でユーザにより指定されたCYMK値から求めたLab値であると仮定すると、ワンポイント(特定色)であることから色値Xから色空間上で距離≒3以上で非プロセスカラーの分配率γ≒0になる。また色値Xから色空間上で距離≒0で非プロセスカラーの分配率γ=1になるのが適当である。
【0064】
図8および
図9は、第1実施形態の非プロセスカラーの分配率γを示す図である。非プロセスカラーの分配率γは、或る特定色の色空間上の距離に対して例えば
図8のような値をとる。
図8の分配率γの値は一例であり、
図9のような値をとってもよい。比率変更前のプロセスカラーと非プロセスカラーの比率がm:nの場合、比率変更後のプロセスカラーと非プロセスカラーの比率は、(m-m×γ):(n+m×γ)となる。ここで、0≦γ≦1である。
【0065】
色変換プロファイル生成部303は、比率変更前4色の色変換プロファイルからBtoAテーブルを取得し、取得したBtoAテーブルから、格子点情報としてCMYKのデバイス値を取り出す。そして色変換プロファイル生成部303は、取り出したCMYKのデバイス値がユーザにより指定された特定色の色値Xに近い程、非プロセスカラーの分配率γを上昇させる。他方、色変換プロファイル生成部303は、取り出したCMYKのデバイス値がユーザにより指定された特定色の色値Xから遠い程、非プロセスカラーの分配率γを低下させる。
【0066】
色変換プロファイル生成部303は、プリンタプロファイルとしての比率変更前4色の色変換プロファイルから取得されたBtoAテーブルの全てのLab値(Lab格子点)について、分配率γに基づきプロセスカラーと非プロセスカラーの比率を変更する。そして色変換プロファイル生成部303は、プロセスカラーと非プロセスカラーのデバイス値を算出し、Lab値(Lab格子点)に対応するCMYKSのデバイス値を設定することにより、比率変更後5色の色変換プロファイルのBtoAテーブルを生成する。
【0067】
同様に色変換プロファイル生成部303は、ソースプロファイルとしての比率変更前5色の色変換プロファイルから取得されたAtoBテーブルの全てのLab値(Lab格子点)について、分配率γに基づきプロセスカラーと非プロセスカラーの比率を変更する。そして色変換プロファイル生成部303は、プロセスカラーと非プロセスカラーのデバイス値を算出し、Lab値(Lab格子点)に対応するCMYKのデバイス値を設定することにより、比率変更後5色の色変換プロファイルのAtoBテーブルを生成する。なお、CMYK4色の画像データ40を入力する場合は、比率変更後5色の色変換プロファイルのAtoBテーブルを生成する必要はない。
【0068】
ここで、色変換プロファイル生成部303は、BtoAテーブルおよびAtoBテーブル共に、書き換えるのはCMYK値のみであり、PCS(Profile Connection Space)を構成するLab値の書き換えは行わない。
【0069】
色変換プロファイル生成部303は、生成した比率変更後5色プロファイルを、データ入出力部302を介して記憶部301に記憶させる。色変換プロファイル生成部303は、例えば
図2に示すCPU201等のプロセッサで実行されるプログラム等により実現される。
【0070】
画像データ取得部304は、例えばPC20等からネットワークNを介して、CMYKの画像データ40を取得する。画像データ取得部304は、取得したCMYKの画像データ40を色変換部305へ送出る。画像データ取得部304は、例えば
図2に示すCPU201等のプロセッサで実行されるプログラム等により実現される。
【0071】
色変換部305は、画像データ取得部304からCMYKの画像データ40を取得し、記憶部301からデータ入出力部302を介して比率変更後5色の色変換プロファイルを取得する。また色変換部305は、取得した比率変更後5色の色変換プロファイルを用いて、CMYKの画像データ40を、プリンタ231等に依存したC′M′Y′K′Sの印刷画像データ41へ色変換する。CMYKSの画像データ40としては、例えばCMYKのそれぞれを0~100の範囲でデバイス値を変化させて作成したものでよい。
【0072】
色変換部305は、
図4に示すように、ソースプロファイル変換部3051と、プリンタプロファイル変換部3052と、を有する。
【0073】
ソースプロファイル変換部3051は、記憶部301からデータ入出力部302を介して比率変更後5色の色変換プロファイルを取得する。またソースプロファイル変換部3051は、比率変更後5色の色変換プロファイルを用いて、画像データ取得部304から取得したCMYKの画像データ40を構成する画素のCMYK値をLab値へ変換する。ソースプロファイル変換部3051は、変換したLab値をプリンタプロファイル変換部3052へ送出する。
【0074】
プリンタプロファイル変換部3052は、記憶部301からデータ入出力部302を介して比率変更後5色の色変換プロファイルを取得する。またプリンタプロファイル変換部3052は、比率変更後5色の色変換プロファイルを用いて、ソースプロファイル変換部3051から受け取ったLab値をC′M′Y′K′Sのデバイス値に変換した印刷画像データ41を生成する。プリンタプロファイル変換部3052は、変換したC′M′Y′K′Sの印刷画像データ41を画像出力部306へ送出する。
【0075】
色変換部305は、例えば
図2に示すCPU201等のプロセッサで実行されるプログラム等により実現される。
【0076】
画像出力部306は、色変換部305により色変換されたC′M′Y′K′Sの印刷画像データ41をプリンタ231へ出力し、プリンタ231に印刷を実行させる。画像出力部306は、例えば
図2に示すCPU201等のプロセッサで実行されるプログラム等により実現される。
【0077】
表示制御部307は、操作表示部210における画面の表示制御と、操作表示部210における画面上の操作制御と、を行う。表示制御部307は、ユーザインタフェース画面を操作表示部210に表示する指令を行う。また表示制御部307は、ユーザにより指定された色値Xを入力して色変換プロファイル生成部303に送出する。
【0078】
また色値Xに対応する色変換プロファイルが事前に生成されている場合、表示制御部307は、ユーザインタフェース画面上でユーザにより選択された色変換プロファイルの識別情報を入力して色変換部305に送出する。表示制御部307は、例えば
図2に示すCPU201等のプロセッサで実行されるプログラム等により実現される。
【0079】
なお、
図3に示すコントローラ200の各機能部のうちプログラムにより実現される機能部は、少なくともその一部が、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC等のハードウェア回路により実現されてもよい。
【0080】
また、
図3に示すコントローラ200の各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば
図3に示すコントローラ200で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、
図3に示すコントローラ200で1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
【0081】
(色変換プロファイルの生成処理)
図10は、第1実施形態の色変換プロファイルの生成処理手順を示す図である。この処理手順は、葉の緑色、肌の色または果物の色等に最適な色変換プロファイルを事前に生成して所望のプロファイルをユーザに選択させる機能を実現する。
図10を参照しながら、画像形成装置10による非プロセスカラー用色変換プロファイルの生成処理の流れについて説明する。
【0082】
<ステップS11>
まず色変換プロファイル生成部303は、記憶部301からデータ入出力部302を介して、比率変更前4色の色変換プロファイルと、ユーザにより指定された特定色の色値Xと、を取得する。そして、ステップS12へ移行する。
【0083】
<ステップS12>
色変換プロファイル生成部303は、取得した比率変更前4色の色変換プロファイルからBtoAテーブルを取得する。そして、ステップS13へ移行する。
【0084】
<ステップS13>
色変換プロファイル生成部303は、取得したBtoAテーブルから格子点情報としてCMYKのデバイス値を取り出す。そして、ステップS14へ移行する。
【0085】
<ステップS14>
色変換プロファイル生成部303は、非プロセスカラーの分配率γに基づいてプロセスカラーと非プロセスカラーのデバイス値の比率を変更して、変換後のプロセスカラーおよび非プロセスカラーのデバイス値を算出する。そして、ステップS15へ移行する。
【0086】
<ステップS15>
色変換プロファイル生成部303は、取得したBtoAテーブルのCMYKのデバイス値(格子点情報)を、変換後のプロセスカラーおよび非プロセスカラーのデバイス値で書き換える。
【0087】
<ステップS16>
色変換プロファイル生成部303は、取得したBtoAテーブルにおける全てのCMYKのデバイス値(全格子点)について、ステップS13~S15の処理が終了したかを判定する(ステップS16)。全格子点について処理が終了した場合(ステップS16:Yes)、ステップS17へ移行し、全格子点について処理が終了していない場合(ステップS16:No)、ステップS13へ戻る。
【0088】
取得したBtoAテーブルにおける全てのCMYKのデバイス値(全格子点)について処理が終了した場合、比率変更後5色の色変換プロファイルのBtoAテーブルが生成されたことになる。
【0089】
<ステップS17>
色変換プロファイル生成部303は、比率変更前5色の色変換プロファイルから取得したAtoBテーブルにおける全てのCMYKのデバイス値(全格子点)についても、ステップS13~S16の処理が終了したかを判定する(ステップS17)。全格子点について処理が終了した場合(ステップS17:Yes)、ステップS19へ移行し、全格子点について処理が終了していない場合(ステップS17:No)、ステップS18へ移行する。
【0090】
<ステップS18>
色変換プロファイル生成部303は、比率変更前5色の色変換プロファイルからAtoBテーブルを取得する。そして、ステップS13へ戻る。なお、ステップS13~S15における、「BtoAテーブル」は、「AtoBテーブル」に読み替えるものとする。取得したAtoBテーブルにおける全てのCMYKのデバイス値(全格子点)について処理が終了した場合、比率変更後5色の色変換プロファイルのAtoBテーブルが生成されたことになる。なお、CMYKの画像データ40を入力する場合は、ステップS17およびステップS18の処理は不要である。
【0091】
<ステップS19>
色変換プロファイル生成部303は、必要に応じて比率変更後5色プロファイルの日付等のタグ情報を変更する。以上により、色変換プロファイル生成部303は、比率変更後5色プロファイルのBtoAテーブルおよびAtoBテーブル生成処理を終了する。
【0092】
(画像形成装置の色変換処理)
図11は、第1実施形態の画像形成装置10の印刷処理手順を示す図であり、
図12は、第1実施形態の画像形成装置10の色変換処理手順を示す図である。
図11および
図12を参照しながら、本実施形態の画像形成装置10の印刷処理の流れについて説明する。
【0093】
<ステップS21>
ユーザが画像データ40の印刷を実行する操作を行うと、画像データ取得部304は、ネットワークNを介してまたは記憶部301からデータ入出力部302を介して、CMYKの画像データ40を取得する。
【0094】
また
図10に示した色変換プロファイルが事前に生成されていない場合、画像データ取得部304は、操作表示部210から表示制御部307を介してまたは記憶部301からデータ入出力部302を介して、ユーザにより指定された特定色の色値Xを取得する。つまり色変換プロファイル生成部303が画像データ40の印刷時に比率変更後5色の色変換プロファイルを生成する。
【0095】
<ステップS22>
次いで色変換部305は、
図12に示す色変換処理を実行する。色変換処理は、以下のステップS221~S227の流れで実行される。
【0096】
<<ステップS221>>
色変換部305のソースプロファイル変換部3051は、画像データ取得部304により取得されたCMYKの画像データ40を取得する。また比率変更後5色の色変換プロファイルが事前に生成されていない場合、ソースプロファイル変換部3051は、ユーザにより指定された特定色の色値Xをさらに取得する。そして、ステップS222へ移行する。
【0097】
<<ステップS222>>
ソースプロファイル変換部3051は、記憶部301からデータ入出力部302を介して、比率変更前4色の色変換プロファイルを取得する。また色変換部305のプリンタプロファイル変換部3052は、記憶部301からデータ入出力部302を介して、比率変更後5色の色変換プロファイルと、を取得する。
【0098】
ここで、比率変更後5色の色変換プロファイルが事前に生成されていない場合、
図10を参照して説明したように色変換プロファイル生成部303が、ユーザにより指定された特定色の色値Xを用いて比率変更後5色の色変換プロファイルを生成する。そして、ステップS223へ移行する。
【0099】
<<ステップS223>>
次にソースプロファイル変換部3051は、取得した比率変更前4色の色変換プロファイル(AtoBテーブル)を用いて、画像データ40を構成する画素のCMYK値をLab値へ変換する。そしてソースプロファイル変換部3051は、変換したLab値をプリンタプロファイル変換部3052へ送出する。そして、ステップS224へ移行する。
【0100】
<<ステップS224>>
プリンタプロファイル変換部3052は、取得した比率変更後5色の色変換プロファイル(BtoAテーブル)を用いて、画像データ40を構成する画素のLab値をC′M′Y′K′Sのデバイス値へ変換して置換する。このとき、CMYKの画像データ40を構成する画素の色値がユーザにより指定された特定色の色値X(およびその周辺色の色値)である場合は、非プロセスカラーが適用される。なお、周辺色とは、特定色の周辺色であり、特定色から所定の色差の範囲内にある色である。そして、ステップS225へ移行する。
【0101】
<<ステップS225>>
プリンタプロファイル変換部3052は、CMYKの画像データ40の全画素について、C′M′Y′K′Sのデバイス値への変換および置換の処理を終了したかを判定する。画像データ40の全画素について処理が終了した場合(ステップS225:Yes)、ステップS226へ移行する。画像データ40の全画素について処理が終了していない場合(ステップS225:No)、ステップS223へ戻る。
【0102】
<<ステップS226>>
プリンタプロファイル変換部3052は、CMYKの画像データ40の全画素をC′M′Y′K′Sのデバイス値へ変換して置換した画像データを、C′M′Y′K′Sの印刷画像データ41として生成する。C′M′Y′K′Sの印刷画像データ41を構成する画素のC′M′Y′K′Sのデバイス値は、プリンタ231(プロッタ)に依存したデバイス値である。そして、ステップS227へ移行する。
【0103】
<<ステップS227>>
プリンタプロファイル変換部3052は、生成したC′M′Y′K′Sの印刷画像データ41を画像出力部306へ送出する。そして、色変換処理を終了し、
図11のステップS23へ移行する。
【0104】
<ステップS23>
画像出力部306は、色変換部305により色変換されたC′M′Y′K′Sの印刷画像データ41をプリンタ231(プロッタ)へ出力し、プリンタ231に印刷を実行させる。具体的には、画像出力部306は、色変換部305から受け取った印刷画像データ41が5色であった場合、プリンタ231の5ステーション目のトナー等の色材が非プロセスカラーであることを確認する。また画像出力部306は、異なる色材が装填されている場合には、例えばトナーボトル等の色材容器の交換等を促す通知を操作表示部210に表示させる。また画像出力部306は、非プロセスカラーのトナー等の色材が装填されている場合には、C′M′Y′K′Sの印刷画像データ41をプリンタ231(プロッタ)へ出力して印刷を実行させる。
【0105】
以上により、ユーザにより選択された比率変更後5色の色変換プロファイル、またはユーザにより指定された特定色の色値Xに基づき、CMYKの画像データ40をC′M′Y′K′Sの印刷画像データ41に変換してプリンタ231で印刷することができる。またユーザにより指定された特定色の色値X(およびその周辺色の色値)にのみ非プロセスカラーを適用して印刷することができる。
【0106】
(画像形成装置のユーザインタフェース)
図13は、第1実施形態の画像形成装置10のユーザインタフェース画面211を示す図である。表示制御部307は、ユーザにより選択された画像データ40を含むユーザインタフェース画面211を表示する指令を操作表示部210に対して行う。例えばユーザインタフェース画面211は、印刷ジョブの詳細設定画面またはプリンタドライバの印刷設定画面である。
【0107】
ユーザインタフェース画面211には、画像データ40の特定色に合った非プロセスカラー用色変換プロファイルをユーザに選択させる選択部212が含まれている。選択部212は、例えばドロップダウンリスト等の選択手段等により実現される。選択部212には、例えば次のような非プロセスカラー用色変換プロファイルが含まれている。
【0108】
(1)自然画プロファイル:葉の緑色に非プロセスカラーを使用したい場合に選択するプロファイル。非プロセスカラーには、例えば蛍光グリーン等が使用される。
(2)人物画プロファイル:人の肌の色に非プロセスカラーを使用したい場合に選択するプロファイル。非プロセスカラーには、例えばオークル等が使用される。
(3)口紅プロファイル:口紅の色に非プロセスカラーを使用したい場合に選択するプロファイル。非プロセスカラーには、例えば蛍光ピンク等が使用される。
【0109】
また選択部212には、非プロセスカラー用色変換プロファイルの利用説明と、非プロセスカラーの説明と、のうちの少なくとも一方が付与されていることが好ましい。
【0110】
このように非プロセスカラー用色変換プロファイルが事前に生成されている場合、表示制御部307は、記憶部301からデータ入出力部302を介して色変換プロファイルの一覧を取得する。そして表示制御部307は、色変換プロファイルの一覧を選択部212に表示する指令を行う。
【0111】
表示制御部307は、選択部212にてユーザにより選択された非プロセスカラー用色変換プロファイルの識別情報を入力して色変換部305に送出する。色変換部305は、前述の通り、非プロセスカラー用色変換プロファイルを用いて、非プロセスカラーが少なくとも特定色に適用された印刷画像データ41へ画像データ40を変換する。印刷画像データ41は、非プロセスカラーが特定色の周辺色にさらに適用されたデータでもよい。
【0112】
これにより、ユーザは画像データ40の特定色に合った非プロセスカラー用色変換プロファイルを選択するだけで、画像データ40を、非プロセスカラーが少なくとも特定色に適用された印刷画像データ41へ変換することができる。したがって、ユーザは非プロセスカラーをどのように混色すべきかをパッチまたはカラーチャート等の印刷物を直接目視して判断する必要がない。またパッチまたはカラーチャートの選定のために色を判断するスキルも不要であるため、ユーザの負担を軽減することができる。
【0113】
またユーザインタフェース画面211には、非プロセスカラーを使用したい特定色を画像データ40上でユーザに指定させる指定部213が含まれていてもよい。指定部213は、例えばマウスカーソルまたはタッチパネル等の指定手段により実現される。なお、ユーザインタフェース画面211には、選択部212および指定部213の少なくとも一方が含まれていればよい。
【0114】
表示制御部307は、指定部213を用いてユーザにより指定された特定色の色値Xを、デバイスに依存しないLab値に変換して表示する指令を操作表示部210に対して行う。あるいは、表示制御部307は、指定部213を用いてユーザにより指定された特定色の色値Xを、RGB値またはCMYK値として表示する指令を操作表示部210に対して行ってもよい。また表示制御部307は、指定部213を用いてユーザにより指定された特定色のxy座標値214を表示する指令を操作表示部210に対して行ってもよい。
【0115】
そして表示制御部307は、ユーザにより指定された特定色の色値Xを色変換プロファイル生成部303に送出する。色変換プロファイル生成部303は、ユーザにより指定された特定色の色値Xに基づき、非プロセスカラー用色変換プロファイルを事前に生成する。そして色変換部305は、非プロセスカラー用色変換プロファイルに基づき、画像データ40を、非プロセスカラーが少なくとも特定色に適用された印刷画像データ41へ変換する。印刷画像データ41は、非プロセスカラーが特定色の周辺色にさらに適用されたデータでもよい。
【0116】
これにより、非プロセスカラーを画像データ40のどの特定色に入れたいのかが分かっている場合は、ユーザが特定色を画像データ40上で指定するだけで、非プロセスカラーが少なくとも特定色に適用された印刷画像データ41へ変換することができる。ユーザにより指定された特定色およびその周辺色以外には、非プロセスカラーを入れないため、非プロセスカラーによる色の境目が見えず、色再現性が良好になる。したがって、ユーザはパッチまたはカラーチャート等の印刷物を直接目視して色再現性が良いと判断されるものを選定する必要がない。またユーザは色再現技術に関する知識を必要とせずに非プロセスカラーを適用したい特定色を画像データ40上で直感的に選択することができる。
【0117】
[第2実施形態]
(画像処理システムの構成)
図14は、第2実施形態の画像処理システム1の構成を示す図である。本実施形態の画像処理システム1は、DFE(Digital Front End)30を含むシステムである。DFE30、PC20および画像形成装置10は、ネットワークN等を介して互いに通信可能に接続される。以下では、前述の実施形態と異なる部分について説明する。
【0118】
PC20は、ユーザの操作に従って、作成または選択された画像データに関する印刷命令を含む画像データをDFE30へ送信する情報処理装置である。なお、PC20は、PCに限定されず、例えばスマートフォン、タブレット端末またはスキャナ装置等の他の種類の情報処理装置により構成されてもよい。
【0119】
DFE30は、PC20等の外部装置から受信した画像データ40と、自身の記憶装置に記憶された画像データ40と、のうちのいずれか一つに基づき、画像処理を行う。例えばDFE30は、画像データ40に対して、色変換処理および階調処理等の所定の画像処理を実行する。そしてDFE30は、画像データ40を印刷画像データ41に変換して画像形成装置10へ送信する。DFE30は、画像処理装置の一例である。
【0120】
画像形成装置10は、DFE30等の外部装置から受信した印刷画像データ41と、自身の記憶装置に記憶された印刷画像データ41と、のうちのいずれか一つに基づき、画像形成(印刷)を行う。画像形成装置10は、例えばMFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer)である。
【0121】
図14に示す画像処理システム1の構成は一例であり、本システムには、例えばPC20から出力された画像データ40等の印刷ジョブの管理を行うプリントサーバ等が含まれてもよい。
【0122】
(画像処理装置のハードウェア構成)
図15は、第2実施形態の画像処理装置(DFE30)のハードウェア構成を示す図である。
図15を参照しながら、本実施形態のDFE30のハードウェア構成について説明する。
【0123】
DFE30は、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)33と、を有する。またDFE30は、SSD(Solid State Drive)34と、HDD(Hard Disk Drive)35と、を有する。さらにDFE30は、I/F(Interface)36と、LCD(Liquid Crystal Display)37(表示部の一例)と、操作部38と、通信I/F39と、を有する。これらハードウェア要素は、バス100により電気的に接続される。
【0124】
CPU31は装置全体を制御するプロセッサである。ROM32は各種データおよび各種プログラムを記憶する。RAM33はワーキングエリアとして使用される主記憶部である。SSD34およびHDD35は、各種データおよび各種プログラムを記憶する等の補助記憶部である。I/F36は、操作部38等から各種情報を入力すると共に、LCD37等へ各種情報を出力する入出力回路である。通信I/F39は、有線または無線によりPC20および画像形成装置10等の外部装置と通信する通信回路である。
【0125】
つまり
図2に示されるDFE30は、通常のPCと同じハードウェア構成である。DFE20における各種処理は、DFE30のCPU31が主記憶部または補助記憶部に記憶されている各種プログラムを実行することにより実現される。なお、DFE30は、一般的なコンピュータに限らず、その機能を個別の回路(ハードウェア)により実現することもできる。
【0126】
画像処理装置(DFE30)の機能構成および動作は、
図3~
図13を参照して説明した画像形成装置10の機能構成および動作と同じであるため、説明を省略する。
【0127】
なお、本開示の技術は、CMYK4色の画像データ40をC′M′Y′K′S1S26色の印刷画像データ41に変換する処理、またはCMYKS5色の画像データ40をC′M′Y′K′S′5色の印刷画像データ41に変換する処理等に適用することができる。また本開示の技術は、RGBの画像データ40からCMYKS5色の印刷画像データ41に変換する処理等にも適用することができる。つまり本開示の技術は、種々の画像データ40から、非プロセスカラーが含まれる印刷画像データ41へ変換する処理に適用することができる。
【0128】
<実施形態の作用効果>
以上の実施形態によれば、ユーザは画像データ40の特定色に合った非プロセスカラー用色変換プロファイルを選択するだけで、画像データ40を、非プロセスカラーが少なくとも特定色に適用された印刷画像データ41へ変換することができる。したがって、ユーザは非プロセスカラーをどのように混色すべきかをパッチまたはカラーチャート等の印刷物を直接目視して判断する必要がない。またパッチまたはカラーチャートの選定のために色を判断するスキルも不要であるため、ユーザの負担を軽減することができる。
【0129】
また非プロセスカラーを画像データ40のどの特定色に入れたいのかが分かっている場合は、ユーザが特定色を画像データ40上で指定するだけで、画像データ40を、非プロセスカラーが少なくとも特定色に適用された印刷画像データ41へ変換することができる。ユーザにより指定された特定色およびその周辺色以外には、非プロセスカラーを入れないため、非プロセスカラーによる色の境目が見えず、色再現性が良好になる。したがって、ユーザはパッチまたはカラーチャート等の印刷物を直接目視して色再現性が良いと判断されるものを選定する必要がない。またユーザは色再現技術に関する知識を必要とせずに非プロセスカラーを適用したい特定色を画像データ40上で直感的に選択することができる。
【0130】
よって、非プロセスカラーを使用したいユーザの負担を軽減することができる。
【0131】
上記で説明した実施形態の各機能は、一または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで本明細書における「処理回路」は、電子回路で実装するプロセッサのようにソフトウェアにより各機能を実行するようにプログラミングしたプロセッサを含む。あるいは「処理回路」は、各機能を実行するように設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはDSP(Digital Signal Processor)等のデバイスを含む。また「処理回路」は、FPGA(Field Programmable Gate Array)または従来の回路モジュール等のデバイスを含む。
【0132】
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形および置換を加えることができる。
【0133】
また、上述した実施形態の説明で用いた序数、数量等の数字は、全て本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
【0134】
本開示の態様は、例えば以下の通りである。
<1> プロセスカラーの各色材と、前記プロセスカラーのいずれの色とも異なる非プロセスカラーの色材と、を用いる画像形成装置に通信可能に接続する画像処理装置であって、
画像データの特定色に合った非プロセスカラー用色変換プロファイルをユーザに選択させる選択部と、前記非プロセスカラーが適用される前記特定色を前記画像データ上でユーザに指定させる指定部と、のうちの少なくとも一方を含むユーザインタフェース画面を表示する指令を行う表示制御部と、
前記ユーザにより選択された前記非プロセスカラー用色変換プロファイルと、前記ユーザにより指定された前記特定色の色値と、のうちのいずれか一方に基づき、前記画像データを、前記非プロセスカラーが少なくとも前記特定色に適用された印刷画像データへ変換して出力する色変換部と、
を有する、画像処理装置。
<2> 前記印刷画像データは、前記非プロセスカラーが前記特定色の周辺色にさらに適用されたデータである、前記<1>に記載の画像処理装置。
<3> 前記非プロセスカラー用色変換プロファイルの前記選択部には、前記色変換プロファイルの利用方法と、前記非プロセスカラーの説明と、のうちの少なくとも一方が付与されている、前記<1>または<2>に記載の画像処理装置。
<4> 前記非プロセスカラー用色変換プロファイルは、印刷ジョブの詳細設定画面と、プリンタドライバの印刷設定画面と、のうちのいずれか一方の前記ユーザインタフェース画面上で前記ユーザにより選択される、前記<1>~<3>のいずれか一つに記載の画像処理装置。
<5> 前記非プロセスカラーと前記プロセスカラーとの間の関係性と、前記ユーザにより指定された前記特定色の前記色値と、に基づき、前記非プロセスカラー用色変換プロファイルを生成する色変換プロファイル生成部をさらに有する、前記<1>~<4>のいずれか一つに記載の画像処理装置。
<6> 前記色変換プロファイル生成部は、前記非プロセスカラーのベクトル成分を前記プロセスカラーの各ベクトルから算出し、前記非プロセスカラーの分配率を前記ユーザにより指定された前記特定色の前記色値から算出する、前記<5>に記載の画像処理装置。
<7> 前記色変換プロファイル生成部は、前記プロセスカラーと前記非プロセスカラーとの比率を変更する前の前記色変換プロファイルを用いて前記画像データを構成する画素の色値をデバイス値に変換し、前記デバイス値が前記特定色の前記色値に近い程、前記非プロセスカラーの前記分配率を上昇させ、前記デバイス値が前記特定色の前記色値から遠い程、前記非プロセスカラーの前記分配率を低下させる、前記<6>に記載の画像処理装置。
<8> 前記<1>~<7>のいずれか一つに記載の画像処理装置を有する、画像形成装置。
<9> プロセスカラーの各色材と、前記プロセスカラーのいずれの色とも異なる非プロセスカラーの色材と、を用いる画像形成装置に通信可能に接続する画像処理装置による画像処理方法であって、前記画像処理装置が、
画像データの特定色に合った非プロセスカラー用色変換プロファイルをユーザに選択させる選択部と、前記非プロセスカラーが適用される前記特定色を前記画像データ上でユーザに指定させる指定部と、のうちの少なくとも一方を含むユーザインタフェース画面を表示する指令を行うステップと、
前記ユーザにより選択された前記非プロセスカラー用色変換プロファイルと、前記ユーザにより指定された前記特定色の色値と、のうちのいずれか一方に基づき、前記画像データを、前記非プロセスカラーが少なくとも前記特定色に適用された印刷画像データへ変換して出力するステップと、
を実行する、画像処理方法。
<10> プロセスカラーの各色材と、前記プロセスカラーのいずれの色とも異なる非プロセスカラーの色材と、を用いる画像形成装置に通信可能に接続する画像処理装置のコンピュータに、
画像データの特定色に合った非プロセスカラー用色変換プロファイルをユーザに選択させる選択部と、前記非プロセスカラーが適用される前記特定色を前記画像データ上でユーザに指定させる指定部と、のうちの少なくとも一方を含むユーザインタフェース画面を表示する指令を行うステップと、
前記ユーザにより選択された前記非プロセスカラー用色変換プロファイルと、前記ユーザにより指定された前記特定色の色値と、のうちのいずれか一方に基づき、前記画像データを、前記非プロセスカラーが少なくとも前記特定色に適用された印刷画像データへ変換して出力するステップと、
を実行させる、プログラム。
【符号の説明】
【0135】
1 画像処理システム
10 画像形成装置
20 PC
200 コントローラ
201 CPU
202 システムメモリ
203 ノースブリッジ
204a サウスブリッジ
204b ネットワークI/F
204c USBI/F
204d セントロニクスI/F
205 AGPバス
206 ASIC
207 ローカルメモリ
208 補助記憶装置
210 操作表示部
211 ユーザインタフェース画面
212 選択部
213 指定部
220 FCU
231 プリンタ(プロッタ)
232 スキャナ
233 測色器
301 記憶部
302 データ入出力部
303 色変換プロファイル生成部
304 画像データ取得部
305 色変換部
3051 ソースプロファイル変換部
3052 プリンタプロファイル変換部
306 画像出力部
307 表示制御部
30 DEF(画像処理装置の一例)
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 SSD
35 HDD
36 I/F
37 LCD
38 操作部
39 通信I/F
100 バス
40 画像データ
41 印刷画像データ
42 ソースプロファイル
43 プリンタプロファイル
N ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0136】
【特許文献1】特開2020-198585号公報
【特許文献2】特開平9-270927号公報